[go: up one dir, main page]

JP2000246311A - 難加工材または鋳造ままの丸鋳片の継目無管製造方法 - Google Patents

難加工材または鋳造ままの丸鋳片の継目無管製造方法

Info

Publication number
JP2000246311A
JP2000246311A JP11055600A JP5560099A JP2000246311A JP 2000246311 A JP2000246311 A JP 2000246311A JP 11055600 A JP11055600 A JP 11055600A JP 5560099 A JP5560099 A JP 5560099A JP 2000246311 A JP2000246311 A JP 2000246311A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cast
difficult
steel
speed
piercing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11055600A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuro Katsumura
龍郎 勝村
Takashi Ariizumi
孝 有泉
Shozo Azuma
祥三 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP11055600A priority Critical patent/JP2000246311A/ja
Publication of JP2000246311A publication Critical patent/JP2000246311A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】難加工材や鋳造ままの素材を、コスト負担増の
デメリットを生じさせることのない極めて合理的な手段
で従来通りの製造を行い、かつ管内面疵を抑制する難加
工材または鋳造ままの丸鋳片の継目無管製造方法を提供
する。 【解決手段】難加工材または鋳造ままの丸鋳片からなる
素材を用いて傾斜穿孔圧延を実施する際、素材搬送装置
により、この素材に背圧を付与しながら素材が安定に噛
込むまで押し込みつつ穿孔を行う工程を備え、該穿孔工
程は、素材搬送装置の移動速度が通常穿孔状態での素材
圧延方向速度以下になるように制御しながら行うことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来熱間加工性が
劣悪で継目無管材として不適当とされてきた難加工材ま
たは鋳造ままであるため素材中心部にザク等が存在する
品質の悪い素材を主にマンネスマン穿孔圧延するに際
し、製管時の疵の発生を抑制できる難加工材または鋳造
ままの丸鋳片の継目無管製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】継目無管は一般に鋳造した鋼片に加工を
加えて、あるいは連続鋳造により作られた丸または角鋼
片状のビレットを用い、マンネスマン穿孔あるいはプレ
ス穿孔、または熱間押出し等により中空素管にされ、そ
の後エロンゲータ、プラグミルまたはマンドレルミル等
の圧延機により延伸され、最終的にサイザーやストレッ
チレデューサにより定径される工程を経て製品となる。
【0003】継目無管の素材には、合金成分の少ない一
般の低炭素鋼のように丸型鋼片への連続鋳造が比較的容
易に行え、素材の熱間加工性が良いものは鋳造まま、鋳
造ままでは鋼片中央部にポロシティや偏析が生じやすい
ステンレス鋼など、熱間加工性の悪いものであれば鋼塊
などに鋳造し、その後大きな加工を加え丸型鋼片とする
ものがある。
【0004】加工性劣化の主とした理由は鋳片の中心部
偏析やポロシティであり、特に大きな影響を与えるポロ
シティの発生機構は一般に、連続鋳造鋳片の最終凝固段
階において空隙が生じ、本来な溶鋼が供給されるべきと
ころが、高合金鋼などの場合ではCr等の含有量が高い
ために溶鋼の粘性が上昇するなどの理由で溶鋼が供給さ
れないことに起因する。例えばCr量では、図6のよう
に、0.5%を超えると溶鋼の粘性が急激に増加し、こ
のため、ポロシティが生じやすくなる。この様に内部に
欠陥を内包する可能性のある素材を鋳造ままで用いた場
合は、製管工程の最初にマンネスマン穿孔という過酷な
加工を受けるため、軸芯部のポロシティや偏析により管
内面疵が発生する。このため、特に難加工性材料等と呼
ばれる、合金成分を多く含有する鋼や加工性を劣化させ
る硫黄Sを比較的多く含有する快削鋼などの炭素鋼はも
とより、炭素量の多い普通鋼種やCrが添加された鋼種
についても内部品質を向上させるための穿孔前圧延が必
要であるといわれていた。
【0005】例えば、高Cr鋼の継目無管素材の製造方
法として、400×520mmの比較的大断面を持つ角
形状のブルームを連続鋳造機等により鋳造し、加熱後、
分塊圧延等を用いて矩形型形状鋼塊から小断面の丸型鋼
塊、すなわち丸ビレットを製造するといった要領であ
る。このような、鋳造材に予加工を加え継目無管素材と
する製造は、鋳造ままで素材となすことのできる鋼種と
比べ、工程の増加、予加工時の加熱などによるコストの
増加につながるため、できる限り予加工を加えずに製管
する手法が求められていた。
【0006】この問題を解決するために、一つは鋳造方
法の改善、また一つは製管方法の改善が多く提案されて
いる。
【0007】鋳造方法の改善については、連続鋳造材を
鋳造中に圧下し、欠陥を機械的に圧着させる方法がスラ
ブなど、矩形断面の鋼片においては良く適用されてい
る。この軽圧下プロセスを丸ビレットに適用した時の大
きな問題は、圧下ロールにより引き起こされる鋳片形状
の悪化と圧下を増加したときに発生する可能性のある凝
固界面の割れである。単純に丸鋳片を一対の平ロールに
より圧下すれば、当然圧下部はつぶれ、断面は扁平化す
る。しかも圧下により、断面内で圧下方向と直交する方
向に引張り応力が発生することで割れが生じやすくな
る。またポロシティの圧着効果を高めるために圧下量を
大きくすれば、形状はさらに真円から遠ざかり、割れの
発生率は高くなり、継目無管製造用の丸ビレットとして
用いるには、ビレットを転がすことによって行う搬送が
出来なくなったり、また穿孔時の噛込みが不安定になる
等の重大な問題が発生し、結局、鋳片の内部品質が不十
分なままで我慢せざるを得ない。この問題を解決するた
め、例えば特開平7−108358号公報(先行技術
1)のように、圧下される部分を予め大きめにしておく
という、楕円モールドによる鋳造法も提案されている。
この方法は軽圧下に対しては有効であるものの、真円モ
ールドに比べ鋳造時の流れが不均一になることに起因す
る湯面変動やパウダーの引き込みにより、新たな欠陥の
原因になることが明らかであり、完全な解決策にはなり
得ない。
【0008】一方、製管プロセスにおいても、穿孔時の
マンネスマン割れに起因する内面疵発生防止技術を検討
した事例は多い。例えば、特開昭55−106611号
公報(以下先行技術2)では内面疵の発生限界のみなら
ず、噛込みや偏肉についても穿孔条件を規定できるとの
提案がなされている。ところが、先行技術2中にも記さ
れているように、内面疵の発生限界は素材の材質、温
度、製法に依存するために、連続鋳造ままの素材や難加
工材と呼ばれるものについてはこの先行技術を適用して
も疵の発生を防止できない。
【0009】また、穿孔ロールの傾斜角を噛込み前から
その直後まで、および尻抜け直前と直後、これらと定常
圧延中との水準を変化させることで内面疵の発生を抑制
するという技術が特許第1811008号公報(以下先
行技術3)にある。この先行技術3は疵抑制という観点
では、理にかなった方法を適用している。すなわち、マ
ンネスマン割れを抑制する手段として、ロール傾斜角の
高い状態で穿孔を継続したい、ところが、その場合には
噛込み不良が生じやすくなるために、噛込み・尻抜け時
のみ傾斜角を小さくするというものである。
【0010】しかしながら、この技術も万能とは言いが
たい。この技術によれば、素材材質が劣悪である場合に
は、かなりの低傾斜角で噛込ませ、その直後に能率を維
持するために高傾斜角にロールを配置せねばならず、か
なりの機械的負荷が発生する。このため故障の危険があ
り、本来の目的である生産能率の向上には必ずしも寄与
できない。しかも、疵そのものは低傾斜角で噛込ませる
間にも生じているから、噛込み時と尻抜け時、すなわち
管の先後端に生ずる疵は抑制できない。然るに生産能率
を維持しつつ、内面品質の良い製品を作る事は困難であ
る。また、大きな機械的負荷に耐えられるように設計す
る必要があるので設備費も高価なものとなる。
【0011】一方、素材の加工性が劣悪である湯合に、
その製造方法を検討した例も多くある。例えば特許第1
828639号公報(以下先行技術4)では、硫黄快削
鋼、鉛快削鋼等の快削鋼製継目無管をマンネスマン製管
法にて製造するにあたり、素材先端外径をロール開度以
下にすべくテーパ加工し、内面疵を抑制する技術が開示
されている。この先行技術4は特開昭56−89307
号公報等の先行技術を引き合いに出し、素材の加工や製
管後の手入れが多くなるために問題であるとしている
が、この先行技術も素材端面にテーパ加工を施すという
点でその枠を超えるものではなく、製造コストを低減で
きる技術ではない。
【0012】また、製造コストを低減するために、なる
べく素材に予加工を加えないようにしながら製管する技
術については、例えば特開平1−228603号公報に
あるように特定の鋼種、ここでは二相ステンレス鋼に対
し連続鋳造された丸ビレットの加工度および加熱温度を
限定するといった先行技術や、特開平6−106209
号公報のような穿孔機およびプラグからなる幾何学的関
係より穿孔圧延方法を開示している先行技術もある。後
者は素材を限定せず、一見かなり有効な提案であるよう
に見える。ところが、素材品質が劣悪である場合には、
鉄と鋼誌 第56年第7号「継目無鋼管の製造技術につ
いて」(以下先行文献)等において記されているよう
に、内面疵を抑制し得るある圧下率が存在し、少なくと
も材質の特性を把握しなくてはならないため、このよう
な提案は全く無力に等しい。なぜならばマンネスマン穿
孔という過酷な加工を受けるが故に、内面疵の発生源と
もなるビレット軸芯部の状態は、素材の鋼種あるいは製
法によって全く異なるからである。
【0013】しかしながら直鋳ままの素材、特にそれが
高合金鋼であるような場合にはビレット内質の劣化が著
しく、先行文献に示されたような圧下率ではとても内面
疵は抑制できないのが現状である。また、その圧下率を
取るべく、穿孔条件を変更しようとしても、今度は素材
が噛込み不良を起こしてしまい、結局、内面疵の抑制を
行えないという問題があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の素材製造・製管工程により内面品質の良い製品を得
るためには、素材に予加工を与える必要があるが、予加
工をするための特別な設備投資が必須となりコストが上
昇するデメリットがある。一方、素材内質の悪い部分を
容認しつつ製管しようとするならば、比較的大がかりな
設備改造等を伴うことや、素材一つ一つに加工をする必
要が生じ、やはりコスト負担は免れ得ずデメリットが発
生する問題点があった。したがって、ほぼ従来通りの工
程を経ながら難加工材、特に鋳造ままの高合金鋼などを
製管後も、管内面疵を残さないようにすることは極めて
困難であった。したがって、可能な限り直鋳ままなどの
予加工を施さない素材を用い、かつ穿孔で内面疵を作ら
ず、それを大きな設備投資なく製造できる「コスト増の
デメリット」を解決する技術が切望されていた。
【0015】本発明の目的は、かかる事情に鑑み、難加
工材や鋳造ままの素材を、コスト負担増のデメリットを
生じさせることのない極めて合理的な手段で従来通りの
製造を行い、かつ管内面疵を抑制する難加工材または鋳
造ままの丸鋳片の継目無管製造方法を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を
達成するために、本発明は以下に示す手段を用いてい
る。
【0017】(1)本発明の製造方法は、難加工材また
は鋳造ままの丸鋳片からなる素材を用いて傾斜穿孔圧延
を実施する際、素材搬送装置により、この素材に背圧を
付与しながら素材が安定に噛込むまで押し込みつつ穿孔
を行う工程を備え、該穿孔工程は、素材搬送装置の移動
速度が通常穿孔状態での素材圧延方向速度以下になるよ
うに制御しながら行うことを特徴とする、難加工材また
は鋳造ままの丸鋳片の継目無管製造方法である。
【0018】(2)本発明の製造方法は、前記素材が、
重量%で、Cr>0.5%を含有する、上記(1)に記
載の難加工材または鋳造ままの丸鋳片の継目無管製造方
法である。
【0019】(3)本発明の製造方法は、前記素材が、
重量%で、Cr>0.5%と、S≧0.0001%とを
含有し、かつ(Cr%+Ni%+Mo%)>1.5%を
満たす、上記(1)に記載の難加工材または鋳造ままの
丸鋳片の継目無管製造方法である。なお、ここで「素材
が安定に噛み込む」とは、穿孔可能な状態の接触面積が
確保できる状態をいう。また、「通常穿孔状態」とは、
穿孔が通常どおり進行する状態をいう。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記の課題を解決
すべく、既存設備を最大限利用することを検討した。そ
の結果、上記課題を達成する本件発明の特徴は、鋳造ま
まの丸鋳片など内質劣化の著しい素材を用いることで素
材コストの抑制を行い、該素材を穿孔するにあたりプラ
グによる抗力のために傾斜穿孔圧延時に素材が安定的に
噛込まない場合、プッシャーなどの素材搬送装置により
素材に背圧を付与しながら押し込みつつマンネスマン穿
孔を行うことで内面疵を防止することを特徴とし、さら
にその素材搬送装置の移動速度を穿孔初期の素材圧延方
向速度に対し制御することを特徴とする継目無管の製造
方法である。以下に本件発明の原理を説明する。
【0021】先に述べた先行文献等の知見を鑑みれば、
加工性の劣悪な素材を疵なく穿孔・製管するには、軽圧
下穿孔が必要である事が示唆されている。これを実現す
るためには、穿孔プラグを素材側へ前進させ、軽圧下状
態を作り出す事が必要になる。このことは、一見矛盾す
るが、傾斜穿孔圧延法を用いながらマンネスマン効果、
すなわち回転鍛造効果をできる限り抑制しつつ穿孔すれ
ば如何なる素材に対しても内面疵を生ずることなく製管
することが可能となることを意味している。そこで、本
発明者らは、鋭意研究を重ね、従来よりもはるかに小さ
い圧下で穿孔を可能にし、内面疵を抑制できる技術を見
出した。それは、従来より穿孔時の素材搬送に用いられ
ていたプッシャーを最大限に利用し、噛込みが不安定ま
たは不良状態を生じた場合にのみ、さらにプッシャーに
よって背圧を付与しロールへ材料を押し込むことで内面
庇を抑制する穿孔法である。
【0022】上記原理を実現するために本発明者らは種
々の知見を実験により得て、従来の機構を何ら変えるこ
となく本件発明の原理を実現できることを見い出した。
すなわち、プッシャーの移動速度を、素材の安定穿孔時
の圧延方向速度に対して予め設定しておくことで、十分
プッシャーによって背圧を付与しロールへ材料を押し込
み、内面疵を抑制できるのである。
【0023】ところで、プッシャーは本来、素材を傾斜
穿孔機まで搬送する目的で設けられており、穿孔ロール
へ素材ビレットを噛込ませると自動的に後退したり、手
動運転時にはオぺレータが手動で後退させている。この
場合の噛込みとは、回転する穿孔ロールと素材ビレット
が接触することにより、自動的に開始されるものであ
り、プッシャーが素材の搬送以外に特に意味を持つもの
ではない。一方、穿孔プラグを素材側へ前進させ素材を
軽圧下にて穿孔する場合には、ロール・素材間の摩擦力
によって駆動されていた素材が穿孔プラグと接触するこ
とにより抗力が発生し、これがロールより素材に与えら
れる駆動力に勝るため噛込み不良となる。噛込み不良の
要因としては、穿孔プラグによる抗力以外にも、ロール
・素材間の摩擦力の不足に起因する素材への駆動力の伝
達不十分も考えられる。
【0024】しかしながら、摩擦力を増加させることで
この問題を解決しようとする試みについては、すでに穿
孔ロール表面にはよく知られているナーリングと呼ばれ
る凹凸あるいはローレットと呼ばれる表面加工痕がある
ため、経時変化によるロール表面の変動を除けば、噛込
みに大きな影響を与えることはできなかった。
【0025】そこで、あらためて穿孔プラグによる抗力
の問題を十分検討したところ、この噛込み不良が生じた
状態と、通常の穿孔状態での違いは、図1に示すよう
に、通常穿孔時の素材変形により得られるロール・素材
間の接触面積が異なることに起因する駆動力と抗力のバ
ランスだけであることがわかった。この点に発明者らは
着目し、噛込みが不安定にならぬよう、不良が生じない
ようにプッシャーにより、穿孔プラグの抗力に打ち勝つ
だけの背圧を付与し、穿孔可能な状態の接触面積が確保
でき穿孔が通常通り進行することを可能にすることで、
軽圧下穿孔、すなわち内面疵の抑制を可能にできること
を見出した。この時プッシャー速度については、上限を
安定穿孔時の素材圧延方向速度未満としておけば十分で
あることも本発明者らの詳細な検討で明らかとなった。
【0026】これは、たとえば噛込み不良が発生しそう
な場合、本発明を適用すると、図4のような穿孔プラグ
荷重と穿孔ロール荷重のチャートが得られる。ここでプ
ッシャーが果たしている役割は、穿孔初期のプラグ荷重
>穿孔ロールから与えられる圧延方向分力、の状態で素
材に背圧を付与し、安定穿孔状態への移行を促すもので
あるが、一旦通常の穿孔状態へと、すなわちプラグ荷重
<穿孔ロールから与えられる圧延方向分力の状態へ移行
を開始すれば、その後はプッシャーの背圧は不要とな
る。
【0027】ここでは図5に示すように、穿孔初期は噛
込み不良状態に極めて近い、すなわち素材圧延方向速度
がゼロに近い状態から、本件発明の適用により、ある一
定の該速度にまで達し、通常の穿孔状態になっている。
すなわち、素材は穿孔が完全に安定化するまで、常に速
度変動を続けており、噛込みが完了した段階で通常穿孔
状態の穿孔速度と一致する。したがって、この「通常穿
孔状態の穿孔速度」、換言すれば安定穿孔時の素材圧延
方向速度を上限としてプッシャーの移動速度を設定して
おけば、背圧を不要とする通常穿孔状態ではプッシャー
は穿孔に影響を与えず、また、本件発明が適用されるよ
うな穿孔初期が不安定な場合にはプッシャーが素材圧延
方向速度を上回るために、十分背圧を付与でき、内面疵
の抑制に有効となるのである。
【0028】一方、素材速度よりプッシャー移動速度が
高速であっても素材を推し進めることが可能であること
は言うまでもないが、この速度設定では、極度の軽圧下
穿孔を実施する際にプッシャーを素材より高速で動作さ
せると穿孔プラグに圧延方向に大きな負荷がかかり、そ
の耐用度を極端に低下させることがあり、また、プラグ
が十分に強度を有する場合、逆に素材に圧延方向応力が
集中し、結果として素材が曲る、あるいは座屈するとい
った現象も観察され、結果としていずれも操業上の大き
な問題となる。したがって、このプッシャー移動速度の
上限は、素材に曲がりなどの変形を与えない、安定穿孔
時の素材圧延方向速度、さらに望ましくは先述した穿孔
ロールから与えられる外力の圧延方向分力>プラグ抗力
となる状態の素材圧延方向速度未満とし、下限はどのよ
うな値であっても問題はないが、あまりに低いと素材温
度の低下や能率の低下となるので、この点を考慮し、該
圧延方向速度のおおよそ0.8倍程度が望ましい。
【0029】なお、一般炭素鋼の直鋳材でも本発明の適
用により噛込み不良がなくなることはもちろん、内面疵
の発生率をほぼ0にすることが可能となった。また、内
質が劣化しやすい、硫黄を多く含んだ炭素鋼や高合金鋼
などの難加工材、またその直鋳材についても内面庇の発
生を従来の炭素鋼並に抑制できることが認められた。
【0030】以上の知見に基づき、本発明者らは、難加
工材または鋳造ままの丸鋳片を用いて傾斜穿孔圧延を実
施する際、素材搬送装置により、素材に背圧を付与しな
がら素材が安定に噛込むまで押し込みつつ穿孔を行う工
程を備え、該穿孔工程は、素材搬送装置の移動速度が通
常穿孔状態での素材圧延方向速度以下になるように制御
しながら行うようにして、難加工材や鋳造ままの素材
を、コスト負担増のデメリットを生じさせることのない
極めて合理的な手段で従来通りの製造を行い、かつ管内
面疵を抑制する難加工材または鋳造ままの丸鋳片の継目
無管製造方法を見出し、本発明を完成させた。
【0031】以下に本発明の実施の形態について説明す
る。
【0032】本発明の難加工材または鋳造ままの丸鋳片
の継目無管製造方法は、図1に示すように、難加工材ま
たは鋳造ままの丸鋳片からなる素材を用いて傾斜穿孔圧
延を実施する際、素材搬送装置により、この素材に背圧
を付与しながら素材が安定に噛込むまで押し込みつつ穿
孔を行う工程を備え、該穿孔工程は、素材搬送装置の移
動速度が通常穿孔状態での素材圧延方向速度以下になる
ように制御しながら行うことを特徴とする。
【0033】また、本発明適用鋼種となる前記素材は、
重量%で、Cr>0.5%と、S≧0.0001%とを
含有し、かつ(Cr%+Ni%+Mo%)>1.5%を
満たす。このような組成の素材は、前述したように内部
に欠陥を内包する可能性が高く、この素材を鋳造ままで
用いた場合は、製管工程の最初にマンネスマン穿孔とい
う過酷な加工を受けるため軸芯部のポロシティや偏析に
より管内面疵が発生する。
【0034】素材搬送装置の移動速度が通常穿孔状態で
の素材圧延方向速度以下になるように制御しながら穿孔
を行う理由は、前述したように、噛込みが不安定になら
ぬよう、不良が生じないようにプッシャー(素材搬送装
置)により、穿孔プラグの抗力に打ち勝つだけの背圧を
付与し、穿孔可能な状態の接触面積が確保でき通常通り
進行することを可能にすることで、軽圧下穿孔を行い、
内面疵の抑制を可能にするためである。
【0035】噛込み不良が生じた場合の、穿孔プラグに
かかるスラスト荷重および穿孔ロール荷重を図2に示
す。ここでは、素材が穿孔ロールに噛込むとほぼ同時
に、穿孔プラグにも荷重がかかり始め、時間が経過して
も素材が穿孔ロールに噛み込んでいかない様子を示して
いる。一方、図3には通常穿孔時の荷重を示している
が、ここではロール荷重が充分に大きくなる、すなわち
接触面積が十分に大きくなった後、穿孔プラグと接触し
ていることが示されている。そこで、本件発明を適用す
ると、図4に示したとおり、噛込み初期は噛込み不良時
と同じ荷重変動を示しているが、プッシャーにより素材
後方から背圧を付与し始めると、ロール荷重、プラグ荷
重ともに増大を始め、途中から通常穿孔状態に移行して
いることがわかる。なお、プッシャーはその最大移動速
度を、安定穿孔時の素材移動速度未満としているため、
常に素材を押し続けることはなく、穿孔プラグに余計な
負荷はかかっていない。このため、素材後方から背圧を
付与しても高合金鋼穿孔で懸念される、耐用度の減少を
もたらすことはない。
【0036】また、通常穿孔時に想定されるロール・各
種ガイドシュー間への素材噛出しに伴うトラブルは、軽
圧下穿孔であるために押込みを行っても生じない。
【0037】以下に本発明の実施例を挙げ、本発明の効
果を立証する。
【0038】
【実施例】(実施例1)熱間モデル穿孔機で本件発明に
ついて従来技術と比較を行った。素材ビレットには、鋳
造ままの0.4%炭素鋼を用い、素材加熱温度は125
0℃、ロール入側面角は2.5度、ロール傾斜角は7度
の条件にて穿孔実験を実施した。なお、内面不良に関し
ては、各水準100本の穿孔を行い、総圧延本数あたり
の疵発生本数の比率を不良率として評価し、その発生率
が15%以上である場合を×、5%以上〜15%未満を
△、1%以上〜5%未満を○、さらに今回の試験中には
疵発生がなかったものを二重丸とした。
【0039】この結果を表1に示す。比較例ではプラグ
先端圧下率の増加とともに、やや内面疵が減少する傾向
が見られたが、94%の噛込み不良域直前でも不良率は
12%と疵の抑制は完全ではない。
【0040】しかしながら本発明の適用により、噛込み
限界が向上し、プラグ先端圧下率95.5%では完全に
内面疵のない穿孔が可能となった。ここでプラグ先端圧
下率とは、下式で定義される指標を指すものとする。
【0041】プラグ先端圧下率=プラグ先端位置でのロ
ール間隔/素材ビレット径この定義によれば、穿孔ロー
ル形状が樽型であることを考慮すると、プラグ位置を素
材入側へ前進させることはプラグ先端でのロール間隔が
広がることと等しく、プラグ先端圧下率を増加させるこ
とと一致する。また、素材ビレット径は変わらないから
ロール間隔が広くなることは軽圧下状態を作り出してい
ることとも一致する。従って上記結果、すなわち本発明
の適用が内面疵の低減につながることを本実施例は表し
ている。
【0042】
【表1】
【0043】(実施例2)同様の穿孔条件で、素材に鋳
造ままの13%Cr鋼および従来通りの予加工を施した
13%Cr鋼材を用いて実験を行った。
【0044】この結果を表2に示す。予加工を施した1
3%Cr材を穿孔した場合には、噛込み不良直前の94
%で不良率が10%弱と工業生産を行う上ではやや高い
結果を示した。
【0045】一方、直鋳ままの比較例では、同じ穿孔条
件でも不良率が50%と非常に高く、工業生産は成り立
たない。しかしながら、本発明を適用すると、予加工材
で95%のプラグ先端圧下率で不良率1%、95.5%
では無疵で製管可能となり、実機でもほぼ無手入れの状
態で製造が可能となる見通しを得た。また、直鋳ままの
素材については、プラグ先端圧下率97%で不良率を1
%に、また97.5%では不良率0%で製管でき、素材
予加工のコストをそのまま低減させることが可能となっ
た。
【0046】なお、本実施例において、プッシャーの移
動速度についても比較している。プッシャーの移動速度
を、通常穿孔状態での素材圧延方向速度で除した指数、
速度の比を表2に示した。この結果から、速度比が1.
0を超え、穿孔が可能であった場合は、内面疵低減効果
が十分得られているものの、一方、穿孔プラグの耐用度
が従来比で0.7程度と大きく減少してしまっている。
さらに速度比をあげると、材料の曲がりによる穿孔のト
ラブルや、素材に挫屈が生じ、穿孔ができないという問
題も発生した。また、同様に速度比を0.8未満とした
場合も素材温度の低下のため穿孔プラグに負担がかか
り、酎用度が従来比0.8以下となっている。
【0047】
【表2】
【0048】(実施例3)さらに同様の穿孔条件で、素
材に予加工を施した、種々の鋼材を用いて実験を行っ
た。この結果を表3に示す。素材のほとんどを予加工材
として実験を行ったが、比較例の予加工材では、製管成
績がいずれも2〜3%以下とかなり程度が良いのに対
し、本発明適用範囲となる鋼種はいずれも通常の噛込み
限界である、プラグ先端圧下率94%で6%を超え、か
なりの手入れを必要とする。
【0049】これらについて、本件発明を適用したとこ
ろ、いずれも大幅な内面疵低減が可能となり、2.25
Cr材の直鋳材についても十分な内面疵抑制が可能とな
ることを明らかにした。
【0050】
【表3】
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
製造条件を特定することにより、従来熱間加工性が劣悪
で継目無管材として不適当であった難加工材または鋳造
ままであるため素材中心部にザク等が存在する品質の悪
い素材を穿孔圧延するに際し、設備に大幅な変更を加え
ることなく穿孔条件を最適化させることを可能とし、こ
れにより管内面疵をなくし、付加価値の高い高合金鋼管
等のコスト低減および生産性向上を可能にせしめる製造
技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る概念図。
【図2】噛込み不良時の穿孔プラグ荷重と穿孔ロール荷
重を示す図。
【図3】通常穿孔時の穿孔プラグ荷重と穿孔ロール荷重
を示す図。
【図4】本発明適用時の穿孔プラグ荷重と穿孔ロール荷
重を示す図。
【図5】素材の穿孔初期の圧延方向速度変化を示す図。
【図6】Cr量と溶鋼の粘度の関係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/00 302 C22C 38/00 302Z 38/44 38/44 (72)発明者 東 祥三 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4E002 AA04 AA07 AB06 AC11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難加工材または鋳造ままの丸鋳片からな
    る素材を用いて傾斜穿孔圧延を実施する際、素材搬送装
    置により、この素材に背圧を付与しながら素材が安定に
    噛込むまで押し込みつつ穿孔を行う工程を備え、 該穿孔工程は、素材搬送装置の移動速度が通常穿孔状態
    での素材圧延方向速度以下になるように制御しながら行
    うことを特徴とする、難加工材または鋳造ままの丸鋳片
    の継目無管製造方法。
  2. 【請求項2】 前記素材は、重量%で、Cr>0.5%
    を含有する、請求項1に記載の難加工材または鋳造まま
    の丸鋳片の継目無管製造方法。
  3. 【請求項3】 前記素材は、重量%で、Cr>0.5%
    と、S≧0.0001%とを含有し、かつ(Cr%+N
    i%+Mo%)>1.5%を満たす、請求項1に記載の
    難加工材または鋳造ままの丸鋳片の継目無管製造方法。
JP11055600A 1999-03-03 1999-03-03 難加工材または鋳造ままの丸鋳片の継目無管製造方法 Pending JP2000246311A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11055600A JP2000246311A (ja) 1999-03-03 1999-03-03 難加工材または鋳造ままの丸鋳片の継目無管製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11055600A JP2000246311A (ja) 1999-03-03 1999-03-03 難加工材または鋳造ままの丸鋳片の継目無管製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000246311A true JP2000246311A (ja) 2000-09-12

Family

ID=13003281

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11055600A Pending JP2000246311A (ja) 1999-03-03 1999-03-03 難加工材または鋳造ままの丸鋳片の継目無管製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000246311A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007116821A1 (ja) 2006-03-31 2007-10-18 Sumitomo Metal Industries, Ltd. 継目無管の製造方法
WO2008126427A1 (ja) 2007-03-30 2008-10-23 Sumitomo Metal Industries, Ltd. 穿孔機
WO2009011146A1 (ja) 2007-07-13 2009-01-22 Sumitomo Metal Industries, Ltd. 穿孔圧延用のプッシャ装置及びそれを用いた継目無管の製造方法
WO2012060358A1 (ja) * 2010-11-02 2012-05-10 住友金属工業株式会社 穿孔圧延の不良検知方法、及び継目無管の製造方法
CN109092909A (zh) * 2018-08-13 2018-12-28 林州凤宝管业有限公司 一种消除薄壁管双倍尺内外螺及提速的工艺方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2002904A4 (en) * 2006-03-31 2012-06-27 Sumitomo Metal Ind METHOD FOR PRODUCING A SEAMLESS TUBE
US7757528B2 (en) 2006-03-31 2010-07-20 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Method of manufacturing seamless pipe or tube
JP4798220B2 (ja) * 2006-03-31 2011-10-19 住友金属工業株式会社 継目無管の製造方法
WO2007116821A1 (ja) 2006-03-31 2007-10-18 Sumitomo Metal Industries, Ltd. 継目無管の製造方法
WO2008126427A1 (ja) 2007-03-30 2008-10-23 Sumitomo Metal Industries, Ltd. 穿孔機
US8104316B2 (en) 2007-03-30 2012-01-31 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Piercing mill
WO2009011146A1 (ja) 2007-07-13 2009-01-22 Sumitomo Metal Industries, Ltd. 穿孔圧延用のプッシャ装置及びそれを用いた継目無管の製造方法
US8020421B2 (en) 2007-07-13 2011-09-20 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Pusher device for piercing and rolling and method of manufacturing seamless pipe or tube using the same
EP2168696A4 (en) * 2007-07-13 2012-12-19 Sumitomo Metal Ind SLIDING DEVICE FOR A LOOP ROLLING METHOD AND METHOD FOR MANUFACTURING A SEAMLESS PIPE
WO2012060358A1 (ja) * 2010-11-02 2012-05-10 住友金属工業株式会社 穿孔圧延の不良検知方法、及び継目無管の製造方法
JP2012096265A (ja) * 2010-11-02 2012-05-24 Sumitomo Metal Ind Ltd 穿孔圧延の不良検知方法、及び継目無管の製造方法
US9333545B2 (en) 2010-11-02 2016-05-10 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Method of detecting fault in piercing-rolling and method of producing seamless pipe or tube
CN109092909A (zh) * 2018-08-13 2018-12-28 林州凤宝管业有限公司 一种消除薄壁管双倍尺内外螺及提速的工艺方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1593441B1 (en) Seamless metal tube producing method
EP2052795A1 (en) Method for producing seamless pipe
JP4315155B2 (ja) 継目無管の製造方法
JP4169858B2 (ja) シームレス鋼管を製造する方法
JP3425718B2 (ja) 継目無管の製造方法
EP2098310B1 (en) Manufacturing method for seamless pipe
JP2000246311A (ja) 難加工材または鋳造ままの丸鋳片の継目無管製造方法
JP3503552B2 (ja) 継目無管の製造方法
WO2009119245A1 (ja) 継目無管の製造方法
JP2000000605A (ja) 継目無管およびその製造方法
JP3214377B2 (ja) 継目無鋼管用連続鋳造鋳片の製造方法
JP7697495B2 (ja) 傾斜圧延方法および継目無鋼管の製造方法
CN104245168B (zh) 无缝金属管用圆坯和无缝金属管的制造方法
JP2000334506A (ja) 継目無鋼管の製造方法
JP3214379B2 (ja) 継目無鋼管用連続鋳造鋳片の製造方法
JP2000334505A (ja) 継目無鋼管の製造方法
JP6274449B2 (ja) 継目無鋼管の製造方法
JP3533834B2 (ja) 加工性の良いCr含有継目無鋼管製造用丸ビレットの製造方法
JP3648825B2 (ja) 加工性の良い継目無鋼管製造用連続鋳造丸鋳片の製造方 法
JPH09201601A (ja) 加工性の良い継目無鋼管製造用連続鋳造丸鋳片の製造方 法
JP3592465B2 (ja) フラックス入りワイヤ伸線用ダイヤモンドダイス
JPH1034304A (ja) 継目無鋼管製造用連続鋳造鋳片の製造方法
JP2005211920A (ja) 傾斜圧延法による継目無鋼管の製造に適した管材の連続鋳造方法
JP2001058207A (ja) 穿孔圧延機のプッシャ−装置
JP3533831B2 (ja) 加工性の良いCr含有継目無鋼管製造用丸ビレットの製造方法