JP2001041280A - 流体封入式防振装置およびその製造方法 - Google Patents
流体封入式防振装置およびその製造方法Info
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Abstract
圧制御のエア通路用孔等に利用される、第二の取付部材
における円筒状部に設けられた挿通孔において、封入流
体のシール性を、高度に且つ簡単な構造をもって実現す
ること。 【解決手段】 第二の取付部材14の円筒状部24にお
いて、仕切部材46をシールゴム43を介装して内挿配
置すると共に、該仕切部材46において、該円筒状部2
4に設けられた貫通孔47が位置する径方向両側に大径
突部120を設けることにより、それら円筒状部24と
仕切部材46の間でのシールゴム43に対する挟圧力を
貫通孔の周囲において、増大せしめた。
Description
る非圧縮性流体の流動作用を利用して防振効果を得るよ
うにした流体封入式防振装置とその製造方法に係り、特
に、オリフィス通路による防振特性を外部から制御する
ことの出来る流体封入式防振装置と、その有利な製造方
法に関するものである。
結体や防振支持体等の防振装置の一種として、従来か
ら、第一の取付金具と第二の取付金具を本体ゴム弾性体
で連結すると共に、オリフィス通路によって相互に連通
された複数の流体室を形成し、オリフィス通路を通じて
の非圧縮性流体の流動作用に基づいて防振効果を得るよ
うにした流体封入式防振装置が、知られている。また、
より高度な防振効果を達成するために、例えば特開平6
−264958号公報や特開平11−22778号公報
等には、第二の取付金具の円筒状部に内挿配置されてオ
リフィス通路を形成するオリフィス部材に対して、オリ
フィス通路を切り換えるためのロータリーバルブを組み
込んで防振特性を外部から制御可能とした構造の流体封
入式防振装置が提案されており、更に、実開平5−77
642号公報や特開平10−184770号公報等に
は、第二の取付金具の円筒状部に内挿配置されてオリフ
ィス通路を形成するオリフィス部材に作用空気室を形成
し、この作用空気室の圧力を制御することによって、オ
リフィス通路を通じての流体流動を調節,制御して防振
特性を外部から制御可能とした構造の流体封入式防振装
置が提案されている。
込んだ防振装置においては、ロータリーバルブに回転駆
動力を及ぼす駆動軸の配設用孔を形成する必要があり、
また、後者の作用空気室を設けた防振装置においては、
作用空気室に空気圧を及ぼすためのエア通路を形成する
必要がある。そして、これらの配設用孔やエア通路等
は、前記公報にも記載されているように、一般に、オリ
フィス部材において、その外周面に開口して形成された
制御用孔を、第二の取付金具の円筒状部に設けた貫通孔
を通じて外部に開口,連通せしめることによって構成さ
れている。
振装置においては、第二の取付金具の円筒状部に設けら
れた貫通孔を通じて、流体室に封入された非圧縮性流体
が漏れ出すおそれがあり、かかる挿通孔における封入流
体のシール性を充分に安定して確保することが重要であ
る。
円筒状部の内周面の略全体に薄肉のシールゴム層を形成
せしめて、該円筒状部にオリフィス部材を圧入し、それ
ら円筒状部とオリフィス部材の間でシールゴム層を狭圧
させることによって、円筒状部に形成された挿通孔のシ
ール性を確保することが考えられる。ところが、このよ
うな手法では、十分なシール性を得るために、円筒状部
とオリフィス部材の間でのシールゴム層に対する狭圧力
を大きく設定すると、極めて高い部品寸法制度が要求さ
れることとなって製造等が面倒となることに加えて、圧
入時にシールゴム層が損傷し易くなったり、シールゴム
層のスプリングバックでオリフィス部材の圧入作業が難
しくなったりするために、必ずしも有効な方策ではなか
ったのである。
を絞り加工することにより、円筒状部とオリフィス部材
の間でのシールゴム層に対する大きな狭圧力を得ること
も考えられるが、このような手法においては、八方絞り
等の縮径加工が面倒であることに加えて、第二の取付金
具の形状は構造によっては、円筒状部に対する縮径加工
が極めて困難となる場合があるために、必ずしも有効な
方策ではなかった。
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、ロータリバルブの駆動軸の配設用孔や空気
圧制御のエア通路用孔等に利用される、第二の取付部材
における円筒状部の挿通孔において、封入流体のシール
性を、簡単な構造をもって充分に且つ安定して確保する
ことの出来る、新規な流体封入式防振装置および流体封
入式防振装置の製造方法を提供することにある。
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様は、任意の組み合わせで採用可能である。また、本
発明の態様および技術的特徴は、以下に記載のものに限
定されることなく、明細書全体および図面に記載され、
或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る
発明思想に基づいて認識されるものであることが理解さ
れるべきである。
第一の態様は、第一の取付部材を、円筒状部を備えた第
二の取付部材に対して離間配置せしめて、それら第一の
取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結する
と共に、非圧縮性流体が封入されて該第一の取付部材と
該第二の取付部材の間への振動入力時に相対的な圧力差
が生ぜしめられる複数の流体室を形成する一方、前記第
二の取付部材の円筒状部にオリフィス部材を内挿配置せ
しめて、該オリフィス部材の外周面を全周にわたって該
円筒状部の内周面に密接固定し、該オリフィス部材によ
って前記複数の流体室を相互に連通するオリフィス通路
を形成すると共に、該オリフィス通路による防振特性を
外部から制御するための制御用孔を該オリフィス部材に
設けて、前記第二の取付部材の円筒状部に設けた貫通孔
を通じて、該制御用孔を外部に開口せしめたし流体封入
式防振装置において、前記オリフィス部材と前記第二の
取付部材の円筒状部との間にシールゴム層を配して、そ
れらオリフィス部材の外周面と円筒状部の内周面をシー
ルゴム層を挟んで全周に亘って密接せしめると共に、そ
れらオリフィス部材と円筒状部の間で該シールゴム層に
及ぼされる圧縮率を周方向において変化させて、前記貫
通孔が位置する径方向で圧縮率を最も大きくしたこと
を、特徴とする。
封入式防振装置においては、オリフィス部材と円筒状部
(第二の取付部材)の間でシールゴム層に及ぼされる挟
圧力が全周に亘って均一とされることなく、流体密性が
問題となる円筒状部の貫通孔の付近において、シールゴ
ム層における圧縮率が最も高められて大きな挟圧力が及
ぼされることとなる。それ故、流体のシール性が問題と
なる円筒状部の貫通孔の付近で、シールゴム層における
圧縮率が最も高められて、優れたシール性を安定して得
ることが出来るのである。
において、シールゴム層に対する圧縮率を小さくしたこ
とにより、例えば、オリフィス部材を円筒状部に圧入し
て組み付ける場合でも、圧縮率の小さい部分でシールゴ
ム層の逃げスペースが確保されることにより、シールゴ
ム層の損傷やスプリングバックによる圧入操作の悪化等
を回避しつつ、円筒状部の貫通孔の付近でシールゴム層
に対して大きな挟圧力を作用せしめて有効なシール性を
得ることが出来るのである。また、それにより、例え
ば、第二の取付部材の形状が複雑である等の理由で円筒
状部に絞り加工を施すことが極めて困難な場合でも、円
筒状部の貫通孔において、該加工を施すことなく優れた
シール性を容易に得ることが可能となるのである。
ゴム層に及ぼされる圧縮率は、円筒状部にオリフィス部
材が組み付けられる前の状態下でのシールゴム層の径方
向の自由長寸法(肉厚の自由寸法)に対する、オリフィ
ス部材が組み付けられることによってシールゴム層が圧
縮された径方向寸法(肉厚の変化寸法)の比率をいう。
また、シールゴム層に及ぼされる圧縮率を周方向におい
て変化させて、貫通孔が位置する径方向で圧縮率を最も
大きくするための具体的構成としては、各種のものが採
用可能であるが、特に、本態様においては、内径寸法が
周方向で一定でない円筒状部を備えた第二の取付部材
と、内径寸法が周方向で一定でないシールゴム層と、外
径寸法が周方向で一定でないオリフィス部材との、少な
くとも一つが採用されることによって、有利に実現され
得る。即ち、そのような第二の取付部材とシールゴム
層,オリフィス部材の少なくとも一つを採用することに
よって、該第二の取付部材の円筒状部にオリフィス部材
を圧入等で組み付けるだけで、貫通孔が位置する径方向
でシールゴム層の圧縮率を最も大きく設定した構成が有
利に実現され得るのである。
封入式防振装置において、シールゴム層は、例えば、オ
リフィス部材の外周面と円筒状部の内周面の少なくとも
何れか一方に接着形成することによって、円筒状部とオ
リフィス部材の圧接部間に対して、シールゴム層を、容
易に且つ安定して配設位置せしめることが出来る。
関する本発明の第二の態様は、かかるシールゴム層を、
前記第二の取付部材における円筒状部の内周面に接着形
成したことを、特徴とする。このような本態様に従え
ば、シールゴム層を一層容易に形成することができるの
であり、また、例えばシールゴム層と本体ゴム弾性体を
一体的に形成してそれぞれ第二の取付金具に接着形成す
ることにより、製作性の向上を図ることも可能となる。
記第一又は第二の態様に従う構造とされた流体封入式防
振装置において、前記オリフィス部材の外周面におい
て、前記円筒状部の貫通孔を通る径方向で少なくとも一
方の側に向かって外方に突出する大径突部を形成したこ
とを、特徴とする。
至第三の何れかの態様に従う構造とされた流体封入式防
振装置であって、前記円筒状部の内周面に前記シールゴ
ム層を接着形成すると共に、該シールゴム層の内周面に
おいて、該円筒状部の貫通孔を通る径方向で対向位置す
る両側部分の少なくとも一方の側で、径方向内方に突出
する小径突部を形成したことを、特徴とする。なお、か
かる小径突部を形成するに際しては、内径寸法が全周に
わたって略一定とされた円筒状部を採用し、その内周面
に設けられたシールゴム層の厚さ寸法を周方向で変化さ
せることによることも可能であり、或いは、シールゴム
層の厚さ寸法を周方向の全周に亘って略一定とし、円筒
状部の内径寸法を周方向で変化させることによることも
可能である。
えば、シールゴム層に及ぼされる圧縮率を周方向におい
て変化させて、貫通孔が位置する径方向で圧縮率を最も
大きくした構成が、有利に実現され得るのである。
は、オリフィス部材の外周面において、円筒状部の貫通
孔を通る径方向の両側に向かってそれぞれ外方に突出す
る一対の大径突部が形成される。また、第四の態様にお
いて、より好ましくは、円筒状部に設けられたシールゴ
ム層の内周面において、円筒状部の貫通孔が位置する径
方向の両側に向かってそれぞれ内方に突出する一対の小
径突部が形成される。これにより、円筒状部の貫通孔の
付近に位置するシールゴム層に対して、より有効な挟圧
力を一層安定して及ぼすことが可能となる。更に、これ
ら大径突部や内径突部は、円筒状部の貫通孔側に形成さ
れる場合には、該貫通孔の周囲を覆い得るように貫通孔
よりも大きな範囲にわたって形成されることとなるが、
貫通孔に対して径方向で対向位置する反対側に形成され
る場合には、貫通孔の周囲でシールゴム層に有効な挟圧
力を及ぼし得る限り、必ずしも貫通孔より大きい必要は
ない。
至第四の何れかの態様に従う構造とされた流体封入式防
振装置において、前記オリフィス部材と前記円筒状部の
間で前記シールゴム層に及ぼされる圧縮率を、前記貫通
孔が位置する径方向両側部分での最大値が35%〜65
%となり、且つそれに直交する径方向両側部分での最小
値が4%〜10%となるように設定したことを、特徴と
する。このような本態様においては、貫通孔の周囲での
より一層優れたシール性を、より安定して確保すること
ができるのであり、また、オリフィス部材を円筒状部に
圧入で組み付ける場合でも、その圧入作業を容易に行う
ことが可能となる。なお、より好ましくは、貫通孔が位
置する径方向両側部分において、貫通孔を含んで該貫通
孔よりも大きな領域の全体にわたって、シールゴム層に
対して35%〜65%の圧縮率が及ぼされると共に、そ
れ以外の領域の全体にわたって、シールゴム層に対して
4%〜10%の圧縮率が及ぼされるように設定される。
の第六の態様は、前記第一乃至第五の何れかの態様に従
う構造とされた流体封入式防振装置において、前記オリ
フィス通路を開閉するバルブ手段を前記オリフィス部材
に組み込むと共に、該バルブ手段の駆動軸を、該オリフ
ィス部材の前記制御用孔と前記円筒状部の前記貫通孔を
通じて配設したことを、特徴とする。このような本態様
に従えば、オリフィス通路を開閉乃至は切り換えること
によって防振特性を制御することの出来る流体封入式防
振装置が、封入流体の優れたシール性をもって有利に実
現され得る。なお、バルブ手段としては、例えば、制御
用孔に配設される駆動軸の中心軸周りの回動によってオ
リフィス通路を開閉するロータリーバルブが好適に採用
される。また、オリフィス部材の円筒状部への組付性を
有利に確保するために、バルブ手段は、オリフィス部材
の外周面から外方に突出しないように組み付けられるこ
とが望ましく、その場合、駆動軸は、例えば、オリフィ
ス部材を円筒状部に組み付けた後に、円筒状部の貫通孔
を通じて外部から挿通してバルブ手段に連結すること等
によって、配設され得る。更にまた、本態様において
は、例えば、バルブ手段によって、一つのオリフィス通
路を開閉したり、開口量を調節する他、それぞれ複数の
流体室間に跨って形成されて互いに異なるチューニング
が為された第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通
路を設けると共に、それら両オリフィス通路をバルブ手
段によって択一的に連通せしめるようにした構造等が、
有利に採用され得る。
の第七の態様は、前記第一乃至第六の何れかの態様に従
う構造とされた流体封入式防振装置において、前記本体
ゴム弾性体で壁部の一部が構成された第一の流体室と、
壁部の一部が変形可能な弾性膜で構成されて前記オリフ
ィス部材の内部に設けられて第二の流体室とを含んで、
前記複数の流体室を構成すると共に、それら第一の流体
室と第二の流体室を相互に連通する第一のオリフィス通
路を含んで前記オリフィス通路を構成する一方、該弾性
膜を挟んで該第二の流体室と反対側に作用空気室を形成
すると共に、前記オリフィス部材の制御用孔によって、
該作用空気室の空気圧を制御するためのエア通路を構成
したことを、特徴とする。このような本態様に従えば、
作用空気室の空気圧を制御して第二の流体室の壁ばね剛
性を強調することにより、第一のオリフィス通路のチュ
ーニング周波数を調節して防振特性を制御することの出
来るセミアクティブタイプの流体封入式防振装置や、作
用空気室に空気圧変動を積極的に及ぼしめて流体室の内
圧を防振すべき振動に応じて直接的に制御することによ
り、防振特性を能動的に制御するアクティブタイプの流
体封入式防振装置等が、封入流体の優れたシール性をも
って有利に実現され得る。なお、オリフィス部材の円筒
状部への組付性を有利に確保するために、エア通路を構
成する制御用孔は、オリフィス部材の外周面から突出す
ることなく開口形成されることが望ましく、その場合、
例えば、オリフィス部材を円筒状部に組み付けた後に、
別体空気管路を、円筒状部の貫通孔を通じて外部から制
御用孔に差し込んで固着すること等によって、外部エア
通路との接続が有利に為され得る。
至第七の何れかの態様に従う構造とされた流体封入式防
振装置において、前記第一の取付部材を、前記第二の取
付部材における円筒状部の軸方向一方の開口部側に対向
配置せしめて、該第一の取付部材と該円筒状部とを前記
本体ゴム弾性体で弾性的に連結することにより、該円筒
状部の軸方向一方の開口部側を流体密に閉塞すると共
に、該円筒状部の軸方向他方の開口部側を、少なくとも
一部が可撓性膜で構成された蓋部材によって流体密に閉
塞する一方、前記オリフィス部材を略円形ブロック形状
として、かかる円筒状部に内挿配置せしめた該オリフィ
ス部材を挟んだ軸方向両側に、壁部の一部が前記本体ゴ
ム弾性体で構成されて振動入力時に内圧変動が生ぜしめ
られる受圧室と、壁部の一部が前記可撓性膜で構成され
て容積可変とされた平衡室を形成し、それら受圧室と平
衡室を含んで前記複数の流体室を構成すると共に、該オ
リフィス部材によってそれら受圧室と平衡室を相互に連
通する第二のオリフィス通路を形成し、該第二のオリフ
ィス通路を含んで前記オリフィス通路を構成したこと
を、特徴とする。このような本態様においては、オリフ
ィス部材が、複数の流体室を仕切る仕切部材としても作
用することとなり、特に円筒状部の軸方向に入力される
振動に対して有効な防振効果を発揮し得る、例えばFR
型(フロントエンジン,リヤドライブ型)の自動車用エ
ンジンマウント等に好適に採用されるタイプの流体封入
式防振装置が有利に実現される。
一乃至第六の何れかの態様に従う構造とされた流体封入
式防振装置において、前記第一の取付部材を略ロッド形
状とすると共に、前記第二の取付部材の全体を前記円筒
状部によって構成せしめて、該第一の取付部材の軸直角
方向外方に離間して該第二の取付部材を配設すると共
に、それら第一の取付部材と第二の取付部材の軸直角方
向対向面に前記本体ゴム弾性体を介在せしめる一方、そ
れら第一の取付部材と第二の取付部材の軸直角方向対向
面間に前記複数の流体室を形成すると共に、前記オリフ
ィス部材を略円筒形状として、該第二の取付部材に内挿
配置せしめた該オリフィス部材により、該第二の取付部
材の内周面に沿って周方向に延びるようにして前記オリ
フィス通路を形成したことを、特徴とする。このような
本態様においては、特に円筒状部の軸直角方向に入力さ
れる振動に対して有効な防振効果を発揮し得る、例えば
FF型(フロントエンジン,フロントドライブ型)自動
車用エンジンマウント等に好適に採用される円筒タイプ
の流体封入式防振装置が有利に実現される。なお、本態
様においては、例えば、第一の取付部材を軸直角方向に
挟んだ両側に対向位置するように複数の流体室を配した
構成が好適に採用され、それによって、それら複数の流
体室が対向位置する径方向に入力される振動に対して有
効な防振効果を発揮し得る流体封入式の円筒型防振装置
が有利に実現される。
に関する本発明の一つの態様は、前記第一乃至第九の何
れかの態様に従う構造とされた流体封入式防振装置を製
造するに際して、前記第二の取付部材における前記円筒
状部の内周面に前記シールゴム層を接着形成せしめた
後、前記オリフィス部材を、該円筒状部に対して軸方向
に圧入固定することによって、オリフィス部材と円筒状
部の間で該シールゴム層に及ぼされる圧縮率を周方向に
おいて変化させて、前記貫通孔が位置する径方向で圧縮
率を最も大きくしたことを、特徴とする。
取付部材の円筒状部にオリフィス部材を圧入して組み付
けるだけで、特別な絞り加工等を必要とすることなく、
シールゴム層に及ぼされる圧縮率を、貫通孔が位置する
径方向で最も大きく設定することが出来るのであり、以
て、かかる貫通孔における流体密性を容易に且つ有利に
確保することが可能となるのである。
タリバルブの回動操作によって、一つのオリフィス通路
を開閉したり、開度調節する他、二つ或いは三つ以上の
オリフィス通路を選択的に開閉乃至は開度調節するよう
にした流体封入式防振装置にも、有利に適用され得る。
また、ロータリバルブによる開閉や開度調節が行われる
オリフィス通路とは別に、常時連通状態にあるオリフィ
ス通路を流体室間に跨がって形成することも可能であ
る。このようなオリフィス構造を採用することにより、
より広い種類の入力振動に対して有効な防振効果を得る
ことが可能となる。なお、常時連通状態にあるオリフィ
ス通路としては、好適には、ロータリバルブによって開
閉されるオリフィス通路よりも低周波数域にチューニン
グされたものが好適に採用され得、それによって、オリ
フィス通路の開閉操作によって、常時連通状態にあるオ
リフィス通路とロータリバルブで開閉されるオリフィス
通路とを、ロータリバルブ以外に特別な切換手段を必要
とすることなく、選択的に機能せしめることが可能とな
る。
おいては、オリフィス部材における制御用孔や第二の取
付部材における円筒状部の貫通孔を複数設けることも可
能であるが、好ましくは、それら複数の制御用孔や貫通
孔は、周上の略同じ位置に開口して形成される。また、
二つの制御用孔及び貫通孔を設けて、それらの一方の制
御用孔および貫通孔に対して、前記第六の態様に従い、
バルブ手段の駆動軸を配すると共に、他方の制御用孔お
よび貫通孔において、前記第七の態様に従い、エア通路
を構成することも可能である。
かにするために、本発明の実施形態について、図面を参
照しつつ、詳細に説明する。
形態としてのFR型の自動車用エンジンマウント10が
示されている。このエンジンマウント10は、第一の取
付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材と
しての第二の取付金具14が、互いに離間して対向配置
されていると共に、対向面間に介装された本体ゴム弾性
体16によって弾性的に連結されている。そして、かか
るエンジンマウント10は、第一の取付金具12と第二
の取付金具14において、それらの一方がパワーユニッ
ト側に、他方がボデー側に、それぞれ固定的に取り付け
られることによって、パワーユニットをボデーに対して
防振支持せしめるようになっている。また、そのような
装着状態下、このエンジンマウント10には、第一の取
付金具12と第二の取付金具14の略対向方向である図
1中の略上下方向にパワーユニット重量が及ぼされて、
第一の取付金具12と第二の取付金具14が互いに接近
する方向に本体ゴム弾性体16が弾性変形せしめられる
と共に、それら第一の取付金具12と第二の取付金具1
4の略対向方向に、防振すべき主たる振動が入力され
る。なお、以下の説明中、上下方向とは、原則として図
1中の上下方向をいう。
円板形状を有しており、その外周縁部には、周上の一箇
所において、径方向外方に突出して第二の取付金具14
側に向かって屈曲して延び出すと共に、先端部分が鉤状
に屈曲されたストッパ突部18が一体形成されている。
また、第一の取付金具12の下面中央には、略カップ形
状の支持金具20が、開口部において重ね合わされて溶
着されている。更にまた、第一の取付金具12の中央に
は、上方に向かって突出する取付ボルト22が固設され
ており、この取付ボルト22によって、第一の取付金具
12が、図示しない自動車のパワーユニットに取り付け
られるようになっている。
筒形状を有する円筒状部としての筒金具24と、大径浅
底の略有底円筒形状を有する底金具26によって形成さ
れている。筒金具24は、軸方向上端部が上方に向かっ
て拡径するテーパ部28とされている一方、軸方向下端
部には、径方向外方に広がる段差部30が形成されてい
ると共に、該段差部30の外周縁部から軸方向下方に延
びる大径筒状のかしめ部32が一体形成されている。ま
た、筒金具24におけるテーパ部28の開口周縁部に
は、周上の一箇所において、径方向外方に突出して補強
金具34で補強された当接突部36が一体形成されてい
る。また一方、底金具26の開口周縁部には、径方向外
方に広がるフランジ状部38が一体形成されている。そ
して、筒金具24の下側開口部に底金具26が重ね合わ
されて、底金具26のフランジ状部38に対して、筒金
具24のかしめ部32がかしめ固定されており、以て、
第二の取付金具14が、全体として深底の略有底円筒形
状をもって形成されている。なお、底金具26の底部中
央には、下方に向かって突出する取付ボルト40が固設
されており、この取付ボルト40によって、第二の取付
金具14が、図示しない自動車のボデーに取り付けられ
るようになっている。
方に向かって開口するように配設されていると共に、こ
の第二の取付金具14の開口部側に離間して、第一の取
付金具12が、第二の取付金具14と略同一中心軸上に
配設されている。而して、これら第一の取付金具12と
第二の取付金具14の間に本体ゴム弾性体16が配設さ
れており、この本体ゴム弾性体16によって、第一の取
付金具12と第二の取付金具14が弾性的に連結されて
いる。かかる本体ゴム弾性体16は、全体として略円錐
台形状を有しており、その小径側端面に第一の取付金具
12が重ね合わされ、支持金具20が小径側端面から軸
方向に差し込まれて埋入された状態で、それら第一の取
付金具12と支持金具20が本体ゴム弾性体16に加硫
接着されている。また、本体ゴム弾性体16の大径側端
部外周面には、第二の取付金具14を構成する筒金具2
4におけるテーパ部28の内周面が重ね合わされて加硫
接着されている。要するに、本実施形態では、図5及び
図6に示されているように、本体ゴム弾性体16が、第
一の取付金具12および支持金具20と筒金具24を備
えた一体加硫成形品45として形成されており、筒金具
24の軸方向上側の開口部が、本体ゴム弾性体16によ
って流体密に閉塞されているのである。
て、第一の取付金具12側における支持金具20のテー
パ付外周面と、第二の取付金具14側における筒金具2
4のテーパ部28は、離間して対向する略平行面とされ
ており、それらの対向面間に本体ゴム弾性体16が介在
されることにより、パワーユニット重量等の荷重が本体
ゴム弾性体16に対して圧縮力として有効に作用せしめ
られるようにされている。また、かかる一体加硫成形品
45において、本体ゴム弾性体16の大径側端面には、
大径凹所42が形成されて、筒金具24内に開口せしめ
られていると共に、筒金具24の内周面には、略全面に
亘って広がる薄肉のシールゴム層43と、段差部30上
で軸方向に突出する円環形状のシールゴム突部53が、
それぞれ、本体ゴム弾性体16と一体的に形成されてい
る。更にまた、第二の取付金具14の当接突部36の表
面には、緩衝ゴム44が形成されていると共に、この当
接突部36を覆うように、第一の取付金具12のストッ
パ突部18が位置合わせされている。そして、入力され
る振動荷重等によって第一の取付金具12と第二の取付
金具14が、大きく相対変位せしめられた際、ストッパ
突部18が、緩衝ゴム44を介して、当接突部36に当
接せしめられることによって、それら第一の取付金具1
2と第二の取付金具14の相対変位量、ひいては本体ゴ
ム弾性体16の弾性変形量を制限するストッパ機能が発
揮されるようになっている。
品45では、筒金具24が、その大半部分を占める軸方
向中間部分が、内径:D1(図6参照)の略真円形状と
されていると共に、該筒金具24の内周面の略全面に加
硫接着されたシールゴム層43も、全体にわたって略一
定の肉厚とされており、以て、シールゴム層43の内周
面が、周方向全周にわたって、略一定の内径寸法:D2
(図6参照)を有する真円形状とされている。また、か
くの如く、全体にわたって略一定の内径寸法とされた、
筒金具24の軸方向中間部分においては、その軸方向の
略中央に位置して、筒金具24とシールゴム層43を貫
通して内外周面に開口する円形の貫通孔47が、一つ形
成されている。
24の軸方向下側開口部から仕切部材46と、変形容易
な可撓性膜としてのダイヤフラム48が、順次、挿入さ
れて嵌め込まれ、第二の取付金具14に対して固定的に
組み付けられている。オリフィス部材としての仕切部材
46は、筒金具24よりも僅かに小径の外周面を備えた
略円形のブロック形状を有している。また、仕切部材4
6における軸方向下端の外周縁部には、軸方向下方に向
かって円筒状に延び出し、その突出先端部が径方向外方
に屈曲されることにより、フランジ状部50が一体形成
されている。そして、この仕切部材46は、筒金具24
に挿入されて、外周面がシールゴム層43を介して筒金
具24に密着されていると共に、フランジ状部50が、
筒金具24の段差部30に重ね合わされて、底金具26
のフランジ状部38と共にかしめ部32でかしめ固定さ
れることにより、第二の取付金具14に対して固定的に
取り付けられている。また、ダイヤフラム48は、変形
容易な薄肉のゴム膜で形成されており、中央部分には、
容易に変形するように弛みをもたせてあると共に、外周
縁部には、略円環板形状の固定金具52が加硫接着され
ている。そして、このダイヤフラム48は、筒金具24
に挿入されて、固定金具52が、筒金具24の段差部3
0に重ね合わされ、底金具26のフランジ状部38と共
にかしめ固定されることにより、第二の取付金具14の
下側開口部を流体密に覆蓋する状態で取り付けられてい
る。なお、固定金具52と第二の取付金具14の段差部
30の間では、シールゴム突起53が挟圧されてかしめ
固定部位が流体密にシールされている。
本体ゴム弾性体16とダイヤフラム48で流体密に覆蓋
されて、内部に非圧縮性流体が封入された流体収容室5
4が形成されている。なお、封入される非圧縮性流体と
しては、例えば水やアルキレングリコール,ポリアルキ
レングリコール,シリコーン油等が採用され得、特に後
述する流体の共振作用に基づく防振効果を有効に得るた
めに、0.1Pa・s以下の低粘性流体が好適に採用さ
れる。また、非圧縮性流体の注入は、例えば、一体加硫
成形品に対する仕切部材46とダイヤフラム48の組付
けを流体中で行うことによって、流体収容室54の形成
と同時に行うことも可能であるが、本実施形態では、一
体加硫成形品に対する仕切部材46およびダイヤフラム
48の組付けを大気中に行った後、ダイヤフラム48に
加硫接着された固定金具52に穿孔された注入孔56を
通じて、真空引き等を必要に応じて利用することにより
非圧縮性流体を流体収容室54に注入し、その後、該注
入孔56をブラインドリベット58で封止することによ
って、非圧縮性流体が充填されている。
4の軸方向中間部分に配された仕切部材46によって流
体密に二分されており、以て、仕切部材46の上側に
は、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成された第一
の流体室としての受圧室60が形成されている一方、仕
切部材46の下側には、壁部の一部がダイヤフラム48
で構成された第二の流体室としての平衡室62が形成さ
れている。なお、かかる仕切部材46は、アルミニウム
合金や合成樹脂等の硬質材で形成されている。即ち、受
圧室60は、第一の取付金具12と第二の取付金具14
の間への振動入力時に、本体ゴム弾性体16の弾性変形
に基づいて振動が入力されて圧力変化が生ぜしめられる
一方、平衡室62は、ダイヤフラム48の変形によって
容積変化が容易に許容されることにより圧力変化が吸
収,回避されるようになっているのである。なお、ダイ
ヤフラム48を挟んで平衡室62と反対側には、ダイヤ
フラム48と底金具26の間に位置して、ダイヤフラム
48の変形を許容する空気室64が形成されている。
仕切部材46には、それら受圧室60と平衡室62をそ
れぞれ相互に連通して両室60,62間での流体流動を
許容する低周波用オリフィス通路66と、中周波用オリ
フィス通路68および高周波用オリフィス通路70が、
互いに実質的に独立して形成されている。そして、振動
入力時に受圧室60と平衡室62の間に生ぜしめられる
圧力差に基づいて、これらのオリフィス通路66,6
8,70を通じての流体流動が生ぜしめられることによ
り、それら各オリフィス通路66,68,70のチュー
ニングに応じた周波数域の入力振動に対して、それぞ
れ、流体の共振作用に基づく防振効果が発揮されるよう
になっている。なお、本実施形態では、これら三つのオ
リフィス通路66,68,70が、何れも、受圧室60
と平衡室62を連通せしめる第二のオリフィス通路とし
て形成されている。
に開口して外周部分を周方向に一周弱の長さで延びる凹
溝112が設けられていると共に、該仕切部材46の上
面には、薄肉円板形状の蓋金具78が、全面を覆って重
ね合わされており、凹溝112が、この蓋金具78で覆
蓋されている。また、該凹溝112の周方向一端部は、
蓋金具78に貫設された連通孔114を通じて受圧室6
0に開口されている一方、該凹溝112の周方向他端部
が、仕切部材46の軸方向に貫設された接続孔116を
通じて、平衡室62に開口されている。これにより、凹
溝112と連通孔114,接続孔116を含んで、受圧
室60と平衡室62の間に跨がって延び、それら両室6
0,62間での流体流動を許容する低周波用オリフィス
通路66が形成されている。なお、この低周波用オリフ
ィス通路66は、本実施形態では、常時、連通状態で形
成されている。
オリフィス通路66が、その内部を流動せしめられる流
体の共振作用に基づいて、例えばシェイク振動に対して
有効な防振効果(減衰効果)を発揮し得るようにチュー
ニングされている。また、特に本実施形態では、シェイ
ク振動と周波数が近く、シェイク振動よりも僅かに高周
波数域となるアイドリング1次振動等のアイドリング低
周波振動に対しても、かかる低周波用オリフィス通路6
6を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、有効
な防振効果(低同ばね効果)が発揮されるようにも考慮
して、低周波用オリフィス通路66がチューニングされ
ている。なお、かかるチューニングは、例えば、受圧室
60や平衡室62の壁ばね剛性と、封入流体の密度等を
考慮して、凹溝112や連通孔114,接続孔116の
断面積:A1と長さ:L1の比:A1/L1を調節する
ことによって、行うことが出来る。
央部分には、上凹所72および下凹所74が形成されて
おり、下凹所74には、第一の流量制限手段としての第
一のゴム膜82が配設されている。この第一のゴム膜8
2は、円形板形状を有しておいると共に、外周縁部に略
環状の固定板金具84が加硫接着されており、該固定板
金具84が下凹所74の底面に重ね合わされて固定ボル
ト85で固着されることにより、第一のゴム膜82が、
下凹所74の底面から所定距離だけ離間して該下凹所7
4の開口を流体密に覆う状態で、固定板金具84によっ
て支持されて、展張状態で配設されている。そして、か
かる配設状態下、第一のゴム膜82は、弾性変形が許容
されていると共に、その下面が、平衡室62に直接に晒
されている。
って覆蓋されていると共に、かかる蓋金具78には、上
凹所72を受圧室60に開口せしめる開口窓80,80
が形成されている。また、上凹所72には、第二の流量
制限手段としての第二のゴム膜76が配設されている。
この第二のゴム膜76は、第一のゴム膜82よりも厚肉
の円形板形状を有しており、厚肉の円環リブ形状とされ
た外周縁部が、凹所72の外周部分において、該凹所7
2の底面と蓋金具78の間で挟持されることにより、該
第二のゴム膜76の中央部分が、上凹所72内で弾性変
形可能に配設されている。これにより、上凹所72内
が、第二のゴム膜76によって、底部側と開口部側とに
流体密に二分されていると共に、該第二のゴム膜76の
上面に対して、受圧室60の内圧が、開口窓80,80
を通じて及ぼされるようになっている。
ム膜76の中央部分が、厚肉化されて、仕切部材46の
上凹所72の底面と蓋金具78に略当接されて変位規制
されていると共に、第二のゴム膜76よりも第一のゴム
膜82の方が、肉厚寸法が小さく、且つ自由長が大きく
されている。これにより、第二のゴム膜76よりも第一
のゴム膜82の方が、ばね定数が小さく、容易に弾性変
形が許容されるようになっている。また、これら第一の
ゴム膜82および第二のゴム膜76は、主にそれ自身の
ばね剛性によって、変形に伴う変位量が制限されるよう
になっており、同じ圧力が作用した場合に、第二のゴム
膜76よりも第一のゴム膜82に対して大きな変位量が
生ぜしめられるようになっている。
を直径方向に向かって略矩形断面で直線的に貫通して延
びる内部通路としての径方向孔90が形成されている。
即ち、この径方向孔90は、仕切部材46の内部を、受
圧室60と平衡室62の対向方向に略直交する方向に直
線的に形成されており、該径方向孔90の両端開口が筒
金具24で流体密に覆蓋されている。また、該径方向孔
90の径方向両端部近くには、径方向孔90から分岐し
て、互いに反対の軸方向に延びる接続孔92,94が形
成されている。そして、径方向孔90の一方の端部側
が、接続孔92を通じて、蓋金具78に開口形成された
窓部96から受圧室60に開口されていると共に、径方
向孔90の他方の端部側が、接続孔94を通じて、下凹
所74に開口せしめられている。これにより、径方向孔
90と接続孔92,94および下凹所74を含んで、受
圧室60と平衡室62の間に跨がって延び、第一のゴム
膜82の弾性変形に基づいて、それら両室60,62間
での流体流動を許容する中周波用オリフィス通路68が
形成されている。特に、本実施形態では、かかる中周波
用オリフィス通路68が、その内部を流動せしめられる
流体の共振作用に基づいて、例えばアイドリング3次等
のアイドリング高次振動に対して有効な防振効果を発揮
し得るようにチューニングされている。なお、かかるチ
ューニングは、低周波用オリフィス通路66と同様、例
えば、受圧室60や平衡室62の壁ばね剛性と、第一の
ゴム膜82のばね剛性、封入流体の密度等を考慮して、
径方向孔90や接続孔92,94の断面積:A2と長
さ:L2の比:A2/L2を調節することによって、行
うことが出来る。また、中周波用オリフィス通路68を
通じての流体流動量は、第一のゴム膜82の弾性によっ
て、制限されるようになっている。なお、本実施形態で
は、かかる中周波用オリフィス通路68におけるA2/
L2の値が、前記低周波用オリフィス通路66における
A1/L1の値に対して、A1/L1<A2/L2とな
るように設定されており、それによって、上述の如きチ
ューニング特性が有利に実現されている。
略矩形断面をもって直線的に延びる軸方向孔86が形成
されており、該軸方向孔86の両側が、上凹所72と下
凹所74の各中央に開口せしめられている。これによ
り、軸方向孔86と上下凹所72,74を含んで、受圧
室60と平衡室62の間に跨がって延び、第一及び第二
のゴム膜82,76の弾性変形に基づいて、それら両室
60,62間での流体流動を許容する高周波用オリフィ
ス通路70が形成されている。特に、本実施形態では、
かかる高周波用オリフィス通路70が、その内部を流動
せしめられる流体の共振作用に基づいて、走行こもり音
等の高周波振動に対して有効な防振効果を発揮し得るよ
うにチューニングされている。なお、かかるチューニン
グは、低周波用オリフィス通路66と同様、例えば、受
圧室60や平衡室62の壁ばね剛性と、第一及び第二の
ゴム膜82,76のばね剛性、封入流体の密度等を考慮
して、軸方向孔86の断面積:A3と長さ:L3の比:
A3/L3を調節することによって、行うことが出来
る。また、該高周波用オリフィス通路70を通じての流
体流動量は、第一及び第二のゴム膜82,76の弾性、
特にばね定数が大きい第二のゴム膜76の弾性によっ
て、制限されるようになっている。なお、本実施形態で
は、かかる高周波用オリフィス通路70におけるA3/
L3の値が、前記低周波用オリフィス通路66における
A1/L1の値に対して、A1/L1<A3/L3とな
るように設定されており、それによって、上述の如きチ
ューニング特性が有利に実現されている。
において、中周波用オリフィス通路68と高周波用オリ
フィス通路70が、各通路長さ方向略中央部分で互いに
直交して交差しており、この交差点上を、それら第二及
び高周波用オリフィス通路68,70の何れとも直交す
る径方向に、仕切部材46を貫通して直線的に延びるバ
ルブの組付孔としてのバルブ装着孔100が形成されて
いる。そして、このバルブ装着孔100に対して、ロー
タリバルブとしてのロータリバルブ102が挿入されて
組み付けられている。このロータリバルブ102は、ア
ルミニウム合金等の金属や合成樹脂材の如き硬質材で形
成されており、中空の有底円筒形状を有していると共
に、底部側中央には、軸方向外方に突出する駆動軸10
5が一体形成されている。そして、仕切部材46の径方
向に延びて貫設された組付孔としてのバルブ装着孔10
0に嵌め込まれて内挿状態で組み付けられている。この
バルブ装着孔100は、ロータリバルブ102における
中空円筒部の外径寸法よりも僅かに大きな内径寸法を有
しており、軸方向一端部が小径化されて駆動軸105よ
りも僅かに大きな内径寸法とされている一方、軸方向他
端部がテーパ形状に大径化されてバルブ挿入部107と
されている。そして、このバルブ装着孔100に対し
て、バルブ挿入部107側から、ロータリバルブ102
が軸方向に挿入されて組み付けられていると共に、挿入
後、バルブ挿入部107にバルブ押え板103が圧入固
定されることによって、かかるロータリバルブ102
が、バルブ装着孔100内において、軸方向に抜け出し
不能に、且つ中心軸回りに回動可能に組み付けられてい
る。なお、ロータリバルブ102の駆動軸105には、
Oリングが外嵌装着されており、このOリングによっ
て、駆動軸105の外周面とバルブ装着孔100の内周
面の間が流体密にシールされている。
は、径方向一方向で対向位置する部分を内外に貫通する
略矩形状の連通孔104,104が形成されており、ロ
ータリバルブ102の回動位置に応じてこれらの連通孔
104,104が、バルブ装着孔100の内周面におけ
る径方向孔90の開口部と、軸方向孔86の開口部と
の、何れかに択一的に位置合わせされて連通せしめられ
るようになっている。
0のうち、ロータリバルブ102の駆動軸105が組み
込まれた方の開口端部は、軸方向所定長さで大径化され
て、仕切部材46の外周面に開口する凹部109とされ
ている。そして、ロータリバルブ102の駆動軸105
が、凹部109の底面中央から凹部109内に突出せし
められている。更に、凹部109の開口部位には、第二
の取付金具14(筒金具24)の貫通孔47が位置合わ
せされて、該貫通孔47を通じて凹部109が外部空間
に開口せしめられている。また、この貫通孔47の開口
側外方には、第二の取付金具14の外周面上に位置し
て、ステッピングモータ106が配設されており、ブラ
ケット108を介して、第二の取付金具14(筒金具2
4)に固着されている。そして、このステッピングモー
タ106の出力軸110が、筒金具24に設けられた貫
通孔47を通じて、仕切部材46の凹部109に挿入さ
れて、ロータリバルブ102の駆動軸105に対して同
軸的に連結されている。これにより、ロータリバルブ1
02が、ステッピングモータ106で回動せしめられ
て、中周波用オリフィス通路68を連通し且つ高周波用
オリフィス通路70を遮断する回動位置と、高周波用オ
リフィス通路70を連通し且つ中周波用オリフィス通路
68を遮断する回動位置(図1及び図2に示された回動
位置)とに、択一的に位置決めされるようになってい
る。なお、ステッピングモータ106の作動は、防振す
べき振動の入力状態に応じて、例えば、自動車の走行状
態に対応した信号(例えば、速度信号やシフトポジショ
ン信号等)に基づいて制御されるようになっている。
マウント10においては、ロータリバルブ102の回動
位置を切り換えることによって、マウント防振特性を変
更することが出来るのであり、車両走行状態下では、ロ
ータリバルブ102を、図示されているように、その一
対の連通孔104,104が仕切部材46の軸方向両側
に開口位置せしめられる回動位置として、高周波用オリ
フィス通路70を連通し、且つ中周波用オリフィス通路
68を遮断する回動位置に保持せしめる一方、車両停止
(アイドリング)状態下では、ロータリバルブ102
を、図示された位置から90度だけ中心軸回りで何れか
の周方向に回動させて、中周波用オリフィス通路68を
連通し、且つ高周波用オリフィス通路70を遮断する回
動位置に保持せしめる。
用オリフィス通路70を流動せしめられる流体の共振作
用に基づいて、走行こもり音等の高周波振動に対して有
効な防振効果(振動絶縁効果)が発揮されると共に、低
周波用オリフィス通路66を流動せしめられる流体の共
振作用に基づいて、該低周波用オリフィス通路66のチ
ューニングに従い、シェイク等の低周波振動に対して有
効な防振効果(減衰効果)が発揮されるのである。な
お、高周波用オリフィス通路70よりも低周波用オリフ
ィス通路66の方が流体流動抵抗が大きいが、第二のゴ
ム膜76で高周波用オリフィス通路70の流体流量が制
限されることにより、低周波用オリフィス通路66を通
じての流体流量も有利に確保され得る。
0と平衡室62の間において、中周波用オリフィス通路
68を通じての流体流動が許容されることとなる。その
結果、中周波用オリフィス通路68を流動せしめられる
流体の共振作用に基づいて、アイドリング振動に対して
有効な防振効果が発揮されるのである。なお、本実施形
態では、低周波用オリフィス通路66が、常時連通状態
とされていると共に、中周波用オリフィス通路68を通
じての流体流動量が第一のゴム膜82で制限されること
により、低周波用オリフィス通路66を通じての流体流
動量も有利に確保されるようになっている。そして、特
に、本実施形態では、中周波用オリフィス通路68を通
じて流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、アイ
ドリング3次振動等のアイドリング高周波振動に対して
有効な防振効果が発揮されると共に、低周波用オリフィ
ス通路66を通じて流動せしめられる流体の共振作用に
基づいて、アイドリング1次振動等のアイドリング低周
波振動に対して有効な防振効果が発揮されることとな
る。
においては、仕切部材46の下面側に第一のゴム膜82
が配設されていると共に、仕切部材46の上面側に第二
のゴム膜76が配設されていることから、それら第一及
び第二のゴム膜82,76の厚さや面積(自由長)等
を、仕切部材46の大型化等を伴うことなく、有利に確
保することが出来、中周波及び高周波用オリフィス通路
68,70のチューニング自由度とコンパクト化の両立
が有利に達成され得るのである。
時連通状態にあるが、第二及び高周波用オリフィス通路
68,70による防振効果が発揮される周波数域よりも
低周波数域にチューニングされており、中周波及び高周
波用オリフィス通路68,70のチューニング周波数域
の振動入力時には低周波用オリフィス通路66の流通抵
抗が著しく増大することから、中周波数及び高周波用オ
リフィス通路68,70に基づく防振効果は有効に発揮
され得る。また、中周波用オリフィス通路68を通じて
の流体流動量は、上下ゴム膜82,76で制限されるこ
とから、走行時における低周波用オリフィス通路66を
通じての流体流動量が充分に確保されて、低周波用オリ
フィス通路66に基づく防振効果も有効に発揮され得
る。
ンマウント10においては、流体の流動作用に基づく所
期の防振効果を安定して得るために、十分な流体密性を
安定して確保することが重要となる。そこにおいて、本
実施形態では、ロータリバルブ102に回転駆動力を及
ぼすために筒金具24に貫通孔47が形成されているた
めに、この貫通孔47を通じての流体漏れ等に起因する
流体密性の低下が問題となり易い。特に本実施形態で
は、筒金具24にテーパ部28や段差部30,かしめ部
32等が形成されると共に、その外周面にブラケット金
具108を装着するための取付金具111が設けられて
おり、仕切部材46の圧入後に筒金具24を絞り加工し
てシール性を向上させることが難しいことから、仕切部
材46の外周面と筒金具24の内周面の間のシール性の
確保の困難さが危惧される。
0においては、貫通孔47付近での流体密性を十分に確
保するために、特別に、以下の如きシール構造が採用さ
れている。
うに、仕切部材46は、外径寸法:D3を有する円筒形
外周面とされて、筒金具24に対して、シールゴム層4
3を介して圧接される外周面上において、それぞれ径方
向外方に向かって突出する一対の大径突部120,12
0が、一体形成されている。かかる一対の大径突部12
0,120は、ロータリバルブ102の回動中心軸とな
る仕切部材46の径方向で対向位置せしめられており、
仕切部材46に設けられた凹部109の開口幅よりも大
きな周方向幅で、仕切部材46の軸方向全長にわたって
形成されている。これによって、仕切部材46の凹部1
09の周囲が、全体にわたって大径突部120とされて
おり、仕切部材46の外径寸法が、ロータリバルブ10
2の回動中心軸となる径方向で、最も大きく設定されて
いる。
において、ロータリバルブ102の回動中心軸となる径
方向での外径寸法:D4が、他の径方向での外径寸法:
D3よりも大きく設定されており、且つ、第二の取付金
具14における筒金具24の内径寸法:D1およびシー
ルゴム層43の内径寸法:D2に対して、下式を満足す
るように設定されているのである。 D2 ≦ D3 < D4 < D1
46は、図5〜6に示されている如き、別途形成された
一体加硫成形品45に対して、軸方向下方から圧入され
ることにより、組み付けられている。そこにおいて、図
1〜4に示されているように、仕切部材46の外周面上
に一対の大径突部120,120が形成されていること
により、仕切部材46と筒金具24の間でシールゴム層
43に及ぼされる挟圧力が、シールゴム層43の周方向
で異ならせしめられている。具体的には、シールゴム層
43における圧縮率が、仕切部材46に大径突部12
0,120が形成された部分で最も大きくされており、
仕切部材46において大径突部120,120が形成さ
れた領域では、それらが形成されていない領域に比し
て、シールゴム層43に対して大きな挟圧力が及ぼされ
ている。
マウント10においては、仕切部材46における筒金具
24の貫通孔47に対応する特定の位置に一対の大径突
部120,120を形成し、筒金具24の貫通孔47か
ら周方向に外れた部分において、シールゴム層43に対
する圧縮率を小さくしたことにより、特に、貫通孔47
の付近でシールゴム層43に大きな挟圧力を安定して作
用せしめることが出来るのであり、シール性能の安定化
と信頼性の向上が有利に達成され得るのである。
向に外れた部分においては、シールゴム層43に対する
圧縮率を小さくしたことにより、仕切部材46を筒金具
24に圧入して組み付ける場合でも、大径突部120が
形成されずにシールゴム層43に対する圧縮率が小さく
された部分で、シールゴム層43の逃げスペースが有利
に確保され得るのであり、それ故、仕切部材46を筒金
具24に圧入して組み付けるに際して、シールゴム層4
3の損傷やスプリングバックによる圧入操作の悪化等が
有利に回避されて、仕切部材46を目的とする組付位置
に容易に且つ確実に圧入セットすることが出来るのであ
り、また、それによって、仕切部材46を筒金具24に
圧入組付けするだけの簡単な作業で、筒金具24に設け
られた貫通孔47の周囲において、シールゴム層43に
対して大きな挟圧力を有効に且つ安定して作用せしめる
ことが出来、以て、貫通孔47の付近、ひいては流体収
容室54において、極めて有効なシール性を安定して得
ることが可能となるのである。
いて大径突部120,120が形成された領域では、シ
ールゴム層43における圧縮率:Paの値(下式参照)
が、下記条件式(a)を満足するように設定されている
と共に、仕切部材46における大径突部120,120
から外れた領域では、シールゴム層43における圧縮
率:Pbの値(下式参照)が、下記条件式(b)を満足
するように設定されている。 Pa=(((φD1−φD2)/2)−((φD1−φ
D4)/2))/((φD1−φD2)/2) Pb=(((φD1−φD2)/2)−((φD1−φ
D3)/2))/((φD1−φD2)/2) 35% ≦ Pa ≦ 65% ・・・条件式(a) 4% ≦ Pb ≦ 10% ・・・条件式(b)
ることによって、仕切部材46の筒金具24に対する圧
入による組付作業性を有利に確保しつつ、貫通孔47の
周囲においてシールゴム層43を強固に挟圧せしめ、以
て、一層優れた流体密性を容易に且つ安定して得ること
が可能となるのである。特に、本実施形態では、仕切部
材46に対して、貫通孔47よりも大きな大径突部12
0を設けたことにより、貫通孔47の周囲の十分に大き
な範囲で、上記条件式(a)を満足し得る圧縮率をシー
ルゴム層43に設定し得たのであり、それによって、よ
り優れた流体密性を得ることができるのである。
ンマウント10を製造するに際しては、例えば、以下の
製造方法が、好適に採用される。
に第一の取付金具12と第二の取付金具14をセットし
た状態下で、かかる成形型内にゴム材料を充填し、加硫
成形することによって、第一及び第二の取付金具12,
14を有する本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品45
を製造する。また、それとは別に、別途製造した仕切部
材46に対して、ロータリバルブ102や第一及び第二
のゴム膜82,76等を組み付けると共に、蓋金具78
を重ね合わせて装着することにより、仕切部材の組立体
を得る。
品45の筒金具24に対して、軸方向下方から、仕切部
材46の組立体を圧入して一体的に組み付ける。なお、
その際、仕切部材46の凹部109が筒金具24の貫通
孔47を通じて開口するように、筒金具24と仕切部材
46を相互に周方向に位置合わせする。また、仕切部材
46の筒金具24に対する軸方向の圧入位置は、仕切部
材46の上面外周縁部が、本体ゴム弾性体16の下端面
に当接すると共に、仕切部材46に一体形成されたフラ
ンジ状部50が、筒金具24の段差部30に当接するこ
とによって、設定されるようになっている。
金具52を圧入してダイヤフラム48を組み付けた後、
固定金具52の注入孔56を通じて非圧縮性流体を注入
充填し、続いて該注入孔56をブラインドリベット58
で封止する。
に底金具26を組み付けて、該底金具26のフランジ状
部38を、筒金具24のかしめ部32で、仕切部材46
のフランジ状部50や固定金具52と共にかしめ固定す
ることによって、目的とするエンジンマウント10を得
ることが出来るのである。更に、かかるエンジンマウン
ト10には、自動車への装着に先立って、ステッピング
モータ106が、ブラケット108を介して、第二の取
付金具14に固定されて装着されると共に、該ステッピ
ングモータ106の出力軸110が、筒金具24の貫通
孔47を通じて内方に差し込まれ、仕切部材46の凹部
109内において、該凹部109の底部から突設された
ロータリバルブ102の駆動軸105に対して該出力軸
110が連結されることとなる。
充填は、上述の如き注入孔56による他、例えば、封入
すべき非圧縮性流体中において、ダイヤフラム48を有
する固定金具52を筒金具24のかしめ部32に圧入
し、該固定金具52を筒金具24の段差部30に対して
シールゴム突起53を挟んで押し付けることにより、密
閉された流体封入領域の形成と同時に非圧縮性流体を充
填封入することも可能である。
部材46の外周面に大径突部120,120を形成する
ことによって、仕切部材46と筒金具24(第二の取付
部材14)の間でのシールゴム層43に対する圧縮率を
周方向で変化せしめるようになっていたが、その他、筒
金具24やシールゴム層43において特定の構成を採用
することによって、シールゴム層43に対する圧縮率を
周方向で変化させることも可能である。その具体的な構
造例が、図6に対応する断面図として、図9,10,1
1に、それぞれ示されている。
においては、筒金具24としては、第一の実施形態と同
様、内径寸法が全周にわたって一定とされた真円筒形状
のものが採用されているが、その内周面に内径寸法:D
2で形成されたシールゴム層43の肉厚寸法が周方向で
変化せしめられて、貫通孔47の形成部位とその径方向
対向部位において、それぞれ貫通孔47よりも大きな周
方向幅をもって軸方向全長にわたって延びる一対の小径
突部122,122が形成されており、以て、シールゴ
ム層43における貫通孔47の位置する径方向の内径寸
法:D5が、他の径方向での内径寸法:D2よりも小さ
くされている。
おいては、シールゴム層43の内周面は、内径寸法が周
方向で一定とされた真円筒形状とされているが、筒金具
24が周方向で異形とされて、貫通孔47の形成部位と
その径方向対向部位において、それぞれ貫通孔47より
も大きな周方向幅をもって軸方向長さをもって延びる一
対の小径突部124,124が形成されており、以て、
貫通孔47の位置する径方向の内径寸法:D6が、他の
径方向での内径寸法:D1よりも小さくされている。
例においては、前記第二具体例と同様に、筒金具24に
一対の小径突部124,124が形成されて、貫通孔4
7の位置する径方向の内径寸法:D6が、他の径方向で
の内径寸法:D1よりも小さくされていると共に、該筒
金具24の内周面上に、シールゴム層43が、全体にわ
たって略一定の厚さ寸法で形成されている。
例に示された筒金具24およびシールゴム層43を採用
することによっても、仕切部材46を軸方向に圧入する
ことによって、貫通孔47の位置する径方向位置方向に
おいて、他の径方向よりもシールゴム層43に対する圧
縮率を大きく設定することが出来るのであり、それによ
って、前記第一の実施形態と同様な効果を有効に得るこ
とが出来、貫通孔47における優れたシール性を安定し
て確保することが可能となるのである。なお、これら第
一〜第三の具体例に示された構成は、前記第一の実施形
態に示されている如き、一対の大径突部120,120
を備えた仕切部材46と組み合わせて採用することも可
能であるが、大径突部120を有しない真円筒形状の外
周面を備えた仕切部材も採用可能であり、そのような仕
切部材を採用した場合でも、上述の如き、筒金具24や
シールゴム層43において特定の構成を採用することに
よって、シールゴム層43に対する圧縮率を周方向で変
化させて、貫通孔47の形成部位において有効なシール
性を得ることが出来るのである。
二の実施形態としてのFF型自動車用のエンジンマウン
トとして用いられる円筒形マウント208が、示されて
いる。
は、それぞれ第一の取付部材および第二の取付部材とし
ての内筒金具および外筒金具であって、互いに所定量偏
心して配置されており、それらの間に介装された本体ゴ
ム弾性体としてのゴム弾性体214によって、互いに連
結されている。
は、内筒金具210および外筒金具212が、車体側お
よびエンジンを含むパワーユニット側の各一方に取り付
けられて、それらの間に介装されることにより、該パワ
ーユニットを車体に対して防振支持せしめるようになっ
ている。また、かかるエンジンマウントにあっては、そ
のような装着状態下、パワーユニット重量が内外筒金具
210,212間に及ぼされ、ゴム弾性体214が変形
せしめられることにより、それら両金具210,212
が、略同一軸心上に位置せしめられるようになっている
と共に、防振すべき振動が、主として内外筒金具21
0,212の略偏心方向(図中、上下方向)に入力され
るようになっている。
ロッド形状乃至は厚肉の円筒形状をもって形成されてお
り、その径方向外方には、略薄肉円筒形状を呈する金属
スリーブ216が、所定距離偏心して配設されている。
そして、これら内筒金具210と金属スリーブ216と
の間に、ゴム弾性体214が介装されており、該ゴム弾
性体214が、内筒金具210の外周面と金属スリーブ
216の内周面とに、それぞれ加硫接着された一体加硫
成形品として形成されている。
金具210と金属スリーブ216との径方向離間距離の
小なる部分において、軸方向に貫通する肉抜部218
が、周方向略半周に亘って形成されている。それによ
り、前述の如き装着状態下に及ぼされるパワーユニット
重量によって、ゴム弾性体214に惹起される引張応力
が、軽減されるようになっている。
具210と金属スリーブ216との径方向離間距離の大
なる部位には、径方向外方に開口する第一のポケット部
220が形成されており、金属スリーブ216に設けら
れた第一の窓部222を通じて開口せしめられている。
して、内筒金具210を挟んで径方向に対向位置する、
内筒金具210と金属スリーブ216との径方向離間距
離の小なる部位には、径方向外方に開口する第二のポケ
ット部224が形成されており、金属スリーブ216に
設けられた第二の窓部226を通じて開口せしめられて
いる。また、かかる第二のポケット部224にあって
は、その底壁部228が肉抜部218により薄肉化され
て、弾性変形の容易な可撓性膜として構成されている。
軸方向中央部分が小径部とされており、軸方向中央部分
を周方向に延びる周溝230が形成されている。そし
て、かかる周溝230により、第一のポケット部220
の開口部たる第一の窓部222と、第二のポケット部2
24の開口部たる第二の窓部226とが、周方向両側端
縁部間において、それぞれ互いに接続されている。
成形品には、必要に応じて、金属スリーブ216に対し
て縮径加工が施されてゴム弾性体214に予備圧縮が加
えられた後、それぞれ、略半円筒形状を呈する第一及び
第二のオリフィス半割体232,234が、第一及び第
二のポケット部220,224の対向方向両側から組み
付けられ、それによって、全体として略厚肉の円筒形状
を呈するオリフィス部材236が構成されて、金属スリ
ーブ216の周溝230内に嵌め込まれている。
〜17に示されているように、外周面上において、屈曲
して周方向に略2周半の長さで延びる第一の凹溝238
と、該第一の凹溝238よりも大きな断面積をもって周
方向に略半周の長さで延びる第二の凹溝244が、互い
に独立して形成されている。そして、オリフィス部材2
36の一体加硫成形品に対する組付状態下、第一の凹溝
238の両端部が、底壁部を貫通して設けられた通孔2
40,242を通じて、第一のポケット部220および
第二のポケット部224に開口せしめられている一方、
第二の凹溝244の両端部が、底壁部を貫通して設けら
れた通孔246,248を通じて、第一のポケット部2
20および第二のポケット部224に開口せしめられて
いる。
された第一のオリフィス半割体232は、周方向中央部
分が厚肉化されており、かかる厚肉部250において、
上記第一の凹溝238および第二の凹溝244が、該第
一のオリフィス半割体232内を周方向に貫通して延び
るトンネル構造をもって、形成されている。
2の厚肉部250の外周面には、平坦な取付座252が
形成されていると共に、該取付座252の中央部分に
は、内方に向って延び、トンネル構造とされた第一の凹
溝238に連通された円形のバルブ組付穴254が形成
されている。
が組み付けられた一体加硫成形品にあっては、図12及
び図13に示されているように、外筒金具212に圧入
固定されており、一体加硫成形品を構成する金属スリー
ブ216とオリフィス部材236に対して外筒金具21
2が外嵌固定されており、更に必要に応じて外筒金具2
12が縮径加工されてより強固に嵌着固定されている。
ここにおいて、本実施形態では、この円筒形状を有する
外筒金具212それ自体によって第二の取付部材が構成
されているのであり、換言すれば、第二の取付部材の全
体が、円筒状部としての外筒金具212とされているの
である。なお、この外筒金具212には、内周面の略全
面に亘って、薄肉のシールゴム層256が設けられてお
り、該シールゴム層256によって、金属スリーブ21
6と外筒金具212との嵌着面間およびオリフィス部材
236と外筒金具212との間が流体密にシールされる
ようになっている。
って、第一のポケット部220および第二のポケット部
224の開口部、更にオリフィス部材236に設けられ
た第一の凹溝238および第二の凹溝244が、それぞ
れ覆蓋されている。
所定の非圧縮性流体が封入されて内外筒金具210,2
12間への振動入力時にゴム弾性体214の弾性変形に
基づいて内圧変動が惹起される受圧室258が形成され
ている一方、第二のポケット部224により、所定の非
圧縮性流体が封入されて底壁部228の変形に基づいて
容積変化が許容される平衡室260が形成されている。
更にまた、第一の凹溝238により、それら受圧室25
8と平衡室260とを相互に連通する低周波用オリフィ
ス通路262が形成されていると共に、第二の凹溝24
4により、低周波用オリフィス通路262よりも大きな
断面積/長さの比をもって、受圧室258と平衡室26
0とを連通する高周波用オリフィス通路264が形成さ
れている。なお、本実施形態では、これら二つのオリフ
ィス通路262,264が、何れも、受圧室と平衡室を
連通せしめる第二のオリフィス通路として形成されてい
る。
0に封入される非圧縮性流体としては、前記第一の実施
形態における封入流体と同様、一般に、水やアルキレン
グリコール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油
等が、用いられる。また、かかる流体の封入は、例え
ば、マウントの組み立てを流体中で行なうことによっ
て、有利に為され得る。
オリフィス半割体232の取付座252が位置せしめら
れる部位に、貫通孔としての開口窓266が形成されて
いる。そして、この取付座252に対して、バルブ組立
体268が、固定されている。
ト成形や射出成形等により、金属材料や樹脂材料にて一
体成形されたハウジング274を備えている。このハウ
ジング274は、中心部分に円形断面のバルブ装着穴2
76が設けられた略有底円筒形状を呈しており、その開
口部側に取付部278が一体的に設けられている。ま
た、かかるハウジング274の周壁部には、軸直角方向
で対向位置する部位に、一対の連通孔282,282
が、形成されている。
着穴276内に、ロータリバルブ284が挿入、配置さ
れている。かかるロータリバルブ284は、軸直角方向
に貫通するバルブ孔286が形成された円形短柱形状の
頭部288と、該頭部288の軸方向一方の側に突出形
成されたロッド状の脚部290とから構成されている。
そして、その頭部288側からハウジング274のバル
ブ装着穴276に嵌め込まれ、押えリング292によっ
て、軸心回りに回動可能に保持せしめられている。即
ち、このロータリバルブ284をハウジング274内で
回動せしめることにより、ハウジング274に形成され
た連通孔282,282が、バルブ孔286を通じて相
互に連通されたり、或いは遮断されたりするようになっ
ている。なお、ロータリバルブ284の外周面とバルブ
装着穴276の内周面(摺接面)との摺動面間は、そこ
を通じての流体の流動が阻止される程度に密接されてい
る。
には、駆動モータ300が固設されており、その出力軸
302が、外筒金具212に設けられた開口窓266を
通じて外方に突出せしめられたロータリバルブ284の
脚部290に対して、係合されている。そして、かかる
駆動モータ300により、ロータリバルブ284が、そ
の中心軸である一軸回りに回動駆動せしめられるように
なっている。
は、オリフィス部材236(第一のオリフィス半割体2
32)に設けられたバルブ組付穴254に挿入されて、
連通孔282,282が高周波用オリフィス通路264
に連通せしめられた状態で、ボルト306で固定されて
組み付けられている。
208にあっては、ロータリバルブ284の一軸回りの
回動によって、高周波用オリフィス通路264が開閉制
御せしめられる。なお、図12及び図13には、ロータ
リバルブ284による高周波用オリフィス通路264の
遮断状態が示されている。
を「閉」とした状態下では、受圧室258と平衡室26
0との間での流体の流動が、専ら低周波用オリフィス通
路262を通じて生ぜしめられる結果、流体の共振作用
に基づいてシェイクやバウンス等の低周波振動に対する
防振効果(高減衰効果)が発揮される。
を「開」とした状態下では、受圧室258と平衡室26
0との間での流体の流動が、主として低周波用オリフィ
ス通路262よりも流通抵抗の小さい高周波用オリフィ
ス通路264を通じて生ぜしめられる結果、流体の共振
作用に基づいてこもり音等の中乃至高周波振動に対する
防振効果(低動ばね効果)が発揮される。
ンマウント208においては、流体の流動作用に基づく
所期の防振効果を安定して得るために、十分な流体密性
を安定して確保することが重要となる。そこにおいて、
本実施形態では、ロータリバルブ284に回転駆動力を
及ぼすために外筒金具212に開口窓266が形成され
ているために、この開口窓266を通じての流体漏れ等
に起因する流体密性の低下が問題となり易い。
08においては、開口窓266付近での流体密性を十分
に確保するために、特別に、以下の如きシール構造が採
用されている。
うに、オリフィス部材236は、外径寸法:D10を有
する円筒形外周面とされており、外筒金具212に対し
て、シールゴム層256を介して圧接される外周面上に
おいて、それぞれ径方向外方に向かって突出する一対の
大径突部310,310が、一体形成されている。かか
る一対の大径突部310,310は、ロータリバルブ2
84の回動中心軸となるオリフィス部材236の径方向
一方向で対向位置せしめられており、オリフィス部材2
36に設けられたバルブ組付穴254の開口幅よりも大
きな周方向幅で、特に本実施形態ではオリフィス部材2
36に設けられた取付座252よりも大きな周方向幅
で、オリフィス部材236の軸方向全長にわたって形成
されている。これによって、オリフィス部材236のバ
ルブ組付穴254および取付座252の周囲が、全周に
わたって大径突部310とされており、オリフィス部材
236の外径寸法が、ロータリバルブ284の回動中心
軸となる径方向で、最も大きく設定されている。
材236において、ロータリバルブ284の回動中心軸
となる径方向の外径寸法:D11が、他の径方向での外
径寸法:D10よりも大きく設定されており、且つ、外
筒金具212の内径寸法:D12および荷重が及ぼされ
ていない状態でのシールゴム層256の内径寸法:D1
3に対して、下式を満足するように設定されているので
ある。D13 ≦ D10 < D11 < D12な
お、このような本実施形態においても、前記第一の実施
形態と同様に、D10〜13の各値が、下記条件式に従
う圧縮率を満足し得るように設定することが、より望ま
しい。 Pa=(((φD12−φD13)/2)−((φD1
2−φD11)/2))/((φD12−φD13)/
2) Pb=(((φD12−φD13)/2)−((φD1
2−φD10)/2))/((φD12−φD13)/
2) 35% ≦ Pa ≦ 65% 4% ≦ Pb ≦ 10%
ス部材236は、内周面にシールゴム層256が被着さ
れた外筒金具212に対して軸方向に圧入されることに
より、組み付けられている。そこにおいて、オリフィス
部材236の外周面上に一対の大径突部310,310
が形成されていることにより、オリフィス部材236外
筒金具212の間でシールゴム層256に及ぼされる挟
圧力が、シールゴム層256の周方向で異ならせしめら
れている。具体的には、シールゴム層256における圧
縮率が、オリフィス部材236に大径突部310,31
0が形成された部分で最も大きくされており、オリフィ
ス部材236において大径突部310,310が形成さ
れた領域では、それらが形成されていない領域に比し
て、シールゴム層256に対して大きな挟圧力が及ぼさ
れている。
マウント208においては、オリフィス部材236にお
ける外筒金具212の開口窓266に対応する特定の位
置に一対の大径突部310,310を形成し、外筒金具
212の開口窓266から周方向に外れた部分におい
て、シールゴム層256に対する圧縮率を小さくしたこ
とにより、特に、開口窓266の付近でシールゴム層2
56に大きな挟圧力を安定して作用せしめることが出来
るのであり、以て、前記第一の実施形態におけるエンジ
ンマウント10と同様に、シール性能の安定化と信頼性
の向上が有利に達成され得るのである。
ら周方向に外れた部分においては、シールゴム層256
の圧縮率を小さくしたことにより、オリフィス部材23
6を外筒金具212に圧入して組み付ける場合でも、大
径突部310が形成されずにシールゴム層256の圧縮
率が小さくされた部分で、シールゴム層256の逃げス
ペースが有利に確保され得るのであり、それ故、オリフ
ィス部材236を外筒金具212に圧入して組み付ける
に際して、シールゴム層256の損傷やスプリングバッ
クによる圧入操作の悪化等が有利に回避されて、オリフ
ィス部材236を目的とする組付位置に容易に且つ高精
度に圧入セットすることが出来るのであり、また、それ
によって、オリフィス部材236を外筒金具212に圧
入組付けするだけの簡単な作業で、外筒金具212に設
けられた開口窓266の周囲において、シールゴム層2
56に対して大きな挟圧力を有効に且つ安定して作用せ
しめることが出来、以て、開口窓266の付近、ひいて
は流体室たる受圧室258および平衡室260におい
て、極めて有効な流体密性を安定して得ることが可能と
なるのである。
においては、オリフィス部材236を組み付けたゴム弾
性体214の一体加硫成形品を外筒金具212に圧入し
た後に、更に、八方絞り加工などによって外筒金具21
2を縮径することによって、流体密性の更なる向上を図
ることも可能であり、また、ゴム弾性体214の一体加
硫成形品やオリフィス部材236を外筒金具212に内
挿した後に、八方絞り加工などによって外筒金具212
を縮径して、オリフィス部材236や金属スリーブ21
6に対して外筒金具212を嵌着固定することにより、
それらオリフィス部材236や金属スリーブ216と外
筒金具212の径方向間でシールゴム層256を挟圧せ
しめるようにすることも可能である。
態としてのFR型自動車用のエンジンマウント318が
示されている。なお、本実施形態において、前記第一の
実施形態と同様な構造とされた部材及び部位について
は、図中に第一の実施形態と同一の符号を付することに
より、それらの詳細な説明を省略する。
いては、仕切部材320において複数のオリフィス通路
を選択的に連通せしめるバルブ手段が含まれておらず、
その変わりに、仕切部材320の内部において、壁部の
一部がゴム弾性板322で形成されて副液室324と、
該副液室324に対してゴム弾性板322を挟んだ反対
側に形成された作用空気室326が設けられており、こ
の作用空気室326に対して、エア連通路328を通じ
て空気圧変動を及ぼしめることにより、マウントの防振
特性が制御されるようになっている。
合金等の金属や、合成樹脂材等の剛性材で形成された厚
肉円板形状の仕切部材本体330を備えている。この仕
切部材本体330は、第一の実施形態における仕切部材
46と同様、軸方向下端の外周縁部に一体形成されたフ
ランジ状部332において、筒金具24のかしめ部32
でかしめ固定されることにより第二の取付金具14に固
定的に取り付けらるようになっている。また、仕切部材
320の軸方向上端面には、仕切部材本体330の外形
寸法よりも小さな外形寸法を有する円環形状の係止突部
334が設けられており、この係止突部334の外周面
において、周方向に連続して延びる係止溝336が形成
されている。また、この係止突部334の内周縁部に
は、軸方向上方に向かって突出する円筒形状の縦壁部3
38が一体形成されている。
具340と外側蓋金具342が、軸方向上方から順次に
重ね合わされて一体的に組み付けられている。内側蓋金
具340は、下方に向かって開口する逆有底円筒形状を
有しており、その開口周縁部には、径方向内方に向かっ
て屈曲された係止部344が一体形成されていると共
に、その筒壁部346の軸方向中間部分には、周方向に
連接した環状の段差部348が設けられており、この段
差部348を挟んで開口部側が大径筒部350、上底側
が小径突部352とされている。そして、この内側蓋金
具340は、仕切部材本体330に対して軸方向上方か
ら重ね合わされ、その係止部344が、仕切部材本体3
30の係止溝336に入り込んで係止されることによ
り、固定的に組み付けられている。また、内側蓋金具3
40の段差部348は、仕切部材本体330の縦壁部3
38の突出先端面に重ね合わされており、もって、仕切
部材本体330と内側蓋金具340の間には、外周部分
を周方向に延びる下側環状通路354が形成されている
と共に、中央部分には、大きな中央空所356が形成さ
れている。更に、外側蓋金具342は、内側蓋金具34
0よりも僅かに大径の逆向き有底円筒形状を有してお
り、内側蓋金具340の大径筒部350に対して、外側
蓋金具342の周壁部358が圧入圧されて外嵌固定さ
れることにより、外側蓋金具342が、内側蓋金具34
0ひいては仕切部材本体330に対して、一体的に組み
付けられている。また、かかる組み付け状態化、内側蓋
金具340の底壁部と外側蓋金具342の底壁部が、密
着して重ね合わされている。これにより、内側蓋金具3
40と外側蓋金具342の間には、外周部分を周方向に
連続して延びる上側環状通路360が形成されている。
そして、仕切部材本体330と内側蓋金具340の間に
形成された下側環状通路354と、内側蓋金具340と
外側蓋金具342の間に形成された上側環状通路360
が、周上の一箇所において相互に連通されると共に、上
側環状通路360が、周上の他の部分で受圧室60に連
通され、また、下側環状通路354が、周上の他の部分
において、仕切部材本体330の内部を軸方向に貫通す
る接続孔355を介して、平衡室62に連通されてい
る。そして、それら下側及び上側環状通路354,36
0によって、受圧室60と平衡室62を相互に連通する
第二のオリフィス通路としての低周波用オリフィス通路
362が構成されている。
具340の間に形成された中央空所356には、弾性膜
としての前記ゴム弾性板322が収容配置されている。
このゴム弾性板322は、ゴム弾性体によって形成され
た円板形状を有しており、その中央部分には、小径の逆
カップ形状の連結金具364が加硫接着されていると共
に、その外周縁部には、L字型断面の円環形状を有する
勘着金具366が加硫接着されている。そして、勘着金
具366が仕切部材本体330の縦壁部338に圧入固
定されることにより、中央空所356内において、マウ
ント中心軸に対して軸直角方向に広がる状態で収容配置
されている。なお、このゴム弾性板322は、外力に抗
して、展張状態で初期形状に復元し得るだけの弾性力を
発揮する肉厚寸法と材質によって形成されている。
中央空所356が流体密に二分されており、以てゴム弾
性板322と内側蓋金具340の間には、非圧縮性流体
が封入充填された副液室324が形成されている。一
方、ゴム弾性板322と仕切部材本体330の間には、
ゴム弾性板322を挟んで、副液室324と反対側に位
置せしめられた作用空気室326が形成されている。ま
た、副液室324には、板ばね368が、ゴム弾性板3
22の上方に所定距離だけ離間して、軸直角方向に広が
る状態で収容配置されている。この板ばね368の外周
縁部が、勘着金具と366内側蓋金具340の段差部3
48との間で、固定的に狭圧支持されている。一方、板
ばね368の中央部分に対して、ゴム弾性板322に加
硫接着された連結金具364の上底部がかしめ固定され
ている。即ち、ゴム弾性板322の初期状態への復元力
が板ばね368の弾性力によって、補助されるようにな
っている。なお、板ばね368には、そのばね係数を調
節するために、適当な形状の肉抜き穴等が適宜に形成さ
れる。それらの肉抜き穴を通じて板ばねの上下両側に実
質的に一つの副液室324が形成されるようになってい
る。
通路360を通じて受圧室60に連通されている。即
ち、本実施形態では、この上側環状通路360によって
受圧室60と副液室324を相互に連通する第一のオリ
フィス通路としての高周波用オリフィス通路372が形
成されている。さらに、仕切部材本体330には、外周
面から半径方向内方に延び、内側端部において、作用空
気室326に開口連通せしめられた前記エア連通路32
8が形成されている。仕切部材本体330におけるエア
連通路328の開口部が、筒金具に設けられた貫通孔4
7に位置合わせされており、該貫通孔47を通じて筒金
具24の外周面に開口せしめられている。また、このエ
ア連通路328には、筒金具24に設けられた貫通孔4
7を通じて外方から圧入された接続管体374が固着さ
れており、この接続管体374を介して外部エア管路3
76が接続されている。
外部エア管路376は、切換バルブ378によって、大
気と負圧源とに択一的に切り換えられて接続されるよう
になっており、切換バルブ378の切り換え作動に従っ
て、作用空気室326に対して、大気圧と負圧とが選択
的に及ぼされるようになっている。即ち、このような構
造とされたエンジンマウント318においては、例え
ば、切換バルブ378を、防振しようとする振動に応じ
て、切り換えることにより、作用空気室326に空気圧
変動を及ぼしめて、ゴム弾性板322を加振変形させる
ことにより、副液室324と受圧室60の間に、積極的
な流体圧差を生ぜしめて、高周波用オリフィス通路37
2を通じて流動せしめられる流体の共振作用を利用し
て、能動的な防振効果を得ることができるのである。或
いはまた、防振すべき振動に応じて切換バルブ378を
切り換えて、作用空気室326に及ぼされる空気圧を大
気圧と負圧とに選択的に切り換えることにより、副液室
324の壁ばね剛性を変化せしめて高周波用オリフィス
通路372のチューニング周波数域を振動に応じて調節
することも可能である。
態におけるエンジンマウント318においても、第一の
実施形態と同様、仕切部材本体330には、エア連通路
328の開口部が位置する径方向両側に、大径突部38
0がそれぞれ形成されている。それによって、シールゴ
ム層43に対して、エア連通路328の開口部が位置す
る径方向両側において、有効な圧縮力が作用せしめられ
ている。従って、このような本実施形態におけるエンジ
ンマウント318においても、第一の実施形態と同様、
貫通孔47の付近でシールゴム層43に対して大きな狭
圧力を安定して作用せしめることができるのであり、そ
れによって、貫通孔47を通じての封入流体の漏れが効
果的に防止されて、シール性の安定化と信頼性の向上が
有利に達成され得るのである。
8も、第一の実施形態と同様な工程に従って製造するこ
とが可能であり、仕切部材320の筒金具24への圧入
による組付を容易に行うことが出来ると共に、組み付け
に際して、シールゴム層43の損傷や、スプリングバッ
クによる組み付け不良等も有利に回避されうるのであ
り、以て、優れた製造性と安定した品質を確保しつつ、
流体封入領域のシール性に優れた目的とするエンジンマ
ウント318を有利に製造することができるのである。
きたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、
かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、
限定的に解釈されるものでない。
リフィス通路の数や構造等は、要求される防振特性等に
応じて適宜に決定されるものであって、何等、限定され
るものでない。例えば、一つ又は四つ以上のオリフィス
通路を形成することも可能であり、ロータリバルブによ
って、一つのオリフィス通路だけを開閉したり、三つ以
上のオリフィス通路を選択的に連通/遮断せしめたり、
或いはそれらオリフィス通路の開口量を制御したりする
ことも可能である。例えば、一つのロータリバルブに複
数のバルブ孔を設けることによって、複数のオリフィス
通路を同時に開閉制御することも出来る。
力変化が生ぜしめられる受圧室60,258と、容積可
変の平衡室62,260によって、二つの流体室が構成
されていたが、流体室の具体的構成や数等は限定される
ものでない。例えば、複数の流体室として、振動入力時
に略反対の圧力変化(位相が180度だけずれた圧力変
化)が生ぜしめられる一対の受圧室を採用したり、ま
た、一つ或いは複数の受圧室と複数の平衡室によって流
体室を構成することも可能である。
6,320およびオリフィス部材236において、円筒
状部としての筒金具24や外筒金具212の貫通孔47
や開口窓266が位置する径方向両側に一対の大径突部
120,120,310,310及び380,380が
形成されていたが、かかる大径突部120,310,3
80を、仕切部材46やオリフィス部材236における
径方向の一方の側だけに突設してもよい。
ンジンマウント208においても、第一の実施形態に係
るエンジンマウント10と同様、オリフィス部材236
に大径突部310を設けることに加えて、或いはオリフ
ィス部材236に大径突部310を設ける代わりに、図
9や図10,図11に示された構成に従い、小径突部1
22を備えたシールゴム層256や小径突部124を備
えた外筒金具212を採用することも可能である。
部の他、円筒状部やシールゴム層における小径突部は、
それら各部材に一体形成される必要はなく、他部材を固
着することなどによって形成することも可能である。
車用エンジンマウントに適用したものの具体例を示した
が、その他、本発明は、自動車用デフマウントやボデー
マウント等、或いは、自動車用以外の各種防振装置等に
対しても、同様に適用可能であることは、勿論である。
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもない。
に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、第
二の取付部材の円筒状部に形成された貫通孔による流体
密性の低下が、簡単な構造をもって効果的に防止される
のであり、それによって、封入流体のシール性が極めて
有利に且つ安定して確保され得て、目的とする防振効果
が優れた耐久性をもって有利に発揮されるのである。
貫通孔が第二の取付部材の円筒状部に形成された場合で
も、オリフィス部材或いは仕切部材を円筒状部に圧入す
るだけの簡単な組付作業によって、該貫通孔における流
体密性を有利に且つ容易に確保することが可能となるの
である。
ジンマウントを示す縦断面図であって、図2におけるI
−I断面に相当する図である。
あって、図4におけるII−II断面に相当する図である。
体加硫成形品を示す縦断面図である。
切部材を示す平面図である。
され得る筒金具の別の具体例を示す、図6に対応した横
断面図である。
用され得る筒金具の更に別の具体例を示す、図6に対応
した横断面図である。
用され得る筒金具の更に別の具体例を示す、図6に対応
した横断面図である。
円筒型エンジンマウントを示す横断面図である。
図である。
れているオリフィス部材を取り出して示す横断面図であ
る。
れている外筒金具及びシールゴム層を取り出して示す横
断面図である。
ンジンマウントを示す縦断面図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 第一の取付部材を、円筒状部を備えた第
二の取付部材に対して離間配置せしめて、それら第一の
取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結する
と共に、非圧縮性流体が封入されて該第一の取付部材と
該第二の取付部材の間への振動入力時に相対的な圧力差
が生ぜしめられる複数の流体室を形成する一方、前記第
二の取付部材の円筒状部にオリフィス部材を内挿配置せ
しめて、該オリフィス部材の外周面を全周にわたって該
円筒状部の内周面に密接固定し、該オリフィス部材によ
って前記複数の流体室を相互に連通するオリフィス通路
を形成すると共に、該オリフィス通路による防振特性を
外部から制御するための制御用孔を該オリフィス部材に
設けて、前記第二の取付部材の円筒状部に設けた貫通孔
を通じて、該制御用孔を外部に開口せしめた流体封入式
防振装置において、 前記オリフィス部材と前記第二の取付部材の円筒状部と
の間にシールゴム層を配して、それらオリフィス部材の
外周面と円筒状部の内周面を該シールゴム層を挟んで全
周に亘って密接せしめると共に、それらオリフィス部材
と円筒状部の間で該シールゴム層に及ぼされる圧縮率を
周方向において変化させて、前記挿通孔が位置する径方
向で圧縮率を最も大きくしたことを特徴とする流体封入
式防振装置。 - 【請求項2】 前記シールゴム層を、前記第二の取付部
材における円筒状部の内周面に接着形成した請求項1に
記載の流体封入式防振装置。 - 【請求項3】 前記オリフィス部材の外周面において、
前記円筒状部の貫通孔を通る径方向で少なくとも一方の
側に向かって外方に突出する大径突部を形成した請求項
1又は2に記載の流体封入式防振装置。 - 【請求項4】 前記円筒状部の内周面に前記シールゴム
層を接着形成すると共に、該シールゴム層の内周面にお
いて、該円筒状部の貫通孔を通る径方向で対向位置する
両側部分の少なくとも一方の側で径方向内方に突出する
小径突部を形成した請求項1乃至3の何れかに記載の流
体封入式防振装置。 - 【請求項5】 前記オリフィス部材と前記円筒状部の間
で前記シールゴム層に及ぼされる圧縮率を、前記挿通孔
が位置する径方向両側部分での最大値が35%〜65%
となり、且つそれに直交する径方向両側部分での最小値
が4%〜10%となるように設定した請求項1乃至4の
何れかに記載の流体封入式防振装置。 - 【請求項6】 前記オリフィス通路を開閉するバルブ手
段を前記オリフィス部材に組み込むと共に、該バルブ手
段の駆動軸を、該オリフィス部材の前記制御用孔と前記
円筒状部の前記貫通孔を通じて配設した請求項1乃至5
の何れかに記載の流体封入式防振装置。 - 【請求項7】 前記本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成
された受圧室と、壁部の一部が変形可能な弾性膜で構成
されて前記オリフィス部材の内部に設けられた副液室を
含んで、前記複数の流体室を構成すると共に、それら受
圧室と副液室を相互に連通する第一のオリフィス通路を
含んで前記オリフィス通路を構成する一方、該弾性膜を
挟んで該副液室と反対側に作用空気室を形成すると共
に、前記オリフィス部材の制御用孔によって、該作用空
気室の空気圧を制御するためのエア通路を構成した請求
項1乃至6の何れかに記載の流体封入式防振装置。 - 【請求項8】 前記第一の取付部材を、前記第二の取付
部材における円筒状部の軸方向一方の開口部側に対向配
置せしめて、該第一の取付部材と該円筒状部とを前記本
体ゴム弾性体で弾性的に連結することにより、該円筒状
部の軸方向一方の開口部側を流体密に閉塞すると共に、
該円筒状部の軸方向他方の開口部側を、少なくとも一部
が可撓性膜で構成された蓋部材によって流体密に閉塞す
る一方、前記オリフィス部材を略円形ブロック形状とし
て、かかる円筒状部に内挿配置せしめた該オリフィス部
材を挟んだ軸方向両側に、壁部の一部が前記本体ゴム弾
性体で構成されて振動入力時に内圧変動が生ぜしめられ
る受圧室と、壁部の一部が前記可撓性膜で構成されて容
積可変とされた平衡室を形成し、それら受圧室と平衡室
を含んで前記複数の流体室を構成すると共に、該オリフ
ィス部材によってそれら受圧室と平衡室を相互に連通す
る第二のオリフィス通路を形成し、該第二のオリフィス
通路を含んで前記オリフィス通路を構成した請求項1乃
至7の何れかに記載の流体封入式防振装置。 - 【請求項9】 前記第一の取付部材を略ロッド形状とす
ると共に、前記第二の取付部材の全体を前記円筒状部に
よって構成せしめて、該第一の取付部材の軸直角方向外
方に離間して該第二の取付部材を配設すると共に、それ
ら第一の取付部材と第二の取付部材の軸直角方向対向面
に前記本体ゴム弾性体を介在せしめる一方、それら第一
の取付部材と第二の取付部材の軸直角方向対向面間に前
記複数の流体室を形成すると共に、前記オリフィス部材
を略円筒形状として、該第二の取付部材に内挿配置せし
めた該オリフィス部材により、該第二の取付部材の内周
面に沿って周方向に延びるようにして前記オリフィス通
路を形成した請求項1乃至6の何れかに記載の流体封入
式防振装置。 - 【請求項10】 請求項1乃至9の何れかに記載の流体
封入式防振装置を製造するに際して、 前記第二の取付部材における前記円筒状部の内周面に前
記シールゴム層を接着形成せしめた後、前記オリフィス
部材を、該円筒状部に対して軸方向に圧入固定すること
を特徴とする流体封入式防振装置の製造方法。
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|---|---|---|---|
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| JP11-145959 | 1999-05-26 | ||
| JP28948899A JP3731412B2 (ja) | 1999-05-26 | 1999-10-12 | 流体封入式防振装置およびその製造方法 |
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| JP28948899A Expired - Fee Related JP3731412B2 (ja) | 1999-05-26 | 1999-10-12 | 流体封入式防振装置およびその製造方法 |
Country Status (1)
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|---|---|
| JP (1) | JP3731412B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009085405A (ja) * | 2007-10-02 | 2009-04-23 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 液封入式防振装置 |
| JP2009168102A (ja) * | 2008-01-15 | 2009-07-30 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 液封入式防振装置 |
-
1999
- 1999-10-12 JP JP28948899A patent/JP3731412B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009085405A (ja) * | 2007-10-02 | 2009-04-23 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 液封入式防振装置 |
| JP2009168102A (ja) * | 2008-01-15 | 2009-07-30 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 液封入式防振装置 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3731412B2 (ja) | 2006-01-05 |
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