JP2001164344A - 磁気特性の優れた二方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents
磁気特性の優れた二方向性電磁鋼板およびその製造方法Info
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Abstract
気特性の優れた二方向性電磁鋼板を提供する。 【解決手段】 電磁鋼板の地鉄組織を、ミラー指数{1
00}<001>に集積した二次再結晶粒から組織と
し、かつコーティングを除いた地鉄表面の酸化物の量を
酸素量換算で片面当たり1.0 g/m2以下に抑制する。
Description
モーター、発電機等の鉄心材料に用いて好適な磁気特性
の優れた二方向性電磁鋼板およびその製造方法に関する
ものである。
は、結晶方位に依存している。すなわち、鉄の結晶粒は
ミラー指数<100>軸の方向に磁化され易く、この方
向では極めて良好な磁気特性を示す。従来、広く用いら
れている一方向性電磁鋼板は、ミラー指数{110}<
001>で表されるゴス方位を二次再結晶させたもの
で、圧延方向(以下、L方向という)で良好な磁気特性
を示す。
1>で表される正キューブ方位を二次再結晶させた二方
向性電磁鋼板は、圧延方向と圧延方向に直交する方向
(以下、C方向という)の2方向に良好な磁気特性を持
つ優れた特性を有する電磁鋼板である。二方向性電磁鋼
板を製造する方法としては、AlNをインヒビター成分と
して含む鋼をクロス冷延する方法や表面エネルギーを利
用した二次再結晶による方法等が提案されている。しか
しながら、これらの製造方法では、広幅で均質の鋼帯を
安価に製造することができないため、大量生産されるま
でには至っていない。従って、かかる電磁鋼板が実際に
変圧器や発電機等の鉄心材料に加工されたときの特性に
ついては、未だ十分に研究されているとは言い難い。
変圧器、モーター、発電機などに使用されている従来の
一方向性電磁鋼板や無方向性電磁鋼板と比較すると、加
工による特性劣化が大きいという問題がある。この理由
は、従来から知られている二次再結晶によって作られる
二方向性電磁鋼板は、無方向性電磁鋼板よりも結晶粒径
がはるかに大きいため、切断や打ち抜き加工の際に端部
の変形が生じ易く、大きい歪みが入り易いためである。
るフォルステライトを主とする硬質の酸化被膜も端部の
歪みを大きくする。この対策として、特開平5−275222
号公報では、表面の非磁性の酸化物を酸洗、研磨等で減
少させることを提案している。しかしながら、このよう
に表面の非金属物質を減少させるのみでは鋼板同士の絶
縁性が低下し、たとえ磁束密度は高くなっても鉄損が増
大するため鉄心素材としては好ましくない。また、酸洗
や研磨などでは、酸化物が不均一に取り除かれたり、歪
みが導入される等して、鉄損に悪影響を及ぼす。
方向性電磁鋼板では、表面に形成したフォルステライト
被膜とシリカ−リン酸塩系コーティングによって鋼板に
張力を付加することにより、歪みの影響を緩和する技術
が利用されている。しかしながら、かような張力コーテ
ィングを二方向性電磁鋼板に適用すると、L方向、C方
向のいずれか一方の磁気特性は向上するものの、他方の
磁気特性は劣化するという問題がある。この理由は、工
業的に製造された多結晶の二方向性電磁鋼板は結晶粒方
位にばらつきがあるため、L方向、C方向のどちらかよ
り<001>軸の集積が大きい方の特性のみが張力によ
って優先的に改善され、他方の特性はむしろ劣化するた
めである。この知見は、従来の一方向性電磁鋼板や結晶
粒方位のばらつきの小さい正キューブ方位の単結晶や小
さいサイズの切り出し試料を用いた実験結果からは予想
できない。
る磁気特性の劣化を抑制した磁気特性の優れた二方向性
電磁鋼板を提案するところにある。
の二方向性電磁鋼板について、加工歪みの影響を含めた
磁気特性を総合的に検討した結果、良好な磁気特性が得
られる二方向性電磁鋼板の製品形態を見出した。
の酸化物は、主に仕上げ焼鈍によって形成される。この
仕上げ焼鈍は、二次再結晶とインヒビターとして含有さ
せたAlN等の純化を目的としており、通常1200℃もの高
温で行われるため、地鉄の成分の酸化を避けることがで
きない。また、高温になるほど、鋼板の変形も大きくな
り、鋼板同士の密着も生じ易くなるため、多量の焼純分
離剤が必要となる。しかしながら、焼鈍温度が高いほど
鋼板表面に形成される酸化物が増加し、また焼鈍分離剤
が多くなるほど焼鈍分離剤に含まれる水分や酸素によっ
てやはり鋼板表面に形成される酸化物が増加する。
するようなインヒビター成分を除いておけば、仕上げ焼
鈍時の純化は不必要となり、焼鈍温度を低下させて酸化
物の発生を抑制することが可能となる。そこで、発明者
らは、インヒビター成分を含まないSi含有鋼から正キュ
ーブ方位の二次再結晶組織を得る方法を探索するため、
Al,O,N,S,Se等のインヒビターを低減した成分の
鋼スラブを素材として、熱間圧延、熱延板焼鈍、冷間圧
延、再結晶焼鈍、仕上げ焼鈍を行う実験を繰り返した。
その結果、正キューブ方位に集積した二次再結晶組織か
らなる二方向性電磁鋼板の製造方法を開発し、特願平11
−289523号明細書において提案した。
て、表面酸化物の量を一層低減すると共に、かかる酸化
物および表面に被成されるコーティングからの付与張力
による悪影響を排除して、磁気特性の一層の向上を図る
べく、仕上げ焼鈍雰囲気を種々に変化させ、また被成す
るコーティングの種類および厚さを変えて、打ち抜きに
より小型のEIコアを作製し、その磁気特性を評価しつ
つ、良好なコア特性が得られる条件を探索した。その結
果、試行錯誤の末に、以下に述べるような、良好な鉄心
特性が得られる二方向性電磁鋼板を開発するに至ったの
である。
である。 1.表面にコーティングをそなえる電磁鋼板であって、
地鉄がミラー指数{100}<001>に集積した二次
再結晶粒からなり、かつコーティングを除いた地鉄表面
の酸化物の量を、酸素量換算で片面当たり1.0 g/m2以下
に抑制したことを特徴とする磁気特性の優れた二方向性
電磁鋼板。
コーティングとが鋼板に及ぼす張力が5MPa 以下である
ことを特徴とする二方向性電磁鋼板。
0 wt%およびMn:0.005 〜3.0 wt%を含み、かつAlを0.
02wt%以下、S,Se,OおよびNをそれぞれ30ppm 以下
に低減した成分組成になる鋼スラブを、熱間圧延し、必
要に応じて熱延板焼鈍を施したのち、1回または中間焼
鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚に仕上
げ、ついで再結晶焼鈍後、必要に応じて焼鈍分離剤を塗
布してから、最終仕上げ焼鈍を施し、さらに必要に応じ
て平坦化焼鈍を施してから、コーティング被成処理を行
う一連の工程からなる二方向性電磁鋼板の製造方法にお
いて、(1) 最終冷延前の平均結晶粒径を 200μm 以上、
かつ最終冷延圧下率を60%以上、90%以下とする、(2)
最終仕上げ焼鈍を、露点≦10℃、O2≦0.1vol%の雰囲気
中にて、1100℃以下の温度で行う、ことを特徴とする磁
気特性の優れた二方向性電磁鋼板の製造方法。
理として、有機樹脂コーティングまたは有機樹脂と無機
成分からなる半有機コーティングを膜厚5μm 以下で被
成するか、あるいは無機ガラス質のコーティングを膜
厚:2μm 以下で被成することを特徴とする二方向性電
磁鋼板の製造方法。
0.01wt%未満の鋼スラブを用いることを特徴とする二方
向性電磁鋼板の製造方法。
る。まず、本発明の二方向性電磁鋼板は、正キューブ方
位に集積した二次再結晶粒からなる。これはL、C両方
向の磁気特性を良好にするためである。成分としては、
Siを2〜8wt%含有させると交流励磁下での鉄損が効果
的に低減するが、含まない場合でも効果がある。板厚と
しては、0.6mm 以下が交流励磁下での鉄損低減に有利が
あるが、この板厚に限定されるものではない。
時に形成される酸化物は片面当たり酸素量換算で1.0 g/
m2以下に抑制することが重要である。というのは、これ
らの酸化物量が酸素量換算で1.0 g/m2を超えると切断あ
るいは打ち抜き加工時の切断面の変形が大きくなり、切
断部周辺に大きな歪みが導入され、鉄損の著しい劣化を
招くからである。
の単独または複合酸化物で、フォルステライト、シリ
カ、アルミナ、マグネシアあるいはこれらのスピネル系
化合物が主である。なお、かかる酸化物は、仕上げ焼鈍
の他に、脱炭焼鈍や平坦化焼鈍等の熱処理でも形成され
ることがあるが、この場合も含めて、最終的に酸素量換
算で1.0 g/m2以下に抑制する必要がある。
ーティングを被成する必要がある。さらに、表面の酸化
物とこのコーティングが地鉄に及ぼす合計の張力につい
ては、5MPa 以下とすることが好ましい。というのは、
この張力が5MPa よりも大きいとL方向、C方向のうち
<100>軸の集積度の低い方の磁気特性が劣化するか
らである。この鋼板に及ぼす張力を小さくするために
は、酸化物およびコーティングの厚さを小さくするこ
と、コーティング材料として焼き付け温度の低いものを
適用すること、熱膨張係数が小さいかまたはヤング率が
小さいコーティングを適用することが有効である。
る。素材の成分組成は次のとおりである。 C:0.003 〜0.08wt% Cを 0.003〜0.08wt%の範囲で含有させることによっ
て、二次再結晶で正キューブ方位を好適に得ることがで
きる。この理由は、明確ではないが、固溶Cの影響で圧
延時に変形帯の形成が促進され、正キューブ方位の再結
晶核が増加することによるものと推測される。
が、含有量が 2.0wt%に満たないとその効果に乏しく、
またγ変態を生じ、熱延組織が大きく変化する他、最終
仕上焼鈍において変態し、良好な磁気特性を得ることが
できない。一方、Si量が 8.0wt%を超えると、製品の二
次加工性が悪化し、さらに飽和磁束密度も低下するの
で、Si量は 2.0〜8.0 wt%の範囲に制限した。
が、0.005 wt%未満ではその添加効果に乏しく、一方
3.0wt%を超えると二次再結晶が困難になるので、Mn量
は 0.005〜3.0 wt%の範囲に制限した。
二次再結晶がより低温で発現するので仕上げ焼鈍温度を
低下させることができ、コイルの密着防止だけでなく、
酸化物生成抑制効果を得ることができる。
しかも地鉄中に残存して鉄損を劣化させる有害元素であ
る。そこで、Se,S,OおびNはいずれも30ppm 以下
(望ましくは20ppm 以下)に低減するものとした。
常、造塊法や連続鋳造法によりスラブとする。また、直
接鋳造法を用いて 100mm以下の厚さの薄鋳片を直接製造
してもよい。スラブは、通常の方法で加熱して熱間圧延
するが、鋳造後、加熱せずに直ちに熱延に供してもよ
い。また、薄鋳片の場合には、熱間圧延を行っても良い
し、熱間圧延を省略してそのまま以後の工程に進めても
よい。スラブ加熱温度は、素材成分にインヒビター成分
を含まないので、熱間圧延が可能な最低温度の1100℃程
度で十分である。
のち、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を
施す。熱延板焼鈍は、磁気特性の向上に有用である。同
様に、中間焼鈍を冷間圧延の間に挟むことは、磁気特性
の安定化に有用である。しかしながら、いずれも生産コ
ストを上昇させることになるので、経済的観点および最
終冷延前の粒径を適正範囲にする必要から、熱延板焼鈍
や中間焼鈍の取捨選択および焼鈍温度と時間が決定され
る。
0}<001>組織を成長させるためには、最終冷延前
の平均結晶粒径を 200μm 以上に大きくし、かつ圧下率
を60〜90%の範囲とすることが重要である。また、かか
る冷間圧延は 150℃以上の温度で行うことが、正キュー
ブ方位の二次再結晶を生じさせる上で有効である。さら
に、クロス圧延や低張力で鋼帯幅が拡大する圧延条件で
の冷延も適用することができる。
水素雰囲気中において 800〜950 ℃, 5〜200 秒間程度
が好ましく、この焼鈍によって鋼中のCを磁気時効の生
じない 0.003wt%以下まで低減することが好ましい。
る。焼鈍分離剤としては、シリカ、アルミナ、マグネシ
ア等の耐火物粉末のスラリーあるいはコロイド溶液が好
適である。また、これらの耐火物粉末を静電塗布等のド
ライコーティングにより鋼板に付着させる方法は、仕上
げ焼鈍雰囲気に水分を含ませないためより好ましい。さ
らに、これらの耐火物を溶射等で表面にコーティングし
た鋼板を挟み込む方法も適用できる。
焼鈍は、正キューブ方位を二次再結晶させ、十分に成長
させるため、 800℃以上の温度域に10時間以上保持する
ことが望ましい。一方、地鉄表面に形成される酸化物を
酸素量換算で片面当たり1g/m2以下とする必要があるの
で、雰囲気中の水蒸気、酸素濃度はそれぞれ、露点≦10
℃、O2≦0.1vol%と十分に低減する必要がある。また、
酸化物の生成を抑制するためには、仕上げ焼鈍温度は11
00℃以下、より好ましくは 900℃以下にする必要があ
る。このように仕上げ焼鈍温度を 900℃以下に限定する
ためには、前述のように二次再結晶が発生する温度を下
げるため、Alを0.01wt%未満に限定するのが好ましい。
るコーティング被成処理においては、鋼板に及ぼす張力
を小さくするために、酸化物およびコーティングの厚さ
を小さくすること、コーティング材料として焼き付け温
度の低いものを適用すること、熱膨張係数が小さいかま
たはヤング率が小さいコーティングを適用することが有
効である。
が5MPa 以下であれば特に限定されることはないが、例
えば有機樹脂コーティング、または有機樹脂と無機成分
からなる半有機コーティングが好適である。このうち、
無機成分としては、リン酸、リン酸塩、クロム酸、クロ
ム酸塩、重クロム酸塩、ホウ酸、ケイ酸塩、シリカおよ
びアルミナのうちから選んだ1種または2種以上が挙げ
られる。これらの有機樹脂を含むコーティングは、切
断、打ち抜き加工時の切断部の歪みを抑制し鉄損劣化を
防止する効果もあり、好適である。なお、かかる有機樹
脂コーティングや半有機コーティングの膜厚について
は、層間絶縁性確保の面から 0.5μm 以上に、また張力
低減および占積率低下防止の面から5μm 以下程度とす
ることが好ましい。
重クロム酸塩、ホウ酸から選ばれる1種または2種以上
の成分からなる無機ガラス質のコーティングも適用でき
る。この無機ガラス質コーティングの場合、張力を5MP
a 以下にするため、焼き付け温度は 400℃以下とし、コ
ーティングの厚さは片面当たり2μm 以下とすることが
好ましい。なお、耐熱性を向上させるためにシリカまた
はアルミナの微粉末あるいはコロイドを若干量含有させ
ても良い。
009 wt%, N:10ppm, O:13ppm , S:5ppm およびS
e:4ppm を含み、残部は実質的にFeの組成になる鋼ス
ラブを、連続鋳造にて製造した。ついで、熱間圧延によ
り厚さ:2.7 mmの熱延板としたのち、1140℃、均熱60秒
の熱延板焼鈍を行い、冷間圧延を 270℃で行って厚さ:
0.35mmの最終板厚に仕上げた。ここに、最終冷延前の平
均結晶粒径は 280μm であった。ついで、40%H2−60%
N2、露点:50℃の雰囲気中で 920℃、均熱30秒の再結晶
焼鈍を行い、鋼中Cを0.002 wt%まで低減した。つい
で、この鋼板の表面に、シリカ粉末とアルミナ粉末を
3:1の割合で混合した焼鈍分離剤を静電塗布し、コイ
ルに巻き取ったのち、仕上げ焼鈍を行った。仕上げ焼鈍
は、常温から 800℃まで5時間で、 800℃から 950℃ま
では25時間で昇温し、さらに 950℃に36時間保持してか
ら、炉冷することにより行った。ここで、炉内の雰囲気
中に導入した水蒸気量を種々に変化させて、鋼板表面に
形成される酸化物の量を制御した。
後、鋼帯に張力をかけながら5%H2−95%N2雰囲気中に
て 840℃で60秒焼鈍して平坦化し、さらに有機樹脂を重
クロム酸マグネシウム、ホウ酸からなる無機成分中に分
散させた半有機コーティングを1.0 μm の厚さで形成し
た。上記の工程により、粒径:約20mmの正キューブ方位
に集積した二次再結晶粒からなる二方向性電磁鋼板が得
られた。次に、この鋼板からEI−48形のEIコア試料
を打ち抜き加工で製造し、1.5T、50Hzにおける鉄損特
性を測定した。得られた結果を鋼板表面の酸素目付量と
の関係で表1に示す。
が酸素量換算で1.0 g/m2以下に抑制した場合には、優れ
た鉄損特性を得ることができた。
量換算で0.4 g/m2の正キューブ方位の二次再結晶粒から
なる鋼板に、厚さを変えて無機質のコーティングを被成
した。このコーティングは、リン酸アルミニウム、クロ
ム酸カリウム、ホウ酸からなる溶液にコロイダルシリカ
を混合したものを、800 ℃で焼き付けて厚さ1μm の被
膜にしたものである。ここで、コロイダルシリカの含有
量を増やすとコーティングの熱膨張係数が小さくなり、
鋼板に与える張力が増加する。この鋼板に、0〜6MPa
の圧縮応力をかけて磁歪を測定し、磁歪が急激に増加し
たときの圧縮応力を鋼板にかかっている張力とした。こ
の鋼板のL方向、C方向に 1.5T、50Hzで励磁したとき
の鉄損をエプスタイン試験で測定した結果を、表2に示
す。
与張力が5MPa を超えるとC方向の鉄損が大幅に劣化し
て、好ましくない。これに対し、付与張力の大きさが5
MPa 以下、特に3MPa 以下になると、C方向の鉄損劣化
が極めて小さくなり、好適な鉄損特性が得られている。
なお、コロイダルシリカを添加せず 350℃で焼き付けた
コーティングや実施例1で用いた半有機コーティング
は、鋼板にほとんど張力を与えず、従ってコーティング
被成後の鉄損もL方向平均:1.22W/kg、C方向平均:1.
45W/kgと良好な結果を得た。
板焼鈍、冷間圧延、再結晶焼鈍および仕上げ焼鈍の条件
を種々に変えて0.35mm厚の電磁鋼板とした後、平坦化焼
鈍およびコーティング被成処理を行った。これらの試料
について 1.5T、50Hzにおける鉄損をエプスタイン試験
で評価した。なお、エプスタイン試験試料はL方向とC
方向に切り出した試料を半量ずつ用いた。同一成分の鋼
から種々の製造条件で得られた試料のうち、最も鉄損の
低かったものの測定結果を、表3に示す。
囲を満足するものはいずれも、良好な鉄損が得られてい
るのに対して、C,Mn,Al,S,Se,O,Nのいずれか
が適正範囲を逸脱したものはいずれも鉄損が増大してお
り、鉄心材料としてふさわしくない。
更した鋼の二次再結晶開始温度について調査した。再結
晶焼鈍まで行った鋼板から、長さ:400 mm、幅:50mmに
切り出した試料を、 800〜1200℃の温度差がある電気炉
に装入し、50時間保持したのち、マクロエッチングを行
って二次再結晶の有無と対応する温度とを比較すること
によって、二次再結晶開始温度を評価した。表4に、得
られた結果を示す。
することにより2次再結晶が起こっている。特に、Al含
有量が0.01wt%未満では、二次再結晶開始温度が低くな
り、より低温での仕上げ焼鈍が可能となるので、鋼板表
面に生成する酸化物量を低減する上で極めて有利であ
る。
化物量を酸素量換算で1.0 g/m2以下に抑制することによ
って、加工による特性劣化の小さい二方向性電磁鋼板を
効果的に得ることができる。また、酸化物とコーティン
グとが鋼板に及ぼす張力の合計を5MPa 以下とすること
により、L方向とC方向の両方の磁気特性が良好な二方
向性電磁鋼板を得ることができる。そして、上記した本
発明の良好な磁気特性を示す二方向性電磁鋼板によっ
て、変圧器、モーターおよび発電機等の鉄心の鉄損につ
いて、格段に低減することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 表面にコーティングをそなえる電磁鋼板
であって、地鉄がミラー指数{100}<001>に集
積した二次再結晶粒からなり、かつコーティングを除い
た地鉄表面の酸化物の量を、酸素量換算で片面当たり1.
0 g/m2以下に抑制したことを特徴とする磁気特性の優れ
た二方向性電磁鋼板。 - 【請求項2】 請求項1において、地鉄表面の酸化物と
コーティングとが鋼板に及ぼす張力が5MPa 以下である
ことを特徴とする二方向性電磁鋼板。 - 【請求項3】 C:0.003 〜0.08wt%,Si:2.0 〜8.0
wt%およびMn:0.005 〜3.0 wt%を含み、かつAlを0.02
wt%以下、S,Se,OおよびNをそれぞれ30ppm以下に
低減した成分組成になる鋼スラブを、熱間圧延し、必要
に応じて熱延板焼鈍を施したのち、1回または中間焼鈍
を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚に仕上げ、
ついで再結晶焼鈍後、必要に応じて焼鈍分離剤を塗布し
てから、最終仕上げ焼鈍を施し、さらに必要に応じて平
坦化焼鈍を施してから、コーティング被成処理を行う一
連の工程からなる二方向性電磁鋼板の製造方法におい
て、(1) 最終冷延前の平均結晶粒径を 200μm 以上、か
つ最終冷延圧下率を60%以上、90%以下とする、(2) 最
終仕上げ焼鈍を、露点≦10℃、O2≦0.1vol%の雰囲気中
にて、1100℃以下の温度で行う、ことを特徴とする磁気
特性の優れた二方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項4】 請求項3において、コーティング被成処
理として、有機樹脂コーティングまたは有機樹脂と無機
成分からなる半有機コーティングを膜厚:5μm以下で
被成するか、あるいは無機ガラス質のコーティングを膜
厚:2μm 以下で被成することを特徴とする二方向性電
磁鋼板の製造方法。 - 【請求項5】 請求項3または4において、Al含有量が
0.01wt%未満の鋼スラブを用いることを特徴とする二方
向性電磁鋼板の製造方法。
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1999
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