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JP2010230068A - 油圧緩衝器 - Google Patents

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JP2010230068A
JP2010230068A JP2009077105A JP2009077105A JP2010230068A JP 2010230068 A JP2010230068 A JP 2010230068A JP 2009077105 A JP2009077105 A JP 2009077105A JP 2009077105 A JP2009077105 A JP 2009077105A JP 2010230068 A JP2010230068 A JP 2010230068A
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Daisuke Tajima
大輔 田島
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Hitachi Astemo Ltd
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Showa Corp
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Abstract

【課題】 フリーピストンの背後の空気室の容積が油の滲入等で減縮し、その空気室の圧力が異常に上昇することを回避すること。
【解決手段】 油圧緩衝器10において、シリンダチューブ16の内部におけるフリーピストン60の背後の空気室73をリザーバ30に連絡する連絡経路90に、フリーピストン60の背後の空気室73の圧力が一定値以上に高くなったときに開き、フリーピストン60の背後の空気室73からリザーバ30への圧力の放出を許容する逆止弁100を設けたもの。
【選択図】 図3

Description

本発明は二輪車用フロントフォーク等の油圧緩衝器に関する。
二輪車用フロントフォークに用いられる油圧緩衝器として、特許文献1に記載の如く、車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したダンパのシリンダチューブに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりシリンダチューブの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、シリンダチューブの内部でメインピストンより上部に該メインピストンと相対するサブピストンを設け、このサブピストンによりシリンダチューブの内部のピストン側油室に対する上方にサブタンク室を区画し、サブピストンのピストン側油室とサブタンク室を連絡可能にする流路に圧側減衰バルブを設け、シリンダチューブの内部でサブピストンより上部に、該サブピストンと相対するフリーピストンを摺動自在に設け、フリーピストンをサブピストンの側に向けて付勢する加圧スプリングを有してなるものがある。
この油圧緩衝器では、フリーピストンの背後の空気室を、リザーバの空気室に対して遮断している。これにより、ダンパのシリンダチューブの内部に設けられるフリーピストンは、加圧スプリングのストローク量に比例して大きくなるバネ力と、フリーピストンの背後の空気室の容積変化に比例して大きくなる空気バネ力により付勢される。従って、ダンパのシリンダチューブの内部がフリーピストンによって常に加圧され、ダンパが最伸長状態から圧縮作動を開始する当初から圧側減衰バルブによる所定の減衰力が発生する。
また、この油圧緩衝器では、ダンパの最圧縮側で車両の車重や走行状況等に応じて、リザーバの空気バネ力を上げる必要がある場合にも、リザーバの空気圧力をダンパのシリンダチューブの内部におけるフリーピストンの背後に全く及ぼすことがない。従って、ダンパのシリンダチューブの内部圧力の増大をその分抑え、圧縮行程でシリンダチューブに進入しようとするピストンロッドに作用する進入抵抗力をその分小さくし、ピストンロッドを進入容易にして乗心地を向上できる。
特開2005-30534
特許文献1に記載の油圧緩衝器では、ダンパがシリンダチューブに連結したガイドシャフトにサブピストンを設け、サブピストンと相対するフリーピストンをシリンダチューブの内周とガイドシャフトの外周に摺動自在に設けている。このとき、フリーピストンの外周と内周のそれぞれに設けられているシール部材は、サブタンク室とフリーピストンの背後の空気室を区画しているが、油膜を形成することによって密封を維持する構造上、サブタンク室からフリーピストンの背後の空気室への油の滲入を防ぐことができない。
また、特許文献1に記載の油圧緩衝器では、ダンパがシリンダチューブの開口端をフォークボルトにより閉塞し、該フォークボルトに、リザーバの空気室のためのプラグボルトと、フリーピストンの背後の空気室のためのプラグボルトを設けている。リザーバの空気室のためのプラグボルトを開き、その空気室の空気圧を調整し、所望によってはリザーバの空気バネ力を上げるための油をリザーバに補給することもできる。フリーピストンの背後の空気室のためのプラグボルトを開き、その空気室の空気圧を調整することができる。ところが、フリーピストンの背後の空気室のためのプラグボルトを、不注意によってリザーバの空気室のためのプラグボルトと誤認して開き、フリーピストンの背後の空気室に油を注入ミスしてしまうおそれがある。
フリーピストンのシール部材からの滲入油、フリーピストンの背後の空気室のためのプラグボルトの誤用による注入油は、どこにも排出されることなくフリーピストンの背後の空気室に溜り、その空気室の容積を結果的に減縮させ、その空気室の圧縮率に依存する空気バネ特性(空気バネ力)を当初の設定から狂わせる。また、フリーピストンの背後の空気室の圧力が最圧縮時に予想を超える値になり、パンク(構成部品の破損)を生ずるおそれもある。
本発明の課題は、フリーピストンの背後の空気室をリザーバの空気室に対して遮断する油圧緩衝器において、フリーピストンの背後の空気室の容積が油の滲入等で減縮し、その空気室の圧力が異常に上昇することを回避することにある。
請求項1の発明は、車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したダンパのシリンダチューブに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりシリンダチューブの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、シリンダチューブの内部でメインピストンより上部に該メインピストンと相対するサブピストンを設け、このサブピストンによりシリンダチューブの内部のピストン側油室に対する上方にサブタンク室を区画し、サブピストンのピストン側油室とサブタンク室を連絡可能にする流路に圧側減衰バルブを設け、シリンダチューブの内部でサブピストンより上部に、該サブピストンと相対するフリーピストンを摺動自在に設け、フリーピストンをサブピストンの側に向けて付勢する加圧スプリングを有し、シリンダチューブの内部におけるフリーピストンの背後の空気室が、リザーバの空気室に対して遮断されてなる油圧緩衝器において、シリンダチューブの内部におけるフリーピストンの背後の空気室をリザーバに連絡する連絡経路に、フリーピストンの背後の空気室の圧力が一定値以上に高くなったときに開き、フリーピストンの背後の空気室からリザーバへの圧力の放出を許容する逆止弁を設けたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記シリンダチューブのチューブ壁にリザーバに連通する連通孔を設け、フリーピストンの下部外周にシリンダチューブの上記連通孔より下の下側内周に摺接する下シール部材を設け、フリーピストンの上部外周にシリンダチューブの上記連通孔より上の上側内周に摺接する上シール部材を設け、フリーピストンの背後の空気室に臨むフリーピストンの底部から、フリーピストンの上シール部材と下シール部材に挟まれる外周に延びる連通路を設け、この連通路に前記逆止弁を設けてなるようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項2の発明において更に、前記フリーピストンがダンパの伸縮ストロークに起因する通常移動域にあるときには、フリーピストンの下シール部材により前記連通孔をフリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室に対して閉鎖し、フリーピストンが通常移動域を超え、シリンダチューブにリザーバから侵入した作動油の高圧余剰油に起因する最上昇端まで上昇するときに、フリーピストンの下シール部材により前記連通孔をフリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室に開放し、該サブタンク室をシリンダチューブの外部のリザーバに連通するようにしたものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記ダンパがシリンダチューブに連結したガイドシャフトにサブピストンを設け、サブピストンと相対するフリーピストンをシリンダチューブの内周とガイドシャフトの外周に摺動自在に設けるようにしたものである。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において更に、前記ダンパがシリンダチューブの開口端をフォークボルトにより閉塞し、該フォークボルトに、リザーバの空気室のためのプラグボルトと、フリーピストンの背後の空気室のためのプラグボルトを設けてなるようにしたものである。
(請求項1)
(a)フリーピストンの背後の空気室をリザーバの空気室に対して遮断する油圧緩衝器において、フリーピストンの背後の空気室をリザーバに連絡する連絡経路に、フリーピストンの背後の空気室の圧力が一定値以上に高くなったときに開き、フリーピストンの背後の空気室からリザーバへの圧力の放出を許容する逆止弁を設けた。これにより、フリーピストンの背後の空気室に滲入等した油を連絡経路及び逆止弁経由でリザーバへ排出し、その空気室の容積の減縮と圧力の異常上昇を回避できる。従って、フリーピストンの背後の空気室の圧縮率に依存する空気バネ特性を当初の設定に維持できるし、その空気室の最圧縮時のパンクも防止できる。
(請求項2)
(b)シリンダチューブのチューブ壁にリザーバに連通する連通孔を設け、フリーピストンの下部外周にシリンダチューブの上記連通孔より下の下側内周に摺接する下シール部材を設け、フリーピストンの上部外周にシリンダチューブの上記連通孔より上の上側内周に摺接する上シール部材を設け、フリーピストンの背後の空気室に臨むフリーピストンの底部から、フリーピストンの上シール部材と下シール部材に挟まれる外周に延びる連通路を設け、この連通路に上述(a)の逆止弁を設けた。これにより、フリーピストンの背後の空気室をリザーバに連絡する連絡経路をフリーピストン及びシリンダチューブに形成し、フリーピストンの背後の空気室に滲入等してその底部に溜まる油をその連絡経路(連通路及び連通孔)並びに逆止弁経由でリザーバへ排出できる。
(請求項3)
(c)フリーピストンがダンパの伸縮ストロークに起因する通常移動域にあるときには、フリーピストンの下シール部材により前記連通孔をフリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室に対して閉鎖し、フリーピストンが通常移動域を超え、シリンダチューブにリザーバから侵入した作動油の高圧余剰油に起因する最上昇端まで上昇するときに、フリーピストンの下シール部材により前記連通孔をフリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室に開放し、該サブタンク室をシリンダチューブの外部のリザーバに連通する。フリーピストンの背後の空気室をリザーバの空気室に対して遮断することを維持しながら、リザーバからシリンダチューブに侵入した高圧余剰油を、サブタンク室から直接的にリザーバに解放し、シリンダチューブ内の高圧化を回避することができる。
(請求項4)
(d)フリーピストンをシリンダチューブの内周だけでなく、ガイドシャフトの外周にも摺動自在に設けた。従って、フリーピストンの外周と内周のそれぞれに設けられるシール部材を通ってフリーピストンの背後の空気室に滲入した油を、上述(a)、(b)の連絡経路及び逆止弁経由でリザーバへ排出できる。
(請求項5)
(e)フォークボルトに、リザーバの空気室のためのプラグボルトと、フリーピストンの背後の空気室のためのプラグボルトを設けた。従って、フリーピストンの背後の空気室のためのプラグボルトを、不注意によってリザーバの空気室のためのプラグボルトと誤認して開き、フリーピストンの背後の空気室に油を注入ミスしてしまったとしても、この注入油を上述(a)、(b)の連絡経路及び逆止弁経由でリザーバへ排出できる。
図1は油圧緩衝器を示す全体断面図である。 図2は図1の下部拡大断面図である。 図3はフリーピストンの下降端状態を示す断面図である。 図4はフリーピストンの通常上昇端状態を示す断面図である。 図5はフリーピストンの最上昇端状態を示す断面図である。
フロントフォーク10(油圧緩衝器)は、図1〜図3に示す如く、車体側チューブ(アウタチューブ)11内に車軸側チューブ(インナチューブ)12を摺動自在に挿入し、両チューブ11、12の間に懸架スプリング13を介装するとともに、単筒型ダンパ14を倒立にして内装している。
車体側チューブ11は車体側に支持され、車軸側チューブ12は車軸に結合される。
車体側チューブ11の上端部にはダンパ14のシリンダチューブ16(上シリンダチューブ16A)の上端部がOリングを介して螺着され、シリンダチューブ16の上部開口端はシリンダチューブ16と一体をなすフォークボルト15により閉塞される。フォークボルト15は、Oリングを介して上シリンダチューブ16Aの内周に挿入されて螺着される。
車軸側チューブ12の下端部には車軸ブラケット19が螺着され、車軸側チューブ12と車軸ブラケット19の間にオイルロックカラー17の基端部を挟持している。オイルロックカラー17は車軸側チューブ12の下端部内周にOリングを介して液密に嵌装されるとともに、車軸ブラケット19の内側の底面の上にOリングを介して液密に着座している。また、車軸ブラケット19にはボトムボルト18が外側からOリングを介して液密に螺着されている。このボトムボルト18にはダンパ14のピストンロッド(中空ロッド)20の基端部が螺着されるとともにロックナット18Aでロックされ、このピストンロッド20の先端部をシリンダチューブ16に挿入してある。ピストンロッド20は、シリンダチューブ16(下シリンダチューブ16B)の下端側の開口部に螺着したロッドガイド21のブッシュ21Aで支持され、シール部材21Bを貫通してシリンダチューブ16の内部に挿入されている。シール部材21Bは、シリンダチューブ16の後述する油室43Bを密封し、油室43Bの油がシリンダチューブ16の外に逃げ出すのを阻止する一方向性のシール機能をもつ。尚、ロッドガイド21の外周部にはオイルロックカラー22を設けてある。また、ロッドガイド21の内側端面にはリバウンドスプリング23が支持されている。尚、シリンダチューブ16A、16Bはパイプナット16Cで接続ロックされる。
懸架スプリング13は、オイルロックカラー17の基端部外周段差面と、シリンダチューブ16(下シリンダチューブ16B)に外装して軸方向に係止した孔開きスプリングカラー25(多数の連通孔25Aを備える)の先端部に固定したスプリング受け26との間に介装されている。また、車体側チューブ11と車軸側チューブ12の内部で、ダンパ14の外側にはリザーバ30を構成する油室31と空気室32とが設けられ、油室31と空気室32とは自由界面を介して接触し、空気室32に閉じ込められている空気が空気バネを構成する。これらの懸架スプリング13と空気バネの弾発力が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
ダンパ14は、メインバルブ装置(伸側減衰バルブ装置)40と、サブバルブ装置(圧側減衰バルブ装置)50とを有している。ダンパ14は、メインバルブ装置40とサブバルブ装置50の発生する減衰力により、懸架スプリング13と空気バネによる衝撃力の吸収に伴う車体側チューブ11と車軸側チューブ12の伸縮振動を抑制する。
(メインバルブ装置40)
メインバルブ装置40は、ピストンロッド20の先端部にピストンホルダ41を装着し、このピストンホルダ41にメインピストン42を装着している。メインピストン42は、シリンダチューブ16の内部をピストンロッド20が収容されないピストン側油室43Aとピストンロッド20が収容されるロッド側油室43Bとに区画し、該シリンダチューブ16の内部を摺動する。メインピストン42は、伸側減衰バルブ44Aを備えてピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする伸側流路44と、圧側減衰バルブ(チェックバルブ)45Aを備えてピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする圧側流路45とを備える。
また、メインバルブ装置40は、車軸ブラケット19に螺着してある前述のボトムボルト18に外部から回転操作できるアジャスタ46を設けている。メインバルブ装置40は、アジャスタ46に結合されている減衰力調整ロッド47をピストンロッド20の中空部に通し、アジャスタ46の回転操作により軸方向に進退する減衰力調整ロッド47の先端のニードル47Aにより、ピストンホルダ41に設けてあるピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとのバイパス路48の流路面積を調整可能とする。
(サブバルブ装置50)
サブバルブ装置50は、上シリンダチューブ16Aの上端部に螺着されている前述のフォークボルト15にパイプ状のガイドシャフト51(支持軸)を螺着し、ガイドシャフト51の先端部にピストンホルダ51Aを螺着し、このピストンホルダ51Aにナット51B等によりサブピストン52を保持している。サブピストン52はシリンダチューブ16の内部でメインピストン42に相対配置され、上シリンダチューブ16Aの内周部に液密に接し、前述のピストン側油室43Aの上方にサブタンク室53を区画形成する。サブピストン52は、圧側減衰バルブ54Aを備えてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とする圧側流路54と、伸側減衰バルブ55Aを備えてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とする伸側流路55とを備える。また、ピストンホルダ51Aは、圧側流路54と伸側流路55とをバイパスしてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とするバイパス路56を備える。
フォークボルト15に螺合された減衰力調整ロッド58は、アジャスタ59を備えるとともに、ガイドシャフト51に挿入され、アジャスタ59の回転操作により軸方向に進退する先端のニードル58Aによりバイパス流路56の流路面積を調整可能とする。尚、フォークボルト15は頭部端面の中央部にアジャスタ59とそのホルダ59Aを埋込み保持している。
サブバルブ装置50は、上シリンダチューブ16Aの内部であって、上シリンダチューブ16Aとガイドシャフト51の間の環状空間にて、フリーピストン60を移動可能に設けるとともに、フリーピストン60とフォークボルト15との間に介装される加圧スプリング70を有する。フリーピストン60は、上シリンダチューブ16Aの内部のサブピストン52より上部で、サブピストン52と相対する。加圧スプリング70は、圧縮コイルバネからなり、フリーピストン60をサブピストン52の側に向けて付勢する。
このとき、フリーピストン60は、有底筒状体をなし、フリーピストン60の底部61をサブピストン52寄りに配置するとともに、フリーピストン60の底部61〜筒部62の下部の小外径部外周に下ピストンリング63L及びオイルシール等の下シール部材64Lを設け、フリーピストン60の筒部62の上部の大外径部外周に上ピストンリング63U及びオイルシール等の上シール部材64Uを設ける。また、フリーピストン60は、フリーピストン60の底部61の内周凹部にオイルシール等の内周シール部材65を設ける。フリーピストン60がダンパ14の伸縮ストロークに伴なってシリンダチューブ16に進入、退出するピストンロッド20の容積を補償するために上シリンダチューブ16Aとガイドシャフト51の間の環状空間を図3に示す下降端〜図4に示す通常上昇端の間で移動する通常移動域で、下ピストンリング63Lと下シール部材64Lは上シリンダチューブ16Aの下側の小内径部71を摺動し、上ピストンリング63Uと上シール部材64Uは上シリンダチューブ16Aの上側の大内径部72(拡径部)を摺動し、内周シール部材65はガイドシャフト51のストレートな外周を摺動する。フリーピストン60は、上述の通常移動域で、シール部材64L、64Uが上シリンダチューブ16Aの小内径部71、大内径部72を液密に摺動し、内周シール部材65がガイドシャフト51の外周を液密に摺動することにより、サブピストン52の側でピストン側油室43Aに連通しているサブタンク室53と、フリーピストン60の背後の空気室(体積補償室)73とを区画する。
しかるに、サブバルブ装置50は、シリンダチューブ16の内部におけるフリーピストン60の背後の空気室73がリザーバ30の空気室32に対して遮断される。これにより、ダンパ14の圧縮ストロークで、リザーバ30の空気室32の空気バネ力は、フリーピストン60の背後の空気室73に導入されない。ダンパ14のフリーピストン60の背後の空気室73の圧力の増大をその分抑え、圧縮行程でシリンダチューブ16に進入しようとするピストンロッド20に作用する進入抵抗力をその分小さくし、ピストンロッド20を進入容易にして乗心地を向上できる。
また、サブバルブ装置50は、フロントフォーク10のピストンロッド20がストロークする度に、該ピストンロッド20の外周面に付着した油室31の油をロッドガイド部21のシール部材21Bからシリンダチューブ16の内部に持ち込む。これにより、シリンダチューブ16の内部の油室43A、43B、53の作動油が徐々に増加して高圧余剰油になり、それらの油室43A、43B、53の油圧が高圧化され、フリーピストン60が前述の通常移動域の通常上昇端を超え、更に上方の所定位置たる図5に示す最上昇端まで上昇するときに、フリーピストン60とサブピストン52の間のサブタンク室53が、シリンダチューブ16の外部のリザーバ30に連通する。これにより、ダンパ14の余剰油及び高圧が、サブタンク室53からシリンダチューブ16の外部のリザーバ30に排出され、解放される。
即ち、フリーピストン60とサブピストン52の間のサブタンク室53をシリンダチューブ16の外部のリザーバ30に連通可能にする連通孔80をシリンダチューブ16、本実施例では上シリンダチューブ16Aのチューブ壁を内外に貫通して大内径部72の下端寄り(大内径部72の範囲内で小内径部71につながるテーパ部)に穿設する。下シール部材64Lはシリンダチューブ16の連通孔80より下の下側内周に摺接し、上シール部材64Uはシリンダチューブ16の連通孔80より上の上側内周に摺接する。そして、フリーピストン60が通常移動域にあるときには、図3、図4に示す如く、フリーピストン60の外周に設けてある上下のシール部材64U、64Lの間にシリンダチューブ16の連通孔80を位置付け、下シール部材64Lにより該連通孔80をサブタンク室53に対して閉鎖する。また、フリーピストン60が通常移動域から更に最上昇端まで上昇したときには、図5に示す如く、フリーピストン60の外周に設けてある下シール部材64Lがシリンダチューブ16の内周の大内径部72の下端寄りに到達すると、下シール部材64Lが大内径部72の内周から離れ、大内径部72の下端寄りに設けられている連通孔80をフリーピストン60の外周とシリンダチューブ16の内周の摺動隙間81を介してサブタンク室53に開放し、サブタンク室53をシリンダチューブ16の外部のリザーバ30に連通する。サブタンク室53の高圧余剰油は、図5に矢印で示す経路で、摺動隙間81、連通孔80を通ってリザーバ30に排出され、解放される。また、フリーピストン60の外周の上シール部材64Uと内周のシール部材65が、フリーピストン60の背後の空気室73を、常に、サブタンク室53に対しても、リザーバ30の空気室32に対しても遮断する。
尚、フロントフォーク10にあっては、リザーバ30の空気室32が、シリンダチューブ16、本実施例ではフォークボルト15に設けたプラグボルト33を用いて大気圧に調整される。また、フリーピストン60の背後の空気室73が、シリンダチューブ16、本実施例ではフォークボルト15に設けたプラグボルト34を用いて大気圧に調整される。フロントフォーク10の伸縮によって車体側チューブ11と車軸側チューブ12の摺動部からリザーバ30の空気室32、フリーピストン60の背後の空気室73のそれぞれに侵入した空気をプラグボルト33、34から外部へ排気できる。また、プラグボルト33を開き、リザーバ30の空気室32による空気バネ力を上げるための油をリザーバ30の油室31に補給することもできる。
しかるに、サブバルブ装置50にあっては、フリーピストン60の背後の空気室73の容積が、シール部材64L、64U、65から滲入した油、又はプラグボルト34の誤用により注入された油によって減縮し、その空気室73の圧力が異常に上昇することを回避するため、以下の構成を具備する。
即ち、サブバルブ装置50は、シリンダチューブ16の内部におけるフリーピストン60の背後の空気室73をリザーバ30の空気室32に連通する連絡経路90に、フリーピストン60の背後の空気室73の圧力が一定値以上に高くなったときに開き、フリーピストン60の背後の空気室73からリザーバ30の空気室32への圧力の放出を許容する逆止弁100を設ける。即ち、フリーピストン60の背後の空気室73の容積が、シール部材64L、64U、65から滲入した油、又はプラグボルト34の誤用により注入された油によって減縮したとき、その空気室73の圧力がダンパ14の圧縮ストロークによるフリーピストン60の上昇で一定値以上に高くなると、この高圧力により逆止弁100を開いてその空気室73の圧力を連絡経路90経由でリザーバ30の空気室32に放出する。これにより、その空気室73への滲入油及び注入油をリザーバ30に排出する。
このとき、フリーピストン60の背後の空気室73に臨むフリーピストン60の底部に、ガイドシャフト51を囲む環状間隔からなるオイル溜り66を設ける。そして、このフリーピストン60の底部のオイル溜り66から、フリーピストン60の上シール部材64Uと下シール部材64Lに挟まれる外周に延びる連通路91を設け、この連通路91に逆止弁100を設ける。連絡経路90が、フリーピストン60の連通路91と、シリンダチューブ16とフリーピストン60の間の環状間隙であって上下のシール部材64U、64Lに挟まれる領域と、シリンダチューブ16の連通孔80により構成されるものになる。
逆止弁100は、図3(B)に示す如く、フリーピストン60に設けた連通路91の一部となるバルブ室101のバルブシートにボール弁102を着座させ、フリーピストン60の外周に開口するバルブ室101のねじ孔に孔あきプラグ103を螺着し、ボール弁102とプラグ103の間に圧縮コイルバネ104を介装して構成される。孔あきプラグ103は連通路91の一部にもなる工具係合用の六角孔103Aと孔通路103Bを備える。フリーピストン60の背後の空気室73の高圧力が逆止弁100のボール弁102を押し開き可能にする。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)フリーピストン60の背後の空気室73をリザーバ30の空気室32に対して遮断するフロントフォーク10において、フリーピストン60の背後の空気室73をリザーバ30に連絡する連絡経路90に、フリーピストン60の背後の空気室73の圧力が一定値以上に高くなったときに開き、フリーピストン60の背後の空気室73からリザーバ30への圧力の放出を許容する逆止弁100を設けた。これにより、フリーピストン60の背後の空気室73に滲入等した油を連絡経路90及び逆止弁100経由でリザーバ30へ排出し、その空気室73の容積の減縮と圧力の異常上昇を回避できる。従って、フリーピストン60の背後の空気室73の圧縮率に依存する空気バネ特性を当初の設定に維持できるし、その空気室73の最圧縮時のパンクも防止できる。
(b)シリンダチューブ16のチューブ壁にリザーバ30に連通する連通孔80を設け、フリーピストン60の下部外周にシリンダチューブ16の上記連通孔80より下の下側内周に摺接する下シール部材64Lを設け、フリーピストン60の上部外周にシリンダチューブ16の上記連通孔80より上の上側内周に摺接する上シール部材64Uを設け、フリーピストン60の背後の空気室73に臨むフリーピストン60の底部のオイル溜り66から、フリーピストン60の上シール部材64Uと下シール部材64Lに挟まれる外周に延びる連通路91を設け、この連通路91に上述(a)の逆止弁100を設けた。これにより、フリーピストン60の背後の空気室73をリザーバ30に連絡する連絡経路90をフリーピストン60及びシリンダチューブ16に形成し、フリーピストン60の背後の空気室73に滲入等してその底部のオイル溜り66に溜まる油をその連絡経路90(連通路91及び連通孔80)並びに逆止弁100経由でリザーバ30へ排出できる。
(c)フリーピストン60がダンパ14の伸縮ストロークに起因する通常移動域にあるときには、フリーピストン60の下シール部材64Lにより前記連通孔80をフリーピストン60とサブピストン52の間のサブタンク室53に対して閉鎖し、フリーピストン60が通常移動域を超え、シリンダチューブ16にリザーバ30から侵入した作動油の高圧余剰油に起因する最上昇端まで上昇するときに、フリーピストン60の下シール部材64Lにより前記連通孔80をフリーピストン60とサブピストン52の間のサブタンク室53に開放し、該サブタンク室53をシリンダチューブ16の外部のリザーバ30に連通する。フリーピストン60の背後の空気室73をリザーバ30の空気室32に対して遮断することを維持しながら、リザーバ30からシリンダチューブ16に侵入した高圧余剰油を、サブタンク室53から直接的にリザーバ30に解放し、シリンダチューブ16内の高圧化を回避することができる。
(d)フリーピストン60をシリンダチューブ16の内周だけでなく、ガイドシャフト51の外周にも摺動自在に設けた。従って、フリーピストン60の外周と内周のそれぞれに設けられるシール部材64L、64U、65を通ってフリーピストン60の背後の空気室73に滲入した油を、上述(a)、(b)の連絡経路90及び逆止弁100経由でリザーバ30へ排出できる。
(e)フォークボルト15に、リザーバ30の空気室32のためのプラグボルト33と、フリーピストン60の背後の空気室73のためのプラグボルト34を設けた。従って、フリーピストン60の背後の空気室73のためのプラグボルト34を、不注意によってリザーバ30の空気室32のためのプラグボルト33と誤認して開き、フリーピストン60の背後の空気室73に油を注入ミスしてしまったとしても、この注入油を上述(a)、(b)の連絡経路90及び逆止弁100経由でリザーバ30へ排出できる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
本発明は、油圧緩衝器において、シリンダチューブの内部におけるフリーピストンの背後の空気室をリザーバに連絡する連絡経路に、フリーピストンの背後の空気室の圧力が一定値以上に高くなったときに開き、フリーピストンの背後の空気室からリザーバへの圧力の放出を許容する逆止弁を設けた。従って、フリーピストンの背後の空気室の容積が油の滲入等で減縮し、その空気室の圧力が異常に上昇することを回避することができる。
10 フロントフォーク(油圧緩衝器)
11 車体側チューブ
12 車軸側チューブ
14 ダンパ
15 フォークボルト
16、16A、16B シリンダチューブ
20 ピストンロッド
30 リザーバ
32 空気室
33、34 プラグボルト
42 メインピストン
43A ピストン側油室
43B ロッド側油室
51 ガイドシャフト
52 サブピストン
53 サブタンク室
54 圧側流路
54A 圧側減衰バルブ
60 フリーピストン
64L、64U、65 シール部材
70 加圧スプリング
73 空気室
80 連通孔
90 連絡通路
91 連通路
100 逆止弁

Claims (5)

  1. 車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、
    車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したダンパのシリンダチューブに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりシリンダチューブの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、
    シリンダチューブの内部でメインピストンより上部に該メインピストンと相対するサブピストンを設け、このサブピストンによりシリンダチューブの内部のピストン側油室に対する上方にサブタンク室を区画し、サブピストンのピストン側油室とサブタンク室を連絡可能にする流路に圧側減衰バルブを設け、
    シリンダチューブの内部でサブピストンより上部に、該サブピストンと相対するフリーピストンを摺動自在に設け、
    フリーピストンをサブピストンの側に向けて付勢する加圧スプリングを有し、
    シリンダチューブの内部におけるフリーピストンの背後の空気室が、リザーバの空気室に対して遮断されてなる油圧緩衝器において、
    シリンダチューブの内部におけるフリーピストンの背後の空気室をリザーバに連絡する連絡経路に、フリーピストンの背後の空気室の圧力が一定値以上に高くなったときに開き、フリーピストンの背後の空気室からリザーバへの圧力の放出を許容する逆止弁を設けたことを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 前記シリンダチューブのチューブ壁にリザーバに連通する連通孔を設け、
    フリーピストンの下部外周にシリンダチューブの上記連通孔より下の下側内周に摺接する下シール部材を設け、
    フリーピストンの上部外周にシリンダチューブの上記連通孔より上の上側内周に摺接する上シール部材を設け、
    フリーピストンの背後の空気室に臨むフリーピストンの底部から、フリーピストンの上シール部材と下シール部材に挟まれる外周に延びる連通路を設け、この連通路に前記逆止弁を設けてなる請求項1に記載の油圧緩衝器。
  3. 前記フリーピストンがダンパの伸縮ストロークに起因する通常移動域にあるときには、フリーピストンの下シール部材により前記連通孔をフリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室に対して閉鎖し、
    フリーピストンが通常移動域を超え、シリンダチューブにリザーバから侵入した作動油の高圧余剰油に起因する最上昇端まで上昇するときに、フリーピストンの下シール部材により前記連通孔をフリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室に開放し、該サブタンク室をシリンダチューブの外部のリザーバに連通する請求項2に記載の油圧緩衝器。
  4. 前記ダンパがシリンダチューブに連結したガイドシャフトにサブピストンを設け、サブピストンと相対するフリーピストンをシリンダチューブの内周とガイドシャフトの外周に摺動自在に設ける請求項1〜3のいずれかに記載の油圧緩衝器。
  5. 前記ダンパがシリンダチューブの開口端をフォークボルトにより閉塞し、該フォークボルトに、リザーバの空気室のためのプラグボルトと、フリーピストンの背後の空気室のためのプラグボルトを設けてなる請求項1〜4のいずれかに記載の油圧緩衝器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015129552A (ja) * 2014-01-07 2015-07-16 株式会社ショーワ 圧力緩衝装置

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