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JP2001198710A - 超硬合金押出し材料およびその製造方法並びに切削工具 - Google Patents

超硬合金押出し材料およびその製造方法並びに切削工具

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JP2001198710A
JP2001198710A JP2000006181A JP2000006181A JP2001198710A JP 2001198710 A JP2001198710 A JP 2001198710A JP 2000006181 A JP2000006181 A JP 2000006181A JP 2000006181 A JP2000006181 A JP 2000006181A JP 2001198710 A JP2001198710 A JP 2001198710A
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cemented carbide
extruded
extrusion
extruded material
ratio
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JP2000006181A
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Masaya Tokuhira
雅也 得平
Masahiro Machida
正弘 町田
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MMC Kobelco Tool Co Ltd
Original Assignee
MMC Kobelco Tool Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 わざわざ板状のWC粒を生成させ、それを配
向させるのではなく、通常用いられているアスペクト比
が2以下のWC粒を用いても、配向により、機械的特性
を更に改善することのできる超硬合金押出し材料、およ
びこの様な超硬合金押出し材料を製造する為の有用な方
法、並びに上記の様な超硬合金押出し材料を素材として
抗折力を高くすることのできる切削工具、等を提供す
る。 【解決手段】 WCを70質量%以上含有し、残部がC
o,NiおよびFeよりなる群から選ばれる1種以上の
鉄族元素を含有してなる超硬合金押出し材料であって、
前記WCの平均粒径が1μm以下であり、且つCuをタ
ーゲット材として測定したときの、押出し方向に垂直な
面での(001)面のX線回折ピーク強度をh(00
1)、押出し方向に垂直な面での(100)面のX線回
折ピーク強度をh(100)と表したときに、これらの
比[h(001)/h(100)]が0.35以下であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切削工具、冷間加
工工具および熱間加工工具等の耐摩耗性部品の素材とし
て有用な超硬合金押出し材料、およびこの様な超硬合金
押出し材料を製造する為の有用な方法、並びにこうした
超硬合金材料を素材として抗折力を高くすることのでき
る切削工具等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】WCを硬質相とし、Co,Ni,Fe等
の鉄族元素を結合相として含むWC系超硬合金材料は、
従来からその表面にTiNや(AlTi)N等の硬質皮
膜を形成して、ドリルやエンドミル等の切削工具の素材
として、或は熱間加工工具や冷間加工工具の素材として
汎用されている。
【0003】この様な超硬合金材料は、原料粉末混合→
乾燥・造粒→成形→脱脂・半焼結→加工→焼結→HIP
処理(熱間静水圧加圧処理)の工程で製造されており、
この様にして製造されたものの機械的特性は通常等方性
である。
【0004】上記の様な超硬合金材料の機械的特性に異
方性を持たせて、その特性(靭性や強度)を向上させる
という技術も提案されている。これまでこれらの様な技
術は、いずれも特殊な方法を用いてWC粒を板状に成長
させて、その後熱間加工によりWC粒を配向させるもの
である。以下に、板状WC結晶を含有することにより特
性向上を狙った先行技術について記す。
【0005】特公昭47−23049号や同47−23
050号では、0.01〜0.1μmの範囲の粒子から
なる多孔質の凝集体コロイド状WC粉末を用いて焼結す
ることにより、最大寸法が0.1〜50μmで、且つ最
大寸法の3倍以上となる板状のWCを含有した超硬合金
について記載されている。しかしながら、この様な方法
では、板状WC結晶のサイズ・含有量を・分散状態等の
制御が非常に難しく、むしろ機械的特性を劣化させると
いう問題がある。また、複雑な工程が必要であり、コス
トアップにもなる。
【0006】特開昭57−34008号には、WC粉末
を強粉砕して鉄族金属の存在下で炭化反応を起こさせ、
WCが(001)面の結晶面で接合した状態の板状の双
晶WCを得る方法が記載されている。この方法では、得
られる板状の双晶WCの含有率や分離の問題がある。
【0007】特開平2−47239号には、Wを過飽和
に固溶した複合炭化物を原料とし、焼結時に板状WC結
晶を晶出させる超硬合金についての方法が記載されてい
る。しかしながら、この方法では、Wの過飽和固溶体を
得る工程が必要であり、また板状WC結晶の生成率や適
用できる組成が限定される問題がある。
【0008】特開平5−339639号では、平均粒径
0.5μm以下のWC粉末と立方晶系化合物を用いて、
1450℃以上の温度で焼結して板状WC結晶を有する
超硬合金の製造方法が記載されている。この方法では、
長時間粉砕が必要であり、それに伴って酸素量等のコン
タミネーションの問題があること、或は板状WC結晶の
生成率が少ない、サイズコントロールができない等の問
題がある。
【0009】特開平7−278179号には、Coおよ
び/またはNiとWと炭素を含有した複合炭化物を1μ
m以下の粒径とし、この複合炭化物と炭素の混合粉末を
出発原料として用いて、平均粒径が1μm以下でアスペ
クト比が2〜20の板状WC結晶を20体積%以上含有
する超硬合金が記載されている。また、特開平7−29
2426号には、Coおよび/またはNi粉末と、炭素
粉末、W粉末、またはWとCとを含む複合炭化物が生成
される第一過程と、該複合炭化物と残留炭素との反応に
より板状WC粒が生成される第二過程とを含む、板状W
C結晶含有超硬合金の製法が記載されている。しかしな
がら、これらの方法では、出発原料に用いる複合炭化物
を前もって製造しておく必要があり、工程が煩雑でコス
トアップにつながるものである。
【0010】特開平11−269573号では、出発原
料として、金属亜鉛および/または亜鉛化合物でなる亜
鉛含有物質と、金属タングステン粉末、カーボンおよび
/または黒鉛でなる炭素源粉末と、Coおよび/または
Ni粉末を使用し、焼結途中でWおよびCo表面の酸化
物が亜鉛蒸気により還元されて活性となり、低温で多量
の微粒で均一な複合炭化物を生成し、これと炭素との反
応により微細でアスペクト比の大きい(3以上)板状W
C結晶が多量に形成されることが記載されている。しか
しながら、この方法では亜鉛化合物を焼結過程で蒸発・
飛散除去する必要があり、残留亜鉛による機械的特性の
低下やその蒸気圧によるボアや割れの問題がある。
【0011】上記のようにアスペクト比2〜3以上の板
状WCを形成させる方法はいくつか報告されているが、
いずれも特殊な工程が必要であり、それに伴って板状W
C粒の生成率やサイズコントロール、コストの問題、そ
の他にも特殊工程を踏むゆえの弊害が生じている。
【0012】また、生成させた板状WC結晶を配向させ
る方法として、特公昭47−23049号や同47−2
3050号、或は「粉末および粉末冶金」(第36巻第
4号)では、ホットプレス法が記載されている。しかし
ながら、ホットプレス法では、(a)大きな加工率が得
られない、(b)板状のものしか得られない、(c)製
造コストが高い等の問題がある。また上記特公昭47−
23049号や同47−23050号では、押出しによ
る方法も一部記載されているが、押出し条件に関する具
体的記述はほとんどなされていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした状況
の下でなされたものであって、その目的は、わざわざ板
状のWC粒を生成させ、それを配向させるのではなく、
通常用いられているアスペクト比が2以下のWC粒を用
いても、配向により、機械的特性を更に改善することの
できる超硬合金押出し材料、およびこの様な超硬合金押
出し材料を製造する為の有用な方法、並びに上記の様な
超硬合金押出し材料を素材として抗折力を高くすること
のできる切削工具、等を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明の超硬合金押出し材料とは、WCを70質量%以上
含有し、残部がCo,NiおよびFeよりなる群から選
ばれる1種以上の鉄族元素を含有してなる超硬合金押出
し材料であって、前記WCの平均粒径が1μm以下であ
り、且つCuをターゲット材として測定したときの、押
出し方向に垂直な面での(001)面のX線回折ピーク
強度をh(001)、押出し方向に垂直な面での(10
0)面のX線回折ピーク強度をh(100)と表したと
きに、これらの比[h(001)/h(100)]が
0.35以下である点に要旨を有するものである。
【0015】この超硬合金押出し材料においては、総量
の35質量%以下となる様に、WCの一部を遷移金属の
炭化物、窒化物または炭窒化物のいずれか1種以上で置
き換えることも有用であり、これによって耐酸化性、耐
摩耗性、耐溶着性等を改善することができる。また上記
の様な超硬合金材料の表面に硬質皮膜を形成することに
よって、耐摩耗性を更に向上させた切削工具とすること
ができる。
【0016】一方、上記の様な超硬合金押出し材料を製
造するに当たっては、WCを70質量%以上含有し、残
部がCo,NiおよびFeよりなる群から選ばれる1種
以上の鉄族元素を含有する様に混合し、WCの平均粒径
が1μm以下で且つ相対密度が90%以上となる押出し
素材を得、該押出し素材を液相出現温度以上で押出し比
を4以上とし、且つ押出し速度(ステム速度×押出し
比)が40〜4000mm/secとなる様に熱間押し
出しする様にすれば良い。
【0017】また、この方法においては、(1)総量の
35質量%以下となる様に、WCの一部を遷移金属の炭
化物、窒化物または炭窒化物のいずれか1種以上で置き
換えた押出し素材を用いることや、(2)上記押出し素
材を、その周りに難焼結材料を配置した状態で金属カプ
セルに装填し、該カプセルを押し出し加工すること、等
も好ましい実施形態として挙げられる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明者らは、板状WC結晶を生
成させてそれらを配向行させるのではなく、アスペクト
比が2以下である様な通常用いられているWC粒を配向
させて、超硬合金材料を更に高性能化するという観点か
ら、様々な角度から検討を重ねてきた。その結果、平均
粒径が1μm以下のWC粒子を用いて熱間押し出し処理
を適用すれば、WC粒子を配行させて超硬合金材料の機
械的特性を向上させることができることを見出し、本発
明を完成した。そして、この様にして得られる超硬合金
押出し材料では、強度や耐摩耗性に優れた長尺部材を安
価に得ることができ、こうした長尺部材はエンドミルや
ドリルの素材として有用である。
【0019】尚、上記「平均粒径」とは、フルマン法
(Fullman法)によって測定した値であり、平均粒径を
d、顕微鏡面上の任意の直線によってヒットされる単位
長さ当たりの粒子個数をN1、任意の単位面内に含まれ
る粒子数をN2、としたときに、下記(1)式によって
表されるものである。 d=(4/π)×(N1/N2) ……(1)
【0020】本発明者らは、WC粒子の配向によって機
械的特性を向上させる為の具体的手段として、大きな加
工率が得られる熱間押出し法が最適であると考えた。こ
の熱間押出し法については、これまでセラミックスであ
るWC粒子を非常に多く含む超硬合金材料に対する具体
的な適用報告はなされていない。ところが、本発明者ら
がこの方法の適用可能性について検討を重ねたところ、
様々な工夫を施してやれば、WC粒子を多く含む超硬合
金材料においても押出しが十分可能であることが判明し
たのである。
【0021】本発明者らは、押出し加工の適用可能性を
検討する過程において、WCの平均粒径が押出し時の流
れ性を大きく支配することを明らかにした。即ち、WC
粒子の平均粒径が1μmよりも大きくなると、押出し時
の超硬合金材料素材(押出し素材)の流れ性が急激に悪
くなり、それが原因で押出し素材の表面状態が悪化し
(凹凸が大きくなる)、また内部に欠陥が生じることに
なる。そして、表面の凹凸は製品製造時の加工量の増大
を招き、また内部欠陥は強度低下を引き起こすことにな
る。こうした観点から、本発明の超硬合金材料における
WC粒子の平均粒径は1μm以下とする必要がある。
【0022】尚、WC粒子は0.5μm以下とするのが
好ましいが、粒径が小さくなると配向の効果も小さくな
ることから、粒径は0.1μm以上とすることが好まし
い。また、WC粒子の最大長さは10μm以下であるこ
とが好ましく、より好ましくは5μm以下とするのが良
い。これは、WC粒子の平均粒径が1μm以下であって
も、大きな粒子が含まれている場合には、その近傍に欠
陥ができる可能性があるからである。
【0023】また、本発明方法で規定する平均粒径は、
押出し直前のそれを意味するものであるが、押出し前・
後でのWC粒径は殆ど差がないものと見なして良く、押
出し前・後での平均粒径は区別する必要はなく、例えば
押出し直前のWCの平均粒径が1μm以下であることは
押し出し後(即ち、超硬合金押出し材料)の平均粒径も
1μm以下であることを意味する。
【0024】ところで、押出し直前の素材(押出し素
材)の相対密度は、90%以上とする必要がある。この
押出し加工では、配行と同時に緻密化を成し遂げるとい
う目的があるが、押出し直前の相対密度が90%未満で
あると、ポアを埋めることができず、こうして生じた残
留ポアは破壊の起点となって強度低下の原因となる。
尚、残留ポアは熱間静水圧プレス(HIP)等の後処理
によって取り除くことも可能であるが、こうした処理を
行なうとせっかく配向したWC粒の配向度を落とすこと
になるだけでなく、コストアップにつながることにな
る。
【0025】上記の様な押出し加工を行なうに当たって
は、押出し素材をカプセルに充填して行なうことが好ま
しい。このカプセルは、液相温度以上に加熱した押出し
素材の保温と、押出し時に静水圧的な圧力を起こさせる
ことが目的で使用するものである。即ち、カプセルを使
用しないと、押出し時に素材表面の温度の低下や圧力の
偏りが生じ、押出し素材に割れが生じる等の不都合が発
生する。このカプセルの材質については、金属材料、ガ
ラス、或いは粉末を固めたもの、等様々なものが使用で
きるが、押出し素材との大きな流れの差があってはなら
ないことや、取り扱いが容易である等の理由によって鋼
を使用することが好ましい。
【0026】また、カプセルと押出し素材は、非常に高
温の状態で接触することになるので、このときの両者の
反応を抑える必要がある。こうしたことから、カプセル
と超押出し素材の間には、両者の反応を防止する為の材
料を介在させる必要がある。本発明者らはこうした材料
についても検討したところ、難焼結性の粉末を使用する
ことが好ましいことが判明した。即ち、カプセルと押出
し素材の間に介在させる材料としては、両者の反応を防
止するという目的に加えて、カプセルや超硬合金素材と
押出し流れ性が大きく異なってはならないこと、更には
カプセル除去時に容易に除去できるという特性が必要で
ある等を考慮すると、上記材料としては難焼結性のAl
N粉末やBN粉末等であることが好ましい。これらの粉
末は、1300℃程度に加熱しても容易に焼結すること
なく、反応防止や押出し時の流れ性を維持することが可
能である。また、押出し後にも容易に除去が可能であ
る。
【0027】押出し時の押出し比については、4以上に
することが必要である。即ち、良好な押出し性(表面性
状や内部欠陥の有無)を維持する為には、WC粒子の平
均粒径は1μm以下であることが必要であるが、本発明
者らがこの粒径においてもWC粒子の配行による機械的
特性の改善を図るのに必要な条件について検討したとこ
ろによると、この押出し比が4以上であると配行による
十分な特性改善が達成できることが判明したのである。
尚、この押出し比の上限については、限定するものでは
ないが、高過ぎると内部欠陥が発生するので、80以下
とすることが好ましい。
【0028】また、熱間押出し時における押出し速度
(ステム速度×押出し比)も適切に調整する必要があ
り、本発明では40〜4000mm/secと規定す
る。即ち、この押出し速度が40mm/sec未満で
は、十分な配向が得られず、4000mm/secを超
えると内部欠陥が発生することになる。
【0029】上記の様にして製造される超硬合金押出し
材料は、WC粒子が配向した状態になっているのである
が、この配向を示す定量的な指標として、本発明者らは
押出し方向に垂直な面での(001)面および(10
0)面における、Cuをターゲットとして測定したとき
のX線回折ピーク強度比を用いることが有用であるとの
知見が得られた。
【0030】即ち、押出し加工を施した場合に、(00
1)面は押出し方向に平行に並ぶ傾向にあり、(10
0)面は押出し方向に垂直に並ぶ傾向がある。そして、
これらの度合いを示す値として、Cuをターゲットとし
て測定したときの、押出し方向に垂直な面での(00
1)面および(100)面のX線回折ピーク強度を、夫
々h(001)およびh(100)として表したとき
に、これらの強度比[h(001)/h(100)]を
用い、この比の値が0.35以下のときには機械的特性
が著しく改善されることが判明したのである。
【0031】そして、前述した如く、特にWC粒子を大
きく板状に成長させた粒子を使用せずとも、押出し比を
4以上とすると共に押出し速度を40〜4000mm/
secとすることによって、通常の工程で作製したWC
粒子を用いても希望する配行が得られ、機械的特性の向
上が発揮されるのである。尚、前記強度比[h(00
1)/h(100)]については、超硬合金材料のどの
断面においても0.35以下であることが好ましいが、
必ずしもその必要はなく、任意の断面において上記強度
比を測定したときに、その90%以上が上記の範囲を満
足していれば、本発明の目的を達成することができる。
【0032】本発明に係る超硬合金押出し材料において
は、硬質相をなすWCと結合相をなす鉄族元素(Co,
Ni,Fe等)との配合比率も適切に調節する必要があ
る。WCの含有量が70質量%未満になると、結合相の
量(バインダー量)が多くなるのでこの結合相の塑性変
形を利用して押出し加工は容易に行なえるが、硬さが低
下して耐摩耗性が悪くなる。また、結合相の種類として
は上記の如く、Co,Ni,Fe等の鉄族元素が挙げら
れるが、これらは単独または複合して使用すれば良い。
【0033】本発明の超硬合金材料においては、そのW
Cの一部を、Ti,Ta,Mo,Ti,Cr,V,N
b,Zr,Hf等の遷移金属の炭化物、窒化物または炭
窒化物のいずれか1種以上で置き換ることも有用であ
り、こうした化合物を添加することによって超硬合金押
出し材料の耐酸化性、耐摩耗性、耐溶着性等を更に改善
することができる。但し、その置換量が超硬合金押出し
材料の総量に対して35質量%を超えると、WC粒子の
配行による効果が発揮されにくくなるので、35質量%
以下とすべきである。また、上記効果を発揮させる為に
は、添加する炭化物、窒化物または炭窒化物はできるだ
け微細なものであることが好ましい。
【0034】本発明に係る超硬合金押出し材料は、高強
度および強靭性を発揮するものであり、長尺部材に形成
した場合でも折れにくいものであるので、切削工具や、
冷間加工工具若しくは熱間加工工具等の素材として有用
である。また、本発明の超硬合金材料を用いて切削工具
製品とする場合には、その素材表面にTiNや(AlT
i)N等の硬質皮膜を形成することが好ましい。
【0035】以下、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することは
いずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0036】
【実施例】原料として各種粒径のWC粉末、バインダー
(Co,Ni,Fe)粉末、および遷移金属元素の炭化
物、窒化物または炭窒化物を準備し、これらを用いて各
種の組成割合となる様に湿式アトライターで混合、乾燥
した後、CIP成形(冷間静水圧加圧成形)を行ない、
その後仮焼して押出し素材を得た。
【0037】押出し直前の押出し素材の相対密度(上記
押出し素材は、各種で2個づつ準備し、その1つを押出
し加工用、他の1つを相対密度測定用とした。)を測定
すると共に、各種の押出し条件(押出し温度、押出し
比、押出し速度)にて、熱間押出しを行ない、各種の超
硬合金押出し材料を得た。このとき、カプセル素材とし
て軟鋼を用い、押出し時のステム速度は10〜85mm
/secとし、カプセルと押出し素材の間に各種反応防
止剤(難焼結材料)を介在させた状態で熱間押出しを行
なった。このときの原料の配合割合、押出し条件(押出
し温度、押出し比、ステム速度、押出し速度)、反応防
止剤の種類を一括して下記表1に示す。尚、下記表1の
「押出し温度」の欄においては、押出し温度が液相出現
温度以上の場合に○印、そうでない場合に×印を付して
区別した。
【0038】
【表1】
【0039】得られた超硬合金材料について、そのWC
粒子の平均粒径、X線強度比、抗折力を測定すると共
に、表面状態を観察した。このとき、WCの平均粒径に
ついては前記したフルマン法によって測定し、表面状態
は実体顕微鏡を用いて観察し、その凹凸の状態から下記
の基準で評価した。 ◎:非常に良い;顕微鏡観察で、0.0〜0.2mmの
凹凸 ○:良好;顕微鏡観察で0.2〜0.4mmの凹凸 △:普通;顕微鏡観察で0.4〜0.6mmの凹凸 ×:不良;顕微鏡観察で0.6よりも大きい凹凸。
【0040】また、X線強度比は、X線回折計を用い、
Cuをターゲットとして(001)面および(100)
面の夫々のX線回折ピーク強度[h(001)およびh
(100)]を測定し、これらの比[h(001)/h
(100)]を計算した。尚X線回折ピーク強度比を測
定するに当たっては、超硬合金材料を直交する2方向
(押出し方向に平行な方向および垂直な方向)から測定
し、その最低値を採用した。また、抗折力は、押出し方
向に平行な面を引っ張り面としてJIS抗折試験[JI
S B 1404(7.2)]に準拠して測定した。こ
れらの結果を、一括して下記表2に示す。このとき、等
方性な特性を示すもの(比較例)として、湿式アトライ
ターで混合→乾燥→成形→焼結した後、HIP処理(1
300℃、100MPa)を施した試料(この試料を
「HIP材」と呼ぶ)の抗折試験の結果についても示し
た。
【0041】
【表2】
【0042】これらの結果から明らかな様に、本発明で
規定する要件を満足する実施例のものでは、表面性状も
良好で強度的にも優れたものであることが分かる。これ
に対して、本発明で規定する要件のいずれかを欠く比較
例のものでは、いずれかの特性が劣っていた(押出し不
良、内部欠陥、配行性小)。
【0043】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、わ
ざわざ板状のWC粒を生成させ、それを配向させるので
はなく、通常用いられているアスペクト比が2以下のW
C粒を用いても、配向により、機械的特性を更に改善す
ることのできる超硬合金押出し材料が実現でき、この様
な超硬合金押出し材料は高い抗折力が要求される切削工
具等の素材として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 1/05 C22C 1/05 G // C22C 29/08 29/08 Fターム(参考) 3C037 FF04 FF06 3C046 FF32 FF39 FF43 FF46 FF53 FF55 4K018 AD06 BA04 BA11 BB04 CA32 EA32 EA34 FA24 KA15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 WCを70質量%以上含有し、残部がC
    o,NiおよびFeよりなる群から選ばれる1種以上の
    鉄族元素を含有してなる超硬合金押出し材料であって、
    前記WCの平均粒径が1μm以下であり、且つCuをタ
    ーゲット材として測定したときの、押出し方向に垂直な
    面での(001)面のX線回折ピーク強度をh(00
    1)、押出し方向に垂直な面での(100)面のX線回
    折ピーク強度をh(100)と表したときに、これらの
    比[h(001)/h(100)]が0.35以下であ
    ることを特徴とする超硬合金押出し材料。
  2. 【請求項2】 総量の35質量%以下となる様に、WC
    の一部を遷移金属の炭化物、窒化物または炭窒化物のい
    ずれか1種以上で置き換えたものである請求項1に記載
    の超硬合金押出し材料。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の超硬合金の表
    面に硬質皮膜が形成されたものである切削工具。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の超硬合金材料を製造す
    るに当たり、WCを70質量%以上含有し、残部がC
    o,NiおよびFeよりなる群から選ばれる1種以上の
    鉄族元素を含有する様に混合し、WCの平均粒径が1μ
    m以下で且つ相対密度が90%以上となる押出し素材を
    得、該押出し素材を液相出現温度以上で押出し比を4以
    上とし、且つ押出し速度(ステム速度×押出し比)が4
    0〜4000mm/secとなる様に熱間押し出しする
    ことを特徴とする超硬合金押出し材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 総量の35質量%以下となる様に、WC
    の一部を遷移金属の炭化物、窒化物または炭窒化物のい
    ずれか1種以上で置き換えた押出し素材を用いる請求項
    4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記押出し素材を、その周りに難焼結材
    料を配置した状態で金属カプセルに装填し、該カプセル
    を押出し加工するものである請求項4または5に記載の
    製造方法。
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