WO1999058176A1 - Medical puncture needle and method of manufacturing same - Google Patents

Description

明細 ΐ 医療用穿刺針及びその製法 技術分野

本発明は、 麻酔等を施すために使用されるベべル型穿剌針の改良に関 する。 背景技術

穿刺針は、 患部に穿刺されたとき、 穿刺針先端と針軸を含む平面にお いて、 穿刺針先端角の略 2等分線の方向に進行する。

ベベル型穿刺針は、 針軸に対して刃面が 1 5度以上傾斜するように円 柱形の針管を斜めに切断し、 ついで、 先端両側に研磨加工を施して刃面 先端に 7 5度程度の開き角度を付けた形状である。 穿刺針の先端角は針 軸に平行な円柱面の母線と針軸に対して傾斜する刃面の長径により規定 されるから、 刃面の針軸に対する傾斜角と同一であり、 その 2等分線の 方向は、 針軸方向に対して刃面の反対側に 7 . 5〜1 0度の角度的ずれ を生ずる。 したがって、 ベベル型穿刺針は、 患部に穿刺されると、 刃面 の反対側に針軸方向から 7 . 5度以上傾斜した方向に進行する。 このた め、 穿刺目標が深部にある場合、 ベベル型穿刺針は穿刺目標から外れや すいという問題があった。

この問題を解決するために、 ペペル型穿刺針の刃面の傾斜角度を約 1 2度と鋭利にして、 針軸方向に対する穿刺針進行方向の角度的ずれを小 さくしたものも使用されているが、 先端角が鋭利すぎて、 穿刺針が必要 以上に深く穿刺されやすいため、 組織を傷つけるという問題が起きてい た。 発明の開示

本発明の課題は、 ベベル型穿刺針の先端角を鋭利にすることなく、 穿 刺時の進行方向を針軸方向に略一致させることにある。

このため、 本発明のベベル型穿刺針は、 刃面の反対側の外周面の先端 部分を、 円柱形の針管をしぼった円錐面に形成する。 これにより、 穿刺 針の先端角は、 先端と針軸を含む平面において、 針軸に対して傾斜する 刃面の長径と、 針軸に対して刃面とは反対側に傾斜する円錐面の母線に より規定される。 この先端角は針軸に対する刃面の傾斜角と円錐面の傾 斜角の和になるから、 刃面の傾斜角を従来のベベル型穿刺針と同一とし た場合、 従来のものよりも先端面は円錐面の傾斜角だけ大きくなる。 し たがって、 先端角が鋭利すぎて穿刺が必要以上に深くなるおそれはない。 しかし、 先端角が鈍すぎると、 穿刺抵抗が大きくなるから、 先端部分円 錐面の針軸に対する傾斜角は刃面の傾斜角以下とすることが望ましい。 患部に穿刺したとき、 本発明穿刺針の進行方向は、 先端角の 2等分線 方向又はそれに近い方向であり、 この 2等分線方向の針軸方向に対する 刃面反対側への傾斜角は、 刃面傾斜角と円錐面傾斜角の差の半分になる から、 先端角の 2等分線方向が刃面傾斜角の半分であった従来のベベル 型穿刺針に比べると、 本発明穿刺針の進行方向の針軸方向に対する角度 的ずれは格段に小さいから、 患部に穿刺したときに穿刺目標から外れる おそれはほとんどない。

本発明穿刺針の先端部分円錐面の傾斜角を刃面の傾斜角と同一に設定 した場合、 先端角の 2等分線方向は針軸方向と一致するから、 穿刺針を 直下の深部に穿刺目標がある皮膚に垂直に穿刺すると、 穿刺針は針軸方 向に直進して深部の穿刺目標を確実に穿刺する。 本発明の穿刺針は、 金属製円管の針ブランクから製造する。 第 1工程 においては、 針ブランクの先端部分にしぼり加工を施して針軸に対して 所定の角度、 例えば刃面の針軸に対する傾斜角度と同一又はそれよりも 小さレ、角度の傾斜角を有する円錐台状先端部を形成する。 第 2工程にお いて、 円錐台状先端部を通り針軸と刃面の傾斜角で交差する面に沿って 針ブランクを切断し、 後端が針ブランクの円柱部と交差し、 先端が針管 先端の円錐部と交差する刃面を形成する。

このようにして製造したベベル型穿刺針の刃面は楕円形の長径方向の 片側を丸めた形状であり、 刃面の反対側は先端付近を除くと円柱周面の 一部であるが、 先端付近は円錐周面の一部である。 又、 針軸から刃面後 端までの距離は針ブランクの半径に等しいが、 刃面先端までの距離は針 ブランクの半径より小さい。 この穿刺針の先端角は、 刃面の針軸に対す る傾斜角と針先端の円錐部の傾斜角の和になる。 図面の簡単な説明

第 1図は、 本発明の実施例の穿刺針の要部を拡大して示す縦断面図、 第 2図は、 第 1図の穿剌針の平面図、

第 3図は、 別の実施例の第 1図に相当する図、

第 4図は、 第 1図の実施例の製造工程を示す図、 発明を実施するための最良の形態

第 1図及び第 2図に示すように、 穿刺針 1はステンレス鋼管製であり、 先端部分以外は針軸を中心とする円管状の中空円柱部 2である。 穿刺針 1の先端部分は中空円柱部 1が先端側に順次細くしぼられて形成された 中空円錐部 3である。 又、 刃面先端が所定の開き角度となるように、 先 端両側部に研磨加工による面取り 7がされている。 刃面 4は針軸 Cと傾斜角 Θで交差し、 中空円柱部 2と中空円錐部 3を 斜めに横が切る。 中空円錐部 3の母線は針軸 Cと傾斜角 φで交差する。 刃面 4の先端 5は中空円錐部 3の外周面上に、 後端 6は円柱部 2の外周 上にあるから、 先端 5から針軸 Cまでの距離は中空円柱部 2の半径より も小さい。

先端 5と針軸 Cを含む平面における刃面 4の先端角は、 刃面 4の傾斜 角 0と中空円錐部 3の刃面の反対側の母線の傾斜角 øの和、 すなわち 0 + 0である。

刃面 4の傾斜角 Θを従来の刃面傾斜角と同一又はそれよりも小さく設 定し、 円錐部 3の傾斜角 øを 0よりも小さく設定すると、 穿刺針 1の先 端角は、 従来の先端角よりも大きいが、 2倍以下であるから、 鋭利すぎ て患部に深く入りすぎるおそれも、 鈍すぎて穿刺抵抗が大きくなりすぎ るおそれもない。

この穿刺針 1を患部に穿刺すると、 穿刺針 1は、 先端角の 2等分線 B の方向又はそれに近い方向に進行する。 この 2等分線 Bの方向の針軸 C の方向に対する傾斜角は （0— ノ2であるから、 従来針軸方向に対 する 2等分線方向の傾斜角 2に比べると格段に小さい。 したがって、 この穿刺針 1は略針軸 Cの方向に進行するから、 針軸 C方向を穿刺目標 に合わせると、 穿刺針 1が穿刺目標から外れることはほとんどない。 第 3図に示すように、 穿刺針 1 aの刃面 4 aの針軸 Cに対する傾斜角 度 0と先端の円錐部 3 aの傾斜角 0を同一に設定すると、 先端 5と針軸 Cを含む平面において、 先端角の 2等分線 Bは針軸 Cと平行になる。 こ の穿刺針 l aは、 患部に穿刺すると、 針軸 Cの方向に進行するから、 容 易に皮下深部の目標に穿刺することができる。

第 4図 （a ) に示すように、 本発明の穿刺針はステンレス鋼管製中空 円柱体の針ブランク 1 0から製造する。 第 4図 （b ) に示す第 1工程において、 針ブランク 1 0の中空円柱部 2の先端部分にしぼり加工を施して、 針軸 Cに対して母線が傾斜角 Φで 交差する中空円錐台状の中空円錐部 3を形成する。

第 4図 （c ) に示す第 2工程において、 先端 5が円錐部 3の外周に、 後端 6が円柱部 2の外周に位置する刃面 4を形成するように、 針ブラン ク 1 0の中空円錐部 3と中空円柱部 2の双方を通り、 針軸 Cと刃面傾斜 角 0で交差する面 Fに沿って切断する。 その後、 先端に開き角度をつけ る研磨加工等を施して第 1図に示す穿刺針 1に仕上げる。

このようにして製造した穿刺針 1の刃面 4の反対側外周面は、 先端付 近を除くと、 円柱部 2の外周面の一部であり、 先端付近は円錐部 3の外 周面の一部である。 刃面 4の先端 5と針軸 Cを含む平面における先端角 は刃面 4の傾斜角 0と刃面 4の反対側に傾斜する円錐部 3の母線の傾斜 角^の和、 すなわち 0 + 0となる。

Claims

請求の範囲

1. 針軸 （C) と斜交する刃面 （4) を有するベベル型穿刺針 （1) で あって、 前記刃面 （4) の反対側は先端部分を視き針軸 （C) を中心と する中空円柱部 （2) であり、 前記先端部分は前記中空円柱部を先端側 にしぼってなる中空円錐部 （3) であり、 前記刃面 （4) はその先端

(5) が前記中空円錐部 （3) の外周に後端 （6) が前記中空円柱部 (2) の外周に位置し、 前記先端 （5) と針軸 （C) を含む平面におい て、 前記穿刺針の先端角は、 前記刃面の前記針軸に対する傾斜角 0と前 記中空円錐部の前記刃面の反対側に傾斜する前記中空円錐部母線の傾斜 角 0の和であることを特徴としてなる医療用穿刺針。

2. 中空円錐部 （3) 母線の針軸 （C) と交差する傾斜角^を、 刃面 (4) の針軸 （C) と交差する傾斜角 0に等しい力、、 又はそれよりも小 さくしたことを特徴とする請求の範囲 1記載の医療用穿刺針。

3. 金属製円管の針ブランク （10) の先端部分にしぼり加工を施して 中空円柱部 （2) と、 前記中空円柱部から連続して先側に延長する中空 円錐部 （3) を形成し、 ついで、 先端 （5) が前記中空円錐部 （3) の 外周面に後端 （6) が前記中空円柱部 （2) の外周面にそれぞれ位置し、 針軸 （C) と傾斜角度 0で交差する刃面 （4) を形成するように前記針 ブランク （10) を切断加工することを特徴とする医療用穿刺針 （1) の製造方法。

4. 中空円錐部 （3) 母線の針軸 （C) と交差する傾斜角度 0を、 刃面 (4) の針軸 （C) と交差する傾斜角度 0に等しいか、 又はそれより小 さくしたことを特徴とする請求の範囲 3記載の医療用穿刺針 （1) の製 造方法。

盯正された用紙 （規則 91)