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JP2000161175A - インジェクタおよび燃料噴射システム - Google Patents

インジェクタおよび燃料噴射システム

Info

Publication number
JP2000161175A
JP2000161175A JP10335270A JP33527098A JP2000161175A JP 2000161175 A JP2000161175 A JP 2000161175A JP 10335270 A JP10335270 A JP 10335270A JP 33527098 A JP33527098 A JP 33527098A JP 2000161175 A JP2000161175 A JP 2000161175A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
injector
piezoelectric element
fuel
plunger
movable member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10335270A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuo Hayashibara
光男 林原
Minoru Osuga
大須賀  稔
Toshiji Nogi
利治 野木
Takuya Shiraishi
拓也 白石
Yoshio Okamoto
良雄 岡本
Yoshiyuki Tanabe
好之 田辺
Yasuhisa Hamada
泰久 濱田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Car Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Car Engineering Co Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP10335270A priority Critical patent/JP2000161175A/ja
Publication of JP2000161175A publication Critical patent/JP2000161175A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】圧電素子の有する高速応答性を発揮でき、かつ
スペース的にも有利なインジェクタを提供すること。 【解決手段】燃料通路の開閉を行うプランジャ、プラン
ジャを駆動する圧電素子,プランジャを駆動するバネ、
これらを固定する治具およびハウジング(インジェクタ
の最も外側の構造部材)等から構成されたインジェクタ
において、圧電素子および圧電素子を支持する部材の周
囲に、これらを燃料から隔離する構造物(隔壁)を設
け、燃料をハウジングと隔壁との間を通過させてインジ
ェクタ先端に供給するとともに、燃料供給ラインとイン
ジェクタとの接合部(燃料導入部)を、プランジャから
見て、圧電素子よりも後方に配置したインジェクタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインジェクタおよび
燃料噴射システムに関し、特に圧電素子を用いたものに
関する。
【0002】
【従来の技術】圧電素子を用いたインジェクタとして
は、例えば、特開平7−189853 号公報(以下従来例1と
いう。)には、圧電素子とプランジャとの間に流体を介
在させ、圧電素子の力を間接的にプランジャに与えて弁
開閉を行うパイロット式のインジェクタが記載されてい
る。また、例えば、特開昭62−191662号公報(以下従来
例2という。)には、円筒状の圧電素子(中空圧電素
子)を用いたインジェクタが記載されている。また、例
えば、特開昭62−199963号公報(以下従来例3とい
う。)、特開平8−97980号公報(以下従来例4とい
う。)には、圧電素子によって直接プランジャを駆動す
るインジェクタが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】自動車エンジンの燃費
向上あるいは排気ガスの清浄化が強く求められており、
高速応答性を有するインジェクタの開発が急務の課題と
なっている。従来の電磁式インジェクタの応答性はほぼ
限界に達していることから、高速動作が可能な圧電素子
を用いたインジェクタに期待が寄せられている。
【0004】圧電式インジェクタは、流体を介在物とし
て間接的にプランジャを駆動するパイロット式と圧電素
子によって直接プランジャを駆動する直動式に大別でき
る。前者は流体の流路を工夫すれば、圧電素子のストロ
ーク以上にプランジャのストロークを大きくできる利点
があるものの、ピストンとシリンダ間の摺動抵抗あるい
は流体の弾性的特性の影響を受けることから、応答性の
面では直動式インジェクタの方が有利と考えられる。
【0005】直動式インジェクタとしては、中空の圧電
素子(円筒状の圧電素子)を用いたインジェクタも検討
されているが、インジェクタ全体が太くなること、プラ
ンジャが長くなり、重量が増加するため、応答性が悪く
なること、さらには、円筒素子の製造の歩留りが悪い、
あるいは素子断面積が大きくなることから、素子がコス
ト高になるなどの問題を有する。
【0006】また、圧電式インジェクタを考える上で、
インジェクタの寸法の問題を避けて通ることはできな
い。特に直噴方式のエンジンでは、インジェクタの先端
から中央部にかけては外形が細く、部材がはみ出ていな
いことが強く求められている。例えば、従来例4の場合
は、インジェクタ先端のサイドから燃料を導入する形
(サイドフィード型)になっており、スペース的な問題
を抱えている。
【0007】また、インジェクタの使用温度は−40℃
〜150℃と広い。圧電素子は通常インジェクタを構成
する材料と熱膨張係数がかなり異なることから、直動式
インジェクタを構成した場合、熱膨張差によって弁が開
く、あるいは逆に圧電素子に過大な圧縮応力が加わり、
素子破損につながる可能性がある。
【0008】また、排気ガスの清浄化に対して、具体的
な解決方法の開発が急務の課題であるが、従来例はこの
点についても触れていない。
【0009】本発明の目的は、内燃機関に好適な燃料供
給用のインジェクタを提供することである。
【0010】本発明の他の目的は、排気ガス中のNOx
を低減できる燃料噴射システムを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、圧電式
インジェクタにおいて、中空ではない(中実の)圧電素
子による直動式を用いたことである。なぜなら、圧電式
インジェクタに求められている機能は、第1に高速応答
性であるからである。
【0012】また、本発明の他の特徴は、燃料通路の開
閉を行うプランジャと、プランジャを駆動する中実構造
の圧電素子と、圧電素子を燃料から隔離する隔壁と、こ
れらを保持するハウジングとを有するインジェクタであ
って、燃料をハウジングと隔壁との間を通過させてイン
ジェクタ先端に供給するとともに、インジェクタへの燃
料導入部を、プランジャから見て、圧電素子より後方に
配置したことである。また、本発明の他の特徴は、更
に、圧電素子のリード線を装着する電極を有する部材を
設け、この電極から離れた位置に、燃料が通過する流路
を設けたことである。
【0013】また、本発明の他の特徴は、燃料通路の開
閉を行うプランジャと、プランジャを固体または弾性体
を介して駆動する中実構造の圧電素子と、これらを保持
するハウジングとを有するインジェクタであって、燃料
を、ハウジングと、燃料から保護する保護膜を有する圧
電素子との間を通過させるか、ハウジングの一部に流路
となる穴を設けて、インジェクタ先端に供給するととも
に、インジェクタへの燃料導入部を、プランジャから見
て、圧電素子の後背部側に有することである。また、本
発明の他の特徴は、インジェクタにおいて、燃料通路の
開閉を行うプランジャ,プランジャを駆動する中実の圧
電素子,圧電素子を支持する可動部材とを有し、可動部
材の移動速度が、インジェクタ動作時に0.1μm/s〜
500μm/sの範囲内にあることである。
【0014】また、本発明の他の特徴は、インジェクタ
において、燃料通路の開閉を行うプランジャ,プランジ
ャを駆動する中実の圧電素子,圧電素子を支持する可動
部材とを有し、圧電素子を支持する可動部材が、室温時
の静止点を原点とした時、少なくとも−150μm〜4
0μmの移動ができることである。
【0015】また、本発明の他の特徴は、更に、固定部
材に取り付けたバネと連結した可動部材によって圧電素
子を支持し、可動部材の周囲に流体を充填し、隔壁の一
部に変形可能な部材を設けたことである。
【0016】また、本発明の他の特徴は、更に、変形可
能な部材の中央部に圧電素子の支持部材を設け、この支
持部材のインジェクタの長手方向の中心軸に垂直な面の
受圧面積を、隔壁で囲まれた領域の断面(インジェクタ
の中心軸に垂直な断面)の面積の1/3以下にしたこと
を特徴とするインジェクタ。
【0017】また、本発明の他の特徴は、更に、変形可
能な部材が燃料から受ける圧力の内、プランジャの軸方
向の成分を、可動部材に取り付けたバネの力よりも小さ
くしたことである。
【0018】また、本発明の他の特徴は、更に、流体の
中に可動部材から見て圧電素子とは反対側に変形可能な
部材を設けたことである。
【0019】また、本発明の他の特徴は、更に、可動部
材の内部に流体の通過可能な流路を形成したことであ
る。
【0020】また、本発明の他の特徴は、更に、隔壁の
一部、もしくはこれに装着した部材により、圧電素子を
支持する可動部材の可動範囲に制限を加えることであ
る。
【0021】また、本発明の他の特徴は、更に、圧電素
子の周囲に設けた燃料と素子とを隔離する構造物の内部
に弾性部材を設けたことである。
【0022】また、本発明の他の特徴は、自動車用の燃
料噴射システムにおいて、上述のインジェクタ有するこ
とである。
【0023】また、本発明の他の特徴は、さらに、圧電
式インジェクタを用いて、吸気行程と圧縮行程の両方で
燃料を噴射し、圧縮行程の噴射量を吸気行程の噴射量よ
りも小さくしたことである。
【0024】また、本発明の他の特徴は、吸気行程の噴
射量の割合を0.7〜0.9にしたことである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るインジェクタ
および燃料噴射システムの実施形態を図1乃至図25を
参照して説明する。なお、同一の部位,矢印等は同一符
号をもって示し重複した説明を省略する場合もある。
【0026】図1は、本発明の実施例の圧電式インジェ
クタの断面構造を示す図である。図2は、本発明の実施
例の圧電式インジェクタを用いた燃料噴射システムの構
成概略図である。図1(a)では、圧電素子11として
は5mm×5mm×40mmの積層型の中実素子を用いた。圧
電素子11は径φ10mm×15mmの可動部材16により
支持され、圧電素子11と可動部材16は、内管12と
内管31およびダイヤフラム15等で囲まれた領域に配
置した。そして、この中に粘度の高いシリコンオイルを
満たした。内管12および内管31は、ハウジング(図
中では外管13および外管32が相当する。)の内側に
配置し、燃料は燃料導入部33からハウジングと内管1
2,31の間を通り、電極取り出し部20においては燃
料貫通孔19を経由して、インジェクタ先端に供給でき
る構成にした。なお、ハウジングは電極取り出し部を除
いて外径19mmとし、内管12,31および外管13,
32、可動部材16(ダンパ)およびダイヤフラム15
はステンレス製とし、パッキン27は弗素系のゴムを用
いた。バネ26は10kgf、バネ25は6kgfとし、この
構成により圧電素子11が伸びると、プランジャ14が
インジェクタ先端に押し付けられて閉弁した。一方、圧
電素子11が縮むと、可動部材16がシリコンオイルの
粘性のため急激には動かないことから、バネ25の力の
みがプランジャ14に働き、開弁した。開閉弁の応答時
間は100μs程度であり、電磁式インジェクタの約1
/3の時間で弁が動くことがわかった。プランジャ14
の軸は、部材28により支持され、圧電素子11の伸縮
方向に動くように規制される。プランジャ14は、圧電
素子の歪動作に伴って往復動する弁体として作用する。
圧電素子と弁体との間においては、流体を介在すること
なく、固体部材及びまたは弾性部材を介して、力が伝達
される。
【0027】図1(b)は、ハウジング60の一部に燃
料の流路となる燃料貫通孔59を設け、ハウジング60
に圧電素子11と燃料とを分離する役目を担わせたもの
である。ここでは、圧電素子11から見て燃料導入部3
3側に位置する部材は図1(a)と同じで、図1(a)
と全く同じ原理で動作する。
【0028】本発明の実施態様(実施例)のインジェク
タは、燃料導入部33が、プランジャ14からみて、圧
電素子の背後または後方に位置している。したがって、
インジェクタの先端から中央に至る部分に、燃料導入部
といった大きなスペースを必要とする部材がなく、口径
も小さい。そのため、本発明の実施態様のインジェクタ
を用いれば、エンジンへの搭載に適した省スペース型の
インジェクタを構成できる。圧電素子11のリード11
7は、電極17を介して、インジェクタの外部(外管1
3,32より外)へ導かれる。
【0029】ここで、本発明の実施例のインジェクタと
比較例としての中空の圧電素子を用いたインジェクタの
口径を比較をすると次の様になる。
【0030】本発明の実施例では、内管12を外径1
2.5mm(内径8.5mm)とし、圧電素子11を内部に納
めた。また、外管13は内径13mm,外径19mmとし
た。なお、機械的な力に対しては余裕があることから、
内管12の外側に浅い溝を掘るなどの工夫をすれば、さ
らに小口径化が可能である。
【0031】一方、中空の圧電素子(円筒状)の場合、
中空部に燃料管が通り、その中にプランジャを配置する
必要がある。また、中空の圧電素子の場合、径方向の内
から外へ向かう力には弱いことから、ガソリンの燃圧が
中空の圧電素子に加わらないようにする必要がある。こ
れらのことを考慮すると、中空部を通る管,プランジャ
等を配置する空間を確保するためには、圧電素子の内径
は約11mmは必要となる。また、中空素子(中空の圧電
素子)は偏荷重に弱く、健全性を確保しようとすると、
素子の外径は少なくとも19mm〜20mmは必要である。
さらに、圧電素子のリード線を電極取出し部へ配線する
こと、圧電素子をインジェクタ内部に固定すること等を
考慮すると、インジェクタの口径(外径)は25mm以上
になり、エンジンに搭載する際に制約が生じる。
【0032】図2は、本発明の実施例の圧電式インジェ
クタを用いた燃料噴射システムの構成概略図である。イ
ンジェクタ部分は、図1と同様の構造である。電極17
を介して駆動回路204から圧電素子11を駆動する電
気信号205が印加される。駆動回路204は、制御回
路202からの制御信号203により制御される。制御
回路202は、各種センサ等からの情報201に基づき
制御信号203を生成する。また、燃料導入部33へ
は、燃料ポンプ207から管206を介して燃料が供給
される。燃料ポンプ207へは、管208を介して燃料
タンク209から燃料が供給される。
【0033】図3は本発明の実施例の電極取り出し部を
詳細に示した図である。また、図4は、電極取り出し部
の断面構造を示す。電極取り出し部20は内管12と溶
接するか、一体物から内管12と一緒に切り出した物を
用いた。電極取り出し部20には、燃料が通過する燃料
貫通孔19(流路)を設けた。図4に示す様に、燃料貫
通孔19(流路)から離れた位置に電極17と該電極1
7を外部(例えば、電極取り出し部20)から電気的に
絶縁する電気絶縁部18とを設けた。また、図3に示す
ように、燃料漏れを防止するため、パッキン27が、外
管側と内管側のそれぞれに設けられている。この構成に
より、燃料のトップフィード化が可能になった。
【0034】また、図3の構成は圧電素子11への電流
のパスが燃料から完全に隔離されるため安全性が高い。
特に、接合不良を起こしやすい圧電素子11のリード線
(図示せず)と電極17との接合部が内管12内に充た
されたシリコンオイル中に浸されることから、スパーク
が起こりにくく、万一起こったとしても燃料に引火する
可能性はほとんどない。
【0035】さらに、圧電素子11のリード線と電極1
7との接合部を電気絶縁性の部材で覆っておけば、2重
の引火防止対策となり、安全性は一段と向上する。
【0036】一般にガソリンには水分,酸が含まれてお
り、この中に圧電素子を浸すと圧電素子の劣化が起こる
ことがある。図1,図3および図4で示した構造のイン
ジェクタの場合、圧電素子11とガソリンが接していな
いことから、圧電素子に特殊な絶縁体物質によるオーバ
ーコートは不要である。
【0037】図5は、本発明の変形例の断面構造を示
す。図5に示すインジェクタは内管12,31および外
管13,32の一部を溶接によって接合したものであ
る。図1に示すようなゴム製のパッキン27を用いたイ
ンジェクタに比べ、より細型のインジェクタを構成でき
る。溶接以外でも、例えばかしめによる接合箇所を増や
せば、溶接の場合と同様の効果がある。他の構成は、図
1と同様である。
【0038】図6は、本発明の他の実施例の圧電式イン
ジェクタの断面構造を示す。図6に示したインジェクタ
も基本的には直動式(例えば、圧電素子11によるプラ
ンジャ14の駆動に液体を介在させない方式)でトップ
フィード型(例えば、燃料タンクからインジェクタへの
燃料供給が、プランジャ14からみて圧電素子11の背
面側(インジェクタの使用態様でみると高い(頭)側)
から行われる方式)のインジェクタである。図1の構成
と同様に、圧電素子11としては5mm×5mm×40mmの
積層型素子を用いた。圧電素子11はベロー29を介し
てφ10mm×15mmの可動部材16によって支持し、可
動部材16をシリコンオイルに満たした内管31の中に
配置した。内管31は外管32の内側に配置し、燃料は
燃料導入部33から外管32と内管31の間を通り、イ
ンジェクタ先端に供給する構成にした。インジェクタの
他の構成部材については、図1のインジェクタと同様に
した。図6の構造により、弁の高速開閉が可能で、省ス
ペース型のインジェクタを構成できた。図6の可動部材
16と圧電素子11の間のベロー29(もしくはダイヤ
フラム)は、圧電素子11とインジェクタ構成部材との
熱膨張差が発生すると駆動力を受けて変形する。それに
対して図1の構成では弁の開閉に伴ってベロー29ある
いはダイヤフラムが変形する。熱膨張差による変形と弁
開閉に伴う変形とを比べると、圧倒的に前者の方が回数
としては少ない。そのため、図6の構造は図1の構造に
比べて、変形部材の信頼性確保が容易である。
【0039】ここで、熱膨張差の緩和方法を具体的に説
明する前に、圧電素子の熱膨張について説明する。表1
は圧電素子11の熱膨張係数の測定結果の一例である。
【0040】
【表1】
【0041】測定は圧電素子11のリード線をオープン
状態,ショート状態,250V印加状態の3通り行っ
た。その結果、温度−40℃〜20℃での平均熱膨張係
数は、それぞれ7.0ppm/℃,−2.0ppm/℃,−2.
2ppm/℃,温度20℃〜150℃での平均熱膨張係数
は、それぞれ4.3ppm/℃,0ppm/℃,−2.5ppm/
℃となり、電気的な条件によって圧電素子の熱膨張特性
は大きく変化した。また、これらの値は圧電素子の受け
た温度的,電気的な履歴にも影響を受けることを見出し
た。
【0042】インジェクタの場合、圧電素子の温度条件
あるいは電気的条件は時々刻々と変化することから、通
常の構造材で用いられる手法、例えば圧電素子と熱膨張
係数の異なる構造部材を圧電素子に装着し、周辺の部材
との熱膨張を補償するという方法も可能であるが、更な
る工夫が望ましい。
【0043】また、圧電素子の熱膨張特性は極めて複雑
であるため、何らかのデータベースを用意し、熱膨張差
を能動的な制御(圧電素子にかける電界の制御)によっ
て補償することも可能であるが、更なる工夫が望まし
い。これらの点を考慮して製作した熱膨張差の緩和機構
を図7を用いて説明する。
【0044】図7は、本発明の実施例のダンパの動作原
理を示す図である。前述した様に、内管31の内部には
ダンパである可動部材34とバネ35を配置し、内管3
1の内部はシリコンオイル36で満たした。圧電素子1
1の一方は、支持部材57を介して可動部材34に接続
される。シリコンオイルは、変形可能なダイヤフラム1
1の熱膨張差を、バネ35の伸縮動作により緩和でき
る。ところで、圧電素子弾性力を受ける状態でプランジ
ャ14に接続される。これらの部材は、ハウジング56
により覆われる。可動部材34をバネ35によって、一
定のバネ圧で押す構造とした。これによって、インジェ
クタの温度変化によって発生する圧電素子11の熱膨張
差を、バネ35の伸縮動作により緩和できる。ところ
で、圧電素子11の電気信号による伸縮動作に伴って可
動部材34が動くと、プランジャがインジェクタ先端か
ら離れず、開弁しないという問題が生じる。この意味で
は、可動部材34は動いて欲しくない。これは熱膨張の
緩和と相反する要請であるが、圧電素子11の熱膨張は
1秒のオーダーの現象であり、圧電素子11の電気信号
による伸縮動作は、10-4秒のオーダーの現象である。
そこで、この点を利用すると、相反する要請を満たすこ
とが可能である。
【0045】まず、可動部材34は、温度が変化した時
に熱膨張差に追従して動くことが求められ、インジェク
タの温度変化が最も激しい状態での熱膨張差を追従でき
るだけの能力が必要となる。この値をインジェクタ(圧
電素子)の温度変化率,圧電素子とインジェクタ構成部
材との熱膨張係数の差および圧電素子の素子長さから求
めた。すると熱膨張差に追従するためのダンパー移動速
度は、約0.1μm/s以上となった。一方、弁の開閉
のために素子が伸縮する場合は、固定端として作用する
必要があり、可動部材に許される移動速度は燃料噴射時
に許されるストロークの変化量から求めた。その結果、
許容できる固定壁として作用するためのダンパの移動速
度は約500μm/s以下であることを見出した。以上
の検討結果から、熱膨張の緩和と固定端としての働きが
両立できる条件は、図8に示す様にダンパーの移動速度
が0.1μm/s 以上,500μm/s以下の範囲であ
ることが望ましい。
【0046】次に、可動部材の可動範囲については、イ
ンジェクタの動作温度範囲が−40℃以上150℃以下
であること、圧電素子およびインジェクタ構造部材の熱
膨張係数,燃料供給時(加圧時)の圧電素子の収縮とハ
ウジングの膨張,バネ圧による圧電素子の収縮,脱分極
現象などを考慮すると、可動部材の室温時の静止点を原
点にとると、少なくとも−150μm以上,40μm以
下の可動範囲が必要であることを見出した。
【0047】以上述べたことを念頭に置いてインジェク
タを作成するためのいくつかの工夫を、次に説明する。
【0048】まず、図7の可動部構造を試作して燃料を
供給したところ、支持部材57の大きなインジェクタで
は、圧電素子11に加わる荷重が小さく、完全に閉弁し
なかった。これは次の理由による。燃料供給時には7〜
12MPaの圧力がシリコンオイル36に加わるため、
シリコンオイル36は約1%程度の体積減少を起こす。
ダイヤフラム15の支持部材57が大きくなると、ダイ
ヤフラム15の変形領域が減り、シリコンオイルの体積
変化に追従して変形できなくなったと考えられる。その
ため、燃圧とシリコンオイル36の内圧が一致しなくな
り、バネ25,バネ35およびハウジング56からの抗
力に、燃圧,シリコンオイルの内圧、さらにはダイヤフ
ラム15に発生する応力がプランジャ14に加わり、プ
ランジャ14が本来静止する位置からずれた位置で静止
したと考えられる。また、温度の変化によって、シリコ
ンオイル36の圧縮率、あるいはダイヤフラムの弾性定
数が変化することから、ダイヤフラムから圧電素子11
に加わる力は温度依存性を有することもわかった。前述
した原因から考えると、その解決策としては、ダイヤフ
ラムの凹凸の振幅を可能な限り大きくし、変形領域を大
きくすることが望ましい。現実には、スペースの問題あ
るいはダイヤフラムの強度的な問題のため、ダイヤフラ
ムの寸法,形状には制約があるので、次の工夫をした。
【0049】弗素系ゴムで作製した概略平坦なダイヤフ
ラム15を用いて、支持部材57の直径を変化させ、圧
電素子11に所定の力(約10kgf)が加わる条件を探索
した結果、支持部材57の受圧面積を隔壁で囲まれた領
域の断面積(インジェクタの中心軸方向に垂直な断面)
の1/3以下にすれば良いことを見出した。
【0050】また、同様の解決策としては、図9に示す
様にハウジング56と比較して小型(少なくとも圧電素
子11をカバーするに足る大きさ)のベロー41を介し
て圧電素子11にバネ35から力を加える構成も有効で
あることがわかった。表2は燃圧が7MPaの場合のベ
ローの直径(mm)(表2では、受圧部寸法と表示。)
と、燃料によって可動部材34側に加えられる力(表2
では、燃圧荷重(kgf)と表示。)との関係を示す。ベロ
ーの直径が2mmの場合、燃圧荷重が2.2kgfである。ベ
ローの直径が3mmの場合、燃圧荷重が4.9kgfである。
ベローの直径が4mmの場合、燃圧荷重が8.8kgfであ
る。ベローの直径が6mmの場合、燃圧荷重が19.7kgf
である。表2から分かるように、ベローの直径を小さく
すると、燃料側から可動部材34側への荷重が小さくな
る。この値をバネ35の力に比べて十分に小さくなるよ
うにすれば、圧電素子11をプランジャ14側に押し込
む力をほぼ一定に保持できることがわかった。
【0051】
【表2】
【0052】図10は、ダンパ(図中の可動部材34を
含む構造)が生み出す荷重の変化(場所による違い)を
小さくするために、シリコンオイル36の中に弾性部材
42(例えば弗素系ゴム)を配置した実施例を示す。な
お、図7から図10までは、説明のため燃料の流路等を
省略して図示している。
【0053】図11は、本発明の実施例のダイヤフラム
(可動部材34)の位置と抗力との関係を示す図であ
る。図11中の曲線111に示す様に、弾性部材42が
ない場合は、燃料の圧力に対してシリコンオイル36中
で発生する内圧(抗力)が、曲線112に示す弾性部材
42がある場合と比較して、可動部材34の位置によっ
て急激に変化する(図中のΔXが、曲線111の場合が
曲線112の場合より小さい)。圧電素子11の受ける
力は、厳密には、燃圧,シリコンオイル36の内圧,バ
ネ25,バネ35およびプランジャ14がハウジング5
6から受ける抗力,ダイヤフラムによる引っぱり力等の
バランスで決定され、圧電素子が静止した条件下では、
これらの合力は0である。従って、この中のいずれか
が、可動部材34の位置によって大きく変化する特性を
有していると、圧電素子11の受ける力も可動部材34
の位置によって変化する。
【0054】そこで、弾性部材42を図10の様に配置
すると、図11の曲線112に示す様に可動部材34の
位置によって発生する抗力の変化率が減少し、圧電素子
11への荷重も可動部材34の位置の影響を受けにくく
なった。その結果、所定の力を圧電素子11側に常に加
えることができた。
【0055】以上述べた実施例は、ダイヤフラムあるい
はベローといった変形部材を一箇所に設けた場合のもの
であるが、変形部材を2箇所以上設けることによっても
同様の目的を達成できる。
【0056】例えば、図12は変形部材として、ベロー
41とベロー43を設けることによって、燃圧と内管3
1中のシリコンオイル36との力のバランスをとり、内
管31に固定したバネ35によって圧電素子(図示せ
ず)に荷重を加える構造を示す。
【0057】1つのダイヤフラムによって、大きな可動
範囲を確保しようとした場合、口径の大きなものになり
がちであるが、図13の様に変形部材を2箇所(ベロー
41とベロー43)以上設けている。また可動部材34
には、シリコンオイル36の流路45が形成されてい
る。ベロー41とベロー43のような圧電素子(図示し
ないが、位置関係は図1等と同様である。)の軸方向に
伸びるものを用いると、径の小さなダンパになるため、
インジェクタを小口径化しやすい。
【0058】ところで、上記実施例は基本的に可動部材
34と内管31との間をシリコンオイル36が通過する
際の摺動抵抗によって、ダンピング効果を実現するもの
であった。これに対して、図13の様に可動部材の内部
にも流路45を介してシリコンオイルを通過させること
によっても同様の機能を実現できることがわかった。次
に、インジェクタの応答性を考えてみると、図1の構造
のインジェクタで高い応答性を実現するためには、ダイ
ヤフラム15がプランジャ14の運動に影響を与えない
様にダイヤフラム15を薄肉状のものにする必要があ
る。この場合、インジェクタ組み立て時に、バネ25に
よってダイヤフラムあるいはベロー等に許容値を超える
荷重が加わり、これらを破損する可能性がある。
【0059】図14の実施例はこの可能性に対する対策
を示し、ストッパ46によりダイヤフラム15に過大な
変位を起こさせない様にしたもので、これによりダイヤ
フラム15の健全性が向上する。
【0060】また、図15に示す実施例の様に、内管1
2の先端にストッパ47を設けることもできる。ストッ
パ47は、プランジャ14を貫通させる開口を有してい
る。これにより、ダイヤフラム15の過大な変位を起こ
させない。よって、インジェクタ組み立て時に、バネ2
5によってダイヤフラム15あるいはベロー等に許容値
を超える荷重が加わることがなく、一段とダイヤフラム
15等の破損を防止できた。
【0061】図1に示すインジェクタの場合、ダイヤフ
ラム15の運動に伴って、内管12に圧力分布が発生
し、封入されたシリコンオイルの流動がおこり、これが
ダイヤフラムの運動に対する抵抗として働く場合があり
うる。そこで、この課題を解決するため、ダイヤフラム
近傍に図16に示すフッソ系ゴムによる弾性部材48を
設けた。その結果、この弾性部材48が微小な圧力変動
を吸収し、オイルの流動を抑えることから、応答性の低
下を抑制できる。
【0062】図17および図18は、本発明の実施例の
ボールジョイントを用いたインジェクタの断面構造を示
す図である。図17では、プランジャ14とダイヤフラ
ム15の間に、ボールジョイント50を圧電素子11の
長軸(大きい伸縮を示す方向)上に設置した。圧電素子
11に加わる偏荷重を低減できることから、圧電素子1
1の破損を防止できる。図18では、ダイヤフラム15
と圧電素子11との間に、ボールジョイント50を圧電
素子11の長軸(大きい伸縮を示す方向)上に設置し
た。この場合も圧電素子11に加わる偏荷重を低減でき
ることから、圧電素子11の破損を防止できる。
【0063】図19は、本発明の実施例のインジェクタ
のノズル部の断面構造を示す図である。図20は、本発
明の実施例のインジェクタのストロークと流量の関係を
示す図である。一般に、圧電素子のストロークは、温度
依存性があり、また現実には製造した素子の1つ1つに
わずかながらストロークの違いがある。ストロークの差
がそのまま流量に反映されると、各インジェクタの流量
特性に差が生じる。そこで、図19に示すプランジャの
先端のボール弁51とインジェクタノズル部52との間
の流路の断面積(最大変位時)である流路断面積Aをイ
ンジェクタノズル部の先端の流路の断面積である流路断
面積Bよりも小さく(図20中のオリフイス流量制御
型)すれば、流量とストロークの関係は、図20に示す
様にストロークの大きな領域では流量が、所定の定格値
で飽和する特性を示し、この特性を用いることにより、
圧電素子のストロークの温度依存性およびばらつきの影
響を低減できる。図20中のストローク依存型は、プラ
ンジャ14の先端のボール弁51とインジェクタノズル
部52との間の流路の断面積(最大変位時)である流路
断面積Aをインジェクタノズル部の先端の流路の断面積
である流路断面積Bよりも大きいばあいである。
【0064】図21は、本発明の実施例の固定部材を用
いたインジェクタの断面構造を示す図である。圧電式イ
ンジェクタにおいては、圧電素子に対する偏荷重がわず
かであったとしても、圧電素子を高速で駆動するため、
圧電素子が回転運動を起こし、素子のリード線が断線す
ることがあった。図21はこの課題の対策例を示し、ダ
イヤフラム15と圧電素子11の間に、圧電素子11よ
りも一回り大きな角状の溝を堀った固定部材58を設け
たもので、これによって圧電素子11の回転を防止でき
た。固定部材58の溝は、一般に角型形状の断面形状を
有する圧電素子11の一端が嵌まるように、圧電素子1
1よりも一回り大きな角状の溝となっている。したがっ
て、回転を防止したい圧電素子11の断面形状に対応し
て固定部材の溝形状は決定される。
【0065】図22および図23は、本発明の実施例の
インジェクタノズル部の断面構造を示す図である。ま
た、プランジャ14にストッパを設けることも考えられ
る。その場合は、プランジャ14がストッパに衝突した
瞬間に流路の一部が塞がれることによって流量特性に微
妙に影響を与える課題が考えられる。図22および図2
3は、この課題を解決するための実施例を示し、図22
の例は、図1の部材28に対応した部材55(プランジ
ャ14の動作のガイド(プランジャ14の動作の偏心を
防止する機能を有する。)を果たす。)に流路を形成す
るものである。図23の例は、プランジャ14自身に燃
料の流路54を形成したものである。即ち、ボール弁5
1を支持する部材53に流路54を形成する。これらに
より、プランジャ14が部材55へ衝突もしくは近づい
た時の流量変動を抑制できる。また、部材55によりプ
ランジャ14の軸に垂直な方向への運動を制約すること
により、噴射特性の再現性を向上できるとともに、プラ
ンジャ14の先端部分の破損頻度を低減できることがわ
かった。
【0066】次に、図24は、本発明の実施例のインジ
ェクタを用いた噴射システムの動作を示す図である。ま
た、図25は、本発明の実施例の予混合割合とNOx排
出量との関係を示す図である。
【0067】図24は、本発明による圧電式インジェク
タを用いた燃料噴射システムに関する実施例を示す。同
図右欄に示すように、内燃機関(エンジン)のシリンダ2
43内にピストン244があり、その上部に点火プラグ
241およびシリンダ243内壁とピストン244によ
り作られた燃焼室内に直噴方式で燃料を供給する圧電式
インジェクタ242がある。現在、排気ガスの浄化が強
く望まれており、特にNOxの低減は技術的にも難しい
重要な課題となっている。図24の左欄の比較例のグラ
フに示す様に、一般の直噴エンジンは、燃料を圧縮行程
における1回噴射(例えば15mcc)であったが、この場
合、図24の右欄上段に示す様に、燃料が集中し、燃焼
温度が局所的に上がりすぎ、NOxが発生しやすいとい
う問題があった。
【0068】一方、図24の左欄の多段噴射のグラフに
示す様に、燃料噴射を吸気行程(例えば12mcc)と圧
縮行程(例えば3mcc)の2回に分け、圧縮行程での燃
料噴射量を少なくすると燃料の集中が防止され、局所的
な温度上昇を低減でき、その結果NOxを低減できる。
【0069】また、吸気行程の予混合の割合を0.7〜
0.9にすることにより図25に示す様にNOx排出量
を約1/2に低減できる。
【0070】以下に本発明の特徴を例示する。
【0071】1.燃料通路の開閉を行うプランジャ,プ
ランジャを駆動する中実の圧電素子,プランジャを駆動
するバネ,これらを固定する治具およびハウジング(イ
ンジェクタの最も外側の構造部材)等から構成されたイ
ンジェクタにおいて、圧電素子および圧電素子を支持す
る部材の周囲に、これらを燃料から隔離する構造物(隔
壁)を設け、燃料をハウジングと隔壁との間を通過させ
るか、ハウジングの一部に流路となる穴を設けて、イン
ジェクタ先端に供給するとともに、燃料供給ラインとイ
ンジェクタとの接合部(燃料導入部)を、プランジャか
ら見て、圧電素子より後方(又は背部)に配置すること
である。
【0072】2.上記1.において、圧電素子のリード
線を装着する電極を有する部材を設け、この部材の電極
とは離れた位置に、燃料が通過する流路を設けることで
ある。
【0073】3.燃料通路の開閉を行うプランジャ,プ
ランジャを駆動する中実の圧電素子,プランジャを駆動
するバネ、これらを固定する治具およびハウジング等か
ら構成されたインジェクタにおいて、燃料に対して圧電
素子を保護する保護膜(オーバーコート)を圧電素子に
施し、燃料を該圧電素子と隔壁との間を通過させてイン
ジェクタ先端に供給するとともに、燃料供給ラインとイ
ンジェクタとの接合部(燃料導入部)を、プランジャか
ら見て、圧電素子より後方に配置することである。
【0074】4.燃料通路の開閉を行うプランジャ,プ
ランジャを駆動する中実の圧電素子,プランジャを駆動
するバネ,これらを固定する治具およびハウジング等か
ら構成されたインジェクタにおいて、圧電素子を支持す
る可動部材の移動速度が、インジェクタ動作時に0.1
μm/s 〜500μm/sの範囲内とすることであ
る。
【0075】5.燃料通路の開閉を行うプランジャ,プ
ランジャを駆動する中実の圧電素子,プランジャを駆動
するバネ,これらを固定する治具およびハウジング等か
ら構成されたインジェクタにおいて、圧電素子を支持す
る可動部材が、室温時の静止点を原点とした時、少なく
とも−150μm〜40μmの移動ができるようにする
ことである。
【0076】6.上記1.又は3.において、固定部材
に取り付けたバネと連結した可動部材(例えば、ダンパ
ー)によって圧電素子を支持し、可動部材の周囲に流体
を充填し、隔壁の一部に変形可能な部材(例えば、ダイ
ヤフラム又はベロー(ベローズとも称する。)を設ける
ことである。
【0077】7.上記6.において、変形可能な部材の
中央部に圧電素子の支持部材を設け、この支持部材のイ
ンジェクタの長手方向の中心軸に垂直な面の受圧面積
を、隔壁で囲まれた領域の断面(インジェクタの中心軸
に垂直な断面)の面積の1/3以下にすることである。
【0078】8.上記6.において、変形可能な部材が
燃料から受ける圧力の内、プランジャの軸方向の力を、
可動部材に取り付けたバネの力よりも小さくすることで
ある。
【0079】9.上記6.において、流体の中に可動部
材(例えば、ダンパー)から見て圧電素子とは反対側に
変形可能な部材(例えば、)を設けることである。
【0080】10.上記6.において、可動部材の周囲
に設けた隔壁に2箇以上の変形可能な部材を設けること
である。
【0081】11.上記6.において、可動部材の内部
に流体の通過可能な流路を形成することである。
【0082】12.上記1.又は3.において、隔壁の
一部、もしくはこれに装着した部材により、圧電素子を
支持する可動部材の可動範囲に制限を加えることであ
る。
【0083】13.上記1.,3.,4.又は5.にお
いて、圧電素子の周囲に設けた燃料と素子とを隔離する
構造物の内部に弾性部材を設けることである。
【0084】14.上記1.,3.,4.又は5.にお
いて、圧電素子とプランジャとを機械的に接続する部材
の一部にボールジョイントを設けることである。
【0085】15.上記1.,3.,4.又は5.にお
いて、インジェクタ先端のノズルの流路断面積を、開弁
状態におけるプランジャ先端部とノズルの間の流路断面
積よりも小さくすることである。
【0086】16.上記1.,3.,4.又は5.にお
いて、プランジャの可動範囲を制限し、かつ燃料が通過
可能な構造部材を設けることである。
【0087】17.上記1.,3.,4.又は5.にお
いて、プランジャの可動範囲を制限し、プランジャ内部
に燃料の通過する流路を形成することである。
【0088】18.上記1.,3.,4.又は5.にお
いて、プランジャの軸に垂直な方向への運動を制限する
部材を設けることである。
【0089】19.上記1.,3.,4.又は5.にお
いて、圧電素子の軸方向の回転を制約する部材を圧電素
子に接合することである。
【0090】20.上記1.,3.,4.又は5.に記
載の圧電式インジェクタを用いて、吸気行程と圧縮行程
の両方で燃料を噴射し、圧縮行程の噴射量を吸気行程の
噴射量よりも小さくすることである。
【0091】21.上記20.において、吸気行程の噴
射量の割合を0.7〜0.9にすることである。
【0092】以上によれば、省スペース構造で、広範な
温度で健全性を保ち、安定した特性を発揮できる高速応
答のインジェクタを実現できる。また、排気ガス中のN
Ox低減に有効な燃料噴射システムを構築できる。
【0093】
【発明の効果】本発明によれば、内燃機関に好適な燃料
供給用のインジェクタを提供できる。また、本発明によ
れば、排気ガス中のNOxを低減できる燃料噴射システ
ムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の圧電式インジェクタの断面構
造を示す図である。
【図2】本発明の比較例の圧電式インジェクタの断面構
造を示す図である。
【図3】本発明の実施例の圧電式インジェクタの電極取
り出し部を詳細に示す図である。
【図4】本発明の実施例の圧電式インジェクタの電極取
り出し部の断面構造を示す図である。
【図5】本発明の実施例の断面構造を示す図である。
【図6】本発明の実施例の圧電式インジェクタの断面構
造を示す図である。
【図7】本発明の実施例のダンパの概略構成を示す図で
ある。
【図8】本発明の実施例の可動部材の許容される移動速
度を示す図である。
【図9】本発明の実施例のベローを用いたインジェクタ
の概略構成を示す図である。
【図10】本発明の実施例の弾性部材を用いたインジェ
クタの断面構造を示す図である。
【図11】本発明の実施例のダイヤフラムの位置と抗力
との関係を示す図である。
【図12】本発明の実施例のベローを有するインジェク
タの断面構造を示す図である。
【図13】本発明の実施例の可動部材中に流路を形成し
たインジェクタの断面構造を示す図である。
【図14】本発明の実施例のストッパを設けたインジェ
クタの断面構造を示す図である。
【図15】本発明の実施例のストッパを設けたインジェ
クタの断面構造を示す図である。
【図16】本発明の実施例の弾性部材を用いたインジェ
クタの断面構造を示す図である。
【図17】本発明の実施例のボールジョイントを用いた
インジェクタの断面構造を示す図である。
【図18】本発明の実施例のボールジョイントを用いた
インジェクタの断面構造を示す図である。
【図19】本発明の実施例のインジェクタのノズル部の
断面構造を示す図である。
【図20】本発明の実施例のインジェクタのストローク
と流量の関係を示す図である。
【図21】本発明の実施例の固定部材を用いたインジェ
クタの断面構造を示す図である。
【図22】本発明の実施例のインジェクタノズル部の断
面構造を示す図である。
【図23】本発明の実施例のインジェクタノズル部の断
面構造を示す図である。
【図24】本発明の実施例のインジェクタを用いた噴射
システムの動作を示す図である。
【図25】本発明の実施例の予混合割合とNOx排出量
との関係を示す図である。
【符号の説明】
11…圧電素子、12,31…内管、13,32…外
管、14…プランジャ、15…ダイヤフラム、16…可
動部材、17…電極、18…電気絶縁部、19…燃料貫
通孔、20…電極取り出し部、21…溶接部、22…ケ
ーシング、25,26,35…バネ、27…パッキン、
28,53,55…部材、29,41,43…ベロー、
33…燃料導入部、34…可動部材、36…シリコンオ
イル、42,48…弾性部材、45,54,59…流
路、46,47…ストッパ、50…ボールジョイント、
51…ボール弁、52…インジェクタノズル部、56,
60…ハウジング、57…支持部材、58…固定部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大須賀 稔 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 野木 利治 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 白石 拓也 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 岡本 良雄 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 田辺 好之 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 濱田 泰久 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式会 社日立カーエンジニアリング内 Fターム(参考) 3G066 AA02 AB02 AD12 BA19 BA25 BA33 BA40 BA67 CC01 CC06T CC06U CC08U CC51 CC64U CC66 CD10 CD14 CD16 CD17 CD26 CD28 CD29 CD30 CE27 CE30 CE34

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料通路の開閉を行うプランジャと、プラ
    ンジャを駆動する中実構造の圧電素子と、圧電素子を燃
    料から隔離する隔壁と、これらを保持するハウジングと
    を有するインジェクタであって、燃料をハウジングと隔
    壁との間を通過させるか、ハウジングの一部に流路とな
    る穴を設けて、インジェクタ先端に供給するとともに、
    インジェクタへの燃料導入部を、プランジャから見て、
    圧電素子より後方に配置したことを特徴とするインジェ
    クタ。
  2. 【請求項2】請求項1において、圧電素子のリード線を
    装着する電極を有する部材を設け、この電極から離れた
    位置に、燃料が通過する流路を設けたことを特徴とする
    インジェクタ。
  3. 【請求項3】燃料通路の開閉を行うプランジャと、プラ
    ンジャを固体または弾性体を介して駆動する中実構造の
    圧電素子と、これらを保持するハウジングとを有するイ
    ンジェクタであって、燃料を、ハウジングと、燃料から
    保護する保護膜を有する圧電素子との間を通過させてイ
    ンジェクタ先端に供給するとともに、インジェクタへの
    燃料導入部を、プランジャから見て、圧電素子の後背部
    側に有することを特徴とするインジェクタ。
  4. 【請求項4】燃料通路の開閉を行うプランジャ,プラン
    ジャを駆動する中実の圧電素子,圧電素子を支持する可
    動部材とを有し、可動部材の移動速度が、インジェクタ
    動作時に0.1μm/s 〜500μm/sの範囲内にあ
    ることを特徴とするインジェクタ。
  5. 【請求項5】燃料通路の開閉を行うプランジャ,プラン
    ジャを駆動する中実の圧電素子,圧電素子を支持する可
    動部材とを有し、圧電素子を支持する可動部材が、室温
    時の静止点を原点とした時、少なくとも−150μm〜
    40μmの移動ができることを特徴とするインジェク
    タ。
  6. 【請求項6】請求項1または請求項3において、固定部
    材に取り付けたバネと連結した可動部材によって圧電素
    子を支持し、可動部材の周囲に流体を充填し、隔壁の一
    部に変形可能な部材を設けたことを特徴とするインジェ
    クタ。
  7. 【請求項7】請求項6において、変形可能な部材の中央
    部に圧電素子の支持部材を設け、この支持部材のインジ
    ェクタの長手方向の中心軸に垂直な面の受圧面積を、隔
    壁で囲まれた領域の断面(インジェクタの中心軸に垂直
    な断面)の面積の1/3以下にしたことを特徴とするイ
    ンジェクタ。
  8. 【請求項8】請求項6において、変形可能な部材が燃料
    から受ける圧力の内、プランジャの軸方向の成分を、可
    動部材に取り付けたバネの力よりも小さくしたことを特
    徴とするインジェクタ。
  9. 【請求項9】請求項6において、流体の中に可動部材か
    ら見て圧電素子とは反対側に変形可能な部材を設けたこ
    とを特徴とするインジェクタ。
  10. 【請求項10】請求項6において、可動部材の内部に流
    体の通過可能な流路を形成したことを特徴とするインジ
    ェクタ。
  11. 【請求項11】請求項1または請求項3において、隔壁
    の一部、もしくはこれに装着した部材により、圧電素子
    を支持する可動部材の可動範囲に制限を加えることを特
    徴とするインジェクタ。
  12. 【請求項12】請求項1,請求項4または請求項5にお
    いて、圧電素子の周囲に設けた燃料と素子とを隔離する
    構造物の内部に弾性部材を設けたことを特徴とするイン
    ジェクタ。
  13. 【請求項13】自動車用の燃料噴射システムにおいて、
    請求項1,請求項3,請求項4または請求項5に記載の
    圧電式インジェクタを有することを特徴とする燃料噴射
    システム。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の圧電式インジェクタ
    を用いて、吸気行程と圧縮行程の両方で燃料を噴射し、
    圧縮行程の噴射量を吸気行程の噴射量よりも小さくした
    ことを特徴とする燃料噴射システム。
  15. 【請求項15】請求項13または請求項14において、
    吸気行程の噴射量の割合を0.7〜0.9にしたことを特徴
    とする燃料噴射システム。
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