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JP2000079000A - 資化性菌の検出方法および該検出方法を使用してサンプルの特定の基質に対する潜在的な分解活性を計測する方法 - Google Patents

資化性菌の検出方法および該検出方法を使用してサンプルの特定の基質に対する潜在的な分解活性を計測する方法

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Publication number
JP2000079000A
JP2000079000A JP9358199A JP9358199A JP2000079000A JP 2000079000 A JP2000079000 A JP 2000079000A JP 9358199 A JP9358199 A JP 9358199A JP 9358199 A JP9358199 A JP 9358199A JP 2000079000 A JP2000079000 A JP 2000079000A
Authority
JP
Japan
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detecting
sample
soil
bacteria
petroleum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9358199A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiya Shigeno
俊也 茂野
Takashi Someya
孝 染谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Shell Sekiyu KK
Original Assignee
Showa Shell Sekiyu KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Shell Sekiyu KK filed Critical Showa Shell Sekiyu KK
Priority to JP9358199A priority Critical patent/JP2000079000A/ja
Publication of JP2000079000A publication Critical patent/JP2000079000A/ja
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  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 石油汚染土壌のバイオレメデイエーションを
前提として、バイオスティミュレーションを行うのか、
バイオオーギギュメンテーションを行うのかを迅速に決
定することが可能なことを特徴とする資化性菌の検出方
法の提供。 【解決手段】 固体サンプル中に存在する特定物質の資
化性菌を特異的に検出する方法において、DVC法を用
いることを特徴とする資化性菌の検出方法、および該方
法と下式(1)と(2)を利用して、t時間後のサンプ
ル中の特定の基質に対する潜在的な分解活性(S)を検
出する方法。 X=Xμt (1) S=YX=YXμt (2) (式中、S:分解活性、X:菌体量、X:初期菌体
量、Y:菌体収率、μ:比増殖速度、t:時間)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サンプル中、例え
ば土壌のような固体サンプルに存在する特定物質の資化
性菌を特異的に検出する方法、および該検出する方法に
より得た検出結果に基づいて該サンプルの有する潜在的
な分解活性を予測する方法に関する。
【0002】
【従来技術】(バイオレメデイエーション)汚染土壌等
のバイオレメデイエーションや活性汚泥法による排水処
理に於いては、栄養塩類の添加により既に存在している
微生物を活性化する方法(バイオステイミュレーション
法)と汚染物質の分解力の強い有用微生物を導入する方
法(バイオオーギュメンテーション法)の2つがある。
汚染土壌等の中に汚染物質の分解菌が既に多数存在して
いる場合には、バイオステイミュレーション法が有効で
ある。しかし、分解菌が殆んど存在していない場合に
は、栄養塩類等を添加しても効果は期待できない。そこ
で、分解菌がほとんど存在していない場合には、バイオ
オーギュメンテーション法を行う必要がある。このよう
に分解菌の有無は、バイオレメデイエーションを行う際
の手段を選択するための重要な情報であり、この情報に
よって採用する方法が決定される(図1参照)。
【0003】直接活性計測法(Direct Vari
able Counts、以下DVC法とも言う)DV
C法は、束海大学海洋研究所の木暮らによって海洋微生
物の計測法とした開発された手法である。細胞分裂阻害
剤(ナリジクス酸、ピロミド酸、ピペミド酸等)の存在
下で微生物を培養すると、生長はするが細胞分裂ができ
ないため、菌体が通常の10−100倍程度に肥大す
る。この肥大した微生物は顕微鏡視野で容易に計測する
ことが可能であり、DVC法は、この肥大した微生物を
計測する方法である(図2,3参照)。
【0004】DVC法も微生物の増殖を利用する点では
一種の培養法であるが、20〜30時間の短時間の培養
で済むこと、コロニー形成能のない微生物でも検出でき
ること等、従来の培養法に比べ利点が多い。しかし木暮
らのDVC法は海洋徹生物への適応を念頭に開発された
方法である為、土壌微生物に応用することができなかっ
た。
【0005】佐賀大学の染谷らはDVC法が土壊微生物
に応用できない理由は、土壌中にある夾雑物質による細
胞分裂阻害剤の吸着にあると考えた。そこで彼らは細胞
分裂阻害剤の添加量を増加させ、DVC法の土壌微生物
への応用を図った。
【0006】また海洋微生物を対象としたDVC法で
は、微生物を観察する際に核酸の染色剤であるアクリジ
ンオレンジを用いて蛍光観察を行っている。アクリジン
オレンジ染色法は全菌数(Total Direct
Counts、以下、TDC法とも言う。)を求める方
法として一般的であるが、生育しない微生物や死細胞を
も染色してしまい、また計測には熟練を要し、またこの
アクリジンオレンジ染色法を土壌微生物に適応すると土
壌粒子等も染色されてしまい良好な結果は得られない、
と言う問題点がある。
【0007】染谷らは、土壌微生物の染色(蛍光染色)
方法を検討し、遺伝子工学で多用されている代表的な核
酸染色剤であるエチジウムブロミド染色法(以下、EB
染色法とも言う。)が適していることを見出し、DVC
法とEB染色法を組み合わせることにより土壌中の微生
物の高効率な計測を可能とすることを見出した。
【0008】資化性菌の検出には選択培地を用いた培養
法が一般的な方法である。これには平板培地上に生じる
資化性菌の集落(コロニー)の数を計測したり、液体培
地中で増殖する分解菌を濁度として測定する方法があ
る。しかし平板培地上でコロニーを形成しない微生物の
検出ができず、検出できる微生物の種類が限定され、ま
た、培養に数日かかる等の問題点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一は、サン
プル中、例えば土壌のような固体サンプルに存在する特
定物質の資化性菌を特異的に検出する方法において、広
範囲の多種類の資化性菌の特定およびその量を迅速に、
かつ簡単に検出できることを特徴とする資化性菌の検出
方法、特に、石油汚染土壌のバイオレメデイエーション
を前提として、汚染土壌中の石油分解菌の検出、さらに
は該菌の数を迅速に、かつ簡単に検出でき、前記バイオ
レメデイエーショにおいて、バイオスティミュレーショ
ンを行うのか、バイオオーギギュメンテーションを行う
のかを迅速に決定することが可能な方法を提供すること
にある。
【0010】本発明の第二は、前記第一の検出方法を利
用してサンプルの有する特定基質に対する潜在的な分解
活性を容易に推測することが可能な方法に関する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴の第1は、
固体サンプル中に存在する特定物質の分解菌を特異的に
検出する方法において、DVC法を用いて分解菌、特に
資化性菌を検出することにある。本発明においては、前
記DVC法によって得られた肥大微生物を容易に、かつ
観察あるいは計測できるように、該肥大微生物のみを鮮
明に観察することができる染色方法、例えばEB染色法
を組み合わせて用いるのが好ましい。なお、本発明にお
いて、分解菌、特に資化性菌を検出するとは、菌の能力
(例えば石油を分解する能力)の特定および該菌の総数
を検出することを言う。
【0012】前記本発明の分解菌の検出方法は、サンプ
ル、特に汚染土壌中に存在する石油製品を特異的に分解
し、それを自身の細胞とすることのできる微生物である
石油資化性菌および化学物質を特異的に分解し、それを
自身の細胞とすることのできる微生物である化学物質資
化性菌の検出、さらにはその菌の数を定量的に計測する
方法に有効である。
【0013】また、本発明の分解菌の検出方法は、基本
的には前記のような資化基質と計測対象の物質が一致す
る分解菌の計測あるいは検出に主に使用されるが、資化
基質と計測対象の物質が一致しない分解菌であっても、
資化基質と計測対象の物質の関係が明らかな分解菌の場
合、例えば資化基質はメタンであるが、トリクロロエチ
レンの分解能を有するメタン資化性菌あるいは資化基質
はフェノールであるが、トリクロロエチレンの分解能を
有するフェノール資化性菌のような場合にも使用するこ
とが出来る。
【0014】石油分解菌の中にも、石油をエネルギー源
等として生育する石油資化性菌(多くの分解菌がこのタ
イプであると考えられている)の他に、種類は多くない
と考えられているが、石油は分解するが石油をエネルギ
ー源として生育を行わない真の分解菌が存在する。本発
明に於いては石油資化性菌を主な対象としているが、前
記のような真の分解菌であっても、特異的な基質を明ら
かにすることにより、該菌の計測あるいは検出も行なう
ことができる。
【0015】本発明の分解菌の検出方法は、前記公知の
資化性菌の検出方法と異なり、平板培地上でコロニーを
形成しない資化性菌の検出も可能であるので、多種類の
資化性菌の検出を行なうことができる。
【0016】本発明で採用することのできるサンプルと
しては、DVC法によって資化性菌の検出することがで
きるものであれば、特にその種類は制限されるものでな
く、また、サンプルの種類も固体サンプルでも液体サン
プルでも良く、例えば、土壌、活性汚泥、石油製品ある
いは化学物質汚染土壌等が例示される。
【0017】本発明において、サンプルとして多くの有
機物が含まれているサンプル(例えば土壌中には多くの
有機物が含まれており、これら有機物は土壌中の微生物
のエネルギー源となっている)をそのままDVC法に供
すると、基質として加えた物質の資化性がなくとも、元
来土壌中にある有機物を資化して肥大する微生物がバッ
クグラウンドとして計測されてしまう、と言う問題が生
ずることがある。
【0018】そこで、本発明者らは、前記バックグラウ
ンドを最小限にするための手段について、さらに鋭意検
討した結果、サンプルとして土壌培養前に中の前記有機
物を除去することにより、前記バックグラウンドを最小
限にすることが出来た。
【0019】さらに、本発明者らは、培養後に微生物の
代謝産物の除去を行なうことにより、肥大微生物のみを
鮮明に観察することができることを見出し、例えば培養
後に代謝産物を洗浄、特に遠心洗浄を行なうことにより
除去して、検出しようとする微生物の検出を簡単に、か
つその数の検出も正確に行なうことができた。
【0020】本発明で採用するDVC法で使用する細胞
分裂阻害剤としては、例えば、ナリジクス酸、ピロミド
酸、ピペミド酸、シプロフロキサシン等が使用できる。
【0021】石油汚染土壌の生物的浄化(バイオレメテ
ィエーション)を行う際に、栄養剤のみを添加すればよ
いのか、あるいは微生物も導入する必要があるのかを判
断するための有効な方法である。土壌浄化プロジェクト
のビジネス化において重要な発明であるまた、本発明は
固体サンプル中に存在する特定物質の資化性菌を特異的
に検出する方法において、前記石油汚染土壌の生物的浄
化(バイオレメティエーション)を行う際に、栄養剤の
みを添加すればよいのか、あるいは微生物も導入する必
要があるのかを判断するための有効な方法である。土壌
浄化プロジェクトのビジネス化において重要な発明であ
【0022】本発明の第二の特徴は、前記第一のサンプ
ル中に存在する特定物質の資化性菌を特異的に検出する
方法を利用して、任意の土壌の特定基質に対する潜在的
な分解活性を容易に推測できる方法をさらに提供したこ
とにある。すなわち、本発明者は、前記弟1の方法を利
用すると初期菌体量X、初期菌体1個の体積Vおよ
びt時間後の菌体1個の体積V、特に初期菌体量X
極めて正確に、かつ容易に検出できることに着目し、本
発明に到達することができた。前記潜在的な分解活性と
は、例えばある土壌に石油をこぼした時に自然浄化がど
のくらいの速度で進行するかを示す指数であり、下式に
示す分解量(S)に相当する。以下、前記の潜在的な分
解活性を容易に推測できる方法を石油資化性菌を例にと
り説明するが、前述のように本方法は石油資化性菌の場
合に限定されるものではない。
【0023】石油資化性菌は石油成分を摂取して菌体を
生産する(生育する)が、一定時間(t)後の菌体量
(X)は、図11に示すように次式(1)で表される。
【数3】 X=Xμt (1) (式中、X:初期菌体量、μ:比増殖速度、t:時
間) 前記初期菌体量(X)は、前記本発明の第一の方法に
よって求めることが必要である。前記μ(比増殖速度)
は、以下のようにして求めることができる。前式X=X
μtはInX=InX+μtと表されるので、例
えば初期菌体量を1とすると、X=1、すなわち、I
nX=0であるから、InX=μtとなる。
【0024】前記Xは以下のようにして求めることがで
きる。前記XはX=V/Vと表され、前記第一の方法
により初期の菌体1個の体積Vおよびt時間後の菌体
1個の体積Vを計測することにより求める。前記μは以
下のようにして求めることができる。前記のようにして
得られたX、Xおよびtを式X=Xμtに代入す
ることにより求めることができる。前記菌体収率Yは以
下のようにして求めることができる。サンプル中の特定
物質に対する分解活性を検出し、該分解活性を利用して
求めることができる。例えば特定物質が石油である場合
に石油は好気的に分解されるので、その基質は酸素と石
油であるので、特定量の石油を分解に要する酸素消費量
を検出し、この酸素消費量と酸素消費量と初期菌体量X
とが相関関係があることを利用して勾配係数として求
めることができる。
【0025】一方、菌体収率Yが一定であるとすると、
分解量(S)は菌体量Xに比例し、菌体量XはX=X
μtにあるので、この関係は次式(2)で表すことが
可能である。
【数4】 S=YX=YXμt (2) (式中、S:分解活性、X:菌体量、X:初期菌体
量、Y:菌体収率、μ:比増殖速度、t:時間) 前式(2)において、初期段階、すなわちt→0におい
ては、μt→0となり、eμtt→1に近似するので、
S=YXと表すことができる。
【0026】前記のようにして検出あるいは算出した初
期菌体量X、初期菌体1個の体積V、t時間後の菌
体1個の体積V、菌体量X、比増殖速度μおよび菌体収
率Yと前式(1)および(2)を利用してサンプル中の
特定の基質に対する潜在的な分解活性(S)を求めるこ
とが出来る。
【0027】前記第二の発明は、バイオレメデイエーシ
ョンを行う際に、栄養塩類の添加により既に存在してい
る微生物を活性化する方法(バイオステイミュレーショ
ン法)で良いのか、あるいは分解対象の特定基質の分解
力を有する微生物をさらに導入する方法(バイオオーギ
ュメンテーション法)を採用する必要かの判断を行うた
めの手段として、非常に有効である。
【0028】
【実施例】以下、本発明の資化性菌の検出方法を実施例
により、さらに具体的に説明する。
【0029】実施例1 以下に本発明の実施例で採用する培養および染色法の具
体的操作方法を示す。培養および染色は図4に示す以下
のような操作工程の順序に従って実施した。 (a)分散処理 佐賀大学内の畑より採取した土壌サンプルに滅菌超純水
を加えて、攪拌処理を行ない100倍希釈土壌懸濁液と
した。 (b)遠心洗浄 前記(a)希釈土壌懸濁液1000μlを除菌水で3
回、遠心洗浄(1200rpm、10分)した。 (c)DVC培地の添加 前記(b)の遠心洗浄で洗浄した希釈土壌懸濁液に下表
1の組成のDVC培地を添加した。
【0030】
【表1】 (d)インキュベート 前記(c)のDVC培地を添加した希釈土壌懸濁を1.
5ml容のポリプロピレン製試験管に入れ、600rp
mの回転振とう器で24時間の培養を行った。 (e)遠心洗浄 前記(d)の代謝産物を遠心洗浄した(1200rp
m、10分)。 (f)EB染色と蛍光観察 前記(e)の遠心洗浄後、培養物をエチジウムブロミド
(100μg/ml)で3分間染色した後、蛍光顕微鏡
(B励起、対物100倍油浸系)で観察した。
【0031】実施例2 (1)土壌サンプル 石油汚染土壌は、昭和シェル石油(株)中央研究所の構
内の林土壌約9kgに軽油を1%添加して作成した。こ
の土壌はステンレス製のバケツに入れ、ビニール袋で密
閉して25℃で約1ケ月間の馴養を行った。通気は1週
間に−度、土壌を攪拌混合することにより行った。 (2)前記土壌サンプルから石油資化性菌の検出 前記土壌サンプルから実施例1に示した方法により、石
油資化性菌の検出を行ない、その結果を図8に示した。
図8に於いては、サンプルをEBとCFDA(エステラ
ーゼの基質、CFDAで染色される細胞はエステラーゼ
活性がある)で二重染色しているため、石油資化性菌は
黄緑色に光っている。培養を行う前のサンプルでも黄緑
色に光る1μm以下の微生物が観察されている。培養2
4時間後のサンプルでは数μmに肥大して真緑色に光る
微生物(図中に矢印で示したもの)が観察されている。
前記のように石油資化性菌は肥大しても長くはならず、
球型に近い形或いは等しく変形した細胞として観察され
た。酵母エキスを用いた場合には、肥大細胞は長く伸長
した細胞として観察された.これに対して石油資化性菌
の場合、肥大細胞は長くならず球形或いは著しく変形し
た細胞として観察された。これは石油が微生物の細胞膜
に影響を与えているためと考えられる。
【0032】比較例1 前記実施例2において、培養前に遠心洗浄を行なわない
以外は同様に実施した。図5の(a)は培養を行う前の
土壌の螢光顕微鏡写真である。該図5の(a)では、小
さく黄色に光る微生物(いずれも1μm以下の大きさ)
が観察されるが、土壌粒子も暗く光っている為、微生物
か否かの判断は難しい。また、培養した後の蛍光顕微鏡
写真を図5の(b)として示す。図5の(b)では、土
壌中の有機物をエネルギー源として数μmに肥大した微
生物(バックグラウンド)が観察される。さらに、図5
の(c)は遠心洗浄を行わない土壌に酵母エキスを添加
して培養した後の蛍光顕微鏡写真である。数μmに肥大
した多くの微生物が観察される。図5の(c)で観察さ
れた肥大細胞数から図5の(b)で観察された肥大細胞
数を差し引いた肥大細胞数が新たに添加した酵母エキス
を資化した微生物の菌数に相当すると考えられる。
【0033】これに対して、図6は培養前に遠心洗浄を
行った実施例1の効果を示したものである。図6に示す
いずれの値も、遠心洗浄を行っていない土壌のTDC
(1.1×10細胞/g乾燥土壌)を100とした相
対値である。TDCは遠心洗浄を行ってもほとんど変化
しなかった。酵母エキスを添加しないで培養した系で
は、非洗浄で約25%あった菌数(バックグラウンド)
が遠心洗浄することでほぽ0%に抑えられた。酵母エキ
スを添加した系の菌数は非洗浄で約70%、遠心洗浄で
約50%であり、その差約20%は酵母エキス無添加時
の非洗浄の菌数(バックグラウンド)にほぼ相当した。
【0034】比較例2 前記実施例2において、培養後に遠心洗浄を行なわない
以外は実施例2と同様に実施した。培養後の遠心洗浄を
行わない本例のサンプルでは土壌粒子や微生物の代謝産
物等もEBで染色されてしまい、肥大微生物を観察する
ことが困難であった〔図7の(a)〕。これに対し、培
養後に遠心洗浄を行う実施例2では、肥大微生物のみを
鮮明に観察することができた〔図7の(b)〕。
【0035】実施例3 石油で汚染された土壌中の微生物相(フローラ)の変化 石油汚染による土壌中のフローラの変化について検討を
行った。石油で汚染された土壌としては、また、石油に
汚染されていない土壌として、佐賀大学内の畑土壌を用
いた。結果は図9に示した。値はいずれも軽油を添加す
る前のTDCを100とした相対値で示してある。軽油
を200ppm、2000ppmになるように添加する
と24時間でTDCはいずれも約40%減少した。DV
C法で検出される石油資化性菌の数は5〜12%であっ
た。前記の現象は、石油汚染が土壌中のフローラに大き
な影響を与えることを示す結果である。
【0036】軽油で馴養した土壌を用いて土壌中のフロ
ーラの変化を検討した。図10には、人工汚染土壌に於
けるTDCとDVC法により検出された石油資化性菌数
の変化を示した。TDCと石油資化性菌数はいずれも培
養時間が経つにつれ減少した。特にTDCに対する石油
資化性菌数の割合の減少は著しく、当初TDCの約60
%であった石油資化性菌数は5ケ月後には20%まで減
少した。これは石油資化性菌のエネルギー源である軽油
が分解・資化されて少なくなったためと考えられる。ま
た総菌数が石油資化性菌数よりも緩やかに減少したの
は、石油資化性菌が軽油を分解した代謝物や石油資化性
菌の死菌等をエネルギー源として利用する微生物が増加
したためと考えられる。本発明の資化性菌の計測方法に
より、前記土壌中の微生物相(フローラ)の変化の状態
を計測することが出来る。
【0037】実施例4 本実施例に使用した石油汚染土壌は、厚木市周辺の数カ
所より採取した土壌50gに軽油を1mlづつ添加して
調整した。このサンプル土壌を培養容器(大倉電気製の
クーロメーター)に入れ、培養をスタートさせた。培養
は30℃で2〜3日行い、その間の石油資化性菌の生育
に伴う酸素吸収量を連続的に測定した。この酸素吸収量
と前記実施例1に示す方法で石油資化性菌数を求め、こ
の石油資化性菌数と酸素吸収量の関係は図12に示す結
果が得られた。図12の勾配係数より菌体収率Yを求
め、これら結果と前式(1)および(2)を利用して潜
在的な分解活性(S)を推定することができた。
【0038】
【効果】本発明は、固体サンプル中に存在する特定物質
の資化性菌を特異的に検出する方法において、広範囲の
多種類の資化性菌を迅速に、かつ簡単に検出できること
を特徴とする資化性菌の検出方法、および前記検出方法
により検出した前記資化性菌の総数とサンプルの有する
前記特定基質に対する分解活性との相関関係より、該サ
ンプルの特定の基質に対する潜在的な分解活性を容易に
推定する方法が提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】バイオレメデイエーションの概略を説明した図
である。
【図2】DVC法の原理を説明した図である。 (a)核酸合成阻害剤を使用しない通常の培養の場合。 (b)核酸合成阻害剤を使用するDVC法の場合。
【図3】DVC法におけるインキュベート前後の土壌細
菌の形態変化を示す。 (a)インキュベート前の状態を示す。 (b)24時間インキュベートした後の状態を示す。
【図4】実施例1で採用した培養および染色工程を示す
図である。
【図5】非洗浄DVC法におけるDVCのバックグラン
ドを示す図である。 (a)培養を行なう前の土壌の状態を示す。 (b)遠心洗浄を行なわなかった土壌を培養した後の土
壌の状態を示す。 (c)遠心洗浄を行なわない土壌に酵母エキス(YE)
を添加して培養した後の土壌の状態を示す。
【図6】洗浄DVC法の効果を示す図である。
【図7】DVC法の蛍光画像に及ぼす遠心洗浄の効果を
示す図である。 (a)洗浄を行なう前の土壌の状態を示す。 (b)洗浄後の土壌の状態を示す。
【図8】軽油をエネルギー源として、DVCにより石油
資化性菌の検出を行ない、その効果を示す図である。 (a)培養を行なう前の土壌の状態を示す。 (b)24時間培養を行なった後の土壌の状態を示す。
【図9】石油非汚染土壌(佐賀大学内の畑土壌)におけ
る石油添加DVC法でのTDCの減少を示す図である。
【図10】ポット内石油汚染土壌(室温静置)中のTD
CとDVCの経時的変動を示す図である。
【図11】X=Xμtにおいて、μを一定としてX
を0.01、0.1、0.5、1.0としてシュミレ
ーションを行った実施結果を示す図である。
【図12】実施例4の石油資化性菌数と酸素吸収量の関
係示す図である。
【符号の説明】
A 伸長・肥大した細胞(増殖能を持つ細胞) B 伸長・肥大せず小さいままの細胞(増殖能を持たな
い細胞) ← 伸長・肥大した細胞(増殖能を持つ細胞)を指すも
のである。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプル中に存在する特定物質の資化性
    菌を特異的に検出する方法において、DVC法を用いる
    ことを特徴とする資化性菌の検出方法。
  2. 【請求項2】 DVC法とEB染色法を組み合わせて用
    いる請求項1記載の資化性菌の検出方法。
  3. 【請求項3】 培養前にサンプル中に含まれる有機物を
    除去する請求項1または2記載の資化性菌の検出方法。
  4. 【請求項4】 有機物を除去する手段が遠心洗浄である
    請求項3記載の資化性菌の検出方法。
  5. 【請求項5】 培養後に微生物の代謝産物の除去を行う
    請求項1〜4のいずれかに記載の資化性菌の検出方法。
  6. 【請求項6】 代謝産物の除去が遠心洗浄である請求項
    5に記載の資化性菌の検出方法。
  7. 【請求項7】 サンプルが土壌または活性汚泥である請
    求項1〜6のいずれかに記載の資化性菌の検出方法。
  8. 【請求項8】 特定物質が石油製品または化学物質であ
    る請求項1〜7のいずれかに記載の資化性菌の検出方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の資化性
    菌の検出方法と下式(1)と(2)を利用して、t時間
    後のサンプル中の特定の基質に対する潜在的な分解活性
    (S)を検出する方法。 【数1】 X=Xμt (1) (式中、X:菌体量、X:初期菌体量、μ:比増殖速
    度、t:時間) 【数2】 S=YX=YXμt (2) (式中、S:分解活性、X:菌体量、X:初期菌体
    量、Y:菌体収率、μ:比増殖速度、t:時間)
  10. 【請求項10】 サンプルが土壌または活性汚泥である
    請求項9記載の分解活性(S)を検出する方法。
  11. 【請求項11】 特定物質が石油製品または化学物質で
    ある請求項9〜10の分解活性(S)を検出する方法。
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