JP2000249684A - 二次元分離方法 - Google Patents
二次元分離方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】再現性に優れる二次元分離方法の提供。
【解決手段】二次元目の分離のための分離媒体が相互に
独立した複数の分離媒体で構成されていることを特徴と
する二次元分離による物質の分離方法が提供される。分
離スポットの歪みの無い、明瞭な分離像を得ることがで
きる。プロテオーム解析のための二次元電気泳動に応用
することによって、再現性の著しい向上が期待できる。
独立した複数の分離媒体で構成されていることを特徴と
する二次元分離による物質の分離方法が提供される。分
離スポットの歪みの無い、明瞭な分離像を得ることがで
きる。プロテオーム解析のための二次元電気泳動に応用
することによって、再現性の著しい向上が期待できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、媒体中における物
質の移動度の違いに基づく分離技術に関する。より具体
的には、性格の異なった2つの駆動力を組み合わせて混
合物を二次元に展開し、その座標情報に基づいて物質の
分離や同定を行うための技術に関する。
質の移動度の違いに基づく分離技術に関する。より具体
的には、性格の異なった2つの駆動力を組み合わせて混
合物を二次元に展開し、その座標情報に基づいて物質の
分離や同定を行うための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】媒体中における物質の移動度の違いは、
古くから物質の分離や同定に利用されている。たとえ
ば、電場に置かれた物質の移動度の違いに基づく電気泳
動分析は、物質の性状決定のための手法として広く利用
されている。電気泳動分析は、寒天やポリアクリルアミ
ドなどのゲルを媒体とし、このゲル自身が持つ分子ふる
い効果と、ゲルを膨潤させている液体に印加された電圧
を駆動力とする物質の移動現象を組み合わせた分析方法
である。ゲルの密度を調整すれば、同じ駆動力を与えた
場合でも物質の移動しやすさが変化する。一方、電圧に
よって得られる駆動力は物質の荷電状態に左右されるこ
とから、物質の荷電状態を調整することにより、物質の
挙動を変えることができる。たとえばタンパク質の電気
泳動分析において、ドデシル硫酸ナトリウム(以下、SD
Sと省略する)のようなタンパク質変性剤の存在下で電
気泳動を実施すると、タンパク質分子の荷電状態がその
構造とは無関係に強制的に等しくなるので、原則として
移動度は分子量を反映したものとなる。あるいはまた等
電点電気泳動では、pH勾配の中でタンパク質がその分
子の全電荷が0となるpHに収束する現象を利用してい
る。
古くから物質の分離や同定に利用されている。たとえ
ば、電場に置かれた物質の移動度の違いに基づく電気泳
動分析は、物質の性状決定のための手法として広く利用
されている。電気泳動分析は、寒天やポリアクリルアミ
ドなどのゲルを媒体とし、このゲル自身が持つ分子ふる
い効果と、ゲルを膨潤させている液体に印加された電圧
を駆動力とする物質の移動現象を組み合わせた分析方法
である。ゲルの密度を調整すれば、同じ駆動力を与えた
場合でも物質の移動しやすさが変化する。一方、電圧に
よって得られる駆動力は物質の荷電状態に左右されるこ
とから、物質の荷電状態を調整することにより、物質の
挙動を変えることができる。たとえばタンパク質の電気
泳動分析において、ドデシル硫酸ナトリウム(以下、SD
Sと省略する)のようなタンパク質変性剤の存在下で電
気泳動を実施すると、タンパク質分子の荷電状態がその
構造とは無関係に強制的に等しくなるので、原則として
移動度は分子量を反映したものとなる。あるいはまた等
電点電気泳動では、pH勾配の中でタンパク質がその分
子の全電荷が0となるpHに収束する現象を利用してい
る。
【0003】このようにして、さまざまな媒体と、駆動
力の組み合わせが利用され、タンパク質をはじめとする
多くの物質の分離方法が報告された。しかし1回の分離
では単一の原理に基づく分離しか行うことができないの
で、解像度の向上に関しては常に限界を伴うものであっ
た。たとえば、分子量の違いに基づく分離においては、
分子量の接近した分子同士を相互に分離することは原理
的に言ってたいへん困難であることは容易に理解でき
る。そこで、異なった駆動原理を組み合わせた二次元電
気泳動が考え出された。二次元電気泳動では、物質の2
つの側面から分離が行われるので、解像度の大幅な向上
を期待することができる。二次元電気泳動では、たとえ
ばあらかじめ等電点に基づく電気泳動を行った後に、更
に異なる媒体上において分子量に基づく電気泳動を実施
する(O'Farrell, P.H.,J.Biol.Chem. 250, 4007-21.197
5) 。物質は結果的に等電点と分子量という2つの性状
に基づいて二次元に展開されるために、同じ分子量を持
つ物質であっても、等電点が異なっていれば違う座標に
展開される。つまりX軸方向を等電点、Y軸方向を分子量
とする、二次元の座標に各物質がスポットとして分離で
きる。二次元電気泳動は、その優れた解像度のために、
特にタンパク質の分離手法として高い評価を得ている。
力の組み合わせが利用され、タンパク質をはじめとする
多くの物質の分離方法が報告された。しかし1回の分離
では単一の原理に基づく分離しか行うことができないの
で、解像度の向上に関しては常に限界を伴うものであっ
た。たとえば、分子量の違いに基づく分離においては、
分子量の接近した分子同士を相互に分離することは原理
的に言ってたいへん困難であることは容易に理解でき
る。そこで、異なった駆動原理を組み合わせた二次元電
気泳動が考え出された。二次元電気泳動では、物質の2
つの側面から分離が行われるので、解像度の大幅な向上
を期待することができる。二次元電気泳動では、たとえ
ばあらかじめ等電点に基づく電気泳動を行った後に、更
に異なる媒体上において分子量に基づく電気泳動を実施
する(O'Farrell, P.H.,J.Biol.Chem. 250, 4007-21.197
5) 。物質は結果的に等電点と分子量という2つの性状
に基づいて二次元に展開されるために、同じ分子量を持
つ物質であっても、等電点が異なっていれば違う座標に
展開される。つまりX軸方向を等電点、Y軸方向を分子量
とする、二次元の座標に各物質がスポットとして分離で
きる。二次元電気泳動は、その優れた解像度のために、
特にタンパク質の分離手法として高い評価を得ている。
【0004】さて、ゲノムプロジェクトのような大規模
な遺伝子情報の解析プロジェクトの進行に伴い、膨大な
遺伝子情報が明らかにされつつある。今後は、このよう
にして明らかにされた遺伝子情報と、細胞内で複雑に相
互作用している多様なタンパク質との関連を明らかにす
ることによって、遺伝子の機能解析を進めていくことが
大きな課題となる。プロテオームという、PROTEin と g
enOMEを組み合わせた造語で表現される新たな概念が提
唱されている(Kahn, P. Science 270, 369-70.1995)。
プロテオーム解析は、細胞の機能を支える多様なタンパ
ク質の関係を総合的にとらえようとする試みである。し
かし現在の分析技術では、遺伝子に比べてタンパク質の
解析には多大な時間と労力が必要とされている。細胞を
構成するタンパク質は5000−7000とも言われて
いる。このように多様性に富むタンパク質の集合である
プロテオームの変化を、総合的に、しかも迅速に把握す
ることが求められているのである。
な遺伝子情報の解析プロジェクトの進行に伴い、膨大な
遺伝子情報が明らかにされつつある。今後は、このよう
にして明らかにされた遺伝子情報と、細胞内で複雑に相
互作用している多様なタンパク質との関連を明らかにす
ることによって、遺伝子の機能解析を進めていくことが
大きな課題となる。プロテオームという、PROTEin と g
enOMEを組み合わせた造語で表現される新たな概念が提
唱されている(Kahn, P. Science 270, 369-70.1995)。
プロテオーム解析は、細胞の機能を支える多様なタンパ
ク質の関係を総合的にとらえようとする試みである。し
かし現在の分析技術では、遺伝子に比べてタンパク質の
解析には多大な時間と労力が必要とされている。細胞を
構成するタンパク質は5000−7000とも言われて
いる。このように多様性に富むタンパク質の集合である
プロテオームの変化を、総合的に、しかも迅速に把握す
ることが求められているのである。
【0005】この目的を達成するために、タンパク質の
二次元電気泳動は重要な役割を担っている。二次元電気
泳動によって得ることができる展開パターンと、同定さ
れたタンパク質の情報とを対応させたデータベースは、
いわばタンパク質のカタログとしての意味を持ってい
る。正常な状態にある細胞についてタンパク質のカタロ
グがあれば、その細胞の変化をタンパク質の二次元電気
泳動による泳動パターンの変化として捉えることができ
る。変化を起こした細胞の泳動パターンで特異的に現れ
たり、あるいは消失するスポットが観察されれば、その
タンパク質の機能を推定する上できわめて重要な情報を
得ることができる。そしてこの種の情報は、細胞の機能
とそれを支えるタンパク質との関連を見出す上で重要な
ばかりではなく、医薬品開発や、植物や動物の遺伝子育
種といったバイオインダストリーの幅広い分野において
も大きな成果をもたらす可能性を秘めている。
二次元電気泳動は重要な役割を担っている。二次元電気
泳動によって得ることができる展開パターンと、同定さ
れたタンパク質の情報とを対応させたデータベースは、
いわばタンパク質のカタログとしての意味を持ってい
る。正常な状態にある細胞についてタンパク質のカタロ
グがあれば、その細胞の変化をタンパク質の二次元電気
泳動による泳動パターンの変化として捉えることができ
る。変化を起こした細胞の泳動パターンで特異的に現れ
たり、あるいは消失するスポットが観察されれば、その
タンパク質の機能を推定する上できわめて重要な情報を
得ることができる。そしてこの種の情報は、細胞の機能
とそれを支えるタンパク質との関連を見出す上で重要な
ばかりではなく、医薬品開発や、植物や動物の遺伝子育
種といったバイオインダストリーの幅広い分野において
も大きな成果をもたらす可能性を秘めている。
【0006】ところで現在行われているタンパク質の二
次元電気泳動は、一般的には以下のように進められてい
る。まず、キャピラリーゲルや市販のストリップゲルな
どを分離媒体として等電点電気泳動(一次元目の分離)
を行う。一次元目の泳動を終了したゲルは、二次元目の
泳動のために第2のゲルに乗せる。第2のゲルは、一次
元目の展開方向に対して直角の方向に泳動しなければな
らないので、平面状のゲル(slab gel)を用いる。一次元
目を等電点電気泳動とした場合、二次元目の電気泳動は
SDS-ポリアクリルアミド電気泳動(以下、SDS-PAGEと省
略する)を選択するのが一般的である。この組み合わせ
により、一次元方向には等電点(pI)に基づく分離が行わ
れ、二次元方向には分子量に基づいて展開されることに
なる。以上のような方法に基づいて、既に多くのプロテ
オームについて二次元電気泳動が行われている。分離さ
れたタンパク質のスポットについて、アミノ酸配列の決
定やペプチドマス・フィンガープリント法による解析結
果が座標情報とともに記録される。そしてその情報はSW
ISS-2DPAGE(http://expasy.hcuge.ch/ch2d/)などのデー
タベースに蓄積されている。
次元電気泳動は、一般的には以下のように進められてい
る。まず、キャピラリーゲルや市販のストリップゲルな
どを分離媒体として等電点電気泳動(一次元目の分離)
を行う。一次元目の泳動を終了したゲルは、二次元目の
泳動のために第2のゲルに乗せる。第2のゲルは、一次
元目の展開方向に対して直角の方向に泳動しなければな
らないので、平面状のゲル(slab gel)を用いる。一次元
目を等電点電気泳動とした場合、二次元目の電気泳動は
SDS-ポリアクリルアミド電気泳動(以下、SDS-PAGEと省
略する)を選択するのが一般的である。この組み合わせ
により、一次元方向には等電点(pI)に基づく分離が行わ
れ、二次元方向には分子量に基づいて展開されることに
なる。以上のような方法に基づいて、既に多くのプロテ
オームについて二次元電気泳動が行われている。分離さ
れたタンパク質のスポットについて、アミノ酸配列の決
定やペプチドマス・フィンガープリント法による解析結
果が座標情報とともに記録される。そしてその情報はSW
ISS-2DPAGE(http://expasy.hcuge.ch/ch2d/)などのデー
タベースに蓄積されている。
【0007】公知の二次元電気泳動は、解像度に優れた
分離手法ではあるが、スラブゲルを利用せざるを得ない
ために重大な課題を伴う。二次元目の泳動にはSDS-PAGE
が一般的であることは既に述べたとおりである。しかし
ポリアクリルアミドゲルの調製にあたり、広い面積にわ
たって均一な品質を維持することは困難である。ゲルの
不均一性は移動度の差となって現れる。したがって、た
とえ同じタンパク質であっても、ゲルの中央付近と周辺
部とでは異なった移動度を示すことは避けられない現象
とされている。このような現象はスマイリング(smilin
g)と呼ばれ、電気泳動像の歪みの原因となっている。電
気泳動像の歪みは、座標情報の誤差につながるため、二
次元電気泳動の再現性に影響を与える重要な要因とな
る。特に、解像度を高めることを目的としてしばしば面
積の大きなスラブゲルが用いられる。しかしゲルの面積
が大きければ大きいほど電気泳動像の歪みの影響が大き
くなるため、電気泳動には厳しい品質管理が求められる
ことになる。現実には、注意深く条件を整えた実験結果
であっても、異なる電気泳動分析結果の比較は常に電気
泳動像の歪みの影響を受けるていると言うことができ
る。そのため、接近する座標情報を識別することができ
なかったり、あるいは隣接するスポットからのタンパク
質の分離に十分な再現性を期待できないといったような
問題が生じている。言いかえれば、公知の二次元電気泳
動分析においては、電気泳動像の歪みを小さくして再現
性を高めることが課題として求められていた。分離結果
の解析を機械的に行うためのソフトウエアも開発されて
いるが、再現性を高めるには高度な画像処理技術による
泳動像の歪みの補正が必要である。
分離手法ではあるが、スラブゲルを利用せざるを得ない
ために重大な課題を伴う。二次元目の泳動にはSDS-PAGE
が一般的であることは既に述べたとおりである。しかし
ポリアクリルアミドゲルの調製にあたり、広い面積にわ
たって均一な品質を維持することは困難である。ゲルの
不均一性は移動度の差となって現れる。したがって、た
とえ同じタンパク質であっても、ゲルの中央付近と周辺
部とでは異なった移動度を示すことは避けられない現象
とされている。このような現象はスマイリング(smilin
g)と呼ばれ、電気泳動像の歪みの原因となっている。電
気泳動像の歪みは、座標情報の誤差につながるため、二
次元電気泳動の再現性に影響を与える重要な要因とな
る。特に、解像度を高めることを目的としてしばしば面
積の大きなスラブゲルが用いられる。しかしゲルの面積
が大きければ大きいほど電気泳動像の歪みの影響が大き
くなるため、電気泳動には厳しい品質管理が求められる
ことになる。現実には、注意深く条件を整えた実験結果
であっても、異なる電気泳動分析結果の比較は常に電気
泳動像の歪みの影響を受けるていると言うことができ
る。そのため、接近する座標情報を識別することができ
なかったり、あるいは隣接するスポットからのタンパク
質の分離に十分な再現性を期待できないといったような
問題が生じている。言いかえれば、公知の二次元電気泳
動分析においては、電気泳動像の歪みを小さくして再現
性を高めることが課題として求められていた。分離結果
の解析を機械的に行うためのソフトウエアも開発されて
いるが、再現性を高めるには高度な画像処理技術による
泳動像の歪みの補正が必要である。
【0008】必ずしもゲルを必要としない方法として、
キャピラリー電気泳動(以下、CEと省略する)が公知で
ある。CEでは、内径100μm程度の細い空間内で電気
泳動を行うことから、電気泳動に伴って発生するジュー
ル熱による対流の影響を無視しうる。そのためゲルでは
なく、液体中での電気泳動も可能である。しかしCEでは
内径がわずか数十〜100μm程度のキャピラリー内で
電気泳動を行わなければならないので、数cm〜数十cmに
およぶ幅を必要とする二次元電気泳動に応用することは
できない。逆にCEではキャピラリーの一部で電気泳動さ
れた物質を採取することが可能という特徴がある。この
特徴により、CEでは物質の分離が容易となる。一方スラ
ブゲルにおいては、たとえば電気泳動の結果分離される
スポットから物質を単離するには、目的とするスポット
から更に電気的な分離を行うか、あるいはゲルを物理的
に切り取るといった操作が求められる。このような操作
は操作としても煩雑であるし、何よりも再現性に関して
改善の余地を残していた。
キャピラリー電気泳動(以下、CEと省略する)が公知で
ある。CEでは、内径100μm程度の細い空間内で電気
泳動を行うことから、電気泳動に伴って発生するジュー
ル熱による対流の影響を無視しうる。そのためゲルでは
なく、液体中での電気泳動も可能である。しかしCEでは
内径がわずか数十〜100μm程度のキャピラリー内で
電気泳動を行わなければならないので、数cm〜数十cmに
およぶ幅を必要とする二次元電気泳動に応用することは
できない。逆にCEではキャピラリーの一部で電気泳動さ
れた物質を採取することが可能という特徴がある。この
特徴により、CEでは物質の分離が容易となる。一方スラ
ブゲルにおいては、たとえば電気泳動の結果分離される
スポットから物質を単離するには、目的とするスポット
から更に電気的な分離を行うか、あるいはゲルを物理的
に切り取るといった操作が求められる。このような操作
は操作としても煩雑であるし、何よりも再現性に関して
改善の余地を残していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、二次元電気
泳動のような二次元平面における物質の移動を利用した
分離方法において、公知の方法では達成することのでき
なかった高い再現性を、より安価に、かつ簡便な操作で
実現することができる新規な分離手法の提供を課題とす
る。
泳動のような二次元平面における物質の移動を利用した
分離方法において、公知の方法では達成することのでき
なかった高い再現性を、より安価に、かつ簡便な操作で
実現することができる新規な分離手法の提供を課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、二次元電
気泳動における再現性の向上を妨げる要因として、二次
元目の泳動に利用するゲルの不均一性に着目した。ゲル
の均質性を大きな面積で保証することは、非常に困難で
ある。したがって、ゲルを平面として供給しなければな
らない二次元電気泳動は、ゲルの均質性によって常に再
現性を大きく左右されてしまうことになる。そこで本発
明者らは、平面ではなく、幅の狭いゲルを二次元目のゲ
ルとして利用することにより、ゲルの不均一性の問題を
回避できるのではないかと考えた。しかし、二次元電気
泳動の原理上、二次元目の泳動には一次元目の電気泳動
距離をある程度カバーするだけの幅が必要である。幅の
狭いゲルでは、このような要求を満たすことはできな
い。本発明者らは、この課題を相互に独立した複数のゲ
ルを並列させて利用することによって解決し、本発明を
完成した。すなわち本発明は、以下の二次元分離方法、
ならびにそのための装置に関する。
気泳動における再現性の向上を妨げる要因として、二次
元目の泳動に利用するゲルの不均一性に着目した。ゲル
の均質性を大きな面積で保証することは、非常に困難で
ある。したがって、ゲルを平面として供給しなければな
らない二次元電気泳動は、ゲルの均質性によって常に再
現性を大きく左右されてしまうことになる。そこで本発
明者らは、平面ではなく、幅の狭いゲルを二次元目のゲ
ルとして利用することにより、ゲルの不均一性の問題を
回避できるのではないかと考えた。しかし、二次元電気
泳動の原理上、二次元目の泳動には一次元目の電気泳動
距離をある程度カバーするだけの幅が必要である。幅の
狭いゲルでは、このような要求を満たすことはできな
い。本発明者らは、この課題を相互に独立した複数のゲ
ルを並列させて利用することによって解決し、本発明を
完成した。すなわち本発明は、以下の二次元分離方法、
ならびにそのための装置に関する。
【0011】〔1〕二次元分離による物質の分離方法で
あって、二次元目の分離のための分離媒体が相互に独立
した複数の分離媒体で構成されていることを特徴とする
分離方法。 〔2〕分離媒体が、平板状の支持体に並んだ物理的に隔
てられた複数の空間に充填されている〔1〕の分離方
法。 〔3〕分離すべき物質がタンパク質である、〔1〕の分
離方法。 〔4〕分離が電気泳動によって行われる〔1〕の分離方
法。 〔5〕以下の要素で構成される二次元分離装置。 a)一次元目の分離媒体を二次元目の分離媒体と接触し
た状態に保持する手段 b)相互に独立した複数の分離媒体で構成される二次元
目の分離媒体、および c)二次元目の分離のための駆動力を供給する手段 〔6〕相互に独立した複数の分離媒体が、平板状の支持
体に並んだ物理的に隔てられた複数の空間に充填されて
いる〔5〕の二次元分離装置。 〔7〕二次元目の分離のための駆動力を供給する手段
が、分離媒体に電圧を印加する電源である〔5〕の二次
元分離装置。 〔8〕相互に独立した複数の分離媒体で構成される二次
元分離用媒体。
あって、二次元目の分離のための分離媒体が相互に独立
した複数の分離媒体で構成されていることを特徴とする
分離方法。 〔2〕分離媒体が、平板状の支持体に並んだ物理的に隔
てられた複数の空間に充填されている〔1〕の分離方
法。 〔3〕分離すべき物質がタンパク質である、〔1〕の分
離方法。 〔4〕分離が電気泳動によって行われる〔1〕の分離方
法。 〔5〕以下の要素で構成される二次元分離装置。 a)一次元目の分離媒体を二次元目の分離媒体と接触し
た状態に保持する手段 b)相互に独立した複数の分離媒体で構成される二次元
目の分離媒体、および c)二次元目の分離のための駆動力を供給する手段 〔6〕相互に独立した複数の分離媒体が、平板状の支持
体に並んだ物理的に隔てられた複数の空間に充填されて
いる〔5〕の二次元分離装置。 〔7〕二次元目の分離のための駆動力を供給する手段
が、分離媒体に電圧を印加する電源である〔5〕の二次
元分離装置。 〔8〕相互に独立した複数の分離媒体で構成される二次
元分離用媒体。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明を構成する重要な要件は、
二次元目の分離を行う分離媒体が相互に独立した複数の
分離媒体で構成されていることである。この特徴によっ
て、一定の幅が求められる二次元目の分離媒体の均質性
を高めることができる。なぜならば、ゲルであれ、ある
いはそれ以外の媒体にしろ、幅が狭ければ狭いほど、そ
の媒体の中では均質性の高さを維持しやすい。限られた
範囲ではあっても均質性の高い状態を確保できるという
ことは、分離されたスポットをより確実に識別できるこ
とにつながる。また分離媒体の独立によって、二次元目
の分離の結果として得られる各スポットは、少なくとも
一次元目の方向に対しては、言うまでも無く必ず明確に
分離した状態にある。本発明におけるこの特徴は、分離
スポットの座標情報をデジタルデータとして捕らえるこ
とを可能とする。つまり本発明では、少なくとも一次元
方向においてはいくつ目の分離媒体であるのかによって
座標情報が規定されることから、これをデジタル化と呼
ぶことができる。したがって、本発明においては、一次
元目の方向においてはスポットの明確な分離が期待でき
る。一方、二次元目の展開方向においては、分離媒体の
均質性に基づいて、やはりスポットの識別が確実に行わ
れるようになる。座標データの機械的な読み取りにあた
っても、高度な画像処理技術を必要とする画像の補正を
行わなくても座標の決定が可能となる。こうして、スポ
ットの識別性能が向上し、結果的に分離の再現性の向上
をもたらす。本発明によれば、一次元方向におけるデジ
タル化と、二次元方向におけるスポットの分離能に基づ
いて、電気泳動像の解析を容易に行えるようになる。加
えて、後に述べるように本発明の他の態様においては、
二次元目のみならず一次元目の分離媒体をも複数に分割
することも可能である。この態様においては、一次元目
と二次元目の両方の展開方向において座標のデジタル化
を実現することもできる。
二次元目の分離を行う分離媒体が相互に独立した複数の
分離媒体で構成されていることである。この特徴によっ
て、一定の幅が求められる二次元目の分離媒体の均質性
を高めることができる。なぜならば、ゲルであれ、ある
いはそれ以外の媒体にしろ、幅が狭ければ狭いほど、そ
の媒体の中では均質性の高さを維持しやすい。限られた
範囲ではあっても均質性の高い状態を確保できるという
ことは、分離されたスポットをより確実に識別できるこ
とにつながる。また分離媒体の独立によって、二次元目
の分離の結果として得られる各スポットは、少なくとも
一次元目の方向に対しては、言うまでも無く必ず明確に
分離した状態にある。本発明におけるこの特徴は、分離
スポットの座標情報をデジタルデータとして捕らえるこ
とを可能とする。つまり本発明では、少なくとも一次元
方向においてはいくつ目の分離媒体であるのかによって
座標情報が規定されることから、これをデジタル化と呼
ぶことができる。したがって、本発明においては、一次
元目の方向においてはスポットの明確な分離が期待でき
る。一方、二次元目の展開方向においては、分離媒体の
均質性に基づいて、やはりスポットの識別が確実に行わ
れるようになる。座標データの機械的な読み取りにあた
っても、高度な画像処理技術を必要とする画像の補正を
行わなくても座標の決定が可能となる。こうして、スポ
ットの識別性能が向上し、結果的に分離の再現性の向上
をもたらす。本発明によれば、一次元方向におけるデジ
タル化と、二次元方向におけるスポットの分離能に基づ
いて、電気泳動像の解析を容易に行えるようになる。加
えて、後に述べるように本発明の他の態様においては、
二次元目のみならず一次元目の分離媒体をも複数に分割
することも可能である。この態様においては、一次元目
と二次元目の両方の展開方向において座標のデジタル化
を実現することもできる。
【0013】以上のような背景から明らかなように、本
発明における二次元目の分離媒体には、一次元目の分離
媒体の長さ(すなわち分離距離)の少なくとも一部を、
更にいくつかに分割した幅を持たせる。分割の数や、個
々の分離媒体の幅は特に制限されない。分割する数を増
やして個々の分離媒体の幅を小さくすれば、解像度は向
上する。しかし、一定の水準を超えれば、解像度の向上
の程度はわずかとなってしまうことから、解析の目的に
応じた解像度となるように経験的に設定するのが望まし
い。たとえば、5000個のスポットが予想されるのであれ
ば、一次元目の分離距離を50〜100区画に分けると、理
論的には二次元目における一分離媒体あたりのスポット
の数が100-50という識別の容易な数となる。なお一次元
目の分離距離の全体を二次元目の分離の対象とするとは
限らない。たとえば、一次元目の分離の結果の中からあ
る範囲にある物質に着目しているのであれば、その部分
の前後のみについて二次元目の分離を実施することもで
きる。なお一般に二次元分離方法は、一次元目の分離を
行った後にその分離媒体を試料として二次元目の分離を
実施する。通常は一次元目の分離操作を完全に独立した
分離媒体で行い、分離後に二次元目の分離媒体と接触さ
せる。あるいは、双方の分離結果に影響の無い限り、両
者を接触させた状態のまま一次元目の分離を行い、継続
して二次元目の分離を行うこともできる。ただし本発明
における一次元あるいは二次元の用語は、時間的な順序
ではなく、物質の展開方向を意味している。したがって
本発明の二次元分離方法には、たとえば後に述べるよう
に、一次元目の分離と二次元目の分離を並行して実施す
る場合も含まれる。
発明における二次元目の分離媒体には、一次元目の分離
媒体の長さ(すなわち分離距離)の少なくとも一部を、
更にいくつかに分割した幅を持たせる。分割の数や、個
々の分離媒体の幅は特に制限されない。分割する数を増
やして個々の分離媒体の幅を小さくすれば、解像度は向
上する。しかし、一定の水準を超えれば、解像度の向上
の程度はわずかとなってしまうことから、解析の目的に
応じた解像度となるように経験的に設定するのが望まし
い。たとえば、5000個のスポットが予想されるのであれ
ば、一次元目の分離距離を50〜100区画に分けると、理
論的には二次元目における一分離媒体あたりのスポット
の数が100-50という識別の容易な数となる。なお一次元
目の分離距離の全体を二次元目の分離の対象とするとは
限らない。たとえば、一次元目の分離の結果の中からあ
る範囲にある物質に着目しているのであれば、その部分
の前後のみについて二次元目の分離を実施することもで
きる。なお一般に二次元分離方法は、一次元目の分離を
行った後にその分離媒体を試料として二次元目の分離を
実施する。通常は一次元目の分離操作を完全に独立した
分離媒体で行い、分離後に二次元目の分離媒体と接触さ
せる。あるいは、双方の分離結果に影響の無い限り、両
者を接触させた状態のまま一次元目の分離を行い、継続
して二次元目の分離を行うこともできる。ただし本発明
における一次元あるいは二次元の用語は、時間的な順序
ではなく、物質の展開方向を意味している。したがって
本発明の二次元分離方法には、たとえば後に述べるよう
に、一次元目の分離と二次元目の分離を並行して実施す
る場合も含まれる。
【0014】本発明において分離とは、物質が媒体中で
なんらかの駆動力によって移動する現象を利用した物理
的な分離を意味する。駆動力としては、電圧、遠心力、
毛管現象、磁力、電気浸透流、あるいはポンプ送液等を
示すことができる。電圧を利用した電気泳動は、二次元
電気泳動として広く利用されている駆動原理である。こ
れらの駆動力は、本発明の1次元目の分離にも、二次元
目の分離にも利用することができる。また、いずれの駆
動原理も任意の順序で組み合わせることが可能である。
更に、各駆動力について分離媒体の条件を変更すること
により、多様な分離条件を作り出すことができる。以下
に、本発明の一次元目、あるいは二次元目の分離に利用
することができる条件を具体的に例示する。
なんらかの駆動力によって移動する現象を利用した物理
的な分離を意味する。駆動力としては、電圧、遠心力、
毛管現象、磁力、電気浸透流、あるいはポンプ送液等を
示すことができる。電圧を利用した電気泳動は、二次元
電気泳動として広く利用されている駆動原理である。こ
れらの駆動力は、本発明の1次元目の分離にも、二次元
目の分離にも利用することができる。また、いずれの駆
動原理も任意の順序で組み合わせることが可能である。
更に、各駆動力について分離媒体の条件を変更すること
により、多様な分離条件を作り出すことができる。以下
に、本発明の一次元目、あるいは二次元目の分離に利用
することができる条件を具体的に例示する。
【0015】駆動力として電圧を利用する、いわゆる電
気泳動の場合には、たとえば次のような泳動条件を提供
することができる。すなわち、pH勾配、分子篩(ふる
い)、泳動媒体中で接触する官能基との相互作用等を示
すことができる。pH勾配を備えた泳動媒体中における
電気泳動をタンパク質に利用すれば、等電点電気泳動と
なる。またポリアクリルアミドゲルのような分子篩効果
を持つ媒体中で電気泳動を行うとき、SDS、尿素、ある
いはグアニジンのようなタンパク質変性剤を共存させれ
ば、変性条件下での分子篩電気泳動が成立する。あるい
は、変性剤を用いなければ、ネイティブな条件下での電
気泳動となる。更に、さまざまな官能基を備えた泳動媒
体の利用も可能である。具体的には、静電的相互作用、
水素結合、疎水結合、あるいは任意の組み合わせの親和
性物質などを示すことができる。親和性物質としては、
抗原−抗体、相補的な塩基配列からなる核酸のハイブリ
ダイゼーション、アビヂン−ビオチンや、糖−レクチン
のような親和性物質の組み合わせ等がある。電気泳動に
おけるこれらの泳動条件は、電気泳動以外の駆動力にお
いても応用することができる。
気泳動の場合には、たとえば次のような泳動条件を提供
することができる。すなわち、pH勾配、分子篩(ふる
い)、泳動媒体中で接触する官能基との相互作用等を示
すことができる。pH勾配を備えた泳動媒体中における
電気泳動をタンパク質に利用すれば、等電点電気泳動と
なる。またポリアクリルアミドゲルのような分子篩効果
を持つ媒体中で電気泳動を行うとき、SDS、尿素、ある
いはグアニジンのようなタンパク質変性剤を共存させれ
ば、変性条件下での分子篩電気泳動が成立する。あるい
は、変性剤を用いなければ、ネイティブな条件下での電
気泳動となる。更に、さまざまな官能基を備えた泳動媒
体の利用も可能である。具体的には、静電的相互作用、
水素結合、疎水結合、あるいは任意の組み合わせの親和
性物質などを示すことができる。親和性物質としては、
抗原−抗体、相補的な塩基配列からなる核酸のハイブリ
ダイゼーション、アビヂン−ビオチンや、糖−レクチン
のような親和性物質の組み合わせ等がある。電気泳動に
おけるこれらの泳動条件は、電気泳動以外の駆動力にお
いても応用することができる。
【0016】いずれの駆動原理を応用するにしても、本
発明においては、二次元目の分離は相互に独立した複数
の分離媒体によって行われなければならない。本発明に
おいて、分離媒体が相互に独立した状態とは、次のよう
に定義することができる。すなわち、二次元目の分離の
ための駆動力によって、個々の分離媒体の間で分析すべ
き物質の移動が起きない状態を、相互に独立した状態と
いうことができる。たとえば、二次元目の分離媒体が物
理的に遮断されている場合、相互に独立した状態という
ことができる。より具体的には、ポリアクリルアミドゲ
ルのようなゲルを媒体とするのであれば、相互に遮断さ
れた空間内に置かれた複数のストリップ状のゲルを並べ
て本発明のための二次元分離用媒体とすることができ
る。たとえば、実施例に示したように板状の支持体に複
数の溝を設け、この溝の上に他の板を接着することによ
って複数の遮断された空間が並列する支持体とすること
ができる。形成された空間内にゲルを充填すれば、本発
明による相互に独立した複数の媒体とすることができ
る。溝の間隔は必要な解像度が得られるように調整する
ことができる。あるいは、支持体の両面に交互に溝を設
け、両面を他の二枚の板で挟みこむように接着すれば、
平面的には隙間なく連続したゲルとすることもできる。
更には、支持体の両面で部分的に重なるように溝を設け
ることにより、更に緻密にゲルを並べることもできる。
発明においては、二次元目の分離は相互に独立した複数
の分離媒体によって行われなければならない。本発明に
おいて、分離媒体が相互に独立した状態とは、次のよう
に定義することができる。すなわち、二次元目の分離の
ための駆動力によって、個々の分離媒体の間で分析すべ
き物質の移動が起きない状態を、相互に独立した状態と
いうことができる。たとえば、二次元目の分離媒体が物
理的に遮断されている場合、相互に独立した状態という
ことができる。より具体的には、ポリアクリルアミドゲ
ルのようなゲルを媒体とするのであれば、相互に遮断さ
れた空間内に置かれた複数のストリップ状のゲルを並べ
て本発明のための二次元分離用媒体とすることができ
る。たとえば、実施例に示したように板状の支持体に複
数の溝を設け、この溝の上に他の板を接着することによ
って複数の遮断された空間が並列する支持体とすること
ができる。形成された空間内にゲルを充填すれば、本発
明による相互に独立した複数の媒体とすることができ
る。溝の間隔は必要な解像度が得られるように調整する
ことができる。あるいは、支持体の両面に交互に溝を設
け、両面を他の二枚の板で挟みこむように接着すれば、
平面的には隙間なく連続したゲルとすることもできる。
更には、支持体の両面で部分的に重なるように溝を設け
ることにより、更に緻密にゲルを並べることもできる。
【0017】実施例においては分離媒体を、1.5mmの幅
を持つストリップ状のゲルとした。しかし本発明の分離
媒体の幅は、更に微小なものとすることもできる。たと
えば、実施例と同じように支持体に設けた溝に分離媒体
を保持させる場合、この溝の幅を1−100μmといっ
た微細な空間とすることもできる。溝の断面は、三角形
や四角形のような多角形、あるいはU字型や半円状とす
ることができる。このような微細な構造の溝をガラス等
の支持体に設けるには、次のような方法を利用すること
ができる。 ・半導体加工技術のウェットエッチング法(フッ酸を使
う方法) ・半導体加工技術のドライエッチング法(イオンスパッ
タリング、リアクティブイオンエッチング(ICPエッチ
ングなど)) ・レーザーせん孔 ・ダイシングソー(10μm程度の切削が可能) 更に支持体に設けた微細な溝に分離媒体を充填して電気
泳動を行う試みは公知である(Science Vol.261,895-89
7,1993)。このような微細な空間内部で電気泳動を行え
ば、電気浸透流による物質の展開が期待できる。すなわ
ち、キャピラリー電気泳動と同様の原理に基づく分離が
可能となるのである。微細なガラス壁で構成された空間
内部に通電することにより、ガラス表面の水和した陽イ
オンが陰極方向へ移動し、巨視的に見ると溶媒が陰極に
移動する現象が観察される。この現象が電気浸透(elect
roosmosis)と呼ばれ、キャピラリー電気泳動における物
質の展開のための駆動力として重要な意味を持っている
(日本生化学会編・新生化学実験講座「タンパク質I・
分離・精製・性質」P340,1990)。
を持つストリップ状のゲルとした。しかし本発明の分離
媒体の幅は、更に微小なものとすることもできる。たと
えば、実施例と同じように支持体に設けた溝に分離媒体
を保持させる場合、この溝の幅を1−100μmといっ
た微細な空間とすることもできる。溝の断面は、三角形
や四角形のような多角形、あるいはU字型や半円状とす
ることができる。このような微細な構造の溝をガラス等
の支持体に設けるには、次のような方法を利用すること
ができる。 ・半導体加工技術のウェットエッチング法(フッ酸を使
う方法) ・半導体加工技術のドライエッチング法(イオンスパッ
タリング、リアクティブイオンエッチング(ICPエッチ
ングなど)) ・レーザーせん孔 ・ダイシングソー(10μm程度の切削が可能) 更に支持体に設けた微細な溝に分離媒体を充填して電気
泳動を行う試みは公知である(Science Vol.261,895-89
7,1993)。このような微細な空間内部で電気泳動を行え
ば、電気浸透流による物質の展開が期待できる。すなわ
ち、キャピラリー電気泳動と同様の原理に基づく分離が
可能となるのである。微細なガラス壁で構成された空間
内部に通電することにより、ガラス表面の水和した陽イ
オンが陰極方向へ移動し、巨視的に見ると溶媒が陰極に
移動する現象が観察される。この現象が電気浸透(elect
roosmosis)と呼ばれ、キャピラリー電気泳動における物
質の展開のための駆動力として重要な意味を持っている
(日本生化学会編・新生化学実験講座「タンパク質I・
分離・精製・性質」P340,1990)。
【0018】支持体に設けた微細な溝で本発明による分
離方法を実施するとき、一次元目の分離媒体を二次元目
の分離媒体と同じ支持体上に設けることができる。たと
えば、支持体の1辺に一次元分離用の分離媒体を充填す
るための溝を設ける。更に、この一次元用の溝から分岐
する複数の溝を設けて二次元用の分離媒体とする。支持
体全体の形状としては任意の形態を取りうるが、泳動像
を機械的にスキャンニングするには正方形に近い形とす
るのが有利である。したがって二次元目の分離媒体は、
一次元目の分離媒体から直角に近い角度で分岐するよう
に設計するのが望ましい。この態様においては分離媒体
を収容する個々の溝が微細なため、二次元用の分離媒体
としてたとえば幅30μmの溝100本を20μm間隔で
並べて利用するとしても、並列させるために必要な幅は
わずかに5mmである。すなわち、わずか5mm四方の支持
体上で二次元分離が可能となる。つまり、本発明によれ
ば、わずか5mm四方の大きさの二次元分離用チップが実
現する。あるいは、円盤状の支持体の中央部の同心円上
に一次元分離用の媒体を配置し、そこから外周に延びる
二次元分離用の媒体を設けるという構成も可能である。
このような構成からなる二次元分離用チップでは、支持
体全体の光学的なスキャンニングを円盤状支持体を回転
させることによって容易に、しかも高速に実施すること
ができる。また回転機構を利用して二次元目の分離を遠
心分離によって実施することも可能である。正方形であ
れ円形であれ、本発明に基づいて集積性を高めた二次元
分離用チップを利用すれば、泳動距離が短くなるので泳
動時間が短縮され、本発明による再現性の向上も伴っ
て、二次元分離方法のスループットの劇的な向上が期待
できる。
離方法を実施するとき、一次元目の分離媒体を二次元目
の分離媒体と同じ支持体上に設けることができる。たと
えば、支持体の1辺に一次元分離用の分離媒体を充填す
るための溝を設ける。更に、この一次元用の溝から分岐
する複数の溝を設けて二次元用の分離媒体とする。支持
体全体の形状としては任意の形態を取りうるが、泳動像
を機械的にスキャンニングするには正方形に近い形とす
るのが有利である。したがって二次元目の分離媒体は、
一次元目の分離媒体から直角に近い角度で分岐するよう
に設計するのが望ましい。この態様においては分離媒体
を収容する個々の溝が微細なため、二次元用の分離媒体
としてたとえば幅30μmの溝100本を20μm間隔で
並べて利用するとしても、並列させるために必要な幅は
わずかに5mmである。すなわち、わずか5mm四方の支持
体上で二次元分離が可能となる。つまり、本発明によれ
ば、わずか5mm四方の大きさの二次元分離用チップが実
現する。あるいは、円盤状の支持体の中央部の同心円上
に一次元分離用の媒体を配置し、そこから外周に延びる
二次元分離用の媒体を設けるという構成も可能である。
このような構成からなる二次元分離用チップでは、支持
体全体の光学的なスキャンニングを円盤状支持体を回転
させることによって容易に、しかも高速に実施すること
ができる。また回転機構を利用して二次元目の分離を遠
心分離によって実施することも可能である。正方形であ
れ円形であれ、本発明に基づいて集積性を高めた二次元
分離用チップを利用すれば、泳動距離が短くなるので泳
動時間が短縮され、本発明による再現性の向上も伴っ
て、二次元分離方法のスループットの劇的な向上が期待
できる。
【0019】なお一次元目と二次元目とでは分離媒体の
種類が異なることから、まず全体に二次元用の分離媒体
を充填した後に、一次元目用の溝の分離媒体を一次元目
用のものに置換すればよい。キャピラリー電気泳動は分
離媒体として必ずしもゲルを要求せず、液体を分離媒体
とすることも可能である。分離媒体が液体の場合には、
このようなキャピラリー内部の分離媒体置換操作をマイ
クロポンプや電気浸透流によって簡単に行うことができ
る。あるいは一次元目と二次元目とで駆動原理が異なっ
ておれば、全体を同じ媒体としたままでも二次元の分離
が可能な場合もある。たとえば一次元目に遠心分離を利
用し、二次元目を電気泳動とするような場合には、同一
の分離媒体のまま分離を実施できる可能性がある。一次
元目の分離を遠心分離に基づいて行う場合、同心円上に
複数の本発明による二次元分離用チップをセットして同
時に分離を実施することができる。
種類が異なることから、まず全体に二次元用の分離媒体
を充填した後に、一次元目用の溝の分離媒体を一次元目
用のものに置換すればよい。キャピラリー電気泳動は分
離媒体として必ずしもゲルを要求せず、液体を分離媒体
とすることも可能である。分離媒体が液体の場合には、
このようなキャピラリー内部の分離媒体置換操作をマイ
クロポンプや電気浸透流によって簡単に行うことができ
る。あるいは一次元目と二次元目とで駆動原理が異なっ
ておれば、全体を同じ媒体としたままでも二次元の分離
が可能な場合もある。たとえば一次元目に遠心分離を利
用し、二次元目を電気泳動とするような場合には、同一
の分離媒体のまま分離を実施できる可能性がある。一次
元目の分離を遠心分離に基づいて行う場合、同心円上に
複数の本発明による二次元分離用チップをセットして同
時に分離を実施することができる。
【0020】また、複数のキャピラリーをスタックして
利用することもできる。複数のキャピラリーを束ねるこ
とによって放熱の障害が予想される場合には、隣接する
キャピラリーが密着しないように交互に角度をつけて固
定するとよい。本発明における二次元用の分離媒体とし
てキャピラリーを利用した場合には、物質の分離が容易
という特徴を生かすことができる。より具体的には、各
キャピラリーに物質の採取手段を設け、分離されてくる
物質を必要に応じて採取することが可能である。あるい
は、目的とする物質の泳動状態をモニターしながら、そ
れが二次元目の分離媒体の末端に達した時点で分離を停
止し、目的物質を得ることもできる。この方法によれ
ば、キャピラリーに限らずゲル媒体を利用した場合にも
物質の採取を容易に行うことができる。物質の採取を容
易に行うことが可能なのは、本発明の大きな特徴であ
る。
利用することもできる。複数のキャピラリーを束ねるこ
とによって放熱の障害が予想される場合には、隣接する
キャピラリーが密着しないように交互に角度をつけて固
定するとよい。本発明における二次元用の分離媒体とし
てキャピラリーを利用した場合には、物質の分離が容易
という特徴を生かすことができる。より具体的には、各
キャピラリーに物質の採取手段を設け、分離されてくる
物質を必要に応じて採取することが可能である。あるい
は、目的とする物質の泳動状態をモニターしながら、そ
れが二次元目の分離媒体の末端に達した時点で分離を停
止し、目的物質を得ることもできる。この方法によれ
ば、キャピラリーに限らずゲル媒体を利用した場合にも
物質の採取を容易に行うことができる。物質の採取を容
易に行うことが可能なのは、本発明の大きな特徴であ
る。
【0021】本発明の望ましい態様においては、二次元
目の分離媒体が単一のスラブゲルではなく独立した複数
のゲルで構成される。この特徴を利用して、三次元目の
分離が可能である。つまり独立したそれぞれのゲルは、
一次元目の分離を行った分離媒体と同様の構造を持って
いることから、更に別の分離操作の材料とすることがで
きるのである。したがって、たとえば一次元:等電点電
気泳動、二次元:免疫電気泳動に続き、更に三次元:SD
S-PAGEといったような特殊な分離手法を可能とする。こ
のような応用は、二次元目の分離を平面で行わざるを得
ない公知の方法では事実上は不可能である。
目の分離媒体が単一のスラブゲルではなく独立した複数
のゲルで構成される。この特徴を利用して、三次元目の
分離が可能である。つまり独立したそれぞれのゲルは、
一次元目の分離を行った分離媒体と同様の構造を持って
いることから、更に別の分離操作の材料とすることがで
きるのである。したがって、たとえば一次元:等電点電
気泳動、二次元:免疫電気泳動に続き、更に三次元:SD
S-PAGEといったような特殊な分離手法を可能とする。こ
のような応用は、二次元目の分離を平面で行わざるを得
ない公知の方法では事実上は不可能である。
【0022】駆動力に毛管現象を利用する場合には、ろ
紙、ニトロセルロース、あるいは酢酸セルロース等の媒
体が用いられる。これらの媒体を相互に独立した状態と
するには、ポリエチレンなどの支持体に固定された媒体
を切断したストリップとし、このストリップを間隔をあ
けて並列させる。ストリップを並列させるときに、支持
体どうしを貼り合わせるようにすれば、平面的には隙間
なく、かつ相互に独立した状態で複数のストリップを並
べることができる。
紙、ニトロセルロース、あるいは酢酸セルロース等の媒
体が用いられる。これらの媒体を相互に独立した状態と
するには、ポリエチレンなどの支持体に固定された媒体
を切断したストリップとし、このストリップを間隔をあ
けて並列させる。ストリップを並列させるときに、支持
体どうしを貼り合わせるようにすれば、平面的には隙間
なく、かつ相互に独立した状態で複数のストリップを並
べることができる。
【0023】ここまでは二次元目の分離媒体を相互に独
立した複数の分離媒体とする場合のバリエーションにつ
いて述べた。本発明においては、更に一次元目の分離媒
体をも相互に独立した複数の分離媒体とすることもでき
る。なおこの態様における一次元目の分離媒体が相互に
独立した状態とは、一次元目の媒体のための駆動力によ
っては、隣接する分離媒体への分析対象物質の展開が起
きない状態と定義することができる。たとえば、疎水性
基を内壁に固定した溝を一次元用の分離媒体とし、二次
元目の分離用媒体としてはアミノ基を固定した溝を利用
する。両者を網の目状に交差させてマトリクスを構成す
る。このとき交差した部分では物質の物理的な移動を許
す構造となるようにしておく。ここで一次元方向の溝の
一つに着目すると、隣接する溝とは二次元用の分離媒体
によって連絡してはいる。しかし二次元目の分離媒体に
おいては、一次元目の分離媒体のための駆動力による物
質の移動は生じないと見なせるので、隣接する一次元分
離用媒体への物質の移動は起きない状態と言うことがで
きる。この例では、ある一点に試料を供給して毛管現象
によって展開すれば、二次元分離を行うことができる。
具体的には、一次元方向へは疎水性分子の相互作用によ
る親和性が駆動力となり、一方二次元方向へは逆に親水
性分子の相互作用による親和力が駆動力となる。試料を
構成する液体(溶媒)そのものは毛管現象によって一次
元方向と二次元方向のいずれの方向へも均等に拡散する
が、溶質に対しては前記のような駆動力が作用するので
二次元分離が成立する。常に一定量の試料を用いるよう
にしておけば、最終的に毛管現象による拡散が停止した
ときに、どの座標に物質が展開されているのかを観察す
ることにより物質の分離や同定を行うことができる。
立した複数の分離媒体とする場合のバリエーションにつ
いて述べた。本発明においては、更に一次元目の分離媒
体をも相互に独立した複数の分離媒体とすることもでき
る。なおこの態様における一次元目の分離媒体が相互に
独立した状態とは、一次元目の媒体のための駆動力によ
っては、隣接する分離媒体への分析対象物質の展開が起
きない状態と定義することができる。たとえば、疎水性
基を内壁に固定した溝を一次元用の分離媒体とし、二次
元目の分離用媒体としてはアミノ基を固定した溝を利用
する。両者を網の目状に交差させてマトリクスを構成す
る。このとき交差した部分では物質の物理的な移動を許
す構造となるようにしておく。ここで一次元方向の溝の
一つに着目すると、隣接する溝とは二次元用の分離媒体
によって連絡してはいる。しかし二次元目の分離媒体に
おいては、一次元目の分離媒体のための駆動力による物
質の移動は生じないと見なせるので、隣接する一次元分
離用媒体への物質の移動は起きない状態と言うことがで
きる。この例では、ある一点に試料を供給して毛管現象
によって展開すれば、二次元分離を行うことができる。
具体的には、一次元方向へは疎水性分子の相互作用によ
る親和性が駆動力となり、一方二次元方向へは逆に親水
性分子の相互作用による親和力が駆動力となる。試料を
構成する液体(溶媒)そのものは毛管現象によって一次
元方向と二次元方向のいずれの方向へも均等に拡散する
が、溶質に対しては前記のような駆動力が作用するので
二次元分離が成立する。常に一定量の試料を用いるよう
にしておけば、最終的に毛管現象による拡散が停止した
ときに、どの座標に物質が展開されているのかを観察す
ることにより物質の分離や同定を行うことができる。
【0024】本発明では、タンパク質のほかに、核酸等
の有機物、細菌やウイルスのような微生物、動植物細
胞、あるいは無機イオンなど、各種の分離によって分析
することが知られている多くの物質を分析対象とするこ
とができる。これらの分析対象物質の中で、特に二次元
電気泳動による解析の意義が大きな物質はタンパク質で
ある。タンパク質の二次元電気泳動は、先に述べたプロ
テオームの解析において、現在重要な分析手法となって
いる。本発明をプロテオームの解析に応用するには、以
下のような操作を行う。
の有機物、細菌やウイルスのような微生物、動植物細
胞、あるいは無機イオンなど、各種の分離によって分析
することが知られている多くの物質を分析対象とするこ
とができる。これらの分析対象物質の中で、特に二次元
電気泳動による解析の意義が大きな物質はタンパク質で
ある。タンパク質の二次元電気泳動は、先に述べたプロ
テオームの解析において、現在重要な分析手法となって
いる。本発明をプロテオームの解析に応用するには、以
下のような操作を行う。
【0025】まず、公知の方法によって調製したプロテ
オームの試料について一次元目の泳動を行う。タンパク
質の二次元泳動分析は、一次元目を等電点電気泳動、二
次元目をSDS-PAGEで行うのが一般的である。したがっ
て、ストリップゲルやキャピラリーゲルを媒体として等
電点電気泳動する。具体的には、pH勾配を持つ媒体の
中心にプロテオーム試料をアプライし、両端を陽極用バ
ッファーと陰極用バッファーとに浸し適当な時間通電し
て電気泳動する。電気泳動に先立って、プロテオーム試
料は蛍光標識しておくことができる。またこのとき、同
じ条件で等電点マーカーも泳動しておく。
オームの試料について一次元目の泳動を行う。タンパク
質の二次元泳動分析は、一次元目を等電点電気泳動、二
次元目をSDS-PAGEで行うのが一般的である。したがっ
て、ストリップゲルやキャピラリーゲルを媒体として等
電点電気泳動する。具体的には、pH勾配を持つ媒体の
中心にプロテオーム試料をアプライし、両端を陽極用バ
ッファーと陰極用バッファーとに浸し適当な時間通電し
て電気泳動する。電気泳動に先立って、プロテオーム試
料は蛍光標識しておくことができる。またこのとき、同
じ条件で等電点マーカーも泳動しておく。
【0026】一次元目の泳動の結果得られた泳動媒体
を、二次元目のSDS-PAGEのための媒体に接触させる。二
次元目用のポリアクリルアミドゲルは、たとえば板状の
支持体に溝を設け、これに他の板を接着して構成した空
間内でアクリルアミドを重合させることによって相互に
独立した状態とすることができる。相互に独立したゲル
媒体の一方の開口部に一次元目の泳動媒体を密着させ、
その状態でSDS-PAGEを行う。一次元目のゲルに展開され
たプロテオームを構成する個々のタンパク質は、相互に
独立したゲルのうちそれぞれ最も近い二次元目用のゲル
に移動し、分子量にしたがって展開される。分子量マー
カーを同じ条件で電気泳動しておく。
を、二次元目のSDS-PAGEのための媒体に接触させる。二
次元目用のポリアクリルアミドゲルは、たとえば板状の
支持体に溝を設け、これに他の板を接着して構成した空
間内でアクリルアミドを重合させることによって相互に
独立した状態とすることができる。相互に独立したゲル
媒体の一方の開口部に一次元目の泳動媒体を密着させ、
その状態でSDS-PAGEを行う。一次元目のゲルに展開され
たプロテオームを構成する個々のタンパク質は、相互に
独立したゲルのうちそれぞれ最も近い二次元目用のゲル
に移動し、分子量にしたがって展開される。分子量マー
カーを同じ条件で電気泳動しておく。
【0027】二次元目の泳動を終えたゲル上で、タンパ
ク質のスポットを確認する。このとき、タンパク質が蛍
光標識されていれば、その蛍光を追跡することでここの
スポットを確認することができる。この他、CBB染色や
銀染色によってタンパク質のスポットを確認することも
できる。こうして分離されたタンパク質は、同じ条件で
行った二次元電気泳動の結果と比較照合することによっ
て、座標情報に基づいて同定することができる。あるい
は未知のプロテオームの解析を進めるには、更に各スポ
ットのタンパク質の同定を進める。
ク質のスポットを確認する。このとき、タンパク質が蛍
光標識されていれば、その蛍光を追跡することでここの
スポットを確認することができる。この他、CBB染色や
銀染色によってタンパク質のスポットを確認することも
できる。こうして分離されたタンパク質は、同じ条件で
行った二次元電気泳動の結果と比較照合することによっ
て、座標情報に基づいて同定することができる。あるい
は未知のプロテオームの解析を進めるには、更に各スポ
ットのタンパク質の同定を進める。
【0028】タンパク質の同定は、アミノ酸配列解析や
ペプチドマス・フィンガープリント法に基づいて行われ
る。アミノ酸配列は、エドマン分解法等の手法によって
末端から決定することができる。タンパク質のアミノ酸
配列は、この段階で必ずしも全配列を決定する必要はな
い。部分配列を得るだけでも、タンパク質の同定を可能
とする重要な情報となる。ところでタンパク質にはその
N末端をブロックされているものも多く、配列決定には
不都合な状態にある。この種のタンパク質のアミノ酸配
列を確実に決定するための手法のひとつに、プロテアー
ゼによる消化断片を配列決定する方法がある。プロテア
ーゼによる消化はタンパク質によってまちまちの場所で
起きるが、配列決定によってもたらされる部分アミノ酸
配列を公知のアミノ酸配列データベースと照合すれば、
タンパク質の同定を進めることが可能である。
ペプチドマス・フィンガープリント法に基づいて行われ
る。アミノ酸配列は、エドマン分解法等の手法によって
末端から決定することができる。タンパク質のアミノ酸
配列は、この段階で必ずしも全配列を決定する必要はな
い。部分配列を得るだけでも、タンパク質の同定を可能
とする重要な情報となる。ところでタンパク質にはその
N末端をブロックされているものも多く、配列決定には
不都合な状態にある。この種のタンパク質のアミノ酸配
列を確実に決定するための手法のひとつに、プロテアー
ゼによる消化断片を配列決定する方法がある。プロテア
ーゼによる消化はタンパク質によってまちまちの場所で
起きるが、配列決定によってもたらされる部分アミノ酸
配列を公知のアミノ酸配列データベースと照合すれば、
タンパク質の同定を進めることが可能である。
【0029】一方、ペプチドマス・フィンガープリント
法は、労働集約的な作業が求められるアミノ酸配列決定
に比較して、より迅速にタンパク質同定のための多くの
情報を得ることができる。二次元電気泳動の結果として
分離されたスポットに含まれるタンパク質を一定のプロ
テアーゼで消化し、その断片を質量分析装置によって解
析することによってプロテアーゼ消化断片の質量のパタ
ーン(すなわちフィンガー・プリント)を得る。ペプチ
ドマス・フィンガー・プリントは個々のタンパク質につ
いて高度にユニークな情報であり、インターネット上で
はそのデータを集積したデータベースProteinProspecto
r(http://prospector.ucsf.edu/)等も利用できることか
ら、ペプチドマス・フィンガー・プリントに基づいてタ
ンパク質の同定を行うことができる。
法は、労働集約的な作業が求められるアミノ酸配列決定
に比較して、より迅速にタンパク質同定のための多くの
情報を得ることができる。二次元電気泳動の結果として
分離されたスポットに含まれるタンパク質を一定のプロ
テアーゼで消化し、その断片を質量分析装置によって解
析することによってプロテアーゼ消化断片の質量のパタ
ーン(すなわちフィンガー・プリント)を得る。ペプチ
ドマス・フィンガー・プリントは個々のタンパク質につ
いて高度にユニークな情報であり、インターネット上で
はそのデータを集積したデータベースProteinProspecto
r(http://prospector.ucsf.edu/)等も利用できることか
ら、ペプチドマス・フィンガー・プリントに基づいてタ
ンパク質の同定を行うことができる。
【0030】プロテオーム解析においては、さまざまな
状態にあるプロテオームの二次元電気泳動パターンを比
較し、特定の機能に関連するスポットの消長を観察す
る。特定の状態にある細胞のプロテオームで消失してい
たり、あるいは逆に特異的に出現するスポットを構成す
るタンパク質は、着目している機能に関連している可能
性が高いと考えられる。そのタンパク質の部分アミノ酸
配列やペプチドマス・フィンガー・プリントに基づいて
同定が可能であれば、着目している機能との関連性を推
測することができる。あるいは、もしも未知のタンパク
質であれば、タンパク質の単離やそのタンパク質をコー
ドする遺伝子、更には発現を制御している因子のクロー
ニングを進めることによって、着目している機能を支え
る遺伝子やタンパク質の働きを解明することができる。
状態にあるプロテオームの二次元電気泳動パターンを比
較し、特定の機能に関連するスポットの消長を観察す
る。特定の状態にある細胞のプロテオームで消失してい
たり、あるいは逆に特異的に出現するスポットを構成す
るタンパク質は、着目している機能に関連している可能
性が高いと考えられる。そのタンパク質の部分アミノ酸
配列やペプチドマス・フィンガー・プリントに基づいて
同定が可能であれば、着目している機能との関連性を推
測することができる。あるいは、もしも未知のタンパク
質であれば、タンパク質の単離やそのタンパク質をコー
ドする遺伝子、更には発現を制御している因子のクロー
ニングを進めることによって、着目している機能を支え
る遺伝子やタンパク質の働きを解明することができる。
【0031】本発明は、本発明による二次元分離のため
の装置をも提供する。本発明の二次元分離装置は、上記
要素a)−c)によって構成される。要素a)一次元目
の分離媒体を二次元目の分離媒体と接触した状態に保持
する手段とは、一次元目の分離の結果得ることができる
物質が一次元方向に展開された媒体を、一次元方向とは
異なる方向にそのまま二次元分離することができるよう
に保持するための手段を意味する。二次元目の分離方向
は、通常は一次元方向に対して垂直である。ただし分離
方向は結果に影響を与える本質的な要因ではないので、
二次元目の分離媒体と一次元目の分離媒体との接触角度
は限定されない。二次元目の分離を電気泳動によって行
う場合には、一次元目の媒体と二次元目の媒体とが隙間
なく接触し、かつ少なくとも一次元目の媒体から二次元
目の媒体に分析対象物質のすべてが移動するまでの間、
両者の接触を維持することができるものでなければなら
ない。
の装置をも提供する。本発明の二次元分離装置は、上記
要素a)−c)によって構成される。要素a)一次元目
の分離媒体を二次元目の分離媒体と接触した状態に保持
する手段とは、一次元目の分離の結果得ることができる
物質が一次元方向に展開された媒体を、一次元方向とは
異なる方向にそのまま二次元分離することができるよう
に保持するための手段を意味する。二次元目の分離方向
は、通常は一次元方向に対して垂直である。ただし分離
方向は結果に影響を与える本質的な要因ではないので、
二次元目の分離媒体と一次元目の分離媒体との接触角度
は限定されない。二次元目の分離を電気泳動によって行
う場合には、一次元目の媒体と二次元目の媒体とが隙間
なく接触し、かつ少なくとも一次元目の媒体から二次元
目の媒体に分析対象物質のすべてが移動するまでの間、
両者の接触を維持することができるものでなければなら
ない。
【0032】続いて要素b)は、先に述べたような相互
に独立した二次元目の分離のための媒体からなる。更に
要素c)は二次元目の分離のための駆動力を供給するた
めの手段である。すなわち、電気泳動であれば電圧を供
給する電源と、泳動媒体を接続するための通電手段、お
よび電極で構成される。遠心力を駆動力とする場合に
は、必要なgを与える回転装置が要素c)を構成する。
に独立した二次元目の分離のための媒体からなる。更に
要素c)は二次元目の分離のための駆動力を供給するた
めの手段である。すなわち、電気泳動であれば電圧を供
給する電源と、泳動媒体を接続するための通電手段、お
よび電極で構成される。遠心力を駆動力とする場合に
は、必要なgを与える回転装置が要素c)を構成する。
【0033】本発明の二次元分離のための装置には、特
に二次元目の分離媒体を均一な温度条件に維持すること
ができる温度コントローラーを装備するのが望ましい。
本発明では複数の泳動媒体を組み合わせることから、分
離媒体間の条件を均一に維持することは高い再現性を達
成するためには必要な条件である。特に二次元目の分離
を電気泳動によって行う場合には、通電による発熱(ジ
ュール熱)が生じることから、分離媒体の温度制御は重
要な意味を持つ。温度コントローラーは、分離媒体をサ
ーモスタットを備えたウオーターバスや、あるいは温度
制御の可能な閉鎖空間内に分離媒体を置くことによって
構成することができる。もっとも、駆動力として、ある
いは分離条件において温度が結果を大きく左右しない場
合には、温度コントローラーの重要性は小さくなる。
に二次元目の分離媒体を均一な温度条件に維持すること
ができる温度コントローラーを装備するのが望ましい。
本発明では複数の泳動媒体を組み合わせることから、分
離媒体間の条件を均一に維持することは高い再現性を達
成するためには必要な条件である。特に二次元目の分離
を電気泳動によって行う場合には、通電による発熱(ジ
ュール熱)が生じることから、分離媒体の温度制御は重
要な意味を持つ。温度コントローラーは、分離媒体をサ
ーモスタットを備えたウオーターバスや、あるいは温度
制御の可能な閉鎖空間内に分離媒体を置くことによって
構成することができる。もっとも、駆動力として、ある
いは分離条件において温度が結果を大きく左右しない場
合には、温度コントローラーの重要性は小さくなる。
【0034】本発明による二次元分離のための装置は、
分析対象となる試料や、分子量マーカーのような標準試
料を供給する前処理のための機構を備えることもでき
る。たとえば培養物の中から細胞を分離し、この細胞を
破壊してプロテオームを得るステップを機械的に行うた
めの手段を装備すれば、プロテオームの解析を自動化す
ることができる。たとえば白金電極上に形成したアガロ
ース層を備えるフローセルで血液中から細菌を分離し、
更に菌体を酵素処理してその核酸成分を抽出する技術が
公知である(Heller et.al,Nature Biotechnology 16/6,
p541-6,1998)。このような分離技術は、本発明による二
次元分離装置の前処理手段として利用することができ
る。
分析対象となる試料や、分子量マーカーのような標準試
料を供給する前処理のための機構を備えることもでき
る。たとえば培養物の中から細胞を分離し、この細胞を
破壊してプロテオームを得るステップを機械的に行うた
めの手段を装備すれば、プロテオームの解析を自動化す
ることができる。たとえば白金電極上に形成したアガロ
ース層を備えるフローセルで血液中から細菌を分離し、
更に菌体を酵素処理してその核酸成分を抽出する技術が
公知である(Heller et.al,Nature Biotechnology 16/6,
p541-6,1998)。このような分離技術は、本発明による二
次元分離装置の前処理手段として利用することができ
る。
【0035】加えて本発明による二次元分離のための装
置には、二次元分離の結果を読み取るためのセンサーを
装備することができる。分析すべき対象が蛍光標識され
たタンパク質の場合、蛍光センサーによって二次元分離
媒体をスキャンすることにより、座標情報を機械的に読
み取ることができる。あるいは、二次元目の分離のみな
らず、一次元目の分離を実施し、その分離媒体を二次元
目の分離媒体に自動的に供給する手段を組み合わせるこ
ともできる。このような機構を備えた本発明による二次
元分離装置は、二次元分離に必要なほとんどの工程を自
動化することができ、プロテオームの解析効率を飛躍的
に高めるものである。
置には、二次元分離の結果を読み取るためのセンサーを
装備することができる。分析すべき対象が蛍光標識され
たタンパク質の場合、蛍光センサーによって二次元分離
媒体をスキャンすることにより、座標情報を機械的に読
み取ることができる。あるいは、二次元目の分離のみな
らず、一次元目の分離を実施し、その分離媒体を二次元
目の分離媒体に自動的に供給する手段を組み合わせるこ
ともできる。このような機構を備えた本発明による二次
元分離装置は、二次元分離に必要なほとんどの工程を自
動化することができ、プロテオームの解析効率を飛躍的
に高めるものである。
【0036】
【実施例】[実施例.1]本発明による二次元電気泳動 1.分子量マーカー 試料として市販のタンパク質分子量マーカーを用い、本
発明による二次元泳動分析を実施した。試料としたの
は、Full Range RainbowTM マーカー(分子量マーカ
ー)、およびIEF standards(等電点マーカー)であ
る。各マーカーに含まれるタンパク質の組成を以下に示
す。 Full Range RainbowTM マーカー(アマシャム・ファルマシア製) 分子量(kDa) 着色 250 青 160 赤 107 緑 77 黄 52 紫 35 青 30 橙 25 緑 15 青 10 赤 IEF standards(Bio-Rad製) タンパク質 色 等電点 分子量 フィコシアニン 青 4.45 232,000 (3バンド) 4.65 4.75 βラクトグロブリンB 5.1 18,400 ウシ・カルボン酸 アンヒドラーゼ 6.0 31,000 ヒト・カルボン酸 アンヒドラーゼ 6.5 28,000 ウマ・ミオグロビン 茶 6.8 17,500 (2バンド) 7.0 ヒトヘモグロビンA 赤 7.1 64,500 ヒトヘモグロビンB 赤 7.5 64,500 ヒラマメ・レクチン 7.80 49,000 (3バンド) 8.00 8.20 サイトクロームC 赤 9.6 12,200
発明による二次元泳動分析を実施した。試料としたの
は、Full Range RainbowTM マーカー(分子量マーカ
ー)、およびIEF standards(等電点マーカー)であ
る。各マーカーに含まれるタンパク質の組成を以下に示
す。 Full Range RainbowTM マーカー(アマシャム・ファルマシア製) 分子量(kDa) 着色 250 青 160 赤 107 緑 77 黄 52 紫 35 青 30 橙 25 緑 15 青 10 赤 IEF standards(Bio-Rad製) タンパク質 色 等電点 分子量 フィコシアニン 青 4.45 232,000 (3バンド) 4.65 4.75 βラクトグロブリンB 5.1 18,400 ウシ・カルボン酸 アンヒドラーゼ 6.0 31,000 ヒト・カルボン酸 アンヒドラーゼ 6.5 28,000 ウマ・ミオグロビン 茶 6.8 17,500 (2バンド) 7.0 ヒトヘモグロビンA 赤 7.1 64,500 ヒトヘモグロビンB 赤 7.5 64,500 ヒラマメ・レクチン 7.80 49,000 (3バンド) 8.00 8.20 サイトクロームC 赤 9.6 12,200
【0037】2.二次元泳動用のゲル 本発明に基づいて二次元電気泳動を行うために、相互に
独立した複数のポリアクリルアミドゲルで構成される二
次元泳動用のゲルを調製した。溝を切ったガラス板に他
のガラス板を接着することによって相互に独立した複数
の空間を並列して作成し、その中でアクリルアミドを重
合化させることで二次元目の泳動用媒体とした。まず、
気泡の無い10cm×10cm×厚さ3mmのガラス板(パイレッ
クスコーニング7740、表面の平坦度は±30μm)に、
厚さ300μmのブレード(disco製;DQAQφ634)を付け
たダイシングソーで溝(深さ1mm×幅1.5mm)を1.
2mm間隔で23本切った。溝を切ったガラス板に感光接
着剤Benefixを塗布し、ガラス板(上部に幅8cm×高さ1.
5cmの切り欠きがあり、この部分が一次元泳動ゲルを貼
り付けるウエルとなる)を重ねて1分間紫外線照射し接
着した。
独立した複数のポリアクリルアミドゲルで構成される二
次元泳動用のゲルを調製した。溝を切ったガラス板に他
のガラス板を接着することによって相互に独立した複数
の空間を並列して作成し、その中でアクリルアミドを重
合化させることで二次元目の泳動用媒体とした。まず、
気泡の無い10cm×10cm×厚さ3mmのガラス板(パイレッ
クスコーニング7740、表面の平坦度は±30μm)に、
厚さ300μmのブレード(disco製;DQAQφ634)を付け
たダイシングソーで溝(深さ1mm×幅1.5mm)を1.
2mm間隔で23本切った。溝を切ったガラス板に感光接
着剤Benefixを塗布し、ガラス板(上部に幅8cm×高さ1.
5cmの切り欠きがあり、この部分が一次元泳動ゲルを貼
り付けるウエルとなる)を重ねて1分間紫外線照射し接
着した。
【0038】以下の組成からなる溶液を調製し、0.2μm
のフィルターで脱気後、100μLのN,N,N',N'-テトラメチ
ルエチレンジアミン(TEMED)を混合して速やかにガラス
板内の空間に充填し重合化させた。()内には最終濃度
を示した。 30% アクリルアミドストック溶液 15.8mL(4.75%) 0.75M トリス−塩酸緩衝液(pH8.8) 50mL(0.125M) 10% SDS 1mL(0.1%) 10% 過硫酸アンモニウム(APS) 335μL(0.0335%) total 100mL 30%アクリルアミドストック溶液:58gのアクリルアミ
ドモノマー、2gのN,N'-メチレンビスアクリルアミドを
蒸留水で200mLとしたもの
のフィルターで脱気後、100μLのN,N,N',N'-テトラメチ
ルエチレンジアミン(TEMED)を混合して速やかにガラス
板内の空間に充填し重合化させた。()内には最終濃度
を示した。 30% アクリルアミドストック溶液 15.8mL(4.75%) 0.75M トリス−塩酸緩衝液(pH8.8) 50mL(0.125M) 10% SDS 1mL(0.1%) 10% 過硫酸アンモニウム(APS) 335μL(0.0335%) total 100mL 30%アクリルアミドストック溶液:58gのアクリルアミ
ドモノマー、2gのN,N'-メチレンビスアクリルアミドを
蒸留水で200mLとしたもの
【0039】3.二次元電気泳動 前記分子量マーカーを混合して、市販のプレキャストゲ
ルMultiphor Immobiline DryStrip pH3-10L 70×3×0.5
mm(アマシャム・ファルマシア製)を使い等電点電気泳
動を行った。一次元目の泳動を行ったゲルを、2で調製
したポリアクリルアミドを充填したガラス板のウエル内
に貼り付け、上下方向にSDS-PAGEを行った。泳動条件
は、500V(24mA)で15分とした。本発明の二次元電気泳動
によって、理論値どおりの場所に各タンパク質のスポッ
トを明瞭に分離しうることが確認された。
ルMultiphor Immobiline DryStrip pH3-10L 70×3×0.5
mm(アマシャム・ファルマシア製)を使い等電点電気泳
動を行った。一次元目の泳動を行ったゲルを、2で調製
したポリアクリルアミドを充填したガラス板のウエル内
に貼り付け、上下方向にSDS-PAGEを行った。泳動条件
は、500V(24mA)で15分とした。本発明の二次元電気泳動
によって、理論値どおりの場所に各タンパク質のスポッ
トを明瞭に分離しうることが確認された。
【0040】[実施例.2]プロテオーム解析 本発明による二次元電気泳動分析がプロテオームの解析
にも利用できることを明らかにするために、モデルとし
て大腸菌のタンパク粗精製物を試料に用い二次元電気泳
動を試みた。LB培地で一晩培養した大腸菌を遠心分離に
よって回収し、菌体を超音波で破砕した。更に遠心分離
を行って上清を回収し、大腸菌のタンパク粗精製物とし
た。この粗精製物(タンパク質濃度約20μg/mL)を、
市販の蛍光標識試薬FluoroLink Reactive Dye(アマシ
ャム・ファルマシア製)によって蛍光標識した。標識操
作は、商品の指示書に従った。蛍光標識した大腸菌のタ
ンパク粗精製物を試料とし、実施例.1と同じ操作にし
たがって二次元電気泳動を行った。二次元泳動後のガラ
ス板を、蛍光画像解析装置FluoroImager595(Moleculor
Dynamics社製)で観察した。励起波長は488nmに固定
し、蛍光波長530nmで観察した。得られた泳動像を図1
〜図3に示す。
にも利用できることを明らかにするために、モデルとし
て大腸菌のタンパク粗精製物を試料に用い二次元電気泳
動を試みた。LB培地で一晩培養した大腸菌を遠心分離に
よって回収し、菌体を超音波で破砕した。更に遠心分離
を行って上清を回収し、大腸菌のタンパク粗精製物とし
た。この粗精製物(タンパク質濃度約20μg/mL)を、
市販の蛍光標識試薬FluoroLink Reactive Dye(アマシ
ャム・ファルマシア製)によって蛍光標識した。標識操
作は、商品の指示書に従った。蛍光標識した大腸菌のタ
ンパク粗精製物を試料とし、実施例.1と同じ操作にし
たがって二次元電気泳動を行った。二次元泳動後のガラ
ス板を、蛍光画像解析装置FluoroImager595(Moleculor
Dynamics社製)で観察した。励起波長は488nmに固定
し、蛍光波長530nmで観察した。得られた泳動像を図1
〜図3に示す。
【0041】図1、あるいは、図1の一部を拡大した図
2から明らかなように、二次元泳動用のゲルが相互に独
立しているので、当然のことながらX軸方向(等電点電
気泳動の泳動方向)については、スポットは完全に分離
する。また独立した二次元泳動ゲル一つ分を拡大した図
3から明らかなように、Y軸方向(SDS-PAGEの泳動方
向)については、限られたゲルの幅の中で電気泳動した
ために、各スポットを明瞭に識別することができる。同
様の試料を従来の二次元ゲルで泳動した場合には、各ス
ポットの縁が泳動像の歪みのために識別しにくくなる状
態(smiling)が多く観察される。
2から明らかなように、二次元泳動用のゲルが相互に独
立しているので、当然のことながらX軸方向(等電点電
気泳動の泳動方向)については、スポットは完全に分離
する。また独立した二次元泳動ゲル一つ分を拡大した図
3から明らかなように、Y軸方向(SDS-PAGEの泳動方
向)については、限られたゲルの幅の中で電気泳動した
ために、各スポットを明瞭に識別することができる。同
様の試料を従来の二次元ゲルで泳動した場合には、各ス
ポットの縁が泳動像の歪みのために識別しにくくなる状
態(smiling)が多く観察される。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、二次元目の分離のため
の分離媒体を相互に独立した複数の分離媒体で構成する
という簡単な構成によって、きわめて明瞭なスポットを
得ることができる。本発明をタンパク質の二次元電気泳
動に応用すれば、歪みの無いスポットとしてタンパク質
を分離することができる。明瞭なスポットは、タンパク
質の泳動結果を座標情報として解析する場合であって
も、あるいはスポットから同定用試料としてのタンパク
質の分離にあたっても、たいへん有利である。従来の二
次元電気泳動では、高度に管理された分析条件下であっ
ても、ゲルの不均質性に起因するある程度のスポットの
歪みは避け難い。それに対して、本発明では、特別な注
意を払うことなく、再現性に優れる分析結果を達成する
ことができる。この特徴は、膨大な量のタンパク質の解
析が必要なプロテオームの解析においてはたいへん重要
なことである。複数の研究者、あるいは研究施設間での
二次元電気泳動解析結果の共有を効率的に行うには、分
析の再現性がたいへん重要な要素となるためである。し
たがって、本発明によって提供される二次元電気泳動
は、プロテオーム解析の有用なツールとして期待でき
る。更に、本発明によって二次元目の泳動においてもキ
ャピラリー電気泳動(CE)を利用することが可能となる。
CEはマイクロチップ化が容易なため、本発明によって二
次元電気泳動をマイクロチップの上で実施することが可
能となる。その結果、二次元電気泳動の処理能力を大幅
に向上させるものと考えられる。加えて、CEは物質の採
取を行いやすいという特徴を持っており、二次元電気泳
動における物質の採取工程の効率化に貢献する。
の分離媒体を相互に独立した複数の分離媒体で構成する
という簡単な構成によって、きわめて明瞭なスポットを
得ることができる。本発明をタンパク質の二次元電気泳
動に応用すれば、歪みの無いスポットとしてタンパク質
を分離することができる。明瞭なスポットは、タンパク
質の泳動結果を座標情報として解析する場合であって
も、あるいはスポットから同定用試料としてのタンパク
質の分離にあたっても、たいへん有利である。従来の二
次元電気泳動では、高度に管理された分析条件下であっ
ても、ゲルの不均質性に起因するある程度のスポットの
歪みは避け難い。それに対して、本発明では、特別な注
意を払うことなく、再現性に優れる分析結果を達成する
ことができる。この特徴は、膨大な量のタンパク質の解
析が必要なプロテオームの解析においてはたいへん重要
なことである。複数の研究者、あるいは研究施設間での
二次元電気泳動解析結果の共有を効率的に行うには、分
析の再現性がたいへん重要な要素となるためである。し
たがって、本発明によって提供される二次元電気泳動
は、プロテオーム解析の有用なツールとして期待でき
る。更に、本発明によって二次元目の泳動においてもキ
ャピラリー電気泳動(CE)を利用することが可能となる。
CEはマイクロチップ化が容易なため、本発明によって二
次元電気泳動をマイクロチップの上で実施することが可
能となる。その結果、二次元電気泳動の処理能力を大幅
に向上させるものと考えられる。加えて、CEは物質の採
取を行いやすいという特徴を持っており、二次元電気泳
動における物質の採取工程の効率化に貢献する。
【図1】本発明による二次元電気泳動の泳動像を示す写
真。図のX軸方向が一次元(等電点電気泳動)の泳動方
向、Y軸方向が二次元目(SDS-PAGE)の泳動方向であ
る。
真。図のX軸方向が一次元(等電点電気泳動)の泳動方
向、Y軸方向が二次元目(SDS-PAGE)の泳動方向であ
る。
【図2】図1の一部を拡大した写真。
【図3】図1から、独立した泳動媒体を拡大した写真。
Claims (8)
- 【請求項1】二次元分離による物質の分離方法であっ
て、二次元目の分離のための分離媒体が相互に独立した
複数の分離媒体で構成されていることを特徴とする分離
方法。 - 【請求項2】分離媒体が、平板状の支持体に並んだ物理
的に隔てられた複数の空間に充填されている請求項1の
分離方法。 - 【請求項3】分離すべき物質がタンパク質である、請求
項1の分離方法。 - 【請求項4】分離が電気泳動によって行われる請求項1
の分離方法。 - 【請求項5】以下の要素で構成される二次元分離装置。 a)一次元目の分離媒体を二次元目の分離媒体と接触し
た状態に保持する手段 b)相互に独立した複数の分離媒体で構成される二次元
目の分離媒体、および c)二次元目の分離のための駆動力を供給する手段 - 【請求項6】相互に独立した複数の分離媒体が、平板状
の支持体に並んだ物理的に隔てられた複数の空間に充填
されている請求項5の二次元分離装置。 - 【請求項7】二次元目の分離のための駆動力を供給する
手段が、分離媒体に電圧を印加する電源である請求項5
の二次元分離装置。 - 【請求項8】相互に独立した複数の分離媒体で構成され
る二次元分離用媒体。
Priority Applications (5)
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|---|---|---|---|
| JP11054708A JP2000249684A (ja) | 1999-03-02 | 1999-03-02 | 二次元分離方法 |
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| AU28254/00A AU2825400A (en) | 1999-03-02 | 2000-03-02 | Two-dimensional separating method |
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|---|---|---|---|
| JP11054708A JP2000249684A (ja) | 1999-03-02 | 1999-03-02 | 二次元分離方法 |
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|---|---|
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-
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2000
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