JP2001102213A - アクチュエータ制御装置 - Google Patents
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- Combustion & Propulsion (AREA)
- Valve Device For Special Equipments (AREA)
- Magnetically Actuated Valves (AREA)
- Reciprocating, Oscillating Or Vibrating Motors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】アマチャ着座時の吸引力オーバーシュートを速
やかに補正し適切な吸引力に維持する制御技術を提供す
る。 【解決手段】アクチュエータは、対向する方向に働く一
対のばねと、ばねに連結され非動作状態では該ばねによ
り与えられる中立位置に支持される、機械要素に結合し
たアマチャと、アマチャを第1の終端位置と第2の終端位
置との間で駆動する一対の電磁石と、アマチャを一方の
終端位置から他方の終端位置に駆動するとき、アマチャ
を吸引する方の電磁石が生成する総磁束を推定する推定
手段と、総磁束が目標オーバーシュート値に達すること
に応答して前記電磁石を保持動作に切り替える手段と、
を備える。アマチャを吸引する電磁石の総磁束が目標オ
ーバーシュート値に達することに応答して電磁石が保持
動作に切り替えられるので、電磁石に必要以上の磁気エ
ネルギーが残留する現象を低減することができる。アマ
チャ開放における無効時間のばらつきを低減することが
できる。
やかに補正し適切な吸引力に維持する制御技術を提供す
る。 【解決手段】アクチュエータは、対向する方向に働く一
対のばねと、ばねに連結され非動作状態では該ばねによ
り与えられる中立位置に支持される、機械要素に結合し
たアマチャと、アマチャを第1の終端位置と第2の終端位
置との間で駆動する一対の電磁石と、アマチャを一方の
終端位置から他方の終端位置に駆動するとき、アマチャ
を吸引する方の電磁石が生成する総磁束を推定する推定
手段と、総磁束が目標オーバーシュート値に達すること
に応答して前記電磁石を保持動作に切り替える手段と、
を備える。アマチャを吸引する電磁石の総磁束が目標オ
ーバーシュート値に達することに応答して電磁石が保持
動作に切り替えられるので、電磁石に必要以上の磁気エ
ネルギーが残留する現象を低減することができる。アマ
チャ開放における無効時間のばらつきを低減することが
できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電磁バルブのア
クチュエータ制御装置に関し、より具体的には自動車、
船舶等のエンジンにおけるバルブを駆動するアクチュエ
ータの制御装置に関する。
クチュエータ制御装置に関し、より具体的には自動車、
船舶等のエンジンにおけるバルブを駆動するアクチュエ
ータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる電磁バルブと呼ばれる電磁アク
チュエータによる動弁機構のなかで、対向した電磁石に
交互に電力を供給し、その中間部に、それぞれオフセッ
ト荷重を予め与えた状態の一対のばねで挟んだ可動鉄片
すなわちアマチャ(armature)を駆動することにより、ア
マチャに連結したバルブを駆動するような形式の機構に
おいては、従来おおよそ次のような電磁石(以下ソレノ
イドアクチュエータまたは単にアクチュエータとい
う。)の駆動方法がとられている。
チュエータによる動弁機構のなかで、対向した電磁石に
交互に電力を供給し、その中間部に、それぞれオフセッ
ト荷重を予め与えた状態の一対のばねで挟んだ可動鉄片
すなわちアマチャ(armature)を駆動することにより、ア
マチャに連結したバルブを駆動するような形式の機構に
おいては、従来おおよそ次のような電磁石(以下ソレノ
イドアクチュエータまたは単にアクチュエータとい
う。)の駆動方法がとられている。
【0003】1)一方のアクチュエータがアマチャに及
ぼす磁気吸引力が、一対のばねの反発力に打ち勝ってア
マチャを吸引し、着座させる。このアマチャ(バルブ)
は、その後のアクチュエータへの電力供給の停止などを
契機として着座状態から開放され、一対のばねの作用で
余弦関数的に変位を開始する。
ぼす磁気吸引力が、一対のばねの反発力に打ち勝ってア
マチャを吸引し、着座させる。このアマチャ(バルブ)
は、その後のアクチュエータへの電力供給の停止などを
契機として着座状態から開放され、一対のばねの作用で
余弦関数的に変位を開始する。
【0004】2)このアマチャの変位に応じたタイミン
グで、他方のアクチュエータに適当な電流(catch curre
nt)を供給して吸引力発生のための磁束を成長させる。
グで、他方のアクチュエータに適当な電流(catch curre
nt)を供給して吸引力発生のための磁束を成長させる。
【0005】3)アマチャがこの磁束を発生しつつある
他方のアクチュエータに近づくにつれて磁束が急速に成
長し、他方のアクチュエータの吸引力による仕事が、一
方のアクチュエータの残留磁束によるアマチャを引き戻
そうとするわずかな仕事と、大部分の仕事である機械的
損失との和に打ち勝ち、アマチャが吸引されて他方のア
クチュエータに着座する。
他方のアクチュエータに近づくにつれて磁束が急速に成
長し、他方のアクチュエータの吸引力による仕事が、一
方のアクチュエータの残留磁束によるアマチャを引き戻
そうとするわずかな仕事と、大部分の仕事である機械的
損失との和に打ち勝ち、アマチャが吸引されて他方のア
クチュエータに着座する。
【0006】4)アマチャが着座する時期を見計らい、
適切なタイミングで他方のアクチュエータにアマチャを
保持するための一定電流(hold current)を供給し、アマ
チャを保持し続ける。
適切なタイミングで他方のアクチュエータにアマチャを
保持するための一定電流(hold current)を供給し、アマ
チャを保持し続ける。
【0007】アマチャを保持する期間においては、一定
電流が供給され、通常はPWM(Pulse Width Modulatio
n:パルス幅変調)方式で電流が供給される。具体的な方
法については、本願の出願人による先願である特願平11
-110963号に記載されている。
電流が供給され、通常はPWM(Pulse Width Modulatio
n:パルス幅変調)方式で電流が供給される。具体的な方
法については、本願の出願人による先願である特願平11
-110963号に記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】対向する一対の電磁石
の間に挟んだアマチャの変位の振幅は、通常の自動車用
エンジンの動弁系の場合、6から8mmに及ぶ。実際のバ
ルブでは、電気・磁気・機械系が様々な経年変化を示
し、また、動作にばらつきが生じる。この要因としては
次の3つが重要である。
の間に挟んだアマチャの変位の振幅は、通常の自動車用
エンジンの動弁系の場合、6から8mmに及ぶ。実際のバ
ルブでは、電気・磁気・機械系が様々な経年変化を示
し、また、動作にばらつきが生じる。この要因としては
次の3つが重要である。
【0009】1)エンジン負荷の変動によりバルブの機
械損失が変動し、アマチャ着座に要する機械仕事の大き
さが変動し、アマチャ動作に影響を与える。
械損失が変動し、アマチャ着座に要する機械仕事の大き
さが変動し、アマチャ動作に影響を与える。
【0010】2)アマチャ保持時の磁気吸引力の管理が
難しく、アマチャを開放するときの残留磁束にばらつき
が生じ、その結果、アクチュエータへの電力供給を停止
してから実際にアマチャがアクチュエータを離れるまで
の無効時間が変動し、その後のバルブタイミングの管理
に影響を及ぼす。
難しく、アマチャを開放するときの残留磁束にばらつき
が生じ、その結果、アクチュエータへの電力供給を停止
してから実際にアマチャがアクチュエータを離れるまで
の無効時間が変動し、その後のバルブタイミングの管理
に影響を及ぼす。
【0011】3)磁性材の磁気特性が変化し、駆動電流
が同一であっても吸引力に過不足を生じ、アマチャ保持
動作が安定しなくなる。
が同一であっても吸引力に過不足を生じ、アマチャ保持
動作が安定しなくなる。
【0012】具体的な例として電磁石式アクチュエータ
をエンジンの動弁系のように高速で繰り返し動作させる
ときの動作の傾向を図3を参照して説明する。左の縦軸
は、アマチャのリフト量(mm)を示すとともにアクチュエ
ータに供給される電流(A)を示し、右の縦軸は吸引力(N)
を示すとともにアクチュエータに印加される電圧(V)を
示す。このように本願において図の矢印は、参照するス
ケールが右の縦軸か左の縦軸かを示す。
をエンジンの動弁系のように高速で繰り返し動作させる
ときの動作の傾向を図3を参照して説明する。左の縦軸
は、アマチャのリフト量(mm)を示すとともにアクチュエ
ータに供給される電流(A)を示し、右の縦軸は吸引力(N)
を示すとともにアクチュエータに印加される電圧(V)を
示す。このように本願において図の矢印は、参照するス
ケールが右の縦軸か左の縦軸かを示す。
【0013】時刻0においてアマチャは一方のアクチュ
エータから開放されて一対のばねの作用により他方のア
クチュエータに向けて変位を開始する。時刻3msにおい
て他方のアクチュエータに一定電圧(60V)の印加を開
始し、磁束を成長させる。5.2msまでの2.2msの期間、一
定電圧を印加し、それ以後は電流値が一定(0.45A)に
なるようにPWM制御によりスイッチング電圧波形が印
加される。図3ではスイッチング電圧波形の移動平均値
で電圧を示してある。
エータから開放されて一対のばねの作用により他方のア
クチュエータに向けて変位を開始する。時刻3msにおい
て他方のアクチュエータに一定電圧(60V)の印加を開
始し、磁束を成長させる。5.2msまでの2.2msの期間、一
定電圧を印加し、それ以後は電流値が一定(0.45A)に
なるようにPWM制御によりスイッチング電圧波形が印
加される。図3ではスイッチング電圧波形の移動平均値
で電圧を示してある。
【0014】この例ではアマチャは、一定電圧印加を終
える200μs前にヨーク面に着座する。着座に向かってア
マチャと着座面との間の空隙が小さくなると、アマチャ
に鎖交する磁束が急激に増大して吸引力が極めて大きく
なる。図3で300(N)を示す太い直線は、アマチャを着座
位置に保持するために必要な最小限の吸引力、すなわち
必要保持力を示し、アマチャを保持する一対のばねの硬
さによって決まる。
える200μs前にヨーク面に着座する。着座に向かってア
マチャと着座面との間の空隙が小さくなると、アマチャ
に鎖交する磁束が急激に増大して吸引力が極めて大きく
なる。図3で300(N)を示す太い直線は、アマチャを着座
位置に保持するために必要な最小限の吸引力、すなわち
必要保持力を示し、アマチャを保持する一対のばねの硬
さによって決まる。
【0015】図3からわかるように、着座前後の急峻な
吸引力の増大により吸引力は必要保持力をオーバーシュ
ートしている。着座後、アクチュエータに供給する電力
の制御を電流一定制御に切り替え、必要保持力よりわず
かに大きな吸引力を生成するよう制御を行うが、この制
御には次のような問題がある。
吸引力の増大により吸引力は必要保持力をオーバーシュ
ートしている。着座後、アクチュエータに供給する電力
の制御を電流一定制御に切り替え、必要保持力よりわず
かに大きな吸引力を生成するよう制御を行うが、この制
御には次のような問題がある。
【0016】自動車用エンジンの場合、回転数のレンジ
は、600から7000rpmの広範囲におよび、アマチャ保持時
間もこれに応じて大きく変化する。高回転側では、すぐ
にアマチャを開放しなくてはならず、必要保持力よりわ
ずかに大きい吸引力を実現するために必要な時間を確保
することができなくなる。このため、着座前後の急峻な
吸引力の変化によりオーバーシュート量がばらつくと、
これに対応してアマチャを開放する時点における吸引力
の大きさにばらつきを生じる。
は、600から7000rpmの広範囲におよび、アマチャ保持時
間もこれに応じて大きく変化する。高回転側では、すぐ
にアマチャを開放しなくてはならず、必要保持力よりわ
ずかに大きい吸引力を実現するために必要な時間を確保
することができなくなる。このため、着座前後の急峻な
吸引力の変化によりオーバーシュート量がばらつくと、
これに対応してアマチャを開放する時点における吸引力
の大きさにばらつきを生じる。
【0017】オーバーシュート量が大きくアマチャを開
放すべき時点における吸引力が必要保持力より大きい
と、アクチュエータがその時点で持っている磁気エネル
ギーは渦電流の形で維持され、このエネルギーが瞬時に
放出されることはない。したがって、アマチャの開放制
御を開始する時点と、実際にアマチャがヨークから開放
される時点との間にずれ、すなわちアマチャ開放の無効
時間を生じる。図の例では無効時間は0.45msであるが、
この時間はオーバーシュート量によってばらつきを生じ
る。この無効時間のばらつきは、バルブタイミングのず
れを発生させ、エンジンの出力性能に大きな影響を及ぼ
す。
放すべき時点における吸引力が必要保持力より大きい
と、アクチュエータがその時点で持っている磁気エネル
ギーは渦電流の形で維持され、このエネルギーが瞬時に
放出されることはない。したがって、アマチャの開放制
御を開始する時点と、実際にアマチャがヨークから開放
される時点との間にずれ、すなわちアマチャ開放の無効
時間を生じる。図の例では無効時間は0.45msであるが、
この時間はオーバーシュート量によってばらつきを生じ
る。この無効時間のばらつきは、バルブタイミングのず
れを発生させ、エンジンの出力性能に大きな影響を及ぼ
す。
【0018】したがって、この発明は、アマチャ着座時
の吸引力オーバーシュートを速やかに補正し適切な吸引
力に維持する制御技術を提供することを目的とする。ま
た、この発明は、アマチャのリフトタイミングの遅れを
補償してアマチャに適切な吸引力を与える制御技術を提
供することを目的とする。
の吸引力オーバーシュートを速やかに補正し適切な吸引
力に維持する制御技術を提供することを目的とする。ま
た、この発明は、アマチャのリフトタイミングの遅れを
補償してアマチャに適切な吸引力を与える制御技術を提
供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1のアクチュエータは、対向する方向に働く
一対のばねと、ばねに連結され非動作状態では該ばねに
より与えられる中立位置に支持される、機械要素に結合
したアマチャと、アマチャを第1の終端位置と第2の終端
位置との間で駆動する一対の電磁石と、アマチャを一方
の終端位置から他方の終端位置に駆動するとき、アマチ
ャを吸引動作する方の電磁石が生成する磁束を推定する
推定手段と、磁束が目標オーバーシュート値に達するこ
とに応答して前記電磁石を吸引動作から保持動作に切り
替える手段と、を備える。
め、請求項1のアクチュエータは、対向する方向に働く
一対のばねと、ばねに連結され非動作状態では該ばねに
より与えられる中立位置に支持される、機械要素に結合
したアマチャと、アマチャを第1の終端位置と第2の終端
位置との間で駆動する一対の電磁石と、アマチャを一方
の終端位置から他方の終端位置に駆動するとき、アマチ
ャを吸引動作する方の電磁石が生成する磁束を推定する
推定手段と、磁束が目標オーバーシュート値に達するこ
とに応答して前記電磁石を吸引動作から保持動作に切り
替える手段と、を備える。
【0020】この発明によると、アマチャを吸引する電
磁石の総磁束が目標オーバーシュート値に達することに
応答して電磁石が保持動作に切り替えられるので、電磁
石に必要以上の磁気エネルギーが残留する現象を低減す
ることができる。このことは、ひいてはアマチャ開放に
おける無効時間のばらつきを低減することにつながる。
磁石の総磁束が目標オーバーシュート値に達することに
応答して電磁石が保持動作に切り替えられるので、電磁
石に必要以上の磁気エネルギーが残留する現象を低減す
ることができる。このことは、ひいてはアマチャ開放に
おける無効時間のばらつきを低減することにつながる。
【0021】また、請求項2の発明は、請求項1のアク
チュエータにおいて、前記推定手段により推定される磁
束の最大値に応じ、磁束を該最大値から前記アマチャの
保持に必要な値に収束させるため、吸引力を発生してい
る前記電磁石に逆電圧を印加する手段を備える。
チュエータにおいて、前記推定手段により推定される磁
束の最大値に応じ、磁束を該最大値から前記アマチャの
保持に必要な値に収束させるため、吸引力を発生してい
る前記電磁石に逆電圧を印加する手段を備える。
【0022】請求項2の発明によると、吸引力を発生し
ている電磁石の磁束を最大値からアマチャの保持に必要
な値まで収束させるため、この電磁石に逆電圧を印加す
るので、電磁石の吸引力が急速に保持力にまで低下させ
られる。したがって、速いタイミングでアマチャを電磁
石から開放することができ、アクチュエータを高速作動
させることができる。
ている電磁石の磁束を最大値からアマチャの保持に必要
な値まで収束させるため、この電磁石に逆電圧を印加す
るので、電磁石の吸引力が急速に保持力にまで低下させ
られる。したがって、速いタイミングでアマチャを電磁
石から開放することができ、アクチュエータを高速作動
させることができる。
【0023】請求項3に記載されるアクチュエータ制御
装置は、対向する方向に働く一対のばねと、前記ばねに
連結され非動作状態で該ばねにより与えられる中立位置
に支持される、機械要素に結合したアマチャと、前記ア
マチャを第1の終端位置と第2の終端位置との間で駆動す
る一対の電磁石と、前記アマチャを一方の終端位置から
他方の終端位置に駆動するとき、該アマチャを吸引動作
する方の電磁石が生成する磁束を推定する磁束推定手段
と、前記アマチャを一方の終端位置から他方の終端位置
に駆動するとき、アマチャリフトのタイミングを推定す
るタイミング推定手段と、前記推定された磁束および推
定されたタイミングに応じて前記アマチャを吸引動作す
る方の電磁石に印加する電圧の印加時間を制御する制御
手段とを備える。
装置は、対向する方向に働く一対のばねと、前記ばねに
連結され非動作状態で該ばねにより与えられる中立位置
に支持される、機械要素に結合したアマチャと、前記ア
マチャを第1の終端位置と第2の終端位置との間で駆動す
る一対の電磁石と、前記アマチャを一方の終端位置から
他方の終端位置に駆動するとき、該アマチャを吸引動作
する方の電磁石が生成する磁束を推定する磁束推定手段
と、前記アマチャを一方の終端位置から他方の終端位置
に駆動するとき、アマチャリフトのタイミングを推定す
るタイミング推定手段と、前記推定された磁束および推
定されたタイミングに応じて前記アマチャを吸引動作す
る方の電磁石に印加する電圧の印加時間を制御する制御
手段とを備える。
【0024】請求項3の発明によると、電磁石が生成す
る磁束を推定し、アマチャリフトのタイミングを推定し
て、電磁石に印加する電圧の印加時間を制御するので、
アマチャのリフトタイミングが遅れた場合であっても、
アマチャの吸引に必要な磁束を生成することができる。
る磁束を推定し、アマチャリフトのタイミングを推定し
て、電磁石に印加する電圧の印加時間を制御するので、
アマチャのリフトタイミングが遅れた場合であっても、
アマチャの吸引に必要な磁束を生成することができる。
【0025】請求項4に記載される発明は、請求項3に
記載のアクチュエータ制御装置において、タイミング推
定手段は、前記電磁石に流れる最大電流値を検出する手
段であるという構成をとる。
記載のアクチュエータ制御装置において、タイミング推
定手段は、前記電磁石に流れる最大電流値を検出する手
段であるという構成をとる。
【0026】この発明によると、電磁石に流れる最大電
流値を検出するという簡便な手法でアマチャのリフトタ
イミングを推定することができる。
流値を検出するという簡便な手法でアマチャのリフトタ
イミングを推定することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】次に図面を参照してこの発明の実
施の形態を説明する。図1は、この発明のアクチュエー
タ制御装置の全体的な構成を示すブロック図で、制御装
置1は、演算装置(CPU)2、制御プログラムおよび
データを格納する読み取り専用メモリ(ROM)3、デ
ータを一時記憶し、CPU2の演算作業領域を提供する
ランダムアクセスメモリ(RAM)4および入出力イン
ターフェイス5を備えている。
施の形態を説明する。図1は、この発明のアクチュエー
タ制御装置の全体的な構成を示すブロック図で、制御装
置1は、演算装置(CPU)2、制御プログラムおよび
データを格納する読み取り専用メモリ(ROM)3、デ
ータを一時記憶し、CPU2の演算作業領域を提供する
ランダムアクセスメモリ(RAM)4および入出力イン
ターフェイス5を備えている。
【0028】電磁石10は、図2に示すアクチュエータ
100の第1の電磁石11または第2の電磁石13を示
す。PWM(パルス幅変調)ドライバ7は、制御装置1
からの制御信号に従って定電圧電源6から供給される電
圧をパルス幅変調し、電磁石10に供給する。電磁石1
0に供給される電圧は、電圧検出器8で検出され、電流
は電流検出器9で検出される。定電圧電源6は、車載の
バッテリから提供される12V等の電圧を昇圧してたと
えば30Vから100Vの定電圧を供給する電源であ
る。
100の第1の電磁石11または第2の電磁石13を示
す。PWM(パルス幅変調)ドライバ7は、制御装置1
からの制御信号に従って定電圧電源6から供給される電
圧をパルス幅変調し、電磁石10に供給する。電磁石1
0に供給される電圧は、電圧検出器8で検出され、電流
は電流検出器9で検出される。定電圧電源6は、車載の
バッテリから提供される12V等の電圧を昇圧してたと
えば30Vから100Vの定電圧を供給する電源であ
る。
【0029】制御装置1の入出力インターフェイス5に
は、電圧検出器8からの電圧検出信号、電流検出器9か
らの電流検出信号、クランク角度および回転数センサか
らのエンジンの回転数を示すパルス信号、電磁石アクチ
ュエータ100の温度センサからの信号、スロット弁開
度、吸入空気圧力信号が入力される。これらの入力に基
づいて制御装置は、電力供給のタイミング、供給する電
圧の大きさ、電圧を供給する時間などのパラメータを予
めROM3に格納されている制御プログラムに従って決
定する。
は、電圧検出器8からの電圧検出信号、電流検出器9か
らの電流検出信号、クランク角度および回転数センサか
らのエンジンの回転数を示すパルス信号、電磁石アクチ
ュエータ100の温度センサからの信号、スロット弁開
度、吸入空気圧力信号が入力される。これらの入力に基
づいて制御装置は、電力供給のタイミング、供給する電
圧の大きさ、電圧を供給する時間などのパラメータを予
めROM3に格納されている制御プログラムに従って決
定する。
【0030】この発明の一実施形態では、アマチャを着
座位置に保持するための電力は定電流として供給され
る。この動作モードにおいては、制御装置1は、PWM
ドライバ7に制御信号を送って定電圧電源6を12V等
の低電圧の電源に切り替えて波高値12V等の電圧パル
スを電磁石10に供給する。制御装置1は、電流検出器
9から送られてくる電流値をモニタして、電磁石10の
端子に一定電流が供給されるよう電圧パルスのデューテ
ィ比を制御する。
座位置に保持するための電力は定電流として供給され
る。この動作モードにおいては、制御装置1は、PWM
ドライバ7に制御信号を送って定電圧電源6を12V等
の低電圧の電源に切り替えて波高値12V等の電圧パル
スを電磁石10に供給する。制御装置1は、電流検出器
9から送られてくる電流値をモニタして、電磁石10の
端子に一定電流が供給されるよう電圧パルスのデューテ
ィ比を制御する。
【0031】図2は、この発明の制御装置によって駆動
されるアクチュエータの概略の構造を示す断面図であ
る。この電磁石アクチュエータ自体の構造は従来技術に
属する。バルブ20は、電磁石アクチュエータ100に
よって上方向に駆動されるとエンジンの吸気ポートまた
は排気ポート(以下、吸排気ポートという)30に設け
られたバルブシート31に密着して停止し、吸排気ポー
ト30を閉じる。バルブ20は、電磁石アクチュエータ
100によって下方向に駆動されるとバルブシート31
を離れ、バルブシート31から所定の距離離れた位置ま
で下降して吸排気ポートを開く。
されるアクチュエータの概略の構造を示す断面図であ
る。この電磁石アクチュエータ自体の構造は従来技術に
属する。バルブ20は、電磁石アクチュエータ100に
よって上方向に駆動されるとエンジンの吸気ポートまた
は排気ポート(以下、吸排気ポートという)30に設け
られたバルブシート31に密着して停止し、吸排気ポー
ト30を閉じる。バルブ20は、電磁石アクチュエータ
100によって下方向に駆動されるとバルブシート31
を離れ、バルブシート31から所定の距離離れた位置ま
で下降して吸排気ポートを開く。
【0032】バルブ20のバルブシャフト21は、バル
ブガイド23によって軸方向に運動可能に保持されてお
り、その上端に軟磁性材料で作られた円板状のアマチャ
22が取り付けられている。アマチャ22は、第1のば
ね16および第2のばね17により上下から支持されて
いる。
ブガイド23によって軸方向に運動可能に保持されてお
り、その上端に軟磁性材料で作られた円板状のアマチャ
22が取り付けられている。アマチャ22は、第1のば
ね16および第2のばね17により上下から支持されて
いる。
【0033】アクチュエータ100の非磁性材料のハウ
ジング18内には、アマチャ22の上方に位置する第1
のソレノイド型の電磁石11、およびアマチャの下方に
位置する第2のソレノイド型の電磁石13が設けられて
いる。第1の電磁石11は第1の磁気ヨーク12で、第
2の電磁石13は第2の磁気ヨーク14で囲まれてい
る。
ジング18内には、アマチャ22の上方に位置する第1
のソレノイド型の電磁石11、およびアマチャの下方に
位置する第2のソレノイド型の電磁石13が設けられて
いる。第1の電磁石11は第1の磁気ヨーク12で、第
2の電磁石13は第2の磁気ヨーク14で囲まれてい
る。
【0034】第1のばね16および第2のばね17は、
第1の電磁石11または第2の電磁石13のいずれにも
駆動電流が印加されていない状態で、アマチャ22が第
1の電磁石11と第2の電磁石13との間の間隔の中間
にくるようなバランスで設けられている。
第1の電磁石11または第2の電磁石13のいずれにも
駆動電流が印加されていない状態で、アマチャ22が第
1の電磁石11と第2の電磁石13との間の間隔の中間
にくるようなバランスで設けられている。
【0035】図4は、図1のアクチュエータ制御装置1
の詳細な機能ブロック図である。電磁石制御部50は、
PWMドライバ7を制御する部分で、電磁石のコイルに
一定電圧を印加する制御、コイルに逆電圧を印加する制
御、アマチャ保持動作に必要な一定電流をコイルに供給
する制御などを司る。
の詳細な機能ブロック図である。電磁石制御部50は、
PWMドライバ7を制御する部分で、電磁石のコイルに
一定電圧を印加する制御、コイルに逆電圧を印加する制
御、アマチャ保持動作に必要な一定電流をコイルに供給
する制御などを司る。
【0036】Ne、Pb検出部51は、エンジン回転数セン
サーの出力からエンジン回転数Neを検出し、吸気管圧力
センサーの出力から吸気管圧力を検出する。Ne、Pbはエ
ンジンの負荷状態を表すパラメータであり、Neは、エン
ジンのバルブの動作速度、したがってアクチュエータの
アマチャの動作速度を表す。この発明の一実施形態では
電圧印加期間決定部52がNe、Pbに基づいて電磁石に印
加する電圧の印加期間および印加開始時刻を決定する。
この決定は、予め用意されROM3に格納されているN
e、Pb、および電圧印加期間のマップを参照してなされ
る。
サーの出力からエンジン回転数Neを検出し、吸気管圧力
センサーの出力から吸気管圧力を検出する。Ne、Pbはエ
ンジンの負荷状態を表すパラメータであり、Neは、エン
ジンのバルブの動作速度、したがってアクチュエータの
アマチャの動作速度を表す。この発明の一実施形態では
電圧印加期間決定部52がNe、Pbに基づいて電磁石に印
加する電圧の印加期間および印加開始時刻を決定する。
この決定は、予め用意されROM3に格納されているN
e、Pb、および電圧印加期間のマップを参照してなされ
る。
【0037】同様に目標総磁束決定部53は、Ne、Pbに
基づいてアマチャを吸引して着座させるに必要な総磁束
の目標値を決定する。この決定は、予め用意されROM
3に格納されているNe、Pb、および目標総磁束のマップ
を参照してなされる。
基づいてアマチャを吸引して着座させるに必要な総磁束
の目標値を決定する。この決定は、予め用意されROM
3に格納されているNe、Pb、および目標総磁束のマップ
を参照してなされる。
【0038】電磁石制御部50は、電圧印加期間決定部
52から電圧印加開始時刻および開始期間を与えられる
と、アマチャ開放時刻検出部57からのアマチャが開放
された時刻に基づいて電磁石への電圧印加を開始する。
図5を参照すると、時刻0msでアマチャが一方の電磁石
から開放されてばねの作用で他方の電磁石に向けて移動
を開始する。電磁石制御部50は、印加期間決定部52
から与えられた電圧開始時刻1.7msで他方の電磁石のコ
イルへの電圧印加を開始する。
52から電圧印加開始時刻および開始期間を与えられる
と、アマチャ開放時刻検出部57からのアマチャが開放
された時刻に基づいて電磁石への電圧印加を開始する。
図5を参照すると、時刻0msでアマチャが一方の電磁石
から開放されてばねの作用で他方の電磁石に向けて移動
を開始する。電磁石制御部50は、印加期間決定部52
から与えられた電圧開始時刻1.7msで他方の電磁石のコ
イルへの電圧印加を開始する。
【0039】コイルへの電圧印加が開始されると、積分
器40がコイルに印加される電圧およびコイルに流れる
電流に基づいて、後述する演算式にしたがって総磁束の
積分計算を開始する。リフトタイミング推定部54は、
コイルに流れる電流をモニターし、最大電流値に基づい
てリフトタイミングの遅れまたは進みを推定する。アマ
チャリフトのタイミングが遅れると、アマチャが変位す
る各時刻においてアマチャと電磁石のヨークとの空隙が
予定よりも大きく、漏れ磁束が大きいため、アクチュエ
ータのインダクタンス増大が遅れ、したがって、これを
補償するために電流が大きくなる。すなわち、最大電流
値が大きいことはアマチャリフトの遅れを意味する。し
たがって、最大電流値とアマチャリフトのタイミングと
の相関を予め求めて対応テーブルを作成してROM3に
格納し、これを参照してリフトタイミングの遅れまたは
進みの値を得ることができる。
器40がコイルに印加される電圧およびコイルに流れる
電流に基づいて、後述する演算式にしたがって総磁束の
積分計算を開始する。リフトタイミング推定部54は、
コイルに流れる電流をモニターし、最大電流値に基づい
てリフトタイミングの遅れまたは進みを推定する。アマ
チャリフトのタイミングが遅れると、アマチャが変位す
る各時刻においてアマチャと電磁石のヨークとの空隙が
予定よりも大きく、漏れ磁束が大きいため、アクチュエ
ータのインダクタンス増大が遅れ、したがって、これを
補償するために電流が大きくなる。すなわち、最大電流
値が大きいことはアマチャリフトの遅れを意味する。し
たがって、最大電流値とアマチャリフトのタイミングと
の相関を予め求めて対応テーブルを作成してROM3に
格納し、これを参照してリフトタイミングの遅れまたは
進みの値を得ることができる。
【0040】電圧印加期間延長部55は、積分器40か
ら与えられる総磁束の値と、リフトタイミング推定部5
4から与えられるリフトタイミングの遅れまたは進みを
示す値とに基づいて、コイルに印加する電圧の印加期間
を延長すべきかどうか決定し、延長すべきときは、電磁
石制御部50に延長時間を示す信号を送る。ここで、リ
フトタイミングの遅れまたは進みを示す値は、電流検出
器9から検出される最大電流値とし、印加期間延長部5
5が、総磁束の値と最大電流値とに基づいて印加期間の
延長量を決定するようにすることができる。この場合、
総磁束、最大電流値、および印加期間の延長量の関係を
規定するマップを予め用意してROM3に格納してお
き、これを参照して印加期間の延長量を求める。
ら与えられる総磁束の値と、リフトタイミング推定部5
4から与えられるリフトタイミングの遅れまたは進みを
示す値とに基づいて、コイルに印加する電圧の印加期間
を延長すべきかどうか決定し、延長すべきときは、電磁
石制御部50に延長時間を示す信号を送る。ここで、リ
フトタイミングの遅れまたは進みを示す値は、電流検出
器9から検出される最大電流値とし、印加期間延長部5
5が、総磁束の値と最大電流値とに基づいて印加期間の
延長量を決定するようにすることができる。この場合、
総磁束、最大電流値、および印加期間の延長量の関係を
規定するマップを予め用意してROM3に格納してお
き、これを参照して印加期間の延長量を求める。
【0041】オーバーシュート量検出部56は、目標総
磁束決定部53から与えられる目標総磁束と、積分器4
0から時々刻々与えられる現時点での総磁束の値とを比
較し、現総磁束が目標総磁束より所定の値以上大きくな
るとき、電磁石制御部50に信号を送る。電磁石制御部
50は、これに応答してコイルへの一定電圧の印加を停
止し、過剰オーバーシュート量を目標総磁束に向けて迅
速に収束させるため、コイルに逆電圧を印加する。
磁束決定部53から与えられる目標総磁束と、積分器4
0から時々刻々与えられる現時点での総磁束の値とを比
較し、現総磁束が目標総磁束より所定の値以上大きくな
るとき、電磁石制御部50に信号を送る。電磁石制御部
50は、これに応答してコイルへの一定電圧の印加を停
止し、過剰オーバーシュート量を目標総磁束に向けて迅
速に収束させるため、コイルに逆電圧を印加する。
【0042】次に図5を参照して積分器40が総磁束を
推定する手法を説明する。電磁石のヨーク部を電力トラ
ンスのように積層構造にすると、磁性材の渦電流損失の
影響をきわめて小さくすることができ、負荷としては純
粋なインダクタンス素子に近くなる。この場合、電磁気
回路の方程式は、次のようになる。
推定する手法を説明する。電磁石のヨーク部を電力トラ
ンスのように積層構造にすると、磁性材の渦電流損失の
影響をきわめて小さくすることができ、負荷としては純
粋なインダクタンス素子に近くなる。この場合、電磁気
回路の方程式は、次のようになる。
【0043】
【数1】
【0044】すなわち、アクチュエータの端子電圧E
は、コイルの直流抵抗と駆動電流との積と、総磁束の時
間変化の和に近い値を示す。実際には渦電流損失の影響
があるので、Rはコイルの直流抵抗より大きく、しかも
時間の関数になるが、この差異を見込んでRを直流抵抗
よりわずかに大きい値に設定することにより、実用上十
分な精度を得ることができる。この式に基づいて総磁束
Φallは、次の式で求めることができる。
は、コイルの直流抵抗と駆動電流との積と、総磁束の時
間変化の和に近い値を示す。実際には渦電流損失の影響
があるので、Rはコイルの直流抵抗より大きく、しかも
時間の関数になるが、この差異を見込んでRを直流抵抗
よりわずかに大きい値に設定することにより、実用上十
分な精度を得ることができる。この式に基づいて総磁束
Φallは、次の式で求めることができる。
【0045】
【数2】
【0046】図1を参照すると、電圧Eおよび電流Iは、
電圧検出器8、電流検出器9で計測されるから、総磁束
Φallは、積分値リセット機能を付加した積分器40で演
算することができる。
電圧検出器8、電流検出器9で計測されるから、総磁束
Φallは、積分値リセット機能を付加した積分器40で演
算することができる。
【0047】図5を参照すると、時刻1.7msで60Vの電圧
の印加を開始すると、式(2)で算出される総磁束は、
線dで示されるようにほぼ直線的に増大する。アマチャ
が変位を開始した初期の段階ではアマチャに鎖交する磁
束はごく少なく、漏れ磁束が大きい。このため、アマチ
ャに鎖交する磁束は曲線gのようになり、磁気エネルギ
ーは、空隙その他の漏れ磁束空間に蓄えられる。
の印加を開始すると、式(2)で算出される総磁束は、
線dで示されるようにほぼ直線的に増大する。アマチャ
が変位を開始した初期の段階ではアマチャに鎖交する磁
束はごく少なく、漏れ磁束が大きい。このため、アマチ
ャに鎖交する磁束は曲線gのようになり、磁気エネルギ
ーは、空隙その他の漏れ磁束空間に蓄えられる。
【0048】アマチャの変位が進み電磁石のヨークとの
空隙が小さくなるにつれ、アマチャと磁束との鎖交が指
数関数的に増大する。この増大は、アマチャが電磁石の
ヨークに着座したときに終わる。曲線dの最大値と曲線
gの最大値との差は、(2)式のRを直流抵抗より大き
い値に設定したこと、および磁性材の磁気飽和領域にさ
しかかって漏れ磁束が再び増大したことが原因であると
考えられる。しかし、実際の動作における、磁気吸引力
と(2)式で得られる総磁束量の推定値との相関が判明
すれば、これに基づいて制御装置を設計することができ
るので、上記の差は、問題とはならない。
空隙が小さくなるにつれ、アマチャと磁束との鎖交が指
数関数的に増大する。この増大は、アマチャが電磁石の
ヨークに着座したときに終わる。曲線dの最大値と曲線
gの最大値との差は、(2)式のRを直流抵抗より大き
い値に設定したこと、および磁性材の磁気飽和領域にさ
しかかって漏れ磁束が再び増大したことが原因であると
考えられる。しかし、実際の動作における、磁気吸引力
と(2)式で得られる総磁束量の推定値との相関が判明
すれば、これに基づいて制御装置を設計することができ
るので、上記の差は、問題とはならない。
【0049】以上のようにしてアマチャ着座時の磁束が
推定され、したがってアマチャに対する吸引力が推定さ
れる。次に図6を参照して吸引力の補正制御を説明す
る。
推定され、したがってアマチャに対する吸引力が推定さ
れる。次に図6を参照して吸引力の補正制御を説明す
る。
【0050】アマチャ着座直後付近で総磁束量の推定値
が目標オーバーシュート値まで達したところで電磁石に
印加されている一定電圧を停止して保持電流の供給に切
り替わる時点で、磁気吸引力が最大になる。図6の曲線
cに見られるように、この時点で電磁石の駆動コイルに
逆電圧を、オーバーシュート量に応じた適切な期間、た
とえば0.5msから0.9ms、印加し、このときのオーバーシ
ュート量を速やかに修正する。その後は、吸引力に寄与
する磁束量が必要保持磁束(直線f)に等しいかやや大
きい値になるように、フィードバック制御を行う。
が目標オーバーシュート値まで達したところで電磁石に
印加されている一定電圧を停止して保持電流の供給に切
り替わる時点で、磁気吸引力が最大になる。図6の曲線
cに見られるように、この時点で電磁石の駆動コイルに
逆電圧を、オーバーシュート量に応じた適切な期間、た
とえば0.5msから0.9ms、印加し、このときのオーバーシ
ュート量を速やかに修正する。その後は、吸引力に寄与
する磁束量が必要保持磁束(直線f)に等しいかやや大
きい値になるように、フィードバック制御を行う。
【0051】このようにして、アマチャ開放時の残留吸
引力を、エンジンの回転数が変化しても一定に管理する
ことができるようになり、バルブタイミングの精度を向
上させることができる。
引力を、エンジンの回転数が変化しても一定に管理する
ことができるようになり、バルブタイミングの精度を向
上させることができる。
【0052】図7を参照してこの発明のもう一つの実施
形態における制御手順を説明する。エンジンの回転数Ne
をエンジン回転数センサーから検出し、吸気管圧力Pbを
圧力センサーから検出する(101)。対向する側の電
磁石がアマチャを開放する時刻を、対向側電磁石への電
力供給がオフになる時点を検出するか、またはアマチャ
リフト・センサーがアマチャの開放を検出する時点によ
り、検出する(102)。
形態における制御手順を説明する。エンジンの回転数Ne
をエンジン回転数センサーから検出し、吸気管圧力Pbを
圧力センサーから検出する(101)。対向する側の電
磁石がアマチャを開放する時刻を、対向側電磁石への電
力供給がオフになる時点を検出するか、またはアマチャ
リフト・センサーがアマチャの開放を検出する時点によ
り、検出する(102)。
【0053】予め作成し制御装置1のROM3に格納さ
れている、エンジン回転数Neおよび吸気管圧力Pbと、ア
クチュエータのコイルが生成すべき総磁束ヨallの目標値
との三次元マップを参照して、エンジン回転数Neおよび
吸気管圧力Pbから総磁束ヨallの目標値を求める(10
3)。同時に総磁束の目標値からコイルに一定電圧を印
加しはじめる開始時刻および印加期間を決定する。
れている、エンジン回転数Neおよび吸気管圧力Pbと、ア
クチュエータのコイルが生成すべき総磁束ヨallの目標値
との三次元マップを参照して、エンジン回転数Neおよび
吸気管圧力Pbから総磁束ヨallの目標値を求める(10
3)。同時に総磁束の目標値からコイルに一定電圧を印
加しはじめる開始時刻および印加期間を決定する。
【0054】ステップ103で決定された開始時刻か
ら、一定電圧をコイルに印加する(104)。図6の例
では、総磁束の目標値は、0.10wbであり、1.7msの時刻
から一定電圧の印加が開始される。磁束積分器40が磁
束の積分値の計算を行い、一定電圧の印加を停止する時
点での総磁束Φallを算出する(105)。また、最大
電流値Imaxの値を測定する。
ら、一定電圧をコイルに印加する(104)。図6の例
では、総磁束の目標値は、0.10wbであり、1.7msの時刻
から一定電圧の印加が開始される。磁束積分器40が磁
束の積分値の計算を行い、一定電圧の印加を停止する時
点での総磁束Φallを算出する(105)。また、最大
電流値Imaxの値を測定する。
【0055】総磁束Φall、最大電流値Imax、Ne、Pbか
ら作成したマップから、一定電圧を追加継続する時間、
逆電圧を印加する時間を決定する(106)。こうして
決定された時間、一定電圧の印加を継続する(10
7)。その後、アマチャ保持磁束制御に移行するが、積
分値のドリフトの影響を考慮し、保持移行後1.5msで一
定電流制御に移行する(108)。アマチャが適正に着
座した場合に実現するはずの適正電流値Istdと、実際
に磁束制御を行った結果得られる電流値Iholdを比較し
(109)、Iholdが大きすぎる場合は、Istdを再設
定する(110)。保持電流値が適正範囲にあれば、一
定電流を供給する制御に移行する(111)。
ら作成したマップから、一定電圧を追加継続する時間、
逆電圧を印加する時間を決定する(106)。こうして
決定された時間、一定電圧の印加を継続する(10
7)。その後、アマチャ保持磁束制御に移行するが、積
分値のドリフトの影響を考慮し、保持移行後1.5msで一
定電流制御に移行する(108)。アマチャが適正に着
座した場合に実現するはずの適正電流値Istdと、実際
に磁束制御を行った結果得られる電流値Iholdを比較し
(109)、Iholdが大きすぎる場合は、Istdを再設
定する(110)。保持電流値が適正範囲にあれば、一
定電流を供給する制御に移行する(111)。
【0056】図6では、3.7msの時点で一定電圧の印加
が停止され、オーバーシュートを補正するための逆電圧
が0.4msの期間印加されている。逆電圧の印加期間はオ
ーバーシュートの量に応じて設定する。具体的には、オ
ーバーシュート量と逆電圧印加期間との対応テーブルが
ROM3に格納されており、このテーブルを参照するこ
とにより逆電圧印加期間を求める。
が停止され、オーバーシュートを補正するための逆電圧
が0.4msの期間印加されている。逆電圧の印加期間はオ
ーバーシュートの量に応じて設定する。具体的には、オ
ーバーシュート量と逆電圧印加期間との対応テーブルが
ROM3に格納されており、このテーブルを参照するこ
とにより逆電圧印加期間を求める。
【0057】逆電圧の印加が終了すると、保持磁束制御
に移行する。図6では、4.2msの時刻から保持磁束制御
に移り、アマチャを着座位置に保持するに必要な磁束を
生成するための一定電流の供給制御に移る。
に移行する。図6では、4.2msの時刻から保持磁束制御
に移り、アマチャを着座位置に保持するに必要な磁束を
生成するための一定電流の供給制御に移る。
【0058】次に、この発明の他の一つの実施形態とし
て、アクチュエータ制御装置がアマチャのリフトタイミ
ングの変化に対応する形態を説明する。図8は、電圧c
の印加開始タイミングに対してアマチャのリフトタイミ
ングが遅れている場合を示し、図9は、アマチャのリフ
トタイミングが進んでいる場合を示す。なお、図8およ
び9では、アマチャリフトは、右の縦軸下方のスケール
で示してある。図8、図9いずれの場合も、一定電圧の
印加期間は、2.0ms、総磁束Φallの目標値は、0.11wbで
ある。
て、アクチュエータ制御装置がアマチャのリフトタイミ
ングの変化に対応する形態を説明する。図8は、電圧c
の印加開始タイミングに対してアマチャのリフトタイミ
ングが遅れている場合を示し、図9は、アマチャのリフ
トタイミングが進んでいる場合を示す。なお、図8およ
び9では、アマチャリフトは、右の縦軸下方のスケール
で示してある。図8、図9いずれの場合も、一定電圧の
印加期間は、2.0ms、総磁束Φallの目標値は、0.11wbで
ある。
【0059】図8では、電圧印加開始後2.0msにおい
て、総磁束Φallの推定値が0.1049wbであり、電流の最
大値Imaxが4.291であり、図9に比べて総磁束がやや小
さく、最大電流値がかなり大きい。これは、アマチャリ
フトのタイミングが遅れており、リフトの各時刻におい
て予定よりも空隙が大きく、漏れ磁束が大きいため、ア
クチュエータのインダクタンス増大が遅れ、したがっ
て、これを補償するために電流が大きくなり、総磁束増
大を維持するように動作することによる。
て、総磁束Φallの推定値が0.1049wbであり、電流の最
大値Imaxが4.291であり、図9に比べて総磁束がやや小
さく、最大電流値がかなり大きい。これは、アマチャリ
フトのタイミングが遅れており、リフトの各時刻におい
て予定よりも空隙が大きく、漏れ磁束が大きいため、ア
クチュエータのインダクタンス増大が遅れ、したがっ
て、これを補償するために電流が大きくなり、総磁束増
大を維持するように動作することによる。
【0060】このようにコイル電流の最大値が大きいこ
とは、リフトタイミングが電圧cの印加開始タイミング
に対して遅れていることを意味する。したがって、最大
電流値を測定することにより、リフトタイミングの遅れ
を推定することができる。リフトタイミングに遅れがあ
るときは、アマチャを電磁石に着座させるために印加す
る一定電圧の印加期間を、リフトタイミングに遅れがな
いときよりも長くする必要がある。最大電流値と電圧印
加の継続(延長)時間との対応テーブルを予め用意して
ROM3に格納しておき、このテーブルを参照すること
によって、電圧印加期間の延長時間を求める。
とは、リフトタイミングが電圧cの印加開始タイミング
に対して遅れていることを意味する。したがって、最大
電流値を測定することにより、リフトタイミングの遅れ
を推定することができる。リフトタイミングに遅れがあ
るときは、アマチャを電磁石に着座させるために印加す
る一定電圧の印加期間を、リフトタイミングに遅れがな
いときよりも長くする必要がある。最大電流値と電圧印
加の継続(延長)時間との対応テーブルを予め用意して
ROM3に格納しておき、このテーブルを参照すること
によって、電圧印加期間の延長時間を求める。
【0061】または、総磁束、最大電流値、エンジン回
転数Neおよび吸気管圧力Pbから電圧印加継続時間マップ
を作成してROM3に格納しておき、このマップを参照
して電圧印加の継続時間を求めることもできる。
転数Neおよび吸気管圧力Pbから電圧印加継続時間マップ
を作成してROM3に格納しておき、このマップを参照
して電圧印加の継続時間を求めることもできる。
【0062】図9では、電圧印加開始後2.0msにおい
て、総磁束Φallの推定値が0.11147wbであり、電流の最
大値が1.452Aである。総磁束が目標値よりやや大きく、
最大電流値がかなり小さい。これは、アマチャリフトの
タイミングが進んでおり、リフト中の空隙が予定よりも
小さく、漏れ磁束が小さいため、アクチュエータのイン
ダクタンス増大が早く発生し、これを補償するために電
流が小さくなり、総磁束増大を一定に維持するよう動作
することによる。
て、総磁束Φallの推定値が0.11147wbであり、電流の最
大値が1.452Aである。総磁束が目標値よりやや大きく、
最大電流値がかなり小さい。これは、アマチャリフトの
タイミングが進んでおり、リフト中の空隙が予定よりも
小さく、漏れ磁束が小さいため、アクチュエータのイン
ダクタンス増大が早く発生し、これを補償するために電
流が小さくなり、総磁束増大を一定に維持するよう動作
することによる。
【0063】図10は、フリクションの変化によって、
アマチャの移動の勢いに変化が生じた場合の動作につい
て示す。具体的には、エンジンの出力が上昇し、排気圧
力が増大した場合などがこれに相当する。図10では、
フリクションの増大によってアマチャリフトの勢いがそ
がれている場合の動作が示されている。
アマチャの移動の勢いに変化が生じた場合の動作につい
て示す。具体的には、エンジンの出力が上昇し、排気圧
力が増大した場合などがこれに相当する。図10では、
フリクションの増大によってアマチャリフトの勢いがそ
がれている場合の動作が示されている。
【0064】リフトの勢いがそがれるから、吸引力が行
うべき機械仕事は増大する。したがって、電源からのエ
ネルギー投入量も増加させなければならない。電圧印加
期間決定部52は、Ne、Pbの値に応じてROM3に格納
されたマップを参照し、早い一定電圧の印加開始時刻、
1.5ms、と長い電圧印加期間、たとえば2.5ms、を得る。
また、目標総磁束決定部53は、Ne、Pbの値に基づいて
0.14wbの目標総磁束の値を得る。
うべき機械仕事は増大する。したがって、電源からのエ
ネルギー投入量も増加させなければならない。電圧印加
期間決定部52は、Ne、Pbの値に応じてROM3に格納
されたマップを参照し、早い一定電圧の印加開始時刻、
1.5ms、と長い電圧印加期間、たとえば2.5ms、を得る。
また、目標総磁束決定部53は、Ne、Pbの値に基づいて
0.14wbの目標総磁束の値を得る。
【0065】図10では、電圧印加開始後2.5msにおい
て、総磁束推定値が0.136wbであり、電流の最大値が3.6
41Aである。このように総磁束積分値がやや小さく、最
大電流値が大きいのは、アマチャリフトがフリクション
の影響で遅れており、リフト中の各時刻において予定よ
りも空隙が大きく、漏れ磁束が大きいため、アクチュエ
ータのインダクタンス増大が遅れ、したがって、これを
補償するため電流が大きくなり、総磁束増大を維持する
よう動作することによる。
て、総磁束推定値が0.136wbであり、電流の最大値が3.6
41Aである。このように総磁束積分値がやや小さく、最
大電流値が大きいのは、アマチャリフトがフリクション
の影響で遅れており、リフト中の各時刻において予定よ
りも空隙が大きく、漏れ磁束が大きいため、アクチュエ
ータのインダクタンス増大が遅れ、したがって、これを
補償するため電流が大きくなり、総磁束増大を維持する
よう動作することによる。
【0066】電圧印加期間延長部55が、Φall、Ima
x、Ne、Pbから作成した電圧印加継続時間マップを参照
して0.35msを検索し、定電圧印加を延長する。その後、
吸引力に寄与する磁束が必要保持磁束に近づくよう総磁
束を制御する。このようにして機械フリクションの増大
に対応した動作が可能になる。漏れ磁束などを考慮して
総磁束の収束値は、必要保持磁束よりやや大きな値、た
とえば0.097wb、になるように設定している。
x、Ne、Pbから作成した電圧印加継続時間マップを参照
して0.35msを検索し、定電圧印加を延長する。その後、
吸引力に寄与する磁束が必要保持磁束に近づくよう総磁
束を制御する。このようにして機械フリクションの増大
に対応した動作が可能になる。漏れ磁束などを考慮して
総磁束の収束値は、必要保持磁束よりやや大きな値、た
とえば0.097wb、になるように設定している。
【0067】図11は、エンジンの電磁バルブ・アクチ
ュエータに本願発明を適用した場合の一対の電磁石に加
えられる電圧、電流、および総磁束の状態を示す。図に
おける参照番号は、以下の事項を示す。
ュエータに本願発明を適用した場合の一対の電磁石に加
えられる電圧、電流、および総磁束の状態を示す。図に
おける参照番号は、以下の事項を示す。
【0068】総磁束推定値Φallのゼロリセット状態
を解除、一定電圧(60V等)印加開始 最大電流値検出 総磁束目標値(オーバーシュート値が目標値)到達 総磁束一定制御開始 1.5ms後、電流一定(Istd)制御に変更(高回転時、
開側では省略する場合がある) アマチャ開放を開始 総磁束推定値のゼロリセット状態を開始 以上にこの発明を自動車エンジンのバルブ制御を例とし
て説明したが、この発明はこのような実施例に限定され
るものではない。
を解除、一定電圧(60V等)印加開始 最大電流値検出 総磁束目標値(オーバーシュート値が目標値)到達 総磁束一定制御開始 1.5ms後、電流一定(Istd)制御に変更(高回転時、
開側では省略する場合がある) アマチャ開放を開始 総磁束推定値のゼロリセット状態を開始 以上にこの発明を自動車エンジンのバルブ制御を例とし
て説明したが、この発明はこのような実施例に限定され
るものではない。
【0069】
【発明の効果】請求項1の発明によると、アマチャを吸
引する電磁石の磁束が目標オーバーシュート値に達する
ことに応答して電磁石が保持動作に切り替えられるの
で、電磁石に必要以上の磁気エネルギーが残留する現象
を低減することができる。
引する電磁石の磁束が目標オーバーシュート値に達する
ことに応答して電磁石が保持動作に切り替えられるの
で、電磁石に必要以上の磁気エネルギーが残留する現象
を低減することができる。
【0070】請求項2の発明によると、速いタイミング
でアマチャを電磁石から開放することができ、アクチュ
エータを高速作動させることができる。
でアマチャを電磁石から開放することができ、アクチュ
エータを高速作動させることができる。
【0071】請求項3の発明によると、アマチャのリフ
トタイミングが遅れた場合であっても、アマチャの吸引
に必要な磁束を生成することができる。
トタイミングが遅れた場合であっても、アマチャの吸引
に必要な磁束を生成することができる。
【0072】請求項4の発明によると、電磁石に流れる
最大電流値を検出するという簡便な手法でアマチャのリ
フトタイミングを推定することができる。
最大電流値を検出するという簡便な手法でアマチャのリ
フトタイミングを推定することができる。
【図1】この発明の一実施例におけるアクチュエータの
全体的なブロック図。
全体的なブロック図。
【図2】この発明の一実施例におけるアクチュエータの
機械的構造を示す図。
機械的構造を示す図。
【図3】背景技術のアクチュエータ制御における各パラ
メータの関係を示す図。
メータの関係を示す図。
【図4】この発明の一実施例におけるアクチュエータ制
御装置の機能ブロック図。
御装置の機能ブロック図。
【図5】この発明の一実施例におけるアクチュエータ制
御における各パラメータの関係を示す図。
御における各パラメータの関係を示す図。
【図6】この発明の一実施例におけるアクチュエータ制
御における各パラメータの関係を示す図。
御における各パラメータの関係を示す図。
【図7】この発明の一実施例におけるアクチュエータ制
御における各パラメータの関係を示す図。
御における各パラメータの関係を示す図。
【図8】この発明の一実施例におけるアクチュエータ制
御における各パラメータの関係を示す図。
御における各パラメータの関係を示す図。
【図9】この発明の一実施例におけるアクチュエータ制
御における各パラメータの関係を示す図。
御における各パラメータの関係を示す図。
【図10】この発明の一実施例におけるアクチュエータ
制御における各パラメータの関係を示す図。
制御における各パラメータの関係を示す図。
【図11】この発明の一実施例におけるアクチュエータ
制御における各パラメータの関係を示す図。
制御における各パラメータの関係を示す図。
50 電磁石制御部 52 電圧印加時刻、期間決定部 53 目標総磁束決定部 40 積分器 54 リフトタイミング推定部 55 電圧印加期間延長部 56 総磁束オーバーシュート量検出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H106 DA07 DA25 DB02 DB12 DB26 DB32 DC02 DC17 DD02 EE15 FA04 FA08 KK17 5H633 BB07 BB10 GG02 GG04 GG09 GG13 GG16 GG21 GG22 HH16 JA02 JA09
Claims (4)
- 【請求項1】対向する方向に働く一対のばねと、 前記ばねに連結され非動作状態で該ばねにより与えられ
る中立位置に支持される、機械要素に結合したアマチャ
と、 前記アマチャを第1の終端位置と第2の終端位置との間で
駆動する一対の電磁石と、 前記アマチャを一方の終端位置から他方の終端位置に駆
動するとき、該アマチャを吸引動作する方の電磁石が生
成する磁束を推定する推定手段と、前記磁束が目標オー
バーシュート値に達することに応答して前記電磁石を吸
引動作から保持動作に切り替える手段と、 を備えるアクチュエータ制御装置。 - 【請求項2】前記推定手段により推定される磁束の最大
値に応じ、磁束を該最大値から前記アマチャの保持に必
要な値に収束させるため、前記吸引動作により吸引力を
発生している前記電磁石に逆電圧を印加する手段を備え
る請求項1に記載のアクチュエータ制御装置。 - 【請求項3】対向する方向に働く一対のばねと、 前記ばねに連結され非動作状態で該ばねにより与えられ
る中立位置に支持される、機械要素に結合したアマチャ
と、 前記アマチャを第1の終端位置と第2の終端位置との間で
駆動する一対の電磁石と、 前記アマチャを一方の終端位置から他方の終端位置に駆
動するとき、該アマチャを吸引動作する方の電磁石が生
成する磁束を推定する磁束推定手段と、前記アマチャを
一方の終端位置から他方の終端位置に駆動するとき、ア
マチャリフトのタイミングを推定するタイミング推定手
段と、 前記推定された磁束および推定されたタイミングに応じ
て前記アマチャを吸引動作する方の電磁石に印加する電
圧の印加時間を制御する制御手段と、 を備えるアクチュエータ制御装置。 - 【請求項4】前記タイミング推定手段は、前記電磁石に
流れる最大電流値を検出する手段である請求項3に記載
のアクチュエータ制御装置。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27475999A JP2001102213A (ja) | 1999-09-28 | 1999-09-28 | アクチュエータ制御装置 |
| DE10047964A DE10047964A1 (de) | 1999-09-28 | 2000-09-27 | Aktuator-Steuer/Regeleinrichtung |
| US09/670,347 US6549390B1 (en) | 1999-09-28 | 2000-09-27 | Actuator controller |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27475999A JP2001102213A (ja) | 1999-09-28 | 1999-09-28 | アクチュエータ制御装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001102213A true JP2001102213A (ja) | 2001-04-13 |
Family
ID=17546193
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27475999A Pending JP2001102213A (ja) | 1999-09-28 | 1999-09-28 | アクチュエータ制御装置 |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US6549390B1 (ja) |
| JP (1) | JP2001102213A (ja) |
| DE (1) | DE10047964A1 (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| ITBO20000660A1 (it) * | 2000-11-14 | 2002-05-14 | Magneti Marelli Spa | Metodo per la stima dell'effetto delle correnti parassite in un azionatore elettromagnetico per il comando di una valvola di un motore |
| JP4803882B2 (ja) * | 2001-01-19 | 2011-10-26 | 本田技研工業株式会社 | 電磁アクチュエータ制御装置 |
| DE10148403A1 (de) * | 2001-09-29 | 2003-04-17 | Fev Motorentech Gmbh | Verfahren zur Steuerung eines elektromagnetischen Ventiltriebs durch Änderung der Stromrichtung bei der Bestromung der Elektromagneten |
| JP2003293799A (ja) * | 2002-03-29 | 2003-10-15 | Honda Motor Co Ltd | 内燃機関のバルブタイミング制御装置 |
| US6997159B2 (en) * | 2003-02-21 | 2006-02-14 | Caterpillar Inc. | Electrically controlled fluid system with ability to operate at low energy conditions |
| US7640899B2 (en) * | 2005-04-15 | 2010-01-05 | Ford Global Technologies, Llc | Adjusting electrically actuated valve lift |
| US20070069172A1 (en) * | 2005-04-26 | 2007-03-29 | Parker-Hannifin Corporation | Magnetic repulsion actuator and method |
| DE102011089996B4 (de) * | 2011-12-27 | 2018-02-01 | Continental Automotive Gmbh | Bordnetzsystem und Verfahren zum Betreiben eines Bordnetzsystems |
| CN103176501B (zh) * | 2013-03-11 | 2015-09-09 | 南昌航空大学 | 一种能控制磁通的阀门 |
| GB2535158A (en) * | 2015-02-09 | 2016-08-17 | Gm Global Tech Operations Llc | Method for operating a digital inlet valve |
| CN105846635B (zh) * | 2016-03-10 | 2018-12-11 | 南京伶机宜动驱动技术有限公司 | 磁极力驱动微伸缩装置及其使用方法 |
| US10883620B2 (en) * | 2017-01-12 | 2021-01-05 | Bright Energy Storage Technologies, Llp | Response time managed valves and their applications |
| US10693358B2 (en) | 2017-02-03 | 2020-06-23 | Hamilton Sundstrand Corporation | Reciprocating electromagnetic actuator with flux-balanced armature and stationary cores |
| DE102019104882A1 (de) * | 2019-02-26 | 2020-08-27 | Eto Magnetic Gmbh | Aktorvorrichtung und Verfahren zum Betrieb einer Aktorvorrichtung |
Family Cites Families (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR446811A (fr) * | 1917-02-27 | 1912-12-16 | Walter Kellner | Dispositif pour embrayage et débrayage pour les fuseaux de métiers à fuseaux |
| US4659969A (en) * | 1984-08-09 | 1987-04-21 | Synektron Corporation | Variable reluctance actuator having position sensing and control |
| DE3826978A1 (de) * | 1988-08-09 | 1990-02-15 | Meyer Hans Wilhelm | Elektromagnetisch betaetigbare stellvorrichtung |
| US5416665A (en) * | 1991-04-19 | 1995-05-16 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Vehicle electromagnetic clutch control device |
| DE29615396U1 (de) * | 1996-09-04 | 1998-01-08 | FEV Motorentechnik GmbH & Co. KG, 52078 Aachen | Elektromagnetischer Aktuator mit Aufschlagdämpfung |
| JPH11110963A (ja) | 1997-10-02 | 1999-04-23 | Hitachi Ltd | 半導体集積回路装置 |
| US6176207B1 (en) * | 1997-12-08 | 2001-01-23 | Siemens Corporation | Electronically controlling the landing of an armature in an electromechanical actuator |
| FR2784712B1 (fr) * | 1998-10-15 | 2001-09-14 | Sagem | Procede et dispositif d'actionnement electromagnetique de soupape |
| US6249418B1 (en) * | 1999-01-27 | 2001-06-19 | Gary Bergstrom | System for control of an electromagnetic actuator |
| JP2000304153A (ja) * | 1999-04-19 | 2000-11-02 | Honda Motor Co Ltd | 電磁石アクチュエータ駆動装置 |
-
1999
- 1999-09-28 JP JP27475999A patent/JP2001102213A/ja active Pending
-
2000
- 2000-09-27 US US09/670,347 patent/US6549390B1/en not_active Expired - Fee Related
- 2000-09-27 DE DE10047964A patent/DE10047964A1/de not_active Ceased
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| DE10047964A1 (de) | 2001-03-29 |
| US6549390B1 (en) | 2003-04-15 |
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