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JP2000059173A - 圧電振動子、圧電振動素子封止用容器および圧電振動素子封止方法 - Google Patents

圧電振動子、圧電振動素子封止用容器および圧電振動素子封止方法

Info

Publication number
JP2000059173A
JP2000059173A JP10224901A JP22490198A JP2000059173A JP 2000059173 A JP2000059173 A JP 2000059173A JP 10224901 A JP10224901 A JP 10224901A JP 22490198 A JP22490198 A JP 22490198A JP 2000059173 A JP2000059173 A JP 2000059173A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base
cap
sealing
piezoelectric
vibrating element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10224901A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Arabari
博史 荒張
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP10224901A priority Critical patent/JP2000059173A/ja
Publication of JP2000059173A publication Critical patent/JP2000059173A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型薄型であっても信頼性や品質に優れ、製
造も容易であり、コストも安価である圧電振動素子を内
蔵した圧電振動子、圧電振動素子を封止するのに用いる
容器および圧電振動素子を封止する方法を提供するこ
と。 【解決手段】 圧電振動素子54と、前記圧電振動素子
がマウントされるリード53と、前記リードが固定され
る柱状のベース51と、一端が開放され、他端が閉塞さ
れており、内部に前記圧電振動素子が収納されて前記開
放端に前記ベースが接合される筒状のキャップ55とを
備え、前記ベースまたは前記キャップの少なくとも一方
の少なくとも接合部をハロゲン化処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電振動素子を内
蔵した圧電振動子、圧電振動素子を封止するのに用いる
容器および圧電振動素子を封止する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】圧電振動素子を気密に封止した圧電振動
子は、圧電振動素子と、圧電振動素子を保持するベース
およびベースに被せるキャップで成る容器等とから構成
され、ベースとキャップとの封止の方式の違いにより圧
入封止形、溶接封止形、あるいはガラスやろう材などの
シール材を介して融着接合したもの等が公知である。
【0003】圧入封止形の圧電振動子は、圧電振動素子
をマウントしたベースとキャップとを組合わせて圧入す
るだけで容器内部の気密性が保持できるため、封止が簡
便であり、また圧電振動素子をマウントしたベースとキ
ャップとを治具の上下にマトリクス状に複数セットして
プレスすることによって一度に多数個封止できるため、
加工時間が短時間となって量産性が非常に高くなり、生
産コストが安価となる。しかも、例えば絞り加工によっ
て作られる主に金属製のキャップやベースは、部品コス
トが安価である。このように圧入封止形の圧電振動子
は、複数の長所を有しているため、現在広く用いられて
いる。
【0004】図8(a)は、従来の圧入封止形の圧電振
動子の一例を示す分解断面側面図、同図(b)は、その
A−A矢視図であり、図9(a)は、図8の圧電振動子
の組立断面側面図、同図(b)は、そのA−A矢視図で
ある。図8(a)に示すように、この圧電振動子1Aの
容器1aを構成するベース1の金属外環2には、一対の
リード3が例えばガラスなどの絶縁材を介して気密性を
保って貫通保持されている。そして、一対のリード3の
インナーリード3aには、圧電振動素子4がマウントさ
れており、圧電振動素子4の表面に設けられた図示しな
い電極と一対のリード3とが機械的に固定され、かつ電
気的に接続されている。また、容器1aを構成する例え
ば銅(Cu)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)合金で
ある洋白から成るキャップ5には、例えばNiで成る金
属層6がメッキ形成されている。さらに、ベース1の金
属外環2の外周面あるいはキャップ5の内周面(この例
ではベース1の金属外環2の外周面)には、例えば半田
で成る軟金属層7がメッキ形成されている。そして、図
8(b)に示すように、キャップ5の内周形状(同図破
線)は、ベース1の外周形状より若干小さく形成されて
おり、キャップ5の内周とベース1の外周とのギャップ
分dが所謂圧入代となっている。
【0005】このような構成において、ベース1にキャ
ップ5を押し込むと、図9(a)に示すように、圧入代
dの分だけキャップ5が外側に押し広げられるので、図
9(b)に示すように、ベース1はキャップ5のバネ性
による図示矢印aで示す内側方向に働く応力により締め
付けられる。そして、この締め付け応力により、軟金属
層7は潰されてベース1とキャップ5との間の微細な隙
間を埋めるので、ベース1とキャップ5との間が密封さ
れ、圧電振動素子4が気密に封止される。このようにし
て作成された圧電振動子1Aは、図10に示すようにし
てプリント回路基板9に実装される。
【0006】ここで、圧入封止形の圧電振動子1Aの容
器1aの断面形状は従来より円形であるが、これはキャ
ップ5やベース1といった部品を簡易に精度良く作成す
ることができるからである。また、圧入代を全周にわた
って一定にとれば、図9(b)に示すように、圧入によ
り発生する応力分布が全周にわたり均一となり、封止性
を安定させることができ、さらに圧入代の設定も容易と
なるからである。
【0007】ところで、近年、HDD(ハード・ディス
ク・ドライブ)や携帯用のコンピュータ等の情報機器に
おいて、あるいは携帯電話や自動車電話等の移動通信機
器において小型薄型化がめざましく、それらの電子機器
に用いられる圧電振動子も小型薄型化が要求されてい
る。上述した断面が円形の圧入封止形の圧電振動子1A
は、量産性やコストに大きな利点を有しているが、容器
1aの直径が約φ3mmと大型で図10に示すプリント
回路基板9の表面からの実装高さh0が高くなるため、
小型薄型の電子機器への搭載が非常に困難になってい
る。
【0008】この小型薄型化の要求に対応した形態の圧
電振動子の容器としては、内蔵する圧電振動素子をシュ
リンクして、容器の直径を小さくしたものが提案されて
いる。従来の圧電振動素子の幅寸法は1.8mm〜2.
0mmであるため、容器の直径は約φ3mmと大きい
が、圧電振動素子の幅寸法を0.5mm〜0.7mmと
すると、容器の直径を約φ1.5mmまで小さくするこ
とができる。しかしながら、水晶等の圧電振動素子をこ
のように小型化して、かつ特性を維持するためには、高
精度な設計や加工技術が必要となるので、加工が困難で
コストアップとなり、あまり実用的ではない。
【0009】そこで、小型薄型化の要求に対応した別の
形態の圧電振動子の容器としては、断面形状を例えば図
11(b)に示すような楕円形や図12(b)に示すよ
うな長円形として、圧電振動素子14、24の収納部分
の容積効率を上げ、図13や図14に示すようにプリン
ト回路基板9の表面からの実装高さh1,h2を図10
に示すプリント回路基板9の表面からの実装高さh0よ
り低くしたものが提案されている。即ち、図11に示す
実開平2−55727号公報に開示されている圧電振動
子10Aの容器10aは、断面が楕円形の圧入封止形容
器であり、断面が楕円形のベース11と断面が楕円形の
キャップ15の封止部には所定の圧入代が設けられ、ベ
ース11にリード13を介して圧電振動素子14を保持
させ、ベース11をキャップ15に圧入して封止するも
のである。また、図12に示す特開平3−220910
号公報に開示されている圧電振動子20Aの容器20a
は、断面が長円形の溶接封止形容器であり、断面が長円
形のベース21にリード23を介して圧電振動素子24
を保持させ、ベース21の金属外環部と断面が長円形の
キャップ25の開口部側先端近傍とを例えばレーザー溶
接やシーム溶接等により溶接して封止するものである。
【0010】また、小型薄型化の要求に対応したさらに
別の形態の圧電振動子の容器には絶縁性基板を使用する
ものがあり、絶縁性基板としては主にアルミナ製のセラ
ミックで成る矩形状箱形のものが広く用いられている。
例えば図15に示すように、単板のセラミック基板をベ
ース31とし、あるいは図16に示すように、積層して
キャビティ部を形成したセラミック基板をベース41と
し、図示しない金属厚膜の導電パターンをベース31上
に形成し、あるいはベース41のキャビティ内から裏面
まで伸びた形で形成する。そして、ベース31上、ある
いはベース41のキャビティ内の所定の位置に圧電振動
素子34、44をマウントし、ガラスやろう材等のシー
ル材を介して金属製またはセラミック製のキャップ35
を被せ、シール材を加熱、融着させてベース31とキャ
ップ35とを接合して封止し、あるいは金属製のキャッ
プ45を被せてベース41とキャップ45とを例えばシ
ーム溶接や電子ビーム溶接等により溶接して封止した圧
電振動子30A、40Aがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した断面を楕円形
や長円形などの扁平形状に形成した容器10a、20a
を有する圧電振動子10A、20Aによれば、基板実装
高さh1、h2を低くでき、かつ内蔵する圧電振動素子
14、24のサイズを変更することなくそのまま使用で
きるので、従来のコストで圧電振動素子14、24を製
造することができるという利点を有している。
【0012】しかしながら、断面が楕円形の圧入封止形
の圧電振動子10Aの圧入による締め付け応力の分布
は、図17の実線矢印aで示すように、短軸側が小さく
なるため短軸側で気密漏れが発生する場合があり、また
長軸側が過大になるためベース11の絶縁ガラスにクラ
ックが入って気密漏れが発生する場合があるという不具
合がある。また、圧入によるキャップ15に働く引張応
力は、同図の破線矢印bで示すように、長軸側が過大に
なるためキャップ15が破断して気密漏れが発生する場
合があるという不具合がある。そして、気密漏れが発生
すると、吸湿や酸化により内部の圧電振動素子14が劣
化し、周波数が変化したり、インピーダンスが過大とな
って不発振になってしまうという問題が起きる。また、
応力分布が周位置で均一ではないため、圧入代の設定は
非常に難しく、気密漏れを発生させずに圧入のみで封止
を完成させることは困難であった。
【0013】一方、断面が長円形の溶接封止形の圧電振
動子20Aは、溶接により封止を完成するので気密漏れ
は発生しないが、封止時にベース21とキャップ25を
組合わせた後、1個ずつ回転させて全周を溶接しなけれ
ばならないため、加工時間が長く量産性に劣るという問
題がある。また、溶接を行うための設備は非常に高価で
あり、コストを安価に抑えられないという問題もある。
また、溶接時に溶融した金属から放出されたガスが容器
20aの内部に残留し、そのガスにより圧電振動素子2
4の周波数が変化したり、インピーダンスが高くなって
しまうという不具合もある。
【0014】また、セラミック製の絶縁性基板を用いた
シール材の融着接合封止形、あるいは溶接封止形の圧電
振動子30A、40Aは、基板実装高さを低くできる
が、セラミック製の絶縁性基板のコストが、先述した断
面が円形、楕円形の圧入封止形や、断面が長円形の溶接
封止形の圧電振動子1A、10A、20Aに使用される
筒状金属製のベース1、11、21やキャップ5、1
5、25のコストに比較して高価であるという問題があ
る。
【0015】また、シール材の融着接合封止形の圧電振
動子30Aは、シール材を約300°C以上に加熱して
融着させるため、容器内に収納されている圧電振動素子
34も加熱されて周波数が変化してしまうという不具合
がある。さらに、シール材の加熱時にシール材から放出
されたガスが容器内部に残留し、そのガスにより圧電振
動素子34の周波数が変化したり、インピーダンスが高
くなってしまうという不具合もある。
【0016】溶接封止形の圧電振動子40Aは、シール
リングと呼ばれる金属製の接合部材をろう付けにより、
あるいはメタライジングと呼ばれる金属厚膜をスクリー
ン印刷、焼成することにより、例えばベース41側にあ
らかじめ取り付けておく必要があるため、部品コストは
更に高価となる。そして、封止時の溶接の加工時間が長
く、高価な設備も必要であるという問題もある。また、
溶接時に溶融した金属から放出されたガスが容器内部に
残留し、そのガスにより圧電振動素子44の周波数が変
化したり、インピーダンスが高くなってしまうという不
具合もある。
【0017】本発明の目的は、上記課題を解消して、小
型薄型であっても信頼性や品質に優れ、製造も容易であ
り、コストも安価である圧電振動素子を内蔵した圧電振
動子、圧電振動素子を封止するのに用いる容器および圧
電振動素子を封止する方法を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、圧電
振動素子と、前記圧電振動素子がマウントされるリード
と、前記リードが固定される柱状のベースと、一端が開
放され、他端が閉塞されており、内部に前記圧電振動素
子が収納されて前記開放端に前記ベースが接合される筒
状のキャップとを備え、前記圧電振動素子を気密に封止
した圧電振動子において、前記ベースまたは前記キャッ
プの少なくとも一方の少なくとも接合部が、ハロゲン化
処理されていることを特徴とする圧電振動子である。
【0019】この請求項1の発明では、キャップまたは
ベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲン
化処理した後、両者を接触させて接合し気密に封止する
ことにより、キャップとベースが原子レベルで接合され
るので封止が確実になる。
【0020】請求項2の発明は、請求項1記載の構成に
おいて、前記ベースまたは前記キャップの少なくとも一
方の接合部に、軟金属層がメッキ処理されている圧電振
動子である。
【0021】この請求項2の発明では、キャップまたは
ベースの少なくとも一方の接合部に軟金属層をメッキに
より設けて接合することにより、ベース外周面およびキ
ャップ内周面の微細な凹凸が埋められ、接合部が隙間な
く接触するので封止が確実になる。
【0022】請求項3の発明は、請求項2記載の構成に
おいて、前記軟金属層が、半田、インジウムまたはイン
ジウム合金である圧電振動子である。
【0023】この請求項3の発明では、キャップまたは
ベースの少なくとも一方の接合部の軟金属層を半田また
はインジウムまたはインジウム合金にし、キャップまた
はベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲ
ン化処理した後、接合することにより、接合が容易にな
る。
【0024】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かに記載の構成において、前記ベースの前記キャップと
の接触部分の長手軸に直交する断面の外周形状が、楕円
または略楕円であり、前記キャップの前記ベースとの接
触部分の長手軸に直交する断面の内周形状が、前記ベー
スの断面外周形状より小さい楕円または略楕円である圧
電振動子である。
【0025】この請求項4の発明では、キャップと接触
する部分において、長手軸に直交する断面の外周形状が
楕円または略楕円の柱形状であるベース、または、ベー
スと接触する部分において、長手軸に直交する断面の内
周形状がベースの断面の外周形状より小さい楕円または
略楕円であり、一端が閉ざされ他端が開放されている筒
形状であるキャップの少なくとも一方の少なくとも接合
部をハロゲン化処理した後、接合することにより、封止
性、信頼性が高まる。
【0026】請求項5の発明は、請求項4に記載の構成
において、前記接触部分の圧入代が、前記楕円の長軸部
分が最小であり、短軸部分が最大であり、前記長軸部分
から前記短軸部分にかけて単調に増加している圧電振動
子である。
【0027】この請求項5の発明では、キャップの内周
形状およびベースの外周形状は楕円であり、圧入代は長
軸から短軸にかけて単調に増加しており、キャップまた
はベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲ
ン化処理した後、接合することにより、ベースにキャッ
プを嵌め込むだけで加圧でき、製造が容易になる。
【0028】請求項6の発明は、請求項4に記載の構成
において、前記略楕円は、第1の曲率半径を有する大円
弧と、前記第1の曲率半径より小さい曲率半径を有する
小円弧が、交互にそれぞれ2個ずつ配置され、かつ前記
大円弧と前記小円弧の接続点における大円弧部分の接線
と小円弧部分の接線が一致するように接続された形状で
あり、前記接触部分の圧入代が、前記略楕円の長軸部分
が最小であり、短軸部分が最大であり、長軸部分から短
軸部分にかけて単調に増加している圧電振動子である。
【0029】この請求項6の発明では、キャップの内周
形状およびベースの外周形状は略楕円であり、第1の曲
率半径を有する大円弧と、前記第1の曲率半径より小さ
い曲率半径を有する小円弧とからなり、前記大円弧およ
び小円弧は各々2個であって前記大円弧と小円弧が交互
に配置されており、前記大円弧と前記小円弧の接続点に
おいて、大円弧部分の接線と小円弧部分の接線が一致
し、圧入代は長軸から短軸にかけて単調に増加してお
り、キャップまたはベースの少なくとも一方の少なくと
も接合部をハロゲン化処理した後、接合することによ
り、ベースにキャップを嵌め込むだけで加圧でき、製造
が容易になる。
【0030】請求項7の発明は、圧電振動素子が固定さ
れる柱状のベースと、一端が開放され、他端が閉塞され
ており、内部に前記圧電振動素子が収納されて前記開放
端に前記ベースが接合される筒状のキャップとを備え、
前記圧電振動素子を気密に封止するための圧電振動素子
封止用容器において、前記ベースまたは前記キャップの
少なくとも一方の少なくとも接合部が、ハロゲン化処理
されていることを特徴とする圧電振動素子封止用容器で
ある。
【0031】この請求項7の発明では、キャップまたは
ベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲン
化処理した後、両者を接触させて接合し気密に封止する
ことにより、キャップとベースが原子レベルで接合され
るので封止が確実になる。
【0032】請求項8の発明は、柱状のベースに固定さ
れた圧電振動素子を、一端が開放され、他端が閉塞され
た筒状のキャップの内部に収納し、前記ベースを、前記
開放端に接合し、前記圧電振動素子を気密に封止する方
法において、前記ベースまたは前記キャップの少なくと
も一方の少なくとも接合部を、前もってハロゲン化処理
しておくことを特徴とする圧電振動素子封止方法であ
る。
【0033】この請求項8の発明では、キャップまたは
ベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲン
化処理した後、両者を接触させて接合し気密に封止する
ことにより、キャップとベースが原子レベルで接合され
るので封止が確実になる。
【0034】請求項9の発明は、請求項8に記載の構成
において、少なくとも前記接合部を、前記キャップの融
点もしくは前記ベースの融点のうち低温の融点以下の温
度に加熱して前記接合を行う圧電振動素子封止方法であ
る。
【0035】この請求項9の発明では、キャップまたは
ベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲン
化処理した後、キャップおよびベースの融点以下に加熱
して接合をすることにより、接合の際の反応が促進され
る。
【0036】請求項10記載の発明は、請求項8に記載
の構成において、軟金属層を、前記キャップまたは前記
ベースの少なくとも一方の接合部にメッキ処理し、少な
くとも前記接合部を、前記軟金属層の融点以下の温度に
加熱して前記接合を行う圧電振動素子封止方法である。
【0037】この請求項10の発明では、キャップまた
はベースの少なくとも一方の接合部に軟金属層をメッキ
により設けるとともに、キャップまたはベースの少なく
とも一方の少なくとも接合部をハロゲン化処理した後、
少なくとも接合部を軟金属層の融点以下に加熱して接合
することにより、接合の際の反応が促進されると共にベ
ース外周面およびキャップ内周面の微細な凹凸が埋めら
れ、接合部が隙間なく接触するので、接合が容易にな
る。
【0038】請求項11の発明は、請求項8〜10のい
ずれかに記載の構成において、少なくとも前記接合部を
加圧して前記接合を行う圧電振動素子封止方法である。
【0039】この請求項11の発明では、キャップまた
はベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲ
ン化処理した後、少なくともキャップとベースとの接合
部を加圧して接合することにより、密着性が向上して接
合強度が高まる。
【0040】請求項12の発明は、請求項8〜11のい
ずれかに記載の構成において、不活性ガスの雰囲気中で
前記接合を行う圧電振動素子封止方法である。
【0041】この請求項12の発明では、キャップまた
はベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲ
ン化処理した後、不活性ガスの雰囲気中で接合すること
により、接合部分の酸化が防止でき接合強度が向上す
る。
【0042】請求項13の発明は、請求項8〜12のい
ずれかに記載の構成において、大気圧またはその近傍の
圧力下において前記接合を行う圧電振動素子封止方法で
ある。
【0043】この請求項13の発明では、キャップまた
はベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲ
ン化処理した後、大気圧またはその近傍の圧力下におい
て接合することにより、真空チャンバや真空ポンプなど
の高価な設備が不要となる。請求項14の発明は、請求
項8〜11のいずれかに記載の構成において、真空中で
前記接合を行う圧電振動素子封止方法である。
【0044】この請求項14の発明では、キャップまた
はベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲ
ン化処理した後、真空中で接合することにより、接合部
分の酸化が防止でき接合強度が向上する。
【0045】請求項15の発明は、請求項8〜14のい
ずれかに記載の構成において、少なくとも前記接合部に
電界を作用させて前記接合を行う圧電振動素子封止方法
である。
【0046】この請求項15の発明では、キャップまた
はベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲ
ン化処理した後、少なくともキャップとベースとの接合
部に電界を作用させて接合することにより、接合部にイ
オンとして存在しているハロゲンが電界によって強制的
に移動させられるため、接合強度が高まる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面に基づいて説明する。
【0048】図1(a)は、本発明の圧電振動子の実施
形態を示す断面側面図、同図(b)は、その底面図であ
る。
【0049】この圧電振動子50Aは、ベース51とキ
ャップ55とで形成される容器50a内に音叉形の水晶
振動素子である圧電振動素子54が封入されている。ベ
ース51の金属外環52には、一対のリード53が例え
ばガラスなどの絶縁材を介して気密性を保って貫通保持
されている。ベース51の金属外環52とリード53の
材料としては、例えば主な組成がFe、Ni、Coで成
る合金であるコバールが用いられる。金属外環52とリ
ード53との間の気密を保つガラスの材料としては、熱
膨張係数が約4×10-6〜6×10-6/°Cとコバール
に近い例えばコバールガラスが用いられる。そして、一
対のリード53のインナーリード53aには、圧電振動
素子54が例えば半田、あるいは導電性接着剤などによ
りマウントされており、圧電振動素子54の表面に設け
られた図示しない電極と一対のリード53とが機械的に
固定され、かつ電気的に接続されている。そして、圧電
振動素子54がキャップ55内に収納され、キャップ5
5の開放端部の内周部とベース51の金属外環52の外
周部とが接合されている。キャップ55の材料として
は、例えば主な組成がCu、Ni、Znで成る合金であ
る洋白が用いられる。ここで、封止前のキャップ55の
内周形状およびベース51の外周形状は、図2に示すよ
うに楕円形であり、圧入代は長軸部分が最小(e)、短
軸部分が最大(f)で、長軸から短軸にかけて単調に増
加するように設定されている。そして、キャップ55の
内周形状およびベース51の外周形状は、各々長軸、短
軸に対して線対称である。これにより、短軸側も十分加
圧されて密着性が向上し、全周に渡り良好な接合が得ら
れる。従って、小型薄型であり、良好な封止性、信頼性
を有する品質の良い圧電振動子50Aとすることができ
る。そして、内蔵する圧電振動素子54は従来のサイズ
のものがそのまま使用できるので、圧電振動素子54の
加工コストもアップしない圧電振動子50Aとすること
ができる。
【0050】そして、金属外環52の外周面には、キャ
ップ55との接合のために半田で成る軟金属層57がメ
ッキ形成されている。このようにベース51の金属外環
52の外周面上の接合部分に半田をメッキすることによ
り、ベース51の外周面およびキャップ55の内周面の
微細な凹凸が埋められ、接合部が隙間なく接触するの
で、ベース51とキャップ55との接合が容易になり、
容器50aの封止性が向上し、圧電振動子50Aの品質
や信頼性が向上する。尚、軟金属層57は、キャップ5
5の内周面に形成してもよく、少なくともいずれか一方
の接合部に形成されていればよい。
【0051】そして、キャップ55の表面全体には、N
iで成る金属層56がメッキ形成され、さらにベース5
1との接合のためにハロゲン化処理されている。尚、ハ
ロゲン化処理は、ベース51の表面全体に施してもよ
く、少なくともいずれか一方の接合部が処理されていれ
ばよい。ここで、ハロゲン化処理によるベース51とキ
ャップ55との接合メカニズムについて説明すると、キ
ャップ55の表面部のハロゲンと結合している原子が、
ベース51と接触することによりハロゲンとの結合が切
れ、ベース51の原子と結合することにより接合が行わ
れる。そして、結合が切れたハロゲンは、ハロゲンを取
り込みやすい方の部材、即ちキャップ55、あるいはベ
ース51の内部に拡散して行く。このように、ハロゲン
化処理を行うだけでキャップ55とベース51が原子レ
ベルで接合されるので、容器50aの封止性が向上し、
圧電振動子50Aの信頼性や品質を高めることができ
る。また、部品としてのキャップ55およびベース51
は、従来の圧入封止形の圧電振動子10Aと同一のもの
が使用できるので、部品のコストアップもない。さら
に、ハロゲン化処理の工程も簡便であり、封止工程は従
来の圧入封止形の圧電振動子10Aと同一であるため、
製造も容易で量産性も高く、従来設備がそのまま使用で
きるので、製造のコストアップもない。
【0052】このような構成において、その製造方法を
説明する。
【0053】先ず、金属層56がメッキ形成されたキャ
ップ55の表面全体をハロゲン化処理、例えばフッ化処
理する。このフッ化処理においては、少なくともキャッ
プ55とベース51との接合部分の表面がフッ化されれ
ばよいが、ここでは工程を簡便化するために、図3に示
すように、処理チャンバ100内に複数のキャップ55
をまとめて入れて、フッ化水素(HF)ガスと水蒸気
(H2O)との混合ガス101を供給し、一括してキャ
ップ55の表面全体にフッ素(F)を添加処理してい
る。ここで、フッ化処理について説明すると、キャップ
55がHFガスとH2Oとの混合ガス101にさらされ
ると、HFとH2Oとがキャップ55の表面において次
式(1)の反応を生じる。
【0054】 HF+H2O→(H3O)+ +F- ・・・(1) そして、フッ素イオン(F-)がキャップ55と反応
し、キャップ55の表面がフッ化される。キャップ55
の表面が自然酸化膜によって覆われている場合、この酸
化膜の酸素(O2 )とF- との置換反応が生じて表面が
フッ化され、またはFとO2 の混合した組成を有する表
面が形成される。
【0055】次に、図4に示すように、フッ化処理され
たキャップ55と、圧電振動素子54をマウントしたベ
ース51とを組合わせて真空引き可能なチャンバ内にセ
ットし、チャンバ内を真空引きするとともに、金属外環
52の外周面にメッキされている軟金属層57の融点以
下に加熱し、さらにキャップ55とベース51との接合
部に電界を作用させる。その後、チャンバ内のプレス機
によってキャップ55とベース51とを圧入する。この
とき、先述した圧入代によってベース51の金属外環5
2がキャップ55の締め付け応力によって加圧され、ベ
ース51とキャップ55とが加圧接触し、ベース51と
キャップ55とが接合されて、圧電振動素子54が気密
に封止される。以上により、図1に示すような圧電振動
子50Aが完成する。
【0056】尚、上述した製造方法においては、封止の
際に加熱しているが、接合部を加熱すると接合の際の反
応を促進でき、短時間で接合が可能であるとともに、接
合強度を高めることができるからである。従って、加工
時間が短くて済むので、量産性が向上し、コストが安価
になる。加えて、封止性が向上し、品質や信頼性が向上
する。さらに、半田の融点以下で加熱を行っているの
で、半田が溶融することがなく、半田からのガス放出が
ない。よって、容器内部にガスが残留しないので、周波
数が変化したり、インピーダンスが過大となることがな
く、品質や信頼性が向上する。
【0057】また、圧入代を設定することにより封止の
際に接合部を加圧しているが、加圧して接合することに
より密着性が向上して、接合強度を更に大きくすること
ができるからである。従って、封止性が向上し、品質や
信頼性が向上する。また、特別な加圧手段が要らないた
め、製造が容易でコストアップもない。
【0058】そして、封止の際に真空にしているが、接
合部の酸化が防止でき、接合強度を高めることができる
からである。従って、封止性が向上し、品質や信頼性が
向上する。また、容器内部を必ずしも真空とする必要が
ない圧電振動素子を有する圧電振動子の場合は、チャン
バ内に不活性ガス、例えば窒素(N2 )を大気圧または
大気圧近傍の圧力下で充填して封止するようにしてもよ
く、その場合は真空チャンバや真空ポンプなどの高価な
設備を必要としないので、コストを低減させることがで
きる。
【0059】また、封止の際に電界を作用させている
が、接合部にイオンとして存在しているフッ素が電界に
よって強制的に移動させられるため、接合強度の向上を
図ることができるからである。従って、封止性が向上
し、品質や信頼性が向上する。
【0060】図5(a)は、本発明の圧電振動子の別の
実施形態を示す断面側面図、同図(b)は、その底面図
であり、図1の圧電振動子の実施形態と同一構成個所は
同一番号を付して説明を省略する。
【0061】この圧電振動子60Aは、ベース61とキ
ャップ65とで形成される容器60a内に矩形薄板状の
ATカット水晶振動素子である圧電振動素子64が封入
されている。封止前のキャップ65の内周形状およびベ
ース61の外周形状は、図6に示すように略楕円形であ
り、圧入代は長軸部分が最小(g)、短軸部分が最大
(h)で、長軸から短軸にかけて単調に増加するように
設定されている。そして、キャップの内周形状およびベ
ースの外周形状は、各々長軸、短軸に対して線対称であ
る。この略楕円は、第1の曲率半径(R1、R3)を有
する大円弧と、第1の曲率半径より小さい曲率半径(R
2、R4)を有する小円弧とからなり、大円弧および小
円弧は各々2個であって大円弧と小円弧が交互に配置さ
れており、大円弧と小円弧の接続点(S1、S2)にお
いて、大円弧部分の接線と小円弧部分の接線が一致(M
1、M2)した形状である。
【0062】このように略楕円形とすることにより、図
7の破線で示す楕円形の場合に比較して、容器60aの
内部の厚み方向のスペースがより大きく(b>a)確保
でき、例えば圧電振動素子64の長さが長い場合におい
ては、圧電振動素子64を破損しにくくすることがで
き、有効である。つまり、封止時にキャップ65を被せ
る際の、マウント精度の厚み方向のバラツキによる破損
をしにくく、また封止後の製品の落下時に圧電振動素子
64がたわんで、キャップ65内壁への衝突による破損
をしにくくすることができる。従って、封止の際の組み
立てが容易であり、歩留まりが良くなり、かつ品質の良
い圧電振動子が得られる。そして、圧入代を長軸から短
軸にかけて単調に増加するように設定したので、封止時
に短軸側も密着性が向上し、全周に渡り良好な接合が得
られる。従って、本実施形態のように断面が略楕円型で
あっても、良好な封止性、信頼性を有する品質の良い、
薄型の圧電振動子60Aを得ることができる。そして、
内蔵する圧電振動素子64は従来のサイズのものがその
まま使用でき、加工コストもアップしない。
【0063】このような構成において、その製造方法を
説明する。
【0064】図1に示す圧電振動子50Aと同様の工程
で、フッ化処理したキャップ65と、圧電振動素子64
をマウントしたベース61とを組合わせて圧入する。こ
のとき、先述した圧入代によってベース61の金属外環
62がキャップ65の締め付け応力によって加圧され、
ベース61とキャップ65とが加圧接触し、ベース61
とキャップ65とが接合されて、圧電振動素子64が気
密に封止される。以上により、図5に示すような圧電振
動子60Aが完成する。
【0065】以上の各実施形態では、ハロゲン化処理と
してHFガスを用いてフッ化処理をする場合について説
明したが、フッ酸を塗布したり、フッ酸に浸漬してフッ
化処理を行っても良い。また、ハロゲンとしてはフッ素
に限らず、接合する相手の相性や表面状態により、塩素
やヨウ素、臭素であってもよい。
【0066】また、接合部の軟金属層が半田メッキであ
る場合について説明したが、軟金属層としてインジウム
またはインジウム合金(例えば50Sn/50In,融
点117°C〜125°C)を用いても同様の効果が得
られると共に、鉛レスによる鉛汚染を防止することがで
きる。また、これらの軟金属層は、特に形成しなくても
よく、その場合は金属汚染を防止することができる。
【0067】そして、封止時における接合部への加圧は
圧入代によって行われる場合について説明したが、例え
ば、かしめ等による加圧手段を用いてもよい。
【0068】さらに、不活性ガスとしてN2 ガスを用い
た場合について説明したが、不活性ガスはヘリウムやネ
オン、あるいはアルゴンなどの希ガスであってもよい。
【0069】
【実施例】上述した各実施形態の圧電振動子と従来の圧
電振動子とを製造して、それらの封止性能について調べ
た。
【0070】図1に示す圧電振動子50Aおよび図5に
示す圧電振動子60Aを以下の各種条件で製造した。
【0071】 容器50a、60a ベース51、61の金属外環52、62の材料:コバール ベース51、61の長軸長さおよび短軸長さ:約1.8mmと約0.8mm 約2.6mmと約1.1mm ベース51、61の長軸−短軸の片側圧入代: 0.005mm−0.01mm 0.010mm−0.06mm 0.015mm−0.04mm ベース51、61の金属外環52、62の軟金属層57の材料: 共晶半田(Sn:63%、Pb:37%、融点:183°C) 高融点半田(Pb:90%〜95%、残:Sn、融点:280° C〜310°C) キャップ55、65の材料:洋白 キャップ55、65の厚さ:0.1mm〜0.15mm キャップ55、65のメッキ層56の材料:Ni キャップ55、65のメッキ層56の厚さ:2μm〜10μm ハロゲン化条件 混合ガス101の成分:フッ化水素(HF)ガスと水蒸気(H2O)(HFガ ス濃度:1%、湿度:20%) ハロゲン化時間:1分間 封止条件 図1の圧電振動子50Aの場合のチャンバ内の真空度:5×10-5Torr 図5の圧電振動子60Aの場合のチャンバ内の雰囲気:N2 チャンバ内の加熱温度:軟金属層57が共晶半田のときは150°C 軟金属層57が高融点半田のときは220°C チャンバ内の加熱時間:45分 10分 以上の各種条件で製造した圧電振動子50A、60Aと
従来の圧電振動子をグロスリークおよびファインリーク
によりリーク検査した。グロスリークは、圧電振動子を
125°Cに加熱したパーフルオロカーボン液中に浸
し、圧電振動子からの気泡の漏れの有無によりリーク検
査する方法であり、この検査にパスすることにより1×
10-5atm・cc/sec以下であることが保証され
る。また、ファインリークは、圧電振動子をヘリウム
(He)雰囲気中の加圧下に置き、その後に圧電振動子
を減圧下に置き、圧電振動子からのHeの有無をHe検
出装置(質量分析装置)により調べてリーク検査する方
法であり、この検査にパスすることにより1×10-9
tm・cc/sec以下であることが保証される。
【0072】この結果、単なる楕円圧入方式の圧電振動
子は、約20%がグロスリークにパスせず、残りの約4
0%がファインリークにパスしなかったが、各種条件で
製造した圧電振動子50A、60Aは、全数が上記リー
ク検査にパスした。
【0073】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、キャップ
またはベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハ
ロゲン化処理した後、両者を接触させて接合し気密に封
止することにより、キャップとベースが原子レベルで接
合されるので封止が確実になり、封止性が向上する。従
って、圧電振動子の信頼性や品質が向上するという効果
を有する。また、ハロゲン化処理の工程も簡便であり、
封止工程は従来と同一であるため、製造も容易で量産性
が良いという効果も有する。更に、従来の部品および設
備がそのまま使用できるので、コストアップもしないと
いう効果も有する。
【0074】請求項2記載の発明によれば、キャップま
たはベースの少なくとも一方の接合部に軟金属層をメッ
キにより設けて接合することにより、ベース外周面およ
びキャップ内周面の微細な凹凸が埋められ、接合部が隙
間なく接触するので、容易に接合が可能になるという効
果を有する。
【0075】請求項3記載の発明によれば、キャップま
たはベースの少なくとも一方の接合部の軟金属層を半田
またはインジウムまたはインジウム合金にし、キャップ
またはベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハ
ロゲン化処理した後、接合することにより、容易に接合
が可能になるという効果を有する。加えて、軟金属に鉛
を含有しないインジウムまたはインジウム合金を用いれ
ば、鉛レスとすることができ、鉛汚染を防止するという
効果も有する。
【0076】請求項4記載の発明によれば、キャップと
接触する部分において、長手軸に直交する断面の外周形
状が楕円または略楕円の柱形状であるベース、または、
ベースと接触する部分において、長手軸に直交する断面
の内周形状がベースの断面の外周形状より小さい楕円ま
たは略楕円であり、一端が閉ざされ他端が開放されてい
る筒形状であるキャップの少なくとも一方の少なくとも
接合部をハロゲン化処理した後、接合することにより、
良好な封止性、信頼性を有する品質の良い、薄型の圧電
振動子を得ることができるという効果を有する。そし
て、内蔵する圧電振動素子は従来のサイズのものがその
まま使用できるので、圧電振動素子の加工コストもアッ
プしない。従って、安価な圧電振動子を得ることができ
るという効果も有する。
【0077】請求項5記載の発明によれば、キャップの
内周形状およびベースの外周形状は楕円であり、圧入代
は長軸から短軸にかけて単調に増加しており、キャップ
またはベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハ
ロゲン化処理した後、接合することにより、ベースにキ
ャップを嵌め込むだけで加圧でき、特別な加圧手段が要
らないため、製造が容易でコストアップしないという効
果を有する。そして、短軸側も十分加圧されて密着性が
向上し、全周に渡り良好な接合が得られる。従って、良
好な封止性、信頼性を有する、安価で品質の良い、薄型
の圧電振動子を得られるという効果を有する。
【0078】請求項6記載の発明によれば、キャップの
内周形状およびベースの外周形状は略楕円であり、第1
の曲率半径を有する大円弧と、前記第1の曲率半径より
小さい曲率半径を有する小円弧とからなり、前記大円弧
および小円弧は各々2個であって前記大円弧と小円弧が
交互に配置されており、前記大円弧と前記小円弧の接続
点において、大円弧部分の接線と小円弧部分の接線が一
致し、圧入代は長軸から短軸にかけて単調に増加してお
り、キャップまたはベースの少なくとも一方の少なくと
も接合部をハロゲン化処理した後、接合することによ
り、ベースにキャップを嵌め込むだけで加圧でき、特別
な加圧手段が要らないため、製造が容易でコストアップ
しないという効果を有する。そして、短軸側も十分加圧
されて密着性が向上し、全周に渡り良好な接合が得られ
る。更に、内部スペースが厚み方向に大きいため、封止
時にキャップを被せる際に圧電振動素子が破損しにく
く、従って歩留まりが向上する。また、落下時に圧電振
動素子のキャップ内壁への衝突による破損をしにくくす
ることができ、よって品質が向上する。従って、良好な
封止性、信頼性を有する、安価で品質の良い、薄型の圧
電振動子を得ることができるという効果を有する。
【0079】請求項7記載の発明によれば、キャップま
たはベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロ
ゲン化処理した後、両者を接触させて接合し気密に封止
することにより、キャップとベースが原子レベルで接合
されるので封止が確実になり、封止性が向上する。従っ
て、容器の信頼性や品質が向上するという効果を有す
る。
【0080】請求項8記載の発明によれば、キャップま
たはベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロ
ゲン化処理した後、両者を接触させて接合し気密に封止
することにより、キャップとベースが原子レベルで接合
されるので封止が確実になり、封止性が向上する。従っ
て、圧電振動子の信頼性や品質が向上するという効果を
有する。また、ハロゲン化処理の工程も簡便であり、封
止工程は従来と同一であるため、製造も容易で量産性が
良いという効果も有する。更に、従来の部品および設備
がそのまま使用できるので、コストアップもしないとい
う効果も有する。
【0081】請求項9記載の発明によれば、キャップま
たはベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロ
ゲン化処理した後、キャップおよびベースの融点以下に
加熱して接合をすることにより、接合の際の反応を促進
でき短時間で接合が可能になるとともに、接合強度を高
めることができる。従って、加工時間が短くて済むの
で、量産性が向上し、コストが安価になるという効果を
有する。加えて、封止性が向上し、圧電振動子の品質や
信頼性が向上するという効果を有する。
【0082】請求項10記載の発明によれば、キャップ
またはベースの少なくとも一方の接合部に軟金属層をメ
ッキにより設けるとともに、キャップまたはベースの少
なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲン化処理した
後、少なくとも接合部を軟金属層の融点以下に加熱して
接合することにより、ベース外周面およびキャップ内周
面の微細な凹凸が埋められ、接合部が隙間なく接触する
ので、容易に接合が可能になるという効果を有する。更
に、軟金属層の融点以下で加熱したので、軟金属層が溶
融することがなく、軟金属層からのガス放出がない。よ
って、容器内部にガスが残留しないので、周波数が変化
したり、インピーダンスが過大となることがない。従っ
て、圧電振動子の品質や信頼性が向上するという効果を
有する。請求項11記載の発明によれば、キャップまた
はベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲ
ン化処理した後、少なくともキャップとベースとの接合
部を加圧して接合することにより、密着性が向上して接
合強度を大きくすることができる。従って、封止性が向
上し、圧電振動子の品質や信頼性が向上するという効果
を有する。
【0083】請求項12記載の発明によれば、キャップ
またはベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハ
ロゲン化処理した後、不活性ガスの雰囲気中で接合する
ことにより、接合部分の酸化が防止でき接合強度の向上
が図れるので、封止性が向上する。従って、圧電振動子
の品質や信頼性が向上するという効果を有する。
【0084】請求項13記載の発明によれば、キャップ
またはベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハ
ロゲン化処理した後、大気圧またはその近傍の圧力下に
おいて接合することにより、真空チャンバや真空ポンプ
などの高価な設備を必要とせず、コストを低減させるこ
とができる。従って、安価な圧電振動子を得られるとい
う効果を有する。
【0085】請求項14記載の発明によれば、キャップ
またはベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハ
ロゲン化処理した後、真空中で接合することにより、接
合部分の酸化が防止でき接合強度が向上し、封止性が向
上する。従って、圧電振動子の品質や信頼性が向上する
という効果を有する。
【0086】請求項15記載の発明によれば、キャップ
またはベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハ
ロゲン化処理した後、少なくともキャップとベースとの
接合部に電界を作用させて接合することにより、接合部
にイオンとして存在しているハロゲンが電界によって強
制的に移動させられるため、接合強度の向上を図ること
ができる。従って、封止性が向上し、圧電振動子の品質
や信頼性が向上するという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の圧電振動子の実施形態を示す構造
図。(a)は、断面側面図。(b)は、底面図。
【図2】 図1の圧電振動子のベース外周形状とキャッ
プ内周形状および圧入代の説明図。
【図3】 図1の圧電振動子に係るハロゲン化処理の一
例を示す図。
【図4】 図1の圧電振動子の封止前を示す断面図。
(a)は、正面断面図。(b)は、側面断面図。
【図5】 本発明の圧電振動子の別の実施形態を示す構
造図。(a)は、断面側面図。(b)は、底面図。
【図6】 図5の圧電振動子のベース外周形状とキャッ
プ内周形状および圧入代の説明図。
【図7】 図1の圧電振動子と図5の圧電振動子の内部
スペースを比較した断面図。
【図8】 従来の圧電振動子の封止前を示す断面図。
(a)は、断面側面図。(b)は、A−A矢視図。
【図9】 図8の圧電振動子の封止後を示す断面図。
(a)は、断面側面図。(b)は、A−A矢視図。
【図10】 図8の圧電振動子の基板実装状態を示す
図。(a)は、正面図。(b)は、側面図。
【図11】 従来の別の圧電振動子を示す構造図。
(a)は、側面図。(b)は、底面図。
【図12】 従来のさらに別の圧電振動子を示す構造
図。(a)は、側面図。(b)は、底面図。
【図13】 図11の圧電振動子の基板実装状態を示す
図。(a)は、正面図。(b)は、側面図。
【図14】 図12の圧電振動子の基板実装状態を示す
図。(a)は、正面図。(b)は、側面図。
【図15】 従来の別の圧電振動子を示す構造図。
(a)は、正面図。(b)は、側面図。
【図16】 従来のさらに別の圧電振動子を示す構造
図。(a)は、正面図。(b)は、側面図。
【図17】 図11の圧電振動子のベースが受ける応力
分布状態図。
【符号の説明】
50A、60A 圧電振動子 50a、60a 容器 51、61 ベース 52 金属外環 53 リード 53a インナーリード 54、64 圧電振動素子 55、65 キャップ 56 金属層 57 軟金属層 9 プリント回路基板 100 ハロゲン化処理チャンバ 101 混合ガス
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年5月7日(1999.5.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】この圧電振動子50Aは、ベース51とキ
ャップ55とで形成される容器50a内に音叉形の水晶
振動素子である圧電振動素子54が封入されている。ベ
ース51の金属外環52には、一対のリード53が例え
ばガラスなどの絶縁材を介して気密性を保って貫通保持
されている。ベース51の金属外環52とリード53の
材料としては、例えば主な組成が鉄(Fe)、ニッケル
(Ni)、コバルト(Co)で成る合金であるコバール
が用いられる。金属外環52とリード53との間の気密
を保つガラスの材料としては、熱膨張係数が約4×10
-6〜6×10-6/°Cとコバールに近い例えばコバール
ガラスが用いられる。そして、一対のリード53のイン
ナーリード53aには、圧電振動素子54が例えば半
田、あるいは導電性接着剤などによりマウントされてお
り、圧電振動素子54の表面に設けられた図示しない電
極と一対のリード53とが機械的に固定され、かつ電気
的に接続されている。そして、圧電振動素子54がキャ
ップ55内に収納され、キャップ55の開放端部の内周
部とベース51の金属外環52の外周部とが接合されて
いる。キャップ55の材料としては、例えば主な組成が
銅(Cu)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)で成る合
金である洋白が用いられる。ここで、封止前のキャップ
55の内周形状およびベース51の外周形状は、図2に
示すように楕円形であり、圧入代は長軸部分が最小
(e)、短軸部分が最大(f)で、長軸から短軸にかけ
て単調に増加するように設定されている。そして、キャ
ップ55の内周形状およびベース51の外周形状は、各
々長軸、短軸に対して線対称である。これにより、短軸
側も十分加圧されて密着性が向上し、全周に渡り良好な
接合が得られる。従って、小型薄型であり、良好な封止
性、信頼性を有する品質の良い圧電振動子50Aとする
ことができる。そして、内蔵する圧電振動素子54は従
来のサイズのものがそのまま使用できるので、圧電振動
素子54の加工コストもアップしない圧電振動子50A
とすることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正内容】
【0071】 容器50a、60a ベース51、61の金属外環52、62の材料:コバール ベース51、61の長軸長さおよび短軸長さ:約1.8mmと約0.8mm 約2.6mmと約1.1mm ベース51、61の長軸−短軸の片側圧入代: 0.005mm−0.01mm 0.010mm−0.06mm 0.015mm−0.04mm ベース51、61の金属外環52、62の軟金属層57の材料: 共晶半田(Sn:63%、Pb:37%、融点:183°C) 高融点半田(Pb:90%〜95%、残:Sn、融点:280° C〜310°C) キャップ55、65の材料:洋白 キャップ55、65の板厚:0.1mm〜0.15mm キャップ55、65のメッキ層56の材料:Ni キャップ55、65のメッキ層56の厚さ:2μm〜10μm ハロゲン化条件 混合ガス101の成分:フッ化水素(HF)ガスと水蒸気(H2O)(HFガ ス濃度:1%、湿度:20%) ハロゲン化時間:1分間 封止条件 図1の圧電振動子50Aの場合のチャンバ内の真空度:5×10-5Torr 図5の圧電振動子60Aの場合のチャンバ内の雰囲気:N2 チャンバ内の加熱温度:軟金属層57が共晶半田のときは150°C 軟金属層57が高融点半田のときは220°C チャンバ内の加熱時間:45分 10分 以上の各種条件で製造した圧電振動子50A、60Aと
従来の圧電振動子をグロスリークおよびファインリーク
によりリーク検査した。グロスリークは、圧電振動子を
125°Cに加熱したパーフルオロカーボン液中に浸
し、圧電振動子からの気泡の漏れの有無によりリーク検
査する方法であり、この検査にパスすることにより1×
10-5atm・cc/sec以下であることが保証され
る。また、ファインリークは、圧電振動子をヘリウム
(He)雰囲気中の加圧下に置き、その後に圧電振動子
を減圧下に置き、圧電振動子からのHeの有無をHe検
出装置(質量分析装置)により調べてリーク検査する方
法であり、この検査にパスすることにより1×10-9a
tm・cc/sec以下であることが保証される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年8月30日(1999.8.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 圧電振動子、圧電振動素子封止用容器
および圧電振動素子封止方法
【特許請求の範囲】
【請求項13】 少なくとも前記接合部を加圧して前記
接合を行う請求項8〜12のいずれかに記載の圧電振動
素子封止方法。
【請求項14】 不活性ガスの雰囲気中で前記接合を行
う請求項8〜13のいずれかに記載の圧電振動素子封止
方法。
【請求項15】 大気圧またはその近傍の圧力下におい
て前記接合を行う請求項8〜14のいずれかに記載の圧
電振動素子封止方法。
【請求項16】 真空中で前記接合を行う請求項8〜
のいずれかに記載の圧電振動素子封止方法。
【請求項17】 少なくとも前記接合部に電界を作用さ
せて前記接合を行う請求項8〜16のいずれかに記載の
圧電振動素子封止方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電振動素子を内
蔵した圧電振動子、圧電振動素子を封止するのに用いる
容器および圧電振動素子を封止する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】圧電振動素子を気密に封止した圧電振動
子は、圧電振動素子と、圧電振動素子を保持するベース
およびベースに被せるキャップで成る容器等とから構成
され、ベースとキャップとの封止の方式の違いにより圧
入封止形、溶接封止形、あるいはガラスやろう材などの
シール材を介して融着接合したもの等が公知である。
【0003】圧入封止形の圧電振動子は、圧電振動素子
をマウントしたベースとキャップとを組合わせて圧入す
るだけで容器内部の気密性が保持できるため、封止が簡
便であり、また圧電振動素子をマウントしたベースとキ
ャップとを治具の上下にマトリクス状に複数セットして
プレスすることによって一度に多数個封止できるため、
加工時間が短時間となって量産性が非常に高くなり、生
産コストが安価となる。しかも、例えば絞り加工によっ
て作られる主に金属製のキャップやベースは、部品コス
トが安価である。このように圧入封止形の圧電振動子
は、複数の長所を有しているため、現在広く用いられて
いる。
【0004】図8(a)は、従来の圧入封止形の圧電振
動子の一例を示す分解断面側面図、同図(b)は、その
A−A矢視図であり、図9(a)は、図8の圧電振動子
の組立断面側面図、同図(b)は、そのA−A矢視図で
ある。図8(a)に示すように、この圧電振動子1Aの
容器1aを構成するベース1の金属外環2には、一対の
リード3が例えばガラスなどの絶縁材を介して気密性を
保って貫通保持されている。そして、一対のリード3の
インナーリード3aには、圧電振動素子4がマウントさ
れており、圧電振動素子4の表面に設けられた図示しな
い電極と一対のリード3とが機械的に固定され、かつ電
気的に接続されている。また、容器1aを構成する例え
ば銅(Cu)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)合金で
ある洋白から成るキャップ5には、例えばNiで成る金
属層6がメッキ形成されている。さらに、ベース1の金
属外環2の外周面あるいはキャップ5の内周面(この例
ではベース1の金属外環2の外周面)には、例えば半田
で成る軟金属層7がメッキ形成されている。そして、図
8(b)に示すように、キャップ5の内周形状(同図破
線)は、ベース1の外周形状より若干小さく形成されて
おり、キャップ5の内周とベース1の外周とのギャップ
分dが所謂圧入代となっている。
【0005】このような構成において、ベース1にキャ
ップ5を押し込むと、図9(a)に示すように、圧入代
dの分だけキャップ5が外側に押し広げられるので、図
9(b)に示すように、ベース1はキャップ5のバネ性
による図示矢印aで示す内側方向に働く応力により締め
付けられる。そして、この締め付け応力により、軟金属
層7は潰されてベース1とキャップ5との間の微細な隙
間を埋めるので、ベース1とキャップ5との間が密封さ
れ、圧電振動素子4が気密に封止される。このようにし
て作成された圧電振動子1Aは、図10に示すようにし
てプリント回路基板9に実装される。
【0006】ここで、圧入封止形の圧電振動子1Aの容
器1aの断面形状は従来より円形であるが、これはキャ
ップ5やベース1といった部品を簡易に精度良く作成す
ることができるからである。また、圧入代を全周にわた
って一定にとれば、図9(b)に示すように、圧入によ
り発生する応力分布が全周にわたり均一となり、封止性
を安定させることができ、さらに圧入代の設定も容易と
なるからである。
【0007】ところで、近年、HDD(ハード・ディス
ク・ドライブ)や携帯用のコンピュータ等の情報機器に
おいて、あるいは携帯電話や自動車電話等の移動通信機
器において小型薄型化がめざましく、それらの電子機器
に用いられる圧電振動子も小型薄型化が要求されてい
る。上述した断面が円形の圧入封止形の圧電振動子1A
は、量産性やコストに大きな利点を有しているが、容器
1aの直径が約φ3mmと大型で図10に示すプリント
回路基板9の表面からの実装高さh0が高くなるため、
小型薄型の電子機器への搭載が非常に困難になってい
る。
【0008】この小型薄型化の要求に対応した形態の圧
電振動子の容器としては、内蔵する圧電振動素子をシュ
リンクして、容器の直径を小さくしたものが提案されて
いる。従来の圧電振動素子の幅寸法は1.8mm〜2.
0mmであるため、容器の直径は約φ3mmと大きい
が、圧電振動素子の幅寸法を0.5mm〜0.7mmと
すると、容器の直径を約φ1.5mmまで小さくするこ
とができる。しかしながら、水晶等の圧電振動素子をこ
のように小型化して、かつ特性を維持するためには、高
精度な設計や加工技術が必要となるので、加工が困難で
コストアップとなり、あまり実用的ではない。
【0009】そこで、小型薄型化の要求に対応した別の
形態の圧電振動子の容器としては、断面形状を例えば図
11(b)に示すような楕円形や図12(b)に示すよ
うな長円形として、圧電振動素子14、24の収納部分
の容積効率を上げ、図13や図14に示すようにプリン
ト回路基板9の表面からの実装高さh1,h2を図10
に示すプリント回路基板9の表面からの実装高さh0よ
り低くしたものが提案されている。即ち、図11に示す
実開平2−55727号公報に開示されている圧電振動
子10Aの容器10aは、断面が楕円形の圧入封止形容
器であり、断面が楕円形のベース11と断面が楕円形の
キャップ15の封止部には所定の圧入代が設けられ、ベ
ース11にリード13を介して圧電振動素子14を保持
させ、ベース11をキャップ15に圧入して封止するも
のである。また、図12に示す特開平3−220910
号公報に開示されている圧電振動子20Aの容器20a
は、断面が長円形の溶接封止形容器であり、断面が長円
形のベース21にリード23を介して圧電振動素子24
を保持させ、ベース21の金属外環部と断面が長円形の
キャップ25の開口部側先端近傍とを例えばレーザー溶
接やシーム溶接等により溶接して封止するものである。
【0010】また、小型薄型化の要求に対応したさらに
別の形態の圧電振動子の容器には絶縁性基板を使用する
ものがあり、絶縁性基板としては主にアルミナ製のセラ
ミックで成る矩形状箱形のものが広く用いられている。
例えば図15に示すように、単板のセラミック基板をベ
ース31とし、あるいは図16に示すように、積層して
キャビティ部を形成したセラミック基板をベース41と
し、図示しない金属厚膜の導電パターンをベース31上
に形成し、あるいはベース41のキャビティ内から裏面
まで伸びた形で形成する。そして、ベース31上、ある
いはベース41のキャビティ内の所定の位置に圧電振動
素子34、44をマウントし、ガラスやろう材等のシー
ル材を介して金属製またはセラミック製のキャップ35
を被せ、シール材を加熱、融着させてベース31とキャ
ップ35とを接合して封止し、あるいは金属製のキャッ
プ45を被せてベース41とキャップ45とを例えばシ
ーム溶接や電子ビーム溶接等により溶接して封止した圧
電振動子30A、40Aがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した断面を楕円形
や長円形などの偏平形状に形成した容器10a、20a
を有する圧電振動子10A、20Aによれば、基板実装
高さh1、h2を低くでき、かつ内蔵する圧電振動素子
14、24のサイズを変更することなくそのまま使用で
きるので、従来のコストで圧電振動素子14、24を製
造することができるという利点を有している。
【0012】しかしながら、断面が楕円形の圧入封止形
の圧電振動子10Aの圧入による締め付け応力の分布
は、図17の実線矢印aで示すように、短軸側が小さく
なるため短軸側で気密漏れが発生する場合があり、また
長軸側が過大になるためベース11の絶縁ガラスにクラ
ックが入って気密漏れが発生する場合があるという不具
合がある。また、圧入によるキャップ15に働く引張応
力は、同図の破線矢印bで示すように、長軸側が過大に
なるためキャップ15が破断して気密漏れが発生する場
合があるという不具合がある。そして、気密漏れが発生
すると、吸湿や酸化により内部の圧電振動素子14が劣
化し、周波数が変化したり、インピーダンスが過大とな
って不発振になってしまうという問題が起きる。また、
応力分布が周位置で均一ではないため、圧入代の設定は
非常に難しく、気密漏れを発生させずに圧入のみで封止
を完成させることは困難であった。
【0013】一方、断面が長円形の溶接封止形の圧電振
動子20Aは、溶接により封止を完成するので気密漏れ
は発生しないが、封止時にベース21とキャップ25を
組合わせた後、1個ずつ回転させて全周を溶接しなけれ
ばならないため、加工時間が長く量産性に劣るという問
題がある。また、溶接を行うための設備は非常に高価で
あり、コストを安価に抑えられないという問題もある。
また、溶接時に溶融した金属から放出されたガスが容器
20aの内部に残留し、そのガスにより圧電振動素子2
4の周波数が変化したり、インピーダンスが高くなって
しまうという不具合もある。
【0014】また、セラミック製の絶縁性基板を用いた
シール材の融着接合封止形、あるいは溶接封止形の圧電
振動子30A、40Aは、基板実装高さを低くできる
が、セラミック製の絶縁性基板のコストが、先述した断
面が円形、楕円形の圧入封止形や、断面が長円形の溶接
封止形の圧電振動子1A、10A、20Aに使用される
筒状金属製のベース1、11、21やキャップ5、1
5、25のコストに比較して高価であるという問題があ
る。
【0015】また、シール材の融着接合封止形の圧電振
動子30Aは、シール材を約300°C以上に加熱して
融着させるため、容器内に収納されている圧電振動素子
34も加熱されて周波数が変化してしまうという不具合
がある。さらに、シール材の加熱時にシール材から放出
されたガスが容器内部に残留し、そのガスにより圧電振
動素子34の周波数が変化したり、インピーダンスが高
くなってしまうという不具合もある。
【0016】溶接封止形の圧電振動子40Aは、シール
リングと呼ばれる金属製の接合部材をろう付けにより、
あるいはメタライジングと呼ばれる金属厚膜をスクリー
ン印刷、焼成することにより、例えばベース41側にあ
らかじめ取り付けておく必要があるため、部品コストは
更に高価となる。そして、封止時の溶接の加工時間が長
く、高価な設備も必要であるという問題もある。また、
溶接時に溶融した金属から放出されたガスが容器内部に
残留し、そのガスにより圧電振動素子44の周波数が変
化したり、インピーダンスが高くなってしまうという不
具合もある。
【0017】本発明の目的は、上記課題を解消して、小
型薄型であっても信頼性や品質に優れ、製造も容易であ
り、コストも安価である圧電振動素子を内蔵した圧電振
動子、圧電振動素子を封止するのに用いる容器および圧
電振動素子を封止する方法を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、圧電
振動素子と、前記圧電振動素子がマウントされるリード
と、前記リードが固定される柱状のベースと、一端が開
放され、他端が閉塞されており、内部に前記圧電振動素
子が収納されて前記開放端に前記ベースが接合される筒
状のキャップとを備え、前記圧電振動素子を気密に封止
した圧電振動子において、前記ベースまたは前記キャッ
プの少なくとも一方の少なくとも接合部が、ハロゲン化
処理され、前記ベースの融点もしくは前記キャップの融
点のうち低温の融点以下の温度にて、前記ベースの接合
部の原子と前記キャップの接合部の原子とが結合される
ことにより、前記ベースと前記キャップが接合されてい
ることを特徴とする圧電振動子である。
【0019】この請求項1の発明では、キャップまたは
ベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲン
化処理した後、両者を接触させてキャップおよびベース
の融点以下にて接合し気密に封止することにより、キャ
ップやベースが溶融することなく、キャップとベースが
原子レベルで接合されるので封止が確実になる。
【0020】請求項2の発明は、圧電振動素子と、前記
圧電振動素子がマウントされるリードと、前記リードが
固定される柱状のベースと、一端が開放され、他端が閉
塞されており、内部に前記圧電振動素子が収納されて前
記開放端に前記ベースが接合される筒状のキャップとを
備え、前記圧電振動素子を気密に封止した圧電振動子に
おいて、前記ベースまたは前記キャップの少なくとも一
方の少なくとも接合部が、軟金属層でメッキ処理され、
ハロゲン化処理され、前記軟金属層の融点以下の温度に
て、前記ベースの接合部の原子と前記キャップの接合部
の原子とが結合されることにより、前記ベースと前記キ
ャップが接合されていることを特徴とする圧電振動子で
ある。
【0021】この請求項2の発明では、請求項1の作用
に加え、キャップまたはベースの少なくとも一方の接合
部に軟金属層をメッキにより設けて接合することによ
り、ベース外周面およびキャップ内周面の微細な凹凸が
埋められ、接合部が隙間なく接触するので封止が確実に
なる。
【0022】請求項3の発明は、請求項2記載の構成に
おいて、前記軟金属層が、半田、インジウムまたはイン
ジウム合金である圧電振動子である。
【0023】この請求項3の発明では、キャップまたは
ベースの少なくとも一方の接合部の軟金属層を半田また
はインジウムまたはインジウム合金にし、キャップまた
はベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲ
ン化処理した後、接合することにより、接合が容易にな
る。
【0024】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かに記載の構成において、前記ベースの前記キャップと
の接触部分の長手軸に直交する断面の外周形状が、楕円
または略楕円であり、前記キャップの前記ベースとの接
触部分の長手軸に直交する断面の内周形状が、前記ベー
スの断面外周形状より小さい楕円または略楕円である圧
電振動子である。
【0025】この請求項4の発明では、キャップと接触
する部分において、長手軸に直交する断面の外周形状が
楕円または略楕円の柱形状であるベース、または、ベー
スと接触する部分において、長手軸に直交する断面の内
周形状がベースの断面の外周形状より小さい楕円または
略楕円であり、一端が閉ざされ他端が開放されている筒
形状であるキャップの少なくとも一方の少なくとも接合
部をハロゲン化処理した後、接合することにより、封止
性、信頼性が高まる。
【0026】請求項5の発明は、請求項4に記載の構成
において、前記接触部分の圧入代が、前記楕円の長軸部
分が最小であり、短軸部分が最大であり、前記長軸部分
から前記短軸部分にかけて単調に増加している圧電振動
子である。
【0027】この請求項5の発明では、キャップの内周
形状およびベースの外周形状は楕円であり、圧入代は長
軸から短軸にかけて単調に増加しており、キャップまた
はベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲ
ン化処理した後、接合することにより、ベースにキャッ
プを嵌め込むだけで加圧でき、製造が容易になる。
【0028】請求項6の発明は、請求項4に記載の構成
において、前記略楕円は、第1の曲率半径を有する大円
弧と、前記第1の曲率半径より小さい曲率半径を有する
小円弧が、交互にそれぞれ2個ずつ配置され、かつ前記
大円弧と前記小円弧の接続点における大円弧部分の接線
と小円弧部分の接線が一致するように接続された形状で
あり、前記接触部分の圧入代が、前記略楕円の長軸部分
が最小であり、短軸部分が最大であり、長軸部分から短
軸部分にかけて単調に増加している圧電振動子である。
【0029】この請求項6の発明では、キャップの内周
形状およびベースの外周形状は略楕円であり、第1の曲
率半径を有する大円弧と、前記第1の曲率半径より小さ
い曲率半径を有する小円弧とからなり、前記大円弧およ
び小円弧は各々2個であって前記大円弧と小円弧が交互
に配置されており、前記大円弧と前記小円弧の接続点に
おいて、大円弧部分の接線と小円弧部分の接線が一致
し、圧入代は長軸から短軸にかけて単調に増加してお
り、キャップまたはベースの少なくとも一方の少なくと
も接合部をハロゲン化処理した後、接合することによ
り、ベースにキャップを嵌め込むだけで加圧でき、製造
が容易になる。
【0030】請求項7の発明は、圧電振動素子が固定さ
れる柱状のベースと、一端が開放され、他端が閉塞され
ており、内部に前記圧電振動素子が収納されて前記開放
端に前記ベースが接合される筒状のキャップとを備え、
前記圧電振動素子を気密に封止するための圧電振動素子
封止用容器において、前記ベースまたは前記キャップの
少なくとも一方の少なくとも接合部が、ハロゲン化処理
され、前記ベースの融点もしくは前記キャップの融点の
うち低温の融点以下の温度にて、前記ベースの接合部の
原子と前記キャップの接合部の原子とが結合されること
により、前記ベースと前記キャップが接合されることを
特徴とする圧電振動素子封止用容器である。
【0031】この請求項7の発明では、キャップまたは
ベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲン
化処理した後、両者を接触させてキャップおよびベース
の融点以下にて接合し気密に封止することにより、キャ
ップやベースが溶融することなく、キャップとベースが
原子レベルで接合されるので封止が確実になる。
【0032】請求項8の発明は、柱状のベースに固定さ
れた圧電振動素子を、一端が開放され、他端が閉塞され
た筒状のキャップの内部に収納し、前記ベースを、前記
開放端に接合し、前記圧電振動素子を気密に封止する方
法において、前記ベースまたは前記キャップの少なくと
も一方の少なくとも接合部を、ハロゲン化処理し、前記
ベースの融点もしくは前記キャップの融点のうち低温の
融点以下の温度にて、前記ベースの接合部の原子と前記
キャップの接合部の原子とを結合させることにより、前
記ベースと前記キャップを接合することを特徴とする圧
電振動素子封止方法である。
【0033】この請求項8の発明では、キャップまたは
ベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲン
化処理した後、両者を接触させてキャップおよびベース
の融点以下にて接合し気密に封止することにより、キャ
ップやベースが溶融することなく、キャップとベースが
原子レベルで接合されるので封止が確実になる。
【0034】請求項9の発明は、柱状のベースに固定さ
れた圧電振動素子を、一端が開放され、他端が閉塞され
た筒状のキャップの内部に収納し、前記ベースを、前記
開放端に接合し、前記圧電振動素子を気密に封止する方
法において、軟金属層を、前記ベースまたは前記キャッ
プの少なくとも一方の少なくとも接合部にメッキ処理
し、少なくとも前記接合部を、ハロゲン化処理し、前記
軟金属層の融点以下の温度にて、前記ベースの接合部の
原子と前記キャップの接合部の原子とを結合させること
により、前記ベースと前記キャップを接合することを特
徴とする圧電振動素子封止方法である。
【0035】この請求項9の発明では、請求項8の作用
に加え、キャップまたはベースの少なくとも一方の接合
部に軟金属層をメッキにより設けるとともに、キャップ
またはベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハ
ロゲン化処理した後、少なくとも接合部を軟金属層の融
点以下にて接合することにより、キャップやベースが溶
融することなく、ベース外周面およびキャップ内周面の
微細な凹凸が埋められ、接合部が隙間なく接触するの
で、接合が容易になる。
【0036】請求項10記載の発明は、請求項に記載
の構成において、前記軟金属層が、半田、インジウムま
たはインジウム合金である圧電振動素子封止方法であ
る。
【0037】この請求項10の発明では、キャップまた
はベースの少なくとも一方の接合部の軟金属層を半田ま
たはインジウムまたはインジウム合金にし、キャップま
たはベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロ
ゲン化処理した後、接合することにより、接合が容易に
なる。
【0038】請求項11記載の発明は、請求項8〜10
のいずれかに記載の構成において、前記ハロゲン化処理
が、フッ化処理である圧電振動素子封止方法である。
【0039】請求項12記載の発明は、請求項11に記
載の構成において、前記フッ化処理は、フッ化水素ガス
を用いて行われる圧電振動素子封止方法である。
【0040】この請求項11及び12の発明では、フッ
化水素ガスを用いたフッ化処理を行うようにしているの
で、大量の圧電振動子を一時にハロゲン化処理すること
ができ、製造工数の低減を図ることができる。
【0041】請求項13の発明は、請求項8〜12のい
ずれかに記載の構成において、少なくとも前記接合部を
加圧して前記接合を行う圧電振動素子封止方法である。
【0042】この請求項13の発明では、キャップまた
はベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲ
ン化処理した後、少なくともキャップとベースとの接合
部を加圧して接合することにより、密着性が向上して接
合強度が高まる。
【0043】請求項14の発明は、請求項8〜13のい
ずれかに記載の構成において、不活性ガスの雰囲気中で
前記接合を行う圧電振動素子封止方法である。
【0044】この請求項14の発明では、キャップまた
はベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲ
ン化処理した後、不活性ガスの雰囲気中で接合すること
により、接合部分の酸化が防止でき接合強度が向上す
る。
【0045】請求項15の発明は、請求項8〜14のい
ずれかに記載の構成において、大気圧またはその近傍の
圧力下において前記接合を行う圧電振動素子封止方法で
ある。
【0046】この請求項15の発明では、キャップまた
はベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲ
ン化処理した後、大気圧またはその近傍の圧力下におい
て接合することにより、真空チャンバや真空ポンプなど
の高価な設備が不要となる。請求項16の発明は、請求
項8〜13のいずれかに記載の構成において、真空中で
前記接合を行う圧電振動素子封止方法である。
【0047】この請求項16の発明では、キャップまた
はベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲ
ン化処理した後、真空中で接合することにより、接合部
分の酸化が防止でき接合強度が向上する。
【0048】請求項17の発明は、請求項8〜16のい
ずれかに記載の構成において、少なくとも前記接合部に
電界を作用させて前記接合を行う圧電振動素子封止方法
である。
【0049】この請求項17の発明では、キャップまた
はベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲ
ン化処理した後、少なくともキャップとベースとの接合
部に電界を作用させて接合することにより、接合部にイ
オンとして存在しているハロゲンが電界によって強制的
に移動させられるため、接合強度が高まる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面に基づいて説明する。
【0051】図1(a)は、本発明の圧電振動子の実施
形態を示す断面側面図、同図(b)は、その底面図であ
る。
【0052】この圧電振動子50Aは、ベース51とキ
ャップ55とで形成される容器50a内に音叉形の水晶
振動素子である圧電振動素子54が封入されている。ベ
ース51の金属外環52には、一対のリード53が例え
ばガラスなどの絶縁材を介して気密性を保って貫通保持
されている。ベース51の金属外環52とリード53の
材料としては、例えば主な組成が鉄(Fe)、ニッケル
(Ni)、コバルト(Co)で成る合金であるコバール
が用いられる。金属外環52とリード53との間の気密
を保つガラスの材料としては、熱膨張係数が約4×10
-6〜6×10-6/°Cとコバールに近い例えばコバール
ガラスが用いられる。そして、一対のリード53のイン
ナーリード53aには、圧電振動素子54が例えば半
田、あるいは導電性接着剤などによりマウントされてお
り、圧電振動素子54の表面に設けられた図示しない電
極と一対のリード53とが機械的に固定され、かつ電気
的に接続されている。そして、圧電振動素子54がキャ
ップ55内に収納され、キャップ55の開放端部の内周
部とベース51の金属外環52の外周部とが接合されて
いる。キャップ55の材料としては、例えば主な組成が
Cu、Ni、Znで成る合金である洋白が用いられる。
ここで、封止前のキャップ55の内周形状およびベー
ス51の外周形状は、図2に示すように楕円形であり、
圧入代は長軸部分が最小(e)、短軸部分が最大(f)
で、長軸から短軸にかけて単調に増加するように設定さ
れている。そして、キャップ55の内周形状およびベー
ス51の外周形状は、各々長軸、短軸に対して線対称で
ある。これにより、短軸側も十分加圧されて密着性が向
上し、全周に渡り良好な接合が得られる。従って、小型
薄型であり、良好な封止性、信頼性を有する品質の良い
圧電振動子50Aとすることができる。そして、内蔵す
る圧電振動素子54は従来のサイズのものがそのまま使
用できるので、圧電振動素子54の加工コストもアップ
しない圧電振動子50Aとすることができる。
【0053】そして、金属外環52の外周面には、キャ
ップ55との接合のために半田で成る軟金属層57がメ
ッキ形成されている。このようにベース51の金属外環
52の外周面上の接合部分に半田をメッキすることによ
り、ベース51の外周面およびキャップ55の内周面の
微細な凹凸が埋められ、接合部が隙間なく接触するの
で、ベース51とキャップ55との接合が容易になり、
容器50aの封止性が向上し、圧電振動子50Aの品質
や信頼性が向上する。尚、軟金属層57は、キャップ5
5の内周面に形成してもよく、少なくともいずれか一方
の接合部に形成されていればよい。
【0054】そして、キャップ55の表面全体には、N
iで成る金属層56がメッキ形成され、さらにベース5
1との接合のためにハロゲン化処理されている。尚、ハ
ロゲン化処理は、ベース51の表面全体に施してもよ
く、少なくともいずれか一方の接合部が処理されていれ
ばよい。ここで、ハロゲン化処理によるベース51とキ
ャップ55との接合メカニズムについて説明すると、キ
ャップ55の表面部のハロゲンと結合している原子が、
ベース51と接触することによりハロゲンとの結合が切
れ、ベース51の原子と結合することにより接合が行わ
れる。そして、結合が切れたハロゲンは、ハロゲンを取
り込みやすい方の部材、即ちキャップ55、あるいはベ
ース51の内部に拡散して行く。このように、ハロゲン
化処理を行うだけでキャップ55とベース51が原子レ
ベルで接合されるので、容器50aの封止性が向上し、
圧電振動子50Aの信頼性や品質を高めることができ
る。また、部品としてのキャップ55およびベース51
は、従来の圧入封止形の圧電振動子10Aと同一のもの
が使用できるので、部品のコストアップもない。さら
に、ハロゲン化処理の工程も簡便であり、封止工程は従
来の圧入封止形の圧電振動子10Aと同一であるため、
製造も容易で量産性も高く、従来設備がそのまま使用で
きるので、製造のコストアップもない。
【0055】このような構成において、その製造方法を
説明する。
【0056】先ず、金属層56がメッキ形成されたキャ
ップ55の表面全体をハロゲン化処理、例えばフッ化処
理する。このフッ化処理においては、少なくともキャッ
プ55とベース51との接合部分の表面がフッ化されれ
ばよいが、ここでは工程を簡便化するために、図3に示
すように、処理チャンバ100内に複数のキャップ55
をまとめて入れて、フッ化水素(HF)ガスと水蒸気
(H2O)との混合ガス101を供給し、一括してキャ
ップ55の表面全体にフッ素(F)を添加処理してい
る。ここで、フッ化処理について説明すると、キャップ
55がHFガスとH2Oとの混合ガス101にさらされ
ると、HFとH2Oとがキャップ55の表面において次
式(1)の反応を生じる。
【0057】 HF+H2O→(H3O)++F-・・・(1) そして、フッ素イオン(F−)がキャップ55と反応
し、キャップ55の表面がフッ化される。キャップ55
の表面が自然酸化膜によって覆われている場合、この酸
化膜の酸素(O2)とF-との置換反応が生じて表面がフ
ッ化され、またはFとO2の混合した組成を有する表面
が形成される。
【0058】次に、図4に示すように、フッ化処理され
たキャップ55と、圧電振動素子54をマウントしたベ
ース51とを組合わせて真空引き可能なチャンバ内にセ
ットし、チャンバ内を真空引きするとともに、金属外環
52の外周面にメッキされている軟金属層57の融点以
下に加熱し、さらにキャップ55とベース51との接合
部に電界を作用させる。その後、チャンバ内のプレス機
によってキャップ55とベース51とを圧入する。この
とき、先述した圧入代によってベース51の金属外環5
2がキャップ55の締め付け応力によって加圧され、ベ
ース51とキャップ55とが加圧接触し、ベース51と
キャップ55とが接合されて、圧電振動素子54が気密
に封止される。以上により、図1に示すような圧電振動
子50Aが完成する。
【0059】尚、上述した製造方法においては、封止の
際に加熱しているが、接合部を加熱すると接合の際の反
応を促進でき、短時間で接合が可能であるとともに、接
合強度を高めることができるからである。従って、加工
時間が短くて済むので、量産性が向上し、コストが安価
になる。加えて、封止性が向上し、品質や信頼性が向上
する。さらに、半田の融点以下で加熱を行っているの
で、半田が溶融することがなく、半田からのガス放出が
ない。よって、容器内部にガスが残留しないので、周波
数が変化したり、インピーダンスが過大となることがな
く、品質や信頼性が向上する。
【0060】また、圧入代を設定することにより封止の
際に接合部を加圧しているが、加圧して接合することに
より密着性が向上して、接合強度を更に大きくすること
ができるからである。従って、封止性が向上し、品質や
信頼性が向上する。また、特別な加圧手段が要らないた
め、製造が容易でコストアップもない。
【0061】そして、封止の際に真空にしているが、接
合部の酸化が防止でき、接合強度を高めることができる
からである。従って、封止性が向上し、品質や信頼性が
向上する。また、容器内部を必ずしも真空とする必要が
ない圧電振動素子を有する圧電振動子の場合は、チャン
バ内に不活性ガス、例えば窒素(N2)を大気圧または
大気圧近傍の圧力下で充填して封止するようにしてもよ
く、その場合は真空チャンバや真空ポンプなどの高価な
設備を必要としないので、コストを低減させることがで
きる。
【0062】また、封止の際に電界を作用させている
が、接合部にイオンとして存在しているフッ素が電界に
よって強制的に移動させられるため、接合強度の向上を
図ることができるからである。従って、封止性が向上
し、品質や信頼性が向上する。
【0063】図5(a)は、本発明の圧電振動子の別の
実施形態を示す断面側面図、同図(b)は、その底面図
であり、図1の圧電振動子の実施形態と同一構成個所は
同一番号を付して説明を省略する。
【0064】この圧電振動子60Aは、ベース61とキ
ャップ65とで形成される容器60a内に矩形薄板状の
ATカット水晶振動素子である圧電振動素子64が封入
されている。封止前のキャップ65の内周形状およびベ
ース61の外周形状は、図6に示すように略楕円形であ
り、圧入代は長軸部分が最小(g)、短軸部分が最大
(h)で、長軸から短軸にかけて単調に増加するように
設定されている。そして、キャップの内周形状およびベ
ースの外周形状は、各々長軸、短軸に対して線対称であ
る。この略楕円は、第1の曲率半径(R1、R3)を有
する大円弧と、第1の曲率半径より小さい曲率半径(R
2、R4)を有する小円弧とからなり、大円弧および小
円弧は各々2個であって大円弧と小円弧が交互に配置さ
れており、大円弧と小円弧の接続点(S1、S2)にお
いて、大円弧部分の接線と小円弧部分の接線が一致(M
1、M2)した形状である。
【0065】このように略楕円形とすることにより、図
7の破線で示す楕円形の場合に比較して、容器60aの
内部の厚み方向のスペースがより大きく(b>a)確保
でき、例えば圧電振動素子64の長さが長い場合におい
ては、圧電振動素子64を破損しにくくすることがで
き、有効である。つまり、封止時にキャップ65を被せ
る際の、マウント精度の厚み方向のバラツキによる破損
をしにくく、また封止後の製品の落下時に圧電振動素子
64がたわんで、キャップ65内壁への衝突による破損
をしにくくすることができる。従って、封止の際の組み
立てが容易であり、歩留まりが良くなり、かつ品質の良
い圧電振動子が得られる。そして、圧入代を長軸から短
軸にかけて単調に増加するように設定したので、封止時
に短軸側も密着性が向上し、全周に渡り良好な接合が得
られる。従って、本実施形態のように断面が略楕円型で
あっても、良好な封止性、信頼性を有する品質の良い、
薄型の圧電振動子60Aを得ることができる。そして、
内蔵する圧電振動素子64は従来のサイズのものがその
まま使用でき、加工コストもアップしない。
【0066】このような構成において、その製造方法を
説明する。
【0067】図1に示す圧電振動子50Aと同様の工程
で、フッ化処理したキャップ65と、圧電振動素子64
をマウントしたベース61とを組合わせて圧入する。こ
のとき、先述した圧入代によってベース61の金属外環
62がキャップ65の締め付け応力によって加圧され、
ベース61とキャップ65とが加圧接触し、ベース61
とキャップ65とが接合されて、圧電振動素子64が気
密に封止される。以上により、図5に示すような圧電振
動子60Aが完成する。
【0068】以上の各実施形態では、ハロゲン化処理と
してHFガスを用いてフッ化処理をする場合について説
明したが、フッ酸を塗布したり、フッ酸に浸漬してフッ
化処理を行っても良い。また、ハロゲンとしてはフッ素
に限らず、接合する相手の相性や表面状態により、塩素
やヨウ素、臭素であってもよい。
【0069】また、接合部の軟金属層が半田メッキであ
る場合について説明したが、軟金属層としてインジウム
またはインジウム合金(例えば50Sn/50In,融
点117°C〜125°C)を用いても同様の効果が得
られると共に、鉛レスによる鉛汚染を防止することがで
きる。また、これらの軟金属層は、特に形成しなくても
よく、その場合は金属汚染を防止することができる。
【0070】そして、封止時における接合部への加圧は
圧入代によって行われる場合について説明したが、例え
ば、かしめ等による加圧手段を用いてもよい。
【0071】さらに、不活性ガスとしてN2ガスを用い
た場合について説明したが、不活性ガスはヘリウムやネ
オン、あるいはアルゴンなどの希ガスであってもよい。
【0072】
【実施例】上述した各実施形態の圧電振動子と従来の圧
電振動子とを製造して、それらの封止性能について調べ
た。
【0073】図1に示す圧電振動子50Aおよび図5に
示す圧電振動子60Aを以下の各種条件で製造した。
【0074】 容器50a、60a ベース51、61の金属外環52、62の材料:コバール ベース51、61の長軸長さおよび短軸長さ:約1.8mmと約0.8mm 約2.6mmと約1.1mm ベース51、61の長軸−短軸の片側圧入代: 0.005mm−0.01mm 0.010mm−0.06mm 0.015mm−0.04mm ベース51、61の金属外環52、62の軟金属層57の材料: 共晶半田(Sn:63%、Pb:37%、融点:183°C) 高融点半田(Pb:90%〜95%、残:Sn、融点:280° C〜310°C) キャップ55、65の材料:洋白 キャップ55、65の板厚:0.1mm〜0.15mm キャップ55、65のメッキ層56の材料:Ni キャップ55、65のメッキ層56の厚さ:2μm〜10μm ハロゲン化条件 混合ガス101の成分:フッ化水素(HF)ガスと水蒸気(H2O)(HFガ ス濃度:1%、湿度:20%) ハロゲン化時間:1分間 封止条件 図1の圧電振動子50Aの場合のチャンバ内の真空度:5×10-5Torr 図5の圧電振動子60Aの場合のチャンバ内の雰囲気:N2 チャンバ内の加熱温度:軟金属層57が共晶半田のときは150°C 軟金属層57が高融点半田のときは220°C チャンバ内の加熱時間:45分 10分 以上の各種条件で製造した圧電振動子50A、60Aと
従来の圧電振動子をグロスリークおよびファインリーク
によりリーク検査した。グロスリークは、圧電振動子を
125°Cに加熱したパーフルオロカーボン液中に浸
し、圧電振動子からの気泡の漏れの有無によりリーク検
査する方法であり、この検査にパスすることにより1×
10-5atm・cc/sec以下であることが保証され
る。また、ファインリークは、圧電振動子をヘリウム
(He)雰囲気中の加圧下に置き、その後に圧電振動子
を減圧下に置き、圧電振動子からのHeの有無をHe検
出装置(質量分析装置)により調べてリーク検査する方
法であり、この検査にパスすることにより1×10-9
tm・cc/sec以下であることが保証される。
【0075】この結果、単なる楕円圧入方式の圧電振動
子は、約20%がグロスリークにパスせず、残りの約4
0%がファインリークにパスしなかったが、各種条件で
製造した圧電振動子50A、60Aは、全数が上記リー
ク検査にパスした。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、キャップまたはベース
の少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲン化処理
した後、キャップやベースを溶融させることなく、両者
を接触させて接合し気密に封止することにより、キャッ
プとベースが原子レベルで接合されるので封止が確実に
なり、封止性が向上する。従って、圧電振動子の信頼性
や品質が向上するという効果を有する。また、ハロゲン
化処理の工程も簡便であり、封止工程は従来と同一であ
るため、製造も容易で量産性が良いという効果も有す
る。更に、従来の部品および設備がそのまま使用できる
ので、コストアップもしないという効果も有する。
【0077】また、キャップまたはベースの少なくとも
一方の接合部に軟金属層をメッキにより設けて接合する
ことにより、軟金属層を溶融させることなく、ベース外
周面およびキャップ内周面の微細な凹凸が埋められ、接
合部が隙間なく接触するので、容易に接合が可能になる
という効果を有する。
【0078】また、キャップまたはベースの少なくとも
一方の接合部の軟金属層を半田またはインジウムまたは
インジウム合金にし、キャップまたはベースの少なくと
も一方の少なくとも接合部をハロゲン化処理した後、接
合することにより、容易に接合が可能になるという効果
を有する。加えて、軟金属に鉛を含有しないインジウム
またはインジウム合金を用いれば、鉛レスとすることが
でき、鉛汚染を防止するという効果も有する。
【0079】また、キャップと接触する部分において、
長手軸に直交する断面の外周形状が楕円または略楕円の
柱形状であるベース、または、ベースと接触する部分に
おいて、長手軸に直交する断面の内周形状がベースの断
面の外周形状より小さい楕円または略楕円であり、一端
が閉ざされ他端が開放されている筒形状であるキャップ
の少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲン化処理
した後、接合することにより、良好な封止性、信頼性を
有する品質の良い、薄型の圧電振動子を得ることができ
るという効果を有する。そして、内蔵する圧電振動素子
は従来のサイズのものがそのまま使用できるので、圧電
振動素子の加工コストもアップしない。従って、安価な
圧電振動子を得ることができるという効果も有する。
【0080】また、キャップの内周形状およびベースの
外周形状は楕円であり、圧入代は長軸から短軸にかけて
単調に増加しており、キャップまたはベースの少なくと
も一方の少なくとも接合部をハロゲン化処理した後、接
合することにより、ベースにキャップを嵌め込むだけで
加圧でき、特別な加圧手段が要らないため、製造が容易
でコストアップしないという効果を有する。そして、短
軸側も十分加圧されて密着性が向上し、全周に渡り良好
な接合が得られる。従って、良好な封止性、信頼性を有
する、安価で品質の良い、薄型の圧電振動子を得られる
という効果を有する。
【0081】また、キャップの内周形状およびベースの
外周形状は略楕円であり、第1の曲率半径を有する大円
弧と、前記第1の曲率半径より小さい曲率半径を有する
小円弧とからなり、前記大円弧および小円弧は各々2個
であって前記大円弧と小円弧が交互に配置されており、
前記大円弧と前記小円弧の接続点において、大円弧部分
の接線と小円弧部分の接線が一致し、圧入代は長軸から
短軸にかけて単調に増加しており、キャップまたはベー
スの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲン化処
理した後、接合することにより、ベースにキャップを嵌
め込むだけで加圧でき、特別な加圧手段が要らないた
め、製造が容易でコストアップしないという効果を有す
る。そして、短軸側も十分加圧されて密着性が向上し、
全周に渡り良好な接合が得られる。更に、内部スペース
が厚み方向に大きいため、封止時にキャップを被せる際
に圧電振動素子が破損しにくく、従って歩留まりが向上
する。また、落下時に圧電振動素子のキャップ内壁への
衝突による破損をしにくくすることができ、よって品質
が向上する。従って、良好な封止性、信頼性を有する、
安価で品質の良い、薄型の圧電振動子を得ることができ
るという効果を有する。
【0082】また、キャップまたはベースの少なくとも
一方の少なくとも接合部をハロゲン化処理した後、キャ
ップおよびベースの融点以下に加熱して接合をすること
により、接合の際の反応を促進でき短時間で接合が可能
になるとともに、接合強度を高めることができる。従っ
て、加工時間が短くて済むので、量産性が向上し、コス
トが安価になるという効果を有する。加えて、封止性が
向上し、圧電振動子の品質や信頼性が向上するという効
果を有する。
【0083】また、キャップまたはベースの少なくとも
一方の接合部に軟金属層をメッキにより設けるととも
に、キャップまたはベースの少なくとも一方の少なくと
も接合部をハロゲン化処理した後、少なくとも接合部を
軟金属層の融点以下の温度にて接合することにより、ベ
ース外周面およびキャップ内周面の微細な凹凸が埋めら
れ、接合部が隙間なく接触するので、容易に接合が可能
になるという効果を有する。更に、軟金属層の融点以下
であるので、軟金属層が溶融することがなく、軟金属層
からのガス放出がない。よって、容器内部にガスが残留
しないので、周波数が変化したり、インピーダンスが過
大となることがない。従って、圧電振動子の品質や信頼
性が向上するという効果を有する。更に、キャップまた
はベースの少なくとも一方の少なくとも接合部をハロゲ
ン化処理した後、少なくともキャップとベースとの接合
部を加圧して接合することにより、密着性が向上して接
合強度を大きくすることができる。従って、封止性が向
上し、圧電振動子の品質や信頼性が向上するという効果
を有する。
【0084】また、キャップまたはベースの少なくとも
一方の少なくとも接合部をハロゲン化処理した後、不活
性ガスの雰囲気中で接合することにより、接合部分の酸
化が防止でき接合強度の向上が図れるので、封止性が向
上する。従って、圧電振動子の品質や信頼性が向上する
という効果を有する。
【0085】また、キャップまたはベースの少なくとも
一方の少なくとも接合部をハロゲン化処理した後、大気
圧またはその近傍の圧力下において接合することによ
り、真空チャンバや真空ポンプなどの高価な設備を必要
とせず、コストを低減させることができる。従って、安
価な圧電振動子を得られるという効果を有する。
【0086】また、キャップまたはベースの少なくとも
一方の少なくとも接合部をハロゲン化処理した後、真空
中で接合することにより、接合部分の酸化が防止でき接
合強度が向上し、封止性が向上する。従って、圧電振動
子の品質や信頼性が向上するという効果を有する。
【0087】また、キャップまたはベースの少なくとも
一方の少なくとも接合部をハロゲン化処理した後、少な
くともキャップとベースとの接合部に電界を作用させて
接合することにより、接合部にイオンとして存在してい
るハロゲンが電界によって強制的に移動させられるた
め、接合強度の向上を図ることができる。従って、封止
性が向上し、圧電振動子の品質や信頼性が向上するとい
う効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電振動子の実施形態を示す構造図。
(a)は、断面側面図。(b)は、底面図。
【図2】図1の圧電振動子のベース外周形状とキャップ
内周形状および圧入代の説明図。
【図3】図1の圧電振動子に係るハロゲン化処理の一例
を示す図。
【図4】図1の圧電振動子の封止前を示す断面図。
(a)は、正面断面図。(b)は、側面断面図。
【図5】本発明の圧電振動子の別の実施形態を示す構造
図。(a)は、断面側面図。(b)は、底面図。
【図6】図5の圧電振動子のベース外周形状とキャップ
内周形状および圧入代の説明図。
【図7】図1の圧電振動子と図5の圧電振動子の内部ス
ペースを比較した断面図。
【図8】従来の圧電振動子の封止前を示す断面図。
(a)は、断面側面図。(b)は、A−A矢視図。
【図9】図8の圧電振動子の封止後を示す断面図。
(a)は、断面側面図。(b)は、A−A矢視図。
【図10】図8の圧電振動子の基板実装状態を示す図。
(a)は、正面図。(b)は、側面図。
【図11】従来の別の圧電振動子を示す構造図。(a)
は、側面図。(b)は、底面図。
【図12】従来のさらに別の圧電振動子を示す構造図。
(a)は、側面図。(b)は、底面図。
【図13】図11の圧電振動子の基板実装状態を示す
図。(a)は、正面図。(b)は、側面図。
【図14】図12の圧電振動子の基板実装状態を示す
図。(a)は、正面図。(b)は、側面図。
【図15】従来の別の圧電振動子を示す構造図。(a)
は、正面図。(b)は、側面図。
【図16】従来のさらに別の圧電振動子を示す構造図。
(a)は、正面図。(b)は、側面図。
【図17】図11の圧電振動子のベースが受ける応力分
布状態図。
【符号の説明】 50A、60A 圧電振動子 50a、60a 容器 51、61 ベース 52 金属外環 53 リード 53a インナーリード 54、64 圧電振動素子 55、65 キャップ 56 金属層 57 軟金属層 9 プリント回路基板 100 ハロゲン化処理チャンバ 101 混合ガス

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電振動素子と、前記圧電振動素子がマ
    ウントされるリードと、前記リードが固定される柱状の
    ベースと、一端が開放され、他端が閉塞されており、内
    部に前記圧電振動素子が収納されて前記開放端に前記ベ
    ースが接合される筒状のキャップとを備え、前記圧電振
    動素子を気密に封止した圧電振動子において、 前記ベースまたは前記キャップの少なくとも一方の少な
    くとも接合部が、ハロゲン化処理されていることを特徴
    とする圧電振動子。
  2. 【請求項2】 前記ベースまたは前記キャップの少なく
    とも一方の接合部に、軟金属層がメッキ処理されている
    請求項1に記載の圧電振動子。
  3. 【請求項3】 前記軟金属層が、半田、インジウムまた
    はインジウム合金である請求項2に記載の圧電振動子。
  4. 【請求項4】 前記ベースの前記キャップとの接触部分
    の長手軸に直交する断面の外周形状が、楕円または略楕
    円であり、前記キャップの前記ベースとの接触部分の長
    手軸に直交する断面の内周形状が、前記ベースの断面外
    周形状より小さい楕円または略楕円である請求項1〜3
    のいずれかに記載の圧電振動子。
  5. 【請求項5】 前記接触部分の圧入代が、前記楕円の長
    軸部分が最小であり、短軸部分が最大であり、前記長軸
    部分から前記短軸部分にかけて単調に増加している請求
    項4に記載の圧電振動子。
  6. 【請求項6】 前記略楕円は、第1の曲率半径を有する
    大円弧と、前記第1の曲率半径より小さい曲率半径を有
    する小円弧が、交互にそれぞれ2個ずつ配置され、かつ
    前記大円弧と前記小円弧の接続点における大円弧部分の
    接線と小円弧部分の接線が一致するように接続された形
    状であり、前記接触部分の圧入代が、前記略楕円の長軸
    部分が最小であり、短軸部分が最大であり、長軸部分か
    ら短軸部分にかけて単調に増加している請求項4に記載
    の圧電振動子。
  7. 【請求項7】 圧電振動素子が固定される柱状のベース
    と、一端が開放され、他端が閉塞されており、内部に前
    記圧電振動素子が収納されて前記開放端に前記ベースが
    接合される筒状のキャップとを備え、前記圧電振動素子
    を気密に封止するための圧電振動素子封止用容器におい
    て、 前記ベースまたは前記キャップの少なくとも一方の少な
    くとも接合部が、ハロゲン化処理されていることを特徴
    とする圧電振動素子封止用容器。
  8. 【請求項8】 柱状のベースに固定された圧電振動素子
    を、一端が開放され、他端が閉塞された筒状のキャップ
    の内部に収納し、前記ベースを、前記開放端に接合し、
    前記圧電振動素子を気密に封止する方法において、 前記ベースまたは前記キャップの少なくとも一方の少な
    くとも接合部を、前もってハロゲン化処理しておくこと
    を特徴とする圧電振動素子封止方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも前記接合部を、前記キャップ
    の融点もしくは前記ベースの融点のうち低温の融点以下
    の温度に加熱して前記接合を行う請求項8に記載の圧電
    振動素子封止方法。
  10. 【請求項10】 軟金属層を、前記キャップまたは前記
    ベースの少なくとも一方の接合部にメッキ処理し、少な
    くとも前記接合部を、前記軟金属層の融点以下の温度に
    加熱して前記接合を行う請求項8に記載の圧電振動素子
    封止方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも前記接合部を加圧して前記
    接合を行う請求項8〜10のいずれかに記載の圧電振動
    素子封止方法。
  12. 【請求項12】 不活性ガスの雰囲気中で前記接合を行
    う請求項8〜11のいずれかに記載の圧電振動素子封止
    方法。
  13. 【請求項13】 大気圧またはその近傍の圧力下におい
    て前記接合を行う請求項8〜12のいずれかに記載の圧
    電振動素子封止方法。
  14. 【請求項14】 真空中で前記接合を行う請求項8〜1
    1のいずれかに記載の圧電振動素子封止方法。
  15. 【請求項15】 少なくとも前記接合部に電界を作用さ
    せて前記接合を行う請求項8〜14のいずれかに記載の
    圧電振動素子封止方法。
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