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JP2000144294A - プレス成形性およびヘム加工性に優れたアルミニウム合金板 - Google Patents

プレス成形性およびヘム加工性に優れたアルミニウム合金板

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JP2000144294A
JP2000144294A JP10322382A JP32238298A JP2000144294A JP 2000144294 A JP2000144294 A JP 2000144294A JP 10322382 A JP10322382 A JP 10322382A JP 32238298 A JP32238298 A JP 32238298A JP 2000144294 A JP2000144294 A JP 2000144294A
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Japan
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aluminum alloy
alloy sheet
press formability
average
alloy
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JP10322382A
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Manabu Nakai
学 中井
Mariko Sakata
真理子 坂田
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輸送機の軽量化のために、より高い耐力とを
有するとともに、優れたプレス成形性とヘム加工性を有
するAl合金板を提供する。 【解決手段】 Mg:0.2〜1.6%、Si:0.2〜1.8%、Mn:0.01
〜0.30% を含むとともに、Feを0.30% 以下に規制し、残
部Alおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金材
であって、溶体化処理後のミクロ組織における再結晶粒
の平均結晶粒径が45μm 以下であり、Al-Fe 系およびMg
2Si 晶出物の平均径が5 μm 以下であるとともに該晶出
物間の平均間隔が20μm 以上であり、かつ分散粒子の平
均径が0.02〜0.8 μm であるとともに単位体積当たりの
個数が1 個/ μm3以上であるものとすることである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレス成形性およ
びヘム加工性に優れたAl合金板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車、船舶あるいは車両などの輸送機
の外板や構造材あるいは部品用、また家電製品の構造材
あるいは部品用、更には屋根材などの建築、構造物の部
材用として、成形性に優れたAA乃至JIS5000 系や成形性
や焼付硬化性に優れたAA乃至JIS 6000系 (以下、単に50
00系乃至6000系と言う) のAl合金が使用されている。こ
の中でも、特に、自動車のドアやフェンダーあるいはボ
ンネットなどのパネル材或いはホイール等についても、
前記材料特性やリサイクル性の点から、6000系のAl合金
の使用が検討されている。
【0003】この6000系Al合金は、基本的にSi:0.2〜1.
8%(mass%、以下同じ) 、Mg:0.2〜1.6%を含有するAl-Mg-
Si系アルミニウム合金である。そして、この6000系Al合
金は、プレス成形加工時には成形加工性を低耐力により
確保するとともに、プレス成形後の焼付塗装時に時効硬
化して耐力が向上し、必要な強度を確保できる。また、
スクラップをAl合金溶解原料として再利用する際に、比
較的合金量が少なく、元の6000系Al合金鋳塊を得やす
い。したがって、従来から輸送機用として使用されてき
たMg量などの合金量が多い5000系のAl合金に比して有利
である。
【0004】一方、Al合金板を輸送機用のパネルなどと
するためには、Al合金板を前記部材形状にするための、
深絞り、張出し、曲げ、伸びフランジなどのプレス成形
加工が施される。この際、深絞りや張出し、或いは伸び
フランジ成形においては、高い深絞り性 (限界絞り比,
LDR)や高い形状凍結性を確保することが必要である。そ
して製品乃至部材形状の複雑化に伴い、プレス成形加工
条件は益々厳しいものとなっている。
【0005】しかし、6000系Al合金板は、従来プレス成
形用に用いられている鋼板に比してプレス成形性が著し
く劣り、従来用いられていた5000系Al合金板などに比し
てもプレス成形性が劣っている。例えば、6000系Al合金
板は、板の圧延方向に対し45°または90°方向のr 値で
あるr45 および/ またはr90 が0.7 以下程度であるのに
対し、50000 系Al合金板はr45 および/ またはr90 が0.
8 程度ある。
【0006】したがって、6000系Al合金板が前記輸送機
用のパネル材として用いられるためには、より高いプレ
ス成形性、そして特にプレス成形の中でも、深絞り成形
性の指標として、限界絞り高さ (比) が高いことが必要
である。そして、近年、前記深絞り成形における要求限
界絞り深さは益々大きくなっており、2.0 以上の高いLD
R が必要とされる。このため、6000系Al合金板は、これ
らを満足する成形性を有する必要がある。
【0007】また、自動車のアウターパネルなどでは、
深絞りや張出しなどの成形後に、前記ヘム加工、即ち、
曲げ中心半径(R) と板厚(t) との比(R/t) が3.0 以下
の、加工条件の厳しいロープヘム加工やフラットヘム加
工と呼ばれる180 °曲げ加工が行われる。
【0008】そして、従来用いられている5000系Al合金
板などに比して、6000系Al合金板は、この180 °曲げ加
工において、板の曲げ部分に特に割れが生じやすい。し
たがって、6000系Al合金板が、輸送機のアウターパネル
などに適用されるためには、前記加工条件の厳しいヘム
加工を受けても割れが生じない、曲げ加工時の割れ性に
も優れることが必須となる。
【0009】更に、自動車などの輸送機の軽量化のため
には、より薄肉化するとともに、より高い引張強さと高
い耐力とを有するAl合金板が求められており、これらの
高強度化は、前記深絞り成形性の問題 (成形性の低下)
を益々助長することにつながる。
【0010】このため、益々条件が厳しくなっている前
記プレス成形性をクリアーして、6000系Al合金板が輸送
機の前記パネルなどに適用されるために、プレス成形技
術の側面からだけではなく、6000系Al合金板の素材側の
プレス成形性を高める多大な努力が従来から払われてい
る。
【0011】代表的な技術は、6000系Al合金板の化学成
分組成を制御することである。例えば、特開昭64-65243
号、特開平5-291834号、特開平7-228939号公報等に開示
されている通り、6000系Al合金板の基本組成としてのSi
(過剰Si量) やMg量、あるいはMg2Si 等の晶出物の量や
形態を制御することが開示されている。また、Cuなどを
添加して成形性を向上させることが、特開平6-2064号、
特開平6-136478号、特開平8-109428号、特開平9-209068
号、特開平9-202933号公報等で多数提案されている。
【0012】更に、Al合金板表面をショットダルやレー
ザーダルによるダル仕上げとしたロールで圧延してダル
目をAl合金板表面に転写して粗面化し、成形加工の際の
潤滑性を向上させ、成形性を向上させることが、特開昭
61-46304号、特開昭63-180331 号、特開平8-168826号、
特開平9-78169 号公報等で多数提案されている。
【0013】また、通常のAl合金板表面や前記粗面化し
たAl合金板表面に、予めワックスや樹脂などの液体乃至
固体潤滑剤や潤滑油を予め塗布したプレコート板とする
ことが、特開平7-90458 号、特開平7-126785号、特開平
8-168826号公報等で多数提案されている。
【0014】そして、プレス成形方法の側でも、シワ押
さえ力(BHF) を調整したり、高粘度油を用いる或いは潤
滑油の塗布量を調整するなど、成形条件を調節して成形
性を改善している。
【0015】しかし、6000系Al合金板の基本組成として
のSi量やMg量、あるいはMg2Si 等の晶出物の量や形態を
制御する方法は、基本的にSiやMg量を下げて、低い耐力
化を図るものであるが、前記焼付硬化性 (高耐力化) の
点から、低減できるSiやMg量に限界がある。
【0016】また、確かにCuを添加すると成形性は向上
するものの、塗装後耐蝕性である耐糸錆び性が劣化す
る。即ち、より具体的には、Cuを0.3%以上添加すると、
Cuを添加しないものに比して、極端に耐糸錆び性が劣化
することが知られている。
【0017】更に、Al合金板表面を粗面化したり、潤滑
剤を塗布する方法は、成形性の向上に一定の効果がある
ものの、前記プレス成形の条件の厳しさに対応できるだ
けの成形性向上効果を有するものではない。
【0018】そして、決定的な問題は、これら従来の深
絞り性などの改善技術によっても、前記ヘム加工などの
曲げ加工時の割れ性が改善できるわけではない点であ
る。
【0019】したがって、従来の特に6000系Al合金板で
は、プレス成形の条件の厳しさに対応できず、自動車の
アウターパネルなどの成形用途では、曲げ中心半径(R)
と板厚(t) との比(R/t) などを段階的に小さくするよう
な複数工程として、効率を落として曲げ加工するか、割
れを生じない曲げ中心半径の形状に設計変更せざるを得
ないのが実情であった。
【0020】この曲げ加工性 (合わせて伸びフランジ加
工性) を改善するため、Al合金板素材の局部伸びを高め
て、局部変形時の板厚減少 (くびれ) を抑制する技術も
種々提案されている。例えば、特開平6 -228690 号、特
開平6 -228691 号公報には、5000系などMg3.5 〜10% を
含むAl-Mg 系Al合金板を芯材とし、Mg0.8 〜2.0%を含む
Al-Mg 系Al合金板や、Mn0.3 〜4%を含むAl-Mn 系Al合金
板を皮材としてクラッドしたクラッド板が提案されてい
る。
【0021】また、特開平5 -271836 号公報には、5000
系などMg2 〜10% を含むAl-Mg 系Al合金板に、強度向上
のためのCuを0.05〜0.3%添加するとともに、局部伸びを
低下させる不純物元素として、Feを0.01〜0.15% に、ま
たSiを0.15% 以下、Fe/Si を1.4 以下に抑制することが
提案されている。
【0022】更に、特開平7 -278716 号公報には、5000
系などMg2.0 〜6.0%を含むAl-Mg 系Al合金板において、
局部伸びを低下させる不純物元素として、Feを0.15% 以
下に、またSiを0.15% 以下にするとともに、機械的性質
を劣化させないために、残存するAl-Mg-Si系、Al-Fe-Si
系などの金属間化合物の平均サイズを15μm 以下にする
ことが開示されている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらAl合金
板素材の局部伸びを高めて曲げ加工性 (合わせて伸びフ
ランジ加工性) を改善する技術は、全て5000系Al合金板
に関する技術であって、5000系とは成分、組織と特性が
異なる6000系Al合金板には、そのまま適用することがで
きない。
【0024】そして、より具体的には、芯材のAl合金板
よりも局部伸びの高いAl合金板を皮材としてクラッドす
る前記特開平6 -228690 号、特開平6 -228691 号公報の
ような従来技術は、プレス成形や曲げ加工に耐える密着
性を有するクラッド板自体を製造すること自体が困難で
ある。これは、プレス成形性や製品としての耐傷つき性
やへこみ性のためには、皮材にある程度の強度向上合金
成分量が必要となり、この合金成分により、圧延クラッ
ドの際に、Al合金板界面が酸化しやすいからである。ま
た、これら酸化を防止してクラッド板を製造すると、製
造コストが高騰することになり、実用的ではない。
【0025】更に、芯材の6000系Al合金板に、皮材とし
て6000系以外のAl合金板を用いた場合には、皮材の厚み
を薄くしたとしても、クラッドしない (単一の)6000 系
Al合金板に比して、6000系Al合金板の特徴である、成形
加工時の低耐力と焼付硬化性による高耐力化の特性がど
うしても低下することになり、やはり実用的ではないか
らである。
【0026】また、前記焼付硬化性などの特性を出す上
で、Siを0.8 〜1.8%必須として含む6000系Al合金板で
は、前記特開平5 -271836 号公報や特開平7 -278716 号
公報のように、局部伸びを低下させる不純物元素とし
て、Siを0.15% 以下に抑制することはできない。なお、
これら従来技術のようにFeを0.15% 以下に抑制する、乃
至残存するMg-Si 系、Al-Fe 系などの金属間化合物 (晶
出物や分散粒子) の平均サイズを15μm 以下に小さくす
ることは、6000系においても、それなりの曲げ加工性向
上効果を有する。しかし、本発明者らが知見したところ
によれば、これらの手段による曲げ加工性向上効果は、
6000系Al合金板においては至って小さい。したがって、
これらの手段だけでは、少なくとも6000系Al合金板にお
いては、前記ヘム加工等の厳しい曲げ加工性 (合わせて
伸びフランジ加工性) を改善する乃至合わせて優れた深
絞り等のプレス成形性を有することはできない。
【0027】本発明はこの様な事情に着目してなされた
ものであって、その目的は、輸送機の軽量化のために、
より高い耐力とを有するとともに、優れたプレス成形性
とヘム加工性を有するAl合金板を提供しようとするもの
である。
【0028】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の要旨は、Mg:0.2〜1.6%(mass%、以下同じ)
、Si:0.2〜1.8%、Mn:0.01 〜0.30% を含むとともに、F
eを0.30% 以下に規制し、残部Alおよび不可避的不純物
からなるアルミニウム合金板であって、溶体化処理後の
ミクロ組織における再結晶粒の平均結晶粒径が45μm 以
下であり、Al-Fe系およびMg2Si 晶出物の平均径が5 μm
以下であるとともに該晶出物間の平均間隔が20μm 以
上であり、かつ分散粒子の平均径が0.02〜0.8 μm であ
るとともに単位体積当たりの個数が1 個/ μm3以上であ
るものとする。
【0029】前記要旨とすることにより、成形時のAl合
金板の耐力 (σ0.2)が120N/mm2以上の高強度であって
も、最大絞り深さ(LDH0)が25mm以上の優れたプレス成形
性、およひ曲げ中心半径(R) と板厚(t) との比(R/t) が
3.0 以下のヘム加工時に割れない曲げ加工性 (以下ヘム
加工性と言う) とを有するAl合金板を提供することがで
きる。
【0030】本発明の第1 の特徴は、Al-Fe 系およびMg
2Si 晶出物の形態を制御する点である。本発明者らは、
6000系のAl合金板において、ヘム加工性を低下させる最
大の要因は、Al-Fe-Si-(Mn、Cr、Zr) などのAl-Fe 系お
よびMg2Si 系晶出物であり、この晶出物の形態を制御す
る (大きさと間隔とを規制する) 、より具体的には、こ
の晶出物の平均径と晶出物間の平均間隔を規制すること
により、ヘム加工性が格段に向上することを知見した。
これは、Al-Fe 系およびMg2Si 系晶出物が、ヘム加工時
(および伸びフランジ加工時) の割れ (破壊) の起点
(ディンプルの起点)となっていることの知見に基づ
く。
【0031】しかし、重要なことには、これらAl-Fe 系
およびMg2Si 系晶出物およびこの晶出物を構成するSi
は、特に6000系Al合金板に必要な強度を確保するために
寄与しているため、単純に低減乃至無くすことはできな
い。この点、発明者らは、必然的に存在乃至必要により
存在しているこれら晶出物の形態を制御することで、必
要な強度やプレス成形性の確保と、優れたヘム加工性が
得られることを知見した。即ち、Al合金組織中に存在す
るこれら晶出物が互いに集合、或いは互いに大きく長く
つながった形状ではなく、微細な晶出物が互いに間隔を
開けて分散していることがヘム加工性の向上に寄与する
ことを知見した。
【0032】そして、このAl-Fe 系およびMg2Si 系晶出
物の形態を制御 (大きさと間隔) するために、特に、通
常は6000系のAl合金板に0.15〜1.0%程度含まれる不純物
元素としてのFeを0.30% 以下、好ましくは0.15% 以下に
規制する。但し、この場合、Feを0.30% 以下に規制した
のみでは、Al-Fe 系およびMg2Si 晶出物の平均径が5μm
以下であるとともに該晶出物間の平均間隔が20μm 以
上とすることはできない。即ち、このAl-Fe 系およびMg
2Si 晶出物の大きさと間隔の規制のためには、後述する
鋳造や圧延および溶体化焼入処理条件の選定が重要とな
ることも知見した。
【0033】例えば、前記特開平7 -278716 号公報のよ
うな晶出物の形態制御、即ち、単に鋳造材の晶出物の平
均粒径を小さくするだけではヘム加工性の向上に多く寄
与しない。言い換えると、本発明者らは、前記特開平7
-278716 号公報のような思想に反して、例えAl合金板組
織の晶出物の平均粒径が、それなりに大きくても、それ
が間隔を開けて分散している (まばらに存在する) なら
ば、ヘム加工性の向上に寄与することを知見した。つま
り、晶出物の粒径が小さくても、互いの間隔が小さく密
集した状態乃至つながった状態では、破壊の起点となっ
て、ヘム加工性を劣化させる。勿論、本発明において
は、Al-Fe 系およびMg2Si 晶出物量自体も、必要な強度
や成形性を確保する分以外は低減する。
【0034】そして、この晶出物量の制御と、晶出物が
互いに間隔を開けて分散している(晶出物の互いの間隔
が小さく密集した状態乃至つながった状態ではない)状
況に良く対応する指標として、本発明では、晶出物の平
均径と、該晶出物間の平均間隔を選択する。
【0035】次に、本発明の第2 の特徴は、Al-Mn 系、
Al-Cr 系、Al-Zr 系、Al-V系の分散粒子を組織中に積極
的に存在させる点である。本発明では、溶体化処理時の
再結晶粒径の粗大化を防止し、再結晶粒径を微細化する
ために、Al-Mn 系などの分散粒子を組織中に積極的に存
在させ、再結晶粒の粗大化 (粒成長) を抑制するピン止
め効果を発揮させる。そして、この結果、溶体化処理後
の再結晶粒径を、プレス成形性の確保やオレンジピール
の発生を抑制するために必要な、平均結晶粒径で45μm
以下に微細化させる。
【0036】更に、Al-Mn 系などの分散粒子を組織中に
積極的に存在させることにより、材料の局部伸びを増大
させ、ヘム加工性を向上させることができる。また、前
記したようにFeを0.30% 以下に規制した場合、溶体化処
理時の再結晶粒径は粗大化しやすくなる傾向がある。こ
れに対し、Al-Mn 系などの分散粒子の存在は、この傾向
を抑制する点からも有効である。
【0037】
【発明の実施の形態】(Al-Fe 系およびMg2Si 晶出物)
次に、本発明における晶出物の規定について説明する。
本発明では、ヘム加工性向上のために、溶体化処理後の
Al合金板組織の、Al-Fe 系およびMg2Si 晶出物の平均径
が5 μm 以下であるとともに該晶出物間の平均間隔が20
μm 以上とする。
【0038】Al-Fe 系晶出物は、合金組成により種々の
種類はあるものの、本発明で制御の対象とするのは、主
として鋳造時に生成するAl-Fe-Si-(Mn、Cr、Zr) からな
る晶出物である。このAl-Fe 系晶出物および鋳造や熱延
および溶体化処理などの工程で溶体化温度以下で生成す
るMg2Si 晶出物の、平均径が5 μm を越えるあるいはこ
れら晶出物間の平均間隔が20μm 未満では、成形時のAl
合金板の耐力 (σ0.2)が120N/mm2以上などの高強度の場
合に、曲げ中心半径(R) と板厚(t) との比(R/t) が3.0
以下のヘム加工時に割れない、というヘム加工性が低下
し、従来の6000系Al合金並のヘム加工性しか有さなくな
る。
【0039】これらAl-Fe 系晶出物およびMg2Si 晶出物
の平均径と、該晶出物間の平均間隔の測定は、Al合金板
の平行断面の組織の、500 倍の走査型電子顕微鏡(SEM)
による、Al合金板の材質のバラツキを考慮するためAl合
金板の任意の測定箇所20視野の目視観察乃至画像解析観
察結果の平均によって行う。測定部位は、板の表面から
板中央部位までを20等分した各位置で行う。本発明で言
う晶出物の径とは、前記各視野で測定できる個々の晶出
物粒子の最大の長さを言う。そして、本発明で言う晶出
物の平均径とは、前記各視野で測定できるAl-Fe 系晶出
物およびMg2Si晶出物粒子全ての最大の長さを計測し、
この最大長さの総和を晶出物の数で除して、1 視野当た
りの晶出物の最大長さの平均値を求め、更にこの各視野
での平均最大長さの平均値を、再度20視野で平均値化し
たものとする。
【0040】また、本発明で言う晶出物間の間隔とは、
各視野で測定される晶出物粒子の数の平方を算出してA
とし、次に、各視野の面積 (μm2) の平方を算出してB
とし、晶出物間の間隔をB/(A+1)として算出したものと
する。そして、本発明で言う晶出物間の平均間隔とは、
前記算出したB/(A+1)を20視野で平均値化したものとす
る。
【0041】(分散粒子) 本発明で言う分散粒子とはAl-
Mn 系、Al-Cr 系、Al-Zr 系、Al-V系の分散粒子を言
う。本発明では、前記した通り、溶体化処理時の再結晶
粒径の粗大化を防止するために、基本組成ではAl-Mn 系
の分散粒子、また、Mn、Cr、Zr、V の含有量が多い場合
(積極的に添加する乃至不純物としての量が多い場合)
には、Al-Mn 系、Al-Cr 系、Al-Zr 系、Al-V系の分散粒
子を組織中に積極的に微細分散させ、再結晶粒の粗大化
(粒成長) を抑制するピン止め効果を発揮させる。そし
て、この結果、溶体化処理後の再結晶粒径を平均結晶粒
径が45μm 以下に微細化させる。また、分散粒子を組織
中に積極的に存在させることにより、材料の局部伸びを
増大させ、ヘム加工性を向上させる。
【0042】この効果を発揮するためには、分散粒子の
平均径が0.02〜0.8 μm であるとともに、単位体積当た
りの個数が1 個/ μm3以上であることが必要である。な
お、Al-Mn 系、Al-Cr 系、Al-Zr 系、Al-V系の複数の分
散粒子が混在している場合には、前記分散粒子の平均径
については、混在する個々の分散粒子全てについて、単
位体積当たりの個数については、混在する個々の分散粒
子の総和として規定する。
【0043】この分散粒子は、合金組成により種々の種
類はあるものの、本発明で制御の対象とするのは、均質
化熱処理時に生成する分散粒子であって、Al-Mn 系では
主となる(Fe,Mn)3SiAl12、(Fe,Mn)Al6、Al-Cr 系では主
となるAl12Mg2Cr 、Al-Zr 系では主となるAl3Zr 、Al-V
系では主となるAlV などの分散粒子である。
【0044】これらの分散粒子の平均径が0.02μm 未満
および単位体積当たりの個数が1 個/ μm3未満では、前
記各効果が発揮されない。また、これらの分散粒子の平
均径が0.8 μm を越えると、却って、プレス成形やヘム
加工時に破壊の起点となり、成形性を低下させる。
【0045】これらの分散粒子の平均径と、単位体積当
たりの個数の測定は、Al合金板の板厚1/4 部位(L-LT
面) から観察用試料を採取し、5000倍の透過型電子顕微
鏡(TEM) の、Al合金板の材質のバラツキを考慮するため
Al合金板の任意の測定箇所10視野の目視観察乃至画像解
析観察により行う。
【0046】ここで、本発明で言う分散粒子の径とは、
Al-Mn 系、Al-Cr 系、Al-Zr 系、Al-V系の分散粒子の最
大の長さを言う。そして、本発明で言う分散粒子の平均
径とは、前記各視野で測定できるこれら全ての分散粒子
の最大の長さを各々計測し、この最大の長さの総和を分
散粒子の数で除して、1 視野当たりの分散粒子の最大長
さの平均値を求め、更にこの各視野での平均最大の長さ
の平均値を、再度10視野で平均値化したものとする。
【0047】また、本発明で言う単位体積当たりの個数
(分散粒子の密度) とは、各視野でカウントされるAl-M
n 系、Al-Cr 系、Al-Zr 系、Al-V系の分散粒子の数を各
視野の体積V(μm3)[V=各視野の面積 (μm2) ×各視野の
試料厚み (μm)] で割り、単位体積当たりの個数とす
る。
【0048】なお、前記透過型電子顕微鏡による測定
は、機械研磨で約0.1mm 厚みに薄肉化した測定用試料
を、更に、電解研磨 (ジェットポリッシュ) で観察部位
の厚さを局部的に0.1 〜0.3 μm(1000〜3000Å) の薄膜
化した部位を透過型電子顕微鏡で観察して行う。
【0049】(再結晶粒径) 本発明では、前記した通
り、溶体化処理後の再結晶粒径を、プレス成形性の確保
やオレンジピールの発生を抑制するために必要な、平均
結晶粒径で45μm 以下に微細化させる。即ち、平均結晶
粒径で45μm を越えて粗大化した場合、プレス成形性が
低下するとともに、オレンジピールなどの発生を招く。
【0050】再結晶粒径の測定は、圧延方向でラインイ
ンターセプト法により評価した。即ち、Al合金板の表面
を0.05〜0.1mm まで機械研磨した後、例えば、テトラフ
ルオロほう酸: 水=15: 400の溶液中で、電圧30V 、溶液
温度20〜30℃、時間60〜90秒で電解エッチングし、偏光
板を使用した50倍の光学顕微鏡(TEM) により、Al合金板
の材質のバラツキを考慮するためAl合金板の任意の測定
箇所10視野(1視野当たり5 本で、1 本当たりのライン長
は500 μm)の目視観察によって行う。
【0051】後述する実施例の発明例の6000系Al合金板
の、溶体化処理し、焼入後の厚み方向断面におけるミク
ロ組織の、Al-Fe 系晶出物およびMg2Si 晶出物の平均
径と該晶出物間の平均間隔の、500 倍の走査型電子顕微
鏡(SEM) による、20視野の測定および、Al-Mn 系など
の分散粒子の平均径と単位体積当たりの個数の、5000倍
の透過型電子顕微鏡(TEM) による、20視野の測定によれ
ば、Al-Fe 系晶出物およびMg2Si 晶出物は平均径が5
μm 以下の微細であって、該晶出物間の平均間隔は20μ
m 以上で、互いに間隔を開けて細かく分散していた。ま
た、Al-Mn 系などの分散粒子の平均径は0.02〜0.8 μ
m で微細であるとともに、単位体積当たりの個数が1 個
/ μm3以上と均一に分散していた。また溶体化処理後の
再結晶粒の粒径は平均結晶粒径が45μm 以下に微細化さ
れていた。
【0052】これに対し、前記と同様に測定した従来の
6000系Al合金板では、溶体化処理後の再結晶粒の粒径は
平均結晶粒径が45μm 以下に微細化されており、Al-Fe
系晶出物およびMg2Si 晶出物は、微細ではあるものの晶
出物間の平均間隔は20μm 未満であり、しかも晶出物同
士が集合体化乃至結合し、晶出物同士が長くつながった
形状をしていた。
【0053】そして、前記本発明6000系Al合金板は、後
述する実施例の通り、人工時効 (塗装焼付) 後のσ0.2
で160N/mm2以上の高強度を有するとともに、優れたプレ
ス成形性とヘム加工性有する。これに対し、前記従来の
6000系Al合金板は、ヘム加工性が顕著に劣り、両者はヘ
ム加工性に顕著な相違がある。したがって、単に6000系
Al合金板の晶出物の平均粒径を小さくするだけではヘム
加工性の向上に多く寄与せず、例え晶出物の平均粒径が
それなりに大きくても、それが間隔を開けて分散してい
る (まばらに存在する) ならば、ヘム加工性の優れたAl
合金板が得られることが裏付けられる。
【0054】なお、この他の晶出物や析出物についても
説明する。他の晶出物や析出物として代表的なものは、
例えば、Si単体の析出物、Cuが多く含有された場合のAl
7Cu2Fe、更には、CuやMgのAlとの化合物相の晶出物Al2C
u2Mg、Al2Cu2などである。
【0055】Si単体の析出物は、特に粒界上に析出およ
び存在すると、材料破壊の起点となり、ヘム加工性を著
しく低下させる。したがって、Si単体の析出物は粒界上
に実質的に存在しないか、本発明Al合金板の諸特性を阻
害しない範囲で存在することが好ましい。しかし、後述
する好ましい組成および製造方法の範囲で製造した場合
には、Si単体の析出物は、特性に悪影響を与えるまでに
は粒界上に析出してこない。
【0056】また、他のAl7Cu2Fe、或いはAl2Cu2Mg、Al
2Cu2等の晶出物についても、粒界上に存在すると、材料
破壊の起点となり、ヘム加工性を著しく低下させる。し
たがって、これらの量を低減することが好ましい。しか
し、これら晶出物は、前記Al-Fe 系晶出物の量に比して
絶対量が少なく、しかも、Al-Fe 系晶出物を前記のよう
に形態制御してやれば、これに伴い、必然的に量がヘム
加工性に影響しない範囲まで低減できる。したがって、
本発明では、前記Al-Fe 系やMg2Si 晶出物以外の晶出物
については、特に規定しない。
【0057】(本発明Al合金の化学成分組成) 次に、本
発明Al合金における、化学成分組成について説明する。
本発明のAl合金は、自動車、船舶などの輸送機材や構造
材あるいは部品用としての強度、伸びなどの機械的特性
や、耐蝕性や応力腐食割れ性、あるいは合金量が少ない
リサイクル性などの特性を満足する必要がある。この
内、特に自動車のパネル材としては、基本的にプレス成
形されるAl合金板の引張強さが270N/mm2以上、耐力 (σ
0.2)が140N/mm2以下であり、塗装焼き付け後の耐力が16
0N/mm2以上、好ましくは180N/mm2以上であることが好ま
しい。
【0058】したがって、本発明Al合金の化学成分組成
は、前記諸特性を満足するために、Al-Mg-Si系の6000系
Al合金の成分規格 (6101、6003、6151、6061、6N01、60
63など) に相当するものとする。しかし、6000系Al合金
の各成分規格通りにならずとも、下記の各元素の含有量
の規定に沿って、更なる特性の向上や他の特性を付加す
るための、適宜成分組成の変更は許容される。この点、
上記元素の成分範囲の変更や、より具体的な用途および
要求特性に応じて、例えばNi、Sc、Ag、Snなどの下記に
記載の無い他の元素を適宜含むことは許容される。ま
た、H2やO2などのガス成分や溶解原料スクラップなどか
ら必然的に混入される他の不純物も、品質や特性を阻害
しない範囲で許容される。
【0059】但し、水素含有量が0.5cc/100g Al を越え
て多くなると、製造工程中で、Al合金板にポロシティー
やブリスターおよびふくれが発生し、プレス成形性やヘ
ム加工性を含めてAl合金板の成形性などの諸特性を低下
させる。したがって、水素含有量は、好ましくは0.5cc/
100g Al 以下とする。
【0060】(本発明Al合金の元素量) 次に、前記特性
を満足する本発明Al-Mg-Si系Al合金板の各元素の含有量
について、臨界的意義や好ましい範囲について説明す
る。
【0061】Mg:0.2〜1.6%。Mgは人工時効 (成形、塗装
後の焼付硬化処理など) により、SiとともにMg2 Siとし
て析出して、また、Cu含有組成では更にCu、Alと化合物
相を形成して、最終製品使用時の高強度 (耐力) を付与
するために必須の元素である。Mgの0.6%未満の含有では
加工硬化量が低下し、人工時効でもσ0.2 で160N/mm2
上の高い強度が得られない。一方、1.6%を越えて含有さ
れると、強度 (耐力)が高くなりすぎ、成形性を阻害す
る。したがって、Mgの含有量は0.6 〜1.6%の範囲とす
る。
【0062】Si:0.2〜1.8%。SiもMgとともに、人工時効
処理により、Mg2 Siとして析出して、最終製品使用時の
高強度 (耐力) を付与するために必須の元素である。Si
の0.8%未満の含有では人工時効で十分な強度が得られ
ず、σ0.2 で160N/mm2以上の高い強度が得られない。一
方、1.8%を越えて含有されると、鋳造時および焼き入れ
時に粗大な単体Si粒子として析出して、成形性および靱
性を低下させる。また、Al-Fe 系およびMg2 Si晶出物が
粗大化しやすく、該晶出物の平均径と晶出物間の平均間
隔を規定以下にすることが困難となる。この結果、特
に、曲げ中心半径(R) と板厚(t) との比(R/t) が3.0 以
下のヘム加工時の割れ性を低下させる。また、靱性や伸
びが低くなるなど、成形性も阻害する。したがって、Si
の含有量は0.8 〜1.8%の範囲とする。
【0063】Fe:0.30%以下。Al合金中に不純物として必
然的に含まれるFeは、本発明で問題とする粗大なAl-Fe
系晶出物を生成しやすい。これら晶出物が粗大化する
と、前記した通り、ヘム加工性やプレス成形性などを劣
化させる。通常、不純物としてのFeの含有量は0.15% 〜
0.3%程度である。しかし、Feの含有量が特に0.30% 、よ
り厳しくは0.15% を越えると、Al-Fe 系晶出物が粗大化
しやすくなり、該晶出物の平均径と晶出物間の平均間隔
を規定以下にすることが困難となる。したがって、Feの
含有量は低いほど好ましく、0.30% 以下、より好ましく
は0.15% 以下のできるだけ少ない量に規制する。
【0064】Mn:0.01 〜0.30% 。MnはAl-Mn 系分散粒子
を生成させるために必要である。本発明では、前記した
通り、溶体化処理時の再結晶粒径の粗大化を防止するた
めに、Al-Mn 系分散粒子を組織中に微細分散させ、再結
晶粒の粗大化 (粒成長) を抑制するピン止め効果を発揮
させる。また、Al-Mn 系分散粒子を組織中に微細分散さ
せることにより、材料の局部伸びを向上させる。このた
めには、Al-Mn 系分散粒子の平均径が0.02〜0.8 μm で
あるとともに、単位体積当たりの個数が1 個/μm3以上
であることが必要である。そして、このようにAl-Mn 系
分散粒子を形態制御するためには、Mnを0.01〜0.30% 、
好ましくは0.01〜0.15% の低いレベルの範囲での含有が
必要である。Mnの含有量が0.01% 未満では、Al-Mn 系分
散粒子の絶対数が不足して、前記ピン止め効果が不足し
て再結晶粒の粗大化を抑制する効果や材料の局部伸びを
向上させる効果が無くなる。また、0.30% 、より厳しく
は0.15% を越えて含有されると、溶解、鋳造時に粗大な
金属間化合物を生成しやすく、成形時の破壊の起点とな
り、却って成形性を低下させる原因となる。
【0065】Cr:0.01 〜0.2%、Zr:0.01 〜0.2%、V:0.01
〜 0.15%の一種または二種以上。これらの元素は、Mnと
同様に分散粒子を形成させ、再結晶粒の微細化やヘム加
工性向上のために選択的に含有させる元素である。これ
らの元素は、均質化熱処理時およびその後の熱間圧延な
どの熱間加工時に、Al-Cr 系としてAl12Mg2Cr 、Al-Zr
系としてAl3Zr 、Al-V系としてAlV などの分散粒子 (分
散相) を生成する。そしてこれら生成分散粒子は、前記
Mnと同様に再結晶後の粒界移動を妨げるピン止め効果が
あるため、微細な再結晶粒を得ることができる。これら
の元素の下限量が前記数値未満では各々この効果を発揮
することができない。しかし過剰な含有は溶解、鋳造時
に粗大な金属間化合物を生成しやすく、成形時の破壊の
起点となり、却ってヘム加工性などの成形性を低下させ
る原因となる。また、Zrの過剰な含有は再結晶組織を圧
延方向に針長状させ、特定方向の破壊靱性および疲労特
性更には成形性を劣化させる。このため、これらの元素
の含有量の上限は各々、Cr:0.2% 、Zr:0.2% 、V:0.15%
以下とする。
【0066】Cu:0.1〜1.5%、Zn:0.005〜1.0%の一種また
は二種。Cu、Znは、ともに化合物相を形成して析出し、
強度を高めるために選択的に含有させる元素である。こ
の内、Cuは組織の強度の向上に寄与する他、時効処理に
際して、析出物を微細に均一分散させ、最終製品の人工
時効硬化を著しく促進する効果を有する。また、プレス
成形性を向上させる効果も有する。Cuの含有量が0.1%未
満では、これらの効果が無く、1.5%を越えると効果が飽
和する。また、Cuの含有量が1.5%を越えると、耐糸さび
性などの耐蝕性および溶接性が顕著に低下する。したが
って、Cuの含有量は0.1 〜1.5%とする。
【0067】また、Znは人工時効時において、MgZn2
微細かつ高密度に析出させ高い強度を実現させる。ま
た、室温時効を抑制し、しかし、Znの0.005%未満の含有
では人工時効で十分な強度が得られず、一方、1.0%を越
えて含有されると、耐蝕性が顕著に低下する。したがっ
て、Znの含有量は0.005 〜1.0%の範囲とすることが好ま
しい。
【0068】Ti:0.001〜0.1%、B:1 〜300ppmの一種また
は二種。Ti、B は鋳塊の結晶粒を微細化し、プレス成形
性を向上させる元素であり、選択的に含有させる。この
内、Tiは、0.001%未満の含有では、この効果が得られ
ず、一方、Tiを0.1%を越えて含有すると、粗大な晶出物
を形成し、成形性を低下させる。したがって、Tiの含有
量は0.001 〜0.1%の範囲とすることが好ましい。
【0069】また、B は1ppm未満の含有では、この効果
が得られず、一方、300ppmを越えて含有されると、やは
り粗大な晶出物を形成し、成形性を低下させる。したが
って、B の含有量は1 〜300ppmの範囲とすることが好ま
しい。
【0070】Be:0.1〜100ppm。Beは空気中におけるAl溶
湯の再酸化を防止するために、選択的に含有させる元素
である。しかし、0.1ppm未満の含有では、この効果が得
られず、一方、100ppmを越えて含有されると、材料硬度
が増大し、成形性を低下させる。したがって、Beの含有
量は0.1 〜100ppmの範囲とすることが好ましい。
【0071】次に、本発明におけるAl-Mg-Si系のAl合金
板の製造方法について説明する。本発明におけるAl-Mg-
Si系のAl合金板は基本的に常法により製造可能である
が、特性向上のための好ましい条件もある。まず、本発
明Al合金成分規格範囲内に溶解調整されたAl合金溶湯
を、例えば、連続鋳造圧延法、半連続鋳造法(DC鋳造
法)等の通常の溶解鋳造法を適宜選択して鋳造する。次
いで、このAl合金鋳塊に均質化熱処理を施し、熱間圧延
後、必要に応じて中間焼鈍 (荒焼鈍) した後、一回或い
は複数のパスにて冷間圧延し、最終的に容体化処理およ
び焼入れを行い、所望の板厚の製品板とする。
【0072】製品板は必要により、アルカリ、酸などの
洗浄乃至清浄化処理や、クロメートやZnめっきなどの表
面処理が行われる。なお、低コスト化のために、前記中
間焼鈍を省略するあるいは冷間圧延を省略することも可
能である。次に、製品板の特性向上のための好ましい条
件について説明する。
【0073】溶解鋳造については、Al合金鋳造材の結
晶粒の微細化のためには鋳塊の冷却速度が大きい方が好
ましいが、前記晶出物間の平均間隔の制御を行うために
は、冷却速度が大きい方がいいとは限らない。即ち、鋳
塊の冷却速度が大き過ぎると微細な晶出物が多数析出し
て密度が大きくなり、前記晶出物間の平均間隔は小さく
なり、本発明の規定を外れる可能性がある。したがっ
て、鋳塊の冷却速度は、0.05℃/sec以上の冷却速度か
ら、Al合金組成 (晶出物の析出量) 毎に、および前記結
晶粒の微細化と前記晶出物間の平均間隔との関係から厳
密に選択する必要がある。
【0074】次いで、このAl合金鋳塊 (鋳造材) を45
0 〜540 ℃で均質化熱処理するが、500 ℃以上の温度で
均質化熱処理することが好ましい。この種Al合金鋳造材
の通常の均質化熱処理温度は、480 〜510 ℃程度である
が、本発明では、前記した通り、Mn、またはこれに加え
て、Cr、Zr、V の一種または二種以上を含有させて、均
質化熱処理時に、Al-Mn 系分散粒子、Al12Mg2Cr 、Al3Z
r 、AlV 系などの分散粒子 (分散相) を生成させる。こ
のためには、高温での均質化熱処理が好ましく、均質化
熱処理温度を510 ℃以上、溶解温度以下の温度とするこ
とが好ましい。なお、Al-Fe 系およびMg2Si 晶出物晶出
物を出来るだけ固溶し、晶出した際の平均間隔を大きく
するためにも均質化熱処理温度を510 ℃以上の温度とす
ることが好ましい。
【0075】均質化熱処理の後の熱間圧延の条件は、
通常の通り、圧延開始温度を均質化熱処理温度以下とす
るとともに、200 ℃以上で圧延を終了する。
【0076】但し、Al合金板の低コスト化のためには、
熱間圧延後の中間焼鈍を省略して冷間圧延する、また場
合によっては中間焼鈍および冷間圧延を省略して、Al合
金熱延板を製品板とする場合もある。したがって、この
ような場合にはプレス成形加工時のリジングマーク乃至
曲げ加工時の割れを防止するために、Al合金熱延 (ま
ま) 板の組織を粒径50μm 以下の等軸状再結晶粒とする
ことが望ましい。このためには、複数のロールスタンド
からなる熱間仕上げ圧延の少なくとも後段のパス乃至ロ
ールスタンドにおける圧下率を50% 以上の高圧下とし
て、かつ熱間圧延終了温度を再結晶温度以上 (再結晶温
度は概ね300 〜450 ℃の範囲となる) とすることが好ま
しい。更に、熱間圧延開始温度は熱間圧延終了温度から
して、450 〜540 ℃とすることが好ましい。
【0077】また、これの熱間圧延条件によって、等軸
状再結晶粒のキューブ方位の集積度が改善され、マクロ
結晶粒の粒径も1.5mm 以下に微細化できるので、プレス
成形の際のリジングマークを防止することも可能とな
る。
【0078】中間焼鈍: Al合金板の組織は、プレス成
形性向上のためには、圧延方向に伸長する繊維状の加工
組織乃至圧延組織による異方性を排除し、粒径50μm 以
下の微細な等軸状再結晶粒とすることが好ましい。前記
加工組織乃至圧延組織が多いほどAl合金板の成形性が低
下するので、Al合金板の成形性の向上は、どれだけ微細
な等軸状再結晶粒とすることができるか否かに係わって
いる。但し、前記した通り、Al合金板の低コスト化のた
めに、熱間圧延後の中間焼鈍を省略する場合もある。
【0079】通常の熱間圧延では、Al合金熱延 (まま)
板の組織は、前記加工組織乃至圧延組織となっており、
これを熱間圧延後の中間焼鈍によって、等軸状再結晶粒
とする。また、熱間圧延の開始部に当たるコイルの先端
部のミクロ組織と熱間圧延の終了部に当たるコイルの後
端部とのミクロ組織とは、熱間圧延が安定して行われる
定常部位 (コイルの中央部) のミクロ組織と異なるな
ど、製品Al板の特性が板乃至コイル内で異なりやすいた
め、これを中間焼鈍することによって、均質化すること
ができる。また、粒径50μm 以下の微細な等軸状再結晶
粒とすることによって、前記した通り、プレス成形の際
のリジングマークを防止することも可能となる。
【0080】このための好ましい中間焼鈍条件は、焼鈍
温度までを30℃/ 分〜2000℃/ 秒以上の加熱速度で急速
加熱し、500 〜580 ℃の焼鈍温度で10秒〜10分保持し、
更に保持温度から50℃までを30℃/ 分以上で急冷するこ
とが好ましい。
【0081】冷間圧延では、所望の製品板乃至製品コ
イル厚みとするとともに、ミクロ結晶粒 (通常の結晶
粒) を45μm 以下とし、プレス成形加工性を向上させる
ために、冷間圧延率を50% 以上とすることが好ましい。
この冷間圧延率の圧延を、一回或いは複数のパスにて冷
間圧延し、最終的に容体化処理および焼入れを行い、所
望の板厚の製品板とする。
【0082】最終溶体化処理: 溶体化および焼入れ処
理は、処理後のミクロ組織における再結晶粒の平均結晶
粒径が45μm 以下とし、Al-Fe 系およびMg2Si 晶出物の
平均径を5 μm 以下とするとともに該晶出物間の平均間
隔を20μm 以上とし、かつAl-Mn 系などの分散粒子の平
均径を0.02〜0.8 μm 以下とするとともに単位体積当た
りの個数を1 個/ μm3以上とする制御を支配する。した
がって、溶体化処理は、CAL などの連続焼鈍炉を用い、
溶体化処理温度までの加熱速度を10℃/ 分、好ましくは
30℃/ 分以上で急速加熱し、530 〜580 ℃で数秒〜10分
保持後、保持温度から30℃までを30℃/ 分以上の冷却速
度で急冷することが好ましい。しかし、この好ましい条
件範囲内であっても、特にCuやSiの量などの化学成分組
成やそれまでの製造履歴に応じて晶出物生成状況が変化
する可能性があり、前記晶出物条件となる溶体化処理条
件を、厳密に決定すべきである。
【0083】また、溶体化処理時の焼入を室温まで行わ
ずに、特開平1-111851号に示されているように、焼入終
了温度を60〜130 ℃の比較的高温に制御し、この温度で
0.5〜48時間保持するようなステップ冷却方法をとって
も良い。更に、特公平5-7460号に示されているように、
溶体化焼入後、72時間以内に40〜120 ℃の温度で8 〜36
時間の最終熱処理を行っても良い。これらの処理によっ
て、塗装焼付時の焼付硬化性、即ち塗装焼付後の耐力を
高めることができる。
【0084】
【実施例】次に、本発明方法の実施例を説明する。表1
に示すNo.1〜9 までの、本発明範囲内の化学成分組成を
有するAl-Mg-Si系Al合金鋳塊(50mm 厚み) を、DC鋳造法
により溶製後、535 ℃×8 時間の範囲で均質化熱処理を
施した。そして、圧延開始温度を500 ℃とするととも
に、300 ℃で圧延を終了し、厚さ2.5mm まで熱間圧延し
た。次に500 ℃で中間焼鈍し、厚さ1.0mm まで冷間圧延
率が60% の冷間圧延を施した。その後、530 ℃の範囲で
溶体化処理した後室温まで水焼入 (焼入速度600 ℃/
分) したAl合金板を供試材とし、表2 に示す発明例No.1
〜9 として作製した。なお、発明例No.9のみは、他の製
造条件は同じだが、溶体化処理後の焼入を70℃で停止
し、この温度で48時間保持し、その後放冷却する処理を
行った。
【0085】前記溶体化焼入後室温で90日間放置後の供
試材の引張強さをJIS Z 2241法にて引張試験を行った結
果、耐力 (σ0.2)は120N/mm2以上であった (なお、引張
方向はLT= 圧延方向に対し90°方向) 。更に、塗装焼き
付け後に相当するベーク後の耐力は、2%ストレッチ後17
0 ℃×20分の加熱を行った後の耐力 (σ0.2)も測定し
た。これらの結果を表2 に示す。
【0086】なお、比較のために、表1 のNo.10 、11に
示す組成が本発明範囲を外れたAl合金を用い、表2 に示
すように、Al-Fe 系およびMg2Si 晶出物の平均径および
/ または該晶出物間の平均間隔、あるいはAl-Mn 系分散
粒子の平均径が規定を外れた比較例No.10 、11を製造条
件は発明例と基本的に同じとして製作した。
【0087】更に、組成は表1 のNo.12 の本発明範囲内
の Al 合金とし、製造条件も発明例と同じ条件とした
が、溶体化処理後の水焼入による焼入速度が200 ℃/ 分
と発明例に比して遅いために晶出物が多くなり、従来技
術並に晶出物間の平均間隔が小さくなった比較例No.12
を作製した。また、組成は表1 のNo.3 (発明例) と同じ
で、製造条件も発明例と同じ条件としたが、溶体化処理
後の焼入が空冷 (焼入速度10℃/ 分) で焼入速度が遅い
ために晶出物が多くなり、従来技術並に晶出物間の平均
間隔が小さくなった比較例No.13 を、他の条件は実施例
と同様にして作製した。
【0088】そして、前記供試材から各々試験片を採取
し、前記した50倍の光学顕微鏡による測定条件で再結晶
粒の平均結晶粒径 (μm)を求めた。また、前記した500
倍の倍率の走査型電子顕微鏡(SEM) による測定条件でAl
-Fe 系およびMg2Si 晶出物の平均径 (μm)、該晶出物間
の平均間隔 (μm)を求めた。更に、前記した5000倍の透
過型電子顕微鏡(TEM) による測定条件でAl-Mn 系分散粒
子の平均径と単位体積当たりの個数を求めた。これらの
結果を表2 に示す。
【0089】そして、Al合金板が長期間放置されて室温
時効し、その後、自動車の前記アウターパネルとしてプ
レス成形されることを模擬して、前記溶体化焼入後室温
で90日間放置後の供試材をブランク材として深絞り成形
し、その際に割れを生じずに成形できた最大絞り深さ(L
DHO ) を求めた。これらの結果も表2 に示す。なお、深
絞り成形の条件は、肩R5.0mmで直径50.0mmφのパンチお
よび肩R5.0mmで内径52.8mmφ (外径220mm φ) のダイス
を用い、ダイス- シワ押さえ間の隙間をブランク材と同
じ厚みのシムにより一定に保った条件で行った。
【0090】更に、Al合金板が長期間放置されて室温時
効し、その後、自動車の前記アウターパネルとして曲げ
半径(R) と板厚(t) との比(R/t) が3.0 以下の曲げ加工
(フラットヘム加工) されることを模擬した曲げ試験を
行った。即ち、前記溶体化焼入後室温で90日間放置後、
5%のストレッチを行った後、曲げ試験を行った。曲げ試
験条件は、JIS Z 2204に規定される3 号試験片を用い、
JIS Z 2248に規定されるVブロック法による曲げ試験片
を、更にJIS Z 2248に規定される押曲げ法により曲げ試
験するものとした。試験後の試験片の曲げ部表面の割れ
の状況を5 倍の倍率のルーペで目視観察した。この結
果、曲げ部表面に凹部状の割れも肌あれも発生しなかっ
たものを○とし、曲げ部表面に凹部が発生しており、こ
の凹部の最底部に新生面が観察されたものを割れが発生
したとして×とした。なお、前記凹部の最底部に新生面
が観察されないものは肌あれが発生したと評価される。
これらの結果も表2 に示す。本発明で規定する前記曲げ
試験方法は実際のヘム加工結果と良く対応するととも
に、JIS Z 2248に規定された他の曲げ試験に比しても、
厳しい試験法である。
【0091】更に、これら深絞り成形した供試材をリン
酸亜鉛処理後カチオン電着塗装を施した後、スプレー塗
装により2 コート2 ベークの塗装皮膜を設けた。なお、
2 コート2 ベークの塗装皮膜は、中塗り塗装として、30
μm 厚さのポリエステルメラミン系塗装皮膜を設けて、
140 ℃×20分の焼き付けを行い、更に上塗り塗装とし
て、30μm 厚さのポリエステルメラミン系塗装皮膜を設
けて、180 ℃×20分の焼き付けを行った。
【0092】そして、これら発明例、比較例の塗装試験
片に、全て同じ条件で、耐糸さび評価試験を行った。こ
れらの評価結果も表2 に示す。耐糸さび評価試験は、塗
装試験片の皮材側表面に一片が7cm のクロスカットを施
した後、35℃の3%HCl 水溶液に2 分間浸漬した後、次い
で40℃、85%RH の恒温恒湿の雰囲気に1500時間放置し、
その後発生した糸さびの最大長さL(クロスカットより垂
直方向の距離) を測定した。そして、比較のために、表
1 、2 の比較例No.11 のAl合金試験片にリン酸塩処理お
よびED塗装皮膜、更に同じ中塗り、上塗り塗装を施し、
この試験片に発生した糸さびの最大長さL を1 とし、こ
れとの比較で、○:L≦0.5 、×:L≧1 と評価した。
【0093】表2 から明らかな通り、Al合金板が、Mg:
0.2〜1.6%、Si:0.2〜1.8%、Mn:0.01〜0.15% を含むとと
もに、Feを0.15% 以下に規制した基本組成を有し、溶体
化処理後のミクロ組織における再結晶粒の平均結晶粒径
が45μm 以下であり、Al-Fe系およびMg2Si 晶出物の平
均径が5 μm 以下であるとともに該晶出物間の平均間隔
が20μm 以上であり、かつAl-Mn 系分散粒子の平均径が
0.02〜0.8 μm であるとともに単位体積当たりの個数が
1 個/ μm3以上である発明例No.1〜9 は、成形加工され
るAl合金板の耐力 (σ0.2)が高くても、プレス (深絞
り) 成形性およびヘム加工性に優れていることが分か
る。
【0094】また、これら発明例は塗装後の耐蝕性の点
でも、耐糸さび性に顕著に優れていることが分かる。こ
の理由は、後述する比較例に比して、発明例は晶出物間
の間隔が大きく、このため、糸さびの発生自体或いは発
生した糸さびの伝播が抑制されているものと推考され
る。
【0095】これに対し、Al-Fe 系およびMg2Si 晶出物
の平均径および/ または該晶出物間の平均間隔、あるい
は、Al-Mn 系分散粒子の平均径が規定を外れた比較例N
o.10〜13は、発明例に比して、著しくプレス加工性およ
びヘム加工性に劣っていることが分かる。また、これら
比較例は塗装後の耐蝕性の点でも、耐糸さび性に劣って
いることが分かる。
【0096】この比較例の中でも、比較例No.13 は、基
本組成は本発明を満足するものの、製造方法、特に溶体
化処理条件に問題があり (空冷で冷却速度遅い) 、Al-F
e 系およびMg2Si 晶出物の平均間隔が小さくなってい
る。したがって、この事実から本発明晶出物および分散
粒子の規定を満足するためには、Al合金の組成だけでは
なく、製造方法条件を厳密に選択する必要があることが
裏付けられる。
【0097】更に、特筆すべきは、比較例No.12 であ
り、比較例No.12 は、基本組成は本発明を満足し、また
製造方法、特に溶体化処理後に、好ましい製造条件の範
囲内で水焼入しているものの、晶出物の平均間隔が小さ
くなっている。これは、組成としてCuを比較的多く(0.6
0%) 含んでいるため、200 ℃/ 分と焼入速度が大きくて
も (空冷に比して) 、Al-Fe 系およびMg2Si 晶出物の平
均間隔が小さくなっている。このような現象は、Cuの他
にSi量が比較的高い場合に起こりうる。したがって、こ
れらの事実から、基本組成および製造条件が本発明範囲
内であっても、晶出物乃至分散粒子の規定を満足できな
い場合があることが分かる。このため、本発明晶出物お
よび分散粒子の規定を満足するためには、Al合金の組成
の選択に応じて製造条件を厳密に選択していく必要があ
ることが裏付けられる。
【0098】以上の実施例から、自動車や車両などの輸
送機用のパネル材として、プレス成形性およびヘム加工
の両者を満足しうる、本発明の、特に、MnとFe量の特定
の意義、溶体化処理後のミクロ組織における再結晶粒の
平均結晶粒径特定の意義、更に、Al-Fe 系およびMg2Si
晶出物およびAl-Mn 系分散粒子の特定の意義が裏付けら
れる。そして、これら本発明の晶出物や分散粒子の組織
の特定が、Al合金の組成や製造条件とは独立して規定さ
れる必要性も裏付けられる。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、輸送機の軽量化のため
に、より高い引張強さと高い耐力とを有するとともに、
優れた深絞り成形性とヘム加工性を有するAl合金板を提
供可能にした点で、Al合金板の用途を大きく拡大するも
のであり、工業的な価値が大きい。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mg:0.2〜1.6%(mass%、以下同じ) 、Si:
    0.2〜1.8%、Mn:0.01〜0.30% を含むとともに、Feを0.30
    % 以下に規制し、残部Alおよび不可避的不純物からなる
    アルミニウム合金板であって、溶体化処理後のミクロ組
    織における再結晶粒の平均結晶粒径が45μm 以下であ
    り、Al-Fe 系およびMg2Si 晶出物の平均径が5 μm 以下
    であるとともに該晶出物間の平均間隔が20μm 以上であ
    り、かつ分散粒子の平均径が0.02〜0.8 μm であるとと
    もに単位体積当たりの個数が1 個/ μm3以上であること
    を特徴とするプレス成形性およびヘム加工性に優れたア
    ルミニウム合金板。
  2. 【請求項2】 前記アルミニウム合金が、Mn:0.01 〜0.
    15% を含むとともに、Feを0.15% 以下に規制した請求項
    1に記載のプレス成形性およびヘム加工性に優れたアル
    ミニウム合金板。
  3. 【請求項3】 前記アルミニウム合金が、更に、Cr:0.0
    1 〜0.2%、Zr:0.01〜0.2%、V:0.01〜 0.15%の一種また
    は二種以上を含み、Al-Mn 系、Al-Cr 系、Al-Zr 系、Al
    -V系の各々の分散粒子の平均径が0.02〜0.8 μm である
    とともに、これら分散粒子の総和の単位体積当たりの個
    数が1 個/ μm3以上である請求項1または2に記載のプ
    レス成形性およびヘム加工性に優れたアルミニウム合金
    板。
  4. 【請求項4】 前記アルミニウム合金が、更に、Zn:0.0
    05〜1.0%、Cu:0.005〜1.0%の一種または二種を含む請求
    項1乃至3のいずれか1 項に記載のプレス成形性および
    ヘム加工性に優れたアルミニウム合金板。
  5. 【請求項5】 前記アルミニウム合金が、更に、Ti:0.0
    01〜0.1%、B:1 〜300ppmの一種または二種の一種または
    二種を含む請求項1乃至4のいずれか1 項に記載のプレ
    ス成形性およびヘム加工性に優れたアルミニウム合金
    板。
  6. 【請求項6】 前記アルミニウム合金が、更に、Be:0.1
    〜100ppmを含む請求項1乃至5のいずれか1 項に記載の
    プレス成形性およびヘム加工性に優れたアルミニウム合
    金板。
  7. 【請求項7】 ヘム加工されるアルミニウム合金板の耐
    力 (σ0.2)が120N/mm2以上である請求項1乃至6のいず
    れか1 項に記載のプレス成形性およびヘム加工性に優れ
    たアルミニウム合金板。
  8. 【請求項8】 前記アルミニウム合金板の塗装焼き付け
    後の耐力が150N/mm2以上である請求項1乃至7のいずれ
    か1 項に記載のプレス成形性およびヘム加工性に優れた
    アルミニウム合金板。
  9. 【請求項9】 前記ヘム加工性が、曲げ中心半径(R) と
    板厚(t) との比(R/t) が3.0 以下のヘム加工時に割れな
    い加工性である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の
    プレス成形性およびヘム加工性に優れたアルミニウム合
    金板。
  10. 【請求項10】 前記ヘム加工性の評価をJIS Z 2204に
    規定される3 号試験片を用い、JIS Z 2248に規定される
    Vブロック法による曲げ試験片を、更にJISZ 2248に規
    定される押曲げ法により曲げ試験して行う請求項9に記
    載のプレス成形性およびヘム加工性に優れたアルミニウ
    ム合金板。
  11. 【請求項11】 前記アルミニウム合金板が、輸送機用
    である請求項1乃至10のいずれか1 項に記載のプレス
    成形性およびヘム加工性に優れたアルミニウム合金板。
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