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JP2018131666A - 錫コート銅粉とその製造方法、および導電性ペースト - Google Patents

錫コート銅粉とその製造方法、および導電性ペースト Download PDF

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JP2018131666A JP2017027206A JP2017027206A JP2018131666A JP 2018131666 A JP2018131666 A JP 2018131666A JP 2017027206 A JP2017027206 A JP 2017027206A JP 2017027206 A JP2017027206 A JP 2017027206A JP 2018131666 A JP2018131666 A JP 2018131666A
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金子 勲
Isao Kaneko
勲 金子
尚樹 山岡
Naoki Yamaoka
尚樹 山岡
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Abstract

【課題】銅粉表面に錫(Sn)または錫合金を被覆したことで、導電性ペースト等の材料として好適に用いることができる、焼結性と耐酸化性とを兼ね備えた微細で高結晶かつ高充填な錫コート銅粉とその製造方法、および導電性ペーストを提供する。
【解決手段】八面体粒子と八面体以外の粒状粒子とが混在した銅粒子表面に錫または錫合金が被覆された錫コート銅粉であって、平均粒径が0.1μm〜3.0μm、銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径が0.10以上で、タップ密度が3.0g/cm〜5.0g/cmであり、錫または錫合金の被覆量は、錫コート銅粉全体の1質量%〜33質量%であることを特徴とする錫コート銅粉などにより提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、錫コート銅粉とその製造方法、および導電性ペーストに関し、より詳しくは、銅粉表面に錫(Sn)または錫合金を被覆したことで導電性ペースト等の材料に高充填でき、焼結性と耐酸化性とを兼ね備えた微細で高結晶な錫コート銅粉とその製造方法、および導電性ペーストに関する。
電子機器における配線層や電極等を形成するために、樹脂型ペーストや焼成型ペーストのような、銀粉や銅粉等の金属フィラーを使用した導電性ペーストが多用されている。銀粉や銅粉の金属フィラーを使用したペーストは、各種基材上に塗布又は印刷され、加熱硬化あるいは加熱焼成の処理を受けて、配線層や電極等となる導電膜を形成する。
また、電子材料分野で高集積化、高密度化が進む中で、多層化の方法として、プリント配線板の表面と裏面の導通を得るために貫通孔(スルーホール)を設けて、その壁面部分にスルーホールめっきを施し、さらにその貫通孔に導電性ペーストを充填する方法がある。
ペーストのタイプには、樹脂型導電性ペーストがあり、金属フィラーと、樹脂、硬化剤、溶剤等からなり、導電体回路パターン又は端子の上に印刷され、100℃〜200℃で加熱硬化されて導電膜となり、配線や電極を形成する。樹脂型導電性ペーストでは、熱によって熱硬化型樹脂が硬化収縮するために金属フィラーが圧着され相互に接触することで金属フィラー同士が重なり、その結果、電気的に接続した電流パスが形成される。さらに、金属粉は一般的に粒径が微細になるほど焼結性が向上するので、粒径がより小さい金属フィラーを用いると、焼結の効果も加わり低抵抗となる。この樹脂型導電性ペーストは、200℃以下の硬化温度で処理されることから、プリント配線板等の熱に弱い材料を用いる基板に使用されている。この樹脂型導電性ペーストに使用される金属フィラーとしては、銀粉、銅粉、銀コート銅粉等が用いられる。
もう一種類のペーストタイプには焼成型導電性ペーストがあり、金属フィラーと、ガラス、溶剤等からなり、導電体回路パターン又は端子の上に印刷され、600℃〜800℃の高温に加熱焼成されて導電膜となり、配線や電極を形成する。焼成型導電性ペーストでは、高温で処理され、金属フィラーが焼結して導通性が確保される。焼成型導電性ペーストは、このように高い焼成温度で処理されるため、金属粒子を拡散アロイ化させることで導通を図るものであり、高接続信頼性が期待できる。この焼成型導電性ペーストに使用される金属フィラーとしては、共晶半田(Sn‐Pb合金)、Pbフリー半田粉(例えば、Sn−Ag−Cu合金)、銅粉に錫(Sn)めっき、銀粉にSnめっきしたものが挙げられる。
しかしながら、鉛含有半田の場合は、それを使用した配線基板等を廃棄した際に、鉛が溶出して環境汚染のおそれがあることから、電子部品のPbフリー化の観点で使用が制限される。
Sn−Pb合金の代替であるPbフリー半田粉としては、銀、ビスマス、銅、インジウム、アンチモン、亜鉛等を含む二元あるいは多元のSn合金が候補として挙げられる。このPbフリー半田粉では、より高性能な配線基板を作製するという観点から、多層基板として層間の導通を得るためにビアホールを形成し、そのビアホールに導電性ペーストやめっきで充填することが行われる。導電性ペーストを充填する場合には、ビア中の導電性ペースト組成物を高度に金属拡散接合させ、ビアの抵抗値を低くすることが要求される。ところが、積層温度より低融点のSn合金が積層時にその温度によって融解してしまい、充填した形状が変形収縮挙動を起こすことによって変形して、ビアホール内の接続信頼性が低下するという問題がある。
これらの問題を解決するためには、溶融による形状変形を最小化する必要があり、積層温度によって溶融するSn合金の領域を可能な限り減少させる必要がある。そのためには、使用する金属フィラー粒子をPbフリー半田粉とするのではなく、銅や銀を核とした粉末にSn合金が被覆された金属フィラー粒子とすることが考えられる。
ここで、樹脂型ペースト、焼成型ペーストのいずれにも使用される金属粉で、核となる銅粉末の製造方法としては、銅イオンを含有する電解液を電気分解して陰極上に銅粉を析出させる電解法や、銅原料を熔解しその熔湯を液滴化して急冷、凝固させることで銅粉を生成するアトマイズ法、溶液中で還元剤を添加して銅粉を生成する湿式法等が知られている。これらの製造方法は、生産性が高く製造コストも安価であるため、工業的生産法として採用されている。
電解法で得られる銅粉は、高純度なものになるという特長があるが、その電解銅粉の多くは樹枝状の形状で析出し、しかも粒径が10μm以上と粗大なものになりやすく、さらに粒度分布が広く導電性ペーストで特に低抵抗が求められる配線用途には適していない。
また、アトマイズ法は、例えば特許文献1に示されるように、金属を高温で熔解した熔湯の流れにジェット流体を吹き付けて微粉末化する方法であるが、金属を熔解するときに不純物を含有しやすく、また噴霧するときに酸化されやすいこと、さらに1μm以下の銅微粒子を作製できないといった問題がある。上述したように、アトマイズ法、電解法で得られた銅粉は、粒径が2μm以上で焼結性が劣るので低抵抗になりにくいこと、多結晶で粒界を持つため耐酸化性に劣ることなどの欠点があり、導通性が要求される導電性ペーストとして使用分野が限定されている。
これに対して、湿式法は、溶液中の銅イオン等を還元剤により還元析出させる方法である。具体的には、例えば特許文献2に示されるように、銅塩を含む溶液中にアルカリ剤を添加し反応させて水酸化銅を析出させ、次いでブドウ糖のような還元剤を添加して亜酸化銅まで還元させ、さらにヒドラジンのような二次還元剤を添加して金属銅にまで還元させて銅粉を得る。このような湿式法では、サブミクロンの非常に微細な球状の銅微粉を作製できるという特長があるが、特許文献1と同じく多結晶で粒界を持つため耐酸化性が劣り、同じく導電性ペーストとして使用分野が限定されている。
一方で、特許文献3、4には、一定の結晶方位を持つ単結晶銅粉末を得る方法が提案されているが、主な粒径は2〜5μm程度と硬化温度100〜200℃の樹脂型導電性ペーストでは低抵抗化を満足できていない。また低抵抗とするために硬化温度を200℃以上とすると、耐酸化性が不十分となる。
この特許文献3には、正八角錐型の単結晶となった銅粉末を製造するために、銅塩と銅に対して1〜5倍のモル比の酒石酸と水酸化アルカリとを含む溶液に還元剤としてホルムアルデヒドを1分間以内に加えることが記載されている。
また、特許文献4の製造方法は、酒石酸塩などのキレート剤が銅に対して1〜5倍のモル比で必要とされるため薬液コストが高くなり、同時に廃液処理のコストも高くなるため、製造コストが高くなるという問題もある。さらに還元剤であるホルムアルデヒドを1分以内に加えて還元するとの条件もあり、工業的に大量生産するには不向きである。さらに、特許文献4により得られる銅粉は、高結晶ではあるが板状であり、比表面積が高くなって酸化しやすく、また配線エッジが凸凹となることから導電膜の用途には不向きである。
一般に、導電性ペーストをIC基板やプリント基板等に利用する際には、微細なパターンを形成するために、例えば、熱重量(TG)分析で大気中200℃の酸化増量1質量%以下という耐酸化性に優れ、微細で分散性の良い金属フィラーが要求される。また基板耐熱性などから、低温で樹脂硬化させて収縮させた際の接触抵抗が低くなり、またフィラーを大気中で焼成すると、例えば、圧粉抵抗率500μΩ・cm以下という低抵抗になることが求められる。しかしながら、金属粉末、特に銅粉末の場合には顕著に、粒径が微細になるほど酸化が進みやすくなる傾向があるため、微細であり、しかも耐酸化性に優れた銅粉末を得る方法が求められている。
そのため特許文献5には、気相反応によって単結晶の銅微粉を得る方法が提案されているが、得られる銅粉は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察すると、面取りされた多面体の単結晶で、しかも粉末粒子は単結晶であるために、表面が滑らかで欠陥がなく耐酸化性に優れている。しかしながら、気相反応による銅粉の製造では、塩化第一銅を還元性ガスと700℃以上の高温で反応させて単結晶銅粉を得るため、装置の機構が複雑となって製造コストがかかり、さらに得られた銅粉末が再溶融して連結するなど収率が悪いという問題がある。
前記したとおり、焼成型導電性ペーストに使用される金属フィラーとして、銅粉に錫(Sn)めっきしたものが知られているが、核となる銅粉として、特許文献3〜5のようなものを用いたのでは、その表面を錫で被覆しても焼結性と耐酸化性を兼ね備えたものとはならず、耐候性や充填性も不十分である。これらの特性を有する錫コート銅粉を工業的に安価に製造するのに適した方法も求められている。
特許第4342746号公報 特許第4406738号公報 特公平7−115992号公報 特開2014−58713号公報 特公平6−76609号公報
本発明の目的は、上述した従来技術の問題点に鑑み、導電性ペースト等の材料として好適に用いることができる、高充填で焼結性と耐酸化性を兼ね備え、さらに耐候性も高い微細で高結晶な錫コート銅粉とその製造方法、および導電性ペーストを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を解決するため、大量生産に優れる湿式還元法に着目して鋭意研究を重ね、八面体粒子と八面体以外の粒状粒子とが混在した銅粒子表面に錫または錫合金が被覆された錫コート銅粉であって、平均粒径が0.1μm〜3.0μmであり、銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径、タップ密度が特定範囲であると、タップ密度と耐候性を高めることができ、このような錫コート銅粉は、銅塩溶液に対して酸化還元電位の異なる2種類の還元剤を添加・混合して還元反応を行うことで銅粉を合成した後、得られた銅粉の表面に錫または錫合金を被覆することで得られ、従来の製造方法では得られなかった高結晶性で粒径が小さく、かつタップ密度と耐酸化性と耐候性を高めた錫コート銅粉となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、八面体粒子と八面体以外の粒状粒子とが混在した銅粒子表面に錫または錫合金が被覆された錫コート銅粉であって、
平均粒径が0.1μm〜3.0μm、銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径が0.10以上で、タップ密度が3.0g/cm〜5.0g/cmであり、
錫または錫合金の被覆量は、錫コート銅粉全体の1質量%〜33質量%であることを特徴とする錫コート銅粉が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記錫合金は、銀、ビスマス及び亜鉛から選ばれる1種以上の元素を含有することを特徴とする錫コート銅粉が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、本発明の第2の発明において、前記錫合金の元素含有量は、錫合金に対して0.1質量%〜50質量%であることを特徴とする錫コート銅粉が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、銅化合物水溶液とアルカリ金属の水酸化物水溶液と分散剤水溶液とを混合した銅塩溶液に、酸化還元電位が異なる強還元剤、弱還元剤の2種類の還元剤を添加して反応液とし、この反応液中で銅粒子を生成させた後、錫めっきを行う錫コート銅粉の製造方法であって、
銅粒子を生成させる工程において、まず、前記銅塩溶液へ前記銅化合物中の銅量に対して0.07当量以上0.5当量以下の強還元剤を添加し、反応させて八面体粒子の核を生成させながら、反応液を保持し八面体粒子を粒成長させ、次に、該反応液に弱還元剤を添加し反応させて八面体粒子の結晶性を高めて、八面体粒子と八面体以外の粒状粒子とが混在した銅粒子とし、該銅粒子が分散した銅粒子スラリーに錫塩を含む水溶液を添加することで銅粒子表面に錫または錫合金の被膜を形成させることを特徴とする錫コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、本発明の第4の発明において、前記弱還元剤の添加量は、前記銅化合物中の銅量に対して1当量以上7当量以下であることを特徴とする錫コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、本発明の第5の発明において、前記反応液は、前記強還元剤添加時と前記弱還元剤添加時の酸化還元電位の差が1.0V以上であることを特徴とする錫コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、本発明の第4〜6の発明において、前記反応液は、強還元剤を添加した後10分以上保持することを特徴とする錫コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、本発明の第4〜7のいずれかの発明において、前記銅化合物は、硫酸銅五水和物であることを特徴とする錫コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、本発明の第4〜8のいずれかの発明において、前記アルカリ金属の水酸化物は、水酸化ナトリウムであることを特徴とする錫コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、本発明の第4〜9のいずれかの発明において、前記強還元剤は、ヒドラジン一水和物であることを特徴とする錫コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第11の発明によれば、本発明の第4〜10のいずれかの発明において、前記弱還元剤は、アスコルビン酸であることを特徴とする錫コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第12の発明によれば、本発明の第4〜11のいずれかの発明において、前記分散剤が、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、変性シリコーンオイル系界面活性剤、またはポリエーテル系界面活性剤から選択される少なくとも1種であることを特徴とする錫コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第13の発明によれば、本発明の第4〜12のいずれかの発明において、前記分散剤の添加量が、前記銅化合物中の銅量に対して0.1質量%〜10質量%であることを特徴とする錫コート銅粉の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第14の発明によれば、本発明の第4〜13のいずれかの発明において、得られる錫コート銅粉は、平均粒径が0.1〜3.0μmで、銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径が0.10以上、タップ密度が3.0g/cm〜5.0g/cmであることを特徴とする錫コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第15の発明によれば、本発明の第4〜14のいずれかの発明において、錫または錫合金の被覆量は、錫コート銅粉全体の1質量%〜33質量%以下であることを特徴とする錫コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第16の発明によれば、本発明の第15の発明において、前記錫合金として添加される元素は、銀、ビスマス及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項15に記載の錫コート銅粉の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第17の発明によれば、本発明の第16の発明において、前記錫合金として添加される元素は、錫合金に対して0.1質量%〜20質量%であることを特徴とする錫コート銅粉の製造方法が提供される。
一方、本発明の第18の発明によれば、本発明の第1〜3のいずれかの発明の錫コート銅粉と、樹脂と、溶媒とを含む導電性ペーストが提供される。
本発明の錫コート銅粉は、高結晶性で粒径が小さく、八面体粒子と八面体以外の粒状粒子とが混在しているのでタップ密度を高くしうる。この錫コート銅粉は、硫酸銅など安価で取り扱いが容易な原料を用い、工業的な大量生産に適した水溶液系において還元反応を行って銅粒子を得た後、めっきにより錫コートを施すという比較的簡易な方法で製造できる。さらに、本発明の製造方法によれば2種の還元剤を用いた1回の還元反応で、異なる形状と粒径の粒子が混在した錫コート銅粉を得ることができるので、従来のブレンド法よりも生産性よく、低コスト化できる。
したがって、このような高結晶性で粒径が小さく、タップ密度が高い錫コート銅粉を用いれば、電子材料の配線形成用として好適な導電性ペーストが得られる。また耐酸化性と対候性にも優れているので、この導電性ペーストは、低温焼成による導電膜の形成に適しており、さらには導電膜の細線化にも対応可能である。
以下、本発明に係る錫コート銅粉とその製造方法、及びそれを用いた導電性ペーストの具体的な実施形態を詳細に説明する。なお、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、本発明は以下の実施の形態によってのみ限定されるものではない。
1.(錫コート銅粉)
本発明の錫コート銅粉は、八面体粒子と八面体以外の粒状粒子とが混在した銅粒子表面に錫または錫合金が被覆された錫コート銅粉であって、平均粒径が0.1μm〜3.0μm、銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径が0.10以上で、タップ密度が3.0g/cm〜5.0g/cmであることを特徴とする。
すなわち、本発明に係る錫コート銅粉は、八面体粒子と八面体以外の粒状粒子の混合物であり、高結晶性でタップ密度が高く、特定の範囲に制御された平均粒径を有している。
錫コート銅粉は、八面体粒子と八面体以外の粒状粒子が混在した混合物で、錫または錫合金の被覆前の八面体粒子は単結晶、双晶であるか、粒子に含まれる結晶粒が数十以下の粒子で構成されているため、混合物の結晶性を高める効果を有する。八面体粒子には、八面体を呈した粒子のほか、頂点の一部を切り欠いた切頂八面体の形状を持つ粒子も含まれる。八面体粒子としては、特定の結晶面で区切られ、平滑な面を形成しているのが好ましい。
ただし、八面体粒子のみでは、錫コート銅粉のタップ密度が向上しない。本発明の錫コート銅粉では、八面体粒子のみではなく八面体以外の粒状粒子が混在するので、タップ密度を高めることができる。
なお粒状粒子は、結晶粒が数十を超えるように集合した大きな粒子であって、形状によって限定されるものではないが、角や凸部がないか、角が少ない多面体、例えば略球状の形状を呈しているものが好ましい。
本発明に係る錫コート銅粉中に占める八面体粒子の個数比率は、錫コート銅粉の個数全体の20%〜80%であるのが好ましい。この比率は例えば走査型電子顕微鏡(SEM)で錫コート銅粉を観察し、この画像から画像処理等の方法で、八面体粒子とそれ以外の粒子を識別して個数比率を計測する方法で求めることができる。
錫コート銅粉中の八面体粒子の個数比率を20%以上とし、後述するように平均粒径と比較して相対的に結晶子径が大きい高結晶性の粒子を含む銅粉とすることが好ましい。錫コート銅粉中の八面体粒子の個数比率が80%を超えると、タップ密度が低下し、この錫コート銅粉を含むペーストを用いて導電膜を形成した時に、導電膜の電気抵抗値が高くなり、所望の値(規格値)を満たさなくなることがある。したがって、錫コート銅粉中に占める八面体粒子の個数比率は、錫コート銅粉個数全体の30%〜70%であるとより好ましい。
本発明に係る錫コート銅粉の平均粒径は0.1μm〜3.0μmであり、0.3μm〜2.5μmであることがより好ましい。平均粒径をこの範囲とすることで、ペースト化したとき、細線化された配線を形成することができる。なお平均粒径は、一定数の錫コート銅粉を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察、測定した一次粒子の粒径の平均値である。また一次粒子は、SEM観察像より単位粒子と考えられるものを指し、単位粒子が凝集、結合してできた粒子(二次粒子)を意味するものではない。平均粒径が0.1μm未満だと、粒子が凝集しやすくなるだけでなく、タップ密度も上記した範囲を満たさないことがある。平均粒径が3.0μmを超えると、配線を形成させた時に線幅を狭くすることが難しくなり、配線の細線化に向かない。
本発明に係る錫コート銅粉は、銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径が0.10以上となるようにする。ここで銅粒子結晶子径は、X線回折結果から、Scherrer法を用いて計算することができる。この指標が高いほど各粉末を構成する結晶粒の個数が少ないことから、高結晶性である。銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径の上限値は特に限定されないが、八面体粒子と粒状粒子の混合錫コート銅粉では0.40以内の値を示すことが確認されている。好ましい銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径の範囲は、0.10〜0.38であり、0.12〜0.35がより好ましい。
本発明に係る錫コート銅粉は、タップ密度が3.0g/cm〜5.0g/cmであり、3.3g/cm〜5.0g/cmが好ましく、3.5g/cm〜5.0g/cmがより好ましい。この範囲であれば、錫コート銅粉を導電性ペーストに用いて配線形成材料の導電膜を形成した時に、導電膜中の錫コート銅粉の充填密度が高くなり、導電膜の電気抵抗値を低下させることができる。タップ密度が3.0g/cm未満では導電膜中の錫コート銅粉の充填密度が低下し、電気抵抗値が配線形成材料として所望の値(規格値)を満たさなくなることがあるので好ましくない。また、タップ密度が5.0g/cmを超えるものは、現在のところ製造するのが困難である。
本発明に係る錫コート銅粉は、錫または錫合金の被覆量を、錫コート銅粉全体の1質量%以上33質量%以下とすることが好ましい。1質量%未満では、錫による被覆が不十分となることがあり、場合によっては表面が酸化されて抵抗が高くなることがある。一方で、33質量%を超えると被膜強度が低下して耐酸化性が劣り、またコストが高くなるため、好ましくない。なお、上記錫または錫合金の被覆量では、表面にコートされる錫または錫合金の平均厚みが最大でも0.1μm程度であり、錫または錫合金被覆前後で平均粒径、タップ密度、および八面体構造が実質的に変化することはない。好ましい錫または錫合金の被覆量は、銅粉の5質量%以上30質量%以下であり、5質量%以上25質量%以下がより好ましい。
さらに後述するように、錫コート銅粉において、銅粒子に被覆される錫は錫合金でもよい。錫合金として添加される元素としては、銀、ビスマス及び亜鉛から選ばれる1種以上が好ましい。
これらの錫合金を構成する錫以外の金属元素の含有割合としては、融点や濡れ性の観点から、当該錫コート銅粉に被覆されている錫合金の被膜全体に対して0.1質量%〜50質量%の含有量であることが好ましい。含有量が多くなりすぎると、融点の上昇や機械的強度が低下する等の原因となることから、50質量%以下であることが好ましい。一方で、含有量が0.1質量%未満であると、融点を低下させたり濡れ性を向上させる効果が十分に得られないことがある。このことから、錫合金被膜全体に対して、1質量%〜20質量%の含有量がより好ましく、2質量%〜10質量%の含有量がさらに好ましい。
なお、錫合金を構成する金属の含有量は、例えば高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法により、錫コート銅粉を構成する各元素の含有量を換算することによって測定できる。また、エネルギー分散型X線分光(EDX)法やオージェ電子分光(AES)法によって、錫コート銅粉の断面等から錫合金被膜中の各元素の定量分析することもできる。
2.(錫コート銅粉の製造方法)
本発明の錫コート銅粉の製造方法は、銅化合物水溶液とアルカリ金属の水酸化物水溶液と分散剤水溶液とを混合した銅塩溶液に、酸化還元電位が異なる強還元剤、弱還元剤の2種類の還元剤を添加して反応液とし、この反応液中で銅粒子を生成させた後、錫めっきを行う錫コート銅粉の製造方法であって、
銅粒子を生成させる工程において、まず、前記銅塩溶液へ前記銅化合物中の銅量に対して0.07当量以上0.5当量以下の強還元剤を添加し、反応させて八面体粒子の核を生成させながら、反応液を保持し八面体粒子を粒成長させ、次に、該反応液に弱還元剤を添加し反応させて八面体粒子の結晶性を高めて、八面体粒子と八面体以外の粒状粒子とが混在した銅粒子とし、該銅粒子が分散した銅粒子スラリーに錫塩を含む水溶液を添加することで銅粒子表面に錫または錫合金の被膜を形成させることを特徴とする。
すなわち、本発明は、銅化合物水溶液とアルカリ金属の水酸化物水溶液と分散剤水溶液とを混合して銅塩溶液を作製し、上記銅塩溶液へ強還元剤を添加し所定時間保持した後に弱還元剤を添加し銅粒子を生成させ、得られた銅粒子を分散させた銅粒子スラリーに錫塩水溶液を添加することで、めっきを行うことで錫コート銅粉を生成させる製造方法であって、酸化還元電位の異なる2種類の還元剤を用いることによって銅粒子を得るようにする。
従来の製造方法では、形状や粒径が異なる錫コート銅粉をブレンドすることで、結晶性が高く、タップ密度が高く、平均粒径が特定の範囲内で小さい錫コート銅粉を製造しようとしており、従来は湿式法による一連の操作で錫コート銅粉を製造できなかった。これに対して、本発明は、酸化還元電位の異なる2種類の還元剤を使用するとともに、強還元剤の添加量を適度に制御することで、湿式法による一連の操作で錫コート銅粉の製造を可能とした。
具体的には、銅化合物水溶液とアルカリ金属の水酸化物水溶液と分散剤水溶液とを混合して銅塩溶液を作製し、上記銅塩溶液へ強還元剤を添加して反応液とし、所定時間保持した後にさらに弱還元剤を添加し銅微粒子を生成させ、銅微粒子が分散した銅粒子スラリーに錫塩水溶液を添加して、めっきを行うことで錫コート銅粉を生成させる。
ここで、強還元剤とは、本実施の形態で用いる2種類の還元剤のうち還元力の強い還元剤であることを意味し、弱還元剤とは、その強還元剤より標準電極電位が高い、すなわち還元力の弱い還元剤であることを意味する。強還元剤を、銅化合物中の銅量に対して0.07当量以上0.5当量以下添加することで、高結晶性でタップ密度の高く、平均粒径が特定の範囲内で小さい錫コート銅粉を得ることができる。
以下、本発明に係る錫コート銅粉の製造方法について、より詳細に説明する。
(1)銅塩溶液の調製
まず、銅化合物を含む銅塩溶液を調製する。出発原料である銅化合物としては、公知の硫酸銅、塩化銅、炭酸銅、酢酸銅、リン酸銅など、水溶液として溶解すればいずれの塩でもよく、また1種類単独でも複数の各種銅化合物でも使用できるが、塩化銅、炭酸銅、硫酸銅五水和物を用いることが好ましい。特に硫酸銅五水和物は、他の銅化合物よりも銅粉に陰イオン元素が混入せず不純物が少なく、排水処理費も含めて安価なものが入手しやすいからである。
銅塩溶液中の硫酸銅五水和物濃度は、特に限定されないが、100〜2000g/Lとすることが好ましい。銅濃度が低くても粒子の成長が生じて銅粒子を得ることはできるが、100g/L未満では、排水量が増大して高コストになるとともに、生産性を高めることができない。一方で、硫酸銅五水和物の濃度が2000g/Lを越えると、水に対する硫酸銅五水和物の溶解度に近くなり、十分に溶解しない可能性があるため、好ましくない。
アルカリ金属の水酸化物としては、公知の各種水酸化物を使用できるが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを用いることが好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。これらのアルカリ金属の水酸化物は、入手が容易で、他のアルカリ金属の水酸化物よりも安価である。
アルカリ金属の水酸化物水溶液は、後述する弱還元剤を添加後、弱還元剤の還元反応が十分に進行するpHとなるように、添加量を調整するのが好ましい。具体的には弱還元剤としてアスコルビン酸を用いる場合は、添加量を反応液のpHが3.0以上となるようにすることが好ましい。反応液のpHが3.0未満の場合、弱還元剤であるアスコルビン酸による還元反応が進行しにくい。
本発明では、還元反応により生成した銅粒子が凝集を起こさないように、分散剤の水溶液を使用する。分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、変性シリコーンオイル系界面活性剤、またはポリエーテル系界面活性剤から選択される少なくとも1種が好ましい。分散剤の添加量としては、銅化合物中の銅量に対して0.01質量%〜10質量%とすることが好ましく、0.05質量%〜3質量%とすることがより好ましい。添加量が0.01質量%未満であると、凝集抑制効果が十分に得られないことがあり、一方で、添加量が10質量%を超えると、凝集抑制効果に対して排水処理等の負荷が増加する。
(2)銅塩溶液と強還元剤の反応
次に、銅塩溶液に強還元剤を添加して反応させる。なお還元剤を添加した銅塩溶液を以降反応液とする。強還元剤としては、標準電極電位が低く還元力の強い還元剤であり、具体的には、標準電極電位が−1.15Vのヒドラジン、−1.24Vの水素化ホウ素ナトリウム、0.056Vのホルマリン、またはジメチルアミンボラン等を好ましく用いることができる。その中でも、特に還元力が強いヒドラジンおよびその水和物であるヒドラジン一水和物を用いると、多量の核を発生させることができ、平均粒径が小さくなりやすいので、より好ましい。
強還元剤の添加量は、銅化合物中の銅量に対して0.07当量以上、0.5当量以下とすることが必要であり、強還元剤の添加量がこの範囲から外れると、結晶性の高い八面体粒子と粒状粒子との混合物を得ることができない。強還元剤の添加量は、0.08当量以上、0.4当量以下とすることが好ましく、0.1当量以上、0.3当量以下とすることがより好ましい。
強還元剤の添加量が銅化合物中の銅量に対して0.07当量未満であると、強還元剤を添加した効果が小さく、粒状粒子しか得らない。一方、0.5当量を超えると、強還元剤による核発生と粒成長が急激に起きるため、八面体粒子を構成する結晶粒が細かくなり、結晶性は低くなる。
反応温度は、30〜80℃が好ましい。反応温度が30℃未満では、粒状粒子しか得られない場合があり、80℃を超えると、八面体粒子を構成する結晶粒が細かくなり、結晶性は低くなることがある。好ましい反応温度は、40〜70℃である。また、強還元剤としてヒドラジンまたはヒドラジン一水和物を用いた場合、還元反応時に発泡する場合があるため、反応液に消泡剤を添加してもよい。
強還元剤添加後の反応液の保持時間は、10分以上とすることが好ましい。保持時間が10分未満の場合、強還元剤による反応と次に添加される弱還元剤との還元反応が同時に起き、還元速度が速くなるため、八面体粒子の結晶性が低くなる。強還元剤添加後の反応液の保持時間の上限については、特に限定されないが、強還元剤による還元反応が終了するまで、例えば120分程度保持すればよい。好ましいのは10〜100分であり、より好ましいのは20〜60分である。
この反応で反応液中に主として結晶性の高い八面体粒子が析出する。本発明に係る錫コート銅粉中に占める八面体粒子の個数比率は、前記のとおり、錫コート銅粉個数全体の20%〜80%とするのが好ましいが、この個数比率は、銅粉の製造時に使用する強還元剤の添加量等により制御される。
(3)弱還元剤の添加による銅微粒子の生成
その後、反応液に強還元剤とは標準電極電位が異なる弱還元剤を添加して銅微粒子を生成させる。用いる弱還元剤は、強還元剤よりも標準電極電位が高く、還元力の弱い還元剤である。弱還元剤としては、標準電極電位が0.058Vのアスコルビン酸、あるいは類似のラクトン構造を持つ有機化合物を用いることが好ましい。アスコルビン酸は還元作用が緩やかであり、このようなラクトン構造を持つ有機化合物を用いれば結晶性の高い銅粉が得られやすい。
反応液中での強還元剤と弱還元剤の還元力の差が大きいほど、高結晶性の八面体粒子が生成されやすい。還元力の差は酸化還元電位の差として表すことができ、反応液において、強還元剤添加時の酸化還元電位と弱還元剤添加時の酸化還元電位との差が1.0V以上とするのが好ましく、1.2V以上がより好ましい。電位差が1.0V未満では、生成された銅粉の結晶性が低下してしまう。
弱還元剤の添加量は、特に限定されないが、銅化合物中の銅量に対して1当量〜7当量とすることが好ましい。添加量が銅塩溶液中の銅量に対して1当量未満の場合、未還元の銅塩が残留することがあり、7当量より多いとコストが高くなる。なお後述するように、還元型無電解めっき法を用いて錫、錫合金コート処理を行い、かつ生成させた銅粒子を含む銅粒子スラリーをろ過しないで錫塩水溶液を添加して、銅粒子の生成に用いた還元剤を用いて連続的に錫コート処理を行う場合には、還元剤は銅量に対して1.5当量以上、より好ましくは2当量以上とするのがよい。
反応温度は、30〜80℃が好ましい。反応温度が30℃未満では、未還元の銅塩が残留する場合があり、80℃を超えると、八面体粒子以外の結晶粒が増えて、タップ密度が低くなることがある。好ましい反応温度は、40〜70℃である。弱還元剤添加後の反応液の保持時間は、特に限定されないが、1時間以上とすることが好ましい。反応液の保持時間が1時間未満の場合、還元反応が終わっておらず、未還元の銅塩が残留するため、好ましくない。弱還元剤添加後の反応液の保持時間の上限は特に限定されないが、弱還元剤による還元反応が終了するまで、例えば5時間以内保持すればよい。好ましいのは1〜4時間であり、より好ましいのは2〜3時間である。
反応液には、必要に応じてpH調整剤、錯化剤、消泡剤等を適宜添加することもできる。これらの添加量も、その目的に応じて適宜調整すればよい。
(4)錫コート処理
以上のようにして生成させた銅粒子スラリーは、例えば還元型無電解めっき法を用いて銅粒子の表面に錫コート処理を行い、錫コート銅粒子とする。
しかし、錫コート処理は無電解めっき法に限定されることはなく、公知の他の方法で銅粉の表面に錫コート処理を行ってもよい。ただ無電解めっき法で銅粒子の表面を錫でコートすれば、比較的低コストで生産性よく粉末表面の酸化が抑えられるとともに、この粉末を用いて導電膜を形成した時に、導電性を高めることができる。
具体的には、生成させた銅粒子を分散させた銅粒子スラリーとし、この銅粒子スラリーに錫塩水溶液を添加して錫コート処理を行う。
この銅粒子スラリーとする方法としては、銅粒子を反応液からろ過して、反応液を水等で洗浄してから乾燥させて銅粒子を取出し、その銅粒子を液中に分散させて銅粒子スラリーとする方法、デカンテーション等で反応液を除去し、水等を加えて銅粒子スラリーとする方法、反応液中をそのまま利用して銅粒子を反応液中に分散させて銅粒子スラリーとする方法がある。
銅粉の表面に均一な厚みで錫または錫合金を被覆するためには、錫めっきの前に洗浄を行うことが好ましく、銅粒子を洗浄液中に分散させ、攪拌しながら洗浄を行うことができる。この洗浄処理としては、酸性溶液中で行うのが好ましく、洗浄後には、銅粒子のろ過、分離と、水洗とを適宜繰り返して、水中に銅粒子が分散した水スラリーとする。なお、ろ過、分離と、水洗については、公知の方法を用いればよい。
具体的に、無電解めっき法で錫コートする場合には、銅粒子を洗浄した後に得られた銅粒子スラリーに無電解錫めっき液を加えるか、無電解錫めっき液中に銅粒子スラリーを加え、均一に撹拌することで銅粉の表面に錫または錫合金をより均一に被覆させることができる。
無電解めっき法で錫または錫合金を被覆する方法としては、特に限定されない。無電解錫めっきとしては、下地である銅粒子の溶出に伴ってめっき液中の錫イオンが還元析出する置換型錫めっきと、めっき液中の錫イオンを還元剤によって還元して錫被覆を行う還元型錫めっきと、錫イオンの不均化反応によって金属錫となることを利用して錫被覆を行う不均化反応型錫めっきが挙げられ、いずれの方法でもよい。
具体的に、置換型錫めっき液としては、錫化合物と、錫化合物を水溶液中に安定に保つための錯化剤とを必須成分とし、必要に応じて界面活性剤、pH調整剤等を添加してなるものを用いることができる。また、還元型錫めっき液としては、上述した置換型錫めっき液の組成に還元剤を添加したものを用いることができる。
また、不均化反応型錫めっきでは、アルカリ水溶液中において錫イオンがHSnO2−イオンとして存在し、そのHSnO2−イオンが、下記式で示される不均化反応によって金属錫となる。不均化反応型錫めっきでは、反応により生成する金属錫によって錫めっきを行うもので、強アルカリ浴の置換型錫めっき液と同様の組成のめっき液を用いることができる。
2HSnO2− + 2HO ⇔ Sn(OH) 2− + Sn
錫化合物としては、2価の錫化合物と4価の錫化合物があり、2価の錫化合物と4価の錫化合物をそれぞれ単独で、またはそれぞれ併用してもよい。
具体的に、錫化合物としては、例えば、ホウフッ化第一錫、スルホコハク酸第一錫、塩化第一錫、塩化第二錫、硫酸第一錫、硫酸第二錫、酸化第一錫、酸化第二錫、メタンスルホン酸第一錫、エタンスルホン酸第一錫、2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸第一錫、p−フェノールスルホン酸第一錫、ホウフッ化錫、ケイフッ化錫、スルファミン酸錫、シュウ酸錫、酒石酸錫、グルコン酸錫、スルホコハク酸錫、ピロリン酸錫、1−ヒドロキシエタン−1,1−ビスホスホン酸錫、トリポリリン酸錫等が挙げられる。
錯化剤としては、チオ尿素誘導体、カルボン酸又はアミン系化合物、塩化チタン等を用いることができる。
具体的に、チオ尿素誘導体としては、チオ尿素、1,3−ジメチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素(例えば、1,3−ジエチル−2−チオ尿素)、N,N’−ジイソプロピルチオ尿素、アリルチオ尿素、アセチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、1,3−ジフェニルチオ尿素、二酸化チオ尿素、チオセミカルバジド等が挙げられる。
また、カルボン酸又はアミン系化合物としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、ゴルコヘプトン酸、グリコール酸、乳酸、トリオキシ酪酸、アスコルビン酸、イソクエン酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、ロイシン酸、シトラマル酸、コハク酸、メルカプトコハク酸、スルホコハク酸、グルタル酸、マロン酸、アジピン酸、シュウ酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、メサコン酸、グリコール酸、クエン酸ナトリウム、グリシン、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、エチレンジアミン四プロピオン酸、ニトリロ三酢酸、イミノジ酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、イミノジプロピオン酸、アミノトリメチレンリン酸、アミノトリメチレンリン酸五ナトリウム塩、ベンジルアミン、2−ナフチルアミン、イソブチルアミン、イソアミルアミン、1,3−プロパンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、メタフェニレンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸、ジアミノプロピオン酸、エチレンジアミンテトラメチレンリン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンリン酸、グルタミン酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、オルニチン、システイン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、(S、S)−エチレンジアミンコハク酸、メチレンジアミン、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、シンナミルアミン、p−メトキシシンナミルアミン等が挙げられる。
還元剤としては、リン酸系化合物、水素化ホウ素化合物、ヒドラジン誘導体等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を併せて用いることができる。
具体的に、リン酸系化合物としては、次亜リン酸、亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等が挙げられる。また、水素化ホウ素化合物としては、メチルヘキサボラン、ジメチルアミンボラン、ジエチルアミンボラン、モルホリンボラン、ピリジンアミンボラン、ピペリジンボラン、エチレンジアミンボラン、エチレンジアミンビスボラン、t−ブチルアミンボラン、イミダゾールボラン、メトキシエチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。
また、ヒドラジン誘導体としては、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン等のヒドラジン塩や、ピラゾール類、トリアゾール類、ヒドラジド類等のヒドラジン誘導体等を用いることができる。これらの中で、ピラゾール類としては、ピラゾールの他に、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ピラゾロン等のピラゾール誘導体を用いることができる。また、トリアゾール類としては、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール等を用いることができる。また、ヒドラジド類としては、アジピン酸ヒドラジド、マレイン酸ヒドラジド、カルボヒドラジド等を用いることができる。
なお、そのほか、必要に応じて、pH緩衝剤、pH調整剤、界面活性剤等の添加剤を含有させることができる。さらに必要に応じて、消泡剤や分散剤を使用してもよい。
pH緩衝剤としては、公知の錯化剤を使用することができる。例えば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、ホウ酸、酢酸ナトリウム等が挙げられる。
pH調整剤としては、公知の錯化剤を使用することができる。例えば、酸やアルカリの化合物を使用することができ、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物,炭酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。なお、アンモニアを用いる場合、アンモニア水として供給することができる。
界面活性剤は、めっき液の浸透性を向上させるために用いることができ、具体的に、界面活性剤としては、ノニオン性、カチオン性、アニオン性、両性等の界面活性剤のいずれを用いることができ、1種単独又は2種以上併せて用いることができる。
さらに、形成される錫被膜中に、錫以外の他の元素が含有すること、すなわち、銅粉表面に錫合金の被膜を形成させることで、融点や濡れ性等の性質を変更することができる。例えば、Pbフリー半田の仕様としては、使用する用途や材料によって、使用温度や濡れ性、機械的強度が問題となる。この点において、錫合金の被膜を形成させることで、使用用途や材料に合った性質に変更することができる。
具体的に、錫被膜中に含有させる元素、つまり錫合金を構成する錫以外の元素としては、銀、ビスマス、銅、インジウム、アンチモン、及び亜鉛等が挙げられる。錫合金としては、これらの元素を含む二元あるいは多元の合金とすることができる。その中でも、無電解めっき法で錫を被覆するときに合金化できる元素としては、銀、ビスマス、亜鉛があり、上述した無電解錫めっき液に、これら元素を含む化合物を1種以上添加することによって、容易に錫合金被膜を被覆することができる。
具体的に、銀を含む錫合金とする場合、無電解錫めっき液中に添加する銀化合物としては、例えば、酸化銀、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、安息香酸銀、スルファミン酸銀、クエン酸銀、乳酸銀、メルカプトコハク酸銀、リン酸銀、トリフルオロ酢酸銀、ピロリン酸銀、1−ヒドロキシエタン−1,1−ビスホスホン酸銀、ホウフッ化銀、酒石酸銀、グルコン酸銀、シュウ酸銀、メタンスルホン酸銀、p−フェノールスルホン酸銀、安息香酸銀等が挙げられる。
また、ビスマスを含む錫合金とする場合、無電解錫めっき液中に添加するビスマス化合物としては、例えば、硝酸ビスマス、塩化ビスマス、メタンスルホン酸ビスマス、エタンスルホン酸ビスマス、p−フェノールスルホン酸ビスマス等が挙げられる。
また、亜鉛を含む錫合金とする場合、無電解錫めっき液中に添加する亜鉛化合物としては、例えば、酸化亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛等が挙げられる。
これらの錫合金を構成する錫以外の金属元素の含有割合としては、融点や濡れ性の観点から、当該錫コート銅粉に被覆されている錫合金の被膜全体に対して0.1質量%〜50質量%の含有量であることが好ましい。錫合金被膜全体に対して、1質量%〜20質量%の含有量がより好ましく、2質量%〜10質量%の含有量がさらに好ましい。
さらに、錫合金被膜を形成する方法は、上述した無電解めっき法による方法に限定されない。例えば、錫を被覆する前の銅粒子中に錫合金を構成する錫以外の元素を含有させておき、錫のみからなる被膜(錫被膜)を形成させた後に、あらかじめ銅粒子に含有させておいた元素をその錫被膜に拡散させることによって、錫合金被膜を形成させることもできる。
(5)ろ過、洗浄・乾燥
以上のようにして、錫コート銅粒子スラリーを生成後、その錫コート銅粒子スラリーをろ過し、錫コート銅粉を分離して洗浄し、乾燥する。
洗浄方法は、特に限定されるものではないが、例えば錫コート銅粒子を水に投入し、撹拌機又は超音波洗浄器を使用して撹拌した後、吸引ろ過機やフィルタープレス等で濾過して回収する方法を用いることができる。この洗浄方法において、水への投入、撹拌洗浄及び濾過からなる操作を、数回繰り返して行うことが好ましい。また、洗浄水としては、錫コート銅粉に対して有害な不純物元素を含有しない水、特に純水を使用することが好ましい。
また錫コート銅粉の凝集等を防止するために、洗浄液等に表面処理剤を添加して、洗浄中に錫コート銅粉を表面処理してもよい。例えば、洗浄中にカルボン酸水溶液による処理を追加することができる。表面処理を行った場合は、その後洗浄、ろ過を行い、余剰な表面処理剤を十分に除去するのが好ましい。
次に、洗浄後の錫コート銅粉を乾燥させて、水分を蒸発させる。乾燥方法は、特に限定されるものではないが、例えば洗浄後の錫コート銅粒子をステンレスバット上に置き、大気オーブン又は真空乾燥機等の市販の乾燥装置を用いて、40℃〜80℃程度の温度で加熱することにより行うことができる。
(6)導電性ペースト
本発明では、少なくとも上記錫コート銅粉と、樹脂(バインダ樹脂)と溶剤とを混合し、それらを混練することで導電性ペーストを得ることができる。
導電性ペーストには、構成成分として本発明に係る錫コート銅粉、樹脂、溶剤のほかに、さらに必要に応じて、硬化後の導電性を改善するために酸化防止剤やカップリング剤等の添加剤を配合することができる。
樹脂の種類は、特に限定されないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、エチルセルロース樹脂等を用いることができる。
また、溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ターピネオール等の有機溶剤を用いることができる。また、その有機溶剤の量は、特に限定されないが、スクリーン印刷やディスペンサー等の導電膜形成方法に適した粘度となるように、銅粉の平均粒径を考慮して添加量を調整することができる。
また、酸化防止剤の種類は、特に限定されないが、例えばヒドロキシカルボン酸等を挙げることができる。より具体的には、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸等のヒドロキシカルボン酸が好ましく、銅への吸着力が高いクエン酸又はリンゴ酸が特に好ましい。その他にカップリング剤、粘度調整剤、分散剤、難燃剤、沈降防止剤などを使用することができる。
この導電性ペーストは、上述した構成成分を均一に分散させることができる限り、従来技術と同様の方法により製造することができる。たとえば、上述した各構成成分を、3本ロールミルなどにより均一に混練することができる。
なお、上述した添加剤を添加するタイミングも特に制限されることはなく、錫コート銅粉、バインダ樹脂と同時に溶剤に添加して混練してもよく、あるいは、錫コート銅粉とバインダ樹脂を溶剤と混練させた後、自公転ミキサ等などを用いて添加してもよい。
本発明の錫コート銅粉は、高結晶性で粒径が小さく、タップ密度を高くしうるので、電子材料の配線形成用として好適な導電性ペーストが得られる。この導電性ペーストは、低温焼成による導電膜の形成に適しており、さらには導電膜の細線化にも対応可能である。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(平均粒径)
得られた粒子は、走査型電子顕微鏡(SEM、JEOL,JSM−7100F)を用いて観察し、錫コート銅粉300個以上の一次粒子の粒径を測長し、その平均値を平均粒径とした。また同数の錫コート銅粉のうち、八面体のものを数えて比率を算出した。
(タップ密度)
タップ密度は、20mLのメスシリンダーに、錫コート銅粉20gを入れ、振とう比重測定器((株)蔵持化学器械製作所、KRS−409)を用いて、500回タッピングし測定した。銅粉の重量/タッピング後の体積で求められた値を、タップ密度とした。
(結晶子径)
得られた錫コート銅粉中の銅粒子の結晶子径は、X線回折装置(PANalytical、X‘pert PRO)を用いて測定し、このX線回折結果から、Scherrer法を用いて計算した。
(耐酸化性)
耐酸化性は、乾燥して得られた錫コート銅粉を、打錠プレスにより直径約3mm、厚さ2mmの円筒状ペレットとし、熱重量法(TG;理学製)により、大気中で200℃まで温度を上げて、酸化による重量増量を測定した。1質量%以下が好ましい。
(焼結抵抗)
焼結抵抗は、耐酸化性のTG評価後のペレットを、4端子法抵抗測定器(三菱化学アナリティカル製)により抵抗値を測定し、ペレット形状から抵抗率(μΩ・cm)を算出した。
(耐候性)
耐候性は、焼成抵抗を測定後のペレットを恒温恒湿下に放置し、一定時間ごとの抵抗率を上記4端子法抵抗測定器により抵抗値を測定して抵抗率を算出し、恒温恒湿測定前を基準として抵抗率の変化率(%)を算出した。具体的には恒温恒湿条件の代表例として温度85℃、湿度85%R.H.で500時間後の抵抗率の変化率を算出し、20%以下であることが求められる。
[実施例1]
硫酸銅五水和物(住友金属鉱山(株)製)25.0gを純水150mLに溶解させ、この水溶液へ、25%水酸化ナトリウム水溶液(関東化学(株)製)30mLと、分散剤であるポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA205)0.06gを純水50mLに溶解させた分散剤水溶液を添加した。さらに、消泡剤((株)アデカ製、アデカノールLG−126)を体積比で100倍に希釈し、この消泡剤希釈液5mLを添加して銅塩溶液とした。上記銅塩溶液を撹拌しながら、40℃で保持した。
引き続き、この水溶液へ、ヒドラジン一水和物(和光純薬工業(株)製)0.25mL(ヒドラジンの還元反応が4電子反応とした場合、硫酸銅五水和物中の銅に対して0.1当量)を純水10mLへ溶解させた強還元剤溶液を投入し、40℃で30分間撹拌しながら保持した。
次に、アスコルビン酸(和光純薬工業(株)製)44g(硫酸銅五水和物中の銅に対して5当量)を純水100mLに溶解させた弱還元剤溶液を投入し、40℃で3時間撹拌しながら保持した。得られた銅粉は一旦濾別し、水洗と凝集防止のためのステアリン酸エマルション添加による表面処理後に再度濾別し、30℃の真空オーブンで6時間乾燥させた。
次に、上述した方法で作製した銅粒子を用いて、無電解錫めっきによりその銅粒子表面に錫の被覆を行い、錫コート銅粉を作製した。具体的には、この銅粒子100gを用いて、無電解めっき法によりその表面に錫被膜を形成させた。無電解錫めっき液として、ホウフッ化第一錫20g/L、ホウフッ酸200g/L、チオ尿素50g/L、水素化ホウ素ナトリウム40g/L、ホウ酸ナトリウム10g/Lを各濃度で添加しためっき液を用意した。この無電解錫めっき液に、上述した方法で作製した銅粒子100gを入れ、25℃で10分間撹拌した後、浴温を60℃まで加熱して60分間撹拌した。反応が終了した後、粉末をろ過、水洗してエタノールを通じて乾燥させた。
こうして得られた錫コート銅粉の形状を、上述したSEMを用いた方法で観察した。錫コート銅粉は、結晶性の高い八面体粒子63%と粒状粒子37%とが混在していた。平均粒径を測定すると、0.95μmであった。また、この錫コート銅粉のタップ密度は、3.8g/cmであった。銅粒子の結晶子径は、0.15μmであり、銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径は、0.16であった。銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径が0.1以上であるため、十分に高結晶性であり、異なる形状と粒径の粒子が混在しているため、高いタップ密度の錫コート銅粉が得られた。
また錫の被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して錫の被覆量は11.6質量%であり、さらに、200℃酸化増量(TG測定)は0.7質量%と小さく、抵抗率は200μΩ・cmと低抵抗となった。耐候性は12.7%と良好であった。以上の結果を表1にまとめて示した。
[実施例2]
上記実施例1において、強還元剤であるヒドラジン一水和物の添加量を0.74mL(ヒドラジンの還元反応が4電子反応とした場合、硫酸銅五水和物中の銅に対して0.3当量)としたこと以外は、実施例1と同様にして錫コート銅粉を作製した。
この錫コート銅粉には、結晶性の高い八面体粒子51%と粒状粒子49%とが混在していた。平均粒径を測定すると、0.46μmであった。また、この錫コート銅粉のタップ密度は、3.4g/cmであった。銅粒子の結晶子径は、0.13μmであり、銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径は、0.28であった。銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径が0.1以上であるため、高結晶性であり、異なる形状と粒径の粒子が混在しているため、高いタップ密度の錫コート銅粉が得られた。
また錫の被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して15.0質量%であり、200℃酸化増量(TG測定)は0.7質量%と小さく、抵抗率は220μΩ・cmと低抵抗となった。耐候性は14.2%と良好であった。
[実施例3]
上記実施例1において、強還元剤であるヒドラジン一水和物に替えてホルマリン(60体積%液)の添加量を4.9mL(ホルマリンの還元反応が1電子反応とした場合、硫酸銅五水和物中の銅に対して0.5当量)としたこと以外は、実施例1と同様にして錫コート銅粉を作製した。
この錫コート銅粉には、結晶性の高い八面体粒子68%と粒状粒子32%とが混在していた。平均粒径を測定すると、0.24μmであった。また、この錫コート銅粉のタップ密度は、3.1g/cmであった。銅粒子の結晶子径は、0.11μmであり、銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径は、0.46であった。銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径が0.1以上であるため、高結晶性であり、異なる形状と粒径の粒子が混在しているため、高いタップ密度の錫コート銅粉が得られた。
また錫の被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して18.1質量%であり、200℃酸化増量(TG測定)は0.9質量%と小さく、抵抗率は369μΩ・cmと低抵抗となった。耐候性は14.0%と良好であった。
[実施例4]
実施例1において、ホウフッ化第一錫を45g/Lとした以外は同様の条件にして錫コート銅粉を作製した。
この錫コート銅粉は、結晶性の高い八面体粒子と粒状粒子との混在比率、平均粒径、タップ密度、銅粒子の結晶子径は、実施例1と変わりなかった。
また錫の被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して28.6質量%であり、200℃酸化増量(TG測定)は0.5質量%と小さく、抵抗率は378μΩ・cmと低抵抗となった。耐候性は9.4%と良好であった。
[実施例5]
実施例1において、無電解錫めっき液として、塩化第一錫10g/L、クエン酸ナトリウム40g/L、エチレンジアミン四酢酸20g/L、塩化チタン50g/Lを各濃度で添加しためっき液を用意した。この無電解錫めっき液に、上述した方法で作製した銅粉100gを入れ、25℃で10分間撹拌した後、浴温を65℃まで加熱して60分間撹拌した。反応が終了した後、粉末をろ過、水洗してエタノールを通じて乾燥させた。
この錫コート銅粉は、結晶性の高い八面体粒子と粒状粒子との混在比率、平均粒径、タップ密度、銅粒子の結晶子径は、実施例1と変わりなかった。
また錫の被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して15.5質量%であり、200℃酸化増量(TG測定)は0.6質量%と小さく、抵抗率は280μΩ・cmと低抵抗となった。耐候性は13.8%と良好であった。
[実施例6]
実施例1において、無電解錫めっき液として、塩化第一錫10g/L、水酸化ナトリウム100g/L、クエン酸ナトリウム40g/Lを各濃度で添加しためっき液を用意した。この無電解錫めっき液に、上述した方法で作製した銅粉100gを入れ、25℃で10分間撹拌した後、浴温を80℃まで加熱して60分間撹拌した。反応が終了した後、粉末をろ過、水洗してエタノールを通じて乾燥させた。
この錫コート銅粉は、結晶性の高い八面体粒子と粒状粒子との混在比率、平均粒径、タップ密度、銅粒子の結晶子径は、実施例1と変わりなかった。
また錫の被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して6.6質量%であり、200℃酸化増量(TG測定)は0.8質量%と小さく、抵抗率は415μΩ・cmと低抵抗となった。耐候性は15.8%と良好であった。
[実施例7]
実施例1において、合金用無電解錫めっき液として、メタンスルホン酸第一錫50g/L、クエン酸銀20g/L、チオ尿素100g/L、次亜リン酸ナトリウム30g/Lを各濃度で添加しためっき液を用意した。この無電解錫めっき液に、上述した方法で作製した状銅粉100gを入れ、25℃で10分間撹拌した後、浴温を70℃まで加熱して60分間撹拌した。反応が終了した後、粉末をろ過、水洗してエタノールを通じて乾燥させた。
この錫コート銅粉は、結晶性の高い八面体粒子と粒状粒子との混在比率、平均粒径、タップ密度、銅粒子の結晶子径は、実施例1と変わりなかった。
錫合金の被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して8.4質量%であり、錫合金に含まれる銀の含有量は、錫合金に対して5.0質量%であった。
また、200℃酸化増量(TG測定)は0.6質量%と小さく、抵抗率は150μΩ・cmと低抵抗となった。耐候性は9.1%と良好であった。
[実施例8]
実施例1において、合金用無電解錫めっき液として、メタンスルホン酸第一錫40g/L、メタンスルホン酸ビスマス40g/L、チオ尿素100g/L、エチレンジアミン四酢酸20g/L、次亜リン酸ナトリウム80g/Lを各濃度で添加しためっき液を用意した。この無電解錫めっき液に、上述した方法で作製した銅粉100gを入れ、25℃で10分間撹拌した後、浴温を70℃まで加熱して60分間撹拌した。反応が終了した後、粉末をろ過、水洗してエタノールを通じて乾燥させた。
この錫コート銅粉は、結晶性の高い八面体粒子と粒状粒子との混在比率、平均粒径、タップ密度、銅粒子の結晶子径は、実施例1と変わりなかった。
錫の被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して8.0質量%であり、錫合金に含まれるビスマスの含有量は、錫合金に対して10.1質量%であった。
また、200℃酸化増量(TG測定)は0.7質量%と小さく、抵抗率は305μΩ・cmと低抵抗となった。耐候性は16.1%と良好であった。
[実施例9]
実施例1において、合金用無電解錫めっき液として、塩化第一錫10g/L、硫酸亜鉛5g/L、チオ尿素100g/L、クエン酸ナトリウム40g/L、次亜リン酸ナトリウム70g/Lを各濃度で添加しためっき液を用意した。この無電解錫めっき液に、上述した方法で作製した銅粉100gを入れ、25℃で10分間撹拌した後、浴温を70℃まで加熱して60分間撹拌した。反応が終了した後、粉末をろ過、水洗してエタノールを通じて乾燥させた。
この錫コート銅粉は、結晶性の高い八面体粒子と粒状粒子との混在比率、平均粒径、タップ密度、銅粒子の結晶子径は、実施例1と変わりなかった。
錫の被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して7.9質量%であり、錫合金に含まれる亜鉛の含有量は、錫合金に対して10.2質量%であった。
また、200℃酸化増量(TG測定)は0.7質量%と小さく、抵抗率は268μΩ・cmと低抵抗となった。耐候性は14.7%と良好であった。
[実施例10]
実施例1において、合金用無電解錫めっき液としては、メタンスルホン酸第一錫50g/L、メタンスルホン酸ビスマス5g/L、クエン酸銀20g/L、チオ尿素100g/L、次亜リン酸ナトリウム30g/Lを各濃度で添加しためっき液を用意した。この無電解錫めっき液に、上述した方法で作製した銅粉100gを入れ、25℃で10分間撹拌した後、浴温を70℃まで加熱して60分間撹拌した。反応が終了した後、粉末をろ過、水洗してエタノールを通じて乾燥させた。
この錫コート銅粉は、結晶性の高い八面体粒子と粒状粒子との混在比率、平均粒径、タップ密度、銅粒子の結晶子径は、実施例1と変わりなかった。
錫の被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して13.4質量%であり、錫合金に含まれる銀とビスマスの含有量は、錫合金に対してそれぞれ4.3質量%と6.0質量%であった。
また、200℃酸化増量(TG測定)は0.5質量%と小さく、抵抗率は170μΩ・cmと低抵抗となった。耐候性は8.6%と良好であった。
[比較例1]
上記実施例1において、強還元剤であるヒドラジン一水和物の添加量を0.12mL(ヒドラジンの還元反応が4電子反応とした場合、硫酸銅五水和物中の銅に対して0.05当量)としたこと以外は、実施例1と同様にして錫コート銅粉を作製した。
この錫コート銅粉は、粒状粒子のみであった。平均粒径を測定すると、1.91μmであり、タップ密度は、2.5g/cmであった。銅粒子の銅粉の結晶子径は、0.12μmであり、銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径は、0.06であった。銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径が0.1未満であるため、高結晶性ではなく、また単一形状および粒径の粒子のみであるため、タップ密度が低くなった。
また錫の被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して錫の被覆量は8.5質量%であったが、200℃酸化増量(TG測定)は1.1質量%と酸化認められ、抵抗率は510μΩ・cm、耐候性は33.6%と共に悪化した。
[比較例2]
上記実施例1において、強還元剤であるヒドラジン一水和物の添加量を2.5mL(ヒドラジンの還元反応が4電子反応とした場合、硫酸銅五水和物中の銅に対して1.0当量)としたこと以外は、実施例1と同様にして錫コート銅粉を作製した。
この錫コート銅粉は、粒状粒子のみであった。平均粒径を測定すると、0.13μmであった。また、この錫コート銅粉のタップ密度は、0.6g/cmであった。銅粒子の結晶子径は、0.03μmであり、銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径は、0.23であった。銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径が0.1以上であるため高結晶性であるが、平均粒径が小さく単一形状の粒子のみであるためタップ密度が低く、導電性ペースト用銅粉としては好ましくない。
また錫の被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して錫の被覆量は8.1質量%であったが、200℃酸化増量(TG測定)は4.5質量%と酸化認められ、抵抗率は800μΩ・cm、耐候性は38.9%と共に悪化した。
[比較例3]
上記実施例1において、強還元剤であるヒドラジン一水和物を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして錫コート銅粉を作製した。
この錫コート銅粉は、粒状粒子のみであった。平均粒径を測定すると、1.68μmであり、この銀コート銅粉のタップ密度は、2.5g/cmであった。銅粒子の結晶子径は、0.08μmであり、銅粒子の結晶子径/須所コート銅粉の平均粒径は、0.05である。銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径が0.1未満であるため、高結晶性ではなく、また単一形状で比較的粒径の揃った粒子のみであるため、タップ密度が低くなった。
また錫の被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して錫の被覆量は7.6質量%であったが、200℃酸化増量(TG測定)は1.6質量%と酸化認められ、抵抗率は630μΩ・cm、耐候性は15.8%と共に悪化した。
[比較例4]
実施例1において、ホウフッ化第一錫を4g/Lとした以外は同様の条件にして錫コート銅粉を作製した。
この錫コート銅粉は、結晶性の高い八面体粒子と粒状粒子との混在比率、平均粒径、タップ密度、銅粒子の結晶子径は、実施例1と変わりなかった。
また錫の被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して錫の被覆量は0.9質量%と低下し、200℃酸化増量(TG測定)は2.6質量%と酸化認められ、抵抗率は1000μΩ・cm以上、耐候性は22.7%と共に悪化した。
[比較例5]
上記実施例1において、ホウフッ化第一錫を100g/Lとした以外は同様の条件にして錫コート銅粉を作製した。
この錫コート銅粉は、結晶性の高い八面体粒子と粒状粒子との混在比率、平均粒径、タップ密度、銅粒子の結晶子径は、実施例1と変わりなかった。
また錫の被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して錫の被覆量は40.4質量%と低下し、200℃酸化増量(TG測定)は2.2質量%と酸化認められ、抵抗率は1000μΩ・cm以上、耐候性は10.7%と共に悪化した。
Figure 2018131666
「評価」
以上の実施例1〜10および比較例1〜5の結果をまとめた表1から、次のことがいえる。実施例1〜10では、湿式法で得られた銅粉は八面体粒子と八面体粒子以外の粒状粒子が混在しており、平均粒径が0.1μm〜3.0μm、銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径が0.10以上で、タップ密度が3.0g/cm〜5.0g/cmであり、錫または錫合金の被覆量は、錫コート銅粉全体の1質量%〜33質量%なので、高結晶性であった。また、銅粉の表面に錫または錫合金が被覆されていることで、200℃酸化増量(TG測定)は0.5〜0.9質量%と小さく、抵抗率は150〜415μΩ・cmと低抵抗となり、抵抗変化率(耐候性)は16.1%以下と良好であった。このように高結晶性で粒径が小さく、タップ密度が高い錫コート銅粉を用いれば、電子材料の配線形成用として好適な導電性ペーストが得られる。この導電性ペーストは、低温焼成による導電膜の形成に適しており、さらには導電膜の細線化にも対応可能である。
これに対して、比較例1〜3は湿式法ではあるが、条件が本発明の条件を満たさなかったため、得られる銅粉は八面体粒子を含まず、タップ密度が小さくなった。また比較例4、5では得られた錫コート銅粉が、所望の錫被覆量ではなかったため、200℃酸化増量(TG測定)は2.2質量%以上、抵抗率は1000μΩ・cm以上と大きくなった。このような錫コート銅粉は、配線形成用導電性ペーストへの原料フィラーとして使用しにくい。
本発明の錫コート銅粉は、導電性ペーストのような電子部品の配線形成材料として、プリント配線、半導体の内部配線、プリント配線板と電子部品との接続等に利用できる。近年、特に太陽電池用電極等の分野で、低温焼成化と配線の細線化に対する需要が高まってきているが、低温焼成でも低抵抗となり、細線化に対応できる導電性ペーストとして有用である。

Claims (18)

  1. 八面体粒子と八面体以外の粒状粒子とが混在した銅粒子表面に、錫または錫合金が被覆された錫コート銅粉であって、
    平均粒径が0.1μm〜3.0μm、銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径が0.10以上で、タップ密度が3.0g/cm〜5.0g/cmであり、
    錫または錫合金の被覆量は、錫コート銅粉全体の1質量%〜33質量%であることを特徴とする錫コート銅粉。
  2. 前記錫合金は、銀、ビスマス及び亜鉛から選ばれる1種以上の元素を含有することを特徴とする請求項1に記載の錫コート銅粉。
  3. 前記錫合金の元素含有量は、錫合金に対して0.1質量%〜50質量%であることを特徴とする請求項2に記載の錫コート銅粉。
  4. 銅化合物水溶液とアルカリ金属の水酸化物水溶液と分散剤水溶液とを混合した銅塩溶液に、酸化還元電位が異なる強還元剤、弱還元剤の2種類の還元剤を添加して反応液とし、該反応液中で銅粒子を生成させた後、錫めっきを行う錫コート銅粉の製造方法であって、
    銅粒子を生成させる工程において、まず、前記銅塩溶液へ前記銅化合物中の銅量に対して0.07当量以上0.5当量以下の強還元剤を添加し、反応させて八面体粒子の核を生成させながら、反応液を保持し八面体粒子を粒成長させ、次に、該反応液に弱還元剤を添加し反応させて八面体粒子の結晶性を高めて、八面体粒子と八面体以外の粒状粒子とが混在した銅粒子とし、該銅粒子が分散した銅粒子スラリーに錫塩を含む水溶液を添加することで銅粒子表面に錫または錫合金の被膜を形成させることを特徴とする錫コート銅粉の製造方法。
  5. 前記弱還元剤の添加量は、前記銅化合物中の銅量に対して1当量以上7当量以下であることを特徴とする請求項4に記載の錫コート銅粉の製造方法。
  6. 前記反応液は、前記強還元剤添加時と前記弱還元剤添加時の酸化還元電位の差が1.0V以上であることを特徴とする請求項4または5に記載の錫コート銅粉の製造方法。
  7. 前記反応液は、強還元剤を添加した後10分以上保持することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の錫コート銅粉の製造方法。
  8. 前記銅化合物は、硫酸銅五水和物であることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の錫コート銅粉の製造方法。
  9. 前記アルカリ金属の水酸化物は、水酸化ナトリウムであることを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の錫コート銅粉の製造方法。
  10. 前記強還元剤は、ヒドラジン一水和物であることを特徴とする請求項4〜9のいずれか1項に記載の錫コート銅粉の製造方法。
  11. 前記弱還元剤は、アスコルビン酸であることを特徴とする請求項4〜10のいずれか1項に記載の錫コート銅粉の製造方法。
  12. 前記分散剤が、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、変性シリコーンオイル系界面活性剤、またはポリエーテル系界面活性剤から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項4〜11のいずれか1項に記載の錫コート銅粉の製造方法。
  13. 前記分散剤の添加量が、前記銅化合物中の銅量に対して0.1質量%〜10質量%であることを特徴とする請求項4〜12のいずれか1項に記載の錫コート銅粉の製造方法。
  14. 得られる錫コート銅粉は、平均粒径が0.1〜3.0μmで、銅粒子の結晶子径/錫コート銅粉の平均粒径が0.10以上、タップ密度が3.0g/cm〜5.0g/cmであることを特徴とする請求項4〜13のいずれか1項に記載の錫コート銅粉の製造方法。
  15. 錫または錫合金の被覆量は、錫コート銅粉全体の1質量%〜33質量%であることを特徴とする請求項4〜14のいずれか1項に記載の錫コート銅粉の製造方法。
  16. 前記錫合金として添加される元素は、銀、ビスマス、及び亜鉛から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項15に記載の錫コート銅粉の製造方法。
  17. 前記錫合金として添加される元素は、錫合金に対して0.1質量%〜50質量%であることを特徴とする請求項16に記載の錫コート銅粉の製造方法。
  18. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の錫コート銅粉と、樹脂と、溶剤とを含む導電性ペースト。

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