JP2000098354A - 高分子分散型液晶表示素子及びその製造方法 - Google Patents
高分子分散型液晶表示素子及びその製造方法Info
- Publication number
- JP2000098354A JP2000098354A JP10269941A JP26994198A JP2000098354A JP 2000098354 A JP2000098354 A JP 2000098354A JP 10269941 A JP10269941 A JP 10269941A JP 26994198 A JP26994198 A JP 26994198A JP 2000098354 A JP2000098354 A JP 2000098354A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid crystal
- polymer
- substrate
- droplet
- crystal display
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 表示特性を損なわずに散乱特性を向上させる
ようにした高分子分散型液晶表示素子及びその製造方法
を提供することを目的とする。 【解決手段】 それぞれ電極52,53が形成された上
下一対の基板50,51間に、液晶滴55が高分子54
中に分散保持された高分子液晶複合体56が配置される
とともに、前記液晶滴55が基板に垂直な方向に縮めら
れた扁平形状となっている。製造に際しては、重合に伴
う収縮率が10%以上、20%以下の重合性材料と、液
晶材料とを含む混合組成物を、前記基板50,51間に
注入する。注入された混合組成物中の重合性材料を重合
させ、これにより高分子と液晶とを相分離させて高分子
液晶複合体56を形成するとともに、この重合過程にお
いて、重合性材料の収縮により液晶滴55を基板に垂直
な方向に縮められた扁平形状とする。
ようにした高分子分散型液晶表示素子及びその製造方法
を提供することを目的とする。 【解決手段】 それぞれ電極52,53が形成された上
下一対の基板50,51間に、液晶滴55が高分子54
中に分散保持された高分子液晶複合体56が配置される
とともに、前記液晶滴55が基板に垂直な方向に縮めら
れた扁平形状となっている。製造に際しては、重合に伴
う収縮率が10%以上、20%以下の重合性材料と、液
晶材料とを含む混合組成物を、前記基板50,51間に
注入する。注入された混合組成物中の重合性材料を重合
させ、これにより高分子と液晶とを相分離させて高分子
液晶複合体56を形成するとともに、この重合過程にお
いて、重合性材料の収縮により液晶滴55を基板に垂直
な方向に縮められた扁平形状とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば投射型ディ
スプレイなどに用いられる高分子分散型液晶表示素子及
びその製造方法に関する。
スプレイなどに用いられる高分子分散型液晶表示素子及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、薄型、小型、低電圧駆
動、低消費電力という特徴を生かし、腕時計、電卓等の
表示から、ナビゲーションシステム、ノート型パソコ
ン、液晶モニター、データプロジェクター、プロジェク
ション液晶テレビなどあらゆるところで広く利用されて
いる。このような液晶表示素子の表示モードの中で、従
来より広く用いられているのがTN(Twisted
Nematic)方式であり、対向する2枚の基板の間
に上下で液晶分子が90度ねじれた構造の液晶素子を2
枚の偏光板により挟持したものである。また、TN方式
の時分割駆動特性を改善したSTN(Super Tw
isted Nematic)方式の液晶表示素子も日
本語ワードプロセッサーなどに使われている。さらに、
最近では液晶分子の自発分極によって液晶分子の配列状
態を変化させ、その配列状態の変化に伴う電気光学効果
を表示に利用する強誘電性液晶を利用した情報機器も実
用化されている。
動、低消費電力という特徴を生かし、腕時計、電卓等の
表示から、ナビゲーションシステム、ノート型パソコ
ン、液晶モニター、データプロジェクター、プロジェク
ション液晶テレビなどあらゆるところで広く利用されて
いる。このような液晶表示素子の表示モードの中で、従
来より広く用いられているのがTN(Twisted
Nematic)方式であり、対向する2枚の基板の間
に上下で液晶分子が90度ねじれた構造の液晶素子を2
枚の偏光板により挟持したものである。また、TN方式
の時分割駆動特性を改善したSTN(Super Tw
isted Nematic)方式の液晶表示素子も日
本語ワードプロセッサーなどに使われている。さらに、
最近では液晶分子の自発分極によって液晶分子の配列状
態を変化させ、その配列状態の変化に伴う電気光学効果
を表示に利用する強誘電性液晶を利用した情報機器も実
用化されている。
【0003】しかし、これらの液晶表示素子は少なくと
も1枚の偏光板を必要とするため、暗い、配向処理が必
要、セル厚制御が容易でないという課題があった。
も1枚の偏光板を必要とするため、暗い、配向処理が必
要、セル厚制御が容易でないという課題があった。
【0004】一方、このような液晶表示素子に対して、
偏光板が不要で、電界により液晶分子の配列を制御し
て、白濁状態または透明状態を作り出す方式が提案され
ている。この方式は、液晶と透明高分子の複合体が2枚
の基板間に挟持されており、液晶分子が正の誘電率異方
性を有する場合、液晶分子の常光屈折率と透明高分子の
屈折率を一致させておき、電圧を印加して液晶分子の長
軸を電界に平行になるように配列させて透明高分子の屈
折率と一致すると、界面の光散乱がないため透明状態に
なり、一方電圧が無印加のときには、液晶分子は種々の
方向に配向しているため透明高分子との界面で屈折率が
一致しないため光散乱が起こり白濁不透明状態になるこ
とを利用しているものである。
偏光板が不要で、電界により液晶分子の配列を制御し
て、白濁状態または透明状態を作り出す方式が提案され
ている。この方式は、液晶と透明高分子の複合体が2枚
の基板間に挟持されており、液晶分子が正の誘電率異方
性を有する場合、液晶分子の常光屈折率と透明高分子の
屈折率を一致させておき、電圧を印加して液晶分子の長
軸を電界に平行になるように配列させて透明高分子の屈
折率と一致すると、界面の光散乱がないため透明状態に
なり、一方電圧が無印加のときには、液晶分子は種々の
方向に配向しているため透明高分子との界面で屈折率が
一致しないため光散乱が起こり白濁不透明状態になるこ
とを利用しているものである。
【0005】この方式の代表的な例は、NCAP(Ne
matic Curvilinear Aligned
Phase)と呼ばれる、ネマチック液晶をポリビニ
ルアルコールなどでマイクロカプセル化したものである
(粉体と工業、VOL.22、NO.8(199
0))。
matic Curvilinear Aligned
Phase)と呼ばれる、ネマチック液晶をポリビニ
ルアルコールなどでマイクロカプセル化したものである
(粉体と工業、VOL.22、NO.8(199
0))。
【0006】また、このほかに、PDLC(Polym
er Dispersed Liquid Cryst
al)といわれる方式があり、液晶微小滴を高分子マト
リクス中に分散させる方法である(フラットパネルディ
スプレイ’91、日経BP社、p219)。
er Dispersed Liquid Cryst
al)といわれる方式があり、液晶微小滴を高分子マト
リクス中に分散させる方法である(フラットパネルディ
スプレイ’91、日経BP社、p219)。
【0007】また、PNLC(Polymer Net
work Liquid Crystal)といわれる
ものもあり、樹脂が液晶の連続相の中に3 次元ネットワ
ーク状に広がる構造を有するものである(電気情報通信
学会技術研究報告、EID89−89、p1)。
work Liquid Crystal)といわれる
ものもあり、樹脂が液晶の連続相の中に3 次元ネットワ
ーク状に広がる構造を有するものである(電気情報通信
学会技術研究報告、EID89−89、p1)。
【0008】これらの液晶と透明高分子の複合体は、総
称して高分子分散型液晶と呼ばれている。よって、本明
細書においても、用語「高分子分散型液晶」は、上記の
NCAP、PDLC、PNLCなどを含めた総称の意で
使用する。即ち、本明細書中において用語「高分子分散
型液晶」とは、高分子マトリクス中に液晶滴が島状に分
散されたものに限らず、液晶滴が連続的に繋がったも
の、更には樹脂が液晶の連続相の中に3 次元ネットワー
ク状に広がる構造を有するものなども包含する。
称して高分子分散型液晶と呼ばれている。よって、本明
細書においても、用語「高分子分散型液晶」は、上記の
NCAP、PDLC、PNLCなどを含めた総称の意で
使用する。即ち、本明細書中において用語「高分子分散
型液晶」とは、高分子マトリクス中に液晶滴が島状に分
散されたものに限らず、液晶滴が連続的に繋がったも
の、更には樹脂が液晶の連続相の中に3 次元ネットワー
ク状に広がる構造を有するものなども包含する。
【0009】従来、これらの液晶と高分子の複合体の製
造方法は、アクリル系またはエポキシ系紫外線硬化樹脂
などの未硬化樹脂モノマーと液晶材料を溶解させた混合
組成物を2枚の基板間に注入し、これに、紫外線を照射
すると、樹脂モノマーが重合して液晶と樹脂が相分離す
る。その結果、高分子中に液晶が分散した構造、または
液晶中に高分子がネットワーク状に広がる構造のものが
得られる(フラットパネルディスプレイ’91、日経B
P社、p219、電気情報通信学会技術研究報告、EI
D89−89、p1など)。
造方法は、アクリル系またはエポキシ系紫外線硬化樹脂
などの未硬化樹脂モノマーと液晶材料を溶解させた混合
組成物を2枚の基板間に注入し、これに、紫外線を照射
すると、樹脂モノマーが重合して液晶と樹脂が相分離す
る。その結果、高分子中に液晶が分散した構造、または
液晶中に高分子がネットワーク状に広がる構造のものが
得られる(フラットパネルディスプレイ’91、日経B
P社、p219、電気情報通信学会技術研究報告、EI
D89−89、p1など)。
【0010】ところで、このような高分子分散型液晶に
おいて、液晶と高分子の複合体の光に対する散乱性を向
上させるため、液晶滴の形状を平板状(液晶滴の断面形
状を基板に垂直な方向の長さが基板に平行な方向の長さ
に比べて小さい)に変形する例が、特開平5−8030
2号公報および特開平7−181454号公報に開示さ
れている。即ち、特開平5−80302号公報では、加
熱状態で液晶滴を押圧し、平板状の液晶滴を形成する例
が示されており、変形比が1.2〜5.0(後述する変
形率に換算すると20〜80に相当する)が望ましいと
述べられている。また特開平7−181454号公報で
は、紫外線を照射しながら押圧し、平板状の液晶滴を形
成する例が示されており、液晶滴の断面の厚さは長さの
1/2が望ましく、実際には1/2〜1/4(変形比に
換算すると2〜4:後述する変形率に換算すると50〜
75に相当する)程度にまで変形させている。
おいて、液晶と高分子の複合体の光に対する散乱性を向
上させるため、液晶滴の形状を平板状(液晶滴の断面形
状を基板に垂直な方向の長さが基板に平行な方向の長さ
に比べて小さい)に変形する例が、特開平5−8030
2号公報および特開平7−181454号公報に開示さ
れている。即ち、特開平5−80302号公報では、加
熱状態で液晶滴を押圧し、平板状の液晶滴を形成する例
が示されており、変形比が1.2〜5.0(後述する変
形率に換算すると20〜80に相当する)が望ましいと
述べられている。また特開平7−181454号公報で
は、紫外線を照射しながら押圧し、平板状の液晶滴を形
成する例が示されており、液晶滴の断面の厚さは長さの
1/2が望ましく、実際には1/2〜1/4(変形比に
換算すると2〜4:後述する変形率に換算すると50〜
75に相当する)程度にまで変形させている。
【0011】上記のように液晶滴を扁平状に形成するこ
とにより、急峻性が高く、ヒステリシスが小さくなる利
点があると言われている。
とにより、急峻性が高く、ヒステリシスが小さくなる利
点があると言われている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、我々の
検討では、前述例のように液晶滴の変形比を1.2(後
述する変形率に換算すると20に相当する)以上に変形
させると、かえってコントラストの低下等の表示特性が
悪化する問題が生じることが判明した。
検討では、前述例のように液晶滴の変形比を1.2(後
述する変形率に換算すると20に相当する)以上に変形
させると、かえってコントラストの低下等の表示特性が
悪化する問題が生じることが判明した。
【0013】本発明は、上記課題に鑑み、表示特性を損
なわずに散乱特性を向上させるようにした高分子分散型
液晶表示素子及びその製造方法を提供することを目的と
する。
なわずに散乱特性を向上させるようにした高分子分散型
液晶表示素子及びその製造方法を提供することを目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明のうちの請求項1記載の発明は、それぞれ電
極が形成された一対の基板間に、液晶滴が高分子中に分
散保持された高分子液晶複合体が配置されるとともに、
前記液晶滴が基板に垂直な方向に縮められた扁平形状と
なっている高分子分散型液晶表示素子であって、前記液
晶滴の基板に垂直な軸の長さをL2、基板に平行な軸の
長さをL1とし、L1/L2を変形比としたとき、液晶
滴の変形比が1.2以下であることを特徴とする。
に、本発明のうちの請求項1記載の発明は、それぞれ電
極が形成された一対の基板間に、液晶滴が高分子中に分
散保持された高分子液晶複合体が配置されるとともに、
前記液晶滴が基板に垂直な方向に縮められた扁平形状と
なっている高分子分散型液晶表示素子であって、前記液
晶滴の基板に垂直な軸の長さをL2、基板に平行な軸の
長さをL1とし、L1/L2を変形比としたとき、液晶
滴の変形比が1.2以下であることを特徴とする。
【0015】上記構成により、散乱特性を向上させると
いう目的が達成される。以下に理由を述べる。
いう目的が達成される。以下に理由を述べる。
【0016】(1)一般的な高分子分散型液晶表示素子
では、液晶滴は球形である。この場合の各液晶滴の配向
は、基板に対してランダムであり、基板に平行な面内で
もランダムとなっている。このような配向状態となるの
は、液晶滴が球形であり、その形状が対称性を有するた
め、極が発生する方向に規則性がないためである。この
ような従来の液晶の配向では、十分な光散乱効果を得ら
れない。そこで、十分な光散乱効果を得るためには、液
晶滴内の液晶分子を基板に対して平行に並ぶように処理
することが有効であると考えられる。なぜなら、散乱は
液晶と高分子の屈折率差のミスマッチ、液晶滴間の屈折
率のミスマッチによって発生しており、従って、液晶が
基板に水平に並ぶことによって、基板に垂直に入射した
光に関する液晶の実効的な屈折率異方性Δnが増加し、
この結果、散乱が増加することになるからである。但
し、液晶分子が基板に平行に並んだ場合でも基板に平行
な面内で、液晶分子の方向が揃っていれば、散乱は小さ
い。これは、液晶滴間の屈折率の差が小さいため、十分
な散乱強度が得られないためである。従って、散乱効果
を向上させるための最も望ましい液晶分子の配向形態
は、液晶滴内の液晶分子が基板に平行に並び、かつ、基
板に平行な面内ではランダムに配向していることであ
る。一方、液晶滴を扁平化することで、液晶分子を基板
に平行に並ぶようにすることができる。なぜなら、液晶
滴をセル厚方向に縮められた扁平構造に変形すると、液
晶滴のセル厚方向の長さが、液晶滴の基板に平行な方向
の長さよりも短くなり、非対称性を有することになる。
この場合の液晶滴内の液晶分子は、前記基板に平行な方
向に従って配向することが見いだされた。よって、バイ
ポール軸が基板に対して平行に近づくように液晶が配向
する。但し、セル厚方向に縮められても、液晶滴の基板
に平行な断面形状は、円形のままであり変形していな
い。従って、基板に平行に面内では、対称性を有するた
め、液晶分子の配向に規則性がなく、ランダムに配向す
る。よって、液晶滴を扁平化することで、液晶滴内の液
晶分子の配向が基板に平行になり、かつ、基板に平行な
面内ではランダムとなり、これにより、散乱効果が向上
する。ここで注意すべき点は、散乱効果の向上は、液晶
滴の形状が変形した直接的な効果ではなく、変形によっ
て液晶の配向が基板に平行になり、かつ、基板に平行な
面内ではランダムであったためである。従って、液晶滴
の変形比の如何にかかわらず、液晶滴を変形すれば、常
に散乱効果が向上するとは限らない。この点に関し、過
大な変形を行うと、却って特性が悪化することが本発明
者により確認された。過大な変形を行うと却って特性が
悪化する理由としては、変形が大きくなると、液晶の排
除体積効果によって、液晶分子がセル厚方向(液晶滴の
短軸方向)に並ぼうする傾向が強まるからである。即
ち、液晶の排除体積効果に起因して、却って、液晶分子
が垂直方向に立ち上がる現象が生じるからである。そこ
で、液晶の排除体積効果に起因した液晶分子に作用する
立ち上がり力が生じない範囲で液晶滴を変形するように
構成することにより、液晶滴内の液晶分子の配向方位を
比較的基板に平行に近くすることができる。本発明者ら
の実験結果によれば、前記液晶滴の基板に垂直な軸の長
さをL2、基板に平行な軸の長さをL1とし、L1/L
2を変形比としたとき、液晶滴の変形比が1.2以下と
することにより、コントラストなどの表示特性を損なわ
ず、光散乱特性を向上させることができる高分子分散型
液晶表示素子が実現できた。
では、液晶滴は球形である。この場合の各液晶滴の配向
は、基板に対してランダムであり、基板に平行な面内で
もランダムとなっている。このような配向状態となるの
は、液晶滴が球形であり、その形状が対称性を有するた
め、極が発生する方向に規則性がないためである。この
ような従来の液晶の配向では、十分な光散乱効果を得ら
れない。そこで、十分な光散乱効果を得るためには、液
晶滴内の液晶分子を基板に対して平行に並ぶように処理
することが有効であると考えられる。なぜなら、散乱は
液晶と高分子の屈折率差のミスマッチ、液晶滴間の屈折
率のミスマッチによって発生しており、従って、液晶が
基板に水平に並ぶことによって、基板に垂直に入射した
光に関する液晶の実効的な屈折率異方性Δnが増加し、
この結果、散乱が増加することになるからである。但
し、液晶分子が基板に平行に並んだ場合でも基板に平行
な面内で、液晶分子の方向が揃っていれば、散乱は小さ
い。これは、液晶滴間の屈折率の差が小さいため、十分
な散乱強度が得られないためである。従って、散乱効果
を向上させるための最も望ましい液晶分子の配向形態
は、液晶滴内の液晶分子が基板に平行に並び、かつ、基
板に平行な面内ではランダムに配向していることであ
る。一方、液晶滴を扁平化することで、液晶分子を基板
に平行に並ぶようにすることができる。なぜなら、液晶
滴をセル厚方向に縮められた扁平構造に変形すると、液
晶滴のセル厚方向の長さが、液晶滴の基板に平行な方向
の長さよりも短くなり、非対称性を有することになる。
この場合の液晶滴内の液晶分子は、前記基板に平行な方
向に従って配向することが見いだされた。よって、バイ
ポール軸が基板に対して平行に近づくように液晶が配向
する。但し、セル厚方向に縮められても、液晶滴の基板
に平行な断面形状は、円形のままであり変形していな
い。従って、基板に平行に面内では、対称性を有するた
め、液晶分子の配向に規則性がなく、ランダムに配向す
る。よって、液晶滴を扁平化することで、液晶滴内の液
晶分子の配向が基板に平行になり、かつ、基板に平行な
面内ではランダムとなり、これにより、散乱効果が向上
する。ここで注意すべき点は、散乱効果の向上は、液晶
滴の形状が変形した直接的な効果ではなく、変形によっ
て液晶の配向が基板に平行になり、かつ、基板に平行な
面内ではランダムであったためである。従って、液晶滴
の変形比の如何にかかわらず、液晶滴を変形すれば、常
に散乱効果が向上するとは限らない。この点に関し、過
大な変形を行うと、却って特性が悪化することが本発明
者により確認された。過大な変形を行うと却って特性が
悪化する理由としては、変形が大きくなると、液晶の排
除体積効果によって、液晶分子がセル厚方向(液晶滴の
短軸方向)に並ぼうする傾向が強まるからである。即
ち、液晶の排除体積効果に起因して、却って、液晶分子
が垂直方向に立ち上がる現象が生じるからである。そこ
で、液晶の排除体積効果に起因した液晶分子に作用する
立ち上がり力が生じない範囲で液晶滴を変形するように
構成することにより、液晶滴内の液晶分子の配向方位を
比較的基板に平行に近くすることができる。本発明者ら
の実験結果によれば、前記液晶滴の基板に垂直な軸の長
さをL2、基板に平行な軸の長さをL1とし、L1/L
2を変形比としたとき、液晶滴の変形比が1.2以下と
することにより、コントラストなどの表示特性を損なわ
ず、光散乱特性を向上させることができる高分子分散型
液晶表示素子が実現できた。
【0017】(2)また、散乱特性を向上させるという
目的が達成される理由としては、上記理由に加えて、以
下の理由も考えられる。即ち、無電界時の液晶表示素子
の散乱性能は入射光が高分子/液晶界面で両者の屈折率
のミスマッチングによって散乱される回数に比例するこ
とになり、この散乱回数が多いほど素子の散乱性は増す
ことになる。従って、液晶滴の形状が扁平な形状をして
いるときは球形をしているときに比べ、高分子と液晶滴
が接する表面積が増えることになり、その結果、高分子
/液晶界面での散乱回数が増え、液晶表示素子の散乱特
性が向上することになる。
目的が達成される理由としては、上記理由に加えて、以
下の理由も考えられる。即ち、無電界時の液晶表示素子
の散乱性能は入射光が高分子/液晶界面で両者の屈折率
のミスマッチングによって散乱される回数に比例するこ
とになり、この散乱回数が多いほど素子の散乱性は増す
ことになる。従って、液晶滴の形状が扁平な形状をして
いるときは球形をしているときに比べ、高分子と液晶滴
が接する表面積が増えることになり、その結果、高分子
/液晶界面での散乱回数が増え、液晶表示素子の散乱特
性が向上することになる。
【0018】(3)尚、上記の散乱特性が悪化すること
になる過大な変形の程度については、本発明者らの実験
結果により、以下のことが認められた。即ち、液晶滴の
変形比が1.2であると、扁平でない球形の液晶滴の場
合とほぼ同じ散乱特性が得られ、変形比が1.2を超え
ると、却って散乱特性が悪くなった。よって、上記
(1)及び(2)に記載した理由により、液晶滴の変形
比が1.2以下とすることにより、散乱特性の向上を図
ることができる。
になる過大な変形の程度については、本発明者らの実験
結果により、以下のことが認められた。即ち、液晶滴の
変形比が1.2であると、扁平でない球形の液晶滴の場
合とほぼ同じ散乱特性が得られ、変形比が1.2を超え
ると、却って散乱特性が悪くなった。よって、上記
(1)及び(2)に記載した理由により、液晶滴の変形
比が1.2以下とすることにより、散乱特性の向上を図
ることができる。
【0019】また請求項2記載の発明は、それぞれ電極
が形成された上下一対の基板間に、液晶滴が高分子中に
分散保持された高分子液晶複合体が配置されるととも
に、前記液晶滴が基板に垂直な方向に縮められた扁平形
状となっている高分子分散型液晶表示素子であって、前
記液晶滴の基板に垂直な軸の長さをL2、基板に平行な
軸の長さをL1とし、L1/L2を変形比としたとき、
液晶滴の変形比が1.10以下であることを特徴とす
る。
が形成された上下一対の基板間に、液晶滴が高分子中に
分散保持された高分子液晶複合体が配置されるととも
に、前記液晶滴が基板に垂直な方向に縮められた扁平形
状となっている高分子分散型液晶表示素子であって、前
記液晶滴の基板に垂直な軸の長さをL2、基板に平行な
軸の長さをL1とし、L1/L2を変形比としたとき、
液晶滴の変形比が1.10以下であることを特徴とす
る。
【0020】本発明者らの実験結果によれば、液晶滴の
変形比が1.10以下であれば、液晶滴の変形のない場
合に比べて、顕著に散乱特性が向上した。よって、液晶
滴の変形比は、1.10以下とするのが、望ましい。
変形比が1.10以下であれば、液晶滴の変形のない場
合に比べて、顕著に散乱特性が向上した。よって、液晶
滴の変形比は、1.10以下とするのが、望ましい。
【0021】また請求項3記載の発明は、それぞれ電極
が形成された上下一対の基板間に、液晶滴が高分子中に
分散保持された高分子液晶複合体が配置されるととも
に、前記液晶滴が基板に垂直な方向に縮められた扁平形
状となっている高分子分散型液晶表示素子の製造方法で
あって、重合に伴う収縮率が10%以上、20%以下の
重合性材料と、液晶材料とを含む混合組成物を、前記基
板間に注入する工程と、基板間に注入された前記混合組
成物中の重合性材料を重合させ、これにより高分子と液
晶とを相分離させて高分子液晶複合体を形成するととも
に、この重合過程において、重合性材料の収縮により液
晶滴を基板に垂直な方向に縮められた扁平形状とする工
程と、を有することを特徴とする。
が形成された上下一対の基板間に、液晶滴が高分子中に
分散保持された高分子液晶複合体が配置されるととも
に、前記液晶滴が基板に垂直な方向に縮められた扁平形
状となっている高分子分散型液晶表示素子の製造方法で
あって、重合に伴う収縮率が10%以上、20%以下の
重合性材料と、液晶材料とを含む混合組成物を、前記基
板間に注入する工程と、基板間に注入された前記混合組
成物中の重合性材料を重合させ、これにより高分子と液
晶とを相分離させて高分子液晶複合体を形成するととも
に、この重合過程において、重合性材料の収縮により液
晶滴を基板に垂直な方向に縮められた扁平形状とする工
程と、を有することを特徴とする。
【0022】上記構成により、液晶滴の形状が扁平な形
状を有する高分子分散型液晶表示素子を実現することが
できる。具体的に説明すると、重合性材料と液晶材料か
らなる混合組成物を上下一対の基板間に密閉した後、光
または熱で前記重合性材料の重合を行うと、重合が進行
するにつれ、(1)液晶滴の析出と成長、(2)重合性
材料の重合に伴う収縮、の2つの現象が同時に進行す
る。そして、重合性材料の収縮に起因して、密閉された
基板内では基板の厚み方向に圧力が働くことになり、同
時に析出、成長する液晶滴(もともとは球状)を押圧す
ることになる。従って、重合完了後には押圧され扁平化
した液晶滴を有する高分子分散型液晶が形成されること
になる。
状を有する高分子分散型液晶表示素子を実現することが
できる。具体的に説明すると、重合性材料と液晶材料か
らなる混合組成物を上下一対の基板間に密閉した後、光
または熱で前記重合性材料の重合を行うと、重合が進行
するにつれ、(1)液晶滴の析出と成長、(2)重合性
材料の重合に伴う収縮、の2つの現象が同時に進行す
る。そして、重合性材料の収縮に起因して、密閉された
基板内では基板の厚み方向に圧力が働くことになり、同
時に析出、成長する液晶滴(もともとは球状)を押圧す
ることになる。従って、重合完了後には押圧され扁平化
した液晶滴を有する高分子分散型液晶が形成されること
になる。
【0023】ここで、収縮率を上記のように規制するの
は、以下の理由による。即ち、収縮率と液晶滴の変形比
とは対応関係がある。換言すれば、重合性材料の重合す
る際に液晶滴に働く圧力は重合性材料の収縮率が大きい
ほど強く、従って、収縮率が大きいほど液晶滴の変形比
も大きくなる。一方、上記請求項1記載の発明の作用に
おいて詳述したように、変形比が大きすぎると却って散
乱特性が悪くなる。従って、収縮率についても、変形比
と同様に大きすぎると却って散乱特性が悪くなるからで
ある。一方、収縮率が小さすぎると、液晶滴に働く圧力
が小さすぎて扁平状の液晶滴を形成することができず、
散乱特性の向上が図れないからである。。
は、以下の理由による。即ち、収縮率と液晶滴の変形比
とは対応関係がある。換言すれば、重合性材料の重合す
る際に液晶滴に働く圧力は重合性材料の収縮率が大きい
ほど強く、従って、収縮率が大きいほど液晶滴の変形比
も大きくなる。一方、上記請求項1記載の発明の作用に
おいて詳述したように、変形比が大きすぎると却って散
乱特性が悪くなる。従って、収縮率についても、変形比
と同様に大きすぎると却って散乱特性が悪くなるからで
ある。一方、収縮率が小さすぎると、液晶滴に働く圧力
が小さすぎて扁平状の液晶滴を形成することができず、
散乱特性の向上が図れないからである。。
【0024】更に、本発明では、重合性材料の重合に伴
う収縮により液晶滴を扁平状とするので、機械的な押圧
手段を用いて液晶滴を扁平状とする構成に比べて、液晶
滴を均一に押圧することができるので、液晶滴の変形比
にばらつきがない。そのため、高散乱でしかも、再現性
に優れ、かつ、表示むらの無い液晶表示素子を実現する
ことが可能になる。
う収縮により液晶滴を扁平状とするので、機械的な押圧
手段を用いて液晶滴を扁平状とする構成に比べて、液晶
滴を均一に押圧することができるので、液晶滴の変形比
にばらつきがない。そのため、高散乱でしかも、再現性
に優れ、かつ、表示むらの無い液晶表示素子を実現する
ことが可能になる。
【0025】また請求項4記載の発明は、請求項3記載
の高分子分散型液晶表示素子の製造方法であって、前記
重合性材料がアクリレート系またはメタクリレート系の
材料であることを特徴とする。
の高分子分散型液晶表示素子の製造方法であって、前記
重合性材料がアクリレート系またはメタクリレート系の
材料であることを特徴とする。
【0026】上記の如く重合性材料がアクリレート系ま
たはメタクリレート系の材料であれば、10%以上、2
0%以下の収縮率を容易に得られる。
たはメタクリレート系の材料であれば、10%以上、2
0%以下の収縮率を容易に得られる。
【0027】また請求項5載の発明は、請求項3記載の
高分子分散型液晶表示素子の製造方法であって、前記重
合性材料が、単官能基を有するモノマーと、2官能基を
有するモノマーとから構成されていることを特徴とす
る。
高分子分散型液晶表示素子の製造方法であって、前記重
合性材料が、単官能基を有するモノマーと、2官能基を
有するモノマーとから構成されていることを特徴とす
る。
【0028】上記の如く、重合性材料として、単官能基
を有するモノマー及び2官能基を有するモノマーを使用
することにより、希望する大きな収縮率を得ることがで
きる。尚、高分子分散型液晶の重合性材料として通常使
用されているオリゴマーに代えて、2官能基を有するモ
ノマーを使用する本発明では、分子量が小さいため、重
合に伴う体積収縮が大きいという効果を奏する。
を有するモノマー及び2官能基を有するモノマーを使用
することにより、希望する大きな収縮率を得ることがで
きる。尚、高分子分散型液晶の重合性材料として通常使
用されているオリゴマーに代えて、2官能基を有するモ
ノマーを使用する本発明では、分子量が小さいため、重
合に伴う体積収縮が大きいという効果を奏する。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明者によれば、従来提唱され
ているように、液晶滴の変形比を1.2 以上とするの
ではなく、液晶滴の変形は行うものの、その変形比を抑
制するほうがむしろ特性がよくなることが判明した。
ているように、液晶滴の変形比を1.2 以上とするの
ではなく、液晶滴の変形は行うものの、その変形比を抑
制するほうがむしろ特性がよくなることが判明した。
【0030】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態における液晶表示素子について、図面を参照しながら
説明する。
態における液晶表示素子について、図面を参照しながら
説明する。
【0031】図1は本発明の液晶表示素子の断面図を示
したものであり、図2は本発明の液晶表示素子の平面図
である。図1に示す液晶表示素子において、互いに対向
する2枚の基板11の内側にはそれぞれ透明電極12が
形成され、これら透明電極12同士の間に、高分子13
中に液晶滴14が分散した液晶素子が配置されいる。こ
の液晶滴14の直径d0(図2参照)は約1.2μmと
した。なお液晶中には2色性色素を含有してもよい。こ
の場合には、この2色性色素で光を吸収するゲストホス
ト方式の液晶デバイスとなる。
したものであり、図2は本発明の液晶表示素子の平面図
である。図1に示す液晶表示素子において、互いに対向
する2枚の基板11の内側にはそれぞれ透明電極12が
形成され、これら透明電極12同士の間に、高分子13
中に液晶滴14が分散した液晶素子が配置されいる。こ
の液晶滴14の直径d0(図2参照)は約1.2μmと
した。なお液晶中には2色性色素を含有してもよい。こ
の場合には、この2色性色素で光を吸収するゲストホス
ト方式の液晶デバイスとなる。
【0032】本発明では、この液晶滴14がセル厚方向
に変形されていることが特徴であり、図1に示す場合、
液晶滴14はセル厚方向に長さが縮められた扁平構造を
とっている。即ち、液晶滴14の形状は、セル厚方向の
長さだけが縮められ、基板に平行な断面形状は円形のま
まで変形されていない扁平形状である。
に変形されていることが特徴であり、図1に示す場合、
液晶滴14はセル厚方向に長さが縮められた扁平構造を
とっている。即ち、液晶滴14の形状は、セル厚方向の
長さだけが縮められ、基板に平行な断面形状は円形のま
まで変形されていない扁平形状である。
【0033】なお、図1では液晶分子の配列は図面の左
右方向に2極を持つバイポール構造として描いている
が、これはバイポール軸が基板に略平行に存在すること
を意図したものであり、バイポール軸が1軸方向に並ん
でいることを意図しているわけではない。また、図1で
は、図面の理解を容易にするため、液晶滴の形状をすべ
て均一な形状として描いているが、実際は、液晶滴の形
状は、図1に示すほど、均一な形状ではない。なお、バ
イポール軸は、図2に示すように、基板に平行な面内で
はにランダムに存在している。
右方向に2極を持つバイポール構造として描いている
が、これはバイポール軸が基板に略平行に存在すること
を意図したものであり、バイポール軸が1軸方向に並ん
でいることを意図しているわけではない。また、図1で
は、図面の理解を容易にするため、液晶滴の形状をすべ
て均一な形状として描いているが、実際は、液晶滴の形
状は、図1に示すほど、均一な形状ではない。なお、バ
イポール軸は、図2に示すように、基板に平行な面内で
はにランダムに存在している。
【0034】上記のような液晶表示素子を製造する方法
について、図3を参照して、以下に説明する。
について、図3を参照して、以下に説明する。
【0035】図3(a)に示すように、まず2枚の基板
11を対向して張り合わせる。なお、それぞれの基板1
1の内側には透明電極12を形成しておき、一方の基板
にはTFTトランジスタを形成したアクティブマトリク
ス基板を用いる。なお、基板11間の距離(セル厚)d
1は、例えば粒径12μmの樹脂ビーズであるスペーサ
15をあらかじめ散布しておくことで一定に保つことが
できる。
11を対向して張り合わせる。なお、それぞれの基板1
1の内側には透明電極12を形成しておき、一方の基板
にはTFTトランジスタを形成したアクティブマトリク
ス基板を用いる。なお、基板11間の距離(セル厚)d
1は、例えば粒径12μmの樹脂ビーズであるスペーサ
15をあらかじめ散布しておくことで一定に保つことが
できる。
【0036】次に、図3(b)に示すように、基板11
間に、液晶と重合性モノマーとオリゴマーと重合開始剤
との混合物を、真空注入で導入する。このとき、液晶パ
ネル側面のシール部に形成されている真空注入口(図示
せず)は、封口していない。その後、図3(c)に示す
ように、365nmを主波長とする紫外線を照射し、重
合性モノマーとオリゴマーを重合させる。これにより、
重合性モノマーとオリゴマーが重合し、図3(d)に示
すように、高分子マトリクス中に液晶材料としての球形
の液晶滴14が連続的につながって分散しているポリマ
ーネットワーク型液晶素子が作製される。なお、構造的
には高分子マトリクス中に液晶滴が分散している高分子
分散型液晶素子であってもよいことは言うまでもない。
間に、液晶と重合性モノマーとオリゴマーと重合開始剤
との混合物を、真空注入で導入する。このとき、液晶パ
ネル側面のシール部に形成されている真空注入口(図示
せず)は、封口していない。その後、図3(c)に示す
ように、365nmを主波長とする紫外線を照射し、重
合性モノマーとオリゴマーを重合させる。これにより、
重合性モノマーとオリゴマーが重合し、図3(d)に示
すように、高分子マトリクス中に液晶材料としての球形
の液晶滴14が連続的につながって分散しているポリマ
ーネットワーク型液晶素子が作製される。なお、構造的
には高分子マトリクス中に液晶滴が分散している高分子
分散型液晶素子であってもよいことは言うまでもない。
【0037】次に、図3(e)に示すように、液晶構造
を変形させて液晶パネル内部の液晶を若干押し出す。
を変形させて液晶パネル内部の液晶を若干押し出す。
【0038】この液晶構造の変形工程において、本実施
の形態では、押圧手法を用いた。具体的には、図4のよ
うな治具(装置)を用いて紫外線重合後のパネルに押圧
を加えた。なお、この変形工程の段階では、パネルは未
だ封口していない。
の形態では、押圧手法を用いた。具体的には、図4のよ
うな治具(装置)を用いて紫外線重合後のパネルに押圧
を加えた。なお、この変形工程の段階では、パネルは未
だ封口していない。
【0039】パネル押圧の手順を簡単に説明すると、治
具の定盤21、22間にパネル23を複数枚はさみ、パ
ネル23間に緩衝剤24をはさんでおいた。定盤21は
平行移動するようにできており、この定盤21に付属の
ネジを締め付けることでパネル23を押圧した。
具の定盤21、22間にパネル23を複数枚はさみ、パ
ネル23間に緩衝剤24をはさんでおいた。定盤21は
平行移動するようにできており、この定盤21に付属の
ネジを締め付けることでパネル23を押圧した。
【0040】このようにポリマーネットワーク構造の形
成後にパネル23を押圧することで、図3(e)に示す
ように、液晶構造を変形させ、内部の液晶を若干押し出
した。これにより、図3(f)に示すように、液晶滴1
4がセル厚方向に縮められた扁平構造を有する液晶表示
素子を製造することができた。
成後にパネル23を押圧することで、図3(e)に示す
ように、液晶構造を変形させ、内部の液晶を若干押し出
した。これにより、図3(f)に示すように、液晶滴1
4がセル厚方向に縮められた扁平構造を有する液晶表示
素子を製造することができた。
【0041】本発明者の実験結果によれば、押圧状態で
室温放置し、五時間でセル厚方向に3%変形させること
ができた。このとき液晶滴構造をとる高分子分散型液晶
素子でも同様に押し出しができたことから、高分子材料
はゲル状であり長時間かければ液晶材料を通す性質を有
している。また変形の程度は、セル厚の変化から求める
ことができ、放置時間と押圧強度を変えることで変形量
を変えることができた。
室温放置し、五時間でセル厚方向に3%変形させること
ができた。このとき液晶滴構造をとる高分子分散型液晶
素子でも同様に押し出しができたことから、高分子材料
はゲル状であり長時間かければ液晶材料を通す性質を有
している。また変形の程度は、セル厚の変化から求める
ことができ、放置時間と押圧強度を変えることで変形量
を変えることができた。
【0042】なお、5時間でセル厚方向に3%変形させ
るためには、押圧力は0.8kg/cm2 以上必要であ
り、押し出し時間を短縮するためには3kg/cm2 以
上が望ましく、6時間以内に押し出しを行うためには1
0kg/cm2 以上が望ましい。
るためには、押圧力は0.8kg/cm2 以上必要であ
り、押し出し時間を短縮するためには3kg/cm2 以
上が望ましく、6時間以内に押し出しを行うためには1
0kg/cm2 以上が望ましい。
【0043】このように液晶構造を変形させた場合、液
晶表示素子の各種特性は大きく変化するわけであるが、
ここでは構造の変化を定量化するために変形率PをP
(%)=(変形前のセル厚−変形後のセル厚)/(変形
前のセル厚)×100と定義した。図3の場合について
当てはめると、図3(d)の状態から図3(f)の状態
に変形してセル厚がd1からd2に縮んだことから、P
(%)=(d1−d2)/(d1)×100で示され
る。これは液晶構造の変形量を示しており、液晶滴構造
の場合、扁平率に相当し、液晶滴14のセル厚方向の厚
みがP%だけ減少していることを示している。またポリ
マーネットワーク構造の場合も同様に厚みがP%だけ減
少し、ポリマー界面のガラス基板に略平行な液晶分子の
割合が増加する。この製造プロセスによって液晶滴は変
形するが、P%の変形処理を行った後では液晶滴の基板
平行方向の長さはほとんど変化せず、厚み方向の長さが
P%だけ変化していた。これは、押圧処理によって液晶
が押し出されているためであり、液晶滴内の液晶体積が
変化していることによる。ここで、製造プロセス上の押
圧条件P%に対応して変形量を定義し、これを「液晶滴
の基板平行方向の長さと厚み方向の長さの差」の「液晶
滴の基板平行方向の長さ」に対する比とする。この場
合、変形量はその押圧条件P%と同じものになる。よっ
て、押圧処理プロセスでの液晶滴の変形の程度を示すパ
ラメータとして特に明示しない限り、以下の説明におい
て、便宜上、用語「変形率」は、用語「変形量」を含め
た意味にも用いるものとする。
晶表示素子の各種特性は大きく変化するわけであるが、
ここでは構造の変化を定量化するために変形率PをP
(%)=(変形前のセル厚−変形後のセル厚)/(変形
前のセル厚)×100と定義した。図3の場合について
当てはめると、図3(d)の状態から図3(f)の状態
に変形してセル厚がd1からd2に縮んだことから、P
(%)=(d1−d2)/(d1)×100で示され
る。これは液晶構造の変形量を示しており、液晶滴構造
の場合、扁平率に相当し、液晶滴14のセル厚方向の厚
みがP%だけ減少していることを示している。またポリ
マーネットワーク構造の場合も同様に厚みがP%だけ減
少し、ポリマー界面のガラス基板に略平行な液晶分子の
割合が増加する。この製造プロセスによって液晶滴は変
形するが、P%の変形処理を行った後では液晶滴の基板
平行方向の長さはほとんど変化せず、厚み方向の長さが
P%だけ変化していた。これは、押圧処理によって液晶
が押し出されているためであり、液晶滴内の液晶体積が
変化していることによる。ここで、製造プロセス上の押
圧条件P%に対応して変形量を定義し、これを「液晶滴
の基板平行方向の長さと厚み方向の長さの差」の「液晶
滴の基板平行方向の長さ」に対する比とする。この場
合、変形量はその押圧条件P%と同じものになる。よっ
て、押圧処理プロセスでの液晶滴の変形の程度を示すパ
ラメータとして特に明示しない限り、以下の説明におい
て、便宜上、用語「変形率」は、用語「変形量」を含め
た意味にも用いるものとする。
【0044】次に、上記のようにして形成された本発明
の液晶表示素子の特性について図面とともに説明する。
本発明の根幹は、液晶の構造を変形させることで液晶滴
の対称性を崩し、液晶の配向方位が比較的基板に平行に
近くなることにある。
の液晶表示素子の特性について図面とともに説明する。
本発明の根幹は、液晶の構造を変形させることで液晶滴
の対称性を崩し、液晶の配向方位が比較的基板に平行に
近くなることにある。
【0045】図5は液晶滴が互いに独立であり、液晶の
配向形態がバイポーラ配向をした場合について本現象を
説明したものである。図5(a)のように液晶滴14が
完全な球形であった場合には、極(図中黒丸で図示)は
任意の方向に向いている。これが通常の高分子分散型液
晶表示素子に相当する。この場合、液晶滴14の形状が
対称であるため、形状に異方性がなく、極が発生する方
向に規則性は発生しない。本発明のように0〜10%の
ように僅かに変形させた場合には、図5(b)のように
扁平形状になる。このように液晶滴14が、非対称形状
に変形した場合には、その非対称性に従って液晶は配向
する。本実施例では、バイポール構造の極が水平に発生
する構造が安定化する。図中ではバイポールの極が左右
一方向に並んでいるように示しているが、これは極が水
平方向に並んでいることを意図したものであり、実際に
は基板面内方向にはランダム方位であり、上方から見た
模式図は図5(c)のようになる。この液晶の配向は液
晶滴14の構造の非対称性に起因するものであるため、
変形量は比較的小さくても十分に液晶の配向を水平に近
くすることができる。
配向形態がバイポーラ配向をした場合について本現象を
説明したものである。図5(a)のように液晶滴14が
完全な球形であった場合には、極(図中黒丸で図示)は
任意の方向に向いている。これが通常の高分子分散型液
晶表示素子に相当する。この場合、液晶滴14の形状が
対称であるため、形状に異方性がなく、極が発生する方
向に規則性は発生しない。本発明のように0〜10%の
ように僅かに変形させた場合には、図5(b)のように
扁平形状になる。このように液晶滴14が、非対称形状
に変形した場合には、その非対称性に従って液晶は配向
する。本実施例では、バイポール構造の極が水平に発生
する構造が安定化する。図中ではバイポールの極が左右
一方向に並んでいるように示しているが、これは極が水
平方向に並んでいることを意図したものであり、実際に
は基板面内方向にはランダム方位であり、上方から見た
模式図は図5(c)のようになる。この液晶の配向は液
晶滴14の構造の非対称性に起因するものであるため、
変形量は比較的小さくても十分に液晶の配向を水平に近
くすることができる。
【0046】しかし我々は10%以上の過大な変形を行
うと特性を悪化させることを見いだした。これは液晶滴
の変形が10%以上になると液晶滴14の形状は円盤状
に近くなる。このときには液晶分子は変形された方向、
図中垂直方向に並ぶ傾向が発生する。これは液晶滴14
の形状が円盤状に近くなると、液晶の排除体積効果又は
パッキングによる効果によって液晶滴14の短軸方向に
液晶分子が配列するためである。本実施例における液晶
は高分子界面に平行に並ぶ傾向を持つのであるが、変形
が大きくなると排除体積によって垂直に並ぼうとする傾
向が、高分子界面に平行に液晶が並ぼうとる傾向よりも
勝るため図5(d)のように液晶分子が垂直に立つ現象
が確認された。なお、図5(d)の液晶滴14を上方か
ら見た模式図は図5(e)のようになる。
うと特性を悪化させることを見いだした。これは液晶滴
の変形が10%以上になると液晶滴14の形状は円盤状
に近くなる。このときには液晶分子は変形された方向、
図中垂直方向に並ぶ傾向が発生する。これは液晶滴14
の形状が円盤状に近くなると、液晶の排除体積効果又は
パッキングによる効果によって液晶滴14の短軸方向に
液晶分子が配列するためである。本実施例における液晶
は高分子界面に平行に並ぶ傾向を持つのであるが、変形
が大きくなると排除体積によって垂直に並ぼうとする傾
向が、高分子界面に平行に液晶が並ぼうとる傾向よりも
勝るため図5(d)のように液晶分子が垂直に立つ現象
が確認された。なお、図5(d)の液晶滴14を上方か
ら見た模式図は図5(e)のようになる。
【0047】この過度の変形によって液晶が垂直に立つ
現象は液晶滴14の大きさにも依存し、液晶滴14が大
きいと垂直に立ちにくいことを見いだした。ここで言う
液晶滴14の大きさは上方から観察した、長い方の直径
である。10μm以上では液晶は比較的立ちにくい傾向
にあった。粒径が小さいほど散乱強度が高いため、散乱
型液晶表示素子に使う場合には2μm以下が望ましい
が、この粒径条件では約10%以上で散乱強度が増加す
る問題があることが見いだされた。なお後述するデータ
は全て液晶滴14の直径が約1.2μmのものである。
現象は液晶滴14の大きさにも依存し、液晶滴14が大
きいと垂直に立ちにくいことを見いだした。ここで言う
液晶滴14の大きさは上方から観察した、長い方の直径
である。10μm以上では液晶は比較的立ちにくい傾向
にあった。粒径が小さいほど散乱強度が高いため、散乱
型液晶表示素子に使う場合には2μm以下が望ましい
が、この粒径条件では約10%以上で散乱強度が増加す
る問題があることが見いだされた。なお後述するデータ
は全て液晶滴14の直径が約1.2μmのものである。
【0048】また高分子界面と液晶との相互作用、アン
カリング強度の依存も見いだされ、強アンカリングすな
わち高分子界面に液晶が水平に並ぶ傾向の度合いが強い
ほど垂直に立ちにくいことが見いだされた。アンカリン
グ強度が強いものは、駆動電圧が高くなる問題があり、
散乱型液晶表示素子として使用が困難であるが、駆動電
圧が十分かけられる場合には、より大きい散乱を得るこ
とができる。
カリング強度の依存も見いだされ、強アンカリングすな
わち高分子界面に液晶が水平に並ぶ傾向の度合いが強い
ほど垂直に立ちにくいことが見いだされた。アンカリン
グ強度が強いものは、駆動電圧が高くなる問題があり、
散乱型液晶表示素子として使用が困難であるが、駆動電
圧が十分かけられる場合には、より大きい散乱を得るこ
とができる。
【0049】以上のように、液晶滴14を10%以下の
程度わずかに変形させることで、液晶滴14の対称性を
崩し、結果として液晶分子を基板平行に近くすることが
できた。このように液晶分子を配列することで、以下の
ような素子特性が得られた。
程度わずかに変形させることで、液晶滴14の対称性を
崩し、結果として液晶分子を基板平行に近くすることが
できた。このように液晶分子を配列することで、以下の
ような素子特性が得られた。
【0050】まず図6に上述した変形率Pの変化に伴う
散乱時の透過率の変化を示す。ここで図6の縦軸は、電
界未印加時の透過率を示している。図6において、ライ
ンM1はアンカリング強度が通常の場合の変化を示し、
ラインM2はアンカリング強度が強い場合の変化を示し
ている。なお、後述する図7、図8及び図10において
も、ラインM1はアンカリング強度が通常の場合の変化
を示し、ラインM2はアンカリング強度が強い場合の変
化を示している。
散乱時の透過率の変化を示す。ここで図6の縦軸は、電
界未印加時の透過率を示している。図6において、ライ
ンM1はアンカリング強度が通常の場合の変化を示し、
ラインM2はアンカリング強度が強い場合の変化を示し
ている。なお、後述する図7、図8及び図10において
も、ラインM1はアンカリング強度が通常の場合の変化
を示し、ラインM2はアンカリング強度が強い場合の変
化を示している。
【0051】但し、アンカリング強度を評価する手法
は、現状では統一されていない。そこで、本発明者は、
以下の評価パラメータを用いてアンカリング強度を評価
した。 (変形していない場合の駆動電圧V90)/(粒径) 本実施例では、アンカリング強度が通常の場合の上記評
価パラメータは約6.5であり、アンカリング強度が強
い場合の上記評価パラメータは約11.5であった。後
に詳述するように、評価パラメータが10以上では20
%の変形でも散乱状態がみられ、20%までの変形は特
性向上に有効である。
は、現状では統一されていない。そこで、本発明者は、
以下の評価パラメータを用いてアンカリング強度を評価
した。 (変形していない場合の駆動電圧V90)/(粒径) 本実施例では、アンカリング強度が通常の場合の上記評
価パラメータは約6.5であり、アンカリング強度が強
い場合の上記評価パラメータは約11.5であった。後
に詳述するように、評価パラメータが10以上では20
%の変形でも散乱状態がみられ、20%までの変形は特
性向上に有効である。
【0052】先ず、ラインM1で示されるアンカリング
強度が通常の場合について説明する。図6のラインM1
で示されるように、変形率Pが0〜10%の範囲におい
て変形率が大きいほど透過率は減少する。散乱が強いほ
ど、透過率は小さくなるため、透過率の逆数である散乱
強度は、変形率Pが0%〜10%の範囲において、変形
率Pが大きいほど増加する。高いコントラストを得るた
めには、高い散乱強度、低い透過率が望まれる。このよ
うに散乱強度の増加が見られるのは、液晶分子が基板平
行方向に近く配列したためである。散乱に寄与する基板
平行方向の屈折率異方性Δnは、液晶分子が水平方向に
近くなると実効的に大きくなり、このため散乱が強くな
る。デバイスとして散乱を最大にするためには変形率3
〜10%が最も望ましい。
強度が通常の場合について説明する。図6のラインM1
で示されるように、変形率Pが0〜10%の範囲におい
て変形率が大きいほど透過率は減少する。散乱が強いほ
ど、透過率は小さくなるため、透過率の逆数である散乱
強度は、変形率Pが0%〜10%の範囲において、変形
率Pが大きいほど増加する。高いコントラストを得るた
めには、高い散乱強度、低い透過率が望まれる。このよ
うに散乱強度の増加が見られるのは、液晶分子が基板平
行方向に近く配列したためである。散乱に寄与する基板
平行方向の屈折率異方性Δnは、液晶分子が水平方向に
近くなると実効的に大きくなり、このため散乱が強くな
る。デバイスとして散乱を最大にするためには変形率3
〜10%が最も望ましい。
【0053】また2色性色素を含有した場合にも、液晶
分子が水平に近く並ぶことによって2色性色素分子も水
平に近く配向する。このため2色性色素の2色性比が向
上するため、吸収率を向上させ高いコントラストを得る
ことができた。
分子が水平に近く並ぶことによって2色性色素分子も水
平に近く配向する。このため2色性色素の2色性比が向
上するため、吸収率を向上させ高いコントラストを得る
ことができた。
【0054】ただし、図6のラインM1で示されるよう
に、変形率が10%以上では散乱強度が急激に悪化し、
実は変形を行うよりもむしろ散乱強度が悪化するという
問題があった。これは液晶滴が扁平な形状になりすぎる
と、液晶分子は基板に垂直に並ぶ傾向が強くなるためで
ある。
に、変形率が10%以上では散乱強度が急激に悪化し、
実は変形を行うよりもむしろ散乱強度が悪化するという
問題があった。これは液晶滴が扁平な形状になりすぎる
と、液晶分子は基板に垂直に並ぶ傾向が強くなるためで
ある。
【0055】またこの散乱強度の向上は液晶材料の屈折
率異方性Δnに依存し、Δnが0.245以上で効果が
見られ、0.26以上で著しい効果があった。
率異方性Δnに依存し、Δnが0.245以上で効果が
見られ、0.26以上で著しい効果があった。
【0056】次に図7に上記の変形率Pの変化に伴う同
一のセル厚での駆動電圧V90の変化を示す。ここで、V
90とは、透過率90%のときの駆動電圧を意味する。
一のセル厚での駆動電圧V90の変化を示す。ここで、V
90とは、透過率90%のときの駆動電圧を意味する。
【0057】図7のラインM1に示す結果からも明らか
なように、変形率Pが大きいほどV90は低下する。これ
も液晶分子の配向方位が基板に近くなることで実効的な
誘電率異方性Δεが大きくなったためである。なお、こ
のV90の依存は液晶材料の誘電率異方性Δεに依存し、
Δεが5以上でV90の低下が見られ、Δεが8以上でV
90の低下が著しいという効果があった。
なように、変形率Pが大きいほどV90は低下する。これ
も液晶分子の配向方位が基板に近くなることで実効的な
誘電率異方性Δεが大きくなったためである。なお、こ
のV90の依存は液晶材料の誘電率異方性Δεに依存し、
Δεが5以上でV90の低下が見られ、Δεが8以上でV
90の低下が著しいという効果があった。
【0058】さらに図8に上記の変形率Pの変化に伴う
急峻性の変化を示す。ここで急峻性を示す指標γは、図
9に示すように、透過率90%のときの駆動電圧V90と
透過率10%のときの駆動電圧V10との比で定義される
ものである。即ち、γはγ=V90/V10で表される。こ
の図8のラインM1に示される結果から明らかなよう
に、変形率Pが大きいほどγの値は小さくなる。即ち、
急峻性は、変形率Pが大きいほど急峻になる。
急峻性の変化を示す。ここで急峻性を示す指標γは、図
9に示すように、透過率90%のときの駆動電圧V90と
透過率10%のときの駆動電圧V10との比で定義される
ものである。即ち、γはγ=V90/V10で表される。こ
の図8のラインM1に示される結果から明らかなよう
に、変形率Pが大きいほどγの値は小さくなる。即ち、
急峻性は、変形率Pが大きいほど急峻になる。
【0059】また図10に上記の変形率Pの変化に伴う
応答速度の変化を示す。ここで応答速度の評価として
は、以下の値を用いた。即ち、図11(b)に示すV90
とV10の交番波形を、液晶パネルに交互に印加する。そ
して、この場合の透過光量が、図11(a)に示すよう
に、10%と90%の間の変化量範囲内において10%
(即ち80%×10%)から90%(即ち80%×90
%)に変化するのに要する立ち上がり時間T1と、90
%(即ち80%×90%)から10%(即ち80%×1
0%)に変化するのに要する立ち下がり時間T2とを足
した値を、応答速度の評価値として用いた。図10のラ
インM1から明らかなように、応答速度は変形率Pの増
加とともに遅くなる。
応答速度の変化を示す。ここで応答速度の評価として
は、以下の値を用いた。即ち、図11(b)に示すV90
とV10の交番波形を、液晶パネルに交互に印加する。そ
して、この場合の透過光量が、図11(a)に示すよう
に、10%と90%の間の変化量範囲内において10%
(即ち80%×10%)から90%(即ち80%×90
%)に変化するのに要する立ち上がり時間T1と、90
%(即ち80%×90%)から10%(即ち80%×1
0%)に変化するのに要する立ち下がり時間T2とを足
した値を、応答速度の評価値として用いた。図10のラ
インM1から明らかなように、応答速度は変形率Pの増
加とともに遅くなる。
【0060】上記のように変形率Pの増加とともに応答
速度が低下している要因には印加電圧V90が低くなった
ことも含まれているが、基本的には液晶分子の配向方位
が比較的基板に平行に近くなるため、電圧印加で分子が
立つまでに要する運動量が増加するためである。
速度が低下している要因には印加電圧V90が低くなった
ことも含まれているが、基本的には液晶分子の配向方位
が比較的基板に平行に近くなるため、電圧印加で分子が
立つまでに要する運動量が増加するためである。
【0061】以上のように変形率Pによって散乱強度は
上昇し、V90が低下する長所はあるが、応答速度が遅く
なる問題がある。本実施の形態のようにTFT基板を用
いた場合にはγ特性を急峻にさせる必要がないため、γ
特性を度外視すると、変形率P(%)が10%以下の関
係を満たすことが望ましい。これは、図6のラインM1
に示す結果より、変形率の増加に伴って透過率は一旦減
少するものの、変形率が10%を越えると逆に透過率が
変形をさせない場合よりも高くなってしまうからであ
る。
上昇し、V90が低下する長所はあるが、応答速度が遅く
なる問題がある。本実施の形態のようにTFT基板を用
いた場合にはγ特性を急峻にさせる必要がないため、γ
特性を度外視すると、変形率P(%)が10%以下の関
係を満たすことが望ましい。これは、図6のラインM1
に示す結果より、変形率の増加に伴って透過率は一旦減
少するものの、変形率が10%を越えると逆に透過率が
変形をさせない場合よりも高くなってしまうからであ
る。
【0062】また望ましくは応答速度を重視する観点か
らは、変形率P(%)が5%以下の関係を満たすことが
望ましい。これは、図10のラインM1に示す結果よ
り、変形率が5%のところで急激に応答速度が高くなっ
てしまうからである。
らは、変形率P(%)が5%以下の関係を満たすことが
望ましい。これは、図10のラインM1に示す結果よ
り、変形率が5%のところで急激に応答速度が高くなっ
てしまうからである。
【0063】上記では、液晶滴を変形させたわけである
が、液晶滴を変形することにより、液晶分子の配向方位
が比較的基板に平行に近くなっていることが本質である
(言い換えれば液晶分子の実効的なチルト角(θp )を
制御する)。ここで液晶分子の実効的なチルト角は、電
界を印加していない状態での液晶分子の平均方位が基板
平行方向から何度傾いているかを示す指標である。一
方、上記のように液晶分子を基板に対して平行にしてや
ると、誘電率が変化する。従って、液晶の誘電率を定義
することによっても、表示特性を損なわずに散乱特性を
向上させ、さらには電圧に対する透過光量の急峻性を上
げ、単純マトリクス駆動を可能にする液晶表示素子を得
ることができる。
が、液晶滴を変形することにより、液晶分子の配向方位
が比較的基板に平行に近くなっていることが本質である
(言い換えれば液晶分子の実効的なチルト角(θp )を
制御する)。ここで液晶分子の実効的なチルト角は、電
界を印加していない状態での液晶分子の平均方位が基板
平行方向から何度傾いているかを示す指標である。一
方、上記のように液晶分子を基板に対して平行にしてや
ると、誘電率が変化する。従って、液晶の誘電率を定義
することによっても、表示特性を損なわずに散乱特性を
向上させ、さらには電圧に対する透過光量の急峻性を上
げ、単純マトリクス駆動を可能にする液晶表示素子を得
ることができる。
【0064】本発明者によれば、実験的に誘電率を定義
することが可能となった。具体的には、0.1〔V〕程
度の微少電圧の印加で誘電率を測定すると、この測定値
は微少電圧の下での誘電率であるから、電圧を印加しな
い状態での誘電率と殆ど誤差がないと考えられる。した
がって、当該測定値を電圧を印加しない状態での誘電率
とみなし、実験を行った。具体的には液晶滴が全く変形
されていないものから、種々異なる変形率のものについ
て実験した。
することが可能となった。具体的には、0.1〔V〕程
度の微少電圧の印加で誘電率を測定すると、この測定値
は微少電圧の下での誘電率であるから、電圧を印加しな
い状態での誘電率と殆ど誤差がないと考えられる。した
がって、当該測定値を電圧を印加しない状態での誘電率
とみなし、実験を行った。具体的には液晶滴が全く変形
されていないものから、種々異なる変形率のものについ
て実験した。
【0065】その結果、誘電比EをE=(εL −ε⊥)
/Δεと定義すると、Eが0.08以上0.345未満
であれば、散乱特性の向上、低電圧化を実現することが
できた。上記のεL は電圧を印加しない状態での誘電
率、ε⊥は液晶分子の垂直方向の誘電率、Δεは液晶分
子に平行方向の誘電率ε‖と前記ε⊥の差を示してい
る。また、好ましくはEが0.11以上0.345未満
であることが望ましい。なお、上記のEが0.345で
ある場合は液晶そのものが全く変形されていない場合の
値であり、Eが0.08である場合は変形率Pが10で
あり、Eが0.11である場合は変形率Pが5である。
/Δεと定義すると、Eが0.08以上0.345未満
であれば、散乱特性の向上、低電圧化を実現することが
できた。上記のεL は電圧を印加しない状態での誘電
率、ε⊥は液晶分子の垂直方向の誘電率、Δεは液晶分
子に平行方向の誘電率ε‖と前記ε⊥の差を示してい
る。また、好ましくはEが0.11以上0.345未満
であることが望ましい。なお、上記のEが0.345で
ある場合は液晶そのものが全く変形されていない場合の
値であり、Eが0.08である場合は変形率Pが10で
あり、Eが0.11である場合は変形率Pが5である。
【0066】上記のように、実験的に望ましい液晶の誘
電率を特定することができたわけであるが、一方で液晶
分子の実効的なチルト角(θp )と液晶の誘電率εL と
の関係は、εL =ε⊥+Δε×sin2θp で与えられ
る。従って、上記のEの値から液晶分子の実効的なチル
ト角(θp )を定義することも可能となる。
電率を特定することができたわけであるが、一方で液晶
分子の実効的なチルト角(θp )と液晶の誘電率εL と
の関係は、εL =ε⊥+Δε×sin2θp で与えられ
る。従って、上記のEの値から液晶分子の実効的なチル
ト角(θp )を定義することも可能となる。
【0067】今、棒状の液晶分子が基板平行方向から傾
いている角度の絶対値をθとし、これの全ての液晶分子
での平均値をθpとすると、前記Eの条件はθp の範囲
は17以上35.5未満であり、さらに望ましくは20
以上35.5未満となる。なお、上記のθpが35.5
である場合は液晶そのものが全く変形されていない場合
の値である。
いている角度の絶対値をθとし、これの全ての液晶分子
での平均値をθpとすると、前記Eの条件はθp の範囲
は17以上35.5未満であり、さらに望ましくは20
以上35.5未満となる。なお、上記のθpが35.5
である場合は液晶そのものが全く変形されていない場合
の値である。
【0068】尚、誘電比E、平均値θp 、変形率Pの各
対応関係は、以下の表1に示す。
対応関係は、以下の表1に示す。
【表1】
【0069】次に、アンカリング強度が高い場合の特性
を図6、図7、図8、及び図10を参照して説明する。
なお、アンカリング強度が高い場合の特性は、図6、図
7、図8、及び図10において、ラインM2で示されて
いる。アンカリングの強い場合も、上述したアンカリン
グ強度が通常の場合と同様の現象が発生するが、液晶が
基板に対して垂直方向に立ち始める傾向は弱くなる。こ
れは、図6、図7、図8、及び図10におけるラインM
2から明らかである。
を図6、図7、図8、及び図10を参照して説明する。
なお、アンカリング強度が高い場合の特性は、図6、図
7、図8、及び図10において、ラインM2で示されて
いる。アンカリングの強い場合も、上述したアンカリン
グ強度が通常の場合と同様の現象が発生するが、液晶が
基板に対して垂直方向に立ち始める傾向は弱くなる。こ
れは、図6、図7、図8、及び図10におけるラインM
2から明らかである。
【0070】図6に示す散乱時の透過率と変形率との関
係については、ラインM2に示すように、変形率10%
でほぼ最大の散乱強度すなわち最小の透過率を得るが、
それ以上の変形では透過率が増加し、20%で変形しな
い初期状態とほぼ同じ値になる。よって、20%以上の
変形では初期状態よりも散乱が悪くなり、散乱向上の効
果はみられない。言い換えれば、アンカリング強度が高
い場合には、ラインM2に示すように変形率が20%以
下で散乱性向上の効果がみられた。
係については、ラインM2に示すように、変形率10%
でほぼ最大の散乱強度すなわち最小の透過率を得るが、
それ以上の変形では透過率が増加し、20%で変形しな
い初期状態とほぼ同じ値になる。よって、20%以上の
変形では初期状態よりも散乱が悪くなり、散乱向上の効
果はみられない。言い換えれば、アンカリング強度が高
い場合には、ラインM2に示すように変形率が20%以
下で散乱性向上の効果がみられた。
【0071】また、図7のラインM2に示すように、駆
動電圧も変形率Pによって低下する効果はアンカリング
強度が通常のラインM1の場合と同じである。但し、ア
ンカリング強度が強いと、駆動電圧が上昇する問題があ
り、本実施例の場合ほぼ2倍の電圧が必要であった。ア
ンカリング強度が強いと駆動電圧が上がる問題がある
が、駆動方式によって電圧を上げることが可能であれ
ば、有効な手段である。
動電圧も変形率Pによって低下する効果はアンカリング
強度が通常のラインM1の場合と同じである。但し、ア
ンカリング強度が強いと、駆動電圧が上昇する問題があ
り、本実施例の場合ほぼ2倍の電圧が必要であった。ア
ンカリング強度が強いと駆動電圧が上がる問題がある
が、駆動方式によって電圧を上げることが可能であれ
ば、有効な手段である。
【0072】また、図8では、急峻性の関係を示してい
るが、基本的にアンカリング強度が通常の場合と違いは
ない。また、図10では応答速度の関係を示している
が、アンカリングが強いほど応答速度が速いがこれは印
加電圧が高いことに依存する。
るが、基本的にアンカリング強度が通常の場合と違いは
ない。また、図10では応答速度の関係を示している
が、アンカリングが強いほど応答速度が速いがこれは印
加電圧が高いことに依存する。
【0073】(実施の形態2)本実施の形態では、押し
出しに熱処理を行った。前述した重合後の高分子分散型
液晶素子またはポリマーネットワーク型液晶素子を封口
しない状態で120℃で50時間保った。この処理によ
ってもセル厚が3%小さくなり、前述したと同様の特性
が得られた。これは熱処理による体積膨張に起因する。
即ち、液晶材料は約0.3×10-3〔K-1〕の体積膨張
係数で膨張する。したがって、120℃の高温下で液晶
材料が膨張状態となり、このため内圧が上昇し、事実上
押圧されたのと同じ状態になる。このため封口していな
い注入口から液晶が流出し、押し出しが実現する。また
加熱によってネマチック相よりも高温にある等方的液体
相にまで上昇させることで流動性が極めて高くなり、押
し出しが効果的に行われた。
出しに熱処理を行った。前述した重合後の高分子分散型
液晶素子またはポリマーネットワーク型液晶素子を封口
しない状態で120℃で50時間保った。この処理によ
ってもセル厚が3%小さくなり、前述したと同様の特性
が得られた。これは熱処理による体積膨張に起因する。
即ち、液晶材料は約0.3×10-3〔K-1〕の体積膨張
係数で膨張する。したがって、120℃の高温下で液晶
材料が膨張状態となり、このため内圧が上昇し、事実上
押圧されたのと同じ状態になる。このため封口していな
い注入口から液晶が流出し、押し出しが実現する。また
加熱によってネマチック相よりも高温にある等方的液体
相にまで上昇させることで流動性が極めて高くなり、押
し出しが効果的に行われた。
【0074】(実施の形態3)本実施の形態では、押し
出しに加圧と加熱の双方を用いた。実施の形態1に示す
ような加圧のみでは液晶の流動性が高くないため、比較
的時間を有する。ここで実施の形態1の治具で加圧しな
がら高温(120℃)で放置した。高温で放置すること
で流動性が高くなり、押し出しに要する時間を短縮する
ことができる。この実施の形態では、変形率3%を得る
ことが3時間で実現した。
出しに加圧と加熱の双方を用いた。実施の形態1に示す
ような加圧のみでは液晶の流動性が高くないため、比較
的時間を有する。ここで実施の形態1の治具で加圧しな
がら高温(120℃)で放置した。高温で放置すること
で流動性が高くなり、押し出しに要する時間を短縮する
ことができる。この実施の形態では、変形率3%を得る
ことが3時間で実現した。
【0075】(実施の形態4)本実施の形態では、図1
2に示すように、加圧に真空パックを用いた。実施の形
態1及び3では加圧治具を用いたが、パネル間にゴミが
混入することで押圧むらが発生する場合がある。本実施
の形態では、液晶パネルをパック30内に収納して、パ
ック30内の空気を吸引して真空状態とすることで、液
晶パネルを均一に押圧することができた。ただし大気圧
がかかる程度なので十分な時間が必要になる。変形率3
%を得るためには、120℃放置で30時間を要した。
2に示すように、加圧に真空パックを用いた。実施の形
態1及び3では加圧治具を用いたが、パネル間にゴミが
混入することで押圧むらが発生する場合がある。本実施
の形態では、液晶パネルをパック30内に収納して、パ
ック30内の空気を吸引して真空状態とすることで、液
晶パネルを均一に押圧することができた。ただし大気圧
がかかる程度なので十分な時間が必要になる。変形率3
%を得るためには、120℃放置で30時間を要した。
【0076】(実施の形態5)本実施の形態では、加圧
に静水圧印加を用いた。前述した液晶パネルに真空パッ
ク処理を施し、加圧水槽に浸すことでパネルに圧力を印
加した。このとき、水圧は1kbarであった。これに
よって室温放置、8時間で変形率3%が得られた。
に静水圧印加を用いた。前述した液晶パネルに真空パッ
ク処理を施し、加圧水槽に浸すことでパネルに圧力を印
加した。このとき、水圧は1kbarであった。これに
よって室温放置、8時間で変形率3%が得られた。
【0077】(実施の形態6)本実施の形態では押し出
しにローラプレスを行った。具体的には、図13に示す
ように、加熱手段73を内蔵するローラ71Aとローラ
71B間にパネル23を通すことで液晶の押し出しを行
った。変形率1%を得るために30分で実現した。
しにローラプレスを行った。具体的には、図13に示す
ように、加熱手段73を内蔵するローラ71Aとローラ
71B間にパネル23を通すことで液晶の押し出しを行
った。変形率1%を得るために30分で実現した。
【0078】(実施の形態7)本実施の形態では押し出
しにカルコゲナイドガラスの体積膨張をもちいて行っ
た。本実施の形態は、実施の形態1とほぼ同様である
が、基板11の電極12よりも内方側にカルコゲナイド
ガラス層を形成したことが特徴であり、さらに紫外線照
射後に前述したカルコゲナイドガラスにレーザー光を照
射する工程を有することが工程上の特徴である。
しにカルコゲナイドガラスの体積膨張をもちいて行っ
た。本実施の形態は、実施の形態1とほぼ同様である
が、基板11の電極12よりも内方側にカルコゲナイド
ガラス層を形成したことが特徴であり、さらに紫外線照
射後に前述したカルコゲナイドガラスにレーザー光を照
射する工程を有することが工程上の特徴である。
【0079】一般にカルコゲナイドガラス(例えばAs
2 S3 )にレーザー光を照射すると体積膨張することが
知られている(例えば特開平8−86903号参照)。
このカルコゲナイドガラス層をあらかじめ液晶パネル内
に形成しておく。ポリマーネットワーク構造を得るため
に紫外線照射によって液晶を析出分離させた後、このカ
ルコゲナイドガラス層にレーザー光を照射する。このと
き、カルコゲナイドガラスが膨張し液晶パネル内の内圧
を上昇させ、液晶を押し出すことが実現した。
2 S3 )にレーザー光を照射すると体積膨張することが
知られている(例えば特開平8−86903号参照)。
このカルコゲナイドガラス層をあらかじめ液晶パネル内
に形成しておく。ポリマーネットワーク構造を得るため
に紫外線照射によって液晶を析出分離させた後、このカ
ルコゲナイドガラス層にレーザー光を照射する。このと
き、カルコゲナイドガラスが膨張し液晶パネル内の内圧
を上昇させ、液晶を押し出すことが実現した。
【0080】(実施の形態8)上記の実施の形態1〜6
では、重合後に押圧等で液晶を押しだし、液晶をセル厚
方向に変形させて液晶分子の配向方位を比較的基板に平
行に近くしていた。これに対して、本実施の形態では、
液晶の変形なしに液晶分子の配向方位を基板平行に近く
することが特徴である。液晶分子は磁場に沿って並ぶ性
質があるので、磁場中で回転させることで液晶分子の基
板平行方向の配向方位を比較的揃えることに成功した。
では、重合後に押圧等で液晶を押しだし、液晶をセル厚
方向に変形させて液晶分子の配向方位を比較的基板に平
行に近くしていた。これに対して、本実施の形態では、
液晶の変形なしに液晶分子の配向方位を基板平行に近く
することが特徴である。液晶分子は磁場に沿って並ぶ性
質があるので、磁場中で回転させることで液晶分子の基
板平行方向の配向方位を比較的揃えることに成功した。
【0081】具体的には、図14に示すように、磁界印
加手段84による磁場中に、ターンテーブル85を設置
し、実施の形態1で述べた重合過程をこのターンテーブ
ル85上で行った。紫外線ランプ81からの紫外線は、
フィルター82を介して、ターンテーブル85に載置さ
れた液晶パネル23に照射される。これにより、モノマ
ーの重合が進み、液晶が析出する。このとき磁場が印加
されていると液晶分子は磁場方向に並ぶ傾向にある。こ
こでターンテーブル85が回転しているために、液晶分
子は基板平行方向に向く確率が高く、図15に示すよう
に、基板平行方向の配向方位が均一となる。更に、ター
ンテーブル85の回転により、図16に示すように、基
板面内方向の配向方位に関してはランダムとなる。ここ
で、図16は素子を上面から見た場合の概念図である。
なお、図15及び図16において、液晶分子の配向方位
は、矢印で示した。
加手段84による磁場中に、ターンテーブル85を設置
し、実施の形態1で述べた重合過程をこのターンテーブ
ル85上で行った。紫外線ランプ81からの紫外線は、
フィルター82を介して、ターンテーブル85に載置さ
れた液晶パネル23に照射される。これにより、モノマ
ーの重合が進み、液晶が析出する。このとき磁場が印加
されていると液晶分子は磁場方向に並ぶ傾向にある。こ
こでターンテーブル85が回転しているために、液晶分
子は基板平行方向に向く確率が高く、図15に示すよう
に、基板平行方向の配向方位が均一となる。更に、ター
ンテーブル85の回転により、図16に示すように、基
板面内方向の配向方位に関してはランダムとなる。ここ
で、図16は素子を上面から見た場合の概念図である。
なお、図15及び図16において、液晶分子の配向方位
は、矢印で示した。
【0082】なお、押圧変形で実効的なチルト角を低減
させる場合、均一にセル厚方向に押圧することは難し
く、基板平行方向にズリ応力が発生し、ズリ方向に液晶
滴の長軸が並ぶ傾向があった。この点に関し、本実施の
形態のように磁場中でターンテーブル85を回転させる
ことで、液晶分子の配向方位が、基板界面に関して比較
的平行に近く、かつ、基板面内方向に関してはランダム
とすることができ、よりいっそう散乱強度を向上するこ
とができた。
させる場合、均一にセル厚方向に押圧することは難し
く、基板平行方向にズリ応力が発生し、ズリ方向に液晶
滴の長軸が並ぶ傾向があった。この点に関し、本実施の
形態のように磁場中でターンテーブル85を回転させる
ことで、液晶分子の配向方位が、基板界面に関して比較
的平行に近く、かつ、基板面内方向に関してはランダム
とすることができ、よりいっそう散乱強度を向上するこ
とができた。
【0083】また本実施の形態のように磁場で液晶の実
効チルト角を制御した場合、液晶滴の形状は球に近く、
特に変形しているものではない。しかし液晶分子の実効
的なチルト角(θp )は磁場強度が0.3テスラの場
合、30度と比較的基板平行方向の割合が増加してい
た。分子配向の度合いは磁場強度に依存し、0.1テス
ラ以上で効果が見られた。磁場強度が3テスラ以上では
液晶分子の実効的なチルト角度(θp)はほぼ0度が得
られた。
効チルト角を制御した場合、液晶滴の形状は球に近く、
特に変形しているものではない。しかし液晶分子の実効
的なチルト角(θp )は磁場強度が0.3テスラの場
合、30度と比較的基板平行方向の割合が増加してい
た。分子配向の度合いは磁場強度に依存し、0.1テス
ラ以上で効果が見られた。磁場強度が3テスラ以上では
液晶分子の実効的なチルト角度(θp)はほぼ0度が得
られた。
【0084】高分子分散型液晶素子を押圧変形した場
合、変形率が10%以上で散乱が悪化し始め、急激に悪
くなる。これは変形が大きくなると液晶分子のパッキン
グの効果で、分子が基板に垂直に立ちはじめ、実効的な
チルト角が大きくなってくるためである。よって変形で
は実効チルト角度を小さくすることに限界がある。しか
しながら本実施の形態のように変形によらずに分子のチ
ルト角を小さくすることで、実効チルト角を0度まで小
さくすることができた。これにより図6のような散乱強
度の悪化なしに、散乱強度を強くすることができた。す
なわち、本実施の形態によれば、θpが0以上35.5
未満の範囲内で良好な特性を得ることができる。なお、
この条件を複合体中の液晶の誘電率をεL 、液晶単体で
の液晶分子に対して垂直方向の誘電率をε⊥、液晶単体
での誘電率異方性をΔεとし、誘電比をE=(εL −ε
⊥)/Δεとした場合にあてはめると、Eは0以上0.
345未満ということになる。また、本実施の形態にお
いて、液晶分子の前記基板平行方向の方位角度に異方性
がないと、散乱を起こしやすくなるため都合がよい。
合、変形率が10%以上で散乱が悪化し始め、急激に悪
くなる。これは変形が大きくなると液晶分子のパッキン
グの効果で、分子が基板に垂直に立ちはじめ、実効的な
チルト角が大きくなってくるためである。よって変形で
は実効チルト角度を小さくすることに限界がある。しか
しながら本実施の形態のように変形によらずに分子のチ
ルト角を小さくすることで、実効チルト角を0度まで小
さくすることができた。これにより図6のような散乱強
度の悪化なしに、散乱強度を強くすることができた。す
なわち、本実施の形態によれば、θpが0以上35.5
未満の範囲内で良好な特性を得ることができる。なお、
この条件を複合体中の液晶の誘電率をεL 、液晶単体で
の液晶分子に対して垂直方向の誘電率をε⊥、液晶単体
での誘電率異方性をΔεとし、誘電比をE=(εL −ε
⊥)/Δεとした場合にあてはめると、Eは0以上0.
345未満ということになる。また、本実施の形態にお
いて、液晶分子の前記基板平行方向の方位角度に異方性
がないと、散乱を起こしやすくなるため都合がよい。
【0085】(実施の形態9)また、図17に示すよう
に、重合時に偏光紫外線で重合した場合にも実施の形態
7と同様に押圧なしで液晶分子の配向方位を基板平行に
近くすることができた。
に、重合時に偏光紫外線で重合した場合にも実施の形態
7と同様に押圧なしで液晶分子の配向方位を基板平行に
近くすることができた。
【0086】具体的には、紫外線を照射して、モノマー
を重合し、液晶を析出させる際に、偏光紫外線を照射し
た。ここで液晶パネル23と紫外線ランプ81の間に紫
外線偏光子90を設置し、回転させておいた。パネルに
は偏光紫外線が当たり、偏光方位に異方性をもってモノ
マーの重合が進行する。この偏光方位が変化しているた
め、基板面内の方位に関しては不均一であるが、基板平
行方向の方位に関しては分子が平行に近く向く確率が高
くなった。
を重合し、液晶を析出させる際に、偏光紫外線を照射し
た。ここで液晶パネル23と紫外線ランプ81の間に紫
外線偏光子90を設置し、回転させておいた。パネルに
は偏光紫外線が当たり、偏光方位に異方性をもってモノ
マーの重合が進行する。この偏光方位が変化しているた
め、基板面内の方位に関しては不均一であるが、基板平
行方向の方位に関しては分子が平行に近く向く確率が高
くなった。
【0087】(実施の形態10)本実施の形態では高温
で重合することで扁平状に変形した高分子分散型液晶素
子、またはポリマーネットワーク型液晶表示素子を実現
した。
で重合することで扁平状に変形した高分子分散型液晶素
子、またはポリマーネットワーク型液晶表示素子を実現
した。
【0088】実施の形態1に記載したように液晶とモノ
マーの混合物を注入した液晶パネルを高温に昇温し、こ
の温度で紫外線を照射し、液晶を析出分離させる。高温
で形成された液晶は高温状態で等方的形状、高分子分散
型液晶素子では球形である。これを室温まで冷却すると
液晶の体積は収縮する。ここでガラスの収縮率は小さい
ため、基板面内の収縮は少ない。よって体積収縮はセル
厚方向に発生する。60℃で重合し、30℃まで冷却し
た場合にはセル厚方向に3%もの体積収縮が発生してい
た。これは変形率P(%)が3%のものと等価であり、
同様の特性が得られた。
マーの混合物を注入した液晶パネルを高温に昇温し、こ
の温度で紫外線を照射し、液晶を析出分離させる。高温
で形成された液晶は高温状態で等方的形状、高分子分散
型液晶素子では球形である。これを室温まで冷却すると
液晶の体積は収縮する。ここでガラスの収縮率は小さい
ため、基板面内の収縮は少ない。よって体積収縮はセル
厚方向に発生する。60℃で重合し、30℃まで冷却し
た場合にはセル厚方向に3%もの体積収縮が発生してい
た。これは変形率P(%)が3%のものと等価であり、
同様の特性が得られた。
【0089】変形率Pが0.5%を得るためには35℃
で重合すれば良く、十分な効果が得られるのは40℃以
上で重合することが望ましい。また70℃付近から高分
子マトリクスのサイズが大きくなる問題が発生し、80
℃以上ではモノマー材料が揮発する問題が見られた。重
合温度は35℃以上80℃以下であればよく、望ましく
は40℃以上70℃以下がよい。
で重合すれば良く、十分な効果が得られるのは40℃以
上で重合することが望ましい。また70℃付近から高分
子マトリクスのサイズが大きくなる問題が発生し、80
℃以上ではモノマー材料が揮発する問題が見られた。重
合温度は35℃以上80℃以下であればよく、望ましく
は40℃以上70℃以下がよい。
【0090】(実施の形態11)本実施の形態ではTF
T基板を用いない単純マトリクス駆動に用いた。パネル
構成は実施の形態1とほぼ同様であるが、用いる基板は
ともにTFTを用いない基板である。よって一方の基板
には選択信号を走査し、他方の基板には表示の有無に対
応した信号が印加される。
T基板を用いない単純マトリクス駆動に用いた。パネル
構成は実施の形態1とほぼ同様であるが、用いる基板は
ともにTFTを用いない基板である。よって一方の基板
には選択信号を走査し、他方の基板には表示の有無に対
応した信号が印加される。
【0091】単純マトリクスでは比較的応答時間が若干
遅くても、散乱が若干悪くともTFTパネルほど要求さ
れない。むしろ、コストが極めて低減するメリットがあ
る。
遅くても、散乱が若干悪くともTFTパネルほど要求さ
れない。むしろ、コストが極めて低減するメリットがあ
る。
【0092】実施の形態1で述べたように、変形率を大
きくすることで急峻性が高くなる。図8のように変形率
が8%以上でγは1.3以下になり、10ライン以上の
単純マトリクス駆動が可能である。ただし変形率が20
%を越えると低温での散乱強度が極めて悪化する問題が
あり使用が難しい。また20%以上ではかなりの減圧状
態になっているので、低温で気泡が発生しやすい問題が
ある。また応答速度を比較的重視する観点からは変形率
を15%以下に抑えることが望ましい。
きくすることで急峻性が高くなる。図8のように変形率
が8%以上でγは1.3以下になり、10ライン以上の
単純マトリクス駆動が可能である。ただし変形率が20
%を越えると低温での散乱強度が極めて悪化する問題が
あり使用が難しい。また20%以上ではかなりの減圧状
態になっているので、低温で気泡が発生しやすい問題が
ある。また応答速度を比較的重視する観点からは変形率
を15%以下に抑えることが望ましい。
【0093】このとき前記液晶分子の実効的なチルト角
(θp )は10以上18以下、望ましくは13以上18
以下であり、誘電比(E)は0.03以上0.10以下
望ましくは0.05以上0.10以下になる。
(θp )は10以上18以下、望ましくは13以上18
以下であり、誘電比(E)は0.03以上0.10以下
望ましくは0.05以上0.10以下になる。
【0094】(実施の形態12)図18は本発明に係る
液晶表示素子の実施の形態11の断面図を示したもので
あり、図19はその平面図を示したものである。図18
及び図19において、実施の形態1と同一の構成要素に
は同一の番号を付し、説明は省略する。実施の形態1と
相違するのは、液晶滴14Aが偏平構造でなく球形であ
ること、及び液晶滴14Aの液晶分子の基板面内方位が
よりランダムとされていることである。
液晶表示素子の実施の形態11の断面図を示したもので
あり、図19はその平面図を示したものである。図18
及び図19において、実施の形態1と同一の構成要素に
は同一の番号を付し、説明は省略する。実施の形態1と
相違するのは、液晶滴14Aが偏平構造でなく球形であ
ること、及び液晶滴14Aの液晶分子の基板面内方位が
よりランダムとされていることである。
【0095】なお、図18では液晶分子の配列は図面の
左右方向に2極を持つバイポール構造として描いている
が、これはバイポール軸が基板に略平行に存在すること
を意図したものであり、バイポール軸が1軸方向に並ん
でいることを意図しているわけではない。バイポール軸
は、図19に示すように、実施の形態1よりもいっそう
基板面内にランダムに存在している。
左右方向に2極を持つバイポール構造として描いている
が、これはバイポール軸が基板に略平行に存在すること
を意図したものであり、バイポール軸が1軸方向に並ん
でいることを意図しているわけではない。バイポール軸
は、図19に示すように、実施の形態1よりもいっそう
基板面内にランダムに存在している。
【0096】このように液晶分子の配列方向を水平に近
くすることで、上記実施の形態と同様に、散乱に寄与す
る基板平行方向の屈折率異方性Δnは実効的に大きくな
り、その結果散乱強度を大きくすることができる。ま
た、実効的な誘電率異方性Δεも増大するため、駆動電
圧も低下する。また液晶滴内部の配列がほとんどの液晶
滴14Aで均一になるため、駆動電圧のγ特性も急峻化
する利点がある。
くすることで、上記実施の形態と同様に、散乱に寄与す
る基板平行方向の屈折率異方性Δnは実効的に大きくな
り、その結果散乱強度を大きくすることができる。ま
た、実効的な誘電率異方性Δεも増大するため、駆動電
圧も低下する。また液晶滴内部の配列がほとんどの液晶
滴14Aで均一になるため、駆動電圧のγ特性も急峻化
する利点がある。
【0097】次に、上記構成を有する液晶表示素子を製
造する方法について説明する。まず2枚の基板11を対
向させて張り合わせる。なお、それぞれの基板の内側に
は透明電極12を形成しておき、一方の基板にはTFT
トランジスタを形成したアクティブマトリクス基板を用
いる。なお、基板11間の距離(セル厚)は、例えば粒
径12μmの樹脂ビーズをあらかじめ散布しておくこと
で一定に保つことができる。
造する方法について説明する。まず2枚の基板11を対
向させて張り合わせる。なお、それぞれの基板の内側に
は透明電極12を形成しておき、一方の基板にはTFT
トランジスタを形成したアクティブマトリクス基板を用
いる。なお、基板11間の距離(セル厚)は、例えば粒
径12μmの樹脂ビーズをあらかじめ散布しておくこと
で一定に保つことができる。
【0098】次に、この基板11間に、液晶と重合性モ
ノマーとオリゴマーと重合開始剤との混合物を真空注入
で導入する。その後365nmを主波長とした紫外線を
照射して、重合性モノマーとオリゴマーを重合させ、高
分子マトリクス中に液晶材料としての球形の液晶滴14
Aが連続的につながって分散しているポリマーネットワ
ーク型液晶素子を作成する。なお、構造的には高分子マ
トリクス中に液晶滴が分散している高分子分散型液晶素
子であってもよいことは言うまでもない。
ノマーとオリゴマーと重合開始剤との混合物を真空注入
で導入する。その後365nmを主波長とした紫外線を
照射して、重合性モノマーとオリゴマーを重合させ、高
分子マトリクス中に液晶材料としての球形の液晶滴14
Aが連続的につながって分散しているポリマーネットワ
ーク型液晶素子を作成する。なお、構造的には高分子マ
トリクス中に液晶滴が分散している高分子分散型液晶素
子であってもよいことは言うまでもない。
【0099】このときの重合性モノマーに液晶モノマー
を用いることが本発明の特徴である。ここで、液晶モノ
マーとはUVキュアラブル液晶とも呼ばれるものであ
り、モノマー状態では液晶状態を示す化合物である(例
えば長谷部等による第22回液晶討論会講演予稿集39
1頁を参照)。
を用いることが本発明の特徴である。ここで、液晶モノ
マーとはUVキュアラブル液晶とも呼ばれるものであ
り、モノマー状態では液晶状態を示す化合物である(例
えば長谷部等による第22回液晶討論会講演予稿集39
1頁を参照)。
【0100】この液晶モノマーを重合性モノマーとして
用いると、前記した液晶と重合性モノマーとオリゴマー
と重合開始剤の混合物は室温で均一な液晶相を示す。こ
の混合物を前述した基板間に注入すると、本実施例では
液晶と液晶モノマーの混合物は基板に平行に並ぶ。本発
明の場合は基板表面を特に被膜する必要はないが、TN
素子などで用いられている水平配向性の配向膜を塗布し
てもかまわない。ただし、TN素子のように一方向に並
べるラビング処理は行わない。
用いると、前記した液晶と重合性モノマーとオリゴマー
と重合開始剤の混合物は室温で均一な液晶相を示す。こ
の混合物を前述した基板間に注入すると、本実施例では
液晶と液晶モノマーの混合物は基板に平行に並ぶ。本発
明の場合は基板表面を特に被膜する必要はないが、TN
素子などで用いられている水平配向性の配向膜を塗布し
てもかまわない。ただし、TN素子のように一方向に並
べるラビング処理は行わない。
【0101】このように重合する以前の状態から、この
混合物は液晶状態を示し、その分子は基板に平行に並ん
でいる。ただしラビング処理を行っていないために、基
板面内ではランダム方位に並んでいる。この状態を示し
たものが、図20である。即ち、図20は重合前の状態
を示すものであり、図20(a)は全体図であり、図2
0(b)は図20(a)の一部拡大図である。図中では
簡単のためにに液晶分子が左右に並んでいるように描い
ているが、これは水平に並んでいることを意識したもの
であり、一方向に並んでいるわけではない。上方より見
ると、その配向方位はランダムである。この状態の混合
物に紫外線を照射すると、液晶モノマー100は重合
し、液晶モノマー100同士が結合していく。このた
め、液晶モノマー100の分子は大きくなり、液晶分子
101は排除されていく。このため、重合が進むと、液
晶と重合した液晶モノマー100は分離されていく。本
実施例では液晶は滴状又はネットワーク状になった。こ
の状態を示したのが図21である。図21(a)はは全
体図であり、図21(b)は図21(a)の一部拡大図
である。ただし、初期状態より液晶は基板に平行に並ん
でいたため、重合後もその影響を受け、基板に平行に並
ぶ傾向が強い。本発明によって、重合後は液晶分子10
1が基板に平行に近く配列した状態を液晶モノマー10
0を用いて実現することができた。
混合物は液晶状態を示し、その分子は基板に平行に並ん
でいる。ただしラビング処理を行っていないために、基
板面内ではランダム方位に並んでいる。この状態を示し
たものが、図20である。即ち、図20は重合前の状態
を示すものであり、図20(a)は全体図であり、図2
0(b)は図20(a)の一部拡大図である。図中では
簡単のためにに液晶分子が左右に並んでいるように描い
ているが、これは水平に並んでいることを意識したもの
であり、一方向に並んでいるわけではない。上方より見
ると、その配向方位はランダムである。この状態の混合
物に紫外線を照射すると、液晶モノマー100は重合
し、液晶モノマー100同士が結合していく。このた
め、液晶モノマー100の分子は大きくなり、液晶分子
101は排除されていく。このため、重合が進むと、液
晶と重合した液晶モノマー100は分離されていく。本
実施例では液晶は滴状又はネットワーク状になった。こ
の状態を示したのが図21である。図21(a)はは全
体図であり、図21(b)は図21(a)の一部拡大図
である。ただし、初期状態より液晶は基板に平行に並ん
でいたため、重合後もその影響を受け、基板に平行に並
ぶ傾向が強い。本発明によって、重合後は液晶分子10
1が基板に平行に近く配列した状態を液晶モノマー10
0を用いて実現することができた。
【0102】また本発明は前記混合物が液晶状態にあ
り、この状態に紫外線を照射して分離させるとことが特
徴であるとも言える。従来の液晶モノマーでない重合性
モノマーを用いた従来例では、液晶と重合性モノマーと
オリゴマーと重合開始剤の混合物は、図22(a)に示
すように、均一な等方的液体相である。そして、このよ
うな等方的液体相の混合物に紫外線を照射すると、モノ
マーが重合し液晶が析出分離するが、このときの液晶分
子は、図22(a)に示すように、配向方位が不均一に
分布している状態となる。なお、図22においては、液
晶分子の配向方向は矢印で示している。
り、この状態に紫外線を照射して分離させるとことが特
徴であるとも言える。従来の液晶モノマーでない重合性
モノマーを用いた従来例では、液晶と重合性モノマーと
オリゴマーと重合開始剤の混合物は、図22(a)に示
すように、均一な等方的液体相である。そして、このよ
うな等方的液体相の混合物に紫外線を照射すると、モノ
マーが重合し液晶が析出分離するが、このときの液晶分
子は、図22(a)に示すように、配向方位が不均一に
分布している状態となる。なお、図22においては、液
晶分子の配向方向は矢印で示している。
【0103】一方、本発明における液晶モノマーを重合
性モノマーに用いる場合の混合物は、重合する以前の状
態から、図22(b)に示すように、均一な液晶相を示
しており、液晶相中から液晶が析出する重合過程とな
る。このため、初期の配向方位の影響を受けるために、
初期を基板水平に並べておけば重合後も液晶分子は水平
に近く配向する傾向は強くなる。
性モノマーに用いる場合の混合物は、重合する以前の状
態から、図22(b)に示すように、均一な液晶相を示
しており、液晶相中から液晶が析出する重合過程とな
る。このため、初期の配向方位の影響を受けるために、
初期を基板水平に並べておけば重合後も液晶分子は水平
に近く配向する傾向は強くなる。
【0104】このような液晶モノマーを重合性モノマー
に用いた混合物を、一対の基板11間に注入後、紫外線
を照射すると液晶モノマーとオリゴマーを重合開始剤を
核にして重合する。この結果、液晶滴14A(又はポリ
マーネットワーク)が形成される。ここで重合前の液晶
相において分子が基板界面に平行に並ぶように条件設定
しておけば、この重合前の平行状態の影響を受けて、重
合後の液晶分子の配向方位は、図22(b)に示すよう
に、基板界面に平行に並ぶ傾向が近くなり、理想的には
バイポール軸が基板界面に平行に並ぶ構造が得られる。
に用いた混合物を、一対の基板11間に注入後、紫外線
を照射すると液晶モノマーとオリゴマーを重合開始剤を
核にして重合する。この結果、液晶滴14A(又はポリ
マーネットワーク)が形成される。ここで重合前の液晶
相において分子が基板界面に平行に並ぶように条件設定
しておけば、この重合前の平行状態の影響を受けて、重
合後の液晶分子の配向方位は、図22(b)に示すよう
に、基板界面に平行に並ぶ傾向が近くなり、理想的には
バイポール軸が基板界面に平行に並ぶ構造が得られる。
【0105】なお、液晶モノマーがカイラル炭素を含む
ものであってもよい。このようにすれば、液晶分子がセ
ル厚方向に螺旋を巻く構造となるため、より散乱効果を
向上することができる。
ものであってもよい。このようにすれば、液晶分子がセ
ル厚方向に螺旋を巻く構造となるため、より散乱効果を
向上することができる。
【0106】本実施の形態では、一例として、ガラス基
板11上にポリイミド膜(日産化学株式会社製の商品名
RN740)を塗布、焼成しておくことで重合前の液晶
分子の配列を基板界面に略平行にしておいた。ここでポ
リイミド膜にはラビング処理を施す必要はなく、工程簡
略化のメリットもある。ラビング処理を行うと液晶の配
向方位が一軸方向に並んでしまうため、本発明には適さ
ない。むしろ配向処理を行わず初期の配向方位がランダ
ムであることが望ましい。この例では、特に配向処理を
行わず、重合前状態は分子はガラス界面に平行である
が、基板面内ではランダムな方位に配向している状態で
あった。よって液晶滴形成後の液晶分子の配向も、基板
面内方向にはランダムであるが、基板界面に平行に並ぶ
傾向が強かった。なお、このときの液晶分子の実効的な
チルト角(θp)は小さく、20°になっていた。
板11上にポリイミド膜(日産化学株式会社製の商品名
RN740)を塗布、焼成しておくことで重合前の液晶
分子の配列を基板界面に略平行にしておいた。ここでポ
リイミド膜にはラビング処理を施す必要はなく、工程簡
略化のメリットもある。ラビング処理を行うと液晶の配
向方位が一軸方向に並んでしまうため、本発明には適さ
ない。むしろ配向処理を行わず初期の配向方位がランダ
ムであることが望ましい。この例では、特に配向処理を
行わず、重合前状態は分子はガラス界面に平行である
が、基板面内ではランダムな方位に配向している状態で
あった。よって液晶滴形成後の液晶分子の配向も、基板
面内方向にはランダムであるが、基板界面に平行に並ぶ
傾向が強かった。なお、このときの液晶分子の実効的な
チルト角(θp)は小さく、20°になっていた。
【0107】このようにして、本実施の形態に係る液晶
表示素子において、液晶分子の配向をガラス界面に平行
とすることにより、上記実施の形態と同様な効果を得ら
れるとともに、液晶分子の基板面内方向の配向が、上記
実施の形態よりもいっそうランダムとされていることに
より、散乱特性をよりいっそう向上することができた。
表示素子において、液晶分子の配向をガラス界面に平行
とすることにより、上記実施の形態と同様な効果を得ら
れるとともに、液晶分子の基板面内方向の配向が、上記
実施の形態よりもいっそうランダムとされていることに
より、散乱特性をよりいっそう向上することができた。
【0108】なお、この点につき、参考までに述べる
と、上記実施の形態8及び実施の形態9のように磁場中
で重合を行う手法や偏光紫外線で重合する手法では、タ
ーンテーブルの回転速度あるいは偏光板の回転速度を制
御する必要があるため、基板面内方向の配向方位を完全
にランダムにするのが困難である。本実施の形態の場合
は、上記のように簡易な手法により基板面内方向の配向
方位を完全にランダムにすることができ、製造が容易で
あるという利点もある。
と、上記実施の形態8及び実施の形態9のように磁場中
で重合を行う手法や偏光紫外線で重合する手法では、タ
ーンテーブルの回転速度あるいは偏光板の回転速度を制
御する必要があるため、基板面内方向の配向方位を完全
にランダムにするのが困難である。本実施の形態の場合
は、上記のように簡易な手法により基板面内方向の配向
方位を完全にランダムにすることができ、製造が容易で
あるという利点もある。
【0109】次に、上記方法で製造された本実施の形態
に係る液晶表示素子と、従来の重合性モノマーとして液
晶モノマーを使用しない製造方法で製造された液晶表示
素子の両者につき、特性を比較した。液晶表示素子の特
性としては、散乱ゲイン、駆動電圧及びγ特性について
である。ここで、散乱ゲインとは、散乱の度合いを示す
指標であり、散乱ゲインをGとすると、G=(パネルの
輝度/パネル照度)×πで表される。なお、本実施の形
態に係る液晶表示素子は、液晶分子の実効的なチルト角
(θp)が20°である場合のものについて比較した。
に係る液晶表示素子と、従来の重合性モノマーとして液
晶モノマーを使用しない製造方法で製造された液晶表示
素子の両者につき、特性を比較した。液晶表示素子の特
性としては、散乱ゲイン、駆動電圧及びγ特性について
である。ここで、散乱ゲインとは、散乱の度合いを示す
指標であり、散乱ゲインをGとすると、G=(パネルの
輝度/パネル照度)×πで表される。なお、本実施の形
態に係る液晶表示素子は、液晶分子の実効的なチルト角
(θp)が20°である場合のものについて比較した。
【0110】本実施の形態のように液晶分子の配列方向
を水平に近くすること、換言すれば液晶分子の実効的な
チルト角(θp)を小さくすること、または誘電比Eを
小さくすることによって、表2のように散乱特性を向上
させ、駆動電圧を低減し、γ特性を急峻化させることが
できた。
を水平に近くすること、換言すれば液晶分子の実効的な
チルト角(θp)を小さくすること、または誘電比Eを
小さくすることによって、表2のように散乱特性を向上
させ、駆動電圧を低減し、γ特性を急峻化させることが
できた。
【表2】
【0111】また、本発明者の実験結果によれば、散乱
強度を向上させるためには、θpが35.5未満であれ
ば特性向上が見られ、20以下であればコントラストの
向上は著しかった。なお、実効的なチルト角θpに代え
て誘電比Eで表現すれば、誘電比Eが0以上0.345
未満であれは特性向上が見られ、0.11以下であれば
コントラストの向上が著しかった。
強度を向上させるためには、θpが35.5未満であれ
ば特性向上が見られ、20以下であればコントラストの
向上は著しかった。なお、実効的なチルト角θpに代え
て誘電比Eで表現すれば、誘電比Eが0以上0.345
未満であれは特性向上が見られ、0.11以下であれば
コントラストの向上が著しかった。
【0112】また液晶モノマーの屈折率異方性Δnにつ
いて、Δnが大きいと電圧を印加したときの透明度が悪
くなる問題がある。この点につき、本発明者の実験によ
れば、Δnが0.20以下ならば実用上問題はなく、
0.15以下ならば通常のアクリル系モノマーと遜色な
い透過率が得られた。
いて、Δnが大きいと電圧を印加したときの透明度が悪
くなる問題がある。この点につき、本発明者の実験によ
れば、Δnが0.20以下ならば実用上問題はなく、
0.15以下ならば通常のアクリル系モノマーと遜色な
い透過率が得られた。
【0113】(実施の形態13)本実施の形態では、一
対の基板11のうちの一方の基板には、図23に示すよ
うに、微細なラビング処理を複数方向に行い、他方の基
板には、図24に示すように、微細な凹凸を形成した。
他の点に関しては実施の形態12と同様である。
対の基板11のうちの一方の基板には、図23に示すよ
うに、微細なラビング処理を複数方向に行い、他方の基
板には、図24に示すように、微細な凹凸を形成した。
他の点に関しては実施の形態12と同様である。
【0114】微細なラビングは、凹凸ピッチが20μm
である凹凸シートを基板11の表面に押しつけ、複数方
向にそれぞれ複数回こすりつけて行った。このときの配
向膜にはポリイミド膜(日産化学株式会社製の商品名R
N740)を用いた。また他方の基板11にはアクリル
樹脂で凹凸を形成し、ピッチ1μm、高さ0.1μmの
ランダムな凹凸を形成した。
である凹凸シートを基板11の表面に押しつけ、複数方
向にそれぞれ複数回こすりつけて行った。このときの配
向膜にはポリイミド膜(日産化学株式会社製の商品名R
N740)を用いた。また他方の基板11にはアクリル
樹脂で凹凸を形成し、ピッチ1μm、高さ0.1μmの
ランダムな凹凸を形成した。
【0115】このように微細なラビングと表面凹凸の形
成によって、重合前の混合物の分子が並ぶ方向をよりラ
ンダムに、細かくすることができ、さらに散乱強度をあ
げることができた。
成によって、重合前の混合物の分子が並ぶ方向をよりラ
ンダムに、細かくすることができ、さらに散乱強度をあ
げることができた。
【0116】本実施の形態では、一方の基板には微細な
ラビング処理を行い、他方の基板には微細な凹凸を形成
するようにしたけれども、一方の基板についてのみ微細
なラビング処理を行い、他方の基板は、微細な凹凸を形
成することなく、通常の基板を用いるようにしてもよ
い。また同様に、一方の基板についてのみ微細な凹凸を
形成し、他方の基板は、ラビング処理を行わない通常の
基板を用いるようにしてもよい。
ラビング処理を行い、他方の基板には微細な凹凸を形成
するようにしたけれども、一方の基板についてのみ微細
なラビング処理を行い、他方の基板は、微細な凹凸を形
成することなく、通常の基板を用いるようにしてもよ
い。また同様に、一方の基板についてのみ微細な凹凸を
形成し、他方の基板は、ラビング処理を行わない通常の
基板を用いるようにしてもよい。
【0117】また、上記実施の形態12及び実施の形態
13では、アクティブマトリクス駆動の液晶表示素子に
ついて説明したけれども、重合性モノマーとして液晶モ
ノマーを使用する本発明は、単純マトリクス駆動の液晶
表示素子についても好適に実施することができる。な
お、単純マトリクス駆動の液晶表示素子について適用す
る場合は、上記実施の形態11と同様に液晶分子の実効
的なチルト角(θp )を10以上18以下、望ましくは
13以上18以下とし、誘電比(E)で表現すれば、誘
電比(E)を0.03以上0.10以下、望ましくは
0.05以上0.10以下になるようにすればよい。
13では、アクティブマトリクス駆動の液晶表示素子に
ついて説明したけれども、重合性モノマーとして液晶モ
ノマーを使用する本発明は、単純マトリクス駆動の液晶
表示素子についても好適に実施することができる。な
お、単純マトリクス駆動の液晶表示素子について適用す
る場合は、上記実施の形態11と同様に液晶分子の実効
的なチルト角(θp )を10以上18以下、望ましくは
13以上18以下とし、誘電比(E)で表現すれば、誘
電比(E)を0.03以上0.10以下、望ましくは
0.05以上0.10以下になるようにすればよい。
【0118】(実施の形態14)図25は実施の形態1
4に係る液晶表示素子の構成を概略的に示した断面図で
あり、図26はその部分平面図である。この実施の形態
14では、重合性材料として収縮率の大きい材料を用い
て、重合の際の収縮により液晶滴を扁平形状にすること
を特徴とするものである。この点において、機械的押圧
により液晶滴を扁平形状とする実施の形態1とは、異な
る。実施の形態14に係る液晶表示素子の構成を説明す
ると、互いに対向する2枚のガラス基板50,51の内
側にはそれぞれインジウム・錫酸化物より成る透明電極
52,53が形成され、これら透明電極52,53間
に、高分子マトリクス54中に液晶滴55が分散された
高分子液晶複合体層56が配置されいる。高分子液晶複
合体56の周縁部には、スペーサ兼ねたシール樹脂57
が設けられており、このシール樹脂57により両基板5
0,51が貼り合わされ、高分子液晶複合体層56が封
止されている。前記液晶滴55は、実施の形態1の液晶
滴14と同様に、セル厚方向に長さが縮められた扁平構
造をとっている。液晶滴55の扁平の程度を変形比で示
すと、1.2以下とされる。このように規制するのは、
変形比が1.2を超えると、却って散乱特性が悪化する
からである。また、後述する実験結果から判断すると、
変形比は1.10以下とするのが望ましい。ここで、変
形比とは、液晶滴の基板に垂直な軸の長さをL2、基板
に平行な軸の長さをL1としたとき、L1/L2を意味
する。尚、液晶滴55の形状は、実施の形態1の液晶滴
14の形状と同様に、セル厚方向の長さだけが縮めら
れ、基板に平行な断面形状は円形のままで変形されてい
ない扁平形状である。なお、図25では液晶分子の配列
は図面の左右方向に2極を持つバイポール構造として描
いているが、これはバイポール軸が基板に略平行に存在
することを意図したものであり、バイポール軸が1軸方
向に並んでいることを意図しているわけではない。ま
た、バイポール軸は、図26に示すように、基板に平行
な面内ではにランダムに存在している。
4に係る液晶表示素子の構成を概略的に示した断面図で
あり、図26はその部分平面図である。この実施の形態
14では、重合性材料として収縮率の大きい材料を用い
て、重合の際の収縮により液晶滴を扁平形状にすること
を特徴とするものである。この点において、機械的押圧
により液晶滴を扁平形状とする実施の形態1とは、異な
る。実施の形態14に係る液晶表示素子の構成を説明す
ると、互いに対向する2枚のガラス基板50,51の内
側にはそれぞれインジウム・錫酸化物より成る透明電極
52,53が形成され、これら透明電極52,53間
に、高分子マトリクス54中に液晶滴55が分散された
高分子液晶複合体層56が配置されいる。高分子液晶複
合体56の周縁部には、スペーサ兼ねたシール樹脂57
が設けられており、このシール樹脂57により両基板5
0,51が貼り合わされ、高分子液晶複合体層56が封
止されている。前記液晶滴55は、実施の形態1の液晶
滴14と同様に、セル厚方向に長さが縮められた扁平構
造をとっている。液晶滴55の扁平の程度を変形比で示
すと、1.2以下とされる。このように規制するのは、
変形比が1.2を超えると、却って散乱特性が悪化する
からである。また、後述する実験結果から判断すると、
変形比は1.10以下とするのが望ましい。ここで、変
形比とは、液晶滴の基板に垂直な軸の長さをL2、基板
に平行な軸の長さをL1としたとき、L1/L2を意味
する。尚、液晶滴55の形状は、実施の形態1の液晶滴
14の形状と同様に、セル厚方向の長さだけが縮めら
れ、基板に平行な断面形状は円形のままで変形されてい
ない扁平形状である。なお、図25では液晶分子の配列
は図面の左右方向に2極を持つバイポール構造として描
いているが、これはバイポール軸が基板に略平行に存在
することを意図したものであり、バイポール軸が1軸方
向に並んでいることを意図しているわけではない。ま
た、バイポール軸は、図26に示すように、基板に平行
な面内ではにランダムに存在している。
【0119】このような本実施の形態14に係る液晶表
示素子によっても、実施の形態1に係る液晶表示素子と
同様な原理により、散乱特性を向上することができる。
示素子によっても、実施の形態1に係る液晶表示素子と
同様な原理により、散乱特性を向上することができる。
【0120】次に、上記構成の液晶表示素子の製造方法
について説明する。
について説明する。
【0121】(1)空セルの作製 インジウム・錫酸化物よりなる透明電極52,53が形
成されたガラス基板50,51を用意し、ガラス基板5
0,51のうちの一方の基板(例えば基板51とする)
の透明電極53表面にスペーサを兼ねたシール樹脂57
となる、直径13μmのガラス繊維を分散した酸無水物
硬化型エポキシ樹脂を、当該基板50の4辺のうち1辺
のみ開口部として3mm残し、その他の辺部分に幅2m
mで印刷した。次いで、当該基板51上で、もう一方の
ガラス基板50を互いに電極面を対向させた状態に配置
し、この状態で加圧し、150℃で2時間加熱して硬化
接着し、空セルを作製する。
成されたガラス基板50,51を用意し、ガラス基板5
0,51のうちの一方の基板(例えば基板51とする)
の透明電極53表面にスペーサを兼ねたシール樹脂57
となる、直径13μmのガラス繊維を分散した酸無水物
硬化型エポキシ樹脂を、当該基板50の4辺のうち1辺
のみ開口部として3mm残し、その他の辺部分に幅2m
mで印刷した。次いで、当該基板51上で、もう一方の
ガラス基板50を互いに電極面を対向させた状態に配置
し、この状態で加圧し、150℃で2時間加熱して硬化
接着し、空セルを作製する。
【0122】(2)重合性材料の収縮率の測定 重合性材料としては、熱重合性または光重合性を有する
単官能基を有するモノマー及び2官能基を有するモノマ
ーを使用する。これは、収縮率の大きい材料系として分
子量の小さいものを選定する必要があるとの考えに基づ
く。従って、重合性材料に関して、本実施の形態14
は、単官能基を有するモノマー及びオリゴマーを重合性
材料とする従来例とは異なる。尚、参考までに述べる
と、従来例において、単官能基を有するモノマー及びオ
リゴマーを重合性材料として用いていたのは、単官能基
を有するモノマーのみでは、液晶滴を形成するのに十分
な重合が得られないためである。即ち、液晶滴の壁面が
オリゴマーの重合により構成されるため、モノマーのみ
では液晶滴を形成することができないからである。しか
しながら、本発明者らの実験によれば、オリゴマーに代
えて、2官能基を有するモノマーの使用、即ち、単官能
基を有するモノマー及び2官能基を有するモノマーを重
合性材料として使用しても、高分子分散型液晶が得ら
れ、しかもその特性は、オリゴマー使用の高分子分散型
液晶と何等遜色のないものであることが認められた。
単官能基を有するモノマー及び2官能基を有するモノマ
ーを使用する。これは、収縮率の大きい材料系として分
子量の小さいものを選定する必要があるとの考えに基づ
く。従って、重合性材料に関して、本実施の形態14
は、単官能基を有するモノマー及びオリゴマーを重合性
材料とする従来例とは異なる。尚、参考までに述べる
と、従来例において、単官能基を有するモノマー及びオ
リゴマーを重合性材料として用いていたのは、単官能基
を有するモノマーのみでは、液晶滴を形成するのに十分
な重合が得られないためである。即ち、液晶滴の壁面が
オリゴマーの重合により構成されるため、モノマーのみ
では液晶滴を形成することができないからである。しか
しながら、本発明者らの実験によれば、オリゴマーに代
えて、2官能基を有するモノマーの使用、即ち、単官能
基を有するモノマー及び2官能基を有するモノマーを重
合性材料として使用しても、高分子分散型液晶が得ら
れ、しかもその特性は、オリゴマー使用の高分子分散型
液晶と何等遜色のないものであることが認められた。
【0123】本実施の形態としては、単官能基を有する
モノマーとしてt-ブチルアクリレート(大阪有機化学工
業(株))を78部、2官能基を有するモノマーとして
1,9−ノナンジオールジアクリレート(大阪有機化学
工業(株))を20部、重合開始剤としてイルガキュア
651(チバガイキ(株)製)2部からなる混合組成物
(組成物Aとする)を用意した。この組成物Aを上記し
たテストセルに挟持し、開口部を封止した後、光源に高
圧水銀灯を用いて、40℃で重合を行った。このとき、
光照射面に光カットフィルターを配置し重合を行った。
光カットフィルターとしては、東芝色ガラス(株)製の
UV35(商品名)を使用した。なお、前記高圧水銀灯
は、主波長365nmで、紫外線強度が50mWのもの
を使用し、60秒間照射した。こうして得られたセルの
基板間の厚みを測定して収縮率S(%)をS=(1−D
2/D1)×100に基づいて算出した。上記重合性材
料の収縮率は17%であった。
モノマーとしてt-ブチルアクリレート(大阪有機化学工
業(株))を78部、2官能基を有するモノマーとして
1,9−ノナンジオールジアクリレート(大阪有機化学
工業(株))を20部、重合開始剤としてイルガキュア
651(チバガイキ(株)製)2部からなる混合組成物
(組成物Aとする)を用意した。この組成物Aを上記し
たテストセルに挟持し、開口部を封止した後、光源に高
圧水銀灯を用いて、40℃で重合を行った。このとき、
光照射面に光カットフィルターを配置し重合を行った。
光カットフィルターとしては、東芝色ガラス(株)製の
UV35(商品名)を使用した。なお、前記高圧水銀灯
は、主波長365nmで、紫外線強度が50mWのもの
を使用し、60秒間照射した。こうして得られたセルの
基板間の厚みを測定して収縮率S(%)をS=(1−D
2/D1)×100に基づいて算出した。上記重合性材
料の収縮率は17%であった。
【0124】ここで、D1は重合前の基板間の厚み、D
2Fは重合後の基板間の厚みである。尚、この実施の形
態14では、単官能基を有するモノマーとしては、t-ブ
チルアクリレートが使用されたけれども、その他にイソ
ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、メチル
メタクリレートエチルメタクリレート、n−ブチルメタ
クリレート等を使用するようにしてもよい。また2官能
基を有するモノマーとしては、1,9−ノナンジオール
ジアクリレートが使用されたけれども、その他に1,4
−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート等を使用するようにしてもよい。
2Fは重合後の基板間の厚みである。尚、この実施の形
態14では、単官能基を有するモノマーとしては、t-ブ
チルアクリレートが使用されたけれども、その他にイソ
ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、メチル
メタクリレートエチルメタクリレート、n−ブチルメタ
クリレート等を使用するようにしてもよい。また2官能
基を有するモノマーとしては、1,9−ノナンジオール
ジアクリレートが使用されたけれども、その他に1,4
−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート等を使用するようにしてもよい。
【0125】(3)高分子分散型液晶表示素子の作製 上記したテストセルに、組成物Aと液晶材料(メルク
(株)製,商品名TL205)を重量比で組成物A:液
晶=17:83の割合で混合し、その開口部から注入
し、開口部を封止した後、光源に高圧水銀灯を用いて、
40℃で重合を行い高分子分散型液晶からなる液晶表示
素子を完成した。このとき、このとき、光照射面に光カ
ットフィルターを配置し重合を行った。光カットフィル
ターとしては、東芝色ガラス(株)製のUV35(商品
名)を使用した。なお、前記高圧水銀灯は、主波長36
5nmで紫外線強度が50mWのものを使用し、60秒
間照射した。(重合条件は上記収縮率の測定と同じ条件
である)。これにより、重合性材料の重合が進行するに
つれ、(1)液晶滴の析出と成長、(2)重合性材料の
重合に伴う収縮、の2つの現象が同時に進行する。そし
て、重合性材料の収縮に起因して、密閉された基板内で
は基板の厚み方向に圧力が働くことになり、同時に析
出、成長する液晶滴(もともとは球状)を押圧すること
になる。従って、重合完了後には押圧され扁平化した液
晶滴を有する高分子分散型液晶が形成されることにな
る。こうして本実施の形態14に係る液晶表示素子が作
製される。尚、液晶表示素子を破壊し、液晶滴の断面形
状から液晶滴の長軸(液晶滴の基板に平行な軸)の長さ
L1及び短軸(液晶滴の基板に垂直な軸)の長さL2を
測定し、変形比としてL1/L2を求めたところ、L1
=1.2μm、L2=1.1μmであり、変形比は1.
09であった。このように本実施の形態14では、重合
性材料の収縮により液晶滴を変形するので、機械的な押
圧により液晶滴を変形する場合に比べて、均一に押圧す
ることができる。従って、液晶滴の変形比にばらつきが
なく、表示むらのない表示が可能となる。また上記実施
の形態1と同様に理由により、本実施の形態14におい
てもまた、駆動電圧の低減を図ることができる。
(株)製,商品名TL205)を重量比で組成物A:液
晶=17:83の割合で混合し、その開口部から注入
し、開口部を封止した後、光源に高圧水銀灯を用いて、
40℃で重合を行い高分子分散型液晶からなる液晶表示
素子を完成した。このとき、このとき、光照射面に光カ
ットフィルターを配置し重合を行った。光カットフィル
ターとしては、東芝色ガラス(株)製のUV35(商品
名)を使用した。なお、前記高圧水銀灯は、主波長36
5nmで紫外線強度が50mWのものを使用し、60秒
間照射した。(重合条件は上記収縮率の測定と同じ条件
である)。これにより、重合性材料の重合が進行するに
つれ、(1)液晶滴の析出と成長、(2)重合性材料の
重合に伴う収縮、の2つの現象が同時に進行する。そし
て、重合性材料の収縮に起因して、密閉された基板内で
は基板の厚み方向に圧力が働くことになり、同時に析
出、成長する液晶滴(もともとは球状)を押圧すること
になる。従って、重合完了後には押圧され扁平化した液
晶滴を有する高分子分散型液晶が形成されることにな
る。こうして本実施の形態14に係る液晶表示素子が作
製される。尚、液晶表示素子を破壊し、液晶滴の断面形
状から液晶滴の長軸(液晶滴の基板に平行な軸)の長さ
L1及び短軸(液晶滴の基板に垂直な軸)の長さL2を
測定し、変形比としてL1/L2を求めたところ、L1
=1.2μm、L2=1.1μmであり、変形比は1.
09であった。このように本実施の形態14では、重合
性材料の収縮により液晶滴を変形するので、機械的な押
圧により液晶滴を変形する場合に比べて、均一に押圧す
ることができる。従って、液晶滴の変形比にばらつきが
なく、表示むらのない表示が可能となる。また上記実施
の形態1と同様に理由により、本実施の形態14におい
てもまた、駆動電圧の低減を図ることができる。
【0126】(実験例)収縮率が10〜20%の範囲に
ある重合性材料を種々選定して、上記製造方法により液
晶表示素子を製造し、以下の条件で散乱性及び駆動電圧
を測定したので、その結果を表1に示す。尚、これらの
液晶表示素子を、本発明液晶表示素子X1,X2,X
3,X4,X5,X6と称する。また、収縮率が10〜
20%の範囲外にある重合性材料を種々選定して、上記
製造方法により液晶表示素子を製造し、以下の条件で散
乱性及び駆動電圧を測定したので、その結果も併せて表
1に示す。尚、これらの液晶表示素子を、比較液晶表示
素子Y1,Y2,Y3,Y4,Y5,Y6,Y7と称す
る。
ある重合性材料を種々選定して、上記製造方法により液
晶表示素子を製造し、以下の条件で散乱性及び駆動電圧
を測定したので、その結果を表1に示す。尚、これらの
液晶表示素子を、本発明液晶表示素子X1,X2,X
3,X4,X5,X6と称する。また、収縮率が10〜
20%の範囲外にある重合性材料を種々選定して、上記
製造方法により液晶表示素子を製造し、以下の条件で散
乱性及び駆動電圧を測定したので、その結果も併せて表
1に示す。尚、これらの液晶表示素子を、比較液晶表示
素子Y1,Y2,Y3,Y4,Y5,Y6,Y7と称す
る。
【表3】
【0127】表3において、M1200及びM1600
は、(東亜合成化学工業(株)製の商品名)ウレタン系
のオリゴマーである。
は、(東亜合成化学工業(株)製の商品名)ウレタン系
のオリゴマーである。
【0128】実験の条件 大塚電子(株)製のLCD500を用い、測定温度30
℃、受光角2.8゜とした。また散乱性能は無電界時の
透過率T0(%)で評価した。透過率が小さいほど散乱
性は良好ということになる。また、駆動電圧は透過率が
最大透過率の90%に達するときの電圧V90で評価し
た。また、変形比は、液晶表示素子を破壊し、液晶滴の
断面形状から液晶滴の長軸L1及び短軸L2を測定し、
変形比としてL1/L2を求めた。
℃、受光角2.8゜とした。また散乱性能は無電界時の
透過率T0(%)で評価した。透過率が小さいほど散乱
性は良好ということになる。また、駆動電圧は透過率が
最大透過率の90%に達するときの電圧V90で評価し
た。また、変形比は、液晶表示素子を破壊し、液晶滴の
断面形状から液晶滴の長軸L1及び短軸L2を測定し、
変形比としてL1/L2を求めた。
【0129】(結果)表3から明らかなように、収縮率
と液晶表示素子の性能には相関性があり、収縮率が10
%以上の重合性材料を用いたものでは散乱性が改善され
ていることが認められる。但し、収縮率が20%を超え
ると、却って散乱性が悪化していることが認められる。
また、収縮率と液晶滴の変形率にも相関性があり、変形
率が1.10以下であるとき良好な特性が得られること
が認められる。但し、変形率が1.2を超えると、却っ
て散乱性が悪化していることが認められる。なお、表示
特性についても同時に評価したので、その結果を述べる
と、本発明液晶表示素子X1,X2,X3,X4,X
5,X6は全てむらが無く均一な表示を示すものであっ
た。一方、比較液晶表示素子Y1,Y2,Y3,Y4,
Y5,Y6,Y7は、表示むらがあり不均一な表示を示
すものであった。
と液晶表示素子の性能には相関性があり、収縮率が10
%以上の重合性材料を用いたものでは散乱性が改善され
ていることが認められる。但し、収縮率が20%を超え
ると、却って散乱性が悪化していることが認められる。
また、収縮率と液晶滴の変形率にも相関性があり、変形
率が1.10以下であるとき良好な特性が得られること
が認められる。但し、変形率が1.2を超えると、却っ
て散乱性が悪化していることが認められる。なお、表示
特性についても同時に評価したので、その結果を述べる
と、本発明液晶表示素子X1,X2,X3,X4,X
5,X6は全てむらが無く均一な表示を示すものであっ
た。一方、比較液晶表示素子Y1,Y2,Y3,Y4,
Y5,Y6,Y7は、表示むらがあり不均一な表示を示
すものであった。
【0130】また、収縮率が10%以上の重合性材料を
用いたものでは駆動電圧が低下していることが認められ
る。但し、収縮率が20%を超えると、却って駆動電圧
が高くなることが認められる。
用いたものでは駆動電圧が低下していることが認められ
る。但し、収縮率が20%を超えると、却って駆動電圧
が高くなることが認められる。
【0131】(実施の形態15)図27(a)は実施の
形態15に係る液晶表示素子の模式化した断面図であ
る。図中において、114A,114Bはガラス基板で
あり、ガラス基板114Aとガラス基板114Bの相互
の対向面には、透明電極(図示せず)が形成されてい
る。このガラス基板114Aとガラス基板114Bによ
って、積層体117が保持されている。積層体117
は、第1の高分子液晶複合体層111と、第2の高分子
液晶複合体層112と、第3の高分子液晶複合体層11
3が積層された構造となっている。これら第1〜第3の
高分子液晶複合体層111〜113は、高分子118中
に液晶滴119を分散した高分子分散型液晶層である。
形態15に係る液晶表示素子の模式化した断面図であ
る。図中において、114A,114Bはガラス基板で
あり、ガラス基板114Aとガラス基板114Bの相互
の対向面には、透明電極(図示せず)が形成されてい
る。このガラス基板114Aとガラス基板114Bによ
って、積層体117が保持されている。積層体117
は、第1の高分子液晶複合体層111と、第2の高分子
液晶複合体層112と、第3の高分子液晶複合体層11
3が積層された構造となっている。これら第1〜第3の
高分子液晶複合体層111〜113は、高分子118中
に液晶滴119を分散した高分子分散型液晶層である。
【0132】また、第1〜第3の高分子液晶複合体層1
11〜113の液晶分子116は、その長軸方向が基板
に対して略平行とされている。これにより、高分子と液
晶の屈折率差を大きくすることができ、大きな光散乱効
果が得られる。その結果、高コントラストが得られる。
なお、この点については、特開平8−248398号公
報にも記載されている通りである。
11〜113の液晶分子116は、その長軸方向が基板
に対して略平行とされている。これにより、高分子と液
晶の屈折率差を大きくすることができ、大きな光散乱効
果が得られる。その結果、高コントラストが得られる。
なお、この点については、特開平8−248398号公
報にも記載されている通りである。
【0133】ここで、本発明者は、液晶分子を基板に対
して平行に配向させるだけでなく、さらに、セル厚方向
に液晶分子を見た場合において液晶分子の配向ができる
だけランダムになればなるほど、よりいっそう散乱を十
分に行えることを見いだした。そこで、本発明では、図
27(b)に示すように、各高分子液晶複合体層111
〜113毎の液晶分子116の配向方向115を異なる
ように構成した。このような構成によれば、配向方向1
5が異なることで各層111〜113間で屈折率が異な
り、大きな散乱を得ることができることが判明した。な
お、本発明において、液晶分子116が基板114A,
114Bに平行な面内において、完全にランダムに配向
できればその状態が最も望ましい。
して平行に配向させるだけでなく、さらに、セル厚方向
に液晶分子を見た場合において液晶分子の配向ができる
だけランダムになればなるほど、よりいっそう散乱を十
分に行えることを見いだした。そこで、本発明では、図
27(b)に示すように、各高分子液晶複合体層111
〜113毎の液晶分子116の配向方向115を異なる
ように構成した。このような構成によれば、配向方向1
5が異なることで各層111〜113間で屈折率が異な
り、大きな散乱を得ることができることが判明した。な
お、本発明において、液晶分子116が基板114A,
114Bに平行な面内において、完全にランダムに配向
できればその状態が最も望ましい。
【0134】尚、参考までに述べると、特開平8−24
8398号公報に記載の液晶表示素子は、高分子分散液
晶複合体層を積層して積層体とし、各高分子液晶複合体
層中の液晶分子は、それぞれ電極面に略平行な平面内で
一定の方向に配向し、各高分子液晶複合体層間における
液晶分子の配向方向は、互に90度となるようにラビン
グ等の配向処理で設定している。この特開平8−248
398号公報記載の液晶表示素子では、ラビングにより
液晶分子の配向を制御しようとしているわけであるが、
ラビングを用いた場合には、上記したように高分子液晶
複合体層における液晶分子の配向方向は、互に90度交
差するように形成されるため、セル厚方向に液晶分子を
見た場合において、基本的には液晶分子は2方向にしか
配向しておらず、十分に満足する散乱を得ることは不可
能である。この点に関し、本発明は、ラビング処理を必
要とせず、高分子液晶複合体層を積層する構造であるた
め、各層毎に異なる方向に液晶分子を配向することがで
き、特開平8−248398号公報記載の液晶表示素子
に比べて格段に大きな散乱効果を得ることができる。
8398号公報に記載の液晶表示素子は、高分子分散液
晶複合体層を積層して積層体とし、各高分子液晶複合体
層中の液晶分子は、それぞれ電極面に略平行な平面内で
一定の方向に配向し、各高分子液晶複合体層間における
液晶分子の配向方向は、互に90度となるようにラビン
グ等の配向処理で設定している。この特開平8−248
398号公報記載の液晶表示素子では、ラビングにより
液晶分子の配向を制御しようとしているわけであるが、
ラビングを用いた場合には、上記したように高分子液晶
複合体層における液晶分子の配向方向は、互に90度交
差するように形成されるため、セル厚方向に液晶分子を
見た場合において、基本的には液晶分子は2方向にしか
配向しておらず、十分に満足する散乱を得ることは不可
能である。この点に関し、本発明は、ラビング処理を必
要とせず、高分子液晶複合体層を積層する構造であるた
め、各層毎に異なる方向に液晶分子を配向することがで
き、特開平8−248398号公報記載の液晶表示素子
に比べて格段に大きな散乱効果を得ることができる。
【0135】また、積層構造とすることにより、一度に
層厚の大きい高分子液晶複合体層を形成して液晶の配向
を制御する処理を行うよりは、層厚の小さい高分子液晶
複合体層毎に液晶の配向処理を行って積層することがで
き、結果として液晶の配向制御を行う外力、例えば液晶
滴を偏平するのに要する外力が高分子液晶複合体層に伝
わりやすくなる。従って、一度に層厚の大きい高分子液
晶複合体層を形成して液晶の配向を制御する処理を行う
場合に比べて、本発明の場合は、一層形成毎の配向制御
により、より均一な液晶表示素子を実現できる。
層厚の大きい高分子液晶複合体層を形成して液晶の配向
を制御する処理を行うよりは、層厚の小さい高分子液晶
複合体層毎に液晶の配向処理を行って積層することがで
き、結果として液晶の配向制御を行う外力、例えば液晶
滴を偏平するのに要する外力が高分子液晶複合体層に伝
わりやすくなる。従って、一度に層厚の大きい高分子液
晶複合体層を形成して液晶の配向を制御する処理を行う
場合に比べて、本発明の場合は、一層形成毎の配向制御
により、より均一な液晶表示素子を実現できる。
【0136】次に、本発明において実際に液晶分子の配
向処理を行う方法について説明する。
向処理を行う方法について説明する。
【0137】第1の手法は、液晶材料と高分子前駆体で
ある重合性材料とを含む混合物に光を照射し、相分離す
ることで高分子液晶複合体層を得るときに偏光照射する
ことで偏光方向に高分子硬化を行う方法である。この方
法により、結果的には棒状ないしはラグビーボール状の
液晶滴形状をとることができるわけであるが、これによ
り液晶滴内の液晶分子はその形状に従って配向し、層内
での液晶の配向を規制することができる。そして、上記
の操作を繰り返して偏光方向を層毎に変化させることで
各層毎に液晶分子の向きの異なる積層された積層体を形
成することができる。
ある重合性材料とを含む混合物に光を照射し、相分離す
ることで高分子液晶複合体層を得るときに偏光照射する
ことで偏光方向に高分子硬化を行う方法である。この方
法により、結果的には棒状ないしはラグビーボール状の
液晶滴形状をとることができるわけであるが、これによ
り液晶滴内の液晶分子はその形状に従って配向し、層内
での液晶の配向を規制することができる。そして、上記
の操作を繰り返して偏光方向を層毎に変化させることで
各層毎に液晶分子の向きの異なる積層された積層体を形
成することができる。
【0138】第2の手法は、相分離時に層毎に磁場ない
しは電場を印加することで層毎の液晶の方位を規制する
ものである。なお、積層体の作製法は上記の第1の手法
と同様に行うことが可能である。またこの第2の方法で
は相分離時だけでなく、高分子液晶複合体層を作製した
後、等方性液体まで加熱し、この状態で、磁場ないしは
電場を印加し、その後液晶状態まで降温し、各層毎に液
晶の配列を規制することも可能である。
しは電場を印加することで層毎の液晶の方位を規制する
ものである。なお、積層体の作製法は上記の第1の手法
と同様に行うことが可能である。またこの第2の方法で
は相分離時だけでなく、高分子液晶複合体層を作製した
後、等方性液体まで加熱し、この状態で、磁場ないしは
電場を印加し、その後液晶状態まで降温し、各層毎に液
晶の配列を規制することも可能である。
【0139】さらに、本発明の最も望ましい形態とし
て、各層の液晶分子の配列を基板にほぼ水平にかつラン
ダムにするためには、各層を作製した後、各層毎に押圧
して円盤状あるいは扁平状にすることで、図28(a)
に示す液晶滴119内の液晶分子の配向を、弾性的に安
定な図28(b)に示す配向状態とすることができる。
尚、このときの液晶滴119の扁平状に形成する方法と
しては、実施の形態1〜実施の形態13において記載し
た方法によってもよい。更には実施の形態14において
記載した重合性材料の重合時の収縮による方法によって
もよいく、このような収縮による方法によれば、機械的
な押圧方法に比べて液晶敵を均一に押圧することができ
るため、液晶滴の変形比にばらつきがなく、表示むらの
ない表示が可能となる。
て、各層の液晶分子の配列を基板にほぼ水平にかつラン
ダムにするためには、各層を作製した後、各層毎に押圧
して円盤状あるいは扁平状にすることで、図28(a)
に示す液晶滴119内の液晶分子の配向を、弾性的に安
定な図28(b)に示す配向状態とすることができる。
尚、このときの液晶滴119の扁平状に形成する方法と
しては、実施の形態1〜実施の形態13において記載し
た方法によってもよい。更には実施の形態14において
記載した重合性材料の重合時の収縮による方法によって
もよいく、このような収縮による方法によれば、機械的
な押圧方法に比べて液晶敵を均一に押圧することができ
るため、液晶滴の変形比にばらつきがなく、表示むらの
ない表示が可能となる。
【0140】なお、作製方法として均一な厚みの積層体
を得るためには各層の厚みが均一でなくてはならない。
そのため、本発明では、各層毎にスペーサを使用するこ
とにより、均一な厚みの複合体層を得ることができる。
を得るためには各層の厚みが均一でなくてはならない。
そのため、本発明では、各層毎にスペーサを使用するこ
とにより、均一な厚みの複合体層を得ることができる。
【0141】
【実施例】以下、本発明に係る液晶表示素子を実施例に
基づいて更に詳細に説明する。
基づいて更に詳細に説明する。
【0142】(実施例1)図29は液晶表示素子の模式
化した断面図である。この実施例では、高分子液晶複合
体層が2層積層されている。図中において、121A,
121Bはガラス基板であり、このガラス基板121
A,121Bの各対向面には、透明電極122A,12
2Bが形成されている。このガラス基板121A,12
1B間に、高分子液晶複合体層123A,123Bを2
層積層してなる積層体124が保持されている。各高分
子液晶複合体層123A,123Bは、高分子125
A,125B中に液晶滴127A,127Bが分散され
た高分子分散型液晶を構成している。各高分子液晶複合
体層123A,123B中の液晶滴127A,127B
内の液晶分子は、その長軸がガラス基板121A,12
1Bに対してほぼ平行になるように配置されており、か
つ、基板121A,121Bにほぼ平行な面内でランダ
ムに配置されている。なお、本明細書において、用語
「液晶分子が基板に対して平行」とは、液晶滴内の全て
の液晶分子の傾き角を平均した液晶分子(バイポール軸
に沿った液晶分子に相当する)が基板に対して平行であ
ることを意味する。なお、液晶滴127A,127Bの
形状は、略扁平状又は略円盤状、即ち、断面が楕円状で
かつセル厚方向から見た場合円形状である。
化した断面図である。この実施例では、高分子液晶複合
体層が2層積層されている。図中において、121A,
121Bはガラス基板であり、このガラス基板121
A,121Bの各対向面には、透明電極122A,12
2Bが形成されている。このガラス基板121A,12
1B間に、高分子液晶複合体層123A,123Bを2
層積層してなる積層体124が保持されている。各高分
子液晶複合体層123A,123Bは、高分子125
A,125B中に液晶滴127A,127Bが分散され
た高分子分散型液晶を構成している。各高分子液晶複合
体層123A,123B中の液晶滴127A,127B
内の液晶分子は、その長軸がガラス基板121A,12
1Bに対してほぼ平行になるように配置されており、か
つ、基板121A,121Bにほぼ平行な面内でランダ
ムに配置されている。なお、本明細書において、用語
「液晶分子が基板に対して平行」とは、液晶滴内の全て
の液晶分子の傾き角を平均した液晶分子(バイポール軸
に沿った液晶分子に相当する)が基板に対して平行であ
ることを意味する。なお、液晶滴127A,127Bの
形状は、略扁平状又は略円盤状、即ち、断面が楕円状で
かつセル厚方向から見た場合円形状である。
【0143】次に、上記構成の液晶表示素子の製造方法
について説明する。
について説明する。
【0144】先ず、液晶材料と重合性材料と光重合開始
剤をそれぞれ加え、この混合物を撹拌して均一な混合溶
液を調製する。具体的には、液晶材料としてはE−8
(メルク社製)を使用した。また、重合性材料として
は、ブチルオクタルアクリレ−ト(BOA)と、2−エ
チルヘキシルアクリレ−ト(2EHA)と、1,6−ヘ
キサンジオ−ルアクリレ−ト(HDDA)の3種類の材
料の混合した物を使用した。なお、ブチルオクタルアク
リレ−ト(BOA)と、2−エチルヘキシルアクリレ−
ト(2EHA)と、1,6−ヘキサンジオ−ルアクリレ
−ト(HDDA)の混合比を1.5:1.5:1とし
た。また、光重合開始剤としては、ダロキュア1173
(日本チバガイギ−)を使用した。ダロキュア1173
の添加量は、2wt%とした。なお、液晶材料と重合性
モノマーの混合比率は8:2とした。
剤をそれぞれ加え、この混合物を撹拌して均一な混合溶
液を調製する。具体的には、液晶材料としてはE−8
(メルク社製)を使用した。また、重合性材料として
は、ブチルオクタルアクリレ−ト(BOA)と、2−エ
チルヘキシルアクリレ−ト(2EHA)と、1,6−ヘ
キサンジオ−ルアクリレ−ト(HDDA)の3種類の材
料の混合した物を使用した。なお、ブチルオクタルアク
リレ−ト(BOA)と、2−エチルヘキシルアクリレ−
ト(2EHA)と、1,6−ヘキサンジオ−ルアクリレ
−ト(HDDA)の混合比を1.5:1.5:1とし
た。また、光重合開始剤としては、ダロキュア1173
(日本チバガイギ−)を使用した。ダロキュア1173
の添加量は、2wt%とした。なお、液晶材料と重合性
モノマーの混合比率は8:2とした。
【0145】この実施例では、液晶材料としてはE−8
(メルク社製)を使用したが、これに限定されるもので
はなく、正の誘電率異方性を有し、常温付近で液晶状態
を示すネマテック液晶、コレステリック液晶、スメクテ
ック液晶などの各種の液晶材料が使用できる。また、こ
れらの液晶材料は1種でもよく、また2種以上を混合し
て使用することもできる。また、これらの液晶材料に例
えば2色性色素などを含有させるようにしてもよく、更
に、各高分子液晶複合体層毎に、それぞれ異なる色の2
色性色素を含有させ、フルカラー表示が可能な液晶表示
素子に本発明を適用するようにしてもよい。
(メルク社製)を使用したが、これに限定されるもので
はなく、正の誘電率異方性を有し、常温付近で液晶状態
を示すネマテック液晶、コレステリック液晶、スメクテ
ック液晶などの各種の液晶材料が使用できる。また、こ
れらの液晶材料は1種でもよく、また2種以上を混合し
て使用することもできる。また、これらの液晶材料に例
えば2色性色素などを含有させるようにしてもよく、更
に、各高分子液晶複合体層毎に、それぞれ異なる色の2
色性色素を含有させ、フルカラー表示が可能な液晶表示
素子に本発明を適用するようにしてもよい。
【0146】また、この実施例では、重合性材料として
は、ブチルオクタルアクリレ−ト(BOA)と、2−エ
チルヘキシルアクリレ−ト(2EHA)と、1,6−ヘ
キサンジオ−ルアクリレ−ト(HDDA)の3種類の材
料の混合した物を使用しが、これに限定されるものでは
ない。重合性材料としては、光により重合し透明性を有
する高分子化合物を生成する各種の重合性物質が使用可
能であり、一般には例えばアクリレート、メタクリレー
ト、エポキシなどの重合性官能基を有するモノマーやオ
リゴマーなどを使用してもよい。具体的には、重合性モ
ノマーとしては、例えばn−トリデシルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキ
サンジオールジアクリレートなどが使用できる。重合性
オリゴマーとしては、ポリウレタンアクリレート、1,
6ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリト
ールジアクリレートモノステアレート、オリゴウレタン
アクリレート、ポリエステルアクリレート、グリセリン
ジグリシジルエーテルなどが使用できる。
は、ブチルオクタルアクリレ−ト(BOA)と、2−エ
チルヘキシルアクリレ−ト(2EHA)と、1,6−ヘ
キサンジオ−ルアクリレ−ト(HDDA)の3種類の材
料の混合した物を使用しが、これに限定されるものでは
ない。重合性材料としては、光により重合し透明性を有
する高分子化合物を生成する各種の重合性物質が使用可
能であり、一般には例えばアクリレート、メタクリレー
ト、エポキシなどの重合性官能基を有するモノマーやオ
リゴマーなどを使用してもよい。具体的には、重合性モ
ノマーとしては、例えばn−トリデシルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキ
サンジオールジアクリレートなどが使用できる。重合性
オリゴマーとしては、ポリウレタンアクリレート、1,
6ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリト
ールジアクリレートモノステアレート、オリゴウレタン
アクリレート、ポリエステルアクリレート、グリセリン
ジグリシジルエーテルなどが使用できる。
【0147】次に、図30(a)に示すように、ガラス
基板121Bと高分子液晶複合体層形成用のガラス基板
130間に、粒径2μmのスペ−サ131を介在させ、
基板121B,130を、その間隔を一定に保持するよ
うにして重ねる。ガラス基板121Bには、透明電極1
22Bが形成されているが、ガラス基板130には、透
明電極は形成されていない。この理由は、ガラス基板1
30は、高分子液晶複合体層形成のためにのみ使用され
るものであり、後述するように、高分子液晶複合体層1
23B形成後には、高分子液晶複合体層123Bから剥
がされしてしまい、液晶表示素子の構成要素となるもの
ではないからである。従って、ガラス基板130に代え
て、例えば、プラスチックフィルムなどを用いてもよ
い。
基板121Bと高分子液晶複合体層形成用のガラス基板
130間に、粒径2μmのスペ−サ131を介在させ、
基板121B,130を、その間隔を一定に保持するよ
うにして重ねる。ガラス基板121Bには、透明電極1
22Bが形成されているが、ガラス基板130には、透
明電極は形成されていない。この理由は、ガラス基板1
30は、高分子液晶複合体層形成のためにのみ使用され
るものであり、後述するように、高分子液晶複合体層1
23B形成後には、高分子液晶複合体層123Bから剥
がされしてしまい、液晶表示素子の構成要素となるもの
ではないからである。従って、ガラス基板130に代え
て、例えば、プラスチックフィルムなどを用いてもよ
い。
【0148】次に、図30(b)に示すように、基板1
21B,130間に、前記溶液状の混合物を注入する。
21B,130間に、前記溶液状の混合物を注入する。
【0149】次に、図30(c)に示すように、基板1
21B,130間に注入された混合物に紫外線を照射し
た。紫外線照射の条件としては、主波長365nmで照
射強度30mWの紫外線で1分間照射した。この紫外線
照射による光重合により、高分子と液晶とが相分離し、
単層の高分子液晶複合体層123Bが得られた。この図
30(c)に示す状態では、高分子液晶複合体層123
B中の各液晶滴127Bは球形であり、各液晶滴127
Bの液晶分子は、基板に対して平行ではなく種々の方位
をもって配向している。このことは、本発明者が、偏光
顕微鏡により高分子液晶複合体層123Bを観察するこ
とにより、確認した。
21B,130間に注入された混合物に紫外線を照射し
た。紫外線照射の条件としては、主波長365nmで照
射強度30mWの紫外線で1分間照射した。この紫外線
照射による光重合により、高分子と液晶とが相分離し、
単層の高分子液晶複合体層123Bが得られた。この図
30(c)に示す状態では、高分子液晶複合体層123
B中の各液晶滴127Bは球形であり、各液晶滴127
Bの液晶分子は、基板に対して平行ではなく種々の方位
をもって配向している。このことは、本発明者が、偏光
顕微鏡により高分子液晶複合体層123Bを観察するこ
とにより、確認した。
【0150】次に、図30(d)に示すように、基板1
21B,130に例えば、プレス機などにより、均一に
5Kg/cm2 で圧力を印加し、液晶滴127B内の液
晶の一部を基板121B,130間から外部に押し出し
た。これにより、液晶滴127Bは変形した。この変形
した状態を、偏光顕微鏡により観察すると、液晶滴12
7Bの液晶分子は、基板121Bに対して平行にほぼ配
向しており、基板121Bに平行な面内では図31に示
すようにランダムに配列していることがわかった。但
し、図30(d)では、便宜上きれいに変形した液晶滴
127Bが均一な方向に向いているように描いている
が、実際にはいびつに変形した形状であった。しかし、
液晶滴127Bがいびつに変形した形状であっても、液
晶滴127B内の液晶分子は基板121Bに対して平行
に近く配向していた。なお、走査型電子顕微鏡で断面を
観察したところ、液晶滴127Bの形状は扁平状ないし
は円盤状に変形していた。尚、液晶滴の変形に当たって
は、プレス機などによる機械的な押圧に代えて、上記実
施の形態14において記載した重合性材料の重合時の収
縮による方法によってもよい。
21B,130に例えば、プレス機などにより、均一に
5Kg/cm2 で圧力を印加し、液晶滴127B内の液
晶の一部を基板121B,130間から外部に押し出し
た。これにより、液晶滴127Bは変形した。この変形
した状態を、偏光顕微鏡により観察すると、液晶滴12
7Bの液晶分子は、基板121Bに対して平行にほぼ配
向しており、基板121Bに平行な面内では図31に示
すようにランダムに配列していることがわかった。但
し、図30(d)では、便宜上きれいに変形した液晶滴
127Bが均一な方向に向いているように描いている
が、実際にはいびつに変形した形状であった。しかし、
液晶滴127Bがいびつに変形した形状であっても、液
晶滴127B内の液晶分子は基板121Bに対して平行
に近く配向していた。なお、走査型電子顕微鏡で断面を
観察したところ、液晶滴127Bの形状は扁平状ないし
は円盤状に変形していた。尚、液晶滴の変形に当たって
は、プレス機などによる機械的な押圧に代えて、上記実
施の形態14において記載した重合性材料の重合時の収
縮による方法によってもよい。
【0151】次に、図30(e)に示すように、上記単
層の高分子液晶複合体層123Bから基板130を剥離
し、積層体124を構成するための下層とした。
層の高分子液晶複合体層123Bから基板130を剥離
し、積層体124を構成するための下層とした。
【0152】次に上記図30(a)〜(d)と同様な工
程により、もう1つの単層の高分子液晶複合体層123
Aを作成し、上層とした。
程により、もう1つの単層の高分子液晶複合体層123
Aを作成し、上層とした。
【0153】次に、図30(e)に示すように、上層と
下層とが対向するように貼り合わせて、周辺部を封止す
ることにより、液晶表示素子を作製した。
下層とが対向するように貼り合わせて、周辺部を封止す
ることにより、液晶表示素子を作製した。
【0154】このようにして作成された液晶表示素子の
特性につき、本発明者が実験したところ、透過率85
%、コントラスト100:1、駆動電圧5Vであり、十
分な散乱効果を得ることができた。
特性につき、本発明者が実験したところ、透過率85
%、コントラスト100:1、駆動電圧5Vであり、十
分な散乱効果を得ることができた。
【0155】更に、積層数を増やすことで、より高いコ
ントラストを実現することができた。例えば、5層でコ
ントラスト300:1、駆動電圧10Vを実現できた。
ントラストを実現することができた。例えば、5層でコ
ントラスト300:1、駆動電圧10Vを実現できた。
【0156】(比較例1)実施例1の図30(d)に示
す押圧処理をなくし、その他は実施例1と同様にして単
層の高分子液晶複合体層を2層形成し、これらを実施例
1と同様に貼り合わせて液晶表素子を作製して比較例1
とした。この比較例1につき、実施例1と同一の条件下
で特性を測定した。その結果は、透過率85%、コント
ラスト20:1、駆動電圧7Vであり、十分な散乱効果
を得ることはできなかった。
す押圧処理をなくし、その他は実施例1と同様にして単
層の高分子液晶複合体層を2層形成し、これらを実施例
1と同様に貼り合わせて液晶表素子を作製して比較例1
とした。この比較例1につき、実施例1と同一の条件下
で特性を測定した。その結果は、透過率85%、コント
ラスト20:1、駆動電圧7Vであり、十分な散乱効果
を得ることはできなかった。
【0157】(実施例2)この実施例2では、積層体1
24を構成する各高分子液晶複合体層123A,123
B中の液晶滴127A,127B内の液晶分子が、基板
121A,121Bに対してほぼ平行に配置されてお
り、かつ、基板121A,121Bにほぼ平行な面内で
は、高分子液晶複合体層123A,123B毎に互いに
異なる方向に配置されている。
24を構成する各高分子液晶複合体層123A,123
B中の液晶滴127A,127B内の液晶分子が、基板
121A,121Bに対してほぼ平行に配置されてお
り、かつ、基板121A,121Bにほぼ平行な面内で
は、高分子液晶複合体層123A,123B毎に互いに
異なる方向に配置されている。
【0158】このような構成により、各層の液晶の配列
を基板に対してほぼ平行でかつ基板にほぼ平行な面内で
はランダムな最も好ましい形態である実施例1には、特
性が若干劣るけれども、従来例に比べれば十分な散乱効
果を得ることができる。なお、この実施例では、2層の
例について説明するけれども、層数を増加することによ
り、より理想形態に近い液晶の配向状態を得ることがで
きる。
を基板に対してほぼ平行でかつ基板にほぼ平行な面内で
はランダムな最も好ましい形態である実施例1には、特
性が若干劣るけれども、従来例に比べれば十分な散乱効
果を得ることができる。なお、この実施例では、2層の
例について説明するけれども、層数を増加することによ
り、より理想形態に近い液晶の配向状態を得ることがで
きる。
【0159】上記構成の液晶表示素子は以下の方法で製
造した。
造した。
【0160】先ず、実施例1の図30(a)及び(b)
に示す工程と同様な図32(a)及び(b)に示す工程
により、基板121B,130間に混合物を注入する。
その後、図32(c)に示すように、偏光素子を介した
状態で紫外線を混合物に照射した。紫外線照射の条件と
しては、主波長365nmで照射強度30mWの紫外線
で1分間照射した。また、このときの偏光素子の偏光軸
方向132は、図33に示すように、基板121Bの横
方向(図33の左右方向)である。このような偏光紫外
線の照射による光重合により高分子と液晶とが相分離
し、高分子125B中に液晶滴127Bが分散された単
層の高分子液晶複合体層123Bが得られた。なお、こ
のときの液晶滴127B内の液晶分子は、偏光軸方向1
32に沿って析出することが知られており、従って液晶
分子は、基板121Bに対して略平行で〔図32(c)
参照〕、かつ、基板に平行な面内では、図33に示すよ
うに、偏光軸方向132に配向している。
に示す工程と同様な図32(a)及び(b)に示す工程
により、基板121B,130間に混合物を注入する。
その後、図32(c)に示すように、偏光素子を介した
状態で紫外線を混合物に照射した。紫外線照射の条件と
しては、主波長365nmで照射強度30mWの紫外線
で1分間照射した。また、このときの偏光素子の偏光軸
方向132は、図33に示すように、基板121Bの横
方向(図33の左右方向)である。このような偏光紫外
線の照射による光重合により高分子と液晶とが相分離
し、高分子125B中に液晶滴127Bが分散された単
層の高分子液晶複合体層123Bが得られた。なお、こ
のときの液晶滴127B内の液晶分子は、偏光軸方向1
32に沿って析出することが知られており、従って液晶
分子は、基板121Bに対して略平行で〔図32(c)
参照〕、かつ、基板に平行な面内では、図33に示すよ
うに、偏光軸方向132に配向している。
【0161】この点に関し、本発明者は、偏光顕微鏡に
より高分子液晶複合体層123Bを観察し、液晶分子が
基板に対して略平行でかつ前記偏光軸方向132に配列
していることを確認している。また走査型電子顕微鏡で
断面を観察し、液晶滴127Bの形状が棒状ないしはラ
グビーボール状をしていることを確認している。
より高分子液晶複合体層123Bを観察し、液晶分子が
基板に対して略平行でかつ前記偏光軸方向132に配列
していることを確認している。また走査型電子顕微鏡で
断面を観察し、液晶滴127Bの形状が棒状ないしはラ
グビーボール状をしていることを確認している。
【0162】次に、図33(d)に示すように、上記単
層の高分子液晶複合体層123から基板130を剥離
し、積層体124を構成するための下層とした。
層の高分子液晶複合体層123から基板130を剥離
し、積層体124を構成するための下層とした。
【0163】次に上記図32(a)〜(d)に示すのと
基本的には同様な工程により、もう1つの単層の高分子
液晶複合体層123Aを作成し、上層とした。ここで、
高分子液晶複合体層123Aの作成において、高分子液
晶複合体層123Bの作成と異なる点は、図32(c)
に示す偏光紫外線を照射する際に、紫外線の偏光方向が
高分子液晶複合体層123Bの場合と異なっていること
である。即ち、高分子液晶複合体層123Aを作成する
ときは、偏光素子の偏光軸方向132は図34に示す方
向とされ、高分子液晶複合体層123Bの場合の図34
に示す偏光軸方向132とは異なる。よって、高分子液
晶複合体層123Aの液晶滴127A内の液晶分子は、
基板121Aに対して略平行で〔図32(e)参照〕、
かつ、基板121Aに平行な面内では、図33に示すよ
うに、偏光軸方向132に配向している。
基本的には同様な工程により、もう1つの単層の高分子
液晶複合体層123Aを作成し、上層とした。ここで、
高分子液晶複合体層123Aの作成において、高分子液
晶複合体層123Bの作成と異なる点は、図32(c)
に示す偏光紫外線を照射する際に、紫外線の偏光方向が
高分子液晶複合体層123Bの場合と異なっていること
である。即ち、高分子液晶複合体層123Aを作成する
ときは、偏光素子の偏光軸方向132は図34に示す方
向とされ、高分子液晶複合体層123Bの場合の図34
に示す偏光軸方向132とは異なる。よって、高分子液
晶複合体層123Aの液晶滴127A内の液晶分子は、
基板121Aに対して略平行で〔図32(e)参照〕、
かつ、基板121Aに平行な面内では、図33に示すよ
うに、偏光軸方向132に配向している。
【0164】次に、図32(f)に示すように、上層と
下層とが対向するように張り合わせて、周辺部を封止す
ることにより、液晶表示素子を作製した。これにより、
上層と下層とは、図35に示すように、基板に平行に面
内で液晶分子の配向方向が異なる液晶表示素子を得るこ
とができた。なお、図35において、参照符号Aは基板
の上方から見た上層の液晶表示素子の配向方向であり、
参照符号Bは基板の上方から見た下層の液晶表示素子の
配向方向である。このようにして作成された液晶表示素
子の特性につき、本発明者が実験したところ、透過率8
5%、コントラスト60:1、駆動電圧5Vであった。
下層とが対向するように張り合わせて、周辺部を封止す
ることにより、液晶表示素子を作製した。これにより、
上層と下層とは、図35に示すように、基板に平行に面
内で液晶分子の配向方向が異なる液晶表示素子を得るこ
とができた。なお、図35において、参照符号Aは基板
の上方から見た上層の液晶表示素子の配向方向であり、
参照符号Bは基板の上方から見た下層の液晶表示素子の
配向方向である。このようにして作成された液晶表示素
子の特性につき、本発明者が実験したところ、透過率8
5%、コントラスト60:1、駆動電圧5Vであった。
【0165】本実施例によれば、液晶分子の配向は偏光
によりおこなっているため、液晶分子を基板に平行な方
向において完全にランダムに形成することはできないも
のの、各層毎に液晶の配向方向を異ならしめているた
め、実施例1よりは劣るものの、比較例1と比べれば優
れたコントラストの液晶表示素子を得ることができた。
によりおこなっているため、液晶分子を基板に平行な方
向において完全にランダムに形成することはできないも
のの、各層毎に液晶の配向方向を異ならしめているた
め、実施例1よりは劣るものの、比較例1と比べれば優
れたコントラストの液晶表示素子を得ることができた。
【0166】(実施例3)実施例3は、実施例2おける
偏光紫外線の照射に代えて、偏光していない通常の紫外
線を照射し、かつ、その際に磁場を基板に水平に印加す
るものである。なお、磁場の強さは10Kガウスとし
た。顕微鏡観察、走査型電子顕微鏡の観察結果は実施例
2と同じであった。また、このようにして作成された液
晶表示素子の特性につき、本発明者が実験したところ、
透過率87%コントラスト70:1、駆動電圧6Vであ
った。
偏光紫外線の照射に代えて、偏光していない通常の紫外
線を照射し、かつ、その際に磁場を基板に水平に印加す
るものである。なお、磁場の強さは10Kガウスとし
た。顕微鏡観察、走査型電子顕微鏡の観察結果は実施例
2と同じであった。また、このようにして作成された液
晶表示素子の特性につき、本発明者が実験したところ、
透過率87%コントラスト70:1、駆動電圧6Vであ
った。
【0167】この実施例においても、液晶分子を基板に
平行な方向において完全にランダムに形成することはで
きないものの、各液晶層毎に液晶の配向方向を異ならし
めているため、実施例1よりは劣るものの、比較例1と
比べれば優れたコントラストの液晶表示素子を得ること
ができた。
平行な方向において完全にランダムに形成することはで
きないものの、各液晶層毎に液晶の配向方向を異ならし
めているため、実施例1よりは劣るものの、比較例1と
比べれば優れたコントラストの液晶表示素子を得ること
ができた。
【0168】なお、上記実施例1〜実施例3では、2層
構造の液晶表示素子であったけれども、3層以上の積層
構造の液晶表示素子であってもよく、この場合は以下に
述べる工程により製造することができる。即ち、実施例
1に対応する3層以上の積層構造について説明すると、
先ず、一対の高分子液晶複合体層形成用ガラス基板間に
混合物を注入し、前記図30(c)及び図30(d)に
示す工程と同様な工程により中間層用高分子液晶複合体
層を形成する。その後、中間層用高分子液晶複合体層か
ら、一対の高分子液晶複合体層形成用ガラス基板を剥離
して、単層の中間層用高分子液晶複合体層を製造する。
そして、上記工程を層数に対応して行い、複数の中間層
用高分子液晶複合体層を得る。その後、上層の高分子液
晶複合体層23Aと下層の高分子液晶複合体層23B間
に、上記複数の中間層用高分子液晶複合体層を介在させ
て、各高分子液晶複合体層を貼り合わせる。こうして、
3層以上の積層構造の液晶表示素子が得られる。
構造の液晶表示素子であったけれども、3層以上の積層
構造の液晶表示素子であってもよく、この場合は以下に
述べる工程により製造することができる。即ち、実施例
1に対応する3層以上の積層構造について説明すると、
先ず、一対の高分子液晶複合体層形成用ガラス基板間に
混合物を注入し、前記図30(c)及び図30(d)に
示す工程と同様な工程により中間層用高分子液晶複合体
層を形成する。その後、中間層用高分子液晶複合体層か
ら、一対の高分子液晶複合体層形成用ガラス基板を剥離
して、単層の中間層用高分子液晶複合体層を製造する。
そして、上記工程を層数に対応して行い、複数の中間層
用高分子液晶複合体層を得る。その後、上層の高分子液
晶複合体層23Aと下層の高分子液晶複合体層23B間
に、上記複数の中間層用高分子液晶複合体層を介在させ
て、各高分子液晶複合体層を貼り合わせる。こうして、
3層以上の積層構造の液晶表示素子が得られる。
【0169】実施例2及び実施例3に対応する3層以上
の積層構造についても、各層内の液晶分子が各層毎に異
なるように配向させることの他は、上記実施例1に対応
する3層以上の積層構造の製造と基本的に同様な方法で
製造することができる。
の積層構造についても、各層内の液晶分子が各層毎に異
なるように配向させることの他は、上記実施例1に対応
する3層以上の積層構造の製造と基本的に同様な方法で
製造することができる。
【0170】また、他の製造方法として、複数の高分子
液晶複合体層を予め製造しておき、一対の基板間に前記
複数の高分子液晶複合体層を介在させ、各高分子液晶複
合体層相互、及び、基板と高分子液晶複合体層相互を貼
り合わせるようにしてもよい。
液晶複合体層を予め製造しておき、一対の基板間に前記
複数の高分子液晶複合体層を介在させ、各高分子液晶複
合体層相互、及び、基板と高分子液晶複合体層相互を貼
り合わせるようにしてもよい。
【0171】また、上記実施例1〜実施例3において、
液晶に2色性色素を添加するようにしてもよい。この場
合、2色性色素で光を吸収するゲストホスト方式の液晶
表示素子となる。
液晶に2色性色素を添加するようにしてもよい。この場
合、2色性色素で光を吸収するゲストホスト方式の液晶
表示素子となる。
【0172】また、上記実施例1〜実施例3において、
各層毎に異なる2色性色素を入れてもよく、また各層毎
の駆動電圧を異ならせてもよい。この場合マルチカラー
ディスプレイとなる。また、各層毎に液晶材料を異なら
せてもよい。
各層毎に異なる2色性色素を入れてもよく、また各層毎
の駆動電圧を異ならせてもよい。この場合マルチカラー
ディスプレイとなる。また、各層毎に液晶材料を異なら
せてもよい。
【0173】このようにして、高分子液晶複合体層を積
層した高分子分散型液晶表示素子において、各層におけ
る液晶滴内の液晶分子が、基板に対してほぼ平行に配向
し、かつ、基板にほぼ平行に面内では各層毎に異なる方
向に配向しているため、十分な光の散乱を行うことがで
き、結果としてコントラストの高い液晶表示素子を得る
ことができる。また特に、押圧による液晶滴の扁平化に
より液晶の配向方向を制御することにより、液晶分子の
基板面内での方向をランダムに設定することができ、散
乱をより十分に行える。
層した高分子分散型液晶表示素子において、各層におけ
る液晶滴内の液晶分子が、基板に対してほぼ平行に配向
し、かつ、基板にほぼ平行に面内では各層毎に異なる方
向に配向しているため、十分な光の散乱を行うことがで
き、結果としてコントラストの高い液晶表示素子を得る
ことができる。また特に、押圧による液晶滴の扁平化に
より液晶の配向方向を制御することにより、液晶分子の
基板面内での方向をランダムに設定することができ、散
乱をより十分に行える。
【0174】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、液晶分子
を基板に平行な方向に最適な範囲内でチルトさせること
により、散乱特性を向上させ、駆動電圧を低下させるこ
とができる。更に、本発明では、重合性材料の重合に伴
う収縮により液晶滴を扁平状とするので、機械的な押圧
手段を用いて液晶滴を扁平状とする構成に比べて、液晶
滴を均一に押圧することができるので、液晶滴の変形比
にばらつきがない。そのため、高散乱でしかも、再現性
に優れ、かつ、表示むらの無い液晶表示素子を実現する
ことが可能になる。
を基板に平行な方向に最適な範囲内でチルトさせること
により、散乱特性を向上させ、駆動電圧を低下させるこ
とができる。更に、本発明では、重合性材料の重合に伴
う収縮により液晶滴を扁平状とするので、機械的な押圧
手段を用いて液晶滴を扁平状とする構成に比べて、液晶
滴を均一に押圧することができるので、液晶滴の変形比
にばらつきがない。そのため、高散乱でしかも、再現性
に優れ、かつ、表示むらの無い液晶表示素子を実現する
ことが可能になる。
【図1】本発明の実施の形態1における液晶表示素子の
断面図である。
断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1における液晶表示素子の
部分平面図である。
部分平面図である。
【図3】本発明の実施の形態1における液晶表示素子の
製造工程図である。
製造工程図である。
【図4】本発明の実施の形態1における液晶表示素子の
製造を行う装置の正面図である。
製造を行う装置の正面図である。
【図5】本発明の実施の形態1における液晶表示素子に
関して、液晶の変形と液晶の配向形態との関係を説明す
るための図である。
関して、液晶の変形と液晶の配向形態との関係を説明す
るための図である。
【図6】本発明の実施の形態1における液晶表示素子の
散乱時の透過率と変形率との関係を示す図である。
散乱時の透過率と変形率との関係を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1における液晶表示素子の
駆動電圧V90と変形率との関係を示す図である。
駆動電圧V90と変形率との関係を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1における液晶表示素子の
急峻性γと変形率との関係を示す図である。
急峻性γと変形率との関係を示す図である。
【図9】駆動電圧V10,V90と透過率の関係を示す図で
ある。
ある。
【図10】本発明の実施の形態1における液晶表示素子
の応答速度と変形率との関係を示す図である。
の応答速度と変形率との関係を示す図である。
【図11】駆動電圧V10,V90に対する透過率の変化を
示す図である。
示す図である。
【図12】本発明の実施の形態4における液晶表示素子
の製造を行う装置の断面図である。
の製造を行う装置の断面図である。
【図13】本発明の実施の形態6における液晶表示素子
の製造を行う装置の断面図である。
の製造を行う装置の断面図である。
【図14】本発明の実施の形態8における液晶表示素子
の製造を行う装置の簡略化した正面図である。
の製造を行う装置の簡略化した正面図である。
【図15】本発明の実施の形態8における液晶表示素子
の断面図である。
の断面図である。
【図16】本発明の実施の形態8における液晶表示素子
の部分平面図である。
の部分平面図である。
【図17】本発明の実施の形態9における液晶表示素子
の製造を行う装置の斜視図である。
の製造を行う装置の斜視図である。
【図18】本発明の実施の形態12における液晶表示素
子の断面図である。
子の断面図である。
【図19】本発明の実施の形態12における液晶表示素
子の部分平面図である。
子の部分平面図である。
【図20】液晶モノマーを用いた場合の重合プロセスを
示す図である。
示す図である。
【図21】液晶モノマーを用いた場合の重合プロセスを
示す図である。
示す図である。
【図22】従来例と本発明の実施の形態12の各々の重
合前と重合後の状態図である。
合前と重合後の状態図である。
【図23】本発明の実施の形態13に使用される一方の
基板の斜視図である。
基板の斜視図である。
【図24】本発明の実施の形態13に使用される他方の
基板の斜視図である。
基板の斜視図である。
【図25】本発明の実施の形態14における液晶表示素
子の断面図である。
子の断面図である。
【図26】本発明の実施の形態14における液晶表示素
子の部分平面図である。
子の部分平面図である。
【図27】本発明の実施の形態15における液晶表示素
子の概略図である。
子の概略図である。
【図28】本発明の実施の形態15における液晶表示素
子の液晶配向方向を示す概略図である。
子の液晶配向方向を示す概略図である。
【図29】本発明の実施の形態15に対応する実施例1
に係る液晶表示素子の模式化した断面図である。
に係る液晶表示素子の模式化した断面図である。
【図30】本発明の実施の形態15に対応する実施例1
に係る液晶表示素子の製造工程図である。
に係る液晶表示素子の製造工程図である。
【図31】図30(d)に示す状態における高分子液晶
複合体層123Bを上方から見た図である。
複合体層123Bを上方から見た図である。
【図32】本発明の実施の形態15に対応する実施例2
に係る液晶表示素子の製造工程図である。
に係る液晶表示素子の製造工程図である。
【図33】図32(d)に示す状態における高分子液晶
複合体層123Bを上方から見た図である。
複合体層123Bを上方から見た図である。
【図34】図32(e)に示す状態における高分子液晶
複合体層123Aを上方から見た図である。
複合体層123Aを上方から見た図である。
【図35】高分子液晶複合体層123Aと高分子液晶複
合体層123Bの液晶分子の配向方向を示す図である。
合体層123Bの液晶分子の配向方向を示す図である。
11,50,51,114A,114B,121A,1
21B:基板 12,52,53,122A,122B:透明電極 13,54,118:高分子 14,14A,55,119,127A,127B:液
晶滴 21,22:定盤 23:液晶パネル 24:緩衝剤 30:パック 56:高分子液晶複合体 71A,71B:ローラー 73:加熱手段 81:紫外線ランプ 82:フィルター 84:磁界印加手段 90:偏光子 111:第1の高分子液晶複合体層 112:第2の高分子液晶複合体層 113:第3の高分子液晶複合体層 115,A,B:液晶分子の配向方向 116,125A,125B:液晶分子 117,124:積層体
21B:基板 12,52,53,122A,122B:透明電極 13,54,118:高分子 14,14A,55,119,127A,127B:液
晶滴 21,22:定盤 23:液晶パネル 24:緩衝剤 30:パック 56:高分子液晶複合体 71A,71B:ローラー 73:加熱手段 81:紫外線ランプ 82:フィルター 84:磁界印加手段 90:偏光子 111:第1の高分子液晶複合体層 112:第2の高分子液晶複合体層 113:第3の高分子液晶複合体層 115,A,B:液晶分子の配向方向 116,125A,125B:液晶分子 117,124:積層体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上村 強 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H089 HA04 JA04 JA05 KA08 NA25 QA16 TA09
Claims (5)
- 【請求項1】 それぞれ電極が形成された一対の基板間
に、液晶滴が高分子中に分散保持された高分子液晶複合
体が配置されるとともに、前記液晶滴が基板に垂直な方
向に縮められた扁平形状となっている高分子分散型液晶
表示素子であって、 前記液晶滴の基板に垂直な軸の長さをL2、基板に平行
な軸の長さをL1とし、L1/L2を変形比としたと
き、液晶滴の変形比が1.2以下であることを特徴とす
る高分子分散型液晶表示素子。 - 【請求項2】 それぞれ電極が形成された一対の基板間
に、液晶滴が高分子中に分散保持された高分子液晶複合
体が配置されるとともに、前記液晶滴が基板に垂直な方
向に縮められた扁平形状となっている高分子分散型液晶
表示素子であって、 前記液晶滴の基板に垂直な軸の長さをL2、基板に平行
な軸の長さをL1とし、L1/L2を変形比としたと
き、液晶滴の変形比が1.10以下であることを特徴と
する高分子分散型液晶表示素子。 - 【請求項3】 それぞれ電極が形成された一対の基板間
に、液晶滴が高分子中に分散保持された高分子液晶複合
体が配置されるとともに、前記液晶滴が基板に垂直な方
向に縮められた扁平形状となっている高分子分散型液晶
表示素子の製造方法であって、 重合に伴う収縮率が10%以上、20%以下の重合性材
料と、液晶材料とを含む混合組成物を、前記基板間に注
入する工程と、 基板間に注入された前記混合組成物中の重合性材料を重
合させ、これにより高分子と液晶とを相分離させて高分
子液晶複合体を形成するとともに、この重合過程におい
て、重合性材料の収縮により液晶滴を基板に垂直な方向
に縮められた扁平形状とする工程と、 を有することを特徴とする高分子分散型液晶表示素子の
製造方法。 - 【請求項4】 前記重合性材料がアクリレート系または
メタクリレート系の材料であることを特徴とする請求項
3記載の高分子分散型液晶表示素子の製造方法。 - 【請求項5】 前記重合性材料が、単官能基を有するモ
ノマーと、2官能基を有するモノマーとから構成されて
いることを特徴とする請求項3記載の高分子分散型液晶
表示素子の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10269941A JP2000098354A (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 高分子分散型液晶表示素子及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10269941A JP2000098354A (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 高分子分散型液晶表示素子及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000098354A true JP2000098354A (ja) | 2000-04-07 |
Family
ID=17479345
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10269941A Pending JP2000098354A (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 高分子分散型液晶表示素子及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000098354A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005266744A (ja) * | 2004-03-17 | 2005-09-29 | Boe Hydis Technology Co Ltd | 高分子ネットワーク液晶配列方法 |
| WO2010023851A1 (ja) * | 2008-08-25 | 2010-03-04 | シャープ株式会社 | 反射型液晶表示装置 |
| JP2014527202A (ja) * | 2011-08-31 | 2014-10-09 | エルジー・ケム・リミテッド | 液晶セル |
| KR20160096783A (ko) * | 2015-02-05 | 2016-08-17 | 삼성디스플레이 주식회사 | 유기 발광 디스플레이 장치 |
| CN111176044A (zh) * | 2019-12-30 | 2020-05-19 | 浙江大学 | 一种基于椭球形液晶微液滴的双稳态pdlc膜及其状态转变方法 |
-
1998
- 1998-09-24 JP JP10269941A patent/JP2000098354A/ja active Pending
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005266744A (ja) * | 2004-03-17 | 2005-09-29 | Boe Hydis Technology Co Ltd | 高分子ネットワーク液晶配列方法 |
| WO2010023851A1 (ja) * | 2008-08-25 | 2010-03-04 | シャープ株式会社 | 反射型液晶表示装置 |
| CN102132198A (zh) * | 2008-08-25 | 2011-07-20 | 夏普株式会社 | 反射型液晶显示装置 |
| JPWO2010023851A1 (ja) * | 2008-08-25 | 2012-01-26 | シャープ株式会社 | 反射型液晶表示装置 |
| US8482702B2 (en) | 2008-08-25 | 2013-07-09 | Sharp Kabushiki Kaisha | Reflection type liquid crystal display device with controlled directors |
| JP2014527202A (ja) * | 2011-08-31 | 2014-10-09 | エルジー・ケム・リミテッド | 液晶セル |
| US9411189B2 (en) | 2011-08-31 | 2016-08-09 | Lg Chem, Ltd. | Liquid crystal cell |
| KR20160096783A (ko) * | 2015-02-05 | 2016-08-17 | 삼성디스플레이 주식회사 | 유기 발광 디스플레이 장치 |
| KR102354969B1 (ko) | 2015-02-05 | 2022-01-25 | 삼성디스플레이 주식회사 | 유기 발광 디스플레이 장치 |
| CN111176044A (zh) * | 2019-12-30 | 2020-05-19 | 浙江大学 | 一种基于椭球形液晶微液滴的双稳态pdlc膜及其状态转变方法 |
| CN111176044B (zh) * | 2019-12-30 | 2021-05-07 | 浙江大学 | 一种基于椭球形液晶微液滴的双稳态pdlc膜及其状态转变方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP2933816B2 (ja) | 液晶表示素子及びその製造方法 | |
| US6452650B1 (en) | Polymer dispersion type liquid crystal display element, producing method therefor and apparatus for use in the producing method | |
| EP0590984B1 (en) | A polymer dispersed liquid crystal complex film, a liquid crystal display device, and a method for producing the same | |
| JPH08278504A (ja) | 液晶素子およびその製造方法 | |
| JPH06301015A (ja) | 液晶表示素子及びその製造方法 | |
| JP3271316B2 (ja) | 光変調素子の製造方法 | |
| US5546208A (en) | Electrooptical device involving a mixture of liquid crystal, photo curable resins and reaction initiating material for forming resinous columns | |
| JP2937684B2 (ja) | 液晶表示素子及びその製造方法 | |
| JP3477000B2 (ja) | 反射型液晶表示素子 | |
| JP2000098354A (ja) | 高分子分散型液晶表示素子及びその製造方法 | |
| JP3118351B2 (ja) | スーパーツイスティッドネマティック液晶表示素子及びその製造方法 | |
| JPH0895012A (ja) | 液晶表示素子及びその製造方法 | |
| JP2880354B2 (ja) | 液晶表示素子及びその製造方法 | |
| JP2881073B2 (ja) | 電界複屈折制御型液晶素子及びその製法 | |
| JPH1144876A (ja) | 高分子分散型液晶表示素子及びその製造方法 | |
| JP2002131732A (ja) | 高分子分散型液晶表示素子及びその製造方法 | |
| JPH08190086A (ja) | 液晶表示素子及びこれを用いた表示装置 | |
| JP3054005B2 (ja) | 液晶表示素子及びその製造方法 | |
| JP3263344B2 (ja) | 高分子分散型液晶表示素子及びその製造方法 | |
| JP4280246B2 (ja) | 反射型液晶表示装置およびその製造方法 | |
| KR19980024919A (ko) | 고분자분산형 액정표시소자, 그 제조방법 및 그 제조방법에 사용하는 장치 | |
| JPH09258189A (ja) | 液晶表示装置及びその製造方法 | |
| JP2008191524A (ja) | 液晶光学素子 | |
| JP2812843B2 (ja) | 液晶表示素子の製造方法 | |
| JP2002148600A (ja) | 高分子分散型液晶素子及びその製造方法 |