[go: up one dir, main page]

JP2001223037A - 光電変換素子および光電池 - Google Patents

光電変換素子および光電池

Info

Publication number
JP2001223037A
JP2001223037A JP2000030641A JP2000030641A JP2001223037A JP 2001223037 A JP2001223037 A JP 2001223037A JP 2000030641 A JP2000030641 A JP 2000030641A JP 2000030641 A JP2000030641 A JP 2000030641A JP 2001223037 A JP2001223037 A JP 2001223037A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
semiconductor
layer
photoelectric conversion
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000030641A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Asami
正弘 浅見
Yoshisada Nakamura
善貞 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000030641A priority Critical patent/JP2001223037A/ja
Publication of JP2001223037A publication Critical patent/JP2001223037A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells

Landscapes

  • Hybrid Cells (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 短絡電流値が大きく、フィルファクターの高
く、高変換効率でかつ、高い耐久性を併せ持った色素増
感光電変換素子を提供する。 【解決手段】1)色素増感された半導体電極を有する光
電変換素子において、該色素増感に用いられる色素の少
なくとも1種が、金属錯体色素、フタロシアニン色素、
ポルフィリン色素およびメチン色素から選ばれる化合物
であり、かつ、超臨界流体中で半導体上に吸着させたも
のであることを特徴とする光電変換素子。 2)色素増感された半導体電極および電荷移動層を有す
る光電変換素子において、該電荷移動層が溶融塩電解質
又は正孔輸送材料を含んでなり、かつ、該色素増感に用
いられる少なくとも1種の色素が超臨界流体中で半導体
上に吸着させたものであることを特徴とする光電変換素
子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光電変換素子および
これを用いた光電池に関し、詳しくは色素で増感された
半導体を用いた、エネルギー変換効率に優れた光電変換
素子および光電池(特に太陽電池)に関する。さらに
は、これらに用いる半導体電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光発電は単結晶シリコン太陽電池、
多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電
池、テルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の化
合物太陽電池が実用化もしくは主な研究開発の対象とな
っているが、普及させる上で製造コスト、原材料確保、
エネルギーペイバックタイムが長い等の問題点を克服す
る必要がある。一方、大面積化や低価格化を指向した有
機材料を用いた太陽電池もこれまでにも多く提案されて
いるが、変換効率が低く、耐久性も悪いという問題があ
った。こうした状況の中で、Nature(第353 巻、第737
〜740 頁、1991年)および米国特許4927721 号等に、色
素によって増感された半導体微粒子を用いた光電変換素
子および太陽電池、ならびにこれを作成するための材料
および製造技術が開示された。提案された電池は、ルテ
ニウム錯体によって分光増感された二酸化チタン多孔質
薄膜を作用電極とする湿式太陽電池である。この方式の
第一の利点は二酸化チタン等の安価な酸化物半導体を高
純度に精製することなく用いることができるため、安価
な光電変換素子を提供できる点である。第二の利点は用
いられる色素の吸収がブロードなため、可視光線のほぼ
全ての波長領域の光を電気に変換できることである。こ
れら色素増感太陽電池の効率は、所謂I−V曲線を作成
し、得られる最大出力値を照射エネルギーで除すことで
求めることができる。具体的には、I−V曲線において
回路を短絡したときに得られる光電流値である短絡電流
値、光電流を補償するのに要する電圧、すなわち光起電
力に相当する開放電圧値、そして、取り出すことのでき
る最大電力値を短絡電流値と開放電圧値の積で除したフ
ィルファクター値(曲線因子)を用い、 変換効率=(開放電圧×短絡電流×フィルファクター)
/照射エネルギー×100 (%) として求められる。
【0003】太陽電池の効率の向上には、上記の短絡電
流値および開放電圧値を高めることが重要であるが、フ
ィルファクター値を高めることも、実際に取り出すこと
のできる出力を高める上で重要である。Chemist
ry Letters,1999,853には、増感色
素としてのエオシンYを超臨界二酸化炭素中で吸着させ
た酸化チタンよりなる多孔質電極を用いることにより、
高いフィルファクターが得られることが報告されてい
る。しかしながら、エネルギー変換効率の観点からは、
短絡電流の値が不十分であった。さらに、実用的な太陽
光発電モジュールを構築する上では、耐久性の観点から
も上記に開示された材料では問題が残されていた。すな
わち、該方式では電荷移動層に用いる電解質として低分
子量有機溶媒であるエチレンカーボネートあるいはアセ
トニトリルなどを含有しているため、電解質の液漏れや
溶媒の蒸発などにより、特に戸外などの過酷な条件下で
長期に安定した性能を維持するのが困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上から明らかなよう
に、本発明の目的は、短絡電流値が大きく、かつフィル
ファクターの高い、高変換効率の色素増感光電変換素子
および光電池を提供することである。さらには、優れた
変換効率と、長期間の使用に耐える、高い耐久性を併せ
持った色素増感光電変換素子および光電池を提供するこ
とである。さらには、これらを実現する光電変換用半導
体電極の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、本発明
を特定する下記の事項およびその好ましい態様により、
達成された。 (1)色素増感された半導体電極を有する光電変換素子
において、該色素増感に用いられる色素の少なくとも1
種が、金属錯体色素、フタロシアニン色素、ポルフィリ
ン色素およびメチン色素から選ばれる化合物であり、か
つ、超臨界流体中で半導体上に吸着させたものであるこ
とを特徴とする光電変換素子。 (2)色素増感された半導体電極および電荷移動層を有
する光電変換素子において、該電荷移動層が溶融塩電解
質を含んでなり、かつ、該色素増感に用いられる少なく
とも1種の色素が超臨界流体中で半導体上に吸着させた
ものであることを特徴とする光電変換素子。 (3)該溶融塩電解質の含有量が電解質組成物全体の5
0質量%以上であることを特徴とする(2)記載の光電
変換素子。 (4)色素増感された半導体電極および電荷移動層を有
する光電変換素子において、該電荷移動層が正孔輸送材
料を含んでなり、かつ、該色素増感に用いられる少なく
とも1種の色素が超臨界流体中で半導体上に吸着させた
ものであることを特徴とする光電変換素子。 (5)該色素が金属錯体色素、フタロシアニン色素、ポ
ルフィリン色素およびメチン色素から選ばれる化合物で
あることを特徴とする(2)〜(4)のいずれかに記載
の光電変換素子。 (6)前記色素増感に用いられる色素の少なくとも1種
がRu錯体色素であることを特徴とする上記(1)〜
(5)のいずれかに記載の光電変換素子。 (7)上記(1)〜(6)記載のいずれかの光電変換素
子を用いて構成したことを特徴とする光電池。 (8)色素増感された半導体電極の製造方法であって、
該色素増感に用いられる色素の少なくとも1種が金属錯
体色素、フタロシアニン色素、ポルフィリン色素および
メチン色素から選ばれる化合物であり、かつ、超臨界流
体中で半導体を処理する工程を含むことを特徴とする半
導体電極の製造方法。 (9)前記半導体が金属酸化物微粒子からなることを特
徴とする(8)に記載の半導体電極の製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】〔1〕光電変換素子 本発明の光電変換素子は、少なくとも半導体電極、電荷
移動層および対極から構成される。半導体電極は、導電
性支持体とこの上に設置される感光層からなり、感光層
は色素により増感した半導体膜からなる。本発明は、増
感色素の種類、その吸着方法および電荷移動層に用いる
電荷輸送材料に特徴を持つ。
【0007】本発明の光電変換素子は、好ましくは図1
に示すように、導電層10、感光層20、電荷移動層30、対
極導電層40の順に積層し、前記感光層20を色素22によっ
て増感された半導体微粒子21と当該半導体微粒子21の間
の空隙に浸透した電荷輸送材料23とから構成する。電荷
輸送材料23は、電荷移動層30に用いる材料と同じ成分か
らなる。また光電変換素子に強度を付与するため、導電
層10側および/または対極導電層40側に、基板50を設け
てもよい。以下本発明では、導電層10および任意で設け
る基板50からなる層を「導電性支持体」、対極導電層40
および任意で設ける基板50からなる層を「対極」と呼
ぶ。この光電変換素子を外部回路に接続して仕事をさせ
るようにしたものが光電池である。なお、図1中の導電
層10、対極導電層40、基板50は、それぞれ透明導電層10
a、透明対極導電層40a 、透明基板50a であっても良
い。
【0008】図1に示す本発明の光電変換素子におい
て、色素22により増感された半導体微粒子21を含む感光
層20に入射した光は色素22等を励起し、励起された色素
22等中の高エネルギーの電子が半導体微粒子21の伝導帯
に渡され、さらに拡散により導電層10に到達する。この
とき色素22等の分子は酸化体となっている。光電池にお
いては、導電層10中の電子が外部回路で仕事をしながら
対極導電層40および電荷移動層30を経て色素22等の酸化
体に戻り、色素22が再生する。感光層20は負極として働
く。それぞれの層の境界(例えば導電層10と感光層20と
の境界、感光層20と電荷移動層30との境界、電荷移動層
30と対極導電層40との境界等)では、各層の構成成分同
士が相互に拡散混合していてもよい。以下各層について
詳細に説明する。
【0009】(A)導電性支持体 導電性支持体は、(1)導電層の単層、または(2)導
電層および基板の2層からなる。強度や密封性が十分に
保たれるような導電層を使用すれば、基板は必ずしも必
要でない。
【0010】(1)の場合、導電層として金属のように
十分な強度が得られ、かつ導電性があるものを用いる。
【0011】(2)の場合、感光層側に導電剤を含む導
電層を有する基板を使用することができる。好ましい導
電剤としては金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミニ
ウム、ロジウム、インジウム等)、炭素、または導電性
金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズに
フッ素をドープしたもの等)が挙げられる。導電層の厚
さは0.02〜10μm程度が好ましい。
【0012】導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好
ましい表面抵抗の範囲は100 Ω/□以下であり、さらに
好ましくは40Ω/□以下である。表面抵抗の下限には特
に制限はないが、通常0.1 Ω/□程度である。
【0013】導電性支持体側から光を照射する場合に
は、導電性支持体は実質的に透明であるのが好ましい。
実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であるこ
とを意味し、50%以上であるのが好ましく、70%以上が
特に好ましい。
【0014】透明導電性支持体としては、ガラスまたは
プラスチック等の透明基板の表面に導電性金属酸化物か
らなる透明導電層を塗布または蒸着等により形成したも
のが好ましい。なかでもフッ素をドーピングした二酸化
スズからなる導電層を低コストのソーダ石灰フロートガ
ラスでできた透明基板上に堆積した導電性ガラスが好ま
しい。また低コストでフレキシブルな光電変換素子また
は太陽電池とするには、透明ポリマーフィルムに導電層
を設けたものを用いるのがよい。透明ポリマーフィルム
の材料としては、テトラアセチルセルロース(TAC )、
ポリエチレンテレフタレート(PET )、ポリエチレンナ
フタレート(PEN )、シンジオタクチックポリステレン
(SPS )、ポリフェニレンスルフィド(PPS )、ポリカ
ーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr )、ポリスル
フォン(PSF )、ポリエステルスルフォン(PES )、ポ
リエーテルイミド(PEI )、環状ポリオレフィン、ブロ
ム化フェノキシ等がある。十分な透明性を確保するため
に、導電性金属酸化物の塗布量はガラスまたはプラスチ
ックの支持体1m2当たり0.01〜100gとするのが好まし
い。
【0015】透明導電性支持体の抵抗を下げる目的で金
属リードを用いるのが好ましい。金属リードの材質はア
ルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が好
ましく、特にアルミニウムおよび銀が好ましい。金属リ
ードは透明基板に蒸着、スパッタリング等で設置し、そ
の上にフッ素をドープした酸化スズ、またはITO 膜から
なる透明導電層を設けるのが好ましい。また透明導電層
を透明基板に設けた後、透明導電層上に金属リードを設
置するのも好ましい。金属リード設置による入射光量の
低下は好ましくは10%以内、より好ましくは1〜5%と
する。
【0016】(B)感光層 感光層において、半導体はいわゆる感光体として作用
し、光を吸収して電荷分離を行い、電子と正孔を生ず
る。色素増感された半導体では、光吸収およびこれによ
る電子および正孔の発生は主として色素において起こ
り、半導体はこの電子を受け取り、伝達する役割を担
う。本発明で用いる半導体は光励起下で伝導体電子がキ
ャリアーとなり、アノード電流を与えるn型半導体であ
ることが好ましい。
【0017】(1)半導体 半導体としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体
半導体、III-V系化合物半導体、金属のカルコゲニド
(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)、またはペロ
ブスカイト構造を有する化合物(例えばチタン酸ストロ
ンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、
チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等)等を使用する
ことができる。
【0018】好ましい金属のカルコゲニドとして、チタ
ン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハ
フニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イ
ットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、またはタ
ンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモ
ンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレ
ン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の
化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カ
ドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−イン
ジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物等が挙げ
られる。
【0019】本発明に用いる半導体の好ましい具体例
は、Si、TiO2、SnO2、Fe2O3 、WO3 、ZnO 、Nb2O5 、Cd
S 、ZnS 、PbS 、Bi2S3 、CdSe、CdTe、GaP 、InP 、Ga
As、CuInS2、CuInSe2 等であり、より好ましくはTiO2
ZnO 、SnO2、Fe2O3 、WO3 、Nb 2O5 、CdS 、PbS 、CdS
e、InP 、GaAs、CuInS2またはCuInSe2 であり、この中
でも金属酸化物半導体が好ましい。特に好ましくはTiO2
またはNb2O5 であり、最も好ましくはTiO2である。
【0020】本発明に用いる半導体は単結晶でも多結晶
でもよい。変換効率の観点からは単結晶が好ましいが、
製造コスト、原材料確保、エネルギーペイバックタイム
等の観点からは多結晶が好ましく、半導体微粒子からな
る多孔質膜が特に好ましい。
【0021】これらの半導体微粒子の粒径は、投影面積
を円に換算したときの直径で表すことができる。正確に
は、透過型電子顕微鏡の写真の投影面積より求められ
る。簡易には、粒子が結晶の場合、一次粒子のサイズの
平均値は、X線回折の線幅よりScherrerの式を用いて求
めることができる。半導体微粒子の粒径は一般にnm〜μ
m のオーダーであるのが好ましい。平均粒径は、5〜2
00nmであることが好ましく、特に8〜100nmである
ことが好ましい。変動係数とは、粒径の標準偏差を平均
粒径で割った比率で、通常、単位は%で表される。変動
係数は、好ましくは、50%以下で、さらに、好ましく
は、30%以下、より好ましくは、20%以下である。
また分散液中の半導体微粒子(二次粒子)の平均粒径は
0.01〜100μmが好ましい。
【0022】粒径分布の異なる2種類以上の微粒子を混
合してもよく、この場合小さい粒子の平均サイズは5nm
以下であるのが好ましい。入射光を散乱させて光捕獲率
を向上させる目的で、粒径の大きな、例えば300nm 程度
の半導体粒子を混合してもよい。
【0023】半導体微粒子の作製法としては、作花済夫
の「ゾル−ゲル法の科学」アグネ承風社(1998年)、技
術情報協会の「ゾル−ゲル法による薄膜コーティング技
術」(1995年)等に記載のゾル−ゲル法−すなわち、金
属ハロゲン化物やアルコキサイドを加水分解して得られ
る金属水酸化物コロイド分散物を、オートクレーブ中で
80℃〜250℃に加熱することで酸化物微粒子を得る
方法、また、杉本忠夫の「新合成法ゲル−ゾル法による
単分散粒子の合成とサイズ形態制御」、まてりあ,第35
巻,第9号,1012〜1018頁(1996年)に記載のゲル−ゾ
ル法−すなわち、金属水酸化物のゲルネットワークをあ
らかじめ形成させた後に、これをやはりオートクレーブ
中で加熱することで酸化物微粒子を得る方法が好まし
い。
【0024】後者の方法では、金属水酸化物を合成する
前に、金属塩化物やアルコキサイドを、あらかじめ金属
と錯形成可能な化合物と反応させ、安定な錯体を形成し
た後に水酸化物ゲルを調製する方法も好ましく用いられ
る。金属錯体を構成するための配位子としては、OH
基、カルボニル基、エステル基、カルボキシル基を有す
る化合物、アミン化合物が好ましい。配位子は、単座配
位子、二座配位子、三座配位子であってもよい。多座配
位子は、安定な錯体を形成するのに好ましい。また、多
核の配位化合物であってもよい。OH基を有する化合物
には、アルカノールアミン化合物、ポリオール化合物、
グリコール化合物、オキシカルボン酸、多価フェノール
等が挙げられる。カルボニル基を有する化合物には、β
ジケトン化合物、βケトエステル化合物オキシム化合
物、ジオキシム化合物、尿素化合物等が挙げられる。エ
ステル基を有する化合物には、βケトエステル化合物等
が挙げられる。カルボキシル基を有する化合物には、多
価カルボン酸、オキシカルボン酸、アミノ酸、窒素原子
を含むカルボン酸が挙げられる。アミン化合物には、ア
ルカノールアミン、ジアミンが挙げられる。具体的に
は、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリ
メチロールアミ」、ペンタエリトリオット、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、エチレンジアミ
ン、アセチルアセトン、コハク酸、フタル酸、クエン
酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、アセト酢
酸メチル、エチレングリコール、へキシレングリコー
ル、ジメチルグリオキシム、ピコリン酸のような等が好
もしく用いられる。好ましくは、アルカノールアミン化
合物、グリコール化合物、オキシカルボン酸、βジケト
ン化合物、βケトエステル化合物、ジアミン化合物が用
いられる。特に好ましくは、トリエタノールアミンが用
いられる。
【0025】またDegussa 社が開発した塩化物を酸水素
塩中で高温加水分解により酸化物を作製する方法も好ま
しい。半導体微粒子が酸化チタンの場合、上記ゾル-ゲ
ル法、ゲル−ゾル法、塩化物の酸水素塩中での高温加水
分解法はいずれも好ましいが、さらに清野学の「酸化チ
タン物性と応用技術」技報堂出版(1997年)に記載の硫
酸法および塩素法を用いることもできる。さらにゾル−
ゲル法として、バーブらのジャーナル・オブ・アメリカ
ン・セラミック・ソサエティー,第80巻,第12号,3157
〜3171頁(1997年)に記載の方法や、バーンサイドらの
ケミストリー・オブ・マテリアルズ,第10巻,第9号,
2419〜2425頁に記載の方法も好ましい。
【0026】酸化チタンは主としてアナターゼ型とルチ
ル型の2種類の結晶型があり、その製法や熱履歴によ
り、いずれの型もとりうるし、しばしば両者の混合物と
して得られる。本発明の酸化チタンは、アナターゼ含率
が高い方が好ましく、80%以上であることがさらに好
ましい。アナターゼはルチルよりも光吸収の長波端波長
が短く、紫外線による光電変換素子の損傷が少ない。な
お、アナターゼ含率は、X線回折法により求めることが
でき、アナターゼおよびルチルに由来する回折ピーク強
度の比率から求めることができる。
【0027】(2)半導体微粒子層 半導体微粒子を導電性支持体上に塗布するには、半導体
微粒子の分散液またはコロイド溶液を導電性支持体上に
塗布する方法の他に、前述のゾル−ゲル法等を使用する
こともできる。光電変換素子の量産化、半導体微粒子液
の物性、導電性支持体の融通性等を考慮した場合、湿式
の製膜方法が比較的有利である。湿式の製膜方法として
は、塗布法、印刷法が代表的である。
【0028】半導体微粒子の分散液を作製する方法とし
ては、前述のゾル−ゲル法の他に、乳鉢ですり潰す方
法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、あるいは
半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそ
のまま使用する方法等が挙げられる。
【0029】分散媒としては、水または各種の有機溶媒
(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢
酸エチル等)が挙げられる。分散の際、必要に応じて例
えばポリエチレングリコールのようなポリマー、界面活
性剤、酸、またはキレート剤等を分散助剤として用いて
もよい。ポリエチレングリコールの分子量を変えること
で、剥がれにくい膜を形成したり、分散液の粘度が調節
可能となるので、ポリエチレングリコールを添加するこ
とは好ましい。
【0030】塗布方法としては、アプリケーション系と
してローラ法、ディップ法等、メータリング系としてエ
アーナイフ法、ブレード法等、またアプリケーションと
メータリングを同一部分にできるものとして、特公昭58
-4589 号に開示されているワイヤーバー法、米国特許26
81294 号、同2761419 号、同2761791 号等に記載のスラ
イドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法等
が好ましい。また汎用機としてスピン法やスプレー法も
好ましい。湿式印刷方法としては、凸版、オフセットお
よびグラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、ス
クリーン印刷等が好ましい。これらの中から、液粘度や
ウェット厚さに応じて、好ましい製膜方法を選択する。
【0031】半導体微粒子の分散液の粘度は半導体微粒
子の種類や分散性、使用溶媒種、界面活性剤やバインダ
ー等の添加剤により大きく左右される。高粘度液(例え
ば0.01〜500Poise)ではエクストルージョン法、キャス
ト法、スクリーン印刷法等が好ましい。また低粘度液
(例えば0.1Poise以下)ではスライドホッパー法、ワイ
ヤーバー法またはスピン法が好ましく、均一な膜にする
ことが可能である。なおある程度の塗布量があれば低粘
度液の場合でもエクストルージョン法による塗布は可能
である。このように塗布液の粘度、塗布量、支持体、塗
布速度等に応じて、適宜湿式製膜方法を選択すればよ
い。
【0032】半導体微粒子の層は単層に限らず、粒径の
違った半導体微粒子の分散液を多層塗布したり、種類が
異なる半導体微粒子(あるいは異なるバインダー、添加
剤)を含有する塗布層を多層塗布したりすることもでき
る。一度の塗布で膜厚が不足の場合にも多層塗布は有効
である。多層塗布には、エクストルージョン法またはス
ライドホッパー法が適している。また多層塗布をする場
合は同時に多層を塗布しても良く、数回から十数回順次
重ね塗りしてもよい。さらに順次重ね塗りであればスク
リーン印刷法も好ましく使用できる。
【0033】一般に半導体微粒子層の厚さ(感光層の厚
さと同じ)が厚くなるほど単位投影面積当たりの担持色
素量が増えるため、光の捕獲率が高くなるが、生成した
電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大き
くなる。したがって、半導体微粒子層の好ましい厚さは
0.1 〜100 μm である。太陽電池に用いる場合、半導体
微粒子層の厚さは0.5 〜30μm が好ましく、1 〜25μm
がより好ましい。半導体微粒子の支持体1m2当たり塗布
量は0.5 〜400gが好ましく、1 〜100gがより好ましい。
【0034】半導体微粒子を導電性支持体上に塗布した
後で半導体微粒子同士を電子的に接触させるとともに、
塗膜強度の向上や支持体との密着性を向上させるため
に、加熱処理するのが好ましい。好ましい加熱温度の範
囲は40℃以上700 ℃以下であり、より好ましくは100 ℃
以上600 ℃以下である。また加熱時間は10分〜10時間程
度である。ポリマーフィルムのように融点や軟化点の低
い支持体を用いる場合、高温処理は支持体の劣化を招く
ため、好ましくない。またコストの観点からもできる限
り低温であるのが好ましい。低温化は、先に述べた5nm
以下の小さい半導体微粒子の併用や鉱酸の存在下での加
熱処理等により可能となる。
【0035】加熱処理後半導体微粒子の表面積を増大さ
せたり、半導体微粒子近傍の純度を高め、色素から半導
体微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四塩
化チタン水溶液を用いた化学メッキ処理や三塩化チタン
水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
【0036】半導体微粒子は多くの色素を吸着すること
ができるように表面積の大きいものが好ましい。このた
め半導体微粒子の層を支持体上に塗布した状態での表面
積は、投影面積に対して10倍以上であるのが好ましく、
さらに100倍以上であるのが好ましい。この上限は特に
制限はないが、通常1000倍程度である。
【0037】(3)色素 本発明においては、上記半導体よりなる電極に、増感色
素を吸着させることで分光増感が施される。感光層に使
用する増感色素は、金属錯体色素、ポルフィリン色素、
フタロシアニン色素またはメチン色素が好ましい。光電
変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げ
るため、二種類以上の色素を混合することができる。ま
た目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるよう
に、混合する色素とその割合を選ぶことができる。
【0038】こうした色素は半導体微粒子の表面に対す
る適当な結合基(interlocking group)を有しているの
が好ましい。好ましい結合基としては、COOH基、OH基、
SO3H 基、シアノ基、-P(O)(OH)2基、-OP(O)(OH)2 基、
またはオキシム、ジオキシム、ヒドロキシキノリン、サ
リチレートおよびα-ケトエノレートのようなπ伝導性
を有するキレート化基が挙げられる。なかでもCOOH基、
-P(O)(OH)2基、-OP(O)(OH)2 基が特に好ましい。これら
の基はアルカリ金属等と塩を形成していてもよく、また
分子内塩を形成していてもよい。またポリメチン色素の
場合、メチン鎖がスクアリリウム環やクロコニウム環を
形成する場合のように酸性基を含有するなら、この部分
を結合基としてもよい。
【0039】以下、感光層に用いる好ましい色素を具体
的に説明する。
【0040】(a)Ru錯体色素 ルテニウム錯体色素としては、例えば米国特許4927721
号、同4684537 号、同5084365 号、同5350644 号、同54
63057 号、同5525440 号、特開平7-249790号、特表平10
-504512 号、世界特許98/50393号等に記載の錯体色素が
挙げられる。
【0041】さらに本発明で用いるルテニウム錯体色素
は下記一般式(I): (A1)pRu(B-a)(B-b)(B-c) ・・・(I) により表されるのが好ましい。一般式(I)中、A1はC
l、SCN 、H2O 、Br、I 、CN、NCO およびSeCNからなる
群から選ばれた配位子を表し、p は0〜3の整数であ
る。B-a 、B-b およびB-c はそれぞれ独立に下記式B-1
〜B-10:
【0042】
【化1】
【0043】(ただし、Ra は水素原子または置換基を
表し、置換基としてはたとえば、ハロゲン原子、炭素原
子数1〜12の置換または無置換のアルキル基、炭素原子
数7〜12の置換または無置換のアラルキル基、あるいは
炭素原子数6〜12の置換または無置換のアリール基、カ
ルボン酸基、リン酸基(これらの酸基は塩を形成してい
てもよい)が挙げられ、アルキル基およびアラルキル基
のアルキル部分は直鎖状でも分岐状でもよく、またアリ
ール基およびアラルキル基のアリール部分は単環でも多
環(縮合環、環集合)でもよい。)により表される化合
物から選ばれた有機配位子を表す。B-a 、B-b およびB-
c は同一でも異なっていてもく、いずれか1つまたは2
つであってもよい。
【0044】Ru錯体色素の好ましい具体例を以下に示
すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】
【化2】
【0046】
【化3】
【0047】(b)ポルフィリン色素 本発明に用いられるポルフィリン色素は下記一般式(I
I)で表される。
【0048】
【化4】
【0049】一般式(II)中、M2 は2個の水素原子も
しくは金属原子であり、Rb は前述のRa と同義であ
る。M2 は2個の水素原子、マグネシウム、亜鉛または
銅が好ましい。
【0050】ポルフィリン色素の好ましい具体例を以下
に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0051】
【化5】
【0052】(c)フタロシアニン色素 本発明に用いられるフタロシアニン色素は下記一般式
(III)で表される。
【0053】
【化6】
【0054】一般式(III)中、M3 は2個の水素原子も
しくは金属原子であり、Rc は前述のRa と同義であ
る。M3 はマグネシウム、亜鉛、カドミウム、ルテニウ
ムが好ましく、ルテニウムが最も好ましい。M3 がルテ
ニウムであるとき、フタロシアニン色素は2個のアキシ
ャル配位子を有しても良い。アキシャル配位子の例とし
ては、置換もしくは無置換のピリジン類、置換もしくは
無置換のイミダゾール類が挙げられる。このうち、少な
くとも1個のカルボキシル基を有するピリジン類が特に
好ましい。
【0055】フタロシアニン色素の好ましい具体例を以
下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0056】
【化7】
【0057】(d)メチン色素 本発明で好ましく用いられるメチン色素は、特開平11
−35836号、特開平11−158395号、特開平
11−163378号、特開平11−214730号、
特開平11−214731号、欧州特許892411号
および同911841号の各明細書に記載の色素であ
る。
【0058】メチン色素の好ましい具体例を以下に示す
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0059】
【化8】
【0060】
【化9】
【0061】(4)半導体微粒子への色素の吸着 本発明の感光層では、半導体に色素を吸着させる工程
を、超臨界流体中で行う。用いる超臨界流体としては、
二酸化炭素、アンモニア、プロパン、ヘキサン、オレフ
ィン類、トルエン、テトラリン、アルコール類、水など
を使用することができるが、二酸化炭素を使用すること
が好ましい。超臨界流体として用いる物質が、増感色素
を溶解しにくい場合、アルコール類などの補助溶媒を併
用することが好ましい。補助溶媒の中でも、メタノール
が最も好ましい。本発明の吸着工程に用いる超臨界炭酸
ガス反応容器の例を図11に示す。
【0062】本発明において、色素の全使用量は、導電
性支持体の単位表面積(1m2)当たり0.01〜100mmol が
好ましい。また色素の半導体微粒子に対する吸着量は、
半導体微粒子1g当たり0.01〜1mmolであるのが好まし
い。このような色素の吸着量とすることにより、半導体
における増感効果が十分に得られる。これに対し、色素
が少なすぎると増感効果が不十分となり、また色素が多
すぎると、半導体に付着していない色素が浮遊し、増感
効果を低減させる原因となる。
【0063】会合のような色素同士の相互作用を低減す
る目的で、無色の化合物を半導体微粒子に共吸着させて
もよい。共吸着させる疎水性化合物としてはカルボキシ
ル基を有するステロイド化合物(例えばケノデオキシコ
ール酸)等が挙げられる。また紫外線吸収剤を併用する
こともできる。
【0064】余分な色素の除去を促進する目的で、色素
を吸着した後にアミン類を用いて半導体微粒子の表面を
処理してもよい。好ましいアミン類としてはピリジン、
4-t-ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられ
る。これらが液体の場合はそのまま用いてもよいし、有
機溶媒に溶解して用いてもよい。
【0065】本発明においては、上記のような増感色素
を超臨界流体中で半導体上に吸着させることで色素増感
された半導体電極を形成する。超臨界流体中で色素を吸
着させることで、耐久性に優れた溶融塩電解質や、正孔
輸送電解質を用いた素子でも高い短絡電流値を得ること
ができる。
【0066】(C)電荷移動層 電荷移動層は、光励起によって生じた色素の酸化体に電
子を補充する機能を有する電荷輸送材料を含有する層で
ある。本発明で用いることのできる代表的な電荷輸送材
料の例としては、イオン輸送材料として、酸化還元対
のイオンが溶解した溶液(電解液)、酸化還元対の溶液
をポリマーマトリクスのゲルに含浸したいわゆるゲル電
解質、酸化還元対イオンを含有する溶融塩電解質、さら
には固体電解質が挙げられる。また、イオンがかかわる
電荷輸送材料のほかに、固体中のキャリアー移動が電
気伝導にかかわる材料として、電子輸送材料や正孔(ホ
ール)輸送材料、を用いることもできる。これらは、併
用することができる。
【0067】(1)溶融塩電解質 溶融塩電解質は、光電変換効率と耐久性の両立という観
点から好ましい。本発明の光電変換素子に溶融塩電解質
を用いる場合は、例えばWO95/18456号、特開平8-259543
号、電気化学,第65巻,11号,923 頁(1997年)等に記
載されているピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリ
アゾリウム塩等の既知のヨウ素塩を用いることができ
る。特に、好ましいものは200℃以下で溶融状態とな
るものであり、さらに好ましくは150℃以下で溶融状
態となるものである。60℃以下の室温に近い温度で溶
融状態となるものを室温溶融塩と呼ぶこともあり、常温
作動条件での効率を高める上で好ましい。
【0068】好ましく用いることのできる溶融塩として
は、下記一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)のいずれかに
より表されるものが挙げられる。
【0069】
【化10】
【0070】一般式(Y-a)中、Qy1は窒素原子と共に5
又は6員環の芳香族カチオンを形成しうる原子団を表
す。Qy1は炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子及
び硫黄原子からなる群から選ばれる1種以上の原子によ
り構成されるのが好ましい。
【0071】Qy1により形成される5員環は、オキサゾ
ール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール
環、イソオキサゾール環、チアジアゾール環、オキサジ
アゾール環又はトリアゾール環であるのが好ましく、オ
キサゾール環、チアゾール環又はイミダゾール環である
のがより好ましく、オキサゾール環又はイミダゾール環
であるのが特に好ましい。Qy1により形成される6員環
は、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジ
ン環又はトリアジン環であるのが好ましく、ピリジン環
であるのがより好ましい。
【0072】一般式(Y-b)中、Ay1は窒素原子又はリン
原子を表す。
【0073】一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のRy1
〜Ry6はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキル基
(好ましくは炭素原子数1〜24、直鎖状であっても分岐
状であっても、また環式であってもよく、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル
基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、t-
オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、
2-ヘキシルデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル
基、シクロペンチル基等)、或いは置換又は無置換のア
ルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜24、直鎖状であ
っても分岐状であってもよく、例えばビニル基、アリル
基等)を表し、より好ましくは炭素原子数2〜18のアル
キル基又は炭素原子数2〜18のアルケニル基であり、特
に好ましくは炭素原子数2〜6のアルキル基である。
【0074】また、一般式(Y-b)中のRy1〜Ry4のうち
2つ以上が互いに連結してA y1を含む非芳香族環を形成
してもよく、一般式(Y-c)中のRy1〜Ry6のうち2つ以
上が互いに連結して環構造を形成してもよい。
【0075】一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のQy1
及びRy1〜Ry6は置換基を有していてもよく、好ましい
置換基の例としては、ハロゲン原子(F 、Cl、Br、I
等)、シアノ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ
基等)、アリーロキシ基(フェノキシ基等)、アルキル
チオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等)、アルコキシ
カルボニル基(エトキシカルボニル基等)、炭酸エステ
ル基(エトキシカルボニルオキシ基等)、アシル基(ア
セチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、スルホ
ニル基(メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基
等)、アシルオキシ基(アセトキシ基、ベンゾイルオキ
シ基等)、スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキ
シ基、トルエンスルホニルオキシ基等)、ホスホニル基
(ジエチルホスホニル基等)、アミド基(アセチルアミ
ノ基、ベンゾイルアミノ基等)、カルバモイル基(N,N-
ジメチルカルバモイル基等)、アルキル基(メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピ
ル基、ブチル基、2-カルボキシエチル基、ベンジル基
等)、アリール基(フェニル基、トルイル基等)、複素
環基(ピリジル基、イミダゾリル基、フラニル基等)、
アルケニル基(ビニル基、1-プロペニル基等)等が挙げ
られる。
【0076】一般式(Y-a)、(Y-b)又は(Y-c)により表
される化合物は、Qy1又はRy1〜R y6を介して多量体を
形成してもよい。
【0077】これらの溶融塩は、単独で使用しても、2
種以上混合して使用してもよく、また、ヨウ素アニオン
を他のアニオンで置き換えた溶融塩と併用することもで
きる。ヨウ素アニオンと置き換えるアニオンとしては、
ハロゲン化物イオン(Cl- 、Br- 等)、NSC - 、BF
4 - 、PF6 - 、ClO4 - 、(CF3SO2)2N- 、(CF3CF2SO2)2N
-、CF3SO3 - 、CF3COO- 、Ph4B- 、(CF3SO2)3C- 等が好
ましい例として挙げられ、(CF3SO2)2N- 又はBF4 - であ
るのがより好ましい。また、LiIなど他のヨウ素塩を
添加することもできる。
【0078】本発明で好ましく用いられる溶融塩の具体
例を以下に挙げるが、これらに限定されるわけではな
い。
【0079】
【化11】
【0080】
【化12】
【0081】
【化13】
【0082】
【化14】
【0083】
【化15】
【0084】
【化16】
【0085】
【化17】
【0086】上記溶融塩電解質には、溶媒を用いない方
が好ましい。後述する溶媒を添加しても構わないが、溶
融塩電解質の含有量は電解質組成物全体に対して50質量
%以上であるのが好ましく、80質量%以上がさらに好ま
しく、100%が特に好ましい。また、塩のうち、50質
量%以上がヨウ素塩であることが好ましく、70質量%以
上がヨウ素塩であることがさらに好ましい。
【0087】電解質組成物にヨウ素を添加するのが好ま
しく、この場合、ヨウ素の含有量は、電解質組成物全体
に対して0.1 〜20質量%であるのが好ましく、0.5 〜5
質量%であるのがより好ましい。
【0088】本発明においては、溶融塩電解質に、有機
溶媒に酸化還元対を溶解した電解液を一部混合して用い
ることもできる。また、ゲル電解質と併用したり、固体
電解質と半導体電極層の間に溶融塩電解質を存在させる
こともできる。
【0089】(2)電解液 電荷移動層に電解液を使用する場合、電解液は電解質、
溶媒、および添加物から構成されることが好ましい。本
発明の電解質はI2とヨウ化物の組み合わせ(ヨウ化物
としてはLiI、NaI、KI、CsI、CaI2 など
の金属ヨウ化物、あるいはテトラアルキルアンモニウム
ヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウム
ヨーダイドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩な
ど)、Br 2と臭化物の組み合わせ(臭化物としてはL
iBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr2 など
の金属臭化物、あるいはテトラアルキルアンモニウムブ
ロマイド、ピリジニウムブロマイドなど4級アンモニウ
ム化合物の臭素塩など)のほか、フェロシアン酸塩−フ
ェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオンな
どの金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール
−アルキルジスルフィドなどのイオウ化合物、ビオロゲ
ン色素、ヒドロキノン−キノンなどを用いることができ
る。この中でもI2とLiIやピリジニウムヨーダイド、
イミダゾリウムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物
のヨウ素塩を組み合わせた電解質が本発明では好まし
い。上述した電解質は混合して用いてもよい。
【0090】好ましい電解質濃度は0.1M 以上15M
以下であり、さらに好ましくは0.2M以上10M 以下であ
る。また、電解質にヨウ素を添加する場合の好ましいヨ
ウ素の添加濃度は0.01M 以上0.5M 以下である。
【0091】本発明で電解質に使用する溶媒は、粘度が
低くイオン易動度を向上したり、もしくは誘電率が高く
有効キャリアー濃度を向上したりして、優れたイオン伝
導性を発現できる化合物であることが望ましい。このよ
うな溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−
2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサ
ン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレン
グリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコール
ジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキ
ルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエー
テルなどの鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、
エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレン
グリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコ
ールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコール
モノアルキルエーテルなどのアルコール類、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多
価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリ
ル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベン
ゾニトリルなどのニトリル化合物、ジメチルスルフォキ
シド、スルフォランなど非プロトン極性物質、水などを
用いることができる。
【0092】また、本発明では、J. Am. Ceram. Soc .,
80 (12)3157-3171(1997)に記載されているようなtert-
ブチルピリジンや、2−ピコリン、2,6−ルチジン等
の塩基性化合物を添加することもできる。塩基性化合物
を添加する場合の好ましい濃度範囲は0.05M 以上2M以下
である。
【0093】(3)ゲル電解質 本発明では、電解質はポリマー添加、オイルゲル化剤添
加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマーの架橋反応
等の手法によりゲル化(固体化)させて使用することも
できる。ポリマー添加によりゲル化させる場合は、¨Po
lymer Electrolyte Revi ews-1および2¨(J.R.MacCallu
mとC.A. Vincentの共編、ELSEVIER APPLIED SCIENCE)に
記載された化合物を使用することができるが、特にポリ
アクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンを好ましく使
用することができる。オイルゲル化剤添加によりゲル化
させる場合はJ. Chem Soc. Japan, Ind. Chem.Sec., 4
6,779(1943), J. Am. Chem. Soc., 111,5542(1989), J.
Chem. Soc., Chem. Com mun., 1993, 390, Angew. Che
m. Int. Ed. Engl., 35,1949(1996), Chem. Lett.,199
6, 885, J. Chm. Soc., Chem. Commun., 1997,545に記
載されている化合物を使用することができるが、好まし
い化合物は分子構造中にアミド構造を有する化合物であ
る。
【0094】また、ポリマーの架橋反応により電解質を
ゲル化させる場合、架橋可能な反応性基を含有するポリ
マーおよび架橋剤を併用することが望ましい。この場
合、好ましい架橋可能な反応性基は、含窒素複素環(例
えば、ピリジン環、イミダゾール環、チアゾール環、オ
キサゾール環、トリアゾール環、モルホリン環、ピペリ
ジン環、ピペラジン環など)であり、好ましい架橋剤
は、窒素原子に対して求電子反応可能な2官能以上の試
薬(例えば、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキ
ル、スルホン酸エステル、酸無水物、酸クロライド、イ
ソシアネートなど)である。
【0095】(4)正孔輸送材料 電荷移動層として、本発明の特に好ましい態様の別の例
としては正孔輸送層を用いるものを挙げることができ
る。本発明における正孔輸送層は色素の酸化体を迅速に
還元し、色素との界面で注入された正孔を対極に輸送す
る機能を担う層である。本発明では、電解質の替わりに
有機または無機あるいはこの両者を組み合わせた正孔輸
送材料を使用することができる。
【0096】(a)有機正孔輸送材料 本発明に適用可能な有機正孔輸送材料としては、N ,N'
−ジフエニル-N、N'-ビス(4- メトキシフェニル)−
(1 ,1'−ビフェニル)-4,4'−ジアミン(J.Hagen et
al.,Synthetic Metal 89(1997)215-220 )、2,2',7,7'-
テトラキス(N,N-ジ-p- メトキシフェニルアミン)9,9'
- スピロビフルオレン(Nature,Vol.395, 8 Oct. 1998,
p583-585およびWO97/10617)、1,1-ビス{4-(ジ- p-
トリルアミノ)フェニル}シクロヘキサンの3級芳香族
アミンユニットを連結した芳香族ジアミン化合物(特開
昭59−194393号公報)、4 ,4 ,−ビス[(N-1-ナフチ
ル)‐N-フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個
以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素
原子に置換した芳香族アミン(特開平5 −234681号公
報)、トリフェニルベンゼンの誘導体でスターバースト
構造を有する芳香族トリアミン(米国特許第4,923,774
号、特開平4 −308688号公報)、N ,N'- ジフエニル-
N、N'- ビス(3-メチルフェニル)- (1 ,1'- ビフェ
ニル)-4,4'- ジアミン等の芳香族ジアミン(米国特許
第4,764,625 号)、α,α,α',α'-テトラメチル-
α,α'-ビス(4-ジ-p- トリルアミノフェニル)-p- キ
シレン(特開平3 −269084号公報)、p-フェニレンジア
ミン誘導体、分子全体として立体的に非対称なトリフェ
ニルアミン誘導体(特開平4 −129271号公報)、ピレニ
ル基に芳香族ジアミノ基が複数個置換した化合物(特開
平4 −175395号公報)、エチレン基で3級芳香族アミン
ユニツトを連結した芳香族ジアミン(特開平4 −264189
号公報)、スチリル構造を有する芳香族ジアミン(特開
平4 −290851号公報)、ベンジルフェニル化合物(特開
平4 −364153号公報)、フルオレン基で3級アミンを連
結したもの(特開平5 −25473 号公報)、トリアミン化
合物(特開平5 −239455号公報)、ピスジピリジルアミ
ノビフェニル(特開平5 −320634号公報)、N ,N ,N
−トリフェニルアミン誘導体(特開平6 −1972号公
報)、フェノキザジン構造を有する芳香族ジアミン(特
開平7-138562号)、ジアミノフエニルフエナントリジン
誘導体(特開平7-252474号)等に示される芳香族アミン
類を好ましく用いることができる。また、α- オクチル
チオフェンおよびα, ω- ジヘキシル- α- オクチルチ
オフェン(Adv. Mater. 1997,9,N0.7,p557) 、ヘキサド
デシルドデシチオフェン(Angew. Chem. Int. Ed. Engl.
1995, 34, No.3,p303-307) 、2,8-ジヘキシルアンスラ
[2,3-b:6,7-b']ジチオフェン(JACS,Vol120, N0.4,1998,
p664-672) 等のオリゴチオフェン化合物、ポリピロール
(K. Murakoshi et al.,;Chem. Lett. 1997,p471)、¨
Handbook of Organic Conductive Molecules and Polym
ers Vol.1,2,3,4¨(NALWA 著、WILEY 出版)に記載さ
れているポリアセチレンおよびその誘導体、ポリ(p-フ
ェニレン) およびその誘導体、ポリ( p-フェニレンビニ
レン)およびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよ
びその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ
アニリンおよびその誘導体、ポリトルイジンおよびその
誘導体等の導電性高分子を好ましく使用することができ
る。
【0097】(b)無機正孔輸送材料 無機正孔輸送材料としては、p型無機化合物半導体を用
いることができる。p型無機化合物半導体のバンドギャ
ップは色素吸収を妨げないため大きいことが好ましい。
p型無機化合物半導体のバンドギャップは、2eV 以上で
あることが好ましく、さらに2.5eV 以上であることが好
ましい。また、p型無機化合物半導体のイオン化ポテン
シャルは色素ホールを還元するためには、色素吸着電極
のイオン化ポテンシャルより小さいことが必要である。
本発明の光電変換素子に使用する色素によって電荷移動
層に使用するp型無機化合物半導体のイオン化ポテンシ
ャルの好ましい範囲は異なってくるが、一般に4.5eV 以
上5.5eV 以下であることが好ましく、さらに4.7eV 以上
5.3eV 以下であることが好ましい。本発明に好ましく使
用されるp型無機化合物半導体は一価の銅を含む化合物
半導体であり、一価の銅を含む化合物半導体としてはCu
I, CuSCN, CuInSe2, Cu(In,Ga)Se2, CuGaSe2, Cu2O, Cu
S, CuGaS2, CuInS2, CuAlSe 2 などが挙げられる。この
中でもCuI および CuSCNが好ましく、CuI が最も好まし
い。銅を含む化合物以外に用いることができるp型無機
化合物半導体としては、GaP 、NiO 、CoO 、FeO 、Bi2O
3 、MoO2、Cr2O3 等を挙げることができる。また、本発
明のp型無機化合物半導体を含有する電荷移動層の好ま
しいホール移動度は10-4cm2 /V・sec 以上104cm2/V・se
c以下であり、さらに好ましくは10-3cm2/V ・sec 以上1
03cm2/V・sec 以下である。さらに、本発明の電荷移動
層の好ましい導電率は10-8S/cm以上102S/cm 以下であ
り、さらに好ましくは10-6S/cm以上10S/cm以下である。
【0098】(5)電荷移動層の形成
【0099】電荷移動層の形成方法に関しては2通りの
方法が考えられる。1つは増感色素を担持させた半導体
微粒子含有層の上に先に対極を貼り合わせておき、その
間隙に液状の電荷移動層を挟み込む方法である。もう1
つは半導体微粒子含有層上に直接電荷移動層を付与する
方法で、対極はその後付与することになる。
【0100】前者の場合の電荷移動層の挟み込み方法と
して、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセスと
常圧より低い圧力にして気相を液相に置換する真空プロ
セスが利用できる。
【0101】後者の場合、湿式の電荷移動層においては
未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部の液漏洩防止措置
も施すことになる。またゲル電解質の場合には湿式で塗
布して重合等の方法により固体化する方法もあり、その
場合には乾燥、固定化した後に対極を付与することもで
きる。電解液のほか湿式有機正孔輸送材料やゲル電解質
を付与する方法としては、半導体微粒子含有層や色素の
付与と同様に、浸漬法、ローラ法、ディップ法、エアー
ナイフ法、エクストルージョン法、スライドホッパー
法、ワーヤーバー法、スピン法、スプレー法、キャスト
法、各種印刷法等が考えられる。
【0102】固体電解質や固体の正孔(ホール)輸送材
料の場合には真空蒸着法やCVD法等のドライ成膜処理
で電荷移動層を形成し、その後対極を付与することもで
きる。有機正孔輸送材料は真空蒸着法,キャスト法,塗
布法,スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光電解重
合法等の手法により電極内部に導入することができる。
無機固体化合物の場合も、キャスト法,塗布法,スピン
コート法、浸漬法、電解メッキ法等の手法により電極内
部に導入することができる。
【0103】また、正孔輸送層の場合は、アクセプター
ドーピングを行って、キャリヤ濃度や導電率を向上する
ことも必要に応じて行うことができる。具体的には、Na
ture,Vol.395, 8 Oct. 1998,p583-585に記載されている
ようにドーパントレベルをコントロールするためにトリ
ス(4−ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアン
チモネートのようなカチオンラジカルを含有する化合物
を添加したり、酸化物半導体表面のポテンシャル制御
(空間電荷層の補償)を行うためにLi[(CF3SO2)2N]のよ
うな塩を添加しても構わない。その他、、ヨウ素、NOPF
6 、SbCl5 、HClO4 、(n-C4H9)4ClO4 、トリフルオロ酢
酸、4−ドデシルベンゼンスルホン酸、1−ナフタレン
スルホン酸、FeCl3 、AuCl3 、NOSbF6、AsF5、NOBF4
LiBF4、H3[PMo12O40]、7,7,8,8-テトラシアノキノジメ
タン(TCNQ) 、フラーレンC60等がある。ドーパントを
添加する場合の好ましい添加量は化合物半導体に対して
0.0001質量%以上5 質量%未満であり、さらに好ましい
範囲は0.001 質量%以上3 質量% 未満である。
【0104】量産化を考える場合、固体化できない電解
液や湿式の正孔輸送材料の場合には、塗設後速やかにエ
ッジ部分を封止することで対応も可能であるが、固体化
可能な正孔輸送材料の場合は湿式付与により正孔輸送層
を膜形成した後、例えば光重合や熱ラジカル重合等の方
法により固体化することがより好ましい。このように膜
付与方式は液物性や工程条件により適宜選択すればよ
い。
【0105】感光層(半導体層)と対極との短絡が生じ
ないように、電荷移動層は、ある程度の厚さを有する
が、厚すぎると光電変換効率上好ましくない。電荷移動
層の厚さは、電解質の場合、好ましくは0.05μm以
上100μm以下であり、より好ましくは0.1μm以
上50μm以下である。正孔輸送層の好ましい膜厚は、
色0.005 μm 以上100 μm 未満であり、さらに好ましく
は0.01μm 以上70μm 未満であり、特に好ましくは0.05
μm 以上50μm 未満である。なお、電荷輸送材料は、半
導体微粒子から形成された多孔質の感光層中にも存在す
ることになる。
【0106】なお、電荷移動層中の水分としては10,
000ppm以下が好ましく、さらに好ましくは2,0
00ppm以下であり、特に好ましくは100ppm以
下である。
【0107】(D)対極 対極は、光電変換素子の正極として作用するものであ
る。対極は前記の導電性支持体と同様に、導電性材料か
らなる対極導電層の単層構造でもよいし、対極導電層と
支持基板から構成されていてもよい。対極導電層に用い
る導電材としては、金属(例えば白金、金、銀、銅、ア
ルミニウム、マグネシウム、ロジウム、インジウム
等)、炭素、または導電性金属酸化物(インジウム−ス
ズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの等)
が挙げられる。この中でも白金、金、銀、銅、アルミニ
ウム、マグネシウムを対極層として好ましく使用するこ
とができる。対極の好ましい支持基板の例は、ガラスま
たはプラスチックであり、これに上記の導電剤を塗布ま
たは蒸着して用いる。対極導電層の厚さは特に制限され
ないが、3nm〜10μmが好ましい。対極導電層が金属製
である場合は、その厚さは好ましくは5μm 以下であ
り、さらに好ましくは5nm〜3μm の範囲である。対極
層の表面抵抗は低い程よい。好ましい表面抵抗の範囲と
しては80Ω/□以下であり、さらに好ましくは20Ω/□
以下である。
【0108】導電性支持体と対極のいずれか一方または
両方から光を照射してよいので、感光層に光が到達する
ためには、導電性支持体と対極の少なくとも一方が実質
的に透明であれば良い。発電効率の向上の観点からは、
導電性支持体を透明にして、光を導電性支持体側から入
射させるのが好ましい。この場合対極は光を反射する性
質を有するのが好ましい。このような対極としては、金
属または導電性の酸化物を蒸着したガラスまたはプラス
チック、あるいは金属薄膜を使用できる。
【0109】対極は、電荷移動層上に直接導電材を塗
布、メッキまたは蒸着(PVD 、CVD )するか、導電層を
有する基板の導電層側を貼り付ければよい。また、導電
性支持体の場合と同様に、特に対極が透明の場合には、
対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いるのが好ま
しい。なお、好ましい金属リードの材質および設置方
法、金属リード設置による入射光量の低下等は導電性支
持体の場合と同じである。
【0110】(E)その他の層 特に、電荷移動層に正孔輸送材料を用いる場合、対極と
導電性支持体の短絡を防止するため、予め導電性支持体
と感光層の間に緻密な半導体の薄膜層を下塗り層として
塗設しておくことが好ましい。下塗り層として好ましい
のはTiO2、SnO2、Fe2O3 、WO3 、ZnO 、Nb2O5 であり、
さらに好ましくはTiO2である。下塗り層は、例えばElec
trochimi. Acta 40, 643-652(1995)に記載されているス
プレーパイロリシス法により塗設することができる。下
塗り層の好ましい膜厚は5 〜1000nm以下であり、10〜50
0nm がさらに好ましい。
【0111】また、電極として作用する導電性支持体お
よび対極の一方または両方に、保護層、反射防止層等の
機能性層を設けても良い。このような機能性層を多層に
形成する場合、同時多層塗布法や逐次塗布法を利用でき
るが、生産性の観点からは同時多層塗布法が好ましい。
同時多層塗布法では、生産性および塗膜の均一性を考え
た場合、スライドホッパー法やエクストルージョン法が
適している。これらの機能性層の形成には、その材質に
応じて蒸着法や貼り付け法等を用いることができる。
【0112】(F)光電変換素子の内部構造の具体例 上述のように、光電変換素子の内部構造は目的に合わせ
様々な形態が可能である。大きく2つに分ければ、両面
から光の入射が可能な構造と、片面からのみ可能な構造
が可能である。図2〜図9に本発明に好ましく適用でき
る光電変換素子の内部構造を例示する。
【0113】図2は、透明導電層10a と透明対極導電層
40a との間に、感光層20と、電荷移動層30とを介在させ
たものであり、両面から光が入射する構造となってい
る。図3は、透明基板50a上に一部金属リード11を設
け、さらに透明導電層10a を設け、下塗り層60、感光層
20、電荷移動層30および対極導電層40をこの順で設け、
さらに支持基板50を配置したものであり、導電層側から
光が入射する構造となっている。図4は、支持基板50上
にさらに導電層10を有し、下塗り層60を介して感光層20
を設け、さらに電荷移動層30と透明対極導電層40a とを
設け、一部に金属リード11を設けた透明基板50a を、金
属リード11側を内側にして配置したものであり、対極側
から光が入射する構造である。図5は、透明基板50a 上
に一部金属リード11を設け、さらに透明導電層10a を設
けたもの1組の間に下塗り層60と感光層20と電荷移動層
30とを介在させたものであり、両面から光が入射する構
造である。図6は、透明基板50a 上に透明導電層10a 、
感光層20、電荷移動層30および対極導電層40を設け、こ
の上に支持基板50を配置したものであり導電層側から光
が入射する構造である。図7は、支持基板50上に導電層
10を有し、下塗り層60を介して感光層20を設け、さらに
電荷移動層30および透明対極導電層40a を設け、この上
に透明基板50a を配置したものであり、対極側から光が
入射する構造である。図8は、透明基板50a 上に透明導
電層10a を有し、下塗り層60を介して感光層20を設け、
さらに電荷移動層30および透明対極導電層40a を設け、
この上に透明基板50a を配置したものであり、両面から
光が入射する構造となっている。図9は、支持基板50上
に導電層10を設け、下塗り層60を介して感光層20を設
け、さらに固体の電荷移動層30を設け、この上に一部対
極導電層40または金属リード11を有するものであり、対
極側から光が入射する構造となっている。
【0114】〔2〕光電池 本発明の光電池は、上記光電変換素子に外部回路で仕事
をさせるようにしたものであり、いわゆる太陽電池を包
含する。光電池は構成物の劣化や内容物の揮散を防止す
るために、側面をポリマーや接着剤等で密封するのが好
ましい。導電性支持体および対極にリードを介して接続
される外部回路自体は公知のもので良い。本発明の光電
変換素子を太陽電池に適用する場合、そのセル内部の構
造は基本的に上述した光電変換素子の構造と同じであ
る。以下、本発明の光電変換素子を用いた太陽電池のモ
ジュール構造について説明する。
【0115】本発明の色素増感型太陽電池は、従来の太
陽電池モジュールと基本的には同様のモジュール構造を
とりうる。太陽電池モジュールは、一般的には金属、セ
ラミック等の支持基板の上にセルが構成され、その上を
充填樹脂や保護ガラス等で覆い、支持基板の反対側から
光を取り込む構造をとるが、支持基板に強化ガラス等の
透明材料を用い、その上にセルを構成してその透明の支
持基板側から光を取り込む構造とすることも可能であ
る。具体的には、スーパーストレートタイプ、サブスト
レートタイプ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュー
ル構造、アモルファスシリコン太陽電池などで用いられ
る基板一体型モジュール構造等が知られている。本発明
の色素増感型太陽電池も使用目的や使用場所および環境
により、適宜これらのモジュール構造を選択できる。
【0116】代表的なスーパーストレートタイプあるい
はサブストレートタイプのモジュールは、片側または両
側が透明で反射防止処理を施された支持基板の間に一定
間隔にセルが配置され、隣り合うセル同士が金属リード
またはフレキシブル配線等によって接続され、外縁部に
集電電極が配置されており、発生した電力が外部に取り
出される構造となっている。基板とセルの間には、セル
の保護や集電効率向上のため、目的に応じエチレンビニ
ルアセテート(EVA)等様々な種類のプラスチック材料を
フィルムまたは充填樹脂の形で用いてもよい。また、外
部からの衝撃が少ないところなど表面を硬い素材で覆う
必要のない場所において使用する場合には、表面保護層
を透明プラスチックフィルムで構成し、または上記充填
樹脂を硬化させることによって保護機能を付与し、片側
の支持基板をなくすことが可能である。支持基板の周囲
は、内部の密封およびモジュールの剛性を確保するため
金属製のフレームでサンドイッチ状に固定し、支持基板
とフレームの間は封止材料で密封シールする。また、セ
ルそのものや支持基板、充填材料および封止材料に可撓
性の素材を用いれば、曲面の上に太陽電池を構成するこ
ともできる。
【0117】スーパーストレートタイプの太陽電池モジ
ュールは、例えば、基板供給装置から送り出されたフロ
ント基板をベルトコンベヤ等で搬送しながら、その上に
セルを封止材料−セル間接続用リード線、背面封止材料
等と共に順次積層した後、背面基板または背面カバーを
乗せ、外縁部にフレームをセットして作製することがで
きる。
【0118】一方、サブストレートタイプの場合、基板
供給装置から送り出された支持基板をベルトコンベヤ等
で搬送しながら、その上にセルをセル間接続用リード
線、封止材料等と共に順次積層した後、フロントカバー
を乗せ、周縁部にフレームをセットして作製することが
できる。
【0119】本発明の光電変換素子を基板一体型モジュ
ール化した構造の一例を図10に示す。図10は、透明な基
板50a の一方の面上に透明な導電層10aを設けた後、下
塗り層60を設置し、この上にさらに色素吸着半導体を含
有した感光層20、電荷移動層30および金属対極導電層40
を設けたセルがモジュール化されており、基板50aの他
方の面には反射防止層70が設けられている構造を表す。
このような構造とする場合、入射光の利用効率を高める
ために、感光層20の面積比率(光の入射面である基板50
a側から見たときの面積比率)を大きくした方が好まし
い。
【0120】図10に示した構造のモジュールの場合、基
板上に透明導電層、感光層、電荷移動層、対極等が立体
的かつ一定間隔で配列されるように、選択メッキ、選択
エッチング、CVD 、PVD 等の半導体プロセス技術、ある
いはパターン塗布または広幅塗布後のレーザースクライ
ビング、プラズマCVM(Solar Energy Materials andSol
ar Cells, 48, p373-381等に記載)、研削等の機械的手
法等によりパターニングすることで所望のモジュール構
造を得ることができる。
【0121】以下にその他の部材や工程について詳述す
る。封止材料としては、耐候性付与、電気絶縁性付与、
集光効率向上、セル保護性(耐衝撃性)向上等の目的に
応じ液状EVA(エチレンビニルアセテート)、フィルム
状EVA、フッ化ビニリデン共重合体とアクリル樹脂の混
合物等、様々な材料が使用可能である。モジュール外縁
と周縁を囲むフレームとの間は、耐候性および防湿性が
高い封止材料を用いるのが好ましい。また、透明フィラ
ーを封止材料に混入して強度や光透過率を上げることが
できる。
【0122】封止材料をセル上に固定するときは、材料
の物性に合った方法を用いる。フィルム状の材料の場合
はロール加圧後加熱密着、真空加圧後加熱密着等、液ま
たはペースト状の材料の場合はロールコート、バーコー
ト、スプレーコート、スクリーン印刷等の様々な方法が
可能である。
【0123】支持基板としてPET 、PEN 等の可撓性素材
を用いる場合は、ロール状の支持体を繰り出してその上
にセルを構成した後、上記の方法で連続して封止層を積
層することができ、生産性が高い。
【0124】発電効率を上げるために、モジュールの光
取り込み側の基板(一般的には強化ガラス)の表面には
反射防止処理が施される。反射防止処理方法としては、
反射防止膜をラミネートする方法、反射防止層をコーテ
ィングする方法がある。
【0125】また、セルの表面をグルービングまたはテ
クスチャリング等の方法で処理することによって、入射
した光の利用効率を高めることが可能である。
【0126】発電効率を上げるためには、光を損失なく
モジュール内に取り込むことが最重要であるが、光電変
換層を透過してその内側まで到達した光を反射させて光
電変換層側に効率良く戻すことも重要である。光の反射
率を高める方法としては、支持基板面を鏡面研磨した
後、AgやAl等を蒸着またはメッキする方法、セルの最下
層にAl−MgまたはAl−Tiなどの合金層を反射層として設
ける方法、アニール処理によって最下層にテクスチャー
構造を作る方法等がある。
【0127】また、発電効率を上げるためにはセル間接
続抵抗を小さくすることが、内部電圧降下を抑える意味
で重要である。セル同士を接続する方法としては、ワイ
ヤーボンディング、導電性フレキシブルシートによる接
続が一般的であるが、導電性粘着テープや導電性接着剤
を用いてセルを固定すると同時に電気的に接続する方
法、導電性ホットメルトを所望の位置にパターン塗布す
る方法等もある。
【0128】ポリマーフィルム等のフレキシブル支持体
を用いた太陽電池の場合、ロール状の支持体を送り出し
ながら前述の方法によって順次セルを形成し、所望のサ
イズに切断した後、周縁部をフレキシブルで防湿性のあ
る素材でシールすることにより電池本体を作製できる。
また、Solar Energy Materials and Solar Cells, 48,
p383-391記載の「SCAF」とよばれるモジュール構造とす
ることもできる。更に、フレキシブル支持体を用いた太
陽電池は曲面ガラス等に接着固定して使用することもで
きる。
【0129】以上詳述したように、使用目的や使用環境
に合わせて様々な形状・機能を持つ太陽電池を製作する
ことができる。
【0130】
【実施例】以下、本発明を以下の実施例および比較例に
よって具体的に説明する。 1.二酸化チタン粒子含有分散液の作製 ドライエアー下で、テトライソプロポキシチタン(IV)
とトリエタノールアミンをモル比1:2で混合した。混
合液の温度が室温になるまで2時間放冷した後、蒸留水
を加えてTi濃度として0.50mol/dm3 となる
ように希釈して1dm3 の溶液を調製し、母液とした。
得られた母液の40cm3 を分取し、酢酸1.14dm
3 を含む蒸留水40dm3 と混合した。混合物を耐圧パ
イレックス容器に入れ、 100℃で24時間熟成した。
熟成後、混合溶液は白色のゲル状物に変化した。得られ
たゲルをテフロンのインナー容器を有するステンレス製
オートクレーブに移し、140℃で72時間反応させ
た。反応後、白色のゲル状物は黄褐色の上澄みと淡い褐
色の沈殿物とに分離した。沈殿物は、X線回折線の測定
から、結晶子サイズ約16nmのアナターゼ微粒子であ
った。アナターゼ微粒子の固形分濃度が10質量%とな
るように上澄みを除き、アナターゼに対して30質量%
に相当するポリエチレングリコール(分子量50万)を
加え、遠心混合装置で混練し、ペースト状の二酸化チタ
ン微粒子分散物を得た。この分散物を分散液1とした。
【0131】2.酸化亜鉛/酸化スズ混合粒子含有分散
液の作製 K.Tennakone,Chem.Commun.,1999,15-16 に開示された方
法と同様の方法で酸化亜鉛/酸化スズ混合粒子含有分散
液を作成した。すなわち、結晶サイズ約0.015 μm の微
粒子酸化スズのコロイド水分散溶液(濃度15%)1.5ml に
酢酸0.1ml とシュウ酸亜鉛の熱分解で調製した結晶サイ
ズ約2 μm の微粒子酸化亜鉛0.3gとを加え、瑪瑙乳鉢で
混合した後、さらに20mlのメタノールを加え、30分間超
音波分散して懸濁液を調製し、分散液2とした。分散液
2に含まれる酸化亜鉛と酸化スズの重量比は57:43
であった。
【0132】3.色素を吸着した半導体多孔質電極の作
製 フッ素をドープした二酸化スズをコーティングした透明
導電性ガラス(日本板硝子製、表面抵抗は約10Ω/
□)の導電面側に上述の金属酸化物微粒子分散液を塗布
し、半導体多孔質電極を形成した。まず、分散液1をド
クターブレードで100μmの厚みで塗布し、25℃で
30分間乾燥した後、電気炉(ヤマト科学製マッフル炉
FP−32型)で500℃にて35分間焼成した。二酸
化チタンの塗布量は13.5g/m2であり、膜厚は9μm
であった。これを電極1とした。
【0133】次に分散液2を、150 ℃に加熱した上記と
同じフッ素をドープした酸化スズをコーティングした透
明導電性ガラス(日本板硝子製、表面抵抗は約10Ω/
□)の導電面側に9μmの厚みとなるようにスプレイ塗
布し、500℃で35分空気中で焼成し、半導体多孔質
電極を作成し、これを電極2とした。
【0134】これらの電極を冷却した後、種々の条件で
色素を吸着させた。まず電極1をエオシンY色素の溶液
(色素3×10-4モル/dm3 、溶媒:メタノール)中
で3分間加熱還流することで色素を染着させた。この電
極を電極1aとした。次に、同じく電極1を用いて、C
hemistry Letters,1999,853
に記載の方法で二酸化炭素超臨界流体中でエオシンYを
染着させ、電極1bとした。さらに、電極1をR−1色
素の溶液(色素3×10-4モル/リットル、溶媒:エタ
ノール)中で3分間加熱還流することで色素を染着さ
せ、電極1cを得た。続いて、電極1に色素R−1を次
に示す二酸化炭素超臨界条件下で吸着させた。まず図1
1の様な超臨界炭酸ガス反応容器(7)内に酸化チタン
電極(11)を入れた。次に反応液リザーバー(13)にR−1
色素溶液(1.5 ×10-3モル/ dm3、溶媒:メタノー
ル)を2cm3 入れた。コック(2)、(3)、(14)
を閉め、コック(1)を開け、アスピレーターを運転
し、圧力反応容器(7)内を減圧にした。減圧になった
時点で、コック(1)を閉じ、コック(14)、(2)を開
け、サイフォン 式液化炭酸ガスボンベより液化炭酸ガスを圧
力反応容器内に導入し、圧力反応容器内の液化炭酸ガス
の質量が、100gになった時点でコック(2)、(14)を閉
めた(ただし圧力反応容器内容量は333ml である)。撹
拌装置(9)を運転、圧力反応容器をヒータ(15)を用い
加熱し、圧力反応容器内の温度が35℃になった時点で、
コック(3)を開け、色素溶液を導入した。導入後、徐
々に温度を40℃まで上げ1時間放置した(この時点での
圧力は約8Mpaで、圧力反応容器内は超臨界状態にあっ
た) 。放冷した後、圧力を開放し、電極を取り出し、電
極1dとした。
【0135】電極2を用いて、電極1cおよび1dと同
様の条件で色素R−1を吸着させ、各々電極2cおよび
2dとした。
【0136】これらの色素の染着された電極は塗膜をア
セトニトリルで洗浄し暗所にて自然乾燥させた。色素の
吸着量は半導体電極の面積1m2 あたりおよそ0.9〜
1.1×10-3モルの範囲であった。
【0137】4.光電池の作製 上述のようにして作成した色増感された半導体電極基盤
を用いて光電池を作製した。まず、電極1aをカットし
(2cm×2cm)、これと同じ大きさの白金蒸着ガラス
(電解液注入用に径0.5mmの孔を2個開けてある)
と重ね合わせ(図1参照)、周囲をエポキシ系樹脂で封
止した。この両ガラスの隙間に毛細管現象を利用して電
解液(テトラn−プロピルアンモニウムヨ−ジド:0.5
g、エチレンカ−ボネ−ト:2.4g、アセトニトリル:1.0
g、ヨウ素:0.2gの混合物)を導入し、孔をエポキシ系
樹脂で封止して光電池C−1を得た。同様に、用いる半
導体電極基盤を1bに変えることで光電池C−2を得
た。
【0138】次に、電解質を溶融塩電解質(Y8−1:
7.0g、Y7−2:2.8g、ヨウ素:0.2gの混
合物)に変えることで、光電池C−3およびC−4を得
た。用いる半導体電極基盤を電極1c、1d、2cおよ
び2dに変え、光電池C−3と同様の方法で光電池C−
5から8を作製した。作製した光電池の構成を、下記の
表1に比較してまとめた。
【0139】
【表1】
【0140】5.光電変換効率の測定 500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光を分光フィ
ルター(Oriel社製AM1.5)を通すことにより模擬
太陽光を発生させた。この光の強度は100mW/cm2
あった。前述の光電池の導電性ガラスと白金蒸着ガラス
にそれぞれ、ワニ口クリップを接続し、光電池の温度が
50℃で一定になるように温度制御して加温した状態
で、模擬太陽光を照射し、発生した電気を電流電圧測定
装置(ケースレーSMU238型)にて測定した。測定結
果から光電池の特性として開放電圧(Voc)、短絡電流
密度(Jsc) 、フィルファクター(FF)、変換効率
(η)を求めた。次に、光電池を80℃で7日間保存し
た後に、50℃の条件で光起電力を測定し、電池特性を
求め、耐久性を調べた。得られた結果をまとめて表2に
示す。
【0141】
【表2】
【0142】上記実施例の結果から、以下のことがわか
る。まず、光電池1および2の比較例では、増感色素と
してエオシンYを用いた場合は、色素吸着条件をメタノ
ール溶液中での加熱還流から、超臨界二酸化炭素中での
吸着に変えることで、短絡電流とフィルファクターの向
上が認められるものの、作製した電池を80℃で保存し
たときの劣化が著しい。これに対し、色素を超臨界二酸
化炭素中で吸着させ、かつ、電解質を溶融塩電解質に変
えた光電池C−4では、短絡電流とフィルファクターの
向上が認められ、かつ、保存耐久性が向上している。増
感色素をR−1に変えた光電池(C−5とC−6)で
は、エオシンYを用いた電池に比べ、短絡電流値は大き
く向上しているが、色素吸着を超臨界二酸化炭素中で行
うことで短絡電流およびフィルファクターはさらに向上
し、これに加えて、光電池を保存したときの性能劣化が
小さいことがわかる。酸化亜鉛/酸化スズの混合電極を
用いた場合でも同様に、本発明の効果は顕著である。
【0143】
【発明の効果】本発明によって、短絡電流高く、変換効
率に優れ、かつ耐久性にも優れた色素増感光電変換素子
および光電池が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図2】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図3】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図4】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図5】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図6】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図7】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図8】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図9】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図10】 本発明の光電変換素子を用いた基板一体型太
陽電池モジュールの構造の一例を示す部分断面図であ
る。
【図11】 本発明の超臨界流体反応装置の一例を示す模
式図である。
【符号の説明】
10・・・導電層 10a・・・透明導電層 11・・・金属リード 20・・・感光層 21・・・半導体微粒子 22・・・色素 23・・・電荷輸送材料 30・・・電荷移動層 40・・・対極導電層 40a・・・透明対極導電層 50・・・基板 50a・・・透明基板 60・・・下塗り層 70・・・反射防止層 (1)・・・コック (2)・・・コック (3)・・・コック (4)・・・サイホン式液化炭酸ガスボンベ (5)・・・温度センサー (6)・・・アスピレーター (7)・・・圧力反応容器 (8)・・・観察窓 (9)・・・攪拌装置 (10) ・・・網 (11) ・・・電極 (12) ・・・圧力ゲージ (13) ・・・反応液リザーバー (14) ・・・コック (15) ・・・ヒーター

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色素増感された半導体電極を有する光電
    変換素子において、該色素増感に用いられる色素の少な
    くとも1種が、金属錯体色素、フタロシアニン色素、ポ
    ルフィリン色素およびメチン色素から選ばれる化合物で
    あり、かつ、超臨界流体中で半導体上に吸着させたもの
    であることを特徴とする光電変換素子。
  2. 【請求項2】 色素増感された半導体電極および電荷移
    動層を有する光電変換素子において、該電荷移動層が溶
    融塩電解質を含んでなり、かつ、該色素増感に用いられ
    る少なくとも1種の色素が超臨界流体中で半導体上に吸
    着させたものであることを特徴とする光電変換素子。
  3. 【請求項3】 該溶融塩電解質の含有量が電解質組成物
    全体の50質量%以上であることを特徴とする請求項2
    記載の光電変換素子。
  4. 【請求項4】 色素増感された半導体電極および電荷移
    動層を有する光電変換素子において、該電荷移動層が正
    孔輸送材料を含んでなり、かつ、該色素増感に用いられ
    る少なくとも1種の色素が超臨界流体中で半導体上に吸
    着させたものであることを特徴とする光電変換素子。
  5. 【請求項5】 該色素が金属錯体色素、フタロシアニン
    色素、ポルフィリン色素およびメチン色素から選ばれる
    化合物であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか
    に記載の光電変換素子。
  6. 【請求項6】 前記色素増感に用いられる色素の少なく
    とも1種がRu錯体色素であることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれかに記載の光電変換素子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6記載のいずれかの光電変換
    素子を用いて構成したことを特徴とする光電池。
  8. 【請求項8】 色素増感された半導体電極の製造方法で
    あって、該色素増感に用いられる色素の少なくとも1種
    が金属錯体色素、フタロシアニン色素、ポルフィリン色
    素およびメチン色素から選ばれる化合物であり、かつ、
    超臨界流体中で半導体を処理する工程を含むことを特徴
    とする半導体電極の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記半導体が金属酸化物微粒子からなる
    ことを特徴とする請求項8に記載の半導体電極の製造方
    法。
JP2000030641A 2000-02-08 2000-02-08 光電変換素子および光電池 Pending JP2001223037A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000030641A JP2001223037A (ja) 2000-02-08 2000-02-08 光電変換素子および光電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000030641A JP2001223037A (ja) 2000-02-08 2000-02-08 光電変換素子および光電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001223037A true JP2001223037A (ja) 2001-08-17

Family

ID=18555627

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000030641A Pending JP2001223037A (ja) 2000-02-08 2000-02-08 光電変換素子および光電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001223037A (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2003075364A1 (ja) * 2002-03-07 2005-06-30 新日本石油株式会社 光電変換素子
JP2005223038A (ja) * 2004-02-04 2005-08-18 Shin Etsu Polymer Co Ltd 光電変換素子およびその製造方法
JP2005222753A (ja) * 2004-02-04 2005-08-18 Shin Etsu Polymer Co Ltd 光電変換素子およびその製造方法
JP2005290259A (ja) * 2004-04-01 2005-10-20 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 置換金属フタロシアニン又はサブフタロシアニン及びそれらの類縁体の溶解方法
WO2006093109A1 (ja) * 2005-03-03 2006-09-08 National University Corporation Kyushu Institute Of Technology 光電変換素子及びその製造方法
CN1324759C (zh) * 2002-07-02 2007-07-04 索尼株式会社 色素增感型光电转换装置
JP2008071535A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Kyushu Institute Of Technology 光電変換素子及びその製造方法
JP2009132657A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Sharp Corp ポルフィリン化合物、ポルフィリン系錯体および光電変換素子
WO2009139310A1 (ja) 2008-05-12 2009-11-19 コニカミノルタホールディングス株式会社 色素増感型太陽電池およびその製造方法
EP2363868A3 (en) * 2010-03-04 2012-09-19 Samsung SDI Co., Ltd. Method of adsorbing dye to metal oxide particle by using supercritical fluid
JP2012227015A (ja) * 2011-04-20 2012-11-15 Fujifilm Corp 光電変換素子及び光電気化学電池
EP2403051A4 (en) * 2009-02-25 2013-03-06 Tokyo Electron Ltd METHOD AND DEVICE FOR DYE ABSORPTION FOR A PHOTOSENSIBILIZER DYE, METHOD AND DEVICE FOR PREPARING A COLOR-SENSITIZED SOLAR CELL AND COLOR-SENSITIZED SOLAR CELL
EP2022873A3 (de) * 2007-08-07 2014-12-17 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur Herstellung metallischer Schichten
KR20160059061A (ko) * 2014-11-17 2016-05-26 울산과학기술원 염료 감응 태양전지용 고효율 광전극의 제조방법
CN110692145A (zh) * 2017-05-25 2020-01-14 日产化学株式会社 电荷传输性薄膜的制造方法

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2003075364A1 (ja) * 2002-03-07 2005-06-30 新日本石油株式会社 光電変換素子
CN1324759C (zh) * 2002-07-02 2007-07-04 索尼株式会社 色素增感型光电转换装置
JP2005223038A (ja) * 2004-02-04 2005-08-18 Shin Etsu Polymer Co Ltd 光電変換素子およびその製造方法
JP2005222753A (ja) * 2004-02-04 2005-08-18 Shin Etsu Polymer Co Ltd 光電変換素子およびその製造方法
JP2005290259A (ja) * 2004-04-01 2005-10-20 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 置換金属フタロシアニン又はサブフタロシアニン及びそれらの類縁体の溶解方法
WO2006093109A1 (ja) * 2005-03-03 2006-09-08 National University Corporation Kyushu Institute Of Technology 光電変換素子及びその製造方法
US7763795B2 (en) 2005-03-03 2010-07-27 National University Corporation Kyushu Institute Of Technology Photoelectric conversion device and method for manufacturing the same
JP2008071535A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Kyushu Institute Of Technology 光電変換素子及びその製造方法
EP2022873A3 (de) * 2007-08-07 2014-12-17 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur Herstellung metallischer Schichten
JP2009132657A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Sharp Corp ポルフィリン化合物、ポルフィリン系錯体および光電変換素子
CN102089927A (zh) * 2008-05-12 2011-06-08 柯尼卡美能达商用科技株式会社 色素增感型太阳能电池及其制造方法
EP2276104A4 (en) * 2008-05-12 2012-02-29 Konica Minolta Business Tech SOLAR COLOR CELL AND METHOD FOR MANUFACTURING SAME
CN102089927B (zh) * 2008-05-12 2013-11-27 柯尼卡美能达商用科技株式会社 色素增感型太阳能电池及其制造方法
WO2009139310A1 (ja) 2008-05-12 2009-11-19 コニカミノルタホールディングス株式会社 色素増感型太陽電池およびその製造方法
EP2403051A4 (en) * 2009-02-25 2013-03-06 Tokyo Electron Ltd METHOD AND DEVICE FOR DYE ABSORPTION FOR A PHOTOSENSIBILIZER DYE, METHOD AND DEVICE FOR PREPARING A COLOR-SENSITIZED SOLAR CELL AND COLOR-SENSITIZED SOLAR CELL
EP2363868A3 (en) * 2010-03-04 2012-09-19 Samsung SDI Co., Ltd. Method of adsorbing dye to metal oxide particle by using supercritical fluid
JP2012227015A (ja) * 2011-04-20 2012-11-15 Fujifilm Corp 光電変換素子及び光電気化学電池
KR20160059061A (ko) * 2014-11-17 2016-05-26 울산과학기술원 염료 감응 태양전지용 고효율 광전극의 제조방법
KR101629799B1 (ko) * 2014-11-17 2016-06-15 울산과학기술원 염료 감응 태양전지용 고효율 광전극의 제조방법
CN110692145A (zh) * 2017-05-25 2020-01-14 日产化学株式会社 电荷传输性薄膜的制造方法
JPWO2018216507A1 (ja) * 2017-05-25 2020-03-26 日産化学株式会社 電荷輸送性薄膜の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5081345B2 (ja) 光電変換素子の製造方法
JP4638973B2 (ja) 光電変換素子および光電池
JP2001085076A (ja) 光電変換素子および光電池
JP2000294306A (ja) 光電変換素子および光電気化学電池
JP2002008741A (ja) 光電変換素子および光電池
JP2001085713A (ja) 光電変換素子および太陽電池
JP2002105346A (ja) 金属錯体色素、光電変換素子および光電池
JP2001257012A (ja) 光電変換素子および太陽電池
JP2001223037A (ja) 光電変換素子および光電池
JP2003187881A (ja) 光電変換素子の作製方法、光電変換素子及び光電池
JP4299960B2 (ja) 光電変換素子および太陽電池
JP4763120B2 (ja) 光電変換素子およびこれを用いた光電池
JP2001143771A (ja) 光電変換素子および光電池
JP2001167808A (ja) 光電変換素子および光電池
JP2002025636A (ja) 光電変換素子およびこれを用いた光電池
JP4643791B2 (ja) 光電変換素子の製造方法、および太陽電池
JP4100491B2 (ja) 半導体微粒子層、光電変換素子及び光電池
JP2002164563A (ja) 太陽光発電発光装置及び光電変換素子の色素増感方法
JP4521737B2 (ja) 太陽光発電装置
JP4578695B2 (ja) 光電変換素子の作成方法
JP4247810B2 (ja) 光電変換素子及び光電池
JP4638972B2 (ja) 光電極の作成方法、光電極、光電変換素子および光電池
JP4649022B2 (ja) 光電変換素子および光電池
JP2003187882A (ja) 光電変換素子の作製方法、光電変換素子及び光電池
JP2001236999A (ja) 光電変換素子および光電池