ロサンゼルス・ドジャースへの移籍初年度となり、ますます注目が集まっている大谷翔平選手。連日キャンプの様子が報じられる中、大谷選手の出身校、岩手・花巻東高の佐々木麟太郎選手が、米国の名門であり、世界ランキング2位のスタンフォード大学に進学するというニュースが駆け巡った。佐々木選手は、2023年夏の甲子園でもチーム10年ぶりのベスト8進出に貢献し、高校野球で歴代最多とされる通算140本塁打を放った強打者。その将来性を期待されて、フルスカラシップ(全額奨学金)を得ての入学となるという。
佐々木選手は、20日の記者会見でこのようなことを語っていた。
「覚悟を持って決断した。スタンフォード大学でプレーする以上、戦力として戦えるようになれるよう頑張りたい」
「(同じ高校の先輩菊池)雄星さんや(大谷)翔平さんに大変お世話になってきているので、選手としてまだ未熟ですが近づけるようにしたい」
「2年後以降、大リーグやプロ野球のドラフト会議で指名してもらえるチャンスもある。未熟な部分をレベルアップして指名をされるよう頑張りたい」
「日本の子どもたちも、海外大学をどんどん目指してほしい」と話すのは、オンライン英語教室「ディリーゴ」の代表・廣津留真理さん。現在、バイオリニストや著述家、大学講師などとして幅広く活躍する娘の廣津留すみれさんは、留学経験なしに幼児期からの家庭学習だけで培った英語力でハーバード大学に現役合格。その際、母の真理さんがハーバード大学の学費を値切った(!)エピソードを著書『ハーバード生たちに学んだ 「好き」と「得意」を伸ばす子育てのルール15』で語っている。
その真理さんに、佐々木選手のスタンフォード留学が教えてくれる、これからの日本の子どもたちが目指したい未来について語っていただいた。
米国難関大受験コンサルに聞く佐々木選手の今後
私自身、佐々木選手のスタンフォード大学進学は、素晴らしいニュースだと思いました。そこでさっそく、米国で大学入試コンサルタントをしている友人のベン・ソーキンさんに、佐々木選手が選んだ道についてどう思うか聞いてみました。彼は、ハーバード大学卒業後、アメリカの高校で難関名門大学の進学指導をしたのち独立。現在はプロの入試コンサルタントとして引っ張りだこの存在です。
ベンさんも、日本の甲子園のドキュメンタリー映像を見て、日本における高校野球への注目度に驚いたといいます。ベンさんへのインタビューから、佐々木選手の進学の背景と、彼をロールモデルにした子どもたちの未来像を探ってみたいと思います。
Q1 アメリカの大学のスポーツ推薦制度について
真理 アメリカの大学に、スポーツ推薦ってあるんですか? また、外国人がスポーツ推薦で入学する場合、英語力や高校の成績は関係しますか?
ベン もちろんアメリカの大学は、世界中からスポーツ推薦入学を受け入れてます。その時、いちばん評価されるのは、自身が専門とするスポーツの能力。ただ同時に、英語力と高い学業成績も、スタンフォードのようなトップ名門大学では求められます。英語はTOEFL、学業はSAT/ACTといった共通テストと内申書で判断されます。
ただし、海外の高校生がアメリカの大学のスポーツ推薦を狙うなら、海を超えてスカウトされるチャンスはなかなかないので、本人が夏休みにアメリカのキャンプを体験するか直接大学の野球監督に積極的にリーチするべきですね。
Q2 アメリカ名門大生から見たスポーツ推薦
真理 アメリカ人は、スポーツ推薦をどう思ってるんですか? 世界中の優秀な高校3年生が受験して合格率がわずか3.91%しかないスタンフォードのような名門大学に合格できるのは、日本人から見ると不公平のように感じられることもあるようですが。
ベン アメリカ人も実は、「スポーツ推薦で合格する人は学力が高くはない」と思ってるところがあります。ただ、ハーバードやイェールのような私立難関アイビーリーグ大学の場合は、「文武両道」という言葉が成立しないほど、スポーツと学業どっちもできるのが当たり前。私自身、ハーバード在学中に出会ったスポーツ推薦の同級生たちの時間管理のすごさには、衝撃を受けました。スタンフォードはアイビーリーグではありませんが、私立超難関大学なので、同じことが言えます。州立大学で、もっとスポーツに重きを置いている大学は、学業成績をそこまで重視しませんが。