JP2001088740A - 車体のフレーム構造 - Google Patents
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Abstract
2において、充填不足にならないようにして生産性を向
上させつつ、燃費性能と衝突安全性とを確実に向上させ
る。 【解決手段】 アウタパネル12とレインフォースメン
ト14との間に充填材11を発泡充填し、その充填材1
1の平均圧縮強度を4MPa以上(好ましくは5MPa
以上)に設定しかつ最大曲げ強度を10MPa以上(好
ましくは60MPa以上)に設定すると共に、充填材1
1の平均発泡気孔径を5mm以下に設定する。
Description
おける車体のフレーム構造に関する技術分野に属する。
は、例えばセンターピラーのように2つのパネル材(セ
ンターピラーではアウタパネルとインナパネル)により
フレーム断面が閉断面状に形成されたものがよく知られ
ており、強度や剛性が特に必要な部分では、上記両パネ
ル材間にレインフォースメントを設けて補強するように
している。そして、このようなフレーム構造において、
強度、剛性、衝撃エネルギー吸収性等のさらなる向上化
を図るには、上記パネル材やレインフォースメントの板
厚を増加したり新たなレインフォースメントを追加した
りするのが一般的である。
公報に示されているように、フレーム断面を閉断面状に
形成する閉断面部材で囲まれた空間に、発泡ウレタンか
らなる充填材を発泡充填させることで、フレーム強度の
向上化を図るようにすることが提案されている。
燃費性能を向上させることが要求されており、この要求
を満たすためには、車体を軽量にする必要がある。しか
し、上述の如く、パネル材やレインフォースメントの板
厚を増加する等の方法では、車体を軽量化することはで
きず、燃費性能と衝突安全性とを共に向上させることは
困難である。
913号公報)のように、軽量の発泡ウレタン等からな
る充填材を閉断面部材で囲まれた空間に発泡充填させる
ことで、車体を軽量化しつつ、衝突安全性の向上化を図
るようにすることが考えられる。
る充填材は、衝突荷重の作用に対してある程度以上の高
い変形能を有するものであり、このような充填材を使用
すると、衝撃荷重が荷重入力点からその周囲の閉断面部
材に分散して伝達され難く、荷重入力点やその近傍でフ
レームが局部的に大きく変形するため、エネルギー吸収
性を十分に向上させることはできないという問題があ
る。
量のばらつき等により充填不足にならないようにして生
産性を向上させかつ軽量にするには、充填材の発泡率を
高くすることが望ましいが、この発泡率を高くしようと
すると、発泡気孔径が大きくなる傾向にあり、このた
め、大きな気孔により充填材と閉断面部材との実質的な
接触面積が小さくなり、衝撃荷重を荷重入力点からその
周囲の閉断面部材に分散させることがより一層困難にな
る。このことは、充填材中に、内部が中空であるガラス
ビーズ等のような中空状粒子を混入する場合も同様であ
って、その粒子径を大きくして軽量化と生産性の向上化
とを図ろうとすると、エネルギー吸収性の向上化は困難
になる。
あり、その目的とするところは、上記のように閉断面部
材で囲まれた空間に充填材が充填された車体のフレーム
構造に対して、その充填材に工夫を凝らすことによっ
て、車体の生産性を向上させつつ、燃費性能と衝突安全
性とを確実に向上させようとすることにある。
めに、この発明では、充填材を、平均圧縮強度が4MP
a以上であること及び最大曲げ強度が10MPa以上で
あることの少なくとも一方を満たすものとし、この充填
材の平均発泡気孔径(又は充填材中の中空状粒子の平均
径)を5mm以下に設定するようにした。
ム断面の少なくとも一部を閉断面状に形成する閉断面部
材を備え、該閉断面部材で囲まれた空間に充填材が発泡
充填された車体のフレーム構造を対象とする。
MPa以上であること及び最大曲げ強度が10MPa以
上であることの少なくとも一方を満たすものであり、上
記充填材の平均発泡気孔径が5mm以下に設定されてい
るものとする。
撃荷重の影響により折れ曲がって閉断面内側に進入する
部分(座屈する部分)等に対応させて充填材を発泡充填
させることで、その部分に局所的に加わる力を充填材を
介してその周囲の閉断面部材に分散させることができ、
その部分の折れ曲がりを抑制したり、折れ曲がるように
しながら衝撃エネルギーを効果的に吸収したりすること
ができる。そして、上記充填材について、平均圧縮強度
が4MPa以上(最大曲げ強度が10MPa以上)とし
たのは、充填材の平均圧縮強度(最大曲げ強度)が大き
くなるにつれて、フレームのエネルギー吸収量も増加す
るが、平均圧縮強度が4MPa以上(最大曲げ強度が1
0MPa以上)になるとエネルギー吸収量の増加度合い
が飽和するからである。つまり、平均圧縮強度が4MP
a以上であれば、フレームが局部的に変形して断面の潰
れが生じることを最大限に抑制することができ、最大曲
げ強度が10MPa以上であれば、フレームが局部的に
大きく変形した場合でも、充填材の割れを抑制してフレ
ームが脆性的に折損することを最大限に防止することが
できる。この結果、平均圧縮強度が4MPa以上である
こと及び最大曲げ強度が10MPa以上であることの少
なくとも一方を満たす充填材を用いれば、最大値に近い
エネルギー吸収量が得られ、衝突安全性を向上させるこ
とができる。しかも、充填材の平均発泡気孔径が5mm
以下に設定されているので、充填材と閉断面部材との実
質的な接触面積を良好に維持することができ、衝撃荷重
を荷重入力点からその周囲の閉断面部材に確実に分散さ
せることができる。一方、発泡気孔径を大きくしなくて
も、粒径の小さい発泡剤を比較的多く混入しておけば、
充填材量のばらつき等による充填不足の発生を防止する
ことができると共に、充填材を軽量にすることができ
る。したがって、車体の生産性を向上させつつ、車体の
軽量化と衝突安全性の向上化とを確実に図ることができ
る。尚、「平均圧縮強度」は、充填材を一辺30mmの
立方体に加工したものに対して一方向から10mm/m
inの速度で圧縮荷重を加えたときにおいて変位量(圧
縮量)が0〜8mmの範囲での平均強度をいい、「充填
材の平均発泡気孔径」は、発泡後の充填材における任意
の断面において5.6cm2 の枠内(形状は任意)に存
在する発泡気孔のうち最も大きいものから11個を選択
したときに、その11個の気孔径の平均値をいう。
くとも一部を閉断面状に形成する閉断面部材を備え、該
閉断面部材で囲まれた空間に、中空状粒子が混入された
充填材が充填された車体のフレーム構造を対象とする。
MPa以上であること及び最大曲げ強度が10MPa以
上であることの少なくとも一方を満たすものであり、上
記充填材中の中空状粒子の平均径が5mm以下に設定さ
れているものとする。
場合と同様に、中空状粒子の平均径が5mm以下に設定
されているので、充填材と閉断面部材との実質的な接触
面積を良好に維持することができ、衝突安全性を向上さ
せることができる。一方、中空状粒子の平均径をそれ程
大きくしなくても、小径の中空状粒子を多く混入してお
けば、軽量化及び生産性向上化を図ることができる。よ
って、請求項1と同様の作用効果が得られる。尚、「中
空状粒子の平均径」は、充填材の任意の断面において
5.6cm2 内に存在する中空状粒子のうち最も大きい
ものから11個を選択したときに、その11個の粒子径
の平均値をいう。
明において、充填材は、フレーム断面の外周縁部の少な
くとも一部に設けられているものとする。
なくても、充填材をフレーム断面の外周縁部に設けるこ
とにより効果的に補強することができ、しかも、充填材
量が少なくて済み、より一層軽量化することができる。
また、このように充填材がフレーム断面の一部にしかな
い場合には、特に充填材と閉断面部材との実質的な接触
面積を確保しないと、補強効果が十分に得られなくなる
が、この発明では、充填材と閉断面部材との実質的な接
触面積を良好に維持することができ、衝突安全性を十分
に向上させることができる。
いて、充填材の厚さが、2〜20mmに設定されている
ものとする。
よりも小さいと、充填材の充填効果が低くて充填材を充
填しない場合と殆ど変わらなくなる一方、20mmより
も大きいと、軽量化効果が小さくなると共に、充填材量
のばらつき等により充填不足になる可能性が高くなるの
で、2〜20mmに設定している。
明において、充填材は、車体衝突時に曲げモーメントが
作用するフレームの断面において該曲げモーメントによ
り圧縮応力が発生する側の部分に設けられているものと
する。
一部にしかなくても、充填材による補強効果を最大限に
発揮させることができ、フレームの折れ曲がりを良好に
抑制することができる。
基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係るフ
レーム構造が適用されたセンターピラー2(フレーム)
を備えた自動車車体1の全体構成を示す。このセンター
ピラー2は、車体1の左右両側部の前後方向略中央部に
おいて略上下方向に延び、その上端部は、車室ルーフ部
の左右両側部において前後方向に延びるルーフサイドレ
ール3に接合され、下端部は、車室フロア部の左右両側
部において前後方向に延びるサイドシル4に接合されて
いる。そして、上記センターピラー2のベルトライン部
ないしその近傍には、後述の如く充填材11(図2及び
図3参照)が設けられており、車体1の側突時に衝撃荷
重Asが入力されても、ベルトライン部が折れて車室側
に進入するのを抑制するようにしている。尚、図1中、
5はフロントピラーであり、6はリヤピラーである。
示すように、車体外側に位置する鋼板等からなるアウタ
パネル12と、車体内側に位置する鋼板等からなるイン
ナパネル13と、該アウタパネル12とインナパネル1
3との間でかつセンターピラー2断面(フレーム断面)
内に設けられた鋼板等からなるレインフォースメント1
4とを備えている。このアウタパネル12、インナパネ
ル13及びレインフォースメント14は、各々、その左
右両側部(車体1前後両側部)にフランジ部12a,1
2a、13a,13a、14a,14aを有していて、
該各フランジ部12a,13a,14a同士がスポット
溶接により接合されることで互いに一体化されている。
すなわち、上記アウタパネル12とレインフォースメン
ト14とは、センターピラー2断面の外周縁部の一部
(車体外側部)を閉断面状に形成する閉断面部材であ
り、インナパネル13とレインフォースメント14と
は、センターピラー2断面の中心部及び外周縁部の車体
内側部を閉断面状に形成する閉断面部材である。そし
て、アウタパネル12及びレインフォースメント14は
共に断面略コ字状をなし、その両者間の空間も断面略コ
字状をなしている。
いしその近傍においてアウタパネル12とレインフォー
スメント14との間の空間(閉断面部材で囲まれた空
間)には、例えばエポキシ樹脂からなる充填材11が発
泡充填されている。つまり、この充填材11は、センタ
ーピラー2断面内全体ではなく、その断面において外周
縁部の一部であって上記衝撃荷重Asが入力される側の
部分、又はその衝撃荷重Asに起因してセンターピラー
2に作用する曲げモーメントにより圧縮応力が発生する
側の部分(センターピラー2の中立軸よりも車体外側)
のみに充填されていて、断面略コ字状をなしている。上
記充填材11の平均圧縮強度は4MPa以上(好ましく
は5MPa以上)に設定されていると共に、最大曲げ強
度は10MPa以上(好ましくは60MPa以上)に設
定されている。これは、平均圧縮強度が4MPa以上で
あれば、センターピラー2に上記衝撃荷重Asが入力さ
れてもセンターピラー2のベルトライン部が局部的に変
形して断面の潰れが生じることを最大限に抑制すること
ができ、最大曲げ強度が10MPa以上であれば、たと
えセンターピラー2が局部的に大きく変形した場合で
も、充填材11の割れを抑制してセンターピラー2が脆
性的に折損することを最大限に防止することができるか
らであり、平均圧縮強度を5MPa以上としかつ最大曲
げ強度を60MPa以上とすればその効果がより安定的
に得られるからである。尚、上記平均圧縮強度は、充填
材11を一辺30mmの立方体に加工したものに対して
一方向から10mm/minの速度で圧縮荷重を加えた
ときにおいて変位量(圧縮量)が0〜8mmの範囲での
平均強度をいう(図6参照)。
示すように、その内部に発泡により生じた多数の発泡気
孔11a,11a,…を有しており、この平均発泡気孔
径は5mm以下(好ましくは4mm以下)に設定されて
いる。これは、平均発泡気孔径が5mm以下であれば、
5mmよりも大きい場合の図4(b)と比較すれば判る
ように、充填材11とアウタパネル12との実質的な接
触面積が発泡気孔11aによりそれ程減少しないため、
後述の如く衝突安全性を確実に向上させることができる
からである。尚、上記充填材11の平均発泡気孔径は、
発泡後の充填材11における任意の断面において5.6
cm2 の枠内(形状は任意)に存在する発泡気孔11
aのうち最も大きいものから11個を選択したときに、
その11個の気孔径の平均値をいう。
方法を説明する。先ず、図5(a)に示すように、レイ
ンフォースメント14のアウタパネル12側面の所定部
分にシート状に加工した未発泡状態の充填材10を貼り
付けてセットする。この未発泡状態の充填材10には発
泡剤や硬化剤が混入されており、この発泡剤は、発泡硬
化後の充填材11の平均発泡気孔径が5mm以下となる
ようにその粒径(一般に、発泡剤の粒径を小さくすれば
するほど平均発泡気孔径は小さくなる)や混入量が設定
されている(尚、平均発泡気孔径は、発泡剤の材料や発
泡条件によっても調整できる)。
填材10を貼り付けたレインフォースメント14をアウ
タパネル12にセットし、両者のフランジ部12a,1
4a同士をスポット溶接により接合する。そして、図5
(c)に示すように、上記レインフォースメント14に
対してインナパネル13をセットして該インナパネル1
3のフランジ部13aをレインフォースメント14のフ
ランジ部14aにスポット溶接により接合することで、
センターピラー2の組立てが完了する。
後、その車体1を電着液に浸漬させて電着塗装を行い、
その後に180℃雰囲気中に35分間投入してその電着
塗装の乾燥を行う(センターピラー2の最低温度は15
0℃程度になる)。そして、車体シーラを塗布し、14
0℃雰囲気中に20分間投入してその車体シーラを乾燥
させ(センターピラー2の温度は100℃程度)、続い
て、中塗塗装を行い、140℃雰囲気中に40分間投入
してその中塗塗装の乾燥を行い(センターピラー2は1
40℃で20分間加熱されたことになる)、次いで、上
塗塗装を行い、140℃雰囲気中に40分間投入してそ
の上塗塗装の乾燥を行う(センターピラー2は140℃
で20分間加熱されたことになる)。この電着塗装等の
乾燥時に、上記充填材10をその乾燥熱により加熱する
ことで、アウタパネル12とレインフォースメント14
との間に完全に発泡充填させる。このように未発泡状態
の充填材10を電着塗装等の乾燥熱により発泡硬化させ
るので、発泡工程を別途に設ける必要がなく、生産性を
高めることができる。尚、電着塗装の乾燥工程で上記充
填材10の発泡が完了すると共に半分程度が硬化し、中
塗塗装及び上塗塗装の乾燥工程で残りが硬化する(車体
シーラの乾燥工程では、センターピラー2の温度が低過
ぎて充填材10は殆ど硬化しない)。
衝撃荷重Asによりセンターピラー2におけるアウタパ
ネル12のベルトライン部には、折れ曲がって(座屈し
て)断面内側に進入しようとする大きな力が局所的に作
用することがある。しかし、この実施形態では、そのよ
うな力がアウタパネル12に作用したとしても、その力
を充填材11を介して周囲に分散させることができる。
このとき、充填材11の平均発泡気孔径が5mm以下に
設定されているので、充填材11とアウタパネル12と
の実質的な接触面積を良好に維持することができ、衝撃
荷重を荷重入力点からその周囲のアウタパネル12に確
実に分散させることができる。しかも、その充填材11
の平均圧縮強度が4MPa以上に設定され、最大曲げ強
度が10MPa以上に設定されているので、最大値に近
いエネルギー吸収量が得られ、センターピラー2の折れ
曲がりを最大限に抑制することができる。一方、充填材
11は、センターピラー2断面内全体ではなく、アウタ
パネル12とレインフォースメント14との間にしか設
けられていないが、座屈開始の曲げモーメントは、セン
ターピラー2断面内全体に設ける場合と殆ど変わらない
ので、少ない充填量で効果的に衝撃エネルギーを吸収す
ることができる。また、未発泡状態の充填材10に、粒
径の小さい発泡剤を比較的多く混入しておけば、充填材
10の量ばらつき等による充填不足の発生を防止するこ
とができ、充填材11を必要部分に完全に発泡充填させ
ることができると共に、充填材11を軽量にすることが
できる。よって、車体1の生産性を向上させつつ、車体
1の軽量化と衝突安全性の向上化とを確実に図ることが
できる。
1の平均発泡気孔径は0.1mm以上であることが望ま
しい。すなわち、平均発泡気孔径が小さいほど充填材1
1とアウタパネル12との実質的な接触面積が良好に維
持され、センターピラー2が負担し得る最大曲げモーメ
ント値は大きくなるが、平均発泡気孔径が0.1mmよ
りも小さいと、発泡剤の粒子径が小さくなり過ぎて未発
泡状態の充填材10中に発泡剤を混練することが困難に
なると共に、発泡時に発泡剤粒子間の間隔が小さくなっ
て複数の発泡気孔11aが繋がることで、却って気孔径
が大きくなる可能性があるからである。
度(引張強さ、耐力)及び剛性の少なくとも一方は、ア
ウタパネル12と同等以上に設定することが望ましい。
つまり、レインフォースメント14の強度及び剛性の両
方がアウタパネル12よりも小さいと、アウタパネル1
2のベルトライン部が折れ曲がって断面内側に進入しよ
うとするときに、レインフォースメント14が局所的に
座屈変形してアウタパネル12が充填材11と共に断面
内側に進入してしまうが、このようにレインフォースメ
ント14の強度及び剛性の少なくとも一方がアウタパネ
ル12と同等以上であれば、アウタパネル12の断面内
側への進入(折れ曲がり)をより一層確実に抑制するこ
とができる。
アウタパネル12とレインフォースメント14との間の
隙間量(充填材11の厚み)は2mm以上(好ましくは
3mm以上)に設定することが望ましい。これは、充填
材11を充填しない場合には上記隙間量は小さいほどセ
ンターピラー2が負担し得る最大曲げモーメント値は大
きくなるが、充填材11を充填する場合に上記隙間量が
2mmよりも小さいと、充填材11の充填効果が低くて
充填材11を充填しない場合と殆ど変わらなくなるから
である。一方、上記隙間量は、20mmよりも大きい
と、軽量化効果が小さくて、コスト面で不利になると共
に、充填材10の量ばらつき等により充填不足になる可
能性が高くなるので、20mm以下に設定することが望
ましい。
との間の少なくとも一部には、3MPa以上のせん断接
着強さを有する接着剤層(車体シーラ等)を設けること
が望ましい。これは、アウタパネル12に局所的に加わ
る力を充填材11を介してその周囲により確実に分散さ
せることができると共に、接着剤層によりセンターピラ
ー2が負担し得る最大曲げモーメント値を効果的に高め
ることができ、また、上述の如くレインフォースメント
14の強度及び剛性の少なくとも一方をアウタパネル1
2と同等以上にした場合には、アウタパネル12が断面
内側に進入することも断面外側に張り出すこともでき
ず、アウタパネル12の折れ曲がりを有効に防止するこ
とができるからである。そして、接着剤層を設ける代わ
りに、充填材11自体が、アウタパネル12に対して3
MPa以上のせん断接着強さを有するようにしてもよ
く、こうすれば、接着剤層を別途に設けなくても済み、
容易に上記効果が得られる。このように充填材11とア
ウタパネル12とを接着する場合(特に充填材11自体
がせん断接着強さを有するようにした場合)に、充填材
11の平均発泡気孔径が5mmよりも大きいと、十分な
接着力が得られずに、上記のような接着効果が得られな
くなるが、上記実施形態のように5mm以下にしておけ
ば、上記接着効果が最大限に得られる。尚、充填材11
とアウタパネル12との間だけでなく、充填材11とイ
ンナパネル13との間の少なくとも一部にも接着剤層を
設けるようにしてもよい。
ー2長手方向において、センターピラー2の荷重支持点
間(ルーフサイドレール3に接合された上端部とサイド
シル4に接合された下端部との間)の長さに対して15
%以上の長さの範囲に充填されていることが望ましい。
すなわち、充填材11の充填範囲が大きくなるにつれて
エネルギー吸収量は増大するが、荷重支持点間の長さに
対して15%で略飽和する。したがって、15%以上の
長さの範囲に充填すれば、略最大値に近いエネルギー吸
収量が得られる。
均圧縮強度が4MPa以上(好ましくは5MPa以上)
でかつ最大曲げ強度が10MPa以上(好ましくは60
MPa以上)に設定されたものとしたが、平均圧縮強度
が4MPa以上(好ましくは5MPa以上)又は最大曲
げ強度が10MPa以上(好ましくは60MPa以上)
に設定されたものとしてもよい。このようにしても衝突
安全性を十分に向上させることができる。そして、アウ
タパネル12とレインフォースメント14との間に充填
された充填材11を、アウタパネル12側(衝突荷重入
力側)とレインフォースメント14側(反衝突荷重入力
側)との2層で構成し、そのアウタパネル12側には平
均圧縮強度が4MPa以上(好ましくは5MPa以上)
のものを配置し、レインフォースメント14側には最大
曲げ強度が10MPa以上(好ましくは60MPa以
上)のものを配置するようにしてもよい。こうすれば、
アウタパネル12側に直接的に作用する圧縮荷重と、レ
インフォースメント14側に作用する曲げ荷重とを各層
の充填材11によりそれぞれ有効に負担することがで
き、その各充填材11に対して最も効果的な特性を付与
して、効率的な補強を行うことができる。
る必要はなく、発泡材でない場合には、充填材11中
に、内部が中空であるガラスビーズや樹脂成形品等のよ
うな中空状粒子を混入することで、発泡材と同様に、軽
量化と生産性向上化を図ることができる。そして、この
場合でも、中空状粒子の平均径(充填材11の任意の断
面において5.6cm2 の枠内(形状は任意)に存在す
る中空状粒子のうち最も大きいものから11個を選択し
たときに、その11個の粒子径の平均値をいう)を5m
m以下に設定すれば、上記実施形態と同様の作用効果が
得られる。
を、アウタパネル12とレインフォースメント14との
間のみに発泡充填させたが、インナパネル13とレイン
フォースメント14との間にも発泡充填させるようにし
てもよく、レインフォースメント14がない場合には、
アウタパネル12とインナパネル13との間に充填材1
1を発泡充填させるようにしてもよい。
ーム構造をセンターピラー2に適用したが、センターピ
ラー2以外のピラー部材(上記フロントピラー5やリヤ
ピラー6)にも適用することができる。また、その他に
も、車体1の左右両側において前後方向に延びるフレー
ム部材(フロントサイドフレーム、リヤサイドフレー
ム、上記ルーフサイドレール3、サイドシル4等)、こ
の左右のフレーム部材を連結する連結部材(クロスメン
バ等)、ドア本体部の補強部材(インパクトバー等)、
バンパの補強部材(バンパレインフォースメント等)等
にも適用することができる。そして、前突時の衝撃荷重
Afや後突時の衝撃荷重Ar(図1参照)等により曲げ
モーメントが作用するフレームの折れ曲がりを抑制しよ
うとする場合には、上記実施形態のセンターピラー2の
ように、充填材11を、そのフレーム断面の外周縁部に
おいて少なくとも上記曲げモーメントにより圧縮応力が
発生する側の部分に設ければよく(フレーム断面の外周
縁部全周でもよく、フレーム断面全体でもよい)、フレ
ームを折れ曲がるようにしつつ衝撃エネルギーを効果的
に吸収しようとする場合には、充填材11を、フレーム
断面において曲げモーメントにより引張応力が発生する
側の部分に設けてもよい。
する。
レーム断面内に充填された状態ではなく、充填材自体に
ついて)、その基礎的な物理的及び機械的特性を調べ
た。すなわち、表1に示す6種類の材料について、各々
その密度を調べると共に、平均圧縮強度及び最大曲げ強
度を試験によって求めた。尚、上記密度は、いずれの材
料についても、室温(約20℃)における値を調べた。
が8kg/cm2のものを、Al発泡体はアルミニウム
発泡材を、木材は松を、Al塊は棒状のアルミニウム材
を、レインフォースメントは、一般的にフレーム断面内
に設けられる厚さ1mmの鋼板(SPCC;以下、この
実施例では、鋼板は全てSPCC)製の補強材をそれぞ
れ使用した。
後述する図7に示すようなフレーム断面内に配設された
レインフォースメント重量と、該レインフォースメント
配設部分に対応するフレームの容積から、フレーム内換
算密度として算出したものである。また、発泡ウレタン
の平均圧縮強度、並びにレインフォースメントの平均圧
縮強度及び最大曲げ強度については、いずれも値が低す
ぎて計測することができなかった。
体圧縮試験は、以下のようにして行った。すなわち、各
材料の供試材を一辺30mmの立方体に加工してそれぞ
れ試験片を作製し、これに対して一方向から10mm/
minの速度で圧縮荷重を加え、図6において模式的に
示すように、変位量(圧縮量)が0〜8mmの範囲での
平均荷重を求めてこれを充填材の平均圧縮強度とした。
めの単体曲げ試験は、以下のようにして行った。すなわ
ち、各材料の供試材を、幅50mm×長さ150mm×
厚さ10mmの平板状に加工してそれぞれ試験片を作製
し、各充填材の試験片について、支点間距離を80mm
とし、その中央をR8の圧子で10mm/minの速度
で押圧することにより、所謂オートグラフにて三点曲げ
試験を行った。そして、その荷重−変位線図から各充填
材の最大曲げ強度を算出した。
スト、軽量化効果等から、車体フレームのフレーム断面
内に充填する充填材の密度としては、1.0g/cm3
以下が適当であり、好ましくは、0.6g/cm3以下
であれば、さらに軽量化効果が期待できる。
の内部空間に充填して、フレームの主としてエネルギー
吸収特性を評価する試験を行った。
は、板厚1mmの鋼板を用いた。この鋼板の引張強さは
292N/mm2であり、降伏点は147N/mm2であ
り、伸びは50.4%であった。
側が開口した断面コ字状のパネル材Poと平板状のパネ
ル材Piとを片ハット状に組み合わせ、その重合部分L
f(フランジ部)について60mmピッチでスポット溶
接を行って最終的に組み立てた。
レーム断面内にレインフォースメントRfを配設したも
のの場合、このレインフォースメントRfの材料はフレ
ームFRのパネル材Pi,Poの材料と同じものを用い
た。この場合、レインフォースメントRfの両フランジ
部(不図示)は、両パネル材Pi,Poのフランジ部
(重合部分Lf)に挟み込んだ上で、三枚重ねにしてス
ポット溶接で組み立てた。
表1の各充填材をそれぞれ充填して各種の機械的試験を
行い、平均圧縮強度又は最大曲げ強度とエネルギー吸収
性との関係を調べた。
した。図8は、フレームFRの静的三点曲げ試験を行う
試験装置を模式的に示す説明図である。また、図9は、
この静的三点曲げ試験装置の要部を拡大して示す説明図
である。
所定長さのフレームFRの断面内に充填材SをEf=5
0〜300mmの長さにわたって充填し、万能試験機に
より、圧子Maを介してフレームFRの中央に静的荷重
Wsを加え、図10に示すように、変位量0〜45mm
の範囲での荷重−変位を測定し、静的エネルギー吸収量
を求めた。
示す。先ず、図11は、充填材質量とエネルギー吸収量
との関係を表したものである。この図11において、黒
丸印(●)は木材を、黒四角印(■)はエポキシ樹脂A
を、それぞれ充填した場合を示し、また、白三角印
(△)は鋼板レインフォースメント(板厚1.0mm)
をフレーム断面内に設けた場合を示している。尚、白丸
印(○)は、板厚1.6mmの鋼板の場合を参考までに
示したものである。
に、木材及びエポキシ樹脂Aのいずれにおいても、充填
材Sの充填質量が増えるに連れて吸収エネルギーが高く
なり、試験装置の両支点Msで支持されたフレーム部分
が潰れた状態で最大値を示した。また、木材やエポキシ
樹脂等の充填材Sを用いた場合、レインフォースメント
を設けただけの場合に比べて、同等のエネルギー吸収量
を得るのに、はるかに少ない充填質量で済む。
充填することにより、レインフォースメントRfを設け
ただけの場合に比べて、フレームFRのエネルギー吸収
性が大幅に向上することが確認できた。
エネルギー吸収量との関係を示したもので、グラフの横
軸は対数目盛である。この測定においては、各充填材S
の充填長さEfを50mmとした。充填長さがこの程度
以下の場合には、充填材Sは殆ど曲げ作用を受けること
はなく、そのエネルギー吸収性は圧縮強度との相関性が
非常に強くなる。尚、図12において、a1点、a2
点、a3点、a4点及びa5点は、それぞれウレタン樹
脂、Al発泡体、木材、エポキシ樹脂A及びAl塊につ
いてのデータであることを示している。
充填材Sの平均圧縮強度が大きくなるにつれてエネルギ
ー吸収量も増加するが、平均圧縮強度が4MPa以上に
なるとフレームFRのエネルギー吸収量の増加度合いは
飽和する。換言すれば、平均圧縮強度が4MPa以上で
あれば、ほぼ最大値に近いエネルギー吸収量を得ること
ができる。
ば、フレームFRのエネルギー吸収量の増加度合はより
安定して飽和し、最大値に近いエネルギー吸収量をより
安定して得ることができる。
とエネルギー吸収量との関係を示したもので、また、図
14は、図13のグラフにおける最大曲げ強度80MP
a以下の部分を拡大して示すものである。この測定にお
いては、各充填材Sの充填長さEfを100mmとし
た。充填長さが100mm程度にまで増加すると、充填
材の曲げ強度もフレームFRのエネルギー吸収性の向上
に大きく寄与するようになる。尚、図13及び図14に
おいて、b1点、b2点、b3点及びb4点は、それぞ
れAl発泡体、エポキシ樹脂A、木材及びAl塊のデー
タであることを示している。
材Sの最大曲げ強度が大きくなるにつれてエネルギー吸
収量も増加するが、最大曲げ強度が10MPa以上にな
ると(特に図14参照)フレームFRのエネルギー吸収
量の増加度合いは飽和する。換言すれば、最大曲げ強度
が10MPa以上であれば、ほぼ最大値に近いエネルギ
ー吸収量を得ることができる。
れば、フレームFRのエネルギー吸収量の増加度合いは
より安定して飽和し、最大値に近いエネルギー吸収量を
より安定して得ることができる。
て、フレーム断面内に充填材が充填されていない場合に
は、図15に示すように、フレームFRは荷重Wsの入
力点で局部的に大きく変形する。これに対して、フレー
ム断面内に充填材が充填されている場合には、図16に
示すように、入力荷重Wsは、入力点だけでなく、長さ
Efの範囲で充填された充填材Sを介してフレームFR
の充填部分周辺に分散されることになる。すなわち、充
填材Sを内部に充填することにより、フレームは、局部
的に大きな変形が生じることなく、広範囲にわたって変
形することになる。これにより、吸収エネルギーも飛躍
的に増加するものと考えられる。
ー吸収量を計算によって求めると、全吸収エネルギーの
7%以下であった。このことからも、充填材Sをフレー
ムFR内に充填することによるエネルギー吸収性の向上
は、充填材S自体のエネルギー吸収性よりも、充填材S
による荷重分散効果が非常に大きく寄与してることが理
解できる。
ネルギー吸収量の上限を示す木材を充填したフレームに
ついて、試験後のフレームの状態を目視観察すると、試
験装置の両支点Msで支持されたフレーム部分がほぼ完
全に潰れた状態となっていた。つまり、本フレームFR
での最大のエネルギー吸収がこの支点Msによる支持部
分の潰れによるものであると考えられる。したがって、
この場合、充填材Sの役割は入力荷重Wsを支点部分に
分散させることにあると言える。
材をそれぞれ充填した各フレームについて、試験後のフ
レーム断面の潰れ状態を目視観察すると、エネルギー吸
収性が比較的低いもの(レインフォースメントRfの
み、ウレタン樹脂及びAl発泡体)ではフレーム断面が
荷重入力点でほぼ完全に潰れており、一方、エネルギー
吸収性が比較的高いもの(エポキシ樹脂、木材及びAl
塊)ではフレーム断面は荷重入力点で余り潰れていなか
った。
は、充填材Sの圧縮強度が大きく寄与しており、上述の
ように、充填材Sの平均圧縮強度が増すにつれてエネル
ギー吸収量が増加し、約4MPaで飽和し、約5MPa
でより安定して飽和している(図12参照)。
ネルギー吸収性能に大きく影響しており、断面が潰れる
と応力集中が生じて局部的な変形を加速し、フレームF
Rの折れを招来して、十分なエネルギー吸収量を確保す
ることができなくなるものと考えられる。
圧縮荷重は、特に荷重入力側に直接的に作用するので、
充填材Sの平均圧縮強度は、特に荷重入力側において上
記断面の潰れを防ぐに足る値(4MPa以上)に維持さ
れることが好ましい。
Efが一定以上長くなると、充填材Sの平均圧縮強度が
ほぼ同等であってもエネルギー吸収性に差が生じる。充
填材Sの充填長さEfを100mmとした場合において
エネルギー吸収量が比較的低かったエポキシ樹脂Aを充
填したフレームの断面を目視観察すると、充填材(エポ
キシ樹脂)に割れが生じていた。この割れに対しては最
大曲げ強度が大きく影響しており、この最大曲げ強度が
高くなるにつれてエネルギー吸収量が増加し、約10M
Paで飽和し、約60MPaでより安定して飽和してい
た(図13及び図14参照)。
曲げ荷重は、特に反荷重入力側に直接的に作用するの
で、上記充填材Sの最大曲げ強度は、特に反荷重入力側
において上記充填材の割れを防ぐに足る値(10MPa
以上)に維持されることが好ましい。
填材Sを充填する場合、充填材Sを異なる充填材で成る
多層構造とし、荷重入力側には平均圧縮強度が所定値
(少なくとも4MPa)以上の充填材層を設け、反荷重
入力側には最大曲げ強度が所定値(少なくとも10MP
a)以上の充填材層を設けるようにすれば、非常に効率
良くフレームFRのエネルギー吸収性を高めることがで
きる。
ムの動的三点曲げ試験を実施した。図17は、フレーム
FRの動的三点曲げ試験を行う試験装置を模式的に示す
説明図である。上記静的三点曲げ試験の場合と同様に、
図7において実線で示す断面形状を備えた所定長さのフ
レームFRの断面内に充填材SをEf=50〜300m
mの長さにわたって充填し、落錘Mbによりフレーム中
央部分に衝撃荷重Wdを与えた場合のフレームFRの変
形量を測定すると共に、衝撃荷重をロードセルMcで測
定し、図18に示すように、変位量0〜45mmの範囲
でのエネルギー吸収量を求めた。
充填材長さとエネルギー吸収量との関係を示したもので
ある。この図19において、黒丸印(●)は木材を、黒
四角印(■)はエポキシ樹脂Aをそれぞれ充填した場合
を示している。
に、静的三点曲げ試験の場合と同様に、木材及びエポキ
シ樹脂Aのいずれにおいても、充填材Sの充填量が増え
るにつれて吸収エネルギーが高くなり、また、エネルギ
ー吸収量の上限が認められ、その値は約0.85kJで
あった。
レーム断面内に充填材Sを充填することにより、フレー
ムFRのエネルギー吸収性が向上することが確認でき
た。
の場合とを比較すると、動的荷重Wdに対する方がエネ
ルギー吸収量は大きく、静的荷重Wsに対する場合の約
1.7倍であった。
動的荷重Wdそれぞれにおけるエネルギー吸収性のデー
タから、静的荷重Wsの場合と動的荷重Wdの場合との
比(静動比)を算出すると、非常に高い相関性が認めら
れた。したがって、静的荷重Wsにおけるエネルギー吸
収性について行った考察(充填材Sによる荷重分散効果
等)は、基本的には、動的荷重Wdにおけるエネルギー
吸収性を取り扱う場合にも、適用することができるもの
と考えられる。
て、フレーム断面内にレインフォースメントRfのみが
設けられた場合に対するエネルギー吸収性の向上率と、
充填材Sの充填長さ範囲(荷重支点間距離に対する充填
長さ割合)との関係を示すグラフである。この図20に
おいて、白丸印(○)は木材を、白三角印(△)はエポ
キシ樹脂Aをそれぞれ充填した場合を示している。
に、木材及びエポキシ樹脂のいずれにおいても、充填材
Sの充填長さ範囲が大きくなるにつれて吸収エネルギー
が高くなるが、約15%でほぼ飽和する。換言すれば、
充填材Sの充填長さ範囲が荷重支点間距離に対して15
%以上あれば、ほぼ最大のエネルギー吸収量を得ること
ができる。したがって、充填材Sの充填範囲としては、
荷重支点間距離に対して15%以上であることが好まし
い。
を行う試験装置を模式的に示す説明図である。図22に
示す断面形状を備えた所定長さのフレームFRの断面内
に充填材Sを充填した上で、このフレームFRの一端を
支持板Meに固定し、この支持板Meを装置基板Mfに
固定する。そして、万能試験機により、フレームFRの
パネル材Piの他端近傍に圧子Mdを介して静的荷重W
mをパネル材Po方向に加え、曲げ角度(荷重作用点の
変位とこの荷重作用点の基端からの距離とで算出)と荷
重との関係を測定し、最大曲げモーメント及び静的エネ
ルギー吸収量を求めた。
ムの曲げ角度と曲げモーメントとの関係を示すグラフで
ある。このグラフにおいて、曲線aは充填材なし(鋼板
フレームのみ)のフレームの特性を、曲線bはエポキシ
樹脂Aを充填したフレームの特性を、曲線cはエポキシ
樹脂Bを充填したフレームの特性を、曲線dは、エポキ
シ樹脂Bを充填しかつフレームFRのパネル材PoとP
iとの間に接着剤(せん断接着強さ7.3MPaの車体
シーラ)を適用したフレームの特性を、曲線eは木材
(松)を充填したフレームの特性をそれぞれ示してい
る。
れの曲線についても、曲げ角度がある程度に達するまで
は、曲げモーメント値は曲げ角度の増加に伴って立ち上
がるように大きく上昇する。そして、曲線a〜c及び曲
線eについては、それぞれある曲げ角度でピーク(極大
点)を迎え、その後は曲げ角度が増すにつれて曲げモー
メントは低下する。曲線a(充填材なしで鋼板フレーム
のみ)の場合、この低下度合いが特に大きい。
接着剤)の場合には、曲げモーメントが大きく上昇した
後でも、曲げ角度の増加に対して曲げモーメントの落ち
込みは見られず、高い曲げモーメント値を維持してい
る。また、最大曲げモーメント値も5つの曲線のうちで
最も大きい。同じ充填材(エポキシ樹脂B)を用いた曲
線cと比較して、曲げ角度の増加に対する傾向及び最大
曲げモーメントの大きさの両方について、明確な差があ
る。
填材をフレームのパネル材に対して接着剤で固定するこ
とにより、フレームの曲げモーメント特性が大きく向上
することが判る。
填材を充填したフレームの最大曲げモーメント[Nm]
及びエネルギー吸収量[J]を示す棒グラフである。こ
のグラフにおいて、A〜Eの各欄は、図23の曲線a〜
eとそれぞれ同じフレームを示している。また、各欄に
おいて、左側の数値(白抜きの棒グラフ)がフレームの
最大曲げモーメント[Nm]を示し、右側の数値(斜線
ハッチングの棒グラフ)はフレームのエネルギー吸収量
[J]を示している。
フレームのエネルギー吸収量は、エポキシ樹脂B+接着
剤(D欄)を適用したものが最も大きく、同じ充填材
(エポキシ樹脂B)を用いたC欄のエネルギー吸収量と
比べて明確な差がある。
填材をフレームのパネル材に対して接着剤で固定するこ
とにより、フレームのエネルギー吸収特性が大きく向上
することが判る。
大曲げモーメントとの関係を示すグラフである。この図
25のグラフから良く判るように、接着剤層のせん断接
着強さが大きくなるにつれて最大曲げモーメントも増加
するが、せん断接着強さが3MPa以上になると、最大
曲げモーメントの増加度合い(グラフにおける曲線の勾
配)は、それまでに比べて緩やかになる。つまり、接着
剤層のせん断接着強さが3MPa以上であれば、フレー
ムが負担できる最大曲げモーメントを非常に効果的に増
加させ、十分な曲げモーメント値を達成して高いエネル
ギー吸収能力を得ることが可能である。したがって、接
着剤層のせん断接着強さとしては、3MPa以上であれ
ばよい。また、せん断接着強さがさらに大きくなり、7
MPa以上になると最大曲げモーメントの増加度合いは
飽和する。換言すれば、せん断接着強さが7MPa以上
であれば、ほぼ最大値に近い曲げモーメント値を得るこ
とができる。よって、接着剤層のせん断接着強さが7M
Pa以上であることがさらに好ましい。
K 6850の「接着剤の引張せん断接着強さ試験方
法」に基づいて行ったものであり、図26に示すよう
に、被着材51,51として幅25mm、厚さ1.6m
mの鋼板を用い、接着部分(長さ12.5mm)に未発
泡状態の充填材52を挟み込んで0.5mm厚さに固定
し、クランプした状態で電着塗装等の乾燥熱を模擬した
加熱(150℃×30分→140℃×20分→140℃
×20分)を行い、その後、発泡してはみ出した部分を
取り除いた状態で試験を行うことでせん断接着強さを測
定した(接着剤層が有る場合も無い場合も同じ)。
240mmのフレーム60の断面内の一部に充填材を充
填した場合と、全体に充填した場合とで、フレーム60
の曲げ角度と曲げモーメントとの関係がどのようになる
かを図21と同様の静的片持ち曲げ試験により調べた。
尚、静的荷重は、インナパネル63側からアウタパネル
62方向に加えた。
インフォースメント64との間のみに充填材を充填した
ものと、(ロ)インナパネル63とレインフォースメン
ト64との間のみに充填材を充填したものと、(ハ)ア
ウタパネル62とレインフォースメント64との間、及
びインナパネル63とレインフォースメント64との間
の両方に充填材を充填したものと、(ニ)充填材を全く
充填していないものとを作製してそれらに対して試験を
行った。このとき、アウタパネル62は厚さ0.7mm
の鋼板を、インナパネル63は厚さ1.4mmの鋼板
を、レインフォースメント64は厚さ1.2mmの鋼板
をそれぞれ使用した。また、充填材は、平均圧縮強度が
9MPaで最大曲げ強度が10MPaのエポキシ樹脂
(フィラー、ゴム、硬化剤、発泡剤等を含む)を使用
し、充填材自体が10MPaのせん断接着強さを有する
ようにした。そして、シート状の未発泡状態の充填材を
170℃で30分保持することでアウタパネル62とレ
インフォースメント64との間、及び/又はインナパネ
ル63とレインフォースメント64との間に完全に充填
させた。尚、充填材の充填量は、アウタパネル62とレ
インフォースメント64との間が117gであり、イン
ナパネル63とレインフォースメント64との間が42
3gであった。
す。このことより、最大曲げモーメントは、充填材をフ
レーム断面内全体に充填したものが最もよいが、座屈開
始の曲げモーメントで比較すると、充填材をアウタパネ
ル62とレインフォースメント64との間のみに充填し
たものは、フレーム60断面内全体に充填したものと殆
ど変わらない。したがって、充填材をアウタパネル62
とレインフォースメント64との間のみに充填すること
は、特にセンターピラーのように折れ曲がりを抑制する
必要があるフレームに特に有効であって、充填材の重量
当たりの曲げモーメントが非常に高くなり、充填量の観
点から最も効率が良いことが判る。
62とレインフォースメント64との間のみに充填材を
充填する場合に、レインフォースメント64の曲げ高さ
を変えることによりアウタパネル62とレインフォース
メント64との間の隙間量(ここでは図27で7mmの
部分のみ)を変えて、上記と同様の曲げ試験を行うこと
で、その隙間量により最大曲げモーメントがどのように
変化するかを調べた。そして、比較のために、充填材を
全く充填しない場合についても調べた。尚、アウタパネ
ル62とレインフォースメント64との間における左右
両側部の隙間量(図27で5mmの部分)は5mmのま
まとした。
より、充填材を充填しない場合には隙間量が小さいほど
最大曲げモーメントは高くなるが、充填材を充填する場
合には、隙間量が2mmよりも小さくなると、充填材を
充填しない場合と殆ど変わらず、2mm以上とすれば充
填効果が十分に得られることが判る。
タパネル72とレインフォースメント74との間のみに
充填材71を充填したセンターピラーを作製した(実施
例1)。このとき、アウタパネル72は厚さ0.7mm
の鋼板を、インナパネル73は厚さ1.4mmの鋼板
を、レインフォースメント74は厚さ1.2mmの鋼板
(材料がアウタパネル72と同じであるので、強度はア
ウタパネル72と同じであり、板厚がアウタパネル72
よりも大きいので、剛性がアウタパネル72よりも大き
い)をそれぞれ使用した。また、充填材71は、平均圧
縮強度が13.0MPaで最大曲げ強度が13.5MP
aのエポキシ樹脂(フィラー、ゴム、硬化剤、発泡剤等
を含む)を使用し、充填材71自体が10.5MPaの
せん断接着強さを有するようにした。そして、センター
ピラーを組み立てた後、電着塗装等の乾燥熱を模擬した
加熱(150℃×30分→140℃×20分→140℃
×20分)を行って未発泡状態の充填材を発泡硬化させ
た。尚、充填材71の平均発泡気孔径は5mm以下であ
り、その充填量は150gであった。
ように、上記充填材71を全く充填しない点以外は上記
実施例1と同じもの(比較例1)を作製すると共に、こ
の比較例1に対して充填材71を充填しないで補強すべ
く、図32(c)に示すように、レインフォースメント
74の厚みを1.8mmにしかつ該レインフォースメン
ト74に厚さ1.2mmの鋼板からなる補強材75を接
合したもの(比較例2)を作製した。
各センターピラーに対して上記と同様の静的片持ち曲げ
試験を行って、センターピラーの曲げ角度と曲げモーメ
ントとの関係を調べた。尚、静的荷重は、インナパネル
73側からアウタパネル72方向に加えた。
3に示す。このことより、実施例1のセンターピラーは
比較例1,2よりもかなり高い曲げモーメントが得ら
れ、しかも、比較例2の補強方法よりも格段に軽量化で
きることが判る。
荷重にどのように影響するかを調べた。すなわち、図3
4に示すように、2枚の1mm厚の鋼板82,82間
(間隔7mm)に、上記センターピラー曲げ試験に用い
た充填材71と同様のエポキシ樹脂からなる充填材81
を、発泡剤の粒径を変えて発泡充填させることで試験片
をそれぞれ作製し、この各試験片に対して、最大曲げ強
度を調べるための上記単体曲げ試験と同様に、一方の鋼
板82を2つの支点83,83(支点間距離80mm)
で支持し、その中央において他方の鋼板82をR8の圧
子84で10mm/minの速度で押圧することによ
り、オートグラフにて三点曲げ試験を行った。そして、
その荷重−変位線図から最大曲げ荷重を求めた。尚、各
充填材81の平均発泡気孔径は、図34において一点鎖
線で矩形状に囲まれた範囲(面積:0.7cm×8cm
=5.6cm2 )に存在する発泡気孔のうち最も大きい
ものから11個を選択して、その11個の気孔径の平均
を取ることにより求めた。
重との関係を図35に示す。このことより、平均発泡気
孔径が小さくなるにつれて最大曲げ荷重も大きくなるこ
とが判る。そして、平均発泡気孔径が5mm以下になる
と、最大曲げ荷重の増加度合いは、5mmよりも大きい
場合に比べて緩やかになり、4mm以下であればより一
層安定する。
いた実施例1とは充填材の平均発泡気孔径のみが異なる
センターピラーを4種類作製した。つまり、充填材の平
均発泡気孔径を、1.4mmにしたもの(実施例2)、
2.1mmにしたもの(実施例3)、5.6mmにした
もの(比較例3)及び6.8mmにしたもの(比較例
4)を作製した。
4の各センターピラーに対して上記センターピラー曲げ
試験と同様の静的片持ち曲げ試験を行って、センターピ
ラーの曲げ角度と曲げモーメントとの関係を調べた。
た、このときの平均発泡気孔径と最大曲げモーメントと
の関係を図37に示す。このことより、最大曲げモーメ
ントは、平均発泡気孔径が小さい実施例2,3の方が比
較例3,4よりもかなり大きくなることが判る。また、
図37より、平均発泡気孔径と最大曲げモーメントとは
略直線関係にあることが判り、この関係から類推する
と、平均発泡気孔径が5mm以下であれば、センターピ
ラーとして必要な最大曲げモーメント値が得られること
が判る。
レーム構造によると、充填材を、平均圧縮強度が4MP
a以上であること及び最大曲げ強度が10MPa以上で
あることの少なくとも一方を満たすものとし、この充填
材の平均発泡気孔径又は充填材中の中空状粒子の平均径
を5mm以下に設定したことにより、充填材の充填不足
をなくして車体の生産性を向上させつつ、車体の軽量化
と衝突安全性の向上化とを確実に図ることができる。
れたセンターピラーを備えた自動車車体の全体構成を示
す斜視図である。
ある。
ある。
り、(a)は平均発泡気孔径が5mm以下の場合であ
り、(b)は平均発泡気孔径が5mmよりも大きい場合
である。
る。
ムの静的圧縮荷重−変位曲線を模式的に示すグラフであ
る。
面図である。
模式的に示す説明図である。
示す説明図である。
ームの静的曲げ荷重−変位曲線を模式的に示すグラフで
ある。
量との関係を示すグラフである。
ルギー吸収量との関係を示すグラフである。
ルギー吸収量との関係を示すグラフである。
変形モードの一例を模式的に示す説明図である。
形モードの一例を模式的に示す説明図である。
を模式的に示す説明図である。
ームの動的曲げ荷重−変位曲線を模式的に示すグラフで
ある。
ー吸収量との関係を示すグラフである。
ネルギー吸収性の向上率との関係を示すグラフである。
置を模式的に示す説明図である。
を示す断面図である。
と曲げモーメントとの関係を示すグラフである。
最大曲げモーメント及びエネルギー吸収量を示すグラフ
である。
ントとの関係を示すグラフである。
明図である。
に充填した場合との比較を行うために静的片持ち曲げ試
験に用いたフレームを示す断面図である。
に充填した場合と全く充填しない場合とにおいて、フレ
ームの曲げ角度と曲げモーメントとの関係を示すグラフ
である。
に充填した場合と全く充填しない場合とについて、座屈
開始の曲げモーメントを比較して示すグラフである。
に充填した場合とについて、充填材の重量当たりの曲げ
モーメントを比較して示すグラフである。
のみに充填材を充填する場合に、その隙間量と最大曲げ
モーメントとの関係を示すグラフである。
の構造を示す断面図である。
モーメントとの関係を示すグラフである。
関係を調べるための三点曲げ試験の要領を示す説明図で
ある。
関係を示すグラフである。
ーの曲げ角度と曲げモーメントとの関係を示すグラフで
ある。
トとの関係を示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 フレーム断面の少なくとも一部を閉断面
状に形成する閉断面部材を備え、該閉断面部材で囲まれ
た空間に充填材が発泡充填された車体のフレーム構造で
あって、 上記充填材は、平均圧縮強度が4MPa以上であること
及び最大曲げ強度が10MPa以上であることの少なく
とも一方を満たすものであり、 上記充填材の平均発泡気孔径が5mm以下に設定されて
いることを特徴とする車体のフレーム構造。 - 【請求項2】 フレーム断面の少なくとも一部を閉断面
状に形成する閉断面部材を備え、該閉断面部材で囲まれ
た空間に、中空状粒子が混入された充填材が充填された
車体のフレーム構造であって、 上記充填材は、平均圧縮強度が4MPa以上であること
及び最大曲げ強度が10MPa以上であることの少なく
とも一方を満たすものであり、 上記充填材中の中空状粒子の平均径が5mm以下に設定
されていることを特徴とする車体のフレーム構造。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の車体のフレーム構
造において、 充填材は、フレーム断面の外周縁部の少なくとも一部に
設けられていることを特徴とする車体のフレーム構造。 - 【請求項4】 請求項3記載の車体のフレーム構造にお
いて、 充填材の厚さが、2〜20mmに設定されていることを
特徴とする車体のフレーム構造。 - 【請求項5】 請求項3又は4記載の車体のフレーム構
造において、 充填材は、車体衝突時に曲げモーメントが作用するフレ
ームの断面において該曲げモーメントにより圧縮応力が
発生する側の部分に設けられていることを特徴とする車
体のフレーム構造。
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|---|---|---|---|
| JP26549999A JP3596373B2 (ja) | 1999-09-20 | 1999-09-20 | 車体のフレーム構造 |
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-
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- 1999-09-20 JP JP26549999A patent/JP3596373B2/ja not_active Expired - Fee Related
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|---|---|
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