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JP2001305361A - アレイ導波路型回折格子およびその作製方法 - Google Patents

アレイ導波路型回折格子およびその作製方法

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Publication number
JP2001305361A
JP2001305361A JP2000127179A JP2000127179A JP2001305361A JP 2001305361 A JP2001305361 A JP 2001305361A JP 2000127179 A JP2000127179 A JP 2000127179A JP 2000127179 A JP2000127179 A JP 2000127179A JP 2001305361 A JP2001305361 A JP 2001305361A
Authority
JP
Japan
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waveguide
diffraction grating
slab
type diffraction
waveguides
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000127179A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsuneaki Saito
恒聡 斎藤
Kazuhisa Kashiwabara
一久 柏原
Kazutaka Nara
一孝 奈良
Takeshi Nakajima
毅 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP2000127179A priority Critical patent/JP2001305361A/ja
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  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アレイ導波路型回折格子の光透過中心波長の
設定波長とのずれを補正し、光透過中心波長を設定波長
にできるアレイ導波路型回折格子とする。 【解決手段】 光入力導波路2と、第1のスラブ導波路
3と、互いに異なる長さの複数の並設したアレイ導波路
4と、第2のスラブ導波路5と、複数の並設した光出力
導波路6とを順に接続してなる導波路形成部10を基板
1上に形成する。第1のスラブ導波路3を通る光の経路
と交わる切断面8で第1のスラブ導波路3を切断分離
し、それに伴い、導波路形成領域10も第1の導波路形
成領域10aと第2の導波路形成領域10bに分離す
る。分離スラブ導波路3a,3b同士を、切断面8を互
いに向き合わせ、切断面8に沿って基板面方向に位置を
ずらした状態で接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、例えば波長多重光通信において
光合分波器として用いられるアレイ導波路型回折格子お
よびその作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信においては、その伝送容量
を飛躍的に増加させる方法として、光波長多重通信の研
究開発が盛んに行なわれ、実用化が進みつつある。光波
長多重通信は、例えば互いに異なる波長を有する複数の
光を多重して伝送させるものであり、このような光波長
多重通信のシステムにおいては、伝送される多重光か
ら、光受信側で波長ごとの光を取り出すために、予め定
められた波長の光のみを透過する光透過デバイス等を、
システム内に設けることが不可欠である。
【0003】光透過デバイスの一例として、図9に示す
ような平板光導波路回路(PLC;Planar Li
ghtwave Circuit)のアレイ導波路型回
折格子(AWG;Arrayed Waveguide
Grating)がある。アレイ導波路型回折格子
は、シリコンなどの基板1上に、同図に示すような導波
路構成を備えた導波路形成領域10を石英系ガラス等の
コアにより形成したものである。
【0004】アレイ導波路型回折格子の導波路構成は、
1本以上の並設された光入力導波路2の出射側に、第1
のスラブ導波路3が接続され、第1のスラブ導波路3の
出射側には複数の並設されたアレイ導波路4が接続さ
れ、アレイ導波路4の出射側には第2のスラブ導波路5
が接続され、第2のスラブ導波路5の出射側には複数の
並設された光出力導波路6が接続されて形成されてい
る。
【0005】前記アレイ導波路4は、第1のスラブ導波
路3から導出された光を伝搬するものであり、互いに異
なる長さに形成され、隣り合うアレイ導波路4の長さは
互いにΔL異なっている。なお、光入力導波路2や光出
力導波路6は、例えばアレイ導波路型回折格子によって
分波あるいは合波される互いに異なる波長の信号光の数
に対応させて設けられるものであり、アレイ導波路4
は、通常、例えば100本といったように多数設けられ
るが、同図においては、図の簡略化のために、これらの
光入力導波路2、アレイ導波路4、光出力導波路6の各
々の本数を簡略的に示してある。
【0006】光入力導波路2には、例えば送信側の光フ
ァイバ(図示せず)が接続されて、波長多重光が導入さ
れるようになっており、光入力導波路2を通って第1の
スラブ導波路3に導入された光は、その回折効果によっ
て広がって各アレイ導波路4に入射し、アレイ導波路4
を伝搬する。
【0007】このアレイ導波路4を伝搬した光は、第2
のスラブ導波路5に達し、さらに、光出力導波路6に集
光されて出力されるが、全てのアレイ導波路4の長さが
互いに異なることから、アレイ導波路4を伝搬した後に
個々の光の位相にずれが生じ、このずれ量に応じて集束
光の波面が傾き、この傾き角度により集光する位置が決
まる。
【0008】そのため、波長の異なった光の集光位置は
互いに異なることになり、その位置に光出力導波路6を
形成することによって、波長の異なった光(分波光)を
各波長ごとに異なる光出力導波路6から出力できる。
【0009】すなわち、アレイ導波路型回折格子は、光
入力導波路2から入力される互いに異なる複数の波長を
もった多重光から1つ以上の波長の光を分波して各光出
力導波路6から出力する光分波機能を有しており、分波
される光の中心波長は、アレイ導波路4の長さの差(Δ
L)及びその実効屈折率nに比例する。
【0010】アレイ導波路型回折格子は、上記のような
特性を有するために、アレイ導波路型回折格子を波長多
重伝送用の波長多重分波器として用いることができ、例
えば図9に示すように、1本の光入力導波路2から波長
λ1,λ2,λ3,・・・λn(nは2以上の整数)の
波長多重光を入力させると、これらの各波長の光は、第
1のスラブ導波路3で広げられ、アレイ導波路4に到達
し、第2のスラブ導波路5を通って、前記の如く、波長
によって異なる位置に集光され、互いに異なる光出力導
波路6に入射し、それぞれの光出力導波路6を通って、
光出力導波路6の出射端から出力される。
【0011】そして、各光出力導波路6の出射端に光出
力用の光ファイバ(図示せず)を接続することにより、
この光ファイバを介して、前記各波長の光が取り出され
る。なお、各光出力導波路6や前述の光入力導波路2に
光ファイバを接続するときには、例えば光ファイバを1
次元アレイ状に配列固定した光ファイバアレイを用意
し、この光ファイバアレイを光出力導波路6や光入力導
波路2の接続端面側に固定して光ファイバと光出力導波
路6及び光入力導波路2を接続する。
【0012】上記アレイ導波路型回折格子において、各
光出力導波路6から出力される光の光透過特性(アレイ
導波路型回折格子の透過光強度の波長特性)は、例えば
図10の(a)に示すようになり、各光透過中心波長
(例えばλ1,λ2,λ3,・・・λn)を中心とし、
それぞれの対応する光透過中心波長から波長がずれるに
したがって光透過率が小さくなる光透過特性を示す。な
お、前記光透過特性は、必ずしも1つの極大値を有する
とは限らず、例えば同図の(b)に示すように、2つ以
上の極大値を有するものである場合もある。
【0013】そして、各光出力導波路6から出力される
光の光透過特性(アレイ導波路型回折格子の透過光強度
の波長特性)は、例えば図11に示すようになり、各波
長(λ1,λ2,λ3,・・・λn)を中心とした透過
スペクトルとなる。なお、同図には、異なった光出力導
波路6から出力される波長特性を重ねて示してある。
【0014】また、アレイ導波路型回折格子は、光の相
反性(可逆性)の原理を利用しているため、光分波器と
しての機能と共に、光合波器としての機能も有してい
る。すなわち、図9とは逆に、互いに異なる複数の波長
の光をそれぞれの波長ごとにそれぞれの光出力導波路6
から入射させると、これらの光は、上記と逆の伝搬経路
を通り、アレイ導波路4によって合波され、1本の光入
力導波路2から出射される。
【0015】このようなアレイ導波路型回折格子におい
ては、前記の如く、回折格子の波長分解能が回折格子を
構成するアレイ導波路4の長さの差(ΔL)に比例する
ために、ΔLを大きく設計することにより、従来の回折
格子では実現できなかった波長間隔の狭い波長多重光の
光合分波が可能となり、高密度の光波長多重通信の実現
に必要とされている、複数の信号光の光合分波機能、す
なわち、波長間隔が1nm以下の複数の光信号を分波ま
たは合波する機能を果たすことができる。
【0016】上記のようなアレイ導波路型回折格子を作
製するときには、例えば、まず、火炎加水分解堆積法を
用いて、シリコン等の基板1上にアンダークラッド膜、
コア膜を順に形成し、その後、アレイ導波路回折格子の
導波路構成が描かれたフォトマスクを介してフォトリソ
グラフィー、反応性イオンエッチング法を用い、コア膜
にアレイ導波路回折格子パターンを転写する。その後、
再度、火炎加水分解堆積法を用いてオーバークラッド膜
を形成することにより、導波路形成領域を形成し、アレ
イ導波路型回折格子が作製される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のアレ
イ導波路型回折格子は、元来、石英系ガラス材料を主と
するために、この石英系ガラス材料の温度依存性に起因
してアレイ導波路型回折格子の前記光透過中心波長が温
度に依存してシフトする。この温度依存性は、1つの光
出力導波路6からそれぞれ出力される光の透過中心波長
をλ、前記アレイ導波路4を形成するコアの等価屈折率
をnc、基板(例えばシリコン基板)1の熱膨張係数を
αs、アレイ導波路型回折格子の温度変化量をTとした
ときに、(数1)により示されるものである。
【0018】
【数1】
【0019】ここで、従来の一般的なアレイ導波路型回
折格子において、(数1)から前記光透過中心波長の温
度依存性を求めてみる。従来の一般的なアレイ導波路型
回折格子においては、dn/dT=1×10−5(℃
−1)、α=3.0×10 −6(℃−1)、n
1.451(波長1.55μmにおける値)であるか
ら、これらの値を(数1)に代入する。
【0020】また、波長λは、各光出力導波路6につい
てそれぞれ異なるが、各波長λの温度依存性は等しい。
そして、現在用いられているアレイ導波路型回折格子
は、波長1550nmを中心とする波長帯の波長多重光
を分波したり合波したりするために用いられることが多
いので、ここでは、λ=1550nmを(数1)に代入
する。そうすると、従来の一般的なアレイ導波路型回折
格子の前記光透過中心波長の温度依存性は、(数2)に
示す値となる。
【0021】
【数2】
【0022】なお、dλ/dTの単位は、nm/℃であ
る。例えばアレイ導波路型回折格子の使用環境温度が2
0℃変化したとすると、各光出力導波路6から出力され
る光透過中心波長は0.30nm長波長側にシフトする
ものであり、前記使用環境温度変化が70℃以上になる
と、前記光透過中心波長のシフト量が1nm以上になっ
てしまう。
【0023】アレイ導波路型回折格子は1nm以下の非
常に狭い間隔で波長を分波または合波できることが特徴
であり、この特徴を生かして波長多重光通信用に適用さ
れるものであるため、上記のように、使用環境温度変化
によって光透過中心波長が上記シフト量だけ変化するこ
とは致命的である。
【0024】そこで、従来から温度により光透過中心波
長が変化しないように、アレイ導波路型回折格子の温度
を一定に保つための温度調節手段を設けたアレイ導波路
型回折格子が提案されている。この温度調節手段は、例
えば、ペルチェ素子やヒータなどを設けて構成されるも
のであり、いずれも、アレイ導波路型回折格子を予め定
めた設定温度(室温以上)に保つ制御を行なうものであ
る。
【0025】例えば図12には、ペルチェ素子を備えた
ペルチェモジュール16と、サーミスタ18を有するア
レイ導波路型回折格子が示されており、ペルチェモジュ
ール16とサーミスタ18は、導線17により温度コン
トローラ(図示せず)に接続されている。なお、サーミ
スタ18は、ペルチェモジュール16と基板1との間に
介設された均熱板42に取り付けられており、基板1と
均熱板42との間及び均熱板42とペルチェモジュール
16との間には、それぞれ、熱伝導がよくなるように、
通常、熱伝導性シリコーンオイルオンパウンドや熱伝導
性のシリコーンRTV(Room Temperatu
re Vulcanizing)が設けられている。
【0026】このような温度制御手段が設けられたアレ
イ導波路型回折格子においては、均熱板42の温度をサ
ーミスタ18により検出し、この値を温度コントローラ
にてフィードバックしながら、ペルチェモジュール16
に流れる電流を制御し、アレイ導波路型回折格子の温度
が一定となるように、精密な温度制御を行なっている。
【0027】また、アレイ導波路型回折格子を構成する
アレイ導波路部の作製誤差(膜厚、幅、屈折率等の誤
差)に起因して、前記光透過中心波長がITUグリッド
波長等の設定波長からずれている場合にも、光透過中心
波長が前記設定波長となる温度を(数2)を用いて算出
し、アレイ導波路型回折格子の温度がこの算出温度とな
るようにペルチェ素子やヒータ等を有する温度調節手段
によって温度調節すれば、前記光透過中心波長をグリッ
ド波長に合わせることができる。
【0028】しかしながら、ペルチェ素子やヒータのよ
うな温度調節手段を用いてアレイ導波路型回折格子の温
度を一定に保つものは、温度調節のために、ペルチェ素
子やヒータに例えば1Wといった通電を常時行なわなけ
ればならず、コストがかかるといった問題があった。
【0029】また、ペルチェ素子やヒータのような電気
部品を使用するためには、当然、コントローラーや制御
用サーミスター、熱電対等が必要となり、これらの部品
の組立ずれ等に起因して、光透過中心波長シフトを正確
に抑制できないことがあった。
【0030】さらに、ペルチェ素子の放熱能力には限界
があり、アレイ導波路型回折格子を備えたモジュールの
サイズなどを考慮すると、使用環境温度が0℃から70
℃まで変化する場合、アレイ導波路型回折格子の温度制
御は40℃から50℃の範囲に限定する必要があり、ア
レイ導波路型回折格子の作製誤差などにより、前記光透
過中心波長がITUグリッド波長等の設定波長から大き
く(0.5nm以上)ずれている場合には、ペルチェ素
子を用いてアレイ導波路型回折格子の光透過中心波長を
ITUグリッド波長等の設定波長に合わせることが難し
く、アレイ導波路型回折格子が不良品になってしまうこ
とが多かった。
【0031】一方、最近では、図13に示すように、ア
レイ導波路4の途中に、アレイ導波路4を横切る溝43
を形成し、この溝43に、アレイ導波路4と屈折率が異
なるシリコーン樹脂44等を充填することにより、前記
温度変化による前記中心波長ずれを補償するタイプのア
レイ導波路型回折格子も提案されている。シリコーン樹
脂44は、負の屈折率温度係数を有しており、前記溝4
3を三角形状に形成して、アレイ導波路4の長さが長く
なるほどシリコーン樹脂44の介設長さも長くすること
により、シリコーン樹脂44によって全てのアレイ導波
路4によって分波または合波される波長を均一に温度補
償し、前記光透過中心波長を補償するようにしている。
【0032】しかしながら、このようなタイプのアレイ
導波路回折格子においては、溝43に設けたシリコーン
樹脂44によって光透過中心波長の温度補償を行なうた
め、溝43を非常に正確に形成しなければならず、非常
に作製が難しく、量産困難なため、コストが高くなって
しまった。
【0033】また、このようなタイプのアレイ導波路型
回折格子においては、アレイ導波路型回折格子の導波路
構成や溝43を極めて精度良く形成したつもりでも、作
製誤差が生じることは避けられず、この作製誤差などに
よって、前記光透過中心波長が、前記グリッド波長から
ずれていたときに、前記光透過中心波長とグリッド波長
とを一致させることはできない。そのため、光透過中心
波長がグリッド波長からずれたときには、図12に示し
たアレイ導波路型回折格子と同様に、ペルチェモジュー
ル16等を設ける必要が生じ、ますますコストが高くな
ってしまう。
【0034】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、光透過中心波長を例えば
ITUグリッド波長等の所望の設定波長に合わせること
ができる安価なアレイ導波路型回折格子およびその製造
方法を提供し、さらに、そのアレイ導波路型回折格子に
おいて、光透過中心波長の温度依存性を正確に抑制し
て、温度によらず、光透過中心波長を常に設定波長にで
きるようにすることにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次のような構成をもって課題を解決するた
めの手段としている。すなわち、アレイ導波路型回折格
子の第1の発明は、1本以上の並設された光入力導波路
の出射側に第1のスラブ導波路が接続され、該第1のス
ラブ導波路の出射側には該第1のスラブ導波路から導出
された光を伝搬する互いに異なる長さの複数の並設され
たアレイ導波路が接続され、該複数のアレイ導波路の出
射側には第2のスラブ導波路が接続され、該第2のスラ
ブ導波路の出射側には複数の並設された光出力導波路が
接続された導波路構成が基板上に形成され、前記第1の
スラブ導波路と第2のスラブ導波路の少なくとも一方が
スラブ導波路を通る光の経路と交わる切断面で切断され
て分離スラブ導波路と成し、該分離スラブ導波路同士が
切断面を互いに向き合わせて接続されている構成をもっ
て課題を解決する手段としている。
【0036】また、アレイ導波路型回折格子の第2の発
明は、上記第1の発明の構成に加え、前記分離スラブ導
波路同士が切断面に沿って基板面方向に位置をずらした
状態で接続されている構成をもって課題を解決する手段
としている。
【0037】さらに、アレイ導波路型回折格子の第3の
発明は、上記第1又は第2の発明の構成に加え、前記互
いに対向する分離スラブ導波路端面が接触した状態ある
いは間隔を介した状態で分離スラブ導波路同士が接続さ
れている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0038】さらに、アレイ導波路型回折格子の第4の
発明は、上記第1又は第2又は第3の発明の構成に加
え、前記分離スラブ導波路の少なくとも一方側の切断面
は研磨面または研削面と成している構成をもって課題を
解決する手段としている。
【0039】さらに、アレイ導波路型回折格子の第5の
発明は、上記第1乃至第4のいずれか一つの発明の構成
に加え、前記分離スラブ導波路同士の接続によって、ア
レイ導波路型回折格子の光透過中心波長をシフトさせた
構成をもって課題を解決する手段としている。
【0040】さらに、アレイ導波路型回折格子の第6の
発明は、上記第1乃至第5のいずれか一つの発明の構成
に加え、前記アレイ導波路型回折格子の光透過中心波長
の設定波長からのずれを補正にする方向に分離スラブ導
波路同士を接続した構成をもって課題を解決する手段と
している。
【0041】さらに、アレイ導波路型回折格子の第7の
発明は、上記第1乃至第6のいずれか一つの発明の構成
に加え、前記分離スラブ導波路の少なくとも一方側を切
断面に沿って移動させるスライド移動機構を設けた構成
をもって課題を解決する手段としている。
【0042】さらに、アレイ導波路型回折格子の第8の
発明は、上記第7の発明の構成に加え、前記スライド移
動機構はアレイ導波路型回折格子の光透過中心波長をシ
フトさせる中心波長調整手段と成している構成をもって
課題を解決する手段としている。
【0043】さらに、アレイ導波路型回折格子の第9の
発明は、上記第7又は第9の発明の構成に加え、前記ス
ライド移動機構は導波路構成を有する導波路形成領域お
よび基板よりも温度に依存して大きく伸縮する温度依存
伸縮部材を有している構成をもって課題を解決する手段
としている。
【0044】さらに、アレイ導波路型回折格子の第10
の発明は、上記第7又は第8又は第9の発明の構成に加
え、前記スライド移動機構は温度の変化に応じて分離ス
ラブ導波路のスライド移動量とスライド移動方向を制御
して、アレイ導波路型回折格子の光透過中心波長の温度
依存変動を低減する方向に少なくとも一方の分離スラブ
導波路を移動する手段と成している構成をもって課題を
解決する手段としている。
【0045】さらに、アレイ導波路型回折格子の作製方
法の第1の発明は、1本以上の並設された光入力導波路
の出射側に第1のスラブ導波路が接続され、該第1のス
ラブ導波路の出射側には該第1のスラブ導波路から導出
された光を伝搬する互いに異なる長さの複数の並設され
たアレイ導波路が接続され、該複数のアレイ導波路の出
射側には第2のスラブ導波路が接続され、該第2のスラ
ブ導波路の出射側には複数の並設された光出力導波路が
接続された導波路構成を基板上に形成し、然る後に、前
記第1のスラブ導波路と第2のスラブ導波路の少なくと
も一方を、スラブ導波路を通る光の経路と交わる切断面
で切断して分離スラブ導波路を形成し、該分離スラブ導
波路同士を接続して前記第1乃至第10のいずれか一つ
の発明のアレイ導波路型回折格子を作製する構成をもっ
て課題を解決する手段としている。
【0046】さらに、アレイ導波路型回折格子の作製方
法の第2の発明は、アレイ導波路型回折格子の導波路構
成における第1のスラブ導波路と第2のスラブ導波路の
少なくとも一方を、スラブ導波路を通る光の経路と交わ
る切断面で切断して分離スラブ導波路と成した形態の、
一方側の分離スラブ導波路を有するアレイ導波路型回折
格子の部分的導波路構成と、他方側の分離スラブ導波路
を有するアレイ導波路型回折格子の部分的導波路構成を
それぞれ別々の基板上に形成し、然る後に、該別々の基
板に形成された分離スラブ導波路同士を接続して前記第
1乃至第10のいずれか一つの発明のアレイ導波路型回
折格子を作製する構成をもって課題を解決する手段とし
ている。
【0047】本発明者は、アレイ導波路型回折格子の光
透過中心波長の設定波長からのずれを解消することと、
前記光透過中心波長の温度依存性を抑制することの2つ
の目的を達成するために、アレイ導波路型回折格子の線
分散特性に着目した。
【0048】アレイ導波路型回折格子において、光入力
導波路から入射された光は、第1のスラブ導波路(入力
側スラブ導波路)で回折し、アレイ導波路を励振する。
なお、前記の如く、隣接するアレイ導波路の長さは互い
にΔLずつ異なっている。そこで、アレイ導波路を伝搬
した光は、(数3)を満たし、第2のスラブ導波路(出
力側スラブ導波路)の出力端に集光される。
【0049】
【数3】
【0050】(数3)において、nsは第1のスラブ導
波路および第2のスラブ導波路の等価屈折率、ncはア
レイ導波路の等価屈折率、φは回折角、mは回折次数、
dは隣り合うアレイ導波路同士の間隔であり、λは、前
記の如く、各光出力導波路から出力される光の透過中心
波長である。
【0051】ここで、回折角φ=0となるところの光透
過中心波長をλとすると、λは(数4)で表され
る。なお、波長λは、一般に、アレイ導波路型回折格
子の中心波長と呼ばれる。
【0052】
【数4】
【0053】ところで、図8において、回折角φ=0と
なるアレイ導波路型回折格子の集光位置を点Oとする
と、回折角φ=φpを有する光の集光位置(第2のスラ
ブ導波路5の出力端における位置)は、例えば点Pの位
置(点OからX方向にずれた位置)となる。ここで、O
−P間のX方向の距離をxとすると波長λとの間に(数
5)が成立する。なお、図8では、導波路形成領域の符
号は省略している。
【0054】
【数5】
【0055】(数5)において、Lfは第2のスラブ導
波路5の焦点距離であり、ngはアレイ導波路4の群屈
折率である。なお、アレイ導波路4の群屈折率ngは、
アレイ導波路4の等価屈折率ncにより、(数6)で与
えられる。
【0056】
【数6】
【0057】前記(数5)は、第2のスラブ導波路5の
焦点OからX方向の距離dx離れた位置に光出力導波路
6の入力端を配置形成することにより、dλだけ波長の
異なった光を取り出すことが可能であることを意味す
る。
【0058】また、(数5)の関係は、第1のスラブ導
波路3に関しても同様に成立する。すなわち、例えば第
1のスラブ導波路3の焦点中心を点O’とし、この点
O’からX方向に距離dx’ずれた位置にある点を点
P’とすると、この点P’に光を入射した場合に、出力
の波長がdλ’ずれることになる。この関係を式により
表わすと、(数7)のようになる。
【0059】
【数7】
【0060】なお、(数7)において、L’は第1の
スラブ導波路3の焦点距離である。この(数7)は、第
1のスラブ導波路3の焦点O’とX方向の距離dx’離
れた位置に光入力導波路2の出力端を配置形成すること
により、前記焦点Oに形成した光出力導波路6において
dλ’だけ波長の異なった光を取り出すことが可能であ
ることを意味する。
【0061】したがって、作製したアレイ導波路型回折
格子の光透過中心波長が例えばITUグリッド波長等の
設定波長とΔλずれていたときに、dλ’=Δλとなる
ように、光入力導波路2の出力端位置を前記X方向に距
離dx’だけずらせば、例えば焦点Oに形成した光出力
導波路6において、波長ずれのない光を取り出すことが
でき、他の光出力導波路6に関しても同様の作用が生じ
るため、前記光透過中心波長ずれΔλを補正(解消)で
きることになる。
【0062】上記構成の本発明においては、第1のスラ
ブ導波路と第2のスラブ導波路の少なくとも一方がスラ
ブ導波路を通る光の経路と交わる切断面で切断分離され
て分離スラブ導波路と成し、該分離スラブ導波路同士が
切断面を互いに向き合わせて接続されている。そこで、
第1のスラブ導波路が切断分離されていると仮定し、こ
の分離された第1のスラブ導波路を、前記切断面に沿っ
て基板面方向に位置をずらした状態で接続し、それによ
り、dλ’=Δλとなるように、光入力導波路の出力端
位置を前記X方向に距離dx’だけずらせば、前記光透
過中心波長ずれΔλを補正(解消)できることになる。
【0063】なお、前記(数7)から明らかなように、
出力の波長のずれdλ’は、第1のスラブ導波路3の焦
点距離によっても変化するので、本発明において、互い
に対向する分離スラブ導波路端面が間隔を介した状態で
分離スラブ導波路同士を接続したり、分離スラブ導波路
の少なくとも一方側の切断面は研磨面または研削面と成
したりすることにより、スラブ導波路の分離前と分離し
た後の接続後の焦点距離を、アレイ導波路型回折格子の
光透過中心波長をシフトさせるのに十分な大きさだけ変
化させれば、同様に、アレイ導波路型回折格子の前記光
透過中心波長ずれΔλを補正(解消)できることにな
る。
【0064】また、本発明において、前記分離スラブ導
波路の少なくとも一方側を切断面に沿って移動させるス
ライド移動機構を設け、このスライド移動機構によっ
て、例えば光入力導波路に接続されている分離スラブ導
波路側(光入力導波路も含む)を前記切断面に沿ってス
ライド移動させれば、前記各光透過中心波長をシフトさ
せることが可能となる。
【0065】さらに、アレイ導波路型回折格子の使用環
境温度変動によってアレイ導波路型回折格子の光出力導
波路から出力される光透過中心波長がΔλずれたとき
に、前記スライド移動機構によって、前記各光透過中心
波長の温度依存変動(波長ずれ)Δλがdλと等しくな
るようにして、前記各光透過中心波長の温度依存変動を
低減する方向に分離スラブ導波路及び光入力導波路を前
記切断面に沿って移動させれば、前記温度変化に伴う光
透過中心波長ずれを解消することが可能となる。
【0066】なお、厳密に言えば、分離スラブ導波路お
よび光入力導波路の移動を切断面に沿って行なった場合
にも、光入力導波路の出力端の位置を変えることによっ
て、光入力導波路の出力端からアレイ導波路の入力端ま
で、第1のスラブ導波路内を伝搬する光の焦点距離
’が若干変化する。しかしながら、現在用いられて
いるアレイ導波路型回折格子における第1のスラブ導波
路の焦点距離は数mmのオーダーであり、一方、アレイ
導波路型回折格子の光透過中心波長補正のために移動す
る光入力導波路の出力端位置の移動量は数μm〜数10
μmのオーダーであり、第1のスラブ導波路の焦点距離
に比べて非常に小さい。
【0067】そのため、この場合、実質的には上記焦点
距離の変化は無視してしまっても何も差し支えないと考
えられる。このことから、前記の如く、アレイ導波路型
回折格子における各光透過中心波長の温度依存変動を低
減する方向に分離スラブ導波路及び光入力導波路を前記
切断面に沿って移動させれば、前記光透過中心波長ずれ
を解消することが可能となる。
【0068】ここで、前記スライド移動機構によって前
記光透過中心波長の温度依存性を低減するために、温度
変化量と光入力導波路の位置補正量の関係を導いてお
く。前記光透過中心波長の温度依存性(温度による光透
過中心波長のずれ量)は、前記(数2)で表されるの
で、温度変化量Tを用いて光透過中心波長ずれ量Δλを
(数8)により表わすことができる。
【0069】
【数8】
【0070】(数7)、(数8)から、温度変化量Tと
光入力導波路の位置補正量dx’を求めると、(数9)
が導かれる。
【0071】
【数9】
【0072】したがって、本発明において、(数9)に
より示される位置補正量dx’だけ、前記スライド移動
機構によって前記切断面に沿って第1のスラブ導波路の
分離スラブ導波路及び光入力導波路をスライド移動させ
ることにより、前記光透過中心波長ずれを解消すること
が可能となる。
【0073】また、前記の如く、アレイ導波路型回折格
子は光の相反性を利用して形成されているものであり、
第2のスラブ導波路側を切断分離して、分離された分離
スラブ導波路の少なくとも一方側を、スライド移動機構
によって前記切断面に沿って前記各光透過中心波長の温
度依存変動を低減する方向にスライド移動させれば、同
様の効果が得られ、前記各光透過中心波長の温度依存変
動を解消することが可能となる。
【0074】さらに、上記の原理に基づいて作用するス
ライド移動機構を設け、ペルチェ素子やヒータを用いな
くてもアレイ導波路型回折格子の使用環境温度による光
透過中心波長ずれを抑制し、光透過中心波長の温度無依
存化を可能とした本発明においては、ペルチェ素子やヒ
ータを含む温度調節手段を設ける場合のように、常時通
電を必要とせず、温度調節手段の部品の組立誤差による
温度補正誤差が生じることもない。
【0075】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明におい
て、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重
複説明は省略する。図1の(a)には、本発明に係るア
レイ導波路型回折格子の第1実施形態例の要部構成が平
面図により示されている。
【0076】本実施形態例は、図9に示したような従来
のアレイ導波路型回折格子とほぼ同様の導波路構成を有
する導波路形成領域10をシリコン等の基板1上に形成
して成るものであり、本実施形態例が従来例と異なる特
徴的なことは、図1の(a)に示すように、前記第1の
スラブ導波路3が第1のスラブ導波路3を通る光の経路
と交わる切断面8で切断されて分離スラブ導波路3a,
3bと成し、該分離スラブ導波路3a,3b同士が切断
面8を互いに向き合わせて接続されていることである。
【0077】また、本実施形態例では、分離スラブ導波
路3a,3b同士を切断面8に沿って基板面方向に位置
調整量dx’だけずらした状態で接続されており、それ
により、アレイ導波路型回折格子の光透過中心波長をシ
フトさせ、該光透過中心波長の設定波長からのずれを補
正して、光透過中心波長を設定温度(例えば25℃)に
おいて、設定波長であるITUグリッド波長とほぼ一致
させている。
【0078】本実施形態例のアレイ導波路型回折格子は
以上のように構成されており、このアレイ導波路型回折
格子を作製するときには、まず、図1の(b)に示すよ
うなアレイ導波路型回折格子を作製する。次に、アレイ
導波路型回折格子の光透過中心波長を測定し、この測定
波長の設定波長(この場合ITUグリッド波長)からの
ずれを求めてその値をΔλとする。
【0079】その後、図1の(a)に示したように、第
1のスラブ導波路3を、第1のスラブ導波路3を通る光
の進行方向中心軸に直交する切断面8で切断し、それに
伴い、アレイ導波路型回折格子を第1の導波路形成領域
10aおよびその下の基板1aと第2の導波路形成領域
10bおよびその下の基板1bとに分離する。そして、
分離スラブ導波路3a,3b同士を切断面8に沿って基
板面方向に位置調整量dx’だけずらした状態で接続す
ることにより、本実施形態例のアレイ導波路型回折格子
が作製される。
【0080】なお、図1における線Aは、アレイ導波路
型回折格子を切断面8で切断する前の状態において、入
力導波路2aの出力端20から第1のスラブ導波路3に
入射する光の中心軸方向を示している。
【0081】また、上記位置調整量dx’は、前記の如
く、本発明者がアレイ導波路型回折格子の線分散特性に
着目して行なった検討結果に基づいて定めたものであ
り、光入力導波路2の出力端位置を前記X方向に位置調
整量dx’だけ移動することにより、各光出力導波路6
からの出力波長を前記(数7)に示すdλ’(dλ’=
Δλ)シフトさせることができる。
【0082】なお、切断面8の形成方法として、本実施
形態例では、ダイシングソー等による切断を適用してい
る。また、分離スラブ導波路3a,3b同士の接続に際
し、第1の導波路形成領域10aと第2の導波路形成領
域10bとを接着固定して分離スラブ導波路3a,3b
を接続してもよいし、少なくとも分離スラブ導波路3a
と分離スラブ導波路3bの接続部(互いに対向する面の
間)に、マッチングオイルやマッチンググリースを設け
た状態で、第1の導波路形成領域10aと第2の導波路
形成領域10bとをクリップ等を介して機械的に接続し
てもよい。
【0083】また、第1の導波路形成領域10aおよび
その下の基板1aと第2の導波路形成領域10bおよび
その下の基板1bを、表面が平滑なベース上に配置し
て、分離スラブ導波路3a,3bの切断面8同士を対向
させ、接続すると、分離スラブ導波路3a,3bの高さ
の位置合わせを容易に行なうことができる。
【0084】本実施形態例によれば、上記のように、ア
レイ導波路型回折格子の第1のスラブ導波路3をその光
の経路と交わる切断面8で切断して分離スラブ導波路3
a,3bを形成し、分離スラブ導波路3a,3b同士を
切断面8に沿って、アレイ導波路型回折格子の光透過中
心波長をITUグリッド波長に補正できる位置調整量d
x’だけずらした状態で、切断面8を互いに向き合わせ
て接続したものであるから、前記設定温度において、光
透過中心波長がITUグリッド波長とほぼ一致する優れ
たアレイ導波路型回折格子とすることができる。
【0085】また、本実施形態例によれば、アレイ導波
路型回折格子を切断面8で切断して分離スラブ導波路3
a,3bを形成し、分離スラブ導波路3a,3b同士を
切断面8に沿ってずらした状態で接続して形成されるも
のであるから、非常に容易に作製することができ、作製
歩留まりを向上させることができる。
【0086】図2には、本発明に係るアレイ導波路型回
折格子の第2実施形態例の要部構成が平面図により示さ
れている。本第2実施形態例において、上記第1実施形
態例と同一名称部分には同一符号が付してある。
【0087】本第2実施形態例も上記第1実施形態例と
同様に、図9に示したような構成のアレイ導波路型回折
格子を、その第1のスラブ導波路3を通る光の経路と交
わる切断面8で切断して形成されており、前記設定温度
においてアレイ導波路型回折格子の光透過中心波長をI
TUグリッド波長に補正できる位置調整量dx’だけ、
分離スラブ導波路3a側を切断面8に沿って分離スラブ
導波路3b側に対してずらした状態で、切断面8を互い
に向き合わせて接続されている。
【0088】本第2実施形態例の特徴的なことは、分離
スラブ導波路3bを有する第2の導波路形成領域10b
およびその下の基板1bをベース9に固定し、分離スラ
ブ導波路3aを有する第1の導波路形成領域10aおよ
びその下の基板1aを切断面8に沿ってベース9の面方
向にスライド移動することにより、分離スラブ導波路3
a側を分離スラブ導波路3b側に対して、切断面8に沿
って相対移動する構成としたことである。
【0089】具体的には、本第2実施形態例において、
ベース9は、石英ガラスやInvarロットなどの低熱
膨張率の材料により形成されており、このベース9に、
分離スラブ導波路3bとアレイ導波路4と第2のスラブ
導波路5と光出力導波路6が形成されている側の導波路
形成部10bおよびその下の基板1bが固定されてい
る。
【0090】一方、分離スラブ導波路3aが形成されて
いる側の導波路形成部10aおよびその下の基板1は、
ベース9の表面に沿って図の矢印A方向および矢印B方
向にスライド移動自在に配置されており、導波路形成部
10aの一端側は接着剤13を介して高熱膨張係数部材
7に固定されており、他端側は係止部材14に係止され
ている。
【0091】前記高熱膨張係数部材7は、導波路形成部
10aの上面に沿って設けられた上板部7aと導波路形
成部10aの側面に沿って設けられた側板部(図示され
ていない)とを有するL字形状の部材であり、側板部が
固定部11でベース9に固定されている。
【0092】また、高熱膨張係数部材7は、アレイ導波
路型回折格子の光透過中心波長のシフトに応じた分離ス
ラブ導波路3aの移動量に対応する熱膨張係数による収
縮が生じる物質であり、温度に依存して導波路形成領域
10および基板1よりも大きく伸縮する温度依存伸縮部
材として機能する。高熱膨張係数部材7は、例えば熱膨
張係数が2.5×10−5(1/K)のAl(アルミニ
ウム)により形成されている。
【0093】前記係止部材14は、導波路形成部10a
の上面に沿って設けられた上板部14aと導波路形成部
10aの側面に沿って設けられた側板部(図示されてい
ない)とを有するL字形状の部材であり、側板部が固定
部12でベース9に固定されている。係止部材14の上
板部の内壁と導波路形成部10aの上面とは当接してお
り、導波路形成部10aのスライド移動時に、導波路形
成部10aがベース9に対して上方側(XY平面に垂直
なZ軸方向)に変位しないようになっている。また、側
板部の内壁と導波路形成部10aの側面とは間隔を介し
ており、導波路形成部10aのスライド移動が支障なく
行なえるようになっている。
【0094】本第2実施形態例において、前記の如く、
分離スラブ導波路3a側を分離スラブ導波路3b側に対
して切断面8に沿って相対移動するスライド移動機構
は、高熱膨張係数部材7と、ベース9、係止部材14を
有して構成されている。そして、スライド移動機構は前
記特徴的な構成の高熱膨張係数部材7を有することによ
り、アレイ導波路型回折格子の光透過中心波長の温度依
存変動を低減する方向に分離スラブ導波路3a側の第1
の導波路形成領域10aを移動し、アレイ導波路型回折
格子の光透過中心波長を温度依存変動を低減する方向に
シフトさせる中心波長調整手段と成している。
【0095】なお、本第2実施形態例において、前記導
波路構成における各パラメータは、以下のように構成さ
れている。すなわち、第1のスラブ導波路3の焦点距離
’と第2のスラブ導波路5の焦点距離Lfは等し
く、その値は9mm(9000μm)であり、また、2
5℃において、第1のスラブ導波路3の等価屈折率およ
び第2のスラブ導波路5の等価屈折率は共にnで、そ
の値は、波長1.55μmの光に対して1.453であ
る。
【0096】さらに、アレイ導波路4の光路長差ΔLは
65.2μm、隣り合うアレイ導波路4同士の間隔は1
5μm、回折次数mは61、アレイ導波路4の等価屈折
率n は波長1.55μmの光に対して1.451、ア
レイ導波路の群屈折率nは波長1.55μmの光に対
して1.475である。
【0097】したがって、本第2実施形態例のアレイ導
波路型回折格子において、回折角φ=0となるところの
光透過中心波長λ0は、前記(数4)から明らかなよう
に、λ0=1550.9nmである。
【0098】ところで、本発明者は、アレイ導波路型回
折格子の温度依存性を抑制するために、アレイ導波路型
回折格子の線分散特性に着目し、前記(数1)〜(数
9)を用いた説明の通り、アレイ導波路型回折格子の使
用環境温度変化量Tと光入力導波路の位置補正量dx’
との関係を求めた。そして、この関係は前記(数9)に
より表わされることを確認した。なお、この使用環境温
度変化量Tに対応する位置補正量dx’は、前記設定温
度において光透過中心波長がITUグリッド波長からず
れているときに、光透過中心波長をITUグリッド波長
に合わせるためのdx’とは別に定められるものであ
る。
【0099】そこで、本実施形態例について、アレイ導
波路型回折格子の導波路構成の各パラメータと(数9)
に基づき、アレイ導波路型回折格子の使用環境温度の変
化量Tと光入力導波路2の位置補正量dx’の関係を求
めると、(数10)に示す関係となっていることが分か
った。
【0100】
【数10】
【0101】したがって、本第2実施形態例において、
アレイ導波路型回折格子の使用環境温度が10℃変化し
た際、光入力導波路2の出力端の位置をX方向に約3.
83μm補正(移動)すれば、温度による中心波長すれ
が補正できる計算になる。
【0102】そこで、本第2実施形態例では、アレイ導
波路型回折格子の使用環境温度が10℃上昇したとき
に、光ファイバに接続されている光入力導波路2の出力
端20の位置が約3.83μmだけ、矢印A方向に移動
し、その逆に、アレイ導波路型回折格子の使用環境温度
が10℃下降したときに、光入力導波路2の出力端20
の位置が約3.83μmだけ、矢印B方向に移動するよ
うに、分離スラブ導波路3a側の移動量を定めた。そし
て、この移動量が得られるように高熱膨張係数部材7の
大きさ等を形成し、前記スライド移動機構によって、各
光透過中心波長の温度依存変動を低減する方向にスライ
ド移動させるようにしている。
【0103】なお、本第2実施形態例のアレイ導波路型
回折格子の作製に際し、本発明者は、ファイバグレーテ
ィングの温度補償パッケージを応用し、モジュールを組
み立てた。すなわち、第1のスラブ導波路3の切断には
ダイシングソーを用い、切断面8における反射を防ぐた
めに、石英系ガラスと屈折率の整合したマッチンググリ
ースを切断面8に塗布した。また、高熱膨張係数部材7
と導波路形成部10aとの接着に用いた接着剤13は、
熱硬化接着剤とし、100℃で硬化させた。
【0104】また、光ファイバ配列具21に設けた光フ
ァイバ23とアレイ導波路回折格子の光入力導波路2を
調心し、光ファイバ配列具22に固定した光ファイバテ
ープ24の各光ファイバ(図示せず)とアレイ導波路型
回折格子の各光出力導波路6を調心し、対応する光ファ
イバと導波路2,6をそれぞれ接続した。
【0105】本第2実施形態例は以上のように構成され
ており、本第2実施形態例も上記第1実施形態例と同様
に、第1のスラブ導波路3を通る光の経路と交わる切断
面8で、第1のスラブ導波路3が分離スラブ導波路3
a,3bに切断分離し、設定温度においてアレイ導波路
型回折格子の光透過中心波長をITUグリッド波長に補
正できる位置調整量dx’だけずらした状態で、互いに
向き合わせて接続したものであるから、前記設定温度に
おいて、光透過中心波長がITUグリッド波長とほぼ一
致する優れたアレイ導波路型回折格子とすることができ
る。
【0106】また、本第2実施形態例は、特徴的なスラ
イド移動機構を設け、アレイ導波路型回折格子の使用環
境温度が上昇変化すると、前記スライド移動機構によっ
て、分離スラブ導波路3a側が切断面8に沿ってA方向
に移動し、一方、アレイ導波路型回折格子の使用環境温
度が下降変化すると、前記スライド移動機構によって、
分離スラブ導波路3a側が切断面8に沿ってB方向に移
動する。そして、この移動によって、アレイ導波路型回
折格子の各光透過中心波長の温度依存変動を低減する方
向への分離スラブ導波路3aのスライド移動が行なわれ
る。
【0107】また、上記スライド移動量は、前記(数1
0)により求められる位置補正量dx’であり、上記ス
ライド移動によって、分離スラブ導波路3a及び光入力
導波路2がスライド移動する。
【0108】したがって、本第2実施形態例によれば、
たとえアレイ導波路型回折格子の使用環境温度が変化し
ても、この温度変化に伴う光透過中心波長ずれを解消す
ることができ、使用環境温度に依存しない、いわゆる温
度無依存型のアレイ導波路型回折格子とすることがで
き、温度変化によらず、常にアレイ導波路型回折格子の
光透過中心波長をほぼITUグリッド波長にすることが
できる。
【0109】本発明者が、実際に、0℃〜80℃の環境
温度において、光透過中心波長の温度変化を測定したと
ころ、図3の特性線aに示す結果が得られ、光透過中心
波長のずれ(シフト)量は約0.01nm以下となり、
使用環境温度が0℃〜80℃の範囲内で変化しても、光
透過中心波長は殆どずれないことが確認できた。
【0110】なお、図3には、アレイ導波路型回折格子
における導波路構成の各パラメータを本第2実施形態例
と同様に形成し、第1のスラブ導波路3を分離していな
い従来のアレイ導波路型回折格子において、0℃〜80
℃の環境温度における光透過中心波長の温度変化を測定
した結果も示されている(図3の特性線b)。特性線a
と特性線bとを比較すると明らかなように、本第2実施
形態例のアレイ導波路型回折格子は、従来のアレイ導波
路型回折格子において問題であった光透過中心波長の温
度依存性を解消することができ、光波長多重通信用など
の実用に適した優れたアレイ導波路型回折格子であるこ
とが分かる。
【0111】また、本第2実施形態例によれば、前記ス
ライド移動機構は、高熱膨張係数部材7、ベース9、係
止部材14を有して構成されており、ベース9に配置し
た導波路形成部10aおよびその下の基板1の一端側
を、高熱膨張係数部材7を介してベース9に固定し、他
端側を係止部材14により係止するといった簡単な構成
であり、アレイ導波路型回折格子の構成の複雑化を避け
ることができる。
【0112】さらに、本第2実施形態例によれば、上記
のように導波路形成部10aおよびその下の基板1をベ
ース9にスライド移動自在に固定し、導波路形成部10
およびその下の基板をベース9に固定したものであるた
め、容易に作製することができる。
【0113】さらに、本第2実施形態例によれば、ペル
チェ素子やヒータを用いる必要がないために、ペルチェ
素子やヒータを含む温度調節手段を設ける場合のよう
に、常時通電を必要とせず、部品の組立誤差による温度
補正誤差を抑制することができる。
【0114】図4には、本発明に係るアレイ導波路型回
折格子の第3実施形態例の要部構成が平面図により示さ
れている。本第2実施形態例において、上記第1、第2
実施形態例と同一名称部分には同一符号が付してある。
【0115】本第3実施形態例は上記第2実施形態例と
ほぼ同様に構成されており、本第3実施形態例が上記第
1実施形態例と異なる特徴的なことは、高熱膨張係数部
材7の代わりにマイクロメーターヘッド25を設けてス
ライド移動機構を構成したことである。なお、本第3実
施形態例でも上記第2実施形態例と同様に、係止部材1
4が設けられているが、図4には、係止部材14を省略
して示してある。
【0116】マイクロメーターヘッド25には図示され
ていない制御手段が接続されており、マイクロメーター
ヘッド25は、この制御手段の制御に基づいて温度の変
化に応じて分離スラブ導波路3aのスライド移動量とス
ライド移動方向を制御し、アレイ導波路型回折格子の光
透過中心波長の温度依存変動を低減する方向に分離スラ
ブ導波路3aを移動する手段と成している。前記制御手
段には、例えば(数10)に示したような、分離スラブ
導波路3aのスライド移動量とスライド移動方向の情報
が予め入力されている。
【0117】本第3実施形態例は以上のように構成され
ており、本第3実施形態例も上記第2実施形態例とほぼ
同様にして作製され、同様の動作により同様の効果を奏
することができる。
【0118】なお、本発明は上記実施形態例に限定され
ることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、
上記各実施形態例では、アレイ導波路型回折格子の作製
に際し、いずれも、光入力導波路2と第1のスラブ導波
路3とアレイ導波路4と第2のスラブ導波路5と光出力
導波路6を有する導波路構成を基板1上に形成し、然る
後に、前記第1のスラブ導波路3を、該第1のスラブ導
波路3を通る光の経路と交わる切断面8で切断して分離
スラブ導波路3a,3bを形成し、該分離スラブ導波路
3a,3b同士を接続したが、アレイ導波路型回折格子
の作製方法は特に限定されるものではない。
【0119】例えば、図5の(a)、(b)にそれぞれ
示すように、アレイ導波路型回折格子の導波路構成にお
ける第1のスラブ導波路3を、第1のスラブ導波路3を
通る光の経路と交わる切断面8で切断して分離スラブ導
波路3a,3bと成した形態の、一方側の分離スラブ導
波路3aを有するアレイ導波路型回折格子の部分的導波
路構成(同図の(a)に示す第1の導波路形成領域10
a)と、他方側の分離スラブ導波路3bを有するアレイ
導波路型回折格子の部分的導波路構成(同図の(b)に
示す第2の導波路形成領域10b)をそれぞれ別々の基
板1上に形成し、然る後に、該別々の基板1に形成され
た分離スラブ導波路3a,3b同士を接続してアレイ導
波路型回折格子を作製してもよい。
【0120】このようにすると、作製されるアレイ導波
路型回折格子の生産性を向上させることができる。すな
わち、切断しない状態のアレイ導波路型回折格子のチッ
プサイズは、一般に、3cm×4cmであり、図6に示
すように、基板1となる4インチのウェハ30上にせい
ぜい4チップしか配置できない(言い換えると、1チッ
プ当たり0.25枚のウェハ30を必要とする)。
【0121】それに対し、図5に示したように、分離ス
ラブ導波路3aを有するアレイ導波路型回折格子の部分
的導波路構成と分離スラブ導波路3bを有するアレイ導
波路型回折格子の部分的導波路構成をそれぞれ別々の基
板1上に形成すると、同図の(a)においては、1ウェ
ハ当たり78チップ形成でき、同図の(b)においては
1ウェハ当たり10チップ形成できる。言い換えれば、
1チップ当たり0.11枚のウェハ30を必要とするだ
けであり、図6の場合に比べ、1チップ当たりのウェハ
30の必要枚数を格段に少なくすることができる。
【0122】また、アレイ導波路型回折格子において、
アレイ導波路4の形成部分の製造密度が不良となると、
他の部分に問題がなくてもアレイ導波路型回折格子の光
学特性が不良となるケースが多いので、アレイ導波路4
の形成部分の歩留まりが悪い場合に、アレイ導波路4の
形成部のみを作り直して、より一層生産性を向上させる
こともできる。
【0123】また、上記各実施形態例では、分離スラブ
導波路3a,3b同士を切断面8に沿って基板面方向に
位置をずらした状態で接続することにより、アレイ導波
路型回折格子の光透過中心波長の設定波長からのずれを
補正するようにしたが、例えば図7の(a)、(b)に
示すように、互いに対向する分離スラブ導波路3a,3
b端面を、間隔を介した状態で分離スラブ導波路3a,
3b同士を接続して、アレイ導波路型回折格子の光透過
中心波長の設定波長からのずれを補正するようにしても
よい。
【0124】この場合、同図の(a)に示すように、分
離スラブ導波路3a,3bの端面(切断面8)を平行に
配置してもよいし、同図の(b)に示すように、分離ス
ラブ導波路3a,3bの端面を、予め定めた設定角度を
介して配置してもよい。
【0125】さらに、分離スラブ導波路3a,3bの少
なくとも一方側の切断面を研磨面または研削面と成し
て、研磨又は研削した方の分離スラブ導波路3a,3b
の焦点距離を第1のスラブ導波路3の切断前よりも短く
し、それにより、アレイ導波路型回折格子の光透過中心
波長の設定波長からのずれを補正するようにしてもよ
い。
【0126】さらに、上記の様々な態様(分離スラブ導
波路3a,3b同士を切断面8に沿って基板面方向に位
置をずらした状態で接続する態様、互いに対向する分離
スラブ導波路3a,3bの端面が間隔を介した状態で分
離スラブ導波路3a,3b同士を接続する態様、分離ス
ラブ導波路3a,3bの少なくとも一方側の切断面8を
研磨面または研削面と成す態様)の2つ以上の態様を組
み合わせて、分離スラブ導波路3a,3b同士を接続し
てもよい。
【0127】さらに、上記各実施形態例では、第1のス
ラブ導波路3を切断分離したが、アレイ導波路型回折格
子は光の相反性を利用して形成されているものであり、
第2のスラブ導波路5側を切断分離して、分離された分
離スラブ導波路同士を、上記の様々な態様やその態様を
組み合わせた態様で、切断面8を互いに向き合わせて接
続してもよい。
【0128】さらに、上記各実施形態例では、いずれ
も、切断面8をダイシングソーなどによって形成した
が、切断面8を劈開により形成する劈開形成面としても
よい。
【0129】さらに、上記第2実施形態例のように、高
熱膨張係数部材7を有するスライド移動機構を設ける場
合、上記第2実施形態例のように、高熱膨張係数部材7
としてAlの板を用いるとは限らず、Al以外の材料に
より高熱膨張係数部材7を形成してもよい。
【0130】さらに、上記第2、第3実施形態例のよう
に、スライド移動機構を設ける場合にも、第2のスラブ
導波路5側を切断分離して形成した分離スラブ導波路の
少なくとも一方側を、スライド移動機構によって前記切
断面に沿って前記各光透過中心波長の温度依存変動を低
減する方向にスライド移動させてもよい。この場合も、
上記第2、第3実施形態例と同様の効果が得られ、前記
各光透過中心波長の温度依存変動を解消することができ
る。
【0131】さらに、第1のスラブ導波路3と第2のス
ラブ導波路5の両方をそれぞれ切断してそれぞれ分離ス
ラブ導波路を形成し、分離された分離スラブ導波路同士
を、切断面を互いに向き合わせて接続したり、分離スラ
ブ導波路の少なくとも一方側を、スライド移動機構によ
って前記切断面に沿って前記各光透過中心波長の温度依
存変動を低減する方向にスライド移動させてもよい。
【0132】さらに、第1のスラブ導波路3や第2のス
ラブ導波路5の切断面8は上記各実施形態例のように、
スラブ導波路を通る光の進行方向中心軸に直交する面と
は限らず、進行方向中心軸に対して斜めに交わる面とし
てもよく、切断するスラブ導波路を通る光の経路と交わ
る切断面で切断分離すればよい。
【0133】さらに、本発明のアレイ導波路型回折格子
を構成する各導波路2,3,4,5,6の等価屈折率や
本数、大きさなどの詳細な値は特に限定されるものでは
なく、適宜設定されるものである。
【0134】
【発明の効果】本発明によれば、アレイ導波路型回折格
子の導波路構成を形成する第1のスラブ導波路と第2の
スラブ導波路の少なくとも一方がスラブ導波路を通る光
の経路と交わる切断面で切断されて分離スラブ導波路と
成し、該分離スラブ導波路同士が切断面を互いに向き合
わせて接続されているために、例えば分離スラブ導波路
同士が切断面に沿って基板面方向に位置をずらした状態
で接続したり、互いに対向する分離スラブ導波路端面が
接触した状態あるいは間隔を介した状態で分離スラブ導
波路同士を接続したり、分離スラブ導波路の少なくとも
一方側の切断面は研磨面または研削面と成したりして、
適宜の接続状態で分離スラブ導波路同士を接続できる。
【0135】また、このような分離スラブ導波路同士の
接続によって、例えばアレイ導波路型回折格子の光透過
中心波長をスラブ導波路切断前の光透過中心波長に対し
てシフトさせることができ、このようにシフトした構成
のものにおいては、光透過中心波長を適宜の値とするこ
とができる。
【0136】そして、本発明において、例えば、切断前
の状態のアレイ導波路型回折格子の光透過中心波長が設
定波長からずれていたときに、アレイ導波路型回折格子
の光透過中心波長の設定波長からのずれを補正にする方
向に分離スラブ導波路同士を接続することにより、分離
スラブ導波路同士の接続によって光透過中心波長ずれを
補正(解消)することができる。
【0137】さらに、分離スラブ導波路の少なくとも一
方側を切断面に沿って移動させるスライド移動機構を設
けた構成のものにおいては、例えばスライド移動機構
を、アレイ導波路型回折格子の光透過中心波長をシフト
させる中心波長調整手段と成すことができ、このシフト
によって、例えばアレイ導波路型回折格子の光透過中心
波長の温度依存変動を低減したり、アレイ導波路型回折
格子の光透過中心波長の前記設定波長からのずれをより
一層正確に補正することができる。
【0138】さらに、スライド移動機構は導波路構成を
有する導波路形成領域および基板よりも温度に依存して
大きく伸縮する温度依存伸縮部材を有している構成のも
のにおいては、この温度依存伸縮部材によって、分離ス
ラブ導波路の少なくとも一方側をスライド移動し、アレ
イ導波路型回折格子の光透過中心波長の温度依存変動を
低減することができ、装置構成も簡略化できる。
【0139】さらに、スライド移動機構は温度の変化に
応じて分離スラブ導波路のスライド移動量とスライド移
動方向を制御してアレイ導波路型回折格子の光透過中心
波長の温度依存変動を低減する方向に少なくとも一方の
分離スラブ導波路を移動する手段と成している構成のも
のにおいては、この手段によって、アレイ導波路型回折
格子の光透過中心波長の温度依存変動を低減することが
できる。
【0140】さらに、本発明のアレイ導波路型回折格子
の作製方法において、光入力導波路と第1のスラブ導波
路とアレイ導波路と第2のスラブ導波路と光出力導波路
を有する導波路構成を基板上に形成し、然る後に、前記
第1のスラブ導波路と第2のスラブ導波路の少なくとも
一方を、スラブ導波路を通る光の経路と交わる切断面で
切断して分離スラブ導波路を形成し、該分離スラブ導波
路同士を接続してアレイ導波路型回折格子を作製する構
成のものにおいては、従来のアレイ導波路型回折格子の
作製方法を利用して、容易に本発明のアレイ導波路型回
折格子を作製することができる。
【0141】さらに、本発明のアレイ導波路型回折格子
の作製方法において、アレイ導波路型回折格子の導波路
構成における第1のスラブ導波路と第2のスラブ導波路
の少なくとも一方を、スラブ導波路を通る光の経路と交
わる切断面で切断して分離スラブ導波路と成した形態
の、一方側の分離スラブ導波路を有するアレイ導波路型
回折格子の部分的導波路構成と、他方側の分離スラブ導
波路を有するアレイ導波路型回折格子の部分的導波路構
成をそれぞれ別々の基板上に形成し、然る後に、該別々
の基板に形成された分離スラブ導波路同士を接続してア
レイ導波路型回折格子を作製する構成においては、例え
ば基板を形成するウェハ上に前記各部分的導波路構成を
効率良く形成することが可能となり、アレイ導波路型回
折格子の生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアレイ導波路型回折格子の第1実
施形態例を示す要部構成図である。
【図2】本発明に係るアレイ導波路型回折格子の第2実
施形態例を示す要部構成図である。
【図3】上記第2実施形態例のアレイ導波路型回折格子
における光透過中心波長の温度依存性を従来のアレイ導
波路型回折格子における光透過中心波長の温度依存性と
比較して示すグラフである。
【図4】本発明に係るアレイ導波路型回折格子の第3実
施形態例を示す要部構成図である。
【図5】アレイ導波路型回折格子を第1のスラブ導波路
の光の経路に交わる切断面で切断した形態の2つの部分
的導波路形成領域を、それぞれ別々の基板用ウェハに形
成する場合の設計例を示す説明図である。
【図6】アレイ導波路型回折格子の導波路形成領域を基
板用ウェハに形成する場合の設計例を示す説明図であ
る。
【図7】本発明のアレイ導波路型回折格子のその他の実
施形態例を平面図により示す要部構成図である。
【図8】アレイ導波路型回折格子における光透過中心波
長シフトと光入力導波路および光出力導波路の位置との
関係を示す説明図である。
【図9】従来のアレイ導波路型回折格子の構成を波長多
重分離化動作と共に示す説明である。
【図10】アレイ導波路型回折格子の光透過特性の例を
示すグラフである。
【図11】アレイ導波路型回折格子の各光出力導波路か
ら出力される各光の光透過特性例を1つのグラフにまと
めて示すグラフである。
【図12】温度制御回路を備えた従来のアレイ導波路型
回折格子を示す説明図である。
【図13】光透過特性の温度依存性を低減するために従
来提案されたアレイ導波路型回折格子の一例を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 基板 2 光入力導波路 3 第1のスラブ導波路 3a,3b 分離スラブ導波路 4 アレイ導波路 5 第2のスラブ導波路 6 光出力導波路 7 高熱膨張係数部材 8 切断面 9 ベース 10,10a,10b 導波路形成部 14 係止部材 30 ウェハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奈良 一孝 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 中島 毅 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA04 KA15 KB09 LA18 NA10 PA00 TA00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1本以上の並設された光入力導波路の出
    射側に第1のスラブ導波路が接続され、該第1のスラブ
    導波路の出射側には該第1のスラブ導波路から導出され
    た光を伝搬する互いに異なる長さの複数の並設されたア
    レイ導波路が接続され、該複数のアレイ導波路の出射側
    には第2のスラブ導波路が接続され、該第2のスラブ導
    波路の出射側には複数の並設された光出力導波路が接続
    された導波路構成が基板上に形成され、前記第1のスラ
    ブ導波路と第2のスラブ導波路の少なくとも一方がスラ
    ブ導波路を通る光の経路と交わる切断面で切断されて分
    離スラブ導波路と成し、該分離スラブ導波路同士が切断
    面を互いに向き合わせて接続されていることを特徴とす
    るアレイ導波路型回折格子。
  2. 【請求項2】 分離スラブ導波路同士が切断面に沿って
    基板面方向に位置をずらした状態で接続されていること
    を特徴とする請求項1記載のアレイ導波路型回折格子。
  3. 【請求項3】 互いに対向する分離スラブ導波路端面が
    接触した状態あるいは間隔を介した状態で分離スラブ導
    波路同士が接続されていることを特徴とする請求項1又
    は請求項2記載のアレイ導波路型回折格子。
  4. 【請求項4】 分離スラブ導波路の少なくとも一方側の
    切断面は研磨面または研削面と成していることを特徴と
    する請求項1又は請求項2又は請求項3記載のアレイ導
    波路型回折格子。
  5. 【請求項5】 分離スラブ導波路同士の接続によって、
    アレイ導波路型回折格子の光透過中心波長をシフトさせ
    たことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一
    つに記載のアレイ導波路型回折格子。
  6. 【請求項6】 アレイ導波路型回折格子の光透過中心波
    長の設定波長からのずれを補正にする方向に分離スラブ
    導波路同士を接続したことを特徴とする請求項1乃至請
    求項5のいずれか一つに記載のアレイ導波路型回折格
    子。
  7. 【請求項7】 分離スラブ導波路の少なくとも一方側を
    切断面に沿って移動させるスライド移動機構を設けたこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに
    記載のアレイ導波路型回折格子。
  8. 【請求項8】 スライド移動機構はアレイ導波路型回折
    格子の光透過中心波長をシフトさせる中心波長調整手段
    と成していることを特徴とする請求項7記載のアレイ導
    波路型回折格子。
  9. 【請求項9】 スライド移動機構は導波路構成を有する
    導波路形成領域および基板よりも温度に依存して大きく
    伸縮する温度依存伸縮部材を有していることを特徴とす
    る請求項7又は請求項8記載のアレイ導波路型回折格
    子。
  10. 【請求項10】 スライド移動機構は温度の変化に応じ
    て分離スラブ導波路のスライド移動量とスライド移動方
    向を制御して、アレイ導波路型回折格子の光透過中心波
    長の温度依存変動を低減する方向に少なくとも一方の分
    離スラブ導波路を移動する手段と成していることを特徴
    とする請求項7又は請求項8又は請求項9記載のアレイ
    導波路型回折格子。
  11. 【請求項11】 1本以上の並設された光入力導波路の
    出射側に第1のスラブ導波路が接続され、該第1のスラ
    ブ導波路の出射側には該第1のスラブ導波路から導出さ
    れた光を伝搬する互いに異なる長さの複数の並設された
    アレイ導波路が接続され、該複数のアレイ導波路の出射
    側には第2のスラブ導波路が接続され、該第2のスラブ
    導波路の出射側には複数の並設された光出力導波路が接
    続された導波路構成を基板上に形成し、然る後に、前記
    第1のスラブ導波路と第2のスラブ導波路の少なくとも
    一方を、スラブ導波路を通る光の経路と交わる切断面で
    切断して分離スラブ導波路を形成し、該分離スラブ導波
    路同士を接続して請求項1乃至請求項10のいずれか一
    つに記載のアレイ導波路型回折格子を作製することを特
    徴とするアレイ導波路型回折格子の作製方法。
  12. 【請求項12】 アレイ導波路型回折格子の導波路構成
    における第1のスラブ導波路と第2のスラブ導波路の少
    なくとも一方を、スラブ導波路を通る光の経路と交わる
    切断面で切断して分離スラブ導波路と成した形態の、一
    方側の分離スラブ導波路を有するアレイ導波路型回折格
    子の部分的導波路構成と、他方側の分離スラブ導波路を
    有するアレイ導波路型回折格子の部分的導波路構成をそ
    れぞれ別々の基板上に形成し、然る後に、該別々の基板
    に形成された分離スラブ導波路同士を接続して請求項1
    乃至請求項10のいずれか一つに記載のアレイ導波路型
    回折格子を作製することを特徴とするアレイ導波路型回
    折格子の作製方法。
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