【発明の詳細な説明】
内部通気管を備えたばねブレーキアクチュエーター
発明の背景 発明の分野
本発明は、車両用の空気圧式ダイヤフラムブレーキに関し、特に、常用ブレー
キアクチュエーター組立体とばねブレーキアクチュエーター組立体との組合せに
関する。従来技術の状況
バス、トラック等のような車両用の空気ブレーキ装置は、通常、ブレーキ・シ
ュー−ドラム組立体を含んでおり、このブレーキ・シュー−ドラム組立体は、圧
縮空気の選択的な適用によって作動させられるアクチュエーターにより、作動さ
せられる。在来の空気ブレーキアクチュエーターは、通常の運転状態下で圧縮空
気の適用によってブレーキを作動させる常用ブレーキアクチュエーターと、空気
圧が解放された際にブレーキを作動させるばね型非常ブレーキアクチュエーター
との両方を有している。非常ブレーキアクチュエーターは、空気が解放された際
にブレーキの作用を強制する、強力な圧縮ばねを含んでいる。これは、しばしば
、ばねブレーキと呼ばれている。
通常、ばねブレーキアクチュエーターは、常用ブレーキアクチュエーターと直
列に配置されている。十分な圧力がばねブレーキアクチュエーターに加わると、
ダイヤフラムに作用する空気圧が、圧縮ばねを圧縮する。ばねブレーキの作動棒
は、ブレーキの作動に影響を与えない、比較的小さい戻しばねによって後退位置
に保持されている。通常の運転操作の間にブレーキが作用させられるべき場合に
は、圧縮空気が、常用ブレーキアクチュエーターに供給され、これは、ダイヤフ
ラムに作用して常用ブレーキ押し棒が延出させられることを引き起こすと共に、
常用ブレーキアクチュエーターに加えられた空気圧に比例する作動力でブレーキ
が作用させられることを引き起こす。空気圧が失われた場合、又は空気がばねブ
レーキアクチュエーターから意図的に排気された場合には、ブレーキは、圧縮ば
ねの力であって、ばねブレーキ押し棒に作用し、このばねブレーキ押し棒は常用
ブレーキ押し棒に作用してブレーキを作用させる、ものにより、機械的に作動さ
せられる。従って、ばねブレーキ部は、駐車ブレーキ及び非常ブレーキとして機
能する。
従来技術の通常のブレーキ装置においては、ばねブレーキアクチュエーターと
常用ブレーキアクチュエーターとが、ばねブレーキ部と常用ブレーキ部とを備え
ている単一のハウジング内に配置されている。常用ブレーキ部は、常用ブレーキ
押し棒に作用する可撓性の常用ダイヤフラムによって部分的に画成されている空
気チャンバと、空気が空気チャンバから排気された際にブレーキの適切な解除を
確実にするための戻しばねとを含んでいる。ばねブレーキ部は、共にばねブレー
キダイヤフラムによって部分的に画成されている、ばねチャンバと空気チャンバ
とを含んでおり、そのばねブレーキダイヤフラムは、空気圧が空気チャンバ内の
ばねブレーキダイヤフラムに加えられると、ばねチャンバ内の圧縮ばねを圧縮す
べく、ばね圧力板に作用する。作動棒が、圧力板と一体に接続されているばねブ
レーキダイヤフラムを貫通して延在している。作動時において、それは、常用ブ
レーキの常用ダイヤフラム及び押し棒と係合すべく、空気圧シールを設けられて
いるハウジング・開口部−ベアリングを通して空気チャンバから外方に押され、
これにより、ブレーキが作用させられる。ばねブレーキダイヤフラムは、中央に
配置されている孔であって環状縁部を有するものを設けられていると共に、作動
棒は、その開口を通って延在し、気密シールを形成するための環状縁部と係合す
る。作動棒は、中空で中央内腔を備えていると共に、ブレーキ解除拘束ボルトが
、中央内腔内に延びている。ボルトの端板は、ばねブレーキ圧力板と係合してお
り、もって、ボルトの回転によってばねが拘束されると、ばねは、圧縮状態に収
縮させられる。
ばねブレーキダイヤフラムのばね側のばねチャンバは、通常、外の大気に通気
させられており、もって、ばねチャンバ内のばねブレーキ圧縮ばねを圧縮するば
ね方向にダイヤフラムが作動させられると、ハウジングのその部分から空気が排
気されることが、可能になる。ばねが膨張すると、ダイヤフラムは、ばねチャン
バが拡張する方向に移動させられると共に、外の空気が、ばねチャンバ内に吸引
される。ばねチャンバは、トラックのシャシの下で外の大気に通気させられてい
るので、ばねチャンバ内に吸引される外の空気は、塩化カルシウムのような、吸
湿性且つ腐食性の物質をしばしば伴っている。ばねはそれが反復するにつれて疲
労し、そして、その裸金属が結果的にさらされることになるので、ばねは、空気
内の汚染物が原因で腐食する傾向がある。また、ばねブレーキ圧縮ばねは、非常
ブレーキとして作用すべく、かなりの力を出さなければならないので、ばねは、
それが圧縮されている際には大きな応力下にある。ばねの耐久性は、それが経験
するところの腐食及び応力の量に反比例する。シールされたハウジングにおいて
は、ばねは、ハウジングを永久的に歪ませることなくハウジングから取り出され
ることはできない。他のハウジングにおいては、アクチュエーターは、新しいア
クチュエーターによって置き換えられなければならず、そして、古いアクチュエ
ーターは、再生工場に送られなければならない。いずれの場合においても、アク
チュエーターは、トラック運転手によっては修理され得ない。従って、ばねブレ
ーキ圧縮ばねが破損すると、ブレーキ作動ユニット全体が、かなりの費用を掛け
て置き換えられなければならない。
ばねチャンバからブレーキアクチュエーターの他の部分に空気を向けるための
通気管と、ブレーキアクチュエーターの内部から大気への、空気の一方通行の流
れを提供するための内部逆止め弁との設置を含む試みが、ばねチャンバをシール
すべくなされてきた。例えば、Choinski他への米国特許第5,263,4
03号及び第5,311,809号は、ブレーキアクチュエーターを開示しており
、このブレーキアクチュエーターは、ばねブレーキチャンバーと、加圧されない
常用ブレーキチャンバーであって、ブレーキアクチュエーターの外面に装着され
ている通気管によって流れ的に相互接続されているものとを有している。Mul
linsへの米国特許第4,890,540号は、1対の通気孔を設けられている
ハウジングを有するブレーキ作動ユニットであって、汚染物がハウジングに入る
のを防止すべく、一方の通気孔が塞がれているものを開示している。更に、Ne
wstead他への米国特許第3,896,706号は、管状のピストンを有する
ブレーキユニットを開示しており、そのピストンは、ばねハウジング内へ延びて
いる通気孔を
含んでおり、そのばねハウジングは、順に、ばねハウジングの一方の端部におい
てフィルターと連通している。ばねチャンバに入る汚染された空気の問題に対す
る従来技術の解決法は、実行不可能であるということ、又は製造するのに費用が
掛かり且つ複雑であるということが判明している。
発明の概要
本発明に係るブレーキアクチュエーターは、内部通気管であって、常用ブレー
キハウジングを、ばねブレーキハウジングに流れ的に接続されているフィルター
に接続するものを設けることにより、汚染物がブレーキアクチュエーターハウジ
ングに入るのを防止するという課題に取り組んでいる。
一の実施例においては、ブレーキアクチュエーターは、ばねブレーキアクチュ
エーターハウジングと、常用ブレーキアクチュエーターハウジングとを具備して
おり、ばねブレーキアクチュエーターハウジングは、その中に配置されており且
つその内部を第1ばねブレーキアクチュエーターチャンバーと第2ばねブレーキ
アクチュエーターチャンバーとに分割している第1可動部材を有している。第1
可動部材は、好適に、その中で、第2ばねブレーキチャンバーへの加圧された流
体の供給及び排出に応じて往復運動可能である。ばねが、第1可動部材を第1の
位置に押圧する状態で第1ばねブレーキチャンバー内に配置されており、第2ば
ねブレーキチャンバーは、加圧された流体の第2ばねブレーキチャンバーからの
排出時に潰れる。常用ブレーキアクチュエーターハウジングは、その中に配置さ
れており且つその内部を第1常用ブレーキアクチュエーターチャンバーと第2常
用ブレーキアクチュエーターチャンバーとに分割している第2可動部材を有して
いる。第2可動部材は、好適に、その中で、第1常用ブレーキチャンバーへの加
圧された流体の供給及び排出に応じて往復運動可能である。中空のばねブレーキ
作動棒が、第1可動部材に作用的に接続されていると共に、常用ブレーキ作動棒
が、第2可動部材に作用的に接続されている。常用ブレーキ作動棒は、ブレーキ
に接続すべく、常用ブレーキアクチュエーターハウジングを貫通して延在してい
る。本発明に係る改良は、以下の通りである。即ち、常用ブレーキアクチュエー
ターハウジングが、シールされており、且つ、ばねブレーキアクチュエーターハ
ウジングが、第1ばねブレーキアクチュエーターチャンバー内の少なくとも1つ
の被濾過通気開口部を除いてシールされており、常用ブレーキ作動棒が、中空で
あると共に、第2常用ブレーキアクチュエーターチャンバーと連通している開口
を備えており、ばねブレーキ作動棒が、第1ばねブレーキアクチュエーターチャ
ンバーと連通しており、且つ、それが、第2可動部材を貫通して延在して常用ブ
レーキ作動棒と連通しており、もって、第1常用ブレーキチャンバーが加圧され
ると、第2常用ブレーキアクチュエーターチャンバーからの流体が、常用ブレー
キ作動棒とばねブレーキ作動棒とを通して排出される。
第2可動部材は、好適に、孔を有している。常用ブレーキ作動棒は、好適に、
第2可動部材に固定されていると共に、ばねブレーキ作動棒は、孔を通って常用
ブレーキ作動棒内へ延びている。常用ブレーキ作動棒は、好適に、第2可動部材
内へプレス嵌めされている。第2可動部材は、好適に、常用ブレーキアクチュエ
ーターハウジングに、その周縁部において装着されているダイヤフラムを備えて
いる。第2可動部材は、好適に、圧力板を更に備えており、且つ、常用ブレーキ
作動棒は、好適に、圧力板にプレス嵌めされている。Oリングシールが、好適に
、ばねブレーキ作動棒と第2可動部材との間に配置されている。
ブレーキアクチュエーターは、好適に、常用ブレーキ作動棒の端部に配置され
ているプラグを更に具備している。第2ばねブレーキチャンバーが排気された際
にブレーキと係合すべく、ばねブレーキ作動棒は、好適に、プラグと当接して常
用ブレーキアクチュエーターを押圧するのに十分に深く、常用ブレーキ作動棒内
へ延びている。常用ブレーキ作動棒における開口は、好適に、第2可動部材に隣
接して位置させられている。少なくとも1つのウィープホールが、好適に、ばね
ブレーキ作動棒の各端部に配置されており、もって、ばねブレーキ作動棒の各端
部における少なくとも1つのウィープホールが、常用ブレーキ作動棒の内部を第
1ばねブレーキチャンバーと流れ的に接続している。拘束棒が、好適に、第1端
部においてばねブレーキアクチュエーターハウジングに装着されており且つばね
ブレーキ作動棒内に延びている。拘束棒の第2端部は、好適に、その上にプレー
トを有している。拘束棒の第2端部におけるプレートは、好適に、それを貫通し
て延在している少なくとも1つの通路を有している。プレート内の少なくと
も1つの通路は、好適に、プレートの周縁部から内方に配置されている。
他の実施例においては、本発明に係るブレーキアクチュエーターは、好適に、
ピストンを備えている第2可動部材を有している。ピストンは、本明細書中で記
載されている常用ブレーキ作動棒を搭載し得る。
図面の簡単な説明
図1は、本発明に係る、内部通気管を備えたダイヤフラム型ばねブレーキアク
チュエーターの断面図である。
図2は、図1の2−2線に沿う、ばねブレーキアクチュエーターの拘束棒ヘッ
ドの断面図である。
図3は、本発明に係る、内部通気管を備えたピストン型ばねブレーキアクチュ
エーターの断面図である。
詳細な説明
図1は、当業界において良く知られている一般的な形状を有していると共に、
本発明の教示によって改造された空気圧式ブレーキ作動ユニット10の断面図を
示している。作動ユニット10は、ばねブレーキ部即ち非常ブレーキ部14に直
列で装着されている常用ブレーキ部12を備えている。常用ブレーキの押し棒1
8が、常用ブレーキ12から延出していると共に、標準的な態様で在来のブレー
キ・シュー−ドラム(図示せず)に作用的に接続すべく構成されている。押し棒
18の往復運動は、ブレーキが交互に作用・解除されることを引き起こすであろ
う。
常用ブレーキ12は、1対の対面しているカップ形状のハウジングセクション
20及び22を備えており、各ハウジングセクションは、外方に向けられている
フランジ縁部24を有している。ハウジングセクション20,22は、クランプ
26により、それらのフランジ縁部において一体となるようにしてクランプされ
ており、もって、その両側に、第1常用ブレーキチャンバ30及び第2常用ブレ
ーキチャンバー31を形成している。弾性のダイヤフラム32が、内部チャンバ
30内に装架されていると共に、ハウジングセクション20,22のフランジ縁
部24間にその周縁部において締着されている。ハウジングセクション20は、
その中に中央開口部34を設けられている。常用ブレーキの押し棒18は、ハウ
ジングセクション20における開口部34を貫通して第1常用ブレーキチャンバ
30内へ延びており、その押し棒は、その第1常用ブレーキチャンバ内において
、圧力板36内に終端している。圧力板36は、基部40を有する同軸で円筒状
のスリーブ38を含んでいる。押し棒ガイド42が、中央開口部34の周囲に配
置されていると共に、半径方向に延出しているフランジを有するスリーブ44を
備えており、そのフランジは、ばね座46を形成している。圧縮ばね48が、圧
力板36の基部40と押し棒ガイド42のばね座46との間に延在している。押
し棒ガイド42は、開口部34の周りでばね48の心出しを行うべく作用する。
常用ブレーキの押し棒18は、第1端部52と第2端部54とを有する細長い
円筒状のスリーブ50を備えている。常用ブレーキの押し棒18の第1端部52
は、圧力板36の基部40に装着されている。常用ブレーキの押し棒18の第2
端部54は、押し棒ガイド42のスリーブ部44内に装着されていると共に、中
央開口部44を貫通して延在している。第2端部54は、プラグ56によって塞
がれており、このプラグは、ブレーキ組立体(図示せず)に作用的に接続されて
いる、回動可能な作動棒58を搭載している。スリーブ50は、内部チャンバー
60を画成している。第1端部52は、圧力板36の基部40に隣接して配置さ
れている、幾つかのウィープホール62を更に含んでいる。Oリング64が、押
し棒ガイド42とスリーブ50との間に、それらの間のシールをもたらすべく位
置させられている。従って、ばね48は、圧力板36と常用ブレーキの押し棒1
8とを、図1に示されている完全に後退させられた位置まで押圧する傾向がある
。
ばねブレーキ14は、1対の対面しているカップ形状のハウジングセクション
66,68を備えている。ハウジングセクション22,66は、一体鋳造片で形
成され得る。ハウジングセクション66及び68は、各々、外方に向けられてい
る周縁フランジ縁部70及び周縁湾曲縁部72をそれぞれ設けられている。ハウ
ジングセクション66及び68は、ハウジングセクション66における縁部70
と係合しているハウジングセクション68における湾曲縁部72により、一体と
なるようにしてクランプされている。弾性のダイヤフラム74が、ハウジングセ
クション66,68の縁部70,72間に周縁部76において締着されていると
共に、ばねブレーキ14の内部を、第1ばねブレーキチャンバー76と第2ばね
ブレーキチャンバー78とに分割している。非常ブレーキがその通常の解除位置
にあるときには、第1ばねブレーキチャンバー76は、ハウジングセクション6
6における空気サービスポート80を介して通常は供給される圧縮空気で満たさ
れている。第2ばねブレーキチャンバー78は、強力なばねブレーキ圧縮ばね8
2を収容している。
押し棒18と整合させられている作動棒84は、近端部86と遠端部88とを
有する円筒状のスリーブを備えている。近端部86及び遠端部88は、幾つかの
ウィープホール102及び104をそれぞれ設けられている。
作動棒84の近端部86は、ダイヤフラム74内の中央に配置されている孔9
0を貫通して延在していると共に、圧縮ばね82と係合している圧力板92内に
終端している。圧力板92は、ばね82の一方の端部と係合している実質的に平
坦な部分94と、ばね82の軸と同軸に延在している管状の又は円錐台状のステ
ム96とを備えている。ステム96は、作動棒84の近端部86上へプレス嵌め
されており、もって、圧力板92及び作動棒84は、一体のユニットを形成して
いる。ハウジングセクション68の端壁内の管状凹部98が、ばね82用の受座
として機能すると共に、ばね72の力に抗する剛性を端壁にもたらす。
作動棒84の遠端部88は、ハウジングセクション66の端壁内の中央開口部
106であってOリング108によってシールされているものを通り、常用圧力
板36の円筒状のスリーブ38を通り、そしてスリーブ50の内部チャンバー6
0内まで延びている。Oリング108は、第2常用ブレーキチャンバー31を第
1ばねブレーキチャンバー76からシールしている。スリーブ38内のOリング
109が、内部チャンバー30を常用ブレーキチャンバー31からシールしてい
る。作動棒84の遠端部88は、反応板110内に終端しており、この反応板は
、作動棒84の遠端部88を完全に塞いでいる環状の受座112を設けられてい
る。非常ブレーキ及び常用ブレーキが共に係合させられていないときには、反応
板110の端部は、プラグ56に当接している。反応板110は、環状溝を画成
しているスペーサーフランジ114を含んでおり、この環状溝は、テフロン、デ
ルリ
ン等から作られている低摩擦摩耗バンド115を保持しており、この低摩擦摩耗
バンドは、押し棒アクチュエーター18のスリーブ50のチャンバー60内で、
反応板110、そして、順に、作動棒84の心出しを行っている。これにより、
環状ギャップ116が、画成されており、この環状ギャップは、作動棒84によ
って画定されている内方境界部と、押し棒アクチュエーター18のスリーブ50
によって画定されている外方境界部とを有している。
作動棒84は、ブレーキ解除拘束棒118を好適に収容しており、このブレー
キ解除拘束棒は、その中に同軸で配置されていると共に、第1端部120と第2
端部122とを有している。第1端部120は、圧力板92のステム96内の同
軸内腔と、環状凹部98と同軸のハウジング部68の端壁内の同軸孔とを通って
延出している。拘束棒118の第2端部122は、大きなプレート124を搭載
している。拘束棒118は、ばねブレーキを手動で解除するために、又は、メイ
ンテナンスがブレーキ組立体に行われる際に、圧縮ばね82が圧縮された(即ち
拘束された)ままであることを確実にするために、使用される。
図1に、そしてより詳細に図2に見られるように、プレート124は、作動棒
84の内径にほぼ対応する、即ちそれよりも極僅かに小さい外径を有している。
プレート124は、幾つかの半径方向スロット即ち通路126をも含んでおり、
これらの半径方向スロット即ち通路は、プレート124の周りに隔置されている
と共に、その周縁部から半径方向内方に延在している。
拘束棒118は、好適に、環状凹部98と同軸のハウジングセクション68の
端壁に、例えば溶接により、装着されているねじ込カラー128のような固定ね
じ込開口部内に螺入する、ボルト又はその類似物であるということが、理解され
よう。六角ナット130が、拘束棒118の第1端部120に固着されており、
もって、一般のレンチ又は類似物による、ばねブレーキ14の内外への棒118
の螺入出が、容易になる。
内方に向けられている環状の肩部132が、圧力板92のステム96に設けら
れており、もって、作動棒84が作動させられる際のその作動棒84の近端部8
6との積極的な係合をもたらすと共に、その肩部132は、拘束棒118が引き
出される際にプレート124がそれに当接するところの、拘束棒118の第2端
部122におけるプレート124用の係合面としても機能する。引出し時におい
て、拘束棒118は、圧縮ばね82をその圧縮された状態即ち拘束された状態に
保持する。そうでない場合には、肩部132と拘束棒118のプレート124と
が係合することなく、作動棒84がその全移動長を延出することを可能にするに
十分な距離だけ、拘束棒118は、作動棒84の遠端部88に向かって延出して
いる。
図1は、環状凹部98と同軸の、ハウジングセクション68の端壁に装着され
ているフィルター組立体134を更に示しており、このフィルター組立体は、環
状凹部内のウィープホール100を覆っている。フィルター組立体134は、第
2ばねブレーキチャンバー78への入口用の及びそれからの出口用の曲がりくね
った空気通路を画成しており、そのフィルター組立体は、粒子及び他の汚染物を
その中に収集する。フィルター組立体134は、ガス透過フィルターを収容して
いる枠体を備えており、そして、1995年2月21に出願された、発明の名称
が“Spring Brake Actuator with Filtere
d Vent Openings”である国際出願第PCT/US95/021
51号であって、共通に譲渡されたものに、より詳細に記載されている。フィル
ター組立体134は、その中に収容されているフィルター及び開口を、ほこり、
くず、氷の堆積、ペンキ等から保護すると同時に、ウィープホール100を通っ
てチャンバー78に出入りする空気の全てが、フィルター組立体134を通過す
ることを効果的に要求する。ばね82が膨張して空気がチャンバ78内に吸い込
まれる際に、大気中の汚染物は、フィルター組立体134によって捕捉されると
いうことが、理解されよう。逆に、圧力板92が後退させられて空気がチャンバ
78から追い出される際に、空気は、フィルター組立体134を介して戻され、
汚染物を大気中に追いやってフィルタ組立体を効果的に洗浄する。従って、チャ
ンバ78は、ばねブレーキ14の作動に拘らず、実質的に汚染物のない状態に維
持される。
ブレーキアクチュエーター10の通常動作の間、作動棒84は、圧縮空気によ
り、図1に示されている完全に後退した位置にあり、その圧縮空気は、空気ポー
ト80を介してハウジングセクション66内に導入され且つ第1ばねブレーキチ
ャンバー76内に維持される。常用ブレーキ12を作動させるべく、圧縮空気が
、ハウジングセクション22における空気サービスポート(図示せず)を介して
第2常用ブレーキチャンバー31内へ導入され、もって、ダイヤフラム32と圧
力板36とがばね48の力に抗して押しやられ、押し棒アクチュエーター18が
、作動させられる。
ダイヤフラム32が作動させられると、第1常用ブレーキチャンバー30内の
流体が、圧縮されると共に、押し棒アクチュエーター18のスリーブ50におけ
るウィープホール62を通して押し出される。第1常用ブレーキチャンバー30
内の流体の圧縮は、スリーブ50におけるウィープホール62を通って移動する
流体が、ギャップ116を通り、更に作動棒の遠端部88におけるウィープホー
ル104を通ってその内部へ進むことを引き起こす。次いで、流体は、作動棒8
4の近端部86に向かって移動する。流体が拘束棒118の第2端部122にお
けるプレート124と遭遇すると、それは、通路126を通ってプレート124
を通過する。次いで、流体は、作動棒84の近端部86を出て、ウィープホール
102を通って第2ばねブレーキチャンバー78内へ入る。流体は、環状凹部9
8におけるウィープホール100を通って第2ばねブレーキチャンバー78を出
て、フィルター組立体134内へ入る。
圧縮空気が第1ばねブレーキチャンバー76から排気されると、圧縮ばね82
は、圧力板92とこの圧力板92に一体に取着されている作動棒84とを、常用
ブレーキ12のブレーキ押し棒18の方向に押しやる。ばね82の力は、解き放
たれると、作動棒84が中央開口部38を通って延出させられることを引き起こ
し、これは、順に、反応板110がプラグ56に力を加えることを引き起こす。
この作用は、常用ブレーキの押し棒18と作動棒58とが作動させられてブレー
キが作用させられることを引き起こす。非常ブレーキが解除されるべきときには
、圧縮流体が、第1ばねブレーキチャンバー76内へもう一度導入される。ダイ
ヤフラム74に対する圧縮流体の力は、圧力板92、作動棒84及びばね82を
、図1に示されている後退位置へ押しやる。ばね82が後退させられると、流体
は、ウィープホール100を介してフィルター134の外へ流れると共に、上述
した方向とは反対の方向にギャップ116を通って流れる。
ブレーキ作動ユニット10を車両に装着するための取付スタッド136が設け
られているということは、理解されよう。
図3は、当業界において良く知られている一般的な形状を有していると共に、
本発明の教示によって改造された空気圧式ブレーキ作動ユニット10の第2実施
例の断面図を示している。各図において示されている実施例間の同様な部品又は
機構を指示すべく、図3は、図1のそれらと共通の幾つかの参照数字を含んでい
るということが、理解されよう。第2実施例の部品又は機構を指示すべく、図3
における参照数字は、図1のそれらよりも200だけ大きいということも、理解
されよう。作動ユニット10の第2実施例は、ばねブレーキ部即ち非常ブレーキ
部14に直列で装着されている常用ブレーキ部212を備えている。先の実施例
と同様に、常用ブレーキの押し棒218が、在来のブレーキ組立体を作用させる
ための常用ブレーキ212から延出している。
この実施例においては、常用ブレーキ212は、ピストン型ブレーキであり、
このピストン型ブレーキは、各々が外方に向けられているフランジ縁部224を
有する、1対の対面しているカップ形状のハウジングセクション220及び22
2を備えている。ハウジングセクション220,222は、締結具226により
、それらのフランジ縁部224において一体となるようにしてクランプされてお
り、もって、その両側に、第1常用ブレーキチャンバ230及び第2常用ブレー
キチャンバー231を形成している。ピストン232が、内部チャンバ230内
に装架されていると共に、プレート233を備えており、このプレートは、壁部
235であってプレート233の半径方向外方縁部から延出しているものと、ス
テム238であってそれを貫通している同軸の内腔240を有しているものとを
有している。弾性のシーリング部材237及び239が、壁部235の外面とス
テム238の内面とにおける溝の中に位置させられ得、もって、ハウジング部2
20の内壁と作動棒84とに対するシーリング当接が、もたらされる。ハウジン
グセクション220は、その中に中央開口部234を設けられている。常用ブレ
ーキの押し棒218は、ハウジングセクション220における開口部234を貫
通して第1常用ブレーキチャンバ230内へ延びており、その押し棒は、ピスト
ン232のステム238において終端している。押し棒ガイド242が、中央開
口部
234の周囲に配置されていると共に、半径方向に延出しているフランジを有す
るスリーブ244を備えており、そのフランジは、ばね座246を形成している
。圧縮ばね248が、ピストン232のステム238と押し棒ガイド242のば
ね座246との間に延在している。押し棒ガイド242は、開口部234の周り
でばね248の心出しを行うべく作用する。
常用ブレーキの押し棒218は、第1端部252と第2端部254とを有する
細長い円筒状のスリーブ250を備えている。常用ブレーキの押し棒218の第
1端部252は、ピストン232のステム238から延出している。スリーブ2
50は、ピストン232の部分として一体に形成され得る。常用ブレーキの押し
棒218の第2端部254は、押し棒ガイド242のスリーブ部244内に装着
されていると共に、中央開口部234を貫通して延在している。第2端部254
は、プラグ256によって塞がれており、このプラグは、回動可能な作動棒25
8を搭載している。作動棒258は、ブレーキ組立体(図示せず)に装着され得
る。スリーブ250は、内部チャンバー260を画成している。第1端部252
は、ピストン232のステム238に隣接して配置されている、幾つかのウィー
プホール262を更に含んでいる。Oリング264が、押し棒ガイド242とス
リーブ250との間に、それらの間のシールをもたらすべく位置させられている
。従って、ばね248は、ピストン232と常用ブレーキの押し棒218とを、
図3に示されている完全に後退させられた位置まで押圧する傾向がある。
ばねブレーキ14は、図1に示されている第1実施例と同様に構成され且つ同
一の参照数字で示されており、そして、ばねブレーキ14を記載している参照数
字を参照しての以下の議論を除いて、更には記載されない。
ブレーキアクチュエーター10の通常動作の間、作動棒84は、圧縮空気によ
り、図1に示されている完全に後退した位置にあり、その圧縮空気は、空気ポー
ト80を介してハウジングセクション66内に導入され且つ第1ばねブレーキチ
ャンバー76内に維持される。常用ブレーキ212を作動させるべく、圧縮空気
が、ハウジングセクション222における空気サービスポート(図示せず)を介
して第2常用ブレーキチャンバー231内へ導入され、もって、ピストン232
がばね248の力に抗して押しやられ、押し棒アクチュエーター218が、作動
させられる。これにより、ピストン232は、作動棒84の周りを同軸的に摺動
し得る。
ピストン232が作動させられると、第1常用ブレーキチャンバー230内の
流体が、圧縮されると共に、押し棒アクチュエーター218のスリーブ250に
おけるウィープホール262を介して移動し得る。第1常用ブレーキチャンバー
230内の流体の圧縮は、前述のように、スリーブ250におけるウィープホー
ル262を通って移動する流体が、ギャップ116を通過し且つフィルター組立
体134を通ってブレーキアクチュエーター10の外に移動することを引き起こ
す。
本発明は、図面には示されていないが、当業者にとっては明白な、他の変形及
び変更を包含する。上述した実施例の他の変形及び変更が、添付した請求項によ
って規定されている本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって案出さ
れ得るということは、理解されよう。部品リスト
10 作動ユニット 66 ハウジングセクション
12 常用ブレーキ 68 ハウジングセクション
14 ばねブレーキ 70 フランジ縁部
18 押し棒 72 湾曲縁部
20 ハウジングセクション 74 弾性のダイヤフラム
22 ハウジングセクション 76 周縁部
24 フランジ縁部 78 ブレーキチャンバー
26 クランプ 80 サービスポート
30 第1常用ブレーキチャンバー 82 圧縮ばね
31 第2常用ブレーキチャンバー 84 作動棒
32 弾性のダイヤフラム 86 近端部
34 中央開口部 88 遠端部
36 圧力板 90 中央に配置されている孔
38 円筒状のスリーブ 92 圧力板
40 基部 94 平坦な部分
42 押し棒ガイド 96 ステム
44 スリーブ 98 環状凹部
46 ばね座 100 ウィープホール
48 圧縮ばね 102 ウィープホール
50 円筒状のスリーブ 104 ウィープホール
52 第1端部 106 中央開口部
54 第2端部 108 Oリング
56 プラグ 109 Oリング
58 作動棒 110 反応板
60 内部チャンバー 112 環状の受座
62 ウィープホール 114 スペーサーフランジ
64 Oリング 116 環状ギャップ
118 拘束棒 246 ばね座
120 第1端部 248 圧縮ばね
122 第2端部 250 円筒状のスリーブ
124 大きなプレート 252 第1端部
126 通路 254 第2端部
128 ねじ込カラー 256 プラグ
130 六角ナット 258 作動棒
132 環状の肩部 260 内部チャンバー
134 フィルター組立体 262 ウィープホール
136 取付スタッド 264 Oリング
212 常用ブレーキ部
218 押し棒
220 ハウジングセクション
222 ハウジングセクション
224 フランジ縁部
226 締結具
230 第1常用ブレーキチャンバー
231 第2常用ブレーキチャンバー
232 ピストン
233 プレート
234 中央開口部
235 壁部
237 シーリング部材
238 ステム
239 シーリング部材
240 同軸の内腔
242 棒ガイド
244 スリーブ
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