JP2001348518A - インクジェット用インクおよびこれを用いたインクセット、並びにインクジェット記録方法 - Google Patents
インクジェット用インクおよびこれを用いたインクセット、並びにインクジェット記録方法Info
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- JP2001348518A JP2001348518A JP2000167923A JP2000167923A JP2001348518A JP 2001348518 A JP2001348518 A JP 2001348518A JP 2000167923 A JP2000167923 A JP 2000167923A JP 2000167923 A JP2000167923 A JP 2000167923A JP 2001348518 A JP2001348518 A JP 2001348518A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 カラーブリード、およびコゲーションの発生
を確実に抑制し、かつ保存性も向上させ、さらに、イン
クヘッドの構成の複雑化を回避して、サーマルジェット
方式の画像形成装置に好適に用いることができるインク
ジェット用インクを提供する。 【解決手段】 水性溶媒中に、ベタイン構造を有する水
溶性染料およびカチオン界面活性剤を含んでなるカラー
インクと、水性溶媒中に、黒色顔料を含み、かつアルカ
リ性を示すブラックインクとを用いる。特に、カラーイ
ンクはベタイン構造を有しているので、酸性条件下でも
非常に安定した状態となり、コゲーションを生じず、保
存性も向上させることができる。また、カラーインクと
ブラックインクとの間で酸−アルカリ反応が生じるの
で、ブラックインクが迅速に定着するため、カラーブリ
ードを抑制することができる。
を確実に抑制し、かつ保存性も向上させ、さらに、イン
クヘッドの構成の複雑化を回避して、サーマルジェット
方式の画像形成装置に好適に用いることができるインク
ジェット用インクを提供する。 【解決手段】 水性溶媒中に、ベタイン構造を有する水
溶性染料およびカチオン界面活性剤を含んでなるカラー
インクと、水性溶媒中に、黒色顔料を含み、かつアルカ
リ性を示すブラックインクとを用いる。特に、カラーイ
ンクはベタイン構造を有しているので、酸性条件下でも
非常に安定した状態となり、コゲーションを生じず、保
存性も向上させることができる。また、カラーインクと
ブラックインクとの間で酸−アルカリ反応が生じるの
で、ブラックインクが迅速に定着するため、カラーブリ
ードを抑制することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット方
式の画像形成装置に用いられるインクに関するものであ
り、特に、カラーブリードの発生だけでなく、いわゆる
コゲーションの発生を抑制し、さらに保存性も向上させ
ることによって、高品位な画像形成を可能にするインク
ジェット用インクに関するものである。
式の画像形成装置に用いられるインクに関するものであ
り、特に、カラーブリードの発生だけでなく、いわゆる
コゲーションの発生を抑制し、さらに保存性も向上させ
ることによって、高品位な画像形成を可能にするインク
ジェット用インクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハードコピー用の画像形成装置としては
種々の方式のものが提案され、実用化されている。中で
も、インクジェット方式(液滴噴射記録方式)の画像形
成装置(インクジェットプリンタ)は、高品位の画像形
成が可能である上に、装置全体のコストを低く抑えるこ
とができるため、特に、高品位のカラー画像を形成する
用途で好ましく用いられている。
種々の方式のものが提案され、実用化されている。中で
も、インクジェット方式(液滴噴射記録方式)の画像形
成装置(インクジェットプリンタ)は、高品位の画像形
成が可能である上に、装置全体のコストを低く抑えるこ
とができるため、特に、高品位のカラー画像を形成する
用途で好ましく用いられている。
【0003】ここで、上記インクジェット方式において
は、従来より、カラーブリードまたはブリーディングと
呼ばれる問題点が発生することが知られている。
は、従来より、カラーブリードまたはブリーディングと
呼ばれる問題点が発生することが知られている。
【0004】つまり、インクジェット方式では、カラー
画像を得るためには、通常、水を主溶媒とする複数の色
のインクを、紙などの被記録材上に重ねて記録してい
る。このとき、先に被記録材上に吐出されたある色のイ
ンクが定着する前に、次々と他の色のインクが吐出され
て重ねられることになる。そのため、異なる色の境界と
なる部分では、異なる色のインク同士が拡散したり移動
したりして各色の境界線が不明確となる現象、すなわち
カラーブリードまたはブリーディング(以下、カラーブ
リードで統一)が発生する。
画像を得るためには、通常、水を主溶媒とする複数の色
のインクを、紙などの被記録材上に重ねて記録してい
る。このとき、先に被記録材上に吐出されたある色のイ
ンクが定着する前に、次々と他の色のインクが吐出され
て重ねられることになる。そのため、異なる色の境界と
なる部分では、異なる色のインク同士が拡散したり移動
したりして各色の境界線が不明確となる現象、すなわち
カラーブリードまたはブリーディング(以下、カラーブ
リードで統一)が発生する。
【0005】上記カラーブリードが発生すると、異なる
色の間でにじみが生じたり各色が不均一に混じり合った
状態となるため、画像品位を低下させる。特に、画像形
成においては、ブラックが最も重要な色となるが、この
ブラックと他の色との間でカラーブリードが生ずると、
ブラックの画像の境界がにじんだりぼやけたりして、非
常に画像品位を低下させることになる。
色の間でにじみが生じたり各色が不均一に混じり合った
状態となるため、画像品位を低下させる。特に、画像形
成においては、ブラックが最も重要な色となるが、この
ブラックと他の色との間でカラーブリードが生ずると、
ブラックの画像の境界がにじんだりぼやけたりして、非
常に画像品位を低下させることになる。
【0006】そこで、このカラーブリードの発生を抑制
する技術が、従来から種々提案されている。たとえば、
特開平5−202328号公報および特開平6−106
375号公報には、多価金属塩をインクの凝固に用いる
ことによってカラーブリードを抑制する技術が開示され
ている。
する技術が、従来から種々提案されている。たとえば、
特開平5−202328号公報および特開平6−106
375号公報には、多価金属塩をインクの凝固に用いる
ことによってカラーブリードを抑制する技術が開示され
ている。
【0007】具体的には、特開平5−202328号公
報では、カルボキシル基を少なくとも1つ有する染料を
含むインクと、多価金属塩とを用い、先に多価金属塩溶
液を被記録材上に供給した後、インクを供給している。
これによって、被記録材上でインクが急速に乾燥してカ
ラーブリードの発生が抑制されるとともに、乾燥後のイ
ンクの耐水性も向上させることができる。
報では、カルボキシル基を少なくとも1つ有する染料を
含むインクと、多価金属塩とを用い、先に多価金属塩溶
液を被記録材上に供給した後、インクを供給している。
これによって、被記録材上でインクが急速に乾燥してカ
ラーブリードの発生が抑制されるとともに、乾燥後のイ
ンクの耐水性も向上させることができる。
【0008】また、特開平6−106735号公報で
は、イエロー、マゼンタ、シアンの各インクが、浸透性
を付与する界面活性剤または浸透性溶媒と塩とを含有し
ており、かつブラックのインクが上記塩の作用により増
粘または凝集を起こす成分を含有している。これによっ
て、カラーブリードの発生を抑制するとともに、画像濃
度の均一性を向上させ、さらにブラックの品位を向上さ
せることができる。
は、イエロー、マゼンタ、シアンの各インクが、浸透性
を付与する界面活性剤または浸透性溶媒と塩とを含有し
ており、かつブラックのインクが上記塩の作用により増
粘または凝集を起こす成分を含有している。これによっ
て、カラーブリードの発生を抑制するとともに、画像濃
度の均一性を向上させ、さらにブラックの品位を向上さ
せることができる。
【0009】さらに、特開平8−209049号公報に
おいては、ゲル形成種を含む第1組成物と、該第1組成
物と反応してゲルを形成するゲル化開始種とを含む第2
組成物を用いる技術が開示されている。この技術では、
各組成物を隣接している領域に吐出し、各領域間におい
てゲルを形成させることによってカラーブリードの発生
を抑制している。
おいては、ゲル形成種を含む第1組成物と、該第1組成
物と反応してゲルを形成するゲル化開始種とを含む第2
組成物を用いる技術が開示されている。この技術では、
各組成物を隣接している領域に吐出し、各領域間におい
てゲルを形成させることによってカラーブリードの発生
を抑制している。
【0010】また、特開平9−207424号公報にお
いては、上記多価金属塩を用いることに加えて、インク
に顔料および樹脂エマルジョンを含有させる技術が開示
されている。上記樹脂エマルジョンは多価金属イオンと
の相互作用により、着色成分の浸透を抑制し、被記録材
への定着を促進する。また、樹脂エマルジョンは、被記
録材上で被膜を形成して印刷物の耐擦性を向上させるこ
ともできる。さらに顔料を用いれば、インク中の着色成
分の浸透をより抑制することが可能になる。このような
作用によって、カラーブリードがさらに一層抑制され
る。
いては、上記多価金属塩を用いることに加えて、インク
に顔料および樹脂エマルジョンを含有させる技術が開示
されている。上記樹脂エマルジョンは多価金属イオンと
の相互作用により、着色成分の浸透を抑制し、被記録材
への定着を促進する。また、樹脂エマルジョンは、被記
録材上で被膜を形成して印刷物の耐擦性を向上させるこ
ともできる。さらに顔料を用いれば、インク中の着色成
分の浸透をより抑制することが可能になる。このような
作用によって、カラーブリードがさらに一層抑制され
る。
【0011】加えて、特開平11−349878号公報
においては、ブラックインクとカラーインクとの間でイ
オンの相互作用を生じさせ、カラーブリードを抑制する
技術が開示されている。この技術では、ブラックインク
にアニオン顔料を含有させるとともに、カラーインクに
カチオンを供給する成分(たとえばカチオン界面活性剤
やカチオン塩)を含有させている。その結果、ブラック
インク−カラーインク間でのイオンの相互作用が生じ
て、カラーブリードの発生が抑制される。
においては、ブラックインクとカラーインクとの間でイ
オンの相互作用を生じさせ、カラーブリードを抑制する
技術が開示されている。この技術では、ブラックインク
にアニオン顔料を含有させるとともに、カラーインクに
カチオンを供給する成分(たとえばカチオン界面活性剤
やカチオン塩)を含有させている。その結果、ブラック
インク−カラーインク間でのイオンの相互作用が生じ
て、カラーブリードの発生が抑制される。
【0012】ところで、上記インクジェット方式の中で
も、インクをノズル内のヒータで瞬時に加熱し、発生し
た気泡の圧力でノズルからインクを吐出させるサーマル
ジェット方式においては、上記カラーブリード以外に、
コゲーションと呼ばれる問題点が発生することも知られ
ている。
も、インクをノズル内のヒータで瞬時に加熱し、発生し
た気泡の圧力でノズルからインクを吐出させるサーマル
ジェット方式においては、上記カラーブリード以外に、
コゲーションと呼ばれる問題点が発生することも知られ
ている。
【0013】コゲーションとは、一般には、インク中の
着色成分の熱分解により生じる物質や、インク中に含ま
れる微量の無機不純物、凝集物などが上記ヒータ上に付
着・堆積し、その結果ヒータによるインク加熱が十分に
実施できなくなり、安定したインクの吐出が持続しなく
なる現象をいう。このコゲーションの発生には、特に、
インク中の無機イオン(特に金属イオン)が大きな影響
を及ぼすことが知られている。
着色成分の熱分解により生じる物質や、インク中に含ま
れる微量の無機不純物、凝集物などが上記ヒータ上に付
着・堆積し、その結果ヒータによるインク加熱が十分に
実施できなくなり、安定したインクの吐出が持続しなく
なる現象をいう。このコゲーションの発生には、特に、
インク中の無機イオン(特に金属イオン)が大きな影響
を及ぼすことが知られている。
【0014】たとえば、インクの組成にカチオン塩が含
まれていると、該カチオン塩を形成する無機イオンなど
が、ヒータ上で加熱されることによって、インクの他の
組成と反応して不溶物が形成されることがある。このよ
うな不溶物がヒータ上に付着・堆積すると上記コゲーシ
ョンが発生する。
まれていると、該カチオン塩を形成する無機イオンなど
が、ヒータ上で加熱されることによって、インクの他の
組成と反応して不溶物が形成されることがある。このよ
うな不溶物がヒータ上に付着・堆積すると上記コゲーシ
ョンが発生する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上述した従来
の技術では、カラーブリードをある程度抑制することは
できるものの、上記コゲーションの発生を回避すること
が困難であるという問題点を招来している。
の技術では、カラーブリードをある程度抑制することは
できるものの、上記コゲーションの発生を回避すること
が困難であるという問題点を招来している。
【0016】まず、多価金属塩をインクの凝固に用いる
技術では、この多価金属塩のイオンがコゲーションを発
生させてしまい、インクが正常にヘッドから吐出できな
くなる。したがって、上記特開平5−202328号公
報、特開平6−106375号公報、および特開平9−
207424号公報の各技術では、多価金属塩を含有す
る反応液とインクとをそれぞれ別々に被記録材(紙)上
に吐出して、該被記録材上で反応液とインクとを混合し
ている。しかしながら、このように二種類の成分を別々
に吐出する技術では、インクヘッドの構造が複雑になっ
てしまい、製造コストを上昇させる上に、画像形成の制
御やメンテナンスも煩雑化させるという問題点を招来す
る。
技術では、この多価金属塩のイオンがコゲーションを発
生させてしまい、インクが正常にヘッドから吐出できな
くなる。したがって、上記特開平5−202328号公
報、特開平6−106375号公報、および特開平9−
207424号公報の各技術では、多価金属塩を含有す
る反応液とインクとをそれぞれ別々に被記録材(紙)上
に吐出して、該被記録材上で反応液とインクとを混合し
ている。しかしながら、このように二種類の成分を別々
に吐出する技術では、インクヘッドの構造が複雑になっ
てしまい、製造コストを上昇させる上に、画像形成の制
御やメンテナンスも煩雑化させるという問題点を招来す
る。
【0017】一方、特開平8−209049号公報にお
いては、第1・第2組成物に含まれるゲル形成種やゲル
化開始種の組み合わせがコゲーションを発生させる原因
となるため、やはりサーマルジェット方式に適用するに
は実用性に欠けるという問題点を招来する。
いては、第1・第2組成物に含まれるゲル形成種やゲル
化開始種の組み合わせがコゲーションを発生させる原因
となるため、やはりサーマルジェット方式に適用するに
は実用性に欠けるという問題点を招来する。
【0018】さらに、特開平11−349878号公報
においては、上述した多価金属塩やゲル形成種・ゲル化
開始種などといったコゲーションを発生させる要因とな
る物質をほとんど含んでいない。したがって、理論上
は、コゲーションの発生もカラーブリードの発生も抑制
することは可能である。ところが、この技術では、カチ
オン塩またはカチオン界面活性剤を用いることが必須で
ある。これら物質は酸性条件下で安定であるが、アルカ
リなどを配合すると水に不要な物質を生成して効力を失
うので、インクは酸性を示さなければならない。
においては、上述した多価金属塩やゲル形成種・ゲル化
開始種などといったコゲーションを発生させる要因とな
る物質をほとんど含んでいない。したがって、理論上
は、コゲーションの発生もカラーブリードの発生も抑制
することは可能である。ところが、この技術では、カチ
オン塩またはカチオン界面活性剤を用いることが必須で
ある。これら物質は酸性条件下で安定であるが、アルカ
リなどを配合すると水に不要な物質を生成して効力を失
うので、インクは酸性を示さなければならない。
【0019】インクが酸性を示すと、通常、色成分とし
て含まれる染料や顔料は凝固したり沈殿したりし易くな
り、その結果、インクの保存性や安定性に大きな問題を
生ずることになる。このようにインクの保存性や安定性
が低下すると、画像形成時にサーマルジェットのヘッド
内で凝固や沈殿が生じる可能性も高くなり、結果とし
て、コゲーションの発生を確実に抑制することはできな
い。
て含まれる染料や顔料は凝固したり沈殿したりし易くな
り、その結果、インクの保存性や安定性に大きな問題を
生ずることになる。このようにインクの保存性や安定性
が低下すると、画像形成時にサーマルジェットのヘッド
内で凝固や沈殿が生じる可能性も高くなり、結果とし
て、コゲーションの発生を確実に抑制することはできな
い。
【0020】さらに、上記特開平11−349878号
公報の技術では、インクの諸特性を最適化するためにp
Hを調整することについては触れているものの、具体的
なpHの範囲などについては全く言及されていない。し
たがって、上記技術においては、染料や顔料の凝固や沈
殿による保存性の低下に関しては何ら具体的な対策がと
られていない。
公報の技術では、インクの諸特性を最適化するためにp
Hを調整することについては触れているものの、具体的
なpHの範囲などについては全く言及されていない。し
たがって、上記技術においては、染料や顔料の凝固や沈
殿による保存性の低下に関しては何ら具体的な対策がと
られていない。
【0021】一般に、たいていの染料や顔料にはスルホ
基やカルボキシル基が含まれている。そのため、これら
染料や顔料を含むインクにカチオン界面活性剤やカチオ
ン塩が加えられると、上記スルホ基やカルボキシル基と
カチオン界面活性剤やカチオン塩とが容易に酸−アルカ
リ反応を起こし、インク中に凝集物が生じる。したがっ
て、上記カチオン界面活性剤やカチオン塩などを含むイ
ンクは、酸−アルカリ反応によって凝集物が発生し易い
組成となっている。
基やカルボキシル基が含まれている。そのため、これら
染料や顔料を含むインクにカチオン界面活性剤やカチオ
ン塩が加えられると、上記スルホ基やカルボキシル基と
カチオン界面活性剤やカチオン塩とが容易に酸−アルカ
リ反応を起こし、インク中に凝集物が生じる。したがっ
て、上記カチオン界面活性剤やカチオン塩などを含むイ
ンクは、酸−アルカリ反応によって凝集物が発生し易い
組成となっている。
【0022】このようなインクでは、単にインク中で凝
集物が発生し易いだけでなく、時間の経過とともに、凝
集物の数が増加したりサイズが大きくなる。そのため、
長期間放置するだけでも、凝集物が発生してインクカー
トリッジ内のインク流路に詰まり易くなってインクの吐
出を妨げる上に、この凝集物が、上記ヒータ上に付着・
堆積してコゲーションを引き起こすため、ヒータによる
インクの安定した加熱が妨げられて、インクの吐出が不
安定になる。
集物が発生し易いだけでなく、時間の経過とともに、凝
集物の数が増加したりサイズが大きくなる。そのため、
長期間放置するだけでも、凝集物が発生してインクカー
トリッジ内のインク流路に詰まり易くなってインクの吐
出を妨げる上に、この凝集物が、上記ヒータ上に付着・
堆積してコゲーションを引き起こすため、ヒータによる
インクの安定した加熱が妨げられて、インクの吐出が不
安定になる。
【0023】つまり、カチオン界面活性剤やカチオン塩
を含む組成のインクは、単にコゲーションを起し易いだ
けではなく、経時的に凝集物が発生するために、インク
の保存性も低下することになる。その結果、最終的に
は、インクの吐出能力が不可逆的に低下して、インクカ
ートリッジの寿命も短縮化されるという問題点を招来す
る。
を含む組成のインクは、単にコゲーションを起し易いだ
けではなく、経時的に凝集物が発生するために、インク
の保存性も低下することになる。その結果、最終的に
は、インクの吐出能力が不可逆的に低下して、インクカ
ートリッジの寿命も短縮化されるという問題点を招来す
る。
【0024】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、カラーブリードやコゲーション
の発生を確実に抑制し、かつ保存性も向上させ、さら
に、インクヘッドの構成の複雑化を回避して、サーマル
ジェット方式の画像形成装置に好適に用いることができ
るインクジェット用インクを提供することにある。
であって、その目的は、カラーブリードやコゲーション
の発生を確実に抑制し、かつ保存性も向上させ、さら
に、インクヘッドの構成の複雑化を回避して、サーマル
ジェット方式の画像形成装置に好適に用いることができ
るインクジェット用インクを提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を鑑みて鋭意検討した結果、カラーインクおよびブラ
ックインク間でイオンの相互作用を生じさせるととも
に、カラーインクとして用いられるインクに含まれる染
料として、ベタイン構造を末端に有するものを用いるこ
とによって、カラーブリードだけでなく、コゲーション
の発生も抑制することができる上に、保存性も向上させ
ることが可能であることを見出し、本発明を完成するに
至った。
点を鑑みて鋭意検討した結果、カラーインクおよびブラ
ックインク間でイオンの相互作用を生じさせるととも
に、カラーインクとして用いられるインクに含まれる染
料として、ベタイン構造を末端に有するものを用いるこ
とによって、カラーブリードだけでなく、コゲーション
の発生も抑制することができる上に、保存性も向上させ
ることが可能であることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0026】すなわち、本発明にかかるインクジェット
用インクは、上記の課題を解決するために、水性溶媒中
に、ベタイン構造を有する水溶性染料と、カチオン界面
活性剤とを含んでなることを特徴としている。
用インクは、上記の課題を解決するために、水性溶媒中
に、ベタイン構造を有する水溶性染料と、カチオン界面
活性剤とを含んでなることを特徴としている。
【0027】通常、カチオン界面活性剤がある条件下で
は上記インクは酸性となり、水溶性染料が凝固する問題
点が発生するが、上記構成によれば、上記水溶性染料が
ベタイン構造を有しているので、酸性条件下でも非常に
安定した状態となり、インクの保存性が向上する。しか
も、上記インクには、金属塩やゲル化に関わる成分など
がほとんど含まれていない。そのため、ノズルで加熱さ
れてもコゲーションをほとんど生じない。さらに、上記
構成では、アルカリ性のインクと組み合わせて使用すれ
ば、カラーブリードを抑制することもできる。
は上記インクは酸性となり、水溶性染料が凝固する問題
点が発生するが、上記構成によれば、上記水溶性染料が
ベタイン構造を有しているので、酸性条件下でも非常に
安定した状態となり、インクの保存性が向上する。しか
も、上記インクには、金属塩やゲル化に関わる成分など
がほとんど含まれていない。そのため、ノズルで加熱さ
れてもコゲーションをほとんど生じない。さらに、上記
構成では、アルカリ性のインクと組み合わせて使用すれ
ば、カラーブリードを抑制することもできる。
【0028】上記インクジェット用インクにおいては、
上記カチオン界面活性剤が、アミン類の酢酸塩であるこ
とが好ましい。
上記カチオン界面活性剤が、アミン類の酢酸塩であるこ
とが好ましい。
【0029】上記構成によれば、アミン類の酢酸塩を用
いることによって、十分なインクの表面張力の調整効果
が得られる上に、コゲーションの発生をより一層確実に
回避することができる。
いることによって、十分なインクの表面張力の調整効果
が得られる上に、コゲーションの発生をより一層確実に
回避することができる。
【0030】上記インクジェット用インクにおいては、
そのpHが4以上7未満の範囲内に調整されていること
が好ましい。
そのpHが4以上7未満の範囲内に調整されていること
が好ましい。
【0031】上記構成によれば、インクのpHが上記範
囲内に調整された状態、すなわち弱酸性の状態にあれ
ば、特にアルカリ性のインクと組み合わせることによっ
て、カラーブリードの抑制効果をより一層向上させるこ
とができる。
囲内に調整された状態、すなわち弱酸性の状態にあれ
ば、特にアルカリ性のインクと組み合わせることによっ
て、カラーブリードの抑制効果をより一層向上させるこ
とができる。
【0032】また、本発明にかかるインクジェット用イ
ンクセットは、上記の課題を解決するために、水性溶媒
中に、ベタイン構造を有する水溶性染料およびカチオン
界面活性剤を含んでなるカラーインクと、水性溶媒中
に、黒色顔料を含み、かつアルカリ性を示すブラックイ
ンクとを含むことを特徴としている。
ンクセットは、上記の課題を解決するために、水性溶媒
中に、ベタイン構造を有する水溶性染料およびカチオン
界面活性剤を含んでなるカラーインクと、水性溶媒中
に、黒色顔料を含み、かつアルカリ性を示すブラックイ
ンクとを含むことを特徴としている。
【0033】上記構成によれば、まず、ブラックインク
は、アルカリ性条件下で安定して黒色顔料を分散(懸
濁)した状態にある一方、カラーインクは、酸性条件下
で、ベタイン構造を有する水溶性染料が安定した状態に
ある。しかも、これら各インクには、金属塩やゲル化に
関わる成分などがほとんど含まれていない。そのため、
これらインクがノズルで加熱されてもコゲーションの発
生が抑制される。
は、アルカリ性条件下で安定して黒色顔料を分散(懸
濁)した状態にある一方、カラーインクは、酸性条件下
で、ベタイン構造を有する水溶性染料が安定した状態に
ある。しかも、これら各インクには、金属塩やゲル化に
関わる成分などがほとんど含まれていない。そのため、
これらインクがノズルで加熱されてもコゲーションの発
生が抑制される。
【0034】また、ブラックインクとその他のカラーイ
ンクとが被記録材上で会合すると、アルカリ性のブラッ
クインクと酸性のカラーインクとが酸−アルカリ反応を
起して、これをきっかけとして、黒色顔料は被記録材上
で容易かつ迅速に沈殿する。その結果、黒色顔料がカラ
ーブリードを起こさずに定着する。
ンクとが被記録材上で会合すると、アルカリ性のブラッ
クインクと酸性のカラーインクとが酸−アルカリ反応を
起して、これをきっかけとして、黒色顔料は被記録材上
で容易かつ迅速に沈殿する。その結果、黒色顔料がカラ
ーブリードを起こさずに定着する。
【0035】さらに、上記ブラックインクおよびカラー
インクは、非常に安定した状態にあるので、画像形成の
頻度が小さく、画像形成動作の間の時間が長いような場
合であっても、黒色顔料や水溶性染料が凝固したり沈殿
することがない。そのため優れた保存性を発揮すること
ができる。
インクは、非常に安定した状態にあるので、画像形成の
頻度が小さく、画像形成動作の間の時間が長いような場
合であっても、黒色顔料や水溶性染料が凝固したり沈殿
することがない。そのため優れた保存性を発揮すること
ができる。
【0036】上記カラーインクのpHは4以上7未満の
範囲内であるとともに、上記ブラックインクのpHは7
を超えて10未満となる範囲内であることが好ましい。
範囲内であるとともに、上記ブラックインクのpHは7
を超えて10未満となる範囲内であることが好ましい。
【0037】上記構成によれば、ブラックインクおよび
カラーインクの双方のpHが好ましい範囲に調整される
ことになるので、上記酸−アルカリ反応をより一層効果
的に発生させることができる。
カラーインクの双方のpHが好ましい範囲に調整される
ことになるので、上記酸−アルカリ反応をより一層効果
的に発生させることができる。
【0038】上記インクジェット用インクセットにおい
ては、上記ブラックインクに含まれる黒色顔料が、アニ
オン顔料であることが好ましい。
ては、上記ブラックインクに含まれる黒色顔料が、アニ
オン顔料であることが好ましい。
【0039】上記構成によれば、黒色顔料がアニオン顔
料であるため、ブラックインクにおける黒色顔料の分散
性がより向上する。その結果、ブラックインクの保存性
をより一層向上することができる。また、アニオン顔料
の分散状態は、ブラックインク中におけるイオン電荷の
バランスに大きく依存することになるため、ブラックイ
ンク−カラーインクによる酸−アルカリ反応によってイ
オン電荷のバランスが崩れると、アニオン顔料は容易に
凝集したり沈殿したりすることになる。したがって、カ
ラー画像形成におけるブラックインクのカラーブリード
を効果的に抑制することができる。
料であるため、ブラックインクにおける黒色顔料の分散
性がより向上する。その結果、ブラックインクの保存性
をより一層向上することができる。また、アニオン顔料
の分散状態は、ブラックインク中におけるイオン電荷の
バランスに大きく依存することになるため、ブラックイ
ンク−カラーインクによる酸−アルカリ反応によってイ
オン電荷のバランスが崩れると、アニオン顔料は容易に
凝集したり沈殿したりすることになる。したがって、カ
ラー画像形成におけるブラックインクのカラーブリード
を効果的に抑制することができる。
【0040】上記インクジェット用インクセットにおい
ては、上記ブラックインクには、黒色顔料を分散させる
分散剤、および画像形成時に被記録材上に黒色顔料を定
着させる結着剤の少なくとも一方が含まれていることが
好ましい。
ては、上記ブラックインクには、黒色顔料を分散させる
分散剤、および画像形成時に被記録材上に黒色顔料を定
着させる結着剤の少なくとも一方が含まれていることが
好ましい。
【0041】上記構成によれば、分散剤の存在によっ
て、黒色顔料の分散性がさらに向上する。その結果、ブ
ラックインクの保存性を向上させ得るとともに、コゲー
ションの発生をさらに一層抑制することができる。ま
た、結着剤の存在によって、黒色顔料の定着がより迅速
かつ確実となるので、カラーブリードの発生もさらに一
層抑制することができる。特に、上記分散剤および結着
剤の双方を含んでいれば、コゲーションおよびカラーブ
リードの抑制効果をより向上させることができるととも
に、保存性もより向上させることができる。
て、黒色顔料の分散性がさらに向上する。その結果、ブ
ラックインクの保存性を向上させ得るとともに、コゲー
ションの発生をさらに一層抑制することができる。ま
た、結着剤の存在によって、黒色顔料の定着がより迅速
かつ確実となるので、カラーブリードの発生もさらに一
層抑制することができる。特に、上記分散剤および結着
剤の双方を含んでいれば、コゲーションおよびカラーブ
リードの抑制効果をより向上させることができるととも
に、保存性もより向上させることができる。
【0042】本発明にかかるインクジェット記録方法
は、上述したインクジェット用インクセットを用いて、
被記録材上に画像を形成することを特徴としている。
は、上述したインクジェット用インクセットを用いて、
被記録材上に画像を形成することを特徴としている。
【0043】上記方法によれば、アルカリ性条件下で安
定なブラックインクと、酸性条件下で安定なカラーイン
クとが、被記録材上で会合すると、ブラックインクとカ
ラーインクとが酸−アルカリ反応を起して、ブラックイ
ンクのイオン電荷のバランスが低下する。そのため、均
一に分散している黒色顔料が、非常に容易に沈殿(また
は凝固)し、黒色顔料は被記録材上で容易かつ迅速に沈
殿する。その結果、黒色顔料がカラーブリードを起こさ
ずに定着することになって、カラーブリードを抑制する
ことができる。
定なブラックインクと、酸性条件下で安定なカラーイン
クとが、被記録材上で会合すると、ブラックインクとカ
ラーインクとが酸−アルカリ反応を起して、ブラックイ
ンクのイオン電荷のバランスが低下する。そのため、均
一に分散している黒色顔料が、非常に容易に沈殿(また
は凝固)し、黒色顔料は被記録材上で容易かつ迅速に沈
殿する。その結果、黒色顔料がカラーブリードを起こさ
ずに定着することになって、カラーブリードを抑制する
ことができる。
【0044】しかも、従来のように多価金属塩やゲル化
のための成分などを含んでいないためコゲーションの発
生も抑制することができるとともに、ブラックインクお
よびカラーインクが非常に安定した状態にあるので保存
性も向上することになる。さらに、多価金属塩とインク
とを別々に吐出するような構成を採用する必要がないた
め、インクヘッドの構成を複雑化を回避して低コスト化
することができるとともに、そのメンテナンスも簡素化
することができる。
のための成分などを含んでいないためコゲーションの発
生も抑制することができるとともに、ブラックインクお
よびカラーインクが非常に安定した状態にあるので保存
性も向上することになる。さらに、多価金属塩とインク
とを別々に吐出するような構成を採用する必要がないた
め、インクヘッドの構成を複雑化を回避して低コスト化
することができるとともに、そのメンテナンスも簡素化
することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について説
明すれば、以下の通りである。なお、本発明はこれに限
定されるものではない。
明すれば、以下の通りである。なお、本発明はこれに限
定されるものではない。
【0046】本発明にかかるインクジェット用インク
は、特に、カラー画像形成のためのカラーインクとして
好適に用いられるものであり、水性溶媒中に、ベタイン
構造を有する水溶性染料と、カチオン界面活性剤とを含
んでなるものである。そのため、カラーブリードおよび
コゲーションの発生を抑制し、高い保存性を発揮しつ
つ、高品位の画像を良好に形成することができる。
は、特に、カラー画像形成のためのカラーインクとして
好適に用いられるものであり、水性溶媒中に、ベタイン
構造を有する水溶性染料と、カチオン界面活性剤とを含
んでなるものである。そのため、カラーブリードおよび
コゲーションの発生を抑制し、高い保存性を発揮しつ
つ、高品位の画像を良好に形成することができる。
【0047】また、本発明にかかるインクセットは、少
なくとも一種類のカラーインクと一種類のブラックイン
クとを含んでなるものであり、該ブラックインクは、水
性溶媒中に黒色顔料を含む組成を必須とし、かつアルカ
リ性を示すインクである一方、上記カラーインクは、水
性溶媒中にベタイン構造を有する水溶性染料と、カチオ
ン界面活性剤とを含む組成を必須とし、かつ酸性を示す
インクである。
なくとも一種類のカラーインクと一種類のブラックイン
クとを含んでなるものであり、該ブラックインクは、水
性溶媒中に黒色顔料を含む組成を必須とし、かつアルカ
リ性を示すインクである一方、上記カラーインクは、水
性溶媒中にベタイン構造を有する水溶性染料と、カチオ
ン界面活性剤とを含む組成を必須とし、かつ酸性を示す
インクである。
【0048】すなわち、本発明にかかるインクジェット
記録方法は、カラーインクとブラックインクとを使用し
てカラー画像を形成するものであり、カラーインクとブ
ラックインクとはそれぞれ別の組成となっている。
記録方法は、カラーインクとブラックインクとを使用し
てカラー画像を形成するものであり、カラーインクとブ
ラックインクとはそれぞれ別の組成となっている。
【0049】本発明にかかるカラーインクには、必須成
分として水溶性染料が含まれているが、該水溶性染料は
ベタイン構造を有している。
分として水溶性染料が含まれているが、該水溶性染料は
ベタイン構造を有している。
【0050】本発明におけるベタイン構造とは、広義の
ベタインが有する構造、すなわち、分子内塩で両性イオ
ンを形成し、溶液中で両性イオンとして存在する化合物
が有する構造を指す。換言すれば、本発明で言うベタイ
ンとは、一つの分子内に、たとえば第4級アンモニウム
塩基などのカチオン(陽イオン)構造(分子内塩基性基
とする)と、たとえばカルボキシル基やスルホ基などの
アニオン(陰イオン)構造(分子内酸性基とする)とを
有する分子内塩型化合物として定義される。
ベタインが有する構造、すなわち、分子内塩で両性イオ
ンを形成し、溶液中で両性イオンとして存在する化合物
が有する構造を指す。換言すれば、本発明で言うベタイ
ンとは、一つの分子内に、たとえば第4級アンモニウム
塩基などのカチオン(陽イオン)構造(分子内塩基性基
とする)と、たとえばカルボキシル基やスルホ基などの
アニオン(陰イオン)構造(分子内酸性基とする)とを
有する分子内塩型化合物として定義される。
【0051】したがって、本発明における水溶性染料
は、上記ベタイン構造を有しているために、分子内塩で
両性イオンを形成しており、水性溶媒が酸性であっても
アルカリ性であっても安定して該水性溶媒に溶解する。
その結果、水溶性染料が凝固したり沈殿したりするとい
った問題点の発生を回避することができる。
は、上記ベタイン構造を有しているために、分子内塩で
両性イオンを形成しており、水性溶媒が酸性であっても
アルカリ性であっても安定して該水性溶媒に溶解する。
その結果、水溶性染料が凝固したり沈殿したりするとい
った問題点の発生を回避することができる。
【0052】上記水溶性染料としては、上記ベタイン構
造を有していれば特に限定されるものではないが、具体
的には、たとえば、各種水溶性染料において、該水溶性
染料の基本構造をXとした場合に、分子内塩基性基とし
て第4級アンモニウム構造が含まれる次の2種類の構造
を有するものを挙げることができる。
造を有していれば特に限定されるものではないが、具体
的には、たとえば、各種水溶性染料において、該水溶性
染料の基本構造をXとした場合に、分子内塩基性基とし
て第4級アンモニウム構造が含まれる次の2種類の構造
を有するものを挙げることができる。
【0053】i)鎖式化合物 次の構造式(1)で示すような、鎖式(側鎖があっても
よい)の第4級アンモニウム構造において窒素原子に結
合している4つの原子団のうち、基本構造Xの水溶性染
料を含む原子団と、分子内酸性基B- を含む原子団とが
それぞれ1つずつ含まれている構造。
よい)の第4級アンモニウム構造において窒素原子に結
合している4つの原子団のうち、基本構造Xの水溶性染
料を含む原子団と、分子内酸性基B- を含む原子団とが
それぞれ1つずつ含まれている構造。
【0054】
【化1】
【0055】ただし、上記構造式(1)においては、R
1 およびR2 は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のア
ルキル基を示し、Q1 は、無くてもよいか、あるいは、
酸素原子、炭素数1・2のアルキレン構造またはオキシ
アルキレン構造を示し、Q2は、炭素数1〜4のアルキ
レン構造またはオキシアルキレン構造を示す。
1 およびR2 は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のア
ルキル基を示し、Q1 は、無くてもよいか、あるいは、
酸素原子、炭素数1・2のアルキレン構造またはオキシ
アルキレン構造を示し、Q2は、炭素数1〜4のアルキ
レン構造またはオキシアルキレン構造を示す。
【0056】ii) 環式化合物 次の構造式(2)で示すような、含窒素単環式複素環化
合物の第4級アンモニウム構造における窒素原子に、基
本構造Xの水溶性染料を含む原子団と分子内酸性基B-
を含む原子団とがそれぞれ1つずつ結合している構造。
合物の第4級アンモニウム構造における窒素原子に、基
本構造Xの水溶性染料を含む原子団と分子内酸性基B-
を含む原子団とがそれぞれ1つずつ結合している構造。
【0057】
【化2】
【0058】ただし、上記構造式(2)においては、n
およびmは、それぞれ独立して1または2の整数であ
り、Q1 は、無くてもよいか、あるいは、酸素原子、炭
素数1・2のアルキレン構造またはオキシアルキレン構
造を示し、Q2 は、炭素数1〜4のアルキレン構造また
はオキシアルキレン構造を示し、Dは、酸素原子、炭素
数1・2のアルキレン構造を示す。
およびmは、それぞれ独立して1または2の整数であ
り、Q1 は、無くてもよいか、あるいは、酸素原子、炭
素数1・2のアルキレン構造またはオキシアルキレン構
造を示し、Q2 は、炭素数1〜4のアルキレン構造また
はオキシアルキレン構造を示し、Dは、酸素原子、炭素
数1・2のアルキレン構造を示す。
【0059】上記基本構造Xで表される水溶性染料の好
適な例としては、たとえば、イエローの染料としては、
アシッドイエロー23、ダイレクトイエロー86など
が、マゼンタの染料としては、リアクティブレッド5
8、リアクティブレッド120、リアクティブレッド1
80、アシッドレッド52、アシッドレッド214など
が、シアンの染料としては、アシッドブルー7、アシッ
ドブルー9、ダイレクトブルー86、ダイレクトブルー
199などが挙げられるが、特に限定されるものではな
く、カラーインクとして発色させたい色に応じて、従来
公知の水溶性染料を適宜選択することができる。
適な例としては、たとえば、イエローの染料としては、
アシッドイエロー23、ダイレクトイエロー86など
が、マゼンタの染料としては、リアクティブレッド5
8、リアクティブレッド120、リアクティブレッド1
80、アシッドレッド52、アシッドレッド214など
が、シアンの染料としては、アシッドブルー7、アシッ
ドブルー9、ダイレクトブルー86、ダイレクトブルー
199などが挙げられるが、特に限定されるものではな
く、カラーインクとして発色させたい色に応じて、従来
公知の水溶性染料を適宜選択することができる。
【0060】上記分子内酸性基B- は、酸性を示す原子
団であれば特に限定されるものではないが、たとえばス
ルホ基(−SO3 - )やカルボキシル基(−COO- )
を好ましく挙げることができる。
団であれば特に限定されるものではないが、たとえばス
ルホ基(−SO3 - )やカルボキシル基(−COO- )
を好ましく挙げることができる。
【0061】上記R1 またはR2 で示される炭素数1〜
4のアルキル基としては、たとえば、メチル基(CH3
−)、エチル基(C2 H5 −)、プロピル基(C3 H7
−)、ブチル基(C4 H9 −)、イソプロピル基((C
H3 )2 CH−)が挙げられる。
4のアルキル基としては、たとえば、メチル基(CH3
−)、エチル基(C2 H5 −)、プロピル基(C3 H7
−)、ブチル基(C4 H9 −)、イソプロピル基((C
H3 )2 CH−)が挙げられる。
【0062】上記Q1 で示される炭素数1・2のアルキ
レン構造としては、メチレン(−CH2 −)、エチレン
(−C2 H4 −)が挙げられ、オキシアルキレン構造と
しては、オキシメチレン(−OCH2 −)、オキシエチ
レン(−OC2 H4 −)が挙げられる。また、上記Q2
で示される炭素数1〜4のアルキレン構造としては、メ
チレン(−CH2 −)、エチレン(−C2 H4 −)、ト
リメチレン(−C3 H 6 −)、テトラメチレン(−C4
H8 −)が挙げられ、オキシアルキレン構造としては、
オキシメチレン(−OCH2 −)、オキシエチレン(−
OC2 H4 −)、オキシトリメチレン(−OC3 H
6 −)、オキシテトラメチレン(−OC4 H 8 −)が挙
げられる。
レン構造としては、メチレン(−CH2 −)、エチレン
(−C2 H4 −)が挙げられ、オキシアルキレン構造と
しては、オキシメチレン(−OCH2 −)、オキシエチ
レン(−OC2 H4 −)が挙げられる。また、上記Q2
で示される炭素数1〜4のアルキレン構造としては、メ
チレン(−CH2 −)、エチレン(−C2 H4 −)、ト
リメチレン(−C3 H 6 −)、テトラメチレン(−C4
H8 −)が挙げられ、オキシアルキレン構造としては、
オキシメチレン(−OCH2 −)、オキシエチレン(−
OC2 H4 −)、オキシトリメチレン(−OC3 H
6 −)、オキシテトラメチレン(−OC4 H 8 −)が挙
げられる。
【0063】上記Dで示される炭素数1・2のアルキレ
ン構造としては、上記メチレン、エチレンの各構造が挙
げられる。このDは酸素原子でもよいことから、上記構
造式(2)における含窒素単環式複素環化合物として
は、具体的には、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチ
レンイミン、モルホリンなどが挙げられる。
ン構造としては、上記メチレン、エチレンの各構造が挙
げられる。このDは酸素原子でもよいことから、上記構
造式(2)における含窒素単環式複素環化合物として
は、具体的には、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチ
レンイミン、モルホリンなどが挙げられる。
【0064】なお、上記の例では、分子内塩基性基とし
て最も一般的な第4級アンモニウム構造を例に挙げた
が、本発明においては、上記ベタイン構造を形成できる
ものであれば、分子内塩基性基がその他の塩基構造であ
ってもよいことはいうまでもない。
て最も一般的な第4級アンモニウム構造を例に挙げた
が、本発明においては、上記ベタイン構造を形成できる
ものであれば、分子内塩基性基がその他の塩基構造であ
ってもよいことはいうまでもない。
【0065】上記(1)または(2)の構造式を有する
ベタイン構造の水溶性染料の製造方法としては、上記基
本構造Xで表される水溶性染料に対して、従来公知の方
法、具体的には、たとえば『全訂版 新・界面活性剤入
門』(著:藤本武彦、三洋化成工業株式会社)の第86
頁〜第88頁に記載されている方法などによってベタイ
ン構造を導入する方法が挙げられる。
ベタイン構造の水溶性染料の製造方法としては、上記基
本構造Xで表される水溶性染料に対して、従来公知の方
法、具体的には、たとえば『全訂版 新・界面活性剤入
門』(著:藤本武彦、三洋化成工業株式会社)の第86
頁〜第88頁に記載されている方法などによってベタイ
ン構造を導入する方法が挙げられる。
【0066】具体的には、たとえば、分子内塩基性基と
して上記第4級アンモニウム構造を、分子内酸性基B-
としてスルホ基(−SO3 - )を選択する場合では、次
に説明する方法が好適に用いられる。
して上記第4級アンモニウム構造を、分子内酸性基B-
としてスルホ基(−SO3 - )を選択する場合では、次
に説明する方法が好適に用いられる。
【0067】まず、上記基本構造Xの水溶性染料に対し
て、従来公知の方法によって第3級アミン(第三アミ
ン)構造を導入し、次の構造式(3)に示すような鎖式
水溶性染料アミンか、または構造式(4)に示すような
複素環式水溶性染料アミンを得る。なお、水溶性染料が
元からアミン構造を含んでいればそのまま使用すること
ができる。
て、従来公知の方法によって第3級アミン(第三アミ
ン)構造を導入し、次の構造式(3)に示すような鎖式
水溶性染料アミンか、または構造式(4)に示すような
複素環式水溶性染料アミンを得る。なお、水溶性染料が
元からアミン構造を含んでいればそのまま使用すること
ができる。
【0068】
【化3】
【0069】
【化4】
【0070】次に、上記何れかの水溶性染料アミンと、
炭素数1〜4のクロロアルキルスルホン酸ナトリウム、
またはクロロアルキルオキシスルホン酸ナトリウム(何
れの化合物もCl−Q2 −SO3 Naで表す)とを、必
要なら適当な溶媒中に添加・混合して、60〜80℃で
数時間攪拌しながら次の反応式(5−1)または(5−
2)の反応を進行させ、第3級アミン構造にスルホ基を
導入してベタイン構造体を得る。
炭素数1〜4のクロロアルキルスルホン酸ナトリウム、
またはクロロアルキルオキシスルホン酸ナトリウム(何
れの化合物もCl−Q2 −SO3 Naで表す)とを、必
要なら適当な溶媒中に添加・混合して、60〜80℃で
数時間攪拌しながら次の反応式(5−1)または(5−
2)の反応を進行させ、第3級アミン構造にスルホ基を
導入してベタイン構造体を得る。
【0071】
【化5】
【0072】
【化6】
【0073】なお、本実施の形態においては、上記基本
構造Xで表される水溶性染料に対してベタイン構造を導
入することを、「ベタイン化」と表現する場合がある。
また、ベタイン構造が導入された水溶性染料を、「(水
溶性染料の名称)ベタイン化誘導体」または「(水溶性
染料の名称)誘導体」と表現する(たとえば、「アシッ
ドイエロー23ベタイン化誘導体」または、単に「アシ
ッドイエロー23誘導体」と表現する)。
構造Xで表される水溶性染料に対してベタイン構造を導
入することを、「ベタイン化」と表現する場合がある。
また、ベタイン構造が導入された水溶性染料を、「(水
溶性染料の名称)ベタイン化誘導体」または「(水溶性
染料の名称)誘導体」と表現する(たとえば、「アシッ
ドイエロー23ベタイン化誘導体」または、単に「アシ
ッドイエロー23誘導体」と表現する)。
【0074】また、分子内塩を形成する上記ベタイン
は、通常は、本発明で用いられるベタイン構造のよう
に、水溶液中で1つの両性イオンとして存在するもので
あるが、水溶液中でカチオン・アニオンに分離してしま
うものをベタインに含める場合もある。ここで、後者の
ように、水溶液中でカチオン・アニオンに分離してしま
うものを用いてインクを調製すると、従来のインクと同
様、事実上、該インクの組成中にカチオンが存在するこ
とになり、保存性の低下やコゲーションの発生を招来す
ることになるので好ましくない。
は、通常は、本発明で用いられるベタイン構造のよう
に、水溶液中で1つの両性イオンとして存在するもので
あるが、水溶液中でカチオン・アニオンに分離してしま
うものをベタインに含める場合もある。ここで、後者の
ように、水溶液中でカチオン・アニオンに分離してしま
うものを用いてインクを調製すると、従来のインクと同
様、事実上、該インクの組成中にカチオンが存在するこ
とになり、保存性の低下やコゲーションの発生を招来す
ることになるので好ましくない。
【0075】本発明にかかるカラーインクに必須成分と
して含まれているカチオン界面活性剤としては、水性溶
媒中でイオンに解離して陽イオン(カチオン)となる部
分が界面活性を示す物質であれば特に限定されるもので
はない。したがって、インクジェット用インクに使用で
きることが公知となっているカチオン界面活性剤は何れ
も本発明に適用することができる。
して含まれているカチオン界面活性剤としては、水性溶
媒中でイオンに解離して陽イオン(カチオン)となる部
分が界面活性を示す物質であれば特に限定されるもので
はない。したがって、インクジェット用インクに使用で
きることが公知となっているカチオン界面活性剤は何れ
も本発明に適用することができる。
【0076】具体的には、たとえば、アミン塩、第4級
アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、カ
ルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、レシチン、
サパミンA(チバガイギー製)、アーコベルG(アーノ
ルドホフマン製)などを挙げることができる。上記の中
でも、アミン塩および第4級アンモニウム塩が好まし
く、特にアミン類の酢酸塩(アミン酢酸塩)や、第4級
アンモニウムの酢酸塩または塩化物塩がより好ましい。
アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、カ
ルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、レシチン、
サパミンA(チバガイギー製)、アーコベルG(アーノ
ルドホフマン製)などを挙げることができる。上記の中
でも、アミン塩および第4級アンモニウム塩が好まし
く、特にアミン類の酢酸塩(アミン酢酸塩)や、第4級
アンモニウムの酢酸塩または塩化物塩がより好ましい。
【0077】アミン類の酢酸塩の具体例としては、たと
えば、最も長い疎水基が、炭素数12〜18の範囲内の
アルキル基であって、第1級アミン、第2級アミン、第
3級アミン、およびそれらの混合物からなる群から選ば
れるアミン類の酢酸塩などが好ましく挙げられる。この
ようなアミン類の酢酸塩としては、たとえばラウリルア
ミン酢酸塩などが挙げられる。
えば、最も長い疎水基が、炭素数12〜18の範囲内の
アルキル基であって、第1級アミン、第2級アミン、第
3級アミン、およびそれらの混合物からなる群から選ば
れるアミン類の酢酸塩などが好ましく挙げられる。この
ようなアミン類の酢酸塩としては、たとえばラウリルア
ミン酢酸塩などが挙げられる。
【0078】上記疎水基の炭素数が11以下となると、
疎水性が低下して親水性となりやすい。一方、炭素数が
19以上となると、疎水性が向上しすぎる。すなわち、
上記疎水基の炭素数が12〜18の範囲内から外れる
と、カチオン界面活性剤としての親水基と疎水基とのバ
ランスが崩れてしまい、良好な界面活性効果(すなわ
ち、後述する表面張力の調整効果)を発揮することがで
きなくなるので好ましくない。
疎水性が低下して親水性となりやすい。一方、炭素数が
19以上となると、疎水性が向上しすぎる。すなわち、
上記疎水基の炭素数が12〜18の範囲内から外れる
と、カチオン界面活性剤としての親水基と疎水基とのバ
ランスが崩れてしまい、良好な界面活性効果(すなわ
ち、後述する表面張力の調整効果)を発揮することがで
きなくなるので好ましくない。
【0079】また、第4級アンモニウム塩の具体例とし
ては、たとえば、ポリプロポキシ第4級アンモニウムア
セテート類やポリプロポキシ第4級アンモニウムクロリ
ド類などのポリプロポキシ第4級アンモニウム塩が好ま
しく用いられる。これらポリプロポキシ第4級アンモニ
ウム塩は、何れもWITCO Corporation のEmcol シリーズ
などとして市販されている。
ては、たとえば、ポリプロポキシ第4級アンモニウムア
セテート類やポリプロポキシ第4級アンモニウムクロリ
ド類などのポリプロポキシ第4級アンモニウム塩が好ま
しく用いられる。これらポリプロポキシ第4級アンモニ
ウム塩は、何れもWITCO Corporation のEmcol シリーズ
などとして市販されている。
【0080】上記カチオン界面活性剤と結合させること
のできる対イオンの例としては、酢酸イオン、ギ酸イオ
ン、塩化物イオン、グルコン酸イオン、コハク酸イオ
ン、酒石酸イオン、グルタル酸イオン、マロン酸イオ
ン、カルボン酸イオン、フマル酸イオン、リンゴ酸イオ
ン、セバシン酸イオン、アジピン酸イオン、ステアリン
酸イオン、オレイン酸イオン、ラウリン酸イオン、安息
香酸イオン、およびクエン酸イオンなどが挙げられる。
中でも、上述したように、酢酸イオンや塩化物イオンが
好ましく、酢酸イオンがより一層好ましい。
のできる対イオンの例としては、酢酸イオン、ギ酸イオ
ン、塩化物イオン、グルコン酸イオン、コハク酸イオ
ン、酒石酸イオン、グルタル酸イオン、マロン酸イオ
ン、カルボン酸イオン、フマル酸イオン、リンゴ酸イオ
ン、セバシン酸イオン、アジピン酸イオン、ステアリン
酸イオン、オレイン酸イオン、ラウリン酸イオン、安息
香酸イオン、およびクエン酸イオンなどが挙げられる。
中でも、上述したように、酢酸イオンや塩化物イオンが
好ましく、酢酸イオンがより一層好ましい。
【0081】上記カチオン界面活性剤は、カラーインク
の表面張力を調整するために添加されるものである。そ
の具体的な含有量としては、該カラーインク中に、約
0.5〜5重量%の範囲内の濃度で存在しており、約3
重量%の濃度となっていることがより好ましい。この範
囲内でカチオン界面活性剤が含まれていることによっ
て、サーマルジェットのヘッドにおけるオリフィスや被
記録材(紙)上での濡れ性を良好に調整することが可能
になる。
の表面張力を調整するために添加されるものである。そ
の具体的な含有量としては、該カラーインク中に、約
0.5〜5重量%の範囲内の濃度で存在しており、約3
重量%の濃度となっていることがより好ましい。この範
囲内でカチオン界面活性剤が含まれていることによっ
て、サーマルジェットのヘッドにおけるオリフィスや被
記録材(紙)上での濡れ性を良好に調整することが可能
になる。
【0082】上記カチオン界面活性剤の含有量が約0.
5重量%未満であれば、十分な表面張力の調整効果が得
られないため好ましくない。一方、約5重量%を超える
と、添加量に見合った表面張力の調整効果が得られない
上に、粘性などが高くなってしまい、カラーインクとし
ての機能が低下するため好ましくない。
5重量%未満であれば、十分な表面張力の調整効果が得
られないため好ましくない。一方、約5重量%を超える
と、添加量に見合った表面張力の調整効果が得られない
上に、粘性などが高くなってしまい、カラーインクとし
ての機能が低下するため好ましくない。
【0083】上記ベタイン構造を有する水溶性染料とカ
チオン界面活性剤とを含んでなる、本発明にかかるカラ
ーインクは、酸性を示すものであり、具体的には、pH
が4以上7未満の範囲内(カラーインクのpHをpHCl
とすると、4≦pHCl<7)が好ましく、pHが6以上
7未満の範囲内(6≦pHCl<7)がより好ましい。す
なわち、上記カラーインクは弱酸性を示すことがより好
ましい。上記カチオン界面活性剤の添加によって、本発
明にかかるカラーインクは弱酸性を示すことになるが、
特に、カチオン界面活性剤としてアミン類の酢酸塩や第
4級アンモニウム塩を用いれば、pHを6以上7未満の
より好ましい範囲内に調整することができる。
チオン界面活性剤とを含んでなる、本発明にかかるカラ
ーインクは、酸性を示すものであり、具体的には、pH
が4以上7未満の範囲内(カラーインクのpHをpHCl
とすると、4≦pHCl<7)が好ましく、pHが6以上
7未満の範囲内(6≦pHCl<7)がより好ましい。す
なわち、上記カラーインクは弱酸性を示すことがより好
ましい。上記カチオン界面活性剤の添加によって、本発
明にかかるカラーインクは弱酸性を示すことになるが、
特に、カチオン界面活性剤としてアミン類の酢酸塩や第
4級アンモニウム塩を用いれば、pHを6以上7未満の
より好ましい範囲内に調整することができる。
【0084】なお、インクを酸性に調整するためにpH
調整剤(緩衝剤/バッファー)を添加してもよい。ただ
し、本発明にかかるカラーインクでは、コゲーションの
発生を回避する必要から、pH調整剤としては金属塩を
含むものは用いることができない。
調整剤(緩衝剤/バッファー)を添加してもよい。ただ
し、本発明にかかるカラーインクでは、コゲーションの
発生を回避する必要から、pH調整剤としては金属塩を
含むものは用いることができない。
【0085】本発明にかかるカラーインクに含まれる水
性溶媒としては、少なくとも水を含み、さらに水に可溶
な他の溶媒を含んでなるものである。上記水としては、
コゲーションを引き起こすような無機イオンが含まれて
おらず、一般的にインク用として用いられている程度の
純度を有するものであれば特に限定されるものではない
が、好ましくは、イオン交換水(脱イオン水)が用いら
れる。
性溶媒としては、少なくとも水を含み、さらに水に可溶
な他の溶媒を含んでなるものである。上記水としては、
コゲーションを引き起こすような無機イオンが含まれて
おらず、一般的にインク用として用いられている程度の
純度を有するものであれば特に限定されるものではない
が、好ましくは、イオン交換水(脱イオン水)が用いら
れる。
【0086】カラーインク中における水の含有量として
は、カラーインク全重量を100重量%とすると、10
〜90重量%の範囲内であり、30〜80重量%の範囲
内であることが好ましく、50〜95重量%の範囲内で
あることがより好ましい。
は、カラーインク全重量を100重量%とすると、10
〜90重量%の範囲内であり、30〜80重量%の範囲
内であることが好ましく、50〜95重量%の範囲内で
あることがより好ましい。
【0087】上記水に可溶な他の溶媒としては、カラー
インクにおける各種作用、すなわちインクの乾燥や、発
色、あるいは、本発明におけるコゲーションやカラーブ
リードの発生の抑制といった作用を阻害するものでなけ
れば特に限定されるものではない。
インクにおける各種作用、すなわちインクの乾燥や、発
色、あるいは、本発明におけるコゲーションやカラーブ
リードの発生の抑制といった作用を阻害するものでなけ
れば特に限定されるものではない。
【0088】上記他の溶媒としては、具体的には、たと
えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、is
o −プロパノール(2−プロパノール)、n−ブタノー
ル、sec −ブタノール、tert−ブタノール、iso −ブタ
ノール、n−ペンタノールなどの炭素数1〜5のアルキ
ルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミドなどのアミド類;アセトン、ジアセトンアルコ
ールなどのケトンまたはケトアルコール類;テトラヒド
ロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコールなどのオキシプ
ロピレン共重合体(ポリアルキレングリコール類);ポ
リエチレンイミン;エチレングリコール、プロピレング
リコール、ブチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサント
リオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、ジ
エチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,
5−ペンタンジオール、グリセリンなどの多価アルコー
ル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アル
コールの低級モノアルキルエーテル類;トリエチレング
リコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジ
エチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエ
ーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテルな
どの多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類;トリ
メチロールプロパン;モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、2−ピロリドン、
N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン、スルホランなどの有機アミン類;尿
素;などといった、各種の水溶性有機溶剤が挙げられ
る。上記水溶性有機溶剤は、単独で用いてもよく、2種
類以上の混合物としても用いてもよい。
えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、is
o −プロパノール(2−プロパノール)、n−ブタノー
ル、sec −ブタノール、tert−ブタノール、iso −ブタ
ノール、n−ペンタノールなどの炭素数1〜5のアルキ
ルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミドなどのアミド類;アセトン、ジアセトンアルコ
ールなどのケトンまたはケトアルコール類;テトラヒド
ロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコールなどのオキシプ
ロピレン共重合体(ポリアルキレングリコール類);ポ
リエチレンイミン;エチレングリコール、プロピレング
リコール、ブチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサント
リオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、ジ
エチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,
5−ペンタンジオール、グリセリンなどの多価アルコー
ル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アル
コールの低級モノアルキルエーテル類;トリエチレング
リコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジ
エチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエ
ーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテルな
どの多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類;トリ
メチロールプロパン;モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、2−ピロリドン、
N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン、スルホランなどの有機アミン類;尿
素;などといった、各種の水溶性有機溶剤が挙げられ
る。上記水溶性有機溶剤は、単独で用いてもよく、2種
類以上の混合物としても用いてもよい。
【0089】上記水溶性有機溶剤の中でも、特に、iso
−プロパノール(2−プロパノール)などの一価のアル
コール、ジエチレングリコールや1,5−ペンタンジオ
ールなどの多価アルコール、トリエチレングリコールモ
ノメチル(またはエチル)エーテルやジエチレングリコ
ールモノブチルエーテルなどの多価アルコールの低級ア
ルキルエーテル、トリメチロールプロパンなどが好まし
い。一価のアルコールは、低沸点であるため、画像形成
時に、カラーインクの乾燥時間を短縮する効果が得られ
る。また、多価アルコールや多価アルコールの低級アル
キルエーテルは高沸点であるため、カラーインクの望ま
しくない乾燥を抑制する湿潤剤として機能する。
−プロパノール(2−プロパノール)などの一価のアル
コール、ジエチレングリコールや1,5−ペンタンジオ
ールなどの多価アルコール、トリエチレングリコールモ
ノメチル(またはエチル)エーテルやジエチレングリコ
ールモノブチルエーテルなどの多価アルコールの低級ア
ルキルエーテル、トリメチロールプロパンなどが好まし
い。一価のアルコールは、低沸点であるため、画像形成
時に、カラーインクの乾燥時間を短縮する効果が得られ
る。また、多価アルコールや多価アルコールの低級アル
キルエーテルは高沸点であるため、カラーインクの望ま
しくない乾燥を抑制する湿潤剤として機能する。
【0090】本発明にかかるカラーインク中に含まれる
上記水溶性有機溶剤の含有量は、特に限定されないが、
カラーインク全重量を100重量%とした場合に、3〜
50重量%の範囲内が好ましく、3〜40重量%の範囲
内がより好ましい。
上記水溶性有機溶剤の含有量は、特に限定されないが、
カラーインク全重量を100重量%とした場合に、3〜
50重量%の範囲内が好ましく、3〜40重量%の範囲
内がより好ましい。
【0091】また、上記水溶性有機溶剤を低沸点のもの
と高沸点のものに分けて添加する場合には、低沸点有機
溶剤の場合は、カラーインクを100重量%とした場合
に、0.5〜10重量%の範囲内が好ましく、1.5〜
6重量%の範囲内がより好ましい。また、高沸点有機溶
剤の場合は、カラーインクを100重量%とした場合
に、0.5〜40重量%の範囲内が好ましく、2〜20
重量%の範囲内がより好ましい。
と高沸点のものに分けて添加する場合には、低沸点有機
溶剤の場合は、カラーインクを100重量%とした場合
に、0.5〜10重量%の範囲内が好ましく、1.5〜
6重量%の範囲内がより好ましい。また、高沸点有機溶
剤の場合は、カラーインクを100重量%とした場合
に、0.5〜40重量%の範囲内が好ましく、2〜20
重量%の範囲内がより好ましい。
【0092】なお、上述した水溶性有機溶剤の含有量の
好ましい範囲は、何れも、各水溶性有機溶剤を単独で用
いた場合も2種類以上の混合物として用いた場合も含む
ものとする。すなわち、上記好ましい範囲とは、水溶性
有機溶剤のトータルの含有量としての好ましい範囲であ
る。
好ましい範囲は、何れも、各水溶性有機溶剤を単独で用
いた場合も2種類以上の混合物として用いた場合も含む
ものとする。すなわち、上記好ましい範囲とは、水溶性
有機溶剤のトータルの含有量としての好ましい範囲であ
る。
【0093】また、本発明にかかるカラーインクは、所
望の物性値を得るために、上述した成分の他に、必要に
応じて、消泡剤、防腐剤、防カビ剤などを添付すること
ができ、さらには、その他の市販の水溶性染料なども添
加することができる。これら消泡剤、防腐剤、防カビ剤
などの具体例や添加量については、カラーインクの諸特
性に悪影響を及ぼさない限り特に限定されるものではな
く、従来公知の技術を好適に用いることができる。
望の物性値を得るために、上述した成分の他に、必要に
応じて、消泡剤、防腐剤、防カビ剤などを添付すること
ができ、さらには、その他の市販の水溶性染料なども添
加することができる。これら消泡剤、防腐剤、防カビ剤
などの具体例や添加量については、カラーインクの諸特
性に悪影響を及ぼさない限り特に限定されるものではな
く、従来公知の技術を好適に用いることができる。
【0094】本発明にかかるインクジェット用インクセ
ットにおいては、上記各成分を含むカラーインクに加え
て、水性溶媒中に黒色顔料を含む組成を必須とし、かつ
アルカリ性を示すブラックインクを含んでいる。
ットにおいては、上記各成分を含むカラーインクに加え
て、水性溶媒中に黒色顔料を含む組成を必須とし、かつ
アルカリ性を示すブラックインクを含んでいる。
【0095】上記ブラックインクに含まれる黒色顔料と
しては、一般にブラックインク用に用いられるカーボン
ブラックなどを挙げることができ、特に限定されるもの
ではないが、中でも、黒色顔料の表面にカルボキシル基
が修飾されることによって、水溶液中でアニオン性に帯
電するアニオン顔料が特に好ましい。
しては、一般にブラックインク用に用いられるカーボン
ブラックなどを挙げることができ、特に限定されるもの
ではないが、中でも、黒色顔料の表面にカルボキシル基
が修飾されることによって、水溶液中でアニオン性に帯
電するアニオン顔料が特に好ましい。
【0096】このアニオン顔料の具体的な例としては、
カーボンブラックの表面に−COONa(カルボキシル
基のナトリウム塩)を導入してアニオン性に帯電したカ
ーボンブラックを得る方法が挙げられる。具体的には、
たとえば、市販の酸性カーボンブラックを水によく混合
して分散させた後、これに次亜塩素酸ナトリウムを滴下
して加熱し、その後、得られたスラリーを濾過・水洗し
て顔料ウエットケーキを得て、さらに、これを水に再分
散させて逆浸透膜で脱塩し、さらに、この顔料分散液を
濃縮するという方法が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。
カーボンブラックの表面に−COONa(カルボキシル
基のナトリウム塩)を導入してアニオン性に帯電したカ
ーボンブラックを得る方法が挙げられる。具体的には、
たとえば、市販の酸性カーボンブラックを水によく混合
して分散させた後、これに次亜塩素酸ナトリウムを滴下
して加熱し、その後、得られたスラリーを濾過・水洗し
て顔料ウエットケーキを得て、さらに、これを水に再分
散させて逆浸透膜で脱塩し、さらに、この顔料分散液を
濃縮するという方法が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。
【0097】さらに、市販の自己分散型カーボンブラッ
クを、アニオン顔料として用いることも可能である。た
とえば、カルボキシル基(−COO- )が直接結合して
アニオン性に帯電した自己分散型カーボンブラック「キ
ャボジェット」(商品名、キャボット製)などが挙げら
れる。
クを、アニオン顔料として用いることも可能である。た
とえば、カルボキシル基(−COO- )が直接結合して
アニオン性に帯電した自己分散型カーボンブラック「キ
ャボジェット」(商品名、キャボット製)などが挙げら
れる。
【0098】上記ブラックインクには、黒色顔料を分散
させるための分散剤が含まれていることが非常に好まし
い。特に、自己分散型でないようなカーボンブラックを
用いる場合には、該カーボンブラックの沈殿を回避して
保存性を向上させる点から、分散剤が添加されることが
非常に好ましい。
させるための分散剤が含まれていることが非常に好まし
い。特に、自己分散型でないようなカーボンブラックを
用いる場合には、該カーボンブラックの沈殿を回避して
保存性を向上させる点から、分散剤が添加されることが
非常に好ましい。
【0099】この分散剤としては、具体的には、カルボ
キシル基を有する各種樹脂を挙げることができる。この
ようなカルボキシル基を有する各種樹脂が分散剤として
添加されていると、ブラックインクはアルカリ性を示
し、黒色顔料、特にアニオン顔料は、この条件下で安定
な溶液(分散液/懸濁液)となる。その結果、長期間放
置しても顔料が沈殿したり凝固したりすることが抑制さ
れ、優れた保存性を得ることができる。
キシル基を有する各種樹脂を挙げることができる。この
ようなカルボキシル基を有する各種樹脂が分散剤として
添加されていると、ブラックインクはアルカリ性を示
し、黒色顔料、特にアニオン顔料は、この条件下で安定
な溶液(分散液/懸濁液)となる。その結果、長期間放
置しても顔料が沈殿したり凝固したりすることが抑制さ
れ、優れた保存性を得ることができる。
【0100】上記カルボキシル基を有する各種樹脂とし
ては、たとえば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチ
レン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合
体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイ
ン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン
−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−ア
クリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイ
ン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アク
リル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合
体、あるいはこれらの塩などが挙げられる。中でも、ス
チレン−アクリル系樹脂が好ましく、スチレン−アクリ
ル酸共重合体が特に好ましい。
ては、たとえば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチ
レン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合
体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイ
ン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン
−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−ア
クリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイ
ン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アク
リル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合
体、あるいはこれらの塩などが挙げられる。中でも、ス
チレン−アクリル系樹脂が好ましく、スチレン−アクリ
ル酸共重合体が特に好ましい。
【0101】上記各種の樹脂は、ブラックインク全体を
100重量%とした場合に、0.1〜5重量%の範囲内
で含有されていることが好ましく、0.3〜2重量%の
範囲内で含有されることがより好ましい。
100重量%とした場合に、0.1〜5重量%の範囲内
で含有されていることが好ましく、0.3〜2重量%の
範囲内で含有されることがより好ましい。
【0102】なお、上記各種の樹脂には、後述する結着
剤としても使用可能なものも含まれる。その場合には、
ブラックインクに添加される成分数が少なくなるので、
ブラックインクの調製を簡素化することができる。
剤としても使用可能なものも含まれる。その場合には、
ブラックインクに添加される成分数が少なくなるので、
ブラックインクの調製を簡素化することができる。
【0103】また、上記分散剤としては、他に、樹脂エ
マルジョンが挙げられる。ここで言う樹脂エマルジョン
とは、連続相が水であり、分散相が次のような樹脂成分
であるエマルジョンを意味する。
マルジョンが挙げられる。ここで言う樹脂エマルジョン
とは、連続相が水であり、分散相が次のような樹脂成分
であるエマルジョンを意味する。
【0104】上記樹脂エマルジョンにおける分散相の樹
脂成分としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、
スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリ
ル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹
脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂、ベンゾグア
ナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキ
シ樹脂などが挙げられる。
脂成分としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、
スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリ
ル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹
脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂、ベンゾグア
ナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキ
シ樹脂などが挙げられる。
【0105】上記樹脂エマルジョンは、樹脂モノマー
を、状況によって界面活性剤とともに水中で分散重合
(乳化重合)することによって得ることができる。たと
えば、アクリル系樹脂またはスチレン−アクリル系樹脂
のエマルジョンは、(メタ)アクリル酸エステル、また
は(メタ)アクリル酸エステルおよびスチレンを、界面
活性剤とともに水中で分散重合させることによって得ら
れる。
を、状況によって界面活性剤とともに水中で分散重合
(乳化重合)することによって得ることができる。たと
えば、アクリル系樹脂またはスチレン−アクリル系樹脂
のエマルジョンは、(メタ)アクリル酸エステル、また
は(メタ)アクリル酸エステルおよびスチレンを、界面
活性剤とともに水中で分散重合させることによって得ら
れる。
【0106】上記分散相成分としての樹脂と水との割合
は、樹脂100重量部に対して水60〜400重量部、
好ましくは100〜200重量部の範囲内が適当であ
る。
は、樹脂100重量部に対して水60〜400重量部、
好ましくは100〜200重量部の範囲内が適当であ
る。
【0107】また、市販の樹脂エマルジョンを使用する
ことも可能である。市販の樹脂エマルジョンとしては、
たとえば、マイクロジェルE−1002、E−5002
(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイン
ト株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂
エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボ
ンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジ
ョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1
014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本
ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アク
リル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、
などが挙げられる。
ことも可能である。市販の樹脂エマルジョンとしては、
たとえば、マイクロジェルE−1002、E−5002
(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイン
ト株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂
エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボ
ンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジ
ョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1
014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本
ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アク
リル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、
などが挙げられる。
【0108】本発明では、上記樹脂エマルジョンは、ブ
ラックインクを100重量%とすると、0.1〜40重
量%の範囲内で含まれていることが好ましく、1〜25
重量%の範囲内で含まれていることがより好ましい。
ラックインクを100重量%とすると、0.1〜40重
量%の範囲内で含まれていることが好ましく、1〜25
重量%の範囲内で含まれていることがより好ましい。
【0109】また、本発明における分散剤としては、上
記カルボキシル基を有する樹脂と、上記樹脂エマルジョ
ンとの両方が含まれていてもよい。さらに、黒色顔料が
分散性の高いアニオン顔料である場合などには、分散剤
は必ずしも含まれている必要はない。
記カルボキシル基を有する樹脂と、上記樹脂エマルジョ
ンとの両方が含まれていてもよい。さらに、黒色顔料が
分散性の高いアニオン顔料である場合などには、分散剤
は必ずしも含まれている必要はない。
【0110】さらに、上記ブラックインクには、画像形
成時に被記録材上に黒色顔料を定着させる結着剤が含ま
れていてもよい。この結着剤としては、たとえば、ポリ
ウレタン樹脂、デンプン、ゼラチン、ラテックス、カゼ
イン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリアク
リルアミドなどの水溶性高分子;メチルセルロース、カ
ルボキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなど
のセルロース誘導体;ポリアクリル酸塩、ビニルナフタ
レン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重
合体およびその塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリ
ン縮合体のナトリウム塩、リン酸塩などのアニオン性
(陰イオン性)高分子;ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリエチレングリコールなどのノニオ
ン性(非イオン性)高分子などが挙げられる。
成時に被記録材上に黒色顔料を定着させる結着剤が含ま
れていてもよい。この結着剤としては、たとえば、ポリ
ウレタン樹脂、デンプン、ゼラチン、ラテックス、カゼ
イン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリアク
リルアミドなどの水溶性高分子;メチルセルロース、カ
ルボキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなど
のセルロース誘導体;ポリアクリル酸塩、ビニルナフタ
レン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重
合体およびその塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリ
ン縮合体のナトリウム塩、リン酸塩などのアニオン性
(陰イオン性)高分子;ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリエチレングリコールなどのノニオ
ン性(非イオン性)高分子などが挙げられる。
【0111】上記結着剤の含有量は、ブラックインクを
100重量%とした場合に、0.5〜30重量%の範囲
内で含有されることが好ましい。0.5重量%未満であ
れば結着剤を添加することによる効果が得られない。一
方、30重量%を超えると、添加量に見合った効果が得
られない上に、粘性などが高くなってしまい、ブラック
インクとしての機能が低下するため好ましくない。
100重量%とした場合に、0.5〜30重量%の範囲
内で含有されることが好ましい。0.5重量%未満であ
れば結着剤を添加することによる効果が得られない。一
方、30重量%を超えると、添加量に見合った効果が得
られない上に、粘性などが高くなってしまい、ブラック
インクとしての機能が低下するため好ましくない。
【0112】上記ブラックインクに含まれる水性溶媒と
しては、前述したカラーインクと同様に、少なくとも水
を含み、さらに水に可溶な他の溶媒を含んでなるもので
ある。上記水としても他の溶媒としても、何れも前述し
たカラーインクの説明で例示した水溶性有機溶剤と同様
であるため、その詳細な説明は省略する。
しては、前述したカラーインクと同様に、少なくとも水
を含み、さらに水に可溶な他の溶媒を含んでなるもので
ある。上記水としても他の溶媒としても、何れも前述し
たカラーインクの説明で例示した水溶性有機溶剤と同様
であるため、その詳細な説明は省略する。
【0113】上記ブラックインクは、上述したようにア
ルカリ性を示すものであり、具体的には、pHが7を超
え10以下となる範囲内(ブラックインクのpHをpH
Bkとすると、7<pHBk≦10)が好ましく、pHが7
を超え9以下となる範囲内(7<pHBk≦9)がより好
ましい。すなわち、上記ブラックインクは弱アルカリ性
を示すことがより好ましい。
ルカリ性を示すものであり、具体的には、pHが7を超
え10以下となる範囲内(ブラックインクのpHをpH
Bkとすると、7<pHBk≦10)が好ましく、pHが7
を超え9以下となる範囲内(7<pHBk≦9)がより好
ましい。すなわち、上記ブラックインクは弱アルカリ性
を示すことがより好ましい。
【0114】ここで、上記ブラックインクには、前述し
た水溶性有機溶剤の中でも、たとえば2−ピロリドンな
どの有機アミン類が含まれていることが非常に好まし
い。この有機アミン類は、ブラックインクを弱アルカリ
性に調整するpH調整剤(緩衝剤/バッファー)として
機能するとともに、コゲーションは引き起こさないた
め、好ましく用いられる。また、その含有量は、ブラッ
クインクを100重量%とした場合に、0.001〜1
0重量%の範囲内で含有されることが好ましい。
た水溶性有機溶剤の中でも、たとえば2−ピロリドンな
どの有機アミン類が含まれていることが非常に好まし
い。この有機アミン類は、ブラックインクを弱アルカリ
性に調整するpH調整剤(緩衝剤/バッファー)として
機能するとともに、コゲーションは引き起こさないた
め、好ましく用いられる。また、その含有量は、ブラッ
クインクを100重量%とした場合に、0.001〜1
0重量%の範囲内で含有されることが好ましい。
【0115】また、本発明にかかるブラックインクは、
所望の物性値を得るために、上述した成分の他に、必要
に応じて、消泡剤、防腐剤、防カビ剤などを添付するこ
とができ、さらには、その他の市販の水溶性染料なども
添加することができる。これら消泡剤、防腐剤、防カビ
剤などの具体例や添加量については、ブラックインクの
諸特性に悪影響を及ぼさない限り特に限定されるもので
はなく、従来公知の技術を好適に用いることができる。
所望の物性値を得るために、上述した成分の他に、必要
に応じて、消泡剤、防腐剤、防カビ剤などを添付するこ
とができ、さらには、その他の市販の水溶性染料なども
添加することができる。これら消泡剤、防腐剤、防カビ
剤などの具体例や添加量については、ブラックインクの
諸特性に悪影響を及ぼさない限り特に限定されるもので
はなく、従来公知の技術を好適に用いることができる。
【0116】本発明にかかるインクジェット用インクと
してのカラーインク、および該カラーインクと上記ブラ
ックインクを含む、本発明にかかるインクセットは、従
来公知の各種インクジェットプリンタに広く適用するこ
とができる。
してのカラーインク、および該カラーインクと上記ブラ
ックインクを含む、本発明にかかるインクセットは、従
来公知の各種インクジェットプリンタに広く適用するこ
とができる。
【0117】上記インクジェットプリンタの代表的な方
式としては、ノズル内のインクをピエゾ素子の物理的変
形によって吐出するピエゾジェット方式や、ノズル内の
インクに熱を加えて発生する気泡によって吐出するサー
マルジェット方式が挙げられる。本発明にかかるインク
セットは、上記何れの方式にも好適に用いることができ
るが、中でも、インクを加熱することによってコゲーシ
ョンが発生し易いサーマルジェット方式に特に好ましく
用いられる。
式としては、ノズル内のインクをピエゾ素子の物理的変
形によって吐出するピエゾジェット方式や、ノズル内の
インクに熱を加えて発生する気泡によって吐出するサー
マルジェット方式が挙げられる。本発明にかかるインク
セットは、上記何れの方式にも好適に用いることができ
るが、中でも、インクを加熱することによってコゲーシ
ョンが発生し易いサーマルジェット方式に特に好ましく
用いられる。
【0118】上記インクジェット記録方式においては、
上記ブラックインクとカラーインクとが、ヘッドのノズ
ルからそれぞれ別個に吐出され、被記録材としてのたと
えば紙上で画像を形成することによって互いに接触す
る。
上記ブラックインクとカラーインクとが、ヘッドのノズ
ルからそれぞれ別個に吐出され、被記録材としてのたと
えば紙上で画像を形成することによって互いに接触す
る。
【0119】ここで、従来では、特にブラックと、他の
色との境界となる部分では、各インク同士が拡散したり
移動したりして各色の境界線が不明確となる現象、すな
わちカラーブリードが発生する。その結果、特に、ブラ
ックの画像の境界がにじんだりぼやけたりして、非常に
画像品位を低下させることになっていた。
色との境界となる部分では、各インク同士が拡散したり
移動したりして各色の境界線が不明確となる現象、すな
わちカラーブリードが発生する。その結果、特に、ブラ
ックの画像の境界がにじんだりぼやけたりして、非常に
画像品位を低下させることになっていた。
【0120】また、インクの組成上の問題から、ノズル
のヒータ部分にインク成分が付着するなどしてコゲーシ
ョンを生じたり、画像形成の頻度が小さく、画像形成動
作の間の時間が長いような場合には、インクの染料や顔
料が凝固したり沈殿したりしてノズルが詰まってしま
い、保存性も低下するという問題点を招来していた。
のヒータ部分にインク成分が付着するなどしてコゲーシ
ョンを生じたり、画像形成の頻度が小さく、画像形成動
作の間の時間が長いような場合には、インクの染料や顔
料が凝固したり沈殿したりしてノズルが詰まってしま
い、保存性も低下するという問題点を招来していた。
【0121】これに対して本発明においては、まず、ヘ
ッド内では、ブラックインクは、アルカリ性条件下で安
定して黒色顔料を分散(懸濁)した状態にある一方、カ
ラーインクは、酸性条件下で、ベタイン構造を有する水
溶性染料が安定した状態にある。しかも、これら各イン
クには、金属塩やゲル化に関わる成分などがほとんど含
まれていない。そのため、ノズルで加熱されてもコゲー
ションを生じず、また、画像形成の頻度が小さく、画像
形成動作の間の時間が長いような場合であっても、黒色
顔料や水溶性染料が凝固したり沈殿することがない。
ッド内では、ブラックインクは、アルカリ性条件下で安
定して黒色顔料を分散(懸濁)した状態にある一方、カ
ラーインクは、酸性条件下で、ベタイン構造を有する水
溶性染料が安定した状態にある。しかも、これら各イン
クには、金属塩やゲル化に関わる成分などがほとんど含
まれていない。そのため、ノズルで加熱されてもコゲー
ションを生じず、また、画像形成の頻度が小さく、画像
形成動作の間の時間が長いような場合であっても、黒色
顔料や水溶性染料が凝固したり沈殿することがない。
【0122】さらに、ブラックインクとその他のカラー
インクとが被記録材上で会合すると、アルカリ性のブラ
ックインクと酸性のカラーインクとが酸−アルカリ反応
を起して、ブラックインクのイオン電荷のバランスが低
下する。ブラックインクでは、イオンの電荷バランスが
良好な状態では、黒色顔料が均一に分散しているが、そ
のバランスが低下すると、非常に容易に沈殿(または凝
固)し易くなるため、黒色顔料は被記録材上で容易かつ
迅速に沈殿する。その結果、黒色顔料がカラーブリード
を起こさずに定着することになって、カラーブリードを
抑制することができる。
インクとが被記録材上で会合すると、アルカリ性のブラ
ックインクと酸性のカラーインクとが酸−アルカリ反応
を起して、ブラックインクのイオン電荷のバランスが低
下する。ブラックインクでは、イオンの電荷バランスが
良好な状態では、黒色顔料が均一に分散しているが、そ
のバランスが低下すると、非常に容易に沈殿(または凝
固)し易くなるため、黒色顔料は被記録材上で容易かつ
迅速に沈殿する。その結果、黒色顔料がカラーブリード
を起こさずに定着することになって、カラーブリードを
抑制することができる。
【0123】上記カラーブリードの抑制機構をより具体
的に説明する。たとえば、ブラックインクが、黒色顔料
としてアニオン顔料を、分散剤としてスチレン−アクリ
ル系樹脂を含んでいるとして、カラーインクがベタイン
構造の水溶性染料と、カチオン界面活性剤とを含んでい
るとする。
的に説明する。たとえば、ブラックインクが、黒色顔料
としてアニオン顔料を、分散剤としてスチレン−アクリ
ル系樹脂を含んでいるとして、カラーインクがベタイン
構造の水溶性染料と、カチオン界面活性剤とを含んでい
るとする。
【0124】これらがノズルから別々に吐出され、被記
録剤上で会合すると、アニオン顔料を良好に分散させて
いた分散剤であるスチレン−アクリル系樹脂と、カラー
インクのカチオン界面活性剤とが酸−アルカリ反応を起
こす。すなわち、スチレン−アクリル系樹脂の末端にあ
るカルボキシル基と、カチオン界面活性剤において界面
活性効果を示すカチオンとが反応し、この反応をドライ
ビングフォースとして、ブラックインク中のイオン電荷
バランスが不安定になる。これによってアニオン顔料は
容易に沈殿する一方、ブラックインク中で分散していた
上記スチレン−アクリル系樹脂も容易に凝固する。
録剤上で会合すると、アニオン顔料を良好に分散させて
いた分散剤であるスチレン−アクリル系樹脂と、カラー
インクのカチオン界面活性剤とが酸−アルカリ反応を起
こす。すなわち、スチレン−アクリル系樹脂の末端にあ
るカルボキシル基と、カチオン界面活性剤において界面
活性効果を示すカチオンとが反応し、この反応をドライ
ビングフォースとして、ブラックインク中のイオン電荷
バランスが不安定になる。これによってアニオン顔料は
容易に沈殿する一方、ブラックインク中で分散していた
上記スチレン−アクリル系樹脂も容易に凝固する。
【0125】その結果、沈殿したアニオン顔料をスチレ
ン−アクリル系樹脂が定着させることになり、ブラック
インクが被記録材に浸透もせず、カラーインクとの間に
カラーブリードを発生させることもなく、確実に固化・
凝集する。
ン−アクリル系樹脂が定着させることになり、ブラック
インクが被記録材に浸透もせず、カラーインクとの間に
カラーブリードを発生させることもなく、確実に固化・
凝集する。
【0126】このように、本発明にかかるインクジェッ
ト記録方式では、アルカリ性のブラックインクと酸性の
カラーインクとを用いることによって、被記録材上で酸
−アルカリ反応をドライビングフォースとするブラック
の定着反応を生じさせる。その結果、カラーブリードが
確実に抑制される。
ト記録方式では、アルカリ性のブラックインクと酸性の
カラーインクとを用いることによって、被記録材上で酸
−アルカリ反応をドライビングフォースとするブラック
の定着反応を生じさせる。その結果、カラーブリードが
確実に抑制される。
【0127】しかも、上記各インクには、金属塩やゲル
化反応に関わるような成分が含まれていないため、特に
サーマルジェット方式のインクジェットプリンタであっ
てもコゲーションを生じさせることがない。さらに、上
記各インクは、カラーブリードを抑制させるために、本
来ならインクとして不安定な状態である酸性またはアル
カリ性を示している。しかしながら、水溶性染料をベタ
イン化するとともに、アニオン化および分散剤によって
顔料を良好に分散させているため、長期間放置してもイ
ンク成分が凝固したり沈殿したりせず、ノズルが詰まり
画像形成できないといった問題点も回避することができ
る。その結果、インクの保存性も非常に向上したものと
なっている。
化反応に関わるような成分が含まれていないため、特に
サーマルジェット方式のインクジェットプリンタであっ
てもコゲーションを生じさせることがない。さらに、上
記各インクは、カラーブリードを抑制させるために、本
来ならインクとして不安定な状態である酸性またはアル
カリ性を示している。しかしながら、水溶性染料をベタ
イン化するとともに、アニオン化および分散剤によって
顔料を良好に分散させているため、長期間放置してもイ
ンク成分が凝固したり沈殿したりせず、ノズルが詰まり
画像形成できないといった問題点も回避することができ
る。その結果、インクの保存性も非常に向上したものと
なっている。
【0128】
【実施例】以下、実施例、および比較例に基づいて本発
明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。なお、以下の説明では、重量部を単
に「部」と略記し、重量%も単に「%」と略記する。
明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。なお、以下の説明では、重量部を単
に「部」と略記し、重量%も単に「%」と略記する。
【0129】また、カラーブリード、コゲーション、お
よび保存性については、下記の方法により評価した。
よび保存性については、下記の方法により評価した。
【0130】〔カラーブリード〕市販のサーマルヘッド
方式のカラーインクジェットプリンタを用いて、PPC
用紙に画像を形成した場合における、異なる色間でのに
じみなどが発生して、各色の境界が不明確になっている
か否かを目視にて確認した。このとき、全くにじみなど
が発生せず、各色の境界が明確になっている場合を○、
にじみなどが発生して、各色の境界が不明確となってい
る場合を×として評価した。
方式のカラーインクジェットプリンタを用いて、PPC
用紙に画像を形成した場合における、異なる色間でのに
じみなどが発生して、各色の境界が不明確になっている
か否かを目視にて確認した。このとき、全くにじみなど
が発生せず、各色の境界が明確になっている場合を○、
にじみなどが発生して、各色の境界が不明確となってい
る場合を×として評価した。
【0131】〔コゲーション〕カラーブリードの評価と
同様、サーマルジェット方式のカラーインクジェットプ
リンタを用いて、インクカートリッジの規定量まで各カ
ラーインクを充填し、各カラーインクを全て画像形成で
使い切る動作を二回繰り返した。この画像形成時点で、
画像にかすれなどが発生していないかを目視にて確認し
た。その後、カートリッジを分解してサーマルヘッドの
ヒータ部分を目視にて確認した。
同様、サーマルジェット方式のカラーインクジェットプ
リンタを用いて、インクカートリッジの規定量まで各カ
ラーインクを充填し、各カラーインクを全て画像形成で
使い切る動作を二回繰り返した。この画像形成時点で、
画像にかすれなどが発生していないかを目視にて確認し
た。その後、カートリッジを分解してサーマルヘッドの
ヒータ部分を目視にて確認した。
【0132】このとき、画像形成中にかすれなどの異常
が確認されず、かつ、ヒータ部分が、画像形成を実施す
る前とほぼ同じで何ら異常な状態が見られない場合を
○、画像形成中にかすれなどの異常が確認されたり、何
らかの付着物などが見られたりした場合を×として評価
した。
が確認されず、かつ、ヒータ部分が、画像形成を実施す
る前とほぼ同じで何ら異常な状態が見られない場合を
○、画像形成中にかすれなどの異常が確認されたり、何
らかの付着物などが見られたりした場合を×として評価
した。
【0133】〔保存性〕カラーブリードおよびコゲーシ
ョンの評価と同様、サーマルジェット方式のカラーイン
クジェットプリンタを用いて、インクカートリッジの規
定量まで各カラーインクを充填し、常温で3カ月間その
ままの状態で保管した。その後、該インクカートリッジ
を用いて、保管前と同様の通常の画像形成を実施した。
そして、次の3点について評価を実施した。
ョンの評価と同様、サーマルジェット方式のカラーイン
クジェットプリンタを用いて、インクカートリッジの規
定量まで各カラーインクを充填し、常温で3カ月間その
ままの状態で保管した。その後、該インクカートリッジ
を用いて、保管前と同様の通常の画像形成を実施した。
そして、次の3点について評価を実施した。
【0134】1.画像形成動作 上記画像形成動作をカラーインクの保管前後で比較し
た。このとき、ヘッドからカラーインクが吐出できず画
像形成できない場合を×、一応画像形成はできるもの
の、ある程度画像形成した後に形成された画像にかすれ
が見られる場合を△、保管前と何ら変わらず良好な画像
形成ができた場合を○として評価した。
た。このとき、ヘッドからカラーインクが吐出できず画
像形成できない場合を×、一応画像形成はできるもの
の、ある程度画像形成した後に形成された画像にかすれ
が見られる場合を△、保管前と何ら変わらず良好な画像
形成ができた場合を○として評価した。
【0135】2.サーマルヘッドのヒータ 保管後の画像形成動作を終了した後に、コゲーションの
評価と同様、カートリッジを分解してサーマルヘッドの
ヒータ部分を目視にて確認した。このとき、ヒータ部分
が、画像形成を実施する前とほぼ同じで何ら異常な状態
が見られない場合を○、何らかの付着物などが見られた
場合を×として評価した。
評価と同様、カートリッジを分解してサーマルヘッドの
ヒータ部分を目視にて確認した。このとき、ヒータ部分
が、画像形成を実施する前とほぼ同じで何ら異常な状態
が見られない場合を○、何らかの付着物などが見られた
場合を×として評価した。
【0136】3.インクの状態 保管後の画像形成動作を終了した後に、カラーインクそ
のものの状態を目視で確認した。このとき、保管前と変
わらず凝固や沈殿が生じていない場合を○、何らかの凝
集物が発生している場合を×として評価した。
のものの状態を目視で確認した。このとき、保管前と変
わらず凝固や沈殿が生じていない場合を○、何らかの凝
集物が発生している場合を×として評価した。
【0137】上記三つの評価を総合することによって、
カラーインクの保存性を評価した。すなわち、上記三つ
の全ての評価が○である場合を○、上記三つの評価のう
ち一つでも△がある場合を△、上記三つの評価のうち一
つでも×がある場合を×として評価した。
カラーインクの保存性を評価した。すなわち、上記三つ
の全ての評価が○である場合を○、上記三つの評価のう
ち一つでも△がある場合を△、上記三つの評価のうち一
つでも×がある場合を×として評価した。
【0138】〔実施例1〕本実施例においては、本発明
にかかるインクセットとして、表1に示す組成のブラッ
クインクおよびシアン、マゼンタ、およびイエローの各
カラーインクを調製し、これらインクセットを用いて画
像形成を行った。
にかかるインクセットとして、表1に示す組成のブラッ
クインクおよびシアン、マゼンタ、およびイエローの各
カラーインクを調製し、これらインクセットを用いて画
像形成を行った。
【0139】すなわち、黒色顔料としてカーボンブラッ
クMA7(三菱化学製)を、分散剤としてスチレン−ア
クリル酸共重合体を、結着剤としてポリウレタンエマル
ジョンを用いるとともに、溶媒として純水(イオン交換
水)と、他の水溶性有機溶剤として2−ピロリドン、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテル、トリメチロー
ルプロパン、および2−プロパノールとを用いて、これ
らを表1に示す含有量となるように配合し、本発明にか
かるブラックインク(1)を調製した。このブラックイ
ンク(1)のpHは約8であり、弱アルカリ性を示し
た。
クMA7(三菱化学製)を、分散剤としてスチレン−ア
クリル酸共重合体を、結着剤としてポリウレタンエマル
ジョンを用いるとともに、溶媒として純水(イオン交換
水)と、他の水溶性有機溶剤として2−ピロリドン、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテル、トリメチロー
ルプロパン、および2−プロパノールとを用いて、これ
らを表1に示す含有量となるように配合し、本発明にか
かるブラックインク(1)を調製した。このブラックイ
ンク(1)のpHは約8であり、弱アルカリ性を示し
た。
【0140】次に、カラーインクの調製について説明す
ると、まずシアンのカラーインクの調製に当たっては、
水溶性染料として、ダイレクトブルー199(ダイワ化
成製)およびアシッドブルー9(ダイワ化成製)を用
い、これら各染料に対して従来公知の方法(前記実施の
形態参照)にてベタイン構造を導入して、本発明に用い
られるベタイン構造を有する水溶性染料としての、ダイ
レクトブルー199ベタイン化誘導体、およびアシッド
ブルー9ベタイン化誘導体を得た。
ると、まずシアンのカラーインクの調製に当たっては、
水溶性染料として、ダイレクトブルー199(ダイワ化
成製)およびアシッドブルー9(ダイワ化成製)を用
い、これら各染料に対して従来公知の方法(前記実施の
形態参照)にてベタイン構造を導入して、本発明に用い
られるベタイン構造を有する水溶性染料としての、ダイ
レクトブルー199ベタイン化誘導体、およびアシッド
ブルー9ベタイン化誘導体を得た。
【0141】同様にマゼンタのカラーインクの調製に当
たっては、水溶性染料として、アシッドレッド52(ダ
イワ化成製)およびリアクティブレッド180(クラリ
アント製)を用い、これら各染料に対して従来公知の方
法にてベタイン構造を導入して、本発明に用いられるベ
タイン構造を有する水溶性染料としての、アシッドレッ
ド52ベタイン化誘導体、およびリアクティブレット1
80ベタイン化誘導体を得た。
たっては、水溶性染料として、アシッドレッド52(ダ
イワ化成製)およびリアクティブレッド180(クラリ
アント製)を用い、これら各染料に対して従来公知の方
法にてベタイン構造を導入して、本発明に用いられるベ
タイン構造を有する水溶性染料としての、アシッドレッ
ド52ベタイン化誘導体、およびリアクティブレット1
80ベタイン化誘導体を得た。
【0142】同様にイエローのカラーインクの調製に当
たっては、水溶性染料として、アシッドイエロー23
(ダイワ化成製)を用い、従来公知の方法にてベタイン
構造を導入して、本発明に用いられるベタイン構造を有
する水溶性染料としてのアシッドイエロー23ベタイン
化誘導体を得た。
たっては、水溶性染料として、アシッドイエロー23
(ダイワ化成製)を用い、従来公知の方法にてベタイン
構造を導入して、本発明に用いられるベタイン構造を有
する水溶性染料としてのアシッドイエロー23ベタイン
化誘導体を得た。
【0143】上記各ベタイン化誘導体に加えて、カチオ
ン界面活性剤としてラウリルアミン酢酸塩を用い、さら
に溶媒として純水(イオン交換水)と、他の水溶性有機
溶剤として2−ピロリドン、トリメチロールプロパン、
および1,5−ペンタンジオールまたはジエチレングリ
コールとを用いて、これらを表2に示す含有量となるよ
うに配合して、シアン、マゼンタ、およびイエローの各
カラーインク(1)を調製した。これら各カラーインク
(1)のpHは約5〜6であり、何れも弱酸性を示し
た。
ン界面活性剤としてラウリルアミン酢酸塩を用い、さら
に溶媒として純水(イオン交換水)と、他の水溶性有機
溶剤として2−ピロリドン、トリメチロールプロパン、
および1,5−ペンタンジオールまたはジエチレングリ
コールとを用いて、これらを表2に示す含有量となるよ
うに配合して、シアン、マゼンタ、およびイエローの各
カラーインク(1)を調製した。これら各カラーインク
(1)のpHは約5〜6であり、何れも弱酸性を示し
た。
【0144】
【表1】
【0145】
【表2】
【0146】なお、上記表2、および後記の表4および
表5においては、水溶性染料のベタイン化誘導体を、単
に、「(水溶性染料の名称)誘導体」と略記している。
また、後記の表6および表7に記載している水溶性染料
には、「誘導体」という記載がないが、これは、ベタイ
ン構造を導入しない元のままの水溶性染料であることを
示しており、上記ベタイン化誘導体とは異なるものであ
る。
表5においては、水溶性染料のベタイン化誘導体を、単
に、「(水溶性染料の名称)誘導体」と略記している。
また、後記の表6および表7に記載している水溶性染料
には、「誘導体」という記載がないが、これは、ベタイ
ン構造を導入しない元のままの水溶性染料であることを
示しており、上記ベタイン化誘導体とは異なるものであ
る。
【0147】上記ブラックインク(1)を、上述したサ
ーマルヘッド方式のカラーインクジェットプリンタにお
けるヘッド一体型のインクカートリッジに充填した。ま
た、上記シアン、マゼンタ、イエローの各カラーインク
(1)を、上記カラーインクジェットプリンタにおける
3色一体型・ヘッド一体型のインクカートリッジに規定
量となるまで充填した。
ーマルヘッド方式のカラーインクジェットプリンタにお
けるヘッド一体型のインクカートリッジに充填した。ま
た、上記シアン、マゼンタ、イエローの各カラーインク
(1)を、上記カラーインクジェットプリンタにおける
3色一体型・ヘッド一体型のインクカートリッジに規定
量となるまで充填した。
【0148】上記インクカートリッジを用いて、被記録
材として、一般に用いられているPPC用紙を用いて、
上記各カラーインク(1)を完全に消費するまで画像形
成を行った。さらにその後、上記各カラーインク(1)
をインクカートリッジに規定量となるまで充填し、再び
各カラーインク(1)を完全に消費するまで画像形成を
行った。
材として、一般に用いられているPPC用紙を用いて、
上記各カラーインク(1)を完全に消費するまで画像形
成を行った。さらにその後、上記各カラーインク(1)
をインクカートリッジに規定量となるまで充填し、再び
各カラーインク(1)を完全に消費するまで画像形成を
行った。
【0149】その後、用紙上に形成された画像を目視に
て確認し、カラーブリードについて評価した。また、画
像形成終了後、インクカートリッジを分解してインクヘ
ッドのヒーター部分を目視にて観察し、コゲーションに
ついて評価した。評価結果を後記の表8に示す。
て確認し、カラーブリードについて評価した。また、画
像形成終了後、インクカートリッジを分解してインクヘ
ッドのヒーター部分を目視にて観察し、コゲーションに
ついて評価した。評価結果を後記の表8に示す。
【0150】さらに、上記各カラーインク(1)をイン
クカートリッジに充填したままの状態で3カ月間保管し
た後に、上記と同様にして画像形成を行った。この保管
後の画像形成動作および形成された画像を、保管前と比
較することによって、保存性について評価した。評価結
果を後記の表8に示す。
クカートリッジに充填したままの状態で3カ月間保管し
た後に、上記と同様にして画像形成を行った。この保管
後の画像形成動作および形成された画像を、保管前と比
較することによって、保存性について評価した。評価結
果を後記の表8に示す。
【0151】〔実施例2〕本実施例においては、本発明
にかかるインクセットとして、表3に示す組成のブラッ
クインクおよびシアン、マゼンタ、およびイエローの各
カラーインクを調製し、これらインクセットを用いて画
像形成を行った。
にかかるインクセットとして、表3に示す組成のブラッ
クインクおよびシアン、マゼンタ、およびイエローの各
カラーインクを調製し、これらインクセットを用いて画
像形成を行った。
【0152】市販の自己分散型カーボンブラック「キャ
ボジェット」(商品名、キャボット製)を黒色顔料とし
て用い、結着剤としてポリウレタンエマルジョンを用い
るとともに、溶媒として純水(イオン交換水)と、他の
水溶性有機溶剤として2−ピロリドン、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル、ポリエチレンイミン、およ
び2−プロパノールとを用いて、これらを表3に示す含
有量となるように配合し、本発明にかかるブラックイン
ク(2)を調製した。このブラックインク(2)のpH
は約8であり、弱アルカリ性を示した。
ボジェット」(商品名、キャボット製)を黒色顔料とし
て用い、結着剤としてポリウレタンエマルジョンを用い
るとともに、溶媒として純水(イオン交換水)と、他の
水溶性有機溶剤として2−ピロリドン、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル、ポリエチレンイミン、およ
び2−プロパノールとを用いて、これらを表3に示す含
有量となるように配合し、本発明にかかるブラックイン
ク(2)を調製した。このブラックインク(2)のpH
は約8であり、弱アルカリ性を示した。
【0153】次に、カラーインクの調製について説明す
ると、まずシアンのカラーインクの調製に当たっては、
水溶性染料として、アシッドブルー7(ダイワ化成製)
を用い、従来公知の方法にてベタイン構造を導入して、
本発明に用いられるベタイン構造を有する水溶性染料と
しての、アシッドブルー7ベタイン化誘導体を得た。
ると、まずシアンのカラーインクの調製に当たっては、
水溶性染料として、アシッドブルー7(ダイワ化成製)
を用い、従来公知の方法にてベタイン構造を導入して、
本発明に用いられるベタイン構造を有する水溶性染料と
しての、アシッドブルー7ベタイン化誘導体を得た。
【0154】同様にマゼンタのカラーインクの調製に当
たっては、水溶性染料として、アシッドレッド52(ダ
イワ化成製)およびリアクティブレッド58(ダイワ化
成製)を用い、これら各染料に対してそれぞれ従来公知
の方法にてベタイン構造を導入して、本発明に用いられ
るベタイン構造を有する水溶性染料としての、アシッド
レッド52ベタイン化誘導体、およびリアクティブレッ
ト58ベタイン化誘導体を得た。
たっては、水溶性染料として、アシッドレッド52(ダ
イワ化成製)およびリアクティブレッド58(ダイワ化
成製)を用い、これら各染料に対してそれぞれ従来公知
の方法にてベタイン構造を導入して、本発明に用いられ
るベタイン構造を有する水溶性染料としての、アシッド
レッド52ベタイン化誘導体、およびリアクティブレッ
ト58ベタイン化誘導体を得た。
【0155】同様にイエローのカラーインクの調製に当
たっては、水溶性染料として、アシッドイエロー23
(ダイワ化成製)を用い、従来公知の方法にてベタイン
構造を導入して、本発明に用いられるベタイン構造を有
する水溶性染料としてのアシッドイエロー23ベタイン
化誘導体を得た。
たっては、水溶性染料として、アシッドイエロー23
(ダイワ化成製)を用い、従来公知の方法にてベタイン
構造を導入して、本発明に用いられるベタイン構造を有
する水溶性染料としてのアシッドイエロー23ベタイン
化誘導体を得た。
【0156】上記各ベタイン化誘導体に加えて、カチオ
ン界面活性剤としてラウリルアミン酢酸塩を用い、さら
に溶媒として純水(イオン交換水)と、他の水溶性有機
溶剤としてポリエチレンイミン、2−ピロリドン、およ
び1,5−ペンタンジオールまたはジエチレングリコー
ルとを用いて、これらを表4に示す含有量となるように
配合して、シアン、マゼンタ、およびイエローの各カラ
ーインク(2)を調製した。これら各カラーインク
(2)のpHは約5〜6であり、何れも弱酸性を示し
た。
ン界面活性剤としてラウリルアミン酢酸塩を用い、さら
に溶媒として純水(イオン交換水)と、他の水溶性有機
溶剤としてポリエチレンイミン、2−ピロリドン、およ
び1,5−ペンタンジオールまたはジエチレングリコー
ルとを用いて、これらを表4に示す含有量となるように
配合して、シアン、マゼンタ、およびイエローの各カラ
ーインク(2)を調製した。これら各カラーインク
(2)のpHは約5〜6であり、何れも弱酸性を示し
た。
【0157】
【表3】
【0158】
【表4】
【0159】上記ブラックインク(2)および上記シア
ン、マゼンタ、イエローの各カラーインク(2)を、上
述したサーマルヘッド方式のカラーインクジェットプリ
ンタにおけるインクカートリッジに実施例1と同様にし
て充填した。そして、実施例1と同様の画像形成を行っ
て、カラーブリード、コゲーション、および保存性につ
いて評価した。評価結果を後記の表8に示す。
ン、マゼンタ、イエローの各カラーインク(2)を、上
述したサーマルヘッド方式のカラーインクジェットプリ
ンタにおけるインクカートリッジに実施例1と同様にし
て充填した。そして、実施例1と同様の画像形成を行っ
て、カラーブリード、コゲーション、および保存性につ
いて評価した。評価結果を後記の表8に示す。
【0160】〔比較例1〕前記実施例1と同様にしてブ
ラックインク(1)を調製(表1参照)した。また、本
発明にかかるカラーインクに必須の成分である、カチオ
ン界面活性剤を用いずに、アニオン界面活性剤としてラ
ウリル硫酸ナトリウムを用いた以外は、前記実施例1と
同様にして、シアン、マゼンタ、およびイエローの各比
較カラーインク(1)を調製した。これら各比較カラー
インク(1)のpHは約8〜9であり、何れも弱アルカ
リ性を示した。各比較カラーインク(1)における各成
分の含有量を表5に示す。
ラックインク(1)を調製(表1参照)した。また、本
発明にかかるカラーインクに必須の成分である、カチオ
ン界面活性剤を用いずに、アニオン界面活性剤としてラ
ウリル硫酸ナトリウムを用いた以外は、前記実施例1と
同様にして、シアン、マゼンタ、およびイエローの各比
較カラーインク(1)を調製した。これら各比較カラー
インク(1)のpHは約8〜9であり、何れも弱アルカ
リ性を示した。各比較カラーインク(1)における各成
分の含有量を表5に示す。
【0161】
【表5】
【0162】上記ブラックインク(1)および比較カラ
ーインク(1)を用いて、前記実施例1と同様にして画
像形成を行って、カラーブリード、コゲーション、およ
び保存性について評価した。また、評価結果を後記の表
8に示す。
ーインク(1)を用いて、前記実施例1と同様にして画
像形成を行って、カラーブリード、コゲーション、およ
び保存性について評価した。また、評価結果を後記の表
8に示す。
【0163】〔比較例2〕前記実施例1と同様にしてブ
ラックインク(1)を調製(表1参照)した。また、本
発明にかかるカラーインクに必須の成分である、ベタイ
ン構造を有する水溶性染料を用いない以外は、前記実施
例1と同様にして、シアン、マゼンタ、およびイエロー
の各比較カラーインク(2)を調製した。これら各比較
カラーインク(2)のpHは約5〜6であり、何れも弱
酸性を示した。各比較カラーインク(2)における各成
分の含有量を表6に示す。なお、表6および後記の表7
に示す各水溶性染料は、前述した通り、前記実施例1に
おけるベタイン構造を導入する前の各水溶性染料と同一
のものである。
ラックインク(1)を調製(表1参照)した。また、本
発明にかかるカラーインクに必須の成分である、ベタイ
ン構造を有する水溶性染料を用いない以外は、前記実施
例1と同様にして、シアン、マゼンタ、およびイエロー
の各比較カラーインク(2)を調製した。これら各比較
カラーインク(2)のpHは約5〜6であり、何れも弱
酸性を示した。各比較カラーインク(2)における各成
分の含有量を表6に示す。なお、表6および後記の表7
に示す各水溶性染料は、前述した通り、前記実施例1に
おけるベタイン構造を導入する前の各水溶性染料と同一
のものである。
【0164】
【表6】
【0165】上記ブラックインク(1)および比較カラ
ーインク(2)を用いて、前記実施例1と同様にして画
像形成を行って、カラーブリード、コゲーション、およ
び保存性について評価した。また、評価結果を後記の表
8に示す。
ーインク(2)を用いて、前記実施例1と同様にして画
像形成を行って、カラーブリード、コゲーション、およ
び保存性について評価した。また、評価結果を後記の表
8に示す。
【0166】〔比較例3〕前記実施例1と同様にしてブ
ラックインク(1)を調製(表1参照)した。また、コ
ゲーションを導くために本発明のカラーインクには添加
しない成分である、多価金属塩(カチオン塩)としての
硝酸マグネシウムまたは硝酸カルシウムを用いた以外
は、前記実施例1と同様にして、シアン、マゼンタ、お
よびイエローの各比較カラーインク(3)を調製した。
これら各比較カラーインク(3)のpHは約6〜7であ
り、何れも弱酸性を示した。各比較カラーインク(3)
における各成分の含有量を表7に示す。
ラックインク(1)を調製(表1参照)した。また、コ
ゲーションを導くために本発明のカラーインクには添加
しない成分である、多価金属塩(カチオン塩)としての
硝酸マグネシウムまたは硝酸カルシウムを用いた以外
は、前記実施例1と同様にして、シアン、マゼンタ、お
よびイエローの各比較カラーインク(3)を調製した。
これら各比較カラーインク(3)のpHは約6〜7であ
り、何れも弱酸性を示した。各比較カラーインク(3)
における各成分の含有量を表7に示す。
【0167】
【表7】
【0168】上記ブラックインク(1)および比較カラ
ーインク(3)を用いて、前記実施例1と同様にして画
像形成を行って、カラーブリード、コゲーション、およ
び保存性について評価した。また、評価結果を下記の表
8に示す。
ーインク(3)を用いて、前記実施例1と同様にして画
像形成を行って、カラーブリード、コゲーション、およ
び保存性について評価した。また、評価結果を下記の表
8に示す。
【0169】
【表8】
【0170】表8の結果から明らかなように、本発明に
かかるインクジェット用インクセットを用いた場合で
は、カラーブリードの防止、コゲーションの防止、保存
性の向上の全てを達成することが可能であった(実施例
1・2)。しかしながら、水溶性染料にベタイン構造を
導入しなければ、保存性が低下する上に、コゲーション
の発生も防止できなかった(比較例2・3)。特に、カ
チオン塩を用いると、保存性が非常に悪化した(比較例
2)。
かかるインクジェット用インクセットを用いた場合で
は、カラーブリードの防止、コゲーションの防止、保存
性の向上の全てを達成することが可能であった(実施例
1・2)。しかしながら、水溶性染料にベタイン構造を
導入しなければ、保存性が低下する上に、コゲーション
の発生も防止できなかった(比較例2・3)。特に、カ
チオン塩を用いると、保存性が非常に悪化した(比較例
2)。
【0171】一方、水溶性染料にベタイン構造を導入す
れば、コゲーションの防止と保存性の向上とを十分に達
成することができるが(実施例1・2、比較例1)、カ
チオン界面活性剤を用いなければ、カラーブリードの発
生を防止できず、画質が大幅に劣化した(比較例1)。
れば、コゲーションの防止と保存性の向上とを十分に達
成することができるが(実施例1・2、比較例1)、カ
チオン界面活性剤を用いなければ、カラーブリードの発
生を防止できず、画質が大幅に劣化した(比較例1)。
【0172】このように、本発明にかかるインクジェッ
ト用インクでは、水性溶媒中に、ベタイン構造を有する
水溶性染料と、カチオン界面活性剤とを含んでなってい
るため、カラーブリードの防止、コゲーションの防止、
保存性の向上の全てを達成することができる優れたイン
クとすることができる。
ト用インクでは、水性溶媒中に、ベタイン構造を有する
水溶性染料と、カチオン界面活性剤とを含んでなってい
るため、カラーブリードの防止、コゲーションの防止、
保存性の向上の全てを達成することができる優れたイン
クとすることができる。
【0173】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかるインクジ
ェット用インクは、水性溶媒中に、ベタイン構造を有す
る水溶性染料と、カチオン界面活性剤とを含んでなる構
成である。
ェット用インクは、水性溶媒中に、ベタイン構造を有す
る水溶性染料と、カチオン界面活性剤とを含んでなる構
成である。
【0174】上記構成によれば、水溶性染料がベタイン
構造を有しているので、上記インクは、酸性条件下でも
非常に安定した状態となり保存性が向上する上に、金属
塩やゲル化に関わる成分などがほとんど含まれていない
ため、ノズルでの加熱によるコゲーションの発生を防止
できるという効果を奏する。さらに、上記構成では、ア
ルカリ性のインクと組み合わせて使用すれば、カラーブ
リードを抑制することもできるという効果も奏する。
構造を有しているので、上記インクは、酸性条件下でも
非常に安定した状態となり保存性が向上する上に、金属
塩やゲル化に関わる成分などがほとんど含まれていない
ため、ノズルでの加熱によるコゲーションの発生を防止
できるという効果を奏する。さらに、上記構成では、ア
ルカリ性のインクと組み合わせて使用すれば、カラーブ
リードを抑制することもできるという効果も奏する。
【0175】上記インクジェット用インクにおいては、
上記カチオン界面活性剤が、アミン類の酢酸塩であるこ
とが好ましい。
上記カチオン界面活性剤が、アミン類の酢酸塩であるこ
とが好ましい。
【0176】上記構成によれば、アミン類の酢酸塩を用
いることによって、十分なインクの表面張力の調整効果
が得られる上に、コゲーションの発生をより一層確実に
回避することができるという効果を奏する。
いることによって、十分なインクの表面張力の調整効果
が得られる上に、コゲーションの発生をより一層確実に
回避することができるという効果を奏する。
【0177】上記インクジェット用インクにおいては、
そのpHが4以上7未満の範囲内に調整されていること
が好ましい。
そのpHが4以上7未満の範囲内に調整されていること
が好ましい。
【0178】上記構成によれば、インクのpHが上記弱
酸性の状態にあれば、特にアルカリ性のインクと組み合
わせることによって、カラーブリードの抑制効果をより
一層向上させることができるという効果を奏する。
酸性の状態にあれば、特にアルカリ性のインクと組み合
わせることによって、カラーブリードの抑制効果をより
一層向上させることができるという効果を奏する。
【0179】また、本発明にかかるインクジェット用イ
ンクセットは、上記の課題を解決するために、水性溶媒
中に、ベタイン構造を有する水溶性染料およびカチオン
界面活性剤を含んでなるカラーインクと、水性溶媒中
に、黒色顔料を含み、かつアルカリ性を示すブラックイ
ンクとを含む構成である。
ンクセットは、上記の課題を解決するために、水性溶媒
中に、ベタイン構造を有する水溶性染料およびカチオン
界面活性剤を含んでなるカラーインクと、水性溶媒中
に、黒色顔料を含み、かつアルカリ性を示すブラックイ
ンクとを含む構成である。
【0180】上記構成によれば、まず、ブラックインク
は、アルカリ性条件下で安定して黒色顔料を分散(懸
濁)した状態にある一方、カラーインクは、酸性条件下
で、ベタイン構造を有する水溶性染料が安定した状態に
ある。しかも、これら各インクには、金属塩やゲル化に
関わる成分などがほとんど含まれていない。そのため、
これらインクがノズルで加熱されてもコゲーションの発
生が抑制されるという効果を奏する。
は、アルカリ性条件下で安定して黒色顔料を分散(懸
濁)した状態にある一方、カラーインクは、酸性条件下
で、ベタイン構造を有する水溶性染料が安定した状態に
ある。しかも、これら各インクには、金属塩やゲル化に
関わる成分などがほとんど含まれていない。そのため、
これらインクがノズルで加熱されてもコゲーションの発
生が抑制されるという効果を奏する。
【0181】また、ブラックインクとその他のカラーイ
ンクとが被記録材上で会合すると、アルカリ性のブラッ
クインクと酸性のカラーインクとが酸−アルカリ反応を
起して、これをきっかけとして、黒色顔料は被記録材上
で容易かつ迅速に沈殿する。その結果、黒色顔料におけ
るカラーブリードの発生が抑制されるという効果も奏す
る。
ンクとが被記録材上で会合すると、アルカリ性のブラッ
クインクと酸性のカラーインクとが酸−アルカリ反応を
起して、これをきっかけとして、黒色顔料は被記録材上
で容易かつ迅速に沈殿する。その結果、黒色顔料におけ
るカラーブリードの発生が抑制されるという効果も奏す
る。
【0182】さらに、上記ブラックインクおよびカラー
インクは、非常に安定した状態にあるので、画像形成の
頻度が小さく、画像形成動作の間の時間が長いような場
合であっても、黒色顔料や水溶性染料が凝固したり沈殿
することがない。そのため優れた保存性を発揮すること
ができるという効果も併せて奏する。
インクは、非常に安定した状態にあるので、画像形成の
頻度が小さく、画像形成動作の間の時間が長いような場
合であっても、黒色顔料や水溶性染料が凝固したり沈殿
することがない。そのため優れた保存性を発揮すること
ができるという効果も併せて奏する。
【0183】上記カラーインクのpHは4以上7未満の
範囲内であるとともに、上記ブラックインクのpHは7
を超えて10未満となる範囲内であることが好ましい。
範囲内であるとともに、上記ブラックインクのpHは7
を超えて10未満となる範囲内であることが好ましい。
【0184】上記構成によれば、ブラックインクおよび
カラーインクの双方のpHが好ましい範囲に調整される
ことになるので、上記酸−アルカリ反応をより一層効果
的に発生させることができるという効果を奏する。
カラーインクの双方のpHが好ましい範囲に調整される
ことになるので、上記酸−アルカリ反応をより一層効果
的に発生させることができるという効果を奏する。
【0185】上記インクジェット用インクセットにおい
ては、上記ブラックインクに含まれる黒色顔料が、アニ
オン顔料であることが好ましい。
ては、上記ブラックインクに含まれる黒色顔料が、アニ
オン顔料であることが好ましい。
【0186】上記構成によれば、黒色顔料がアニオン顔
料であるため、ブラックインクにおける黒色顔料の分散
性がより向上し、ブラックインクの保存性をより一層向
上することができるという効果を奏する。また、ブラッ
クインク−カラーインクによる酸−アルカリ反応による
イオン電荷のバランスの崩壊で、アニオン顔料は容易に
凝集したり沈殿したりするため、カラー画像形成におけ
るブラックインクのカラーブリードを効果的に抑制する
ことができるという効果も併せて奏する。
料であるため、ブラックインクにおける黒色顔料の分散
性がより向上し、ブラックインクの保存性をより一層向
上することができるという効果を奏する。また、ブラッ
クインク−カラーインクによる酸−アルカリ反応による
イオン電荷のバランスの崩壊で、アニオン顔料は容易に
凝集したり沈殿したりするため、カラー画像形成におけ
るブラックインクのカラーブリードを効果的に抑制する
ことができるという効果も併せて奏する。
【0187】上記インクジェット用インクセットにおい
ては、上記ブラックインクには、黒色顔料を分散させる
分散剤、および画像形成時に被記録材上に黒色顔料を定
着させる結着剤の少なくとも一方が含まれていることが
好ましい。
ては、上記ブラックインクには、黒色顔料を分散させる
分散剤、および画像形成時に被記録材上に黒色顔料を定
着させる結着剤の少なくとも一方が含まれていることが
好ましい。
【0188】上記構成によれば、分散剤の存在によっ
て、黒色顔料の分散性がさらに向上する。その結果、ブ
ラックインクの保存性を向上させ得るとともに、コゲー
ションの発生をさらに一層抑制することができるという
効果を奏する。また、結着剤の存在によって、黒色顔料
の定着がより迅速かつ確実となるので、カラーブリード
の発生もさらに一層抑制することができるという効果を
奏する。特に、上記分散剤および結着剤の双方を含んで
いれば、コゲーションおよびカラーブリードの抑制効果
をより向上させることができるとともに、保存性もより
向上させることができるという効果を併せて奏する。
て、黒色顔料の分散性がさらに向上する。その結果、ブ
ラックインクの保存性を向上させ得るとともに、コゲー
ションの発生をさらに一層抑制することができるという
効果を奏する。また、結着剤の存在によって、黒色顔料
の定着がより迅速かつ確実となるので、カラーブリード
の発生もさらに一層抑制することができるという効果を
奏する。特に、上記分散剤および結着剤の双方を含んで
いれば、コゲーションおよびカラーブリードの抑制効果
をより向上させることができるとともに、保存性もより
向上させることができるという効果を併せて奏する。
【0189】本発明にかかるインクジェット記録方法
は、上述したインクジェット用インクセットを用いて、
被記録材上に画像を形成する方法である。
は、上述したインクジェット用インクセットを用いて、
被記録材上に画像を形成する方法である。
【0190】上記方法によれば、アルカリ性条件下で安
定なブラックインクと、酸性条件下で安定なカラーイン
クとが、被記録材上で会合すると、ブラックインクとカ
ラーインクとが酸−アルカリ反応を起して、ブラックイ
ンクのイオン電荷のバランスが低下する。そのため、均
一に分散している黒色顔料が、非常に容易に沈殿(また
は凝固)し、黒色顔料は被記録材上で容易かつ迅速に沈
殿する。その結果、黒色顔料がカラーブリードを起こさ
ずに定着することになって、カラーブリードを抑制する
ことができるという効果を奏する。
定なブラックインクと、酸性条件下で安定なカラーイン
クとが、被記録材上で会合すると、ブラックインクとカ
ラーインクとが酸−アルカリ反応を起して、ブラックイ
ンクのイオン電荷のバランスが低下する。そのため、均
一に分散している黒色顔料が、非常に容易に沈殿(また
は凝固)し、黒色顔料は被記録材上で容易かつ迅速に沈
殿する。その結果、黒色顔料がカラーブリードを起こさ
ずに定着することになって、カラーブリードを抑制する
ことができるという効果を奏する。
【0191】しかも、従来のように多価金属塩やゲル化
のための成分などを含んでいないためコゲーションの発
生も抑制することができるとともに、ブラックインクお
よびカラーインクが非常に安定した状態にあるので保存
性も向上することができるという効果を奏する。
のための成分などを含んでいないためコゲーションの発
生も抑制することができるとともに、ブラックインクお
よびカラーインクが非常に安定した状態にあるので保存
性も向上することができるという効果を奏する。
【0192】さらに、多価金属塩とインクとを別々に吐
出するような構成を採用する必要がないため、インクヘ
ッドの構成を複雑化を回避して低コスト化することがで
きるとともに、そのメンテナンスも簡素化することがで
きるという効果を奏する。
出するような構成を採用する必要がないため、インクヘ
ッドの構成を複雑化を回避して低コスト化することがで
きるとともに、そのメンテナンスも簡素化することがで
きるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 雅 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 中彌 浩明 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA05 FA03 FC02 2H086 BA53 BA55 BA56 BA59 BA60 4J039 AB01 AB02 AB07 AD02 AD03 AD06 AD09 AD10 AD23 AE04 AE07 AE08 BC12 BC19 BC33 BE01 BE06 BE22 BE30 CA03 CA06 EA19 EA43 EA44 EA48 GA24
Claims (8)
- 【請求項1】水性溶媒中に、ベタイン構造を有する水溶
性染料と、カチオン界面活性剤とを含んでなることを特
徴とするインクジェット用インク。 - 【請求項2】上記カチオン界面活性剤は、アミン類の酢
酸塩であることを特徴とする請求項1記載のインクジェ
ット用インク。 - 【請求項3】pHが4以上7未満の範囲内に調整されて
いることを特徴とする請求項1または2記載のインクジ
ェット用インク。 - 【請求項4】水性溶媒中にベタイン構造を有する水溶性
染料およびカチオン界面活性剤を含んでなるカラーイン
クと、水性溶媒中に黒色顔料を含み、かつアルカリ性を
示すブラックインクとを含むことを特徴とするインクジ
ェット用インクセット。 - 【請求項5】上記カラーインクのpHは4以上7未満の
範囲内であるとともに、上記ブラックインクのpHは7
を超えて10未満となる範囲内であることを特徴とする
請求項4記載のインクジェット用インクセット。 - 【請求項6】上記ブラックインクに含まれる黒色顔料
は、アニオン顔料であることを特徴とする請求項4また
は5記載のインクジェット用インクセット。 - 【請求項7】上記ブラックインクには、黒色顔料を分散
させる分散剤、および画像形成時に被記録材上に黒色顔
料を定着させる結着剤の少なくとも一方が含まれている
ことを特徴とする請求項4、5、または6記載のインク
ジェット用インクセット。 - 【請求項8】上記請求項4ないし7の何れか1項に記載
のインクジェット用インクセットを用いて、被記録材上
に画像を形成することを特徴とするインクジェット記録
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000167923A JP2001348518A (ja) | 2000-06-05 | 2000-06-05 | インクジェット用インクおよびこれを用いたインクセット、並びにインクジェット記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000167923A JP2001348518A (ja) | 2000-06-05 | 2000-06-05 | インクジェット用インクおよびこれを用いたインクセット、並びにインクジェット記録方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001348518A true JP2001348518A (ja) | 2001-12-18 |
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ID=18671008
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000167923A Pending JP2001348518A (ja) | 2000-06-05 | 2000-06-05 | インクジェット用インクおよびこれを用いたインクセット、並びにインクジェット記録方法 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001348518A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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