JP2000140980A - 貫通孔付金属部材の製造方法及び貫通孔付金属部材 - Google Patents
貫通孔付金属部材の製造方法及び貫通孔付金属部材Info
- Publication number
- JP2000140980A JP2000140980A JP10313449A JP31344998A JP2000140980A JP 2000140980 A JP2000140980 A JP 2000140980A JP 10313449 A JP10313449 A JP 10313449A JP 31344998 A JP31344998 A JP 31344998A JP 2000140980 A JP2000140980 A JP 2000140980A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hole
- cross
- metal member
- less
- forging
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Extrusion Of Metal (AREA)
- Forging (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 貫通孔の形成位置や直進性の精度を良好に確
保できる小型長尺の貫通孔付金属部材の製造方法を提供
する。 【解決手段】 鍛造前の比較的アスペクト比の小さい金
属素材に対し、ドリル切削又は後方押出+打抜きにより
予め貫通孔21を形成しておく。金属素材20のアスペ
クト比が小さければ、貫通孔21の形成精度を比較的確
保しやすい。そして、この貫通孔21内にマンドレル5
5を挿通しながら絞り鍛造加工が行われる。素材20
は、鍛造ダイ56のダイ孔57により軸断面外径及び貫
通孔内径が縮小されつつ、その外形形状がダイ孔内面に
対応する非円形状(例えば正方形状)に成形される。他
方、貫通孔21内面はマンドレル55により拘束され、
対応する内径を有するものとなるように成形される。こ
のとき、マンドレル55は、ダイ孔内57にて素材20
を介して周方向に略当方的に加圧されるため、橈みが生
じにくい。その結果得られる金属部材1に最終的に形成
される貫通孔2の形成精度が高められる。
保できる小型長尺の貫通孔付金属部材の製造方法を提供
する。 【解決手段】 鍛造前の比較的アスペクト比の小さい金
属素材に対し、ドリル切削又は後方押出+打抜きにより
予め貫通孔21を形成しておく。金属素材20のアスペ
クト比が小さければ、貫通孔21の形成精度を比較的確
保しやすい。そして、この貫通孔21内にマンドレル5
5を挿通しながら絞り鍛造加工が行われる。素材20
は、鍛造ダイ56のダイ孔57により軸断面外径及び貫
通孔内径が縮小されつつ、その外形形状がダイ孔内面に
対応する非円形状(例えば正方形状)に成形される。他
方、貫通孔21内面はマンドレル55により拘束され、
対応する内径を有するものとなるように成形される。こ
のとき、マンドレル55は、ダイ孔内57にて素材20
を介して周方向に略当方的に加圧されるため、橈みが生
じにくい。その結果得られる金属部材1に最終的に形成
される貫通孔2の形成精度が高められる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貫通孔付金属部材
の製造方法及び貫通孔付金属部材に関し、特に小型で貫
通孔のアスペクト比が大きく、かつ軸断面外形が四角形
状等の非円形形状である貫通孔付金属部材の製造方法及
び貫通孔付金属部材に関する。
の製造方法及び貫通孔付金属部材に関し、特に小型で貫
通孔のアスペクト比が大きく、かつ軸断面外形が四角形
状等の非円形形状である貫通孔付金属部材の製造方法及
び貫通孔付金属部材に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような貫通孔付金属部材は、例え
ば角状断面を有するものの場合、従来は以下のようにし
て製造されていた。まず、図9(a)に示すような丸棒
状の素材100を、同図(b)に示すように引抜ダイ1
02を用いて引き抜き加工することにより、製品外形に
対応する角棒状素材101とする。次いで、同図(c)
に示すように、その角棒状素材101を切断して角状素
材103とし、これにドリル104を用いて、断面中央
部に軸線方向に穿孔することにより、(d)に示すよう
な貫通孔105を有する金属部材104が得られる。
ば角状断面を有するものの場合、従来は以下のようにし
て製造されていた。まず、図9(a)に示すような丸棒
状の素材100を、同図(b)に示すように引抜ダイ1
02を用いて引き抜き加工することにより、製品外形に
対応する角棒状素材101とする。次いで、同図(c)
に示すように、その角棒状素材101を切断して角状素
材103とし、これにドリル104を用いて、断面中央
部に軸線方向に穿孔することにより、(d)に示すよう
な貫通孔105を有する金属部材104が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法においては、断面寸法の小さい長尺部材の場合、小径
のドリルにてかなりの深さの穿孔を行わなければならな
いから、ドリルに橈みが生じやすい問題がある。そのた
め、図10(a)に示すように、貫通孔105の形成位
置の精度が損なわれたり、あるいは同図(b)に示すよ
うに、貫通孔105の直進性が悪化して不良を生じやす
くなる。例えば、断面が10×15mm程度の角状であ
り、長さが60mm程度の角状素材に、内径7mm程度
の貫通孔を上記方法により形成しようとした場合、貫通
孔105の真直度が最大で38/100程度にまで悪化
することがある。
法においては、断面寸法の小さい長尺部材の場合、小径
のドリルにてかなりの深さの穿孔を行わなければならな
いから、ドリルに橈みが生じやすい問題がある。そのた
め、図10(a)に示すように、貫通孔105の形成位
置の精度が損なわれたり、あるいは同図(b)に示すよ
うに、貫通孔105の直進性が悪化して不良を生じやす
くなる。例えば、断面が10×15mm程度の角状であ
り、長さが60mm程度の角状素材に、内径7mm程度
の貫通孔を上記方法により形成しようとした場合、貫通
孔105の真直度が最大で38/100程度にまで悪化
することがある。
【0004】本発明の課題は、貫通孔の形成位置や直進
性の精度を良好に確保できる小型長尺の貫通孔付金属部
材の製造方法と、それにより製造可能な貫通孔付金属部
材とを提供することにある。
性の精度を良好に確保できる小型長尺の貫通孔付金属部
材の製造方法と、それにより製造可能な貫通孔付金属部
材とを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記課題
を解決するために本発明の貫通孔付金属部材の製造方法
の第一は、軸断面が円状であり、その軸断面外径D’が
10〜30mm、軸方向長さL’が15〜36mmの金
属素材に対し、その軸断面中央に、内径d’が5〜8m
mであり、L’/d’が3〜4.5の軸線方向の貫通孔
をドリル切削加工にて穿孔することにより、貫通孔付金
属素材を作製する切削穿孔工程と、加工後の孔内径を規
定するマンドレルを貫通孔に挿通しつつ貫通孔付金属素
材を、鍛造ダイに形成された非円形形状のダイ孔に対し
軸線方向に通すことにより減面率40〜70%以下の絞
り鍛造加工を行い、それによって軸断面外形がダイ孔に
対応する非円形形状となり、かつ加工後の部材の軸断面
外径をD、同じく貫通孔の内径及び長さをそれぞれd及
びLとして、L/dが5〜10、Dが7〜18mm、d
が5〜8mmの貫通孔付金属部材を得る絞り鍛造工程と
を含むことを特徴とする。
を解決するために本発明の貫通孔付金属部材の製造方法
の第一は、軸断面が円状であり、その軸断面外径D’が
10〜30mm、軸方向長さL’が15〜36mmの金
属素材に対し、その軸断面中央に、内径d’が5〜8m
mであり、L’/d’が3〜4.5の軸線方向の貫通孔
をドリル切削加工にて穿孔することにより、貫通孔付金
属素材を作製する切削穿孔工程と、加工後の孔内径を規
定するマンドレルを貫通孔に挿通しつつ貫通孔付金属素
材を、鍛造ダイに形成された非円形形状のダイ孔に対し
軸線方向に通すことにより減面率40〜70%以下の絞
り鍛造加工を行い、それによって軸断面外形がダイ孔に
対応する非円形形状となり、かつ加工後の部材の軸断面
外径をD、同じく貫通孔の内径及び長さをそれぞれd及
びLとして、L/dが5〜10、Dが7〜18mm、d
が5〜8mmの貫通孔付金属部材を得る絞り鍛造工程と
を含むことを特徴とする。
【0006】また、同じく第二は、金属素材を後方押出
加工することにより、軸断面が円状であり、その軸断面
外径D’が10〜30mm、軸方向長さL’が15〜3
6mmで、その断面中央に内径d’が5〜8mmの軸線
方向の有底孔が形成された有底孔付金属素材を作製する
押出工程と、その有底孔付金属素材の底部を打ち抜くこ
とにより、有底孔をL’/d’が3〜4.5の貫通孔と
なして貫通孔付金属素材を作製する打抜き工程と、加工
後の孔内径を規定するマンドレルを貫通孔に挿通しつつ
孔付金属素材を、鍛造ダイに形成された非円形形状のダ
イ孔に対し軸線方向に通すことにより減面率70%以下
の絞り鍛造加工を行い、それによって軸断面外形がダイ
孔に対応する非円形形状となり、かつ加工後の部材の軸
断面外径をD、同じく貫通孔の内径及び長さをそれぞれ
d及びLとして、L/dが5〜10、Dが7〜18m
m、dが5〜8mmの貫通孔付金属部材を得る鍛造工程
とを含むことを特徴とする。
加工することにより、軸断面が円状であり、その軸断面
外径D’が10〜30mm、軸方向長さL’が15〜3
6mmで、その断面中央に内径d’が5〜8mmの軸線
方向の有底孔が形成された有底孔付金属素材を作製する
押出工程と、その有底孔付金属素材の底部を打ち抜くこ
とにより、有底孔をL’/d’が3〜4.5の貫通孔と
なして貫通孔付金属素材を作製する打抜き工程と、加工
後の孔内径を規定するマンドレルを貫通孔に挿通しつつ
孔付金属素材を、鍛造ダイに形成された非円形形状のダ
イ孔に対し軸線方向に通すことにより減面率70%以下
の絞り鍛造加工を行い、それによって軸断面外形がダイ
孔に対応する非円形形状となり、かつ加工後の部材の軸
断面外径をD、同じく貫通孔の内径及び長さをそれぞれ
d及びLとして、L/dが5〜10、Dが7〜18m
m、dが5〜8mmの貫通孔付金属部材を得る鍛造工程
とを含むことを特徴とする。
【0007】なお、本発明において「軸断面外形が非円
形形状である」とは、図7に示すように、軸断面(軸線
と直交する平面による断面)の外形線Tに対し、その幾
何学的重心Gを中心とする内接円ICと外接円OCとを
描き、さらにそれら内接円ICと外接円OCとの中間に
位置する仮想的な基準円SCを描いた場合に、断面外形
線Tの一部が基準円SCの内側に位置し、他の部分が該
基準円SCの外側に位置する形状をいう。例えば、三角
形状、四角形状(正方形、長方形等)等の多角形状形態
や楕円状形態を例示することができる。図7(a)は断
面外形線Tが正方形状の場合、(b)は楕円状の場合の
例を示している。また、非円形形状となる加工後の部材
の軸断面径Dは、該軸断面と同面積の円の直径として定
義する。
形形状である」とは、図7に示すように、軸断面(軸線
と直交する平面による断面)の外形線Tに対し、その幾
何学的重心Gを中心とする内接円ICと外接円OCとを
描き、さらにそれら内接円ICと外接円OCとの中間に
位置する仮想的な基準円SCを描いた場合に、断面外形
線Tの一部が基準円SCの内側に位置し、他の部分が該
基準円SCの外側に位置する形状をいう。例えば、三角
形状、四角形状(正方形、長方形等)等の多角形状形態
や楕円状形態を例示することができる。図7(a)は断
面外形線Tが正方形状の場合、(b)は楕円状の場合の
例を示している。また、非円形形状となる加工後の部材
の軸断面径Dは、該軸断面と同面積の円の直径として定
義する。
【0008】上記本発明の方法によれば、貫通孔内径d
と長さLとの比L/dが5〜10と大きく、かつDが7
〜18mm、Lが40〜100mm程度の小型の金属部
材において、貫通孔の形成位置及び直進性の精度(以
下、両者を総称する場合は「形成精度」という)を、前
記従来の方法と比べて飛躍的に高めることができる。
と長さLとの比L/dが5〜10と大きく、かつDが7
〜18mm、Lが40〜100mm程度の小型の金属部
材において、貫通孔の形成位置及び直進性の精度(以
下、両者を総称する場合は「形成精度」という)を、前
記従来の方法と比べて飛躍的に高めることができる。
【0009】上記方法においては、鍛造前の比較的アス
ペクト比の小さい素材に対し、ドリル切削又は後方押出
+打抜きにより予め貫通孔を形成しておく。素材のアス
ペクト比が小さければ、貫通孔の形成精度を比較的確保
しやすいためである。そして、この貫通孔内にマンドレ
ルを挿通しながら鍛造ダイにより絞り鍛造加工が行われ
る。素材は、鍛造ダイのダイ孔により断面縮小されつ
つ、外形形状がダイ孔内面に対応する非円形形状に成形
される。他方、貫通孔内面はマンドレルにより拘束され
つつ、対応する内径を有するものとなるように成形され
る。このとき、マンドレルは、ダイ孔内にて素材を介し
て周方向に略当方的に加圧されるため、橈みが生じにく
い。その結果、得られる金属部材に最終的に形成される
貫通孔の形成精度が高められるものと考えられる。
ペクト比の小さい素材に対し、ドリル切削又は後方押出
+打抜きにより予め貫通孔を形成しておく。素材のアス
ペクト比が小さければ、貫通孔の形成精度を比較的確保
しやすいためである。そして、この貫通孔内にマンドレ
ルを挿通しながら鍛造ダイにより絞り鍛造加工が行われ
る。素材は、鍛造ダイのダイ孔により断面縮小されつ
つ、外形形状がダイ孔内面に対応する非円形形状に成形
される。他方、貫通孔内面はマンドレルにより拘束され
つつ、対応する内径を有するものとなるように成形され
る。このとき、マンドレルは、ダイ孔内にて素材を介し
て周方向に略当方的に加圧されるため、橈みが生じにく
い。その結果、得られる金属部材に最終的に形成される
貫通孔の形成精度が高められるものと考えられる。
【0010】具体的には、本発明の方法により、貫通孔
の中心軸線をO、貫通孔付金属部材の中心軸線をCとし
て、OのCに対する同軸度をφ0.15mm以下の高精
度に確保することができるようになる。また、貫通孔の
真直度は20/100以下の精度を確保できる。例え
ば、真直度については、前記した従来の方法では38/
100程度のまで悪化していたものが、本発明の方法で
は、その半分程度以下の値とすることが可能となるので
ある。なお、本発明において同軸度は、JISB002
1の11.1に定義されたものを採用し、同じく真直度
はJIS B0021の1.2に定義されたものを採用
する。
の中心軸線をO、貫通孔付金属部材の中心軸線をCとし
て、OのCに対する同軸度をφ0.15mm以下の高精
度に確保することができるようになる。また、貫通孔の
真直度は20/100以下の精度を確保できる。例え
ば、真直度については、前記した従来の方法では38/
100程度のまで悪化していたものが、本発明の方法で
は、その半分程度以下の値とすることが可能となるので
ある。なお、本発明において同軸度は、JISB002
1の11.1に定義されたものを採用し、同じく真直度
はJIS B0021の1.2に定義されたものを採用
する。
【0011】絞り鍛造加工後の部材にて、貫通孔の形成
位置及び直進性の精度を上記範囲のものとするには、鍛
造加工前の素材に形成する貫通孔の形成精度を確保する
ことが重要である。そして、その素材の貫通孔の前記
L’/d’の値が4.5以下である限り、本発明の方法
の第一及び第二で採用しているドリル切削あるいは後方
押出加工により、いずれも必要十分な貫通孔の形成精度
を確保できる。この場合、加工後の部材の貫通孔の同軸
度及び真直度を前記した範囲のものとするには、加工前
の素材の貫通孔の同軸度をφ0.10mm以下、真直度
は3/100以下とすることが望ましい。
位置及び直進性の精度を上記範囲のものとするには、鍛
造加工前の素材に形成する貫通孔の形成精度を確保する
ことが重要である。そして、その素材の貫通孔の前記
L’/d’の値が4.5以下である限り、本発明の方法
の第一及び第二で採用しているドリル切削あるいは後方
押出加工により、いずれも必要十分な貫通孔の形成精度
を確保できる。この場合、加工後の部材の貫通孔の同軸
度及び真直度を前記した範囲のものとするには、加工前
の素材の貫通孔の同軸度をφ0.10mm以下、真直度
は3/100以下とすることが望ましい。
【0012】なお、得られる金属部材のL/dの値が5
未満では、従来の方法にて貫通孔の形成精度の高い部材
が得られることもあり、本発明を敢て適用する意味がな
くなる。他方、L/dが10を超えると、貫通孔の形成
精度が確保できなくなる。L/dは望ましくは5〜10
に設定するのがよい。
未満では、従来の方法にて貫通孔の形成精度の高い部材
が得られることもあり、本発明を敢て適用する意味がな
くなる。他方、L/dが10を超えると、貫通孔の形成
精度が確保できなくなる。L/dは望ましくは5〜10
に設定するのがよい。
【0013】また、部材の軸断面外形Dが10mm未
満、あるいは貫通孔内径dが3mm未満になると、貫通
孔の形成精度が確保できなくなる。一方、内径dが8m
mを超える貫通孔は、ドリル切削や旋盤切削等の公知の
方法でも十分可能となるため本発明を敢て適用する意味
がなくなる。他方、軸断面外形Dが30mmを超える場
合は、貫通孔内径dが3〜8mmとされる関係上、製造
すべき部材の肉厚が大きくなり過ぎ、絞り鍛造による製
造が困難となる。なお、Dは望ましくは10〜30mm
とするのがよく、dは望ましくは5〜8mmとするのが
よい。なお、Lが15〜36mmの範囲を外れると、d
が前記した範囲に設定される関係上、L/dを5〜10
の範囲のものとすることが不可能となる。
満、あるいは貫通孔内径dが3mm未満になると、貫通
孔の形成精度が確保できなくなる。一方、内径dが8m
mを超える貫通孔は、ドリル切削や旋盤切削等の公知の
方法でも十分可能となるため本発明を敢て適用する意味
がなくなる。他方、軸断面外形Dが30mmを超える場
合は、貫通孔内径dが3〜8mmとされる関係上、製造
すべき部材の肉厚が大きくなり過ぎ、絞り鍛造による製
造が困難となる。なお、Dは望ましくは10〜30mm
とするのがよく、dは望ましくは5〜8mmとするのが
よい。なお、Lが15〜36mmの範囲を外れると、d
が前記した範囲に設定される関係上、L/dを5〜10
の範囲のものとすることが不可能となる。
【0014】絞り鍛造時の素材の減面率を70%以下と
する理由は、これが70%を超えると加工後の部材の貫
通孔の形成精度を確保できなくなるためである。他方減
面率は、50%以上を確保しないと、L’/d’が4.
5以下の素材を用いて、L/dが5以上の部材を製造す
ることが不可能となる。
する理由は、これが70%を超えると加工後の部材の貫
通孔の形成精度を確保できなくなるためである。他方減
面率は、50%以上を確保しないと、L’/d’が4.
5以下の素材を用いて、L/dが5以上の部材を製造す
ることが不可能となる。
【0015】一方、加工前の素材については、軸断面外
径D’が10mm未満になると、ドリル切削あるいは後
方押出加工により必要な精度を具備した貫通孔を形成す
ることが困難となる。他方、D’が30mmを超える
と、減面率70%以下の条件にて、外径Dが18mm以
下の部材を得ることが不可能となる。また、素材の貫通
孔の内径d’については、これが5mm未満では、ドリ
ル切削あるいは後方押出加工により、必要な形成精度に
て貫通孔を形成することが困難となる。他方、d’が8
mmを超えると、減面率70%以下の条件にて、加工後
の部材の貫通孔内径dを3mm以下とすることができな
くなる。なお、D’は望ましくは15〜25mmとする
のがよく、d’は6〜8mmとするのがよい。
径D’が10mm未満になると、ドリル切削あるいは後
方押出加工により必要な精度を具備した貫通孔を形成す
ることが困難となる。他方、D’が30mmを超える
と、減面率70%以下の条件にて、外径Dが18mm以
下の部材を得ることが不可能となる。また、素材の貫通
孔の内径d’については、これが5mm未満では、ドリ
ル切削あるいは後方押出加工により、必要な形成精度に
て貫通孔を形成することが困難となる。他方、d’が8
mmを超えると、減面率70%以下の条件にて、加工後
の部材の貫通孔内径dを3mm以下とすることができな
くなる。なお、D’は望ましくは15〜25mmとする
のがよく、d’は6〜8mmとするのがよい。
【0016】他方、L’/d’が3未満になると、減面
率70%以下の条件にて、加工後の部材のL/dを5以
上とすることが不可能となる。また、L’/d’が4.
5を超えると、素材に形成する貫通孔の形成精度を十分
に確保できなくなる。L’/d’は、望ましくは3〜4
とするのがよい。なお、L’が15〜36mmの範囲を
外れると、d’が前記した範囲に設定される関係上、
L’/d’を3〜4.5の範囲のものとすることが不可
能となる。
率70%以下の条件にて、加工後の部材のL/dを5以
上とすることが不可能となる。また、L’/d’が4.
5を超えると、素材に形成する貫通孔の形成精度を十分
に確保できなくなる。L’/d’は、望ましくは3〜4
とするのがよい。なお、L’が15〜36mmの範囲を
外れると、d’が前記した範囲に設定される関係上、
L’/d’を3〜4.5の範囲のものとすることが不可
能となる。
【0017】なお、本発明の方法の第一及び第二では、
素材への貫通孔の形成がそれぞれドリル切削ないし後方
押出加工により形成されるが、ドリル切削を採用する本
発明の第一のほうが、素材への貫通孔の形成精度、ひい
ては得られる部材の貫通孔の形成精度をより高めること
が可能である。この場合、素材の貫通孔については同軸
度がφ0.20mm以下、真直度が20/100以下、
また、部材の貫通孔については、同軸度がφ0.10m
m以下、あるいは真直度が10/100以下と、さらに
良好な値を達成することが可能となる。
素材への貫通孔の形成がそれぞれドリル切削ないし後方
押出加工により形成されるが、ドリル切削を採用する本
発明の第一のほうが、素材への貫通孔の形成精度、ひい
ては得られる部材の貫通孔の形成精度をより高めること
が可能である。この場合、素材の貫通孔については同軸
度がφ0.20mm以下、真直度が20/100以下、
また、部材の貫通孔については、同軸度がφ0.10m
m以下、あるいは真直度が10/100以下と、さらに
良好な値を達成することが可能となる。
【0018】次に、本発明の貫通孔付金属部材は、軸断
面外形が非円形形状で軸断面中央に軸線方向の貫通孔が
形成され、軸断面外径をD、同じく貫通孔の内径及び長
さをそれぞれd及びLとして、L/dが5〜10、Dが
7〜18mm、dが5〜8mmであり、貫通孔内面は、
周方向の切削痕と軸線方向の鍛造加工痕とが形成されて
おり、さらに、貫通孔の中心軸線をO、部材自身の中心
軸線をCとして、OのCに対する同軸度がφ0.15m
m以下であり、かつ貫通孔の真直度が20/100以下
であることを特徴とする。
面外形が非円形形状で軸断面中央に軸線方向の貫通孔が
形成され、軸断面外径をD、同じく貫通孔の内径及び長
さをそれぞれd及びLとして、L/dが5〜10、Dが
7〜18mm、dが5〜8mmであり、貫通孔内面は、
周方向の切削痕と軸線方向の鍛造加工痕とが形成されて
おり、さらに、貫通孔の中心軸線をO、部材自身の中心
軸線をCとして、OのCに対する同軸度がφ0.15m
m以下であり、かつ貫通孔の真直度が20/100以下
であることを特徴とする。
【0019】上記貫通孔付金属部材は、前記本発明の製
造方法の第一により製造することができ、該製造方法の
採用により、その貫通孔は、同軸度がφ0.15mm以
下であり、かつ真直度が20/100以下と、従来の製
造方法では達成不可能な優れた形成精度を具備したもの
となる。この場合、上記同軸度は、φ0.10mm以下
とすることもでき、真直度は10/100以下とするこ
ともできる。
造方法の第一により製造することができ、該製造方法の
採用により、その貫通孔は、同軸度がφ0.15mm以
下であり、かつ真直度が20/100以下と、従来の製
造方法では達成不可能な優れた形成精度を具備したもの
となる。この場合、上記同軸度は、φ0.10mm以下
とすることもでき、真直度は10/100以下とするこ
ともできる。
【0020】他方、貫通孔の内面には周方向の切削痕と
軸線方向の鍛造加工痕とが形成される。これは貫通孔の
内面が、ドリル切削後にマンドレルにより鍛造加工され
た複合加工面であることを意味している。すなわち、ド
リル切削による孔形成の後、その内面をマンドレルによ
り鍛造すると、本発明の製造方法で採用する減面率範囲
では切削痕は消滅するには至らず、それに重なる形でマ
ンドレルによる鍛造加工痕が形成されるからである。な
お、従来技術のように、鍛造(あるいは引抜)加工後に
ドリル切削加工を施す形では、貫通孔の内面にドリルに
よる切削痕は形成されても、鍛造加工痕は形成されな
い。
軸線方向の鍛造加工痕とが形成される。これは貫通孔の
内面が、ドリル切削後にマンドレルにより鍛造加工され
た複合加工面であることを意味している。すなわち、ド
リル切削による孔形成の後、その内面をマンドレルによ
り鍛造すると、本発明の製造方法で採用する減面率範囲
では切削痕は消滅するには至らず、それに重なる形でマ
ンドレルによる鍛造加工痕が形成されるからである。な
お、従来技術のように、鍛造(あるいは引抜)加工後に
ドリル切削加工を施す形では、貫通孔の内面にドリルに
よる切削痕は形成されても、鍛造加工痕は形成されな
い。
【0021】そして、貫通孔は、ドリル加工面の状態で
は切削痕が深く比較的荒れたものとなるのに対し、鍛造
加工を重ねて施すことで切削痕がつぶれて内面が平滑化
される。これにより、例えば部材内面に他部材を通して
摺動させるときに、その摺動性が改善されたり、あるい
は線材等を挿通する際の引っ掛かりが生じにくくなるな
ど、種々の効果を奏することができる。すなわち、上記
本発明の貫通孔付金属部材の構成により、全体として
は、貫通孔の形成精度が高く、形成される貫通孔内
面の平滑性に優れ、さらに、切削加工及び鍛造加工の
組合せにより容易に製造可能である、という3つの効果
が同時に達成されるのである。
は切削痕が深く比較的荒れたものとなるのに対し、鍛造
加工を重ねて施すことで切削痕がつぶれて内面が平滑化
される。これにより、例えば部材内面に他部材を通して
摺動させるときに、その摺動性が改善されたり、あるい
は線材等を挿通する際の引っ掛かりが生じにくくなるな
ど、種々の効果を奏することができる。すなわち、上記
本発明の貫通孔付金属部材の構成により、全体として
は、貫通孔の形成精度が高く、形成される貫通孔内
面の平滑性に優れ、さらに、切削加工及び鍛造加工の
組合せにより容易に製造可能である、という3つの効果
が同時に達成されるのである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に示す実施例を参照しながら説明する。図1〜図
4は、本発明の方法に基づく貫通孔付金属部材の製造工
程を示している。まず、図1に示すように、圧延線材等
として得られる円状断面の金属棒材Bを、所定長に切断
して円柱状の金属素材10を作る。図2(a)に示すよ
うに、金属素材10は、軸断面が円状であり、その軸断
面外径D’が10〜30mm(望ましくは15〜25m
m)、軸方向長さL’が15〜36mm(望ましくは2
0〜30mm)、L’/D’が3〜4.5(望ましくは
3〜3.5)とされる。
て図面に示す実施例を参照しながら説明する。図1〜図
4は、本発明の方法に基づく貫通孔付金属部材の製造工
程を示している。まず、図1に示すように、圧延線材等
として得られる円状断面の金属棒材Bを、所定長に切断
して円柱状の金属素材10を作る。図2(a)に示すよ
うに、金属素材10は、軸断面が円状であり、その軸断
面外径D’が10〜30mm(望ましくは15〜25m
m)、軸方向長さL’が15〜36mm(望ましくは2
0〜30mm)、L’/D’が3〜4.5(望ましくは
3〜3.5)とされる。
【0023】なお金属素材の材質は特に限定されない
が、本実施例ではステンレス鋼、例えばSUS410等
のマルテンサイト系ステンレス鋼(ただし、焼きなまし
状態のもの)が採用されている。
が、本実施例ではステンレス鋼、例えばSUS410等
のマルテンサイト系ステンレス鋼(ただし、焼きなまし
状態のもの)が採用されている。
【0024】次いで、図2に示すように、その金属素材
10に対しドリル50を用いてその軸断面中央に、内径
d’が5〜8mmの円状断面の貫通孔21を、ドリル切
削加工にて軸線方向に穿孔することにより貫通孔付金属
素材20を形成する。このとき、貫通孔21の内面に
は、図2(c)に示すように、周方向の切削痕(ドリル
マーク)DMが形成される。なお、L’/d’は3〜
4.5(望ましくは3〜3.5)とされる。ドリル切削
の採用により、貫通孔21の同軸度をφ0.20mm以
下、同じく真直度Kを20/100以下に確保すること
が可能となる。なお、図6に示すように、円柱状部材2
00の中心に円柱状内面の貫通孔201を形成する場
合、その同軸度Jは、円柱状部材200の中心軸線Cを
中心とする直円筒のうち、貫通孔201を完全に包含す
る最小のものの直径にて定義される。また、真直度K
は、円柱状部材200の中心軸線Cと貫通孔201の中
心軸線Oとを含む平面内にて、Cからの距離が最大とな
るO上の点を通ってCに平行な直線O’を引いたとき
に、そのCとO’との距離をWとして、Cの円柱状部材
200内に存在する部分の長さをLとして、W/Lにて
定義する。
10に対しドリル50を用いてその軸断面中央に、内径
d’が5〜8mmの円状断面の貫通孔21を、ドリル切
削加工にて軸線方向に穿孔することにより貫通孔付金属
素材20を形成する。このとき、貫通孔21の内面に
は、図2(c)に示すように、周方向の切削痕(ドリル
マーク)DMが形成される。なお、L’/d’は3〜
4.5(望ましくは3〜3.5)とされる。ドリル切削
の採用により、貫通孔21の同軸度をφ0.20mm以
下、同じく真直度Kを20/100以下に確保すること
が可能となる。なお、図6に示すように、円柱状部材2
00の中心に円柱状内面の貫通孔201を形成する場
合、その同軸度Jは、円柱状部材200の中心軸線Cを
中心とする直円筒のうち、貫通孔201を完全に包含す
る最小のものの直径にて定義される。また、真直度K
は、円柱状部材200の中心軸線Cと貫通孔201の中
心軸線Oとを含む平面内にて、Cからの距離が最大とな
るO上の点を通ってCに平行な直線O’を引いたとき
に、そのCとO’との距離をWとして、Cの円柱状部材
200内に存在する部分の長さをLとして、W/Lにて
定義する。
【0025】一方、図3は、貫通孔付金属素材20を形
成する別の方法の例を示している。この方法では、
(a)に示すように、金属素材10を押出口51aを有
するコンテナ51のキャビティ51b内に入れ、そのキ
ャビティ51b内の素材21に対し押出口から軸線方向
に穿孔ラム52を圧入する。これにより、素材21は、
穿孔ラム52と押出口51aの間からラム52の圧入方
向と逆向きに押し出され、有底孔21’が形成された有
底孔付金属素材20’が得られる。そして、(b)に示
すように、その底部20aを打抜き加工にて打ち抜くこ
とにより、有底孔21’が貫通孔21となって貫通孔付
金属素材20が得られる。この方法では、貫通孔21の
同軸度をφ0.15mm以下、同じく真直度Kを3/1
00以下に確保することができる。
成する別の方法の例を示している。この方法では、
(a)に示すように、金属素材10を押出口51aを有
するコンテナ51のキャビティ51b内に入れ、そのキ
ャビティ51b内の素材21に対し押出口から軸線方向
に穿孔ラム52を圧入する。これにより、素材21は、
穿孔ラム52と押出口51aの間からラム52の圧入方
向と逆向きに押し出され、有底孔21’が形成された有
底孔付金属素材20’が得られる。そして、(b)に示
すように、その底部20aを打抜き加工にて打ち抜くこ
とにより、有底孔21’が貫通孔21となって貫通孔付
金属素材20が得られる。この方法では、貫通孔21の
同軸度をφ0.15mm以下、同じく真直度Kを3/1
00以下に確保することができる。
【0026】こうして得られた貫通孔付金属素材20に
は、図4に示すように、深絞り鍛造工程が施され、最終
的な貫通孔付金属部材1となる。(a)に示すように、
素材20の貫通孔21内に、これよりも幾分小径で、後
方側に素材20の後端面を押す鍛造パンチ54が一体化
されたマンドレル55を挿通する。このマンドレル55
の外径は、最終的な部材1の貫通孔2の内径に対応する
寸法に設定されている。そして、該マンドレル55とと
もに素材20を鍛造パンチ54により、鍛造ダイ56の
ダイ孔57に圧入する。ダイ孔57は素材20よりも断
面積の小さい非円形形状、本実施例では正方形状に形成
されており、その入口側には円状断面の素材20を縮径
しつつ案内するテーパ状の案内部57aが形成されてい
る。素材20は、ダイ孔57において軸断面外径及び貫
通孔内径が縮小されつつ、外面側がダイ孔内面に対応す
る非円形形状(この場合、正方形状)に鍛造成形され
る。他方、貫通孔21の内面はマンドレル55により拘
束されつつ、対応する内径を有するものとなるように成
形される。
は、図4に示すように、深絞り鍛造工程が施され、最終
的な貫通孔付金属部材1となる。(a)に示すように、
素材20の貫通孔21内に、これよりも幾分小径で、後
方側に素材20の後端面を押す鍛造パンチ54が一体化
されたマンドレル55を挿通する。このマンドレル55
の外径は、最終的な部材1の貫通孔2の内径に対応する
寸法に設定されている。そして、該マンドレル55とと
もに素材20を鍛造パンチ54により、鍛造ダイ56の
ダイ孔57に圧入する。ダイ孔57は素材20よりも断
面積の小さい非円形形状、本実施例では正方形状に形成
されており、その入口側には円状断面の素材20を縮径
しつつ案内するテーパ状の案内部57aが形成されてい
る。素材20は、ダイ孔57において軸断面外径及び貫
通孔内径が縮小されつつ、外面側がダイ孔内面に対応す
る非円形形状(この場合、正方形状)に鍛造成形され
る。他方、貫通孔21の内面はマンドレル55により拘
束されつつ、対応する内径を有するものとなるように成
形される。
【0027】なお、図4(b)に示すように、上記絞り
鍛造前の素材20の軸断面積をS0、鍛造後の部材1の
軸断面積をS1として、減面率RA(={(S0−S1)
/S0}×100(%))は、40〜70%、望ましく
は40〜50%とされる。また、ダイ孔57からは、マ
ンドレル55の押込速度よりも高速で材料が押し出され
るため、貫通孔21の内面はマンドレル55の外面で擦
られる。その結果、同図(c)に示すように、得られる
部材1の貫通孔2の内面には、前述の切削痕DMの上に
重なる形で、該擦りに伴う鍛造痕FMが軸線方向に形成
される。ここで、(d)に示すように、鍛造前の貫通孔
21の内面は切削痕DMが深く比較的荒れたものとなっ
ているが、上記鍛造加工を施すことで切削痕DMがつぶ
れ、最終的な貫通孔2は内面が平滑化されたものとな
る。
鍛造前の素材20の軸断面積をS0、鍛造後の部材1の
軸断面積をS1として、減面率RA(={(S0−S1)
/S0}×100(%))は、40〜70%、望ましく
は40〜50%とされる。また、ダイ孔57からは、マ
ンドレル55の押込速度よりも高速で材料が押し出され
るため、貫通孔21の内面はマンドレル55の外面で擦
られる。その結果、同図(c)に示すように、得られる
部材1の貫通孔2の内面には、前述の切削痕DMの上に
重なる形で、該擦りに伴う鍛造痕FMが軸線方向に形成
される。ここで、(d)に示すように、鍛造前の貫通孔
21の内面は切削痕DMが深く比較的荒れたものとなっ
ているが、上記鍛造加工を施すことで切削痕DMがつぶ
れ、最終的な貫通孔2は内面が平滑化されたものとな
る。
【0028】図5は、こうして製造された貫通孔付金属
部材1の平面図及び縦断面図である。部材1は、上記絞
り鍛造工程により、軸断面形状が正方形状であり、円形
換算した場合の軸断面外径をD、同じく貫通孔2の内径
及び長さをそれぞれd及びLとして、L/dが5〜10
(望ましくは5〜7)、Dが10〜30mm(望ましく
は15〜25mm)、dが5〜8mm(望ましくは5〜
6mm)のものとなる。そして、素材20を、図3に示
すような後方押出加工にて作った場合には、貫通孔2の
中心軸線をO、部材1の中心軸線をCとして、OのCに
対する同軸度J(図6)をφ0.15mm以下、同じく
真直度K(図6)Kを20/100以下に確保できる。
他方、図2に示すように、ドリル切削を採用した場合に
は、Jはφ0.10mm以下、Kは10/100以下
と、さらに向上する。なお、本実施例では部材1の材質
はマルテンサイト系ステンレス鋼であり、この後さらに
焼き入れ(必要により焼き戻し)処理が施されて、例え
ばエアコンのコンプレッサーの摺動部品等の用途に供さ
れる。
部材1の平面図及び縦断面図である。部材1は、上記絞
り鍛造工程により、軸断面形状が正方形状であり、円形
換算した場合の軸断面外径をD、同じく貫通孔2の内径
及び長さをそれぞれd及びLとして、L/dが5〜10
(望ましくは5〜7)、Dが10〜30mm(望ましく
は15〜25mm)、dが5〜8mm(望ましくは5〜
6mm)のものとなる。そして、素材20を、図3に示
すような後方押出加工にて作った場合には、貫通孔2の
中心軸線をO、部材1の中心軸線をCとして、OのCに
対する同軸度J(図6)をφ0.15mm以下、同じく
真直度K(図6)Kを20/100以下に確保できる。
他方、図2に示すように、ドリル切削を採用した場合に
は、Jはφ0.10mm以下、Kは10/100以下
と、さらに向上する。なお、本実施例では部材1の材質
はマルテンサイト系ステンレス鋼であり、この後さらに
焼き入れ(必要により焼き戻し)処理が施されて、例え
ばエアコンのコンプレッサーの摺動部品等の用途に供さ
れる。
【0029】なお、図4において、鍛造ダイ56のダイ
孔57の形状を変更することにより、部材1の軸断面外
径形状は、例えば図8(a)に示すような三角形状のも
の、(b)に示すように六角形状のもの、さらには
(c)に示すような楕円状のものなど、各種形状とする
ことが可能である。
孔57の形状を変更することにより、部材1の軸断面外
径形状は、例えば図8(a)に示すような三角形状のも
の、(b)に示すように六角形状のもの、さらには
(c)に示すような楕円状のものなど、各種形状とする
ことが可能である。
【0030】以下、本発明の効果を確認するために以下
の実験を行った。すなわち、SUS410(焼きなまし
材)の丸棒部材B(図1)を切断し、L’=36mm、
D’=18mmの金属素材10を作製した。次いで、こ
れに、図2に示すように、ドリルを用いて内径d’が8
mmの貫通孔21を穿孔することにより、貫通孔付素材
20を都合10個作製した。なお、貫通孔21の同軸度
Jの平均値はφ0.20mm(標準偏差:0.05m
m)であり、真直度Kは2/100(標準偏差:0.0
04)であった(以下、実施例1という)。
の実験を行った。すなわち、SUS410(焼きなまし
材)の丸棒部材B(図1)を切断し、L’=36mm、
D’=18mmの金属素材10を作製した。次いで、こ
れに、図2に示すように、ドリルを用いて内径d’が8
mmの貫通孔21を穿孔することにより、貫通孔付素材
20を都合10個作製した。なお、貫通孔21の同軸度
Jの平均値はφ0.20mm(標準偏差:0.05m
m)であり、真直度Kは2/100(標準偏差:0.0
04)であった(以下、実施例1という)。
【0031】他方、同じ金属素材10を用いて図3に示
す後方押出加工及び打抜き加工により、上記実施例1と
同寸法の貫通孔付素材20を都合10個作製した。な
お、貫通孔21の同軸度Jの平均値はφ0.30mm
(標準偏差:0.08mm)であり、真直度Kは4/1
00(標準偏差:(0.009)であった(以下、実施
例2という)。
す後方押出加工及び打抜き加工により、上記実施例1と
同寸法の貫通孔付素材20を都合10個作製した。な
お、貫通孔21の同軸度Jの平均値はφ0.30mm
(標準偏差:0.08mm)であり、真直度Kは4/1
00(標準偏差:(0.009)であった(以下、実施
例2という)。
【0032】そして、これら実施例1及び実施例2の貫
通孔付素材20に、図4に示す絞り鍛造加工をそれぞれ
施すことにより、軸断面寸法が11mm×13mm(円
換算軸断面径D=15.5mm)、長さLが36mm、
貫通孔2の内径dが7.5mm、L/dが4.3mmの
貫通孔付金属部材1とした。
通孔付素材20に、図4に示す絞り鍛造加工をそれぞれ
施すことにより、軸断面寸法が11mm×13mm(円
換算軸断面径D=15.5mm)、長さLが36mm、
貫通孔2の内径dが7.5mm、L/dが4.3mmの
貫通孔付金属部材1とした。
【0033】なお、比較例として、図9に示すように、
丸棒部材100を引抜加工することにより、軸断面寸法
が11mm×3mmの角棒部材101となし、これを長
さL=70mmに定尺切断したのち、ドリルを用いて内
径d’が7.5mmの貫通孔105を穿孔した貫通孔付
素材も都合10個作製した。
丸棒部材100を引抜加工することにより、軸断面寸法
が11mm×3mmの角棒部材101となし、これを長
さL=70mmに定尺切断したのち、ドリルを用いて内
径d’が7.5mmの貫通孔105を穿孔した貫通孔付
素材も都合10個作製した。
【0034】そして、上記得られた各部材の貫通孔の同
軸度J及び真直度Kを測定したところ、比較例の部材の
Jはφ0.19mm(標準偏差:0.04mm)、Kは
6/100(標準偏差:0.010)と大きかったのに
対し、実施例1の貫通孔付素材20を用いて本発明の方
法により製造した部材については、Jがφ0.10mm
(標準偏差:0.02mm)、Kが5/100(標準偏
差:(0.008)であり、同じく実施例2の貫通孔付
素材20を用いたものについては、Jがφ0.15mm
(標準偏差:0.03mm)、Kが2/100(標準偏
差:0.004)と、いずれも良好であった。
軸度J及び真直度Kを測定したところ、比較例の部材の
Jはφ0.19mm(標準偏差:0.04mm)、Kは
6/100(標準偏差:0.010)と大きかったのに
対し、実施例1の貫通孔付素材20を用いて本発明の方
法により製造した部材については、Jがφ0.10mm
(標準偏差:0.02mm)、Kが5/100(標準偏
差:(0.008)であり、同じく実施例2の貫通孔付
素材20を用いたものについては、Jがφ0.15mm
(標準偏差:0.03mm)、Kが2/100(標準偏
差:0.004)と、いずれも良好であった。
【図1】本発明の貫通孔付金属部材の製造方法の工程説
明図。
明図。
【図2】図1に続く説明図。
【図3】図1に続く別の説明図。
【図4】図2又は図3に続く説明図。
【図5】本発明の貫通孔付金属部材の一例を示す平面図
及び縦断面図。
及び縦断面図。
【図6】貫通孔の同軸度及び真直度の概念を説明する
図。
図。
【図7】非円形形状の軸断面形状の定義を説明する図。
【図8】本発明の貫通孔付金属部材の軸断面形状のいく
つかの変形例を示す図。
つかの変形例を示す図。
【図9】従来の貫通孔付金属部材の製造方法を示す説明
図。
図。
【図10】その問題点の説明図。
1 貫通孔付金属部材 2 貫通孔 10 金属素材 20 貫通孔付金属素材 21 貫通孔 50 ドリル 55 マンドレル 56 鍛造ダイ 57 ダイ孔 DM 切削痕 FM 鍛造痕
フロントページの続き Fターム(参考) 4E029 GA02 4E087 AA08 AA10 BA15 BA20 CA17 CA21 CA22 CA24 CA28 CB11 CB12 DB01 DB03 DB05 DB06 DB22 DB24 EC11 EC17 EC18 EC37 EC38 EC39 EC46 HA00
Claims (9)
- 【請求項1】 軸断面が円状であり、その軸断面外径
D’が10〜30mm、軸方向長さL’が15〜36m
mの金属素材に対し、その軸断面中央に、内径d’が5
〜8mmであり、L’/d’が3〜4.5の軸線方向の
貫通孔をドリル切削加工にて穿孔することにより、貫通
孔付金属素材を作製する切削穿孔工程と、 加工後の孔内径を規定するマンドレルを前記貫通孔に挿
通しつつ前記貫通孔付金属素材を、鍛造ダイに形成され
た非円形形状のダイ孔に対し軸線方向に通すことにより
減面率40〜70%以下の絞り鍛造加工を行い、それに
よって軸断面外形が前記ダイ孔に対応する非円形形状と
なり、かつ加工後の部材の軸断面外径をD、同じく貫通
孔の内径及び長さをそれぞれd及びLとして、L/dが
5〜10、Dが7〜18mm、dが5〜8mmの貫通孔
付金属部材を得る絞り鍛造工程とを含むことを特徴とす
る貫通孔付金属部材の製造方法。 - 【請求項2】 金属素材を後方押出加工することによ
り、軸断面が円状であり、その軸断面外径D’が10〜
30mm、軸方向長さL’が15〜36mmで、その断
面中央に内径d’が5〜8mmの軸線方向の有底孔が形
成された有底孔付金属素材を作製する押出工程と、 その有底孔付金属素材の底部を打ち抜くことにより、前
記有底孔をL’/d’が3〜4.5の貫通孔となして貫
通孔付金属素材を作製する打抜き工程と、 加工後の孔内径を規定するマンドレルを前記貫通孔に挿
通しつつ前記孔付金属素材を、鍛造ダイに形成された非
円形形状のダイ孔に対し軸線方向に通すことにより減面
率70%以下の絞り鍛造加工を行い、それによって軸断
面外形が前記ダイ孔に対応する非円形形状となり、かつ
加工後の部材の軸断面外径をD、同じく貫通孔の内径及
び長さをそれぞれd及びLとして、L/dが5〜10、
Dが7〜18mm、dが5〜8mmの貫通孔付金属部材
を得る鍛造工程とを含むことを特徴とする貫通孔付金属
部材の製造方法。 - 【請求項3】 前記貫通孔の中心軸線をO、前記貫通孔
付金属部材の中心軸線をCとして、OのCに対する同軸
度をφ0.15mm以下とする請求項1又は2に記載の
貫通孔付金属部材の製造方法。 - 【請求項4】 前記貫通孔の中心軸線をO、前記貫通孔
付金属部材の中心軸線をCとして、OのCに対する同軸
度をφ0.10mm以下とする請求項1記載の貫通孔付
金属部材の製造方法。 - 【請求項5】 前記貫通孔の真直度を20/100以下
とする請求項1ないし4のいずれかに記載の貫通孔付金
属部材の製造方法。 - 【請求項6】 前記貫通孔の真直度が10/100以下
とする請求項1又は4のいずれかに記載の貫通孔付金属
部材の製造方法。 - 【請求項7】 前記貫通孔付金属部材の軸断面外形を四
角形状とする請求項1ないし6のいずれかに記載の貫通
孔付金属部材の製造方法。 - 【請求項8】 軸断面外形が非円形形状で軸断面中央に
軸線方向の貫通孔が形成され、軸断面外径をD、同じく
前記貫通孔の内径及び長さをそれぞれd及びLとして、 L/dが5〜10、Dが7〜18mm、dが5〜8mm
であり、 前記貫通孔内面は、周方向の切削痕と軸線方向の鍛造加
工痕とが形成されており、さらに、 前記貫通孔の中心軸線をO、部材自身の中心軸線をCと
して、OのCに対する同軸度がφ0.15mm以下であ
り、かつ前記貫通孔の真直度が20/100以下である
ことを特徴とする貫通孔付金属部材。 - 【請求項9】 前記貫通孔の中心軸線をO、部材自身の
中心軸線をCとして、OのCに対する同軸度がφ0.1
0mm以下であり、さらに、前記貫通孔の真直度が10
/100以下である請求項8記載の貫通孔付金属部材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10313449A JP2000140980A (ja) | 1998-11-04 | 1998-11-04 | 貫通孔付金属部材の製造方法及び貫通孔付金属部材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10313449A JP2000140980A (ja) | 1998-11-04 | 1998-11-04 | 貫通孔付金属部材の製造方法及び貫通孔付金属部材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000140980A true JP2000140980A (ja) | 2000-05-23 |
Family
ID=18041445
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10313449A Pending JP2000140980A (ja) | 1998-11-04 | 1998-11-04 | 貫通孔付金属部材の製造方法及び貫通孔付金属部材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000140980A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103691857A (zh) * | 2014-01-10 | 2014-04-02 | 中信重工机械股份有限公司 | 一种各向同性矩形截面轴类锻件的锻造方法 |
| CN106413932A (zh) * | 2014-04-08 | 2017-02-15 | 美国制造公司 | 具有整体凸缘构件的可变壁轻型半轴及用于制造该半轴的方法 |
| CN119702933A (zh) * | 2024-12-12 | 2025-03-28 | 江苏金合特种合金材料有限公司 | 一种高温合金阀体快速成型锻造设备及其工艺 |
-
1998
- 1998-11-04 JP JP10313449A patent/JP2000140980A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103691857A (zh) * | 2014-01-10 | 2014-04-02 | 中信重工机械股份有限公司 | 一种各向同性矩形截面轴类锻件的锻造方法 |
| CN106413932A (zh) * | 2014-04-08 | 2017-02-15 | 美国制造公司 | 具有整体凸缘构件的可变壁轻型半轴及用于制造该半轴的方法 |
| JP2017518188A (ja) * | 2014-04-08 | 2017-07-06 | ユーエス・マニュファクチュアリング・コーポレイションUS Manufacturing Corporation | 一体フランジ部材を有する可変壁軽量アクスルシャフト、及びそれを作るための方法 |
| US10543717B2 (en) | 2014-04-08 | 2020-01-28 | Aam International S.À R.L. | Variable-wall light-weight axle shaft with an integral flange member and method for making the same |
| CN119702933A (zh) * | 2024-12-12 | 2025-03-28 | 江苏金合特种合金材料有限公司 | 一种高温合金阀体快速成型锻造设备及其工艺 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| CN103108707B (zh) | 制管方法 | |
| JP3950940B2 (ja) | ブッシュの製造方法 | |
| CN101823117B (zh) | 火花塞用金属壳的制造方法及用于制造该金属壳的模 | |
| CN100396433C (zh) | 沟球截面环件冷辗扩成形方法 | |
| CA2589659A1 (en) | Method for forming tapered piston pins | |
| WO1992020851A1 (en) | Sewing machine needle and method of manufacturing same | |
| JP2000140980A (ja) | 貫通孔付金属部材の製造方法及び貫通孔付金属部材 | |
| JP2002361320A (ja) | 摩擦押出方法及び該方法に用いるツール | |
| JPH0890135A (ja) | 継手金具及び該中間品の製造方法 | |
| RU2107574C1 (ru) | Способ изготовления полупустотелых заклепок | |
| JPS58184033A (ja) | ツバ付シヤフトの製造法 | |
| JP2013202690A (ja) | 管状部品の塑性加工方法 | |
| RU2133167C1 (ru) | Способ изготовления полупустотелых заклепок | |
| JP3336395B2 (ja) | ウォームシャフト素材及びその製造方法 | |
| RU2185916C2 (ru) | Способ изготовления втулки с фланцем | |
| JPH11216289A (ja) | ミシン針およびその製造方法 | |
| RU2194593C2 (ru) | Способ изготовления втулки с фланцем | |
| JPH1024340A (ja) | スリット付きワークの製造方法及びアンカーボルトの製 造方法 | |
| RU2175277C1 (ru) | Способ изготовления полупустотелых стержневых ступенчатых деталей | |
| US20190076913A1 (en) | Piston pin and method for manufacturing piston pin | |
| JP4234224B2 (ja) | 自動車のステアリングメインシャフトの溝加工方法および製造方法 | |
| JP2001225143A (ja) | 孔付部品の成形鍛造方法 | |
| JP4333257B2 (ja) | 高寸法精度管の安定製造方法 | |
| JPH08187542A (ja) | 球状頭部を有する軸状部品の製造方法 | |
| JPH0569078A (ja) | 等速ジヨイントの内輪の成形方法 |