JP2001352851A - トランスジェニック植物及びその作製方法 - Google Patents
トランスジェニック植物及びその作製方法Info
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Abstract
らびに開花時期を制御することができる主要作物や高価
な花卉類など園芸植物のトランスジェニック植物の作製
方法や、該作製方法により得られるトランスジェニック
植物を提供すること。 【解決手段】 カリフラワーモザイクウイルス35Sプ
ロモーターの下流に、LOVドメイン及びケルヒ(ke
lch)繰返しを有する青色光受容体タンパク質LKP
1のプロモーターを介して該LKP1遺伝子が連結され
ている発現ベクターにより植物を形質転換し、青色光受
容体タンパク質を過剰発現するトランスジェニック植物
を作製する。また、前記青色光受容体タンパク質のプロ
モーターの下流に、β−グルクロニダーゼ遺伝子等のレ
ポーター遺伝子を介して、青色光受容体タンパク質遺伝
子を連結することもできる。
Description
関係なく開花時期を制御することができるトランスジェ
ニック植物及びその作製方法、並びに該トランスジェニ
ック植物の栽培方法に関する。
境の刺激に対応し、それらを発生と分化のためのシグナ
ルとして利用し、それによって固体レベル及び細胞レベ
ルにおける生理学的、生化学的変化及び遺伝子発現を行
っている。植物にとって光はエネルギー源であるのみで
なく、シグナルとして非常に重要である。動物と異なっ
て植物は主に赤色と青色を感知する。これらの波長は、
休眠の終了、発芽、細胞伸長、回帰反応、葉緑体運動、
間隙開放、フラボノイド生合成、花成などの多くの植物
反応を調節している。赤色シグナルはフィトクロムによ
って検出され、シロイヌナズナの場合、フィトクロム光
受容体はphyA,phyB,phyC,phyD及び
phyEの5つの遺伝子でコードされている。これらの
フィトクロムは多くの重複した機能といくつかの他と異
なった機能を持っていることが知られている(Genes De
v,1989,3,1745-1757)。
最近まで青色受容体の構造およびそれらのシグナリング
経路は知られていなかった。AhmadとCashmo
reは、青色受容体であるクリプトクロム1(CRY
1)の配列を最初に報告した(Nature,1993,306,162-16
6)。CRY1は、5,10−メテニルテトラヒドロ葉
酸(MTHF)とフラビンアデニンジヌクレオチド(F
AD)の2つのコファクターを結合する75kDの蛋白
である。このことはクラスI光回復酵素への配列類似性
を示しているが、DNA光修復活性を欠いている(Scie
nce, 1995, 269,968-970;Biochemistry, 1995, 34, 68
92-6899)。CRY1は、胚軸、葉柄および茎の伸長、
子葉および葉の拡張、アントシアニン蓄積および花成の
ような青色依存性現象を調節している(Plant J, 1995,
8, 653-658;Planta, 1995, 197, 233-239)。シロイヌ
ナズナは、他のクリプトクロムであるCRY2も持って
いる。CRY2の機能はある程度CRY1のそれと重な
っている(Plant Cell, 1988, 10, 197-207)。CRY
1とCRY2の両者は胚軸伸長防止、アントシアニン形
成、花成、および茎生育の青色誘導抑制に関わっている
(Plant J, 1996, 10,893-902;Proc.Natl.Acad.Sci.19
98, 95, 2686-2690)。また、CRY1概日リズムを起
こす振動子に作用する光信号を感知する役割をすること
が示されている(Plant Cell, 1997, 9, 947-955;Scie
nce, 1998, 282, 1488-1490)。CRY1の過剰発現は
青色または白色光の高フルーエンスにおける自由継続周
期を大幅に短縮する。一方CRY1を無くすと高および
低光強度領域の両方で周期延長をもたらす(Science, 1
998, 282, 1488-1490)ことも報告されている。
ロピンはごく最近配列が決定された青色受容体である
(Sceince, 1997, 278, 2120-2123)。NPH1は原形
質膜関連のセリン/スレオニン蛋白キナーゼであり、そ
の活性は光によって誘起される(Sciencem, 1998, 282,
1698-1702)。NPH1は光センサー、酸素センサー及
び電圧作動性カリウムチャネル蛋白のeagファミリー
に発見されLOVと名付けられた2つのドメインを持っ
ている(Science, 1997, 278, 2120-2123)。NPH1
の両方のLOVドメインは、フラビンモノヌクレオチド
(FMN)をフラビン/蛋白比率1(UV−A/青色吸
収発色団として作用する)と結びつける(Science, 199
8, 282, 1698-1701)。ヒトのHERG LOVドメイン
とBradyrhizobium FixL LOVドメインの結晶構
造は決定されており、そのLOVドメインは、リガンド
を結合することができる疎水性ポケットを作っているα
−ヘリックスで挟まれたβ−シートコアを形成する。そ
の疎水性ポケットは親水性侵入法でリガンド結合のため
にアクセス可能である(Cell, 1998, 95, 649-655;PNA
S, 1988, 95, 15177-15182)。
インをもった蛋白をコードする、NPH1関連配列(N
PL1またはNPH1L)が報告されているが、その機
能は不明である(Plant Physiol, 1998, 117, 719)。
また、ゼアキサンチンは間隙開放のための光受容体発色
団と考えられているが、その受容体のアポ蛋白は未だ知
られていない(Plant Cell, 1998, 10,1121-1134)。こ
のように数多くの現象が青色によって調節されているの
で、これらの4つの受容体、CRY1,CRY2,NP
H1及び間隙応答のための青色光受容体が、全ての現象
に関与していないかもしれない。葉緑体運動に関連する
青色受容体はこれらの4つの受容体とは異なっていると
の報告もある(Plant Cell Physiol, 2000, 41, 84-9
3)。
節する遺伝子に関する2つの報告がなされた。Keyらの
報告(Cell, 101, 319-329, 2000)には、トランスジェ
ニック バイオルミネッセンス表現型を用いて、シロイ
ヌナズナの開花遅延変異株の遺伝子スクリーニングを行
い、609アミノ酸残基からなる青色光受容体タンパク
質ZTLを見い出したことや、かかる質ZTLや本発明
者らによる青色光受容体タンパク質LKP2のアミノ酸
配列が記載されている。また、Bartelらの報告(Cell,
101, 331-340, 2000)には、青色光受容体タンパク質F
KF1のホモログとしてZTLとFKL1とを見い出し
たことや、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモ
ーターの下流に結合したZTLcDNAを発現させたこ
とが記載されている。
産上、育種上、及び園芸上重要な現象である。花分化、
開花制御はもっぱら人工的な日長条件、温度条件の調節
により行われているのが現状である。しかし、光照射装
置、温度調節装置等の設備費及び照明費、暖房費等のコ
スト面の問題がある。これまでトランスジェニック植物
の応用も始まっているが、その種類は限られており、よ
り広範な領域において有用なトランスジェニック植物の
創生が望まれている。本発明の課題は、根、葉、茎の十
分な生育とともに抽台時期ならびに開花時期を制御する
ことができる主要作物や高価な花卉類など園芸植物のト
ランスジェニック植物の作製方法や、該作製方法により
得られるトランスジェニック植物を提供することにあ
る。
育は、日照時間の変化、温度変化等の各種の自然条件に
左右されている。植物はその自然条件を感知する機能を
有しており、その機能を司る物質は遺伝子的に制御され
た機構により発現され生産され、かかる物質によって生
育の各段階が調節されている。本発明者等は、長日植物
であるシロイヌナズナから青色光受容体タンパク質LK
P1或いはLKP2遺伝子を分離し、これをカリフラワ
ーモザイクウイルス35Sプロモーターの下流に、LK
P1のプロモーターを介してLKP1遺伝子が連結され
ている発現ベクターにより形質転換し、構成的にLKP
1を過剰発現させることにより、開花誘導長日条件下で
ある長日条件下でも短日条件下とほぼ同じ時期に開花誘
導が起こるトランスジェニック植物が得られることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
ルヒ(kelch)繰返しを有する青色光受容体タンパ
ク質を過剰発現するトランスジェニック植物の作製方法
であって、植物ウイルス由来のプロモーターの下流に、
前記青色光受容体タンパク質のプロモーターを介して該
遺伝子が連結されている発現ベクターにより形質転換す
ることを特徴とするトランスジェニック植物の作製方法
(請求項1)や、青色光受容体タンパク質のプロモータ
ーの下流に、レポーター遺伝子を介して、青色光受容体
タンパク質遺伝子が連結されていることを特徴とする請
求項1記載のトランスジェニック植物の作製方法(請求
項2)や、レポーター遺伝子が、β−グルクロニダーゼ
遺伝子であることを特徴とする請求項2記載のトランス
ジェニック植物の作製方法(請求項3)や、青色光受容
体タンパク質が、配列番号2で示されるアミノ酸配列を
有するLKP1であることを特徴とする請求項1〜3の
いずれか記載のトランスジェニック植物の作製方法(請
求項4)や、青色光受容体タンパク質のプロモーターと
して、LKP1の1.5kbの5′非コーディング領域
を用いることを特徴とする請求項4記載のトランスジェ
ニック植物の作製方法(請求項5)や、青色光受容体タ
ンパク質が、配列番号4で示されるアミノ酸配列を有す
るLKP2であることを特徴とする請求項1〜3のいず
れか記載のトランスジェニック植物の作製方法(請求項
6)や、植物ウイルス由来のプロモーターが、カリフラ
ワーモザイクウイルス35Sプロモーターであることを
特徴とする請求項1〜6のいずれか記載のトランスジェ
ニック植物の作製方法(請求項7)や、カリフラワーモ
ザイクウイルス35Sプロモーターとして、発現ベクタ
ーpBE2113を用いることを特徴とする請求項7記
載のトランスジェニック植物の作製方法(請求項8)
や、トランスジェニック植物が、トランスジェニックシ
ロイヌナズナであることを特徴とする請求項1〜8のい
ずれか記載のトランスジェニック植物の作製方法(請求
項9)や、1〜9のいずれか記載のトランスジェニック
植物の作製方法により得ることができるトランスジェニ
ック植物(請求項10)や、ロゼット形の茎上葉を有
し、多くのロゼット葉と延長されたプライマリー花序茎
を形成しうることを特徴とする請求項10記載のトラン
スジェニック植物(請求項11)や、種子に低温による
春化処理を施しても、開花誘導が生じないことを特徴と
する請求項10又は11記載のトランスジェニック植物
(請求項12)や、繁殖材料であることを特徴とする請
求項10〜12のいずれか記載のトランスジェニック植
物(請求項13)や、繁殖材料が種子であることを特徴
とする請求項13記載のトランスジェニック植物(請求
項14)に関する。
のトランスジェニック植物を栽培することを特徴とする
植物の栽培方法(請求項15)や、植物の開花時期を制
御することを特徴とする請求項15記載の植物の栽培方
法(請求項16)や、開花時期の制御が開花時期の遅延
であることを特徴とする請求項16記載の作物の栽培方
法(請求項17)や、植物の抽台を遅らせることを特徴
とする請求項15〜17のいずれか記載の植物の栽培方
法(請求項18)に関する。
の作製方法としては、LOVドメイン及びケルヒ(ke
lch)繰返しを有する青色光受容体タンパク質を過剰
発現するトランスジェニック植物の作製方法であって、
植物ウイルス由来のプロモーターの下流に、前記青色光
受容体タンパク質のプロモーターを介して、該青色光受
容体タンパク質の遺伝子が連結されている発現ベクター
により形質転換する方法であれば特に制限されるもので
なく、上記青色光受容体タンパク質の遺伝子としては、
青色光受容体タンパク質をコードするcDNAの全部若
しくは一部又は青色光受容体タンパク質の構造遺伝子の
全部若しくは一部を例示することができる。また、青色
光受容体タンパク質のプロモーターの下流に、レポータ
ー遺伝子を介して、青色光受容体タンパク質遺伝子を連
結することもできる。かかるレポーター遺伝子としては
公知のレポーター遺伝子であればどのようなものも使用
することができるが、植物に通常存在しない遺伝子、例
えばβ−グルクロニダーゼ遺伝子やGFP(green fluor
escent protein)遺伝子が好ましい。
知の青色光受容体タンパク質であれば特に制限されるも
のではないが、本発明者らにより見出された配列番号1
で示されるLKP1cDNAの翻訳産物である、配列番
号2で示されるアミノ酸配列を有するLKP1や、配列
番号3で示されるLKP2cDNAの翻訳産物である、
配列番号4で示されるアミノ酸配列を有するLKP2を
具体的に例示することができる。LKP1のcDNAは
2297bpからなり610アミノ酸残基からなり、L
KP2のcDNAは2265bpからなり612アミノ
酸残基からなり、LKP1、LKP2タンパク質とも青
色光受容体に見られるLOVドメインを1つと、kel
chドメインを1つ有している。以下、LKP1が有す
る青色シグナル機能、日周期性の時計関連機能について
説明する。
光強度での青色に対する黄化した実生の光親和性反応に
関与する、青色受容体であるNPH1に存在するLOV
ドメインと非常に高い相同性(84%類似性)LOVド
メインを有する。NPH1におけるLOVドメインは、
FMNをフラビン/タンパク比率1で非共有結合的に結
合させている(Science, 1998, 282, 1698-1701)。N
PH1のLOVドメインはこの青色受容体キナーゼの光
感知性発色団と考えられている。本発明の35S::LK
P1トランスジェニック植物は、白色光における細胞伸
長による長い胚軸表現型を示す。シロイヌナズナにおい
て、フィトクロームA及びB並びにクリプトクロームC
RY1及びCRY2のような光受容体は、胚軸細胞伸長
の阻止に貢献していることが示されている。LKP1の
過剰発現は細胞における青色シグナルの大部分を吸収し
そのCRY類への進入を減らす結果クリプトクロムによ
る胚軸伸長の阻止が起きていない。また、本発明の35
S::LKP1トランスジェニック植物は長日条件下にお
ける遅延花成をも示す。PHYA、CRY1及びCRY
2の光受容体の変異体もまたシロイヌナズナの花成時間
の長日経路にも影響を与える。LKP1は核細胞質タン
パクであり、その核細胞質局在化は、フィトクロムやサ
イトクロムのような光受容体にも見られる。
ク相互作用にも機能する。NPH1LOV1ドメイン
は、NPH1の下流で働くシグナル要素であるNPH3
と相互作用することが示されている(Science, 1999, 2
86, 961-964)。LOVドメインはPASドメインに関
係している(Trends Biochem Sci., 1997, 22, 331-33
3)。PASドメインはフィトクロムのように光感知及
びシグナリングに関連するのみならず、WC−2、PE
R及びCLOCLKのように時計関連タンパクとも関係
している。これらのタンパクのPASドメインはタンパ
ク−タンパク相互反応においても機能する。LKP1の
モチーフ検索はE−バリュー値0.0045を持つLK
P1LOVドメインにおけるPASドメインモチーフを
拾い上げた。長い胚軸表現型はLHY及びCCA1変異
体にも見られ、そこではmyb−関連遺伝子は35Sプ
ロモーターで活性化された(Cell, 1998, 93, 1207-121
7)。LHY及びCCA1はシロイヌナズナにおける日
周期性の時計の中枢振動子と密接に関係していると考え
られている。また、35S::LKP1トランスジェニッ
ク実生は、明らかな子葉運動を示すが、野生型実生はこ
れを示さない(Cell, 1998, 93, 1219-1229;Science,
1999, 285, 1579-1582)。長日経路における遅延花成は
LHY及びCCA1支配変異体においても見られ、そこ
では遺伝子発現及び葉運動にかんする日周期性時計制御
が妨害された(Cell, 1998, 93, 1219-1229;Cell, 199
8, 93, 1207-1217)。暗下におけるGFP−LKP1発
現植物組織培養を白色光下に移した時、GFPシグナル
は核に移らなかったことから、GFP−LKP1の核細
胞質局在化は光によってのみ制御されていないことがわ
かる。
報告におけるZTLと、LKP2はBartelらの報告にお
けるFKL1と、それぞれ同一物質である可能性が高
い。Keyのグループは長期間変異体であるZeitlu
pe1を特徴付けを行っている。この変異体はぼんやり
した青色において非常な長期間を有し、時計への青色シ
グナリングが変えられていることを示唆している。Ze
itlupe1変異体はLKP1遺伝子のケルヒ繰返し
コード領域に変異があり、彼等のデータは本発明者らの
LKP1機能に関する見解を支持している。LKP1/
ZTL1は青色シグナル変換分子とみられ、花成時間と
概日リズムを制御していると考えられる。他方、Bartel
のチームも、遅延シロイヌナズナ花成変異体(fkf
1)における遺伝子欠損にたどりつき、クロモゾ−ム1
の最後における欠損の部分を分離している。この変異体
は胚軸伸長欠損を持ち、FKF1転写物は概日ファッシ
ョンに調節されている。FKF1はLKP1/ZTL1
に相同性があり(アミノ酸で65.9%)、LKP1/
ZTL1とFKF1は同一の小さな遺伝子ファミリーに
属する。しかし、本発明者らのRT−PCR実験では、
LKP1転写物は概日ファッションにはっきりとは制御
されていなかった。3つの遺伝子間で花成に関し完全な
相補機能がないのに、それぞれの変異体は遅延花成表現
体である。これらのタンパクの標的は異なっているかも
しれないが、LKP1/ZTL1の変異と過剰発現は花
成時間に影響するので、LKP1/ZTL1は高等植物
における花成時間を調節する有効なものである。
ーとしては、当該青色光受容体タンパク質のコード領域
の5′側の非コーディング領域に存するプロモーター又
はそれを含む配列であればどのようなものでもよく、例
えば、LKP1の1.5kbの5′非コーディング領域
を具体的に挙げることができる。また、上記植物ウイル
ス由来のプロモーターとしては特に制限されるものでは
ないが、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモー
ター、トウモロコシのユビキチンプロモーター、ノパリ
ン合成酵素(NOS)遺伝子プロモーター、オクトピン
(合成酵素)遺伝子プロモーター、イネのアクチン(A
ct1)遺伝子プロモーター等を具体的に例示すること
ができ、中でも発現力の強さからカリフラワーモザイク
ウイルス35Sプロモーターが好ましく、かかるカリフ
ラワーモザイクウイルス35Sプロモーターとしては、
例えば発現ベクターpBE2113(Mitsuhara et a
l.,Plant Cell Physiol.37, 49-59, 1996)を用いるこ
とができる。また、トランスジェニック植物の種類とし
ては、コメ、ムギ、トウモロコシ、ダイズ等の穀類、レ
タス、キャベツ等の野菜の他、花卉類等の園芸植物、シ
ロイヌナズナ等の研究用植物などを挙げることができる
が、これらの制限されるものではない。
過剰発現するトランスジェニック植物の作製方法につい
て説明する。植物ウイルス由来のプロモーターの下流
に、LOVドメイン及びケルヒ(kelch)繰返しを
有する青色光受容体タンパク質のプロモーターを介して
該遺伝子が連結されている発現ベクターを、シロイヌナ
ズナ、タバコ、トウモロコシ、小麦、イネ、ニンジン、
大豆などから樹立した植物株化細胞に導入し、この遺伝
子導入された細胞株を植物体へ再生させることにより、
トランスジェニック植物を得ることができる。宿主植物
細胞へのベクターの導入法としては、アグロバクテリウ
ム法が好適であるがその他にも、例えば、ポリエチレン
グリコール法、エレクトロポレーション法、パーティク
ルガン法などを用いることができる(モデル植物の実験
プロトコール、秀潤社(1996))。
は、以上のトランスジェニック植物の作製方法により得
ることができるトランスジェニック植物であれば特に制
限されるものではないが、特に、日長や温度変化に関係
なく開花時期を制御することができるトランスジェニッ
ク植物の他、ロゼット形の茎上葉を有し、多くのロゼッ
ト葉と延長されたプライマリー花序茎を形成しうるトラ
ンスジェニック植物や、種子に低温による春化処理を施
しても、開花誘導が生じないトランスジェニック植物を
好適に例示することができる。また、トランスジェニッ
ク植物の形態としては、植物体の他、プロトプラスト、
カルス、リーフディスク、ヒポコチル等の植物体の部
分、種子、塊根、切穂、メリクローン等の繁殖材料を挙
げることができる。
トランスジェニック植物を栽培する方法であれば特に制
限されるものではなく、本発明の植物の栽培方法によ
り、植物の開花時期の制御、特に開花時期の遅延や植物
の抽台の遅延を図ることができる。また、LKP2も上
記LKP1と同様に調製することができ、さらに、LK
P2はLKP1と同様の機能を有することが確かめられ
ている。
的に説明するが、この発明の技術的範囲はこれらの実施
例に限定されるものではない。ます、実施例における材
料及び実験方法について以下説明する。
s thaliana:Columbia ecotype)の種子を無菌的に0.
8%の寒天と0.9Mショ糖を含有する発芽培地(Plan
t J.,1997,12,851-861)に播種し、休眠を破るため暗条
件下4℃において3日間インキュベートした。ついで1
6時間光照射及び8時間暗闇という長日条件下で22℃
で生育させた。ロッゼット実生を土に移し同じ条件下で
生育させた。花成テストのためには、種子を土に播種し
3日間暗条件下4℃でインキュベートし、ついで長日条
件下(16時間光照射/8時間暗)もしくは短日条件下
(8時間光照射/16時間暗)において22℃で生育さ
せた。春化するために種子を土に播種し、短日型で4℃
で30日間インキュベートした。春化感受性遅延花成変
異体fve−2(Landsberg background)(Mol.Gen.Gene
t.,1991,229,57-66;Cold Spring Harbor Lab.Press,NY,
1994,pp403-433)を対照として用いた。
cDNAライブラリー[CD4−13(0.5−1k
b)、CD4−14(1−2kb)、CD4−15(2
−3kb)及びCD4−16(3−6kb)](Cell、1
993,72,427-441)のスクリーニングはプラークハイブリ
ッド法(Maniatis等「Molecular Cloning」1982)によ
って、シロイヌナズナのゲノムDNAからの4.15k
bPCR断片(MSF19P1クローンの6771−1
0920領域に相当する)をプローブとして用いて行っ
た。また、配列番号5及び6に示されている塩基配列か
らなるプライマーが用いられた。各cDNAライブラリ
ーを6×5,000プラークとしてプレートし、スクリ
ーニングした。
のプラスミドDNAテンプレートは、自動化プラスミド
分離システム(model PI-100, Kurabo, Oosaka)を用い
て作られた。DNA配列はDNAシークエンサー(mode
l 317;Applied Biosystems, Foster City, CA)を用い
てビッグダイ(BigDye)−ターミネーター シー
クエンシング法によって決定された。GENETYX
(Software Development,Tokyo)及びDNASIS(HI
TACHI Software Engineering, Tokyo)ソフトウエアー
システムがDNAとアミノ酸配列解析に用いられた。
BLAST検索はNCBIウェブサイト(http://www.n
cbi.nlm.nih.gov/)を通じて行った。GENSCANは
スタンフォードのウェブサイト(http://genomic.stanf
ord.edu/GENSCANW.html)を通じて行った。モチーフ検
索はウェブサイト(http://www.motif.genome.ad.jp/)
を通じて行った。
S法(Kiyosue et al., Plant.Mol.Biol.19, 239-249,
1992)によって分離した。一段階RT−PCRは0.0
2−2μgのRNAを出発物質とし、Ready−To
−Go RT−PCRビーズ(Amersham Pharmacia Biot
ech)を用いて行った。LKP1 RNAの増幅に用いた
プライマーは、第1エクソンに対応する配列番号7に示
される塩基配列及び第2エクソンに対応する配列番号8
に示される塩基配列であった。18SリボゾームRNA
は、植物用のQuantumRNA18Sインターナル
スタンダードプライマー(Ambion,Austin,TX)を用い
て増幅した。各反応の反応容量は50μlであり、各反
応の10μlが各レーンに入れられた。
コドンからLKP1コーディング配列と21bの重複を
有する1.5−kbの5′非コーディング領域が、コロ
ンビア エコタイプ シロイヌナズナのゲノムDNAか
らのPfu TurboDNAポリメラーゼ(Stratagen
e)によってPCR増幅された。用いたプライマーは、
それぞれの末端にXbaIサイト及びSmaIサイトを
導入した配列番号9及び10に示される塩基配列であ
る。PCR断片はpCR−Blunt II−TOPO
(Invitrogen)にサブクローンされ、配列を同定するた
めシークエンスされ、プロモーターのないβ−グルクロ
ニダーゼ(GUS)発現ベクターpBI101(Clonte
ch,Pa Alto,CA)に連結した。得られた構築物をシークエ
ンスし、LKP1の7アミノ酸領域のGUSタンパク領
域へのフレーム内融合を確認した。
プロモーターを含む発現ベクターpBE2113が、L
KP1の過剰発現のために用いられた。LKP1コーデ
ィング配列はPfu Turbo又はLA−TagDN
Aポリメラーゼ(Takara,Kyoto)によって増幅され、各
末端にBamHIサイトを導入した配列番号11及び1
2に示される塩基配列がプライマーとして用いられた。
PCR断片はpCR−BluntII−TOPO又はpC
R2.1−TPOPO(Invitrogen)にサブクローンさ
れ、配列を同定するためにシークエンスされ、ついでp
BE2113に連結された。センス オリエンテーショ
ン構築物を選択し、形質転換に用いた。
ンのGFP(smRS−GFP)(Davis and Vierstr
a,Plant Mol.Biol.36, 521-528, 1998)が、GFP−L
KP1構築物を作るために用いられた。GFPコーディ
ング領域はArabidopsis Biologic
al Resource CenterからのpsmR
S−GFPで増幅され、XbaIサイトとStuIサイ
トを各末端に導入した配列番号13及び14に示される
塩基配列のプライマーが用いられた。LKP1コーディ
ング領域は、PCR増幅され、StuIサイト及びBa
mHIサイトを各末端に導入した配列番号15及び16
に示される塩基配列のプライマーが用いられた。両PC
R断片はサブクローンされ、配列を同定するためシーク
エンスされ、StuIサイトで連結され、ついでGFP
−LKP1断片がpBE2113に導入された。シロイ
ヌナズナのアグロバクテリウムを介しての形質転換は、
単純化されたインプランタ・インフィルトレーション法
(Plant J, 16, 735-743,1998)により行われた。形質
転換した系統は50μg/mlのカナマイシンを含有す
る前記発芽寒天培地上で選択された。
ェニック植物中でのGUS活性の組織化学的局在化は中
島等(Plant J, 12, 851-861, 1997)の方法で行われ
た。35S::GFP−LKP1植物の根及び葉を取り、
暗下で30分インキュベートし水の中に漬け、その後細
胞をZeiss Axioplan顕微鏡によって観察
した。
ドメインの配列について、シロイヌナズナのデータベー
スを検索したところ、いくつかの配列が見出された。一
つの配列はクロモゾ−ム5にあるMSF19のPIクロ
ーンに位置していた。LOVドメインを含むタンパク質
をコードする配列を同定するために、そのDNA配列を
GENSCANプログラムによって分析した。そのタン
パク質のcDNAを3日齢の胚軸からのcDNAライブ
ラリーからスクリーニングした(Cell, 1993, 72, 427-
441)。4×300,000ファージの中から18のク
ローンを分離し、解析した。これらのクローンの末端配
列決定によって9個のcDNAがオープンリーディング
フレーム(ORF)に対応していることが判明したの
で、これらの9個のクローン全ヌクレオチド配列を決定
した。最も長いクローンは分子量65905.17Da
の610個のアミノ酸からなるタンパクをコードする1
830bpのORFと核局在化シグナルを有する229
7bpの挿入部を持っていた(図1参照)。
クはN−末端部分にLOVドメインを持ち、C−末端半
にケルヒ(kelch)ファミリー(Cell, 1993, 72,
681-693;J.Med.Biol, 1994, 236, 1277-1282)に属す
る6個の内部繰返しを持っていた(図2及び図3参
照)。したがって、このタンパク質をLKP1(LOV
ケルヒタンパク1)と命名した。LKP1のLOVドメ
インは、ArabidopsisNPH1及びNeurosporaホワイト
カラー−1の青色シグナル化分子のLOVドメイン(EM
BO J, 1996, 15, 1650-1657)、及びArabidopsisNPH
1L(NPL1)(Plant Physiol, 1998,117,719)、A
diantumPHY3(PNAS, 1998, 95, 15826-15830)、及
びHalobacteriumバクテリオ−オプシンアクチベーター
(J.Bacteriol, 1988, 170, 4903)という光受容体とみ
なされている部分のLOVドメインと顕著な配列相関性
を持っていた(48.8−58.1%の同一性、74.
4−86.0%の類似性)。LKP1のケルヒ繰返し
は、酵母の先端伸長異常タンパク1(yeast tip elonga
tion aberrant protein1:YEA1)とはホモロジー
(25−29%の同一性、37−45%の類似性)を、
ヒト及びマウスのホスト−セル因子C1(Cell, 1993,
74, 115-125)とはホモロジー(25−31%の同一
性、39−46%の類似性)を、Physariumアクチン−
フラグミンキナーゼ(EMBO J, 1996, 15, 5547-5556)
とはホモロジー(26−27%同一性、39−44%類
似性)をそれぞれ有していた。ケルヒ繰返しは、キイロ
ショウジョウバエの卵母細胞成熟の際ナース細胞と卵母
細胞の間の細胞質フローを制御する環状水管成分のケル
ヒ遺伝子産物の中で最初に同定され(Cell,1993,72,681
-693)、F−アクチンに結合することが知られているタ
ンパクに存在する(Cell, 1993, 72,681-693;EMBO J,
1996, 15, 5547-5556;Genes Dev., 1995, 9, 1074-108
6)。7つのケルヒ繰返しを菌類Dactylium dendroides
からのガラクトースオキシダーゼの確立された3次元構
造とのアナロジーから、6つのケルヒ繰返しは6倍の4
個のβ−ストランドからなるワンドメインスーパーバレ
ル構造であると想定される。
現とプロモーター活性] 器官特異的なLKP1mRNAレベルをRT−PCR法
によって試験した。2μg全RNAがそれぞれの反応に
用いられ、対照として18SrRNAが増幅された。結
果を図4(参考写真1参照)に示す。LKP1mRNA
は全ての器官において見出されそのレベルはそれぞれ異
なっていた。乾燥種子(DS)<茎(St)<長角果(Si)
<根(R)<花(F)及び葉(CL,RL)の順であった。い
くつかの青色受容体のmRNAレベルは日中変化するこ
とが報告されているので、ロゼット葉のLKP1mRN
Aレベルを4時間毎に調べたが、RNA発現に明確なリ
ズム性を検出することができなかった。LKP1遺伝子
のプロモーター活性を、LKP1P::GUS構築物を有
するトランスジェニックシロイヌナズナのGUS活性で
組織化学的に調べた。LKP1プロモーター/GUS融
合遺伝子を持ったトランスジェニックシロイヌナズナ
(T3)植物を、50μg/mlカナマイシン含有寒天
発芽培地に播いたときのGUS活性を、実生(A)、ロ
ゼット葉(B)、花(C)、茎上葉(D)、及び長角果
実(E)において調べた結果を図5(参考写真2参照)
に示す。子葉(図5A)、ロゼット葉(図5B)、茎上
葉(図5D)で強いシグナルが検出された。GUS活性
は根、萼、長角果及び花軸をもつ長角果でも検出された
が、胚軸、葉柄の基部、花弁、若い花軸及び主軸での活
性はごく少なかった。このプロモーター活性は、図4に
示したLKP1mRNAレベルと一致しており、このこ
とは1.5kbのプロモーター領域がLKP1遺伝子発
現の調節に重要な役割を担っていることを明らかにして
いる。
ンスジェニックシロイヌナズナの性状] (胚軸及び葉柄の伸長)LKP1の機能を調べるため、
LKP1遺伝子のノックアウト系統を上総DNA研究セ
ンターで作られた50,000系統のT−DNAプール
からPCRスクリーンしたが、ノックアウト系統は見つ
からなかったので、LKP1cDNAを構成性のカリフ
ラワーモザイクウイルス35Sプロモーターのコントロ
ール下で発現させたトランスジェニックシロイヌナズナ
を前記のように作製した(PlantCell Physiol, 1996, 3
7, 49-59, Method Enzymol, 1987, 153, 253-277)。図
6(参考写真3参照)に示されているように、このトラ
ンスジェニック植物は形質転換されたLKP1を過剰発
現し、長日及び短日下で伸長された胚軸及び葉柄をもつ
表現型を示した(図6A及びCは6日齢のT2実生、及
び2週齢の35S::LKP1ロゼット植物を示す。)。
暗条件で生育させた植物では35S::LKP1実生の伸
長された胚軸及び葉柄の表現型は観察されなかった。3
5S::LKP1植物の胚軸の表皮細胞の長さは対照又は
野生型のそれに比して3−5倍長かった(図6B及びD
は、50μg/mlカナマイシン含有寒天発芽培地にお
いて長日条件下で生育された35S::LKP1と35S
ベクターのみの対照形質転換体を示し、図6Eは35
S::LKP1の実生の表皮細胞であり、図6Fは対象の
表皮細胞である。)が、胚軸の総表皮細胞数は軸と同様
同じであった。35S::LKP1実生の葉柄も伸長され
た表皮細胞を持っていた。
あった。5日齢の実生を長日条件下寒天発芽培地上で生
育させ、4時間毎に撮影した。ZTは暁からの時間数で
ある。35S::LKP1実生の子葉は深夜(ZT20−
0)には垂直に、午後(ZT8−16)には水平に位置
した。一方、対照及び野生型実生では長日条件下でその
ような明瞭な子葉運動を示さなかった(図7;参考写真
4参照)。これは35S::LKP1実生では、内部の表
皮細胞と外部の細胞で異なった細胞拡大率で子葉葉柄が
生育するからと考えられる。比較的高い光強度で生育し
たシロイヌナズナでは、LKP1遺伝子のプロモーター
活性は子葉の葉柄には検出されなかった(図5A)こと
から、明瞭な子葉運動は子葉において異所的に発現され
たLKP1によるのかもしれない。シロイヌナズナの子
葉及び葉運動は概日リズムを示すことが知られている
(Science, 1996, 274, 790-792;Cell, 1998,93, 1219
-1229)。GIGANTEA(GI)及び遅延伸長胚軸
(LHY)の遺伝子がそのプロセスに関与することが知
られている(Science, 1999, 285, 1579-1582)。した
がって、LKP1はこれらの調節分子と何らかの相互反
応をするのかも知れない。
ナズナは、遅延花成表現型を大きな特徴とする。長日条
件下の条件下で生育させたときの遅延花成の実験結果を
図8(参考写真5参照)に示す。図8中、Aは野生型
(Columbia)の4.5週齢、B−Fは35S::
LKP1イロイヌナズナであり、Bは4.5週齢、Cは
11週齢、Dは12.5週齢、Eは8.5週齢、Fは1
1週齢、Gは12週齢を示す。長日条件下では、コロン
ビア野生型植物は播種後4週間頃開花するのに対し、3
5S::LKP1トランスジェニック植物は播種後4週間
で開花することはない(図8A及びB)。また、本発明
の35S::LKP1トランスジェニック植物は2つのタ
イプの遅延花成表現型を示した。タイプ1植物は抽台
(とう立ち)前に多数のロゼット葉(57.1±6.
6)を形成した。抽台は播種後11週に始まった(図8
C及びD)。タイプ2植物は播種後6週に抽台が始ま
り、その時17.4±2.5のロゼット葉を持ってい
た。タイプ2植物はロゼット形の茎上葉を持っており、
多くのロゼット葉と延長されたプライマリー花序茎を形
成した(図8E及びF)。タイプ1及びタイプ2様表現
型はそれぞれ高い光強度及び低い光強度の短日条件下で
生育した野生植物に見られる。
ニック植物と野生型植物のLKP1遺伝子の発現レベル
をRT−PCR法で測定した。0.02−2μgの全R
NAを用いた35S::LKP1トランスジェニック及び
野生型シロイヌナズナにおけるLKP1発現レベルをR
T−PCRで調べた結果を図9(参考写真6参照)に示
す。タイプ2植物は野生型よりもはるかに高いレベルの
LKP1mRNAを蓄積するが、タイプ1植物はタイプ
2植物よりも高いレベルのLKP1mRNAを蓄積す
る。タイプの異なるこれら2系統のT3植物の表現型を
分析したところ、カナマイシン耐性のT3植物はタイプ
1とタイプ2の両方の表現型を1:2の割合(18:4
1、x2=0.22、P>0.95)で示した。異なっ
たLKP−OX表現型はLKP1発現レベル及び/又は
形質転換された遺伝子のコピー数の相違によると考えら
れる。
節遺伝子が同定され、突然変異体を用いた遺伝子学的な
方法で特徴付けられており、いくつかの遺伝的パスウェ
イが調節過程の一部分を形成すると考えられている(Pl
ant Cell, 1998, 10, 1973-1989;Plant Physiol, 199
8, 117, 1-98)。自立性経路は光周期に非依存的に花成
を調節する。fca及びldのような突然変異体は、長
日及び短日下で野生型よりも遅く開花し春化処理に応答
して減少された花成期間を示すので、対応する遺伝子は
自立的な経路で作用すると考えられている。FCA遺伝
子はタンパクをタンパク−タンパク相互反応ドメインに
結びつけるRNAをコードし(Cell, 1997, 89, 737-74
5)、LUMINIDEPENDENS遺伝子はグルタ
ミン−リッチホメオボックス転写因子をコードする(Pl
ant Cell, 1994, 6, 75-83)。長日経路は長日条件に特
異的に対応した花成を調節する。例えばco、fhaや
giのような長日経路に働く遺伝子の突然変異や欠落は
長日条件下での遅延された花成を引き起こすが、短日条
件下ではそのようなことは起こらないし、突然変異体は
春化に対して殆ど反応しないか全く反応しない。COは
2つのジンクフィンガーを持つ転写因子と考えられるも
のをコードし(Cell, 1995, 80, 847-857)、FHAは
クリプトクロム2(CRY2)をコードし(Science, 1
998, 279, 1360-1363)、GIは新規な膜タンパクをコ
ードする(Science, 1999, 285, 1579-1582;EMBO J, 1
999, 18, 4679-4688)。短日経路ないしGA経路はジベ
レリン酸を介在する短日条件下での花成を調節する。春
化は花成を促進するが、これはDNAメチル化を少なく
するためであろうと考えられる。
能経路を分類するために、35S::LKP1植物のタイ
プ1の遅延花成表現型に対する光条件及び春化の影響を
抽台前のロゼット葉の数によって分析を行った(図1
0)。開花時間は抽台前の植物の葉の総数で測定した。
コロンビア野生種、35S::LKP1トランスジェニッ
ク植物、fve−2変異体植物を、春化のために、水分
を含ませた種子を4℃で30日間短日条件下でインキュ
ベートし、長日条件下(18時間光照射、6時間暗)、
又は短日条件下(9時間光照射、15時間暗)で生育さ
せた。長日条件下においては35S::LKP1植物の遅
延花成は明瞭に観察されたが、短日条件下では遅延花成
は起きなかった。fve変異体は、長日及び短日の両方
の条件下で野生型植物よりも遅く開花し、春化に対応し
て減少された花成時間を示すことから、fveは自立的
経路の中で作用すると考えられている(Cold Spring Ha
rborLab. Press, NY, 1994, pp403-433;Plant Physio
l, 1998, 117,1-8)。事実、春化に感受性の変異体fv
e−2の遅延花成の表現型は長日及び短日条件下で春化
によって影響される。一方、35S::LKP1の遅延花
成表現型に対し、春化は長日及び短日のいずれの条件に
おいても影響しなかった。したがって、LKP1はシロ
イヌナズナの花成の長日経路において機能すると結論さ
れる(Plant Cell, 1998, 10, 1973-1989;Plant Physi
l, 1998, 117, 1-8)。
P1の細胞内局在化を目視するために、GFP−LKP
1融合構築体由来の35Sプロモーターをシロイヌナズ
ナに導入した後、観察した(図11;参考写真7参
照)。図11Aは、35Sベクターのみの対照T2植
物、図11Bは35S::LKP1トランスジェニック植
物を、長日条件下で50μg/mlのカナマイシンを含
む寒天GM上で生育させた。35S::GFP−LKP1
植物の根は光学顕微鏡又は蛍光顕微鏡により観察した。
トランスジェニック植物は長日条件下で遅延された花成
表現型を示し(図11B)、このことはGFP−LKP
1が機能的に活性であることを示している。午後、35
S::GFP−LKP1植物の根細胞を蛍光顕微鏡で見た
時、GFP−関連蛍光は核中に分布するが核小体には分
布していないことが判明した(図11C及びD)。この
GFP−LKP1の核内局在化は葉の細胞糸及び表皮細
胞においても検出された。一方、シグナルは長日条件下
における早朝のサイトソル中で検出された(図11
F)。このGFP−LKP1のサイトソル局在化は白色
光又は暗条件下での1時間のインキュベーション中変わ
らなかった。
変化による収穫時期・量の変動に左右されない計画的な
植物栽培が可能となる。すなわち、日長あるいは温度変
化に関係なく開花時期を一定にすることができき、すな
わち、日長を制御する光照射装置等を用いずに開花を遅
らせることができ、照明費、設備費を削減することが可
能となる。また、抽台及び開花を遅らせることによっ
て、単位植物当たりの葉生産量を向上させることができ
る。特に、長日条件下で生育している本発明のトランス
ジェニック植物は、野生型が花芽形成を行っている時に
栄養生長を続け、結果として1個体当たり多くのロゼッ
ト葉をつけ、この現象を農作物や園芸品種に応用すれ
ば、日長に関係なく開花時期を一定にすることができ、
更に単位植物あたりの葉生産量を向上させることが期待
できる。また、長期の温暖な気候を有する地域で生育す
る短期の植物に適用すれば、単位植物あたりの葉、花、
果実、種子の生産量増大が可能である。さらに、本トラ
ンスジェニック植物は、元来の植物とは異なった形態を
とるため、鑑賞用として有用な商品植物を創製すること
が可能である。その他、シロイヌナズナの開花は通常、
短日条件下でも低温春化処理をすることにより誘導され
るが、LKP1、LKP2過剰発現シロイヌナズナでは
低温処理による開花誘導が見られない。これを農作物に
利用すれば、気温変化による作物の好ましくない、商品
価値が下がってしまう開花を防ぐことができる。
の類似ドメインの類似性を示す図である。
インメントを示す図である。
分析を示す図である。
におけるGUS組織化学的局在化を示す図である。
シロイヌナズナの長い胚軸及び葉柄表現型を示す図で
ある。
における子葉運動を示す図である。
シロイヌナズナの遅延された花成表現型を示す図であ
る。
及び野生型シロイヌナズナにおけるLKP1発現レベル
を示す図である。
ク シロイヌナズナの開花時間を示す図である。
ク シロイヌナズナの遅延された花成表現型及びGFP
−LKP1融合タンパクの細胞下局在化を示す図であ
る。
Claims (18)
- 【請求項1】 LOVドメイン及びケルヒ(kelc
h)繰返しを有する青色光受容体タンパク質を過剰発現
するトランスジェニック植物の作製方法であって、植物
ウイルス由来のプロモーターの下流に、前記青色光受容
体タンパク質のプロモーターを介して該遺伝子が連結さ
れている発現ベクターにより形質転換することを特徴と
するトランスジェニック植物の作製方法。 - 【請求項2】 青色光受容体タンパク質のプロモーター
の下流に、レポーター遺伝子を介して、青色光受容体タ
ンパク質遺伝子が連結されていることを特徴とする請求
項1記載のトランスジェニック植物の作製方法。 - 【請求項3】 レポーター遺伝子が、β−グルクロニダ
ーゼ遺伝子であることを特徴とする請求項2記載のトラ
ンスジェニック植物の作製方法。 - 【請求項4】 青色光受容体タンパク質が、配列番号2
で示されるアミノ酸配列を有するLKP1であることを
特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のトランスジェ
ニック植物の作製方法。 - 【請求項5】 青色光受容体タンパク質のプロモーター
として、LKP1の1.5kbの5′非コーディング領
域を用いることを特徴とする請求項4記載のトランスジ
ェニック植物の作製方法。 - 【請求項6】 青色光受容体タンパク質が、配列番号4
で示されるアミノ酸配列を有するLKP2であることを
特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のトランスジェ
ニック植物の作製方法。 - 【請求項7】 植物ウイルス由来のプロモーターが、カ
リフラワーモザイクウイルス35Sプロモーターである
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載のトラン
スジェニック植物の作製方法。 - 【請求項8】 カリフラワーモザイクウイルス35Sプ
ロモーターとして、発現ベクターpBE2113を用い
ることを特徴とする請求項7記載のトランスジェニック
植物の作製方法。 - 【請求項9】 トランスジェニック植物が、トランスジ
ェニックシロイヌナズナであることを特徴とする請求項
1〜8のいずれか記載のトランスジェニック植物の作製
方法。 - 【請求項10】 1〜9のいずれか記載のトランスジェ
ニック植物の作製方法により得ることができるトランス
ジェニック植物。 - 【請求項11】 ロゼット形の茎上葉を有し、多くのロ
ゼット葉と延長されたプライマリー花序茎を形成しうる
ことを特徴とする請求項10記載のトランスジェニック
植物。 - 【請求項12】 種子に低温による春化処理を施して
も、開花誘導が生じないことを特徴とする請求項10又
は11記載のトランスジェニック植物。 - 【請求項13】 繁殖材料であることを特徴とする請求
項10〜12のいずれか記載のトランスジェニック植
物。 - 【請求項14】 繁殖材料が種子であることを特徴とす
る請求項13記載のトランスジェニック植物。 - 【請求項15】 10〜14のいずれか記載のトランス
ジェニック植物を栽培することを特徴とする植物の栽培
方法。 - 【請求項16】 植物の開花時期を制御することを特徴
とする請求項15記載の植物の栽培方法。 - 【請求項17】 開花時期の制御が開花時期の遅延であ
ることを特徴とする請求項16記載の作物の栽培方法。 - 【請求項18】 植物の抽台を遅らせることを特徴とす
る請求項15〜17のいずれか記載の植物の栽培方法。
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|---|---|---|---|
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