JP2001162411A - すぐれた耐摩耗性と耐チッピング性を具備した表面被覆超硬合金製切削工具 - Google Patents
すぐれた耐摩耗性と耐チッピング性を具備した表面被覆超硬合金製切削工具Info
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- JP2001162411A JP2001162411A JP34581899A JP34581899A JP2001162411A JP 2001162411 A JP2001162411 A JP 2001162411A JP 34581899 A JP34581899 A JP 34581899A JP 34581899 A JP34581899 A JP 34581899A JP 2001162411 A JP2001162411 A JP 2001162411A
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 すぐれた耐摩耗性と耐チッピング性を具備し
た表面被覆超硬合金製切削工具を提供する。 【解決手段】 表面被覆超硬合金製切削工具が、WC基
超硬合金またはTiCN系サーメットからなる超硬合金
基体の表面に、1〜10μmの平均層厚を有し、かつ、
組成式:(TiX Al1-X)ANB、(ただし、原子比
で、X:0.55〜0.75、B/A:0.95〜1.
05)、を満足する下部靭性層と、同じく1〜10μm
の平均層厚を有し、かつ、組成式:(TiYAl1-Y)A
NB、(ただし、原子比で、Y:0.25〜0.45、
B/A:0.95〜1.05)、を満足する上部硬質
層、で構成された硬質被覆層を物理蒸着してなる。
た表面被覆超硬合金製切削工具を提供する。 【解決手段】 表面被覆超硬合金製切削工具が、WC基
超硬合金またはTiCN系サーメットからなる超硬合金
基体の表面に、1〜10μmの平均層厚を有し、かつ、
組成式:(TiX Al1-X)ANB、(ただし、原子比
で、X:0.55〜0.75、B/A:0.95〜1.
05)、を満足する下部靭性層と、同じく1〜10μm
の平均層厚を有し、かつ、組成式:(TiYAl1-Y)A
NB、(ただし、原子比で、Y:0.25〜0.45、
B/A:0.95〜1.05)、を満足する上部硬質
層、で構成された硬質被覆層を物理蒸着してなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、すぐれた耐摩耗
性と耐チッピング性を有し、特に鋼の高速断続切削で、
すぐれた切削性能を長期に亘って発揮する表面被覆超硬
合金製切削工具(以下、被覆超硬合金工具と云う)に関
するものである。
性と耐チッピング性を有し、特に鋼の高速断続切削で、
すぐれた切削性能を長期に亘って発揮する表面被覆超硬
合金製切削工具(以下、被覆超硬合金工具と云う)に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、例えば図1に概略説明図
で示される物理蒸着装置の1種であるアークイオンプレ
ーティング装置を用い、ヒータで装置内を例えば700
℃の温度に加熱した状態で、アノード電極と所定組成を
有するTi−Al合金がセットされたカソード電極(蒸
発源)との間にアーク放電を発生させ、同時に装置内に
反応ガスとして窒素ガスを導入し、一方炭化タングステ
ン(以下、WCで示す)基超硬合金または炭窒化チタン
(以下、TiCNで示す)系サーメットからなる基体
(以下、これらを総称して超硬合金基体と云う)には、
例えば−120Vのバイアス電圧を印加した条件で、前
記超硬合金基体の表面に、例えば特開昭62−5656
5号公報に記載されるように、2〜20μmの平均層厚
を有し、かつ、 組成式:(TiZAl1-Z)ANB、 (ただし、原子比で、Z:0.45〜0.55、B/
A:0.95〜1.05)、を満足する硬質被覆層を物
理蒸着することにより被覆超硬合金工具を製造すること
が知られている。
で示される物理蒸着装置の1種であるアークイオンプレ
ーティング装置を用い、ヒータで装置内を例えば700
℃の温度に加熱した状態で、アノード電極と所定組成を
有するTi−Al合金がセットされたカソード電極(蒸
発源)との間にアーク放電を発生させ、同時に装置内に
反応ガスとして窒素ガスを導入し、一方炭化タングステ
ン(以下、WCで示す)基超硬合金または炭窒化チタン
(以下、TiCNで示す)系サーメットからなる基体
(以下、これらを総称して超硬合金基体と云う)には、
例えば−120Vのバイアス電圧を印加した条件で、前
記超硬合金基体の表面に、例えば特開昭62−5656
5号公報に記載されるように、2〜20μmの平均層厚
を有し、かつ、 組成式:(TiZAl1-Z)ANB、 (ただし、原子比で、Z:0.45〜0.55、B/
A:0.95〜1.05)、を満足する硬質被覆層を物
理蒸着することにより被覆超硬合金工具を製造すること
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削装置
の高性能化および高出力化はめざましく、かつ切削加工
の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に対する要
求もつよく、これに伴い、切削加工は高速化の傾向にあ
るが、上記の従来被覆超硬合金工具の場合、通常の切削
条件での連続切削や断続切削ではすぐれた耐摩耗性を示
すものの、特に鋼の高速断続切削では硬質被覆層の靭性
不足が原因で切刃にチッピング(微小欠け)が発生し易
く、この結果比較的短時間で使用寿命に至るのが現状で
ある。
の高性能化および高出力化はめざましく、かつ切削加工
の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に対する要
求もつよく、これに伴い、切削加工は高速化の傾向にあ
るが、上記の従来被覆超硬合金工具の場合、通常の切削
条件での連続切削や断続切削ではすぐれた耐摩耗性を示
すものの、特に鋼の高速断続切削では硬質被覆層の靭性
不足が原因で切刃にチッピング(微小欠け)が発生し易
く、この結果比較的短時間で使用寿命に至るのが現状で
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、上記の従来被覆超硬合金工具の
硬質被覆層に着目し、これの耐チッピング性向上を図る
べく研究を行った結果、上記の従来被覆超硬合金工具を
構成する硬質被覆層において、Tiの含有割合をAlの
それに比して多くすると硬質被覆層の靭性が向上し、一
方これとは反対にAlの含有割合をTiの含有割合に比
して多くすると硬質被覆層の硬さが上昇するようにな
り、したがって硬質被覆層の下部を、 組成式:(TiX Al1-X)ANB、 (ただし、原子比で、X:0.55〜0.75、B/
A:0.95〜1.05)、を満足する硬質被覆層で構
成すると共に、その上部を、 組成式:(TiYAl1-Y)ANB、 (ただし、原子比で、Y:0.25〜0.45、B/
A:0.95〜1.05)、を満足する硬質被覆層で構
成すると、上記下部層は高靭性を有し、一方上記上部層
は高硬度を有することから、硬質被覆層が上記の下部靭
性層と上部硬質層で構成された被覆超硬合金工具は、特
に鋼の高速断続切削で、前記硬質被覆層のうちの下部靭
性層がすぐれた耐チッピング性を発揮し、同時に上部硬
質層がすぐれた耐摩耗性を発揮するようになり、この結
果切刃にチッピングの発生なく、長期に亘ってすぐれた
切削性能を発揮するようになるという研究結果をえたの
である。
上述のような観点から、上記の従来被覆超硬合金工具の
硬質被覆層に着目し、これの耐チッピング性向上を図る
べく研究を行った結果、上記の従来被覆超硬合金工具を
構成する硬質被覆層において、Tiの含有割合をAlの
それに比して多くすると硬質被覆層の靭性が向上し、一
方これとは反対にAlの含有割合をTiの含有割合に比
して多くすると硬質被覆層の硬さが上昇するようにな
り、したがって硬質被覆層の下部を、 組成式:(TiX Al1-X)ANB、 (ただし、原子比で、X:0.55〜0.75、B/
A:0.95〜1.05)、を満足する硬質被覆層で構
成すると共に、その上部を、 組成式:(TiYAl1-Y)ANB、 (ただし、原子比で、Y:0.25〜0.45、B/
A:0.95〜1.05)、を満足する硬質被覆層で構
成すると、上記下部層は高靭性を有し、一方上記上部層
は高硬度を有することから、硬質被覆層が上記の下部靭
性層と上部硬質層で構成された被覆超硬合金工具は、特
に鋼の高速断続切削で、前記硬質被覆層のうちの下部靭
性層がすぐれた耐チッピング性を発揮し、同時に上部硬
質層がすぐれた耐摩耗性を発揮するようになり、この結
果切刃にチッピングの発生なく、長期に亘ってすぐれた
切削性能を発揮するようになるという研究結果をえたの
である。
【0005】この発明は、上記の研究結果に基づいてな
されたものであって、超硬合金基体の表面に、1〜10
μmの平均層厚を有し、かつ、 組成式:(TiX Al1-X)ANB、 (ただし、原子比で、X:0.55〜0.75、B/
A:0.95〜1.05)、を満足する下部靭性層と、
同じく1〜10μmの平均層厚を有し、かつ、 組成式:(TiYAl1-Y)ANB、 (ただし、原子比で、Y:0.25〜0.45、B/
A:0.95〜1.05)、を満足する上部硬質層、で
構成された硬質被覆層を物理蒸着してなる、すぐれた耐
摩耗性と耐チッピング性を具備した被覆超硬合金工具に
特徴を有するものである。なお、この発明の被覆超硬合
金工具において、これの使用前および使用後の識別を容
易にするために、黄金色を有する窒化チタン(以下、T
iNで示す)層を0.1〜1μmの平均層で上記硬質被
覆層の表面に蒸着してもよい。
されたものであって、超硬合金基体の表面に、1〜10
μmの平均層厚を有し、かつ、 組成式:(TiX Al1-X)ANB、 (ただし、原子比で、X:0.55〜0.75、B/
A:0.95〜1.05)、を満足する下部靭性層と、
同じく1〜10μmの平均層厚を有し、かつ、 組成式:(TiYAl1-Y)ANB、 (ただし、原子比で、Y:0.25〜0.45、B/
A:0.95〜1.05)、を満足する上部硬質層、で
構成された硬質被覆層を物理蒸着してなる、すぐれた耐
摩耗性と耐チッピング性を具備した被覆超硬合金工具に
特徴を有するものである。なお、この発明の被覆超硬合
金工具において、これの使用前および使用後の識別を容
易にするために、黄金色を有する窒化チタン(以下、T
iNで示す)層を0.1〜1μmの平均層で上記硬質被
覆層の表面に蒸着してもよい。
【0006】以下に、この発明の被覆超硬合金工具の硬
質被覆層を構成する下部靭性層および上部硬質層の組成
式(原子比)を上記の通りに限定した理由を説明する。
下部靭性層および上部硬質層の組成式(原子比)におけ
るX値およびY値は、TiとAlの相互割合を示すもの
である。したがって、上記下部靭性層に所定のすぐれた
耐チッピング性を確保するためには、X値を0.55以
上にしてTiのAlに対する相対割合を高くする必要が
あり、一方X値が0.75を越えてAlに対するTiの
相対割合が高くなりすぎると、層自体の耐摩耗性が急激
に低下するようになることから、X値を0.55〜0.
75と定めた。また、上記上部硬質層は高硬度を有する
が、所定の高硬度を確保するためにはY値を0.45以
下にして、TiのAlに対する相対割合を低くする必要
があり、しかしY値が0.25未満になると相対的にT
iの割合が少なくなり過ぎて層自体が脆化し、チッピン
グ発生の原因となることから、Y値を0.25〜0.4
5と定めた。さらに、上記下部靭性層および上部硬質層
の組成式(原子比)におけるB/Aは、(Ti+Al)
に対するNの相対比を示すが、その値が0.95未満で
も、また1.05を越えても層自体の安定性が低下し、
これが原因でチッピングが発生し易くなることから、そ
の値を0.95〜1.05と定めた。また、さらに上記
下部靭性層および上部硬質層の平均層厚をそれぞれ1〜
10μmとしたのは、その平均層厚がそれぞれ1μm未
満ではそれぞれのもつ特性を十分に発揮することができ
ず、またいずれも10μmを越えるとお互いの層が影響
しあって耐チッピング性と耐摩耗性の相互バランスがく
ずれ、これらの特性の両方を良好な状態に保持すること
が困難になるという理由によるものである。
質被覆層を構成する下部靭性層および上部硬質層の組成
式(原子比)を上記の通りに限定した理由を説明する。
下部靭性層および上部硬質層の組成式(原子比)におけ
るX値およびY値は、TiとAlの相互割合を示すもの
である。したがって、上記下部靭性層に所定のすぐれた
耐チッピング性を確保するためには、X値を0.55以
上にしてTiのAlに対する相対割合を高くする必要が
あり、一方X値が0.75を越えてAlに対するTiの
相対割合が高くなりすぎると、層自体の耐摩耗性が急激
に低下するようになることから、X値を0.55〜0.
75と定めた。また、上記上部硬質層は高硬度を有する
が、所定の高硬度を確保するためにはY値を0.45以
下にして、TiのAlに対する相対割合を低くする必要
があり、しかしY値が0.25未満になると相対的にT
iの割合が少なくなり過ぎて層自体が脆化し、チッピン
グ発生の原因となることから、Y値を0.25〜0.4
5と定めた。さらに、上記下部靭性層および上部硬質層
の組成式(原子比)におけるB/Aは、(Ti+Al)
に対するNの相対比を示すが、その値が0.95未満で
も、また1.05を越えても層自体の安定性が低下し、
これが原因でチッピングが発生し易くなることから、そ
の値を0.95〜1.05と定めた。また、さらに上記
下部靭性層および上部硬質層の平均層厚をそれぞれ1〜
10μmとしたのは、その平均層厚がそれぞれ1μm未
満ではそれぞれのもつ特性を十分に発揮することができ
ず、またいずれも10μmを越えるとお互いの層が影響
しあって耐チッピング性と耐摩耗性の相互バランスがく
ずれ、これらの特性の両方を良好な状態に保持すること
が困難になるという理由によるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】ついで、この発明の被覆超硬合金
工具を実施例により具体的に説明する。原料粉末とし
て、いずれも0.7〜2μmの平均粒径を有するWC粉
末、TiC粉末、TaC粉末、NbC粉末、ZrC粉
末、およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、重量
%でWC:84%、TiC:2%、TaC:4%、Nb
C:1%、ZrC:3%、およびCo:6%の配合組成
に配合し、ボールミルで72時間湿式混合し、乾燥した
後、1.5ton/cm2の圧力で圧粉体にプレス成形
し、この圧粉体を真空中、温度:1420℃に1時間保
持の条件で焼結し、焼結後、切刃部分にR:0.03の
ホーニング加工を施してISO規格・SNGG1204
08Rのチップ形状をもったWC基超硬合金製の超硬合
金基体Aを形成した。また、原料粉末として、いずれも
0.5〜2μmの平均粒径を有するTiCN(重量比で
TiC/TiN=50/50)粉末、TiN粉末、Ta
C粉末、TaN粉末、NbC粉末、Mo粉末、Co粉
末、Ni粉末、および黒鉛(C)粉末を用意し、これら
原料粉末を、重量%でTiCN:77%、TiN:4
%、TaC:4%、NbC:2%、Mo:1%、Co:
5%、Ni:6%、およびC:1%の配合組成に配合
し、ボールミルで72時間湿式混合し、乾燥した後、1
ton/cm2の圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧
粉体を15torrの窒素雰囲気中、温度:1560℃
に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、切刃部分にR:
0.05のホーニング加工を施してISO規格・CNM
G120408のチップ形状をもったTiCN系サーメ
ット製の超硬合金基体Bを形成した。
工具を実施例により具体的に説明する。原料粉末とし
て、いずれも0.7〜2μmの平均粒径を有するWC粉
末、TiC粉末、TaC粉末、NbC粉末、ZrC粉
末、およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、重量
%でWC:84%、TiC:2%、TaC:4%、Nb
C:1%、ZrC:3%、およびCo:6%の配合組成
に配合し、ボールミルで72時間湿式混合し、乾燥した
後、1.5ton/cm2の圧力で圧粉体にプレス成形
し、この圧粉体を真空中、温度:1420℃に1時間保
持の条件で焼結し、焼結後、切刃部分にR:0.03の
ホーニング加工を施してISO規格・SNGG1204
08Rのチップ形状をもったWC基超硬合金製の超硬合
金基体Aを形成した。また、原料粉末として、いずれも
0.5〜2μmの平均粒径を有するTiCN(重量比で
TiC/TiN=50/50)粉末、TiN粉末、Ta
C粉末、TaN粉末、NbC粉末、Mo粉末、Co粉
末、Ni粉末、および黒鉛(C)粉末を用意し、これら
原料粉末を、重量%でTiCN:77%、TiN:4
%、TaC:4%、NbC:2%、Mo:1%、Co:
5%、Ni:6%、およびC:1%の配合組成に配合
し、ボールミルで72時間湿式混合し、乾燥した後、1
ton/cm2の圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧
粉体を15torrの窒素雰囲気中、温度:1560℃
に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、切刃部分にR:
0.05のホーニング加工を施してISO規格・CNM
G120408のチップ形状をもったTiCN系サーメ
ット製の超硬合金基体Bを形成した。
【0008】ついで、これら超硬合金基体A、Bを、ア
セトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、それぞれ図
1に示されるアークイオンプレーティング装置に装入
し、一方カソード電極(蒸発源)として種々の成分組成
をもったTi−Al合金をそれぞれ形成しようとする硬
質被覆層の組成に対応して装着し、装置内を排気して1
×10-5torrの真空に保持しながら、ヒーターで装
置内を350℃に加熱した状態で、超硬合金基体に−4
0vのバイアス電圧を印加し、ついで装置内に反応ガス
として窒素ガスを導入しながら、前記カソード電極とア
ノード電極との間にアーク放電を発生させ、もって前記
超硬合金基体A、Bのそれぞれの表面に、表1、2に示
される目標組成および目標層厚の硬質被覆層を形成する
ことにより本発明被覆超硬合金工具1〜20および従来
被覆超硬合金工具1、2をそれぞれ製造した。なお、こ
の結果得られた各種の被覆超硬合金工具について、これ
の硬質被覆層の構成層の組成および層厚をオージェ電子
分光分析装置を用いて測定した。これらの結果を表1、
2に示した。
セトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、それぞれ図
1に示されるアークイオンプレーティング装置に装入
し、一方カソード電極(蒸発源)として種々の成分組成
をもったTi−Al合金をそれぞれ形成しようとする硬
質被覆層の組成に対応して装着し、装置内を排気して1
×10-5torrの真空に保持しながら、ヒーターで装
置内を350℃に加熱した状態で、超硬合金基体に−4
0vのバイアス電圧を印加し、ついで装置内に反応ガス
として窒素ガスを導入しながら、前記カソード電極とア
ノード電極との間にアーク放電を発生させ、もって前記
超硬合金基体A、Bのそれぞれの表面に、表1、2に示
される目標組成および目標層厚の硬質被覆層を形成する
ことにより本発明被覆超硬合金工具1〜20および従来
被覆超硬合金工具1、2をそれぞれ製造した。なお、こ
の結果得られた各種の被覆超硬合金工具について、これ
の硬質被覆層の構成層の組成および層厚をオージェ電子
分光分析装置を用いて測定した。これらの結果を表1、
2に示した。
【0009】ついで、上記の各種の被覆超硬合金工具の
うち、本発明被覆超硬合金工具1〜10および従来被覆
超硬合金工具1については、 被削材:JIS・SCM435の長さ方向等間隔4本縦
溝入り丸棒、 切削速度:250m/min、 送り:0.2mm/rev、 切り込み:1.5mm、 切削時間:10分、 の条件で合金鋼の乾式高速断続切削試験を行ない、また
本発明被覆超硬合金工具11〜20および従来被覆超硬
合金工具2については、 被削材:JIS・SNCM240の長さ方向等間隔3本
縦溝入り丸棒、 切削速度:250m/min、 送り:0.3mm/rev、 切り込み:1.5mm、 切削時間:10分、 の条件で合金鋼の乾式高速断続切削試験を行ない、いず
れの切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。これ
らの測定結果を表1、2に示した。
うち、本発明被覆超硬合金工具1〜10および従来被覆
超硬合金工具1については、 被削材:JIS・SCM435の長さ方向等間隔4本縦
溝入り丸棒、 切削速度:250m/min、 送り:0.2mm/rev、 切り込み:1.5mm、 切削時間:10分、 の条件で合金鋼の乾式高速断続切削試験を行ない、また
本発明被覆超硬合金工具11〜20および従来被覆超硬
合金工具2については、 被削材:JIS・SNCM240の長さ方向等間隔3本
縦溝入り丸棒、 切削速度:250m/min、 送り:0.3mm/rev、 切り込み:1.5mm、 切削時間:10分、 の条件で合金鋼の乾式高速断続切削試験を行ない、いず
れの切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。これ
らの測定結果を表1、2に示した。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
【発明の効果】表1、2に示される結果から、硬質被覆
層がそれぞれTiとAlの相対割合の異なる下部靭性層
と上部硬質層で構成された本発明被覆超硬合金工具1〜
20は、いずれも鋼の高速断続切削でチッピングの発生
なく、すぐれた耐摩耗性を示しのに対して、硬質被覆層
が単一相の従来被覆超硬合金工具1、2は、硬質被覆層
の靭性不足が原因で鋼の高速断続切削では、いずれも切
刃にチッピングが発生し、比較的短時間で使用寿命に至
ることが明らかである。上述のように、この発明の被覆
超硬合金工具は、これの硬質被覆層を構成する下部靭性
層と上部硬質層によってすぐれた耐チッピング性と耐摩
耗性を確保することができるので、例えば鋼の高速連続
切削は勿論のこと、より一段と苛酷な条件での切削加工
となる鋼の高速断続切削でも切刃にチッピングの発生な
く、著しく長期に亘ってすぐれた切削性能を発揮するの
である。
層がそれぞれTiとAlの相対割合の異なる下部靭性層
と上部硬質層で構成された本発明被覆超硬合金工具1〜
20は、いずれも鋼の高速断続切削でチッピングの発生
なく、すぐれた耐摩耗性を示しのに対して、硬質被覆層
が単一相の従来被覆超硬合金工具1、2は、硬質被覆層
の靭性不足が原因で鋼の高速断続切削では、いずれも切
刃にチッピングが発生し、比較的短時間で使用寿命に至
ることが明らかである。上述のように、この発明の被覆
超硬合金工具は、これの硬質被覆層を構成する下部靭性
層と上部硬質層によってすぐれた耐チッピング性と耐摩
耗性を確保することができるので、例えば鋼の高速連続
切削は勿論のこと、より一段と苛酷な条件での切削加工
となる鋼の高速断続切削でも切刃にチッピングの発生な
く、著しく長期に亘ってすぐれた切削性能を発揮するの
である。
【図1】アークイオンプレーティング装置の概略説明図
である。
である。
Claims (1)
- 【請求項1】 炭化タングステン基超硬合金基体または
炭窒化チタン系サーメット基体の表面に、 1〜10μmの平均層厚を有し、かつ、 組成式:(TiX Al1-X)ANB、 (ただし、原子比で、X:0.55〜0.75、B/
A:0.95〜1.05)、を満足する下部靭性層と、 同じく1〜10μmの平均層厚を有し、かつ、 組成式:(TiYAl1-Y)ANB、 (ただし、原子比で、Y:0.25〜0.45、B/
A:0.95〜1.05)、を満足する上部硬質層、で
構成された硬質被覆層を物理蒸着してなる、すぐれた耐
摩耗性と耐チッピング性を具備した表面被覆超硬合金製
切削工具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34581899A JP2001162411A (ja) | 1999-12-06 | 1999-12-06 | すぐれた耐摩耗性と耐チッピング性を具備した表面被覆超硬合金製切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34581899A JP2001162411A (ja) | 1999-12-06 | 1999-12-06 | すぐれた耐摩耗性と耐チッピング性を具備した表面被覆超硬合金製切削工具 |
Publications (1)
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ID=18379194
Family Applications (1)
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Country Status (1)
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Cited By (5)
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|---|---|---|---|---|
| WO2010137429A1 (ja) * | 2009-05-25 | 2010-12-02 | 日立ツール株式会社 | 超硬合金製エンドミル及び該エンドミルを用いた切削加工方法 |
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| JP2011020257A (ja) * | 2009-06-15 | 2011-02-03 | Hitachi Tool Engineering Ltd | 超硬合金製エンドミル及び該エンドミルを用いた切削加工方法 |
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-
1999
- 1999-12-06 JP JP34581899A patent/JP2001162411A/ja not_active Withdrawn
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| US8827600B2 (en) | 2009-05-25 | 2014-09-09 | Hitachi Tool Engineering, Ltd. | Carbide end mill and cutting method using the end mill |
| JP2010280051A (ja) * | 2009-06-03 | 2010-12-16 | Hitachi Tool Engineering Ltd | 硬質皮膜被覆エンドミル |
| JP2011020257A (ja) * | 2009-06-15 | 2011-02-03 | Hitachi Tool Engineering Ltd | 超硬合金製エンドミル及び該エンドミルを用いた切削加工方法 |
| JP2011083891A (ja) * | 2009-06-15 | 2011-04-28 | Hitachi Tool Engineering Ltd | 超硬合金製エンドミル及び該エンドミルを用いた切削加工方法 |
| JP2011000696A (ja) * | 2009-06-17 | 2011-01-06 | Hitachi Tool Engineering Ltd | ニック付き超硬合金製エンドミル |
| CN111286662A (zh) * | 2020-03-27 | 2020-06-16 | 陕西理工大学 | 一种低碳化钨邻接度硬质合金及其制备方法 |
| CN111286662B (zh) * | 2020-03-27 | 2021-01-29 | 陕西理工大学 | 一种低碳化钨邻接度硬质合金及其制备方法 |
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