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JP2000344904A - セルロースエステルフィルムの製造方法及びセルロースエステルフィルム - Google Patents

セルロースエステルフィルムの製造方法及びセルロースエステルフィルム

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JP2000344904A
JP2000344904A JP11156333A JP15633399A JP2000344904A JP 2000344904 A JP2000344904 A JP 2000344904A JP 11156333 A JP11156333 A JP 11156333A JP 15633399 A JP15633399 A JP 15633399A JP 2000344904 A JP2000344904 A JP 2000344904A
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JP
Japan
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cellulose ester
dope
film
producing
ester film
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JP11156333A
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Takatoshi Yajima
孝敏 矢島
Makoto Honda
本田  誠
Toshiaki Shibue
俊明 渋江
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩素系溶媒を使用することなくセルロースエ
ステルドープを調製し、品質の良好なセルロースエステ
ルフィルムを得る製造方法を提供する。また、ウェブを
流延用支持体から容易に剥離出来、横段等の欠陥の発生
がないセルロースエステルフィルムの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 炭素原子数2〜4のアシル基を置換基と
して有するセルロースエステルを用い、溶液流延製膜法
によりセルロースエステルフィルムを製造する方法にお
いて、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基及
び/またはブチリル基の置換度をYとした時、下記式
(I)及び(II)を同時に満たすセルロースエステル
を、炭素原子数1〜4のものから選ばれるアルコールを
全有機溶媒に対して0.1〜30重量%含有している非
塩素系有機溶媒に溶解してドープとし、該ドープを用い
てフィルムを形成することを特徴とするセルロースエス
テルフィルムの製造方法。 (I) 2.6≦X+Y≦3.0 (II) 0≦X≦2.5

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料及び液晶画像表示装置等に有用なセルロースエス
テルフィルムの製造方法及びセルロースエステルフィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、セルローストリアセテートフィル
ムは、その透明性や光学的欠点のない特性からハロゲン
化銀写真感光材料や液晶画像表示装置に好ましく使用さ
れており、その要求品質は年々高度化している。
【0003】従来、セルローストリアセテートフィルム
が製造される過程で、ドープ溶解時、未溶解物がある場
合、製膜後もフィルム表面に小さな異物として残り、ま
た、ウェブと流延用支持体との密着力が強いとウェブを
流延用支持体から剥離した時、横段状のムラやツレ等の
欠陥を生じ、フィルムの面品質を著しく低下させるとい
う問題があった。
【0004】また、セルローストリアセテートを代表と
するセルロースエステルに対する良溶媒であるメチレン
クロライドのような塩素系炭化水素溶媒は、環境的にそ
の使用に制限が加えられる傾向があり、近年、メチレン
クロライドを使用しない製造方法に対する要望がある。
しかしながら、セルロースエステルの溶媒を非塩素系有
機溶媒に代えて良好な品質のドープを得るのは難しい課
題である。
【0005】上記の様な要求に対して、つぎのような提
案がなされている。ウェブと流延用支持体との密着性を
軽減する方法として、特開平4−277530号公報に
記載されているような、セルローストリアセテートの原
料である綿花リンターとパルプをそれぞれアセチル化し
てから特定の割合にする提案がある。この方法は、メチ
レンクロライドのような塩素系有機溶媒を用いてセルロ
ーストリアセテートドープとする場合には、効果が認め
られるが、非塩素系有機溶媒を用いる場合には、必ずし
も十分な効果が認められなかった。更にセルローストリ
アセテート以外のセルロースエステルにはあまり効果的
ではなかった。
【0006】また、セルローストリアセテートドープを
調製するのに、非塩素系有機溶媒を用いずに、メチレン
クロライドのような塩素系有機溶媒に代えてアセトンや
酢酸メチル等を用いて溶解する方法が提案されている。
例えば特開平9−95544号及び同9−95557号
公報では、実質的にアセトンからなる有機溶媒を用い
た、あるいは酢酸メチルやアセトンと他の非塩素系有機
溶媒を使用する冷却溶解法が提案されている。また、特
開平9−95538号公報にはアセトン以外のエーテル
類、ケトン類あるいはエステルから選ばれる有機溶媒を
用いて冷却溶解する方法、特開平11−21379号公
報では、セルローストリアセテートをアセトンと混合
し、10〜5000kg/cm2の圧力を加える方法が
提案されている。また、特開平10−45804号公報
では、アセトンや酢酸メチル等の溶媒に可溶で、アセチ
ル基と炭素原子数3以上のアシル基が特定の関係にある
セルロースの混合脂肪酸エステルを用いて製膜する方法
が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塩素
系溶媒を使用することなくセルロースエステルドープを
調製し、品質の良好なセルロースエステルフィルムを得
る製造方法を提供すること、また、第2の目的はウェブ
を流延用支持体から容易に剥離出来、横段等の欠陥の発
生がないセルロースエステルフィルムの製造方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の構成よ
りなる。
【0009】(1) 炭素原子数2〜4のアシル基を置
換基として有するセルロースエステルを用い、溶液流延
製膜法によりセルロースエステルフィルムを製造する方
法において、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニ
ル基及び/またはブチリル基の置換度をYとした時、下
記式(I)及び(II)を同時に満たすセルロースエステ
ルを、炭素原子数1〜4のものから選ばれるアルコール
を全有機溶媒に対して0.1〜30重量%含有している
非塩素系有機溶媒に溶解してドープとし、該ドープを用
いてフィルムを形成することを特徴とするセルロースエ
ステルフィルムの製造方法。
【0010】(I) 2.6≦X+Y≦3.0 (II) 0≦X≦2.5 (2) 炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有
するセルロースエステルを用い、溶液流延製膜法により
セルロースエステルフィルムを製造する方法において、
アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基及び/ま
たはブチリル基の置換度をYとした時、下記式(III)
及び(IV)を同時に満たすセルロースエステルを、炭素
原子数1〜4のものから選ばれるアルコールを全有機溶
媒に対して1重量%以上10重量%未満含有している非
塩素系有機溶媒に溶解してドープとし、該ドープを用い
てフィルムを形成することを特徴とするセルロースエス
テルフィルムの製造方法。
【0011】(III) 2.6≦X+Y≦3.0 (IV) 2.5<X≦3.0 (3) ドープが、セルロースエステルに対して1〜1
0重量%のアルキルフタリルアルキルグリコレートを含
有することを特徴とする(1)または(2)に記載のセ
ルロースエステルフィルムの製造方法。
【0012】(4) 溶液流延製膜法の流延用支持体の
全面の温度範囲を10〜60℃とし、更に、ドープの温
度を、該流延用支持体のドープ流延位置の温度と同等以
上として該流延用支持体上に流延することを特徴とする
(1)乃至(3)の何れか1項に記載のセルロースエス
テルフィルムの製造方法。
【0013】(5) 流延用支持体上にセルロースエス
テルドープを流延してウェブとし、該流延用支持体上の
ウェブ剥離位置における該流延用支持体温度を10〜4
0℃とし、且つ該剥離位置におけるウェブの残留溶媒量
を20〜100重量%とした時点でウェブを剥離するこ
とを特徴とする(1)乃至(4)の何れか1項に記載の
セルロースエステルフィルムの製造方法。
【0014】(6) ドープが水をセルロースエステル
に対して0.5〜5重量%含有していることを特徴とす
る(1)乃至(5)の何れか1項に記載のセルロースエ
ステルフィルムの製造方法。
【0015】(7) ドープが酢酸をセルロースエステ
ルに対して0.1〜2重量%含有していることを特徴と
する(1)乃至(6)の何れか1項に記載のセルロース
エステルフィルムの製造方法。
【0016】(8) セルロースエステルが70000
〜300000の数平均分子量を有することを特徴とす
る(1)乃至(7)の何れか1項に記載のセルロースエ
ステルフィルムの製造方法。
【0017】(9) Yがプロピオニル基の置換度であ
ることを特徴とする(1)乃至(8)の何れか1項に記
載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
【0018】(10) 前記非塩素系有機溶媒が酢酸メ
チルであることを特徴とする(1)乃至(9)の何れか
1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
【0019】(11) 前記アルコールがエタノールで
あることを特徴とする(1)乃至(10)の何れか1項
に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
【0020】(12) ドープが10〜40重量%のセ
ルロースエステルを含有することを特徴とする(1)乃
至(11)の何れか1項に記載のセルロースエステルフ
ィルムの製造方法。
【0021】(13) (1)乃至(12)の何れか1
項に記載の方法により製造したことを特徴とするセルロ
ースエステルフィルム。
【0022】以下に、本発明を詳述する。
【0023】本発明において、セルロースエステル溶液
のことをセルロースエステルドープまたは単にドープと
いう。
【0024】先ず、本発明に係わる溶液流延製膜法によ
るセルロースエステルフィルムの製膜方法について説明
する。
【0025】溶解工程:セルロースエステルのフレー
クに対する良溶媒を主とする有機溶媒に溶解釜中で該フ
レークを撹拌しながら溶解し、ドープを形成する工程で
ある。溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で
行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、前記
の如き冷却溶解法で行う方法、前記の如き高圧で行う方
法等種々の溶解方法がある。溶解後ドープを濾材で濾過
し、脱泡してポンプで次工程に送る。
【0026】ドープ中には、可塑剤、酸化防止剤、染料
等も添加されることがある。ハロゲン化銀写真感光材料
用には機械的性質の向上あるいは柔軟性を付与するため
に可塑剤が、またその他ライトパイピング防止用の着色
剤あるいは紫外線防止剤等が添加される。着色剤は、通
常の写真用支持体に見られる様なグレーに着色出来るも
のが好ましく、含有量は、セルロースエステルに対する
重量割合で10〜1000ppmが好ましく、50pp
m〜500以下が更に好ましい。この様に着色剤を含有
させることにより、ハロゲン化銀写真感光材料にした場
合のライトパイピングによるカブリ現象を無くすことが
出来る。これらの化合物は、セルロースエステル溶液の
調製の際に、セルロースエステルや溶媒と共に添加して
もよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。また
液晶画面表示装置用には耐熱耐湿性を付与する可塑剤、
酸化防止剤や紫外線防止剤などを添加することが好まし
い。
【0027】上記酸化防止剤としては、ヒンダードフェ
ノール系の化合物が好ましく用いられ、2,6−ジ−t
−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テト
ラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコー
ル−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサ
ンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビ
ス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリ
アジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,
N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−
トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
−イソシアヌレイト等が挙げられる。特に2,6−ジ−
t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テ
トラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコ
ール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。ま
た例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラ
ジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系
加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の添加量
は、セルロースエステルに対して重量割合で1ppm〜
1.0%が好ましく、10〜1000ppmが更に好ま
しい。また、この他、カオリン、タルク、ケイソウ土、
石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ア
ルミナ等の無機微粒子、カルシウム、マグネシウムなど
のアルカリ土類金属の塩などの熱安定剤を加えてもよ
い。更に帯電防止剤、難燃剤、滑剤、油剤等も加える場
合がある。
【0028】流延工程:ドープを加圧型定量ギヤポン
プを通して加圧ダイに送液し、流延位置において、無限
に移送する無端の金属ベルトあるいは回転する金属ドラ
ムの流延用支持体(以降、単に支持体ということもあ
る)上に加圧ダイからドープを流延する工程である。流
延用支持体の表面は鏡面となっている。その他の流延す
る方法は流延されたドープ膜をブレードで膜厚を調節す
るドクターブレード法、あるいは逆回転するロールで調
節するリバースロールコーターによる方法等があるが、
口金部分のスリット形状を調製出来、膜厚を均一にし易
い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガー
ダイやTダイ等があるが、何れも好ましく用いられる。
製膜速度を上げるために加圧ダイを流延用支持体上に2
基以上設け、ドープ量を分割して重層してもよい。
【0029】溶媒蒸発工程:ウェブ(流延用支持体上
にドープを流延した以降のドープ膜の呼び方をウェブと
する)を流延用支持体上で加熱し溶媒を蒸発させる工程
である。溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹か
せる方法及び/または支持体の裏面から液体により伝熱
させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があ
るが、裏面液体伝熱の方法が乾燥効率がよく好ましい。
またそれらを組み合わせる方法も好ましい。
【0030】剥離工程:支持体上で溶媒が蒸発したウ
ェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離されたウ
ェブは次工程に送られる。剥離する時点でのウェブの残
留溶媒量(下記式)があまり大き過ぎると剥離し難かっ
たり、逆に支持体上で充分に乾燥させてから剥離する
と、途中でウェブの一部が剥がれたりする。
【0031】製膜速度を上げる方法(残留溶媒量が出来
るだけ多いうちに剥離するため製膜速度を上げることが
出来る)として、残留溶媒が多くとも剥離出来るゲル流
延法(ゲルキャスティング)がある。それは、ドープ中
にセルロースエステルに対する貧溶媒を加えて、ドープ
流延後、ゲル化する方法、支持体の温度を低めてゲル化
する方法等がある。また、ドープ中に金属塩を加える方
法もある。支持体上でゲル化させ膜を強くすることによ
って、剥離を早め製膜速度を上げることが出来るのであ
る。残留溶媒量がより多い時点で剥離する場合、ウェブ
が柔らか過ぎると剥離時平面性を損なったり、剥離張力
によるツレや縦スジが発生し易く、経済速度と品質との
兼ね合いで剥離残留溶媒量を決められる。
【0032】乾燥工程:ウェブを千鳥状に配置したロ
ールに交互に通して搬送する乾燥装置及び/またはクリ
ップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター装
置を用いてウェブを乾燥する工程である。乾燥の手段は
ウェブの両面に熱風を吹かせるのが一般的であるが、風
の代わりにマイクロウエーブを当てて加熱する手段もあ
る。あまり急激な乾燥は出来上がりのフィルムの平面性
を損ね易い。高温による乾燥は残留溶媒が8重量%以下
くらいから行うのがよい。全体を通して、通常乾燥温度
は40〜250℃で、70〜180℃が好ましい。使用
する溶媒によって、乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が
異なり、使用溶媒の種類、組合せに応じて乾燥条件を適
宜選べばよい。
【0033】流延用支持体面から剥離した後の乾燥工程
では、溶媒の蒸発によってウェブは巾方向に収縮しよう
とする。高温度で急激に乾燥するほど収縮が大きくな
る。この収縮を可能な限り抑制しながら乾燥すること
が、出来上がったフィルムの平面性を良好にする上で好
ましい。この観点から、例えば、特開昭62−4662
5号公報に示されているような乾燥全工程あるいは一部
の工程を巾方向にクリップでウェブの巾両端を巾保持し
つつ乾燥させる方法(テンター方式)が好ましい。
【0034】巻き取り工程:ウェブを残留溶媒量が2
重量%以下となってからフィルムとして巻き取る工程で
ある。残留溶媒量を0.4重量%以下にすることにより
寸法安定性の良好なフィルムを得ることが出来る。巻き
取り方法は、一般に使用されているものを用いればよ
く、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション
法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール
法等があり、それらを使いわければよい。
【0035】残留溶媒量は下記の式で表せる。
【0036】 残留溶媒量(重量%)={(M−N)/N}×100 ここで、Mはウェブの任意時点での重量、NはMを11
0℃で3時間乾燥させた時の重量である。
【0037】セルロースエステルフィルムの膜厚は、使
用目的によって異なるが、仕上がりフィルムとして、通
常5〜500μmの範囲にあり、更に20〜250μm
の範囲が好ましく、特に液晶画像表示装置用フィルムと
しては25〜90μmの範囲が好ましい。膜厚の調節に
は、所望の厚さになるように、ドープ濃度、ポンプの送
液量、ダイの口金のスリット間隙、ダイの押し出し圧
力、流延用支持体の速度等をコントロールするのがよ
い。また、膜厚を均一にする手段として、膜厚検出手段
を用いて、プログラムされたフィードバック情報を上記
各装置にフィードバックさせて調節するのが好ましい。
【0038】溶液流延製膜法を通しての流延直後からの
乾燥までの工程において、乾燥装置内の雰囲気を、空気
とするのもよいが、窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガス
雰囲気で行ってもよい。ただ、乾燥雰囲気中の蒸発溶媒
の爆発限界の危険性は常に考慮されなければならないこ
とは勿論のことである。
【0039】本発明の構成(1)について説明する。
【0040】本発明の構成(1)は、2〜4のアシル基
を置換基として有し、アセチル基の置換度をX、またプ
ロピオニル基及び/またはブチリル基の置換度をYとし
て、下記式(I)及び(II) (I) 2.6≦X+Y≦3.0 (II) 0≦X≦2.5 を同時に満足するセルロースエステルを、炭素原子数1
〜4のアルコールを全有機溶媒に対して0.1〜30重
量%含有している非塩素系有機溶媒に溶解させてセルロ
ースエステルドープとし、該ドープを用いて溶液流延製
膜法で製膜するセルロースエステルフィルムの製造方法
である。
【0041】なお、本発明で用いる「及び/または」な
る語の用法は「から選ばれる」あるいは「から選ばれる
少なくとも一つ」と同義である。
【0042】本発明に用いられるセルロースエステルの
原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リ
ンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることが出来
る。またそれらから得られたセルロースエステルはそれ
ぞれ任意の割合で混合使用することが出来る。
【0043】本発明のセルロースエステルは、セルロー
ス原料をアシル化剤が酸無水物(無水酢酸、無水プロピ
オン酸、無水酪酸)である場合には、酢酸のような有機
酸やメチレンクロライド等の有機溶媒を用い、硫酸のよ
うなプロトン性触媒を用いて反応される。アシル化剤が
酸クロライド(CH3COCl、C25COCl、C3
7COCl)の場合には、触媒としてアミンのような塩
基性化合物を用いて反応が行われる。具体的には特開平
10−45804号公報に記載の方法で合成することが
出来る。構成(1)のセルロースエステルは各置換度に
合わせて上記アシル化剤量を調整混合して反応させたも
のである。セルロースエステルはこれらアシル基がセル
ロース分子の水酸基に反応する。セルロース分子はグル
コースユニットが多数連結したものからなっており、グ
ルコースユニットに3個の水酸基がある。この3個の水
酸基にアシル基が誘導された数を置換度(モル%)とい
う。例えば、セルローストリアセテートはグルコースユ
ニットの3個の水酸基全てがアセチル基が結合している
(実際には2.6〜3.0)。
【0044】構成(1)のセルロースエステルはセルロ
ースアセテートプロピオネート、セルロースアセテート
ブチレート、またはセルロースアセテートプロピオネー
トブチレートのようなアセチル基の他にプロピオネート
基あるいはブチレート基が結合したセルロースエステル
である。なお、プロピオネートは、n−の他に、iso
−、ブチレートは、n−の他にiso−、sec−、t
ert−もそれぞれを含む。プロピオネート基の置換度
が大きいセルロースアセテートプロピオネートは耐水性
が優れ、液晶画像表示装置用のフィルムとして有用であ
る。
【0045】アシル基の置換度の測定方法はASTM−
D817−96に準じて測定することが出来る。
【0046】本発明に使用するセルロースエステルの数
平均分子量(本発明の構成(8))は、70000〜3
00000の範囲が、成型した場合の機械的強度が強く
好ましい。更に80000〜200000が好ましい。
【0047】構成(1)のドープ形成に有用な非塩素系
有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミ
ル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソ
ラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エ
チル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,
3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−
ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,
3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパ
ノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プ
ロパノール、ニトロエタン等を挙げることが出来、酢酸
メチル、酢酸エチル、アセトンを好ましく使用し得る。
【0048】構成(1)のセルロースエステルの特徴
は、酢酸メチル、酢酸エチル及び/またはアセトンへ常
温で溶解することが出来ることが特徴であり、特に酢酸
メチルが好ましい(構成(10))。
【0049】構成(1)のセルロースエステルドープに
は、上記非塩素系有機溶媒の他に、0.1〜30重量%
の炭素原子数1〜4のアルコールを含有させるが、これ
らはドープを流延用支持体に流延後溶媒が蒸発をし始め
アルコールの比率が多くなるとウェブ(ドープ膜)がゲ
ル化し、ウェブを丈夫にし流延用支持体から剥離するこ
とを容易にするゲル化溶媒として用いられたり、これら
が割合が少ない時は非塩素系有機溶媒のセルロースエス
テルの溶解を促進する役割もある。炭素原子数1〜4の
アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、
sec−ブタノール、tert−ブタノールを挙げるこ
とが出来る。これらのうちドープの安定性、沸点も比較
的低く、乾燥性も良く、且つ毒性がないこと等からエタ
ノールが好ましい(構成(11))。
【0050】ドープの固形分濃度は通常10〜40重量
%が好ましく(構成(12))、ドープ粘度は100〜
500ポイズの範囲に調製される。
【0051】本発明の構成(2)は、2〜4のアシル基
を置換基として有し、アセチル基の置換度をX、またプ
ロピオニル基及び/またはブチリル基の置換度をYとし
て、下記式(III)及び(IV) (III) 2.6≦X+Y≦3.0 (IV) 2.5<X≦3.0 を同時に満足するセルロースエステルを、炭素原子数1
〜4のアルコールを全有機溶媒に対して1重量%以上1
0重量%未満含有している非塩素系有機溶媒に溶解させ
てセルロースエステルドープを形成させ、該ドープを溶
液流延製膜法で製膜するセルロースエステルフィルムの
製造方法である。
【0052】本構成(2)の上記式(III)及び(IV)
を同時に満足するセルロースエステルは、Yつまりプロ
ピオニル基及び/またはブチリル基の置換度が低く、ほ
とんどがアセチル基で、好ましくはX=2.6〜3.
0、実質的にY=0のセルローストリアセテート、ある
いは、よりセルローストリアセテートに近いセルロース
エステルである。セルローストリアセテートフィルムは
機械的強度が大きく、ハロゲン化銀写真感光材料用フィ
ルムや液晶画像表示装置用フィルムとして有用である。
【0053】構成(1)または(2)における炭素原子
数3及び4のアシル基は、本発明においてプロピオニル
基が好ましい(構成(9))。
【0054】構成(2)の非塩素系有機溶媒は前記有機
溶媒(構成(1)と同様)を使用することが出来るが、
構成(1)と同様に酢酸メチル及び/またはアセトンが
好ましく、特に酢酸メチルが好ましい。しかし、常温で
の溶解手段では、溶解し難く、高温溶解方法や冷却溶解
方法を使用するのがよい。特開平9−95538号、同
9−95544号、同9−95557号公報に記載され
ているアセトン、酢酸メチル、ギ酸エチル等の溶媒を用
いてドープを形成する方法を使用することが出来る。ま
た、特開平11−21379号公報に記載の高圧溶解方
法も好ましく使用出来る。
【0055】非塩素系溶媒に加えるアルコール類は、
(構成(1))と同様であるが、1重量%以上10重量
%未満含有することにより、含有量の少ないところでは
溶解性を助長し、また多いところではゲル化に効果を発
揮する。しかし10重量%以上では溶解性が難しくな
る。
【0056】なお、セルロースエステルの数平均分子
量、ドープ濃度は前記構成(1)で記載したのと同様で
ある(構成(8)、(12))。
【0057】本発明の構成(3)は、構成(1)または
(2)のセルロースエステルフィルム製造方法におい
て、セルロースエステルに対して1〜10重量%の下記
一般式のアルキルフタリルアルキルグリコレート(アル
キルオキシフタロイルオキシ酢酸アルキルエステル)を
セルロースエステルドープに含有させる方法である。
【0058】本発明者らは、アルキルフタリルアルキル
グリコレートをドープ中に含有させるさせることによっ
て、ウェブを流延用支持体から剥離する際、流延用支持
体とウェブとの密着力が低減出来(剥離する力を小さく
することが出来)、従って高残留溶媒量の状態でもウェ
ブを剥離することが出来る方法を見出した。このこと
は、製膜速度を向上することが出来るばかりでなく、剥
離する力が小さいため出来上がりのフィルムの品質をも
向上させ、更に別の面で、他の可塑剤よりフィルムの耐
水性を著しく向上させることが出来る。なお、従来、ア
ルキルフタリルアルキルグリコレートはトリフェニルホ
スフェート等のリン酸エステルの補助の可塑剤として利
用されていたがその効果ははっきりわからなかったが、
積極的に使用することにより優れた効果があることを本
発明者等は発見した。
【0059】アルキルフタリルアルキルグリコレートの
アルキルは炭素原子数1〜8のアルキル基である。
【0060】アルキルフタリルアルキルグリコレートと
しては、メチルフタリルメチルグリコレート、エチルフ
タリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピル
グリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オ
クチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリル
エチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレー
ト、エチルフタリルプロピルグリコレート、プロピルフ
タリルエチルグリコレート、メチルフタリルプロピルグ
リコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチ
ルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチル
グリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プ
ロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプ
ロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレ
ート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチル
フタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチル
グリコレート等を挙げることが出来、メチルフタリルメ
チルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレー
ト、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフ
タリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチル
グリコレートが好ましく、特にエチルフタリルエチルグ
リコレートが好ましく用いられる。またこれらアルキル
フタリルアルキルグリコレートを2種以上混合して使用
してもよい。
【0061】アルキルフタリルアルキルグリコレートの
添加量は剥離性向上及びフィルムからのブリードアウト
抑制などの観点から、セルロースエステルに対して1〜
10重量%が好ましい。本発明においては、アルキルフ
タリルアルキルグリコレートと共に下記一般的な可塑剤
を混合してもよいが、アルキルフタリルアルキルグリコ
レートの効果を阻害しない程度に、アルキルフタリルア
ルキルグリコレートより少ない量添加することが好まし
い。
【0062】他の一般的な可塑剤としては、機械的性質
向上、柔軟性を付与等の目的で添加してもよく、リン酸
エステルやカルボン酸エステルが通常用いられている。
例えば、リン酸エステルとしては、例えばトリフェニル
ホスフェート、トリクレジルホスフェート、フェニルジ
フェニルホスフェート等を挙げることが出来る。カルボ
ン酸エステルとしては、フタル酸エステル及びクエン酸
エステル等、フタル酸エステルとしては、例えばジメチ
ルフタレート、ジエチルホスフェート、ジオクチルフタ
レート及びジエチルヘキシルフタレート等、またクエン
酸エステルとしてはクエン酸アセチルトリエチル及びク
エン酸アセチルトリブチルを挙げることが出来る。また
その他、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチ
ル、セバチン酸ジブチル、トリアセチン等も挙げられ
る。
【0063】これらの化合物は、セルロースエステル溶
液の調製の際に、セルロースエステルや溶媒と共に添加
してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
【0064】本発明の構成(4)は、構成(1)〜
(3)のセルロースエステルフィルムの製造方法におい
て、溶液流延製膜法の流延用支持体の全面の温度範囲を
10〜60℃とし、更に、セルロースエステルドープの
温度を、該支持体のドープ流延位置の温度と同等以上に
して流延する方法で、ドープ温度を5℃以上高く設定す
ることが好ましい。効率的に蒸発させるためには、ドー
プ温度を発泡させない程度の温度、つまり使用する主た
る有機溶媒の沸点以下とすることがよく、30〜80℃
が好ましい。本発明において好ましく使用する主たる有
機溶媒の沸点を示すと、酢酸メチル(沸点56.32
℃)、アセトン(56.3℃)、酢酸エチル(76.8
2℃)である。
【0065】本発明の構成(5)は、構成(1)〜
(4)のセルロースエステルフィルムの製造方法におい
て、流延用支持体上にセルロースエステルドープを流延
してウェブとし、該支持体上の剥離位置における温度を
10〜40℃、好ましくは15〜30℃とし、且つ該剥
離位置におけるウェブの残留溶媒量を20〜100重量
%とした時点でウェブを剥離し、剥離を容易にして製膜
する方法である。このような剥離時の残留溶媒量とする
には、流延後の流延用支持体の表面温度を制御し、ウェ
ブからの有機溶媒の蒸発を効率的に行えるように上記温
度範囲にする必要がある。支持体温度を制御するには、
伝熱効率のよい伝熱方法を使用するのがよい。例えば、
液体による裏面伝熱方法が好ましい。輻射熱や熱風等に
よる伝熱方法は支持体温度のコントロールが難しく、好
ましい方法とはいえないが、ベルト(支持体)マシンに
おいて、移送するベルトが下側に来た所の温度制御に
は、緩やかな風でベルト温度を調節することが出来る。
支持体の温度は、加熱手段を分割することによって、部
分的に支持体温度を変えることが出来、流延用支持体の
流延位置、乾燥部、剥離位置等異なる温度とすることが
出来る。
【0066】特に、構成(5)と(3)及び(4)との
組み合わせにより、剥離し易く、平面性の優れたセルロ
ースエステルフィルムを得ることが出来る。
【0067】本発明の構成(6)は、構成(1)〜
(5)のセルロースエステルフィルムの製造方法におい
て、ドープ中に水をセルロースエステルに対して0.5
〜5重量%含有させることによって、剥離が容易にな
り、平面性の優れたフィルムを得ることが出来る。水分
は製造されたセルロースエステルフレーク中に通常0.
5重量%以下混在しているが、それ以上に積極的に添加
することによって剥離する際に、支持体とウェブの密着
性が低減し、剥離し易くする。乾燥後フィルム中には、
水分も蒸発して、0.1重量%以下の水分量となり、そ
の位の量では、セルロースエステルフィルムの性質には
影響を与えることはない。
【0068】本発明の構成(7)は、構成(1)〜
(5)のセルロースエステルフィルムの製造方法におい
て、ドープ中に酢酸をセルロースエステルに対して0.
1〜2重量%含有させることによって、上記水同様、剥
離が容易になり、平面性の優れたフィルムと得ることが
出来る。酢酸は、製造されたセルロースエステルフレー
ク中に0.01重量%以下遊離酸として混在している
が、それ以上に積極的に添加することによって剥離する
際に、支持体とウェブの密着性が低減し、剥離し易くな
る。しかしながら、乾燥後フィルム中には、酢酸が蒸発
して0.01重量%以下にすることが出来、フィルム中
には出来るだけ酢酸を残さない方がよく、本発明におい
ては0.005重量%以下とすることが出来る。
【0069】なお、構成(6)または(7)の水または
酢酸は、溶媒にあらかじめ混合しておいてもよいし、溶
解時にセルロースエステルと共に添加してもよい。更に
ドープ中に添加してもよい。
【0070】構成(6)または(7)は、構成(3)の
アルキルフタリルアルキルグリコレートと共に用いるこ
とによって、更に密着力を低減出来る。更に構成(6)
または(7)は同時に使用してもよく、その効果を向上
することが出来る。
【0071】本発明の構成(13)は、構成(1)〜
(12)のセルロースエステルフィルムの製造方法によ
り製膜したセルロースフィルムである。特に本発明で製
造されるセルロースエステルフィルムは液晶画像表示装
置用フィルムとして特に有用である。
【0072】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明
するが、本発明の態様はこれに限定されるものではな
い。
【0073】
【実施例】実施例中の各測定及び評価方法は以下の方法
で行った。
【0074】〈セルロースエステルの置換度〉置換度
は、ケン化法によって測定するものとする。乾燥したセ
ルロースアシレートを精秤し、アセトンとジメチルスル
ホキシドとの混合溶媒(容量比4:1)に溶解した後、
所定の1N水酸化ナトリウム水溶液を添加し、25℃で
2時間ケン化する。フェノールフタレインを指示薬とし
て添加し、1N硫酸で過剰の水酸化ナトリウムを滴定す
る。また、上記と同様な方法により、ブランクテストを
行う。さらに滴定が終了した溶液の上澄み液を希釈し、
イオンクロマトグラフを用いて、常法により有機酸の組
成を測定する。そして、下記に従って置換度(%)を算
出する。
【0075】 TA=(Q−P)×F/(1000×W) DSace=(162.14×TA)/{1−42.1
4×TA+(1−56.06×TP)×(AL/A
C)} DSacy=Ssce×(AL/AC) 式中、Pは試料の滴定に要する1N硫酸量(ml)、Q
はブランクテストに要する1N硫酸量(ml)、Fは1
N硫酸の力価、Wは試料重量、TAは全有機酸量(mo
l/g)、AL/ACはイオンクロマトグラフで測定し
た酢酸(AC)と他の有機酸(AL)とのモル比、DS
aceはアセチル基の置換度、DSacyは炭素原子量
3または4のアシル基の置換度を示す。
【0076】〈セルロースエステルの数平均分子量〉高
速液体クロマトグラフィにより下記条件で測定する。
【0077】 溶媒:アセトン カラム:MPW×1(東ソー(株)製) 試料濃度:0.2W/v% 流量:1.0ml/分 試料注入量:300μl 標準試料:ポリメタクリル酸メチル(Mw=188,2
00) 温度:23℃。
【0078】〈フィルムと支持体との密着力〉支持体に
流延し、支持体上で乾燥したフィルムを、支持体に対し
て垂直方向に剥離する。幅100mmのフィルムを剥離
するのに必要な力をばね秤を用いて求めた。
【0079】〈フィルムの横段ムラ〉上記の測定で得ら
れた剥離したフィルムを目視で観察し、横段状のムラの
レベルを次のようにランク付けした。
【0080】 A:横段状ムラらが全くなく平滑である B:横段状ムラが僅かに見えるような感じがするが、全
体的に平滑である C:横段状ムラが僅かに見えるが、概して平滑である D:横段状ムラが僅か見え、やや平滑性に欠ける E:横段状ムラがはっきり見えるが、その量はあまり多
くない F:はっきりした横段状ムラが数多く見える。
【0081】実施例1〜12、比較例1、2及び4のセ
ルロースエステルフィルムの作製。
【0082】表1に記載のセルロースエステルを表1に
記載のドープ組成で、加圧密閉容器に投入し、80℃に
加温して容器内圧力を2気圧とし、攪拌しながらセルロ
ースエステルを完全に溶解させドープを得た。ドープを
流延する温度まで下げて一晩静置し、脱泡操作を施した
後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を
使用して濾過し製膜に供した。
【0083】実施例13〜15、比較例3のセルロース
エステルフィルムの作製。
【0084】表1に記載のセルローストリアセテートを
表1に記載のドープ組成で、溶媒を導入してある容器に
室温でセルローストリアセテートを投入し、膨潤させ
た。次ぎに、この混合物を二重構造の密閉容器に入れ、
混合物をゆっくり撹拌しながら外側のジャケットに冷媒
を導入した。これにより内側容器内の混合物を−70℃
まで冷却した。混合物が均一に冷却されるまで30分冷
却した。密閉容器の外側のジャケット内の冷媒を排出
し、代わりに温水をジャケットに導入。続いて内容物を
撹拌し、40分かけて80℃まで上げた。容器内は2気
圧となった。撹拌しながら50℃まで温度を下げ常圧に
戻し、一晩そのまま放置しドープを得た。このドープを
安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾
過し、製膜に供した。
【0085】上記(実施例1〜15及び比較例1〜4)
のドープを表1の温度に調整して、ダイからステンレス
ベルト上に表1の乾燥後の膜厚になるように流延した。
ステンレスベルトの裏面から表1の温度の温水を接触さ
せて温度制御されたステンレスベルト上で5分間乾燥し
た後、更にステンレスベルトの裏面に、表1に記載の冷
水を接触させて1分間保持した後、ステンレスから剥離
した。この時、ベルト上で幅100mm間隔の切れ目を
入れ、ばね秤を用いて密着力を測定した。
【0086】更に、上記密着力試験とは別の位置のウェ
ブを、剥離する速度、剥離力を一定にしながらベルトか
ら剥離し、その後、剥離中に起こる横段ムラを観察する
ために、剥離後の収縮等のノイズが入らないように、剥
離したフィルムの両端を固定しながら130℃で30分
間乾燥させた。得られたフィルムについて剥離時に生じ
る横段ムラの評価をした。また、剥離時のウェブと仕上
がり時のフィルムの残留溶媒量と膜厚を測定した。結果
を表2に示した。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】(結果)表2から明らかなように、本発明
のセルロースエステルフィルムの製造方法によれば、ウ
ェブとベルトとの密着力が低く出来るので、横段ムラの
ない面品質の良好なフィルムが得られることがわかる。
これに対して、アルコールを全く含有しないものでドー
プ温度がベルト温度より低いものは密着力が大きく横段
が強く発生した。また、アルコールが非常に多く含有し
たものでは、未溶解物が多くドープを形成出来なかっ
た。
【0090】
【発明の効果】本発明により、塩素系有機溶媒を使用し
ないセルロースエステル溶液を用いても、フィルムと支
持体との密着力を低減することができた。これにより横
段ムラのない面品質が良好なセルロースエステルフィル
ムを製造する方法及び液晶画像表示装置用フィルムを提
供することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA09 AA81 AC02 AC05 AC09 AC10 AE19 AH12 BB02 BC01 4J002 AB02W DE028 EC036 EF039 EH036 EH147 HA05

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素原子数2〜4のアシル基を置換基と
    して有するセルロースエステルを用い、溶液流延製膜法
    によりセルロースエステルフィルムを製造する方法にお
    いて、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基及
    び/またはブチリル基の置換度をYとした時、下記式
    (I)及び(II)を同時に満たすセルロースエステル
    を、炭素原子数1〜4のものから選ばれるアルコールを
    全有機溶媒に対して0.1〜30重量%含有している非
    塩素系有機溶媒に溶解してドープとし、該ドープを用い
    てフィルムを形成することを特徴とするセルロースエス
    テルフィルムの製造方法。 (I) 2.6≦X+Y≦3.0 (II) 0≦X≦2.5
  2. 【請求項2】 炭素原子数2〜4のアシル基を置換基と
    して有するセルロースエステルを用い、溶液流延製膜法
    によりセルロースエステルフィルムを製造する方法にお
    いて、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基及
    び/またはブチリル基の置換度をYとした時、下記式
    (III)及び(IV)を同時に満たすセルロースエステル
    を、炭素原子数1〜4のものから選ばれるアルコールを
    全有機溶媒に対して1重量%以上10重量%未満含有し
    ている非塩素系有機溶媒に溶解してドープとし、該ドー
    プを用いてフィルムを形成することを特徴とするセルロ
    ースエステルフィルムの製造方法。 (III) 2.6≦X+Y≦3.0 (IV) 2.5<X≦3.0
  3. 【請求項3】 ドープが、セルロースエステルに対して
    1〜10重量%のアルキルフタリルアルキルグリコレー
    トを含有することを特徴とする請求項1または2に記載
    のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 溶液流延製膜法の流延用支持体の全面の
    温度範囲を10〜60℃とし、更に、ドープの温度を、
    該流延用支持体のドープ流延位置の温度と同等以上とし
    て該流延用支持体上に流延することを特徴とする請求項
    1乃至3の何れか1項に記載のセルロースエステルフィ
    ルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 流延用支持体上にセルロースエステルド
    ープを流延してウェブとし、該流延用支持体上のウェブ
    剥離位置における該流延用支持体温度を10〜40℃と
    し、且つ該剥離位置におけるウェブの残留溶媒量を20
    〜100重量%とした時点でウェブを剥離することを特
    徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のセルロー
    スエステルフィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 ドープが水をセルロースエステルに対し
    て0.5〜5重量%含有していることを特徴とする請求
    項1乃至5の何れか1項に記載のセルロースエステルフ
    ィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 ドープが酢酸をセルロースエステルに対
    して0.1〜2重量%含有していることを特徴とする請
    求項1乃至6の何れか1項に記載のセルロースエステル
    フィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 セルロースエステルが70000〜30
    0000の数平均分子量を有することを特徴とする請求
    項1乃至7の何れか1項に記載のセルロースエステルフ
    ィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 Yがプロピオニル基の置換度であること
    を特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のセル
    ロースエステルフィルムの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記非塩素系有機溶媒が酢酸メチルで
    あることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記
    載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記アルコールがエタノールであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の
    セルロースエステルフィルムの製造方法。
  12. 【請求項12】 ドープが10〜40重量%のセルロー
    スエステルを含有することを特徴とする請求項1乃至1
    1の何れか1項に記載のセルロースエステルフィルムの
    製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12の何れか1項に記載
    の方法により製造したことを特徴とするセルロースエス
    テルフィルム。
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