JP2001294480A - セラミックス複合材料 - Google Patents
セラミックス複合材料Info
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Abstract
の曲げ強度を示すセラミックス複合材料の提供を目的と
する。 【解決手段】 A)酸化アルミニウム、B)酸化アルミ
ニウムと希土類金属酸化物との複合酸化物、又は、酸化
アルミニウムと希土類金属酸化物と酸化ジルコニウムと
の複合酸化物、C)酸化ジルコニウム、又は、酸化ジル
コニウムと希土類金属酸化物との複合酸化物の3つの酸
化物結晶相から構成される溶融凝固体であり、成分化学
組成が酸化アルミニウム、希土類金属酸化物及び酸化ジ
ルコニウムとして、それぞれ55〜80モル%、10〜
35モル%及び10〜35モル%の範囲内であるセラミ
ックス複合材料。
Description
の広い温度範囲に亙って機械的強度を維持し、1500
℃以上の高温に曝露される環境下においても、構造材料
や機能材料としての使用に耐えるセラミックス複合材料
に関する。
しては、SiC或いはSi3 N4 が期待され、その利用
に向けて多くの研究が為されてきた。しかしながら、こ
れらの材料は十分な高温特性を示さず、その実用化はす
すんでいない。その解決方法の一つとして、SEP社に
よって開発された化学気相含浸法によるSiC/SiC
複合材料が、現時点における世界最高の高温材料として
脚光を浴び、その利用についての研究開発が進められて
いる。しかし、この材料は、非酸化物系材料であること
から耐酸化特性に限界が在り、その使用温度は1400
℃以下とされており、この欠点の克服は本質的に困難で
ある。
酸化物系のセラミックスが存在する。しかし、酸化物系
セラミックスは、一般的に、高温で容易に変形するた
め、従来、高負荷の作用する環境下での構造材料として
は使えない欠点を有すると考えられている。しかし、酸
化物系セラミックスは、逆に、機械的特性を改善しこの
欠点を克服すれば、高温構造材料としての幅広い用途が
期待できると考えることもできるものである。
が改善された酸化物系セラミックスの開発を進め、既
に、酸化アルミニウム相と、酸化アルミニウム及び希土
類金属酸化物から構成される複合酸化物の相との複合相
の凝固体から成るセラミックス複合材料を提案してきた
(例えば、特開平7−149597号公報、特開平7-
187893号公報、特開平8−81257号公報、及
び、特開平9−67194号公報)。これらのセラミッ
クス複合材料は、従来の焼結材料の欠点である、高温に
おける強度の低下を克服した点で画期的なものである。
しかし、そこで開示されている材料の一つであるAl2
O3 −Y3 Al5 O12は、高温(1600℃)における
曲げ強度は410MPaであり、ガスタービンブレード
への応用を考えると、更に強度を向上することが必要で
ある。また、Al2 O3 −Er3 Al5 O12についても
同様でに強度を向上する必要がある。一方、Al2 O3
−Gd2 O3 系複合セラミックスは1600℃において
も優れた曲げ強度を示すが、この材料は融点が1760
℃であるため、1700℃以上の温度で使用できないと
いう問題がある。
品に比して更に優れた高温強度を示すセラミックス複合
材料の提供を目的とする。具体的には、1600℃〜1
700℃の温度において、例えば700MPa以上の曲
げ強度を示すセラミックス複合材料の開発を目的とす
る。
ミニウム、希土類金属酸化物、酸化ジルコニウムが単相
又は複合酸化物相の凝固体として存在する複合材料が、
上記課題の解決されたセラミックス複合材料となること
を見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、 A)酸化アルミニウム(A相)、 B)酸化アルミニウムと希土類金属酸化物との複合酸化
物、又は、酸化アルミニウムと希土類金属酸化物と酸化
ジルコニウムとの複合酸化物(B相)、 C)酸化ジルコニウム、又は、酸化ジルコニウムと希土
類金属酸化物との複合酸化物(C相)、 の3つの酸化物結晶相から構成される溶融凝固体であ
り、組成が酸化アルミニウム、希土類金属酸化物及び酸
化ジルコニウムとして、それぞれ55〜80モル%、1
0〜35モル%及び10〜35モル%の範囲内であるこ
とを特徴とするセラミックス複合材料に関する。以下
に、本発明を詳しく説明する。
は、化学成分として、酸化アルミニウム、希土類金属酸
化物、及び酸化ジルコニウムからなり、構造的には、こ
れら酸化物が単独で及び/又は他の酸化物との複合酸化
物を形成し、夫々が単結晶相または多結晶相として、コ
ロニーや粒界相を生成することなく分散して存在する凝
固体である。本発明者らは、酸化アルミニウム相と希土
類金属酸化物あるいは酸化アルミニウム及び希土類金属
酸化物の複合酸化物の相とを含む2相又は3相以上の酸
化物結晶相から構成される凝固体からなるセラミックス
複合材料について検討を進める過程で、予想外にも、酸
化アルミニウム相と、希土類金属酸化物あるいは酸化ア
ルミニウム及び希土類金属酸化物の複合酸化物の相と共
に、酸化ジルコニウム又は酸化ジルコニウム及び希土類
金属酸化物の複合酸化物の相を特定範囲内の量だけ共存
させると、従来の凝固体セラミックス複合材料と比べて
顕著に微細化された結晶組織が得られると共に、170
0℃の高温強度も顕著に向上することが可能であること
を見出し、本発明を完成した。酸化アルミニウム相と希
土類金属酸化物あるいは酸化アルミニウム及び希土類金
属酸化物の複合酸化物の相の2相から構成される凝固体
では、各結晶相の寸法は一般的に10μm 〜250μm
の大きさであるのに対して、本発明の3相系では一般的
に0.1〜10μm の大きさの微細な組織が得られ、こ
の結晶組織の相違は、例えば、図1(実施例)と図9
(従来例)の顕微鏡写真を比較対照すれば明らかであ
る。本発明者らの検討によれば、理由は明らかでない
が、酸化アルミニウム相と希土類金属酸化物あるいは酸
化アルミニウム及び希土類金属酸化物の複合酸化物の相
に対して、特定範囲内の量の酸化ジルコニウム又は酸化
ジルコニウム及び希土類金属酸化物の複合酸化物の相が
加わることにより、凝固体の結晶組織が顕著に微細化さ
れた。具体的には、このような微細な結晶組織を得るた
めには、凝固体の化学成分組成が、酸化アルミニウム、
希土類金属酸化物及び酸化ジルコニウムとして、それぞ
れ55〜80モル%、10〜35モル%及び10〜35
モル%の範囲内であることが必要である。上記範囲を外
れると、1相又は2相からなる粗大結晶部分が発生して
均一に微細な結晶組織を得ることはできない。本発明の
セラミックス複合材料の化学組成としては、酸化アルミ
ニウムと希土類金属酸化物と酸化ジルコニウムの三元共
晶組成であると、粗大結晶部分の発生をより容易に抑制
できる点で、最も好ましい。また、各成分組成がこの範
囲内であれば、三元共晶組成から外れても、作製条件を
変えることにより均一な組織を得ることが可能である
が、外れの程度が大きくなる程、均一組織の確保はより
困難になることから、各成分組成が、三元共晶組成から
±5モル%以内の範囲にあるのが好ましく、三元共晶組
成であるのが特に好ましい。本発明のセラミックス複合
材料は、製造条件を制御することによりコロニー、ボイ
ドのない均一な結晶組織とすることができる。また一般
的な焼結体に存在する粒界相は存在しない。さらに、製
造条件を制御することより、セラミックス複合材料を構
成する酸化物及び複合酸化物の3つの結晶相は、全てが
単結晶、2つの相が単結晶で他の相が多結晶、1つの相
が単結晶で他の相が多結晶、全ての相が多結晶の各組合
せからなるセラミックス材料を得ることができる。何れ
も特性的に十分なものを与えるが、強度の観点からは少
なくとも一つの相が単結晶で存在することが望ましく、
二つ以上の相が単結晶で存在すれば更に好ましい。な
お、本発明において「単結晶」とは、X線回折分析にお
いて特定の結晶面からの回折ピークのみが観察される状
態の結晶構造を意味する。本発明のセラミックス複合材
料の凝固体中において、A相はα−酸化アルミニウム単
独からなる結晶相である。B相は、酸化アルミニウムと
希土類金属酸化物との複合酸化物、又は、酸化アルミニ
ウムと希土類金属酸化物と酸化ジルコニウムとの複合酸
化物からなる結晶相である。希土類金属酸化物として
は、Y2 O3 ,Er2 O3 ,Dy2 O3 ,Ho2 O3 ,
Yb2 O3 ,Gd2 O3 ,Sm2 O3 ,La2 O3 ,C
e2 O3 ,Nd2 O3 ,Eu2 O3 ,Pr6 O11などが
挙げられる。酸化アルミニウムと希土類金属酸化物は、
希土類金属の種類に応じてガーネット構造、ペロブスカ
イト構造などの構造を有する複合酸化物を生成する。例
えば、酸化イットリウム、酸化エルビウムはガーネット
構造の複合酸化物を生成し、酸化ガドリニウムはペロブ
スカイト構造の複合酸化物を生成する。いずれも強度的
に優れたセラミックス複合材料であるが、ガーネット構
造の複合酸化物は耐熱性の点で特に優れている。B相の
酸化アルミニウムと希土類金属酸化物との複合酸化物
は、比較的容易に他の金属酸化物を固溶(置換も含む)
することができ、酸化ジルコニウムを固溶した三元の複
合酸化物として存在し得る。C相は、酸化ジルコニウム
単独相から成るか、又は酸化ジルコニウムと希土類金属
酸化物との複合酸化物から構成される。特に、酸化ジル
コニウムは酸化イットリウム、酸化セリウムなどの希土
類金属酸化物(但し、PrとLuは安定化効果が小さい
と言われている)が固溶してその固溶量に応じて安定化
されることが知られているので、これらの希土類金属酸
化物との複合酸化物は好適である。酸化ジルコニウムが
希土類金属酸化物によって安定化されると、機械的強度
が向上する。従って、本発明のセラミックス複合材料で
は酸化ジルコニウムが安定化されるのに十分な相対量の
希土類金属酸化物が含まれることが好ましい。とりわ
け、部分安定化ジルコニア、完全安定化ジルコニアと呼
ばれる組成は特に好ましい。しかし、これらに限定され
るわけではない。また、本発明のセラミックス複合材料
は、構成する酸化物以外の酸化物を添加して、本発明の
セラミックス複合材料を構成する酸化物の少なくとも1
つに固溶又は析出させる、あるいは相の界面に存在させ
て、機械的性質や熱的性質を変化させることも可能であ
る。特に、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどは酸
化ジルコニウムに固溶して安定化する作用があるので、
好適な添加物である。
あること、及び、製造においては減圧下空気中における
高温の工程を通ることから、本発明の複合材料の原料と
しては、各種金属塩等の使用も可能であるが、重量減少
が少なく有害物質を出さないこと、及び入手の容易さ等
種々の要因から、当然、酸化物が最も好ましい出発原料
物質である。
る粉体混合方法が、乾式、湿式を問わず利用できるが、
アルコールを媒体とするボールミル方法が最も好ましい
混合方法である。
媒・乾燥処理を行った後、坩堝に移し、溶融を行う。坩
堝はモリブデン製が使用出来る。この溶融温度は組成に
よって異なるが、例えばAl2 O3 、Y2 O3 、ZrO
2 の場合、1900〜2000℃である。加熱の雰囲気
は空気中でよいが、雰囲気圧力は減圧下で行うのが好ま
しく、300Torr以下、好ましくは10Torr以
下とするのが良い。溶融は所定温度までの加熱が可能で
あれば公知の加熱方法、例えばアーク溶融炉等を使用し
て実施できるが、後述する一方向凝固装置を兼用するの
も好ましい方法である。
装置にセットし、再度融解させ、溶融物を熱源から下方
に遠ざけながら冷却凝固させる一方向凝固処理を加え
る。この時、溶融物の熱源からの相対的移動が可能であ
れば、原料融解に使用した装置をそのまま使用し、引き
続き一方向凝固処理を加えて本件発明の凝結体を得るこ
とが出来る。溶融物を自然凝固させた後、一旦取り出
し、一方向凝固用の装置に移し替え、再度融解させた
後、一方向凝固処理を加えることも出来る。この場合に
は、融解装置から取り出した凝固体を粉砕処理を加え、
粉砕物を再度、凝固用坩堝に仕込んで一方向凝固させて
も良い。
入った坩堝を熱源から下方に一定速度で遠ざけながら凝
結させるが、熱源に対する溶融物の移動は相対的なもの
であり、熱源を上方に動かしても良いし、逆に熱源は固
定し坩堝を下方に動かしても良い。移動は、左右に行う
ことも出来る。一方向凝結における坩堝の熱源に対する
相対移動速度、すなわちセラミック複合材料の成長速度
は、速すぎると気泡またはボイドの生成を招き、高温下
における機械的特性に優れたセラミック複合材料が得ら
れず、逆に遅すぎると生産性が低くなる問題が生じるこ
とから、500mm/時間以下、好ましくは1〜100
mm/時間の範囲で、成分組成に応じて設定することに
なる。
い。強度発現に悪い影響を与える、凝固体中のコロニ
ー、気泡の発生を抑制することが出来るからである。1
0-3Torr以下の雰囲気は特に好ましく、凝固体中の
コロニー、気泡の生成が、電子顕微鏡では観察されなく
なる程度にまで抑制出来る。
て行うことができる。高周波誘導コイルを使用し金属製
坩堝で加熱する方法・装置が好適に使用できるが、坩堝
又はヒーターの少なくとも一方が上下方向又は左右方向
に移動可能にされる。また、真空ポンプに接続され、坩
堝の置かれた雰囲気を所定圧まで減圧できる構造となっ
ているものが好ましい。坩堝のみを排気ラインに接続さ
れた円筒状容器に入れ、容器外部からの加熱が可能な構
造にしても良いし、全体を、系内の減圧が可能なチャン
バー内にセットしても良い。尚、一方向凝固における条
件のコントロールの方法、すなわち、雰囲気圧力及び温
度、及び坩堝の移動速度調整は、公知の方法で行うこと
が出来る。
B,Cの各相は、島状にも存在しえるが、一般的に三次
元的連続組織を形成することができ、実質的に三次元的
連続組織をしている可能性が高い。凝固体の電子顕微鏡
による観察結果からは、凝固体中において、少なくとも
B相は凝固方向に配向して発達していると考えられる。
また、B相については、組成、条件によっては凝固方向
と垂直な方向への発達も認められ、この場合にはB相に
よる3次元のネットが形成されていると見られる。B相
間の間隙に存在するA、C相の形状についても、現時点
ではハッキリしないが、A相は、B相同様、凝固方向に
または凝固方向及び凝固方向と垂直な方向へ発達し3次
元のネットを形成しているとも見えるし、B相、C相間
の間隙を埋めるマトリックスとも見える。C相はB相同
様、凝固方向に発達している様に見える。このような凝
固体中の結晶相の構造は、構成酸化物の種類、凝固条件
などによって制御することができる。尚、本発明で言う
凝固方向とは、一方向凝固工程における、熱源に対する
溶融物すなわち坩堝の移動方向を意味する。
ミックス複合材料は、そのまま使用対象に使用すること
ができる。また、本発明において凝固体形状で得られる
セラミックス複合材料は、使用対象に対応したサイズ、
形状に加工した後、部材として、また、必要に応じて他
の部材と組合わせて、使用出来る。また、繊維状或いは
粉末状にして、超合金或いは各種セラミックスの分散強
化材として使用することも出来る。
く説明する。 実施例1 α−Al2 O3 粉末(純度:99.99%)、Y2 O3
粉末(純度:99.999%)、ZrO2 粉末(純度:
99.99%)をエタノール媒体中で24時間湿式ボー
ルミル混合した後エタノールを除去して、原料酸化物の
混合粉末を得た。配合比は、Al2 O3 /Y2 O3 /Z
rO2 =65.8/15.6/18.6モル%である。
混合粉末をモリブデン坩堝に仕込み、坩堝を加熱炉にセ
ットした。加熱炉は、高周波誘導コイルと、該コイルを
貫通して上下移動可能な坩堝支持台より構成され、全体
は、真空ポンプに接続され系内の減圧雰囲気化が可能と
なっているチャンバー内に設置されている。
し、チャンバー内を10-5Torrに維持しながら高周
波コイルを用いて誘導加熱し、坩堝内の混合粉末を溶融
した。パイロメータで測定された坩堝内溶融物の温度
は、1900℃であった。一方向凝固は、上記融解物を
チャンバーから取り出すことなく、溶融時と同一雰囲気
下で坩堝を50mm/時間の速度で降下しながら一方向
凝固させ、目的とする凝固体を得た。
織の電子顕微鏡写真を図1に示す。図1(ア)は200
0倍、図1(イ)は5000倍の写真である。図1
(ア)(イ)において、黒色部分がα- アルミナ相、灰
色部分がYAG(Y3 Al5 O12)相、白色部分がイッ
トリアを含んだジルコニア相である。白色部分は主にY
AG相の周囲とアルミナ相の中に島状に観測される。ま
た、電子顕微鏡写真で観察する限り、この凝固体には何
れの相においてもコロニーや粒界相が存在せず、更に気
泡やボイドも存在しない、すなわち構造的には欠陥のな
い組織より成り立っている。
パターンを図2に示す。この図から、上記凝結体の構成
相が、α−アルミナ、YAG及びイットリアを含んだジ
ルコニア相から成ることが確認される。図3には、凝固
体の凝固方向に垂直な面のX線回折結果を示す。α−ア
ルミナ相の(300)面、YAGの(400)面、(8
00)面、イットリアが固溶したジルコニア相の(20
0)、(220)、(400)面の存在が確認される。
この結果から、α−アルミナ相及びYAG相は単結晶体
であり、イットリア固溶ジルコニア相は多結晶体で存在
することが分かる。
ス社製の高温X線回折装置を使用し、昇温しながらX線
回折を行い、高温領域における相変化について検討し
た。図4にその結果を示す。室温(RT)と1500℃
では差異は認められず、本凝固体の構成各相が、室温〜
1500℃の温度範囲では、相変化を起こさないことを
示している。通常、ジルコニアセラミックスは、高温に
おいて単斜晶系から正方晶系への転移が起こり、機械的
特性の低下が問題となるが、本発明の凝固体では、イッ
トリアの存在によってジルコニアが安定化され、ジルコ
ニア相転移の問題が解決されているものと考えられる。
ストピースを切出し、インストロン社製、超高温素材物
理特性評価システムを使用し、高温における3点曲げ強
度を測定した。測定結果を表1に示す。本材料が、17
00℃においても、720MPaの曲げ強度を有してい
ることが分かる。尚、3点曲げ強度測定は、他のサンプ
ルについても、ここに示すものと同様の方法で行った。
を示す。希土類酸化物として酸化エルビウムを使用した
例を示す。α−Al2 O3 /Y2 O3 /ZrO 2 の配合
比を74.4/17.6/8.0モル%とした以外は、
実施例1と同様の方法で凝固体を得た。得られた凝固体
の凝固方向に垂直な断面組織の電子顕微鏡写真を図5に
示す。凝固体組織中に、50〜200μmの粗大粒が観
察されるが、この粗大粒は、Al2 O3 相およびYAG
相の2相から成り、ZrO2 (又はZrO2 /Y2 O 3
複合酸化物)相を含まないことが確認されている。この
複合材料の3点曲げ強度測定結果を表1に示す。160
0℃においても350MPaの強度しか示さず、実施例
1の材料に比し、この材料が特性的に劣ることが分か
る。
例を示す。イットリアに代えて酸化エルビウム(Er2
O3 、純度:99.999%)を使用し、α−Al2 O
3 /Er2 O3 /ZrO2 の配合比を65.9/15.
4/18.7モル%とし、且つ、一方向凝固工程におけ
る坩堝の降下速度を20mm/時間とした以外は、実施
例1と同様の方法で凝固体を得た。得られた凝固体の凝
固方向に垂直な断面組織の電子顕微鏡写真を図6に示
す。図6において、黒色部分がα−アルミナ相であり、
大きな白色部分がEr3 Al5 O12の組成を有するエル
ビウムアルミニウムガーネット(以下、EAGと称す)
相である。また、EAG相の周囲に存在しあるいは小さ
な点状に見える白色部分が酸化エルビウムを含んだジル
コニア相である。この凝固体においても実施例1の凝固
体同様、コロニーや粒界相の存在は確認されず、また気
泡やボイドの存在も確認されず、構造的には欠陥のない
組織より成り立っていることが分かる。
X線回折パターン測定結果を示す。観測される回折ピー
クは、α−アルミナ相の(006)面、EAGの(40
0)面及び(800)面、酸化エルビウムが固溶したジ
ルコニア相の(200)面が測定された。このことから
α−アルミナ相、EAG相、酸化エルビウム固溶ジルコ
ニア相は単結晶で存在することが分かる。該材料の、3
点曲げ強度測定結果を表1に示す。1700℃において
も、760MPa以上の強度を有する。
の例を示す。イットリアを添加せず、α−アルミナ/ジ
ルコニアの仕込み比を62.0/38.0モル%とした
以外は、実施例1と同様の方法で凝固体を得た。この凝
固体についても、昇温しながらX線回折を行い、高温領
域における相変化について検討した。結果を図8に示
す。この凝固体の3点曲げ強度測定結果を表1に示す。
1600℃においても380MPaの強度しか示さず、
実施例の材料に比し、この材料が特性的に劣ることが分
かる。なお、この比較例では、ジルコニアが希土類酸化
物で安定化されていないために、800℃で正方晶系の
回折ピークが観測され始め、ジルコニアの相転移の生起
が確認された。比較例3 ここではアルミナと希土類酸化物としてのイットリア
(Y2 O3 、純度:99.999%)のみを使用し、α
−Al2 O3 /Y2 O3 の配合比を82.0/18.0
モル%と、且つ、一方向凝固工程における坩堝の降下速
度を20mm/時間とした以外は、実施例1と同様の方
法で凝固体を得た。得られた凝固体の凝固方向に垂直な
断面組織の電子顕微鏡写真を図9(ア)に示す。図9
(ア)において、黒色部分がα−アルミナ相であり、大
きな白色部分がY 3 Al5 O12の組成を有するイットリ
ウムアルミニウムガーネット(YAG)相である。各結
晶相の寸法が10μm 〜100μm であり、本発明の実
施例を示す図1の写真を図9(ア)と同一縮尺で示した
図9(イ)と比較すると、本発明の凝固体の組織の微細
さが明らかである。この凝固体の3点曲げ強度の測定結
果も表1に示す。
強度、熱安定性が飛躍的に改善されたものであり、大気
中1700℃の高温においても約700MPa以上の高
い曲げ強度を示すものの提供も可能である。これは従来
存在しなかったものである。ジェットエンジンや発電用
タービンのタービンブレードを始めとする、過酷な雰囲
気に曝される各種高温材料として大きな改善効果をもた
らす。
な断面の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真。
ン。
ン。
直な断面の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真。
に垂直な断面の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写
真。
ン。
における粉末X線回折パターン。
垂直な断面の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真。
Claims (5)
- 【請求項1】 A)酸化アルミニウム(A相)、 B)酸化アルミニウムと希土類金属酸化物との複合酸化
物、又は、酸化アルミニウムと希土類金属酸化物と酸化
ジルコニウムとの複合酸化物(B相)、 C)酸化ジルコニウム、又は、酸化ジルコニウムと希土
類金属酸化物との複合酸化物(C相)、 の3つの酸化物結晶相から構成される溶融凝固体であ
り、成分化学組成が酸化アルミニウム、希土類金属酸化
物及び酸化ジルコニウムとして、それぞれ55〜80モ
ル%、10〜35モル%及び10〜35モル%の範囲内
であることを特徴とするセラミックス複合材料。 - 【請求項2】 前記3相の結晶相が均一に分布し、1相
又は2相の結晶相からなる粗大結晶部分がない請求項1
に記載のセラミックス複合材料。 - 【請求項3】 凝固体中にコロニー及びボイドが存在し
ない請求項1又は2に記載のセラミックス複合材料。 - 【請求項4】 少なくとも1つの結晶相が単結晶で構成
されている請求項1から3までの何れかに記載のセラミ
ックス複合材料。 - 【請求項5】 前記C相の酸化ジルコニウムが希土類金
属又は他の金属の酸化物で安定化されている請求項1か
ら4までの何れかに記載のセラミックス複合材料。
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