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JP2000319484A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

Info

Publication number
JP2000319484A
JP2000319484A JP11125892A JP12589299A JP2000319484A JP 2000319484 A JP2000319484 A JP 2000319484A JP 11125892 A JP11125892 A JP 11125892A JP 12589299 A JP12589299 A JP 12589299A JP 2000319484 A JP2000319484 A JP 2000319484A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogenated
polymer
block
weight
mol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11125892A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Ikematsu
武司 池松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP11125892A priority Critical patent/JP2000319484A/ja
Publication of JP2000319484A publication Critical patent/JP2000319484A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スチレン系TPEの加硫ゴム代替可能な
優れたゴム的性質、即ち低硬度、高強度、常温で低圧縮
歪みであるとの特長を保持したまま、用途により欠点と
なる耐熱変形性、耐候性をさらに改良した熱可塑性エラ
ストマー組成物の提供。 【解決手段】 (a)121℃で測定したムーニー粘度が10〜100の範囲にある軟質オレ フィン系重合体 98〜1重量% と (b)重合体連鎖中に少なくともA−B−Aの一般式で示されるトリブロック 連鎖を含むブロック共重合体 2〜99重量% を重合体成分として含み、重合体成分中のAブロックの
含率が1〜60重量%の範囲である熱可塑性エラストマ
ー組成物(式中、Aは水素添加されたビニル芳香族炭化
水素を主体とし、数平均分子量5千〜20万の範囲の重
合体ブロックであり、Bは水素添加された共役ジエン化
合物を主体とし、数平均分子量が2万〜50万の範囲の
重合体ブロックである。ブロック共重合体の全オレフィ
ン性不飽和結合の90モル%以上および芳香族環の80
モル%以上は水素添加されてており、共役ジエン化合物
およびその水素添加物の含率は10〜95重量%の範囲
である。)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性エラストマ
ー組成物に関する。詳しくは加硫ゴムライクな柔軟性を
有し、プラスチック加工に用いられる射出成形、押し出
し成形およびブロー成形が可能な熱可塑性エラストマー
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性エラストマー(以下TPEと略
す)は加硫工程が不要であって、通常の熱可塑性樹脂の
成形機で加工可能である。その特長を生かして自動車、
家電、工業部品、医療用基材、食品ラップフィルムをは
じめとする幅広い分野で、現在用いられている。TPE
の中でも、特に加硫ゴム代替分野において必要とされる
優れた柔軟性とゴム弾性を有する材料として、軟質塩ビ
とスチレン系TPEとを挙げることができる。
【0003】しかしながら、低硬度でゴム的性能を示す
材料としての軟質塩ビは、通常多量の可塑剤を含む。軟
質塩ビは安価で優れた物理的性能を有し、幅広く用いら
れているものの、可塑剤が揮発したり、溶出したりする
問題点、また耐熱性および耐寒性にも劣るとの問題点を
有している。さらには、近年その焼却時の塩素化合物発
生による環境への影響が指摘されるようになった。
【0004】またスチレン系TPEにはスチレン−共役
ジエン−スチレントリブロック共重合体(以下SBSと
略す)とブロック共重合体の共役ジエンセグメントを水
素添加して得られたスチレン−エチレン・ブチレン−ス
チレンブロック共重合体(以下SEBSと略す)とが知
られている。
【0005】これらのスチレン系TPEはブロック共重
合体のソフト/ハードセグメントの比率を変えることに
より硬度を変えることができ、しかもオイルやポリスチ
レンを混合することによって硬さの幅をさらに広げるこ
ともできる。一般にスチレン系TPEは他のTPEに比
べて低硬度で高強度、常温で低圧縮永久歪み等の加硫ゴ
ムライクの優れた柔軟性を有する等の特長がある。特に
SEBSは耐候性にも優れることから自動車、家電、工
業部品分野を中心に加硫ゴム代替分野に用いられてい
る。
【0006】これらのスチレン系TPEは上記の優れた
特性を有し、加硫ゴム代替可能なゴム的性質を有するT
PEとして広く用いられている。しかし、ブロック共重
合体のハードセグメントがポリスチレンであるため、耐
熱変形性が劣るとの本質的欠点は残る。SEBSはSB
Sに較べて耐熱老化性、耐候性、耐摩耗性等が改良され
ているものの、用途によっては耐熱変形性、耐候性のさ
らなる改良が求められている。
【0007】これを改善する方策として、スチレン系T
PEの共役ジエンセグメントのオレフィン結合と共にス
チレンセグメントの芳香環を水添(以下環水添と略す)
したゴム材料も、技術的には公知である。この場合、ハ
ードセグメントがポリスチレンから環水添されたポリス
チレン、即ちポリビニルシクロヘキサン構造となる。ポ
リビニルシクロヘキサンはポリスチレンよりも40℃程
度高いガラス転位温度を示す。それ故、環水添されたス
チレン系エラストマーは耐熱変形性の向上が期待され
る。
【0008】例えば、アメリカ特許3,333,024
号はブロックポリマー、その組成物およびそれらの製造
方法に関するものである。具体的にはスチレン−イソプ
レン−スチレントリブロック共重合体の芳香環を含めた
水素添加により得られる重合体を開示している。この中
で20重量%程度の低い結合スチレン量の環水添ブロッ
ク共重合体がゴム状性能を示すことが報告されている。
【0009】さらには、特公昭53−11556号はビ
ニル芳香族炭化水素−共役ジエンブロック共重合体の環
水添加物の製造方法に関するものである。明細書中の記
載によれば、得られたビニルシクロヘキサン系重合体の
性質は含まれるビニルシクロヘキサン含量によって異な
る。ビニルシクロヘキサン含量の高い共重合体は、硬質
で光学的に透明なプラスチックであって、射出成形部
品、押し出しフィルム、パイプ、繊維および類似物を作
るのに有用である。また、ビニルシクロヘキサン含量の
低い共重合体は、ゴム状で針金被覆、包装材料、フィル
ム、繊維、押出し製品および成型製品等の如き用途に有
用であることが開示されている。
【0010】また、特開平05−271482号はポリ
ビニルシクロヘキサン系樹脂と、ポリプロピレン等の結
晶性ポリオレフィンとの樹脂組成物に関するものであ
る。耐熱性、剛性、硬度に優れ、かつ成形収縮性の小さ
なポリオレフィン樹脂組成物を提案している。しかし、
このものは樹脂材料に関する技術であり、本発明の目的
とするゴム材料とは技術分野が異なる。また、得られた
樹脂材料は一般に不透明なものとなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上の如く、環水添S
BSは物質としては公知であるもののゴム材料としての
具体的性能は、従来は必ずしも明らかではなかった。本
発明者はゴム材料としての環水添SBSについて種々検
討した結果、特定構造の環水添SBSが高強度で、高い
耐熱変形温度を示すことを見出した。しかし、この種の
高強度、高耐熱性のエラストマーは一般に硬度が高くな
り、用途によっては欠点となるものであった。
【0012】一般的な考え方として、低硬度化はブロッ
ク共重合体のハードセグメント、即ち環水添スチレンの
含率を下げることで達成できる。しかし、この様な方法
では、その特長である耐熱性や強度の低下を来すとの問
題点があることが判明した。
【0013】こうした状況の下に、本発明は、低硬度
で、かつ高強度であるというスチレン系エラストマーの
優れた特徴を保持するとともに、その欠点である耐熱変
形性を向上させた熱可塑性エラストマー組成物を提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、特定の軟質オレフィン系重合体と、ビニル芳香族
炭化水素−共役ジエン−ビニル芳香族炭化水素のトリブ
ロック連鎖を含むブロックポリマーの環水添物とのエラ
ストマー組成物が、上記の課題を解決するものであるこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0015】即ち、本発明は、 (a)121℃で測定したムーニー粘度が10〜100の範囲にある軟質オレ フィン系重合体 98〜1重量% と (b)重合体連鎖中に少なくともA−B−Aの一般式で示されるトリブロック 連鎖を含むブロック共重合体 2〜99重量% を重合体成分として含み、重合体成分中のAブロックの
含率が1〜60重量%の範囲である熱可塑性エラストマ
ー組成物(式中、Aは水素添加されたビニル芳香族炭化
水素を主体とし、数平均分子量5,000〜200,0
00の範囲の重合体ブロックであり、各Aは同一構造で
も、異なった構造であっても構わない。Bは水素添加さ
れた共役ジエン化合物を主体とし、数平均分子量が2
0,000〜500,0000の範囲の重合体ブロック
である。ブロック共重合体の全オレフィン性不飽和結合
の90モル%以上および芳香族環の80モル%以上は水
素添加されてており、共役ジエン化合物およびその水素
添加物の含率は10〜95重量%の範囲である。)。
【0016】本発明のエラストマー組成物で用いられる
(a)成分は軟質オレフィン重合体である。具体的には
非晶性および低結晶性のゴム状オレフィン重合体であ
り、好ましくは軟質ポリエチレンおよびエチレンとα−
オレフィンとのランダム共重合ゴムである。
【0017】α−オレフィンの好ましい例としては、プ
ロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、
1−オクテン等の炭素数3〜12の範囲のα−オレフィ
ンを挙げることができる。より具体的にはエチレン−プ
ロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン−オクテン共
重合ゴム等が挙げられる。また、これらの単量体以外の
単量体、例えばノルボルナジエン等を含む重合体エチレ
ン−プロピレン共重合ゴム(EPDM)等も好ましく利
用できる。
【0018】これら軟質オレフィン系重合体の分子量は
粘度で示して、121℃で測定したムーニー粘度が10
〜100の範囲であり、好ましくは15〜70の範囲で
あり、特に好ましくは20〜50の範囲である。この粘
度範囲以外では成型、加工性が低下して好ましくない。
【0019】また、軟質とは、その硬度はJIS K6
253準拠、デュロメーター Aタイプで測定して80
以下である。好ましい硬度は10〜70、更に好ましく
は20〜60の範囲である。この範囲より硬度が高い
と、本発明の目的である熱可塑性組成物の硬度低下の効
果を達成できない。
【0020】オレフィン系重合体は非結晶性であること
が好ましいが、若干の結晶性を残す重合体であっても構
わない。この場合のオレフィン系重合体における結晶部
分の割合は好ましくは10重量%以下、さらに好ましく
は5%重量以下、特に好ましくは2重量%以下である。
結晶部分の割合は示差熱分析計(DSC)により測定で
きる。
【0021】本発明のエラストマー組成物で用いられる
(b)成分は重合体連鎖中に少なくともA−B−Aの一
般式で示されるトリブロック連鎖を含むブロック共重合
体である。さらに具体的なブロック構造として下記式
(1)〜(5)の一般式で示される。
【0022】
【化1】(A−B)n−A (1)
【0023】
【化2】(A−B)m (2)
【0024】
【化3】B−(A−B)m−B (3)
【0025】
【化4】{(A−B)n}m−X (4)
【0026】
【化5】{B−(A−B)n}m−X (5) (式中、Aは環水添されたビニル芳香族炭化水素を主体
とし、数平均分子量5,000〜200,000の範囲
の重合体ブロックであり、各Aは同一構造でも、異なっ
た構造であっても構わない。各Bは水素添加された共役
ジエン化合物を主体とする重合体ブロックである。本発
明の趣旨からしてB−X−Bのブロック連鎖構造は、他
の重合体ブロックで分割されている訳ではなく、本願の
ブロック分子量規定においては1つのBブロックに対応
すると考える。即ち、Bブロックおよび特にB−X−B
ブロック連鎖の数平均分子量は20,000〜500,
0000の範囲であり、各Bは同一構造でも、異なった
構造であっても構わない。Xは多官能性のカップリング
剤である。nは1以上、mは2以上の整数で表される。
ブロック共重合体の全オレフィン性不飽和結合の90モ
ル%以上および芳香族環の80モル%以上は水素添加さ
れており、共役ジエン化合物およびその水素添加物の含
率は10〜95重量%の範囲でなければならない。) また、本願エラストマー組成物の(b)成分のトリブロ
ック連鎖を含むブロック共重合体は、上記ブロック構造
規定に該当しない不完全なブロック、例えばAの単独重
合体、Bの単独重合体、あるいはA−Bジブロック共重
合体等を一部含んでいても構わない。この場合でもトリ
ブロック連鎖を含むブロック共重合体が少なくとも50
重量%、好ましくは70重量%以上、更に好ましくは9
0重量%以上含まれていれば、本願が目的とする効果、
即ち耐衝撃性等の強度特性の改良効果が十分に発現す
る。
【0027】これらのブロック共重合体はリビングアニ
オン重合法により、ビニル芳香族炭化水素系単量体と共
役ジエン系単量体とを順次ブロック共重合した後、水素
添加反応により、芳香環を含む不飽和結合を実質的に完
全飽和することによって得られる。
【0028】Aは環水添されたビニル芳香族炭化水素を
主体とする重合体ブロックである。ビニル芳香族炭化水
素系単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチ
レン、4−メチルスチレン、2−メチルスチレン、p−
tertブチルスチレン、4−フェニルスチレン、p−
メトキシスチレン、ビニルナフタレン等の1種または2
種以上が挙げられる。特に代表的なものとしてスチレン
が挙げられる。また、上記ビニル芳香族炭化水素と共重
合可能な他のモノマーを、ビニル芳香族炭化水素重合ブ
ロックの特性が失われない範囲で含んでも構わない。
【0029】Bは水素添加されら共役ジエン化合物を主
体とする重合体ブロックである。共役ジエン単量体とし
ては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメ
チル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、
1,3−ヘキサジエン等の1種または2種以上が挙げら
れる。特に、1,3−ブタジエン、イソプレンが一般的
である。また、少量のビニル芳香族炭化水素、またはそ
の他の共役ジエン化合物と共重合可能な他のモノマー
を、共役ジエン重合ブロックの特性が失われない範囲で
含んでも構わない。
【0030】また、A、B各ブロックは完全ブロックで
あることが好ましいが、各A、Bブロックの境界がラン
ダムな共重合となり、しかもその組成が漸次変化するテ
ーパー構造と成っていても構わない。
【0031】これら単量体を、いわゆるリビングアニオ
ン重合法と呼ばれる公知の方法で重合する。例えば、特
公昭36−19286号、特公昭43−14979号、
特公昭49−36957号等に記載された方法を挙げる
ことができる。具体的には、例えば有機リチウム化合物
を開始剤とし、塊状あるいは炭化水素溶媒中での溶液重
合として実施できる。特にヘキサン、ペンタン、シクロ
ヘキサンの様な炭化水素溶媒中で、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン等のエーテル化合物、トリエチルア
ミン、テトラメチルエチレンジアミン等の第3アミン化
合物を必要により混合し、共役ジエン化合物の結合様式
を制御し、重合することにより容易に得ることができ
る。また、必要により重合完了後、末端カップリング剤
としてハロゲン化炭化水素、エステル化合物、エポキシ
化合物、四塩化珪素等、公知の多官能性カップリング剤
を用いて分岐化あるいは放射状の構造を有するブロック
共重合体を得ることができる。
【0032】得られたブロック共重合体は重合後水素添
加反応することにより、全オレフィン性不飽和結合は9
0モル%以上水素添加されていることが必要である。好
ましくは95モル%以上、さらに好ましくは97%以上
である。また、芳香族環は80モル%以上水素添加され
ている必要がある。好ましくは90モル%以上、さらに
好ましくは95モル%以上である。水素添加率が低い
と、熱可塑性エラストマー組成物の耐熱変形性や耐候性
の低下を引き起こして好ましくない。
【0033】その水素添加反応は、そのブロック共重合
体の芳香族環の水素添加能力を有する水添触媒の共存下
に、水素添加して得ることができる。使用される水素添
加触媒は特に限定するものではない。例えばニッケル、
コバルト、ルテニウム、ロジウム、白金、パラジウム等
の金属、またはその酸化物、塩、錯体およびこれらの活
性炭、珪藻土、アルミナ、シリカ等に担持したもの等が
挙げられる。これらの中でも特にラネーニッケル、ラネ
ーコバルト、安定化ニッケルおよびロジウム、ルテニウ
ム、白金のカーボン、アルミナ、シリカ担持触媒が、触
媒活性の点で好ましい。
【0034】水素添加反応は、一般に常圧〜250kg
/cm2、50〜200℃の温度にて、溶媒としてシク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−オクタン、デ
カリン、テトラリン、ナフサ等の飽和炭化水素系溶媒、
あるいはTHF等のエーテル系溶媒を用いて行う。ま
た、炭化水素溶媒中で水素添加反応を行う場合、アルコ
ールやエーテル化合物を少量添加して反応性を高めるこ
とができる。そのような目的に使用されるアルコールや
エーテルの添加量は溶媒100重量部に対して、0.5
〜5重量部、好ましくは1〜3重量部である。
【0035】この様なブロック共重合体のAブロックで
ある水素添加されたビニル芳香族炭化水素を主体とする
ブロックの、ブロック共重合体における含率は、5〜9
0重量%、好ましい含有量は5〜70重量%である。さ
らに好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは15
〜40重量%の範囲である。Aブロックの含有量が高す
ぎる場合、熱可塑性エラストマー組成物の硬度が高くな
り、柔軟性が低下して好ましくない。また、Aブロック
の含有量が余りに低すぎる場合、エラストマー組成物の
高温での圧縮永久歪で示される耐熱性や強度特性が低下
して好ましくない。
【0036】また、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物の重合体成分中のAブロックである水素添加されたビ
ニル芳香族炭化水素を主体とするブロックの含有量は1
〜60重量%の範囲である。より好ましくは2〜50重
量%、さらに好ましくは5〜40重量%、特に好ましく
は10〜30重量%の範囲である。エラストマー組成物
中のAブロックの含有量が低すぎる場合は、エラストマ
ー組成物は耐熱性や強度特性が低下して好ましくない。
逆に、Aブロックの含有量が高すぎる場合は硬度が高く
なり、柔軟性が低下して、本発明の目的にとって好まし
くない。
【0037】水素添加共役ジエン重合体ブロック、即ち
BブロックおよびB−X−Bブロック連鎖の数平均分子
量は20,000〜500,000の範囲、好ましくは
40,000〜300,000の範囲、特に好ましくは
80,00〜200,000の範囲である。水素添加共
役ジエン重合体ブロックの重量平均分子量が低くすぎる
場合、(a)成分のオレフィン重合体との混和性が低下
し、ひいてはエラストマー組成物の透明性や強度、破断
伸びが低下して好ましくない。
【0038】環水添ビニル芳香族炭化水素重合体ブロッ
ク、即ちAブロックの数平均分子量は5,000〜20
0,000、好ましくは10,000〜100,00
0、特に好ましくは14,000〜50,000の範囲
である。環水添ビニル芳香族炭化水素ブロックの分子量
が低いと耐熱性や強度特性が低下して好ましくない。分
子量が余りに高い場合、エラストマー組成物の硬度が高
くなり、柔軟性が低下して好ましくない。
【0039】共役ジエンセグメントの結合様式は特に限
定しない。しかしながら、水素添加後これらのセグメン
トから成る重合体ブロックはゴムライクな性質を示すこ
とが、本発明の目的にとって好ましい。即ち、常温で結
晶化やガラス化しないことが好ましい。そのため、共役
ジエンが1,3−ブタジエンである場合、その1,2−
結合含率は10モル%〜90モル%、さらに好ましくは
20モル%〜60モル%、さらに好ましくは30モル%
〜50モル%の範囲である。1,2−結合連鎖がこれよ
り低いと、著しい結晶性が現れ、耐衝撃性の改良効果が
低減して好ましくない。
【0040】また、共役ジエンがイソプレンである場
合、その結合様式は1,4−結合含率が好ましくは50
%以上、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは
90%以上である。1,4−結合含率が低いとエラスト
マー組成物の低温特性、特に低温下のゴム弾性が低下し
て好ましくない。
【0041】本発明のビニル化環状炭化水素系エラスト
マー組成物は(a)ビニル化環状炭化水素樹脂98〜1
重量%および(b)重合体連鎖中に少なくともA−B−
Aの一般式で示されるトリブロック連鎖を含むブロック
共重合体2〜99重量%から成る。好ましい(a)成分
の組成は90〜10重量%、さらに好ましくは70〜2
0重量%であり、残余の重合体成分は(b)成分であ
る。
【0042】(b)成分のブロック共重合体の含量が高
いと硬度が高くなり、柔軟性が低下する。またブロック
共重合体の含量が低いと耐熱性や強度特性が低下する。
【0043】上述の重合体成分の混合方法に関しては特
に限定するものではない。通常は上述の重合体成分
(a)成分のオレフィン系重合体と(b)成分のブロッ
ク共重合体とを押出機、プラストミル、バンバリーミキ
サー等の混練機により溶融混合する方法を用いることが
できる。また、溶液にして混合することは組成物の均一
化の点でさらに好ましい。
【0044】本発明のエラストマー組成物においては、
本発明に規定しない他の重合体を、本発明の目的とする
効果が失われない範囲で含んでいても構わない。また、
公知のエラストマー添加物を本発明の目的とする効果が
失われない範囲で含んでいても構わない。例えば、無機
あるいは有機フィラー、顔料、染料、安定剤、紫外線吸
収剤、可塑剤、難燃剤、滑剤等を添加して、公知の作用
効果を達成することは当然できる。これらのエラストマ
ー添加剤の本発明のエラストマー組成物への混合時期、
方法は特に限定されるものではない。エラストマー組成
物成分の混合時に、あるいは成形加工時に混合すること
もできる。
【0045】安定剤の例としては、ヒンダードフェノー
ル系安定剤、イオウ系安定剤、リン系安定剤等が挙げら
れる。ヒンダードフェノール系安定剤とリン系安定剤の
併用が耐熱劣化性の向上の観点から特に好ましい。
【0046】本発明で使用できるヒンダードフェノール
系安定剤の具体例としては、テトラキス[メチレン−3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネートメタン、3,9−ビス[1,1,−
ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチ
ル]2,4,8,10−テトラオキサスプロ[5,5]
ウンデカン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル−s−トリアジン−2,
4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5
−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙げら
れる。
【0047】また、リン系安定剤の具体例としては、テ
トラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,
4’−ビスフェニレンホスフォナイト、ビス(2,6−
ジ−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトー
ル−ジ−ホスファイト等が挙げられる。
【0048】安定剤の好適な使用量は重合体100重量
部当たり、各0.001〜1重量部である。また、無安
定剤でも、本発明のエラストマー組成物はそれなりの安
定性は有しており、用途により無安定剤が好ましい場合
もある。
【0049】
【発明の実施の形態】以下に実施例および比較例を挙げ
て本発明を具体的に説明するが、本発明がこれらの実施
例に何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例
および比較例における各種重合体構造は、次の方法によ
り測定したものである。
【0050】(1)分子量測定:ブロック共重合体の分
子量はゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー
(GPC)を用い、THFを溶媒として測定した。
【0051】(2)ブロック共重合体の結合単量体組成
比の解析:水素添加前のブロック共重合体のプロトンN
MRから解析した。または補助的に重合時の仕込みモノ
マー組成とその添加率から算出、確認することもでき
る。
【0052】(3)重合体ブロックの数平均分子量解析 ランダム共重合部分を含まない完全ブロック共重合体に
おいては、各ブロックを構成する結合単量体組成比とブ
ロック共重合体全体の分子量から算出した。
【0053】(4)水素添加率の測定:プロトンNMR
スペクトルに基づき解析した。
【0054】重合体製造例−1:窒素雰囲気下、少量の
THFを含むシクロヘキサンを溶媒とし、n−ブチルリ
チウムを重合開始剤として、スチレン−ブタジエン−ス
チレンを順次重合することにより、実質的にコンタミの
ないブロックポリマーを得た。その後、メタノールを少
量添加して成長末端を停止させ、パラジウム触媒を用い
水素添加することにより、A−B−Aトリブロック共重
合体を得た。水素添加反応の前後で分子量分布、分子量
の変化は実質的になかった。
【0055】分析の結果、ブロック共重合体の数平均分
子量9.4万、環水添および未水添のスチレン含率35
重量%であった。ブタジエン部の結合様式は1,2−結
合含率は45モル%であった。プロトンNMR解析結果
および仕込みモノマー組成から検証できた各ブロックの
重量組成比はA:B:A=17.5:65:17.5で
ある。それ故、各ブロックの数平均分子量はA,B,A
それぞれ1.65万、6.11万、1.65万である。
【0056】共役ジエン部はほぼ完全に水素添加されて
おり、スチレン部分の水素添加率は99.2%であっ
た。
【0057】重合体製造例−2:重合体製造例−1で重
合したと同様の水素添加前のベースポリマーを用い、チ
タン触媒を用い水素添加することにより、共役ジエンセ
グメントを選択的に水添した。得られたポリマーの共役
ジエン部の水素添加率は98%、スチレン部分の水素添
加率はほぼ0%であった。A,B,Aそれぞれの数平均
分子量は1.58万、5.87万、1.58万、環水添
および未水添のスチレン含率35重量%である。
【0058】
【実施例】(実施例1〜4)および(比較例1、2) エチレン含率73重量%、非結晶性、121℃で測定し
たムーニー粘度33のエチレン−プロピレン共重合体ゴ
ム(P1と略称する)、重合体製造例−1で得た環水添
S−B−Sトリブロック共重合体(B1と略称する)お
よび場合によりさらにパラフィン系プロセスオイル(出
光興産社製、ダイアナプロセスオイルPW−380)を
表1記載の重量組成比で、ラボプラストミルにて混合
し、圧縮成型することによりテストピースを作成し、物
性を評価した。評価結果を表1に記載する。
【0059】
【表1】
【0060】1)P1含率:エチレン−α−オレフィン
共重合体のエラストマー組成物の重合体成分における含
率(重量%) 2)B1含率:環水添スチレン−ブタジエン−スチレン
トリブロック共重合体のエラストマー組成物の重合体成
分における含率(重量%) 3)パラフィンオイル:P1およびB1の重合体成分1
00部に対するパラフィンオイルの重量部数(重量部) 4)メルトフロー:JIS K7210準拠、230
℃、2.16kg荷重(g/10分) 5)硬度:JIS K6253準拠、デュロメーター
Aタイプ 6)圧縮永久歪:JIS K−6301準拠、70℃、
22時間、圧縮率25% 7)破断強度:JIS K−6301準拠、JIS3号
ダンベル、引張強度200mm/分(kg/cm2) 8)破断伸び:同上の条件(%) 9)透明性:目測による透明性の判断 ○:優れた透明性を示す △:曇りがあり、やや透明性に劣る ×:強く白濁し、透明性に劣る
【0061】
【比較例3】エチレン−プロピレン共重合体ゴムに変え
て、メルトフロー(JIS K−7210準拠、230
℃、2.16kg)8g/10分のポリプロピレン(出
光興産社製、ポリプロピレン J−700GP)を用い
る以外実施例3と同様にして、物性を評価した。評価結
果を表2記載する。
【0062】
【比較例4】重合体製造例1で得たブロック共重合体に
変えて、重合体製造例−2で得たブロック重合体を用い
る以外実施例3と同様にして、物性を評価した。評価結
果を表2に記載する。
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】本発明のエラストマー組成物は、低硬度
かつ高強度であるというスチレン系エラストマーの優れ
た特徴を保持すると共に、その欠点である高温での圧縮
永久歪で示される耐熱変形性や耐候性を顕著に改善する
ものである。また、本発明の組成物は通常透明性に優れ
るとの特長も有している。さらに、軟化剤としてオイル
等の比較的低分子量の成分を含まずに十分軟質であるた
め、本発明のエラストマー組成物は医療器材、食品包材
等に用いた場合、接触液への溶出物がなく、エンドクリ
ン問題等を引き起こす原因を避けることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BB03X BB05X BB15X BP01W FD030 4J026 HA05 HA06 HA08 HA20 HA26 HA32 HA34 HA39 HA50 HB14 HB15 HB16 HB20 HB26 HB32 HB34 HB39 HB45 HC05 HC06 HC08 HC20 HC26 HC32 HC34 HC39 HC45 HC47 HC49 HC50 HE01 HE02 HE05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)121℃で測定したムーニー粘度が10〜100の範囲にある軟質オレ フィン系重合体 98〜1重量% と (b)重合体連鎖中に少なくともA−B−Aの一般式で示されるトリブロック 連鎖を含むブロック共重合体 2〜99重量% を重合体成分として含み、重合体成分中のAブロックの
    含率が1〜60重量%の範囲である熱可塑性エラストマ
    ー組成物(式中、Aは水素添加されたビニル芳香族炭化
    水素を主体とし、数平均分子量5,000〜200,0
    00の範囲の重合体ブロックであり、各Aは同一構造で
    も、異なった構造であっても構わない。Bは水素添加さ
    れた共役ジエン化合物を主体とし、数平均分子量が2
    0,000〜500,0000の範囲の重合体ブロック
    である。ブロック共重合体の全オレフィン性不飽和結合
    の90モル%以上および芳香族環の80モル%以上は水
    素添加されてており、共役ジエン化合物およびその水素
    添加物の含率は10〜95重量%の範囲である。)。
  2. 【請求項2】(b)成分の共重合体を構成するBブロッ
    クが水素添加された1,3−ブタジエンからなる重合体
    ブロックであって、その結合様式が1,2−結合含率2
    0モル%〜60モル%である請求項1記載の熱可塑性エ
    ラストマー組成物。
  3. 【請求項3】(b)成分の共重合体を構成するBブロッ
    クが水素添加されたイソプレンからなる重合体ブロック
    であって、その結合様式が1,4−結合含率70モル%
    〜100モル%である請求項1記載の熱可塑性エラスト
    マー組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002059173A1 (en) * 2001-01-25 2002-08-01 Teijin Limited Improved hydrogenated styrene/conjugated diene/styrene block copolymer and process for production thereof
JP2005312892A (ja) * 2004-03-31 2005-11-10 Olympus Corp 内視鏡用可撓管及びその製造方法
JP2006083223A (ja) * 2004-09-14 2006-03-30 Nippon Polystyrene Kk 軟質樹脂組成物
JPWO2007119390A1 (ja) * 2006-03-28 2009-08-27 株式会社クラレ 熱可塑性エラストマー組成物

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