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JP2000118500A - 飛行機の造波抵抗低減方法 - Google Patents

飛行機の造波抵抗低減方法

Info

Publication number
JP2000118500A
JP2000118500A JP10297131A JP29713198A JP2000118500A JP 2000118500 A JP2000118500 A JP 2000118500A JP 10297131 A JP10297131 A JP 10297131A JP 29713198 A JP29713198 A JP 29713198A JP 2000118500 A JP2000118500 A JP 2000118500A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
main wing
engine nacelle
wing
fluid element
chord
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10297131A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirotaka Kumada
博孝 熊田
Kiyoshi Katahira
潔 片平
Shuichi Wakita
秀一 脇田
Shunta Nishikawa
俊太 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP10297131A priority Critical patent/JP2000118500A/ja
Priority to US09/263,781 priority patent/US6102328A/en
Priority to EP99104594A priority patent/EP0995674B1/en
Priority to DE69910521T priority patent/DE69910521T2/de
Priority to DE69910519T priority patent/DE69910519T2/de
Priority to EP99104595A priority patent/EP0995675B1/en
Publication of JP2000118500A publication Critical patent/JP2000118500A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64DEQUIPMENT FOR FITTING IN OR TO AIRCRAFT; FLIGHT SUITS; PARACHUTES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF POWER PLANTS OR PROPULSION TRANSMISSIONS IN AIRCRAFT
    • B64D29/00Power-plant nacelles, fairings or cowlings
    • B64D29/02Power-plant nacelles, fairings or cowlings associated with wings
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64DEQUIPMENT FOR FITTING IN OR TO AIRCRAFT; FLIGHT SUITS; PARACHUTES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF POWER PLANTS OR PROPULSION TRANSMISSIONS IN AIRCRAFT
    • B64D27/00Arrangement or mounting of power plants in aircraft; Aircraft characterised by the type or position of power plants
    • B64D27/02Aircraft characterised by the type or position of power plants
    • B64D27/16Aircraft characterised by the type or position of power plants of jet type
    • B64D27/18Aircraft characterised by the type or position of power plants of jet type within, or attached to, wings
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T50/00Aeronautics or air transport
    • Y02T50/10Drag reduction
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T50/00Aeronautics or air transport
    • Y02T50/40Weight reduction

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 主翼の上面の所定位置にエンジンナセル等の
流体素子を配置し、この流体素子により発生した空気流
を主翼上面空気流と積極的に重ね合わせることにより主
翼上面の圧力分布をなだらかにし、衝撃波の発生を遅ら
せて造波抵抗を低減する。 【解決手段】 エンジンナセルを主翼上面に配置し、且
つエンジンナセルの前端の前後方向位置を主翼の翼弦の
前端から63%〜100%の範囲に設定すると(b,i
参照)、遷音速領域において主翼上面に衝撃波が発生し
て造波抵抗が増加するのを抑制し、燃料消費量の増加を
回避しながら巡航速度を増加させることができる。エン
ジンナセルの前端が翼弦の63%位置よりも前方になる
と(e,f参照)、衝撃波を抑制する効果は発揮されず
に造波抵抗が増加してしまう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遷音速で巡航する
飛行機の主翼上面における衝撃波の発生を遅らせて造波
抵抗を低減する飛行機の造波抵抗低減方法に関する。
【0002】
【従来の技術】飛行機の飛行速度が音速以下であって
も、機体の一部で加速した流れによって局所的に音速を
越える領域が生じる遷音速領域では衝撃波が発生する
(図20参照)。このようにして主翼上面に衝撃波が発
生すると、その衝撃波の前後で空気流の流速が超音速か
ら亜音速に急激に減速する。その結果、衝撃波の下流で
境界層が剥離して大きな造波抵抗をもたらす伴流が発生
するため、抗力の急増および揚力の急減により主翼はい
わゆる衝撃失速状態になる。
【0003】衝撃波の発生により抗力が急増する現象を
抗力発散といい、そのときの主流のマッハ数を抗力発散
マッハ数MDDという。飛行機の飛行速度が抗力発散マッ
ハ数MDDに達すると、抗力の増加によって燃料消費量が
増加するだけでなく、風圧中心の移動によって機体の釣
合いにも悪影響がでるため、衝撃波の発生をできるかぎ
り遅らせて抗力発散マッハ数MDDを高めることが必要と
なる。
【0004】従来、抗力発散マッハ数MDDを高めるため
に、 抗力発散マッハ数MDDの高い翼型を用いる 主翼に後退角をつける 等の手法が採用されている。
【0005】またガスタービンエンジンを収納するエン
ジンナセルを備えた飛行機では、主翼や胴体とエンジン
ナセルとの空力的な干渉により発生する抗力を最小限に
抑えるべく、そのエンジンナセルの取り付け位置に考慮
が払われている。一般的には、ビジネスジェット機では
主翼との干渉が小さい後部胴体の左右両側部にエンジン
ナセルを取り付けることにより、また大型旅客機では主
翼上面に比べて流速の小さい主翼下面にパイロンを介し
てエンジンナセルを取り付けることにより干渉抗力の低
減を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に翼厚の小さい翼
型は抗力発散マッハ数MDDが高くなるが、翼厚を減少さ
せると主翼の容積が減少するため、主翼内に燃料タンク
を設ける場合には燃料搭載量が減少する問題があり、し
かも翼厚の減少に伴う強度の低下を補うために構造重量
が増加する問題がある。そこで遷音速領域における主翼
の圧力分布を改良することにより、必要な翼厚を確保し
ながら衝撃波の発生を抑制する翼型としてピーキー翼や
スーパークリティカル翼が提案されていた。
【0007】また主翼の後退角を増加させると、翼厚を
ある程度確保しながら抗力発散マッハ数MDDを高めるこ
とができるが、低速時における失速特性が悪化したり、
主翼の翼根部に作用する大きな曲げモーメントに対抗す
るために構造重量が増加したり、摩擦抵抗が小さい層流
翼の採用が困難になるという問題がある。
【0008】本発明は、主翼の上面の所定位置にエンジ
ンナセル等の流体素子を配置し、この流体素子により発
生した空気流を主翼上面空気流と積極的に重ね合わせる
ことにより、衝撃波の発生を遅らせて造波抵抗を低減す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明は、遷音速で巡航する飛
行機の主翼の上面に負圧を発生させる主翼上面空気流の
後部上方の主流内に流体素子を配置し、該流体素子の下
面と主翼の上面との間に形成された狭窄状空間で加速さ
れた空気流と前記主翼上面空気流とを重ね合わせること
により、主翼の上面の圧力勾配をなだらかにして衝撃波
の発生を抑制することを特徴とする。
【0010】飛行機の速度が抗力発散マッハ数に達する
と、主翼上面に衝撃波が発生して造波抵抗が急激に増加
する。主翼上面空気流の後部上方の主流内に流体素子を
配置すると、流体素子の下面と主翼の上面との間に形成
された狭窄状空間で加速された空気流と主翼上面空気流
とが重なり合うため、主翼の上面の圧力勾配をなだらか
にして衝撃波の発生を抑制することができる。これによ
り、遷音速領域における造波抵抗の発生を遅らせて抗力
発散マッハ数を増加させ、燃料消費量の増加を回避しな
がら巡航速度を高めることができる。
【0011】また請求項2に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、前記主翼上面空気流が音速になると
きの負圧を臨界圧力係数とし、主翼の上面の翼弦方向の
圧力分布が前記臨界圧力係数以上の状態から以下の状態
に変化する基準点を翼弦上に設定し、前記基準点から翼
弦長の5%前方位置よりも後方に前記流体素子の前端を
配置することを特徴とする。
【0012】流体素子の前端の位置が前方過ぎると当初
の衝撃波の発生は抑制されるが、主翼の翼弦の後部側に
新たな衝撃波が発生してしまう。そこで主翼上面の負圧
が臨界圧力係数を下回る基準点、すなわち主翼上面空気
流の流速が音速以上の状態から音速以下の状態に変化す
る基準点から翼弦長の5%前方位置よりも後方に流体素
子の前端を配置すると、流体素子により発生する主流の
減速領域を主翼上面空気流と効果的に重ね合わせて衝撃
波の発生を確実に抑制することができる。
【0013】また請求項3に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、前記主翼上面空気流の減速により生
じた主翼の上面の翼弦方向の圧力分布が、前後部に2つ
の負圧ピークを有する凹状の負圧分布ないし中央部に1
つの負圧ピークを有する凸状の負圧分布であることを特
徴とする。
【0014】流体素子が衝撃波の発生を抑制し得る範囲
内で前寄りの位置にあるとき、翼弦の前後部に2つの負
圧ピークを有する凹状の負圧分布が生じることで、衝撃
波の発生が抑制されるだけでなく、前後の負圧ピークで
揚力が確保され、揚抗比を高めるとともに燃料消費量を
低減することができる。また流体素子が衝撃波の発生を
抑制し得る範囲内で後寄りの位置にあるとき、翼弦の中
央部に1つの負圧ピークを有する凸状の負圧分布が生
じ、遷音速領域における造波抵抗の発生が抑制される。
【0015】また請求項4に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、前記流体素子の前端と主翼の前縁と
の前後方向距離が、翼弦長の68%〜100%であるこ
とを特徴とする。
【0016】流体素子の前端と主翼の前縁との前後方向
距離を翼弦長の68%〜100%に設定すると、衝撃波
の抑制効果を発揮させることができる。
【0017】また請求項5に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、前記流体素子の前端と主翼の前縁と
の前後方向距離が、翼弦長の75%〜85%であること
を特徴とする。
【0018】流体素子の前端と主翼の前縁との前後方向
距離を翼弦長の75%〜85%に設定すると、衝撃波の
抑制効果を更に効果的に発揮させることができる。
【0019】また請求項6に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、前記流体素子の前端と主翼の前縁と
の前後方向距離の増加に伴って、前記流体素子の下面と
主翼の上面との上下方向距離を減少させることを特徴と
する。
【0020】流体素子の前端と主翼の前縁との前後方向
距離の増加に伴って流体素子の下面と主翼の上面との上
下方向距離を減少させると、流体素子の前後方向距離が
変化しても衝撃波の抑制効果を維持することができる。
【0021】また請求項7に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、前記流体素子がガスタービンエンジ
ンを覆う概略円筒状のエンジンナセルであることを特徴
とする。
【0022】ガスタービンエンジンを覆う概略円筒状の
エンジンナセルを流体素子として利用して衝撃波の抑制
効果を発揮させるので、特別の流体素子を設ける必要が
なくなって重量の増加が回避される。
【0023】また請求項8に記載された発明は、請求項
7の構成に加えて、主翼の上面とエンジンナセルの下面
との上下方向距離が、該エンジンナセルの外径の30%
〜100%であることを特徴とする。
【0024】主翼の上面とエンジンナセルの下面との上
下方向距離をエンジンナセルの外径の30%〜100%
に設定すると、流体素子の前後方向距離が変化しても衝
撃波の抑制効果を維持することができる。
【0025】また請求項9に記載された発明は、請求項
7の構成に加えて、主翼の上面に立設したパイロンを介
してエンジンナセルを支持したことを特徴とする。
【0026】エンジンナセルをパイロンを介して主翼上
面に取り付けると、エンジンナセルを胴体に取り付ける
場合に比べてキャビンのスペースを広く確保することが
でき、しかも揚力により主翼の翼根部に作用する曲げモ
ーメントをエンジンの重量で軽減して構造重量の軽減に
寄与することができる。
【0027】また請求項10に記載された発明は、請求
項1の構成に加えて、主翼の上面に可動翼面を起立・倒
伏可能に設け、離着陸時に前記可動翼面を起立させるこ
とにより、主翼の上面とエンジンナセルの下面との間に
形成される空間の流路断面積を減少させて揚力を増加さ
せることを特徴とする。
【0028】主翼の上面に設けた可動翼面を起立させて
主翼の上面とエンジンナセルの下面との間に形成される
空間の流路断面積を減少させるので、離着陸時に主翼の
揚力を増加させて離着陸速度を低下させることができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0030】図1〜図20は本発明の一実施例を示すも
ので、図1は本発明を適用した双発ビジネスジェット機
の斜視図、図2はエンジンナセルの前後位置を定義する
パラメータの説明図、図3はエンジンナセルの上下位置
を定義するパラメータの説明図、図4はエンジンナセル
の左右位置を定義するパラメータの説明図、図5はエン
ジンナセル位置X/Cと造波抵抗との関係を示すグラ
フ、図6はエンジンナセル位置X/Cと抗力発散マッハ
数MDDとの関係を示すグラフ、図7は翼弦に沿う主翼上
面の圧力係数CPを示すグラフ、図8は各エンジンナセ
ル位置でのマッハ数Mと全機の抗力係数CDtotal と抗
力発散マッハ数MDDとの関係を示すグラフ、図9は各エ
ンジンナセル位置および2つのマッハ数での全機の抗力
係数CDto tal を示すグラフ、図10はエンジンナセル
無しの場合の翼弦に沿う圧力分布を示すグラフ、図11
はエンジンナセル位置X/C=80%の場合の翼弦に沿
う圧力分布を示すグラフ、図12はエンジンナセル位置
X/C=85%の場合の翼弦に沿う圧力分布を示すグラ
フ、図13はエンジンナセル位置X/C=65%の場合
の翼弦に沿う圧力分布を示すグラフ、図14はエンジン
ナセルを持たない機体形状を示す図、図15はエンジン
ナセルを主翼上面に配置した機体形状を示す図、図16
はエンジンナセルを主翼下面に配置した機体形状を示す
図、図17はエンジンナセルを後部胴体に配置した機体
形状を示す図、図18は低速飛行時の揚力増加装置の説
明図、図19は図18の19方向矢視図、図20は衝撃
波および造波抵抗の説明図である。
【0031】図1に示すように、本実施例の飛行機は2
基のガスタービンエンジンを備えたビジネスジェット機
であって、胴体Fと、胴体Fの中央部下面に取り付けら
れた左右の主翼W,Wと、胴体Fの後部に取り付けられ
た垂直尾翼Vと、垂直尾翼Vの上端に取り付けられた水
平尾翼Hとを備える。2基のガスタービンエンジンをそ
れぞれ覆う概略円筒状のエンジンナセルN,Nは、左右
の主翼W,Wの上面に立設した一対のパイロンP,Pの
上端にそれぞれ支持される。
【0032】本発明は、主翼Wの上面の空気流とエンジ
ンナセルNの近傍の空気流との干渉を積極的に利用する
ことにより、主翼Wの上面における衝撃波の発生を抑制
するものであり、従って機体に対するエンジンナセルN
の相対的な取付位置が重要な要素となる。
【0033】図2に示すように、エンジンナセルNの前
後方向の取付位置は、エンジンナセルNの下方の主翼翼
弦の前縁を基準とするもので、前記翼弦の前縁からエン
ジンナセルNの前端(リップ)までの前後方向距離X
と、前記翼弦の翼弦長Cとにより、X/C(%)で定義
される。従って、エンジンナセルNの前端が主翼Wの前
縁の上方に位置しているときにX/C=0%となり、エ
ンジンナセルNの前端が主翼Wの後縁の上方に位置して
いるときにX/C=100%となる。
【0034】図3に示すように、エンジンナセルNの上
下方向の取付位置は、エンジンナセルNの下方の主翼W
の最上面を基準とするもので、主翼Wの最上面からエン
ジンナセルNの最下面までの上下方向距離Zと、エンジ
ンナセルNの最大径Dとにより、Z/D(%)で定義さ
れる。前記上下方向距離Zは、機体の正面図である図3
において、主翼Wの最上面およびエンジンナセルNの最
下面間の上下方向の間隔に相当する。
【0035】図4に示すように、エンジンナセルNの左
右方向の取付位置は、胴体Fの左右方向外端を基準とす
るもので、胴体Fの左右方向外端からエンジンナセルN
の左右方向内端までの左右方向距離Yと、エンジンナセ
ルNの最大幅Dwとにより、Y/Dw(%)で定義され
る。
【0036】エンジンナセルNの前後位置を定義するパ
ラメータX/Cと、エンジンナセルNの上下位置を定義
するパラメータZ/Dと、エンジンナセルNの左右位置
を定義するパラメータY/Dwとのうち、衝撃波の発生
を抑制する上で最も支配的なパラメータはX/Cであ
り、そのパラメータX/Cに比べてエンジンナセルNの
上下位置を定義するパラメータZ/Dは影響度が小さく
なり、エンジンナセルNの左右位置を定義するパラメー
タY/Dwは更に影響度が小さくなる。
【0037】以上のことから、本実施例において、エン
ジンナセルNの前後位置を定義するX/Cを主要なパラ
メータとして選択し、Z/Dを固定値(Z/D=0.
5)とし、Y/Dwを固定値(Y/Dw=0.73)と
して風洞実験および解析を行った。ここで、Z/D=
0.5は衝撃波の抑制効果が有効に得られるエンジンナ
セルNの上下位置であり、Y/Dw=0.73は胴体F
および主翼wの結合部の干渉の影響を有効に回避できる
エンジンナセルNの左右位置である。
【0038】図5は、エンジンナセル位置X/Cと造波
抵抗との関係を示すグラフであって、主流のマッハ数は
主翼Wの上面に衝撃波が発生するマッハ数に対応するM
=0.78に設定され、揚力係数は本機の巡航速度に対
応するCL=0.40に設定されている。エンジンナセ
ル位置X/Cを翼弦の68%位置よりも後方に配置する
と、造波抵抗はエンジンナセル無しの場合の造波抵抗よ
りも最大値で40%程度減少し、エンジンナセル位置X
/Cを翼弦の68%位置よりも前方に配置すると、造波
抵抗はエンジンナセル無しの場合の造波抵抗よりも急激
に増加する。
【0039】図6は、エンジンナセル位置X/Cと抗力
発散マッハ数MDDとの関係を示すグラフであって、揚力
係数はCL=0.40である。エンジンナセル位置X/
Cを翼弦の68%位置よりも後方に配置すると、抗力発
散マッハ数MDDはエンジンナセル無しの場合の抗力発散
マッハ数MDD=0.758から増加し、エンジンナセル
位置X/C=80%の最適位置で最大値MDD=0.77
5に達している。一方、エンジンナセル位置X/Cを翼
弦の68%位置よりも前方に配置すると、抗力発散マッ
ハ数MDDはエンジンナセル無しの場合の抗力発散マッハ
数MDD=0.758から急激に減少する。
【0040】図7は、図4のa−a線に沿う翼弦に対応
する主翼上面の圧力係数CPを示すグラフであって、実
線はエンジンナセル無しの場合、破線はエンジンナセル
位置X/C=75%の場合、二点鎖線はエンジンナセル
位置X/C=50%の場合にそれぞれ対応しており、何
れの場合も主流のマッハ数はM=0.78、揚力係数は
CL=0.40である。エンジンナセル無しの場合には
翼弦の60%位置付近で強い圧力勾配により衝撃波が発
生しているが、エンジンナセル位置X/C=75%の場
合には、翼弦の60%位置付近の負圧が低下して前記強
い圧力勾配が緩和され、衝撃波の発生が抑制されてい
る。
【0041】即ち、エンジンナセル位置X/C=75%
の場合には、圧力分布は翼弦の15%位置付近および8
5%位置付近に2つの負圧ピークを持つ凹状の分布とな
り、特にエンジンナセル無しの場合に負圧ピークがあっ
た翼弦の60%位置付近では、圧力係数が大幅に低下し
ており、これにより衝撃波の発生および造波抵抗の増加
が防止されている。
【0042】またエンジンナセル位置X/C=50%の
場合には、翼弦の40%位置付近の圧力係数が大幅に低
下し、圧力分布は翼弦の10%位置付近および80%位
置付近に2つの負圧ピークを持つ凹状の分布となる。し
かしながら、翼弦の80%位置付近には負圧ピークと、
それに続く強い圧力勾配とが存在するために衝撃波が発
生している。
【0043】以上のように、エンジンナセル位置X/C
を翼弦の68%位置よりも後方に設定すると、エンジン
ナセル無しの場合に比べて抗力発散マッハ数MDDが増加
して衝撃波が発生し難くなるが、エンジンナセル位置X
/Cを翼弦の68%位置よりも前方に設定すると、衝撃
波が発生して抗力発散マッハ数MDDが減少する。
【0044】図8は、種々のエンジンナセル位置での、
マッハ数Mと、全機の抗力係数CD total から形状抗力
係数CD0 を引いた抗力係数と、抗力発散マッハ数MDD
との関係を示すグラフであって、何れの場合も揚力係数
はCL=0.40である。ラインaは基準となるエンジ
ンナセル無しのもの(図14参照)、ラインb,d,e
はエンジンナセルを主翼の上面に配置したもの(図15
参照)、ラインf,gはエンジンナセルを主翼の下面に
配置したもの(図16参照)、ラインh,iはエンジン
ナセルを胴体の後部に配置したもの(図17参照)であ
る。また各ライン上にプロットした▲は、各々のエンジ
ンナセル位置毎の抗力発散マッハ数MDDを示している。
【0045】エンジンナセルを主翼の上面に配置した場
合には、エンジンナセル位置X/C=75%のもの(ラ
インb)が最も優れており、全てのマッハ数領域で抗力
係数(CDtotal −CD0 )がラインa(エンジンナセ
ル無しのもの)を下回っている。エンジンナセル位置X
/C=50%のもの(ラインd)は抗力係数(CDtota
l −CD0 )が最も高くなっており、強い衝撃波が発生
していると推定される。エンジンナセル位置X/C=−
120%のもの(ラインe)は、前記エンジンナセル位
置X/C=50%のものよりは抗力係数(CDtotal
CD0 )が低下しており、衝撃波の発生を抑制する効果
は一応認められる。
【0046】エンジンナセルを主翼の下面に配置した場
合には、エンジンナセル位置X/C=−120%のもの
(ラインf)も、エンジンナセル位置X/C=80%の
もの(ラインg)も衝撃波の発生を抑制する効果は認め
られない。但し、ラインfで示すエンジンナセルを主翼
の前下方に配置したもの(大型旅客機等で広く採用され
ている配置)は、ラインgで示す主翼の後下方に配置し
たものに比べれば抗力係数(CDtotal −CD0 )が若
干低いことが確認される。
【0047】エンジンナセルを胴体の後部に配置した場
合には、エンジンナセル位置X/C=75%のもの(ラ
インh)が、エンジンナセルを主翼上面のX/C=75
%位置に配置したのもの(ラインb)と同等の優れた特
性を発揮している。このことは、エンジンナセル位置X
/C=75%であれば、エンジンナセルを主翼に取り付
けても胴体に取り付けても同等の衝撃波抑制効果が得ら
れることを示している。またラインiで示すエンジンナ
セルの一般的な胴体後部配置(X/C>100%)で
は、衝撃波の発生を抑制する効果は大幅に減少してしま
う。
【0048】図9は、種々のエンジンナセル位置での全
機の抗力係数CDtotal を2種類のマッハ数(M=0.
75およびM=0.78)について示すグラフであっ
て、何れの場合も揚力係数はCL=0.40である。図
9のデータは図8のデータに対応しており、図9のb,
d,e,f,g,iは、図8のb,d,e,f,g,i
と同じものである。図9によっても、エンジンナセルを
主翼上面のX/C=75%位置に配置したもの(b参
照)が、全機の抗力係数CDtotal が最小になっている
ことが確認される。
【0049】以上説明したように、エンジンナセルを主
翼の上面の適切な位置に配置することにより、主翼の上
面に衝撃波が発生して造波抵抗が急増する抗力発散マッ
ハ数MDDを増加方向に変化させ、燃料消費量を低く抑え
ながら巡航速度を増加させることができる。本実施例で
は、エンジンナセル位置がX/C=63%よりも後方の
範囲で衝撃波を抑制する効果が得られ、最適位置はX/
C=80%の付近となる。エンジンナセル位置の好適な
範囲はX/C=68%〜100%であり、そのうち特に
好適な範囲はX/C=75%〜85%である。
【0050】次に、エンジンナセルの上下位置Z/Dお
よび左右位置Y/Dwの適切な値と、その効果とについ
て考察する。
【0051】エンジンナセルの前後位置X/C=75%
に対する最適な上下位置はZ/D=50%であるが、上
下位置Z/Dをあまり小さくしてしまうと、エンジンナ
セルの下面と主翼の上面との間の流速が速くなり、エン
ジンナセルを前後位置X/C=0.5に配置した場合と
同様に衝撃波が発生して結果的に造波抵抗が増加してし
まう。逆に上下位置Z/Dをあまり大きくしてしまう
と、エンジンナセルが主翼上面に沿う空気流に与える影
響が減少するため、エンジンナセル無しの場合に近づい
てしまう。また操縦安定性の面からも、スラストライン
の位置が高くなって頭下げモーメントが増加するといっ
た不具合が発生する。
【0052】エンジンナセルの前後位置X/Cを衝撃波
の抑制に有効な範囲で前後の移動させる場合、前後位置
X/Cが前方に移動するほど上下位置Z/Dを上方に移
動させ、前後位置X/Cが後方に移動するほど上下位置
Z/Dを下方に移動させることが必要である。衝撃波の
抑制に有効なエンジンナセルの上下位置Z/Dの範囲
は、Z/D=0.3〜1.0程度である。
【0053】エンジンナセルの前後位置X/C=75%
に対する最適なエンジンナセルの左右位置はY/Dw=
0.73である。エンジンナセルが衝撃波の抑制効果を
発揮する範囲は、パイロンを中心として胴体側および翼
端側にある程度の広がりを持っている。胴体および主翼
の結合部は元々干渉の大きい部分であるため、フェアリ
ングで整形したり、翼根部の翼型を改良したりして対策
を施しているが、このエンジンナセルの配置によっても
胴体および主翼の結合部の干渉を軽減することができ
る。
【0054】エンジンナセルの左右位置Y/Dwを翼端
側に近づけすぎると、翼端側における衝撃波の抑制効果
が増加する反面、胴体および主翼の結合部の干渉軽減に
寄与できなくなり、逆にエンジンナセルの左右位置Y/
Dwを胴体側に近づけすぎると、翼端側における衝撃波
の抑制効果が減少するだけでなく、胴体および主翼の結
合部の干渉抵抗がかえって増加してしまう場合があるた
め、上述したY/Dw=0.73がエンジンナセルの最
適の左右位置となる。
【0055】図10は、エンジンナセル無し、マッハ数
M=0.75、揚力係数CL=0.40の場合の翼弦に
沿う圧力分布を示すものであり、X/C=70%の付近
に衝撃波が確認される。一点鎖線で示す臨界圧力係数C
* は、主翼上面の流速が音速(M=1)になるときの
圧力係数CPであって、主翼上面ではX/C=12%〜
68%の領域で流速が音速を越えていることが分かる。
主翼上面の圧力係数CPのライン(実線)は、臨界圧力
係数CP* のライン(一点鎖線)を高い側から低い側に
(図10において上から下に)横切っており、その交点
が基準点R(この場合、X/C=68%)とされる。
【0056】図6において既に説明したように、X/C
=68%の位置は、その位置よりも後方にエンジンナセ
ルの前端を配置すると抗力発散マッハ数MDDを高めるこ
とができる位置である。従って、エンジンナセルの適切
な前後位置を決定するには、先ずエンジンナセル無しの
状態での主翼上面の圧力分布を求め、次いで前記圧力分
布のラインと前記臨界圧力係数CP* のラインとの交点
である基準点Rを求め、この基準点Rの後方にエンジン
ナセルの前端(リップ)を配置すれば抗力発散マッハ数
DDを高めることが可能となる。
【0057】前記基準点Rの位置(X/C=68%)
は、抗力発散マッハ数MDDを高めるための普遍的な閾値
ではなく、一般的には基準点Rよりも5%前方のX/C
=63%の位置の後方にエンジンナセルの前端を配置す
れば、抗力発散マッハ数MDDを高めることができる。但
し、基準点R(X/C=68%)の後方にエンジンナセ
ルの前端を配置した方が、抗力発散マッハ数MDDを確実
に高めて一層大きな効果を得ることができる。
【0058】またエンジンナセルの前端が基準点Rから
後方に大きく離れ過ぎると、エンジンナセルにより発生
する主流の減速域を主翼上面の空気流に重ね合わせるこ
とができなくなり、衝撃波の発生を抑制する効果が減少
してしまう。エンジンナセルのリップ前縁の直径をD
LIP としたとき、基準点Rからリップ前縁の直径DLIP
だけ後方位置を設定し、その位置よりも前方にエンジン
ナセルの前端を配置すれば、抗力発散マッハ数MDDを高
めて衝撃波の発生を抑制することができる。実施例では
リップ前縁の直径DLIP は翼弦長Cの27%であり、従
って、X/C=95%の位置よりも前方にエンジンナセ
ルの前端を配置すれば良いことになる。
【0059】図11は、マッハ数M=0.75、揚力係
数CL=0.40、基準点RのX/C=68%の状態で
エンジンナセルの前端を主翼上面のX/C=80%の位
置に配置した場合の圧力分布を示すものである。同条件
でエンジンナセル無しの場合の圧力分布(図10参照)
と比較すると明らかなように、負圧ピークが大幅に低下
して負圧分布は前後にそれぞれ新たな負圧ピークを有す
る凹状分布になっており、その結果、図10のものに比
べて圧力傾斜が緩くなって衝撃波の発生が抑制されてい
ることが分かる。前記図7に破線で示した圧力分布(エ
ンジンナセル位置X/C=75%の場合)も、図11の
ものと同様に前後にそれぞれ新たな負圧ピークを有する
凹状分布になっており、圧力傾斜が緩くなって衝撃波の
発生が抑制されていることが分かる。上記凹状の圧力分
布では、前後の負圧ピークの近傍で負圧が高まるため、
中央部における負圧の低下を補って全体として揚力の減
少を回避することができる。
【0060】図12は、マッハ数M=0.75、揚力係
数CL=0.40、基準点RのX/C=68%の状態で
エンジンナセルの前端を主翼上面のX/C=85%の位
置に配置した場合の圧力分布を示すものである。図11
と比較すると明らかなように、エンジンナセルの位置が
5%後退したことにより、前方の負圧ピークが高くなっ
て後方の負圧ピークが消滅しており、全体として中央部
に負圧ピークを有する凸状分布になっている。その結
果、翼弦の60%付近に比較的に圧力勾配の大きい領域
が発生しているが、その圧力勾配はエンジンナセル無し
の場合の圧力勾配(図10参照)に比べて小さくなって
おり、衝撃波の発生を抑制する効果が一応は認められ
る。
【0061】図13は、マッハ数M=0.75、揚力係
数CL=0.40、基準点RのX/C=68%の状態で
エンジンナセルの前端を主翼上面のX/C=65%の位
置に配置した場合の圧力分布を示すものである。図11
と比較すると明らかなように、エンジンナセルの位置が
15%前進したことにより、前方の負圧ピークが消滅し
た代わりに後方の強い負圧ピークが発生しており、そこ
に衝撃波が発生して抗力発散マッハ数MDDを低下させて
いることが分かる。
【0062】本発明により衝撃波の発生を抑制できる理
由は以下のように考えられる。主翼の上面にエンジンナ
セルを配置すると、主翼の上面とエンジンナセルの下面
との間にベンチュリーが構成され、その部分の空気流の
流速が増加する。主翼の上面に衝撃波が発生すると該衝
撃波の後方で流速が急激に減速するが、その減速部分に
前記ベンチュリーによる空気流の増速部分を重ね合わせ
ることにより、主翼上面の圧力勾配(速度分布)を全体
として滑らかにし、衝撃波の発生および造波抵抗の増加
を抑制あるいは緩和して抗力発散マッハ数MDDを高める
ことができる。
【0063】而して、本発明によれば主翼の翼厚を減少
することなく、また主翼の後退角を増加させることなく
造波抵抗を低減することができるので、低速飛行時の失
速特性の悪化や構造重量の増加を招くことなく、また燃
料消費量を増加させることなく飛行機の巡航速度を増加
させることができる。しかも主翼の後退角を減少させる
ことにより低抵抗の層流翼型を採用することができるの
で、巡航時の燃料節減効果を更に高めることができる。
【0064】またエンジンを主翼に支持したことによ
り、それを胴体に支持した場合に比べて以下のような利
点がある。すなわち、胴体にエンジンを支持するための
構造物を設ける必要がないのでキャビンのスペースを広
く確保することができるだけでなく、元々剛性の高い主
翼にエンジンを支持することにより構造重量を軽減する
とともに、飛行中に揚力によって主翼の翼根に作用する
曲げモーメントをエンジンの重量で軽減して構造重量を
軽減することができる。
【0065】以上、飛行機の巡航時における造波抵抗の
低減について説明したが、主翼の上面およびエンジンナ
セルの下面間に構成されるベンチュリーを利用して離着
陸時における揚力の増加を図ることができる。
【0066】図18および図19に示すように、パイロ
ンPの左右両側に隣接する主翼Wの上面に可動翼面
1 ,W1 の前縁を枢支する。電子制御ユニットUは、
主翼Wの上面の圧力分布に基づいてアクチュエータAの
作動を制御し、前記可動翼面W1,W1 を主翼Wの上面
に沿う位置と、その後縁側が主翼Wから上方に離反する
位置との間を揺動させる。巡航時に可動翼面W1 ,W1
は主翼Wの上面に沿う位置に収納されるが、離着陸時に
可動翼面W1 ,W1 は主翼Wの上面に起立して主翼Wの
上面およびエンジンナセルNの下面間に形成されたベン
チュリーの流路断面積を減少させる。その結果、主翼W
の上面の流速が増加して最大揚力係数が増加するため、
離陸速度や着陸速度を低下させることができる。
【0067】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0068】例えば、流体素子は実施例で例示したエン
ジンナセルNに限定されず、主翼Wの上面との間にベン
チュリーを構成し得るものであれば良い。またパイロン
Pを主翼Wの上面に設ける代わりに胴体Fの側面に設け
ることができる。
【0069】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、主翼上面空気流の後部上方の主流内に流体素
子を配置すると、流体素子の下面と主翼の上面との間に
形成された狭窄状空間で加速された空気流と主翼上面空
気流とが重なり合うため、主翼の上面の圧力勾配をなだ
らかにして衝撃波の発生を抑制することができる。これ
により、遷音速領域における造波抵抗の発生を遅らせて
抗力発散マッハ数を増加させ、燃料消費量の増加を回避
しながら巡航速度を高めることができる。
【0070】また請求項2に記載された発明によれば、
流体素子の前端の位置が前方過ぎると当初の衝撃波の発
生は抑制されるが、主翼の翼弦の後部側に新たな衝撃波
が発生してしまう。そこで主翼上面の負圧が臨界圧力係
数を下回る基準点、すなわち主翼上面空気流の流速が音
速以上の状態から音速以下の状態に変化する基準点から
翼弦長の5%前方位置よりも後方に流体素子の前端を配
置すると、流体素子により発生する主流の減速領域を主
翼上面空気流と効果的に重ね合わせて衝撃波の発生を確
実に抑制することができる。
【0071】また請求項3に記載された発明によれば、
流体素子が衝撃波の発生を抑制し得る範囲内で前寄りの
位置にあるとき、翼弦の前後部に2つの負圧ピークを有
する凹状の負圧分布が生じることで、衝撃波の発生が抑
制されるだけでなく、前後の負圧ピークで揚力が確保さ
れ、揚抗比を高めるとともに燃料消費量を低減すること
ができる。また流体素子が衝撃波の発生を抑制し得る範
囲内で後寄りの位置にあるとき、翼弦の中央部に1つの
負圧ピークを有する凸状の負圧分布が生じ、遷音速領域
における造波抵抗の発生が抑制される。
【0072】また請求項4に記載された発明によれば、
流体素子の前端と主翼の前縁との前後方向距離を翼弦長
の68%〜100%に設定すると、衝撃波の抑制効果を
発揮させることができる。
【0073】また請求項5に記載された発明によれば、
流体素子の前端と主翼の前縁との前後方向距離を翼弦長
の75%〜85%に設定すると、衝撃波の抑制効果を更
に効果的に発揮させることができる。
【0074】また請求項6に記載された発明によれば、
流体素子の前端と主翼の前縁との前後方向距離の増加に
伴って流体素子の下面と主翼の上面との上下方向距離を
減少させると、流体素子の前後方向距離が変化しても衝
撃波の抑制効果を維持することができる。
【0075】また請求項7に記載された発明によれば、
ガスタービンエンジンを覆う概略円筒状のエンジンナセ
ルを流体素子として利用して衝撃波の抑制効果を発揮さ
せるので、特別の流体素子を設ける必要がなくなって重
量の増加が回避される。
【0076】また請求項8に記載された発明によれば、
主翼の上面とエンジンナセルの下面との上下方向距離を
エンジンナセルの外径の30%〜100%に設定する
と、流体素子の前後方向距離が変化しても衝撃波の抑制
効果を維持することができる。
【0077】また請求項9に記載された発明によれば、
エンジンナセルをパイロンを介して主翼上面に取り付け
ると、エンジンナセルを胴体に取り付ける場合に比べて
キャビンのスペースを広く確保することができ、しかも
揚力により主翼の翼根部に作用する曲げモーメントをエ
ンジンの重量で軽減して構造重量の軽減に寄与すること
ができる。
【0078】また請求項10に記載された発明によれ
ば、主翼の上面に設けた可動翼面を起立させて主翼の上
面とエンジンナセルの下面との間に形成される空間の流
路断面積を減少させるので、離着陸時に主翼の揚力を増
加させて離着陸速度を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した双発ビジネスジェット機の斜
視図
【図2】エンジンナセルの前後位置を定義するパラメー
タの説明図
【図3】エンジンナセルの上下位置を定義するパラメー
タの説明図
【図4】エンジンナセルの左右位置を定義するパラメー
タの説明図
【図5】エンジンナセル位置X/Cと造波抵抗との関係
を示すグラフ
【図6】エンジンナセル位置X/Cと抗力発散マッハ数
DDとの関係を示すグラフ
【図7】翼弦に沿う主翼上面の圧力係数CPを示すグラ
【図8】各エンジンナセル位置でのマッハ数Mと全機の
抗力係数CDtotal と抗力発散マッハ数MDDとの関係を
示すグラフ
【図9】各エンジンナセル位置および2つのマッハ数で
の全機の抗力係数CDtotal を示すグラフ
【図10】エンジンナセル無しの場合の翼弦に沿う圧力
分布を示すグラフ
【図11】エンジンナセル位置X/C=80%の場合の
翼弦に沿う圧力分布を示すグラフ
【図12】エンジンナセル位置X/C=85%の場合の
翼弦に沿う圧力分布を示すグラフ
【図13】エンジンナセル位置X/C=65%の場合の
翼弦に沿う圧力分布を示すグラフ
【図14】エンジンナセルを持たない機体形状を示す図
【図15】エンジンナセルを主翼上面に配置した機体形
状を示す図
【図16】エンジンナセルを主翼下面に配置した機体形
状を示す図
【図17】エンジンナセルを後部胴体に配置した機体形
状を示す図
【図18】低速飛行時の揚力増加装置の説明図
【図19】図18の19方向矢視図
【図20】衝撃波および造波抵抗の説明図
【符号の説明】
C 翼弦長 CP* 臨界圧力係数 D エンジンナセルの最大径 Dw エンジンナセルの最大幅 DLIP エンジンナセルのリップ前縁の直径 N エンジンナセル(流体素子) P パイロン R 基準点 W 主翼 W1 可動翼面 X 流体素子の前端と主翼の前縁との前後方向
距離 Y 胴体の左右方向外端から流体素子の左右方
向内端までの左右方向距離 Z 流体素子の下面と主翼の上面との上下方向
距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 脇田 秀一 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 西川 俊太 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遷音速で巡航する飛行機の主翼(W)の
    上面に負圧を発生させる主翼上面空気流の後部上方の主
    流内に流体素子(N)を配置し、該流体素子(N)の下
    面と主翼(W)の上面との間に形成された狭窄状空間で
    加速された空気流と前記主翼上面空気流とを重ね合わせ
    ることにより、主翼(W)の上面の圧力勾配をなだらか
    にして衝撃波の発生を抑制することを特徴とする飛行機
    の造波抵抗低減方法。
  2. 【請求項2】 前記主翼上面空気流が音速になるときの
    負圧を臨界圧力係数(CP* )とし、主翼(W)の上面
    の翼弦方向の圧力分布が前記臨界圧力係数(CP* )以
    上の状態から以下の状態に変化する基準点(R)を翼弦
    上に設定し、前記基準点(R)から翼弦長(C)の5%
    前方位置よりも後方に前記流体素子(N)の前端を配置
    することを特徴とする、請求項1に記載の飛行機の造波
    抵抗低減方法。
  3. 【請求項3】 前記主翼上面空気流の減速により生じた
    主翼(W)の上面の翼弦方向の圧力分布が、前後部に2
    つの負圧ピークを有する凹状の負圧分布ないし中央部に
    1つの負圧ピークを有する凸状の負圧分布であることを
    特徴とする、請求項1に記載の飛行機の造波抵抗低減方
    法。
  4. 【請求項4】 前記流体素子(N)の前端と主翼(W)
    の前縁との前後方向距離(X)が、翼弦長(C)の68
    %〜100%であることを特徴とする、請求項1に記載
    の飛行機の造波抵抗低減方法。
  5. 【請求項5】 前記流体素子(N)の前端と主翼(W)
    の前縁との前後方向距離(X)が、翼弦長(C)の75
    %〜85%であることを特徴とする、請求項1に記載の
    飛行機の造波抵抗低減方法。
  6. 【請求項6】 前記流体素子(N)の前端と主翼(W)
    の前縁との前後方向距離(X)の増加に伴って、前記流
    体素子(N)の下面と主翼(W)の上面との上下方向距
    離(Z)を減少させることを特徴とする、請求項1に記
    載の飛行機の造波抵抗低減方法。
  7. 【請求項7】 前記流体素子(N)がガスタービンエン
    ジンを覆う概略円筒状のエンジンナセルであることを特
    徴とする、請求項1に記載の飛行機の造波抵抗低減方
    法。
  8. 【請求項8】 主翼(W)の上面とエンジンナセル
    (N)の下面との上下方向距離(Z)が、該エンジンナ
    セル(N)の外径(D)の30%〜100%であること
    を特徴とする、請求項7に記載の飛行機の造波抵抗低減
    方法。
  9. 【請求項9】 主翼(W)の上面に立設したパイロン
    (P)を介してエンジンナセル(N)を支持したことを
    特徴とする、請求項7に記載の飛行機の造波抵抗低減方
    法。
  10. 【請求項10】 主翼(W)の上面に可動翼面(W1
    を起立・倒伏可能に設け、離着陸時に前記可動翼面(W
    1 )を起立させることにより、主翼(W)の上面とエン
    ジンナセル(N)の下面との間に形成される空間の流路
    断面積を減少させて揚力を増加させることを特徴とす
    る、請求項1に記載の飛行機の造波抵抗低減方法。
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