JP2000333409A - 誘導電動機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転子を内部から強制冷却できる誘導電動機
を提供することを目的とする。 【解決手段】 回転子４の軸方向の一方側に通風貫通穴
の出口を囲む端板１２を設けることにより、空気が回転
子鉄心５の通風貫通穴を通って端板１２に沿って羽根７
から出る通風路を形成し、回転子４の内部を強制的に冷
却できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、動力用の誘導電動
機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の誘導電動機について説明する。

【０００３】図７において、１は誘導電動機の軸、２は
軸１に圧入された玉軸受、３は玉軸受２を保持するブラ
ケット、４は軸１に固定された回転子で、回転子鉄心５
と導体６と鋳出し羽根７よりなる。８はフレーム９の内
側に配し、かつ、回転子４に対向する位置に設けられた
固定子で、固定子鉄心１０と、固定子鉄心１０の溝に挿
入される巻線１１よりなる。

【０００４】次に、動作について説明する。まず、巻線
１１に電源を投じ電流が流れて、固定子８と回転子４の
間のギャップに磁界が発生する。励磁された磁界によっ
て回転子４の導体６に誘起される電流により電磁力が発
生し、軸１に回転力を与える。巻線１１と導体６は電流
が流れることにより、抵抗損失などの損失分、発熱す
る。発熱の冷却は通風により行われ、空気をブラケット
３の風穴から誘導電動機内に吸い込み、回転子４の鋳出
し羽根７により巻線１１を通りフレーム９の風穴より吐
出す。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、回転子は外表面から冷却されるだけで、
回転子の冷却が不充分なため、温度上昇が高くなった
り、二次抵抗が高くなり損失の増加による効率低下やト
ルク低下などを引き起こすという問題点を有していた。

【０００６】また、回転子鉄心に軸方向の貫通穴を設け
ても、上記従来の構成では、回転中、貫通穴には空気が
流れることなく、回転子の冷却にほとんど寄与していな
かった。

【０００７】本発明はこのような従来の課題を解決する
ものであり、回転子を内部から強制冷却できる誘導電動
機を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、通風吸込み風穴を有するブラケットと、通
風吐出し風穴を有するフレームと、鉄心に複数個の軸方
向の通風貫通穴を有する回転子と、回転子に設けた羽根
と、回転子の軸方向の一方側に通風貫通穴の出口を囲む
端板を備えたものである。

【０００９】このように端板と回転子の鋳出し羽根によ
って、回転子鉄心の通風貫通穴に強制的に空気が流れる
ようになり、回転子を内部から強制的に冷却ができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】上記の課題を解決するために本発
明は、通風吸込み風穴を有するブラケットと、通風吐出
し風穴を有するフレームと、鉄心に複数個の軸方向の通
風貫通穴を有する回転子と、回転子に設けた羽根と、回
転子の軸方向の一方側に通風貫通穴の出口を囲む端板を
備えた誘導電動機である。

【００１１】また、回転子鉄心の通風貫通穴の入口側で
径方向外側に筒状の吸込みガイドを設けたものである。

【００１２】このように、回転子の軸方向の一方側に通
風貫通穴の出口を囲む端板を設けたものでは、端板と回
転子の鋳出し羽根によって、回転子鉄心の通風貫通穴に
強制的に空気が流れるようになり、回転子が内部から強
制冷却されることとなる。

【００１３】また、回転子鉄心の通風貫通穴の入口側で
径方向外側に筒状の吸込みガイドを設けたものでは、空
気の流れがよりスムーズになり、回転子をより冷却でき
る。

【００１４】

【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照して
説明する。

【００１５】（実施例１）図１において、従来と同じ構
成の部分については従来例と同じ符号を付しており、説
明を省略する。

【００１６】従来例との差異は、回転子鉄心５に複数個
の軸方向の通風貫通穴を設けたことと、回転子４の軸方
向の一方側に通風貫通穴の出口を囲む端板１２を設けた
ことである。

【００１７】上記の構成により、回転中、空気が回転子
鉄心５の通風貫通穴出口から端板１２に沿って鋳出し羽
根７より吸い出されるようになり、回転子鉄心５の通風
貫通穴を通る通風路が形成される。回転子４の放熱性が
向上することで、二次抵抗上昇を抑えることができ損失
が減少し、高効率の誘導電動機を実現することができ
る。

【００１８】なお、実施例１では端板１２を平板状のも
のとしたが、他の形態として、よりスムーズに通風させ
るため図２のように曲面状やテーパ状の端板１２ａとし
てもよい。また、実施例１では端板１２を軸１に取付け
たが、回転子４の鋳出し羽根７に取付けてもよく、鋳出
し羽根７と一体成形してもよい。また、図３の端板１２
ｂのように内側は軸１に接していなくてもよい。

【００１９】さらに、実施例１では端板１２を回転子４
の鋳出し羽根７の端面に接するまたは近接するようにし
たが、図４の端板１２ｃのように鋳出し羽根７のどの位
置でもよい。

【００２０】（実施例２）図５は、回転子鉄心５の通風
貫通穴の入口側で径方向外側に筒状の吸込みガイド１３
を設けたものを実施例１に組合せたものである。

【００２１】この実施例２では、回転子鉄心５の通風貫
通穴の入口側で空気の流れがよりスムーズになり、回転
子４の内部がさらに強制冷却される。

【００２２】また、図６のように、エアガイド１４を設
けて、回転子４の内部と、巻線１１の通風路を分けるこ
とで、さらなる冷却性向上を図ることができる。

【００２３】なお、筒状の吸込みガイド１３は、別部品
として回転子４または軸１に取付けてもよく、回転子４
の鋳出し羽根７と一体成形してもよい。

【００２４】

【発明の効果】上記実施例から明らかなように請求項１
記載の発明によれば、回転子の軸方向の一方側に通風貫
通穴の出口を囲む端板を設けることにより、回転子鉄心
の通風貫通穴に強制的に通風させることで回転子の冷却
性を向上することができる。

【００２５】したがって、損失の少ない高効率で小型の
誘導電動機を安価に提供することができる。

【００２６】また、請求項２記載の発明のように回転子
鉄心の通風貫通穴の入口側で径方向外側に筒状の吸込み
ガイドを設けることで、さらに、回転子鉄心の通風貫通
穴に強制的に通風させることで回転子の冷却性を向上す
ることができる。

【００２７】したがって、さらに損失の少ない高効率で
小型の誘導電動機を安価に提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１の誘導電動機の半断面図

【図２】本発明の実施例１の他の形態を示す誘導電動機
の要部半断面図

【図３】本発明の実施例１の他の形態を示す誘導電動機
の要部半断面図

【図４】本発明の実施例１の他の形態を示す誘導電動機
の要部半断面図

【図５】本発明の実施例２の誘導電動機の半断面図

【図６】本発明の実施例２の他の形態を示す誘導電動機
の要部半断面図

【図７】従来の誘導電動機の半断面図

【符号の説明】

３ ブラケット ４ 回転子 ５ 回転子鉄心 ７ 鋳出し羽根 ９ フレーム １２，１２ａ，１２ｂ，１２ｃ 端板 １３ 吸込みガイド

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 通風吸込み風穴を有するブラケットと、
   通風吐出し風穴を有するフレームと、鉄心に複数個の軸
   方向の通風貫通穴を有する回転子と、回転子に設けた羽
   根と、回転子の軸方向の一方側に通風貫通穴の出口を囲
   む端板を備えた誘導電動機。
2. 【請求項２】 回転子鉄心の通風貫通穴の入口側で径方
   向外側に筒状の吸込みガイドを備えた請求項１記載の誘
   導電動機。