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JP2001048704A - 有害生物防除層を用いた作物育成方法 - Google Patents

有害生物防除層を用いた作物育成方法

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Publication number
JP2001048704A
JP2001048704A JP11221282A JP22128299A JP2001048704A JP 2001048704 A JP2001048704 A JP 2001048704A JP 11221282 A JP11221282 A JP 11221282A JP 22128299 A JP22128299 A JP 22128299A JP 2001048704 A JP2001048704 A JP 2001048704A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soil
root
control layer
pot
crop
Prior art date
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Pending
Application number
JP11221282A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukio Orui
幸夫 大類
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Tobacco Inc filed Critical Japan Tobacco Inc
Priority to JP11221282A priority Critical patent/JP2001048704A/ja
Publication of JP2001048704A publication Critical patent/JP2001048704A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 作物の根部周辺を、土壌中で分解され得
る材料又は土壌中に還元され得る材料と有害生物を防除
し得る微生物とから構成される有害生物防除層で覆っ
て、前記作物を育成することを特徴とする作物の育成方
法である。 【効果】 作物を育成するにあたり、有害生物を防除し
得る微生物の使用量が少なくても安定して効率よく有害
生物を防除できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作物の育成方法に
関し、具体的には、作物の根部周辺を有害生物防除層で
覆って作物を育成する方法に関する。本発明で使用する
有害生物防除層は、土壌中で分解され得る材料又は土壌
中に還元され得る材料と有害生物を防除し得る微生物と
から構成されるものである。
【0002】
【従来の技術】トマトやタバコをはじめとする畑作物の
生産において、土壌センチュウ類、とりわけネコブセン
チュウ類が大きな被害を与えている。日本ではサツマイ
モネコブセンチュウ、ジャワネコブセンチュウ及びキタ
ネコブセンチュウの3種による被害が最も大きく、これ
らのネコブセンチュウ類は単独で作物を加害するばかり
でなく、土壌病原菌と複合感染を引き起こすため大きな
問題となっている。
【0003】このような状況の下、有害線虫の天敵資材
として、パスツリア(Pasteuria)属細菌が注目されて
いる。パスツリア属細菌は、線虫の植物への侵入抑制能
力や線虫の産卵抑制能力を有しており、さらに、線虫の
絶対寄生菌であるため他の生物に影響を与えず、かつ環
境変化に強いという性質を有しているため、パスツリア
属細菌を有害線虫の天敵資材として使用すれば、線虫を
効率よく防除できると考えられる。
【0004】パスツリア属細菌を使用して線虫を防除す
るにあたり、パスツリア属細菌が大量に必要となるが、
パスツリア属細菌は寄主特異的な寄生性を示す絶対寄生
菌であるため、人工培地での培養によって増殖させるこ
とはできない。このため、現在、パスツリア属細菌の増
殖は、線虫生体を利用した増殖方法を用いて行われてい
る。しかし、線虫生体を利用した増殖方法は、生産コス
トが高いため、パスツリア属細菌を使用して線虫を防除
するにあたり、パスツリア属細菌の利用コストが高くな
るという問題点があった。
【0005】また、パスツリア属細菌は全く運動能力を
有しないことから、パスツリア属細菌を使用するにあた
っては、パスツリア属細菌を植物の根圏土壌に均一に混
和してパスツリア属細菌と線虫とを接触させることが線
虫防除効果の発現のために極めて重要であった。そのた
め、パスツリア属細菌を使用して線虫を防除する場合に
は、極めて生産性の低いパスツリア属細菌を多量に土壌
中に混和せざるを得ず、化学的防除剤を用いる場合と比
較して高価になるという問題点があった。そこで、より
少ない量のパスツリア属細菌で安定して効率よく線虫を
防除できる方法の開発が切望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、より少ない
量の有害生物防除資材(例えば、線虫に対してはパスツ
リア属細菌)で安定して効率よく有害生物を防除できる
方法を提供し、有害生物防除資材の利用コストの低減化
を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、作物を育成す
るにあたり、作物の根部周辺を、土壌中で分解され得る
材料又は土壌中に還元され得る材料と有害生物を防除し
得る微生物(例えば、線虫に対してはパスツリア属細
菌)とから構成される有害生物防除層で覆うことによ
り、より少ない量の有害生物防除資材で安定して効率よ
く有害生物の作物への感染を防除できることを見出し、
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、作物
の根部周辺を、土壌中で分解され得る材料又は土壌中に
還元され得る材料と有害生物を防除し得る微生物とから
構成される有害生物防除層で覆って、前記作物を育成す
ることを特徴とする作物の育成方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の作物の育成方法は、作物の根部周辺を、土壌中
で分解され得る材料又は土壌中に還元され得る材料と有
害生物を防除し得る微生物とから構成される有害生物防
除層で覆って、前記作物を育成することを特徴とする。
【0009】本発明で使用する有害生物防除層は、土壌
中で分解され得る材料又は土壌中に還元され得る材料と
有害生物を防除し得る微生物とから構成される限り、そ
の他の要素を含んでいてもよい。本発明において「土壌
中で分解され得る」とは、主として土壌中に存在する微
生物や酵素等により分解され得ることを意味し、「土壌
中に還元され得る」とは、土壌に対して物理的又は化学
的な悪影響を与えることなく、土壌中に還元され得るこ
とを意味する。
【0010】土壌中で分解され得る材料又は土壌中に還
元され得る材料の具体例としては、生分解性材料、粘土
鉱物、土壌等を例示でき、これらの2種以上を組み合わ
せて使用してもよい。生分解性材料は、土壌中に存在す
る微生物や酵素等により分解され得る限り、いかなるも
のであってもよく、生分解材料の具体例としては、紙、
キムタオル(商品名)、セルロース等を例示できる。
【0011】粘土鉱物又は土壌は、防除対象土壌に対
し、物理的又は化学的に悪影響を与えることなく、土壌
中に還元され得る限り、いかなるものであってもよく、
粘土鉱物の具体例としては、カオリン、けいそう土等を
例示でき、土壌の具体例としては、滅菌した黒ボク土壌
等を例示できる。
【0012】土壌中で分解され得る材料及び土壌中に還
元され得る材料は、土壌中で分解され得るという性質又
は土壌中に還元され得るという性質に加え、吸水可能で
あるという性質と作物の根が貫通可能であるという性質
とを有していることが好ましい。すなわち、本発明にお
いては、土壌中で分解され得るという性質又は土壌中に
還元され得るという性質に加え、土壌中での水の拡散や
根の吸水を妨げず、さらに根の伸長を妨げないという性
質を有する有害生物防除層を使用するのが好ましい。こ
のような性質を有する材料の具体例としては、上記のよ
うな生分解性材料、粘土鉱物、土壌等を例示できる。
【0013】本発明において、「有害生物」とは、作物
を育成する土壌中に存在し、作物の生育に有害な影響を
与える生物を意味する。このような有害生物の具体例と
しては、線虫、ハリガネムシ、コガネムシ等を例示で
き、本発明はこれらのうち特に線虫の防除に適してい
る。線虫の具体例としては、ネコブセンチュウ(Meloid
ogyne属)、ネグサレセンチュウ(Pratylenchus属)、
シストセンチュウ(Heterodera属、Globodera属)を例
示でき、ネコブセンチュウの具体例としては、サツマイ
モネコブセンチュウ、ジャワネコブセンチュウ、キタネ
コブセンチュウを例示できる。
【0014】有害生物を防除し得る微生物は、防除しよ
うとする有害生物に応じて適宜選択できる。例えば、防
除しようとする有害生物が線虫である場合には、線虫を
防除し得る微生物としてパスツリア属細菌を使用でき
る。線虫とパスツリア属細菌との組み合わせとしては、
パスツリア・ペネトランス(Pasteuria penetrans)と
ネコブセンチュウ(Meloidogyne属)、パスツリア・ト
イネイ(Pasteuria thoynei)とネグサレセンチュウ(P
ratylenchus属)、パスツリア・ニシザワエ(Pasteuria
nishizawae)とシストセンチュウ(Heterodera属、Glo
bodera属)の組み合わせを例示できる。これらのうち、
特にパスツリア・ペネトランスはネコブセンチュウに対
して寄主特異性が高く、その寄主線虫は、それぞれが検
出された線虫種又はそれと同属の線虫にほぼ限定され
る。パスツリア・ペネトランスとネコブセンチュウとの
組み合わせとしては、例えば、サツマイモネコブセンチ
ュウ由来のパスツリア・ペネトランスとサツマイモネコ
ブセンチュウ、ジャワネコブセンチュウ由来のパスツリ
ア・ペネトランスとジャワネコブセンチュウ、キタネコ
ブセンチュウ由来のパスツリア・ペネトランスとキタネ
コブセンチュウの組み合わせを例示できる。
【0015】この他、線虫を防除し得る微生物として
は、線虫捕食菌であるダクチレラ・エリプソスポラ(Da
ctylella ellipsospora)、モナクロスポリウム・フィ
マトファガム(Monacrosporium phymatophagum)、ダク
チラリア・サウマシア(Dactylaria thaumasia)、アル
スロボトリス・ダクチロイデス(Arthrobotrys dactylo
ides)等を例示できる。
【0016】本発明で使用する有害生物防除層の大きさ
は、作物の根部周辺を覆い得る大きさである限り特に限
定されず、作物の根部の大きさに応じて適宜調整し得
る。本発明で使用する有害生物防除層の厚さは、その構
成材料の種類等に応じて適宜調整し得るが、好ましくは
5mm前後である。
【0017】本発明においては、必ずしも成形した有害
生物防除層を使用する必要はないが、成形した有害生物
防除層を使用すると作物の根部周辺を覆う作業が容易と
なる点で好ましい。有害生物防除層は、作物の根部周囲
を覆い得る形状である限り、いかなる形状に成形しても
よいが、通常は、植付苗の育苗に使用するポットに適合
し、育苗苗を収容できる大きさ及び形状に成形する。成
形物の容量は、育成しようとする作物の根部の成長具合
に応じて適宜調整することができるが、本圃への植付け
効率を考慮すれば、植付苗の育苗に使用するポットと同
一容量とするのが好ましい。有害生物防除層の成形方法
は特に限定されず、常法に従って行うことができる。
【0018】本発明で使用する有害生物防除層は、例え
ば、次のようにして作製することができる。有害生物を
防除し得る微生物を適当な固体培地又は液体培地で培養
し、得られる培養物から分離した菌体又は胞子を適当な
液体(例えば、水、TritonX100等の界面活性剤を含む水
等)に分散し、得られる分散液を土壌中で分解され得る
材料又は土壌中に還元され得る材料と混合する。但し、
パスツリア属細菌のように寄主特異的な寄生性を示す絶
対寄生菌を使用する場合には、人工培地での培養は困難
であるため、寄主生体を用いて増殖させ、該寄主生体か
ら得られる菌体を適当な液体(例えば、水、TritonX100
等の界面活性剤を含む水等)に分散し、得られる分散液
を土壌中で分解され得る材料又は土壌中に還元され得る
材料と混合する。この際、分散液と土壌(好ましくは滅
菌土壌)を混合し、有害生物防除層を作製してもよい。
【0019】本発明においては、作物の根部周辺を、土
壌中で分解され得る材料又は土壌中に還元され得る材料
と有害生物を防除し得る微生物とから構成される有害生
物防除層で覆う。作物の根部周辺を有害生物防除層で覆
った状態は、図1に模式的に表す通りである。作物の根
部周辺を有害生物防除層で覆った状態において、有害生
物防除層内の土壌(有害生物防除層に対して作物の根部
と同じ側にある土壌)と有害生物防除層外の土壌(有害
生物防除層に対して作物の根部と反対側にある土壌)と
が有害生物防除層によって完全に仕切られているのが好
ましい。有害生物防除層内の土壌と有害生物防除層外の
土壌とが有害生物防除層によって完全に仕切られておら
ず、有害生物防除層内外の土壌が直接接する場合には、
有害生物防除層外の土壌中に存在する有害生物が、有害
生物防除層を通過せずに作物の根部へ到達し得るため、
以下で説明する作用機序による有害生物の防除効果が十
分に発揮され得ない場合があるからである。
【0020】本発明において、「作物の根部周辺」と
は、植付苗の育苗に使用する育苗ポットの大きさまでの
範囲を意味するが、好ましくは基本根となり得る根部ま
での範囲を意味する。本発明においては、定植土壌に有
害生物防除層を設置する穴を設ける工程、定植土壌に有
害生物防除層を設置する工程、有害生物防除層内に土壌
を充填する工程、有害生物防除層内の土壌に作物を植付
ける工程等を適宜組み合わせて実施することにより、作
物の根部周辺を有害生物防除層で覆うことができる。そ
の際、各工程の実施順序は特に限定されない。ここで、
「定植土壌」とは、作物を育成する場所の土壌を意味
し、作物を育成する場所の具体例としては、田畑、花
壇、プランター等を例示できる。本発明において、定植
土壌は有害生物防除層外(有害生物防除層に対して作物
の根部と反対側)に位置することとなる。
【0021】作物の根部周辺を有害生物防除層で覆う方
法の一実施形態として、次の方法を例示できる。まず、
定植土壌に有害生物防除層を設置する穴を設ける。この
際、成形した有害生物防除層を設置する場合には、成形
した有害生物防除層の容量に応じて穴の大きさを調整す
ればよく、成形されていない有害生物防除層を設置する
場合には、定植しようとする作物の根の成長具合に応じ
て穴の大きさを調節すればよい。次いで、定植土壌に設
けた穴に有害生物防除層を設置する。この際、定植土壌
の穴の表面全体が有害生物防除層によって完全に覆われ
るように有害生物防除層を設置するのが好ましい。次い
で、有害生物防除層内に土壌を充填する。有害生物防除
層内に充填する土壌は、好ましくは滅菌土壌であり、さ
らに好ましくは滅菌土壌に有害生物を防除し得る微生物
を混合した土壌である。次いで、有害生物防除層内の土
壌に作物を定植する。
【0022】作物の根部周辺を有害生物防除層で覆う方
法の別の実施形態として、次の方法を例示できる。ま
ず、有害生物防除層をポット状に成形する。有害生物防
除層を成形する際には、育成する作物の根部の大きさ等
を考慮して、その直径や深さ等を調節する。有害生物防
除層は、本圃への植付け効率を考慮したとき、作物の植
付苗の育苗に使用するポットに適合し、育苗苗を収容で
きる大きさ及び形に成形するのが好ましい。次いで、ポ
ット状に成形した有害生物防除層内に作物の育苗苗を移
し替え、これを予め有害生物防除層を設置する穴を設け
ておいた定植土壌に設置するか、あるいは土壌を充填し
た有害生物防除層を予め有害生物防除層を設置する穴を
設けておいた定植土壌に設置した後、有害生物防除層内
の土壌に作物を植付ける。
【0023】本発明で育成する作物は、いかなる種類の
作物であってもよい。本発明で育成し得る作物の具体例
としては、トマト、ナス、キュウリ、メロン、サトウダ
イコン、タバコ等を例示できる。本発明で育成する作物
の成長段階は特に限定されず、いかなる成長段階の作物
を使用してもよいが、本発明は特に作物の本圃での育成
に適している。これらの作物の育成は、常法に従って行
うことができる。
【0024】本発明では、作物の根部周辺を、土壌中で
分解され得る材料又は土壌中に還元され得る材料と有害
生物を防除し得る微生物とから構成される有害生物防除
層で覆った状態で、作物を育成することにより、有害生
物を防除しつつ、作物を育成することができる。すなわ
ち、通常の土壌で作物を育成する場合には、土壌中に存
在する有害生物が作物に有害な影響を及ぼすが、本発明
によれば、土壌中に存在する有害生物を防除しつつ、作
物を育成することができる。
【0025】本発明の防除効果は、以下のような作用機
序によって発揮されるものと考えられる。以下では、図
1に従ってその作用機序について説明する。本発明にお
いては、作物7の根部周辺を、土壌中で分解され得る材
料又は土壌中に還元され得る材料と有害生物を防除し得
る微生物3とから構成される有害生物防除層2で覆って
いるため、有害生物防除層外の土壌1に存在する有害生
物8は、有害生物防除層2を通過しなければ作物の根部
5に到達することはできない。そして、有害生物防除層
2には有害生物を防除し得る微生物3が混合されている
ので、有害生物8が有害生物防除層2を通過する際、有
害生物8の体表に有害生物を防除し得る微生物3が付着
する。従って、有害生物防除層2を通過した有害生物8
は、該有害生物の体表に付着した微生物3によって防除
されることとなり、有害生物8による作物の被害を軽減
できる。
【0026】
【実施例】(1)パスツリア・ペネトランス(P.penetr
ans)の採取 岡山県作東町のタバコ連作畑から採取した土壌にタバコ
苗を植えて温室で2ヶ月以上管理し、タバコ根からパス
ツリア・ペネトランスにり病した線虫の雌成虫を摘出、
磨砕して、パスツリア・ペネトランスを得た。この土壌
に生息していたジャワネコブセンチュウの1卵のうから
増殖させて継代飼育した個体群の2期幼虫をパスツリア
・ペネトランスの懸濁液に加え、第2期幼虫の線虫体表
にパスツリア・ペネトランスを付着させた後、トマト苗
に接種した。このトマト苗を温室で2ヶ月以上管理し、
トマト根からパスツリア・ペネトランスにり病したジャ
ワネコブセンチュウの雌成虫を摘出、磨砕して、ジャワ
ネコブセンチュウ由来のパスツリア・ペネトランスを得
た。得られたパスツリア・ペネトランスは5℃で保存し
ておいた。保存しておいたパスツリア・ペネトランスを
用いて、以下のようにパスツリア・ペネトランスを大量
生産した。
【0027】約10,000頭のネコブセンチュウの第2期幼
虫をパスツリア・ペネトランスを含む懸濁液と混合した
後、25℃で約24時間静置した。ネコブセンチュウの第2
期幼虫の体表に多数のパスツリア・ペネトランスが付着
していることを確認した後、この懸濁液をポットに1本
植えしたトマト苗(品種:強力米寿)の根のまわりに接
種した。このような操作を多数のトマト苗に対して行
い、パスツリア・ペネトランスの大量増殖を行った。25
℃の温室で約3ヶ月間管理した後、トマト根を抜き取っ
て洗浄し、室温で自然乾燥した。乾燥後、乾燥根を破砕
粉末とした。以下では、この破砕粉末を「パスツリア・
ペネトランス含有トマト乾燥根粉末」という。
【0028】トマト乾燥根粉末中のパスツリア・ペネト
ランス濃度を調べたところ、粉末1gあたり、1.5×108
個のパスツリア・ペネトランス濃度であった。パスツリ
ア・ペネトランス含有トマト乾燥根粉末は、以下の実験
で使用するまで5℃で保存した。得られたジャワネコブ
センチュウ由来のパスツリア・ペネトランスは、生体外
での人工培養ができないため、工業技術院生命工学工業
技術研究所に受託拒否された。従って、上記パスツリア
・ペネトランスの分譲は、出願人が保証する。
【0029】なお、ペリニアルパターンという形態的な
特徴により従来からジャワネコブセンチュウとされてい
たものが、アイソザイムパターンの特徴(エステラーゼ
のバンドパターンが2本型)からみるとアレナリアネコ
ブセンチュウとすべきであるという説が最近になって有
力になっている。上記のようにして得られたジャワネコ
ブセンチュウは、エステラーゼのバンドパターンが2本
型であったが、とりあえず、ここでは、ジャワネコブネ
コブセンチュウとして扱った。
【0030】(2)線虫汚染土壌の調製 25℃で3日以内にふ化したジャワネコブセンチュウの第
2期幼虫 7000頭、トマトの肥料であるトマト専用1号
9.0g、過石 6.0g、及び滅菌黒ボク土壌を混合した後、
ビニール袋に入れて25℃で1週間静置し、線虫汚染土壌
を調製した。なお、「1g施用区」及び「5g施用区」(以
下の(5)及びを参照)では、この線虫汚染土壌の
作製時にパスツリア・ペネトランス含有トマト乾燥根粉
末の1g又は5gを同時に混合した。
【0031】(3)根部周辺を覆う有害生物防除層の作
製 直径10.5cm、深さ10cmのビニールポットの内側にポット
状に成形した2枚重ねのキムタオルを設置した。滅菌乾
燥土壌(黒ボク土壌)とパスツリア・ペネトランス含有
トマト乾燥根粉末とを混合し、さらに水を加えて粘性を
もたせ、これをポット状に成形したキムタオルに均一な
厚さとなるように塗布した。なお、パスツリア・ペネト
ランスを含まないポット対照区(以下の(5)を参
照)では、滅菌乾燥土壌のみを同様に塗布した。さら
に、これらの土壌を塗布した後、約0.5cmの均一な厚み
のポット型有害生物防除層を成形するために、直径9.5c
m、深さ10cmのビニールポットを押しつけて成形した。
このようにポット状に成形したポット型防除層を、以下
の実験においてトマト苗の根部周辺を覆う有害生物防除
層として使用した。 (4)トマト苗の育成 直径9.5cm、深さ10cmのビニールポットでトマト(品
種:強力米寿)の苗を25℃の温室内で約50日間育成し
た。
【0032】(5)実験区の設定 「対照区」:線虫汚染土壌を1/5000アールのワグネー
ルポットに詰め、これにトマト苗を植付けた。
【0033】「1g施用区」:線虫汚染土壌作製時に、
この土壌とパスツリア・ペネトランス含有トマト乾燥根
粉末1gとを同時に混合し、ビニール袋に入れて25℃で1
週間静置した後、1/5000アールのワグネールポットに詰
め、これにトマト苗を植付けた。なお、「1g施用区」で
は、計算上、線虫汚染土壌の乾燥土壌1gあたり9.1×104
個のパスツリア・ペネトランスで処理したことになる。
【0034】「5g施用区」:線虫汚染土壌作製時に、
この土壌とパスツリア・ペネトランス含有トマト乾燥根
粉末5gとを同時に混合し、ビニール袋に入れて25℃で1
週間静置した後、1/5000アールのワグネールポットに詰
め、これにトマト苗を植付けた。なお、「5g施用区」で
は、計算上、線虫汚染土壌の乾燥土壌1gあたり4.6×105
個のパスツリア・ペネトランスで処理したことになる。
【0035】「ポット対照区」:滅菌乾燥土壌(黒ボ
ク土壌)で作製したポット型防除層にトマト苗を移し替
えた。そして、これを線虫汚染土壌を詰めた1/5000アー
ルのワグネールポットに設置した。 「1gポット区」:滅菌乾燥土壌(黒ボク土壌)とパス
ツリア・ペネトランス含有トマト乾燥根粉末1gとを混合
した土壌で作製したポット型防除層にトマト苗を移し替
えた。そして、これを線虫汚染土壌を詰めた1/5000アー
ルのワグネールポットに設置した(図1参照)。 な
お、「1gポット区」では、ポット型防除層全体で1.5×1
08個のパスツリア・ペネトランスが含まれていることに
なる。
【0036】「5gポット区」:滅菌乾燥土壌(黒ボク
土壌)とパスツリア・ペネトランス含有トマト乾燥根粉
末5gとを混合した土壌で作製したポット型防除層にトマ
ト苗を移し替えた。そして、これを線虫汚染土壌を詰め
た1/5000アールのワグネールポットに設置した(図1参
照)。 なお、「5gポット区」では、ポット型防除層全
体で7.5×108個のパスツリア・ペネトランスが含まれて
いることになる。
【0037】(6)各実験区でのトマト苗の育成 各実験区の設定に従ってトマト苗を植付けた後、ビニー
ルでマルチした。1実験区4反復で、25℃の温室で管理
した。トマト苗の植付けから85日後にトマトを引き抜
き、根瘤の程度を0〜4の指数で評価した。根瘤指数の
基準は以下の通りである。
【0038】 「0」:根瘤が認められない 「1」:根瘤がわずかに認められる 「2」:根瘤が散見される 「3」:根瘤が多数認められる 「4」:根瘤が著しく、根が凹凸となっている また、トマトを引き抜き、ワグネールポットに残った土
壌を混合後、この土壌20gから、ベルマン法を用いて25
℃で3日間線虫を分離し、土壌中のジャワネコブセンチ
ュウ第2期幼虫密度(頭/土壌20g)を調査した。1ワグ
ネールポット当たり3反復で土壌20gから線虫を分離し
て調査した。 (7)実験結果 各実験区の根瘤指数の平均値、土壌中のジャワネコブセ
ンチュウ第2期幼虫密度(頭/土壌20g)の平均値を以下
の表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】土壌中のジャワネコブセンチュウ第2期
幼虫密度(頭/土壌20g)は、「対照区」で1,177、「1g
施用区」で492、「5g施用区」で202、「ポット対照区」
で1,850、「1gポット区」で488、「5gポット区」で264
であり、「対照区」及び「ポット対照区」の線虫密度は
他区と比較して高く、「対照区」と「ポット対照区」と
では「ポット対照区」の方が高かった。
【0041】根瘤指数は、「対照区」で3.5、「1g施用
区」で3.0、「5g施用区」で2.2、「ポット対照区」で3.
8、「1gポット区」で2.2、「5gポット区」で2.0であ
り、「対照区」及び「ポット対照区」の根瘤指数は他区
と比較して高く、「対照区」と「ポット対照区」とでは
「ポット対照区」の方が高かった。なお、「対照区」及
び「ポット対照区」では、基本根が大きな根瘤になり根
が腐っているものが多く、「1g施用区」でも基本根が大
きな根瘤となっていた。一方、「5g施用区」、「1gポッ
ト区」及び「5gポット区」では、基本根に大きな根瘤は
認められなかった。これらの結果から、ポット型防除層
自体の物理性が線虫防除効果に影響しないことが明らか
となった。
【0042】土壌中のジャワネコブセンチュウ第2期
幼虫密度に関して「1g施用区」と「1gポット区」とを比
較すると、「1g施用区」が492(頭/土壌20g)、「1gポ
ット区」が488(頭/土壌20g)であり、両者の線虫密度
抑制効果は同程度であった。また、根瘤指数に関して
「1g施用区」と「1gポット区」とを比較すると、「1g施
用区」が3.0、「1gポット区」が2.2であり、線虫感染抑
制効果は「1g施用区」よりも「1gポット区」の方が大き
かった。
【0043】一方、土壌中のジャワネコブセンチュウ第
2期幼虫密度に関して「5g施用区」と「5gポット区」と
を比較すると、「5g施用区」が202(頭/土壌20g)、「5
gポット区」が264(頭/土壌20g)であり、線虫密度抑制
効果は「5gポット区」よりも「5g施用区」の方が大きか
った。また、根瘤指数に関して「5g施用区」と「5gポッ
ト区」とを比較すると、「5g施用区」が2.2、「5gポッ
ト区」が2.0であり、線虫感染抑制効果は「5g施用区」
よりも「5gポット区」の方が大きかった。
【0044】ここで、線虫防除効果は、実際に線虫の感
染を抑制できるか否か、すなわち根瘤指数によって判断
するのが最も望ましい。従って、根瘤指数によって線虫
防除効果を評価すると、「1gポット区」では「1g施用
区」よりも大きい線虫防除効果が得られ、「5gポット
区」では「5g施用区」よりも大きい線虫防除効果が得ら
れたことになる。この結果によって、一定量のパスツリ
ア・ペネトランスを使用して線虫を防除する場合には、
土壌中にパスツリア・ペネトランスを混合するよりも、
パスツリア・ペネトランスを混合させた防除層で作物の
根部周辺を覆う方が、より大きい線虫防除効果が得られ
ることが明らかとなった。
【0045】これらの結果から、「1g施用区」、「5g施
用区」よりも「1gポット区」、「5gポット区」の方が効
率のよい線虫防除効果が得られることが明らかとなっ
た。すなわち、一定量のパスツリア・ペネトランスを使
用して線虫を防除する場合には、土壌中にパスツリア・
ペネトランスを混合するよりも、パスツリア・ペネトラ
ンスを混合させた防除層で作物の根部周辺を覆う方が、
効率のよい線虫防除効果が得られることが明らかとなっ
た。
【0046】「5g施用区」と「1gポット区」とを比較
すると、根瘤指数は「5g施用区」が2.2、「1gポット
区」が2.2であり、根瘤指数により線虫防除効果を評価
すると、両者の線虫防除効果は同程度であった。この結
果から、パスツリア・ペネトランスを混合させた防除層
で作物の根部周辺を覆って線虫を防除する場合には、パ
スツリア・ペネトランスを土壌中に混合する場合に使用
するパスツリア・ペネトランス量の1/5の量で、パスツ
リア・ペネトランスを土壌中に混合する場合と同等の線
虫防除効果が得られることが明らかとなった。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、作物を育成するにあた
り、有害生物を防除し得る微生物の使用量が少なくても
安定して効率よく有害生物を防除できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有害生物を防除し得る微生物を混合させた有害
生物防除層で作物の根部周辺を覆った状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…有害生物防除層外の土壌 2…有害生物防除層 3…有害生物を防除し得る微生物 4…有害生物防除層内の土壌 5…作物の根部 6…ビニールフィルム 7…作物 8…有害生物

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作物の根部周辺を、土壌中で分解され得
    る材料又は土壌中に還元され得る材料と有害生物を防除
    し得る微生物とから構成される有害生物防除層で覆っ
    て、前記作物を育成することを特徴とする作物の育成方
    法。
  2. 【請求項2】 前記微生物がパスツリア属細菌であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005154372A (ja) * 2003-11-27 2005-06-16 Biseibutsu Riyo Shinkino Busshitsu Seisan Gijutsu Kenkyu Kumiai 線虫害抑制微生物及び線虫害抑制微生物資材を用いた植物寄生性線虫害の抑制方法
JP2014500715A (ja) * 2010-11-09 2014-01-16 パストゥーリア バイオサイエンス,インコーポレイティド 新規パスツリア(Pasteuria)株およびその使用

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JP2005154372A (ja) * 2003-11-27 2005-06-16 Biseibutsu Riyo Shinkino Busshitsu Seisan Gijutsu Kenkyu Kumiai 線虫害抑制微生物及び線虫害抑制微生物資材を用いた植物寄生性線虫害の抑制方法
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