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JP2015068110A - ドアチェック装置 - Google Patents

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JP2015068110A
JP2015068110A JP2013204872A JP2013204872A JP2015068110A JP 2015068110 A JP2015068110 A JP 2015068110A JP 2013204872 A JP2013204872 A JP 2013204872A JP 2013204872 A JP2013204872 A JP 2013204872A JP 2015068110 A JP2015068110 A JP 2015068110A
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JP2013204872A
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康夫 今富
Yasuo Imatomi
康夫 今富
弘太郎 牧野
Kotaro Makino
弘太郎 牧野
野村 守人
Morihito Nomura
守人 野村
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

【課題】 比較的安価に構成され、且つ任意の開度で車両ドアの制動力を発生させることができるドアチェック装置を提供すること。【解決手段】 保持部材5a,5bがケース2内の原位置に位置し、且つ解除レバー62の回転位置が中立回転位置にあるときに車両ドアDRを開閉すると、一対のバネ7a,7bの抵抗力が制動力として車両ドアDRに作用する。このときカム部材8a,8bにより解除レバー62の回転位置が保持領域内の回転位置に規制されるため、保持部材5a,5bが作動位置に達するまで保持部材5a,5bがチェック棒3を保持する。保持部材5a,5bが作動位置に到達したときには、戻しバネ65の付勢力によって解除レバー62が解除領域に向かう方向に回される。これにより解除レバー62の回転位置が解除領域に達し、保持部材5a,5bによるチェック棒3の保持が解除される。【選択図】 図2

Description

本発明は、ドアチェック装置に関する。
車両に搭載されるドアチェック装置は、車両ドアの開閉動作に対する抵抗力(以下、この力を制動力と呼ぶ)を発生する。ドアチェック装置によって、例えば坂道にて車両ドアを所定の開度で開放している時に車両ドアが意に反して閉じてしまったり、あるいは風などに煽られて車両ドアが所望の開度からさらに大きく開いてしまうなどの、車両ドアの意に反する開閉動作が防止できる。
一般的なドアチェック装置は、車両ドアが所定の開度で開いているときに制動力を発生し、それ以外の開度では制動力が発生しないように構成される。例えば車両ドアの開度が30°および60°であるときに制動力が発生するようにドアチェック装置が構成される。しかし、乗員の体格、車両の周囲環境(例えば隣接する車両との間の距離)により、制動力を発生させるべき最適な開度は異なる。そこで、ユーザが車両ドアの開閉動作を停止した任意の開度で制動力を発生させることができるドアチェック装置が求められる。特許文献1は、圧電素子を利用することによって任意の開度で制動力を発生させることができるドアチェック装置を開示する。
特開2012−97482号公報
(発明が解決しようとする課題)
上記特許文献1に記載のドアチェック装置によれば、圧電素子への通電を制御するための制御装置が必要である。よって、制御が複雑化するとともにコストアップを生じる。本発明は、比較的安価に構成され、且つ任意の開度で車両ドアの制動力を発生させることができるドアチェック装置を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段)
本発明は、車体または車体に開閉可能に連結された車両ドアのいずれか一方に取り付けられるケースと、一方端が車体または車両ドアのいずれか他方に揺動可能に連結され、ケース内を挿通するとともに、車両ドアの開閉動作に伴ってケースに対して軸方向に相対移動する棒状部材と、ケース内に配設され、棒状部材の軸方向に沿ってケース内の原位置と作動位置との間を移動可能であるとともに棒状部材を保持可能に構成された保持部材と、保持部材とともに移動する回転可能な解除レバーを有し、解除レバーの回転位置が中立回転位置または中立回転位置から一方向に回転した回転領域である保持領域にあるときに保持部材が棒状部材を保持し、解除レバーの回転位置が中立回転位置から他方向に回転した領域である解除領域にあるときに保持部材が棒状部材の保持を解除するように、解除レバーの回転位置に応じて保持部材による棒状部材の保持を解除するよう構成された解除部材と、保持部材が原位置から移動するときにその移動に対する抵抗力を保持部材に付与するとともに保持部材が作動位置にあるときに保持部材を原位置に戻す方向への復元力を保持部材に付与する制動力付与部材と、ケースに設けられ、解除レバーに接触するカム部材であって、保持部材が原位置にあるときに解除レバーの回転位置を中立回転位置に規制し、保持部材が原位置から作動位置に向かって移動するときに解除レバーの回転位置を保持領域内の回転位置に規制し、保持部材が作動位置から原位置に向かって移動するときに解除レバーの回転位置を解除領域内の回転位置に規制し、保持部材が原位置に到達したときに解除レバーの回転位置が解除領域内の回転位置から中立回転位置まで回転するように、解除レバーの回転位置を規制するカム部材と、解除レバーを中立回転位置から解除領域に向かう方向に回転付勢する付勢部材と、を備える、ドアチェック装置を提供する。
この場合、前記カム部材は、保持部材が作動位置に到達したときに、解除レバーの回転位置の規制が解除されるように構成されているとよい。
本発明によれば、保持部材がケース内の原位置に位置し、且つ解除レバーの回転位置が中立回転位置にあるとき、保持部材は棒状部材を保持する。このとき車両ドアを開閉すると、その開閉動作に連動して棒状部材が軸方向移動し、さらに棒状部材の軸方向移動に伴って棒状部材を保持している保持部材がケース内で原位置から作動位置に移動する。保持部材が原位置から作動位置に移動するときに、保持部材は制動力付与部材の抵抗力によって原位置に戻ろうとする方向に付勢される。斯かる抵抗力が制動力として車両ドアに作用する。
また、保持部材が原位置から作動位置に向かって移動するときに、カム部材により解除レバーの回転位置が保持領域内の回転位置に規制されるため、保持部材が作動位置に達するまで保持部材が棒状部材の保持を維持する。保持部材が作動位置に到達したときには、カム部材による解除レバーの回転位置の規制が解除され、解除レバーは付勢部材の付勢力によって解除領域に向かう方向に回される。これにより解除レバーの回転位置が解除領域に達し、保持部材による棒状部材の保持が解除される。保持部材が作動位置に達した後は、保持部材は制動力付与部材からの復元力により作動位置から原位置に戻される。保持部材が作動位置から原位置に向かって移動するときに、カム部材により解除レバーの回転位置が解除領域内の回転位置に規制されるため、保持部材が原位置に達するまで保持部材による棒状部材の保持の解除が維持される。保持が解除されているときは、保持部材に作用している制動力付与部材からの力は棒状部材に作用しない。つまり、解除レバーの回転位置が解除領域にあるときには、棒状部材および車両ドアに制動力が発生しない。このためスムーズに車両ドアを開閉することができる。
また、保持部材が作動位置から原位置に到達するときには、カム部材により解除レバーが解除領域内の回転位置から中立回転位置まで回転する。これにより保持部材が棒状部材を再び保持する。
このように、本発明に係るドアチェック装置によれば、車両ドアの開閉動作に連動して解除レバーが回転作動することにより保持部材が棒状部材の保持を解除するために、スムーズに車両ドアの開閉がなされるとともに、任意の開度で車両ドアの開閉動作を停止した場合には解除レバーの回転位置が中立回転位置に戻されて保持部材が棒状部材を保持するために、制動力を発生させることができる。また、解除レバーの機械的な回転作動によって任意の開度で制動力を発生させることができるので、制御装置等を要せず、且つ複雑な制御を要しない。このため比較的安価に構成され、且つ任意の開度で制動力を発生させることができるドアチェック装置を提供することができる。
また、保持部材が作動位置から原位置に戻る際に、解除レバーはカム部材によって解除位置から中立回転位置まで回転するが、このとき付勢部材の付勢力が解除レバーを解除領域に向かう方向に付勢する。したがって、付勢部材の付勢力が解除レバーの中立回転位置に向かう回転に対する反力として解除レバーに作用する。この反力によって解除レバーが中立回転位置に戻るために要する時間が増加する。つまり、保持部材が棒状部材の保持を解除している状態から保持部材が棒状部材を保持している状態に移行するタイミング、換言すれば、車両ドアに制動力が作用しない状態から作用する状態に移行するタイミングが遅延される。したがって、保持部材が棒状部材の保持を解除している時間(保持解除時間)が増大される。その結果、車両ドアの開閉動作中に解除レバーが中立回転位置に復帰して制動力が突然発生することにより車両ドアの開閉動作に支障を来すことを防止することができる。
また、本発明によれば、車両ドアの開閉動作を開始したときに、解除レバーは中立位置から保持領域内の回転位置まで回転して保持領域内の回転位置に規制される。つまり、車両ドアの開閉動作の開始時には、解除レバーは、保持部材による棒状部材の保持を解除する方向とは反対の方向に回転する。したがって、車両ドアの開閉動作の停止時に車両ドアに外力が作用したときに、解除レバーが解除領域側に向けて作動して保持部材による棒状部材の保持が解除されてしまうといった不具合を確実に回避できる。その結果、制動力を確実に車両ドアに作用させることができる。
実施形態に係るドアチェック装置の車両への取り付け状態を示す概略図である。 実施形態に係るドアチェック装置の部分断面概略図である。 回転カムと解除レバーとの連結状態を示す概略図である。 本実施形態に係る保持部材の一例を示す部分断面概略図である。 解除レバーの回転位置が保持領域内にある場合における、解除部材と保持部材との配置関係を示す部分断面概略図である。 解除レバーの回転位置が解除領域内にある場合における、解除部材と保持部材との配置関係を示す部分断面概略図である。 解除レバーの上半分の構成を示す図である。 第1カム部材を示す図である。 初期状態にあるドアチェック装置の部分断面概略図である。 第1ローラが第1傾斜面上を移動しているときにおける、ドアチェック装置の部分断面概略図である。 第1ローラが第1水平面上を移動しているときにおける、ドアチェック装置の部分断面概略図である。 第1ローラが第1水平面の前進端に達したときにおける、ドアチェック装置1の部分断面概略図である。 第1ローラが第2傾斜面に当接したときにおける、ドアチェック装置の部分断面概略図である。 第1ローラが第2水平面上を移動しているときにおける、ドアチェック装置の部分断面概略図である。 第2ローラが第4傾斜面に当接したときにおける、ドアチェック装置の部分断面概略図である。 第2ローラが第4傾斜面上を移動しているときにおける、ドアチェック装置の部分断面概略図である。 本実施形態に係るドアチェック装置を使用して車両ドアを全閉状態から一定の速度で開作動させた場合における、車両ドアの開度と制動力との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は本実施形態に係るドアチェック装置1の車両への取り付け状態を示す概略図である。図1に示す車両Vは車体Bおよび車両ドアDRを備える。車体Bの側方部に乗降用の開口OPが形成される。開口OPの車両前方側の縁部FEに一対のドアヒンジH,Hが上下方向に沿って取り付けられる。一対のドアヒンジH,Hを介して車両ドアDRが車体Bに揺動可能(開閉可能)に連結される。すなわち車両ドアDRは車体Bに形成された開口OPを開閉可能である。車両ドアDR内に本実施形態に係るドアチェック装置1が取り付けられる。
図2は、本実施形態に係るドアチェック装置1の部分断面概略図である。なお、図2及び後述の図9A〜図9Hにおいては、構造を分かり易く見せるために、隠れている部分も現わされている。図2に示すように、ドアチェック装置1は、ケース2、チェック棒(棒状部材)3、内側ケース4、一対の保持部材5a,5b、解除部材6、戻しバネ65(付勢部材)、一対のバネ(制動力付与部材)7a,7b、一対のカム部材(第1カム部材8a,第2カム部材8b)を備える。なお、図2及び後述の図9A〜図9Hは、チェック棒3の軸線に平行な平面でドアチェック装置1を切断した場合における、ドアチェック装置1の部分断面概略図である。
ケース2は車両ドアDRに取り付けられる。ケース2は具体的には車両ドアDRを構成するドアパネルの内部空間内に配設される。ケース2は中空の直方体形状をなし、長手方向が車両ドアDRの前後方向(水平方向)に一致するように車両ドアDRに取り付けられる。チェック棒3は、図1に示すように、一方端が車体Bの開口OPの車両前方側の縁部FEに揺動可能に取り付けられるように構成される。一方端が車体Bに取付けられたチェック棒3は車両ドアDR内(ドアパネル内)に延出され、延出部分がケース2内に挿通される。チェック棒3の揺動軸方向は、一対のドアヒンジH,Hの揺動軸方向と同一方向、すなわち上下方向である。したがって、車両ドアDRの開閉に応じてチェック棒3が揺動する。
車両ドアDRの開閉時には車両ドアDRが車体Bに対して回転変位するため、車体B側に一端が連結されたチェック棒3と車両ドアDR側に取り付けられたケース2との相対的位置関係も変化する。つまり、車両ドアDRの開閉時には、チェック棒3が揺動しながらケース2の長手方向に沿ってケース2に相対的に軸方向移動する。ケース2は車体B側に取付けられていてもよい。この場合には、チェック棒3の一端側が車両ドアDR側に揺動可能に取り付けられる。
なお、車両ドアDRの揺動中心軸位置(ヒンジHの回転中心軸位置)とチェック棒3の揺動中心軸位置は異なるので、車両ドアDRの開閉に伴ってチェック棒3が揺動するに従い、車両上方側から見た車両ドアDRの開き方向とチェック棒3の軸方向とのなす角度が変化する。この角度変化を許容しつつチェック棒3がケース2に対して相対的に軸方向移動することを可能とするために、ケース2が車両ドアDRに対して揺動可能に取付けられているとよい。
図2に示すように、ケース2内に、内側ケース4、一対の保持部材5a,5b、解除部材6、戻しバネ65および一対のバネ(第1バネ7a,第2バネ7b)が収容される。また、チェック棒3がケース2をその長手方向に貫通している。チェック棒3はケース2内で内側ケース4にも挿通する。内側ケース4内に、一対の保持部材5a,5bが配設される。一対の保持部材5a,5bはそれぞれ向かい合うように内側ケース4内でチェック棒3の長手方向に沿って配置される。一対の保持部材5a,5bは、それぞれ内側ケース4の対向する側壁面(図2において左右の側壁の内面)に接するように配置される。解除部材6は図2の紙面に垂直な方向から見て一対の保持部材5a,5bの間に配設される。内側ケース4はチェック棒3の軸方向に沿ってケース2内を移動可能である。したがって、内側ケース4内の一対の保持部材5a,5b、及び解除部材6も、チェック棒3の軸方向に沿ってケース2内を移動可能である。
チェック棒3は、内側ケース4内で一対の保持部材5a,5bにも挿通される。一対の保持部材5a,5bは、チェック棒3を保持することができ、また、その保持を解除することができるように構成される。したがって、一対の保持部材5a,5bがチェック棒3を保持しているとき、つまり保持状態であるときは、チェック棒3は一対の保持部材5a,5bと一体的に動作する。一方、一対の保持部材5a,5bによるチェック棒3の保持が解除されているとき、つまり解除状態であるときは、チェック棒3は一対の保持部材5a,5bとは無関係に(つまり別々に)動作する。
解除部材6は、回転カム61及び解除レバー62を備える。解除レバー62は、その長手方向における中央部分にて内側ケース4に回転可能に連結される。したがって、解除レバー62は、ケース2内で図2の紙面に平行な平面内を回転可能である。また、解除レバー62の長手方向における中央部分に回転カム61が連結される。回転カム61は一対の保持部材5a,5bの間に設けられ、保持部材5a,5bに接触可能に配置される。
図3は、回転カム61と解除レバー62との連結状態を示す概略図である。図3において、解除レバー62が実線で示され、回転カム61が点線で示される。図3に示すように、回転カム61は解除レバー62の回転中心位置Oにて解除レバー62に回転可能に連結される。回転カム61は、図3の紙面に垂直な方向から見て短辺と長辺を有する矩形形状に形成される。また、解除レバー62には回転カム61側に突出した直方体状の突起部62aが形成され、一方、回転カム61の解除レバー62側を向いた面には凹部61aが形成される。凹部61aに突起部62aが嵌め込まれる。
凹部61aは、解除レバー62が図3に示す回転位置から反時計周り方向に回転したときに凹部61a内で突起部62aが空転し、解除レバー62が図3に示す回転位置から時計周り方向に回転したときに突起部62aが凹部61aを形成する壁面に係合するような形状を呈する。したがって、解除レバー62が図3に示す回転位置から反時計周り方向に回転しても、回転カム61は解除レバー62に係合しないので、回転カム61は回転しない。一方、解除レバー62が図3に示す回転位置から時計周り方向に回転した場合には、回転カム61が解除レバー62に係合するため、回転カム61は解除レバー62の回転に連動して回転する。図3に示すような解除レバー62の回転位置を「中立回転位置」と呼ぶ。また、解除レバー62が中立回転位置から反時計周り方向に回転しているような回転領域を「保持領域」と呼び、解除レバー62が中立回転位置から時計周り方向に回転しているような回転領域を「解除領域」と呼ぶ。図2に示す解除レバー62の回転位置は中立回転位置である。
したがって、解除レバー62が図2に示す中立回転位置から図2において反時計周り方向に回転しても、回転カム61は回転しない。つまり、解除レバー62の回転位置が中立回転位置から保持領域内の回転位置まで回転した場合、回転カム61は回転しない。一方、解除レバー62が図2に示す中立回転位置から時計周り方向に回転すると、回転カム61は解除レバー62とともに回転する。つまり、解除レバー62の回転位置が中立回転位置から解除領域内の回転位置まで回転した場合、回転カム61が回転する。回転カム61が図2に示す位置から回転すると、回転カム61と一対の保持部材5a,5bとの当たり面(接触状態)が変化し、回転カム61の対角部分が一対の保持部材5a,5bを押圧する。本実施形態の保持部材5a,5bは、回転カム61の回転に起因した回転カム61の押圧動作によって、チェック棒3を保持する保持状態と、チェック棒3の保持が解除された解除状態とを取り得るように構成される。
図4は、本実施形態に係る保持部材の一例を示す部分断面概略図である。図4に示す一対の保持部材5a,5bは、それぞれ本体51と、リテーナ52と、複数のボール53と、内部バネ54とを備える。一対の保持部材5a,5bの間に回転カム61が配設される。
本体51は、チェック棒3の外周を覆うようにリング状に形成される。本体51の一方端面511寄りの内周側には、一方端面511に近づくにつれて径が小さくなるようなテーパ面51aが形成される。また、本体51の他方端面512からは径内方に延びたフランジ部51bが形成される。
本体51の内周面とチェック棒3の外周面との間に、リテーナ52、複数のボール53および内部バネ54が配設される。リテーナ52はチェック棒3の外周を覆うようにリング状に形成される。リテーナ52には周方向に沿って複数の穴(図示省略)が形成され、穴内に複数のボール53が周方向に沿って保持される。複数のボール53は、リテーナ52の穴内に保持された状態でチェック棒3の外周面に接触している。複数のボール53がチェック棒3の外周面上を滑る(あるいは転動する)ことによって、リテーナ52がチェック棒3の軸方向に沿って移動することができる。
内部バネ54は、本体51のフランジ部51bとリテーナ52との間に配設される。内部バネ54はリテーナ52に併設されるようにチェック棒3の外周を覆っており、その一方端がリテーナ52の側面に係止され、他方端が本体51のフランジ部51bに係止される。内部バネ54は、その両端が係止された状態で常に伸長力を発生するように構成される。したがって、内部バネ54の伸長力によって、リテーナ52が本体51の一方端面511側に付勢される。上述したように本体51の一方端面511寄りの内周にはテーパ面51aが形成されているので、リテーナ52に保持された複数のボール53は内部バネ54の伸長力によってテーパ面51aに押し付けられる。この押し付け力に対する反力がテーパ面51aから複数のボール53に伝達され、さらに複数のボール53からチェック棒3に伝達される。つまり、内部バネ54の伸長力に起因した保持力よりチェック棒3が保持部材5a,5bに締め付けられる。このようにして、保持部材5a,5bがチェック棒3を保持する。図4はチェック棒3が保持部材5a,5bにより保持されている状態(保持状態)を示す。
図4に示すように、一対の保持部材5a,5bのそれぞれの本体51の一方端面511同士が向き合い、それぞれのリテーナ52により回転カム61が挟まれるように、一対の保持部材5a,5bが内側ケース4内に向かい合って配設される。また、図4に示す保持状態では、解除レバー62の回転位置が中立回転位置である。解除レバー62の回転位置が中立回転位置である場合、回転カム61の短辺がチェック棒3の軸方向に一致する。このときリテーナ52は回転カム61に押圧されていない。そのため、図4に示す状態では、一対の保持部材5a,5bの保持状態が維持される。
解除レバー62が図4に示す中立回転位置から反時計周り方向に回転すると、解除レバー62の回転位置が保持領域内に位置する。解除レバー62の回転位置が保持領域内に位置しているときは、上述したように回転カム61は回転しない。したがって、解除レバー62の回転位置が保持領域にあるときは、保持部材5a,5bは保持状態を維持する。図5に、解除レバー62の回転位置が保持領域内にある場合における、解除部材6と保持部材5a,5bとの配置関係が示される。
一方、解除レバー62が図4に示す中立回転位置から時計周り方向に回転すると、解除レバー62の回転位置が解除領域内に位置する。解除レバー62が中立回転位置から解除領域内の回転位置まで回転した場合は、上述したように回転カム61も回転する。回転カム61が回転すると、リテーナ52,52に対する回転カム61の当たり面が変化する。このためそれぞれのリテーナ52,52に回転カム61から押圧力が加えられ、リテーナ52,52は互いに離間するようにチェック棒3の軸方向に沿って移動する。このようなリテーナ52,52の互いに離間する方向への移動によって、リテーナ52に配設されている複数のボール53が本体51のテーパ面51aから離間する。このためボール53および本体51を介してチェック棒3に作用していた内部バネ54の伸長力がチェック棒3に伝えられることが妨げられる。その結果、保持部材5a,5bによるチェック棒3の保持が解除される。図6に、解除レバー62の回転位置が解除領域内にある場合における、解除部材6と保持部材5a,5bとの配置関係が示される。
上記の例から明らかなように、本実施形態で用いられる保持部材5a,5bは、解除部材6の作動、具体的には解除レバー62の回転位置により保持状態と解除状態とを切り換えることができるように構成される。換言すれば、解除部材6は、解除レバー62の回転位置が中立回転位置または中立回転位置から一方向に回転した回転領域である保持領域にあるときに保持部材5a,5bがチェック棒3を保持し、解除レバー62の回転位置が中立回転位置から他方向に回転した領域である解除領域にあるときに保持部材5a,5bがチェック棒3の保持を解除するように、解除レバー62の回転位置に応じて保持部材5a,5bによるチェック棒3の保持を解除するよう構成される。
図2に示すように、ケース2内に一対の仕切り板(第1仕切り板9a,第2仕切り板9b)が設けられる。一対の仕切り板9a,9bはケース2内の内側ケース4をチェック棒3の軸方向に沿って両側から挟むようにケース2内に配設される。一対の仕切り板9a,9bには貫通孔が形成されており、チェック棒3はこの貫通孔を挿通する。一対の仕切り板9a,9bはケース2内でチェック棒3の軸方向に移動可能に構成される。
一対のバネ7a,7bが、チェック棒3の軸方向に沿って内側ケース4を挟んで対向するようにケース2内に配設される。一対のバネ7a,7bのうち図2の右側の第1バネ7aの一方端がケース2の右端面を形成する側壁の内面に係止され、他方端が第1仕切り板9aの右面に係止される。一対のバネ7a,7bのうち図2の左側の第2バネ7bの一方端がケース2の左端面を形成する側壁の内面に係止され、他方端が第2仕切り板9bの左面に係止される。それぞれのバネ7a,7bは、それぞれ両端が係止された状態で伸長力を発生するように構成される。したがって、第1仕切り板9aは第1バネ7aによって内側ケース4に近づく方向に付勢され、第2仕切り板9bは第2バネ7bによって内側ケース4に近づく方向に付勢される。
また、図2に示すように、ケース2の上側の内壁面に第1カム部材8aが取付けられ、下側の内壁面に第2カム部材8bが取り付けられる。第1カム部材8a及び第2カム部材8bは、ケース2の長手方向の全域に亘ってケース2に取付けられている。第1カム部材8aと第2カム部材8bは、上下に対面して配置され、両者の間には、上記説明した各要素(内側ケース4、保持部材5a,5b、解除部材6、一対のバネ7a,7b)が配設される。この第1カム部材8a及び第2カム部材8bに、一対のストッパ(第1ストッパ21,第2ストッパ22)が形成される。一対のストッパ21,22は、ケース2の長手方向に沿って所定の間隔を開けてそれぞれ設けられる。第1ストッパ21には第1仕切り板9aが当接可能であり、第2ストッパ22には第2仕切り板9bが当接可能である。
第1バネ7aに付勢された第1仕切り板9aが第1ストッパ21に当接することにより、第1仕切り板9aの図2において左方への移動が規制される。同様に、第2バネ7bに付勢された第2仕切り板9bが第2ストッパ22に当接することにより、第2仕切り板9bの図2において右方への移動が規制される。一対のストッパ21,22間の距離は内側ケース4の横方向長さとほぼ等しい。したがって、一対のストッパ21,22により一対の仕切り板9a,9bの位置が規制されているときに、一対の仕切り板9a,9b間に内側ケース4が位置される。位置規制されている一対の仕切り板9a,9b間に内側ケース4が位置されている場合における保持部材5a,5bの位置、すなわち図2に示す保持部材5a,5bの位置を、「原位置」と呼ぶ。なお、原位置にて内側ケース4の両側壁と一対の仕切り板9a,9bとは接触しているが、微小の隙間が形成されるように構成されていてもよい。
また、図2に示すように、戻しバネ65がケース2内に配設される。戻しバネ65の一方端は解除レバー62に固定され、他方端は内側ケース4の外壁に固定される。戻しバネ65は、その両端が解除レバー62および内側ケース4に固定された状態で、常に収縮力を発生する。また、図2に示す例では、戻しバネ65の一方端は、解除レバー62の長手方向の中心部(回転中心)よりも上側に固定され、戻しバネ65の他方端は、図2において戻しバネ65の一方端よりも右側に位置する部分に固定される。このように戻しバネ65の両端が固定されることにより、戻しバネ65の収縮力によって、解除レバー62の上側の部分が右方に引っ張られる。そのため解除レバー62は図2において時計周り方向、つまり中立回転位置から解除領域に向かう方向に付勢される。換言すれば、戻しバネ65は、解除レバー62を中立回転位置から解除領域に向かう方向に回転付勢する。
解除レバー62は、その回転中心位置から一方及び他方に延びるように形成されている。解除レバー62の一方端部(図2において上端部)に第1ローラ621が設けられ、解除レバー62の他方端部(図2において下端部)に第2ローラ622が設けられる。図7は、解除レバー62の上半分の構成を示す図であり、図7(a)が斜視図、図7(b)が分解斜視図である。なお、解除レバー62の下半分の構成は、第1ローラ621が第2ローラ622に置換されることを除き、上半分の構成と同じであるので、その説明は省略する。
図7に示すように、解除レバー62は、第1ローラ621(第2ローラ622)と、レバー部623と、ロッド624と、スプリング625とを備える。レバー部623の端部に貫通孔623aが形成されており、この貫通孔623aにロッド624が挿通される。ロッド624の基端には貫通孔623aの径よりも大きい径を有するヘッド部624aが形成されており、ロッド624が貫通孔623aに挿通されたときにこのヘッド部624aがレバー部623の側面に係止される。第1ローラ621は、貫通孔623aを挿通したロッド624に取り付けられる。第1ローラ621は、回転可能且つロッド624の軸方向に移動可能となるように、ロッド624に取り付けられる。スプリング625は貫通孔623aを挿通したロッド624の周りに配設されており、その一端がレバー部623の側面に係止され、他端が第1ローラ621の端面に係止される。したがって、第1ローラ621は、スプリング625の弾性力(伸長力)によりレバー部623から離間する方向に付勢される。なお、ロッド624の先端から第1ローラ621が抜け落ちることを防止するための図示しないストッパが、ロッド624の先端に形成されているとよい。
上述したように、ケース2の上側内壁面に第1カム部材8aが取り付けられ、ケース2の下側内壁面に第2カム部材8bが取り付けられる。図8は第1カム部材8aを示す図であり、図8(a)が正面図、図8(b)が底面図、図8(c)が斜視図である。図2及び後述の図9A〜図9Hにおいては、正面方向から見た第1カム部材8aが示されている。なお、第2カム部材8bの構造は第1カム部材8aの構造と同様であるのでその説明は省略する。
また、以下において第1カム部材8aを説明するにあたり、図8(a)の正面図における上下方向を第1カム部材8aの上下方向と定義し、左右方向を第1カム部材8aの前後方向と定義する。また、図8(b)の底面図における上下方向を第1カム部材8aの厚さ方向と定義する。また、図8(a)の正面図における左方を第1カム部材8aの前方と定義し、右方を第1カム部材8aの後方と定義する。さらに、図8(b)の底面図における上方を第1カム部材8aの内方と定義し、下方を第1カム部材8aの外方と定義する。
図8に示すように、第1カム部材8aには、基準面S1、第1傾斜面S2、第1水平面S3、第2傾斜面S4、第2水平面S5、第3傾斜面S6、第3水平面S7、第4傾斜面S8、段差面S9、端面S10、第1鉛直面S11、第2鉛直面S12、及び第5傾斜面S13、が形成されている。
基準面S1は、解除レバー62が中立回転位置にあるときに第1ローラ621(第2ローラ622)が当接する面である。基準面S1は上下方向に垂直である。基準面S1の前方端に、第1傾斜面S2及び第3傾斜面S6が接続される。図8(c)によく示すように、基準面S1の前方端の外方側に第1傾斜面S2が接続され、基準面S1の前方端の内方側に第3傾斜面S6が接続される。したがって、第1傾斜面S2と第3傾斜面S6は、厚さ方向に沿って並設される。第1傾斜面S2は厚さ方向に平行であり、前方に向かうにつれて下方に傾斜するように形成される。第3傾斜面S6は厚さ方向に平行であり、前方に向かうにつれて上方に傾斜するように形成される。
第1傾斜面S2の前方端に第1水平面S3が接続され、第3傾斜面S6の前方端に第2水平面S5が接続される。第1水平面S3及び第2水平面S5は共に上下方向に垂直である。図8(a)からわかるように、第1水平面S3の上下方向位置は、第2水平面S5の上下方向位置よりも低い。
第1水平面S3の前方端から上方に向けて段差面S9が形成される。また、第2水平面S5の前方端には第2傾斜面S4が接続される。第2傾斜面S4は厚さ方向に平行であり、第1傾斜面S2と同様に前方に向かうにつれて下方に傾斜するように形成される。
第2傾斜面S4の前方端に端面S10が形成される。下端面S10は上下方向に垂直である。下端面S10と第1水平面S3の上下方向位置は一致する。第1水平面S3の前端と下端面S10の後端との間には、空間が形成される。
また、基準面S1の後方端に、第4傾斜面S8が接続される。第4傾斜面S8は、厚さ方向に平行であり、後方に向かうにつれて上方に傾斜するように形成される。第4傾斜面S8と、その前方の基準面S1と、その前方の第3傾斜面とにより、下に凸の突起部Pが第1カム部材8aに形成される。また、第4傾斜面S8の後方端に第3水平面S7が接続される。第3水平面S7は上下方向に垂直である。
第1傾斜面S2の厚さ方向内側端は面取りされている。この面取り部を介して第1傾斜面S2の厚さ方向内方端に第1鉛直面S11が接続される。また、第1水平面S3の厚さ方向内側端に第2鉛直面S12が接続される。第1鉛直面S11と第2鉛直面S12は同一平面上に形成され、これらの面は厚さ方向に垂直である。さらに、第2鉛直面S12の上方に第5傾斜面S13が形成される。第5傾斜面S13は、上下方向に平行な面であって、前方に向かうにつれて厚さ方向外側に傾斜するように形成される。第5傾斜面S13の前方端位置は、第1水平面S3の前方端位置に一致している。
上記構成の第1カム部材8aがケース2の上側の内壁面に取り付けられ、第1カム部材8aと同様の形状の第2カム部材8bがケース2の下側の内壁面に取り付けられる。この場合において、図2に示すように、第1カム部材8aと第2カム部材8bがケース2の図2における中心点に対して点対称となるように、すなわち保持部材5a,5bが原位置であるときにおける解除レバー62の回転中心位置に対して点対称となるように、それぞれのカム部材8a,8bがケース2に取り付けられる。
また、図2に示すように、解除レバー62(レバー部623)の一方端に設けられた第1ローラ621が第1カム部材8aに当接可能であり、解除レバー62の他方端に設けられた第2ローラ622に第2カム部材8bが当接可能であるように、解除レバー62と両カム部材8a,8bの配置関係が定められている。このとき解除レバー62の第1ローラ621及び第2ローラ622は、スプリング625の付勢力によって、両カム部材8a,8bに対し厚さ方向における外方に向けて付勢されている。
次に、本実施形態に係るドアチェック装置1の作動について説明する。車両ドアDRが開作動した場合、それに伴ってチェック棒3がケース2に対して一方の軸方向に相対移動する。また、車両ドアDRが閉作動した場合、車両ドアDRの閉作動に伴ってチェック棒3がケース2に対して他方の軸方向に相対移動する。車両ドアDRの開作動時におけるチェック棒3の相対移動方向は、車両ドアDRの閉作動時におけるチェック棒3の相対移動方向と反対の方向である。本実施形態においては、車両ドアDRの開作動時におけるチェック棒3の相対移動方向が、図2の矢印A方向(右方向)であり、車両ドアDRの閉作動時におけるチェック棒3の相対移動方向が、図2の矢印B方向(左方向)である。
(初期状態)
図9Aは、車両ドアDRの開閉動作が停止しているときにおける、ドアチェック装置1の部分断面概略図である。なお図9Aは、図2と同じ図である。図9Aにおいて、第1仕切り板9aが第1バネ7aの伸長力により付勢されて第1ストッパ21に当接している。そのため第1仕切り板9aは第1のストッパ21によって位置規制される。また、第2仕切り板9bが第2バネ7bの伸長力により付勢されて第2ストッパ22に当接している。そのため第2仕切り板9bは第2のストッパ22により位置規制される。位置規制された一対の仕切り板9a,9bの間に内側ケース4が配設される。したがって、内側ケース4内の一対の保持部材5a,5bは原位置に位置する。
また、解除レバー62の第1ローラ621が第1カム部材8aの基準面S1に当接し、第2ローラ622が第2カム部材8bの基準面S1に当接している。このとき解除レバー62は戻しバネ65により時計回り方向に付勢されているので、斯かる付勢力が両ローラ621,622と両規準面S1,S1との接点にて垂直抗力として作用する。このため両ローラ621,622が両規準面S1,S1に係合し、解除レバー62の回転位置は図9Aに示す中立回転位置に規制される。保持部材5a,5bが原位置にあり、且つ解除レバー62の回転位置が中立回転位置にあるときにおけるドアチェック装置1の動作状態、すなわち図9Aに示す状態を、初期状態と呼ぶ。
初期状態では、解除レバー62の回転位置が中立回転位置にあるから、回転カム61は保持部材5a,5bの内部要素を押圧していない。したがって、保持部材5a,5bはチェック棒3を保持する。すなわち、ドアチェック装置1の動作状態が初期状態であるとき、保持部材5a,5bは保持状態である。
(初動状態)
ドアチェック装置1の動作状態が図9Aに示す初期状態であるときに車両ドアDRを開作動させた場合、車両ドアDRの開作動に伴ってチェック棒3がケース2に対して相対的に軸方向移動する。このとき図9Aの矢印A1で示す右方向にチェック棒3が軸方向移動する(以下、右方向への移動を前進移動と呼ぶこともある)。なお、車両ドアDRが閉作動した場合、チェック棒3は図9Aの矢印B1で示す左方向に移動する(以下、左方向への移動を後退移動と呼ぶこともある)。
初期状態では上述したようにチェック棒3が保持部材5a,5bに保持されているので、初期状態であるときに車両ドアDRを開作動させた場合、チェック棒3と共に保持部材5a,5bがケース2内で前進移動する。また、保持部材5a,5bの前進移動に伴い、保持部材5a,5bを収容した内側ケース4及び内側ケース4に接続された解除レバー62も、保持部材5a,5bとともに前進移動する。
また、初期状態では、解除レバー62の第1ローラ621および第2ローラ622が各カム部材8a,8bの基準面S1に当接している。このような初期状態から解除レバー62が前進移動した場合、第1ローラ621も前進移動するため、第1ローラ621は基準面S1上の位置からその前方の第1傾斜面S2上の位置に移動する。そして、第1ローラ621は第1傾斜面S2上を前進方向に向けて移動する。ここで、基準面S1の前方端には第1傾斜面S2と第3傾斜面S6が接続されており、第1傾斜面S2は第3傾斜面S6よりも厚さ方向における外方側に設けられている。第1ローラ621は、スプリング625の付勢力により第1カム部材8aに対してその厚さ方向における外方に付勢されているから、第1ローラ621が基準面S1上の位置から前進移動した場合には、第1ローラ621は第3傾斜面S6よりも厚さ方向における外方側に形成された第1傾斜面S2上に乗り上げるとともにこの第1傾斜面S2上を移動する。図9Bは、第1ローラ621が第1傾斜面S2上を移動しているときにおける、ドアチェック装置1の部分断面概略図である。
第1傾斜面S2は、前進方向(図9Bの右方向)に向かうにつれて下方に傾斜しているので、解除レバー62が前進移動するにつれて、第1ローラ621が第1傾斜面S2に接触している部分の上下方向高さ位置が低くなる。したがって、第1ローラ621が第1傾斜面S2上を前進移動するにつれ、解除レバー62は、その上端の上下方向位置が低くなるように、中立回転位置から図9Bの反時計周り方向に回転する。
図9B及び後述の図9C〜図9Hにおいて、解除レバー62が中立回転位置であるときにおける解除レバー62の傾斜方向が一点鎖線で示されている。図9Bに示すように、解除レバー62が中立回転位置から反時計周り方向に回転すると、解除レバー62の回転位置が保持領域内に位置する。解除レバー62が中立回転位置から保持領域内の回転位置に向かう方向(反時計周り方向)に回転した場合、回転カム61は回転しない。そのため保持部材5a,5bはチェック棒3を保持した状態を維持する。
ドアチェック装置1の動作状態が図9Bに示す状態であるときからさらに車両ドアDRを開作動させた場合、チェック棒3がケース2に対してさらに前進移動するとともに、内側ケース4、保持部材5a,5b及び解除部材6もさらに前進移動する。すると、解除レバー62の前進移動に伴って第1ローラ621が第1傾斜面S2上をさらに前進移動し、やがて、第1水平面S3上の位置に移動する。そして、第1ローラ621は第1水平面S3上を前進方向に移動する。図9Cは、第1ローラ621が第1水平面S3上を移動しているときにおける、ドアチェック装置1の部分断面概略図である。
図9Cに示すように、第1水平面S3の上下方向位置は第1傾斜面S2の下端位置と等しいので、第1ローラ621が第1水平面S3上を移動している間、解除レバー62の回転位置は中立回転位置から反時計周り方向に回転した所定の回転位置に規制される。図9Cに示す解除レバー62の回転位置は保持領域内の位置であるので、保持部材5a,5bはチェック棒3を保持した状態を維持する。図9B、図9C及び後述の図9Dに示す状態、すなわち解除レバー62の第1ローラ621が第1カム部材8aの第1傾斜面S2又は第1水平面S3上を前進移動している状態を、初動状態と呼ぶ。
初動状態では、上述したように解除レバー62が中立回転位置から反時計周り方向に回されて、解除レバー62の回転位置が保持領域内の回転位置に規制される。このため保持部材5a,5bがチェック棒3の保持を維持する。したがって、車両ドアDRの開作動に伴うチェック棒3のケース2に対する相対的な前進移動に連動して内側ケース4、保持部材5a,5bおよび解除部材6が第1仕切り板9aとともに図9Aに示す位置から右方に前進移動する。第1仕切り板9aが前進移動することにより第1バネ7aが収縮する。このため第1バネ7aの伸長力が仕切り板9aを介して内側ケース4および保持部材5a,5bに作用し、さらに保持部材5a,5bに保持されているチェック棒3にも作用する。したがって、チェック棒3の右方への前進移動に対して第1バネ7aの伸長力が抵抗力として作用する。
すなわち、ドアチェック装置1の動作状態が初動状態であるときには、車両ドアDRを開閉する際に大きな力、具体的には第1仕切り板9aに作用する第1バネ7aの伸長力よりも大きな力が必要である。換言すれば、ドアチェック装置1の動作状態が初動状態であるときには、第1バネ7aの伸長力が制動力として車両ドアDRに作用する。
なお、初動状態においては、戻しバネ65の付勢力で第1ローラ621が第1カム部材8aの第1傾斜面S2または第1水平面S3に係止されることにより、解除レバー62が中立回転位置に戻ることが阻止される。このため解除レバー62の回転位置が保持領域内の回転位置に規制される。また、初動状態では、解除レバー62が保持領域内の回転位置まで反時計周り方向に回転されることにより、第1ローラ621とは反対側の第2ローラ622が、第2カム部材8bから離れて浮いた状態にされる。
ドアチェック装置1の動作状態が図9Cに示す状態であるときからさらに車両ドアDRが開作動した場合、内側ケース4および保持部材5a,5bがケース2内で図9Cの矢印A1で示す右方向(前進方向)にさらに移動するとともに、解除レバー62の第1ローラ621が第1水平面S3上を前進移動し、やがて、第1ローラ621が第1水平面S3の前進端に達する。図9Dは、第1ローラ621が第1水平面S3の前進端に達したときにおける、ドアチェック装置1の部分断面概略図である。第1ローラ621が第1水平面S3の前進端に達した場合であっても、依然として解除レバー62の回転位置は保持領域内の回転位置に規制されているため、保持部材5a,5bによるチェック棒3の保持が維持される。
(解除開始状態)
ドアチェック装置1の動作状態が図9Dに示す状態であるときからさらに車両ドアDRが開作動した場合、解除レバー62の第1ローラ621がさらに前進移動するが、第1水平面S3の前方には空間が形成されているので、第1ローラ621は第1水平面S3から離脱するとともにこの空間内に放出される。第1ローラ621が第1水平面S3から離脱したことによって、解除レバー62の時計周り方向への回転の規制が解除され、解除レバー62は戻しバネ65の付勢力により図9Dの時計周り方向に回転し、これに伴い第1ローラ621も時計周り方向に回転する。そして、第1ローラ621が第2傾斜面S4に当接することにより、時計周り方向への回転が規制される。図9Eは、第1ローラ621が第2傾斜面S4に当接したときにおける、ドアチェック装置1の部分断面概略図である。
図9Eに示す状態では、解除レバー62が図9Dに示す回転位置から戻しバネ65の付勢力により時計周り方向に回転する結果、解除レバー62の回転位置が、中立回転位置よりも時計周り方向に回転した位置、すなわち解除領域内に位置される。解除レバー62が中立回転位置から解除領域内の回転位置まで回転した場合、その回転に連動して回転カム61も回転する。回転カム61の回転によって、保持部材5a,5bが回転カム61に押圧されて、保持部材5a,5bによるチェック棒3の保持が解除される。保持部材5a,5bによるチェック棒3の保持の解除が開始されたときにおけるドアチェック装置1の動作状態、すなわち図9Eに示す状態を「解除開始状態」と呼ぶ。また、解除開始状態である場合におけるケース2内での一対の保持部材5a,5bの位置を「作動位置」と呼ぶ。特に、車両ドアDRの開作動時における作動位置(図9Eに示す一対の保持部材5a,5bの位置)を、「開作動位置」と呼ぶ。
図9Eに示す解除開始状態では、チェック棒3が一対の保持部材5a,5bに保持されていないので、チェック棒3は一対の保持部材5a,5bと一体的に動かない。すなわち一対の保持部材5a,5bとチェック棒3がそれぞれ別々に移動することができる。また、解除開始状態では、一対の保持部材5a,5bがチェック棒3を保持していないため、第1バネ7aの伸長力はチェック棒3に伝達されない。したがって、ドアチェック装置1の動作状態が解除開始状態であるときには小さな力で車両ドアDRを開くことができる。換言すれば、ドアチェック装置1の動作状態が解除開始状態であるときには、車両ドアDRに制動力がほとんど作用しない。
(解除維持状態)
解除レバー62が図9Eに示す解除領域内の回転位置にあるときでも、第1バネ7aの伸長力は第1仕切り板9aを介して内側ケース4および保持部材5a,5bには作用している。したがって、第1バネ7aの付勢力(伸長力)が、保持部材5a,5bを開作動位置から原位置に戻す方向への復元力(伸長力)として保持部材5a,5bに作用する。このため、ドアチェック装置1の動作状態が解除開始状態に至った直後に、内側ケース4および保持部材5a,5bが第1バネ7aによって図9Eの矢印B1で示す左方向に後退移動する。
すると、解除レバー62も保持部材5a,5bとともに後退移動する。これとともに解除レバー62の第1ローラ621は、第2傾斜面S4上を後退移動する。第2傾斜面S4は、後方に向かうにつれて上方に傾斜している。したがって、第1ローラ621が第2傾斜面S4を後退移動するにつれて、第1ローラ621と第2傾斜面S4との接触部分が上方に移動し、これにより解除レバー62が時計周り方向に回転する。このような解除レバー62の時計周り方向への回転により、解除レバー62の回転位置が解除領域内の位置に規制され、保持部材5a,5bによるチェック棒3の保持の解除が維持される。解除開始状態以降の状態であって、解除レバー62の回転の回転位置が解除領域内の位置である状態を、解除維持状態と呼ぶ。
解除維持状態では、一対の保持部材5a,5bがチェック棒3を保持していないため、第1バネ7aの伸長力はチェック棒3に伝達されない。したがって、ドアチェック装置1の動作状態が解除維持状態であるときには小さな力で車両ドアDRを開くことができる。換言すれば、ドアチェック装置1の動作状態が解除維持状態であるときには、車両ドアDRに制動力がほとんど作用しない。
第2傾斜面S4上を後退移動している第1ローラ621は、やがて第2傾斜面S4の後端側から第2水平面S5上に移動し、第2水平面S5上を後退移動する。図9Fは、第1ローラ621が第2水平面S5上を移動しているときにおける、ドアチェック装置1の部分断面概略図である。図9Fに示すように、第2水平面S5の上下方向位置は第2傾斜面S4の上端位置と等しいので、第1ローラ621が第2水平面S5上を移動している間、解除レバー62の回転位置は中立回転位置から時計周り方向に回転した解除領域内の位置に規制される。このため保持部材5a,5bはチェック棒3の保持を解除した状態を維持する。
また、第1ローラ621が第2水平面S5上を後退移動しているときには、それまで第2カム部材8bから離間していた第2ローラ622は、解除レバー62の時計周り方向への回転によって第2カム部材8bの第3水平面S7に接触するとともに、第3水平面S7上を後退移動する。
また、第1ローラ621が第2水平面S5上を後退移動しているときに、第1ローラ621はスプリング625の付勢力により第5傾斜面S13に押し付けられる。したがって、第1ローラ621は、第2水平面S5上を移動しているときに、第5傾斜面S13を摺動しながら後退方向に向けて移動し、第1ローラ621の厚さ方向における位置が外方から内方に向かって徐々に変化する。また、第1ローラ621は、スプリング625の付勢力によって厚さ方向外側に付勢された状態で、前方に向かうにつれて厚さ方向外側に傾斜るように形成された第5傾斜面S13を摺動しながら後退移動するため、スプリング625の付勢力が保持部材5a,5b及び解除レバー62の後退移動に対する抵抗力として解除レバー62に作用する。
図9Fに示す状態から、第1バネ7aの付勢力(復元力)により保持部材5a,5b、内側ケース4及び解除レバー62がさらに後退移動すると、第2ローラ622は第2カム部材8bの第3水平面S7上をさらに後退移動し、やがて、第2ローラ622が第2カム部材8bの第4傾斜面S8に当接する。図9Gは、第2ローラ622が第4傾斜面S8に当接したときにおける、ドアチェック装置1の部分断面概略図である。
図9Gに示す状態から、第1バネ7aの付勢力(復元力)により保持部材5a,5b,内側ケース4及び解除レバー62がさらに後退移動すると、第2ローラ622は第2カム部材8bの第4傾斜面S8を駆け上がるように、第2傾斜面S8上を後退移動する。第4傾斜面S8は、後退方向(左方)に向かうにつれて上方に傾斜しているので、解除レバー62が第1バネ7aの復元力によって後退移動するにつれて、第2ローラ622が第4傾斜面S8に接触している部分における上下方向位置が高くなる。したがって、第2ローラ622が第4傾斜面S8上を後退移動するにつれて、解除レバー62は、その下端の上下方向位置が高くなるように、解除領域内の回転位置から反時計周り方向に回転する。図9Hは、第2ローラ622が第4傾斜面S8上を移動しているときにおける、ドアチェック装置1の部分断面概略図である。
図9Hに示す状態では、解除レバー62が図9Gに示す状態から反時計周り方向に僅かに回転したことにより、第1ローラ622が第1カム部材8aの第2水平面S5から離脱して、浮いた状態とされる。これにより解除レバー62の上端がフリーの状態にされる。このとき第2ローラ622と第4傾斜面S8との接触部位を支点として、戻しバネ65の付勢力(圧縮力)が解除レバー62を図9Hの右方向に引き戻すように作用する。この付勢力は解除レバー62から回転カム61に、さらに回転カム61から保持部材5a,5bに作用する。このようにして保持部材5a,5bに作用する戻しバネ65の付勢方向は、保持部材5a,5bへの第1バネ7aの復元力の作用方向と反対方向である。また、このとき保持部材5a,5bに作用する戻しバネ65の付勢力は、第1バネ7aの復元力よりも弱くなるように、戻しバネ65の弾性係数が設定されている。このような戻しバネ65の付勢力、及び、上述したスプリング625の付勢力が第1バネ7aの復元力の反力として保持部材5a,5bに作用する結果、保持部材5a,5b、内側ケース4及び解除レバー62が後退移動する速度が低下する。解除レバー62の後退移動速度が低下すると、解除レバー62の回転速度も低下し、解除レバー62はゆっくりと解除領域内の位置から中立回転位置まで回転する。これにより、解除レバー62の回転位置が解除領域内の回転位置から中立回転位置に戻るまでの時間が増加する。すなわち、保持部材5a,5bによるチェック棒3の保持が解除されてから、解除レバー62が中立回転位置に戻って再び保持部材5a,5bによるチェック棒3の保持が開始されるタイミングが遅延される。換言すれば、解除維持状態において戻しバネ65の付勢力によって、保持部材5a,5bがチェック棒3の保持を解除している時間(保持解除時間)が増大される。
(初期状態)
そして、第2ローラ622が第4傾斜面S8上をさらに後退移動して第4傾斜面S8を登りきったときに、解除レバー62の回転位置が中立位置に戻される。このとき第1ローラ621が第1カム部材8aの基準面S1に当接するとともに第2ローラ622が第2カム部材8bの基準面S1に当接するとともに、保持部材5a,5bが原位置に戻される。つまり、第4傾斜面S8は、保持部材5a,5bが原位置に到達したときに解除レバー62の回転位置が解除領域内の回転位置から中立回転位置まで回転するように、解除レバーの回転位置を規制する。こうしてドアチェック装置1の動作状態が初期状態に復帰する。初期状態では上述したように保持部材5a,5bによりチェック棒3が保持される。
このように、車両ドアDRを開作動させるときに、ドアチェック装置1の動作状態が、初期状態(図9A)→初動状態(図9B,図9C,図9D)→解除開始状態(図9E)→解除維持状態(図9F,図9G,図9H)→初期状態、というように順次変化する。なお、車両ドアDRを閉作動させるときにも、ドアチェック装置1の動作状態が上記と同様に順次変化する。
車両ドアDRを閉作動させる場合におけるドアチェック装置1の作動について簡単に説明する。車両ドアDRが例えば全開状態で開閉動作を停止しているときは、ドアチェック装置1の動作状態は初期状態である。ドアチェック装置1の動作状態が初期状態であるときには、一対の保持部材5a,5bの位置は原位置であり、且つ解除レバー62の回転位置は中立回転位置である。
ドアチェック装置1の動作状態が初期状態であるときに車両ドアを閉作動させた場合、チェック棒3が図9Aの矢印B1で示す後退方向に移動する。チェック棒3の後退移動に伴い一対の保持部材5a,5bもケース2内で原位置から後退移動する。保持部材5a,5bの後退移動により第2バネ7bの伸長力が抵抗力として一対の保持部材5a,5bに作用する。また、保持部材5a,5bの後退移動に伴い、解除レバー62の第2ローラ622が第2カム部材の第1傾斜面S2上を後退移動することによって、解除レバー62が図9Aにおいて反時計周り方向に回転する。そのため解除レバー62の回転位置が保持領域内の位置に規制される。
車両ドアDRの閉作動が進み、一対の保持部材5a,5bが車両ドアDRの閉作動時における作動位置(閉作動位置)まで原位置から移動した場合、解除レバー62の第2ローラ622が第2カム部材8bの第2水平面S3から離脱するとともに、戻しバネ65の付勢力により解除レバー62が時計周り方向に回される。このため解除レバー62の回転位置が解除領域内の位置にされ、一対の保持部材5a,5bによるチェック棒3の保持が解除される。これにより車両ドアDRを小さい力でスムーズに閉作動させることができる。また、一対の保持部材5a,5bによるチェック棒3の保持が解除された場合でも、一対の保持部材5a,5bには第2バネ7bの伸長力が作用しているため、この伸長力(復元力)により、一対の保持部材5a,5bが閉作動位置から原位置に戻される。
第2バネ7bの付勢力により一対の保持部材5a,5bが原位置に戻されているときに、解除レバー62の第2ローラ622が第2カム部材8bの第5傾斜面S13を摺接しながら前進移動する。このときにスプリング625の付勢力が第2バネ7bの復元力の反力として保持部材5a,5bに作用する。また、第2バネ7bの付勢力により一対の保持部材5a,5bが原位置に戻されているときに、解除レバー62の第1ローラ621が第1カム部材8aの第4傾斜面S8上を移動するが、このとき戻しバネ65の付勢力が第2バネ7bの復元力の反力として保持部材5a,5bに作用する。これらのスプリングの付勢力により、解除レバー62が中立回転位置に戻るまでの時間が増加される。すなわち保持部材5a,5bによるチェック棒3の保持が開始されるタイミングが遅延される。
そして、解除レバー62の第1ローラ621が第1カム部材8aの第4傾斜面S8を登りきると、解除レバー62が中立回転位置に復帰するとともに保持部材5a,5bが原位置に戻されて、ドアチェック装置1の動作状態が初期状態に復帰する。
図10は、本実施形態に係るドアチェック装置1を使用して車両ドアDRを全閉状態から一定の速度で開作動させた場合における、車両ドアDRの開度と制動力との関係を示すグラフである。図10に示すように、車両ドアDRの開度が0°のとき、すなわち全閉状態であるときは、ドアチェック装置1の動作状態は初期状態である。初期状態では、上述したように第1バネ7aの伸長力が制動力F1として車両ドアDRに作用している。つまり、開度が0°のときにおける制動力がF1である。またこのとき解除レバー62の回転位置は中立回転位置である。
また、開度が0°からD1(>0)までの間は、ドアチェック装置1の動作状態は初動状態である。初動状態では、チェック棒3が保持部材5a,5bにより保持されている。また、0°〜D1まで開度が増加するにつれて、保持部材5a,5bの原位置からの移動量が増加し、これに伴い第1バネ7aの圧縮量も増加する。このため、第1バネ7aからチェック棒3が受ける力が開度の増加に比例して増加する。よって、開度が0°からD1まで増加するにつれて、制動力も図10に示すようにF1から増加する。
車両ドアDRの開度がD1に達したときに制動力が最大制動力F2とされる。このとき保持部材5a,5bが開作動位置に達するとともに、解除レバー62の第1ローラ621が第1水平面S3から離脱する。また、戻しバネ65の付勢力により解除レバー62が時計周り方向に回されて、その回転位置が解除領域内の位置にされる。そのためドアチェック装置1の動作状態が解除開始状態にされ、その直後にドアチェック装置1の動作状態が解除維持状態にされる。解除開始状態および解除維持状態では保持部材5a,5bによるチェック棒3の保持が解除されているために、チェック棒3には第1バネ7aの伸長力が伝達されない。そのため、開度D2(>D1)に達したときには制動力がF0(<F1)まで急激に低下し、スムーズに(小さい力で)に車両ドアDRを開くことができる。
車両ドアDRの開度がD2からD3(>D2)に達するまでは、ドアチェック装置1の動作状態が解除維持状態である。上述したように、解除維持状態であるときに、戻しバネ65の付勢力が解除レバー62に作用して、解除レバー62が解除領域内の回転位置から中立回転位置に戻るまでの時間を遅らせることができる。これにより、車両ドアDRの開作動中に保持部材5a,5bがチェック棒3を保持することによって急に制動力が増大することを防止できる。そして、車両ドアDRの開度がD3に達した時に、ドアチェック装置1の動作状態が初期状態に戻り、保持部材5a,5bによるチェック棒3の保持が開始される。このため制動力が再び増加する。
ここで、車両ドアDRの開度がD2よりも大きくD3よりも小さい開度D4に達したときに、車両ドアDRの開作動を停止させた場合を考える。車両ドアDRの開度がD4に達するときには、解除レバー62の回転位置が解除領域内の回転位置から中立回転位置に戻る途中であり、一対の保持部材5a,5bによるチェック棒3の保持の解除は維持されている。つまりドアチェック装置1の動作状態が解除維持状態である。したがって、車両ドアDRに作用する制動力は小さい。しかし、その後は、車両ドアDRの開作動が開度D4で停止しているにも係わらず、時間の経過とともに解除レバー62が中立回転位置に向かって回転し、やがてドアチェック装置1の動作状態が初期状態に戻る。こうしてドアチェック装置1の動作状態が初期状態に復帰した後は、車両ドアDRに大きな制動力F1が作用する。
このように、本実施形態のドアチェック装置1を使用することにより、任意の開度(詳しくは開度D2〜D3の範囲内の任意の開度)で車両ドアDRの開作動を停止した場合、停止した開度位置にて車両ドアDRに制動力F1を作用させることができる。同様に、本実施形態のドアチェック装置1を使用することにより、任意の開度で車両ドアDRの閉作動を停止した場合、停止した開度位置にて車両ドアDRに制動力F1を作用させることができる。
以上のように、本実施形態に係るドアチェック装置1は、ケース2と、チェック棒3と、保持部材5a,5bと、解除部材6と、一対のバネ7a,7b(制動力付与部材)と、カム部材8a及び8bと、戻しバネ(付勢力付与部材)65と、を備える。
ケース2は車体Bに開閉可能に連結された車両ドアDRに取り付けられる。チェック棒3は、一方端が車体Bに揺動可能に連結され、ケース2内を挿通するとともに、車両ドアDRの開閉動作に伴ってケース2に対して軸方向に相対移動する。保持部材5a,5bは、ケース2内に配設され、チェック棒3の軸方向に沿ってケース2内の原位置と作動位置との間を移動可能であるとともに、チェック棒3を保持可能に構成される。解除部材6は、保持部材5a,5bとともに移動する回転可能な解除レバー62を有し、解除レバー62の回転位置が中立回転位置または保持領域内の回転位置にあるときに保持部材5a,5bがチェック棒3を保持し、解除レバー62の回転位置が解除領域内の回転位置にあるときに保持部材5a,5bがチェック棒3の保持を解除するように、解除レバー62の回転位置に応じて保持部材5a,5bによるチェック棒3の保持を解除するよう構成される。一対のバネ7a,7bは、保持部材5a,5bが原位置から移動するときにその移動に対する抵抗力を保持部材5a,5bに付与するとともに保持部材5a,5bが作動位置にあるときに保持部材5a,5bを原位置に戻す方向への復元力を保持部材5a,5bに付与する。カム部材8a,8bは、ケース2に設けられ、保持部材5a,5bが原位置にあるときに解除レバー62の回転位置を中立回転位置に規制し、保持部材5a,5bが原位置から作動位置に向かって移動するときに解除レバー62の回転位置を保持領域内の回転位置に規制し、保持部材5a,5bが作動位置から原位置に向かって移動するときに解除レバー62の回転位置を解除領域内の回転位置に規制し、保持部材5a,5bが原位置に到達したときに解除レバー62の回転位置が解除領域内の回転位置から中立回転位置まで回転するように、解除レバー62の回転位置を規制する。また、保持部材5a,5bが作動位置に到達したときには、カム部材8a,8bによる解除レバー62の回転位置の規制が解除される。戻しバネ65は、解除レバー62を中立回転位置から解除領域に向かう方向に回転付勢する。
また、カム部材8a,8bは、保持部材5a,5bが原位置にあるときに解除レバー62の回転位置が中立回転位置に規制されるように解除レバー62に当接する基準面S1と、保持部材5a,5bが原位置から作動位置に向かって移動するときに解除レバー62の回転位置が保持領域内の回転位置に規制されるように解除レバー62に当接する第1規制面(第1傾斜面S2、第1水平面S3)と、保持部材5a,5bが作動位置から原位置に向かって移動するときに解除レバー62の回転位置が解除領域内の回転位置に規制されるように解除レバー62に当接する第2規制面(第2傾斜面S4、第2水平面S5)と、保持部材5a,5bが原位置に到達したときに解除レバー62の回転位置が解除領域内の回転位置から中立回転位置まで回転するように解除レバー62に当接する第3規制面(第4傾斜面S8)と、を有する。
また、カム部材8a,8bは、第1規制面及び第2規制面が解除レバー62の一方の端部に設けられたローラ(第1ローラ621または第2ローラ622)に当接することにより解除レバー62の回転位置を規制し、第3規制面が解除レバー62の他方の端部に設けられたローラ(第2ローラ622または第1ローラ621)に当接することにより解除レバー62の回転位置を規制するように構成される。
本実施形態に係るドアチェック装置1によれば、保持部材5a,5bがケース2内の原位置に位置し、且つ解除レバー62の回転位置が中立回転位置にあるとき(ドアチェック装置1が初期状態にあるとき)、保持部材5a,5bはチェック棒3を保持する。このとき車両ドアDRを開閉すると、その開閉動作に連動してチェック棒3が軸方向移動し、さらにチェック棒3の軸方向移動に伴って保持部材5a,5bがケース2内で原位置から作動位置に移動する。保持部材5a,5bが原位置から作動位置に移動するときに、保持部材5a,5bは一対のバネ7a,7bの抵抗力によって原位置に戻ろうとする方向に付勢される。斯かる抵抗力が制動力として車両ドアDRに作用する。
また、保持部材5a,5bが原位置から作動位置に向かって移動するときに、カム部材8a,8bにより解除レバー62の回転位置が保持領域内の回転位置に規制されるため、保持部材5a,5bが作動位置に達するまで保持部材5a,5bがチェック棒3を保持する。保持部材5a,5bが作動位置に到達したときには、カム部材8a,8bによる解除ればい62の回転位置の規制が解除されるとともに戻しバネ65の付勢力によって解除レバー62が解除領域に向かう方向に回される。これにより解除レバー62の回転位置が解除領域に達し、保持部材5a,5bによるチェック棒3の保持が解除される。保持部材5a,5bが作動位置に達した後は、保持部材5a,5bは一対のバネ7a,7bからの復元力により作動位置から原位置に戻される。保持部材5a,5bが作動位置から原位置に向かって移動するときに、カム部材8a,8bにより解除レバー62の回転位置が解除領域内の回転位置に規制されるため、保持部材5a,5bが原位置に達するまで保持部材5a,5bによるチェック棒3の保持の解除が維持される。保持が解除されているときは、保持部材5a,5bに作用している一対のバネ7a,7bからの力はチェック棒3に作用しない。つまり、解除レバー62の回転位置が解除領域にあるときには、チェック棒3および車両ドアDRに制動力が発生しない。このためスムーズに車両ドアDRを開閉することができる。
また、保持部材5a,5bが作動位置から原位置に到達するときには、カム部材8a,8bにより解除レバー62が解除領域内の回転位置から中立回転位置まで回転される。これにより保持部材5a,5bがチェック棒3を再び保持する。
このように、本実施形態に係るドアチェック装置1によれば、車両ドアDRの開閉動作に連動して解除レバー62が回転作動することにより保持部材5a,5bがチェック棒3の保持を解除するために、スムーズに車両ドアDRの開閉がなされるとともに、任意の開度で車両ドアDRの開閉動作を停止した場合には解除レバー62の回転位置が中立回転位置に戻されて保持部材5a,5bがチェック棒3を保持するために、制動力を発生させることができる。また、解除レバー62の機械的な回転作動によって任意の開度で制動力を発生させることができるので、制御装置等を要せず、且つ複雑な制御を要しない。このため比較的安価に構成され、且つ任意の開度で制動力を発生させることができるドアチェック装置1とすることができる。
また、第1バネ7aまたは第2バネ7bの復元力によって保持部材5a,5bが作動位置から原位置に戻る際に、解除レバー62は、カム部材8a,8bに設けられた第4傾斜面S8上を第1ローラ621または第2ローラ622が移動することによって、解除位置から中立回転位置まで回転させられる。このとき戻しバネ65の付勢力が解除レバー62を解除領域に向かう方向に付勢する。したがって、戻しバネ65の付勢力が保持部材5a,5bに作用する第1バネ7aまたは第2バネ7bの復元力に対する反力として解除レバー62に作用する。この反力は、解除レバー62の中立回転位置に向かう回転に対する反力として解除レバー62に作用するため、斯かる反力により解除レバー62が中立回転位置に戻るために要する時間が増加する。これにより、車両ドアDRの開閉動作中に解除レバー62が中立回転位置に復帰して制動力が突然発生することにより車両ドアDRの開閉動作に支障を来すことを防止することができる。
また、車両ドアDRの開閉動作が開始されたときに、解除レバー62は中立位置から保持領域内の回転位置まで回転する。つまり、車両ドアDRの開閉動作の開始時に、解除レバー62は、保持部材5a,5bがチェック棒3の保持を解除する方向とは反対の方向に回転する。したがって、車両ドアDRの開閉動作の停止時に車両ドアDRに外力が作用したときに、解除レバー62が解除領域側に向けて作動して保持部材5a,5bによるチェック棒3の保持が解除されてしまうといった不具合を確実に回避できる。その結果、制動力を確実に車両ドアDRに作用させることができる。
また、カム部材8a,8bは、第1規制面、第2規制面及び第3規制面がそれぞれ形成された第1カム部材8a及び第2カム部材8bを有している。そして、第1カム部材8a及び第2カム部材8bが、ケース2内にて、保持部材5a,5bが原位置であるときにおける解除レバー62の回転中心に対して点対称に配置されている。このため、チェック棒3がどちらの方向に移動した場合においても、それぞれのカム部材8a,8bによって解除レバー62を同じ方向に回動させることができる。よって、車両ドアDRが開作動する場合であっても閉作動する場合であっても、車両ドアDRに制動力を付与することができる。
また、図8に示すように、カム部材8a,8bの第1傾斜面S2と第1鉛直面S11との間に面取り部分が形成されている。このため、解除維持状態から初期状態への移行時に第1ローラ621または第2ローラ622が面取り部分を通過する場合に、スプリング625の付勢力により第1ローラ621又は第2ローラ622がスムーズに基準面S1上に移動する。このため解除レバー62の回転位置を中立位置に確実に戻すことができる。また、初動状態において第1ローラ621又は第2ローラ622が第1傾斜面S2上を精度良く(踏み外すことなく)移動できるように構成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるべきものではない。例えば、上記実施形態では、車両ドアDRに制動力を付与する部材としてバネ7a,7bを例示したが、制動力付与部材はバネに限定されない。例えば、ゴムあるいは流体圧を発生する流体圧発生機構等も制動力付与部材として用いることができる。また、解除レバー62を中立回転位置から解除領域内の回転位置に向かう方向に回転付勢する付勢部材として戻しバネ65を例示したが、それ以外の構成でもよい。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。
1…ドアチェック装置、2…ケース、3…チェック棒(棒状部材)、4…内側ケース、5a,5b…保持部材、51…本体、51a…テーパ面、51b…フランジ部、52…リテーナ、53…ボール、54…内部バネ、6…解除部材、61…回転カム、61a…凹部、62…解除レバー、62a…突起部、621…第1ローラ、622…第2ローラ、623…レバー部、623a…貫通孔、624…ロッド、624a…ヘッド部、625…スプリング、7a…第1バネ(制動力付与部材)、7b…第2バネ(制動力付与部材)、8a…第1カム部材、8b…第2カム部材、9a…第1仕切り板、9b…第2仕切り板、65…戻しバネ、S1…基準面、S2…第1傾斜面(第1規制面)、S3…第1水平面(第1規制面)、S4…第2傾斜面(第2規制面)、S5…第2水平面(第2規制面)、S6…第3傾斜面、S7…第3水平面、S8…第4傾斜面(第3規制面)

Claims (4)

  1. 車体または車体に開閉可能に連結された車両ドアのいずれか一方に取り付けられるケースと、
    一方端が前記車体または前記車両ドアのいずれか他方に揺動可能に連結され、前記ケース内を挿通するとともに、車両ドアの開閉動作に伴って前記ケースに対して軸方向に相対移動する棒状部材と、
    前記ケース内に配設され、前記棒状部材の軸方向に沿って前記ケース内の原位置と作動位置との間を移動可能であるとともに前記棒状部材を保持可能に構成された保持部材と、
    前記保持部材とともに移動する回転可能な解除レバーを有し、前記解除レバーの回転位置が中立回転位置または前記中立回転位置から一方向に回転した回転領域である保持領域にあるときに前記保持部材が前記棒状部材を保持し、前記解除レバーの回転位置が前記中立回転位置から他方向に回転した領域である解除領域にあるときに前記保持部材が前記棒状部材の保持を解除するように、前記解除レバーの回転位置に応じて前記保持部材による前記棒状部材の保持を解除するよう構成された解除部材と、
    前記保持部材が前記原位置から移動するときにその移動に対する抵抗力を前記保持部材に付与するとともに前記保持部材が前記作動位置にあるときに前記保持部材を前記原位置に戻す方向への復元力を前記保持部材に付与する制動力付与部材と、
    前記ケースに設けられ、前記解除レバーに接触するカム部材であって、前記保持部材が原位置にあるときに前記解除レバーの回転位置を前記中立回転位置に規制し、前記保持部材が原位置から作動位置に向かって移動するときに前記解除レバーの回転位置を前記保持領域内の回転位置に規制し、前記保持部材が作動位置から原位置に向かって移動するときに前記解除レバーの回転位置を前記解除領域内の回転位置に規制し、前記保持部材が原位置に到達したときに前記解除レバーの回転位置が前記解除領域内の回転位置から前記中立回転位置まで回転するように、前記解除レバーの回転位置を規制するカム部材と、
    前記解除レバーを前記中立回転位置から前記解除領域に向かう方向に回転付勢する付勢部材と、
    を備える、ドアチェック装置。
  2. 請求項1に記載のドアチェック装置において、
    前記カム部材は、前記保持部材が原位置にあるときに前記解除レバーの回転位置が前記中立回転位置に規制されるように前記解除レバーに当接する基準面と、前記保持部材が原位置から作動位置に向かって移動するときに前記解除レバーの回転位置が前記保持領域内の回転位置に規制されるように前記解除レバーに当接する第1規制面と、前記保持部材が作動位置から原位置に向かって移動するときに前記解除レバーの回転位置が前記解除領域内の回転位置に規制されるように前記解除レバーに当接する第2規制面と、前記保持部材が原位置に到達したときに前記解除レバーの回転位置が前記解除領域内の回転位置から前記中立回転位置まで回転するように前記解除レバーに当接する第3規制面と、を有する、ドアチェック装置。
  3. 請求項2に記載のドアチェック装置において、
    前記カム部材は、前記第1規制面及び前記第2規制面が前記解除レバーの一方の端部に当接することにより前記解除レバーの回転位置を規制し、前記第3規制面が前記解除レバーの他方の端部に当接することにより前記解除レバーの回転位置を規制するように構成されている、ドアチェック装置。
  4. 請求項3に記載のドアチェック装置において、
    前記カム部材は、前記第1規制面、前記第2規制面及び前記第3規制面がそれぞれ形成された第1カム部材及び第2カム部材を有し、
    前記第1カム部材及び前記第2カム部材が、前記ケース内にて点対称に配置される、ドアチェック装置。
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