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JP2001032034A - ハイドロフォーム加工用鋼管 - Google Patents

ハイドロフォーム加工用鋼管

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JP2001032034A
JP2001032034A JP11204117A JP20411799A JP2001032034A JP 2001032034 A JP2001032034 A JP 2001032034A JP 11204117 A JP11204117 A JP 11204117A JP 20411799 A JP20411799 A JP 20411799A JP 2001032034 A JP2001032034 A JP 2001032034A
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less
steel pipe
hydroforming
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elongation
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JP11204117A
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Tokiaki Nagamichi
常昭 長道
Kazutoshi Kunishige
和俊 国重
Keisuke Ichiiri
啓介 一入
Masayasu Kojima
正康 小嶋
Saburo Inoue
三郎 井上
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱間圧延のまま、あるいは、熱間圧延後に調整
冷却したままで製造でき、しかも、優れたハイドロフォ
ーミング性を有する鋼管の提供。 【解決手段】C<0.06%、Si≦1.0%、Mn:0.75〜2.50
%、Cu≦2.0%、Ni≦2.0%、Cr≦2.0%、Mo≦2.0%、V
≦0.5%、Nb≦0.5%、Ti≦0.5%、Al≦ 0.2%を含有
し、残部はFeと不純物からなり、Cu(%)+Ni(%)+
Cr(%)+Mo(%)≦5.0%及びNb(%)+V(%)+Ti
(%)≦1.0%を満足するとともに、P≦ 0.2%、S≦0.0
3%、N≦0.01%を満たす化学組成で、更に、組織の95%
を超える部分がフェライト相であるハイドロフォーム加
工用鋼管。ここで、組織の割合は顕微鏡観察したときの
組織割合、つまり、面積率のことを指す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイドロフォーム
加工用鋼管に関する。詳しくは、鋼管内に液体による内
圧を加えて所定の形状に成形したり、鋼管内の液体によ
る内圧及び鋼管の軸方向圧縮とを組み合わせて所定の形
状に成形するハイドロフォーム加工(以下、「ハイドロ
フォーミング」ともいう)用として好適な鋼管に関す
る。具体的には、JIS Z 2201に規定された5号引張試験
片又は12号引張試験片を用いた引張強さが300〜1
000MPaで、後述のR付き引張試験片を用いて測定
される伸びが95%以上のハイドロフォーミング用鋼管
に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼管をハイドロフォーミングすれば、従
来プレス加工と溶接の組み合わせで製造されていた各種
の大型部品が、低コスト且つ高能率で製造できる。更
に、ハイドロフォーミングの場合には、閉断面構造が得
られるので部品の剛性が高まる効果がある。このため、
各種製造分野においてハイドロフォーミングが利用され
始めている。
【0003】なかでも自動車産業界においては、最近特
に、地球環境問題から燃費向上を目的とした部品の軽量
化が重要課題となってきたため、ハイドロフォーミング
を適用した部品の加工が始められており、今後更にハイ
ドロフォーミングの適用範囲の拡大が期待されている。
【0004】ハイドロフォーミングに関しては、例え
ば、特開平10−175027号公報に管軸方向のr値
が管周方向のr値よりも大きいハイドロフォーミング用
金属管が、特開平10−175028に金属管をベロー
ズ管状に予成形した後でハイドロフォーミングして本成
形する成型方法が、又、特開平10−176220号公
報に特定の化学組成を有する電縫鋼管を冷間加工した後
に特定の熱処理を施すハイドロフォーミング用鋼管の製
造方法が提案されている。
【0005】上記の各公報で開示された技術のうち、特
開平10−175027号公報で提案されたハイドロフ
ォーミング用金属管の場合には、具体的にはその明細書
中に記載されているように、冷間圧延した金属板の特定
の方向から板取りして金属管を製造しなければならない
ので、板取りに制約が生じてしまう。
【0006】特開平10−175028号公報で提案さ
れた成型方法の場合には、特殊な予変形を付与する必要
があるので、工程が複雑になることに加えて製造コスト
も嵩んでしまう。
【0007】特開平10−176220号公報で提案さ
れた技術の場合には、電縫鋼管を冷間加工した後、フェ
ライトとマルテンサイトなどの低温生成相とが特定の割
合からなる混合組織、具体的には、マルテンサイトなど
の低温生成相が5〜30%で残りがフェライト相からな
る混合組織に調整するために特殊な熱処理を施す必要が
あり、やはり、工程が複雑になることに加えて製造コス
トも嵩んでしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みなされたもので、その目的は、冷間加工、特殊な予
備成形加工、あるいは冷間加工後の特殊な熱処理などを
必要とせず、熱間圧延のまま、あるいは、熱間圧延後に
調整冷却したままで製造でき、しかも、優れたハイドロ
フォーミング性を有する鋼管を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記に
示すハイドロフォーム加工用鋼管にある。
【0010】すなわち、「重量%で、C:0.06%未
満、Si:2.0%以下、Mn:0.75〜2.50
%、Cu:2.0%以下、Ni:2.0%以下、Cr:
2.0%以下、Mo:2.0%以下、V:0.5%以
下、Nb:0.5%以下、Ti:0.5%以下、Al:
0.2%以下を含有し、残部はFe及び不可避不純物か
らなり、下記式及び式を満足するとともに、不純物
中のP、S、Nがそれぞれ0.2%以下、0.03%以
下、0.01以下を満たす化学組成で、更に、組織の9
5%を超える部分がフェライト相であるハイドロフォー
ム加工用鋼管。
【0011】 Cu(%)+Ni(%)+Cr(%)+Mo(%)≦5.0%・・・ Nb(%)+V(%)+Ti(%)≦1.0%・・・ ここで、組織の割合は顕微鏡観察したときの組織割合、
つまり、面積率のことを指す」である。
【0012】本発明者らは、前記した課題を解決するた
めに、先ず、鋼管の組織とハイドロフォーミング性との
関係について検討を行った。その結果、下記の知見を得
た。
【0013】(a)組織におけるフェライト相の割合が
大きく、マルテンサイト、パーライト及びセメンタイト
といった所謂「硬質第2相」の割合が小さい鋼管のハイ
ドロフォーミング性は良好である。
【0014】そこで、次に鋼管のハイドロフォーミング
時の塑性変形挙動に関する基礎的な検討を行い、下記の
知見を得た。
【0015】(b)ハイドロフォーミングにおける膨出
変形は、鋼管の長手方向の変形が拘束された平面歪み変
形である。
【0016】(c)平面歪み変形においては、変形の初
期から所謂「3軸応力」が発生する。このため、組織中
にマルテンサイトなどの「硬質第2相」が占める割合が
大きければ、これらとフェライト相との界面から、比較
的変形の初期段階に割れが生じる。
【0017】更に、鋼管のハイドロフォーミング性を簡
易に評価するために、鋼管の各種方向から、又、鋼管を
切り開いて平坦化しその各種方向からも、種々の形状の
引張試験片を採取して検討した。その結果、下記の知見
が得られた。
【0018】(d)鋼管を切り開いて平坦化し、元の鋼
管の管周方向に対応する方向から採取した特定形状の引
張試験片、つまり、後述の図2に示す「R付き引張試験
片」における伸びが鋼管のハイドロフォーミング性と良
い正の相関関係にある。
【0019】本発明は、上記の知見に基づいて完成され
たものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各要件について詳
しく説明する。なお、各元素の含有量の「%」表示は
「重量%」を意味する。
【0021】(A)鋼管の化学組成 C:0.06%未満 Cは、経済的に強度を高める好ましい元素であるが、そ
の含有量が0.06%以上になると、組織に占めるマル
テンサイト、パーライト及びセメンタイトといった「硬
質第2相」の割合が大きくなって、平面歪み状態での伸
びの低下をきたし、ハイドロフォーミング性が著しく劣
化する。したがって、Cの含有量を0.06%未満とし
た。なお、C含有量は0.04%以下とすることが好ま
しい。平面歪み状態での伸び、つまり、ハイドロフォー
ミング性の点からは、Cの含有量が少ないほど良いの
で、C含有量の下限は特に規定しなくてもよい。
【0022】Si:2.0%以下 Siは、固溶強化作用を通して強度と平面歪み状態での
伸びのバランスを改善する作用を有する。又、Siは脱
酸作用も有する。こうした効果を確実に得るには、Si
は0.01%以上の含有量とすることが好ましい。しか
し、Siを過剰に含有させると鋼管の溶接性や表面性状
が損なわれ、特に、その含有量が2.0%を超えると、
鋼管の溶接性や表面性状の劣化が著しくなる。したがっ
て、Siの含有量を2.0%以下とした。極めて優れた
表面性状が要求される場合や溶融亜鉛メッキが施される
場合には、Siの含有量が少ないほどよいので、Si含
有量の下限は特に規定しなくてもよい。なお、溶接性や
表面性状が特に重視される場合には、Si含有量を0.
30%以下とすることが好ましい。
【0023】Mn:0.75〜2.50% Mnも固溶強化作用を通して、強度と平面歪み状態での
伸びのバランスを改善する元素である。本発明に係る鋼
管の場合、ハイドロフォーミング性を高めるためにCの
含有量を低く抑えているため、Mnの含有量が0.75
%未満では所望の引張強さ(JIS Z 2201に規定された5
号引張試験片又は12号引張試験片を用いた場合の30
0〜1000MPaの引張強さ)が得難い。一方、Mn
を過剰に含有させると、セメンタイト中に固溶して組織
に占める硬質第2相としてのパーライトの割合を多くし
たり、焼入れ性を高めてマルテンサイトなどの硬質第2
相の割合を多くして、ハイドロフォーミング性を低下さ
せてしまう。特にその含有量が2.50%を超えるとハ
イドロフォーミング性の低下が著しくなる。したがっ
て、Mnの含有量を0.75〜2.50%とした。な
お、Mn含有量が高い場合には、フェロマンガンなどの
合金鉄のほかに高価なメタリックMnを使用する必要が
生じるので、Mn含有量の上限を1.80%とすること
が好ましい。
【0024】Cu:2.0%以下 Cuは添加しなくても良い。添加すれば、固溶強化作用
を通じて強度と平面歪み状態での伸びのバランスを改善
する作用を有する。この効果を確実に得るには、Cuは
0.2%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、
Cuを2.0%を超えて含有させると、オーステナイト
からフェライトへの変態が遅くなるので、組織の95%
を超える部分をフェライト相にすることが困難になる。
したがって、Cuの含有量を2.0%以下とした。
【0025】Ni:2.0%以下 Niは添加しなくても良い。添加すれば、固溶強化作用
を通じて強度と平面歪み状態での伸びのバランスを改善
する作用を有する。この効果を確実に得るには、Niは
0.2%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、
Niを2.0%を超えて含有させると、オーステナイト
からフェライトへの変態が遅くなるので、組織の95%
を超える部分をフェライト相にすることが困難になる。
したがって、Niの含有量を2.0%以下とした。
【0026】Cr:2.0%以下 Crも添加しなくても良い。添加すれば、固溶強化作用
を通じて強度と平面歪み状態での伸びのバランスを改善
する作用を有する。この効果を確実に得るには、Crは
0.2%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、
Crを2.0%を超えて含有させると、オーステナイト
からフェライトへの変態が遅くなるので、組織の95%
を超える部分をフェライト相にすることが困難になる。
したがって、Crの含有量を2.0%以下とした。
【0027】Mo:2.0%以下 Moは添加しなくても良い。添加すれば、固溶強化作用
を通じて強度と平面歪み状態での伸びのバランスを改善
する作用を有する。この効果を確実に得るには、Moは
0.2%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、
Moを2.0%を超えて含有させると、オーステナイト
からフェライトへの変態が遅くなるので、組織の95%
を超える部分をフェライト相にすることが困難になる。
したがって、Moの含有量を2.0%以下とした。
【0028】Cu(%)+Ni(%)+Cr(%)+M
o(%):5.0%以下 Cu、Ni、Cr及びMoの含有量の上限をそれぞれ前
記の値にした場合でも、これらの元素の含有量の和が
5.0%を超えると、オーステナイトからフェライトへ
の変態が遅くなるので、組織の95%を超える部分をフ
ェライト相にすることが困難になる。したがって、C
u、Ni、Cr及びMoの含有量の和であるCu(%)
+Ni(%)+Cr(%)+Mo(%)の値を5.0%
以下とした。
【0029】V:0.5%以下 Vは添加しなくても良い。添加すれば、炭窒化物を形成
して析出強化作用を生じ、この強化作用を通して強度と
平面歪み状態での伸びのバランスを改善する作用を有す
る。この効果を確実に得るには、Vは0.01%以上の
含有量とすることが好ましい。しかし、その含有量が
0.5%を超えると、却って平面歪み状態での伸びが低
下してハイドロフォーミング性が劣化する。更に、スラ
ブやビレットの加熱時に炭窒化物が粗大化して前記の効
果が大きく減少するし、コストも嵩む。したがって、V
の含有量を0.5%以下とした。
【0030】Nb:0.5%以下 Nbは添加しなくても良い。添加すれば、炭窒化物を形
成して析出強化作用を生じ、この強化作用を通して強度
と平面歪み状態での伸びのバランスを改善する作用を有
する。この効果を確実に得るには、Nbは0.01%以
上の含有量とすることが好ましい。しかし、その含有量
が0.5%を超えると、却って平面歪み状態での伸びが
低下してハイドロフォーミング性が劣化する。更に、ス
ラブやビレットの加熱時に炭窒化物が粗大化して前記の
効果が大きく減少するし、コストも嵩む。したがって、
Nbの含有量を0.5%以下とした。
【0031】Ti:0.5%以下 Tiも添加しなくても良い。添加すれば、炭窒化物を形
成して析出強化作用を生じ、この強化作用を通して強度
と平面歪み状態での伸びのバランスを改善する作用を有
する。この効果を確実に得るには、Tiは0.01%以
上の含有量とすることが好ましい。しかし、その含有量
が0.5%を超えると、却って平面歪み状態での伸びが
低下してハイドロフォーミング性が劣化する。更に、ス
ラブやビレットの加熱時に炭窒化物が粗大化して前記の
効果が大きく減少するし、コストも嵩む。したがって、
Tiの含有量を0.5%以下とした。
【0032】 Nb(%)+V(%)+Ti(%):1.0%以下 Nb、V、Tiの含有量の上限をそれぞれ前記の値にし
た場合でも、これらの元素の含有量の和が1.0%を超
えると、却って平面歪み状態での伸びが低下してハイド
ロフォーミング性が劣化する。したがって、Nb、V、
Tiの含有量の和であるNb(%)+V(%)+Ti
(%)の値を1.0%以下とした。
【0033】Al:0.2%以下 Alは添加しなくても良い。添加すれば、脱酸作用を有
する。この効果を確実に得るには、Alは0.01%以
上の含有量とすることが好ましい。しかし、Alを0.
2%を超えて含有させても前記の効果は飽和するので、
コストが嵩むばかりであるし、平面歪み状態での伸びが
低下するのでハイドロフォーミング性が劣化する。した
がって、Alの含有量を0.2%以下とした。なお、極
めて優れた表面性状が要求される場合や溶融亜鉛メッキ
が施される場合には、Siを添加しない方がよいので、
脱酸のために少なくともAlを0.02%程度含有させ
ることが好ましい。
【0034】本発明においては、不純物元素としての
P、S及びNはその含有量を下記のとおりに規制する。
【0035】P:0.2%以下 Pは鋼材の靱性を低下させてしまう。とりわけ熱間圧延
鋼帯は巻取り後に徐冷されるので、Pが硬質第2相とフ
ェライト相の界面に偏析して所謂「焼き戻し脆性」を引
き起こし、硬質相とフェライト相との界面での割れが促
進されるので、ハイドロフォーミング性が低下してしま
う。特にPの含有量が0.2%を超えると靱性の低下が
著しくなってハイドロフォーミング性が大きく低下す
る。したがって、不純物元素としてのPの含有量を0.
2%以下とした。なお、不純物元素としてのPの含有量
は0.025%以下とすることが好ましく、0.020
%以下とすることが一層好ましい。
【0036】S:0.03%以下 Sは、Feと硫化物を形成して熱間加工時の鋼材の表面
割れの原因となるばかりか、鋼材の靱性を低下させてし
まう。特にSの含有量が0.03%を超えると靱性の低
下が著しくなる。更に、Sは固溶強化のために添加する
Mnと結合してMnSを形成してしまうので、固溶強化
に有効なMnの含有量が少なくなり、したがって、所望
のMnの効果を得るために、より多くのMnを含有させ
る必要が生じるのでコストが嵩むことになる。したがっ
て、不純物元素としてのSの含有量を0.03%以下と
した。
【0037】N:0.01%以下 Nは鋼材の靱性をを低下させてしまう。特にNの含有量
が0.01%を超えると靱性の低下が著しくなる。した
がって、不純物元素としてのNの含有量を0.01%以
下とした。
【0038】(B)鋼管の組織 前記の化学組成を有する鋼管に、所望の強度と管周方向
伸び(JIS Z 2201に規定された5号引張試験片又は12
号引張試験片を用いた引張試験で300〜1000MP
aの引張強さと、後述の図2に示す「R付き引張試験
片」における95%以上の伸び)を確保させるために
は、鋼管の組織の95%を超える部分をフェライト相と
する必要がある。そのための鋼管の製造方法としては、
例えば、鋼片を1000℃以上に加熱してから、通常の
熱間穿孔加工を行い、850℃以上の温度で仕上げた
後、30℃/秒以下の冷却速度で、少なくとも600℃
まで放冷する継目無鋼管の製造方法がある。又、鋼片を
1000℃以上に加熱してから、通常の熱間圧延加工を
行い、850℃以上の温度で仕上げた後、約600℃で
巻き取って熱間圧延鋼帯を製造し、その鋼帯を管状に成
形して突き合わせ部を溶接する電縫鋼管の製造方法があ
る。
【0039】なお、フェライト相が組織に占める割合は
95%を超えておりさえすればよいので、上限は100
%に近い値であってもよい。
【0040】前記(A)の化学組成は、少なくとも前記
の方法によって鋼管を製造することで所望の組織が生成
するように配慮されたものである。
【0041】なお、熱間圧延のままでの組織や厚みの調
整は、熱間圧延鋼板又は熱間圧延鋼帯を素材とする電縫
鋼管の方が継目無鋼管の場合より行いやすい。したがっ
て、本発明に係る鋼管は電縫鋼管であることが好まし
い。
【0042】図1に一例を示すように、鋼管のハイドロ
フォーミング時の限界拡管率は、図2の「R付き引張試
験片」を用いて引張試験した場合の伸びと良い正の相関
関係を有する。つまり、鋼管のハイドロフォーミング性
は、R付き引張試験片を用いた鋼管の管周方向伸びを指
標として簡便に評価することができる。上記の伸びが9
5%以上の場合、鋼管のハイドロフォーミング性は良好
で、20%以上の限界拡管率が確保できる。ここで、図
2に示す「R付き引張試験片」は、鋼管を切り開いて平
坦化し、元の鋼管の管周方向に対応する方向から採取し
たものである。
【0043】なお、図1は外径が60.5mm、肉厚が
2.5mm、引張強さが370〜420MPaで、各種
の組織を有する電縫鋼管について調査した結果を示すも
のであり、限界拡管率とは下記式で定義されるもので
ある。
【0044】 限界拡管率={(破断部周長−素管周長)/(素管周長)}×100・・・ 以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。
【0045】
【実施例】表1に示す化学組成を有する鋼を溶製後スラ
ブにした。なお、表1における鋼1〜16は化学組成が
本発明で規定する範囲内にある本発明例の鋼、鋼A〜F
は成分のいずれかが本発明で規定する含有量の範囲から
外れた比較例の鋼である。
【0046】
【表1】
【0047】次いで、上記のスラブを通常の方法で熱間
圧延、巻き取りして厚さ2.5mmの熱間圧延鋼帯を製
造した。なお、スラブの加熱温度は1200℃、熱間圧
延仕上げ温度は約900℃、巻き取り温度は約600℃
とした。
【0048】上記のようにして得た熱間圧延鋼帯を素材
として、通常の方法で電気抵抗溶接して直径dが60.
5mmの電縫鋼管を作製した。
【0049】鋼Cを素材鋼としたものは、溶接部に欠陥
(ペネトレータ)が生じた。又、鋼D及び鋼Eを素材鋼
としたものは、電気抵抗溶接時に溶接部で割れが生じ
た。
【0050】前記電縫鋼管の溶接部及び管周方向に溶接
部と反対の部位から組織観察用の試験片を採取し、鏡面
研磨した被検面をナイタルで腐食して倍率500倍で光
学顕微鏡による組織観察を行いフェライト相の割合(面
積率)を調査した。
【0051】又、鋼管の管軸方向からJIS Z 2201に規定
された12号B引張試験片を採取して室温で引張試験し
て引張強さを測定した。更に、鋼管を切り開いて平坦化
し、元の鋼管の管周方向に対応する方向から、図2に示
すR付き引張試験片を採取し、室温で引張試験して伸び
を測定した。
【0052】一方、前記の電縫鋼管に対して、図3
(a)に示すような上下の金型を用いたハイドロフォー
ミング試験を行った。すなわち、長さ4d(つまり、供
試鋼管の直径の4倍)の空間を形成する上下金型で、前
記空間部から両側に5d(つまり、供試鋼管の直径の5
倍)の鋼管部分を把持し、鋼管内に水で内圧をかけて、
鋼管を金型空間内に膨出させ、下記式で表される拡管
率が20%となるハイドロフォーミング試験を行った。
なお、図3(b)は、前記の拡管率20%のハイドロフ
ォーミング試験で割れを生じたことを示している。
【0053】 拡管率={(変形後の周長−素管周長)/(素管周長)}×100・・・ 表2に、組織観察結果、前記2種類の引張試験結果及び
拡管率20%でハイドロフォーミングした結果をまとめ
て示す。
【0054】
【表2】
【0055】表2から、試験番号1〜16の本発明に係
る鋼管は所望の300〜1000MPaの引張強さを有
するとともに、拡管率20%でハイドロフォーミングし
ても割れを生じておらずハイドロフォーミング性に優れ
ていることが明らかである。
【0056】これに対して、試験番号17〜22の比較
例に係る鋼管は拡管率20%のハイドロフォーミングで
割れを生じており、ハイドロフォーミング性に劣ってい
る。
【0057】
【発明の効果】本発明の鋼管は、引張強さで300〜1
000MPaの強度を有し、しかも、「R付き引張試験
片」で95%以上の伸びを有するのでハイドロフォーミ
ング性に優れ、20%以上の限界拡管率を有している。
このため、自動車部品を初めとする各種の部品の素材と
して用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼管のハイドロフォーミング時の限界拡管率が
「R付き引張試験片」を用いて引張試験した場合の伸び
と良い正の相関関係を有することを示す図である。
【図2】「R付き引張試験片」を説明する図である。
【図3】ハイドロフォーミング試験を説明する図で、
(a)は試験用の金型、(b)はハイドロフォーミング
試験で割れを生じた鋼管である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 一入 啓介 和歌山県和歌山市湊1850番地住友金属工業 株式会社和歌山製鉄所内 (72)発明者 小嶋 正康 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内 (72)発明者 井上 三郎 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.06%未満、Si:
    2.0%以下、Mn:0.75〜2.50%、Cu:
    2.0%以下、Ni:2.0%以下、Cr:2.0%以
    下、Mo:2.0%以下、V:0.5%以下、Nb:
    0.5%以下、Ti:0.5%以下、Al:0.2%以
    下を含有し、残部はFe及び不可避不純物からなり、下
    記式及び式を満足するとともに、不純物中のP、
    S、Nがそれぞれ0.2%以下、0.03%以下、0.
    01以下を満たす化学組成で、更に、組織の95%を超
    える部分がフェライト相であるハイドロフォーム加工用
    鋼管。 Cu(%)+Ni(%)+Cr(%)+Mo(%)≦5.0%・・・ Nb(%)+V(%)+Ti(%)≦1.0%・・・ ここで、組織の割合は顕微鏡観察したときの組織割合、
    つまり、面積率のことを指す。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007262467A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Sumitomo Metal Ind Ltd ハイドロフォーム加工用熱延鋼板及びその製造法と、ハイドロフォーム加工用電縫鋼管
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US7727342B2 (en) * 2002-02-12 2010-06-01 The Timken Company Low carbon microalloyed steel
DE102018133143A1 (de) * 2018-11-06 2020-05-07 Salzgitter Flachstahl Gmbh Innenhochdruck umgeformtes Bauteil aus Stahl und Verwendung eines Stahls für Vorprodukte zur Herstellung eines innenhochdruckumgeformten Bauteiles sowie Vorprodukt hierfür

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