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JP2000095627A - パスツリア属細菌の線虫に対する付着活性及び病原活性の増進方法 - Google Patents

パスツリア属細菌の線虫に対する付着活性及び病原活性の増進方法

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Publication number
JP2000095627A
JP2000095627A JP10273168A JP27316898A JP2000095627A JP 2000095627 A JP2000095627 A JP 2000095627A JP 10273168 A JP10273168 A JP 10273168A JP 27316898 A JP27316898 A JP 27316898A JP 2000095627 A JP2000095627 A JP 2000095627A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pasteuria
nematodes
activity
bacteria
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP10273168A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukio Orui
幸夫 大類
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Tobacco Inc filed Critical Japan Tobacco Inc
Priority to JP10273168A priority Critical patent/JP2000095627A/ja
Publication of JP2000095627A publication Critical patent/JP2000095627A/ja
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 パスツリア属細菌を水中で保存した後、
超音波処理することにより、パスツリア属細菌の線虫に
対する付着活性及び病原活性を増進させる方法である。
また、パスツリア属細菌を線虫に感染させることにより
線虫を防除する方法において、パスツリア属細菌を水中
で保存し、次いで超音波処理した後、線虫に感染させる
ことを特徴とする、線虫の防除方法である。 【効果】 パスツリア属細菌の線虫に対する付着活性及
び病原活性を簡易にかつ効率よく増進でき、線虫に対す
る付着活性及び病原活性を増進させたパスツリア属細菌
を用いて効率よく線虫を防除できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農作物に多大な害
を及ぼす植物寄生線虫を生物的に防除するにあたり、有
害線虫の天敵資材であるパスツリア属細菌の線虫に対す
る付着活性及び病原活性を増進させる方法、及び線虫に
対する付着活性及び病原活性を増進させたパスツリア属
細菌を使用して効率よく線虫を防除する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タバコをはじめとする畑作物の生産にお
いて、土壌センチュウ類、とりわけネコブセンチュウ類
が大きな被害を与えている。日本ではサツマイモネコブ
センチュウ、ジャワネコブセンチュウ、キタネコブセン
チュウの3種による被害が最も大きく、これらのネコブ
センチュウ類は単独で作物を加害するばかりでなく、土
壌病原菌と複合感染を引き起こすため大きな問題となっ
ている。このような状況の下、有害線虫の天敵資材とし
て、パスツリア(Pasteuria)属細菌が注目されてい
る。パスツリア属細菌は、線虫の植物への侵入抑制能力
や線虫の産卵抑制能力を有しており、さらに、線虫の絶
対寄生菌であるため他の生物に影響を与えず、かつ環境
変化に強いという性質を有しているため、パスツリア属
細菌を有害線虫の天敵資材として使用すれば、線虫を効
率よく防除できると考えられる。
【0003】また、パスツリア属細菌は寄主特異性が高
く、この性質を用いたネコブセンチュウ種の簡易同定法
が開発されている(特開平6-261791号公報、特開平8-17
3150号公報、特開平8-173189号公報等)。これらの方法
は、簡易に線虫種を同定できるため、植付け前に圃場に
生息する線虫種の把握が必要である線虫抵抗性品種の選
定、輪作作物の選定等に有効であると考えられる。パス
ツリア属細菌を使用して線虫を防除するにあたり、パス
ツリア属細菌が大量に必要となるが、パスツリア属細菌
は寄主特異的な寄生性を示す絶対寄生菌であるため、人
工培地での培養によって増殖させることはできない。こ
のため、現在、パスツリア属細菌の増殖は、線虫生体を
利用した増殖方法を用いて行われている。
【0004】しかし、線虫生体を利用した増殖方法は、
生産コストが高いため、パスツリア属細菌を使用して線
虫を防除するにあたり、パスツリア属細菌の利用コスト
が高くなるという問題点があった。そこで、パスツリア
属細菌の線虫に対する付着活性及び病原活性を増進さ
せ、パスツリア属細菌を用いて効率よく有害線虫を防除
する方法が必要とされている。
【0005】これまでに、パスツリア属細菌の線虫に対
する付着活性を向上させる方法として、パスツリア属細
菌を超音波処理、酵素処理、乾燥処理等することにより
線虫体表への付着活性を向上させる方法(特開平8-1731
50号公報、特開平8-173189号公報、特開平6-261791号公
報、Oostendorpら, Journal of Nematology 22:525-53
1(1990)等)が報告されており、パスツリア属細菌の
線虫に対する病原活性を向上させる方法として、パスツ
リア属細菌と土壌消毒剤とを組み合わせる方法が報告さ
れている(Brown S.M. and D.Nordmeyer, Revue de Nem
atologie 8:285-286(1985))。
【0006】しかし、前者の方法においては、増進され
た付着活性が安定したものであるかは明らかでなく、病
原活性との関連も明らかにされていない。また、後者の
方法においては、安定して高い病原活性が増進している
かは明らかでなく、付着活性との関連も明らかにされて
いない。そこで、パスツリア属細菌の線虫に対する付着
活性及び病原活性を簡易に安定して増進させることがで
きる方法の開発が切望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、パスツリア
属細菌の線虫に対する付着活性及び病原活性を簡易に安
定して増進させる方法、及び線虫に対する付着活性及び
病原活性を増進させたパスツリア属細菌を使用して効率
よく線虫を防除する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、パスツリア属
細菌を水中で保存した後、超音波処理することにより、
パスツリア属細菌の線虫に対する付着活性及び病原活性
を安定して増進できることを見出し、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、パスツリア属細菌を水
中で保存した後、超音波処理することにより、パスツリ
ア属細菌の線虫に対する付着活性を増進させる方法であ
る。
【0009】また、本発明は、パスツリア属細菌を水中
で保存した後、超音波処理することにより、パスツリア
属細菌の線虫に対する病原活性を増進させる方法であ
る。さらに、本発明は、パスツリア属細菌を線虫に感染
させることにより線虫を防除する方法において、パスツ
リア属細菌を水中で保存し、次いで超音波処理した後、
線虫に感染させることを特徴とする、線虫の防除方法で
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第一は、パスツリア属細菌を水中で保存した
後、超音波処理することにより、パスツリア属細菌の線
虫に対する付着活性を増進させる方法である。
【0011】本発明で使用するパスツリア属細菌は、パ
スツリア属に属する細菌である限り特に限定されない。
パスツリア属細菌としては、例えば、パスツリア・ペネ
トランス(Pasteuria penetrans)、パスツリア・トイ
ネイ(Pasteuria thoynei)、パスツリア・ニシザワエ
Pasteuria nishizawae)等を使用することができる。
【0012】パスツリア属細菌は常法に従って得ること
ができる。例えば、タバコやトマト等の農作物からパス
ツリア属細菌にり病した線虫を摘出し、これを磨砕する
ことによってパスツリア属細菌を得ることができる。パ
スツリア属細菌の水中での保存は、水中で保存する限
り、いかなる条件下で行ってもよいが、保存温度は、0
℃を超える温度〜35℃とするのが好ましく、5〜25℃と
するのがさらに好ましい。また、保存期間は、20日間以
上とするのが好ましく、40日間以上とするのがさらに好
ましい。また、パスツリア属細菌の保存に使用する水
は、必ずしも純水である必要はなく、界面活性剤、緩衝
液等を添加してもよい。パスツリア属細菌の保存には、
例えば、水道水、市販の飲料水、淡水等の水をそのまま
又は処理して使用することができる。ここで、水の処理
には、濾過、加熱、滅菌処理、界面活性剤等の添加、等
が含まれる。
【0013】パスツリア属細菌の超音波処理は、パスツ
リア属細菌を水中で保存した後に行う。超音波処理は、
常法に従って行うことができる。超音波処理の条件は特
に限定されないが、超音波処理は氷冷下で行うのが好ま
しい。また、処理時間は5〜60分間とするのが好まし
く、15〜30分間とするのがさらに好ましい。パスツリア
属細菌を水中で保存した後、超音波処理することによ
り、パスツリア属細菌の線虫に対する付着活性を増進さ
せることができる。ここで、「線虫に対する付着活性」
とは、パスツリア属細菌が線虫体表へ付着する能力を意
味し、「線虫」とは、本発明で使用するパスツリア属細
菌が寄生し得る線虫を意味する。「線虫」は、本発明で
使用するパスツリア属細菌が寄生し得る線虫である限り
特に限定されない。
【0014】パスツリア属細菌と線虫との組み合わせと
しては、パスツリア・ペネトランス(Pasteuria penetr
ans)とネコブセンチュウ(Meloidogyne属)、パスツリ
ア・トイネイ(Pasteuria thoynei)とネグサレセンチ
ュウ(Pratylenchus属)、パスツリア・ニシザワエ(Pa
steuria nishizawae)とシストセンチュウ(Heterodera
属、Globodera属)の組み合わせを例示できる。これら
のうち、特にパスツリア・ペネトランスはネコブセンチ
ュウに対して寄主特異性が高く、その寄主線虫は、それ
ぞれが検出された線虫種又はそれと同属の線虫にほぼ限
定される。パスツリア・ペネトランスとネコブセンチュ
ウとの組み合わせとしては、例えば、サツマイモネコブ
センチュウ由来のパスツリア・ペネトランスとサツマイ
モネコブセンチュウ、ジャワネコブセンチュウ由来のパ
スツリア・ペネトランスとジャワネコブセンチュウ、キ
タネコブセンチュウ由来のパスツリア・ペネトランスと
キタネコブセンチュウの組み合わせを例示できる。
【0015】本発明の第二は、パスツリア属細菌を水中
で保存した後、超音波処理することにより、パスツリア
属細菌の線虫に対する病原活性を増進させる方法であ
る。本発明で使用するパスツリア属細菌は、パスツリア
属に属する細菌である限り特に限定されない。パスツリ
ア属細菌としては、例えば、上記に例示したものを使用
することができる。パスツリア属細菌は、上記と同様に
常法に従って得ることができる。
【0016】パスツリア属細菌の水中での保存及び超音
波処理は、上記と同様にして行うことができる。パスツ
リア属細菌を水中で保存した後、超音波処理することに
より、パスツリア属細菌の線虫に対する病原活性を増進
させることができる。ここで、「線虫に対する病原活
性」とは、パスツリア属細菌が線虫の生存、増殖等を抑
制する能力(例えば、線虫の植物への侵入抑制能力や線
虫の産卵抑制能力等)を意味し、「線虫」とは、本発明
で使用するパスツリア属細菌が寄生し得る線虫を意味す
る。「線虫」は本発明で使用するパスツリア属細菌が寄
生し得る線虫である限り特に限定されない。パスツリア
属細菌と線虫との組み合わせとしては、上記と同様のも
のを例示できる。
【0017】本発明の第三は、パスツリア属細菌を線虫
に感染させることにより線虫を防除する方法において、
パスツリア属細菌を水中で保存し、次いで超音波処理し
た後、線虫に感染させることを特徴とする、線虫の防除
方法である。本発明で使用するパスツリア属細菌は、パ
スツリア属に属する細菌である限り特に限定されない。
パスツリア属細菌としては、例えば、上記に例示したも
のを使用することができる。パスツリア属細菌は、上記
と同様に常法に従って得ることができる。
【0018】本発明では、パスツリア属細菌を水中で保
存し、次いで超音波処理した後、該パスツリア属細菌を
線虫に感染させる。パスツリア属細菌の水中での保存及
び超音波処理は、上記と同様にして行うことができる。
パスツリア属細菌を水中で保存した後、超音波処理する
ことにより、パスツリア属細菌の線虫に対する付着活性
及び病原活性を増進させることができる。ここで、「線
虫に対する付着活性」及び「線虫に対する病原活性」と
は、上記と同様の意味である。
【0019】本発明は、水中で保存した後、超音波処理
したパスツリア属細菌を線虫に感染させ、線虫を防除す
る。パスツリア属細菌の線虫への感染は、常法に従って
行うことができる。例えば、農作物(タバコ、トマト、
キュウリ、メロン等)の土壌へ、パスツリア属細菌を直
接又は製剤化(水和剤、懸濁剤等)して撒布することに
より、土壌中に存在する線虫や農作物に寄生する線虫に
パスツリア属細菌を感染させることができる。
【0020】パスツリア属細菌を感染させる線虫は、パ
スツリア属細菌が寄生し得る線虫である限り、特に限定
されない。パスツリア属細菌と線虫との組み合わせとし
ては、上記と同様のものを例示できる。水中で保存した
後、超音波処理したパスツリア属細菌は線虫に対する高
い付着活性を発揮し、効率よく線虫に感染することがで
きる。さらに、線虫に感染したパスツリア属細菌は、線
虫に対する高い病原活性を発揮し、線虫の成長、増殖等
を抑制して効率よく線虫を防除できる。
【0021】
【実施例】〔実施例1〕超音波処理前の水中での保存
が、パスツリア属細菌の線虫に対する付着活性に与える
影響 (1)パスツリア・ペネトランス(P.penetrans)の採
取 ジャワネコブセンチュウ(M.javanica)由来のパスツ
リア・ペネトランスの採取 岡山県作東町のタバコ連作畑から採取した土壌にタバコ
苗を植えて温室で2ヶ月以上管理し、タバコ根からパス
ツリア・ペネトランスにり病した線虫の雌成虫を摘出、
磨砕して、パスツリア・ペネトランスを得た。この土壌
に生息していたジャワネコブセンチュウの1卵のうから
増殖させて継代飼育した個体群の2期幼虫をパスツリア
・ペネトランスの懸濁液に加え、2期幼虫の体表にパス
ツリア・ペネトランスを付着させた後、トマト苗に接種
した。このトマト苗を温室で2ヶ月以上管理し、トマト
根からパスツリア・ペネトランスにり病したジャワネコ
ブセンチュウの雌成虫を摘出、磨砕して、ジャワネコブ
センチュウ由来のパスツリア・ペネトランスを得た。得
られたパスツリア・ペネトランスを5℃で保存し、以下
の実験に供試した。
【0022】得られたジャワネコブセンチュウ由来のパ
スツリア・ペネトランス(以下、「MJPP」という)
は、生体外での人工培養ができないため、工業技術院生
命工学工業技術研究所に受託拒否された。従って、MJ
PPの分譲は、出願人が保証する。なお、ペリニアルパ
ターンという形態的な特徴により従来からジャワネコブ
センチュウとされていたものが、アイソザイムパターン
の特徴(エステラーゼのバンドパターンが2本型)から
みるとアレナリアネコブセンチュウとすべきであるとい
う説が最近になって有力になっている。上記のようにし
て得られたジャワネコブセンチュウは、エステラーゼの
バンドパターンが2本型であったが、とりあえず、ここ
では、ジャワネコブネコブセンチュウとして扱った。
【0023】キタネコブセンチュウ(M.hapla)由来
のパスツリア・ペネトランスの採取 秋田県昭和町のタバコ連作畑から採取した土壌にタバコ
苗を植えて温室で2ヶ月以上管理し、タバコ根からパス
ツリア・ペネトランスにり病した線虫の雌成虫を摘出、
磨砕して、パスツリア・ペネトランスを得た。この土壌
に生息していたキタネコブセンチュウの1卵のうから増
殖させて継代飼育した個体群の2期幼虫をパスツリア・
ペネトランスの懸濁液に加え、2期幼虫の体表にパスツ
リア・ペネトランスを付着させた後、トマト苗に接種し
た。このトマト苗を温室で2ヶ月以上管理し、トマト根
からパスツリア・ペネトランスにり病したキタネコブセ
ンチュウの雌成虫を摘出、磨砕して、キタネコブセンチ
ュウ由来のパスツリア・ペネトランスを得た。得られた
パスツリア・ペネトランスを5℃で保存し、以下の実験
に供試した。得られたキタネコブセンチュウ由来のパス
ツリア・ペネトランス(以下、「MHPP」という)
は、生体外での人工培養ができないため、工業技術院生
命工学工業技術研究所に受託拒否された。従って、MH
PPの分譲は出願人が保証する。
【0024】(2)MJPP及びMHPPの保存及び超
音波処理 ジャワネコブセンチュウの2期幼虫にはジャワネコブセ
ンチュウから採取したパスツリア菌株のMJPPを、キ
タネコブセンチュウの2期幼虫にはキタネコブセンチュ
ウから採取したパスツリア菌株のMHPPを付着させ
て、それぞれをトマト苗に接種した。25℃で約2か月間
管理した後、MJPPにり病した雌成虫及びMHPPに
り病した雌成虫をそれぞれ摘出、磨砕して、MJPP及
びMHPPをそれぞれガラスサンプル瓶に回収した。滅
菌水を加えてMJPP及びMHPPの濃度をそれぞれ2
×105個/mlに調整し、ガラスサンプル瓶に所定期間保
存した。保存温度は5℃及び25℃とし、対照として-20℃
に凍結保存して実験に供試する直前に37℃で融解したも
のを供試した。保存日数は20日間および 40日間とし
た。なお、保存に使用した滅菌水は、蒸留水を高圧滅菌
(オートクレーブ滅菌)処理したものである。
【0025】また、対照として、パスツリア・ペネトラ
ンスを保存せず、摘出後、直ちに供試した。MJPP及
びMHPPをそれぞれ所定期間保存した後、超音波処理
した。超音波処理は、氷冷下で15分間および30分間実施
した。超音波処理には、超音波破壊装置TA-5287型(三
田村技研工業(株)製,ホーン:7φ,ステンレス製,共
振周波数:19.5KHz,ホーン先端最大振幅:30μmp-p)
を用いた。
【0026】(3)MJPP及びMHPPの線虫に対す
る付着活性の検定 MJPPの線虫に対する付着活性は以下のように検定し
た。25℃温度条件下の滅菌水中で3日以内にふ化したネ
コブセンチュウの2期幼虫50〜100頭と0.02% Triton X
-100とを含む滅菌水50μl、MJPPの懸濁液100μl及
びMcIlvaine緩衝液50μl(pH 8.0)の合計200μlを、9
6穴マイクロプレート(Nunc社)の1ウェルに入れ
て混合した。MJPPの最終濃度はそれぞれ1×105個/
mlとし、25℃で4時間静置した。MHPPについても上
記と同様の処理を行った。
【0027】1頭当たりのMJPP及びMHPPの付着
数をそれぞれ調査するために、スライドガラスに上記処
理液の少量を添加し、カバーガラスをかけて、ランダム
に抽出した20頭のネコブセンチュウを100〜400倍の顕微
鏡下で1頭ごとに観察し、MJPP及びMHPPの付着
数をそれぞれ数えた。付着数は、2期幼虫20頭に付着し
ていたパスツリア属細菌の合計を20で除して2期幼虫1
頭当たりの付着数を算出し、この値を付着活性の指標と
した。なお、MJPP及びMHPPの付着数を数えやす
くするために、ブリリアント・ブルーGで染色した。M
JPP及びMHPPのそれぞれについて、実験を3反復
した。
【0028】(4)付着活性の検定結果 保存及び超音波処理の各条件下におけるMJPPの付着
活性の検定結果を表1に、MHPPの付着活性の検定結
果を表2に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】なお、表1及び表2中の付着数は、3反復
の実験の平均である。表1及び表2に示す結果から、パ
スツリア属細菌を超音波処理しない場合には、超音波処
理前に水中で保存するか否かに関わらず、パスツリア属
細菌の線虫に対する付着活性を増進しにくいことが判明
した。一方、パスツリア属細菌を超音波処理する場合に
は、超音波処理前に水中で保存するか否かに関わらず、
パスツリア属細菌の線虫に対する付着活性を増進できる
が、超音波処理前に水中で保存する場合の方が、水中で
保存しない場合よりも顕著に付着活性を増進できること
が判明した。
【0032】すなわち、パスツリア属細菌を水中で保存
した後、超音波処理することにより、水中での保存と超
音波処理とが相乗効果を発揮し、パスツリア属細菌の線
虫に対する付着活性を顕著に増進できることが判明し
た。また、超音波処理前に水中で保存する場合であって
も、保存温度が-20℃の場合には、保存期間及び超音波
処理時間の長さに関わらず、超音波処理前の水中で保存
しない場合と、付着活性に有意な差が見られないが、保
存温度が5〜25℃の場合には、保存期間を長くするほ
ど、また超音波処理時間を長くするほど、付着活性を顕
著に増進できることが判明した。
【0033】〔実施例2〕超音波処理前の水中での保存
が、パスツリア属細菌の線虫に対する病原活性に与える
影響 (1)MJPP及びMHPPの保存及び超音波処理 MJPP及びMHPPのそれぞれにり病した線虫を磨砕
し、MJPP及びMHPPをそれぞれガラスサンプル瓶
に回収した。滅菌水でMJPP及びMHPPの濃度をそ
れぞれ2×105個/mlに調整し、ガラスサンプル瓶に5℃
で2か月間保存した。なお、保存に使用した滅菌水は、
蒸留水を高圧滅菌(オートクレーブ滅菌)処理したもの
である。MJPP及びMHPPの超音波処理は、超音波
破壊装置TA-5287型(三田村技研工業(株)製)を使用し
て、氷冷下で5、15および30分間実施した。
【0034】(2)MJPP及びMHPPの病原活性の
検定 1区当たり96穴マイクロプレート(Nunc社)の8
ウェルとし、付着活性の検定と病原活性の検定にそれぞ
れ4ウェルずつをふりわけた。25℃温度条件下の滅菌水
中で3日以内にふ化したジャワネコブセンチュウの2期
幼虫130頭と0.02% Triton X-100とを含む滅菌水50μ
l、MJPPの懸濁液100μl及びMcIlvaine緩衝液50μl
(pH 8.0)の合計200μlを、96穴マイクロプレート
(Nunc社)の1ウェルに入れて混合した。MJPP
の最終濃度は1×105個/mlとし、25℃で1日静置した。
【0035】MHPPについても、線虫としてキタネコ
ブセンチュウ210頭を使用した点を除き、上記と同様の
操作を行った。その後、MJPP及びMHPPの線虫に
対する付着活性を実施例1に従って検定した。付着率
は、付着数を調査した2期幼虫20頭のうち、パスツリア
属細菌が付着していた2期幼虫数を20で除して算出し
た。また、MJPP及びMHPPの線虫に対する病原活
性の検定は以下のように行った。
【0036】各ウェルの線虫を含む懸濁液を、それぞれ
直径9cmの黒ビニールポットのトマト苗1株の根の周り
に接種した。接種2か月後にそれぞれのトマトの根から
できるだけ多くのネコブセンチュウの雌成虫を摘出し磨
砕して、MJPP及びMHPPの有無をそれぞれ光学顕
微鏡で確認し、摘出した雌成虫の総数に対するMJPP
及びMHPPのそれぞれにり病した雌成虫数の割合をり
病率として計算した。なお、卵のうをもつ雌成虫は健全
虫として扱った。
【0037】(3)病原活性の検定結果 MJPPの病原活性の検定結果を表3に、MHPPの病
原活性の検定結果を表4に示す。
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】なお、表3及び表4中の「接種2か月後の
雌成虫数とり病数」は、トマト苗4本分の合計である。
MJPPでは、超音波処理が5分間、15分間,30分間に
なるとその付着数は、無処理の5.1、9.7、15.7倍と超音
波処理時間が長くなるほど顕著に増加した。また、付着
率は、無処理66.3%に対し、超音波処理5分間以上の処
理では100%であった。一方、り病率は、無処理36.5%に
対し、処理時間が5分間、15分間、30分間となると74.1
%、85.9%、85.0%となり、無処理の2.0倍、2.6倍、2.3倍
のり病率であった(表3)。
【0041】MHPPでは、超音波処理が5分間、15分
間、30分間になるとその付着数は、無処理の2.5倍、8.2
倍、25.0倍と超音波処理時間が長くなるほど顕著に増加
した。また、付着率は、無処理36.3%に対し、超音波処
理5分間の処理では58.8%となり、15分間及び30分間の
処理では100%であった。一方、り病率は,無処理の24.7
%に対し処理時間が5分間、15分間、30分間となると32.
1%、70.9%、75.5%となり、無処理の1.3倍、2.9倍、3.1
倍のり病率であった(表4)。
【0042】これらの結果より、パスツリア属細菌を水
中で保存するだけで超音波処理しない場合には、パスツ
リア属細菌の線虫に対する病原活性を増進しにくいが、
パスツリア属細菌を水中で保存した後、超音波処理する
場合には、パスツリア属細菌の線虫に対する病原活性を
顕著に増進できることが判明した。すなわち、水中での
保存と超音波処理とが相乗効果を発揮し、パスツリア属
細菌の線虫に対する病原活性を顕著に増進できることが
判明した。また、パスツリア属細菌を水中で保存した
後、超音波処理する場合には、超音波処理の時間を長く
するほど、パスツリア属細菌の線虫に対する病原活性を
増進できることが判明した。
【0043】
【発明の効果】本発明により、パスツリア属細菌の線虫
に対する付着活性及び病原活性を効率よくかつ簡易に増
進させることができる。また、本発明により線虫に対す
る付着活性及び病原活性を増進させたパスツリア属細菌
を利用して効率よく線虫を防除することができる。さら
に、本発明は、パスツリア属細菌の寄主特異性を利用し
た線虫種の簡易同定法において、パスツリア属細菌の線
虫に対する付着活性を増進させるために使用することも
できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パスツリア属細菌を水中で保存した後、
    超音波処理することにより、パスツリア属細菌の線虫に
    対する付着活性を増進させる方法。
  2. 【請求項2】 パスツリア属細菌を水中で保存した後、
    超音波処理することにより、パスツリア属細菌の線虫に
    対する病原活性を増進させる方法。
  3. 【請求項3】 パスツリア属細菌を線虫に感染させるこ
    とにより線虫を防除する方法において、パスツリア属細
    菌を水中で保存し、次いで超音波処理した後、線虫に感
    染させることを特徴とする、線虫の防除方法。
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