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コレット

劇場公開日:2019年5月17日

コレット

解説・あらすじ

1890年代のベル・エポック真っただ中のパリを舞台に、フランスの文学界でいまなお高い人気を誇る女性作家シドニー=ガブリエル・コレットの波乱と情熱に満ちた人生を描いたドラマ。主演は「つぐない」「プライドと偏見」のキーラ・ナイトレイ、監督は「アリスのままで」のウォッシュ・ウエストモアランド。フランスの片田舎で生まれ育ったコレットは、14歳年上の人気作家ウィリーと結婚し、それまでとは別世界のようなパリへと移り住む。芸術家たちが集うサロンで華やかな生活を送る中、コレットの文才に気づいたウィリーは、自身のゴーストライターとして彼女に小説を書かせる。そうして彼女が執筆した「クロディーヌ」シリーズはベストセラーとなるが、コレットは自分が作者であることを世間に認められない葛藤に苦しめられることになる。保守的で男性優位な当時の社会にあっても、ありのままの自分を貫き才能を開花させていったコレットを、ナイトレイが演じた。

2018年製作/111分/PG12/イギリス・アメリカ合作
原題または英題:Colette
配給:東北新社、STAR CHANNEL MOVIES
劇場公開日:2019年5月17日

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(C)2017 Colette Film Holdings Ltd / The British Film Institute. All rights reserved.

映画レビュー

3.5 オードリーを見出したコレットのコスチューム劇

2019年5月26日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

難しい

文才に恵まれた妻が夫のゴーストライターを務める。信じがたい状況が罷り通っていた時代の鬱積と閉塞感を、キーラ・ナイトレイ演じるコレットが表現する。まさに、性差別撤廃が叫ばれる現代と過去との間に、大きな時間の隔たりはあるものの、状況そのものは未だ変わってない部分があることを、この映画は描こうとしている。そういう意味でタイムリーだが、翻って、夫の、男性側の内面にも同等に深く切り込めば、埋めがたい性差の溝をもっと垣間見せられただろうにとも思う。そんな不満をカバーするのは、コレットの意識改革に伴い変化していくコスチュームの存在だろう。フェミニンからエレガントへ、さらにジェンダーレスへとシフトしていく衣装が、ヒロインの内面の変化を如実に現して、見応え充分。あのオードリー・ヘプバーンを発見したマダム・コレットだからこそのコスチューム・プレイ。そう受け取ると面白いかもしれない。

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清藤秀人

3.5 自由奔放な性を貫いたコレットのフランス女性作家としての苦悩

2026年6月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

驚く

戦後フランス映画界で活躍したクロード・オータン=ララ監督の「青い麦」(1954)でその名を知った、フランス女流作家コレット(シドニー=ガブリエル・コレット・1873~1954)の最初の夫婦生活の愛憎と葛藤を描いた偉人伝記映画。1892年コレット19歳のベットルームから映画は始まり、夫となるジョージー・ラオール=デュヴァル(1866~1913)が家に訪ねて来て、最後は離婚してコレット名義で初出版された『さすらいの女』(1910)が書店のショーウインドーに飾られるカットと、愛人ミッシー(1863~1944)と舞台公演した地方巡業のシーンで終わります。81年の波乱の生涯の中で、夫のゴーストライターを務めていた時期を含めて18年間の物語でした。(その後2度結婚し、最後62歳の時には17歳年下の男性と結婚しています)映画の内容は、夫の浮気に悩みつつも、自らもバイセクシャルの性的嗜好を解放し、夫婦共々交友関係を深く広くしたプライベートな変遷と、19世紀末のベル・エポック(美しき時代)の華やかな文化でも女性が小説を発表出来ない、その女性差別に立ち向かう社会的使命を重点に描いています。例えば19世紀のゴシック小説『フランケンシュタイン』のイギリス人原作者メアリー・シェリーが1818年に初出版した時は匿名でしたが、1823年の第2版ではミセス・シェリーと明記されています。フランス革命(1789)で自由と平等と博愛を理念としたフランスが、男尊女卑が根強いと思われる当時のイギリスより遅れていたことは興味深い。ただ映画を観ていると、夫のデュバルはコレットと結婚する前に少なくとも二人の男性をゴーストライターとして雇い、作家名ウィリーで実績を作り、出版社もそれを容認していたようです。私生活は浮気とギャンブルで浪費家のウィリーは、上流社会で確固たる知名度を欲しがった俗物でも、小説の編集能力は高かった。しかし、『クロディーヌ』シリーズが売れる程に、若い女性心理を繊細に表現した文章を男性作家がひとりで創作するとは当時の読者も信じず、妻のコレットがどんな形であれ関わっていたと、薄々気付いていました。結局、夫婦共著にしなかったデュヴァルひとりの問題だったのではないかと思えて、コレットにとっては小説を書く切っ掛けを与えただけの夫だったと区切りを付けます。

『クロディーヌ』がベストセラーとなって舞台化され、香水や石鹸からタバコやお菓子まで多岐に渡り商品化されて、その人気が社会現象となるのは、今日の消費社会の先駆けの様です。またその舞台から、コレット自身がパントマイムを修得し前衛的で刺激的な舞台の女優を職業にして、女性が自由に肉体表現する自立に向かう。男性から愛でられるだけではない女性の生き方を貫いたことが素晴しい。パントマイムは古代ギリシアを起源として、中世イタリアに興ったコンメディア・デッラルテでは、チャップリンの「ライムライト」(1952)とジャン・ルノワールの「黄金の馬車」(1953)が名高く、そしてフランスでは「天井桟敷の人々」(1946)のジャン・ルイ・バローとなって、マルセル・マルソーも有名です。この歴史にコレットが加わる面白さがあります。

この20世紀フランス文学で女性の人権を確立していったコレットをフランスで映画化せず、アメリカとイギリス、ハンガリーが製作したことが、一寸残念です。原案と脚本がリチャード・グラツァー(1952~2015)というアメリカ人で、脚本にレベッカ・レンキェヴィッチ(1968生まれ)の女性が加わり、脚本兼監督がウォッシュ・ウェストモアランド(1966生まれ)で共にイギリス人。更に音楽トーマス・アデス(1971生まれ)と撮影ジャイルズ・ナットジェンズ(1960生まれ)もイギリス人のスタッフです。主要キャストもイギリスとアイルランドで占められていました。欲を言えばフランス的な柔らかさが足りない。また現代のジェンダー・アイデンティティに添った性の多様化は、今日の映画表現と理解しても、コレットの人物像のあくまで外見に過ぎない。性的な表現が、この愛憎入り乱れる人間ドラマの付け合わせに終わっています。全体としては、コレットの私的な生活と作家活動を時系列順に並べた正攻法で地味な伝記映画でした。唯一、夫婦が其々に同じ女性と浮気をする倫理観には驚きを隠せませんでしたが。
その中でコレットの19歳から37歳まで演じたキーラ・ナイトレイ(1985生まれ)の演技は素晴しく、彼女独特の清潔感があって、それがコレット本人とかけ離れていたとしても、映画として奇麗に成立しています。自由奔放なコレットをリアリズムで表現したら、たぶん異色すぎる作品になっていたでしょう。夫ウィリーを演じたドミニク・ウェスト(1969生まれ)は、現代の男女関係からみたら最低な男を説得力を持って演じています。実際のウィリーもバイセクシャルだったのを省略したのは正解でした。このような女性を名乗れなかった作家が存在したこと、現代より乱れた性の別世界を知ることの内容の貴重性と主演ナイトレイの演技を買って★評価します。

自叙伝的な小説が多かったコレットの『青い麦』のモデルは、2度目の結婚相手の連れ子ベルトランという少年だったという事を今回知りました。これは、後のアメリカ映画「おもいでの夏」(1971)の年上の女性と少年の関係に似た男性側の青春ものです。アメリカの男性作家のはノスタルジックで甘いのに、このコレットの映画化は原作の視点の厳しさが特徴でした。作家や映画監督の場合、男性より女性の方が厳しく容赦ない印象を持っています。音楽界では今女性指揮者が多く活躍していますが、その演奏は柔らかくて丁寧なのが特徴です。分野によって男女の色合いが変わるようです。

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Gustav

2.5 色んな夫婦の形…

2021年6月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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KEI

4.0 20世紀前半のフランス女性の自立

2020年12月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

名前しか聞いたことのなかったフランス人の女性作家の伝記作品。
美しい風景、セットと品の良い映像。特にファッションが素敵。
主演女優をはじめとしてキャスト全員がぴったりとはまっていた。
女惚れのする女像。こんな女性がいたんだ、素直にカッコいい生き様だなぁと感動した。

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spicaM