JP2000272955A - 希土類選択エミッター材料 - Google Patents
希土類選択エミッター材料Info
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- JP2000272955A JP2000272955A JP11084213A JP8421399A JP2000272955A JP 2000272955 A JP2000272955 A JP 2000272955A JP 11084213 A JP11084213 A JP 11084213A JP 8421399 A JP8421399 A JP 8421399A JP 2000272955 A JP2000272955 A JP 2000272955A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 加熱されたエミッターからの放射をその放射
波長ピークに感度の整合した光電半導体セルで受けて高
効率に電力変換する固体素子発電システムである熱光起
電発電技術において好適に用いられる、選択的な波長で
強い放射率を有する選択エミッター材料を提供するこ
と。 【解決手段】 金属の酸化物と2種以上の金属の酸化物
から生成される複合酸化物とからなる群から選ばれる2
種以上の酸化物から構成されている凝固体からなり、前
記凝固体が前記金属酸化物及び/又は前記複合酸化物を
構成する金属としてEr,Yb,Nd,Hoを含む選択
エミッター材料。
波長ピークに感度の整合した光電半導体セルで受けて高
効率に電力変換する固体素子発電システムである熱光起
電発電技術において好適に用いられる、選択的な波長で
強い放射率を有する選択エミッター材料を提供するこ
と。 【解決手段】 金属の酸化物と2種以上の金属の酸化物
から生成される複合酸化物とからなる群から選ばれる2
種以上の酸化物から構成されている凝固体からなり、前
記凝固体が前記金属酸化物及び/又は前記複合酸化物を
構成する金属としてEr,Yb,Nd,Hoを含む選択
エミッター材料。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱光起電発電技術に
用いる選択エミッター材料に係わり、より具体的には、
高温に加熱されたエミッターからの放射をその放射波長
ピークに感度の整合した光電半導体セル(PVセル)で
受けて高効率に電力変換する固体素子発電システムであ
る熱光起電(TPV:Thermo-Photo-Voltaic)発電技術
において用いる、選択的な波長で強い放射率を有する選
択エミッター材料に関する。
用いる選択エミッター材料に係わり、より具体的には、
高温に加熱されたエミッターからの放射をその放射波長
ピークに感度の整合した光電半導体セル(PVセル)で
受けて高効率に電力変換する固体素子発電システムであ
る熱光起電(TPV:Thermo-Photo-Voltaic)発電技術
において用いる、選択的な波長で強い放射率を有する選
択エミッター材料に関する。
【0002】地球温暖化、化石燃料の枯渇など地球環境
問題への対応は21世紀を間近に控えた現在、緊急を要
する課題として、各国では国際的協力の下、環境への負
荷を最低限に抑え、かつ、資源を有効利用するための政
策が推進されている。このような背景の中で、従来のガ
スタービンシステムによる発電の高効率化や風力発電、
地熱発電、燃料電池等の多種多様な発電技術開発が推進
されている一方で、可動部を持たない固体素子発電技術
も注目されている。
問題への対応は21世紀を間近に控えた現在、緊急を要
する課題として、各国では国際的協力の下、環境への負
荷を最低限に抑え、かつ、資源を有効利用するための政
策が推進されている。このような背景の中で、従来のガ
スタービンシステムによる発電の高効率化や風力発電、
地熱発電、燃料電池等の多種多様な発電技術開発が推進
されている一方で、可動部を持たない固体素子発電技術
も注目されている。
【0003】その中の一つ、熱光起電発電技術では、
1,000℃から2,000℃程度に加熱されたある種
の固体物質(エミッター)からの放射エネルギーを、波
長フィルタリングして光電半導体素子に照射することに
より、高効率に電力を得ることができる。太陽光発電で
は、セルの受ける光のスペクトル分布は決まっている
が、TPVでは主にエミッター材料の種類により、スペ
クトルを人為的に加工することが可能である。また、T
PVにおいては、光照射密度が極めて高いなど、太陽光
発電とは質及び量的に大きく異なるところが特徴であ
る。
1,000℃から2,000℃程度に加熱されたある種
の固体物質(エミッター)からの放射エネルギーを、波
長フィルタリングして光電半導体素子に照射することに
より、高効率に電力を得ることができる。太陽光発電で
は、セルの受ける光のスペクトル分布は決まっている
が、TPVでは主にエミッター材料の種類により、スペ
クトルを人為的に加工することが可能である。また、T
PVにおいては、光照射密度が極めて高いなど、太陽光
発電とは質及び量的に大きく異なるところが特徴であ
る。
【0004】こうしたTPV発電器を従来の熱利用シス
テムに付加して発生した高温熱を利用・発電することに
より、総合発電効率を高めることができる。また、適合
する熱源種類が豊富、可動部がないために無騒音かつ保
守性に優れるなどの特徴を備え、需要地近接型の小規模
分散発電への応用も期待されている。
テムに付加して発生した高温熱を利用・発電することに
より、総合発電効率を高めることができる。また、適合
する熱源種類が豊富、可動部がないために無騒音かつ保
守性に優れるなどの特徴を備え、需要地近接型の小規模
分散発電への応用も期待されている。
【0005】
【従来の技術】1970年代から、米国を中心に宇宙用
あるいは軍事用の小型電源、可搬型電源への適用を目指
して開発が進められてきたが、近年では、TPVの上記
の特徴を活かした民生用、産業用途への適用も検討され
てきている。TPVは、1,000℃から2,000℃
に加熱されたエミッターからの放射を、その放射波長ピ
ークに感度の整合した光電半導体セル(PVセル)で受
けて、高効率に電力変換する固体素子発電システムであ
る。熱源には、燃焼熱、太陽集光熱、放射性同位元素崩
壊熱などが適用できる。理論的なシステム効率は30〜
40%と試算されており、エミッターの発光感度を10
0kW/m2 とすると30kW/m2 以上の発電密度が得ら
れることになる。
あるいは軍事用の小型電源、可搬型電源への適用を目指
して開発が進められてきたが、近年では、TPVの上記
の特徴を活かした民生用、産業用途への適用も検討され
てきている。TPVは、1,000℃から2,000℃
に加熱されたエミッターからの放射を、その放射波長ピ
ークに感度の整合した光電半導体セル(PVセル)で受
けて、高効率に電力変換する固体素子発電システムであ
る。熱源には、燃焼熱、太陽集光熱、放射性同位元素崩
壊熱などが適用できる。理論的なシステム効率は30〜
40%と試算されており、エミッターの発光感度を10
0kW/m2 とすると30kW/m2 以上の発電密度が得ら
れることになる。
【0006】太陽光発電技術は、約6,000Kの高温
体から発せられる放射エネルギーを、Si(シリコン)
などこの波長に感度のある半導体で受けて電力に変換す
る技術である。太陽光の中心波長は0.5μmであるの
に対しSiPVセルの最適感度波長は0.8μmであ
り、太陽光スペクトルとPVセル感度領域が整合してい
ない。これが太陽電池発電の効率が10%台にとどまっ
てしまう原因である。またその発電密度は太陽光が10
00W/m2 と希薄であるため150W/m2 と低い。
体から発せられる放射エネルギーを、Si(シリコン)
などこの波長に感度のある半導体で受けて電力に変換す
る技術である。太陽光の中心波長は0.5μmであるの
に対しSiPVセルの最適感度波長は0.8μmであ
り、太陽光スペクトルとPVセル感度領域が整合してい
ない。これが太陽電池発電の効率が10%台にとどまっ
てしまう原因である。またその発電密度は太陽光が10
00W/m2 と希薄であるため150W/m2 と低い。
【0007】Si太陽電池の理論最大効率は25%程度
であるが、既に研究室レベルでは23%が実現されてい
る。単一の太陽電池を用いた太陽電池発電での効率向上
は限界にあり、異なった感度領域を持つ太陽電池を重ね
て変換領域を広げたタンデム型太陽電池の開発が進めら
れている。しかしコスト的な制約が大きく、現状では宇
宙分野での応用などに限られている。
であるが、既に研究室レベルでは23%が実現されてい
る。単一の太陽電池を用いた太陽電池発電での効率向上
は限界にあり、異なった感度領域を持つ太陽電池を重ね
て変換領域を広げたタンデム型太陽電池の開発が進めら
れている。しかしコスト的な制約が大きく、現状では宇
宙分野での応用などに限られている。
【0008】これに対して地上にある高温体の多くはこ
れより低温であるが、有用な電力源となり得る。なぜな
ら、こうした放射は太陽光よりは長波長の領域に強度ピ
ークがあるが、高温熱源が近接しており高密度の放射エ
ネルギーが得られるとともに、放射スペクトルを制御す
る事により、その領域に感度の大きい光電変換素子で受
光すれば発電することが可能となるからである。このよ
うに近接した熱源からの放射熱(Thermo)を光電
(Photo−voltaic)変換する技術がTPV
発電である。
れより低温であるが、有用な電力源となり得る。なぜな
ら、こうした放射は太陽光よりは長波長の領域に強度ピ
ークがあるが、高温熱源が近接しており高密度の放射エ
ネルギーが得られるとともに、放射スペクトルを制御す
る事により、その領域に感度の大きい光電変換素子で受
光すれば発電することが可能となるからである。このよ
うに近接した熱源からの放射熱(Thermo)を光電
(Photo−voltaic)変換する技術がTPV
発電である。
【0009】TPVシステムは、既存のエネルギー源で
ある天然ガスの燃焼や集光太陽光、放射性同位体等の高
温熱源から発せられる熱放射すなわち長波長帯の光をフ
ィルタリングし、バンドギャップの小さい半導体材料か
らなる光電変換セル(PVセル)で受けて、電力を得る
システムである。通常の太陽光発電では、太陽の表面温
度6,000Kからの黒体放射を光起電(PV)するの
で、地上での光密度は約1kW/m2 と制約され、シス
テム効率を15%とすると集光技術を使わない限り、発
電能力は〜150W/m2 程度である。一方、TPV技
術は、1,000〜2,000Kの熱源から発せられる
近赤外から赤外領域の放射を、それに整合する波長感度
を有する光電半導体素子で電力変換する技術である。
ある天然ガスの燃焼や集光太陽光、放射性同位体等の高
温熱源から発せられる熱放射すなわち長波長帯の光をフ
ィルタリングし、バンドギャップの小さい半導体材料か
らなる光電変換セル(PVセル)で受けて、電力を得る
システムである。通常の太陽光発電では、太陽の表面温
度6,000Kからの黒体放射を光起電(PV)するの
で、地上での光密度は約1kW/m2 と制約され、シス
テム効率を15%とすると集光技術を使わない限り、発
電能力は〜150W/m2 程度である。一方、TPV技
術は、1,000〜2,000Kの熱源から発せられる
近赤外から赤外領域の放射を、それに整合する波長感度
を有する光電半導体素子で電力変換する技術である。
【0010】TPVは、図1に示すように熱源1、エミ
ッター2及びフィルター3、PVセル4などで構成さ
れ、以下の特徴を有する。 広い波長範囲に広がったスペクトルを持つ太陽光を
用いるのではなく、種々の工夫を凝らすことによりPV
セルに入射する光を加工・調整して、セルを形成する半
導体材料のバンドギャップ付近の単色に近い光にするこ
とで、セルの光電変換効率を60%以上にも著しく高効
率化することが可能である。
ッター2及びフィルター3、PVセル4などで構成さ
れ、以下の特徴を有する。 広い波長範囲に広がったスペクトルを持つ太陽光を
用いるのではなく、種々の工夫を凝らすことによりPV
セルに入射する光を加工・調整して、セルを形成する半
導体材料のバンドギャップ付近の単色に近い光にするこ
とで、セルの光電変換効率を60%以上にも著しく高効
率化することが可能である。
【0011】 熱源パワーを高密度にできることか
ら、図に示すように、発電密度が30〜40kW/m2
と高くでき、発電システムの軽量化が期待される。 固体素子を用いるためコンパクトに構成できる。 ガスタービンやディーゼル機関発電機と異なって、
可動部分のない発電器であるから、低騒音かつ無振動で
ある。
ら、図に示すように、発電密度が30〜40kW/m2
と高くでき、発電システムの軽量化が期待される。 固体素子を用いるためコンパクトに構成できる。 ガスタービンやディーゼル機関発電機と異なって、
可動部分のない発電器であるから、低騒音かつ無振動で
ある。
【0012】 燃料電池のような化学反応を用いない
ことから、システムを構成する材料の長寿命化が期待で
きる。 空気中、常圧で使用できる。TPVの場合、光密度
が100kW/m2 以上も可能であるから、システム効
率を30%以上、発電能力は30kW/m2 以上も期待
できる。
ことから、システムを構成する材料の長寿命化が期待で
きる。 空気中、常圧で使用できる。TPVの場合、光密度
が100kW/m2 以上も可能であるから、システム効
率を30%以上、発電能力は30kW/m2 以上も期待
できる。
【0013】一般に、TPVシステムは、燃焼器と発光
源であるエミッター、光電変換に寄与しない放射をエミ
ッターに反射する光フィルター(スペクトル選択素
子)、エミッターからの赤外線を電気変換するPVセル
の三つの要素から構成される。太陽光を電気に変換する
太陽電池システムは、フィルター素子が無い、超高温、
低発電密度のTPVシステムとみなせる。
源であるエミッター、光電変換に寄与しない放射をエミ
ッターに反射する光フィルター(スペクトル選択素
子)、エミッターからの赤外線を電気変換するPVセル
の三つの要素から構成される。太陽光を電気に変換する
太陽電池システムは、フィルター素子が無い、超高温、
低発電密度のTPVシステムとみなせる。
【0014】エミッターの駆動源としては、燃焼(化石
燃料、木、プロパン、メタンなど)、放射性同位元素
(主に宇宙空間で利用)および太陽光といった様々な熱
源が利用できる。エミッターの放射スペクトルは温度の
黒体放射で表され、例えば、太陽は5,762Kの黒体
放射で近似される。高温物体が電磁波の形でエネルギー
を放出する現象を熱放射という。物体から放出される放
射線の性質は、放射線を細かい波長領域に分けたとき
に、どんな光がどのくらいの強さで存在するかで決ま
る。これは、物体の温度や物質の種類に依存する。しか
し、放射線の性質を調べる時に、使われる物質ごとに性
質が変わってしまうのでは困るため、基準となるもの
(黒体:Black Body)を選ぶ必要がある。黒
体の定義は、物体の温度を一定にしたとき、その物体か
ら放出される放射線の強度が最大となる物体、あるいは
最も完全に放射線を吸収する物体である。黒体を基準と
して考えると、放射の性質は温度だけで決まり、物体の
種類にはよらなくなる。
燃料、木、プロパン、メタンなど)、放射性同位元素
(主に宇宙空間で利用)および太陽光といった様々な熱
源が利用できる。エミッターの放射スペクトルは温度の
黒体放射で表され、例えば、太陽は5,762Kの黒体
放射で近似される。高温物体が電磁波の形でエネルギー
を放出する現象を熱放射という。物体から放出される放
射線の性質は、放射線を細かい波長領域に分けたとき
に、どんな光がどのくらいの強さで存在するかで決ま
る。これは、物体の温度や物質の種類に依存する。しか
し、放射線の性質を調べる時に、使われる物質ごとに性
質が変わってしまうのでは困るため、基準となるもの
(黒体:Black Body)を選ぶ必要がある。黒
体の定義は、物体の温度を一定にしたとき、その物体か
ら放出される放射線の強度が最大となる物体、あるいは
最も完全に放射線を吸収する物体である。黒体を基準と
して考えると、放射の性質は温度だけで決まり、物体の
種類にはよらなくなる。
【0015】TPVシステムは太陽より低いエミッター
温度、通常1,000K〜3,000Kの放射体からの
放射を用いる。固体に希土類イオンを不純物として添加
すると、各イオンに特有な波長の鋭い発光スペクトルを
示す。この発光は、温度変化に対して安定であり、波長
は母体の種類には大きく左右されない。このため、希土
類イオンは、エミッター材料として有望である。
温度、通常1,000K〜3,000Kの放射体からの
放射を用いる。固体に希土類イオンを不純物として添加
すると、各イオンに特有な波長の鋭い発光スペクトルを
示す。この発光は、温度変化に対して安定であり、波長
は母体の種類には大きく左右されない。このため、希土
類イオンは、エミッター材料として有望である。
【0016】固体に添加した希土類原子は、6s,6p
軌道に3個の電子をもつ3価の状態になりやすく、ネオ
ジウム(Nd)、エルビウム(Er)、イッテルビウム
(Yb)の4f殻電子系は、それぞれ3個、11個、2
3個の電子をもつ多電子系であり、その高いエネルギー
準位から低いエネルギー順位へ遷移が起こると、そのエ
ネルギー差は光として放出される。4f殻電子系は固体
の結合に直接関与していないので、エネルギー準位は母
体によって大きく変わることはない。また、格子振動な
どの影響も受け難い。よって、希土類イオンのf殻電子
系は、固体中にあっても、孤立した原子のように鋭く、
温度変化に対して安定な発光スペクトルを示す。
軌道に3個の電子をもつ3価の状態になりやすく、ネオ
ジウム(Nd)、エルビウム(Er)、イッテルビウム
(Yb)の4f殻電子系は、それぞれ3個、11個、2
3個の電子をもつ多電子系であり、その高いエネルギー
準位から低いエネルギー順位へ遷移が起こると、そのエ
ネルギー差は光として放出される。4f殻電子系は固体
の結合に直接関与していないので、エネルギー準位は母
体によって大きく変わることはない。また、格子振動な
どの影響も受け難い。よって、希土類イオンのf殻電子
系は、固体中にあっても、孤立した原子のように鋭く、
温度変化に対して安定な発光スペクトルを示す。
【0017】エミッターは広い波長帯に広がった黒体放
射体を用いる場合と、選択的な波長で単色光を放射する
選択エミッターを用いる場合の2種類に大別できる。黒
体放射体、選択放射体いずれの場合も放射光のエネルギ
ー密度はStefan−Boltzmannの法則から
温度Tの4乗に比例するので、エミッター温度をできる
だけ高温に維持する必要がある。しかし、1,400℃
以上の高温では指数的にNOx 発生量が増加するのでエ
ミッターの加熱温度範囲は1,200〜1,500℃が
想定される場合が多い。この温度領域では、黒体放射体
の場合はエミッターにはSiC(焼結体)が1,500
℃までの使用実績があり、放射率も高いために広く使用
されている。SiCの広帯域エミッターについては、米
国特許第4929573 号および同第5283019 号明細書に、ま
た、1996 American Institute ofPhysicsに“Thermopho
tovaltaic Energy Conversion : Technology and Marke
tPotential”として記載されているように、ダウコーニ
ング社が有機物のポリシロキサンを前駆体にして、任意
の形状のエミッターをプレスあるいは押し出し成形技術
で形成した後、1,600〜2,200℃の焼結でSi
Cを形成する技術を開発している。このSiCエミッタ
ーは1.2〜3μmの波長範囲のほとんどにわたって、
スペクトル放射率は0.84である。この広帯域エミッ
ターは単純で耐久性も良く、製造が容易であるが、1,
500℃以上の酸化性雰囲気では耐酸化性に問題があ
る。
射体を用いる場合と、選択的な波長で単色光を放射する
選択エミッターを用いる場合の2種類に大別できる。黒
体放射体、選択放射体いずれの場合も放射光のエネルギ
ー密度はStefan−Boltzmannの法則から
温度Tの4乗に比例するので、エミッター温度をできる
だけ高温に維持する必要がある。しかし、1,400℃
以上の高温では指数的にNOx 発生量が増加するのでエ
ミッターの加熱温度範囲は1,200〜1,500℃が
想定される場合が多い。この温度領域では、黒体放射体
の場合はエミッターにはSiC(焼結体)が1,500
℃までの使用実績があり、放射率も高いために広く使用
されている。SiCの広帯域エミッターについては、米
国特許第4929573 号および同第5283019 号明細書に、ま
た、1996 American Institute ofPhysicsに“Thermopho
tovaltaic Energy Conversion : Technology and Marke
tPotential”として記載されているように、ダウコーニ
ング社が有機物のポリシロキサンを前駆体にして、任意
の形状のエミッターをプレスあるいは押し出し成形技術
で形成した後、1,600〜2,200℃の焼結でSi
Cを形成する技術を開発している。このSiCエミッタ
ーは1.2〜3μmの波長範囲のほとんどにわたって、
スペクトル放射率は0.84である。この広帯域エミッ
ターは単純で耐久性も良く、製造が容易であるが、1,
500℃以上の酸化性雰囲気では耐酸化性に問題があ
る。
【0018】一方、希土類金属を用いた選択エミッター
は、近年盛んに開発されている光ファイバー中のEr等
のドープによる光増幅と同一の現象を利用したものであ
る。希土類金属は、5sや5p電子にスクリーンされて
孤立した内殻の4f電子の励起状態と基底状態の光学遷
移の際に、非常に効率良く、かつ波長範囲の狭い選択的
な発光現象を示す。一般的には、1.5μmで発光する
Erや0.98μmのYbなどの希土類酸化物を用いる
が、単体では焼結が困難であるのでSiCなどの基材の
上に積層される。しかし、表層の選択放射体は選択波長
以外では光学的に透明なので、選択放射体が薄い場合や
基材の放射率が高い場合には表層の選択放射体を通して
基材の放射光が現れて単色性が失われ選択放射効率が減
少する。
は、近年盛んに開発されている光ファイバー中のEr等
のドープによる光増幅と同一の現象を利用したものであ
る。希土類金属は、5sや5p電子にスクリーンされて
孤立した内殻の4f電子の励起状態と基底状態の光学遷
移の際に、非常に効率良く、かつ波長範囲の狭い選択的
な発光現象を示す。一般的には、1.5μmで発光する
Erや0.98μmのYbなどの希土類酸化物を用いる
が、単体では焼結が困難であるのでSiCなどの基材の
上に積層される。しかし、表層の選択放射体は選択波長
以外では光学的に透明なので、選択放射体が薄い場合や
基材の放射率が高い場合には表層の選択放射体を通して
基材の放射光が現れて単色性が失われ選択放射効率が減
少する。
【0019】これを改善するための工夫として、米国特
許第5080963 号、同 5102745号、同5662737 号、同 568
6368号明細書に記載のとおり、希土類金属元素を含むフ
ァイバー形状エミッターが検討されている。約10μm
直径のファイバー状にすることにより、放射光に基材の
影響がなくなり、熱応力が緩和されて耐熱衝撃性が改善
でき、熱容量も小さいので昇温が早くなり、装置始動か
ら定常作動までのタイムラグが小さくなるのでバックア
ップ電源も小容量で済むという利点がある。しかし、最
大の欠点は機械的強度が極めて低いため、振動はもちろ
ん、手で触れても壊れるほど脆い。可視光用のものは、
米国特許第4533317 号明細書に記載のとおり、既にキャ
ンプ用ランタンのマントルとして市販されている。
許第5080963 号、同 5102745号、同5662737 号、同 568
6368号明細書に記載のとおり、希土類金属元素を含むフ
ァイバー形状エミッターが検討されている。約10μm
直径のファイバー状にすることにより、放射光に基材の
影響がなくなり、熱応力が緩和されて耐熱衝撃性が改善
でき、熱容量も小さいので昇温が早くなり、装置始動か
ら定常作動までのタイムラグが小さくなるのでバックア
ップ電源も小容量で済むという利点がある。しかし、最
大の欠点は機械的強度が極めて低いため、振動はもちろ
ん、手で触れても壊れるほど脆い。可視光用のものは、
米国特許第4533317 号明細書に記載のとおり、既にキャ
ンプ用ランタンのマントルとして市販されている。
【0020】また、ネット状のエミッターの間隙から燃
焼炎が外部へ吹き出すと、エミッターの放射光だけでな
く、燃焼炎の放射光も重畳するようになり、放射光の単
色化が阻害されるという問題点もある。従って、エミッ
ター材料には、安定した出来るだけ高い放射率と機械強
度の両立が要求される。さらに、発光効率は、粒子径、
薄膜厚さのみならず粒子濃度にも依存するので、薄膜や
ファイバー状構造物に希土類をドープしたエミッターが
検討されている。
焼炎が外部へ吹き出すと、エミッターの放射光だけでな
く、燃焼炎の放射光も重畳するようになり、放射光の単
色化が阻害されるという問題点もある。従って、エミッ
ター材料には、安定した出来るだけ高い放射率と機械強
度の両立が要求される。さらに、発光効率は、粒子径、
薄膜厚さのみならず粒子濃度にも依存するので、薄膜や
ファイバー状構造物に希土類をドープしたエミッターが
検討されている。
【0021】ファイバー状構造物の選択エミッターは、
サーモパワー社にて開発されている。レーヨンのファイ
バーに硝酸イッテルビウムをコーティングし、積層させ
所望の構造に配した後に、ファイバーを燃やして酸化イ
ッテルビウム(Yb2 O3 :1.1μm帯発光)の機械
的振動にも強いファイバー状構造物を形成させている
が、信頼性に関する評価データはない。
サーモパワー社にて開発されている。レーヨンのファイ
バーに硝酸イッテルビウムをコーティングし、積層させ
所望の構造に配した後に、ファイバーを燃やして酸化イ
ッテルビウム(Yb2 O3 :1.1μm帯発光)の機械
的振動にも強いファイバー状構造物を形成させている
が、信頼性に関する評価データはない。
【0022】このようにファイバー状エミッターは機械
的強度の改善が大きな課題であるが、YbやErなどを
単体ではなく、アルミナやイットリアと混合した上でY
AGとして成形する報告がある。NASAでは、米国特
許第5080724 号明細書、 NASA Technical Memorandum 1
03290 ^Reappraisal Solid Selective Emitters ”に記
載のとおり、YAG(yttrium aluminum garnet )単結
晶にEr(1.5μm帯発光)及びHo(2.0μm帯
発光)をHo25%ドープのYAG単結晶で、60%の
発光効率が得られている。
的強度の改善が大きな課題であるが、YbやErなどを
単体ではなく、アルミナやイットリアと混合した上でY
AGとして成形する報告がある。NASAでは、米国特
許第5080724 号明細書、 NASA Technical Memorandum 1
03290 ^Reappraisal Solid Selective Emitters ”に記
載のとおり、YAG(yttrium aluminum garnet )単結
晶にEr(1.5μm帯発光)及びHo(2.0μm帯
発光)をHo25%ドープのYAG単結晶で、60%の
発光効率が得られている。
【0023】また、エミッター自身の厚さが発光効率を
支配することが判っており、最大の効率を得るために
は、例えば、Er−YAGとHo−YAGエミッターの
場合、0.04cm<d<0.1cmの最適厚さがあるとさ
れており、また、エミッター温度は高いほど放射エネル
ギー密度は増加する。従って、エミッター材料には、
1,200〜2,000Kの温度領域における組織構造
の熱安定性、機械的強度、耐酸化性等が要求されるが、
今のところ、開発されている希土類金属元素をドープし
たYAG単結晶薄膜エミッターやファイバー状エミッタ
ーに関して、これらの特性を満足するという報告はなさ
れていない。
支配することが判っており、最大の効率を得るために
は、例えば、Er−YAGとHo−YAGエミッターの
場合、0.04cm<d<0.1cmの最適厚さがあるとさ
れており、また、エミッター温度は高いほど放射エネル
ギー密度は増加する。従って、エミッター材料には、
1,200〜2,000Kの温度領域における組織構造
の熱安定性、機械的強度、耐酸化性等が要求されるが、
今のところ、開発されている希土類金属元素をドープし
たYAG単結晶薄膜エミッターやファイバー状エミッタ
ーに関して、これらの特性を満足するという報告はなさ
れていない。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】前述したYAG単結晶
にErをドープする方法やレーヨンファイバーに硝酸イ
ッテルビウムを塗布し乾燥する方法では、選択放射を示
す元素の含有量に限界があり、また、TPVシステムと
して使用する温度域における材料特性の安定性にも問題
がある。一方、希土類酸化物自身を焼結させる方法もあ
るが、1,000℃を超す温度域では粒成長やボイドが
形成され体積変化を起こすため、長時間の使用には組織
構造の安定性に問題点がある。
にErをドープする方法やレーヨンファイバーに硝酸イ
ッテルビウムを塗布し乾燥する方法では、選択放射を示
す元素の含有量に限界があり、また、TPVシステムと
して使用する温度域における材料特性の安定性にも問題
がある。一方、希土類酸化物自身を焼結させる方法もあ
るが、1,000℃を超す温度域では粒成長やボイドが
形成され体積変化を起こすため、長時間の使用には組織
構造の安定性に問題点がある。
【0025】従って、1,000〜2,000℃の温度
範囲で組織構造、機械的性質、耐酸化性に優れた希土類
金属酸化物を含んだ材料を創製する必要がある。ガスタ
ービンの高効率化及び省エネルギー対策のために必要な
運転温度の高温化に伴う高温構造材料の開発は、窒化珪
素、炭化珪素のモノリシック材料からそれらの複合材料
まで幅広く研究開発が進められている。しかしながら、
1,400℃以上の高温の酸素雰囲気下で長時間使用す
るためには、耐酸化性に改善すべき課題を有している。
また、材料の高温強度特性は、組織構造や粒界の界面構
造、特に、複合材料では、マトリックス及び強化相の界
面並びに結晶学的性質に大きく左右されるので、これら
の因子の制御が必要と考えられる。
範囲で組織構造、機械的性質、耐酸化性に優れた希土類
金属酸化物を含んだ材料を創製する必要がある。ガスタ
ービンの高効率化及び省エネルギー対策のために必要な
運転温度の高温化に伴う高温構造材料の開発は、窒化珪
素、炭化珪素のモノリシック材料からそれらの複合材料
まで幅広く研究開発が進められている。しかしながら、
1,400℃以上の高温の酸素雰囲気下で長時間使用す
るためには、耐酸化性に改善すべき課題を有している。
また、材料の高温強度特性は、組織構造や粒界の界面構
造、特に、複合材料では、マトリックス及び強化相の界
面並びに結晶学的性質に大きく左右されるので、これら
の因子の制御が必要と考えられる。
【0026】
【課題を解決するための手段】よって、本発明者は、上
記のような従来技術の問題点を鑑みて、室温から高温に
わたって優れた機械的特性を有し、高温における組織の
熱安定性が飛躍的に改善されたセラミック複合材料を得
るべく鋭意研究を重ねた結果、金属の酸化物と2種以上
の金属の酸化物から生成される複合酸化物とからなる群
から選ばれる2種以上の酸化物から構成されている凝固
体からなり、凝固体が金属酸化物及び/又は複合酸化物
を構成する金属としてEr,Yb,Nd,Hoのうち少
なくとも一種の希土類金属元素を含む酸化物セラミック
ス複合材料が、目的とする選択エミッター材料として好
適であることを見出し、本発明を完成したものである。
記のような従来技術の問題点を鑑みて、室温から高温に
わたって優れた機械的特性を有し、高温における組織の
熱安定性が飛躍的に改善されたセラミック複合材料を得
るべく鋭意研究を重ねた結果、金属の酸化物と2種以上
の金属の酸化物から生成される複合酸化物とからなる群
から選ばれる2種以上の酸化物から構成されている凝固
体からなり、凝固体が金属酸化物及び/又は複合酸化物
を構成する金属としてEr,Yb,Nd,Hoのうち少
なくとも一種の希土類金属元素を含む酸化物セラミック
ス複合材料が、目的とする選択エミッター材料として好
適であることを見出し、本発明を完成したものである。
【0027】特に、好適な態様として下記を挙げること
ができる。 (1)前記金属酸化物がAl2 O3 ,Y2 O3 ,SiO
2 ,Er2 O3 ,Yb 2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho2 O3
からなる群から選ばれ、前記複合酸化物がAl 2 O3 ,
Y2 O3 ,SiO2 からなる群から選ばれる金属酸化物
とEr2 O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho2 O3 か
らなる群から選ばれる希土類金属元素酸化物との複合酸
化物から選ばれた選択エミッター材料。
ができる。 (1)前記金属酸化物がAl2 O3 ,Y2 O3 ,SiO
2 ,Er2 O3 ,Yb 2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho2 O3
からなる群から選ばれ、前記複合酸化物がAl 2 O3 ,
Y2 O3 ,SiO2 からなる群から選ばれる金属酸化物
とEr2 O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho2 O3 か
らなる群から選ばれる希土類金属元素酸化物との複合酸
化物から選ばれた選択エミッター材料。
【0028】(2)前記金属酸化物がAl2 O3 又はE
r2 O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O3,Ho2 O3 からな
る群から選ばれ、前記複合酸化物がAl2 O3 とEr2
O3,Yb2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho2 O3 からなる群
から選ばれる希土類金属元素酸化物との複合酸化物から
選ばれた選択エミッター材料。 (3)前記凝固体が、前記金属酸化物としてのAl2 O
3 、及び前記複合酸化物としてのAl2 O3 とEr2 O
3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho2 O3 からなる群か
ら選ばれる希土類金属元素酸化物との複合酸化物を含
み、かつ、前記凝固体を構成するAl2 O3 相がエミッ
ター表面から一定の深さまで除去されている表面構造を
有する選択エミッター材料。
r2 O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O3,Ho2 O3 からな
る群から選ばれ、前記複合酸化物がAl2 O3 とEr2
O3,Yb2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho2 O3 からなる群
から選ばれる希土類金属元素酸化物との複合酸化物から
選ばれた選択エミッター材料。 (3)前記凝固体が、前記金属酸化物としてのAl2 O
3 、及び前記複合酸化物としてのAl2 O3 とEr2 O
3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho2 O3 からなる群か
ら選ばれる希土類金属元素酸化物との複合酸化物を含
み、かつ、前記凝固体を構成するAl2 O3 相がエミッ
ター表面から一定の深さまで除去されている表面構造を
有する選択エミッター材料。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明で用いる酸化物セラミック
複合材料は、焼結体ではなく凝固体である。より具体的
には、酸化物の融液を凝固させて得られる2種類以上の
酸化物を含む凝固体であって、凝固体に含まれる酸化
物、即ち、金属酸化物及び/又は複合酸化物を構成する
金属としてEr,Yb,Nd,Hoのうち少なくとも1
種の希土類金属元素を含むことを特徴としている。
複合材料は、焼結体ではなく凝固体である。より具体的
には、酸化物の融液を凝固させて得られる2種類以上の
酸化物を含む凝固体であって、凝固体に含まれる酸化
物、即ち、金属酸化物及び/又は複合酸化物を構成する
金属としてEr,Yb,Nd,Hoのうち少なくとも1
種の希土類金属元素を含むことを特徴としている。
【0030】本発明の酸化物セラミック複合材料は、2
種類以上の酸化物の融液を凝固させて得られ、2種以上
の金属酸化物及び/又は複合酸化物を含む結晶組織を有
する凝固体であるため、Er,Yb,Nd,Hoの希土
類金属元素を含む酸化物の単体の場合と比べて融点が低
く、共晶組成近傍では融液の粘性も低いため、比較的緩
やかな温度条件、成長条件で製造可能であり、二つ以上
の結晶が複雑に絡み合って成長していることから優れた
高温強度特性を有し、単相の単結晶と比較して諸特性の
方位依存性が少ないという特徴を有する。これによっ
て、製造が容易でかつ必要な強度及び熱安定性を有し、
かつEr,Yb,Nd,Hoの希土類金属元素を多量に
含むことができるので選択放射効率の高いエミッターを
得ることが可能になる。
種類以上の酸化物の融液を凝固させて得られ、2種以上
の金属酸化物及び/又は複合酸化物を含む結晶組織を有
する凝固体であるため、Er,Yb,Nd,Hoの希土
類金属元素を含む酸化物の単体の場合と比べて融点が低
く、共晶組成近傍では融液の粘性も低いため、比較的緩
やかな温度条件、成長条件で製造可能であり、二つ以上
の結晶が複雑に絡み合って成長していることから優れた
高温強度特性を有し、単相の単結晶と比較して諸特性の
方位依存性が少ないという特徴を有する。これによっ
て、製造が容易でかつ必要な強度及び熱安定性を有し、
かつEr,Yb,Nd,Hoの希土類金属元素を多量に
含むことができるので選択放射効率の高いエミッターを
得ることが可能になる。
【0031】この凝固体は、2種類以上の酸化物の融液
を凝固させて2種類以上の酸化物の結晶組織として得ら
れ、凝固体を構成する酸化物はいずれも単結晶又は多結
晶の結晶相であり、これらの複数の結晶相は好ましくは
凝固条件を制御して3次元的に絡み合ったあるいは海島
構造の組織構造を有することができるが、本発明の目的
にためには、そのような組織に限定されず、2種類以上
の酸化物の融液を凝固させて2種類以上の酸化物の結晶
組織として得られる凝固体であればよい。また、凝固条
件を制御して、結晶組織中にポア又は空隙あるいはコロ
ニーのない組織を得ることができる。
を凝固させて2種類以上の酸化物の結晶組織として得ら
れ、凝固体を構成する酸化物はいずれも単結晶又は多結
晶の結晶相であり、これらの複数の結晶相は好ましくは
凝固条件を制御して3次元的に絡み合ったあるいは海島
構造の組織構造を有することができるが、本発明の目的
にためには、そのような組織に限定されず、2種類以上
の酸化物の融液を凝固させて2種類以上の酸化物の結晶
組織として得られる凝固体であればよい。また、凝固条
件を制御して、結晶組織中にポア又は空隙あるいはコロ
ニーのない組織を得ることができる。
【0032】例えば、Al2 O3 /Er3 Al5 O12系
の場合、Al2 O3 とEr2 O3 の混合物の融液からの
共晶反応を利用して得られる凝固共晶セラミックスであ
り、2種類の酸化物結晶が3次元的に複雑に絡み合った
ユニークな組織構造を有しているため、融点(約1,
860℃)直下の1,800℃まで室温強度を保持する
ことができる、空気中の1,700℃において500
時間熱処理後も、重量変化、組織変化及び強度低下を起
こさず、優れた熱安定性を示すなど、従来の材料には見
られなかった高温特性を有することができる。
の場合、Al2 O3 とEr2 O3 の混合物の融液からの
共晶反応を利用して得られる凝固共晶セラミックスであ
り、2種類の酸化物結晶が3次元的に複雑に絡み合った
ユニークな組織構造を有しているため、融点(約1,
860℃)直下の1,800℃まで室温強度を保持する
ことができる、空気中の1,700℃において500
時間熱処理後も、重量変化、組織変化及び強度低下を起
こさず、優れた熱安定性を示すなど、従来の材料には見
られなかった高温特性を有することができる。
【0033】TPVシステムの選択エミッター材料とし
て、選択放射を示す希土類金属元素としてはErのほ
か,Yb,Nd,Hoがある。これら希土類金属元素の
酸化物は、いずれも1,500℃以上の融点を有し、高
温の各種雰囲気中における化学的安定性に優れた酸化
物、例えば、Al2 O3 ,Y2 O3 ,SiO2 等と共晶
組成を有する。従って、共晶反応を利用した凝固法をエ
ミッター材料の製造方法及びエミッター材料に適用すれ
ば、上記問題点を解決したエミッター材料を得ることが
可能である。
て、選択放射を示す希土類金属元素としてはErのほ
か,Yb,Nd,Hoがある。これら希土類金属元素の
酸化物は、いずれも1,500℃以上の融点を有し、高
温の各種雰囲気中における化学的安定性に優れた酸化
物、例えば、Al2 O3 ,Y2 O3 ,SiO2 等と共晶
組成を有する。従って、共晶反応を利用した凝固法をエ
ミッター材料の製造方法及びエミッター材料に適用すれ
ば、上記問題点を解決したエミッター材料を得ることが
可能である。
【0034】また、熱伝導率はエミッター性能を決める
重要な因子であるが、本発明に用いるセラミック複合材
料はこれまでにNASAが開発しているYAGベースの
選択エミッターより高い熱伝導度を有しており、選択エ
ミッター材料として優位である。本発明の酸化物セラミ
ック複合材料は、例えば、Al2 O3 /Er3 Al5 O
12系の場合、下記の方法で製造することができるもので
ある。
重要な因子であるが、本発明に用いるセラミック複合材
料はこれまでにNASAが開発しているYAGベースの
選択エミッターより高い熱伝導度を有しており、選択エ
ミッター材料として優位である。本発明の酸化物セラミ
ック複合材料は、例えば、Al2 O3 /Er3 Al5 O
12系の場合、下記の方法で製造することができるもので
ある。
【0035】最初に、Al2 O3 粉末とEr2 O3 粉末
を所望する成分比率のセラミックス複合材料を生成する
割合で混合して、混合粉末を調整する。混合方法につい
ては特別の制限はなく、乾式混合法及び湿式混合法のい
ずれも採用することができる。湿式混合法を用いる際の
媒体としては、メタノール、エタノールのようなアルコ
ールが一般に使用される。次いで、この混合粉末を公知
の溶解炉、例えば、アーク溶解炉を用いて、両原料が溶
解する温度、例えば、1900〜1950℃に加熱して
溶解する。
を所望する成分比率のセラミックス複合材料を生成する
割合で混合して、混合粉末を調整する。混合方法につい
ては特別の制限はなく、乾式混合法及び湿式混合法のい
ずれも採用することができる。湿式混合法を用いる際の
媒体としては、メタノール、エタノールのようなアルコ
ールが一般に使用される。次いで、この混合粉末を公知
の溶解炉、例えば、アーク溶解炉を用いて、両原料が溶
解する温度、例えば、1900〜1950℃に加熱して
溶解する。
【0036】引き続き、上記の溶解物をそのまま坩堝に
仕込み凝固させるか、あるいは、上記溶解物を一旦凝固
させた後に粉砕し、粉砕物を坩堝に仕込み、次いで溶解
させて凝固させることにより、本発明の酸化物セラミッ
ク複合材料を製造する。別の方法として、上記の溶解物
を所定温度に保持した坩堝に鋳込み、冷却して凝固体を
得る方法も採用することができる。
仕込み凝固させるか、あるいは、上記溶解物を一旦凝固
させた後に粉砕し、粉砕物を坩堝に仕込み、次いで溶解
させて凝固させることにより、本発明の酸化物セラミッ
ク複合材料を製造する。別の方法として、上記の溶解物
を所定温度に保持した坩堝に鋳込み、冷却して凝固体を
得る方法も採用することができる。
【0037】これらの凝固の際に、限定するわけではな
いが、溶解凝固の際の雰囲気圧力を制御し、また一方向
凝固し結晶成長を制御することにより、本発明の酸化物
セラミック複合材料は、構成結晶相が相互に3次元的に
絡み合ったあるいは海島構造の組織を有し、かつ気泡又
はボイドあるいはコロニーのない結晶組織からなる凝固
体を得ることができる。このような凝固体は高温強度及
びクリープ特性などの熱安定性により優れることができ
る。このような凝固体を製造するには、溶解凝固の際の
雰囲気圧力として、300Torr以下が好ましく、1
0-3Torr以下がより好ましい。また、一方向凝固の
ための坩堝の移動速度、換言すると酸化物セラミック複
合材料の成長速度として50〜1000mm/時間が好
ましい。
いが、溶解凝固の際の雰囲気圧力を制御し、また一方向
凝固し結晶成長を制御することにより、本発明の酸化物
セラミック複合材料は、構成結晶相が相互に3次元的に
絡み合ったあるいは海島構造の組織を有し、かつ気泡又
はボイドあるいはコロニーのない結晶組織からなる凝固
体を得ることができる。このような凝固体は高温強度及
びクリープ特性などの熱安定性により優れることができ
る。このような凝固体を製造するには、溶解凝固の際の
雰囲気圧力として、300Torr以下が好ましく、1
0-3Torr以下がより好ましい。また、一方向凝固の
ための坩堝の移動速度、換言すると酸化物セラミック複
合材料の成長速度として50〜1000mm/時間が好
ましい。
【0038】本発明の酸化物セラミック複合材料は、金
属酸化物及び/又は複合酸化物を構成する金属としてE
r,Yb,Nd,Hoのうち少なくとも1種の希土類金
属元素を含むことを特徴としている。代表的には、原料
としてAl2 O3 ,Y2 O3,SiO2 などの金属酸化
物とEr2 O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho2 O 3
の希土類金属元素酸化物との混合物の融液を作成しそれ
を凝固させて得られる、第1相として、Al2 O3 ,Y
2 O3 ,SiO2 などの金属酸化物とEr2 O 3 ,Yb
2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho2 O3 の希土類金属元素酸化
物との複合酸化物を含み、第2相として、Al2 O3 ,
Y2 O3 ,SiO2 などの金属酸化物又はEr2 O3 ,
Yb2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho2 O3 などの希土類金属
元素酸化物を含む共晶組織を有する酸化物セラミック複
合材料が好適である。このAl2O3 ,Y2 O3 ,Si
O2 などの金属酸化物とEr2 O3 ,Yb2 O3 ,Nd
2O3 ,Ho2 O3 の希土類金属元素酸化物との複合酸
化物としては、例えば、Er3 Al5 O12,ErAlO
3 ,Er4 Al2 O9 ,Er2 SiO5 ,Yb3 Al5
O12,Yb2 SiO5 ,Yb2 Si2 O7 ,NdAlO
3 ,Nd2 SiO5,Nd4 Si3 O12,Ho3 Al5
O12がある。
属酸化物及び/又は複合酸化物を構成する金属としてE
r,Yb,Nd,Hoのうち少なくとも1種の希土類金
属元素を含むことを特徴としている。代表的には、原料
としてAl2 O3 ,Y2 O3,SiO2 などの金属酸化
物とEr2 O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho2 O 3
の希土類金属元素酸化物との混合物の融液を作成しそれ
を凝固させて得られる、第1相として、Al2 O3 ,Y
2 O3 ,SiO2 などの金属酸化物とEr2 O 3 ,Yb
2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho2 O3 の希土類金属元素酸化
物との複合酸化物を含み、第2相として、Al2 O3 ,
Y2 O3 ,SiO2 などの金属酸化物又はEr2 O3 ,
Yb2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho2 O3 などの希土類金属
元素酸化物を含む共晶組織を有する酸化物セラミック複
合材料が好適である。このAl2O3 ,Y2 O3 ,Si
O2 などの金属酸化物とEr2 O3 ,Yb2 O3 ,Nd
2O3 ,Ho2 O3 の希土類金属元素酸化物との複合酸
化物としては、例えば、Er3 Al5 O12,ErAlO
3 ,Er4 Al2 O9 ,Er2 SiO5 ,Yb3 Al5
O12,Yb2 SiO5 ,Yb2 Si2 O7 ,NdAlO
3 ,Nd2 SiO5,Nd4 Si3 O12,Ho3 Al5
O12がある。
【0039】とりわけ、原料としてAl2 O3 の金属酸
化物とEr2 O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho2 O
3 との混合物の融液を凝固させて得られる、Al2 O3
の金属酸化物とEr2 O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O3 ,
Ho2 O3 の希土類金属元素酸化物との複合酸化物と、
Al2 O3 又はEr2 O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O3,
Ho2 O3 とを含む酸化物セラミック複合材料であるこ
とが好適である。
化物とEr2 O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho2 O
3 との混合物の融液を凝固させて得られる、Al2 O3
の金属酸化物とEr2 O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O3 ,
Ho2 O3 の希土類金属元素酸化物との複合酸化物と、
Al2 O3 又はEr2 O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O3,
Ho2 O3 とを含む酸化物セラミック複合材料であるこ
とが好適である。
【0040】しかし、本発明の酸化物セラミック複合材
料は、金属酸化物及び/又は複合酸化物を構成する金属
としてEr,Yb,Nd,Hoのうち少なくとも1種の
希土類金属元素を含めばよいので、上記の好適なEr2
O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O 3 ,Ho2 O3 を含む複合
酸化物を含む酸化物セラミック複合材料が、Er,Y
b,Nd,Hoを含まない金属酸化物及び/又は複合酸
化物をさらに1種以上含んでいてもよい。
料は、金属酸化物及び/又は複合酸化物を構成する金属
としてEr,Yb,Nd,Hoのうち少なくとも1種の
希土類金属元素を含めばよいので、上記の好適なEr2
O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O 3 ,Ho2 O3 を含む複合
酸化物を含む酸化物セラミック複合材料が、Er,Y
b,Nd,Hoを含まない金属酸化物及び/又は複合酸
化物をさらに1種以上含んでいてもよい。
【0041】そのような追加的に存在できる金属酸化物
としては、例えば、下記のものを挙げることができる。
Al2 O3 ,MgO,SiO2 ,TiO2 ,ZrO2 ,
CaO,Y2 O3 ,BaO,BeO,FeO,Fe2 O
3 ,MnO,CoO,Nb2 O3 ,Ta2 O5,Cr2
O3 ,SrO,ZnO,NiO,Li2 O,Ga
2 O3 ,Er2 O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho2
O3 ,HfO2 ,ThO2 ,UO2 ,SnO2など。
としては、例えば、下記のものを挙げることができる。
Al2 O3 ,MgO,SiO2 ,TiO2 ,ZrO2 ,
CaO,Y2 O3 ,BaO,BeO,FeO,Fe2 O
3 ,MnO,CoO,Nb2 O3 ,Ta2 O5,Cr2
O3 ,SrO,ZnO,NiO,Li2 O,Ga
2 O3 ,Er2 O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho2
O3 ,HfO2 ,ThO2 ,UO2 ,SnO2など。
【0042】また、複合酸化物としては、例えば、下記
のものを挙げることができる。3Al2 O3 ・2SiO
2 ,MgO・Al2 O3 ,Al2 O3 ・TiO2 ,Ba
O・Al2 O3 ,BeO・3Al2 O3 ,CaO・Al
2 O3 ,CaO・Nb 2 O3 ,CaO・ZrO2 ,2C
oO・TiO2 ,FeAl2 O4 ,MnAl2O4 ,3
MgO・Y2 O3 ,2MgO・SiO2 ,MgCr2 O
4 ,MgO・TiO2 ,MgO・Ta2 O5 ,3SrO
・Al2 O3 など。
のものを挙げることができる。3Al2 O3 ・2SiO
2 ,MgO・Al2 O3 ,Al2 O3 ・TiO2 ,Ba
O・Al2 O3 ,BeO・3Al2 O3 ,CaO・Al
2 O3 ,CaO・Nb 2 O3 ,CaO・ZrO2 ,2C
oO・TiO2 ,FeAl2 O4 ,MnAl2O4 ,3
MgO・Y2 O3 ,2MgO・SiO2 ,MgCr2 O
4 ,MgO・TiO2 ,MgO・Ta2 O5 ,3SrO
・Al2 O3 など。
【0043】さらに、酸化物セラミックス複合材料を構
成する酸化物以外の酸化物を添加して、酸化物セラミッ
クス複合材料を構成する酸化物相に固溶又は析出させ、
あるいは界面に存在させてもよい。なお、このような凝
固体からなる酸化物セラミックス複合材料の特性及び製
法の詳細については、特開平7−149597号、同7
−187893号、同8−081257号、特願平8−
023401、同8−023402、同8−02340
3、8−023404が参照される。
成する酸化物以外の酸化物を添加して、酸化物セラミッ
クス複合材料を構成する酸化物相に固溶又は析出させ、
あるいは界面に存在させてもよい。なお、このような凝
固体からなる酸化物セラミックス複合材料の特性及び製
法の詳細については、特開平7−149597号、同7
−187893号、同8−081257号、特願平8−
023401、同8−023402、同8−02340
3、8−023404が参照される。
【0044】また、本発明の酸化物セラミックス複合材
料を選択エミッターとして使用するには、エミッター材
料として必要な形状、例えば、薄膜の場合には、一方向
凝固法で製造したバルク素材を切断し薄片化すればよ
い。また、ファイバー状の素材が必要であれば、溶解坩
堝の底に所定の穴を開けて、その穴からメルトを引き出
しながらファイバー化する方法やメルトに所定の空隙を
有した管を浸漬し、毛細管現象によってファイバー化す
る方法を採用すればよい。いずれの方法によっても、融
液からの凝固プロセスであって、その凝固過程を制御す
ることにより、2種類の酸化物結晶が3次元的に複雑に
絡み合ったユニークな組織構造を有した高温強度の優れ
たエミッター材料を得ることが可能である。
料を選択エミッターとして使用するには、エミッター材
料として必要な形状、例えば、薄膜の場合には、一方向
凝固法で製造したバルク素材を切断し薄片化すればよ
い。また、ファイバー状の素材が必要であれば、溶解坩
堝の底に所定の穴を開けて、その穴からメルトを引き出
しながらファイバー化する方法やメルトに所定の空隙を
有した管を浸漬し、毛細管現象によってファイバー化す
る方法を採用すればよい。いずれの方法によっても、融
液からの凝固プロセスであって、その凝固過程を制御す
ることにより、2種類の酸化物結晶が3次元的に複雑に
絡み合ったユニークな組織構造を有した高温強度の優れ
たエミッター材料を得ることが可能である。
【0045】また、本発明の酸化物セラミックス複合材
料を構成する2以上の酸化物のうち、Er,Yb,N
d,Hoの希土類金属元素を含まない金属酸化物相をエ
ミッター表面から一定の深さまで除去した表面構造にす
ると、熱光起電発電技術に用いる選択エミッターに必要
な機械的強度及び耐熱性を有しながら、選択的な波長で
の放射率を改良することができるので好ましい。
料を構成する2以上の酸化物のうち、Er,Yb,N
d,Hoの希土類金属元素を含まない金属酸化物相をエ
ミッター表面から一定の深さまで除去した表面構造にす
ると、熱光起電発電技術に用いる選択エミッターに必要
な機械的強度及び耐熱性を有しながら、選択的な波長で
の放射率を改良することができるので好ましい。
【0046】本発明の選択エミッター材料を熱光起電発
電技術に用いる態様は、従来と同様であることができ
る。熱光起電発電技術(TPV)自体については、前に
詳述した。以下に、本発明の実施例を示す。 〔実施例1〕原料としてα−Al2 O3 粉末とEr2 O
3 粉末を81.1/18.9mol %の割合で混合し、エ
タノール溶媒を用いて湿式ボールミルによって混合し、
得られたスラリーからロータリエバポレータを用いてエ
タノールを除去した。
電技術に用いる態様は、従来と同様であることができ
る。熱光起電発電技術(TPV)自体については、前に
詳述した。以下に、本発明の実施例を示す。 〔実施例1〕原料としてα−Al2 O3 粉末とEr2 O
3 粉末を81.1/18.9mol %の割合で混合し、エ
タノール溶媒を用いて湿式ボールミルによって混合し、
得られたスラリーからロータリエバポレータを用いてエ
タノールを除去した。
【0047】得られた混合粉末をチャンバー内に設置さ
れたモリブデン坩堝に仕込み、10 -4Torrの雰囲気圧力
に維持して、高周波コイルを用いて坩堝を1,900〜
2,000℃に加熱して混合粉末を溶解し、30分保持
した後に、内径40mm×高さ200mmのモリブデン鋳型
に鋳込んでインゴットを作製した。得られたインゴット
を外径50mm×高さ200mm×厚さ5mmのモリブデン坩
堝に仕込み、同一の雰囲気下において1,920℃で溶
解した後に、坩堝を5mm/時間の速度で下降し一方向凝
固させ、φ40mm×70mmの凝固体を得た。
れたモリブデン坩堝に仕込み、10 -4Torrの雰囲気圧力
に維持して、高周波コイルを用いて坩堝を1,900〜
2,000℃に加熱して混合粉末を溶解し、30分保持
した後に、内径40mm×高さ200mmのモリブデン鋳型
に鋳込んでインゴットを作製した。得られたインゴット
を外径50mm×高さ200mm×厚さ5mmのモリブデン坩
堝に仕込み、同一の雰囲気下において1,920℃で溶
解した後に、坩堝を5mm/時間の速度で下降し一方向凝
固させ、φ40mm×70mmの凝固体を得た。
【0048】このようにして得られた凝固体の凝固方向
に垂直な断面組織の走査型電子顕微鏡写真を図2に示
す。図2において、白い部分がAl2 O3 とEr2 O3
から生成される複合酸化物Er3 Al5 O12相で、黒い
部分がα−Al2 O3 相である。この凝固体にはコロニ
ーやポアが存在しない均一な組織を有していることが分
かった。
に垂直な断面組織の走査型電子顕微鏡写真を図2に示
す。図2において、白い部分がAl2 O3 とEr2 O3
から生成される複合酸化物Er3 Al5 O12相で、黒い
部分がα−Al2 O3 相である。この凝固体にはコロニ
ーやポアが存在しない均一な組織を有していることが分
かった。
【0049】この複合材料の3点曲げ強度の温度依存性
を図3に示す。この複合材料は室温から1,800℃ま
で強度低下を殆ど示さないことが分かる。さらに、この
複合材料の高温における熱安定性を調べるために、3×
4×36mmの曲げ試験片を空気中の1,700℃に長時
間保持した後の室温及び1,700℃における3点曲げ
強度の変化を図4に、組織の変化を図5に示す。図5に
おいて、写真(a)(b)(c)は凝固材料のそれぞれ
熱処理前、250時間熱処理後、500時間熱処理後の
組織であり、写真(d)(e)(f)は焼結材料のそれ
ぞれ熱処理前、50時間熱処理後、100時間熱処理後
の組織である。図から分かるように、焼結材料は空気中
の1,700℃に保持すると短時間で強度が低下し、組
織も粒成長が見られるが、本発明による凝固材料は空気
中の1,700℃で長時間保持した後でも、組織変化及
び強度低下を示さず、優れた高温特性を有している。
を図3に示す。この複合材料は室温から1,800℃ま
で強度低下を殆ど示さないことが分かる。さらに、この
複合材料の高温における熱安定性を調べるために、3×
4×36mmの曲げ試験片を空気中の1,700℃に長時
間保持した後の室温及び1,700℃における3点曲げ
強度の変化を図4に、組織の変化を図5に示す。図5に
おいて、写真(a)(b)(c)は凝固材料のそれぞれ
熱処理前、250時間熱処理後、500時間熱処理後の
組織であり、写真(d)(e)(f)は焼結材料のそれ
ぞれ熱処理前、50時間熱処理後、100時間熱処理後
の組織である。図から分かるように、焼結材料は空気中
の1,700℃に保持すると短時間で強度が低下し、組
織も粒成長が見られるが、本発明による凝固材料は空気
中の1,700℃で長時間保持した後でも、組織変化及
び強度低下を示さず、優れた高温特性を有している。
【0050】次に、得られた凝固体から、凝固方向に直
角に10×10×0.5サイズの薄片を切り出し、両面
を鏡面研磨仕上げを施し、選択放射測定用試料に供し
た。上記の如くして製造したエルビア/アルミナ複合材
料(正確にはEr3 Al5O12/α−Al2 O3 である
が、簡便のためにエルビア/アルミナ複合材料(Er2
O3 /Al2 O3 )とも表記する。以下同じ。)の高温
での選択放射性能を確かめるため、フーリエ分光器と標
準黒体炉からなる放射強度測定装置を組み立て、放射強
度スペクトルを測定した。
角に10×10×0.5サイズの薄片を切り出し、両面
を鏡面研磨仕上げを施し、選択放射測定用試料に供し
た。上記の如くして製造したエルビア/アルミナ複合材
料(正確にはEr3 Al5O12/α−Al2 O3 である
が、簡便のためにエルビア/アルミナ複合材料(Er2
O3 /Al2 O3 )とも表記する。以下同じ。)の高温
での選択放射性能を確かめるため、フーリエ分光器と標
準黒体炉からなる放射強度測定装置を組み立て、放射強
度スペクトルを測定した。
【0051】放射率測定装置は、バーナー加熱したエミ
ッターからの放射光を分光器に取り込むもので、図6に
示す様にフーリエ変換近赤外分光器11、ピンホール1
2、試料台13、熱電対、バーナー14、標準黒体炉1
5から成っている。16はHe−Neレーザーである。
フーリエ変換近赤外分光器11は、フィルター21、ス
リット22、ビームスプリッター23、固定ミラー2
4、可動ミラー25、検出器26である。エミッター材
の加熱にはガスバーナー14を用いた。燃料は都市ガス
14aと酸素14bでその火炎温度の上限は1700℃
程度である。バーナー14をレールに載せエミッター材
13までの距離を変えることで加熱量を調節することが
可能である。エミッター材13の分光器側の表面温度を
R熱電対により計測した。試料台13はバーナー火炎か
らの放射光が直接分光器に入り込むことを防ぐため、バ
ーナー口径φ10mmに対して十分の広さを持たせ10cm
×15cmとした。また試料台13からの放射を少なくす
るため、耐熱材料の中でも放射率が小さいアルミナブロ
ックから試料台を整形した。アルミナは多孔質で熱伝導
率が低いため温度上昇も少ない。
ッターからの放射光を分光器に取り込むもので、図6に
示す様にフーリエ変換近赤外分光器11、ピンホール1
2、試料台13、熱電対、バーナー14、標準黒体炉1
5から成っている。16はHe−Neレーザーである。
フーリエ変換近赤外分光器11は、フィルター21、ス
リット22、ビームスプリッター23、固定ミラー2
4、可動ミラー25、検出器26である。エミッター材
の加熱にはガスバーナー14を用いた。燃料は都市ガス
14aと酸素14bでその火炎温度の上限は1700℃
程度である。バーナー14をレールに載せエミッター材
13までの距離を変えることで加熱量を調節することが
可能である。エミッター材13の分光器側の表面温度を
R熱電対により計測した。試料台13はバーナー火炎か
らの放射光が直接分光器に入り込むことを防ぐため、バ
ーナー口径φ10mmに対して十分の広さを持たせ10cm
×15cmとした。また試料台13からの放射を少なくす
るため、耐熱材料の中でも放射率が小さいアルミナブロ
ックから試料台を整形した。アルミナは多孔質で熱伝導
率が低いため温度上昇も少ない。
【0052】エルビア/アルミナ複合材エミッターを加
熱する際、試料台にはバーナーに近い方からSiC,P
t、エミッター材を順に並べた。SiCを用いたのはバ
ーナー火炎によるエミッター材温度の急上昇を防ぐため
と、高い吸収率で効率的に昇温させるためである。また
Ptを用いることで、バーナー火炎やSiCからの熱放
射光が遮断され分光器に取り込まれなくなるとともに、
エミッター材からバーナー方向に出た放射光を反射して
戻すことができる。
熱する際、試料台にはバーナーに近い方からSiC,P
t、エミッター材を順に並べた。SiCを用いたのはバ
ーナー火炎によるエミッター材温度の急上昇を防ぐため
と、高い吸収率で効率的に昇温させるためである。また
Ptを用いることで、バーナー火炎やSiCからの熱放
射光が遮断され分光器に取り込まれなくなるとともに、
エミッター材からバーナー方向に出た放射光を反射して
戻すことができる。
【0053】図7に選択エミッター材の放射スペクトル
強度の温度依存性を示す。図中、T B =1275K,1
450K,1600Kはバーナー温度、TS =1100
K,1300K,1500Kは試料温度、t=0.23
μm はエミッター試料厚さである。エミッター材の温度
に拠らず、1.5μm付近のEr3+発光波長域では放射
強度に鋭いピークが存在し、エミッター材の選択放射性
が確認できる。図8は試料の単色放射率スペクトルであ
る。エミッター材の表面温度に拠らず1.5μm付近で
きEr3+発光波長域では放射率がピークを示している。
これよりエミッター材であるエルビア/アルミナ複合材
料が選択放射特性を有していることが分かる。 〔実施例2〕原料としてα−Al2 O3 粉末とEr2 O
3 粉末を81.1/18.9mol %の割合で混合し、エ
タノール溶媒を用いて湿式ボールミルによって混合し、
得られたスラリーからロータリエバポレータを用いてエ
タノールを除去した。
強度の温度依存性を示す。図中、T B =1275K,1
450K,1600Kはバーナー温度、TS =1100
K,1300K,1500Kは試料温度、t=0.23
μm はエミッター試料厚さである。エミッター材の温度
に拠らず、1.5μm付近のEr3+発光波長域では放射
強度に鋭いピークが存在し、エミッター材の選択放射性
が確認できる。図8は試料の単色放射率スペクトルであ
る。エミッター材の表面温度に拠らず1.5μm付近で
きEr3+発光波長域では放射率がピークを示している。
これよりエミッター材であるエルビア/アルミナ複合材
料が選択放射特性を有していることが分かる。 〔実施例2〕原料としてα−Al2 O3 粉末とEr2 O
3 粉末を81.1/18.9mol %の割合で混合し、エ
タノール溶媒を用いて湿式ボールミルによって混合し、
得られたスラリーからロータリエバポレータを用いてエ
タノールを除去した。
【0054】得られた混合粉末をチャンバー内に設置さ
れたモリブデン坩堝に仕込み、10 -4Torrの雰囲気圧力
に維持して、高周波コイルを用いて坩堝を1,900〜
2,000℃に加熱して混合粉末を溶解し、30分保持
した後に、内径40mm×高さ200mmのモリブデン鋳型
に鋳込んでインゴットを作製した。得られたインゴット
を外径50mm×高さ200mm×厚さ5mmのモリブデン坩
堝に仕込み、同一の雰囲気下において1,920℃で溶
解した後に、実施例1と同様に、坩堝を5mm/時間の速
度で下降し一方向凝固させ、φ40mm×70mmの凝固体
を得た。
れたモリブデン坩堝に仕込み、10 -4Torrの雰囲気圧力
に維持して、高周波コイルを用いて坩堝を1,900〜
2,000℃に加熱して混合粉末を溶解し、30分保持
した後に、内径40mm×高さ200mmのモリブデン鋳型
に鋳込んでインゴットを作製した。得られたインゴット
を外径50mm×高さ200mm×厚さ5mmのモリブデン坩
堝に仕込み、同一の雰囲気下において1,920℃で溶
解した後に、実施例1と同様に、坩堝を5mm/時間の速
度で下降し一方向凝固させ、φ40mm×70mmの凝固体
を得た。
【0055】得られたEr3 Al5 O12/α−Al2 O
3 共晶凝固体から、凝固方向に直角に10×10×0.
5サイズの薄片を切り出し、両面を鏡面研磨仕上げし
た。その後、この薄片試料を黒鉛製容器中に入れ、10
-4Torrの真空中で1,873Kの温度で1時間熱処理を
行い、表面のAl2 O3 相のみを約50〜200μm還
元除去した。その表面状態を図9に示す。
3 共晶凝固体から、凝固方向に直角に10×10×0.
5サイズの薄片を切り出し、両面を鏡面研磨仕上げし
た。その後、この薄片試料を黒鉛製容器中に入れ、10
-4Torrの真空中で1,873Kの温度で1時間熱処理を
行い、表面のAl2 O3 相のみを約50〜200μm還
元除去した。その表面状態を図9に示す。
【0056】実施例1と同様の装置を用いて選択放射特
性の評価を行った。図10に表面のAl2 O3 を除去す
る前後の試料での放射スペクトルを示す(破線がエッチ
ング前、実線がエッチング後)。1.5μm付近の選択
放射領域の構造は変化しないが、より長波長領域のバッ
クグランド放射強度が減少している。全領域のスペクト
ル強度に対する選択領域(1.2〜1.7μm)のスペ
クトル強度を選択エミッター効率として定義する。除去
前後の選択エミッター効率の温度依存性を図11に示
す。どの温度においても効率が1%程度上昇しており、
表面のAl2 O3相のみを除去する事により選択放射特
性を向上できる事が分かった。この方法ではエミッター
自体の機械的強度はほとんど減少させずに、選択放射効
率を向上できる事が特徴である。また、Al2 O3 相を
除去した領域があることから、エミッターの実効的な厚
みを減少させるとともに表面積を増大させることができ
るため、実効的な熱伝導率が上昇し、エミッター両面で
の温度低下を低減する事が可能である。 〔比較例1〕NASAではこれまでにYAG結晶中にE
rやHoをドープした選択エミッター材料を開発してい
る。これらエミッターの選択放射効率は17−18%で
ある(A. Lowe et al. AIP Conf. Proc. 321, 291-297,
(1994))。このデータと本発明による複合材料の選択放
射効率を比較したものを図12に示す。これらの試料で
は表面のアルミナ相の除去を行っていないが、厚=0.
23mmの複合材料エミッターにおいてNASAエミッタ
ーと同程度の性能を有している事が分かる。実施例2に
示したように、アルミナ相を除去する事により10%程
度効率が上昇する事から、最適厚さ(0.23mm)の複
合材料エミッターはEr−YAGエミッターを上回る性
能を有しているといえる。
性の評価を行った。図10に表面のAl2 O3 を除去す
る前後の試料での放射スペクトルを示す(破線がエッチ
ング前、実線がエッチング後)。1.5μm付近の選択
放射領域の構造は変化しないが、より長波長領域のバッ
クグランド放射強度が減少している。全領域のスペクト
ル強度に対する選択領域(1.2〜1.7μm)のスペ
クトル強度を選択エミッター効率として定義する。除去
前後の選択エミッター効率の温度依存性を図11に示
す。どの温度においても効率が1%程度上昇しており、
表面のAl2 O3相のみを除去する事により選択放射特
性を向上できる事が分かった。この方法ではエミッター
自体の機械的強度はほとんど減少させずに、選択放射効
率を向上できる事が特徴である。また、Al2 O3 相を
除去した領域があることから、エミッターの実効的な厚
みを減少させるとともに表面積を増大させることができ
るため、実効的な熱伝導率が上昇し、エミッター両面で
の温度低下を低減する事が可能である。 〔比較例1〕NASAではこれまでにYAG結晶中にE
rやHoをドープした選択エミッター材料を開発してい
る。これらエミッターの選択放射効率は17−18%で
ある(A. Lowe et al. AIP Conf. Proc. 321, 291-297,
(1994))。このデータと本発明による複合材料の選択放
射効率を比較したものを図12に示す。これらの試料で
は表面のアルミナ相の除去を行っていないが、厚=0.
23mmの複合材料エミッターにおいてNASAエミッタ
ーと同程度の性能を有している事が分かる。実施例2に
示したように、アルミナ相を除去する事により10%程
度効率が上昇する事から、最適厚さ(0.23mm)の複
合材料エミッターはEr−YAGエミッターを上回る性
能を有しているといえる。
【図1】熱光起電装置の装置構成図。
【図2】Al2 O3 /Er3 Al5 O12共晶複合材料の
凝固方向に垂直な断面の組織を示す図面に代える電子顕
微鏡写真。
凝固方向に垂直な断面の組織を示す図面に代える電子顕
微鏡写真。
【図3】Al2 O3 /Er3 Al5 O12共晶複合材料の
曲げ強度の温度依存性。
曲げ強度の温度依存性。
【図4】Al2 O3 /Er3 Al5 O12共晶複合材料の
空気中の1700℃における熱処理後の曲げ強度の変
化。
空気中の1700℃における熱処理後の曲げ強度の変
化。
【図5】Al2 O3 /Er3 Al5 O12共晶複合材料の
空気中の1700℃における熱処理後の組織変化を示す
図面に代える電子顕微鏡写真。
空気中の1700℃における熱処理後の組織変化を示す
図面に代える電子顕微鏡写真。
【図6】放射測定実験装置概略図。
【図7】選択放射スペクトルの温度依存性。
【図8】放射率の波長依存性。
【図9】Al2 O3 /Er3 Al5 O12共晶複合材料か
らAl2 O3 相を除去した後の表面状態を示す図面に代
える電子顕微鏡写真。
らAl2 O3 相を除去した後の表面状態を示す図面に代
える電子顕微鏡写真。
【図10】アルミナ相を除去した選択放射材料の放射ス
ペクトル。
ペクトル。
【図11】アルミナ相を除去した選択放射材料の選択放
射効率の温度依存性。
射効率の温度依存性。
【図12】複合材料エミッターの温度依存性とNASA
エミッター効率との比較。
エミッター効率との比較。
1…熱源 2…エミッター 3…フィルター 4…PVセル 11…フーリエ変換近赤外分光器 12…ピンホール 13…試料 14…バーナー 14a…燃料 14b…酸素 15…標準黒体炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 成人 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産 株式会社宇部研究所内 (72)発明者 大坪 英樹 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産 株式会社宇部研究所内 Fターム(参考) 4G030 AA11 AA12 AA36 AA37 BA16 BA21 GA04 GA23
Claims (4)
- 【請求項1】 加熱されたエミッターからの放射をその
放射波長ピークに感度の整合した光電半導体セルで受け
て高効率に電力変換する固体素子発電システムである熱
光起電発電技術において用いる、選択的な波長で強い放
射率を有する選択エミッター材料であって、金属の酸化
物と2種以上の金属の酸化物から生成される複合酸化物
とからなる群から選ばれる2種以上の酸化物から構成さ
れている凝固体からなり、前記凝固体が前記金属酸化物
及び/又は前記複合酸化物を構成する金属としてEr,
Yb,Nd,Hoのうち少なくとも一種の希土類金属元
素を含むことを特徴とする選択エミッター材料。 - 【請求項2】 前記金属酸化物がAl2 O3 ,Y
2 O3 ,SiO2 ,Er2O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O
3 ,Ho2 O3 からなる群から選ばれ、前記複合酸化物
がAl2 O3 ,Y2 O3 ,SiO2 からなる群から選ば
れる金属酸化物とEr2 O3 ,Yb2 O3 ,Nd
2 O3 ,Ho2 O3 からなる群から選ばれる希土類金属
元素酸化物との複合酸化物から選ばれることを特徴とす
る請求項1記載の選択エミッター材料。 - 【請求項3】 前記金属酸化物がAl2 O3 又はEr2
O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho2 O3 からなる群
から選ばれ、前記複合酸化物がAl2 O3 とEr
2 O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho2 O3 からなる
群から選ばれる希土類金属元素酸化物との複合酸化物か
ら選ばれることを特徴とする請求項2記載の選択エミッ
ター材料。 - 【請求項4】 前記凝固体が、前記金属酸化物としての
Al2 O3 、及び前記複合酸化物としてのAl2 O3 と
Er2 O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O3 ,Ho 2 O3 から
なる群から選ばれる希土類金属元素酸化物との複合酸化
物を含み、かつ、前記凝固体を構成するAl2 O3 相が
エミッター表面から一定の深さまで除去されている表面
構造を有することを特徴とする請求項3に記載の選択エ
ミッター材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11084213A JP2000272955A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 希土類選択エミッター材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11084213A JP2000272955A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 希土類選択エミッター材料 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000272955A true JP2000272955A (ja) | 2000-10-03 |
Family
ID=13824208
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11084213A Pending JP2000272955A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 希土類選択エミッター材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000272955A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004065324A1 (ja) * | 2003-01-20 | 2004-08-05 | Ube Industries, Ltd. | 光変換用セラミックス複合材料およびその用途 |
| JP2006298671A (ja) * | 2005-04-18 | 2006-11-02 | Ube Ind Ltd | 熱光起電力発電用エミッタ材料 |
| CN104529406A (zh) * | 2014-12-19 | 2015-04-22 | 桂林理工大学 | 利用稀土化合物制备耐磨氧化铝陶瓷的方法 |
| JP2015159715A (ja) * | 2014-02-13 | 2015-09-03 | パロ・アルト・リサーチ・センター・インコーポレーテッドPalo Alto Research Center Incorporated | メタマテリアル拡張太陽熱光変換器(mestc)による太陽光発電回収システム |
| WO2017170768A1 (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 新日鐵住金株式会社 | 熱光変換部材 |
| CN118324498A (zh) * | 2024-04-22 | 2024-07-12 | 渤海大学 | 一种氧化铝基发光陶瓷的制备方法 |
-
1999
- 1999-03-26 JP JP11084213A patent/JP2000272955A/ja active Pending
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