[go: up one dir, main page]

JP2000310314A - オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及びその組立方法 - Google Patents

オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及びその組立方法

Info

Publication number
JP2000310314A
JP2000310314A JP11116785A JP11678599A JP2000310314A JP 2000310314 A JP2000310314 A JP 2000310314A JP 11116785 A JP11116785 A JP 11116785A JP 11678599 A JP11678599 A JP 11678599A JP 2000310314 A JP2000310314 A JP 2000310314A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sleeve
driven pulley
way clutch
pulley
support bearings
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11116785A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Okuma
健夫 大熊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP11116785A priority Critical patent/JP2000310314A/ja
Publication of JP2000310314A publication Critical patent/JP2000310314A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pulleys (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一方向クラッチ18での焼き付きを生じにく
くし、更に、この一方向クラッチ18のトルク容量を十
分に確保すると共に、この一方向クラッチ18の疲労寿
命の低下を防止する。 【解決手段】 内径寸法又は外径寸法及び剛性によりそ
れぞれ区分された従動プーリ7b及びスリーブ8aの嵌
合部に組み付けるべき、各サポート軸受17a、17b
を構成するころ36a、36bの外径を決定する。各区
分の従動プーリ7b及びスリーブ8aを組み合わせたも
のに組み付けるころ36a、36bを適切に選択して、
各サポート軸受17a、17b内のラジアル隙間のばら
つきを小さく抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明のオルタネータ用一方
向クラッチ内蔵型プーリ装置及びその組立方法に関する
オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、自
動車用の発電機であるオルタネータの回転軸の端部に固
定し、エンジンのクランクシャフトの端部に固定した駆
動プーリとの間に無端ベルトを掛け渡す事により、上記
オルタネータを駆動する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車の駆動用エンジンを駆動源とし
て、自動車に必要な発電を行なうオルタネータの構造
が、例えば特開平7−139550号公報に記載されて
いる。図5は、この公報に記載されたオルタネータ1を
示している。ハウジング2の内側に回転軸3を、1対の
転がり軸受4、4により、回転自在に支持している。こ
の回転軸3の中間部には、ロータ5と整流子6とを設け
ている。又、この回転軸3の一端部(図5の右端部)で
上記ハウジング2外に突出した部分には、従動プーリ7
を固定している。エンジンへの組み付け状態では、この
従動プーリ7に無端ベルトを掛け渡し、エンジンのクラ
ンクシャフトにより、上記回転軸3を回転駆動自在とす
る。
【0003】上記従動プーリ7として従来一般的には、
単に上記回転軸3に固定しただけのものを使用してい
た。これに対して近年、無端ベルトの走行速度が一定若
しくは上昇傾向にある場合には、無端ベルトから回転軸
への動力の伝達を自在とし、無端ベルトの走行速度が低
下傾向にある場合には、従動プーリと回転軸との相対回
転を自在とする、オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型
プーリ装置が各種提案され、一部で使用されている。例
えば、特開昭56−101353号公報、特開平7−3
17807号公報、同8−61443号公報、特公平7
−72585号公報、フランス特許公報FR27260
59A1等に、上述の様な機能を有するオルタネータ用
一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が記載されている。
又、一部ではこの様なオルタネータ用一方向クラッチ内
蔵型プーリ装置が、実際に使用されている。
【0004】図6は、このうち特開平8−61443号
公報に記載されているオルタネータ用一方向クラッチ内
蔵型プーリ装置を示している。このオルタネータ用一方
向クラッチ内蔵型プーリ装置は、上記回転軸3に外嵌固
定自在なスリーブ8を有する。そして、このスリーブ8
の周囲に従動プーリ7aを、このスリーブ8と同心に配
置している。そして、これらスリーブ8の外周面と従動
プーリ7aの内周面との間に、1対のサポート軸受9、
9と一方向クラッチ10とを設けている。このうちのサ
ポート軸受9、9は、上記従動プーリ7aに加わるラジ
アル荷重を支承しつつ、上記スリーブ8と従動プーリ7
aとの相対回転を自在とする。又、上記一方向クラッチ
10は、上記従動プーリ7aが上記スリーブ8に対して
所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、この従
動プーリ7aからスリーブ8への回転力の伝達を自在と
する。
【0005】この様なオルネータ用一方向クラッチ内蔵
型プーリ装置を使用する理由は、次の通りである。例え
ば、上記駆動用エンジンがディーゼルエンジンであった
場合、アイドリング時等、低回転時にはクランクシャフ
トの回転角速度の変動が大きくなる。この結果、上記ク
ランクシャフトの端部に固定した駆動プーリに掛け渡し
た無端ベルト11の走行速度も細かく変動する事にな
る。一方、この無端ベルト11により従動プーリ7aを
介して回転駆動されるオルタネータ1(図5)の回転軸
3は、この回転軸3並びにこの回転軸3に固定したロー
タ5及び整流子6(図5)等の慣性質量に基づき、それ
程急激には変動しない。従って、上記従動プーリ7aを
回転軸3に対し単に固定した場合には、クランクシャフ
トの回転角速度の変動に伴い、上記無端ベルト11と従
動プーリ7aとが両方向に擦れ合う傾向となる。この結
果、この従動プーリ7aと擦れ合う無端ベルト11に、
繰り返し異なる方向の応力が作用して、この無端ベルト
11と従動プーリ7aとの間に滑りが発生し易くなった
り、或はこの無端ベルト11の寿命が短くなったりする
原因となる。
【0006】又、上述の様な従動プーリ7aの外周面と
無端ベルト11の内周面との摩擦に基づく無端ベルト1
1の寿命低下は、走行時に加減速を繰り返す事によって
も生じる。即ち、加速時には無端ベルト11側から従動
プーリ7a側に駆動力が伝達されるのに対し、減速時に
は上述の様に慣性に基づいて回転し続けようとする従動
プーリ7aに、上記無端ベルト11から制動力が作用す
る。この制動力と上記駆動力とは、上記無端ベルト11
の内周面に対して逆方向の摩擦力として作用するので、
やはり上記無端ベルト11の寿命低下の原因となる。特
に、トラックの様に排気ブレーキを備えた車両の場合に
は、アクセルオフ時に於けるクランクシャフトの回転低
下の減速度が著しく、上記制動力に基づいて上記無端ベ
ルト11の内周面に加わる摩擦力が大きくなる結果、上
記寿命低下が著しい。
【0007】そこで、上述の様な従動プーリ7aとし
て、上記オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装
置を使用する事により、上記無端ベルト11の走行速度
が一定若しくは上昇傾向にある場合には、上記従動プー
リ7aから回転軸3への回転力の伝達を自在とし、反対
に上記無端ベルト11の走行速度が低下傾向にある場合
には、これら従動プーリ7aと回転軸3との相対回転を
自在とする。即ち、上記無端ベルト11の走行速度が低
下傾向にある場合には、上記従動プーリ7aの回転角速
度を上記回転軸3の回転角速度よりも遅くして、上記無
端ベルト11と従動プーリ7aとの当接部が強く擦れ合
う事を防止する。この様にして、従動プーリ7aと無端
ベルト11との擦れ合い部に作用する応力の方向を一定
にし、この無端ベルト11と従動プーリ7aとの間に滑
りが発生したり、或はこの無端ベルト11の寿命が低下
する事を防止する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した様なオルタネ
ータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を構成する前記
1対のサポート軸受9、9として、従来から、玉軸受
(図示の場合)、或はころ軸受が用いられている。何れ
にしても従来は、この様なサポート軸受9、9として、
オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置に組み
付ける以前の自由状態で、内部隙間が普通隙間であるも
のを使用していた。
【0009】但し、オルタネータ用一方向クラッチ内蔵
型プーリ装置を設置すべき空間が限られる等の理由によ
り、上記各サポート軸受9、9を組み込む部分である、
前記従動プーリ7aの内周面とスリーブ8の外周面との
間に存在する円筒状空間12は、直径方向に亙る厚さ寸
法が小さく制限される。従って、この円筒状空間12内
に組み込む上記各サポート軸受9、9を構成する外輪1
3、13及び内輪14、14は、厚さ寸法が相当に小さ
く制限される。この様に外輪13、13及び内輪14、
14の厚さ寸法が小さく制限されると、これら外輪1
3、13及び内輪14、14を上記従動プーリ7a及び
スリーブ8に、それぞれ圧入し、締り嵌めにより嵌合し
た場合に、これら外輪13、13及び内輪14、14の
軌道部の弾性変形量は嵌合部の締め代の8割以上の値と
なり、無視できない程度に大きくなる可能性がある。そ
して、この様に外輪13、13及び内輪14、14の弾
性変形量が大きくなる事に伴い、上記各サポート軸受
9、9内のラジアル隙間のばらつき量が大きくなる可能
性がある。
【0010】又、上記外輪13、13及び内輪14、1
4をそれぞれ嵌合する上記従動プーリ7a及びスリーブ
8の嵌合面は、一般的に、旋削による仕上げ加工を施し
ている。この為、これら各嵌合面の仕上げ加工後の直径
方向寸法には、製造上不可避な寸法誤差が生じる。従っ
て、これら各嵌合面に外輪13、13及び内輪15、1
5を嵌合する事により構成した上記各サポート軸受9、
9内のラジアル隙間のばらつき量が、やはり大きくなる
可能性がある。
【0011】又、上記従動プーリ7a及びスリーブ8の
剛性は、上記各サポート軸受9、9を組み付けるべき部
分により、それぞれ異なる。例えば、図示の例で、図6
の左側のサポート軸受9を組み付けるべき従動プーリ7
aの嵌合部の剛性は、図6の右側のサポート軸受9を組
み付けるべき従動プーリ7aの嵌合部の剛性よりも明ら
かに高い。この為、上記スリーブ8の外周面に嵌合する
内輪14、14の膨張率及び上記従動プーリ7aの内周
面に嵌合する外輪13、13の収縮率は、上記各サポー
ト軸受9、9を組み付けるべき部分により、それぞれ異
なる。従来はこの様な嵌合部の剛性の違いに対する考慮
が特になされていなかった為、やはり上記各サポート軸
受9、9内のラジアル隙間のばらつき量が大きくなる原
因となっていた。
【0012】これに対して、従来は、上記従動プーリ7
aの内径と同じ内径を有するリングゲージ(図示せず)
に外輪13を圧入し、嵌合した際のこの外輪13の外輪
軌道径を求め、上記スリーブ8の外径と同じ外径を有す
るプラグゲージ(図示せず)に内輪14を圧入し、嵌合
した際のこの内輪14の内輪軌道径を求めて、外輪1
3、13及び内輪14、14の弾性変形量を考慮しつ
つ、上記各サポート軸受9、9を構成する転動体15、
15の外径を決定する事が考えられる。但し、この場合
でも、オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
に実際に上記各サポート軸受9、9を組み付けた場合に
は、やはり製造上の寸法誤差や外輪13、13又は内輪
14、14を嵌合する嵌合部の剛性の違いに基づき、上
記ラジアル隙間のばらつき量が大きくなる可能性があ
る。
【0013】上述の様な種々の原因により、上記各サポ
ート軸受9、9内のラジアル隙間のばらつき量が大きく
なると、次の様な問題が生じる。即ち、この様にラジア
ル隙間のばらつき量が大きくなると、一方向クラッチ1
0がローラクラッチである場合には、この一方向クラッ
チ10のオーバラン状態(従動プーリ7aとスリーブ8
との相対回転を自在とした状態)でのラジアル隙間が、
上記各サポート軸受9、9内のラジアル隙間よりも小さ
くなる可能性が生じる。又、一方向クラッチ10がスプ
ラグ式である場合には、この一方向クラッチを構成する
複数のスプラグが捩られないと仮定した状態でのこれら
各スプラグと従動プーリ及びスリーブとの間に存在する
ラジアル隙間が、やはり上記各サポート軸受9、9内の
ラジアル隙間よりも小さくなる可能性が生じる。そし
て、この様に一方向クラッチ10でのラジアル隙間が小
さくなった場合には、オーバラン状態で、ベルト張力に
基づくラジアル荷重が上記各サポート軸受9、9に付与
されず、従動プーリ7aから上記一方向クラッチ10を
構成するローラ又はスプラグに、直接に上記ラジアル荷
重が付与され、上記一方向クラッチ10のPV値が高く
なり、上記ローラ又はスプラグと、このローラ又はスプ
ラグと接触する部材との間で、焼き付きを生じ易くなる
可能性がある。
【0014】又、上記ラジアル隙間のばらつき量が大き
くなると、上記1対のサポート軸受9、9同士の間でほ
ぼ均等な大きさのラジアル隙間を得る事が困難になる。
この様に上記1対のサポート軸受9、9同士の間でほぼ
均等な大きさのラジアル隙間を得られないと、上記一方
向クラッチ10を構成するローラ又はスプラグと接触す
る1対の部材の軌道面同士が傾斜して、これら両軌道面
と上記ローラ又はスプラグとが片当たりを生じる可能性
がある。そして、これらローラ又はスプラグと上記両軌
道面との間で均一な面圧分布を確保できずに一方向クラ
ッチ10でのトルク負荷容量を十分に確保できず、しか
も一方向クラッチ10の疲労寿命の低下を招く可能性が
ある。本発明のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プ
ーリ装置及びその組立方法は、上述の様な事情に鑑み
て、製造後にサポート軸受内に存在するラジアル隙間の
ばらつき量を小さく抑えて、高性能なプーリ装置を提供
すべく発明したものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のオルタネータ用
一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及びその組立方法に関
するオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
は、従来から知られているオルタネータ用一方向クラッ
チ内蔵型プーリ装置と同様に、オルタネータの回転軸に
外嵌固定自在なスリーブと、このスリーブの周囲にこの
スリーブと同心に配置した従動プーリと、これらスリー
ブの外周面の軸方向中間部と従動プーリの内周面の軸方
向中間部との間に設け、この従動プーリが上記スリーブ
に対し所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ従
動プーリとスリーブとの間での回転力の伝達を自在とす
る一方向クラッチと、この一方向クラッチを軸方向両側
から挟む状態で、上記スリーブの外周面と従動プーリの
内周面との間に設け、この従動プーリに加わるラジアル
荷重を支承しつつこれらスリーブと従動プーリとの相対
回転を自在とするサポート軸受とを備える。
【0016】特に、本発明のオルタネータ用一方向クラ
ッチ内蔵型プーリ装置に於いては、上記各サポート軸受
を構成する外輪が上記従動プーリの内周面に、上記各サ
ポート軸受を構成する内輪が上記スリーブの外周面に、
それぞれ嵌合固定されており、上記従動プーリ及びスリ
ーブは、上記各サポート軸受を構成する外輪及び内輪を
嵌合する嵌合部の直径方向に亙る寸法と剛性とのうち少
なくとも何れかにより、それぞれ複数種類に区分されて
おり、上記各サポート軸受は、上記外輪及び内輪を上記
従動プーリ及びスリーブに嵌合する以前での初期時のラ
ジアル隙間により複数種類に区分されている。そして、
区分された上記従動プーリ及びスリーブに組み付けるべ
き区分された上記各サポート軸受を選択し、これら従動
プーリ及びスリーブに組み付けている。
【0017】又、本発明のオルタネータ用一方向クラッ
チ内蔵型プーリ装置の組立方法は、上記従動プーリ及び
スリーブを、上記各サポート軸受を構成する外輪及び内
輪を嵌合する嵌合部の直径方向に亙る寸法と剛性とのう
ち少なくとも何れかにより、それぞれ複数種類に区分
し、上記各サポート軸受を、上記外輪及び内輪を上記従
動プーリ及びスリーブに嵌合する以前での初期時のラジ
アル隙間により複数種類に区分する。そして、区分され
た上記従動プーリ及びスリーブに組み付けるべき区分さ
れた上記各サポート軸受を選択し、上記従動プーリの内
周面にこれら各サポート軸受を構成する外輪を、上記ス
リーブの外周面にこれら各サポート軸受を構成する内輪
を、それぞれ嵌合固定する。
【0018】
【作用】上述の様に構成する本発明のオルタネータ用一
方向クラッチ内蔵型プーリ装置及びその組立方法により
得たオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置に
よれば、各サポート軸受を構成する外輪及び内輪の厚さ
寸法が小さく制限される場合でも、製造後に上記各サポ
ート軸受内に存在するラジアル隙間のばらつき量を小さ
く抑える事ができる。従って、一方向クラッチがローラ
クラッチである場合にオーバラン状態でのラジアル隙
間、又は、一方向クラッチがスプラグ式である場合に複
数のスプラグが捩られないと仮定した状態でのラジアル
隙間が、上記各サポート軸受内のラジアル隙間よりも小
さくなる事を防止し、上記一方向クラッチでのPV値を
低くして、この一方向クラッチ内での焼き付きを生じに
くくする事ができる。更に、1対のサポート軸受同士の
間で、ほぼ均等な大きさのラジアル隙間を得て、上記一
方向クラッチを構成するローラ又はスプラグと、このロ
ーラ又はスプラグと接触する1対の部材の軌道面とが片
当たりを生じる事を防止し、一方向クラッチのトルク負
荷容量を十分に確保すると共に、この一方向クラッチの
疲労寿命の低下を防止する事ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1〜2は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。本例のオルタネータ用一方向ク
ラッチ内蔵型プーリ装置は、全体を円筒状に形成して、
オルタネータの回転軸3(図5、6参照)の端部に外嵌
固定するスリーブ8aと、このスリーブ8aの周囲にこ
のスリーブ8aと同心に配置した従動プーリ7bとを備
える。このうちのスリーブ8aは、上記回転軸3と共に
回転自在である。この為に図示の例では、上記スリーブ
8aの中間部内周面に雌スプライン部16を形成し、こ
の雌スプライン部16と上記回転軸3の端部外周面に形
成した雄スプライン部(図示省略)とを係合自在として
いる。尚、上記回転軸3とスリーブ8aとの相対回転を
防止する為の構造は、スプラインに代えて、ねじ、或は
非円筒面同士の嵌合、キー係合等としても良い。
【0020】上述したスリーブ8aの周囲に設ける従動
プーリ7bは、その内側に次述するサポート軸受17
a、17b及び一方向クラッチ18を装着する。又、上
記従動プーリ7bの外周面には、それぞれが断面V字形
である複数本(本例の場合には4本)の凹溝19、19
を、互いに平行に且つそれぞれ全周に亙って形成してい
る。この様な従動プーリ7bと図示しない駆動プーリと
の間には、内周面に断面V字形で全周に亙って連続する
リブを複数本(本例の場合には4本)形成した無端ベル
トを掛け渡す。
【0021】前述の様に構成するスリーブ8aの外周面
と上述の様に構成する従動プーリ7bの内周面との間に
は、それぞれがラジアルころ軸受である1対のサポート
軸受17a、17bと、ローラクラッチである1個の一
方向クラッチ18とを設けている。このうちの一方向ク
ラッチ18を構成する為、上記スリーブ8aの中間部外
周面に一方向クラッチ用内輪20を、締まり嵌めにより
外嵌固定している。この一方向クラッチ用内輪20は、
軸受鋼等の硬質金属製の板材又はSCM415等の浸炭
鋼の板材により全体を円筒状に形成し、外周面は後述す
るカム面21としている。
【0022】又、上記各サポート軸受17a、17bを
構成する為、上記スリーブ8aの両端部外周面には、そ
れぞれ内輪22、22を、締まり嵌めにより外嵌固定し
ている。やはり、軸受鋼等の硬質金属製の板材又はSC
M415等の浸炭鋼の板材により造った、これら各内輪
22、22は、それぞれ円筒部23の一端縁に外向フラ
ンジ状の内輪側鍔部24を形成する事により、断面L字
形で全体を円筒状に形成している。尚、これら各内輪2
2、22は、互いに同一の内径及び厚さ寸法を有する。
【0023】この様な各内輪22、22は、上記内輪側
鍔部24を互いに反対側に位置させた状態で上記スリー
ブ8aに外嵌し、それぞれの先端縁を上記一方向クラッ
チ用内輪20の軸方向両端縁に突き当てている。本例の
場合、上記各内輪22、22のうちの円筒部23の外径
を、上記一方向クラッチ用内輪20の外周面に形成した
複数の凹部25の底部に関する内接円の直径よりも大き
くしている。
【0024】一方、上記従動プーリ7bには外輪26
を、締まり嵌めにより内嵌固定している。この外輪26
は、上記一方向クラッチ18の外輪としてだけでなく、
前記各サポート軸受17a、17bの外輪としても機能
するもので、やはり軸受鋼等の硬質金属製の板材又はS
CM415等の浸炭鋼の板材にプレス加工を施す等によ
り、全体を円筒状に形成している。この様な外輪26
は、軸方向両端縁に、それぞれ内向フランジ状の外輪側
鍔部27a、27bを形成している。尚、これら両外輪
側鍔部27a、27bのうち、一方(図1の左方)の外
輪側鍔部27aは、他の構成各部材と組み合わせる以前
に形成する為、上記外輪26の本体部分と同様の厚さ寸
法を有する。これに対して、他方(図1の右方)の外輪
側鍔部27bは、他の構成各部材と組み合わせた後に形
成する為、薄肉にしている。
【0025】そして、上記一方向クラッチ18は、上記
外輪26の中間部内周面と上記一方向クラッチ用内輪2
0の外周面とを含んで構成している。即ち、この一方向
クラッチ用内輪20の外周面の複数個所に、ランプ部と
呼ばれ、深さが円周方向一端側(図2の右側)に向かう
程大きくなる凹部25、25を、それぞれこの一方向ク
ラッチ用内輪20の軸方向に亙って、円周方向に亙り互
いに等間隔で形成して、この一方向クラッチ用内輪20
の外周面を前記カム面21としている。この一方向クラ
ッチ用内輪20の外周面と上記外輪26の内周面との間
には、円筒状隙間28が形成されるが、この円筒状隙間
28の寸法のうち、上記外輪26の直径方向に関する断
面高さ寸法は、上記各凹部25、25に対応する部分で
はこの円筒状隙間28内に設ける複数個のローラ29の
外径よりも大きく、これら各凹部25、25から外れた
部分では上記各ローラ29の外径よりも小さい。
【0026】又、上記一方向クラッチ18は、上記外輪
26の中間部内周面と上記一方向クラッチ用内輪20の
外周面との間に、合成樹脂により籠型円筒状に形成した
クラッチ用保持器30と、それぞれが複数ずつのローラ
29及びばね31、31とを設けて成る。このうち、上
記クラッチ用保持器30は上記外輪26の内側に、内周
面に形成した凸部32、32を、上記一方向クラッチ用
内輪20の外周面に形成した凹部25、25に係合させ
る事により、この一方向クラッチ用内輪20に対する相
対回転を不能に装着している。又、上記各凸部32、3
2の軸方向片面を前記各内輪23、23の端縁に対向さ
せて、上記クラッチ用保持器30が軸方向にずれ動く事
を防止している。上記複数本のローラ29は、この様な
クラッチ用保持器30に形成したポケット33、33の
内側に、転動並びに円周方向に亙る若干の変位自在に保
持している。
【0027】又、上記各ばね31、31は、上述の様な
クラッチ用保持器30を構成する柱部34、34と上記
各ローラ29との間に設け、これら各ローラ29を、円
周方向に関して同じ方向(図2の左方向)に、弾性的に
押圧している。尚、一般的に上記各ばね31、31は、
帯状のばね板をU字形若しくはム字形に押し返して成る
ステンレス鋼製の板ばね、或は上記保持器と一体に形成
した合成樹脂ばねである。
【0028】又、前記各サポート軸受17a、17b
は、前記各内輪23、23と上記外輪26の軸方向両端
部寄り部分とを含んで構成している。即ち、上記各内輪
23、23の外周面と上記外輪26の軸方向両端部寄り
部分の内周面との間に、それぞれ合成樹脂により籠型円
筒状に形成された軸受用保持器35、35と、この軸受
用保持器35、35により転動自在に保持された複数の
ころ36a、36bとを配置して、ラジアルころ軸受を
構成している。
【0029】又、前記各外輪側鍔部27a、27bの外
側面と前記各内輪側鍔部24、24の内側面との間に
は、それぞれフローティングワッシャ37、37を、こ
れら各外輪側鍔部27a、27bと内輪側鍔部24、2
4とに対する相対回転を自在に装着している。上記各フ
ローティングワッシャ37、37は、銅等の自己潤滑性
を有する金属、タフトライド処理した金属、或は含油メ
タル等の潤滑油を含浸させた金属材、若しくはポリアミ
ド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ四弗化エチレン樹脂
等の摩擦係数の低い合成樹脂により、円輪状に形成して
いる。この様なフローティングワッシャ37、37は、
上記各外輪側鍔部27a、27bと内輪側鍔部24、2
4との間に、緩く挟持している。又、このフローティン
グワッシャ37、37は、上記各内輪22、22の外周
面、又は前記従動プーリ7bの内周面により案内(ラジ
アル方向の変位を防止)する。
【0030】又、上記外輪26の軸方向両端部内周面と
上記各内輪22、22の外周面との間の隙間は、それぞ
れシールリング38a、38bにより塞いでいる。これ
ら各シールリング38a、38bは、それぞれ芯金39
と弾性材40とにより構成しており、上記外輪26の両
端部内周面に、上記弾性材40の外径を弾性的に縮めた
状態で、内嵌支持している。そして、各弾性材40、4
0にそれぞれ複数本ずつ設けたシールリップの先端縁
を、上記内輪22、22の中間部外周面、並びに上記各
外輪側鍔部27a、27bの内側面に当接させている。
尚、本例の場合は、上記各シールリング38a、38b
のうち、一方(図1の左方)のシールリング38aの一
端縁部を、一方の外輪側鍔部27aの内側面に摺接若し
くは当接させる事により、上記外輪26に対するこの一
方のシールリング38aの軸方向に亙る位置決めを図っ
ている。これに対して、上記各シールリング38a、3
8bのうち、他方(図1の右方)のシールリング38b
の一端縁部を、他方の外輪側鍔部27bと上記外輪26
の本体部分との間の段差面に突き当てている。これと共
に、上記他方のシールリング38bの他端縁部を、他方
の外輪側鍔部27bの内側面に当接させる事により、上
記外輪26に対するこの他方のシールリング38bの軸
方向に亙る位置決めを図っている。
【0031】又、上記各シールリング38a、38bの
芯金39、39の片側面で、前記各サポート軸受17
a、17bを構成する軸受用保持器35、35端面に対
向する部分は、上記弾性材40、40により覆われない
様にして、仮にこの軸受用保持器35、35の端面と上
記芯金39、39の片側面とが摺接した場合でも、摺動
抵抗を低く抑えられる様にしている。
【0032】特に、本発明のオルタネータ用一方向クラ
ッチ内蔵型プーリ装置及びその組立方法の場合、1対の
サポート軸受17a、17bを、それぞれ初期時のラジ
アル隙間により複数種類(例えば2種類)に区分してい
る。これと共に、上記従動プーリ7b及びスリーブ8a
を、上記各サポート軸受17a、17bを構成する外輪
26及び内輪22、22をそれぞれ嵌合する嵌合部の直
径方向に亙る寸法と剛性とより、それぞれ複数種類(例
えば2種類)に区分している。即ち、本例の場合、製造
後の上記従動プーリ7bを、上記外輪26を嵌合する嵌
合部の内径寸法により、大径側と小径側との2つの区分
に分けている。この様に2つの区分に分ける場合に、境
界値となる内径寸法は、任意に設定するが、例えば、境
界値を内径寸法の寸法誤差がゼロの場合の値として、こ
の値以上の内径となるか(大径側区分)、或は、この値
未満の内径となるか(小径側区分)により分ける。又、
各大径側、小径側の各区分毎に、中央値の内径寸法のも
のを、各区分の代表例として選択する。
【0033】そして、この様にして選択した各区分の代
表例の従動プーリ7bを用いて、嵌合部の剛性が互いに
異なる従動プーリ7bの一端部(図1の左端部)と他端
部(図1の右端部)とに、前記外輪26を、それぞれ圧
入する。即ち、上記従動プーリ7bの嵌合部は、一端部
と他端部とで、剛性により区分される。そして、上述の
様にして圧入した際の上記外輪26の外輪軌道径D26
26´と、この外輪26の収縮率とを、上記従動プーリ
7bの一端部と他端部とで各区分の代表例の従動プーリ
7b毎に測定により求める。
【0034】又、製造後の上記スリーブ8aを、上記従
動プーリ7bの場合と同様に、外径寸法により、大径側
と小径側との2つの区分に分ける。又、各大径側、小径
側の上記内輪22、22を嵌合する嵌合部の区分毎に、
中央値の内径寸法のものを、各区分の代表例として選択
する。そして、この様にして選択した各区分の代表例の
スリーブ8aを用いて、嵌合部の剛性が互いに異なるス
リーブ8の一端部と他端部とに、前記各内輪22、22
を、それぞれ圧入する。即ち、上記スリーブ8aの嵌合
部も、一端部と他端部とで、剛性により区分される(一
端部の剛性が他端部の剛性よりも小さくなる。)。そし
て、上述の様にして圧入した際の上記内輪22、22の
内輪軌道径d22、d22´と、この内輪22、22の膨張
率とを、上記スリーブ8aの一端部と他端部とで各区分
の代表例のスリーブ8a毎に測定により求める。
【0035】そして、前述の様にして測定して得た、各
区分の代表例の従動プーリ7b毎に、外輪26を圧入し
た際のこの外輪26の外輪軌道径D26、D26´及びこの
外輪26の収縮率と、各区分での上記従動プーリ7bの
内径寸法の範囲と、図示しないリングゲージに外輪26
を圧入して得た、外輪軌道径の製造上不可避なばらつき
量とから、上記従動プーリ7bの一端部と他端部とに圧
入後の上記外輪26の外輪軌道径の範囲を、内径寸法に
より区分された上記従動プーリ7bのそれぞれに就いて
求める。
【0036】又、同様にして、各区分の代表例のスリー
ブ8a毎に内輪22を圧入した際のこの内輪22の内輪
軌道径d22、d22´及びこの内輪22の膨張率と、各区
分での上記スリーブ8aの外径寸法の範囲と、図示しな
いプラグゲージに上記内輪22を圧入して得た、内輪軌
道径の製造上不可避なばらつき量とから、上記スリーブ
8aの一端部と他端部とに圧入後の上記内輪22の内輪
軌道径の範囲を、外径寸法により区分された上記スリー
ブ8aのそれぞれに就いて求める。
【0037】そして、それぞれを内径寸法又は外径寸法
の何れかにより区分した、上記従動プーリ7bとスリー
ブ8aとを組み合わせたものに組み付けるべき、上記一
方のサポート軸受17aを適切に選択する。この為、各
区分の上記従動プーリ7bに就いて求めた、この従動プ
ーリ7bの一端部に圧入後の上記外輪26の外輪軌道径
の範囲と、同じく各区分の上記スリーブ8aに就いて求
めた、このスリーブ8aの一端部に圧入後の上記内輪2
2の内輪軌道径の範囲とを、それぞれ考慮した上で、こ
れら従動プーリ7b及びスリーブ8aの一端部に組み付
けるべき、上記一方のサポート軸受17aを構成するこ
ろ36aの適切な外径を決定する。そして、この一方の
サポート軸受17aを、外輪26及び内輪22を上記従
動プーリ7b及びスリーブ8aに嵌合する以前での初期
時のラジアル隙間により区分する。それぞれを内径寸法
又は外径寸法により区分した、上記従動プーリ7b及び
スリーブ8aの組み合わせとしては、全部で4組が考え
られる為、各組毎に異なるころ36aの外径を決定し、
この外径の異なるころ36aを予め用意しておく。
【0038】実際に上記従動プーリ7b及びスリーブ8
aと一方のサポート軸受17aとを組み合わせる場合に
は、製造後の上記従動プーリ7bの内径と製造後のスリ
ーブ8aの外径とを測定し、それぞれが何れの区分に属
するものであるかを検討した上で、これら従動プーリ7
b及びスリーブ8aの一端部に組み付けるべき、上記一
方のサポート軸受17aを選択する。この様にして上記
従動プーリ7b及びスリーブ8aと一方のサポート軸受
17aとを組み合わせれば、上記外輪26及び内輪22
を従動プーリ7b及びスリーブ8aにそれぞれ嵌合する
事により生じる、これら外輪26及び内輪22の弾性変
形量と、上記従動プーリ7b及びスリーブ8aの製造上
不可避な寸法誤差と、嵌合すべき部分の剛性の違いとを
それぞれ考慮して、上記一方のサポート軸受17a内の
ラジアル隙間のばらつき量を小さく抑える事ができる。
【0039】尚、本例の場合、上記従動プーリ7b及び
スリーブ8aの一端部に、上記一方のサポート軸受17
aを組み付けた後で、この一方のサポート軸受17a内
のラジアル隙間を、0〜50μmの範囲に規制してい
る。これと共に、前記一方向クラッチ18の後述するオ
ーバラン状態でのラジアル隙間を、50μm以上に規制
している。従って、一方向クラッチ18のオーバラン状
態で、上記一方のサポート軸受17aを介さずに、上記
一方向クラッチ18を構成する複数のローラ29に、従
動プーリ7bからベルト荷重が付与される事を防止でき
る。
【0040】又、上記1対のサポート軸受17a、17
bのうち、他方のサポート軸受17bに就いても、上述
した一方のサポート軸受17aの場合と同様にして、内
径寸法又は外径寸法の何れかにより区分した、上記従動
プーリ7bとスリーブ8aとを組み合わせたものに組み
付けるべき、上記他方のサポート軸受17bを適切に選
択する。但し、この他方のサポート軸受17bを組み付
けるべき上記従動プーリ7b及びスリーブ8aの嵌合部
の剛性は、上記一方のサポート軸受17aを組み付ける
べき上記従動プーリ7b及びスリーブ8aの嵌合部の剛
性と異なる。従って、この剛性の違いに基づき、上記他
方のサポート軸受17bを構成する外輪26の収縮量及
び内輪22の膨張量も、上記一方のサポート軸受17a
の場合と異なる。この為、同一の内径又は外径を有する
上記従動プーリ7b及びスリーブ8aに組み付けるべき
1対のサポート軸受17a、17bを構成する複数のこ
ろ36a、36bは、上記1対のサポート軸受17a、
17b同士の間でほぼ均等なラジアル隙間を得るべく、
互いに外径が異なるものを使用する。尚、上記他方のサ
ポート軸受17bに関しても、組み付け後に存在するラ
ジアル隙間の大きさを凡そ0〜50μmの範囲に規制し
ている。又、上記1対のサポート軸受17a、17bを
構成する複数のころ36a、36bの外径を互いに同じ
としても、外輪26及び内輪22、22の嵌合部の締め
代がそれぞれ同じであれば、これら1対のサポート軸受
17a、17b同士の間のラジアル隙間の相互差は、そ
れぞれを構成する外輪26の収縮量及び内輪22の膨張
量の違いのみにより生じる為、凡そ10μm程度以下に
抑える事ができる。
【0041】上述の様に構成する本発明のオルタネータ
用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及びその組立方法に
より得たオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装
置によれば、一方向クラッチ18部分が、外輪26を内
嵌固定した従動プーリ7bと前記回転軸3との間で、所
定方向の回転力のみを伝達する。例えば、図2で内輪が
固定で外輪26のみが回転すると仮定すれば、この外輪
26が同図の時計方向に回転する場合には、各ローラ2
9がこの外輪26の内周面から受ける力に基づき、各ば
ね31の弾力に抗して、前記各凹部25、25が深くな
った側に変位する傾向になる。そして、上記各ローラ2
9が、前記円筒状隙間28内で転動可能な状態となっ
て、上記外輪26と一方向クラッチ用内輪20との間で
回転力の伝達が行なわれなくなる、所謂オーバラン状態
となる。反対に、この外輪26が図2の反時計方向に回
転する場合には、上記各ローラ29が、上記外輪26の
内周面から受ける力と上記各ばね31の弾力とに基づ
き、上記各凹部25、25が浅くなった側にくさび状に
食い込み、上記外輪26と一方向クラッチ用内輪20と
を一体的に結合して、これら外輪26と一方向クラッチ
用内輪20との間で回転力の伝達を自在とする、所謂ロ
ック状態となる。そして、エンジンのクランクシャフト
の回転角速度の変動に拘らず、従動プーリ7bと無端ベ
ルトとの擦れ合い部に作用する応力の方向を一定にし、
この無端ベルトと従動プーリ7bとの間に滑りが発生し
たり、或はこの無端ベルトの寿命が低下する事を防止す
る事ができる。
【0042】特に、本発明のオルタネータ用一方向クラ
ッチ内蔵型プーリ装置及びその組立方法により得たオル
タネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置によれば、
各サポート軸受17a、17bを構成する外輪26及び
内輪22、22の厚さ寸法が小さく制限され、外輪26
及び内輪22、22の嵌合部の締め代がこれら外輪26
及び内輪22、22の軌道径の寸法に大きく影響する場
合でも、製造後に上記各サポート軸受17a、17b内
に存在するラジアル隙間のばらつき量を小さく抑える事
ができる。従って、一方向クラッチ18のオーバラン状
態でのラジアル隙間が上記各サポート軸受17a、17
b内のラジアル隙間よりも小さくなる事を防止し、上記
一方向クラッチ18でのPV値を低くして、この一方向
クラッチ18内での焼き付きを生じにくくする事ができ
る。更に1対のサポート軸受17a、17b同士の間
で、ほぼ均等な大きさのラジアル隙間を得て、上記一方
向クラッチ18を構成するローラ29と、この一方向ク
ラッチを構成する一方向クラッチ用内輪20及び外輪2
6の両軌道面とが片当たりを生じる事を防止し、一方向
クラッチ18のトルク負荷容量を十分に確保すると共
に、この一方向クラッチ18の疲労寿命の低下を防止す
る事ができる。
【0043】尚、本発明では、上記各サポート軸受17
a、17b内のラジアル隙間のばらつき量を小さく抑え
る事により、これら1対のサポート軸受17a、17b
内のラジアル隙間を一方向クラッチ18のオーバラン状
態でのラジアル隙間よりも小さくしている。これに対し
て、上記一方向クラッチ18のオーバラン状態でのラジ
アル隙間を十分に大きくする事により、上記1対のサポ
ート軸受17a、17b内のラジアル隙間を上記一方向
クラッチ18のオーバラン状態でのラジアル隙間よりも
小さくする事も考えられる。但し、この様に一方向クラ
ッチ18のオーバラン状態でのラジアル隙間を十分に大
きくすると、この一方向クラッチ18がローラクラッチ
である場合に、トルク容量を十分に確保する事が困難に
なる可能性がある。この理由に就いて、次に図2を用い
て説明する。
【0044】先ず、一方向クラッチ18を構成する各ロ
ーラ29が、各凹部25、25が浅くなった側にくさび
状に食い込んだ場合に、上記各ローラ29の軸方向に垂
直な断面で見て、これら各ローラ29の転動面と上記外
輪26の内周面とが接する点での接線Pと、これら各ロ
ーラ29の転動面と上記各凹部25、25の底面とが接
する点での接線Qとが交わる角度をくさび角αとして定
義する。このくさび角αは、上記ローラ29を確実にロ
ックさせる必要から、一般的に凡そ9°程度の小さい値
としている。一方、製造後の上記一方向クラッチ用内輪
20の外径は、製造上不可避な寸法誤差により、ばらつ
く可能性がある。そこで、この一方向クラッチ用内輪2
0の外径が図2に破線で示す様に、僅かに大きくなった
と仮定する。この場合には、上記くさび角αが非常に小
さい値である為に、各ローラ29がロックする位置は、
正規の位置から図2の右方向に大きくずれて、同図に二
点鎖線で示す位置になる。但し、この様に各ローラ29
がロックすべき正規の位置から大きくずれてロックした
場合には、図2に示す様に、各ローラ29の転動面が、
上記各凹部25、25の深くなった側に存在する一端部
に当接する可能性がある。そして、この場合には、オー
バラン状態でのラジアル隙間が存在せず、一方向クラッ
チ18はオーバラン状態を実現できなくなる。
【0045】従って、一方向クラッチ用内輪20の外径
が寸法誤差によりばらついた場合でも、一方向クラッチ
18のオーバラン状態でのラジアル隙間を十分に大きく
する為には、一方向クラッチ用内輪20の外周面に形成
する各凹部25、25の円周方向に亙る長さを十分に大
きくする必要がある。但し、その場合には、一方向クラ
ッチ20を構成するローラ29が減少し、この一方向ク
ラッチ18でのトルク容量が低下する原因となる。従っ
て、本発明の場合は、一方向クラッチ18のオーバラン
状態でのラジアル隙間を十分に大きくできない事を前提
にして、1対のサポート軸受17a、17b内のラジア
ル隙間のばらつき量を小さく抑える事により、これら各
サポート軸受17a、17b内のラジアル隙間を、上記
一方向クラッチ18のオーバラン状態でのラジアル隙間
よりも小さくしている。即ち、本発明によれば、一方向
クラッチ18でのトルク容量を低下させる事なく、1対
のサポート軸受17a、17b内のラジアル隙間の大き
さが、一方向クラッチ18のオーバラン状態でのラジア
ル隙間よりも大きくなる事により生じる、前述した様な
不都合を解消する事ができる。
【0046】次に、図3〜4は、本発明の実施の形態の
第2例を示している。本例の場合には、スリーブ8aの
外周面と従動プーリ7cの内周面との間に、それぞれが
深溝型の玉軸受である1対のサポート軸受41a、41
bと、スプラグ式の一方向クラッチ18aとを設けてい
る。このうちのサポート軸受41a、41bは、それぞ
れの内周面に深溝型の外輪軌道42を有する外輪43
と、それぞれの外周面に深溝型の内輪軌道44を有する
内輪45と、上記外輪軌道42と内輪軌道44との間に
それぞれ複数個ずつ転動自在に設けた玉46a、46b
とから成る。この様な各サポート軸受41a、41b
は、それぞれの外輪43を上記従動プーリ7cの内周面
両端部に締り嵌めにより内嵌固定し、それぞれの内輪4
5を上記スリーブ8aの外周面両端部に締り嵌めに外嵌
固定する事により、上記スリーブ8aの外周面両端部と
従動プーリ7cの内周面両端部との間に設けている。そ
して、上記従動プーリ7cに加わったラジアル荷重を、
上記1対のサポート軸受41a、41bにより支承す
る。尚、本例では、従動プーリ7c及びスリーブ8aに
対する締り嵌めによる嵌合のみにより、これら各サポー
ト軸受41a、41bの軸方向に亙る位置決めを図って
いる。従って、プーリ装置の運転時に、内輪45及び外
輪43がクリープする事がない様に考慮する必要があ
る。即ち、ベルト張力によるラジアル荷重が上記各サポ
ート軸受41a、41bに付与されると、反負荷側で上
記内輪45及び外輪43の嵌合部の締め代は減少する
が、減少してもこの反負荷側に所定の締め代が存在する
様に、減少量を見込んだ締め代を設定する必要がある。
本例の場合には、上記外輪43と従動プーリ7cとの嵌
合部の有効締め代を、20〜45μmの範囲に設定し、
上記内輪45とスリーブ8aとの嵌合部の有効締め代
を、15〜35μmの範囲に設定している。
【0047】又、上記一方向クラッチ18aは、上記従
動プーリ7cがスリーブ8aに対して所定方向に回転す
る傾向となる場合にのみ、従動プーリ7cとスリーブ8
aとの間での回転力の伝達を自在とする。この様な一方
向クラッチ18aを構成する為に、本例の場合には、上
記従動プーリ7c及びスリーブ8aを軸受鋼等の硬質金
属により造ると共に、これら従動プーリ7cの中間部内
周面及びスリーブ8aの中間部外周面を、それぞれ円筒
面としている。そして、これら両周面同士の間に、それ
ぞれがロック部材である、断面形状が非円形である複数
個のスプラグ47を、クラッチ用保持器30aにより保
持した状態で設けている。本例の場合、このクラッチ用
保持器30aの軸方向両端部は、上記各サポート軸受4
1a、41bを構成する内輪45、45の端面に当接若
しくは近接させて、軸方向に亙るずれ止めを図ってい
る。
【0048】又、上記各スプラグ47は、それぞれ図4
に詳示する様な、エンゲージタイプのものを使用してい
る。この形式のスプラグ47は、円筒面であるスリーブ
8aの外周面と接触する点と重心との位置関係により、
公転運動に伴う遠心力が、円筒面である上記スプラグ4
7の外周面と従動プーリ7cの内周面及びスリーブ8a
の外周面とが当接する方向に作用するものである。それ
ぞれがこの図4に詳示した様な形状を有するスプラグ4
7は、上記クラッチ用保持器30aのポケット48に1
個ずつ、揺動変位自在に保持する。そして、上記各スプ
ラグ47の厚さ方向(図3の左右方向)中間部に形成し
た係合溝49に、ガータスプリング50を挿入してい
る。このガータスプリング50は、全長を縮める方向の
弾力を有し、又、このガータスプリング50と上記各係
合溝49の底面との当接部は、上記スプラグ47の外周
面とスリーブ8aの外周面とが接触する点Cに関して、
スプラグ47の外周面と従動プーリ7cの内周面とが当
接する部分とは円周方向反対側に存在する。従って上記
ガータスプリング50は、上記各スプラグ47を、これ
ら各スプラグ47の外周面と上記従動プーリ7cの内周
面とが当接する方向に、弾力的に付勢している。
【0049】上述の様に構成する本例のオルタネータ用
一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及びその組立方法によ
り得たオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
は、上記一方向クラッチ18aにより、上記従動プーリ
7cからスリーブ8aへの所定方向の回転力のみを伝達
自在とする。具体的には、この回転力の伝達は、上記複
数のスプラグ47の外周面が、それぞれが円筒面であ
る、上記従動プーリ7cの内周面及びスリーブ8aの外
周面と摩擦係合する事により行なう。エンジンのクラン
クシャフトの角速度が大きく変動する場合、角速度減少
時に上記各スプラグ47の外周面と上記従動プーリ7c
の内周面及びスリーブ8aの外周面との間の摩擦力が低
減若しくは喪失して、上記スリーブ8aが空転し、オル
タネータ1(図5)の慣性質量を逃がす。そして、上記
従動プーリ7cに掛け渡した無端ベルトと従動プーリ7
cの外周面との当接部が強くすれ合う事を防止して、こ
の無端ベルトと従動プーリ7cとの間に滑りが発生した
り、或はこの無端ベルトの寿命が低下するのを防止す
る。これに対し、上記角速度が再び増加して、上記スリ
ーブ8aと従動プーリ7cとの間の相対回転数がゼロに
なると、上記各スプラグ47の外周面が、上記従動プー
リ7cの内周面及びスリーブ8aの外周面と摩擦係合し
(これら両周面に噛み合い)再び上記無端ベルトの動力
を上記スリーブ8aに伝達する。尚、前記一方向クラッ
チ18aを構成する上記各スプラグ47の形状は、伝達
すべきトルクの大きさに応じて各種の形状を採用でき
る。
【0050】特に、本例の本発明のオルタネータ用一方
向クラッチ内蔵型プーリ装置及びその組立方法により得
たオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の場
合、前述した第1例の場合と同様にして、組み付けるべ
き1対のサポート軸受41a、41bを選択している。
即ち、上記従動プーリ7c及びスリーブ8aを、上記各
サポート軸受41a、41bを構成する外輪43及び内
輪45を嵌合する嵌合部の寸法によりそれぞれ2つに区
分し、この様に区分した際の代表例の従動プーリ7c及
びスリーブ8aを選択する。そして、この選択した従動
プーリ7c及びスリーブ8aの代表例を用いて、一端部
と他端部とに上記各サポート軸受41a、41bを構成
する外輪43及び内輪45を、それぞれ圧入する。そし
て、この様に圧入した際のこれら外輪43の外輪軌道径
及び内輪45の内輪軌道径と、これら外輪43の収縮率
及び内輪45の膨張率とを、それぞれ測定により求め
る。図示の例では、従動プーリ7c及びスリーブ8aの
厚さ寸法は、一端部で他端部よりも大きい為、剛性も一
端部で他端部よりも大きい。従って、上記外輪43及び
内輪45を上記従動プーリ7c及びスリーブ8aに、そ
れぞれ圧入した際に、これら外輪43の収縮率及び内輪
45の膨張率は、一端部で他端部よりもそれぞれ大きく
なる。
【0051】そして、上述の様に測定して得た、各区分
の代表例の従動プーリ7c毎に、外輪43を圧入した際
のこの外輪43の外輪軌道径及びこの外輪43の収縮率
と、各区分での上記従動プーリ7cの内径寸法の範囲と
から、上記従動プーリ7cの一端部と他端部とに圧入後
の上記外輪43の外輪軌道径の範囲を、内径寸法により
区分された上記従動プーリ7cのそれぞれに就いて求め
る。
【0052】又、同様にして、各区分の代表例のスリー
ブ8a毎に、内輪45を圧入した際のこの内輪45の内
輪軌道径及びこの内輪45の膨張率と、各区分での上記
スリーブ8aの外径寸法の範囲とから、上記スリーブ8
aの一端部と他端部とに圧入後の上記内輪45の内輪軌
道径の範囲を、外径寸法により区分された上記スリーブ
8aのそれぞれに就いて求める。
【0053】そして、それぞれを内径寸法又は外径寸法
の何れかにより区分した、上記従動プーリ7cとスリー
ブ8aとを組み合わせたものに組み付けるべき、上記1
対のサポート軸受41a、41bを、それぞれ適切に選
択する。この為、各区分の上記従動プーリ7cに就いて
求めた、この従動プーリ7cの一端部及び他端部に圧入
後の上記外輪43の外輪軌道径の範囲と、同じく各区分
の上記スリーブ8aに就いて求めた、このスリーブ8a
の一端部及び他端部に圧入後の上記内輪45の内輪軌道
径の範囲とを、それぞれ考慮した上で、これら従動プー
リ7c及びスリーブ8aの一端部及び他端部に組み付け
るべき、上記1対のサポート軸受41a、41bを構成
する玉46a、46bの適切な外径を決定する。但し、
内輪45と外輪43と玉46a、46bとを予め別工程
でアッセンブリしたサポート軸受41a、41bを用い
る場合には、上述の様にして従動プーリ7c及びスリー
ブ8aの嵌合部の寸法により玉46a、46bの適切な
外径を決定する事はできない。従って、その様な場合に
は、上記外輪43及び内輪45を上記従動プーリ7c及
びスリーブ8aに嵌合する以前での初期時のラジアル隙
間により区分したサポート軸受41a、41bと、内径
寸法及び外径寸法によりそれぞれ区分した従動プーリ7
c及びスリーブ8aとを、それぞれ適切に選択して組み
合わせる。但し、その場合でも、嵌合による上記各サポ
ート軸受41a、41b内の内部隙間の減少量を予め把
握しておく必要がある。
【0054】尚、前述した様に、外輪43の収縮率及び
内輪45の膨張率は、従動プーリ7c及びスリーブ8a
の一端部で他端部よりも大きく、両サポート軸受41
a、41b内のラジアル隙間をほぼ均等にする為には、
一方のサポート軸受41aを構成する玉46aの外径を
他方のサポート軸受41bの外径よりも小さくする等に
より、自由状態での一方のサポート軸受41a内のラジ
アル隙間を他方のサポート軸受41b内のラジアル隙間
よりも大きくする必要がある。又、この様にしてプーリ
装置に組み込んだ後で、1対のサポート軸受41a、4
1b内のラジアル隙間を、例えば0〜25μmの範囲に
し、これら1対のサポート軸受41a、41b内のラジ
アル隙間同士の相互差を、0〜20μmの範囲にしてい
る。
【0055】上述の様に構成する本例のオルタネータ用
玉軸受一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及びその組立方
法により得たオルタネータ用玉軸受一方向クラッチ内蔵
型プーリ装置によれば、製造後に1対のサポート軸受4
1a、41b内に存在するラジアル隙間のばらつき量を
小さく抑える事ができる。従って、これらサポート軸受
41a、41b内のラジアル隙間を、一方向クラッチ1
8aの各スプラグ47が捩られないと仮定した状態での
ラジアル隙間よりも小さくする事が容易になり、一方向
クラッチ18a内での焼き付きを生じにくくし、更に、
この一方向クラッチ18aのトルク負荷容量を十分に確
保すると共に、この一方向クラッチ18aの疲労寿命の
低下を防止する事ができる。
【0056】尚、本例の場合は、上記各サポート軸受4
1a、41b内のラジアル隙間のばらつき量を小さく抑
える事により、これら1対のサポート軸受41a、41
b内のラジアル隙間を一方向クラッチ18aの各スプラ
グ47が捩られないと仮定した状態でのラジアル隙間よ
りも小さくする事としている。これに対して、一方向ク
ラッチ18aでの上記ラジアル隙間を十分に大きくする
事により、1対のサポート軸受41a、41b内のラジ
アル隙間を一方向クラッチ18aでの上記ラジアル隙間
よりも小さくする事も考えられる。但し、一方向クラッ
チ18aでの上記ラジアル隙間を十分に大きくすると、
各スプラグ47の捩り角が大きくなり、一方向クラッチ
18aでの焼き付きを生じ易くなる可能性がある。この
理由に就いて、次に図4を用いて説明する。
【0057】即ち、一方向クラッチ18aがオーバラン
状態にある場合に、ガータスプリング50から各スプラ
グ47に作用する力をP50とし、スリーブ8aの外周面
から上記各スプラグ47に作用する力をP8aとし、従動
プーリ7cの内周面から上記各スプラグ47に作用する
力をP7cとする。又、上記力P50の作用点と力P8aの作
用点Cとの間の、この作用点Cでの上記スリーブ8aの
外周面の接線方向に亙る距離をL1 とし、上記力P7c
作用点と力P8aの作用点Cとの間の、この作用点Cでの
上記スリーブ8aの外周面の接線方向に亙る距離をL2
とする。上記力P50と力P8aと力P7cとの間の釣り合
い、及び点C回りでのモーメントの釣り合いから、次の
2式が求められる。 P8a=P50+P7c −−−(1) P50・L1 =P7c・L2 −−−(2) そして、これら(1)(2)式からP7cを消去する事に
より、次式が得られる。 P8a=(1+L1 /L2 )P50 −−−(3)
【0058】ここで、上記一方向クラッチ18aのスプ
ラグ47が捩られないと仮定した状態でのラジアル隙間
を十分に大きくすると、上記各スプラグ47の捩り角が
大きくなる為、図4から明らかな様に、上記距離L1
大きくなり、上記距離L2 が小さくなる。但し、この場
合でも、上記ガータスプリング50の円周方向長さは殆
ど変化しない為、上記力P50の大きさは、ほぼ一定であ
ると考えられる。
【0059】従って、上記(3)式から明らかな様に、
上記一方向クラッチ18aでの上記ラジアル隙間を大き
くする程、上記スリーブ8aの外周面から上記各スプラ
グ47に作用する力P8aは大きくなる。又、この場合に
は、上記従動プーリ7cの内周面から上記各スプラグ4
7に作用する力P7cも大きくなる。従って、上記一方向
クラッチ18aでの上記ラジアル隙間を十分に大きくし
た場合には、上記従動プーリ7c及びスリーブ8aから
上記各スプラグ47に付与される力が大きくなり、これ
ら従動プーリ7c及びスリーブ8aと各スプラグ47と
の間に焼き付きを生じ易くなる。この為、本例の場合
は、上記各サポート軸受41a、41b内のラジアル隙
間のばらつきを小さく抑える事により、一方向クラッチ
18aでの上記ラジアル隙間を大きくする事なく、上記
各サポート軸受41a、41b内のラジアル隙間を一方
向クラッチ18aでの上記ラジアル隙間よりも小さくし
て、この一方向クラッチ18aでの焼き付きを生じにく
くしている。 その他の構成及び作用に就いては、前述
した第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符
号を付して重複する説明を省略する。
【0060】
【発明の効果】本発明のオルタネータ用一方向クラッチ
内蔵型プーリ装置及びその組立方法は、以上に述べた通
り構成され作用するので、製造後にサポート軸受内に存
在するラジアル隙間のばらつき量を小さく抑えて、一方
向クラッチ内での焼き付きを生じにくくし、更に、この
一方向クラッチのトルク負荷容量を十分に確保すると共
に、この一方向クラッチの疲労寿命の低下を防止する事
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す半部断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す半部断面
図。
【図4】図3のB−B断面図。
【図5】従来から知られているオルタネータの1例を示
す断面図。
【図6】従来から知られているオルタネータ用一方向ク
ラッチ内蔵型プーリ装置の1例を示す断面図。
【符号の説明】
1 オルタネータ 2 ハウジング 3 回転軸 4 転がり軸受 5 ロータ 6 整流子 7、7a、7b、7c 従動プーリ 8、8a スリーブ 9 サポート軸受 10 一方向クラッチ 11 無端ベルト 12 円筒状空間 13 外輪 14 内輪 15 転動体 16 雌スプライン部 17a、17b サポート軸受 18、18a 一方向クラッチ 19 凹溝 20 一方向クラッチ用内輪 21 カム面 22 内輪 23 円筒部 24 内輪側鍔部 25 凹部 26 外輪 27a、27b 外輪側鍔部 28 円筒状隙間 29 ローラ 30、30a クラッチ用保持器 31 ばね 32 凸部 33 ポケット 34 柱部 35 軸受用保持器 36a、36b ころ 37 フローティングワッシャ 38a、38b シールリング 39 芯金 40 弾性材 41a、41b サポート軸受 42 外輪軌道 43 外輪 44 内輪軌道 45 内輪 46a、46b 玉 47 スプラグ 48 ポケット 49 係合溝 50 ガータスプリング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オルタネータの回転軸に外嵌固定自在な
    スリーブと、このスリーブの周囲にこのスリーブと同心
    に配置した従動プーリと、これらスリーブの外周面の軸
    方向中間部と従動プーリの内周面の軸方向中間部との間
    に設け、この従動プーリが上記スリーブに対し所定方向
    に相対回転する傾向となる場合にのみ従動プーリとスリ
    ーブとの間での回転力の伝達を自在とする一方向クラッ
    チと、この一方向クラッチを軸方向両側から挟む状態
    で、上記スリーブの外周面と従動プーリの内周面との間
    に設け、この従動プーリに加わるラジアル荷重を支承し
    つつこれらスリーブと従動プーリとの相対回転を自在と
    するサポート軸受とを備えたオルタネータ用一方向クラ
    ッチ内蔵型プーリ装置に於いて、上記各サポート軸受を
    構成する外輪が上記従動プーリの内周面に、上記各サポ
    ート軸受を構成する内輪が上記スリーブの外周面に、そ
    れぞれ嵌合固定されており、上記従動プーリ及びスリー
    ブは、上記各サポート軸受を構成する外輪及び内輪を嵌
    合する嵌合部の直径方向に亙る寸法と剛性とのうち少な
    くとも何れかにより、それぞれ複数種類に区分されてお
    り、上記各サポート軸受は、上記外輪及び内輪を上記従
    動プーリ及びスリーブに嵌合する以前での初期時のラジ
    アル隙間により複数種類に区分されており、区分された
    上記従動プーリ及びスリーブに組み付けるべき区分され
    た上記各サポート軸受を選択し、これら従動プーリ及び
    スリーブに組み付けた事を特徴とするオルタネータ用一
    方向クラッチ内蔵型プーリ装置。
  2. 【請求項2】 従動プーリの嵌合部に各サポート軸受を
    構成する外輪を嵌合した場合にこの外輪が直径方向に収
    縮する度合い及びスリーブの嵌合部に上記各サポート軸
    受を構成する内輪を嵌合した場合にこの内輪が直径方向
    に膨張する度合いを、それぞれ測定し、この測定した結
    果に基づいて上記各サポート軸受を構成する複数の転動
    体の外径を決定する事により、少なくとも嵌合部の剛性
    により区分された上記従動プーリ及びスリーブに組み付
    けるべき区分された上記各サポート軸受を選択した、請
    求項1に記載したオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型
    プーリ装置。
  3. 【請求項3】 オルタネータの回転軸に外嵌固定自在な
    スリーブと、このスリーブの周囲にこのスリーブと同心
    に配置した従動プーリと、これらスリーブの外周面の軸
    方向中間部と従動プーリの内周面の軸方向中間部との間
    に設け、この従動プーリが上記スリーブに対し所定方向
    に相対回転する傾向となる場合にのみ従動プーリとスリ
    ーブとの間での回転力の伝達を自在とする一方向クラッ
    チと、この一方向クラッチを軸方向両側から挟む状態
    で、上記スリーブの外周面と従動プーリの内周面との間
    に設け、この従動プーリに加わるラジアル荷重を支承し
    つつこれらスリーブと従動プーリとの相対回転を自在と
    するサポート軸受とを備えたオルタネータ用一方向クラ
    ッチ内蔵型プーリ装置の組立方法であって、上記従動プ
    ーリ及びスリーブを、上記各サポート軸受を構成する外
    輪及び内輪を嵌合する嵌合部の直径方向に亙る寸法と剛
    性とのうち少なくとも何れかにより、それぞれ複数種類
    に区分し、上記各サポート軸受を、上記外輪及び内輪を
    上記従動プーリ及びスリーブに嵌合する以前での初期時
    のラジアル隙間により複数種類に区分し、区分された上
    記従動プーリ及びスリーブに組み付けるべき区分された
    上記各サポート軸受を選択し、上記従動プーリの内周面
    にこれら各サポート軸受を構成する外輪を、上記スリー
    ブの外周面にこれら各サポート軸受を構成する内輪を、
    それぞれ嵌合固定する事を特徴とするオルタネータ用一
    方向クラッチ内蔵型プーリ装置の組立方法。
  4. 【請求項4】 従動プーリの嵌合部に各サポート軸受を
    構成する外輪を嵌合した場合にこの外輪が直径方向に収
    縮する度合い及びスリーブの嵌合部に上記各サポート軸
    受を構成する内輪を嵌合した場合にこの内輪が直径方向
    に膨張する度合いを、それぞれ測定し、この測定した結
    果に基づいて上記各サポート軸受を構成する複数の転動
    体の外径を決定する事により、少なくとも嵌合部の剛性
    により区分された上記従動プーリ及びスリーブに組み付
    けるべき区分された上記各サポート軸受を選択する、請
    求項3に記載したオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型
    プーリ装置の組立方法。
JP11116785A 1999-04-23 1999-04-23 オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及びその組立方法 Withdrawn JP2000310314A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11116785A JP2000310314A (ja) 1999-04-23 1999-04-23 オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及びその組立方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11116785A JP2000310314A (ja) 1999-04-23 1999-04-23 オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及びその組立方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000310314A true JP2000310314A (ja) 2000-11-07

Family

ID=14695655

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11116785A Withdrawn JP2000310314A (ja) 1999-04-23 1999-04-23 オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及びその組立方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000310314A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006064107A (ja) * 2004-08-27 2006-03-09 Nsk Ltd 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及びその製造方法
JP2019158136A (ja) * 2018-03-12 2019-09-19 株式会社椿本チエイン 一方向クラッチ
WO2019176226A1 (ja) * 2018-03-12 2019-09-19 株式会社椿本チエイン 一方向クラッチ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006064107A (ja) * 2004-08-27 2006-03-09 Nsk Ltd 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及びその製造方法
JP2019158136A (ja) * 2018-03-12 2019-09-19 株式会社椿本チエイン 一方向クラッチ
WO2019176226A1 (ja) * 2018-03-12 2019-09-19 株式会社椿本チエイン 一方向クラッチ
US11365771B2 (en) 2018-03-12 2022-06-21 Tsubakimoto Chain Co. One-way clutch

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6464057B2 (en) Pulley with a built-in one-way clutch
CN100510479C (zh) 发动机起动用滚柱离合器内置式旋转传递装置
EP1138969B1 (en) Rotation transmitting device incorporating one-way clutch therein
JP2000240461A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置とオルタネータ駆動用無端ベルトの鳴き防止方法
JP2000297860A (ja) オルタネータ用ローラクラッチ内蔵型プーリ装置
US6749050B2 (en) One-way clutch built-in type pulley device
US6513633B2 (en) Rotation transmitting device incorporating one-way clutch therein
JP2001349413A (ja) ローラクラッチ内蔵型プーリ装置
JP2000310314A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及びその組立方法
JP2010185547A (ja) 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2000337405A (ja) 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2000291782A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2000291785A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2000283267A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2000328959A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2000234667A (ja) オルタネータ用ローラクラッチ内蔵型プーリ装置
JP2001082585A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2001032911A (ja) オルタネータ用ローラクラッチ内蔵型プーリ装置
JP2000240687A (ja) ローラクラッチ及びオルタネータ用ローラクラッチ内蔵型プーリ装置
JP2000227151A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2005326000A (ja) 一方向クラッチおよびクラッチ内蔵型プーリ装置
JP2000320651A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及びその製造方法
JP2001099272A (ja) 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2005257021A (ja) 一方向クラッチおよび一方向クラッチ付きプーリユニット
JP2000227151A5 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060419

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20070604