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JP2001218460A - スイッチング電源回路 - Google Patents

スイッチング電源回路

Info

Publication number
JP2001218460A
JP2001218460A JP2000027268A JP2000027268A JP2001218460A JP 2001218460 A JP2001218460 A JP 2001218460A JP 2000027268 A JP2000027268 A JP 2000027268A JP 2000027268 A JP2000027268 A JP 2000027268A JP 2001218460 A JP2001218460 A JP 2001218460A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
circuit
winding
switching
primary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000027268A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Yasumura
昌之 安村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2000027268A priority Critical patent/JP2001218460A/ja
Publication of JP2001218460A publication Critical patent/JP2001218460A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CRTのアノード電圧等として利用される直
流高電圧を出力する電源回路として、電力変換効率等を
はじめとする各種性能の向上を図る。 【解決手段】 スイッチング電源回路を構成している絶
縁コンバータトランスPITの二次側に対して昇圧巻線
NHVを巻装し、この昇圧巻線NHVにて得られる交番電圧
VHVを多倍圧整流回路2に入力することで、所定の高圧
レベルとされる直流高電圧EHVを得る。これにより、例
えばテレビジョン受像機の水平偏向を行うのに必要とさ
れる直流高電圧を得るのに、水平偏向回路系は介在させ
ない構成を採ることが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に電
源として備えられるスイッチング電源回路に関わり、特
に所要の用途に用いる高電圧を出力するためのスイッチ
ング電源回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から例えばテレビジョン受像機やプ
ロジェクタ装置等の電子機器においては、画像表示を行
うために陰極線管(CRT:Cathode-ray Tube)を備え
たものがある。陰極線管(以下、「CRT」という)を
備えたテレビジョン受像機では、良く知られているよう
に、CRTの内部に設けられている電子銃から出力され
る電子ビームを左右方向(水平方向)に偏向するための
水平偏向回路系ブロックと、上下方向(垂直方向)に偏
向するための垂直偏向系ブロックが設けられている。ま
た、水平偏向回路系ブロックには、CRTのアノード電
極に対して例えば20kV〜35kV程度の高圧を供給
する高圧発生回路が設けられている。
【0003】図8は、テレビジョン受像機に備えられて
いる水平偏向回路系ブロックと、その周辺回路の構成を
示した図である。この図に示すスイッチング電源回路1
0は、入力された直流電圧についてスイッチングを行
い、最終的には所定の電圧レベルの直流電圧に変換して
出力するDC−DCコンバータとされる。このスイッチ
ング電源回路10の前段には、全波整流方式のブリッジ
整流回路Di及び平滑コンデンサCiから成る整流平滑
回路が設けられ、この整流平滑回路により商用交流電源
(交流入力電圧VAC)を整流平滑して直流電圧Eiを得
る。そして、この直流電圧Eiをスイッチング電源回路
10に対して入力するようにしている。そしてこの場合
には、スイッチング電源回路10からは、所定の電圧レ
ベルに変換された直流出力電圧EO(EO1,EO2,EO
3)が出力されるようになっている。上記各直流出力電
圧EO1,EO2,EO3の実際の電圧レベルとしては、例え
ば直流出力電圧EO1=135V、直流出力電圧EO2=1
5V、直流出力電圧EO3=7Vとされる。
【0004】水平発振回路20には、映像信号等に含ま
れている水平同期信号fHが入力される。そして、この
水平同期信号fHに対応した発振周波数(15.75K
Hz)により発振を行い、水平同期信号fHに同期した
パルス電圧を出力する。
【0005】一点鎖線で囲って示した水平ドライブ回路
30は、水平発振回路20からのパルス出力を増幅し、
後述する水平出力回路40に対して十分大きいドライブ
電流(駆動電流)を供給する。この場合、水平ドライブ
回路30の構成としては、負荷となる水平出力回路40
により水平発振回路20から供給されるパルス出力の周
期が変動しないように、通常はエミッタ接地のトランス
結合増幅回路によって構成されている。
【0006】水平ドライブ回路30においては、図示す
るように、例えばトランジスタQ11のベースがコンデン
サC11を介して水平発振回路20に対して接続されるこ
とで、水平発振回路20からのパルス電圧がトランジス
タQ11のベースに入力されている。また、そのベース−
エミッタ間には、バイアス抵抗R11が挿入され、ベース
に対して所定のバイアス電圧が印加されている。スイッ
チング素子Q11のコレクタは、水平ドライブトランスH
DTの一次巻線N11及びコレクタ抵抗R13を介して上記
スイッチング電源回路10の二次側出力端子(直流出力
電圧EO1)に接続され、そのエミッタが接地されてい
る。また、そのコレクタ−エミッタ間には、コンデンサ
C12と抵抗R12との直列接続回路からなるダンピング回
路が設けられている。なお、上記コンデンサC12と抵抗
R12との直列接続回路からなるダンピング回路は、水平
ドライブトランスHDTの一次巻線N11を流れる電流に
対して、サージ電流や振動電流(リンギング電流)が重
畳されるのを防止している。また、水平ドライブトラン
スHDTの一次巻線N11の巻始め端部と二次側アースと
の間に設けられているコンデンサC13はノイズ除去用の
コンデンサとされる。
【0007】また、水平ドライブトランスHDTの一次
巻線N11の巻始め端部は、コレクタ抵抗R13を介して上
記スイッチング電源回路10の直流出力端子(直流出力
電圧EO1)に接続され、その巻終わり端部がトランジス
タQ11のコレクタに接続されている。また、その二次巻
線N21の巻終わり端部は、後述する水平出力回路40の
出力トランジスタQ12のベースに接続され、その巻始め
端部がアースに対して接地されている。
【0008】トランジスタQ11では、水平発振回路20
から出力された水平発振出力を増幅した出力が得られ、
この増幅出力は、水平ドライブトランスHDTの一次巻
線N11に伝達される。そして、水平ドライブトランスH
DTでは、この一次巻線N11に得られる出力を二次巻線
N21に伝送する。この場合、水平ドライブトランスHD
Tの一次巻線N11と二次巻線N21の極性(巻方向)は逆
極性となるように巻装される。
【0009】一点鎖線で囲って示した水平出力回路40
は、上記水平ドライブトランスHDTの二次側から得ら
れる出力を増幅することで、CRTの電子銃から出力さ
れる電子ビームを水平方向に走査する水平偏向電流IDY
を発生させる。また同時に、後述する高圧発生回路50
において高電圧を発生させるためのフライバックパルス
を生成するように構成される。
【0010】水平出力回路40においては、出力トラン
ジスタQ12のベースが上記水平ドライブトランスHDT
の二次巻線N21の巻終わり端部に接続され、そのコレク
タが後述するフライバックトランスFBTの一次側低圧
巻線NLVを介してスイッチング電源回路10の二次側出
力端子(二次側出力電圧EO1)に接続されている。な
お、そのエミッタは接地されている。また、出力トラン
ジスタQ12のコレクタ−エミッタ間には、ダンパダイオ
ードD11、水平帰線コンデンサCr1が並列に接続され
ている。さらに、そのコレクタ−エミッタ間には、[水
平偏向ヨークHDY、水平直線補正コイルHLC、S字補正
コンデンサCS1]から成る直列接続回路が接続されてい
るものとされる。
【0011】このような構成とされる水平出力回路40
では、水平帰線コンデンサCr1のキャパシタンスと、
フライバックトランスFBTの一次側低圧巻線NLVのリ
ーケージインダクタンス成分LLVとにより、電圧共振形
コンバータを形成している。そして、水平ドライブトラ
ンスHDTの二次側出力によって出力トランジスタQ12
がオン/オフ動作されることで、水平偏向ヨークHDYに
は鋸歯状波形とされる水平偏向電流IDYが流れる。ま
た、出力トランジスタQ12がオフとなる期間では、水平
偏向ヨークHDYのインダクタンスLDYと水平帰線コンデ
ンサCr1のキャパシタンスとの共振動作、及びダンパ
ダイオードD11の作用によって、水平帰線コンデンサC
r1の両端には、比較的高電圧とされるパルス電圧(フ
ライバックパルス電圧)V11が発生する。なお、水平直
線補正コイルHLC、及びS字補正コンデンサCS1の動作
については省略するが、例えば水平偏向電流IDYを補正
してCRTの管面に表示される画像の歪みを補正するよ
うに動作している。
【0012】一点鎖線で囲って示した高圧発生回路50
は、例えばフライバックトランスFBT(Fly Back Tra
nsformer)と高圧整流回路によって構成されており、上
記水平出力回路40にて生成されるフライバックパルス
電圧V11を昇圧して、例えばCRTのアノード電圧レベ
ルに対応した高電圧を生成する。
【0013】ここで、上記フライバックトランスFBT
の構造を、図12の断面図により説明しておく。この図
に示すフライバックトランスFBTでは、2つのコの字
形コアCR10,CR20の各磁脚を対向するように組
み合わせることでコ−コの字形コアCR30が形成され
る。そして、コの字形コアCR10の磁脚端部と、コの
字形コアCR20の磁脚端部との対向する部分にはギャ
ップGを設けるようにされる。そして、図示するよう
に、コ−コの字形コアCR30の一方の磁脚に対して、
低圧巻線ボビンLBと高圧巻線ボビンHBとを取付ける
ことで、これら低圧巻線ボビンLB及び高圧巻線ボビン
HBに対して、それぞれ一次側低圧巻線NLV及び昇圧巻
線NHVを分割して巻装するようにしている。この場合、
低圧巻線ボビンLBには単線を用いて一次側低圧巻線N
LVが巻装され、高圧巻線ボビンHBには同じく単線を用
いて昇圧巻線NHVが巻装される。この時、高圧巻線ボビ
ンHBには、例えば複数の昇圧巻線NHVを絶縁した状態
で巻装する必要があるため、昇圧巻線NHVの巻き方は、
各昇圧巻線NHVを所定回数巻装して得られる2つの巻線
層ごとに層間フィルムFを挿入して巻き上げる、いわゆ
る層間巻きとされている。
【0014】説明を図8に戻す。上記図12に示した構
造のフライバックトランスFBTの実際としては、例え
ば図8に示すようにして、昇圧巻線NHVとして5組の昇
圧巻線NHV1,NHV2,NHV3,NHV4,NHV5が分割され
て各々独立した状態で巻装されている。なお、一次側低
圧巻線NLVとしては1つの巻線だけが巻装されている。
ここで、一次側低圧巻線NLVに対する各昇圧巻線NHV1
〜NHV5の極性(巻方向)は逆極性となるように巻装さ
れている。一次側低圧巻線NLVの巻始め端部は、スイッ
チング電源回路10の二次側出力端子(直流出力電圧E
O1)に接続され、巻終わり端部は出力トランジスタQ12
のコレクタに対して接続されている。また、昇圧巻線N
HV1〜NHV5の各々に対しては、その巻き終わり端部に対
して、高圧整流ダイオードDHV1,DHV2,DHV3,DHV
4,DHV5のアノード側が接続されている。そして、高圧
整流ダイオードDHV1のカソードは抵抗RHVを介して平
滑コンデンサCOHVの正極端子と接続され、また、高圧
整流ダイオードDHV1,DHV2,DHV3,DHV4,DHV5の
各カソードは、それぞれ、昇圧巻線NHV1,NHV2,NHV
3,NHV4の巻き始め端部に対して接続される。
【0015】このような接続形態では、[昇圧巻線NHV
1、高圧整流ダイオードDHV1]、[昇圧巻線NHV2、高
圧整流ダイオードDHV2]、[昇圧巻線NHV3、高圧整流
ダイオードDHV3]、[昇圧巻線NHV4、高圧整流ダイオ
ードDHV4]、[昇圧巻線NHV5、高圧整流ダイオードD
HV5]という5組の半波整流回路が形成され、そして、
これら5組の半波整流回路が直列に接続されていること
になる。
【0016】従って、フライバックトランスFBTの二
次側においては、5組の半波整流回路が昇圧巻線NHV1
〜NHV5に誘起された電圧を整流して平滑コンデンサCO
HVに対して充電するという動作を行うことで、平滑コン
デンサCOHVの両端には、各昇圧巻線NHV1〜NHV5に誘
起される電圧の5倍に対応するレベルの直流電圧が得ら
れることになる。つまり、5倍電圧半波整流回路が形成
されていることになる。この平滑コンデンサCOHVの両
端に得られた直流電圧は直流高電圧EHVとされて、例え
ばCRTのアノード電圧として利用される。
【0017】なお、高圧整流ダイオードDHV3のカソー
ドと二次側アースとの間に挿入されている[抵抗R1、
可変抵抗R2、抵抗R3]からなる直列接続回路は、上記
直流高電圧EHVより低い電圧レベルを得るために設けら
れ、例えばCRTのフォーカス電圧等として利用される
直流出力電圧EFVを出力する。
【0018】上記図8に示した回路の各部の動作波形は
図9に示される。図8に示す回路では、出力トランジス
タQ12のベースには、水平ドライブ回路30にて増幅さ
れた水平発振回路20からパルス電圧が入力されること
から、出力トランジスタQ12のスイッチング周波数は、
水平同期信号fHの同期周波数(15.75KHz)に
対応したものとなる。例えば、図示するように出力トラ
ンジスタQ12のオン期間(水平走査期間)TONが52.
7μs、オフ期間(水平帰線期間)TOFFが10.8μ
sになっており、この期間TONと期間TOFFを合わせた
1周期の期間(63.5μS)が水平同期信号fHの周
期に対応している。
【0019】この場合、出力トランジスタQ12のコレク
タには、スイッチング素子Q12のオン/オフ動作によ
り、図9(d)に示すような波形のコレクタ電流ICが
流れる。これにより、フライバックトランスFBTの一
次側低圧巻線NLVには、図9(c)に示すような波形の
一次側電流I11が流れ、水平偏向ヨークHDYには図9
(b)に示すような波形の水平偏向電流IDYが流れるこ
とになる。
【0020】この時、出力トランジスタQ12のコレクタ
−エミッタ間に対して並列に接続されている水平帰線コ
ンデンサCr1の両端電圧V11は、図9(a)に示すよ
うに、出力トランジスタQ12がオンとなる期間TONでは
0レベルになる。また、出力トランジスタQ12がオフと
なる期間TOFFでは、水平偏向ヨークHDYのインダクタ
ンス成分LDYと水平帰線コンデンサCr1のキャパシタ
ンスとの共振動作によって、例えば1000Vp〜12
00Vp程度のフライバックパルス電圧V11が発生す
る。
【0021】そして、図8に示した高圧発生回路50で
は、上記のようなフライバックパルス電圧V11により、
フライバックトランスFBTの一次側に印加される正の
パルス電圧を昇圧して、二次側から所定の直流高電圧E
HVを得るようにしている。例えば水平帰線コンデンサC
r1の両端に1000Vp〜1200Vpのフライバッ
クパルス電圧V11が発生した場合は、図10に示すよう
に、フライバックトランスFBTの一次側低圧巻線NLV
には約900Vp程度の正のパルス電圧が印加される。
これにより、各昇圧巻線NHV1〜NHV5には、上記正のパ
ルス電圧を約6.5kV程度にまで昇圧された誘起電圧
が発生する。高圧発生回路50には5組の昇圧巻線NHV
1〜NHV5が巻装され、5倍電圧半波整流回路が設けられ
ていることから、高圧発生回路50からは約32kVの
直流高電圧EHVが出力されることになる。
【0022】なお、このようなフライバックトランスF
BTの一次側低圧巻線NLV及び昇圧巻線NHV1〜NHV5の
巻線数は、例えば各昇圧巻線NHV1〜NHV5として、高圧
巻線ボビンHBに500T(ターン)程度の巻線を巻装
した後、所定の直流高電圧EHVが得られるように低圧巻
線ボビンLBに一次側低圧巻線NLVを所定のターン巻装
することで構成されるものである。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図8に示し
た回路は、水平出力回路40にて得られるフライバック
パルス電圧V11を利用して高圧発生回路50から直流高
電圧EHVを得るようにしている。このため、入力電力を
高圧負荷電力に変換する際の電力変換効率は約70%程
度となり、高圧負荷電力を得る際の無効電力は比較的大
きいものとされる。
【0024】また、高圧発生回路50では、フライバッ
クトランスFBTの一次側低圧巻線NLVに入力される正
のパルス電圧(フライバックパルス電圧)により、各昇
圧巻線NHVに誘起される誘起電圧を得、この誘起電圧の
ピーク値を、各高圧整流ダイオードDHVによって半波整
流することで、直流高電圧EHVを得るようにしている。
しかしながら、この場合は高圧整流ダイオードDHVの導
通角が狭く、等価的には電源インピーダンスが高くなる
ため、直流高電圧EHVの電圧レベルは、高圧負荷の変動
の影響を受けやすくなるという欠点がある。
【0025】例えば図8に示した回路をCRTの画面サ
イズが29インチ以上とされるテレビジョン受像機に適
用した場合、高圧発生回路50からは、CRTの画面輝
度を確保するために、アノード電極に対して2mA以上
のビーム電流IHVを供給する必要がある。つまり、CR
Tのアノード電極に対して供給される直流高電圧EHVの
電圧レベルを例えば32kVとすると、高圧発生回路5
0からの高圧負荷電力としては64W(32kV×2m
A)必要になる。このため、高圧発生回路50からは、
高圧負荷電力として、少なくとも0W(IHV=0mA)
〜64W(IHV=2mA)までは変動することが考えら
れる。
【0026】一例として高圧負荷電力を0W(IHV=0
mA)〜64W(IHV=2mA)まで変化させた時に、
高圧発生回路50から出力される直流高電圧EHVの変化
の様子を図11に示す。この場合、高圧負荷電力が0W
(IHV=0mA)の時は、直流高電圧EHVの電圧レベル
が32kVになっている。これに対して、高圧負荷電力
が64W(IHV=2mA)まで増加すると、高圧整流ダ
イオードDHV、及び突入電流制限抵抗RHV等による電圧
降下によって直流高電圧は約30.5kVまで低下して
いる。つまり、図8に示した回路を実際のテレビジョン
受像機等に適用した場合は、高圧負荷電力の実使用範囲
内(0W〜64W)における直流高電圧EHVの電圧レベ
ル幅ΔEHVは約1.5kVになる。
【0027】このように直流高電圧EHVの電圧レベルが
変動すると、例えば水平偏向電流IDYの電流値が一定の
もとでは、CRTから出力される電子ビームの水平方向
の振幅が変化する。このため、実際のテレビジョン受像
機においては、直流高電圧EHVの変動によって電子ビー
ムの水平方向の振幅が変化しないように、水平偏向電流
IDYの電流値を補正するズーミング補正回路等を水平出
力回路40に対して設ける必要があった。
【0028】また、フライバックトランスFBTは、上
述したように、一方の磁脚に対してのみ巻線が施されて
いることから、巻線が施されていない他方の磁脚のギャ
ップGからの漏洩磁束や、昇圧巻線NHVの漏洩インダク
タンスの分布容量によって、リンギング(振動)が発生
することがある。例えば昇圧巻線NHVの漏洩インダクタ
ンスによって、図10に示すように、昇圧巻線NHVに誘
起される誘起電圧が負レベルとなるタイミングでリンギ
ング(振動)が発生すると、図9(c)に示したフライ
バックトランスFBTの一次側を流れる一次側電流I11
にリンギング成分が重畳される。この場合、図9(b)
に示した水平偏向電流IDYにもリンギング電流成分が重
畳されるため、例えばCRTの画面左端にラスターリン
ギングが生じる。このため、実際のテレビジョン受像機
では、ラスターリンギングを防止するために何らかの対
策が必要になる。
【0029】また、フライバックトランスFBTにおい
ては、一次側低圧巻線NLVを流れる一次側電流(フライ
バック電流)I11に直流成分が重畳されるため、フライ
バックトランスFBTが飽和しないようにコアの形状を
太くしたり、一次側電流I11が流れる一次側低圧巻線N
LVの巻線径を太くする必要がある。この結果、フライバ
ックトランスFBTの形状が大型化するという欠点もあ
った。
【0030】また、フライバックトランスFBTの一次
側を流れる一次側電流I11に直流電流成分が重畳される
と、これに伴って出力トランジスタQ12を流れるコレク
タ電流ICのピークレベルが増加する。このため、出力
トランジスタQ12を大電力に耐えられる高耐圧トランジ
スタによって構成したり、出力トランジスタQ12の発熱
を抑えるための放熱板等を取り付ける等の対策が必要に
なる。
【0031】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記し
た課題を考慮して次のようにしてスイッチング電源回路
を構成する。スイッチング素子を備えて入力された直流
入力電圧を断続して出力するスイッチング手段と、一次
側の出力を二次側に伝送するために設けられ、一次側に
は一次巻線を巻回し、二次側には第1の二次巻線と第2
の二次巻線を巻回すると共に、一次巻線と第1の二次巻
線とについては疎結合とされる所要の結合度が得られる
ようにされ、第1の二次巻線と第2の二次巻線について
は密結合の状態が得られるようにされた絶縁コンバータ
トランスと、スイッチング手段の動作を電流共振形とす
るようにして挿入される一次側直列共振回路と、スイッ
チング手段のスイッチング動作時において部分共振動作
が得られるようにして形成される一次側部分共振回路と
を備える。そして、第1の二次巻線に得られる交番電圧
を入力して整流動作を行うことで、二次側直流出力電圧
を得るように構成された直流出力電圧生成手段と、二次
側直流出力電圧のレベルに応じてスイッチング素子のス
イッチング周波数を可変することで定電圧制御を行うよ
うにされる定電圧制御手段と、第2の二次巻線に得られ
る交番電圧を入力して整流動作を行うことで所定の高圧
レベルとされる直流高電圧を得るように構成された直流
高電圧生成手段とを備えることとした。
【0032】上記構成によると、本発明としては、一次
側において電流共振形コンバータを形成するための直列
共振回路と、いわゆる部分共振動作を得るための一次側
部分共振回路を複合的に備えたスイッチング電源回路が
形成される。そして、この一次側の電流共振形コンバー
タの出力を二次側に伝送する絶縁コンバータトランスの
二次側に対して、第1の二次巻線と第2の二次巻線(昇
圧巻線)を巻装する。第1の二次巻線に得られる交番電
圧については整流平滑化を行って二次側直流出力電圧を
得るようにされ、この二次側直流出力電圧に基づいて一
次側電流共振形コンバータのスイッチング周波数を可変
することで低電圧制御を図るようにされる。また、第2
の二次巻線に得られる交番電圧を直流高電圧生成手段に
入力することで、所定の高圧レベルとされる直流高電圧
を得るようにしている。つまり、本発明にあっては、例
えばテレビジョン受像機の水平偏向を行うのに必要とさ
れる直流高電圧を得るのに、水平偏向回路系は介在しな
いようにされる。
【0033】
【発明の実施の形態】図1の回路図は、本発明の実施の
形態としてのスイッチング電源回路の構成を示してい
る。この図に示す電源回路は、2石のスイッチング素子
(バイポーラトランジスタ)をハーフブリッジ結合し
た、自励式の電流共振形スイッチングコンバータを備え
た構成を採る。この電流共振形スイッチングコンバータ
においては、図のように2つのスイッチング素子Q1,
Q2をハーフブリッジ結合したうえで、平滑コンデンサ
Ciの正極側の接続点とアース間に対して挿入するよう
にして接続されている。この場合、スイッチング素子Q
1,Q2には、バイポーラトランジスタ(BJT;接合型
トランジスタ)が採用される。
【0034】この場合、商用交流電源ACには、ブリッ
ジ整流回路Di及び平滑コンデンサCiからなる整流平
滑回路が接続されており、交流入力電圧VACのほぼ1倍
のレベルに対応する整流平滑電圧を生成し、上記電流共
振形スイッチングコンバータに対して、直流入力電圧と
して供給するようになっている。
【0035】スイッチング素子Q1,Q2の各コレクタ−
ベース間には、それぞれ起動抵抗RS1、RS2が挿入され
る。また、スイッチング素子Q1、Q2の各ベース−エミ
ッタ間にはそれぞれクランプダイオードDD1,DD2が挿
入される。また、スイッチング素子Q1のベースとスイ
ッチング素子Q2のコレクタ間に対しては、共振用コン
デンサCB1、ベース電流制限用抵抗RB1、駆動巻線NB1
から成る直列接続回路が挿入される。共振用コンデンサ
CB1は、自身のキャパシタンスと、駆動巻線NB1のイン
ダクタンスLB1と共に自励発振駆動用の直列共振回路を
形成し、これによりスイッチング素子Q1のスイッチン
グ周波数を決定する。同様に、スイッチング素子Q2の
ベースと一次側アース間に対しては、共振用コンデンサ
CB2、ベース電流制限用抵抗RB2、駆動巻線NB2から成
る直列接続回路が挿入されており、共振用コンデンサC
B2と駆動巻線NB2のインダクタンスLB2と共に自励発振
用の直列共振回路を形成して、スイッチング素子Q2の
スイッチング周波数を決定している。
【0036】また、スイッチング素子Q1のエミッタと
スイッチング素子Q2のコレクタの接点(スイッチング
出力点)と、一次側アースの間には、部分共振用コンデ
ンサCcが接続される。この部分共振用コンデンサCc
は、後述する直列共振コンデンサC1より十分小さいキ
ャパシタンスとされ、スイッチング素子Q1,Q2のスイ
ッチングノイズを吸収する作用を有する。また、部分共
振用コンデンサCcは、自身のキャパシタンスと絶縁コ
ンバータトランスPITの漏洩インダクタンス成分によ
り、スイッチング素子Q1,Q2のコレクタ電流ICI,I
C2を略正弦波形の共振電流とするための部分共振回路を
形成している。これにより、後述するようにして行われ
る定電圧制御動作によって可変制御されるスイッチング
周波数に対応して、少なくとも、スイッチング素子Q
1,Q2のターンオフ時にゼロ電圧スイッチング(ZV
S:Zero Volt Switching)動作、ゼロ電流スイッチン
グ動作(ZCS:Zero Current Switching)を得るため
の共振作用も有する。つまり、一次側電流共振形コンバ
ータの動作として、いわゆる部分共振動作が得られるよ
うにするものである。これにより、スイッチング素子Q
1,Q2におけるスイッチング損失の低減が図られる。
【0037】ドライブトランスPRT(Power Regulatin
g Transformer)はスイッチング素子Q1、Q2を駆動す
ると共に、スイッチング周波数を可変制御することによ
り定電圧制御を行うために設けられるもので、この図の
場合には駆動巻線NB1,NB2及び共振電流検出巻線ND
が巻回され、更にこれらの各巻線に対して制御巻線NC
が直交する方向に巻回された直交型の可飽和リアクトル
(直行型トランス)とされている。このドライブトラン
スPRTの駆動巻線NB1の一端は、共振用コンデンサC
B1−抵抗RB1の直列接続を介してスイッチング素子Q1
のベースに接続され、他端はスイッチング素子Q1のエ
ミッタに接続される。また、駆動巻線NB2の一端はアー
スに接地されると共に、他端は共振用コンデンサCB2−
抵抗RB2の直列接続を介してスイッチング素子Q2のベ
ースと接続されている。駆動巻線NB1と駆動巻線NB2は
互いに逆極性の電圧が発生するように巻装されている。
【0038】上記構成による電源回路のスイッチング動
作としては、先ず商用交流電源が投入されると、例えば
起動抵抗RS1,RS2を介してスイッチング素子Q1,Q2
のベースに起動電流が供給されることになるが、例えば
スイッチング素子Q1が先にオンになったとすれば、ス
イッチング素子Q2はオフとなるように制御される。そ
してスイッチング素子Q1の出力として、共振電流検出
巻線ND→一次巻線N1→直列共振コンデンサC1に共振
電流が流れるが、この共振電流が0となる近傍でスイッ
チング素子Q2がオン、スイッチング素子Q1がオフとな
るように制御される。そして、スイッチング素子Q2を
介して先とは逆方向の共振電流が流れる。以降、スイッ
チング素子Q1,Q2が交互にオンとなる自励式のスイッ
チング動作が開始される。このように、平滑コンデンサ
Ciの端子電圧を動作電源としてスイッチング素子Q
1,Q2が交互に開閉を繰り返すことによって、絶縁コン
バータトランスPITの一次側巻線N1に共振電流波形
に近い一次側電流(ドライブ電流)I1を供給し、二次
側に交番出力を得る。
【0039】絶縁コンバータトランスPIT(Power Iso
lation Transformer)は、スイッチング素子Q1,Q2の
スイッチング出力を二次側に伝送する。ここで、この絶
縁コンバータトランスPITの構造を図4に示す。絶縁
コンバータトランスPITは、図4(a)に示されてい
るように、例えばフェライト材によるE形コアCR1、
CR2を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE
形コアCRが備えられる。そして、このEE形コアCR
の中央磁脚に対して、分割ボビンLB1を利用して一次
巻線N1と二次巻線N2がそれぞれ分割された状態で巻装
されている。この場合、一次巻線N1及び二次巻線N2の
線材には複数の単線を束ねて形成したリッツ線が用いら
れる。
【0040】そして、EE形コアCRの中央磁脚に対し
ては、図のようにギャップGを形成するようにしてい
る。これによって、一次巻線N1と二次巻線N2とについ
ては、所要の結合係数による疎結合の状態が得られるよ
うにしている。なお、ギャップGは、各E形コアCR
1,CR2の中央磁脚を、2本の外磁脚よりも短くする
ことで形成することが出来る。また、一次巻線N1と二
次巻線N2との結合係数kとしては、例えばk≒0.8
5という疎結合の状態を得るようにしており、その分、
飽和状態が得られにくいようにしている。
【0041】さらに絶縁コンバータトランスPITで
は、二次巻線N2が巻装されている分割ボビンLB1の
上に高圧巻線ボビンHB1が設けられる。そして、この
高圧巻線ボビンHB1を利用して昇圧巻線NHVが巻装さ
れる。この場合、昇圧巻線NHVと二次巻線N2とは密結
合の状態が得られる。また、昇圧巻線NHVの線材として
は、例えば上記した一次巻線N1及び二次巻線N2がリッ
ツ線とされるのに対して、例えばその線径が30μm〜
60μm程度の細線(単線)が用いられている。
【0042】ところで、上記したような絶縁コンバータ
トランスPITでは、後述するように、昇圧巻線NHVに
誘起される誘起電圧VHVの電圧レベルが、二次巻線N2
に誘起される誘起電圧V2の電圧レベルに比べてはるか
に高いものとなる。このため、高圧巻線ボビンHB1に
対して昇圧巻線NHVを巻装する際には、昇圧巻線NHVの
絶縁が十分確保できるように、例えば図4(b)、図4
(c)に示されているような巻き方が採られる。
【0043】図4(b)には、昇圧巻線NHVを複数の領
域に分割された高圧巻線ボビンHB1に分割して巻装す
る、いわゆる分割巻き(スリット巻き)が示されてい
る。昇圧巻線NHVを分割巻きによって巻装する場合は、
図示するように、高圧巻線ボビンHB1の内側に対して
一体的に設けた仕切板DVにより、複数の巻線領域であ
るスリットSを形成するようにされる。そして、この各
スリットS内に対して昇圧巻線NHVを巻装することで昇
圧巻線NHV間の絶縁を得るようにしている。また、この
場合、高圧巻線ボビンHB1に巻装された昇圧巻線NHV
の上には、例えばエポキシ樹脂EP等の絶縁樹脂により
モールドが施されている。また図4(c)には、高圧巻
線ボビンHB1に対して昇圧巻線NHVを巻き上げる際
に、昇圧巻線NHVを巻装して形成される巻線層ごとに、
層間フィルムFを挿入することで、昇圧巻線NHV間の絶
縁を得るようにした、層間巻きの形態が示されている。
【0044】説明を図1に戻す。この場合、絶縁コンバ
ータトランスPITの一次巻線N1の一端は、共振電流
検出巻線NDを介してスイッチング素子Q1のエミッタと
スイッチング素子Q2のコレクタの接点(スイッチング
出力点)に接続され、他端は直列共振コンデンサC1を
介して一次側アースに接地されることで、スイッチング
出力が得られるようにされる。
【0045】上記接続形態では、上記直列共振コンデン
サC1及び一次巻線N1は直列に接続されているため、こ
の直列共振コンデンサC1のキャパシタンス及び一次巻
線N1(直列共振巻線)を含む絶縁コンバータトランス
PITの漏洩インダクタンス(リーケージインダクタン
ス)成分により、スイッチングコンバータの動作を電流
共振形とするための一次側直列共振回路を形成してい
る。つまり、図1に示した本実施の形態の電源回路の一
次側には電流共振形コンバータが備えられている。
【0046】従って、図1に示す回路では、一次側スイ
ッチングコンバータの動作を電流共振形とするための一
次側直列共振回路と、先に述べたようにして、スイッチ
ング素子Q1,Q2のスイッチング動作時において部分共
振動作が得られるようにするための部分共振回路が複合
的に備えられた構成を採ることになる。なお、本明細書
では、このようにして、一次側に対して一次側直列共振
回路と部分共振回路という2組の共振回路が備えられて
動作する構成のスイッチングコンバータについては、
「複合電流共振形スイッチングコンバータ」ともいうこ
とにする。
【0047】絶縁コンバータトランスPITの二次側に
は、第1の二次巻線とされる二次巻線N2と、第2の二
次巻線とされる昇圧巻線NHVとが巻装されている。先
ず、二次巻線N2側の構成から説明する。二次巻線N2に
は、一次巻線N1に供給されるスイッチング出力によっ
て、二次巻線N2に交番電圧が誘起される。二次巻線N2
に対しては、ブリッジ整流回路DBR及び平滑コンデンサ
CO1から成る整流平滑回路が設けられることで、所定の
電圧レベル(例えば135V)とされる直流出力電圧E
O1を得るようにしている。なお、この直流出力電圧EO1
は制御回路1に対しても分岐して入力される。制御回路
1においては、直流出力電圧EO1を検出電圧として利用
する。
【0048】制御回路1は、例えば二次側の直流電圧出
力EO1のレベルに応じてそのレベルが可変される直流電
流を、制御電流としてドライブトランスPRTの制御巻
線NCに供給することにより、次の述べるようにして定
電圧制御を行う。
【0049】例えば、交流入力電圧や負荷電力の変動に
よって二次側出力電圧EO1が変動したとすると、制御回
路1では二次側出力電圧EO1の変動に応じて制御巻線N
Cに流れる制御電流のレベルを可変制御する。この制御
電流によりドライブトランスPRTに発生する磁束の影
響で、ドライブトランスPRTにおいては飽和傾向の状
態が変化し、駆動巻線NB1,NB2のインダクタンスを変
化させるように作用するが、これにより自励発振回路の
条件が変化してスイッチング周波数が変化するように制
御される。この図に示す電源回路では、直列共振コンデ
ンサC1及び一次巻線N1の直列共振回路の共振周波数よ
りも高い周波数領域でスイッチング周波数を設定してい
るが、例えばスイッチング周波数が高くなると、直列共
振回路の共振周波数に対してスイッチング周波数が離れ
ていくようにされる。これにより、スイッチング出力に
対する一次側直列共振回路の共振インピーダンスは高く
なる。このようにして共振インピーダンスが高くなるこ
とで、一次側直列共振回路の一次巻線N1に供給される
ドライブ電流が抑制される結果、二次側出力電圧が抑制
されることになって、定電圧制御が図られることにな
る。なお、以降はこのような定電圧制御方式を「スイッ
チング周波数制御方式」と呼ぶ。
【0050】続いて、絶縁コンバータトランスPITの
二次側の構成として、昇圧巻線NHV側の構成について
説明する。昇圧巻線NHVには、二次巻線N2と同様
に、一次巻線N1により誘起された誘起電圧が発生する
ことになる。上述もしたように、昇圧巻線NHVは二次巻
線N2とは密結合の状態で巻装されていることから、昇
圧巻線NHVに誘起される誘起電圧の電圧レベルは、二次
巻線N2に得られる共振電圧V2の電圧レベルと、二次巻
線N2と昇圧巻線NHVとの巻線比によって決定される。
即ち、二次巻線N2の巻線数(ターン数)をN2、共振
電圧V2の電圧レベルをV2、昇圧巻線NHVの巻線数を
NHVとすれば、昇圧巻線NHVに誘起される交番電圧V
HVの電圧レベルVHVは、VHV=V2×NHV/N2
によって示される。即ち、共振電圧V2と交番電圧VH
V、及び二次巻線N2と昇圧巻線NHVとの間には、V2/
N2=VHV/NHVの関係が成り立つ。そして実際に
は、この関係に基づいて昇圧巻線NHVの巻線数を決定す
ることで、昇圧巻線NHVにて励起される交番電圧が所要
のレベルにまで昇圧するようにされている。
【0051】上記昇圧巻線NHVには多倍圧整流回路2が
接続されており、多倍圧整流回路2には昇圧巻線NHVに
発生した昇圧交番電圧VHVが入力される。そして、この
多倍圧整流回路2にて交番電圧VHVを利用した多倍圧整
流動作が行われることで、平滑コンデンサCOHVの両端
には、所定の高レベル(例えば32KV)の直流高電圧
EHVが得られる。この直流高電圧EHVがCRTのアノー
ド電圧として利用される。
【0052】図2には、上記図1に示したスイッチング
電源回路に備えられる多倍圧整流回路2の具体的な回路
構成例として、対称形カスケード整流回路として知られ
ているジョーンズ&ウォーターズ回路が示されている。
ジョーンズ&ウォーターズ回路としては、この図に示さ
れるように、先ず、昇圧巻線NHVの巻始め端部に対し
て、高圧コンデンサCHVA1,CHVA2,・・・CHVAnの直
列接続から成る第1のコンデンサ直列回路が接続され、
このコンデンサ直列回路の高圧コンデンサCHVAn側の端
部が高圧整流ダイオードDHVA(n+1)を介して平滑コンデ
ンサCOHVの正極端子(直流高電圧の出力端)に対して
接続される。また、昇圧巻線NHVの巻終わり端部に対し
ては、高圧コンデンサCHVB1,CHVB2,・・・CHVBnの
直列接続から成る第2のコンデンサ直列回路が接続さ
れ、高圧コンデンサCHVBnの端部が高圧整流ダイオード
DHVB(n+1)を介して平滑コンデンサCOHVの正極端子に
対して接続される。
【0053】また、アースと平滑コンデンサCOHVの正
極端子との間には、高圧整流ダイオードDHVA0,DHVA
1,DHVB2,・・・DHVBn,DHVA(n+1)の直列接続から
成る第1のダイオード直列回路を接続しており、これら
の各高圧整流ダイオードの各接続点は、上記第1のコン
デンサ直列回路と第2のコンデンサ直列回路の各高圧コ
ンデンサ間の接続点に対して、図のように順次はし渡し
ていくようにして接続される。また、同様にして、二次
側アースと平滑コンデンサCOHVの正極端子との間に対
して、高圧整流ダイオードDHVB0,DHVB1,DHVA2,・
・・,DHVAn,DHVB(n+1)の直列接続からなる第2のダ
イオード直列回路を接続し、これらの各高圧整流ダイオ
ードの各接続点を、上記第1のコンデンサ直列回路と第
2のコンデンサ直列回路の各高圧コンデンサ間の接続点
に対して順次接続していくようにされる。
【0054】このような接続形態では、[DHVA1,DHV
B1,CHVA1,CHVB1]・・・[DHVAn,DHVBn,CHVA
n,CHVBn]というn段の部分整流回路が接続されて整
流回路全体を形成することになる。そして、このような
構成とされる対称形カスケード整流回路によれば、平滑
コンデンサCOHVの両端には、昇圧巻線NHVに誘起され
る誘起電圧VHVの2(n+1)倍(但し、nは整流回路
を形成する部分整流回路の段数を示し、1以上の整数と
される)に対応する高レベルの直流高電圧EHVが得られ
ることになる。
【0055】ここで、例えば、上記した対称形カスケー
ド整流回路として何段により構成するのかについては、
実際に必要とされる直流高電圧EHVと、昇圧巻線NHVに
誘起される昇圧交番電圧VHVとのレベルとの関係によっ
て適宜決定されればよい。一例として、昇圧巻線NHVに
誘起される昇圧交番電圧VHVが約4KV程度であるとし
て、直流高電圧EHVとして32KVを得る必要があると
すれば、上記図4に示す対称形カスケード整流回路とし
ては3段による8倍電圧整流回路を構成すればよいこと
になる。
【0056】図1に示したスイッチング電源回路につい
て、上記図2に示した対称形カスケード整流回路を多倍
圧整流回路2として備えた場合の要部の動作波形を図3
に示す。ここで図3(a)〜(f)には、交流入力電圧
VAC=100Vで、多倍圧整流回路2での高圧負荷電力
が64W(直流高電圧EHV=32KV,負荷電流IHV=
2mA)とされた時の各部の動作波形が示され、図3
(g)〜(l)には、交流入力電圧VAC=100Vで、
多倍圧整流回路2での高圧負荷電力が0W(直流高電圧
EHV=32KV,負荷電流IHV=0mA)とされた時
の、図3(a)〜(f)と同じ各部位の動作波形が示さ
れている。なお、この場合の絶縁コンバータトランスP
ITの一次巻線N1の巻線数は40T(ターン)、昇圧
巻線NHVの巻線数は1300Tとされ、高圧コンデンサ
CHVA1,CHVA2,・・・CHVAnについては、それぞれ1
000pFが選定される。また、このときの二次側直流
出力電圧EO1は、EO1=135Vとなるように定電圧制
御されるものとし、このときの出力電流IOnレベル
は、IO=0.9Aであるものとする。
【0057】先に、図3(a)〜(f)を参照して、高
圧負荷電力が64W時の動作について説明する。高圧負
荷電力が64W時の場合、図3(a)のスイッチング素
子Q2のコレクタ−エミッタ間電圧V1は、スイッチング
素子Q2がオンとなる期間TONには0レベルで、オフと
なる期間TOFFには矩形波状のパルスが得られる。ま
た、実際のスイッチング素子Q1,Q2のオン/オフ期間
であるTON/TOFFとしてはそれぞれ5μsとなってい
ることから分かるように、スイッチング素子Q1,Q2の
スイッチング周波数は例えば100kHzとなるように
制御される。
【0058】また、スイッチング素子Q2のコレクタを
流れるコレクタ電流IC2は、部分共振用コンデンサCc
の共振作用により、図3(d)に実線で示すような略正
弦波形となる。これにより、スイッチング素子Q2のタ
ーンオフ時に流れるコレクタ電流IC2の電流波形は、例
えば図3(d)に破線で示した部分共振用コンデンサC
cが無いとされる時のコレクタ電流IC2の電流レベルよ
り小さくなり、スイッチング素子Q1,Q2のターンオフ
時には、ZCSに近い動作が得られる。
【0059】また、スイッチングQ1の動作波形は、こ
れまで説明したスイッチング素子Q2の動作波形とは位
相が180度シフトした波形として示される。つまり、
スイッチング素子Q1は、スイッチング素子Q2がオフと
なる期間TOFF においてオンとなる波形となる。そし
て、そのコレクタには部分共振用コンデンサCcの共振
作用により、図3(c)に示すような波形のコレクタ電
流IC1が流れる。このようにして、スイッチング素子Q
1,Q2が交互にオン/オフを繰り返すスイッチング動作
を行うことにより、絶縁コンバータトランスPITの一
次巻線N1には図3(b)に示すような波形の一次側共
振電流I1が流れる。
【0060】上記したスイッチング素子Q1,Q2のオン
/オフ動作により、絶縁コンバータトランスPITの二
次側にはスイッチング出力が伝達される。この場合、絶
縁コンバータトランスPITの二次巻線N2には、図3
(e)に示すようにして、135Vpの矩形波状の交番
電圧V2が得られる。また、昇圧巻線NHVには、図3
(g)に示すようにして、4KVpという高圧の交番電
圧VHVが得られることになる。これら二次側に得られる
交番電圧V2,VHVの周期としては、図3(a)に示す
波形と比較しても分かるように、一次側のスイッチング
周波数に従ったものとなっている。
【0061】また、高圧負荷電力が0W時の場合、スイ
ッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数は例えば1
85KHz程度となるように制御され、実際のスイッチ
ング素子Q1,Q2のオン/オフ期間TON/TOFFとして
は、2.7μsとなる。そして、この高圧負荷電力が0
W時のときには、図3(a)〜図3(f)により説明し
た高圧負荷電力が64W時の各波形は、それぞれ、図3
(g)〜図3(l)に示すようにして変化する。すなわ
ち、スイッチング周波数が185KHzと高くなったの
に応じて、ほぼ同様の波形を保った状態で、その周期が
短くなるように変化しているものである。
【0062】これら図3(a)〜(f)及び図3(g)
〜(l)に示した動作波形を比較してわかるように、負
荷が64W(EHV=32KV,IHV=2mA)〜0W
(EHV=32KV,IHV=0mA)の範囲で変化すると
すれば、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波
数は100kHz〜185kHzの制御範囲で変化する
ことになる。
【0063】このような構成とされる図1に示した本実
施の形態の回路と、図8に示した従来の回路とを比較す
ると、図8に示した回路では、スイッチング電源回路1
0の二次側直流電圧EO1により、水平出力回路40にて
得られるフライバックパルス電圧V11を昇圧して高圧発
生回路50から直流高電圧EHVを得るようにしていた。
これに対して、図1に示した本実施の形態の電源回路で
は、絶縁コンバータトランスPITの二次側から出力さ
れる交番電圧VHVを多倍圧整流回路2に入力することで
直流高電圧EHVを得るようにしている。つまり、図1に
示した本実施の形態の回路では、絶縁コンバータトラン
スPITの二次側から得られる交番電圧EHVを多倍圧整
流回路2に直接入力していることで、図8に示した回路
のようにスイッチング電源回路10の直流出力電圧EO1
をフライバックパルス電圧に変換するための水平出力回
路40を介在させることなく、多倍圧整流回路2により
直流高電圧EHVを得るようにしているものである。
【0064】これにより、図8に示した従来の回路で
は、入力電圧から直流高電圧EHVを得る際の電力変換効
率が約70%程度であったのに対して、図1に示した本
実施の形態の電源回路では、電力変換効率を90.5%
まで向上させることが可能になるものである。また、こ
れに伴って、入力電力も18.5W程度低減することが
可能となっている。
【0065】また、上記した本実施の形態の電源回路を
テレビジョン受像機等に適用した場合、例えば高圧負荷
電力が0W(EHV=32KV,IHV=0mA)の時に直
流高電圧EHVの電圧レベルが32KVであれば、高圧負
荷電力が64W(EHV=32KV,IHV=2mA)まで
増加しても、回路から出力される直流高電圧EHVの電圧
レベルの変動幅ΔEHVは約0.9KVに留まるという結
果が得られた。これに対して、図8に示した回路では、
高圧負荷電力が無負荷(IHV=0mA)〜64W(IHV
=2mA)まで変動した時の直流高電圧EHVの変動幅Δ
EHVは1.5KVとされていたものである。よって、図
1に示した本実施の形態の回路を、例えばテレビジョン
受像機等に適用して、CRTのアノード電極に対して直
流高電圧EHVを供給すれば、直流高電圧EHVによってC
RTから出力される電子ビームの水平方向の振幅変動を
抑制することができるので、テレビジョン受像機の水平
出力回路に対してズーミング補正回路等を設ける必要が
無くなるものである。
【0066】また、図1に示した本実施の形態の回路で
は、絶縁コンバータトランスPITの二次側に対して昇
圧巻線NHVを巻装することで、昇圧巻線NHVから直流高
電圧EHVを得るための交番電圧VHVを得るようにしてい
る。このような本実施の形態の絶縁コンバータトランス
PITの構造は、先に図4を用いて説明したように、中
央磁脚にギャップGが形成されているEE形コアCRに
対して、分割ボビンLB1を利用して一次巻線N1及び
二次巻線N2を巻装すると共に、高圧巻線ボビンHB1
を利用して昇圧巻線NHVを巻装するようにしている。こ
の場合、EE形コアCRの中央磁脚に形成されているギ
ャップGは、巻線によって覆われることなるので、ギャ
ップGからの漏洩磁束が外部に漏洩するということがな
い。これにより、絶縁コンバータトランスPITからの
漏洩磁束や漏洩インダクタンスによって、昇圧巻線NHV
の誘起電圧にリンギングが発生することもない。
【0067】従って、本実施の形態の回路をテレビジョ
ン受像機に適用した場合でも、例えばCRTの画面上に
ラスターリンギングが生じることがなく、また仮にリン
ギングが発生したとしても、本実施の形態の回路では、
多倍圧整流回路2が水平偏向回路とは独立に形成されて
いることから水平偏向電流IDYにリンギング電流成分が
重畳されないので、CRTの画面上にラスターリンギン
グが生じることはない。
【0068】また、絶縁コンバータトランスPITのス
イッチング周波数は、スイッチング素子Q1のスイッチ
ング周波数に対応したものであり、例えば映像信号の水
平同期信号fHの周波数とは非同期となっている。この
場合、直流高電圧EHVに重畳されるリップル電圧δVの
レベルが大きいと、管面上に水平同期信号fHとスイッ
チングコンバータのスイッチング周波数との干渉による
ビートが発生するが、図2に示した対称形カスケード整
流回路を多倍圧整流回路2として備えた構成とすれば、
直流高電圧EHVに重畳されるリップル電圧δVが比較的
小さく、水平同期信号fHとスイッチング周波数fsと
の干渉によるビートが目立たないものとなる。
【0069】また、昇圧巻線NHVの一次側となる一次巻
線N1を流れる一次側電流には、直流成分が重畳されな
いので、絶縁コンバータトランスPITのコアの形状を
小型化することができ、また一次巻線N1の巻線径を太
くする必要もないので、その形状を小型化することが可
能になる。また、スイッチング素子Q1を流れる電流の
ピーク電流値も減少するので、スイッチング素子Q1の
発熱が抑制され、スイッチング素子Q1に放熱板等を取
り付ける等の対策も必要なくなる。
【0070】ここで本発明にあっては、上記図1に示し
たスイッチング電源回路に備えられる多倍圧整流回路2
としては、図2に示した対称形カスケード整流回路以外
の構成を採用しても構わない。以下、多倍圧整流回路2
の他の構成例を図5及び図6により説明していくことと
する。
【0071】図5には多倍圧整流回路2の他の回路構成
例として、基本型カスケード整流回路として知られてい
るコッククロフト&ウォルトン回路が示されている。こ
の場合、昇圧巻線NHVの巻終わり端部(二次側アース)
は、高圧コンデンサCHVA1,CHVA2,CHVA3,・・・C
HVAnの直列接続から成る第1のコンデンサ直列回路が接
続されている。また、その巻始め端部は、高圧コンデン
サCHVB1,CHVB2,CHVB3,・・・CHVBnの直列接続か
ら成る第2のコンデンサ直列回路と接続されている。そ
して、昇圧巻線NHVの巻終わり端部と平滑コンデンサC
OHVの正極端子(直流高電圧の出力端)との間には、高
圧整流ダイオードDHVB1,DHVA1,DHVB2,DHVA2,D
HVB3,DHVA3・・・DHVBn,DHVAnの直列接続から成る
ダイオード直列回路が挿入されている。
【0072】そして、図示するように、第1のコンデン
サ直列回路を形成する各高圧コンデンサCHVA1,CHVA
2,CHVA3,・・・CHVAnには、ダイオード直列回路を
形成する高圧整流ダイオードの内、2組の高圧整流ダイ
オードから成る直列回路[DHVB1−DHVA1],[DHVB2
−DHVA2],[DHVB3−DHVA3]・・・[DHVBn−DHV
An]が並列に接続されている。これに対して、第2のコ
ンデンサ直列回路を形成する高圧コンデンサCHVB1は、
昇圧巻線NHVの巻き始め端部と高圧整流ダイオードDHV
B1のカソードとの間に挿入されているが、以降の高圧コ
ンデンサCHVB2,CHVB3・・・CHVBnに関しては、ダイ
オード直列回路を形成する2組の高圧整流ダイオードの
直列回路[DHVA1−DHVB2],[DHVA2−DHVB3],・
・・[DHVA(n-1)−DHVBn]が並列に接続されている。
このような接続形態では、[DHVA1,DHVB1,CHVA1,
CHVB1]・・・[DHVAn,DHVBn,CHVAn,CHVBn]とい
うn段の部分整流回路が接続されることで整流回路全体
を形成していることになる。
【0073】そして、このような基本型カスケード整流
回路の整流動作としては、先ず、昇圧巻線NHVに負方向
の電流が流れる期間では、高圧整流ダイオードDHVB1が
オンになり、高圧整流ダイオードDHVB1からの整流電流
により高圧コンデンサCHVB1に対する充電動作が得られ
る。次に、昇圧巻線NHVに正方向の電流が流れる期間で
は、昇圧巻線NHVに誘起された誘起電圧VHVと高圧コン
デンサCHVB1の両端電圧とにより高圧整流ダイオードD
HVA1がオンになり、高圧整流ダイオードDHVA1により整
流された整流電流により高圧コンデンサCHVA1に対する
充電動作が得られる。そして次に、昇圧巻線NHVに負方
向の電流が流れる期間では、昇圧巻線NHVの誘起電圧V
HVと高圧コンデンサCHVA1の両端電圧により高圧整流ダ
イオードDHVB2がオンになり高圧コンデンサCHVB2に対
する充電動作が得られる。
【0074】以降、昇圧巻線NHVに正負方向の電流が交
互に流れることで、第1のコンデンサ直列回路を形成し
ている各高圧コンデンサCHVA2,CHVA3・・・CHVAn、
及び第2のコンデンサ直列回路を形成している各高圧コ
ンデンサCHVB3・・・CHVBnに対する充電動作が行われ
ることになる。そして、このようにして充電が行われる
各高圧コンデンサCHVA1〜CHVAn、及びCHVB1〜CHVBn
の各電位によって平滑コンデンサCOHVに対して充電が
行われることで、平滑コンデンサCOHVの両端には誘起
電圧VHVの2n倍に対応する直流高電圧EHVが得られる
ことになる。
【0075】また図6には、多倍圧整流回路2の他の回
路構成例として、変形カスケード整流回路として知られ
ているミッチェル回路が示されている。この図に示す回
路の接続形態は、上記図5に示した基本型カスケード整
流回路とほぼ同様の構成とされているが、昇圧巻線NHV
の巻き始め端部は、高圧コンデンサCHVB1〜CHVBnの直
列接続から成る第2のコンデンサ直列回路の中点に接続
される。また、昇圧巻線NHVの巻き終わり端部は、高圧
コンデンサCHVA1〜CHVAnの直列接続から成る第1のコ
ンデンサ直列回路の中点、及び高圧整流ダイオードDHV
B1,DHVA1,DHVB2,DHVA2,・・・DHVBn,DHVAnの
直列接続からなるダイオード直列回路の中点にそれぞれ
接続されているものである。ここでも、[DHVA1,DHV
B1,CHVA1,CHVB1]・・・[DHVAn,DHVBn,CHVA
n,CHVBn]というn段の部分整流回路が接続されて整流
回路全体を形成することになる。このような接続形態に
より構成されるミッチェル回路としては、結果的には、
誘起電圧VHVの2n倍に対応する直流高電圧EHVが平滑
コンデンサCOHVの両端に得られるものである。
【0076】このように、図1に示した本実施の形態の
スイッチング電源回路では、先に図2に示した対称形カ
スケード整流回路、或いは上記図5及び図6に示した基
本型カスケード整流回路及び変形カスケード整流回路を
多倍圧整流回路2として備えることが可能とされる。た
だし、このような多数の高圧コンデンサと高圧整流ダイ
オードとの多段接続から成る整流回路により構成した場
合、多倍圧整流回路2から出力される直流高電圧EHVに
は、リップル電圧δVの成分が重畳されると共に、電圧
降下ΔEHV(レギュレーション:電圧変動)が発生す
る。例えば直流高電圧EHVに重畳されるリップル電圧δ
Vという観点から見ると、図2に示した対称形カスケー
ド整流回路が最も少なく、好適な回路といえる。また、
多倍圧整流回路2にて発生する電圧降下ΔEHVの観点か
ら見ると、図6に示した変形カスケード整流回路を適用
した場合が最も小さいため好適な回路といえる。なお、
図6に示した変形カスケード整流回路を多倍圧整流回路
2としてスイッチング電源回路を構成した場合は、昇圧
巻線NHVには直流高電圧EHVの約1/2という高電圧が
印加されるため、昇圧巻線NHVをエポキシ樹脂等でモー
ルドして絶縁性を高めることが好ましい。
【0077】また、本発明の電源回路の回路構成として
は、図1に示した回路構成に限定されるものでない。図
7は本発明の第2の実施の形態としての電源回路の構成
を示した回路図である。なお、この図において、図1と
同一部分には、同一番号を付して説明を省略する。この
電源回路も2本のスイッチング素子をハーフブリッジ結
合した電流共振形コンバータが備えられているが、その
駆動方式は他励式とされている。このため、図7に示し
た回路には、図1に示した自励式の発振駆動回路[NB1
−RB1−CB1,NB2−RB2−CB2]の代わりに、他励式
の発振・ドライブ回路3が備えられている。また、スイ
ッチング素子Q21,Q22としてはMOS−FETが採用
されている。スイッチング素子Q21,Q22の各ゲートは
発振・ドライブ回路3に接続されている。また、スイッ
チング素子Q21のドレインは、平滑コンデンサCiの正
極と接続され、ソースは直列共振コンデンサC1、一次
巻線N1を介して一次側アースに接続される。また、ス
イッチング素子Q22のドレインは、上記スイッチング素
子Q21のソースと接続され、そのソースは一次側アース
に接続されている。またここでは、部分共振用コンデン
サCcがスイッチング素子Q21のソース及びスイッチン
グ素子Q22のドレインの接点(スイッチング出力点)と
一次側アースとの間に接続されている。従って、ここで
も部分共振コンデンサCcによる部分共振動作が得られ
ることになる。更に、各スイッチング素子Q21,Q22の
ドレイン−ソース間に対しては、クランプダイオードD
D1,DD2が並列に接続されている。
【0078】上記スイッチング素子Q21,Q22は、発振
・ドライブ回路3によって、先に図1にて説明したのと
同様のスイッチング動作が得られるようにスイッチング
駆動される。つまり、制御回路1では直流出力電圧EO1
の変動に応じて変動したレベルの電流又は電圧を発振・
ドライブ回路3に対して供給する。発振・ドライブ回路
3では、直流出力電圧EO1の安定化が図られるように、
制御回路1からの出力レベルに応じて、その周期が可変
されたスイッチング駆動信号(電圧)をスイッチング素
子Q21,Q22のゲートに対して出力する。これによっ
て、スイッチング素子Q21,Q22のスイッチング周波数
が可変されることになる。
【0079】この場合、起動回路4に対しては、平滑コ
ンデンサCiに得られる整流平滑電圧Eiが動作電源と
して供給されている。また、起動回路4には、絶縁コン
バータトランスPITに追加的に巻装された巻線N3に
得られる起動時の交番電圧を、ダイオードD3,コンデ
ンサC3から成る半波整流回路により直流化した電圧が
供給されるようになっているが、起動回路4は、この直
流電圧の入力に応答するようにして発振・ドライブ回路
3を起動させるための動作を実行するようにされてい
る。
【0080】また、この場合の絶縁コンバータトランス
PITの二次側では、二次巻線N2に対して二次側アー
スに接地されるセンタータップを設けるようにしたうえ
で、この二次巻線N2の両端を所要の巻数分巻き上げる
ようにすることで、1組の昇圧巻線NHVを形成するよう
にされる。
【0081】そして、この二次巻線N2に対しては、図
のようにして、整流ダイオードDO1,DO2、及び平滑コ
ンデンサCO1から成る全波整流回路を接続することで、
二次側直流出力電圧EO1を得るようにされる。
【0082】そして、この二次巻線N2に対して巻き上
げを行うようにして形成された昇圧巻線NHVに得られる
交番電圧を、図のようにして多倍圧整流回路2に対して
供給するものである。なお、この図に示す多倍圧整流回
路2の実際としても、図2、図5、及び図6に示した何
れかの回路構成が採用されて構わないものである。この
ような構成によっても、先に図1に示した電源回路と同
様の作用効果を得ることが可能とされるものである。
【0083】また、本実施の形態においては、一次側に
自励式共振コンバータを備えた構成の下で定電圧制御を
行うのにあたって直交形制御トランスが用いられている
が、この直交形制御トランスの代わりに、先に本出願人
により提案された斜交形制御トランスを採用することが
できる。上記斜交形制御トランスの構造としては、ここ
での図示は省略するが、例えば直交形制御トランスの場
合と同様に、4本の磁脚を有する2組のダブルコの字形
コアを組み合わせることで立体型コアを形成する。そし
て、この立体形コアに対して制御巻線NCと駆動巻線NB
を巻装するのであるが、この際に、制御巻線と駆動巻線
の巻方向の関係が斜めに交差する関係となるようにされ
る。具体的には、制御巻線NCと駆動巻線NBの何れか一
方の巻線を、4本の磁脚のうちで互いに隣り合う位置関
係にある2本の磁脚に対して巻装し、他方の巻線を対角
の位置関係にあるとされる2本の磁脚に対して巻装する
ものである。そして、このような斜交形制御トランスを
備えた場合には、駆動巻線を流れる交流電流が負の電流
レベルから正の電流レベルとなった場合でも駆動巻線の
インダクタンスが増加するという動作傾向が得られる。
これにより、スイッチング素子をターンオフするための
負方向の電流レベルは増加して、スイッチング素子の蓄
積時間が短縮されることになるので、これに伴ってスイ
ッチング素子のターンオフ時の下降時間も短くなり、ス
イッチング素子の電力損失をより低減することが可能に
なるものである。
【0084】さらには、絶縁コンバータトランスPIT
の二次側において二次側出力電圧EO1を得るための整流
回路として全波整流方式の整流回路を設けた場合を例に
挙げているが、このような構成の整流回路に限定される
ものでなく、本発明としての絶縁コンバータトランスP
ITの二次側整流回路の構成としては各種考えられるも
のである。
【0085】また、本実施の形態の電源回路において
は、一次側において一次側複合共振形スイッチングコン
バータを備えた場合を例に挙げて説明したが、本発明の
一次側の回路構成としては、必ずしも複合共振形スイッ
チングコンバータの構成を採る必要はなく、例えば一次
側の回路構成としては電流共振形のスイッチングコンバ
ータにより構成することも考えられる。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、電流共振
形コンバータと、この電流共振形コンバータがいわゆる
部分共振動作を行うための部分共振回路を一次側に備え
た複合電流共振形コンバータを備えたスイッチング電源
回路として、スイッチング電源回路を構成している絶縁
コンバータトランスの二次側に対して第2の二次巻線
(昇圧巻線)を巻装し、この第2の二次巻線にて得られ
る交番電圧を直流高電圧生成手段に入力するようにして
いる。そして、直流高電圧生成手段にて所定の高圧レベ
ルとされる直流高電圧を得るようにしている。従って、
本発明のスイッチング電源回路をテレビジョン受像機に
適用すれば、例えば陰極線管のアノードに対して供給す
る直流高電圧を得る際には、水平偏向回路において二次
側直流出力電圧をフライバックパルス電圧に変換する必
要が無く、水平偏向回路を省いた構成とすることができ
る。これにより、入力電圧から直流高電圧を得る際の電
力変換効率の向上が図られることになる。
【0087】また、本発明によれば、直流高電圧生成手
段により出力される直流高電圧は、高圧負荷が変動した
場合でも、その電圧変動幅は従来に比べて小さくするこ
とができる。従って、本発明を例えばテレビジョン受像
機の高電圧供給手段に適用すれば、例えば陰極線管から
出力される電子ビームの水平方向の振幅変動を抑制する
ことが可能になる。
【0088】また、絶縁コンバータトランスに二次側に
対して第1の二次巻線(二次巻線)と第2の二次巻線
(昇圧巻線)を巻装しているため、従来のように直流高
電圧を得るための高圧トランスを設ける必要が無く、ま
た、スイッチング素子に対して流れる電流のピーク値も
小さくなり、スイッチング素子の発熱量も減少するの
で、スイッチング素子に対して放熱板を取り付ける等の
対策を行う必要もない。
【0089】また、本発明の高電圧安定化回路は、直流
高電圧生成手段として、ジョーンズ&ウォーターズ回
路、コッククロフト&ウォルトン回路、或いはミッチェ
ル回路を採用した多倍圧整流回路により構成することが
可能とされる。これにより、絶縁コンバータトランスの
第2の二次巻線に誘起される誘起電圧について充分な高
圧レベルを発生しないようにした構成であっても、直流
高電圧生成手段において、例えばCRTのアノード電圧
を得るなどの所要の目的に対応して、実用に足るだけの
レベルの直流高電圧を得ることが可能になる。また、特
に直流高電圧生成手段に対してジョーンズ&ウォーター
ズ回路を適用すれば、直流高電圧に重畳されるリップル
電圧の低減を図ることができ、またミッチェル回路を適
用すれば直流高電圧生成手段における電圧降下を有効に
抑えるということが可能になるので、本発明のスイッチ
ング電源回路を適用する機器ごとに最適な構成を実現す
ることも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としての電源回路の構成例
を示す回路図である。
【図2】本実施の形態としての多倍圧整流回路の1構成
例を示した回路図である。
【図3】本実施の形態の電源回路の要部の動作を示す波
形図である。
【図4】本実施の形態の絶縁コンバータトランスPIT
の構造を示す断面図である。
【図5】多倍圧整流回路の他の構成例を示す回路図であ
る。
【図6】多倍圧整流回路の他の構成例を示す回路図であ
る。
【図7】他の実施の形態としての電源回路の構成例を示
す回路図である。
【図8】従来の高圧発生回路とその周辺回路の構成を示
す回路図である。
【図9】図9に示した回路の要部の動作を示す波形図で
ある。
【図10】図8に示す電源回路に備えられるフライバッ
クトランスの動作を概念的に示す説明図である。
【図11】図8に示す電源回路の特性として、直流高電
圧EHVと高圧負荷電流IHVとの関係を示す説明図であ
る。
【図12】図8に示す電源回路に備えられるフライバッ
クトランスの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 制御回路、2 多倍圧整流回路、Ci 平滑コンデ
ンサ、Q1,Q2,Q11,Q12 スイッチング素子、PI
T 絶縁コンバータトランス、PRT ドライブトラン
ス、C1 一次側直列共振コンデンサ、N1 一次巻線、
N2 二次巻線、NHV 昇圧巻線、NC 制御巻線、NB
駆動巻線、ND 共振電流検出巻線、CB 共振コンデ
ンサ、DBR ブリッジ整流回路、DO1,DO2 整流ダイ
オード、DHVA0〜DHVA(n+1) DHVB0〜DHVB(n+1) 高
圧整流ダイオード、CHVA1〜CHVAn CHVB1〜CHVBn
高圧コンデンサ、CO1,COHV 平滑コンデンサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スイッチング素子を備え、入力された直
    流入力電圧を断続して出力するスイッチング手段と、 一次側の出力を二次側に伝送するために設けられ、一次
    巻線、第1の二次巻線、及び第2の二次巻線を巻回する
    と共に、上記一次巻線と上記第1の二次巻線とについて
    は疎結合とされる所要の結合度が得られるようにされ、
    上記第1の二次巻線と第2の二次巻線については密結合
    の状態が得られるようにされた絶縁コンバータトランス
    と、 上記スイッチング手段の動作を電流共振形とするように
    して挿入される一次側直列共振回路と、 上記スイッチング手段のスイッチング動作時において部
    分共振動作が得られるようにして形成される一次側部分
    共振回路と、 上記第1の二次巻線に得られる交番電圧を入力して整流
    動作を行うことで、二次側直流出力電圧を得るように構
    成された直流出力電圧生成手段と、 上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて、上記スイッ
    チング素子のスイッチング周波数を可変することで定電
    圧制御を行うようにされる定電圧制御手段と、 上記第2の二次巻線に得られる交番電圧を入力して整流
    動作を行うことで、所定の高圧レベルとされる直流高電
    圧を得るように構成された直流高電圧生成手段と、 を備えることを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 【請求項2】 上記直流高電圧生成手段は、 ジョーンズ・アンド・ウォーターズ回路を備えて構成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチン
    グ電源回路。
  3. 【請求項3】 上記直流高電圧生成手段は、 コッククロフト・アンド・ウォルトン回路を備えて構成
    されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ
    ング電源回路。
  4. 【請求項4】 上記直流高電圧生成手段は、 ミッチェル回路を備えて構成されていることを特徴とす
    る請求項1に記載のスイッチング電源回路。
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