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JP2000282171A - 切り屑分断性および機械的特性に優れた機械構造用鋼 - Google Patents

切り屑分断性および機械的特性に優れた機械構造用鋼

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Publication number
JP2000282171A
JP2000282171A JP9320999A JP9320999A JP2000282171A JP 2000282171 A JP2000282171 A JP 2000282171A JP 9320999 A JP9320999 A JP 9320999A JP 9320999 A JP9320999 A JP 9320999A JP 2000282171 A JP2000282171 A JP 2000282171A
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JP
Japan
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sulfide
steel
less
machine structural
mechanical properties
Prior art date
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Pending
Application number
JP9320999A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehiro Tsuchida
武広 土田
Hiroshi Kaguchi
浩 家口
Katsuhiko Ozaki
勝彦 尾崎
Takahiro Kudo
高裕 工藤
Moriyoshi Kanamaru
守賀 金丸
Masami Somekawa
雅実 染川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP9320999A priority Critical patent/JP2000282171A/ja
Publication of JP2000282171A publication Critical patent/JP2000282171A/ja
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  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 Pbフリーで、従来のPb添加鋼に匹敵する
優れた切り屑分断性と機械的特性を安定して確実に発揮
することのできる機械構造用鋼を提供する。 【解決手段】 硫化物系介在物が存在する機械構造用鋼
において、下記(1)式で規定される硫化物粒子分布指
数F1が0.5以下である。 F1=X1/(A/n)1/2……(1) 但し、X1:観察視野内の各粒子毎に該粒子に最も近接
して存在する別の粒子との距離を、観察視野に存在する
全粒子について実測して、これを平均して求められる値
(μm) A:観察面積(mm2) n:上記観察面積内で観察される硫化物粒子数(個)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業機械や自動
車、電気製品等の部品の様に、切削加工を施すことによ
って製造される部品の素材として有用な機械構造用鋼に
関し、殊に被削性改善成分としてのPbを実質的に含ま
ない所謂Pbフリーで、切削加工時の切り屑処理性およ
び機械的特性に優れた機械構造用鋼に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】産業機械や自動車、電気製品等の部品に
おいては、切削加工して製造されるものであるので、被
削性が良好であることが要求される。こうした部品の素
材となる機械構造用鋼の被削性を改善する方法として
は、従来から鋼中に被削性改善成分としてPbやS等を
含有させる方法が採用されており、特にPbは少量の添
加で優れた被削性を発揮することが知られている。
【0003】こうした技術として、例えば特開昭59−
205453号には、SにTe,PbおよびBiを複合
添加すると共に、長径と短径がある値以上で(長径/短
径)比が5以下である様なMnS系介在物が全MnS介
在物の50%以上を占め、且つ酸化物介在物中のAl2
3の含有量が15%以下である快削鋼について提案さ
れている。
【0004】また、特開昭62−23970号には、連
続鋳造法による低炭素硫黄−鉛快削鋼で、C,Mn,
P,S,Pb,O,Si,Al等の成分範囲を規定する
と共に、MnS系介在物の平均サイズや酸化物と結合し
ていない硫化物系介在物の割合を規定することによっ
て、被削性を改善する技術が提案されている。
【0005】これらの技術は、いずれもPbとSを複合
添加した快削鋼であるが、Pbによる環境汚染の問題が
クローズアップされるに及び、鉄鋼材料においてもPb
の使用が制限される傾向にあり、所謂Pbフリーで被削
性を改善する技術の研究が積極的に進められている。
【0006】こうした状況の下で、硫黄快削鋼における
MnS等の硫化物系介在物の大きさや形状等の形態制御
によって被削性を改善する技術が主流をなしているが、
Pb快削鋼に匹敵する被削性を発揮する快削鋼は実現さ
れていない。また、硫化物系介在物の形態制御によって
被削性を改善する技術では、鋼材を圧延したり鍛造する
際に母材を塑性変形に伴ってMnSが長く変形し、これ
が原因して機械的特性に異方性を生じ、或る方向におけ
る衝撃値が低下するという問題も指摘されている。
【0007】ところで被削性は、(1)切削抵抗、
(2)工具寿命、(3)仕上げ面粗さ、(4)切り屑分
断性、等の項目によって評価されるものであり、従来で
はこれらの項目のうち工具寿命と仕上げ面粗さが重要視
されていたが、近年機械加工の自動化や無人化が進めら
れる中で、作業効率や安全性の観点から切り屑分断性も
軽視できない重要な課題となっている。即ち、切り屑分
断性は、切削時に切り屑が短尺に分断された状態で生じ
る特性であるが、この特性が悪くなると切り屑が螺旋状
に長く伸びて切削工具に絡まる等の障害が生じることに
なる。こうした切り屑分断性の点からしても、従来のP
b添加鋼では比較良好な被削性が発揮されていたのであ
るが、Pbフリーの鋼材においてはこの特性が良好であ
るものは実現されていないのが実状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした状
況の下でなされたものであって、その目的は、Pbフリ
ーで、従来のPb添加鋼に匹敵する優れた切り屑分断性
と機械的特性を安定して確実に発揮することのできる機
械構造用鋼を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明の機械構造用鋼とは、硫化物系介在物が存在する機
械構造用鋼において、下記(1)式で規定される硫化物
粒子分布指数F1が0.5以下である点に要旨を有する
ものである。
【0010】F1=X1/(A/n)1/2……(1) 但し、X1:観察視野内の各粒子毎に該粒子に最も近接
して存在する別の粒子との距離を、観察視野に存在する
全粒子について実測して、これを平均して求められる値
(μm) A:観察面積(mm2) n:上記観察面積内で観察される硫化物粒子数(個) また、上記本発明の目的は、下記(2)式で規定される
硫化物粒子分布指数F2が1.5以上である様な機械構
造用鋼においても達成することができる。
【0011】F2=σ/X2 ……(2) 但し、σ:単位面積当たりの硫化物粒子数の標準偏差 X2:単位面積当たりの硫化物粒子数の平均値 上記いずれ機械構造用鋼においても、硫化物系介在物の
長径L1と短径L2の比(L1/L2)が1.5〜8.
0であるという要件を満足するものであることが好まし
く、これによって切り屑分断性および機械的特性を更に
改善することができる。。
【0012】本発明の機械構造用鋼においては、機械構
造用鋼として求められる物性などを確保する意味からし
て、鋼材の化学成分として、C:0.01〜0.7%、
Si:0.01〜2.5%、Mn:0.1〜3%、S:
0.01〜0.2%、P:0.05%以下(0%を含
む)、Al:0.1%以下(0%を含む)およびN:
0.002〜0.02%を夫々含有するものであること
が好ましい。また、この化学成分には、必要によって更
に(a)Ti:0.002〜0.2%および希土類元
素:合計で0.0002〜0.2%よりなる群から選ば
れる1種以上、(b)Bi:0.3%以下(0%を含ま
ない)、等を含有させることも有用である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記課題を解決す
るべく、特に切り屑分断性と硫化物系介在物の形態との
関係について、様々な角度から検討した。その結果、従
来の様にMnS等の大きさや形状ではなく、介在物の分
布状態と切り屑分断性とには相関関係があることを明ら
かにした。以下、本発明の作用効果について説明する。
【0014】機械化された切削加工においては、切削時
の切り屑が細かく分断することが被削性の評価項目の一
つとして求められていることは前述した通りである。そ
してこの切り屑の分断は、鋼中に存在する介在物付近へ
の応力の集中が原因となって亀裂が発生して起こること
を本発明者らは確認している。また、介在物が鋼中に細
長く伸びた状態であれば、或る一定の方向の切削に対し
ては良好な切り屑分断性が得られるものの、切削方向が
変わると急に切り屑分断性が低下するという問題があ
る。一方、球状の介在物の場合には、切削方向によって
被削性が変わるといういう様な異方性はないものの、切
り屑分断性は必ずしも良好であるとはいえなかった。
【0015】そこで本発明者らは、硫化物系介在物の分
布状態に着目し、細かい介在物がクラスターを形成する
ことによって、お互いに連携して切り屑の分断を促すこ
とが可能となり、それと同時にまた細長く伸びた介在物
の場合と異なり、三次元にクラスタを形成している為に
異方性も大きくなく、横方向の衝撃値も良好な状態とな
り得ることを見出した。尚、上記クラスターとは、介在
物の分布状態が空間的に均一には分散しておらず、分布
状態が不均一で凝集領域を形成した状態を意味する。
【0016】本発明者らは、上記の着想に基づいて上記
のクラスターを評価する手段について様々な角度から検
討したところ、前記 (1)式または(2)で規定
される硫化物粒子分布指数F1またはF2が所定の範囲
となれば、上記目的が見事に達成されることを見出し本
発明完成した。次に、これら硫化物粒子分布指数F1,
F2について説明する。
【0017】まず、硫化物粒子分布指数F1の意味する
ところは、観察視野の各介在物粒子毎に該粒子に最も近
接して存在際する粒子との距離を、観察視野に存在する
全粒子について実測し、その平均値X1と、観察した全
粒子を均一に格子点に整列させた場合の粒子間距離(A
/n)1/2[但し、A:観察面積(mm2)、n:上記観
察面積内で観察される硫化物粒子数(個)]との比の値
[X1/(A/n)1/2]である。
【0018】上記の様にして規定される硫化物粒子分布
指数F1は、硫化物が完全に均一なときには1に近い値
をとり、不均一なときには1から外れて1よりも小さい
値となる。そして、本発明者らが検討したところによる
と、このF1の値が0.5以下になると、クラスターの
形成によって切り屑分断性および横方向衝撃値が共に良
好な状態になり、0.5を超えると切り屑分断性が低下
することを明らかにした。
【0019】一方、硫化物粒子分布指数F2の意味する
ところは、ある面積の視野を格子状に分割し、各格子の
中に存在する硫化物系介在物の個数の標準偏差σを、単
位面積当たりの硫化物粒子数の平均値X2で規格化した
値である。この場合には、硫化物系介在物が完全に均一
な分布であれば、F2の値は0に近づくことになる。そ
してこのF2の値が1.5以上になれば、クラスターの
形成によって切り屑分断性および横方向衝撃値が共に良
好な状態になり、1.5未満では切り屑分断性が低下す
ることを明らかにした。
【0020】また、本発明の機械構造用鋼においては、
硫化物系介在物の長径L1と短径L2の比(L1/L
2:アスペクト比)が1.5〜8.0に制御することが
好ましく、これによって更に優れた切り屑分断性と横方
向衝撃値が発揮される。即ち、硫化物系介在物は圧延や
鍛造によってある程度変形するものであるが、しかるべ
き方向に試料を切断して観察したときの、硫化物系介在
物の上記アスペクト比が平均で1.5未満であると切り
屑分断性が低下し、一方この値が大き過ぎて8.0を超
えると横方向の衝撃値が低下することになる。
【0021】本発明の機械構造用は、上記の様に硫化物
系介在物の分布状態を規定したところに特徴があり、鋼
材の種類については特に限定するものではないが、機械
構造用鋼としての要求特性を満足させるという観点から
して、C:0.01〜0.7%、Si:0.01〜2.
5%、Mn:0.1〜3%、S:0.01〜0.2%、
P:0.05%以下(0%を含む)、Al:0.1%以
下(0%を含む)およびN:0.002〜0.02%を
夫々含有するものであることが好ましく、この様に化学
成分組成を調整することによって、機械構造用鋼として
必要な引張強度で更に良好な特性が得られ、硫化物系介
在物の分布や形状も良好になって、被削性および機械的
特性のいずれもより優れたものとなる。これらの各成分
の作用は、下記の通りである。
【0022】C:0.01〜0.7% Cは、最終製品の強度を確保するのに最も重要な元素で
あり、こうした観点からC含有量は0.01%以上であ
ることが好ましい。しかしながら、C含有量が過剰にな
ると、靭性が低下すると共に工具寿命などの被削性にも
悪影響を与えるので0.7%以下とすることが好まし
い。尚、C含有量のより好ましい下限は、0.05%で
あり、より好ましい上限は0.5%である。
【0023】Si:0.01〜2.5% Siは、脱酸性元素として有効である他、固溶強化によ
って機械的部品の高強度化に寄与する元素であり、こう
した効果を発揮させる為には、0.01%以上含有させ
ることが好ましく、より好ましくは0.1%以上とする
のが良い。しかしながら、過剰に含有させると、被削性
に悪影響が現れてくるので、2.5%以下とすることが
好ましく、より好ましくは2.0%以下とするのが良
い。
【0024】Mn:0.1〜3% Mnは、鋼材の焼入れ性を高めて強度増大に寄与するだ
けでなく、硫化物系介在物を形成して切り屑分断性の向
上にも寄与する元素であり、これらの効果を有効に発揮
させる為には0.1%以上含有させることが好ましい。
しかしながら、過剰に含有させると、被削性を却って低
下させるので、3%以下とするのが好ましく、より好ま
しくは2%以下に抑えるのが良い。
【0025】S:0.01〜0.2% Sは硫化物系介在物を形成して、被削性を向上させるの
に有効な元素であり、こうした効果を発揮させる為には
0.01%以上含有させることが好ましく、より好まし
くは0.03%以上とするのが良い。しかしながら、S
の含有量が過剰になるとMnSなどの硫化物を起点とし
て割れが生じ易くなることから、0.2%以下とするこ
とが好ましい、より好ましくは0.12%以下とするの
が良い。
【0026】P:0.05%以下(0%を含む) Pは、粒界偏析を起こして耐衝撃特性を劣化させる傾向
があるので、0.05%以下、より好ましくは0.02
%以下に抑えるべきである。
【0027】Al:0.1%以下(0%を含む) Alは、鋼材を溶製する際の脱酸性元素として重要であ
る他、窒化物を形成してオーステナイト結晶粒の微細化
にも有効であるが、過剰になると逆に結晶粒が粗大化し
て靭性に悪影響を及ぼすので、0.1%以下に抑えるの
が良く、より好ましくは0.05%以下に抑えるのが良
い。
【0028】N:0.002〜0.02% Nは、AlやTi等と微細な窒化物を形成して、組織の
微細化や強度の向上に寄与する。こうした効果を発揮さ
せる為には、0.002%以上含有させることが好まし
いが、過剰になると粗大な窒化物を形成することがある
ので、0.02%以下に抑えるべきである。
【0029】本発明に係る機械構造用鋼における好まし
い化学成分組成は上記の通りであり、残部は基本的に鉄
および不可避不純物からなるものであるが、本発明では
上記の様に硫化物系介在物の分布状態を規定したところ
に技術思想としての特徴を有するものであるから、該化
学成分組成は本発明を限定するものではなく、機械構造
用鋼の用途や要求特性によって、上記好ましい化学成分
組成から若干外れることがあってもかまわない。また、
上記以外にも、必要によって更に、下記の元素を含有さ
せることも有効である。
【0030】Ti:0.002〜0.2%および希土類
元素:合計で0.0002〜0.2%よりなる群から選
ばれる1種以上 鋼材を溶製で製造する場合には、Tiや希土類元素を添
加することによって硫化物の分布状態等の形態が変化
し、添加しない場合に比べて優れた特性が得られる。但
し、Ti含有量が0.002%に満たないとその添加効
果が不十分であり、0.2%を超えて過剰に含有すると
衝撃値が著しく低下することになる。また、Ce,L
a,Pr,Nd等の希土類元素の場合は、その含有量が
合計で0.0002%に満たないとその添加効果が不十
分であり、0.2%を超えるとTiと同様に衝撃値が低
下することになる。尚、これらの元素は、Tiと希土類
元素の添加はどちらか一方でも良く、両方を同時に添加
しても良い。
【0031】Bi:0.3%以下(0%を含まない) Biは被削性を向上させるのに有効な元素であるが、過
剰に含有してもその効果が飽和するばかりでなく、熱間
鍛造性を劣化させて機械的特性を低下させることになる
ので0.3%以下とすべきである。
【0032】本発明の機械構造用鋼の製造法について
は、粉末法、溶製法のいずれもいずれも採用でき、特に
限定するものではないが、要するに硫化物の形態が上記
の要件を満足したものであれば良い。また、本発明で対
象とする硫化物は、その種類については特定するもので
はなく、Mn,Ca,Zr,Ti、その他の元素の硫化
物や、これらの複合硫化物、炭硫化物、酸硫化物等であ
っても良く、介在物の分布状態が上記(1)式または
(2)式で規定する要件を満足するものであれば良い。
【0033】以下、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することは
いずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0034】
【実施例】実施例1 硫化物系介在物の分布状態を種々変えて比較検討する為
に、次の様に粉末を原料にして材料を作製した。まず原
料としては、一定量の不純物を含有する純鉄粉末、Mn
S粉末、グラファイト粉末、Fe−Si合金粉末、Fe
−Mn合金粉末およびFe−P合金粉末等を準備した。
そして、意図的に硫化物の分布状態を変化させる為に、
純鉄粉とMnS粉末の割合を2:1、4:1、10:1
にして予備混合して、目の開き約400μm程度のメッ
シュを通し、約300μm程度の造粒粉を用意した。
【0035】この予備混合粉末と他の原料粉末を所定の
割合に混合して、硫化物の分布状態の異なる混合粉末を
得た。このとき、成分はC:0.3%、Si:0.85
%、Mn:0.65%、S:0.06%、P:0.01
%、残部鉄および不可避不純物になる様にした。
【0036】上記の様にして調製した各混合粉末を、ゴ
ム型でCIP成形(冷間静水圧加圧成形)し、次いで鉄
製のカプセルに真空封入して1100℃でHIP成形
(熱間静水圧力加圧成形)を施した。更に、硫化物系介
在物のアスペクト比(長径/短径)を変える為に、鍛造
比を変えて丸棒の直径を減少する様に熱間鍛造し、焼入
れ・焼戻しを実施してビッカース硬さを270±10に
揃えた。そして、切削試験片用およびシャルピー衝撃試
験片用の素材を作製した。このとき、衝撃試験片は、丸
棒の長手方向と垂直な方向に切り出した。
【0037】上記の様にして得られた試験片を用いて、
切削試験および衝撃試験を行なうと共に、硫化物の形態
測定を行なった。このとき切削試験は、ハイス製(直
径:10mm)のストレートドリルを用いて行ない、2
穴分の切り屑の個数をカウントした。また、切削条件
は、速度:20m/min、送り速度:0.2mm/r
evおよび穴深さ:10mmとし、乾式切削を実施し
た。また、衝撃試験は横方向の衝撃値を求めた。
【0038】一方、硫化物の形態測定は、光学顕微鏡を
用いて倍率:100倍で、1視野当たり0.5mm×
0.5mmの面積を100視野づつ観察し、硫化物の形
状と分布状態を以下の要領で画像解析した。
【0039】(硫化物の形状)硫化物の形状について
は、観察した100視野の全てに対して、面積が1.0
μm2以上の硫化物について長径、短径、面積および個
数を測定した。
【0040】(硫化物の分布状態)硫化物の分布状態の
評価は、下記の様にして硫化物粒子分布指数F1または
F2で評価した。
【0041】[F1]面積:0.5mm×0.5mmの
各視野について、面積:1.0μm2以上の硫化物の重
心を求め、各硫化物について他の硫化物との重心間距離
を測定し、各粒子について最も近接して存在する粒子と
の距離を求めた。そして、各視野の最近接粒子間距離の
実測値の平均値X1と、同一面積に同数の硫化物粒子を
格子状に均一分散させた場合の最近接粒子間距離[(A
/n)1/2]との比[X1/(A/n)1/2]をとって、
硫化物粒子分布指数F1とした。これを、5視野につい
て測定して平均値を求めた。尚、対象とする硫化物の面
積を1.0μm2以上としたのは、これより小さな硫化
物を制御してもあまり効果がないからである。
【0042】[F2]面積:0.5mm×0.5mmの
各視野について、0.1mm×0.1mmの格子25個
に分割し、各格子内に重心位置が含まれるものの個数を
測定し、25個の各格子間での個数のばらつきを標準偏
差σとして算出し、この標準偏差σを、個数の平均値X
2(単位面積当たりの硫化物粒子数の平均値)で規格化
した値(σ/X2)を硫化物粒子分布指数F2とした。
これを、5視野について測定して平均値を求めた。
【0043】下記表1は、このとき用いた試験片の化学
成分組成を示したものであり、表2はこれらの硫化物介
在物の分布・形状の測定結果、切削試験結果および衝撃
試験結果を示したものである。また図1は、表2のN
o.1〜15の結果に基づき、従来の様に硫化物のサイ
ズ(ここでは平均面積で評価した)が切り屑分断性[図
1(a)]や機械的特性[図1(b)]に与える影響を
示したグラフであり、図2は同じく硫化物のアスペクト
比(長径/短径)が切り屑分断性[図2(a)]や機械
的特性[図2(b)]に与える影響を示したグラフであ
る。
【0044】一方、図3は、表2のNo.1〜8の結果
に基づき、硫化物介在物分布指数F1が、切り屑分断性
[図3(a)]や機械的特性[図3(b)]に与える影
響を示したグラフである。また図4は、表2のNo.9
〜15の結果に基づき、硫化物介在物分布指数F2が、
切り屑分断性[図4(a)]や機械的特性[図4
(b)]に与える影響を示したグラフである。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】 これらの結果から、次の様に考察できる。まず図1、2
から明らかな様に、硫化物のサイズやアスペクト比を規
定しただけでは、必ずしも優れた特性が得られていない
ことが分かる。これに対して、図3から明らかな様に、
硫化物粒子分布指数F1が0.5以下(即ち硫化物の分
布状態が不均一)になると、切り分断性が向上している
ことが分かる。また、このとき横方向衝撃値も低下する
ことなく、実用に十分なレベルにあることがわかる。ま
た、図4から明らかな様に、硫化物粒子分布指数F2が
1.5以上になると、良好な結果が得られているが、こ
のF2が1.5未満になるとクラスターの形成が不十分
になって切り屑分断性が低下していることが分かる。
【0047】尚、図5は、表2のNo.16〜23の結
果に基づき、硫化物粒子分布指数F1をほぼ一定にし
て、硫化物系介在物のアスペクト比が切り屑分断性[図
5(a)]や機械的特性[図5(b)]に与える影響を
示したグラフであるが、硫化物系介在物のアスペクト比
が平均1.5未満では切り屑分断性が低下し、逆に8.
0よりも大きくなると横方向衝撃値が低下していること
が分かる。
【0048】実施例2 高周波真空溶解炉を用いて、下記表3に示す化学成分組
成に調整した各種鋼材を溶製した。得られたインゴット
を、直径:140mm→80mmに熱間鍛造して、適当
な寸法に切断し、焼入れ・焼戻しを実施してビッカース
硬さを270±10に揃えた。そして、切削試験片用お
よびシャルピー衝撃試験片用の素材を作製した。このと
き、衝撃試験片は、丸棒の長手方向と垂直な方向に切り
出した。この様にして得られた試験片を用いて、実施例
1と同様にして切削試験および衝撃試験を行なうと共
に、硫化物の形態測定を行なった。下記表4は、このと
きの硫化物介在物の分布・形状の測定結果、切削試験結
果および衝撃試験結果を示したものである。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】 これらの結果から、次の様に考察できる。まずNo.2
4〜28のものは、Tiの添加効果について示したもの
である。また図6は、これらの結果に基づいて、Tiの
添加が切り屑分断性[図6(a)]や機械的特性[図6
(b)]に与える影響をグラフ化したものである。これ
らから明らかな様に、Ti含有量が0.005〜0.2
%の場合には、切り屑分断性および機械的特性(横方向
衝撃値)のいずれも良好であることが分かる。
【0051】No.29〜35のものは、希土類元素
(REM)の添加効果について示したものである。また
図7は、これらの結果に基づいて、REMの添加が切り
屑分断性[図7(a)]や機械的特性[図7(b)]に
与える影響をグラフ化したものである。これらから明ら
かな様に、REM含有量が合計で0.0002〜0.2
%の場合には、切り屑分断性および機械的特性(横方向
衝撃値)のいずれも良好であることが分かる。
【0052】No.36〜39のものは、Biの添加効
果について示したものである。また図8は、この結果に
基づいて、Biの添加が切り屑分断性[図8(a)]や
機械的特性[図8(b)]に与える影響をグラフ化した
ものである。これらから明らかな様に、Biを適量添加
したNo.37,38のものでは、Bi無添加のNo.
36のものに比べて切り屑分断性および機械的特性のい
ずれも良好であり、No.39のものではBi含有量が
多すぎるので横方向衝撃値が低下していることが分か
る。
【0053】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、硫
化物系介在物の分布状態を適切に規定することによっ
て、Pbフリーでも従来のPb添加鋼に匹敵する優れた
切り屑処理性と機械的特性を安定して確実に発揮するこ
とのできる機械構造用鋼が実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】硫化物のサイズが切り屑分断性や機械的特性に
与える影響を示したグラフである。
【図2】硫化物のアスペクト比が切り屑分断性や機械的
特性に与える影響を示したグラフである。
【図3】硫化物介在物分布指数F1が切り屑分断性や機
械的特性に与える影響を示したグラフである。
【図4】硫化物介在物分布指数F2が切り屑分断性や機
械的特性に与える影響を示したグラフである。
【図5】硫化物介在物のアスペクト比が切り屑分断性や
機械的特性に与える影響を示したグラフである
【図6】Tiの添加が切り屑分断性や機械的特性に与え
る影響を示したグラフである。
【図7】REMの添加が切り屑分断性や機械的特性に与
える影響を示したグラフである。
【図8】Biの添加が切り屑分断性や機械的特性に与え
る影響を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾崎 勝彦 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 工藤 高裕 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 金丸 守賀 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 染川 雅実 神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会社神戸 製鋼所神戸製鉄所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫化物系介在物が存在する機械構造用鋼
    において、下記(1)式で規定される硫化物粒子分布指
    数F1が0.5以下であることを特徴とする切り屑処理
    性および機械的特性に優れた機械構造用鋼。 F1=X1/(A/n)1/2……(1) 但し、X1:観察視野内の各粒子毎に該粒子に最も近接
    して存在する別の粒子との距離を、観察視野に存在する
    全粒子について実測して、これを平均して求められる値
    (μm) A:観察面積(mm2) n:上記観察面積内で観察される硫化物粒子数(個)
  2. 【請求項2】 硫化物系介在物が存在する機械構造用鋼
    において、下記(2)式で規定される硫化物粒子分布指
    数F2が1.5以上であることを特徴とする切り屑処理
    性および機械的特性に優れた機械構造用鋼。 F2=σ/X2 ……(2) 但し、σ:単位面積当たりの硫化物粒子数の標準偏差 X2:単位面積当たりの硫化物粒子数の平均値
  3. 【請求項3】 硫化物系介在物の長径L1と短径L2の
    比(L1/L2)が1.5〜8.0である請求項1また
    は2に記載の機械構造用鋼。
  4. 【請求項4】 C:0.01〜0.7%(質量%の意
    味、以下同じ)、Si:0.01〜2.5%、Mn:
    0.1〜3%、S:0.01〜0.2%、P:0.05
    %以下(0%を含む)、Al:0.1%以下(0%を含
    む)およびN:0.002〜0.02%を夫々含有する
    ものである請求項1〜3のいずれかに記載の機械構造用
    鋼。
  5. 【請求項5】 更に、Ti:0.002〜0.2%およ
    び希土類元素:合計で0.0002〜0.2%よりなる
    群から選ばれる1種以上を含有するものである請求項4
    に記載の機械構造用鋼。
  6. 【請求項6】 更に、Bi:0.3%以下(0%を含ま
    ない)を含有するものである請求項4または5に記載の
    機械構造用鋼。
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