以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態に係る成膜方法について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る成膜方法を実行する成膜装置の構成を概略的に示す断面図である。この成膜装置は基板としての半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)にゲート絶縁膜としてのHfAlON膜を成膜する。
図1において、成膜装置10は、例えば、円筒形状を呈するチャンバ11と、該チャンバ11内の底部に配置される載置台12と、チャンバ11内へ処理ガスを導入するガス導入部13(成膜手段)と、チャンバ11内を排気する排気部14と、成膜装置10の各構成部位の動作を制御するコントローラ15と、チャンバ11内を外部と連通させるゲート(図示しない)を備える。
チャンバ11は内部を外部雰囲気から隔離し、該内部においてセミバッチ方式で後述するALD(Atomic Layer Deposition)を用いた成膜処理をウエハWへ施す。載置台12はヒータ16(成膜手段)を内蔵し、複数のウエハWを載置して該載置された複数のウエハWを同時に加熱する。載置台12はチラーを内蔵し、載置された複数のウエハWを冷却してもよく、枚葉でウエハWを載置してもよい。
ガス導入部13は4つのガス導入管13a〜13dからなり、ガス導入管13aはアルミニウム源ガスとして、例えば、TMA(Trimethylaluminum)を導入し、ガス導入管13bはハフニウム源ガスを導入し、ガス導入管13cは酸素源ガスとして、例えば、オゾン(O3)を導入し、ガス導入管13dは窒素源として、例えば、アンモニア(NH3)を導入する。
成膜装置10は、ALDによってウエハW上にAlN膜やHfO膜を成膜する。例えば、AlN膜を成膜する際、まず、ガス導入管13aからTMAを導入してTMAの各分子をウエハWの表面又はウエハW上に形成された膜へ物理的に吸着させ、排気部14によって余分なTMAの分子(ウエハW等に吸着していないTMAの分子)をチャンバ11の外へ排出することによって複数の分子が厚み方向に重ならない(すなわち、1層の)TMA分子層を形成し、その後、ガス導入管13dからNH3を導入し、且つヒータ16によってウエハWを加熱することによってNH3をTMA分子層と化学反応させてAlN膜を生成しながら、余分なNH3や副生成物をチャンバ11外へ排出する。また、例えば、HfO膜を成膜する際、まず、ガス導入管13bからハフニウム源ガスを導入して各ハフニウム含有分子をウエハWの表面又はウエハW上に形成された膜(例えば、AlN膜)へ物理的に吸着させ、排気部14によって余分なハフニウム含有分子をチャンバ11の外へ排出することによって1層のハフニウム含有分子層を形成し、その後、ガス導入管13cからO3を導入し、且つウエハWを加熱することでO3をハフニウム含有分子層と化学反応させてHfO膜を生成しながら、排気部14によって余分なO3や副生成物をチャンバ11外へ排出する。すなわち、成膜装置10は厚さが数nmのAlN膜やHfO膜を生成することができる。なお、余分なガス(例えば、O3やNH3)や副生成物の排出は、不活性ガス、例えば、N2をチャンバ11内へパージすることによっても行ってもよい。
成膜の際に結晶欠陥を抑制して高品質な膜を得るためには、TMAの露点管理が必要であり、例えば、ガス導入管13a,13bには水分除去のためのピュリファイア13e,13fが設けられる。また、スループット向上を目的として導入する処理ガスの切り替えを早く行うために、各ガス導入管13a〜13dはチャンバ11に隣接するように配置されたバルブ13g〜13jを有する。これにより、チャンバ11内から各バルブ13g〜13jまでの体積を極力減らし、例えば、処理ガスをTMAからO3に切り替える際にチャンバ11内からバルブ13gの間に残留するTMAの量を極力少なくすることができ、処理ガスの切り替えを素早く行うことができる。
図2は、本実施の形態に係る成膜方法で形成されるHfAlON膜をゲート絶縁膜として用いるプレーナ構造を有するMOSFETの構成を概略的に示す断面図である。
図2において、MOSFET17は、ウエハWを構成するSiC基板18において、下部に形成されて一部が表面に露出する第1のn型SiC部19と、上部に形成されて表面に露出し、且つ第1のn型SiC部19と交錯しない第2のn型SiC部20と、第1のn型SiC部19及び第2のn型SiC部20の間に介在して一部が表面に露出するp型SiC部21と、SiC基板18の表面に形成されたゲート絶縁膜22とを有する。ゲート絶縁膜22はSiC基板18の表面において第1のn型SiC部19の全露出部分、p型SiC部21の全露出部分及び第2のn型SiC部20の露出部分の一部を覆うように平板状に形成されるため、後述する本実施の形態に係る成膜方法のように複数の膜を成膜する方法であっても、容易に形成することができる。
なお、SiC基板18は純粋なSiCのみによって構成される必要はなく、不純物がドーピングされていてもよい。また、ウエハWを構成する基板はSiC基板18に限られず、例えば、窒化ガリウム(GaN)又はダイヤモンドを含む基板であってもよい。
図3は、本実施の形態に係る成膜方法を示す工程図である。
まず、成膜装置10又は他の熱処理装置(図示しない)、例えば、ランプヒータを備える熱処理炉においてSiC基板18の表面に薄い酸化珪素(SiO2)膜23を成膜し(図3(A))、次いで、成膜装置10において、ガス導入管13aからのTMAの導入及び続くチャンバ11内の排気によってSiC基板18の表面上に1層のTMA分子層を形成し、その後、ガス導入管13dからのNH3の導入及びSiC基板18の加熱によってAlN膜24(窒化膜)を成膜する(図3(B))(窒化膜成膜ステップ)。本実施の形態に係る成膜方法では、後述するようにAlN膜24の成膜及びHfO膜25の成膜を繰り返すが、酸素源ガス、例えば、O3を用いないAlN膜24の成膜を最初に行う。これにより、酸素原子が薄いSiO2膜23を通過してSiC基板18の表面を酸化するのを抑制することができる。また、薄いSiO2膜23は必須ではないが、トンネル電流の抑制やSiC基板18及びAlN膜24の接触における相性の観点からSiC基板18及び最下層のAlN膜24の間に薄いSiO2膜23が介在するのが好ましい。
次いで、ガス導入管13bからのハフニウム源ガスの導入及び続くチャンバ11内の排気によって1層のハフニウム含有分子層を形成し、その後、ガス導入管13cからのO3の導入及びSiC基板18の加熱によってHfO膜25(酸化膜)を成膜する(図3(C))(酸化膜成膜ステップ)。
次いで、AlN膜24の成膜及びHfO膜25の成膜を繰り返してAlN膜24及びHfO膜25を交互に成膜することによって膜厚が50nm〜200nmのHfAlON膜26を形成する(図3(D))。なお、後述する熱処理におけるアルミニウム分子及びハフニウム分子の均一な分散を考慮すると一のAlN膜24及び一のHfO膜25の厚さの合計は大きくない方が好ましく、例えば、0.1nm〜2.0nmであるのが好ましい。また、必ずしもAlN膜24の成膜とHfO膜25の成膜を交互に行う必要はなく、まず、AlN膜24の成膜を所定の回数繰り返した後に、HfO膜25の成膜を所定の回数繰り返すことによって所定の膜厚を有するHfAlON膜を形成してもよい。
次いで、HfAlON膜26が形成されたSiC基板18を成膜装置10又は他の熱処理装置において、例えば、900℃〜1000℃、好ましくは、950℃以上に加熱してHfAlON膜26へ熱処理(アニール処理)を施し(図3(E))、さらに、当該SiC基板18へ従来のフォトプロセスを行った後、プラズマエッチング装置(図示しない)に搬入してドライエッチング等によってHfAlON膜26の不要な部分を削除してゲート絶縁膜22を得(図3(F))、その後、本処理を終了する。なお、図3(A)〜図3(E)では、理解を容易にするためにAlN膜24とHfO膜25を明確に区別してあたかもAlN膜24とHfO膜25の間に明瞭な界面が存在するように描画されているが、HfAlON膜26ではAlN膜24とHfO膜25の間に明瞭な界面が存在する必要はない。
本実施の形態に係る成膜方法によれば、形成されたHfAlON膜26はAlN膜24及びHfO膜25が交互に成膜されて形成されているので、当該HfAlON膜26の厚み方向に関してほぼ均等にAlN膜24が配置され、結果としてHfAlON膜26の膜厚が大きくてもHfAlON膜26の厚み方向に関して各AlN膜24から窒素が均一に分散して存在する。さらに、HfAlON膜26には熱処理が施されるので、各AlN膜24に含まれる窒素がHfAlON膜26において拡散する。その結果、HfAlON膜26の膜厚が大きくても窒素を厚み方向に関して確実に均一に分散させることができる。すなわち、耐圧性を備えるとともに窒素が均一に分散したHfAlON膜26を得ることができる。また、HfAlON膜26に含まれる各原子は熱処理によって活性化される。なお、AlN膜24とHfO膜25の間に界面が生じた場合、熱処理における各原子等の拡散作用により、HfAlON膜26におけるAlN膜24とHfO膜25の間の界面が崩れてHfAlON膜26における積層構造が解消される。
また、アルミニウム分子やハフニウム分子等の金属分子は移動しにくいため、AlN膜24の成膜及びHfO膜25の成膜を単に繰り返して成膜しただけでは、HfAlON膜26においてアルミニウム分子やハフニウム分子が均一に拡散するのが困難であり、HfAlON膜26において意図した誘電率が得られないことがある。上述した本実施の形態に係る成膜方法では、これに対して、熱処理における拡散作用によってAlN膜24のアルミニウム分子やHfO膜25のハフニウム分子をHfAlON膜26内において均一に拡散させるため、均質なHfAlON膜26を得ることができる。
上述した本実施の形態に係る成膜方法では、チャンバ11内の圧力やウエハWの温度、さらには、SiC基板18をNH3やO3に晒す時間を調整することにより、HfAlON膜26の窒素含有量を1%〜約50%の間で制御可能である。
上述した本実施の形態に係る成膜方法において、成膜される各AlN膜24の膜厚や各HfO膜25の膜厚は同じでなくてもよい。例えば、HfAlON膜26においてSiC基板18の表面に近い部位のみの窒素濃度を向上させる場合には、SiC基板18の表面近傍で成膜されるHfO膜25の膜厚を小さくするとともにAlN膜24の膜厚を大きくし、SiC基板18の表面から離れるほどHfO膜25の膜厚を大きくするとともにAlN膜24の膜厚を小さくしてもよい。
また、上述した本実施の形態に係る成膜方法では、HfAlON膜26の形成の前にSiC基板18の表面へ薄いSiO2膜23を形成したが、当該SiO2膜23を形成することなく、SiC基板18の表面へ直接AlN膜24を形成してもよい。
上述した本実施の形態に係る成膜方法では、ALDによってHfO膜25やAlN膜24を成膜する際、SiC基板18を加熱してTMA及びNH3を化学反応させ、ハフニウム源ガス及びO3を化学反応させたが、チャンバ11内でNH3やO3からプラズマを生成し、若しくは、チャンバ11内へNH3やO3のプラズマを導入してプラズマとTMAやハフニウム源ガスとを化学反応させてよい。
また、上述した成膜装置10はALDによってHfO膜25やAlN膜24を成膜したが、HfO膜25やAlN膜24の成膜方法はALDに限られず、例えば、HfO膜25やAlN膜24がCVD(Chemical Vapor Deposition)やPVD(Physical Vapor Deposition)によって成膜されてもよく、特に、HfO膜25やAlN膜24の膜厚が大きい場合にはCVDによって好適に成膜される。また、HfO膜25やAlN膜24の成膜方法は、複数の成膜方法を組み合わせて利用することが出来る。例えば、HfAlON膜26の形成の初期段階では、ALDを用いてHfO膜25やAlN膜24を成膜し、HfAlON膜26の形成の後期段階では、CVDを用いてHfO膜25やAlN膜24を成膜することで、HfAlON膜26の形成においてALDが提供する高品質とCVDが提供する高いスループットを両立することができる。
例えば、上述した成膜装置10においてAlN膜24やHfO膜25をCVDで成膜する場合、まず、薄いSiO2膜23が成膜されたウエハW(SiC基板18)が収容されたチャンバ11内にTMAを導入し、次いでTMAをチャンバ11内から排気することなくNH3を導入し、さらにSiC基板18を加熱してSiC基板18上においてTMAとNH3を化学反応させてAlN膜24を成膜する。
次いで、ハフニウム源ガスを導入し、ハフニウム源ガスをチャンバ11内から排気することなくO3を導入し、さらにSiC基板18を加熱してHfO膜25を化学反応によって成膜し、その後、同様の方法でAlN膜24の成膜とHfO膜25の成膜とを繰り返す。
また、上述したALDでは、チャンバ11内にTMAやハフニウム源ガスを導入した後、余分なTMAの分子やハフニウム分子を全てチャンバ11の外に排出したが、余分な全てのTMAの分子やハフニウム分子が排出される前にNH3やO3を導入してもよい。この場合には、厚さが1層のTMA分子層やハフニウム含有分子層よりも多少厚くなるAlN膜24やHfO膜25が形成される。
また、図4に示すような、トレンチゲート構造を有するMOSFET27においてトレンチ28内にゲート絶縁膜22としてのHfAlON膜26を図3の成膜方法によって形成する場合、ALDは段差被覆性に優れているため、ALDによってHfO膜25やAlN膜24を成膜することにより、AlN膜24やHfO膜25をトレンチ28の内面に沿ってほぼ均一な膜厚で成膜して均一な膜厚のゲート絶縁膜22を生成することができる。なお、CVDも他の成膜手法と比べて比較的、段差被覆性に優れているため、CVDによってもAlN膜24やHfO膜25をトレンチ28の内面に沿ってほぼ均一な膜厚で成膜することができる。
上述した本実施の形態に係る成膜方法では、熱処理を成膜装置10とは異なる他の熱処理装置で行うこともあるが、成膜装置10から他の熱処理装置への移動の際にHfAlON膜26が自然酸化するおそれがあるため、AlN膜24やHfO膜25の成膜と、HfAlON膜26の熱処理とはいずれも同じ成膜装置10で行うのが好ましい。
また、上述した本実施の形態に係る成膜方法では、HfAlON膜26を形成する際、窒化膜としてAlN膜24を成膜し、酸化膜としてHfO膜25を成膜したが、窒化膜や酸化膜はこれに限られず、窒化膜としてHfN膜を成膜し、酸化膜としてAlO膜を成膜してもよい。さらに、上述した本実施の形態に係る成膜方法では、最初のAlN膜24の成膜を最初のHfO膜25の成膜よりも先に行ったが、最初のHfO膜25の成膜を最初のAlN膜24の成膜よりも先に行ってもよく、窒化膜としてHfN膜を成膜し、酸化膜としてAlO膜を成膜する場合、最初のAlO膜の成膜を最初のHfN膜の成膜よりも先に行ってもよい。
上述した本実施の形態に係る成膜方法では、AlN膜24やHfO膜25の成膜を繰り返す際に、各AlN膜24や各HfO膜25へ酸化処理や窒化処理を施してもよい。これにより、HfAlON膜26への酸素や窒素の添加の自由度を増すことができ、もって、HfAlON膜26の窒素濃度をより厳密に制御することができる。各AlN膜24や各HfO膜25へ酸化処理や窒化処理を施すタイミングに特に制約は無いが、例えば、一のAlN膜24及び一のHfO膜25からなる組が形成される毎に酸化処理や窒化処理を施してもよい。また、酸化処理はSiC基板18の加熱だけでなくチャンバ11内でO3から生成されたプラズマやガス導入管13cから導入されたO2のプラズマを用いて行ってもよく、窒化処理はSiC基板18の加熱だけでなくチャンバ11内でNH3から生成されたプラズマやガス導入管13dから導入されたNH3のプラズマを用いて行ってもよい。
また、上述した本実施の形態に係る成膜方法では、窒化膜に含まれる元素(第1の元素)としてアルミニウムが用いられ、酸化膜に含まれる元素(第2の元素)としてハフニウムが用いられたが、窒化膜や酸化膜に含まれる元素はこれらに限らず、窒化膜に含まれる元素としてシリコン、チタン、ランタン及びハフニウムのいずれかを用いてもよく、酸化膜に含まれる元素としてアルミニウム、シリコン、チタン及びランタンのいずれかを用いてもよい。但し、酸化膜に含まれる元素は窒化膜に含まれる元素とは異なる。さらに、例えば、HfSiONはフラットバンドシフトが大きいため、窒化膜に含まれる元素及び酸化膜に含まれる元素の一方がシリコンである場合、他方はアルミニウム、チタン及びランタンのいずれかであるのが好ましい。また、上記と同様の理由で酸化膜に含まれる元素及び窒化膜に含まれる元素は、シリコン以外の元素、つまり、金属から選ばれることがより好ましい。さらに、ウエハWがSiCによって構成される場合、バンドギャップの物性値の最適化の観点から窒化膜や酸化膜に含まれる元素としてアルミニウムが用いられるのが好ましい。
さらに、上述した本実施の形態に係る成膜方法では、窒化膜であるAlN膜24と酸化膜であるHfO膜25とが交互に成膜されたが、窒化膜や酸化膜の少なくともいずれかが酸窒化膜、例えば、HfAlON膜であってもよい。
上述した本実施の形態に係る成膜方法では、AlN膜24の成膜やHfO膜25の成膜の度にSiC基板18が加熱されるため、下層のAlN膜24は繰り返して加熱されるが、AlN膜24への積算加熱量が増大すると当該AlN膜24から過剰に窒素が脱離するおそれがあるため、AlN膜24やHfO膜25の成膜を繰り返す際に、上層のAlN膜24やHfO膜25ほど成膜時間を短くして下層のAlN膜24への積算加熱量が増大するのを抑制するのが好ましい。
なお、上述した本実施の形態に係る成膜方法では、アルミ源としてTMAを用いたが、他のアルミ源、例えば、トリエチルアルミニウムを用いてもよい。また、酸素源としてO3を用いたが、他の酸素源、例えば、酸素、水、亜酸化窒素、酸化窒素、一酸化炭素や二酸化炭素を用いてもよい。さらに、窒素源としてNH3を用いたが、他の窒素源、例えば、窒素、亜酸化窒素や酸化窒素を用いてもよい。さらに、ハフニウム源として、例えば、TDMAH(Tetrakis(dimethylamino)hafnium)、TEMAH(Tetrakis(ethylmethylamino)hafnium)やTDEAH(Tetrakis(diethylamino)hafnium)を用いてもよい。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る成膜方法について説明する。
本実施の形態に係る成膜方法は、窒化膜の成膜を行わず、2種類の異なる酸化膜の成膜のみを行い、成膜された酸化膜の窒化を行う点で第1の実施の形態と異なるため、以下、主に第1の実施の形態と異なる点について説明する。
図5は、本実施の形態に係る成膜方法を示す工程図である。
まず、成膜装置10又は他の熱処理装置においてSiC基板18の表面に薄い酸化珪素膜23を成膜する(図5(A))。なお、薄いSiO2膜23は必須ではないが、トンネル電流の抑制の観点からSiC基板18及び最下層のAlO膜30の間に薄いSiO2膜23が介在するのが好ましい。
次いで、成膜装置10において、ガス導入管13aからのTMAの導入及び続くチャンバ11内の排気によってSiC基板18の表面上に1層のTMA分子層を形成し、その後、ガス導入管13cからのO3の導入及びSiC基板18の加熱によってAlO膜30(第1の酸化膜)を成膜し(第1の酸化膜成膜ステップ)、さらに、ガス導入管13bからのハフニウム源ガスの導入及び続くチャンバ11内の排気によって1層のハフニウム含有分子層を形成し、その後、ガス導入管13cからのO3の導入及びSiC基板18の加熱によってHfO膜25(第2の酸化膜)を成膜する(第2の酸化膜成膜ステップ)(図5(B))。
次いで、ガス導入管13dから窒素源ガスとしてのNH3やN2を導入してチャンバ11内でプラズマを生成し、該プラズマ(図中矢印で示す。)によって成膜されたAlO膜30やHfO膜25に窒化処理を施し、窒化AlO膜30aや窒化HfO膜25aを生成する(図5(C))。なお、窒化処理は、NH3やN2からプラズマを生成することなく、SiC基板18を加熱して導入されたNH3やN2とAlO膜30やHfO膜25とを反応させることによって行ってもよい。
次いで、HfO膜25の成膜、AlO膜30の成膜及び窒化処理を繰り返して窒化AlO膜30a及び窒化HfO膜25aを交互に成膜することによって膜厚が50nm〜200nmのHfAlON膜26を形成する(図5(D))。なお、後述する熱処理におけるアルミニウム分子及びハフニウム分子の均一な分散を考慮すると一のAlO膜30及び一のHfO膜25の厚さの合計は大きくない方が好ましく、例えば、0.1nm〜2.0nmであるのが好ましい。また、必ずしもAlO膜30の成膜とHfO膜25の成膜を交互に行う必要はなく、まず、AlO膜30の成膜を所定の回数繰り返した後に、HfO膜25の成膜を所定の回数繰り返すことによって所定の膜厚を有するHfAlON膜26を形成してもよい。
次いで、SiC基板18を、例えば、900℃〜1000℃、好ましくは、950℃以上に加熱してHfAlON膜26へ熱処理を施し(図5(E))、さらに、当該SiC基板18へ従来のフォトプロセスを行った後、HfAlON膜26の不要な部分を削除してゲート絶縁膜22を得(図5(F))、その後、本処理を終了する。なお、図5(A)〜図5(F)では、理解を容易にするためにHfO膜25やAlO膜30等を明確に区別して、例えば、HfO膜25とAlO膜30の間に明瞭な界面が存在するように描画されているが、HfAlON膜26ではHfO膜25とAlO膜30の間に明瞭な界面が存在する必要はない。
本実施の形態に係る成膜方法によれば、AlO膜30の成膜及びHfO膜25の成膜を繰り返す際に窒化処理が施されるので、HfAlON膜26が形成されるまでにAlO膜30やHfO膜25の窒化が繰り返される。これにより、一度に窒化されるAlO膜30やHfO膜25の体積を少なくしてAlO膜30やHfO膜25を均等に窒化することができる。その結果、HfAlON膜26の膜厚が大きくても、当該HfAlON膜26を膜厚方向に関して均等に窒化することができる。すなわち、耐圧性を備えるとともに窒素が均一に分散したHfAlON膜26を得ることができる。
また、アルミニウム分子やハフニウム分子等の金属分子は移動しにくいため、AlO膜30の成膜、HfO膜25の成膜及び窒化処理を単に繰り返しただけではHfAlON膜26において意図した誘電率が得られないことがある。上述した本実施の形態に係る成膜方法では、これに対して、HfAlON膜26に熱処理が施されるので、熱処理における拡散作用によってAlO膜30のアルミニウム分子やHfO膜25のハフニウム分子がHfAlON膜26内において均一に拡散し、均質なHfAlON膜26を得ることができる。また、窒化AlO膜30aと窒化HfO膜25aの間に界面が生じた場合、熱処理における各原子等の拡散作用により、HfAlON膜26における窒化AlO膜30aと窒化HfO膜25aの間の界面が崩れてHfAlON膜26における積層構造が解消される。
上述した本実施の形態に係る成膜方法では、一のAlO膜30及び一のHfO膜25が成膜されたタイミングでAlO膜30やHfO膜25に窒化処理が施されたが、窒化処理を施すタイミングはこれに限れず、AlO膜30の成膜及びHfO膜25の成膜を複数回繰り返す度に窒化処理が施されてもよい。但し、この場合、窒素濃度の制御の観点から、成膜されたAlO膜30及びHfO膜25の合計厚さが2.0nmを超える前に窒化処理を施すのが好ましい。
上述した本実施の形態に係る成膜方法では、チャンバ11内の圧力やウエハWの温度、さらには、窒化処理の時間を調整することにより、HfAlON膜26の窒素含有量を1%〜約50%の間で制御可能である。
上述した本実施の形態に係る成膜方法において、複数回行われる窒化処理の時間は全て同じで無くてもよい。例えば、HfAlON膜26においてSiC基板18の表面に近い部位のみの窒素濃度を向上させる場合には、SiC基板18の表面近傍で成膜されるAlO膜30やHfO膜25に施される窒化処理の時間を長くし、SiC基板18の表面から離れるほど成膜されるAlO膜30やHfO膜25に施される窒化処理の時間を短くしてもよい。
また、上述した本実施の形態に係る成膜方法では、HfAlON膜26の形成の前にSiC基板18の表面へ薄いSiO2膜23を形成したが、当該SiO2膜23を形成することなく、SiC基板18の表面へ直接AlO膜30を形成してもよい。
上述した本実施の形態に係る成膜方法では、ALDによってHfO膜25やAlO膜30を成膜する際、SiC基板18を加熱してTMA、ハフニウム源ガス及びO3を化学反応させたが、チャンバ11内でO3からプラズマを生成し、若しくは、チャンバ11内へO3のプラズマを導入してプラズマとTMAやハフニウム源ガスとを化学反応させてよい。
また、上述した成膜装置10はALDによってHfO膜25やAlO膜30を成膜したが、HfO膜25やAlO膜30の成膜方法はALDに限られず、HfO膜25やAlO膜30がCVDやPVDによって成膜されてもよい。
上述したALDでは、チャンバ11内にTMAやハフニウム源ガスを導入した後、余分なTMAの分子やハフニウム分子を全てチャンバ11の外に排出したが、余分な全てのTMAの分子やハフニウム分子が排出される前にO3を導入してもよい。この場合には、厚さが1層のTMA分子層やハフニウム含有分子層よりも多少厚くなるAlO膜30やHfO膜25が形成される。
また、上述した本実施の形態に係る成膜方法において、AlO膜30やHfO膜25の成膜と、窒化処理と、HfAlON膜26の熱処理とはいずれも同じ成膜装置10で行うのが好ましい。
上述した本実施の形態に係る成膜方法では、最初のAlO膜30の成膜を最初のHfO膜25の成膜よりも先に行ったが、最初のHfO膜25の成膜を最初のAlO膜30の成膜よりも先に行ってもよい。
また、上述した本実施の形態に係る成膜方法では、2種類の異なる酸化膜のそれぞれに含まれる2種類の元素(第1の元素、第2の元素)としてアルミニウムとハフニウムが用いられたが、2種類の元素はこれらに限らず、シリコン、チタン及びランタンのいずれかを用いてもよい。但し、2種類の元素は互いに異なり、さらに、2種類の元素の一方がシリコンである場合、他方はアルミニウム、チタン及びランタンのいずれかであるのが好ましい。また、2種類の元素は、シリコン以外の元素、つまり、金属であることがより好ましい。
さらに、上述した本実施の形態に係る成膜方法では、2種類の異なる酸化膜であるAlO膜30とHfO膜25とが交互に成膜されたが、2種類の異なる酸化膜の少なくともいずれかが酸窒化膜、例えば、HfAlON膜であってもよい。
上述した本実施の形態に係る成膜方法では、AlO膜30の成膜やHfO膜25の成膜の度にSiC基板18が加熱されるため、下層の窒化AlO膜30aや窒化HfO膜25aは繰り返して加熱されるが、窒化AlO膜30aや窒化HfO膜25aへの積算加熱量が増大すると窒化AlO膜30aや窒化HfO膜25aから窒素が脱離するおそれがあるため、AlO膜30やHfO膜25の成膜を繰り返す際に、上層のAlO膜30やHfO膜25ほど成膜時間を短くして下層の窒化AlO膜30aや窒化HfO膜25aへの積算加熱量が増大するのを抑制するのが好ましい。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る成膜方法について説明する。
本実施の形態に係る成膜方法は、酸化膜の成膜を行わず、2種類の異なる窒化膜の成膜のみを行い、成膜された窒化膜の酸化を行う点で第1の実施の形態と異なるため、以下、主に第1の実施の形態と異なる点について説明する。
図6は、本実施の形態に係る成膜方法を示す工程図である。
まず、成膜装置10又は他の熱処理装置においてSiC基板18の表面に薄い酸化珪素膜23を成膜する(図6(A))。
次いで、成膜装置10において、ガス導入管13aからのTMAの導入及び続くチャンバ11内の排気によってSiC基板18の表面上に1層のTMA分子層を形成し、その後、ガス導入管13dからのNH3の導入及びSiC基板18の加熱によってAlN膜24を成膜し(第1の窒化膜成膜ステップ)、さらに、ガス導入管13bからのハフニウム源ガスの導入及び続くチャンバ11内の排気によって1層のハフニウム含有分子層を形成し、その後、ガス導入管13dからのNH3の導入及びSiC基板18の加熱によってHfN膜31を成膜する(第2の窒化膜成膜ステップ)(図6(B))。
次いで、ガス導入管13cから酸素源ガスとしてのO3やO2を導入してチャンバ11内でプラズマを生成し、該プラズマ(図中矢印で示す。)によって成膜されたAlN膜24やHfN膜31に酸化処理を施し、酸化AlN膜24aや酸化HfN膜31aを生成する(図6(C))。なお、酸化処理は、O3やO2からプラズマを生成することなく、SiC基板18を加熱して導入されたO3やO2とAlN膜24やHfN膜31とを反応させることによって行ってもよい。
次いで、HfN膜31の成膜、AlN膜24の成膜及び酸化処理を繰り返して酸化AlN膜24a及び酸化HfN膜31aを交互に成膜することによって膜厚が50nm〜200nmのHfAlON膜26を形成する(図6(D))。なお、後述する熱処理におけるアルミニウム分子及びハフニウム分子の均一な分散を考慮すると一のAlN膜24及び一のHfN膜31の厚さの合計は大きくない方が好ましく、例えば、0.1nm〜2.0nmであるのが好ましい。また、必ずしもAlN膜24の成膜とHfN膜31の成膜を交互に行う必要はなく、まず、AlN膜24の成膜を所定の回数繰り返した後に、HfN膜31の成膜を所定の回数繰り返すことによって所定の膜厚を有するHfAlON膜26を形成してもよい。
次いで、SiC基板18を、例えば、900℃〜1000℃、好ましくは、950℃以上に加熱してHfAlON膜26へ熱処理を施し(図6(E))、さらに、当該SiC基板18へ従来のフォトプロセスを行った後、HfAlON膜26の不要な部分を削除してゲート絶縁膜22を得(図6(F))、その後、本処理を終了する。なお、図6(A)〜図6(F)では、理解を容易にするためにAlN膜24やHfN膜31等を区別して、例えば、AlN膜24とHfN膜31の間に明瞭な界面が存在するように描画されているが、HfAlON膜26ではAlN膜24とHfN膜31の間に明瞭な界面が存在する必要はない。
本実施の形態に係る成膜方法によれば、形成されたHfAlON膜26は酸化AlN膜24a及び酸化HfN膜31aを交互に成膜しているので、HfAlON膜26の膜厚が大きくてもHfAlON膜26の厚み方向に関して窒素の分布が途切れない。すなわち、HfAlON膜26の膜厚が大きくてもHfAlON膜26の厚み方向に関して窒素が均一に分散するので、耐圧性を備えるとともに窒素が均一に分散したHfAlON膜26を得ることができる。
また、アルミニウム分子やハフニウム分子等の金属分子は移動しにくいため、AlN膜24の成膜、HfN膜31の成膜及び酸化処理を単に繰り返しただけではHfAlON膜26において意図した誘電率が得られないことがある。上述した本実施の形態に係る成膜方法では、これに対して、HfAlON膜26に熱処理が施されるので、熱処理における拡散作用によってAlN膜24のアルミニウム分子やHfN膜31のハフニウム分子がHfAlON膜26内において均一に拡散し、均質なHfAlON膜26を得ることができる。また、酸化AlN膜24aと酸化HfN膜31aの間に界面が生じた場合、熱処理における各原子等の拡散作用により、HfAlON膜26における酸化AlN膜24aや酸化HfN膜31aの間の界面が崩れてHfAlON膜26における積層構造が解消される。
上述した本実施の形態に係る成膜方法では、一のAlN膜24及び一のHfN膜31が成膜されたタイミングでAlN膜24やHfN膜31に酸化処理が施されたが、酸化処理を施すタイミングはこれに限れず、AlN膜24の成膜及びHfN膜31の成膜を複数回繰り返す度に酸化処理が施されてもよい。但し、この場合、酸化の均一化の観点から一度に酸化処理が施される複数のAlN膜24及び複数のHfN膜31の厚さの合計は10nm以下であるのが好ましい。
上述した本実施の形態に係る成膜方法では、チャンバ11内の圧力やウエハWの温度、さらには、酸化処理の時間を調整することにより、HfAlON膜26の窒素含有量を1%〜約50%の間で制御可能である。
上述した本実施の形態に係る成膜方法において、複数回行われる酸化処理の時間は全て同じで無くてもよい。例えば、HfAlON膜26においてSiC基板18の表面に近い部位のみの窒素濃度を向上させる場合には、SiC基板18の表面近傍で成膜されるAlN膜24やHfN膜31に施される酸化処理の時間を短くし、SiC基板18の表面から離れるほど成膜されるAlN膜24やHfN膜31に施される酸化処理の時間を長くしてもよい。
上述した本実施の形態に係る成膜方法では、ALDによってHfN膜31やAlN膜24を成膜する際、SiC基板18を加熱してTMA、ハフニウム源ガス及びNH3を化学反応させたが、チャンバ11内でNH3からプラズマを生成し、若しくは、チャンバ11内へNH3のプラズマを導入してプラズマとTMAやハフニウム源ガスとを化学反応させてよい。
また、上述した成膜装置10はALDによってHfN膜31やAlN膜24を成膜したが、HfN膜31やAlN膜24の成膜方法はALDに限られず、HfN膜31やAlN膜24がCVDやPVDによって成膜されてもよい。
上述したALDでは、チャンバ11内にTMAやハフニウム源ガスを導入した後、余分なTMAの分子やハフニウム分子を全てチャンバ11の外に排出したが、余分な全てのTMAの分子やハフニウム分子が排出される前にNH3を導入してもよい。この場合には、厚さが1層のTMA分子層やハフニウム含有分子層よりも多少厚くなるAlN膜24やHfN膜31が形成される。
また、上述した本実施の形態に係る成膜方法において、AlN膜24やHfN膜31の成膜と、酸化処理と、HfAlON膜26の熱処理とはいずれも同じ成膜装置10で行うのが好ましい。
上述した本実施の形態に係る成膜方法では、最初のAlN膜24の成膜を最初のHfN膜31の成膜よりも先に行ったが、最初のHfN膜31の成膜を最初のAlN膜24の成膜よりも先に行ってもよい。
また、上述した本実施の形態に係る成膜方法では、2種類の異なる窒化膜のそれぞれに含まれる2種類の元素(第1の元素、第2の元素)としてアルミニウムとハフニウムが用いられたが、2種類の元素はこれらに限らず、シリコン、チタン及びランタンのいずれかを用いてもよい。但し、2種類の元素は互いに異なり、さらに、2種類の元素の一方がシリコンである場合、他方はアルミニウム、シリコン、チタン及びランタンのいずれかであるのが好ましい。また、2種類の元素は、シリコン以外の元素、つまり、金属であることがより好ましい。
さらに、上述した本実施の形態に係る成膜方法では、2種類の異なる窒化膜であるAlN膜24とHfN膜31とが交互に成膜されたが、2種類の異なる窒化膜の少なくともいずれかが酸窒化膜、例えば、HfAlON膜であってもよい。
上述した本実施の形態に係る成膜方法では、AlN膜24の成膜やHfN膜31の成膜の度にSiC基板18が加熱されるため、下層の酸化AlN膜24aや酸化HfN膜31aは繰り返して加熱されるが、酸化AlN膜24aや酸化HfN膜31aへの積算加熱量が増大すると酸化AlN膜24aや酸化HfN膜31aから窒素が脱離するおそれがあるため、AlN膜24やHfN膜31の成膜を繰り返す際に、上層のAlN膜24やHfN膜31ほど成膜時間を短くして下層のAlN膜24やHfN膜31への積算加熱量が増大するのを抑制するのが好ましい。
次に、本発明の第4の実施の形態に係る成膜方法について説明する。
本実施の形態に係る成膜方法は、酸化膜や窒化膜の成膜を行わず、2種類の異なる元素を含む膜の成膜のみを行い、成膜された膜の酸化及び窒化を行う点で第1の実施の形態と異なるため、以下、主に第1の実施の形態と異なる点について説明する。
図7は、本実施の形態に係る成膜方法を示す工程図である。
まず、成膜装置10又は他の熱処理装置においてSiC基板18の表面に薄い酸化珪素膜23を成膜する(図7(A))。
次いで、成膜装置10において、アルミニウム源(図示しない)をターゲットとするPVDによってSiC基板18の表面上に薄膜のAl膜32(第1の膜)を成膜し(第1の成膜ステップ)、その後、ハフニウム源(図示しない)をターゲットとするPVDによってHf膜33(第2の膜)を成膜する(第2の成膜ステップ)(図7(B))。
次いで、ガス導入管13cから酸素源ガスとしてのO3やO2を導入してチャンバ11内でプラズマを生成し、該プラズマ(図中矢印で示す。)によってAl膜32やHf膜33に酸化処理を施し、AlO膜30やHfO膜25を生成する(図7(C))。なお、酸化処理は、O3やO2からプラズマを生成することなく、SiC基板18を加熱して導入されたO3やO2とAl膜32やHf膜33とを反応させることによって行ってもよい。
次いで、ガス導入管13dから窒素源ガスとしてのNH3やN2を導入してチャンバ11内でプラズマを生成し、該プラズマ(図中矢印で示す。)によってAlO膜30やHfO膜25に窒化処理を施し、窒化AlO膜30aや窒化HfO膜25aを生成する(図7(D))。なお、窒化処理は、NH3やN2からプラズマを生成することなく、SiC基板18を加熱して導入されたNH3やN2とAlO膜30やHfO膜25とを反応させることによって行ってもよい。
次いで、Al膜32の成膜、Hf膜33の成膜、酸化処理及び窒化処理を繰り返して窒化AlO膜30a及び窒化HfO膜25aを交互に成膜することによって膜厚が50nm〜200nmのHfAlON膜26を形成する(図7(D))。なお、後述する熱処理におけるアルミニウム分子及びハフニウム分子の均一な分散を考慮すると一のAl膜32及び一のHf膜33の厚さの合計は大きくない方が好ましく、例えば、0.1nm〜2.0nmであるのが好ましい。また、必ずしもAl膜32の成膜とHf膜33の成膜を交互に行う必要はなく、まず、Al膜32の成膜を所定の回数繰り返した後に、Hf膜33の成膜を所定の回数繰り返すことによって所定の膜厚を有するHfAlON膜26を形成してもよい。
次いで、SiC基板18を、例えば、900℃〜1000℃、好ましくは、950℃以上に加熱してHfAlON膜26へ熱処理を施し(図7(E))、さらに、当該SiC基板18へ従来のフォトプロセスを行った後、HfAlON膜26の不要な部分を削除してゲート絶縁膜22を得(図7(F))、その後、本処理を終了する。なお、図7(A)〜図7(G)では、理解を容易にするために窒化AlO膜30aや窒化HfO膜25a等を区別して、例えば、窒化AlO膜30aと窒化HfO膜25aの間に明瞭な界面が存在するように描画されているが、HfAlON膜26では窒化AlO膜30aと窒化HfO膜25aの間に明瞭な界面が存在する必要はない。
本実施の形態に係る成膜方法によれば、Al膜32の成膜及びHf膜33の成膜を繰り返す際に、Al膜32やHf膜33に酸化処理が施されてAlO膜30やHfO膜25が生成され、さらに、生成されたAlO膜30やHfO膜25に窒化処理が施されるので、HfAlON膜26が形成されるまでに、AlO膜30やHfO膜25の窒化が繰り返される。これにより、一度に窒化されるAlO膜30やHfO膜25の厚みを小さくしてAlO膜30やHfO膜25を均等に窒化することができる。その結果、HfAlON膜26の膜厚が大きくても、当該HfAlON膜26を膜厚方向に関して均等に窒化することができる。すなわち、耐圧性を備えるとともに窒素が均一に分散したHfAlON膜26を得ることができる。
また、上述した本実施の形態に係る成膜方法では、HfAlON膜26に熱処理が施されるので、熱処理における拡散作用によってAl膜32のアルミニウム分子やHf膜33のハフニウム分子をHfAlON膜26内において均一に拡散させることができ、これにより、均質なHfAlON膜26を得ることができる。
上述した本実施の形態に係る成膜方法では、一のAl膜32及び一のHf膜33が成膜されたタイミングでAl膜32やHf膜33に酸化処理が施され、その後、新たなAl膜32やHf膜33を成膜することなく、AlO膜30やHfO膜25に窒化処理が施されたが、酸化処理や窒化処理を施すタイミングはこれに限れず、Al膜32の成膜及びHf膜33の成膜を複数回繰り返す度に酸化処理や窒化処理が施されてもよい。但し、この場合、酸化の均一化の観点から複数のAl膜32や複数のHf膜33の合計厚さが10nmに達するまでに酸化処理を施すのが好ましく、窒素濃度の制御の観点から、成膜されたAlO膜30及びHfO膜25の合計厚さが2.0nmを超える前に窒化処理を施すのが好ましい。
上述した本実施の形態に係る成膜方法では、チャンバ11内の圧力やウエハWの温度、さらには、酸化処理や窒化処理の時間を調整することにより、HfAlON膜26の窒素含有量を1%〜約50%の間で制御可能である。
上述した本実施の形態に係る成膜方法において、複数回行われる酸化処理や窒化処理の時間は全て同じで無くてもよい。例えば、HfAlON膜26においてSiC基板18の表面に近い部位のみの窒素濃度を向上させる場合には、窒化処理に関し、SiC基板18の表面近傍で成膜されるAlO膜30やHfO膜25に施される窒化処理の時間を長くし、SiC基板18の表面から離れるほど成膜されるAlO膜30やHfO膜25に施される窒化処理の時間を短くしてもよい。
また、上述した本実施の形態に係る成膜方法において、Al膜32やHf膜33の成膜と、酸化処理と、窒化処理と、HfAlON膜26の熱処理とはいずれも同じ成膜装置10で行うのが好ましい。
上述した本実施の形態に係る成膜方法では、最初のAl膜32の成膜を最初のHf膜33の成膜よりも先に行ったが、最初のHf膜33の成膜を最初のAl膜32の成膜よりも先に行ってもよい。さらに、上述した本実施の形態に係る成膜方法では、窒化処理に先立って酸化処理を行ったが、酸化処理よりも先に窒化処理を行ってもよい。
また、上述した本実施の形態に係る成膜方法では、2種類の異なる元素(第1の元素、第2の元素)としてアルミニウムとハフニウムが用いられたが、2種類の元素はこれらに限らず、シリコン、チタン及びランタンのいずれかを用いてもよい。但し、2種類の元素は互いに異なり、さらに、2種類の元素の一方がシリコンである場合、他方はアルミニウム、チタン及びランタンのいずれかであるのが好ましい。また、2種類の元素は、シリコン以外の元素、つまり、金属であることがより好ましい。
さらに、上述した本実施の形態に係る成膜方法では、2種類の異なる元素を含む膜であるAl膜32とHf膜33とが交互に成膜されたが、2種類の異なる元素を含む膜の少なくともいずれかが酸窒化膜、例えば、HfAlON膜であってもよい。
以上、本発明について、上記各実施の形態を用いて説明したが、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記各実施の形態に係る成膜方法を実行する装置は図1の成膜装置10だけでなく、他の構造を有する成膜装置、例えば、後述するセミバッチ式の成膜装置やバッチ式の成膜装置が上記各実施の形態に係る成膜方法を実行してもよい。以下に、一例として、本発明の第1の実施の形態に係る成膜方法を実行するセミバッチ式の成膜装置やバッチ式の成膜装置について説明する。
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る成膜方法を実行するセミバッチ式の成膜装置の構成を概略的に示す水平断面図である。
図8において、成膜装置34は、円筒形状のチャンバ35と、チャンバ35内に配置されて該チャンバ35の中心軸を中心として水平に円運動を行う円板状のサセプタ36と、チャンバ35及び外部を連通するゲート37と、成膜装置34の各構成部位の動作を制御するコントローラ39とを備え、各ウエハWにALD処理を行う成膜処理を施す。
チャンバ11は、複数、例えば、6枚の台状のボート40を収容し、収容された各ボート40はサセプタ36において円周方向に均等に配置される。各ボート40には複数のウエハWが載置され、各ボート40は当該ボート40の中心周りに水平に回転する。すなわち、各ボート40は自転しながらチャンバ35の中心軸周りに公転し、公転する各ボート40に載置されたウエハWはチャンバ35の中心軸周りを旋回する。各ボート40はチャンバ35の外に配置されたアーム41によってゲート37を介してチャンバ35内へ搬出入される。
サセプタ36はヒータ(図示しない)を内蔵し、各ボート40を介して各ウエハWを加熱する。なお、サセプタ36はチラー(図示しない)を内蔵し、各ボート40を介して各ウエハWを冷却してもよい。
また、成膜装置34では、チャンバ35の円周方向に関して時計回りに、チャンバ35内へN2を導入するガス導入管38a、チャンバ35内へTMAを導入するガス導入管38b、チャンバ35内へN2を導入するガス導入管38c、チャンバ35内へNH3を導入するガス導入管38d、チャンバ35内へN2を導入するガス導入管38e、チャンバ35内へハフニウム源ガスを導入するガス導入管38f、チャンバ35内へN2を導入するガス導入管38g及びチャンバ35内へO3を導入するガス導入管38hが配置され、チャンバ35内が、TMA分子をウエハWの表面等へ化学的に吸着させてTMA分子層を形成するTMA吸着領域P1と、NH3をTMA分子層と化学反応させてAlN膜24を成膜するAlN成膜領域P2と、ハフニウム分子をウエハWの表面等へ化学的に吸着させてハフニウム含有分子層を形成するハフニウム吸着領域P3と、O3をハフニウム含有分子層と化学反応させてHfO膜25を成膜するHfO成膜領域P4とに分けられる。
成膜装置34では、各ウエハWがチャンバ35の中心軸周りを旋回する毎に当該ウエハWはTMA吸着領域P1、AlN成膜領域P2、ハフニウム吸着領域P3、及びHfO成膜領域P4を順に通過するので、各ウエハWをチャンバ35の中心軸周りに複数回旋回させることにより、各ウエハWにおいてAlN膜24の成膜及びHfO膜25の成膜が繰り返される。なお、成膜装置34でも、TMAを導入するガス導入管38bやハフニウム源ガスを導入するガス導入管38fには水分除去のためのピュリファイア42a,42bがそれぞれ設けられる。
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る成膜方法を実行するバッチ式の成膜装置の構成を概略的に示す断面図である。
図9において、成膜装置43は、二重管構造を有するチャンバ44と、チャンバ44の下端を塞ぐ蓋部材45と、多数のウエハWを多段に載置するウエハボード46と、該ウエハボード46の下端を支持する回転軸47と、チャンバ44内へ処理ガスを導入するガス導入部48と、チャンバ44内を排気する排気部49と、ウエハボード46に載置された各ウエハWを加熱するヒータ(図示しない)とを備え、各ウエハWにALDを用いた成膜処理を施す。
チャンバ44は内部を外部雰囲気から隔離し、ガス導入部48はチャンバ44の内部へガスを導入する4つのガス導入管48a〜48dからなり、ガス導入管48aはTMAを導入し、ガス導入管48bはハフニウム源ガスを導入し、ガス導入管48cはO3を導入し、ガス導入管48dはNH3を導入する。ウエハボード46は回転軸47や蓋部材45とともにチャンバ44から分離可能に構成され、チャンバ44の下方から退出入する。成膜装置43の各構成部位の動作はコントローラ50によって制御される。なお、TMAを導入するガス導入管48aやハフニウム源ガスを導入するガス導入管48bにも水分除去のためのピュリファイア(図示しない)がそれぞれ設けられる。
成膜装置43においてAlN膜24を成膜する際、まず、ガス導入管48aからTMAをチャンバ44の内部へ導入してTMA分子を物理的に吸着させ、排気部49によって余分なTMAの分子をチャンバ11の外へ排出することによって1層のTMA分子層を形成し、その後、ガス導入管48dからNH3をチャンバ44の内部へ導入し、且つウエハWを加熱することでNH3をTMA分子層と化学反応させてAlN膜を生成しながら、余分なNH3や副生成物をチャンバ11外へ排出する。
次いで、HfO膜25を成膜する際、まず、ガス導入管48bからハフニウム源ガスをチャンバ44の内部へ導入してハフニウム分子をウエハWの表面等へ物理的に吸着させ、排気部49によって余分なハフニウム分子をチャンバ11の外へ排出することによって1層のハフニウム含有分子層を形成し、その後、ガス導入管48cからO3をチャンバ44の内部へ導入し、且つヒータによってウエハWを加熱することでO3をハフニウム含有分子層と化学反応させてHfO膜25を生成しながら、余分なO3や副生成物をチャンバ11外へ排出する。すなわち、成膜装置43もAlN膜24の成膜及びHfO膜25の成膜を繰り返すことができる。
また、本発明の目的は、上記各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、コンピュータ(例えば、成膜装置10、34、43のコントローラ15、39、50)に供給し、コンピュータのCPUが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上記各実施の形態の機能を実現することになり、プログラムコード及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、RAM、NV−RAM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD(DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW)等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、他のROM等の上記プログラムコードを記憶できるものであればよい。或いは、上記プログラムコードは、インターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続される不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることによりコンピュータに供給されてもよい。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記各実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、CPU上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上記各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上記各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
上記プログラムコードの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OSに供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
次に、本発明の実施例について説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態に係る成膜方法を実行し、厚さが8mmのSiC基板18の表面に薄いSiO2膜23を成膜した後、厚さが1.2nmのAlN膜24の成膜と、厚さが0.7nmのHfO膜25の成膜とを20回繰り返してHfAlON膜26を形成し、さらに、HfAlON膜26へ熱処理を施してゲート絶縁膜22を得た。
このとき、熱処理の条件をw/o(熱処理なし)、800℃、850℃、900℃、950℃、1000℃のそれぞれに設定したときのゲート絶縁膜22の瞬時絶縁破壊電界と比誘電率を測定し、図10のグラフに示した。図10のグラフにおいて、瞬時絶縁破壊電界は「○」で示され、比誘電率は「△」で示される。
図10のグラフに示すように、瞬時絶縁破壊電界は熱処理の温度が900℃を超えると下降し始め、熱処理の温度が950℃以上となると急激に低下する。また、比誘電率は熱処理の温度が900℃を超えると急上昇する。一方、熱処理の温度が1000℃以上となるとHfAlON膜26の結晶化が進行するおそれがある。したがって、瞬時絶縁破壊電界及び比誘電率のバランスの観点からHfAlON膜26の熱処理の温度は900℃〜1000℃が好ましく、950℃以上であるのがより好ましいことが分かった。
また、本発明の第1の実施の形態に係る成膜方法を実行し、厚さが8mmのSiC基板18の表面に薄いSiO2膜23を成膜した後、厚さが1.1nmのAlN膜24の成膜と、厚さが0.6nmのHfO膜25の成膜とを繰り返してHfAlON膜26を形成し、さらに、HfAlON膜26へ温度が800℃の熱処理を施してゲート絶縁膜22を得た(実施例1)。
さらに、厚さが1.1nmのAlN膜24の成膜と、厚さが1.8nmのHfO膜25の成膜とを繰り返した以外は、実施例1と同様に本発明の第1の実施の形態に係る成膜方法を実行してゲート絶縁膜22を得(比較例1)、厚さが1.3nmのAlN膜24の成膜と、厚さ2.2nmのHfO膜25の成膜とを繰り返した以外は、実施例1と同様に本発明の第1の実施の形態に係る成膜方法を実行してゲート絶縁膜22を得た(比較例2)。
実施例1のゲート絶縁膜22の断面をSTEMで観察したところ、AlN膜24とHfO膜25の間の界面が確認されなかった。一方、比較例1及び比較例2のゲート絶縁膜22の断面をSTEMで観察したところ、AlN膜24とHfO膜25の間の界面が残存して積層構造が確認された。これにより、積層構造の解消の観点からは、一のAlN膜24及び一のHfO膜25の厚さの合計は2.0nmより小さいのが好ましく、1.7nm以下であるのがより好ましいことが分かった。