JP2001275684A - 組換え体イヌジステンパーウイルスおよびその作製方法 - Google Patents
組換え体イヌジステンパーウイルスおよびその作製方法Info
- Publication number
- JP2001275684A JP2001275684A JP2000098786A JP2000098786A JP2001275684A JP 2001275684 A JP2001275684 A JP 2001275684A JP 2000098786 A JP2000098786 A JP 2000098786A JP 2000098786 A JP2000098786 A JP 2000098786A JP 2001275684 A JP2001275684 A JP 2001275684A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- canine distemper
- distemper virus
- protein
- virus
- gene
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
能にする。 【解決手段】 イヌジステンパーウイルスのN蛋白質、
P蛋白質およびL蛋白質を発現する宿主にイヌジステン
パーウイルスゲノムを導入し、イヌジステンパーウイル
ス粒子を再構成する方法を確立したことにより、このウ
イルスの遺伝子操作を可能とした。
Description
テンパーウイルスとその製造方法に関する。
タチ科などの動物種に感染し、主に発熱、肺炎や気管支
炎などの呼吸器疾患、下痢、神経症状などの病態を示
し、古くからイヌの代表的な感染病の一つに挙げられて
いる。1960年代以来生ワクチンの接種によりジステンパ
ーの発症が制御されてきたが、近年わが国も含めた世界
的な発症率の上昇が報告されている。また、本来の宿主
とは異なるライオンなどのネコ科の動物やアザラシでの
自然発症や、近縁のウイルス種によるアザラシやイルカ
などの水棲哺乳類の大量死が話題になった。わが国にお
いても、近年の疫学調査によって野生の陸棲哺乳類や日
本近海の海棲哺乳類でイヌジステンパーウイルスおよび
その近縁種の感染が証明されている。イヌは家畜や愛玩
動物・伴侶動物として古来から社会生活上重要な働きを
果たしてきた。また、実験動物として生理学的・薬理学
的な研究、ヒトの疾患モデル、感染症の研究などに利用
され産業上の有効性は広く認知されている。従って、イ
ヌジステンパーウイルスの遺伝子操作系を確立すること
は、ワクチンの作製、ウイルス病原性の解明、遺伝子治
療等への応用の面で重要である。
mper Viru; CDV) はパラミクソウイルス科(Paramyxovi
ridae)、モービリウイルス属 (Morbillivirus)に分類さ
れる。イヌジステンパーウイルス粒子は多形性であり、
直径150 〜200nm のエンベロープを有し、中に翻訳の鋳
型とはならないゲノムRNA(以下、(-) 鎖RNA と称する)
を有している。ゲノム核酸の形態による分類では、イヌ
ジステンパーウイルスはRNA ウイルスの、一本鎖(-) 鎖
RNA ウイルスに属する。
としてもつウイルスは、そのゲノムがプラス鎖である
(+) 鎖RNA ウイルスおよびマイナス鎖である(-) 鎖RNA
ウイルスに分類される。一般的に、(+) 鎖RNA ウイルス
のゲノムRNA は細胞に導入した場合mRNAとしても機能
し、複製や粒子形成に必要な蛋白質を宿主細胞の翻訳機
能により生産することができる。すなわち、(+) 鎖RNA
ウイルスのゲノムRNA はそれ自体が伝播力を有する。こ
の明細書において「伝播力」とは、「感染や人工的な手
法で核酸が細胞内に導入されると、この核酸が複製後、
感染性粒子またはそれに準ずる複合体を形成し、別の細
胞に次々と伝播することのできる能力」をいう。一方、
(-) 鎖RNA ウイルスは、粒子内にRNA 依存性RNA ポリメ
ラーゼを保有し、これにより細胞内でゲノムRNA からア
ンチゲノムRNA と蛋白質翻訳に必要なmRNAが転写され
る。このように、(-) 鎖RNA ウイルスのゲノムはmRNAと
しては機能しないため、細胞に(-) 鎖RNA ゲノムのみを
導入しても遺伝情報の発現が起こらない。さらに、イヌ
ジステンパーウイルスなどの(-) 鎖RNA ウイルスでは、
裸のRNA はゲノムでもアンチゲノムでもRNA ポリメラー
ゼの鋳型とならず、転写や複製の鋳型になるには、N蛋
白質、P蛋白質およびL蛋白質が必要であり、このこと
が(-) 鎖RNA ウイルスのcDNAからウイルスを生成させる
際の障害となっていた。
イルス機能の遺伝的解析によるウイルス病原性の解明、
抗ウイルス剤の開発やワクチンの作製、あるいは遺伝子
治療用ベクターの開発等に重要である。そのためには、
ウイルス粒子の再構成のための手法が確立している必要
がある。すなわち、ウイルスゲノムの改変や外来性遺伝
子の導入などを行うには、DNA レベルでの遺伝子操作が
必要なので、遺伝子を改変した、あるいは外来遺伝子を
組み込んだウイルスcDNAからウイルス粒子が再構成され
なければならない。ここで、「ウイルス粒子の再構成」
とは、ウイルスゲノムの核酸を人工的に作製し、試験管
内または細胞内において、もとのウイルスまたは組換え
体ウイルスを作製することを意味する。
イルスに所望の外来性遺伝子を導入したり、ウイルスの
特定の遺伝子を欠失させたり改変させたりしたウイルス
を作製することが可能となる。
イルスの遺伝子操作が可能になれば、ウイルスの機能を
遺伝学的に解析するための重要な技術となり、疾病の予
防、治療等にきわめて有用である。例えば、イヌジステ
ンパーウイルス野外流行株の抗原性に関与する遺伝子ま
たはその一部が決定されれば、その部分を組換えたウイ
ルスの作製が可能となる。また、他種ウイルス、細菌や
寄生虫などの病原性に関与する遺伝子であれば、組換え
イヌジステンパーウイルスとの多価ワクチンの製造が可
能である。あるいは、ウイルス核酸の複製メカニズムが
解明されれば、その宿主細胞内の核酸複製機構との差を
利用して、宿主細胞へのダメージの少ない、核酸の複製
を作用点とした抗ウイルス剤を開発することが可能であ
る。また、ウイルス遺伝子のコードする蛋白質がどのよ
うな機能を有するかを解明することにより、ウイルス粒
子感染能や、ウイルス粒子形成能に係わるウイルス由来
あるいは細胞由来の蛋白質をターゲットとした抗ウイル
ス剤を開発することもできよう。
われており、続いてRNA ウイルスのうち(+) 鎖RNA ウイ
ルスにおいてcDNAからのウイルス生成が行われた。(-)
鎖RNA ウイルスの再構成については、cDNAを経由したウ
イルス粒子再構成は困難であった。前述したように、
(-) 鎖RNA ウイルスのRNA (vRNA; viral RNA) またはそ
の相補鎖 (cRNA; complementary RNA)を単独で細胞内に
導入しても(-) 鎖RNA ウイルスが生成されないことが明
らかにされている。(-) 鎖RNA ウイルスの再構成に関し
ては、8分節ゲノムを有するインフルエンザウイルスお
よびラブドウイルス科に属する狂犬病ウイルスにおいて
cDNAからのウイルス生成の報告があるが、製造効率の面
で十分ではなく、また天然型ウイルスや組換え型ワクシ
ニアウイルスを同時に感染させておりそれらのウイルス
の分離が容易でないという問題があった。さらに、セン
ダイウイルスにおいてcDNAからウイルスを再構成したこ
とが開示されている(国際出願公開WO97/16539およびWO
96/03068) が、イヌジステンパーウイルスの再構成系は
確立していなかった。
よいイヌジステンパーウイルス再構成系を確立し、イヌ
ジステンパーウイルスの遺伝子操作を可能にすることで
ある。
テンパーウイルス全長のcDNAを得て、細胞内で(+)鎖イ
ヌジステンパーウイルスRNA が生合成されるようなプラ
スミドを構築し、これを転写複製に関するcDNA群を発現
している細胞内に導入することにより、イヌジステンパ
ーウイルスcDNAよりイヌジステンパーウイルス粒子を再
構成することに初めて成功し、本発明を完成した。核酸
からウイルス粒子の再構成が効率よくできれば、外来遺
伝子の導入、特定のウイルス遺伝子の欠失や改変などを
容易に行うことができる。すなわち、イヌジステンパー
ウイルスの遺伝子操作が可能となる。
失もしくは改変されたゲノムを保持し、伝播力を有する
組換え体イヌジステンパーウイルス。 (2) 1以上のイヌジステンパーウイルスゲノムの遺伝子
が改変されている、(1)に記載の組換え体イヌジステン
パーウイルス。 (3) 宿主内で発現可能な外来遺伝子を有する、(1) また
は(2) に記載の組換え体イヌジステンパーウイルス。 (4) イヌジステンパーウイルスを構成する機能蛋白質遺
伝子間に人為的に制限酵素認識配列を配置している(1)
に記載の組換え体イヌジステンパーウイルス。 (5) 各制限酵素認識配列中に外来遺伝子が挿入されてい
るか、または各制限酵素認識配列間の遺伝子が交換、欠
失もしくは改変されている、(4) 記載の組換え体イヌジ
ステンパーウイルス。 (6) (1) ないし(5) のいずれかに記載の組換え体イヌジ
ステンパーウイルスに含まれるRNA またはcRNA。 (7) (6) 記載の組換え体イヌジステンパーウイルスゲノ
ムRNA またはcRNAを転写しうる鋳型cDNAを含むDNA 。 (8) イヌジステンパーウイルスのN蛋白質、P蛋白質お
よびL蛋白質 (各蛋白質は同等の活性を有する蛋白質で
もよい) を発現する宿主に、所望の外来遺伝子を含むか
または所望の遺伝子が欠失もしくは改変されたイヌジス
テンパーウイルスゲノムRNA またはcRNAを導入すること
を含む、伝播力を有する組換え体イヌジステンパーウイ
ルスの製造方法。 (9) イヌジステンパーウイルスのN蛋白質、P蛋白質お
よびL蛋白質 (各蛋白質は同等の活性を有する蛋白質で
もよい) を発現する宿主に、所望の外来遺伝子を含むか
または所望の遺伝子が欠失もしくは改変されたイヌジス
テンパーウイルスゲノムRNA またはcRNAを転写しうる鋳
型cDNAを含むDNA と、該DNA を鋳型として細胞内で前記
RNA を転写しうるユニットとを導入することを含む、伝
播力を有する組換え体イヌジステンパーウイルスの製造
方法。 (10)(a) イヌジステンパーウイルスのゲノムRNA または
cRNAを転写しうる鋳型cDNAを含むDNA と、(b) 該DNA を
鋳型として試験管内または細胞内でRNA を転写しうるユ
ニットとを含むキット。 (11)(a) イヌジステンパーウイルスのN蛋白質、P蛋白
質およびL蛋白質 (各蛋白質は同等の活性を有する蛋白
質でもよい) を発現する宿主、(b) イヌジステンパーウ
イルスのゲノムRNA またはcRNAを転写しうる鋳型cDNAを
含むDNA 、および(c) 該DNA を鋳型として試験管内また
は細胞内でRNA を転写しうるユニットを含むキット。 (12)宿主に(3) に記載の組換え体イヌジステンパーウイ
ルスを感染させ、発現した外来性蛋白質を回収する工程
を含む、外来性蛋白質の製造方法。 (13) (3)に記載の組換え体イヌジステンパーウイルスを
感染させた動物から体液を回収することによって得られ
る、発現した外来性蛋白質を含む体液。 (14)(1) ないし(3) のいずれかに記載の組換え体イヌジ
ステンパーウイルスを感染させた動物から採取される組
織、細胞および体液。 (15)(1) ないし(3) のいずれかに記載の組換え体イヌジ
ステンパーウイルスを感染させた動物から採取される、
外来遺伝子がコードする蛋白質または改変されたウイル
ス遺伝子がコードする蛋白質に対する抗血清。
組換え体イヌジステンパーウイルス粒子の再構成を行
い、伝播力を有する組換え体イヌジステンパーウイルス
を得ることができる。すなわち、本発明の組換え体イヌ
ジステンパーウイルスは、(1) 遺伝子工学的操作によ
り、外来遺伝子を含むか、ある遺伝子が欠失もしくは改
変されるように製造した組換え体イヌジステンパーウイ
ルスゲノムRNA もしくはcRNAのcDNA、および(2) このDN
A を鋳型として細胞内でRNA を転写しうるユニットを、
イヌジステンパーウイルスまたは近縁種ウイルスのN蛋
白質、P蛋白質およびL蛋白質(各蛋白質は同等の活性
を有する蛋白質でもよい)を同時に発現する宿主に導入
することによって得ることができる。この場合、例え
ば、(1) は特定のプロモーター下流に接続されており、
(2) はこの特定のプロモーターに作用するDNA 依存性RN
A ポリメラーゼを発現するDNA である。
遺伝子を含むか、ある遺伝子が欠失もしくは改変される
ように製造した組換え体イヌジステンパーウイルスゲノ
ムRNA もしくはcRNAのcDNAを試験管内であらかじめ転写
して組換え体イヌジステンパーウイルスゲノムRNA を製
造しておき、これをイヌジステンパーウイルスまたは近
縁種ウイルスのN蛋白質、P蛋白質およびL蛋白質(各
蛋白質は同等の活性を有する蛋白質でもよい)を同時に
発現する宿主に導入することによって得てもよい。
スの製造において、外来性遺伝子を導入するか、また所
望の遺伝子を欠失もしくは改変するための材料として使
用できるイヌジステンパーウイルスとしては、例えばOn
dersteproot 株、Yanaka株等のイヌジステンパーウイル
スに分類される株であればよい。また、合成したオリゴ
ヌクレオチド等も材料の一部として利用することができ
る。
イルスの複製に関与するリーダー配列とトレーラー配列
を両端にもち、その間にウイルスの構成蛋白質をコード
するN、P、M、F、HおよびL遺伝子を有する。N蛋
白質は3'端から順にウイルスRNA に結合し包装する。P
遺伝子からはP蛋白質、V蛋白質、C蛋白質の3種類の
蛋白質が生成され、P蛋白質はRNA ポリメラーゼの小サ
ブユニットとしてウイルスの転写複製に関与しているこ
とが明らかになっているが、他の蛋白質についてはよく
分かっていない。L蛋白質はRNA ポリメラーゼの大サブ
ユニットとして機能している。他にウイルス粒子構造を
内側から支えるM蛋白質、宿主細胞への侵入に関わるF
蛋白質とH蛋白質がある。
ジステンパーウイルスからゲノムRNA を調製し、そのcD
NAを作製する。cDNAは特定のプロモーター下流に接続さ
れ、cDNAの接続する向きによってゲノムRNA またはcRNA
が転写される。このcDNAに遺伝子工学的操作により、所
望の外来性遺伝子を挿入したり、所望のゲノム遺伝子が
欠失したり改変されるような操作を施す。得られる組換
え体イヌジステンパーウイルスが伝播力を保持する限
り、任意の部位に任意の外来性遺伝子が挿入されていて
も、またいかなるゲノム遺伝子が欠失もしくは改変され
ていてもよい。挿入される外来性遺伝子としては、宿主
内で発現可能な、ウイルス、細菌および寄生虫の病原性
を惹起する各種蛋白質をコードする遺伝子や、各種サイ
トカインをコードする遺伝子、各種ペプチドホルモンを
コードする遺伝子等が挙げられる。挿入した外来性遺伝
子の発現量は、遺伝子挿入の位置や遺伝子前後のRNA 塩
基配列により調節しうる。また、ウイルスの免疫原性に
関する遺伝子を不活化したり、RNA の転写効率や複製効
率を高めるために、イヌジステンパーウイルスのRNA複
製に関与する一部の遺伝子を改変してもよい。さらに、
イヌジステンパーウイルス野外流行株の遺伝子と部分的
に交換することで、病原性に関与する領域を探索するこ
とも可能である。
パーウイルスゲノムのcDNAを作成する際に、ウイルスを
構成する蛋白質をコードするN、P、M、F、Hおよび
L遺伝子の各遺伝子間に制限酵素認識配列を配置してお
く。そうすることにより、外来遺伝子の挿入が容易に行
われ、最適な外来蛋白質の発現を示す部位を選ぶことが
可能である。また、イヌジステンパーウイルスの他株や
他種ウイルスの遺伝子との交換を容易に行うことができ
る。
ジステンパーウイルスゲノムのcDNAを、このDNA を鋳型
として細胞内でRNA を転写しうるユニットと共に、イヌ
ジステンパーウイルスのN蛋白質、P蛋白質およびL蛋
白質を同時に発現する宿主に導入することにより、組換
え体ウイルスを生成させる、すなわち組換え体ウイルス
を再構成させる。
トとしては、特定のプロモーターに作用するDNA 依存性
RNA ポリメラーゼを発現するDNA であればよく、遺伝子
操作を施したイヌジステンパーウイルスゲノムのcDNAは
この特定のプロモーター下流に接続されている。このユ
ニットの具体例としては、例えばT7RNA ポリメラーゼを
発現する組換えワクシニアウイルス、または培養細胞が
ある。
は、イヌジステンパーウイルスまたはその近縁種ウイル
スの転写複製酵素群をすべて発現する宿主、すなわちN
蛋白質、P蛋白質およびL蛋白質を同時に発現する宿主
であればよい。例えば、これらの蛋白質をコードする遺
伝子を染色体上に有する細胞を用いるか、あるいは適宜
細胞にN蛋白質、P蛋白質およびL蛋白質の各蛋白質を
コードする遺伝子を有するプラスミドを導入したもので
もよい。好適には、適宜N遺伝子、P遺伝子、L遺伝子
を有するプラスミドを導入した293 細胞またはB95a細胞
が使用できる。
してRNA を転写しうるユニットと共に宿主に導入する方
法以外に、cDNAを予め試験管内でRNA に転写しておき、
これを宿主に導入して組換え体ウイルスを再構成させて
もよい。例えば、バクテリオファージ由来のT7やT3プロ
モーターの下流に遺伝子があれば、それぞれT7RNA ポリ
メラーゼやT3RNA ポリメラーゼで直接試験管内でRNA を
転写させることができる。
に改変した組換え体イヌジステンパーウイルスを作製す
ることができる。従って、例えば、イヌジステンパーウ
イルスの野外流行株の抗原性に関与する遺伝子またはそ
の一部を決定して、その部分を組換えたウイルスを作製
したり、また、病原性に関与する部分を欠失、改変する
などにより人為的弱毒化ワクチンを製造したり、他種ウ
イルスや細菌、寄生虫などの病原性に関与する遺伝子を
挿入して組換えイヌジステンパーウイルスの多価ワクチ
ンを製造したりできる。あるいは、ウイルス核酸の複製
メカニズムの解明により、その宿主細胞内の核酸複製機
構との差を利用した抗ウイルス剤を開発できる。また、
ウイルス蛋白質の機能を解明することにより、ウイルス
粒子感染能や、ウイルス粒子形成性に係わるウイルス由
来あるいは細胞由来の蛋白質をターゲットとした抗ウイ
ルス剤の開発を行うことができる。さらに、RNA の複製
に関与する遺伝子を改変して遺伝子治療用ウイルスベク
ターを作製することができる。
蛋白質をコードする外来性遺伝子を挿入した組換え体イ
ヌジステンパーウイルスを作製し、これを適宜細胞に感
染させ、発現した外来性遺伝子産物を回収する。使用で
きる細胞は、イヌジステンパーウイルスが感染する細胞
であれば任意のものでよいが、例えば、培養された哺乳
動物細胞などが好ましい。培養細胞を用いた場合、発現
した蛋白質は培養液から常法により回収すればよい。
の遺伝子が欠失もしくは改変された組換え体イヌジステ
ンパーウイルスを、動物に感染させ、この動物から組
織、細胞または体液を採取することにより、例えば、抗
血清を作製し、治療や診断に応用することができる。組
換え体ウイルスを感染させる動物としては、イヌやフェ
レット等が例示され、採取する組織、細胞としては脾臓
やリンパ節など、採取する体液としては血液やリンパ
液、髄液等が挙げられる。具体例としては、ウイルスや
細菌の病原性に関与する遺伝子を挿入した組換え体ウイ
ルスをイヌに感染させ、血清を得て、この遺伝子がコー
ドする蛋白質に対する抗体を含有する抗血清を製造し
て、ELISA や中和試験に使用することができる。
DV(5+)の作製イヌジステンパーウイルスの野外株Ya
naka株 (本発明者により発症犬より分離) のゲノム遺伝
子配列を配したイヌジステンパーウイルスcDNAを作製し
た。
トレーラー配列、およびウイルスを構成する蛋白質をコ
ードするN,P,M,F,H,L の各遺伝子をそれぞれ PCR法を行
って増幅した。PCR 法で用いたプライマーは、ウイルス
を構成する蛋白質をコードする6種類の遺伝子の両端
に、人工的に制限酵素認識配列を配置した増幅DNA 断片
が得られるように設計した。PCR 法で用いたプライマー
は以下の通りである (配列番号1〜12)。 N遺伝子: 配列番号1:5' GACGTCCGTCAGGGTTCAGACCTACCAGTATGGCT
AGCCTTCTTAAG 3' (BsiWI 部位を含む) 配列番号2:5' ACCTCGAGGCCGGCCTTAATTGAGTAGCTCTCT
3' (FseIとXhoI部位を含む) P遺伝子: 配列番号3:5' GCCTCGAGGTGTTACATCAGTCACCA 3' (Xho
I 部位を含む) 配列番号4:5' TATCTAGAGTTTAAACTTAAGCATGTGTGATACT
3' (PmeIとXbaI部位を含む) M遺伝子: 配列番号5:5' ACTCTAGATAATCTATTAACAGGTTCA 3' (Xba
I 部位を含む) 配列番号6:5' TAACGCGTTAGAGAATTTTGAAAAG 3' (MluI
部位を含む) F遺伝子: 配列番号7:5' TAACGCGTTAGTTCATGAACTAAAACTC 3' (Ml
uI部位を含む) 配列番号8:5' GTGGTACCGCGATCGCTCAGAGTGATCTTACATA
3' (SgfIとkpnI部位を含む) H遺伝子: 配列番号9:5' GCGGTACCACGTCTTACCTGATTGTTA 3' (kpn
I 部位を含む) 配列番号10:5' GAGTCGACTTAATTAACTATCAAGGTTTTGAACG
3' (PacIとSalI部位を含む) L遺伝子: 配列番号11:5' AAGTCGACTCTCAATTGAACTTAAGGA 3' (Sal
I 部位を含む) 配列番号12:5' TGGCGGCCGCAGGGTTAGGATCCAGACC 3' (No
tI部位を含む) ウイルスを構成する蛋白質をコードする6種類の遺伝子
は順次連結して、リーダー配列とトレーラー配列を除く
イヌジステンパーウイルスゲノムcDNAを構築した。リー
ダー配列とトレーラー配列はそれぞれオリゴヌクレオチ
ドを生合成し、pMDBl プラスミド(Baron MD and Barret
t T, J.Viorol. 1997, 71(2)1265-1271)のT7プロモータ
ーとリボザイム遺伝子間に挿入した。すなわち、T7プロ
モーター、リーダー配列、トレーラー配列、リボザイム
遺伝子、T7ターミネーターの順に保持するプラスミドを
作製した。このプラスミドのリーダー配列とトレーラー
配列間に、リーダー配列とトレーラー配列を除くイヌジ
ステンパーウイルスゲノムcDNAを挿入して、プラスミド
pCDV(7+)を作製した。さらにリーダー配列内にある
制限酵素 BsiWI配列と、トレーラー配列内にある制限酵
素NotI配列をイヌジステンパーウイルス遺伝子本来の配
列に再置換を行って、最終的にプラスミドpCDV(5+)
を作製した。図1および図2にプラスミドpCDV(5+)
の作製の概略と構成を示す。
構成実験 組換えイヌジステンパーウイルスの再構成実験は以下の
通りに行った。6ウエルプレートに通常のトリプシン処
理を施した 293細胞を1ウエル当たり1,000,000 個と5
%ウシ胎児血清を含むDulbecco-MEM培地2mlを添加し、
5%CO 2 、37℃の条件下で24時間培養した。培養液を取
り除き、多重感染度(moi、multiplicity of infection)
が2になるように調整した、T7RNA ポリメラーゼを発現
する組換えワクシニアウイルスMVA-7 を0.2 mlのPBS に
懸濁したものをウエルに添加した。10分間毎にウイルス
液が全体に行き渡るようにプレートを揺らし、30分間感
染を行った。ウイルス液を除去し、このウエルに2mlの
培地を添加した後、0.2 mlのcDNA溶液を滴下した。cDNA
溶液の調製は以下のように行った。
なるプラスミドpGEM-NP 、pGEM-P、pGEM-Lをそれぞれ1
μg、1μg、0.1 μgを1.5 mlのサンプリングチュー
ブにとり、さらにpCDV(5+) を1μgと滅菌蒸留水を加
えて核酸溶液10μlを調製した。他方、別のサンプリン
グチューブの中にDulbecco-MEM培地0.17mlを準備して、
20μlのFugene6(ベーリンガーマンハイム社製) を滴下
し混合後、この状態で室温で15分間静置した。調製した
溶液は上記核酸溶液と調合し、さらに室温で10分間静置
してcDNA溶液とした。cDNA溶液200 μlをウエル内の培
地に滴下し、静かに攪拌した。
CO2 、37℃の条件下で培養した。その後、ウエルから1
mlの培地を取り除き、プレートを−80度で3時間凍結さ
せた。次に室温に戻し融解させ、細胞破砕成分を含む懸
濁液を得た。あらかじめ、6ウエルプレートにB95a細胞
を1ウエル当たり1,000,000 個と5%ウシ胎児血清を含
むRPMI1640培地を添加しておき、そのウエルに400 μl
の細胞破砕成分を含む懸濁液を滴下した。プレートを24
時間、5%CO2 、37℃の条件下で培養した後、培地を5
%ウシ胎児血清を含むRPMI1640培地と交換してさらに72
時間同条件下で培養した。イヌジステンパーウイルスの
生成の判定は、イヌジステンパーウイルスの感染によっ
てB95a細胞に現れる細胞傷害性効果(CPE、cytopathogen
ic effect)を指標とした。
の判定 イヌジステンパーウイルス全長をコードする遺伝子が挿
入されたpCDV(5+) から再構成される組換えイヌジステ
ンパーウイルスは、人工的に配置した5種類の制限酵素
認識配列をそれぞれの遺伝子間に持つ。このことを利用
した簡便な組換えイヌジステンパーウイルスCDV (5+)
の判定を標準的なRT-PCR法(reverse transcriptase-pol
ymerase chain reaction) を検討した。
胞に感染させ、CPE が観察された後に細胞を遠心管に移
し、2,000rpm、5分間、4℃で遠心を行い細胞を回収し
た。この細胞からIsogen (日本ジーン社製) でRNA を精
製し、試料とした。組換えイヌジステンパーウイルス感
染細胞から精製されたRNA の対照試料として、イヌジス
テンパーウイルス野外株Yanaka株感染細胞からRNA を得
て、DNase 処理を施した。これらのRNA 試料をPCR 反応
の鋳型として用いる場合、一部は逆転写酵素とランダム
プライマーによる逆転写反応によって合成させたcDNAを
用い、一部はRNA 試料のままPCR 反応に供した。PCR の
対照試料として、pCDV(5+) 、牛疫ウイルスRBOK株全長
をコードする遺伝子を含むプラスミド、滅菌蒸留水を準
備した。反応に用いるプライマーとして、イヌジステン
パーウイルスのN遺伝子とP遺伝子間を増幅するプライ
マー (配列番号:13および14) と、P遺伝子とM遺伝子
間を増幅するプライマー (配列番号:15および16) の2
対を準備した。PCR 反応は94℃・1分、55℃・1分、72
℃・1分を1サイクルとして33サイクル連続して行っ
た。PCR 反応後、1%アガロースゲルで増幅されたDNA
断片を視覚化した。 プライマー配列 配列番号13:5'GTGTCAGAAATAGCATCCAAG 3' 配列番号14:5'CAGTTGACTTGAGTGCAGAT 3' 配列番号15:5'ATTGACAAAGAGTCTAGCTC 3' 配列番号16:5'ATGCCCAAATTACCTCGGCT 3' 結果を図3の左側に示す。
とも、pCDV(5+) 、組換えイヌジステンパーウイルス感
染細胞RNA およびイヌジステンパーウイルス野外株Yana
ka株で目的とする大きさのDNA 断片が認められ、選択し
たプライマーはイヌジステンパーウイルスに対して特異
的に増幅すること、組換えイヌジステンパーウイルス感
染細胞RNA 試料において再構成に使用したpCDV(5+) の
混在が認められなかったことが明らかになった。さら
に、pCDV(5+) 、組換えイヌジステンパーウイルス感染
細胞RNA およびイヌジステンパーウイルス野外株Yanaka
株を試料として得られたDNA 断片を精製して、pCDV(5
+) のN遺伝子とP遺伝子間に人工的に配置した制限酵
素認識配列を切断するXhoIと、P遺伝子とM遺伝子間に
配置した制限酵素認識配列を切断するXbaIでそれぞれの
遺伝子断片を切断した。その結果を図3の右側に示す。
ウイルス感染細胞RNA から増幅されたDNA 断片は、それ
ぞれの制限酵素によって切断されて一致したパターンを
示したが、イヌジステンパーウイルス野外株Yanaka株感
染細胞RNA から増幅されたDNA 断片では両者とも切断が
みられなかった。
ステンパーウイルス再構成系で、ウイルスを再構成する
ことができたことが明らかである。さらに、上記の方法
は簡便な組換えイヌジステンパーウイルスCDV (5+) の
判定に有効である。
イルスの複製能の検討 再構成させた組換えイヌジステンパーウイルスCDV (5
+) と、もととなったイヌジステンパーウイルス野外株
Yanaka株との培養細胞での複製能を検討した。
を施したB95a細胞を1ウエル当たり700,000 個と2%ウ
シ胎児血清を含むRPMI1640培地1mlを添加し、5%C
O2 、37℃の条件下で1時間培養して、細胞をプレート
に吸着させた。培養液を取り除き、moi が0.001 になる
ように調整した、組換えイヌジステンパーウイルスと野
外株Yanaka株をそれぞれを0.2 mlのPBS に懸濁したもの
をウエルに添加した。10分間毎にウイルス液が全体に行
き渡るようにプレートを揺らし、1時間感染を行った。
ウイルス液を除去し、このウエルに1.5 mlの培地を添加
した後、5%CO2 、37℃の条件下で培養を行った。感染
細胞を培地ともども、6、12時間、1日、2日、3日、
4日、5日、6日、7日後に回収した後、凍結融解を3
回繰り返し行った。さらに氷冷で超音波破砕後、3000rp
m 、10分間遠心してウイルス試料とした。あらかじめB9
5a細胞を96ウエルプレートに1ウエル当たり30,000個と
2%ウシ胎児血清を含むRPMI1640培地0.11mlを添加し
た。ウイルス試料は10倍から1,000,000 倍に希釈して0.
1 mlを上記B95a細胞と混合した。培養細胞中に現れたCP
Eを指標としてウイルス濃度を決定し、ウイルスの複製
能を測定した。その結果を図4に示す。
CDV (5+) は元株Yanaka株と同様の複製能を再現した。
テンパーウイルスの再構成と複製能の検討 イヌジステンパーウイルスの構成遺伝子の一つであるP
遺伝子からP蛋白質、V蛋白質、C蛋白質の3つの蛋白
質が翻訳されることが知られている。そのうちV蛋白質
は、P遺伝子(P mRNA)の中途に1G残基が挿入されたV mR
NAから翻訳され、前半部はP蛋白質と一致し、後半部は
別のアミノ酸配列を持つ。イヌジステンパーウイルスで
はP mRNAが7に対してV mRNAが3の割合で転写される。
V蛋白質は病原性に関与していることが報告されてい
て、例えばセンダイウイルスマウス感染実験においてV
蛋白質欠損ウイルスは弱毒化し、重篤な病原性を示さな
かった。そこで、P遺伝子を改変してV mRNAの発現を欠
損させた組換えイヌジステンパーウイルスの作出を以下
のようにして行った (図5参照) 。
むプラスミドpCDV(5+) のP遺伝子のRNA 編集領域 AAA
AAGGG(2485〜2492) をAAGAAAGGにQuick Change site-di
rected mutagenesis kit (Stratagene社) を用いて変異
させ、プラスミドpCDV(5+)dV を作製した。実施例2に
記載の方法に従って293 細胞に導入し、B95a細胞で組換
えイヌジステンパーウイルスCDV (5+)dV を再構成させ
た。次いで、実施例3に記載の方法により、組換えイヌ
ジステンパーウイルスであることを確認した。さらに、
組換えイヌジステンパーウイルスのP遺伝子の変異部位
の確認は定法のRT-PCR法で以下のようにして行った。
スを感染させ、CPE が観察された後に細胞を遠心管に移
し、2,000rpm、5分間、4℃で遠心を行い細胞を得、こ
の細胞からIsogen (日本ジーン社製) でRNA を精製する
ことより行う。試料としては、プラスミドpCDV(5+) か
ら再構成させた組換えイヌジステンパーウイルスとプラ
スミドpCDV(5+)dV から再構成させた組換えイヌジステ
ンパーウイルスを用意した。プライマーとしてはP遺伝
子のRNA 編集領域を含む領域を増幅するプライマー (配
列番号:17および14) を用いた。RNA 試料は、一部は
(1) 逆転写酵素とプライマー (配列番号:18) で、一部
は(2) 逆転写酵素とオリゴdTプライマーでcDNAを合成さ
せた。(1) のcDNAはウイルスゲノムの変異部位の確認、
(2) はゲノムから転写されるP遺伝子mRNAの変異部位の
確認のために用いた。PCR 反応は94℃・1分、55℃・1
分、72℃・1分を1サイクルとして30サイクル連続して
行った。PCR 反応後、増幅されたDNA 断片を1%アガロ
ースゲルにおいて視覚化し、切り出して精製を行った。
精製したDNA 断片はBig-dye-terminator sequence kit
(ABI社) によりプライマー (配列番号:17) を用いてdi
rect sequence 法を行って塩基配列を決定した。 プライマー配列 配列番号17:5'TGCTTCATCTAACTGGGGAT 3' 配列番号18:5'GATTCTGGCGAAGATTAGGC 3' その結果、(1) では、野外株Yanaka株と組換えイヌジス
テンパーウイルスCDV(5+) はP遺伝子内のRNA 編集領域
での変異はないが、組換えイヌジステンパーウイルスCD
V(5+)dV ではRNA 編集領域の変異が確認された。(2) に
おいて、野外株Yanaka株と組換えイヌジステンパーウイ
ルスCDV(5+) ではP遺伝子mRNAとV遺伝子mRNAの両方が
混在するので、塩基配列を表すシグナルがRNA 編集領域
以降混在していた。一方、組換えイヌジステンパーウイ
ルスCDV(5+)dV ではP遺伝子mRNAを示す単一のシグナル
が検出された。
CDV(5+)dV ではP遺伝内のRNA 編集領域の変異によって
V遺伝子発現が欠損していることが明らかである。
ルスcDNAより効率よくウイルス粒子を再構成する系が確
立され、イヌジステンパーウイルスにおける遺伝子操作
が可能となった。所望の外来性遺伝子を含むか、または
所望の遺伝子が欠失もしくは改変されたゲノムを保持
し、伝播力を有する組換え体イヌジステンパーウイルス
を作製することができるため、弱毒ウイルスの作製や多
価ウイルスの作製が可能となった。
る。
る。
示す図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 所望の外来遺伝子を含むかまたは所望の
遺伝子が欠失もしくは改変されたゲノムを保持し、伝播
力を有する組換え体イヌジステンパーウイルス。 - 【請求項2】 1以上のイヌジステンパーウイルスゲノ
ムの遺伝子が改変されている、請求項1記載の組換え体
イヌジステンパーウイルス。 - 【請求項3】 宿主内で発現可能な外来遺伝子を有す
る、請求項1または2記載の組換え体イヌジステンパー
ウイルス。 - 【請求項4】 イヌジステンパーウイルスを構成する機
能蛋白質遺伝子間に人為的に制限酵素認識配列を配置し
ている、請求項1記載の組換え体イヌジステンパーウイ
ルス。 - 【請求項5】 各制限酵素認識配列中に外来遺伝子が挿
入されているか、または各制限酵素認識配列間の遺伝子
が交換、欠失もしくは改変されている、請求項4記載の
組換え体イヌジステンパーウイルス。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかの項記載の
組換え体イヌジステンパーウイルスに含まれるRNA また
はcRNA。 - 【請求項7】 請求項6記載の組換え体イヌジステンパ
ーウイルスゲノムRNA またはcRNAを転写しうる鋳型cDNA
を含むDNA 。 - 【請求項8】 イヌジステンパーウイルスのN蛋白質、
P蛋白質およびL蛋白質 (各蛋白質は同等の活性を有す
る蛋白質でもよい) を発現する宿主に、所望の外来遺伝
子を含むかまたは所望の遺伝子が欠失もしくは改変され
たイヌジステンパーウイルスゲノムRNA またはcRNAを導
入することを含む、伝播力を有する組換え体イヌジステ
ンパーウイルスの製造方法。 - 【請求項9】 イヌジステンパーウイルスのN蛋白質、
P蛋白質およびL蛋白質 (各蛋白質は同等の活性を有す
る蛋白質でもよい) を発現する宿主に、所望の外来遺伝
子を含むかまたは所望の遺伝子が欠失もしくは改変され
たイヌジステンパーウイルスゲノムRNA またはcRNAを転
写しうる鋳型cDNAを含むDNA と、該DNA を鋳型として細
胞内で前記RNA を転写しうるユニットとを導入すること
を含む、伝播力を有する組換え体イヌジステンパーウイ
ルスの製造方法。 - 【請求項10】 (a) イヌジステンパーウイルスのゲノム
RNA またはcRNAを転写しうる鋳型cDNAを含むDNA と、
(b) 該DNA を鋳型として試験管内または細胞内でRNA を
転写しうるユニットとを含むキット。 - 【請求項11】 (a) イヌジステンパーウイルスのN蛋白
質、P蛋白質およびL蛋白質 (各蛋白質は同等の活性を
有する蛋白質でもよい) を発現する宿主、(b) イヌジス
テンパーウイルスのゲノムRNA またはcRNAを転写しうる
鋳型cDNAを含むDNA 、および(c) 該DNA を鋳型として試
験管内または細胞内でRNA を転写しうるユニットを含む
キット。 - 【請求項12】 宿主に請求項3記載の組換え体イヌジス
テンパーウイルスを感染させ、発現した外来性蛋白質を
回収する工程を含む、外来性蛋白質の製造方法。 - 【請求項13】 請求項3記載の組換え体イヌジステンパ
ーウイルスを感染させた動物から体液を回収することに
よって得られる、発現した外来性蛋白質を含む体液。 - 【請求項14】 請求項1ないし3のいずれかの項記載の
組換え体イヌジステンパーウイルスを感染させた動物か
ら採取される組織、細胞および体液。 - 【請求項15】 請求項1ないし3のいずれかの項記載の
組換え体イヌジステンパーウイルスを感染させた動物か
ら採取される、外来遺伝子がコードする蛋白質または改
変されたウイルス遺伝子がコードする蛋白質に対する抗
血清。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000098786A JP2001275684A (ja) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | 組換え体イヌジステンパーウイルスおよびその作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000098786A JP2001275684A (ja) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | 組換え体イヌジステンパーウイルスおよびその作製方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001275684A true JP2001275684A (ja) | 2001-10-09 |
Family
ID=18613234
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000098786A Pending JP2001275684A (ja) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | 組換え体イヌジステンパーウイルスおよびその作製方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001275684A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6773710B2 (en) | 2002-04-05 | 2004-08-10 | Nippon Biologicals, Inc. | Recombinant canine distemper virus vaccine against canine distemper and leishmaniasis |
| WO2022195900A1 (ja) | 2021-03-15 | 2022-09-22 | 国立大学法人東京大学 | 組換え麻疹ウイルス |
| CN117653723A (zh) * | 2023-12-01 | 2024-03-08 | 中山迈托姆生物技术有限公司 | 一种重组犬瘟热病毒疫苗的纯化方法及其应用 |
Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS63502722A (ja) * | 1986-03-07 | 1988-10-13 | コ−ジェント リミティド | Hcmvの糖タンパク質類、それらに対する抗体類及びhcmvワクチンの産生法、並びにそれらのための組換えベクタ− |
| WO1997016539A1 (en) * | 1995-11-01 | 1997-05-09 | Dnavec Research Inc. | Recombinant sendai virus |
-
2000
- 2000-03-31 JP JP2000098786A patent/JP2001275684A/ja active Pending
Patent Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS63502722A (ja) * | 1986-03-07 | 1988-10-13 | コ−ジェント リミティド | Hcmvの糖タンパク質類、それらに対する抗体類及びhcmvワクチンの産生法、並びにそれらのための組換えベクタ− |
| WO1997016539A1 (en) * | 1995-11-01 | 1997-05-09 | Dnavec Research Inc. | Recombinant sendai virus |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6773710B2 (en) | 2002-04-05 | 2004-08-10 | Nippon Biologicals, Inc. | Recombinant canine distemper virus vaccine against canine distemper and leishmaniasis |
| WO2022195900A1 (ja) | 2021-03-15 | 2022-09-22 | 国立大学法人東京大学 | 組換え麻疹ウイルス |
| CN117653723A (zh) * | 2023-12-01 | 2024-03-08 | 中山迈托姆生物技术有限公司 | 一种重组犬瘟热病毒疫苗的纯化方法及其应用 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| KR100754091B1 (ko) | 자율 복제 능력을 갖는 (-)쇄 rna 바이러스 벡터 | |
| JP3293620B2 (ja) | 組み換えネガティブ鎖rnaウイルス発現系及びワクチン | |
| KR100885325B1 (ko) | 변형된 모빌리바이러스 v 단백질 | |
| KR100525687B1 (ko) | 재조합체 센다이바이러스 | |
| JP7239948B2 (ja) | サイレント変異を有する組換えrsv、ワクチン、およびそれに関連する方法 | |
| CN107267532A (zh) | PEDV JS2008株全长感染性cDNA的构建方法及应用 | |
| KR20030013462A (ko) | cDNA로 부터 개 홍역 바이러스의 구출 | |
| CN112458064A (zh) | 盖他病毒全长感染性克隆、复制子系统及其制备和应用 | |
| CN110951699B (zh) | 表达犬瘟热病毒结构蛋白的重组狂犬病病毒及其应用 | |
| CN101586120A (zh) | 狂犬病病毒Flury-LEP疫苗株反向遗传操作系统及LEP绿色荧光蛋白重组病毒载体 | |
| CN117683737A (zh) | 建立基于水疱性口炎病毒载体的复制型重组病毒用于研究SADS-CoV入侵和疫苗开发 | |
| Parks et al. | Expression of a foreign gene by recombinant canine distemper virus recovered from cloned DNAs | |
| JP2001275684A (ja) | 組換え体イヌジステンパーウイルスおよびその作製方法 | |
| CN114381437A (zh) | 一种利用可诱导表达狂犬病病毒蛋白的稳定细胞系生产狂犬病病毒假病毒系统的方法 | |
| JPH06509228A (ja) | 改善されたワクチン | |
| CN109943576A (zh) | 一种嵌合犬瘟热病毒主要免疫基因的重组狂犬病病毒及其应用 | |
| CN116121206A (zh) | 一种ⅺ型新城疫病毒(f48e9)的重组拯救病毒制备方法、重组病毒及应用 | |
| CN113416750A (zh) | 一种表达犬细小病毒2a型VP2的重组犬瘟热病毒 | |
| JP3732204B2 (ja) | 自律複製能を有する(−)鎖rnaウイルスベクター | |
| CN113025630A (zh) | 狐源犬瘟热病毒强毒HBF-1株的感染性cDNA克隆及反向遗传系统的建立 | |
| US20240139306A1 (en) | Methods and compositions for detecting and producing porcine morbillivirus and vaccines thereof | |
| JP3991339B2 (ja) | 組換え体センダイウイルス | |
| JP3638019B2 (ja) | 組換え体センダイウイルス | |
| JPWO2007007921A1 (ja) | 分節ゲノム型組換えモノネガウイルスベクター | |
| JP2024533378A (ja) | ワクチン産生のための生物学的に産生された核酸 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070309 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070425 |
|
| A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20070425 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20070425 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100105 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100511 |