JP2001172085A - 窒化珪素質焼結体とその製造方法およびこれを用いた窒化珪素質耐摩耗性部材 - Google Patents
窒化珪素質焼結体とその製造方法およびこれを用いた窒化珪素質耐摩耗性部材Info
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Abstract
材を提供する。 【解決手段】粒界相を有する窒化珪素質焼結体であっ
て、表面より1mmの範囲内にある粒界相の最大結晶径
を100μm以下とした窒化珪素質焼結体で耐摩耗性部
材を構成する。
Description
からなる耐摩耗性部材およびその製造方法に関する。
や剛性に優れているため構造用機械部品の材料として期
待されており、近年ではこれらの特性を利用してベアリ
ングの転動体であるボールやローラーに使用されてい
る。
上記窒化珪素質焼結体の原材料である窒化珪素に自己焼
結性がないため焼結助剤を添加して焼結を行っている。
上記焼結助剤としては、一般にY2O3などの希土類酸化
物や、Al2O3、MgO、CaOなどの酸化物が組み合
わされて用いられている。そして、窒化珪素粉末にこれ
らの焼結助剤を混合して成形した後、焼結を行うことに
より窒化珪素質焼結体を得ている。上記焼結する方法と
しては、常圧下で行う常圧焼結や窒素等による雰囲気加
圧焼結などがあり、さらに、上記常圧焼結により得られ
る焼結体においては、焼結体内部の残留気孔を排除する
ために高温で高いガス圧力で処理して機械的強度を向上
させるために、HIP(熱間静水圧加圧)処理を行って
いる。
に内在する微少な欠陥(気孔等)が転がり疲労によって
表面で剥離を起こす原因となるため、雰囲気加圧焼結や
HIP処理が用いられている。このようにして得られた
焼結体は、製品として精密加工された後、軸受部品とし
て使用される。
高い引っ張り応力を受けるために、表面ないしはその近
傍の表層に欠陥が存在しないことが重要であり、軸受部
品材料として用いる焼結体には、特に、欠陥(気孔、介
在物、組織の異常など)がないことが要求されている。
用途である工作機械の高速化、及び、航空機、宇宙産業
への市場展開により、より高温環境化での高負荷用セラ
ミック軸受けのニーズが高まっている。また、軽量であ
ることから高速回転のHDD用としてセラミック軸受け
のニーズが高まっている。
ようにして得られる窒化珪素質焼結体を用いた軸受材料
は、摩擦熱の発生による機械的特性の低下が発生すると
いう問題点があった。特に、光学顕微鏡で観察したとき
に焼結体内に白い模様が発生し、製品に加工するまでに
除去できずに製品の表面に残った場合、機械的特性の低
下が顕著であった。この白い模様は粒界の欠落によるも
のであり、表面に残った模様は、製品表面の蛍光探傷検
査において明確な欠陥指示模様ではないが微弱に発色す
る。
ような模様を有する窒化珪素質焼結体は、軸受材料とし
て要求されている転がり寿命に対して、下記に示すよう
な問題が記載されている。
該模様を構成している粒界相欠落部の大きさが0. 3μ
mを越える傾向があり、転がり疲労による剥離を起こ
す。また、窒化珪素質焼結体が有する上記模様を構成し
ている上記粒界相欠落部の集合体の大きさは、0. 3μ
m以下であっても使用温度が高い軸受けについてはその
粒界相欠落部の集合体の大きさが0.5mm以上になる
と、短時間で転がり疲労による剥離を生じるという問題
があった。
上記のような問題も示されているが、欠陥サイズを0.
3μm以下のマイクロボイドの集合体であると規定した
のみで根本対策には至っていない。
み、種々検討した結果、結晶粒界相の少なくとも一部が
結晶化している窒化珪素質焼結体であって、前記粒界相
の結晶最大径が100μm以下とすることにより上記課
題を解決できることを見出した。
て、窒化珪素を主成分とし、焼結助剤として希土類元素
酸化物粉末および酸化アルミニウム粉末を添加した混合
物を成形した後、非酸化物雰囲気中で1600℃〜20
00℃の温度で焼成し緻密化し、急速に冷却した後、9
00℃〜1200℃の温度で熱処理することが有効であ
ることを見出した。摩擦熱による高温耐久性を向上させ
るために粒界を結晶化させて熱伝導率を向上させること
が重要であり、さらに、その粒界相の結晶の大きさが粒
界相欠落部の発生に影響し、ひいては高温耐久性に影響
することを発見し、本発明に至ったのである。
に起因することが判明した。したがって、粒界相の最大
結晶径を小さくすることで粒界相欠落部の発生を小さく
し、粒界相欠落部の集合である樹枝状白色模様が生じに
くくなることを見いだし、本発明に至ったのである。
従来指摘されている窒化珪素結晶相に囲まれるように存
在する欠陥としての粒界結晶相ではなく、一群の窒化珪
素結晶相を内部に分散した粒界相のまとまりを意味する
ものであり、セラミックスを研磨し偏光顕微鏡で観察す
ることにより、観察できるものである。こうして観察さ
れる粒界結晶相は、結晶がある一点から放射状に並んで
いるので、他の部分と識別することができる。
説明する。本発明の窒化珪素は焼結助剤として、酸化物
換算で1〜30重量%の希土類元素化合物や、他に酸化
珪素、酸化アルミニウムを含有するものである。また、
上記の焼結助剤により形成される粒界相は、少なくとも
一部が結晶化しており、その粒界相の最大結晶径が10
0μm以下であることを特徴とする。
粒界結晶相の模式図を図2を用いて説明する。従来の窒
化珪素質焼結体は、表面ないしは破面を研磨し偏光顕微
鏡でその組織を観察すると、偏光の角度を調整した場合
に図2に示したように、光る集合部分が見える。これ
が、粒界結晶相1である。その大きさにより、10〜2
00倍程度の倍率で観察することができる。この粒界結
晶相1が100μmより大きくなると、その周囲に、粒
界相欠落層2である樹脂状白色模様が発生しているのが
判る。これに対し、本発明の窒化珪素質焼結体の粒界結
晶相は、図1に示すように粒界結晶相1の大きさが10
0μm以下と小さく、その周囲に粒界相欠落部である樹
脂状白色模様がみえないことが特徴である。
察することにより、これらが、結晶相がある起点から放
射状に結晶化した粒界結晶相1であり、これらの組織の
中に窒化珪素の結晶が内包されている組織であることが
判った。また、これらの磁器が焼成後冷却され、前記粒
界結晶相1が生成する際に大きく収縮するため、残留し
ている液層成分との間に隙間が生成し、前記結晶化した
粒界結晶相1の周囲に隙間を生成させたものが、粒界相
欠落部2であることを見出した。
は、粒界相の少なくとも一部が結晶化していることが重
要である。その理由は、窒化珪素質焼結体の用途として
軸受け部品があるが、使用中の摩擦熱の発生により機械
的特性の低下が発生するという問題点があったからであ
る。そこで発生する摩擦熱を効率よく逃がしてやる必要
がある。窒化珪素には自己焼結性がないために焼結助剤
を添加して焼結を行っている。一般に、熱伝導率は金属
や結晶性の良い物質が優れているが、窒化珪素粒子の間
の粒界相が非晶質であると、非晶質の部分は熱伝導率が
低いために摩擦熱が効率よく逃がされない。ところが粒
界相が結晶化していると熱伝導率が高く、摩擦熱を効率
よく逃がすことができ、窒化珪素質焼結体を軸受け部品
として用いたときに機械的特性の低下が発生しないこと
を見出した。
1474号公報に100μm以上の粒界析出部が存在し
ないことが必要であることが示されているが、前記特許
公報で示されている粒界析出部は、窒化珪素の粒子間に
形成される欠陥であり、本発明で捕らえている粒界析出
部は、ある一点から放射状に粒界結晶相が並んだ、一群
の窒化珪素の粒子を包含する粒界相のまとまりを意味す
る点で、基本的に異なるものである。前記特許公報で示
されている欠陥には、内部に窒化珪素の結晶を内部に分
散した粒界相の最大結晶径が100μm以下であること
を示唆する記述はない。また、粒界相の結晶化につい
て、特願昭63−44001号公報に粒界相の50%以
下が結晶化している窒化珪素材料とすることが必要であ
るとの記載があるが、ここでも、本発明のように、内部
に窒化珪素の結晶を内部に分散した最大結晶径について
はしめされていない。
さくすることで粒界相欠落部2の発生を小さくし、粒界
相欠落部2の集合である樹枝状白色模様が生じにくくす
ることができる。すなわち、粒界相欠落部の発生は次の
ように説明される。
する成分が冷却に伴い熱収縮するが、その一部または全
てが結晶化すると、結晶化に伴う急激な体積収縮(体積
収縮で数%)が生じ、隣接する粒界の結晶あるいは過冷
却状態の非晶質部との間に隙間が生じ粒界相の欠落部が
発生するのである。このとき粒界相の最大結晶径が大き
く、その数が少ないほど結晶化に伴う体積収縮により発
生する隙間が大きくなり、より大きな粒界相欠落部が発
生する。そこで粒界相欠落部2の発生を抑えるために
は、粒径の小さい粒界の結晶が数多くあればよい。
結晶を数多く発生させるためには、焼成後に急激に冷却
することにより粒界を非晶質化させてやり、その後、結
晶の核生成温度で熱処理を行い多くの核を生成させたの
ち結晶化させることが必要である。ただし、焼成後に急
冷を行わないと、冷却過程でサイズの大きい結晶が生成
してしまい、そのとき起こる体積収縮により粒界相欠落
部が発生する。そのために、焼成後に急冷して粒界相を
一旦非晶質化させてやる必要があり、そうすることによ
り焼成後に行う900℃〜1200℃の温度での熱処理
により100μm以下の小さな結晶核が数多く析出し、
粒界の結晶相は100μm以上の大きさには成長しな
い。
明する。
晶径は、サブμmから数mmの大きさであると考えられ
ていた。通常走査型電子顕微鏡などによって観察される
粒界相は、二つの窒化珪素粒子に挟まれた2面間領域
や、三つの窒化珪素粒子に挟まれた3重点領域などを指
し、その大きさはせいぜい大きくても十数μm(偏析が
ある場合数十μm)の様に観察される。しかし、実際に
は窒化珪素粒子の2面間領域や3重点領域は立体的に連
結しているため、結晶化した場合、1つの結晶は立体的
に連結した広い領域(例えば数mm)に及ぶ事がある。
これは、窒化珪素焼結体を薄片化し、偏光顕微鏡などで
観察すると、数mmの領域に渡って粒界相が同一方位を
有して結晶化している場合があることからも明らかであ
る。
の結晶相(例えばRE2Si2O7結晶など)の中に窒化
珪素粒子が密に分散した形態となっているのである。本
発明で定義する粒界相の最大結晶径は、10〜100μ
mの厚さ、または粒界結晶相が確認される程度の厚さま
で薄片加工した窒化珪素質焼結体を偏光顕微鏡で観察し
たときに、ある一点から放射状に成長した白く光る結晶
群が確認できた場合、この結晶群の大きさを粒界相の最
大結晶径と判断した。顕微鏡で観察する場合の倍率は、
粒界結晶相の大きさに応じて20〜200倍程度で観察
することが可能である。本発明では、ひとつの試料につ
き5mm角の部分を5箇所づつ観察した。この大きさ
は、顕微鏡写真から測定した。
結晶径が100μm以下、望ましくは10μm以下であ
れば、結晶化による体積収縮量が小さく、粒界結晶間ま
たは、一部結晶化せずに残存する非晶質間との隙間に生
じる粒界欠落部が小さくなる。粒界相の最大結晶径を上
記のように管理すると、粒界相欠落部の集合である樹枝
状白色模様の大きさについては300μm以下、望まし
くは100μm以下、さらに望ましくは10μm以下と
なり、転がり疲労による剥離が生じないことが判明し
た。
等の耐摩耗性部品は表面を研削したり、研削しない場合
でも表面近傍に応力がかかるため、表面より1mmの範
囲内の粒界相欠落部が1μm以下、かつ1μm以下の粒
界相欠落部の集合である樹枝状白色模様の大きさが30
0μm以下であることが特に重要である。
を用いた場合の方が、酸化マグネシウムや酸化カルシウ
ムなどを用いる場合より粒界相欠落部の生成が少ない。
理由は明確でないが、粒界相の性質が異なるものと思わ
れる。
要であり、その量は1〜30重量%が望ましい。この範
囲を選んだ理由は、1重量%未満では緻密化させるため
に焼成温度を高温にする必要があるため、機械的特性が
低下する傾向にあるからであり、また、30重量%を越
えると窒化珪素の本来の特性、即ち機械的特性が低下す
る傾向にあるからである。
て求めた酸素量から、添加した希土類元素酸化物の含有
する酸素量を差し引き、残りの酸素がSiO2となって
いると仮定して計算したときに、SiO2:希土類元素
酸化物の重量比が1:0.3〜1:15となるようにす
ると、耐摩耗性が良好な窒化珪素質セラミック焼結体を
得ることができる。
ば、粒界相がSiO2に富んだ相を分離して白い模様
(粒界の脱落した組織)が発生しやすい傾向にあり、ま
た、1:15以上であれば、SiO2−希土類元素酸化
物の反応による低融点組成から大幅に外れるため液相生
成が十分ではなく、焼結不良が発生して機械的特性の低
い焼結体になる傾向にあるためである。
ら含まれていたものに加え、場合によっては焼結助剤と
して加えてもかまわないし、製造工程中で原料の酸化等
による増加や焼成分解等による減少が生じてもかまわな
い。
ては、Y、Er、Yb、Luが望ましい。これらの元素
中で、白い模様(粒界の脱落した組織)が発生し難くな
る点で特にYb、Er等の重希土類元素を用いることが
最も望ましい。
添加する方が、焼結性の面および粒界相を一旦非晶質化
させる点で望ましい。粒界相の最大結晶径を100μm
以下にするためには、焼成後に急冷して粒界相を一旦非
晶質化させてやる必要があり、そうすることにより焼成
後に行う900℃〜1200℃の温度での熱処理により
100μm以下の小さな結晶核が数多く析出し、粒界相
の結晶相は100μm以上の大きさに成長しない。好ま
しい酸化アルミニウム量は、酸化アルミニウム:希土類
元素酸化物の重量比が1:0.5〜1:10、さらに好
ましくは、1:1〜1:5の範囲に選ばれる。
素酸化物比が1:0.5より酸化アルミニウムが過剰に
なると、破壊靭性値が低下する傾向にある。また、酸化
アルミニウム:希土類元素酸化物比が1:10より酸化
アルミニウムが少なくなると、焼結性が悪くなり、圧砕
荷重が低くなる傾向にある。また、粒界相が非晶質化し
にくくなり、粒界相欠落部が発生しやすくなる。
m以下であるタングステン珪化物を含有させることが好
ましい。もともと窒化珪素原料中には微量のFeが不純
物として含まれており、焼成後Feが偏在して破壊源と
なることがあり、強度低下が生じ、また耐摩耗性部材と
して用いたときに、圧砕荷重が低下し、転がり寿命が短
くなる。タングステン珪化物はFeを固溶する性質を持
つため、焼成後のFeの偏在を少なくし、機械的特性を
向上させる。
以下に限定したのは、タングステン珪化物が3μmより
大きいと粒界相中での分散が不十分となり、それ自身が
破壊源となり焼結体の強度を低下させてしまい、目的の
強度が得られないためである。
Si2を生成させるには、平均粒径が3μm以下のWの
珪化物、炭化物、酸化物、窒化物の1種類以上を0. 1
〜10.0重量%を添加する。これらのW化合物は焼成
中に窒化珪素やSiO2と反応し、3μm以下のW5Si
3やWSi2を生成する。
以外に、Ti、Ta、Mo、Nb、V、Mnなどの周期
率第4a、5a、6a族金属や、それらの珪化物、炭化
物、酸化物、窒化物、また、SiCなどの分散粒子やウ
イスカーとして本発明の焼結体に分散させても特性を劣
化させるような影響が少ないことから、これらを周知技
術に基づき、適量添加して複合材料として特性の改善を
行うことも当然可能である。
はWSi2粒子よりも耐熱性が高いと考えられるためW5
Si3粒子を含有する場合の方が、転がり寿命が優れ
る。W 5Si3とWSi2との比率(W5Si3/WSi2)
が0.1以上で構成されるセラミック焼結体とすること
が好適である。さらに好ましくは、上記比率が0.3〜
1.5とするのが望ましい。
法を説明する。
法、例えば回転ミルや振動ミル、バレルミルでIPAや
メタノール、水等を溶媒として混合する。場合によって
は、溶媒を使わない乾式混合でもかまわない。
例えば、金型プレス、冷間静水圧プレス、押し出し成
形、射出成形、鋳込み成形等により任意の形状にする。
成型手段によっては、スプレードライ等による造粒や、
水、有機バインダーと共にある一定粘度の杯土を作製す
るなどの準備も必要であるが、通常のセラッミクスの成
形手順に従えばよい。
や真空中、大気中で、50℃〜1400℃の温度で加熱
処理する。
において1600℃〜2000℃で行う。1800℃以
上で焼成を行う場合は、窒化珪素の分解が生じるので、
1気圧以上の窒素分圧を必要とする。さらにこれらの焼
成後、熱間静水圧焼成(HIP)等で焼成することによ
り、より緻密な焼結体を得る。焼成温度は、高すぎると
主相である窒化珪素結晶が粒成長し強度が低下するた
め、1650〜1950℃で行うことが望ましい。
ると低温短時間で緻密な焼結体が作製できるので、特に
高強度を必要とするセラミック部品や、耐摩耗性部品に
は好適である。
下にするためには、粒界相を一旦非晶質化させる必要が
あるが、粒界相を一旦非晶質化させるためには冷却速度
が速いほうが良く、特に1600〜800℃の温度領域
を3時間、望ましくは1時間、さらに望ましくは30分
以内で冷却させる方がよい。
さい結晶として析出させるために、900℃〜1200
℃の温度で熱処理し結晶核を生成させる。この熱処理は
焼成後完全に冷却した後、炉から取り出して別の炉で個
々に行う単独熱処理としてもかまわないし、冷却に続く
焼成パターンとして同一の炉で行う連続熱処理としても
構わない。この焼成により窒化珪素は、原料がα、βの
いずれの場合においてもβ−Si3N4となる。
主結晶相と粒界相を含む焼結体が得られる。特に希土類
元素酸化物、酸化アルミニウムを焼結助剤として用いた
場合は、希土類元素、アルミニウム、酸素および窒素を
含む粒界相からなり、その粒界中に平均粒径が3μm以
下であるW5Si3あるいはW5Si3+WSi2を含有し
た焼結体を得ることができる。ここで結晶化する部分
は、希土類元素酸化物、酸化アルミニウム、酸化珪素等
のセラミックス成分を主成分とする粒界部分である。
分散し、外部より応力がかかった際に、応力を緩和する
効果があり、また、同時に焼結助剤としても効果があ
り、その結果、破壊靭性が5.6MPa√m以上、か
つ、Hv10硬度が14.5以上の高靭性、かつ、高硬
度の機械的特性を有することができる。つまり、本発明
によると、白い樹枝状に観察される模様がなくなり、高
信頼性であり、変質層が少ないため研削代が少なく、か
つ高破壊靭性、高硬度である窒化珪素質焼結体を得るこ
とが可能となる。
セラミックス部品、特に、転動体、ピストンピン、ロー
ラーピン、ロッカーアームチップ、ローラーブッシュ、
カムローラー、バルブ等の耐摩耗性部品に使用する事が
可能である。
/g)粉末に表1に示す焼結助剤を添加し、IPAとと
もにバレルミルで40Hr混合した。混合後#500メ
ッシュを通してスラリーから異物を除去後、乾燥した。
この混合粉末に水、有機バインダーを加え、20Hr混
合後、スプレードライにより原料顆粒を得た。この原料
顆粒を用いて、プレス成形により球状成形体及び強度測
定用の試験片を作製した。
中800〜1400℃の温度域で加熱後、1750〜1
850℃で窒素雰囲気の下、相対比重99%以上まで緻
密化させた。さらに、2000気圧の加圧下にて160
0℃でHIP処理を施し、1600〜800℃までの冷
却時間を1または6時間とし、900℃〜1200℃の
温度域で熱処理して直径3/8インチの本発明球状セラ
ミックス焼結体および強度測定用試験片を得た。
の2個の球を重ねて圧縮荷重を加えるもので、JIS−
B−1501に準じ、インストロン万能試験機によりク
ロスヘッドスピード5mm/分で測定した。
工した試験片をJIS R1601に準じた四点曲げ試
験にて行った。
倍で観察した後、SEM像によって測定した。粒界相欠
落部の集合体である樹枝状白色模様のサイズは、光学顕
微鏡100倍の写真より測定した。
を焼結体を粉砕した粉末のX線回折により判断し、さら
に同一ロットの球状セラミックス体を20μmに薄片加
工し、偏光顕微鏡によって粒界相の最大結晶径の確認を
行った。試料は、各条件5mm角の部分を5箇所づつ調
査した。偏光顕微鏡に試料をセットし、試料を回転して
いくと、方位があった時点で白く見える部分がある。こ
のとき白く見える部分が一つの粒界相の結晶であり、こ
れらの評価結果を表1にまとめた。
晶径が100μmより大きい試料2、3は強度が劣る。
これに対して本発明の請求範囲内である粒界相の結晶サ
イズが100μm以下である試料1、4〜6は高強度で
あり、かつ圧砕荷重に優れていた。
晶化条件を表2に示した冷却時間、熱処理温度とし、得
られた各々の焼結体を実施例1と同様の手法により評価
した。
た。これらの評価結果を表2にまとめた。
物であるYb2O3を40重量%含有しSiO2:希土類
元素酸化物比が1:20である試料7は、焼結不足とな
った。また、前記Yb2O3を0.5重量%含有しSiO
2:希土類元素酸化物比が1:0.2である試料3は、
粒界相の最大結晶径が140μmとなり、強度および圧
砕荷重、K1cが低い値となった。
重量%で、SiO2:希土類元素酸化物の重量比が1:
0.3〜1:15である試料1、2、4〜6、8は粒界
相の結晶サイズが100μm以下であって、機械的特性
が優れていた。
加した試料1、2、5において、Er、Ybを使用した
試料2、5は強度が特に優れていた。
3に示した冷却時間、熱処理温度で粒界相を結晶化さ
せ、得られた焼結体を実施例1と同様の手法により評価
した。
た。これらの評価結果を表3にまとめた。
おいて、酸化アルミニウム:希土類元素酸化物比が1:
10より酸化アルミニウムが少ない試料1、3、5は焼
結不足であり、酸化アルミニウム:希土類元素酸化物比
が1:0.5より酸化アルミニウムが過剰な試料11は
破壊靱性値および圧砕荷重が劣っていたが、酸化アルミ
ニウム:希土類元素酸化物が1:0.5〜1:10の試
料2、4、6〜10は、焼結性に優れており、かつ、粒
界相の最大結晶径が100μm以下であって、かつ粒界
相欠落部が1μm以下で、粒界相欠落部の集合である樹
枝状白色模様が300μm以下であり、優れた機械的特
性を有していた。
界相を有する窒化珪素質焼結体において、表面より1m
mの範囲内にある結晶粒界相の最大結晶径が100μm
以下であり、かつ窒化珪素粒子間から欠落した粒界相欠
落部の大きさが1μm以下であり、かつ1μm以下の粒
界相欠落部の集合である樹枝状白色模様の大きさが30
0μm以下であることを特徴とするものが得られ、高い
機械的特性を有する窒化珪素質焼結体と、研削代の少な
い長寿命の耐摩耗性部材を提供することができる。
を示す模式図である。
示す模式図である。
Claims (5)
- 【請求項1】結晶粒界相の少なくとも一部が結晶化して
いる窒化珪素質焼結体であって、前記粒界相の最大結晶
径が100μm以下であることを特徴とする窒化珪素質
焼結体。 - 【請求項2】添加成分として少なくとも酸化物換算で1
〜30重量%の希土類元素化合物を含み、酸化物換算し
た酸化珪素:希土類元素酸化物の重量比が1:0.3〜
1:15であることを特徴とする請求項1記載の窒化珪
素質焼結体。 - 【請求項3】添加成分としてアルミニウム化合物を含
み、酸化物換算した酸化アルミニウム:希土類元素酸化
物の重量比が1:0.5〜1:10であることを特徴と
する請求項2記載の窒化珪素質焼結体。 - 【請求項4】請求項1〜3記載の窒化珪素質焼結体から
なることを特徴とする窒化珪素質耐摩耗性部材。 - 【請求項5】窒化珪素を主成分とした粉末を成形した
後、非酸化物雰囲気中で1600℃〜2000℃の温度
で焼成し、1600℃〜800℃の温度領域を3時間以
内で冷却し、その後900℃〜1200℃の温度で熱処
理することを特徴とする窒化珪素質焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP35915399A JP4822573B2 (ja) | 1999-12-17 | 1999-12-17 | 窒化珪素質焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
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