JP2001207258A - 回転磁石およびインライン型スパッタリング装置 - Google Patents
回転磁石およびインライン型スパッタリング装置Info
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Abstract
場が得られ、またターゲットの非エロージョン領域をな
くし、かつ材料利用効率を高くできる回転磁石、および
この回転磁石を備えたインライン型スパッタリング装置
を提供する。 【解決手段】ターゲットと対向する平面形状において略
8字状に加工した第1の磁石2、第2の磁石3で形成し
た回転磁石、およびこの回転磁石を組み込んだインライ
ン型スパッタリング装置。
Description
ードのターゲットに対して平行な面内で回転可能に配置
される回転磁石、ならびに成膜チャンバ内で基板を搬送
しつつ、対向配置された複数基のマグネトロンカソード
前を連続的に通過させて基板表面に薄膜を成膜するイン
ライン型スパッタリング装置に関する。
らなる被膜を形成するために、図19に示すようなマグ
ネトロンスパッタリング装置が使用されている。このマ
グネトロンスパッタリング装置100は、成膜チャンバ
101と、成膜チャンバ101の室内の真空状態を制御
する真空制御部102と、放電用電源103と、放電用
電源103に接続するカソードボディ104と、カソー
ドボディ104上に設けられ、被膜形成材料からなるタ
ーゲット105と、ターゲット105と対向配置される
アノード106と、放電ガス(例えばAr)を成膜チャ
ンバ101内に供給するガスボンベ107とから概略構
成され、被成膜材料である基板110はアノード106
上に装着される。
空度(例えば1×10-4Pa)とした後、ガスボンベ1
07から放電ガスを成膜チャンバ101内に所定の圧力
となるように供給し、それと同時に放電用電源103か
らマグネトロンカソード111に所定の放電電圧を印加
する。この印加により、マグネトロンカソード111と
アノード106との間で放電が起こり、電離した放電ガ
スがターゲット105をスパッタし、それにより生じた
スパッタ粒子が基板110の表面に堆積して被膜が形成
される。なお、マグネトロンカソード111はカソード
ボディ104とターゲット105とからなる。
ターゲット105の裏面側(アノード106とは反対
側)に磁石を備えており、その磁力線がターゲット10
5の表面上方でプラズマ中の電子にサイクロトロン運動
を起こさせてこの部分の電子密度を高め、それにより放
電ガスの電離を促進してターゲット105のスパッタリ
ング効率を向上させて基板110への成膜速度を増大さ
せている。
ット105の裏面側)に固定する方式と、ターゲット1
05と平行な面内において回転運動や往復運動などを可
能に設置する方式とがある。強磁場下で成膜する場合に
は、磁石を固定する方式ではターゲット105の表面
に、磁石のターゲット105と対向する平面形状(以
下、単に平面形状と呼ぶ)に沿って他の部分よりエロー
ジョン量の多い部分が生じてしまい、ターゲット105
を有効に利用できないという欠点を抱えている。これに
対して運動方式では、磁石を運動させて磁力線をターゲ
ット105の全表面にわたって作用させるため、ターゲ
ット105は全表面にわたって均一にエロージョンさ
れ、ターゲット105の有効利用が可能となる。
回転磁石と呼ぶ)の構成も種々のものが提案されてお
り、例えば図20に示すように、複数の略角柱状の永久
磁石片10をヨーク11上に磁石列の内周側が一方の磁
極(N極)で、外周側が他方の磁極(S極)になるよう
に平面形状略ハート形に連設した回転磁石1が知られて
いる。尚、この回転磁石1では、永久磁石片10が回転
中心Mに対してヨーク11の一方の面に偏って設置され
るため、回転のバランスをとるためのカウンタウエイト
12がヨーク11に付設してされる。
に、複数の永久磁石片10を平面形状で楕円状に連設し
て一方の磁極(N極)を形成し、その内側に平面形状が
永久磁石片10による楕円と相似形をなし、他方の磁極
(S極)を形成する永久磁石13を配置した構成の回転
磁石1も知られている。
11上に、複数の永久磁石片10を平面形状で略8字状
に連設して一方の磁極を形成し、その内側に複数の永久
磁石片14を2つの円を連結したような平面形状に連設
して他方の磁極を形成した回転磁石1も知られている。
ト105の裏面に回転中心Mをターゲット105の中心
と一致させて設置され、ターゲット105と平行な面内
で回転して磁力線をターゲット105の全表面にわたり
均等に作用させる。
は製造コスト削減のために従来より重要な課題となって
おり、そのためにはターゲットをより広い面積にわたり
均等にエロージョンする必要がある。また、透明導電膜
をマグネトロンスパッタリング法で形成するには、0.
1テスラ(T)程度の強磁場下で行うことが好ましいと
されている。このように、強磁場が得られ、かつターゲ
ットの非エロージョン領域をなくし、かつ材料利用効率
を高くできる回転磁石が待望されている。従来の回転磁
石でも磁束密度を高めることはできるが、ターゲットの
非エロージョン領域をなくし、かつ材料利用効率を高く
するには至っていない。また、スパッタリング中はター
ゲットを固定しているバッキングプレートが高温となる
ため強制冷却する必要がある。この際、回転磁石1を水
中に浸漬すると、水中では回転磁石1の回転トルクが上
昇するため、回転磁石1の駆動系の負荷が高まり、好ま
しくない。また、水との接触による錆の発生の問題もあ
る。
ものであり、従来の永久磁石を用いても従来同等以上の
強磁場が得られ、またターゲットの非エロージョン領域
をなくし、かつ材料利用効率を高くできる回転磁石を提
供することを第1の目的とする。また、水中浸漬による
回転トルクの上昇や錆の発生の問題も無い前記回転磁石
を提供することを第2の目的とする。更に本発明は、前
記の回転磁石を備えるマグネトロンカソードを組み込ん
だ安価で、強磁場を発生可能なインライン型スパッタリ
ング装置を提供することを第3の目的とする。
めに、本発明は、マグネトロンカソードのターゲットに
対して平行な面内で回転可能に配置される回転磁石にお
いて、内周面の周囲を包囲する外周面を有する筒状の永
久磁石からなり、前記内周面はターゲットと対向する平
面形状において2つの円弧または楕円弧を重ね合わせた
略8字状を呈する内周面である第1の磁石と、ターゲッ
トと対向する平面形状において前記第1の磁石の内周面
と略相似形をなす外周面を有する永久磁石からなる第2
の磁石とを、前記第1の磁石の内周面と前記第2の磁石
の外周面とを一定間隔で離間させてヨーク上に固定して
なることを特徴とする回転磁石を提供する。
搬送しつつ、基板と対向させ基板と隔置されたマグネト
ロンカソード前を連続的に通過させて基板表面に薄膜を
成膜するインライン型スパッタリング装置において、前
記マグネトロンカソードが前記の回転磁石を備えること
を特徴とするインライン型スパッタリング装置を提供す
る。
して詳細に説明する。本発明は、カソードボディ(ター
ゲットの裏面側)に設置される回転磁石を、それぞれ平
面形状において、2つの円弧または楕円弧を重ね合わせ
た略8字状を呈する内周面および前記内周面の周囲を包
囲する外周面を有する筒状の永久磁石からなる第1の磁
石と、前記第1の磁石の内周面と略相似形をなす外周面
を有する永久磁石からなる第2の磁石とで構成したこと
を特徴とする。これにより、ターゲットの中心部にまで
磁力線を有効に作用させることができ、ターゲットの非
エロージョン領域をなくすことができる。
1の平面形状を示す図であり、図2はその分解斜視図で
ある。図示されるように、この回転磁石1は、ヨーク4
上に、一方の磁極(例えばS極)を形成する第1の磁石
2の内側に、他方の磁極(N極)を形成する第2の磁石
3を固定して構成される。第1の磁石2は筒状体であ
り、2つの円弧2a,2bを連結したような全体として
略8字状の内周面2cの周囲を、磁石の厚み分だけ離間
して、外周面2dが包囲した平面形状を有する。すなわ
ち、内周面2cと外周面2dとは、その平面形状におい
て略相似形の関係にある。また、内周側の長軸寸法lは
2つの円弧2a,2bの直径(内周面の直径)の和より
も小さくなるように規定され、外周側の長軸寸法Lは回
転中心Mの回りに回転した時にターゲットの略全面を覆
うことができるように規定されている。一方、第2の磁
石3はその外周面3aの平面形状が第1の磁石2の内周
面2cの平面形状と相似形をなすように形成されてい
る。また、ヨーク4は、第1の磁石2の外周面2dの平
面形状と同一形状となるように形成されている。
両者を貫通する円筒状の冷却管挿通孔5,6が形成され
ており、その内部に冷却管(図示せず)を挿通させるこ
とにより、従来のように磁石を水中に浸漬することなく
バッキングプレートを冷却することが可能になる。従っ
て、従来のような錆の発生や回転トルクの上昇などの不
具合を招くことがなくなる。ただし、この場合、図1に
示すように、重心Tは回転中心Mに対して第1の磁石2
の一方の円弧側(ここでは2a)に偏心されている。そ
れに伴って、回転のバランスをとるために、ヨーク4の
回転中心Mをはさんで重心Tと対向する側の外端部にカ
ウンタウエイト7が付設される。
1)従来の回転磁石と同様に(図20〜図22参照)、
複数の永久磁石の小片を上記の形状をなすように連設す
る、2)バルク材をそれぞれの形状に切削加工し永久磁
石とする、あるいは3)粉末をそれぞれの形状に成形し
永久磁石とする、ことにより強い磁場が得られる。透明
導電膜のスパッタリングでは0.1T程度の強磁場が好
ましいことから、第1の磁石2および第2の磁石3を永
久磁石のバルク材で形成することは好ましい態様であ
る。また、磁石の種類は特に制限されるものではなく、
例えばNd−Fe系などの汎用の永久磁石で構わない。
第1の磁石は一方の磁極を形成し、第2の磁石は他方の
磁極を形成する。例えば、図1のように第1の磁石の上
面側がS極(反対の下面側はN極になっている)の場合
は、第2の磁石の上面側はN極(反対の下面側はS極に
なっている)である。
を、ヨーク4の重心Tを通る中心軸Cに関して同心状に
ヨーク4上に固定して回転磁石1が完成する。この回転
磁石1は、第1の磁石2の内周面2cと第2の磁石3の
外周面3aとが一定間隔dで離間して、ヨーク4の重心
Tを中心とする略8字状の磁気ギャップを形成する。回
転磁石1は、カソードボディ(ターゲットの裏面側)に
設置された際に、回転磁石1の回転中心Mとターゲット
の中心とが一致するように配置される。従って、上記の
ような回転中心Mの極く近傍に至る略8字状の磁気ギャ
ップを有することにより、ターゲットの中心付近にまで
均等に磁力線を作用させることができ、他の平面形状の
回転磁石に比べて、ターゲットをより有効に利用するこ
とができるようになる。
であり、例えば第1の磁石2の平面形状は2つの円弧2
a,2bを連結した形状に限らず、2つの楕円を連結し
た形状でも構わない。その場合、第2の磁石3の外周面
3aの平面形状を第1の磁石2の内周面2cの平面形状
に合わせて略相似形とする。また、第1の磁石2および
第2の磁石3のそれぞれの磁極を、第1の磁石2をN極
とし、第2の磁石3をS極としてもよい。更に、第1の
磁石2を形成する2つの円弧2a,2bは同一直径であ
る必要はなく、図3に示すように、一方の円弧(ここで
は2a)を大径とした構成でも構わない。その場合も、
第2の磁石3の外周面3aの平面形状を第1の磁石2の
内周面2cの平面形状に合わせて大小2つの円板3b,
3cが重なり合ったような相似形とする。また、第2の
磁石3に設けられる冷却管挿通孔5は、大小2つの円板
3b,3cの重なり部分に形成される。尚、重心Tは大
きい方の円板3a側に偏心させ、カウンターウエイト7
は2つの円弧を同一直径とした構成(図1参照)に比べ
て重いものを用い、ヨーク4の小径側の外縁部に付設す
る。その他にも、第1の磁石2を、外周面2dの平面形
状と内周面2cの平面形状とを相似形としない変更も可
能である。ただし、この場合も、第2の磁石3の外周面
3aの平面形状を第1の磁石2の内周面2cの平面形状
と相似形とする。
ソードボディ(ターゲットの裏面側)に配置されてター
ゲットと平行な面内で回転する。この回転磁石1を備え
るマグネトロンカソードは、図19に示したようなバッ
チ型のマグネトロンスパッタリング装置100に組み込
まれる他、成膜チャンバ内で基板を搬送しつつ、基板と
対向させ基板と隔置されたマグネトロンカソード前を連
続的に通過させて基板表面に薄膜を成膜する、所謂イン
ライン型スパッタリング装置のマグネトロンカソードに
も適用できる。インライン型スパッタリング装置におい
ては、本発明の回転磁石が裏面に配置されたターゲット
を基板搬送方向に対して垂直方向に複数個配することが
好ましい。
成を図4に模式的に示すが、基板110の搬送経路(Z
方向に移動)の上流側より順に、ローディング室120
と、バッファチャンバA130と、成膜チャンバ140
と、バッファチャンバB150とアンローディング室1
60とを連設して概略構成されており、これらの各室を
基板110が搬送手段(図示せず)により順次移動す
る。また、各室間にはドアバルブ121、131、14
1、151が設けられており、隣接する室との連結ある
いは室毎の密閉が行われる。スパッタリングの実施に際
して、基板110は、先ず大気圧下にあるローディング
室120で搬送手段に装着され、バッファチャンバA1
30に送られる。次いで、バッファチャンバA130の
室内を真空排気した後、ドアバルブ131を開けて基板
110を成膜チャンバ140に送る。成膜チャンバ14
0は所定の背圧に真空排気されており、スパッタ時には
ガスボンベ170から放電ガス(例えばAr)が供給さ
れる。また、成膜チャンバ140には複数基のターゲッ
ト180、180が基板110の搬送経路に沿って所定
間隔で配置されており、スパッタ時には各ターゲット1
80、180のカソードボディ(図示せず)に放電用電
源190、190から放電電力が供給される。そして、
基板110がこれらのターゲット180、180の前を
順次通過することにより、基板110の表面にはターゲ
ット180、180からのスパッタ粒子が堆積して薄膜
が形成される。次いで、成膜チャンバ140で成膜され
た基板110は、バッファチャンバB150内で大気に
開放された後、アンローディング室160に送られ、回
収される。このインライン型スパッタリング装置は、複
数枚の基板110を連続して処理できることから、生産
性が高く、現在主流になりつつある。本発明は、このタ
ーゲット180のマグネトロンカソードに、上記の回転
磁石1を備えるインライン型スパッタリング装置も同時
に提供するものである。
2 、In2 O3 、ZnO、Ga添加ZnO、Al添加Z
nO等の透明導電膜を成膜するための酸化物をターゲッ
ト材料とする。これらの材料はスパッタリングに際して
強磁場を必要とすることから、本発明の回転磁石1を備
えるマグネトロンカソードの使用は有利となる。
するが、本発明はこの実施例により何ら制限されるもの
ではない。 (実施例1)Nd−Feの粉末を用いて、図1に示した
平面形状に成形してNd−Fe系の永久磁石とし、回転
磁石を作製した。なお、各部の寸法は図5(A)に示す
通りであり、ヨーク4の重心Tに対して22.5mm離
間(D)した点Oを中心とし、第1の磁石2の外周面2
dを半径42mm(R1)の円弧で、また内周面2cを
半径30mm(R2)の円弧で形成し、一方第2の磁石
3の外周面3aを半径25mm(R3)の円弧で形成し
た。なお、第2の磁石3は同形状の2部材で構成した。
また、第1の磁石2の外周側の長軸寸法(L)を129
mm、冷却管挿通孔5(6)の直径を25mmとし、第
1の磁石2および第2の磁石3の厚みを40mmとし
た。また、ヨーク4には、厚さ10mmのSUS430
製の板を用いた。
磁石2の円弧の中心Oとヨーク4の重心Tとを通る直線
Kを0°として反時計回りに45°、90°および11
2.5°回転させた各位置にて、それぞれの半径に沿っ
て中心Oからの距離を変えてターゲット表面でのヨーク
4と水平な方向並びに垂直な方向における磁束密度を測
定した。また、ヨーク4の重心Tから第1の磁石2の2
つの円弧が交差した点Aへの方向についても同様に磁束
密度を測定した。各位置における水平方向の磁束密度の
変化を図6〜図10に、また垂直方向の磁束密度の変化
を図11〜図15にそれぞれ示す。尚、図6〜図9およ
び図11〜14において(図10および図15の横軸は
重心Tからの距離)、縦軸は磁束密度であり、横軸は中
心Oからの距離である。各図より、位置にかかわらず略
同様の磁束密度のプロファイルが得られており、回転磁
石1の磁気ギャップ全周にわたり磁力線が略均等に発生
していることがわかる。
(直径127mmのITOターゲットの裏面側)に設置
した。この時、ターゲット表面での磁束密度の垂直成分
がゼロの位置での磁束密度の水平成分は約0.1Tであ
った。そして、回転磁石をターゲットと平行な面内で回
転運動させながら、成膜チャンバ内に1.5vol%O
2 とArとからなるガスを供給するとともに(ガス圧:
0.39Pa)、カソードに1.0kWの放電電力を印
加し、基板の表面温度を280℃に維持してスパッタリ
ングを行った。そして、100kWh放電した後にター
ゲットを取り出し、その半径に沿ってエロージョン量を
測定した。結果を図16に示すが、半径方向においてエ
ロージョン量が極端に多い部分および極端に少ない部分
が無く、非エロージョン領域がなく、エロージョンされ
る主たる領域で略均一にエロージョンされていることが
わかる。また、ターゲットの成膜前後の重量差から、5
0%以上という高い有効利用効率であることがわかっ
た。
を用い、図21に示した平面形状と類似する形状で、か
つ長軸部の寸法が129mmの回転磁石を作製し、実施
例1のスパッタリング条件に準じてITO膜を成膜し
た。そして、同様に100kWh放電した後にターゲッ
トを取り出し、その半径に沿ってエロージョン量を測定
したところ、中心領域と外側領域とでエロージョン量に
大きな差が見られ、実施例1と比較してエロージョンむ
らが認められた。
を用い、図22に示した平面形状で、かつ長軸部の寸法
が129mmの回転磁石を作製し、実施例1のスパッタ
リング条件に準じてITO膜を成膜した。そして、同様
に100kWh放電した後にターゲットを取り出し、そ
の半径に沿ってエロージョン量を測定したところ、実施
例1と比較して中心に近い領域で極端にエロージョン量
が多くなっており、ターゲットの有効利用効率が低くな
くなっていた。
本発明の回転磁石を用いることにより、従来の永久磁石
を用いても従来同等以上の強磁場が得られ、また、ター
ゲットの非エロージョン領域を無くし、かつ材料利用率
を高くできることがわかる。また、実施例1の回転磁石
ではバッキングプレートの冷却を冷却管を用いて行うこ
とができたのに対し、両比較例の回転磁石では水中浸漬
による冷却を要した。このことから、本発明の回転磁石
では回転トルクの上昇や錆の発生を回避することも可能
である。
パッタリング装置のターゲット180として、実施例1
にて使用した回転磁石およびITOターゲットを備えた
マグネトロンカソード180aを、図17に示すよう
に、152.4mm間隔(中心間距離)で基板の搬送方
向と垂直方向に5個整列した第1列と、同様に4個整列
した第2列とを、第1列のマグネトロンカソード180
aの間隔の中心の線上に第2列のマグネトロンカソード
180aの中心が位置するように、互いに水平方向にず
らした配置とし、実施例1のスパッタリング条件に準じ
て全幅560mmのガラス基板上にITO薄膜を成膜し
た。なお、本実施例の場合、基板進行方向の上流側が第
1列である。得られたITO薄膜の膜厚分布を図18に
示すが、各マグネトロンカソード180aの対向部分を
頂部とする波が見られるものの、波の頂部と谷部との差
が小さく、また、波の幅が広くなっており、マグネトロ
ンカソード180a間の空所における補完効果が認めら
れ、均質で均一膜厚のITO薄膜を得ることができた。
分布修正板を用いることなく成膜でき、またターゲット
の非エロージョン領域がないことから、成膜時に発生す
るダストを著しく削減することができた。
従来の永久磁石を用いても従来同等以上の強磁場が得ら
れ、またターゲットの非エロージョン領域をなくすこと
ができ、ダスト発生源を低減できるとともに、エロージ
ョンされる主たる領域を略均一にエロージョンできるの
でターゲットの材料利用効率を高くすることができる。
更に冷却管挿通孔を形成可能であることから、従来のよ
うな水中浸漬による回転トルクの上昇や錆の発生の問題
も無い回転磁石が提供される。また、前記の回転磁石を
備えるマグネトロンカソードを組み込むことにより、安
価で、強磁場の生成が可能で、ターゲットの非エロージ
ョン領域をなくすことができ、ターゲットの材料利用効
率が高いインライン型スパッタリング装置が提供され
る。
す図である。
を示す図である。
す概略構成図である。
の寸法を示す図であり、同図(B)は磁束密度を測定し
た位置を示す図である。
表面でのヨークに水平な方向に磁束密度を測定した結果
を示すグラフである。
ト表面でのヨークに水平な方向に磁束密度を測定した結
果を示すグラフである。
ト表面でのヨークに水平な方向に磁束密度を測定した結
果を示すグラフである。
ーゲット表面でのヨークに水平な方向に磁束密度を測定
した結果を示すグラフである。
表面でのヨークに水平な方向に磁束密度を測定した結果
を示すグラフである。
ト表面でのヨークに垂直な方向に磁束密度を測定した結
果を示すグラフである。
ット表面でのヨークに垂直な方向に磁束密度を測定した
結果を示すグラフである。
ット表面でのヨークに垂直な方向に磁束密度を測定した
結果を示すグラフである。
ターゲット表面でのヨークに垂直な方向に磁束密度を測
定した結果を示すグラフである。
表面でのヨークに垂直な方向に磁束密度を測定した結果
を示すグラフである。
エロージョン量を測定した結果を示すグラフである。
ッタリング装置のターゲットの配置を示す平面図であ
る。
示すグラフである。
図である。
る。
図である。
Claims (4)
- 【請求項1】マグネトロンカソードのターゲットに対し
て平行な面内で回転可能に配置される回転磁石におい
て、内周面の周囲を包囲する外周面を有する筒状の永久
磁石からなり、前記内周面はターゲットと対向する平面
形状において2つの円弧または楕円弧を重ね合わせた略
8字状を呈する内周面である第1の磁石と、ターゲット
と対向する平面形状において前記第1の磁石の内周面と
略相似形をなす外周面を有する永久磁石からなる第2の
磁石とを、前記第1の磁石の内周面と前記第2の磁石の
外周面とを一定間隔で離間させてヨーク上に固定してな
ることを特徴とする回転磁石。 - 【請求項2】第1の磁石の外周面と内周面とが相似形を
なすことを特徴とする請求項1記載の回転磁石。 - 【請求項3】第2の磁石とヨークとを貫通する冷却管挿
通孔を有することを特徴とする請求項1または2記載の
回転磁石。 - 【請求項4】成膜チャンバ内で基板を搬送しつつ、基板
と対向させ基板と隔置されたマグネトロンカソード前を
連続的に通過させて基板表面に薄膜を成膜するインライ
ン型スパッタリング装置において、前記マグネトロンカ
ソードが請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転磁石
を備えることを特徴とするインライン型スパッタリング
装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000016112A JP2001207258A (ja) | 2000-01-25 | 2000-01-25 | 回転磁石およびインライン型スパッタリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000016112A JP2001207258A (ja) | 2000-01-25 | 2000-01-25 | 回転磁石およびインライン型スパッタリング装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001207258A true JP2001207258A (ja) | 2001-07-31 |
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ID=18543312
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000016112A Withdrawn JP2001207258A (ja) | 2000-01-25 | 2000-01-25 | 回転磁石およびインライン型スパッタリング装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001207258A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008542535A (ja) * | 2005-06-04 | 2008-11-27 | アプライド マテリアルズ ゲーエムベーハー アンド コンパニー カーゲー | スパッタ用マグネトロン |
| JP2010257516A (ja) * | 2009-04-23 | 2010-11-11 | Showa Denko Kk | マグネトロンスパッタ装置、インライン式成膜装置、磁気記録媒体の製造方法、磁気記録再生装置 |
| JP2010257515A (ja) * | 2009-04-23 | 2010-11-11 | Showa Denko Kk | マグネトロンスパッタ装置、インライン式成膜装置、磁気記録媒体の製造方法、磁気記録再生装置 |
| CN115287613A (zh) * | 2018-04-26 | 2022-11-04 | 京浜乐梦金属科技株式会社 | 溅射阴极、溅射阴极组件、以及溅射装置 |
-
2000
- 2000-01-25 JP JP2000016112A patent/JP2001207258A/ja not_active Withdrawn
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| JP2008542535A (ja) * | 2005-06-04 | 2008-11-27 | アプライド マテリアルズ ゲーエムベーハー アンド コンパニー カーゲー | スパッタ用マグネトロン |
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