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JP2008180938A - 静電荷像現像用トナー、その製造方法及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、その製造方法及び画像形成方法 Download PDF

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JP2008180938A JP2007014787A JP2007014787A JP2008180938A JP 2008180938 A JP2008180938 A JP 2008180938A JP 2007014787 A JP2007014787 A JP 2007014787A JP 2007014787 A JP2007014787 A JP 2007014787A JP 2008180938 A JP2008180938 A JP 2008180938A
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朝夫 松島
Noboru Ueda
昇 上田
Seiji Matsubara
政治 松原
Takeshi Yamaguchi
山口  剛
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Abstract

【課題】本発明の目的は、低温定着トナー、特にコアシェル構造を有する低温定着トナーで発生しやすい諸課題を解決することである。即ち、トナーの低温定着を達成すると同時に、低温定着トナーを用いた場合に発生しやすい、保管時や輸送時のトナーのブロッキングなどの現象を防止し、更に、定着後のトナー画像の折り目定着性を改良した静電荷像現像用トナー、該静電荷像現像用トナーの製造方法及び画像形成方法を提供すること。
【解決手段】コアはビニル系共重合体の海樹脂中に、多価カルボン酸を含むビニル系重合性単量体より形成されるビニル系重合体樹脂(=島樹脂)が分散する海島構造を有しており、海樹脂のガラス転移点をTgA、島樹脂のガラス転移点をTgB、シェル用樹脂のガラス転移点をTgCとすると、これらのガラス転移点が下記式の関係を有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。 TgB<TgA<TgC
【選択図】なし

Description

本発明は静電荷像現像用トナーに関し、特にコア.シェル構造を有する静電荷像現像用トナー、その製造方法及び画像形成方法に関する。
近年、地球環境への配慮という観点から、画像形成装置の電力消費量を低減させる技術が検討され、この課題を解消する手段としても重合トナーが注目されている。その一例として、低融点のワックスを含有させた重合トナーにより、従来よりも低い温度で定着画像を形成することが可能な技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
一方、低温定着が可能な静電荷像現像用トナー(以後、単にトナーともいう)は、熱的安定性に難点を有する傾向があり、保管時や輸送時にトナー同士がくっついてしまうブロッキング(=凝集)などの現象を発生することがあった。また、安定した画像形成を行う上で、着色剤やワックスなどの成分がトナー表面より露出しないようにトナーを設計する必要もあった。
このようなニーズから、着色剤、ワックスを低軟化点の樹脂中に含有させてなるコア粒子表面に樹脂を被覆した、いわゆるコアシェル構造のトナーが提案されるようになった(例えば、特許文献2参照)。
さらに、コアシェル構造のトナーを作製する技術としては、上記の改良技術が種々開発され、又、粒子の作製方法として、例えば、樹脂微粒子と着色剤とを会合融着して作製したコア粒子の表面に樹脂粒子を融着させてコアシェル構造を形成する技術も開発されている(例えば、特許文献3〜5参照)。
しかしながら、コアシェル構造のトナーでは、ガラス転移点(Tg)の高いシェル層に表面を覆われているため、このTgの高い樹脂による転写紙との親和性にが悪くなり、その結果として定着後のトナー画像を折りたたんだ場合、折り目部分のトナー画像が割れて剥がれ落ちると云う画像欠陥(=折り目定着性の劣化)が発生しやすい。このような問題が、尚、十分に解決されていないのである。
特開2001−42564号公報 特開2002−116574号公報 国際公開第98/25185号パンフレット 特開2004−191618号公報 特開2004−271638号公報
本発明の目的は、前記した低温定着トナー、特にコアシェル構造を有する低温定着トナーで発生しやすい諸課題を解決することである。即ち、トナーの低温定着を達成すると同時に、低温定着トナーを用いた場合に発生しやすい、保管時や輸送時のトナーのブロッキングなどの現象を防止し、更に、定着後のトナー画像の折り目定着性を改良した静電荷像現像用トナー、該静電荷像現像用トナーの製造方法及び画像形成方法を提供することである。
本発明の発明者は、鋭意検討した結果、前記静電荷像現像用トナーの課題を解決するには、コアシェル構造のコア部分を海島構造で構成し、コアの海構造のガラス転移点をTgA、島構造のガラス転移点をTgB及びシェル構造のガラス転移点をTgCの関係が重要な要素であることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の目的は、下記構成を採ることにより達成される。
(1)少なくとも樹脂と着色剤を含有するコアの表面にシェルを有するコアシェル構造を有する静電荷像現像用トナーにおいて、
該コアはビニル系共重合体の海樹脂中に、多価カルボン酸を含むビニル系重合性単量体より形成されるビニル系重合体樹脂(=島樹脂)が分散する海島構造を有しており、海樹脂のガラス転移点をTgA、島樹脂のガラス転移点をTgB、シェル用樹脂のガラス転移点をTgCとすると、これらのガラス転移点が下記式の関係を有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
TgB<TgA<TgC
(2)前記TgAが35℃±5℃、TgBが20℃±5℃、TgC−TgA≧10℃、であることを特徴とする前記1に記載の静電荷像現像用トナー。
(3)海樹脂粒子と島樹脂粒子及び着色剤粒子とを凝集させて、海島構造を有するコア粒子を作製する工程と、該コア粒子の表面にシェル用樹脂粒子を融着させる工程を経て、海島構造を有するコアシェル構造のトナーを製造することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
(4)感光体上に形成された静電潜像を静電荷像現像用トナーを含有する現像剤により、顕像化したトナー像を記録材に転写し、定着装置において加熱定着する画像形成方法において、前記静電荷像現像用トナーが前記1又は2に記載の静電荷像現像用トナーであって、プリント速度が300mm/sec以上であることを特徴とする画像形成方法。
本発明により、低温定着性を達成すると共に、トナーのブロッキングの改善及び折り目定着性を改善した静電荷像現像用トナーとその製造方法、及び画像形成方法並びに画像形成装置を提供することができる。
〔本発明の技術思想〕
本願発明の静電荷像現像用トナーは、少なくとも樹脂と着色剤を含有するコアの表面にシェルを有するコアシェル構造を有する静電荷像現像用トナーである。該コアはビニル系共重合体の海樹脂中に、多価カルボン酸を含むビニル系重合性単量体より形成されるビニル系重合体樹脂(=島樹脂)が分散する海島構造を有している。海樹脂のガラス転移点をTgA、島樹脂のガラス転移点をTgB、シェル用樹脂のガラス転移点をTgCとすると、これらのガラス転移点が前記式の関係を有する。
本願発明のトナーは、上記ガラス転移点TgA、TgB、TgCの間で前記関係を有することにより、前記した本願発明の効果を達成することができる。
本願発明は、基本的にコアシェル構造のシェル構造で、トナーのブロック化防止等の熱的安定性を確保し、コア構造で低温定着性を達成する構造を有するが、コア構造の海島構造と前記ガラス転移点TgA、TgB、TgCの関係に大きな特徴を有している。即ち、コア構造を海島構造とし、前記ガラス転移点TgA、TgB、TgCの関係を達成することにより、上記効果に加え、折り目定着性の改善を同時に達成することができる。
すなわち、島樹脂に、多価カルボン酸を有する単量体を含有することにより、樹脂中の極性基である複数のカルボン酸の介在により、トナー粒子と転写材との間の親和性が増大し、折り目定着性が良好になったと推定している。
さらに、島樹脂のTgを海樹脂に対して低いものにすることにより、トナーのコア粒子内部に拡散しやすくなり、島樹脂の存在効果が高められるとともに、島樹脂の溶解性が海樹脂、シェル樹脂に比べて早くなり、転写材とトナー粒子との間に島樹脂が存在しやすくなり、上記の転写材との親和性の効果がより高められたと推定している。
尚、本願発明でコアシェル構造とは、コア粒子をシェル(シェル層)で90%以上被覆したものをコアシェル構造という
又、本願発明の海島構造とは、トナー用結着樹脂が相分離した構造(海島構造)を有し、海樹脂(媒体樹脂)と、この海樹脂(媒体樹脂)中に分散された島樹脂(分散樹脂)との相分離構造を有することをいう。
〔ガラス転移点(ガラス転移温度のこと)Tg〕
本発明のトナーにおいて、海樹脂のガラス転移点をTgA、島樹脂のガラス転移点をTgB、シェル用樹脂のガラス転移点をTgCとするが、これらのガラス転移点は以下のようにして測定する。
ガラス転移点は、DSC−7示差走査カロリーメーター(パーキンエルマー社製)、TAC7/DX熱分析装置コントローラー(パーキンエルマー社製)を用いて行うことが出来る。
測定手順として、サンプル(評価対象の樹脂、樹脂粒子、トナー等)4.5〜5.0mgを小数点以下2桁まで精秤し、アルミニウム製パン(KITNO.0219−0041)に封入し、DSC−7サンプルホルダーにセットする。
リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。測定条件としては、測定温度0〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−Cool−Heatの温度制御で行い、その2nd Heatにおけるデータをもとに解析を行った。
ガラス転移点(ガラス転移温度)は、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移点として示す。
海樹脂のガラス転移点をTgA、島樹脂のガラス転移点をTgB、シェル用樹脂のガラス転移点をTgCは、これらを構成する樹脂の共重合体成分の種類、量及び分子量を適宜選択することにより、コントロールすることが可能である。
尚、上記TgA、TgB、TgC等は、これらの樹脂の作製時に、これらの樹脂成分と共に含有される重合開始剤や離型剤等を含有した樹脂のガラス転移点を示す。
本願発明は上記のようなガラス転移点TgA、TgB、TgC等を有するが、これらのガラス転移点を総合したトナーのガラス転移点(Tgt)としては30℃±5℃、トナーの軟化点Tspは80℃〜105℃の範囲が好ましい。
以下、本願発明のコアシェル構造に用いる樹脂等、トナーに用いられる構成成分について説明する。
〔本発明で用いられるトナー素材等〕
(1)結着樹脂
コア部の樹脂
〔海樹脂〕
本発明において、海樹脂を形成すべき単量体成分としては、例えば、ビニル芳香族系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、オレフィン系単量体などが挙げられ、中でも、ラジカル重合性の1価のカルボン酸(以下、「ラジカル重合性1価カルボン酸」ともいう。)成分を単量体成分として含有することが好ましい。
これは、極性基であるカルボキシル基の存在により、水系媒体中において海樹脂を得るための重合を安定して進行させることができると共に海樹脂による樹脂微粒子の水系媒体中における高い分散安定性を確保することができながら、後記に詳述する島樹脂と極性度合いを大きく異なるものとすることができて確実に海島構造を得ることができるためである。
ラジカル重合性1価カルボン酸としては、例えばメタクリル酸、アクリル酸などが挙げられる。
また、海樹脂を形成すべき単量体全体におけるラジカル重合性1価カルボン酸の含有割合としては、3〜20質量%であることが好ましく、さらに好ましくは5〜10質量%である。
ビニル芳香族系単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレンなどのスチレン系単量体およびその誘導体を挙げることができる。
ビニルエステル系単量体としては、例えば、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどが挙げられ、ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテルなどを挙げることができる。
オレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテンなどのモノオレフィン系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジオレフィン系単量体が挙げられる。
上記以外の他のラジカル重合性単量体としては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸エステル系単量体;N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミドなどのN−アルキル置換アクリルアミド;アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル系単量体;ジビニルベンゼン、エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
また例えば、海樹脂を形成すべき単量体成分として、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどの不飽和結合を2個以上有する架橋性のビニル系単量体がさらに含有されていてもよい。
海樹脂の質量平均分子量は、10,000〜50,000であることが好ましく、さらに好ましくは15,000〜35,000である。
海樹脂の質量平均分子量が10,000〜50,000であることにより、当該海樹脂がオリゴマー成分の含有率が低いものとなるので、耐熱性への悪影響が少なく、かつ、高分子鎖の絡み合いが形成されずに弾性の大幅な増加を生じることなく、結局、耐熱性を低下させることなく得られる画像における高い光沢性および平滑性を確保することが可能となる。
海樹脂の質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。具体的には、装置「HLC−8220」(東ソー社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2ml/minで流し、測定試料を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mlになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いた。
海樹脂のガラス転移点温度TgAは、35℃±5℃が好ましい。海樹脂のガラス転移点温度TgAが上記の範囲にあることにより、形成される画像が十分な光沢度および平滑性を有するものとなるという効果を確実に得ることができる。
海樹脂のガラス転移点TgAを上記範囲に構成するためには、スチレンーアクリル系共重合樹脂に、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の共重合体のガラス転移点(Tg)を引き下げる重合性単量体を共重合することが好ましい。
〔島樹脂〕
本発明において、島樹脂は、少なくともラジカル重合性の多価のカルボン酸(以下、「ラジカル重合性多価カルボン酸」ともいう。)成分を含むラジカル重合性単量体より重合して得られる島樹脂よりなり、ラジカル重合性単量体としては、ラジカル重合性多価カルボン酸成分の他に、例えば、上記の海樹脂に使用される単量体として挙げたビニル芳香族系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、オレフィン系単量体などが挙げられる。
〔ラジカル重合性多価カルボン酸〕
島樹脂を形成するラジカル重合性多価カルボン酸としては、イタコン酸、マレイン酸などのジカルボン酸が挙げられ、特にイタコン酸が好ましい。
カルボキシル基は極めて極性の大きい官能基であるところ、ラジカル重合性多価カルボン酸は1分子中に2個以上のカルボキシル基を有するために、少量のラジカル重合性多価カルボン酸によって効率よく島樹脂により形成される微粒子の表面を極性の大きい状態とすることができる。これにより、海樹脂および島樹脂が互いに独立した相分離状態(非相溶状態)とすることができ、島樹脂により転写材とトナー粒子との間の親和性を増大させ、良好な折り目定着性を発現することができる。
島樹脂を形成する重合性単量体組成物におけるラジカル重合性多価カルボン酸の含有割合は、3〜20質量%であることが好ましく、さらに好ましくは5〜10質量%である。
重合性単量体組成物におけるラジカル重合性多価カルボン酸の含有割合が上記の範囲にあることにより、トナーの製造工程において島樹脂による樹脂微粒子同士が凝集することなく海樹脂による樹脂微粒子と高い均一性の混在状態が得られると共に、海樹脂との極性度合いを極めて異なるものとすることができて当該海樹脂と相溶することなく海島構造が得られて効果をより顕著に発揮することができる。
本発明のトナーにおいては、トナー粒子を構成する海樹脂中に分散されるべき島樹脂の粒径は、50〜600nmの範囲であることが好ましい。
島樹脂の粒径が50〜600nmの範囲であることにより、後述する塩析、凝集工程においてトナー粒子を形成させる際に島樹脂と海樹脂とをより高い均一性で凝集させることができ、従ってトナー粒子中に島樹脂を局在化させることなく分散させることができるために効果をより顕著に発揮することができる。
トナー粒子中の島樹脂の粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscopy)を用いてトナー粒子の断面を観察することにより、求めることができる。透過型電子顕微鏡は、試料に電子線を透過させ、試料中の原子により散乱・回折された電子を電子回折パターン、または透過電子顕微鏡像として得ることで、物質の内部構造を観察するものであって、本発明においては、ミクロトームによってトナー粒子を厚さ0.2μmに切断した試料の透過電子顕微鏡像(TEM像)を10万倍の倍率で撮影し、100個のトナー粒子の直径の平均値を島樹脂の粒径とした。
島樹脂の質量平均分子量は、10,000〜50,000であることが好ましく、さらに好ましくは15,000〜35,000である。
島樹脂の質量平均分子量が10,000〜50,000であることにより、当該島樹脂がオリゴマー成分の含有率が低いものとなるので、耐熱性への悪影響が少なく、かつ、高分子鎖の絡み合いが形成されずに弾性の大幅な増加を生じることなく、結局、耐熱性を低下させることなく得られる画像における高い光沢性および平滑性を確保することが可能となる。
島樹脂の質量平均分子量は、上述の海樹脂の質量平均分子量の測定方法と同様の方法によって測定することができる。
島樹脂のガラス転移点温度TgBは、20℃±5℃が好ましい。
島樹脂のガラス転移点温度TgBが上記の範囲にあることにより、定着工程において十分な定着分離性を得ることができるという効果を確実に得ることができる。
島樹脂のガラス転移点をTgBを上記範囲に構成するためには、スチレンーアクリル系共重合樹脂に、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の共重合体のガラス転移点(Tg)を引き下げる重合性単量体を、海樹脂の場合より、より多く共重合することが好ましい。
本発明のトナーにおいては、島樹脂の含有割合が、結着樹脂全体に対して3〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがさらに好ましい。
島樹脂の含有割合が結着樹脂の総質量に対して3〜30質量%であることにより、得られるトナーが、優れた溶融性と十分な定着分離性との両方の性能を確実に有するものとなる。
なお、コアの結着樹脂としては、海樹脂、島樹脂以外の化合物よりなる樹脂(以下、「その他の樹脂」ともいう。)を含んでいてもよい。ただし、全結着樹脂に対して、海樹脂および島樹脂の合計が、50質量%以上であるものとする。このその他の樹脂は、海樹脂および島樹脂のいずれに含有されていても、両方に含有されていてもよく、海樹脂および島樹脂のそれぞれに異なる種類のその他の樹脂が含有されていてもよい。その他の樹脂としては、例えばポリエステル樹脂などが挙げられる。
シェル用樹脂
シェル用樹脂のガラス転移点温度TgCは、コア用樹脂の海樹脂よりも10℃以上高いことが好ましい。このようなシェル用樹脂を形成する為には、スチレンーアクリル系共重合樹脂が好ましい。また、シェル用樹脂を作製するための単量体には、スチレン、メチルメタクリレート、メタクリル酸等の共重合体のガラス転移点(Tg)を引き上げる重合性単量体を共重合することが好ましい。
尚、本発明でいうトナーのシェルとは、コアの外側に存在し、コア粒子の表面の9割以上を被覆している部分をいう。(シェル中には結着樹脂の他に必要に応じ各種添加剤を含むことはあっても、着色剤(離型剤)は含有していない層を指す。)
シェル用樹脂の質量平均分子量は、10,000〜50,000であることが好ましく、さらに好ましくは10,000〜25,000である。
シェル用樹脂の質量平均分子量は、上述の海樹脂の質量平均分子量の測定方法と同様の方法によって測定することができる。
本願発明の上記シェルの膜厚は、低Tgという特性を持ったコア粒子の耐熱依存性と低温定着性の両面の観点より、50〜500nmが好ましく、100〜300nmがより好ましい。シェルの膜厚は、以下の8点平均膜厚で測定する。
図1は、コアシェル構造を有するトナーの模式図である。図1において、Aはコアの海構造を、Bはコアの島構造を、Cはシェル構造を示す。
〔シェルの8点平均膜厚の測定方法〕
本発明トナーにおけるシェルの膜厚は、トナーの断面層を透過型電子顕微鏡により撮影した写真より計測されるものである。透過型電子顕微鏡としては、通常当業者の間でよく知られた機種で十分観察され、例えば、LEM−2000型(トプコン社製)、JEM−2000FX(日本電子社製)等が用いられる。
具体的には、まずトナー粒子を常温硬化性のエポキシ樹脂中に十分分散させた後、包埋し、粒径100nm程度のスチレン微粉末に分散させた後加圧成形する。必要により得られたブロックを四三酸化ルテニウム、または、四三酸化オスミウムを併用し染色を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出し透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、トナー1個の断面が視野に入る倍率(約10000倍)にて写真撮影する。
次に、上記写真において、着色剤やワックス等の存在領域を目視観察により確認しつつ、コア粒子とシェルとの界面となる境界線を明らかにする。
次に、図1に示す如く、トナー粒子の重心Fから45°間隔で表面に向かって直線を引き、各直線がコア粒子表面と交わる点をD、シェル層表面と交わる点をEとし、DE間の距離(即ち、シェルの厚さ)を8点測定し、その8点の平均値をトナー粒子1個のシェルの膜厚とする。
本発明の8点平均膜厚とは、トナー粒子100個について8点平均膜厚の平均値として示されるものである。
なお、シェル層の最小厚さが限りなく0に近い場合には、その膜厚を10nmとして測定した。
次に、トナーの作製に用いられる結着樹脂以外の材料について記載する。
(2)着色剤
本発明のトナーに使用する着色剤としてはカーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理する事により強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用いる事ができる。
染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事ができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同93、同94、同138、同156、同158、同180、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用いる事ができ、これらの混合物も用いる事ができる。数平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nm程度が好ましい。
着色剤の添加方法としては、樹脂微粒子を凝集剤の添加にて凝集させる段階で添加し重合体を着色する。なお、着色剤は表面をカップリング剤等で処理して使用することができる。
(3)ワックス(離型剤)
本発明に係るトナーに使用可能なワックスとしては、従来公知のものが挙げられる。具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
本発明に好ましく用いられるエステル系ワックスの化合物例を下記に例示する。
Figure 2008180938
Figure 2008180938
ワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。また、トナー中のワックス含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
上記トナーの製造方法で使用可能な重合開始剤、連鎖移動剤及び界面活性剤について説明する。
(4)本発明に使用可能なラジカル重合開始剤
本発明に係るトナーを構成するコアやシェルを構成する樹脂は、前述の重合性単量体を重合して生成されるが、本発明に使用可能なラジカル重合開始剤には以下のものがある。具体的には、油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げられる。
また、乳化重合法で樹脂粒子を形成する場合は水溶性ラジカル重合開始剤が使用可能である。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙げることができる。
複合樹脂粒子を構成する樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。
連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく、例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素およびα−メチルスチレンダイマー等が使用される。
(5)分散安定剤
又、反応系中に重合性単量体等を適度に分散させておくために分散安定剤を使用することも可能である。分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができる。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウム等の界面活性剤として一般的に使用されているものを分散安定剤として使用することができる。
(6)界面活性剤
本発明に用いられる界面活性剤について説明する。
前述のラジカル重合性単量体を使用して重合を行うためには、界面活性剤を使用して水系媒体中に油滴分散を行う必要がある。この際に使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、下記のイオン性界面活性剤を好適なものの例として挙げることができる。
イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等)が挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。
(6)荷電制御剤
本発明のトナーを構成するトナー粒子中には、必要に応じて荷電制御剤が含有されていてもよい。荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。
トナー粒子中に荷電制御剤を含有させる方法としては、上記の離型剤を含有させる方法と同様の方法を採用することができる。
(7)連鎖移動剤
重合工程において、海樹脂および島樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタンおよびスチレンダイマーなどを挙げることができる。
〔静電荷像現像用トナーの製造方法〕
次に、本発明に係る静電荷像現像用トナーの製造方法について説明する。
<トナーの製造方法>
以上のトナーを製造する方法としては、海樹脂と、この海樹脂中に微粒子状に分散された、島樹脂を含有するコア粒子をシェル用樹脂層で被覆したトナー粒子の製造方法であれば、特に限定されるものではない。
例えば、本発明に係るトナーを製造する場合、先ず、樹脂粒子と着色剤粒子とを会合融着させてコアとなる粒子(以下コア粒子という)を作製する。次に、コア粒子分散液中に樹脂粒子を添加して、コア粒子表面にこの樹脂粒子を凝集、融着させることによりコア粒子表面を被覆してコアシェル構造を有する着色粒子を作製する。このように、本発明に係るトナーは、各種製法で作製されたコア粒子の分散液中に、樹脂粒子を添加してコア粒子に融着させてコアシェル構造のトナーを作製するものである。
具体的なトナーの製造方法としては、乳化重合凝集法、ミニエマルション重合凝集法、懸濁重合法、分散重合法、溶解懸濁法、溶融法、混練粉砕法などが挙げられ、これらの中でも、島樹脂を海樹脂に対して容易に導入することができることから、ミニエマルション重合凝集法、乳化重合凝集法によるトナーの製造方法が好ましい。
本発明に係るトナーは、たとえば、以下のような工程を経て作製されるものである。
ミニエマルション重合凝集法によるトナーの製造方法の具体的な一例を示すと、
(1)必要に応じて離型剤が含有されたラジカル重合性単量体溶液を得る単量体溶液調製工程、
(2)ラジカル重合性単量体溶液を水系媒体中で油滴化し、ミニエマルション重合処理を行って結着樹脂粒子(海樹脂及び島樹脂の樹脂粒子)の分散液を調製する重合工程、
(3)水系媒体中において結着樹脂粒子を着色剤微粒子などの他のコア粒子構成成分の樹脂粒子と共に凝集させて会合粒子を得る凝集・融着工程、
(4)会合粒子を熱エネルギーにより熟成させて形状を調整し、コア粒子を得る第1の熟成工程、
(5)コア粒子分散液中に、シェル用の樹脂粒子を添加してコア粒子表面にシェル用粒子を凝集、融着させてコアシェル構造の着色粒子を形成するシェル化工程、
(6)コアシェル構造の着色粒子を熱エネルギーにより熟成して、コアシェル構造の着色粒子の形状を調整する第2の熟成工程、
(7)冷却された着色粒子分散液から着色粒子を固液分離し、当該着色粒子から界面活性剤などを除去する洗浄工程、
(8)洗浄処理された着色粒子を乾燥する乾燥工程、
また、必要に応じて乾燥工程の後に、
(9)乾燥処理された着色粒子に外添剤を添加する工程、
から構成される。
そして、上記のミニエマルション重合凝集法によるトナーの製造方法において、島樹脂は、下記(I)または(II)の工程において導入することができる。
(I)上記(2)重合工程において導入する方法。具体的には下記(I−ア)〜(I−ウ)の方法が挙げられる。
(II)上記(3)凝集・融着工程において導入する方法。具体的には下記(II−ア)および(II−イ)の方法が挙げられる。
(I−ア)上記(2)重合工程においてミニエマルション重合処理を行う際に、海樹脂を形成すべきラジカル重合性単量体溶液による油滴に予め重合された島樹脂による微粒子を添加し、トナー粒子の中央部に導入する方法。
(I−イ)上記(2)重合工程において、まず、島樹脂を形成すべきラジカル重合性単量体溶液を水系媒体中において油滴化してミニエマルション重合処理を行って島樹脂による微粒子を得、次いで、海樹脂を形成すべきラジカル重合性単量体によって乳化重合を行うことにより導入する方法。
(I−ウ)上記(2)重合工程において海樹脂についてのミニエマルション重合処理を行った後に、島樹脂を形成すべきラジカル重合性単量体溶液を用いて乳化重合(多段階重合)を行うことによりトナー粒子の表面近傍に導入する方法。
これらのうち、(I−ア)の取り込み方法が好ましい。
(II−ア)上記(3)凝集・融着工程において、水系媒体中にて海樹脂粒子(海樹脂の粒子のこと)の添加と同時に島樹脂粒子(島樹脂の粒子のこと)を添加し、これらを凝集させることによって導入する方法。
(II−イ)上記(3)凝集・融着工程において、水系媒体中にて海樹脂粒子の凝集を開始した後、凝集が完了する前の凝集工程途中において島樹脂粒子を添加し、凝集させることによって導入する方法。
ここで、「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
本発明のトナーの粒径は、例えば体積基準のメジアン径で4〜8μmであることが好ましく、さらに好ましくは6〜8μmとされる。この粒径は、トナーの製造方法が例えば乳化重合凝集法などである場合には、使用する凝集剤(塩析剤)の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
トナーの粒径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
トナーの体積基準のメジアン径は、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定・算出したものである。
具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の電解液「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が5〜10%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。測定装置において、測定粒子カウント数を25,000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率が大きい方から50%の粒子径(体積D50%径)を体積基準メディアン径とする。
また、トナーのガラス転移点温度(Tgt)としては、20〜45℃であることが好ましく、更に25〜35℃であることがより好ましい。トナー全体としてガラス転移点温度がこの範囲とされることにより、定着時において良好なトナーの溶融性が得られ、従って十分な低温定着性を得ることができるからである。
また、トナーの軟化点Tspとしては、80〜105℃であることが好ましい。トナー全体として軟化点温度がこの範囲とされることにより、定着時において良好なトナーの溶融性が得られ、従って十分な低温定着性を得ることができるからである。
本発明のトナーの軟化点の測定方法について説明する。
20±1℃、50±5%RH環境下において、トナー1.1gをシャーレに入れて平らにならし、12時間以上放置した後、成型器SSP−A(島津製作所製)にて3820kg/cm2の力で30秒間加圧し、直径1cmの円中型の成型サンプルを作製する。
24±5℃、50±20%RH環境下において、フローテスタCFT−500D(島津製作所製)により、上記成型サンプルを荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの孔に(1mm×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetを、トナーの軟化点とした。
<外添剤>
上記のトナー粒子は、そのままで本発明のトナーを構成することができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加して本発明のトナーを構成してもよい。
後処理剤としては、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などよりなる無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子などの無機ステアリン酸化合物微粒子、あるいは、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
これらの種々の外添剤の添加量は、その合計が、トナー100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部とされる。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
〔現像剤〕
本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなるバインダー型キャリアなど用いてもよい。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、バインダー型キャリアを構成するバインダー樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
キャリアは、高画質の画像が得られること、およびキャリアかぶりが抑止されることから、体積基準のメジアン径で20〜100μmであることが好ましく、さらに好ましくは20〜60μmとされる。キャリアの体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
好ましいキャリアとしては、耐スペント性の観点から、被覆樹脂としてシリコーン系樹脂、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト樹脂)またはポリエステル樹脂を用いたコートキャリアが挙げられ、特に、耐久性、耐環境安定性および耐スペント性の観点から、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト樹脂)に、イソシアネートを反応させて得られた樹脂で被覆したコートキャリアを好ましく挙げられる。上記のコートキャリアを形成するビニル系単量体は、イソシアネートと反応性を有する水酸基などの置換基を有する単量体である。
〔本発明に係わる画像形成方法及び画像形成装置〕
本発明に係るトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよいが、二成分現像剤として特に好ましく用いられる。
次に、本発明に係るトナーが使用可能な画像形成方法について説明する。本発明に係るトナーは、たとえば、プリント速度(=感光体の線速)が300mm/sec(A4用紙に換算して50枚/分の出力性能)レベルの高速の画像形成装置に、好ましく使用される。具体的には、短時間で大量の文書をオンデマンドに作製することが可能なプリンタなどが挙げられる。また、本発明では、定着ローラの温度を150℃以下、好ましくは130℃以下の温度にする画像形成方法に適用することも可能である。
これは、本発明に係るトナーがその表面を覆うシェルがうすいものでありながら十分な耐久性を有していることと、シェルがうすい分短時間で定着が行えるようになっていることによるとおもわれる。
図2は、本発明に係るトナーを使用することが可能な画像形成装置の一例で、その断面図を示すものである。
図2の画像形成装置は、転写工程後に感光体上に残存したトナーをクリーニング手段により回収し、回収したトナーを現像装置に再度供給してリサイクル使用するトナーリサイクル手段に相当する回収トナー搬送路を有する画像形成装置である。
図2中、10は静電潜像担持体である感光体ドラムで、例えば、有機感光体(OPC感光体)を導電性のドラム上に塗布したもので接地されて時計方向に駆動回転する。11はコロナ放電によって感光体ドラム10周面に負の一様な帯電を行いVHの電位を与えるスコロトロン帯電器である。スコロトロン帯電器11による帯電を行う前に、前プリントまでの感光体の履歴を除去するために感光体周面を除電する必要があり、帯電前露光手段に該当するPCL11Aで感光体周面を露光、除電する。
スコロトロン帯電器11による感光体ドラム10への一様帯電ののち、像露光手段に該当するレーザ書込み装置12により画像信号に基づいた像露光が行われる。この像露光はコンピュータ、または画像読取り装置から入力される画像信号を画像信号処理部によって処理を行ったのちレーザ書込み装置12に入力して像露光を行い、感光体ドラム10上に静電潜像を形成する。
レーザ書込み装置12は、図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転多面鏡12a、fθレンズ12b等を経て複数の反射鏡12dにより主走査を行うもので、感光体ドラム10の回転により副走査が行われて静電潜像が形成される。本実施例では、画像部に対して上記画像信号に基づいて露光を行い、露光部が電位の絶対値が低いVLになる反転潜像を形成する。
感光体ドラム10周縁には、負に帯電した導電性の本発明に係るトナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を内蔵した現像手段に該当する現像装置14が設けられる。現像装置14では、内蔵された磁石体により現像剤が保持され、回転する現像スリーブにより反転現像が行われ、感光体ドラム10上にトナー画像が形成される。さらに、感光体ドラム10上に形成されたトナー画像は、転写手段に該当する転写ローラ16aにより、転写材P上に転写される。
次いで、トナー画像が転写された転写材Pは、わずかの間隙をもって配置された尖頭電極16cにより除電され、感光体ドラム10周面より分離して、定着手段に該当する定着装置17に搬送される。定着装置17では、加熱ローラ17aと加圧ローラ17bの加熱・加圧によりトナー像が溶融して転写材P上に固定された後、排出ローラによりトレイ部54に排出される。
なお、転写ローラ16aは転写材Pの通過後より次のトナー像転写時までの間、感光体ドラム10周面より退避離間している。
一方、転写材Pにトナー像を転写した感光体ドラム10は、交流コロナ放電器を用いた除電器19により除電を受けたのち、感光体クリーニング手段に該当するクリーニング装置20で残留トナーの除去が行われる。すなわち、感光体ドラム10に当接したゴム材からなるクリーニングブレード20aにより、周面上の残留トナーはクリーニング装置20内に掻き落とされ、掻き落とされた回収トナーはスクリュー等を内蔵した回収トナー搬送路21により現像装置14に送られる。
クリーニング装置20により残留トナーが除去された感光体ドラム10は、PCL11Aで露光を受けたのち帯電器11により一様帯電を受け、次の画像形成サイクルに入る。
図3は、図2の画像形成装置に使用可能な定着装置17の一例を示す断面図であり、加熱ローラ17aとこれに当接する加圧ローラ17bとを備えている。なお、図3において、Tは転写紙(画像形成支持体)P上に形成されたトナー像である。
加熱ローラ17aは、フッ素樹脂または弾性体からなる被覆層171が芯金172の表面に形成され、線状ヒーターよりなる加熱部材173を内包している。
芯金172は、金属から構成され、その内径は10mm〜70mmとされる。芯金172を構成する金属としては特に限定されるものではないが、例えば鉄、アルミニウム、銅等の金属あるいはこれらの合金を挙げることができる。
芯金172の肉厚は0.1mm〜15mmとされ、省エネルギーの要請(薄肉化)と、強度(構成材料に依存)とのバランスを考慮して決定される。例えば、0.57mmの鉄よりなる芯金と同等の強度を、アルミニウムよりなる芯金で保持するためには、その肉厚を0.8mmとする必要がある。
被覆層171を構成するフッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)およびPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などが挙げられる。
フッ素樹脂からなる被覆層171の厚みは10μm〜500μmとされ、好ましくは20μm〜400μmである。また、被覆層171を構成する弾性体としては、LTV、RTV、HTVなどの耐熱性の良好なシリコーンゴムおよびシリコーンスポンジゴムなどが挙げられる。被覆層171を構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満とされ、好ましくは60°未満とされる。また、弾性体からなる被覆層171の厚みは0.1mm〜30mmとされ、好ましくは0.1mm〜20mmとされる。
加熱部材173は、ハロゲンヒーターを好適に使用することができる。
加圧ローラ17bは、弾性体からなる被覆層174が芯金175の表面に形成されてなる。被覆層174を構成する弾性体は特に限定されるものではなく、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどの各種軟質ゴムおよびスポンジゴムを挙げられ、被覆層174を構成するものとして例示したシリコーンゴムおよびシリコーンスポンジゴムを用いることが好ましい。被覆層174を構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満とされ、好ましくは70°未満、更に好ましくは60°未満とされる。また、被覆層220の厚みは0.1mm〜30mmとされ、好ましくは0.1〜20mmとされる。
芯金175を構成する材料としては特に限定されるものではないが、アルミニウム、鉄、銅などの金属またはそれらの合金を挙げることができる。
加熱ローラ17aと加圧ローラ17bとの当接荷重(総荷重)は、通常40N〜350Nとされ、好ましくは50N〜300N、さらに好ましくは50N〜250Nである。この当接荷重は、加熱ローラ17aの強度(芯金110の肉厚)を考慮して規定され、例えば0.3mmの鉄よりなる芯金を有する加熱ローラにあっては、250N以下とすることが好ましい。
また、耐オフセット性および定着性の観点から、ニップ幅としては4mm〜10mmであることが好ましく、当該ニップの面圧は0.6×105Pa〜1.5×105Paであることが好ましい。
図4は、ベルトと加熱ローラを用いたタイプの定着装置の一例を示す断面図である。
この定着装置17は、記録材Pにおけるトナー像が形成された一面に接する加熱ローラ17aと、端部圧接部材17d3、ベルトガイド部材17d1,17d2、これら端部圧接部材17d3、およびベルトガイド部材17d1,17d2に張架された無端状の定着ベルト17dおよび当該定着ベルト17dの内側に配置された圧接機構177よりなる加圧回転体17cとを有するものであり、加熱ローラ17aと、これら加熱ローラ17aと加圧回転体17cの圧接機構177との圧接部により、ニップ部Nが形成されている。
加熱ローラ17aは、例えば定格電力600Wのハロゲンヒータなどよりなる加熱部材173を内蔵したものであって、当該加熱部材173が内部に配置された金属製の芯金172と、この芯金172の外周面上に形成された耐熱弾性体層171aと、この耐熱弾性体層171aの外周面上に形成された離型層(図示せず)とにより構成された円筒状ロールよりなるものであり、例えば194mm/secの線速度で回転される。
この加熱ローラ17aを構成する芯金172は、例えば鉄,アルミニウム,ステンレス鋼(SUS)などの熱伝導率の高い金属で形成されており、その外径は例えば30mm、肉厚は例えば1.8mm、長さは例えば360mmとされている。
耐熱弾性体層171aは、耐熱性の高い弾性体で構成され、特に、JIS−A硬度が15〜45°であるゴム、エラストマーなどの弾性体、例えばシリコーンゴム、フッ素ゴムなどを用いることが好ましく、具体的には、例えばJIS−A硬度が35°であるシリコーンHTVゴムを、600μmの厚さで芯金172に被覆させることができる。
離型層としては、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂などの耐熱性樹脂が用いられ、トナーに対する離型性や耐摩耗性の観点から、特にフッ素樹脂を用いることが好ましい。フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などを挙げることができる。離型層の厚さは、好ましくは5〜30μmであり、その表面は鏡面状態とされていることが好ましい。
また、加熱ローラ17aの表面には、温度センサー176が接触されて配置されており、この温度センサー176による温度計測値に基づいて、画像形成装置の制御部(図示せず)によって加熱部材173の点灯−消灯が制御されることにより、加熱ローラ17aの表面温度が所定の設定温度(例えば、175℃)に維持されている。
加圧回転体17cを構成する定着ベルト17dは、出力画像に継ぎ目に起因する画像欠陥が生じないよう原形が円筒形状に形成された継ぎ目を有さない無端状のものよりなるものであり、定着ベルト17dの内側に配置された圧接機構177を構成する圧接パッド177aおよび端部圧接部材17d3、ベルトガイド部材17d1,17d2、および当該定着ベルト17dの側端部に配置されたエッジガイド部材(図示せず)によって循環移動自在に支持されている。そして、ニップ部Nにおいて加熱ローラ17aに従動して循環移動する。
この定着ベルト17dは、ベース層と、このベース層の外周面または両面に形成された離型層とから構成されている。ベース層は、熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミドなどにより形成され、その厚さは、30〜200μm、好ましくは50〜125μm、より好ましくは75〜100μmとされる。離型層は、例えばPFA、PTFE、FEPなどのフッ素樹脂により形成され、その厚さは5〜100μm、好ましくは10〜30μmとされる。定着装置17の一例としては、例えば、周長94mm、厚さ75μm、幅320mmの熱硬化性ポリイミドからなるベース層に、厚さ30μmのPFAからなる離型層が積層された構成を挙げることができる。
加圧回転体17cを構成する圧接機構177は、圧接パッド177aおよび端部圧接部材17d3により構成されるものであり、圧接機構177を構成する圧接パッド177aは、バネや弾性体によって加熱ローラ17aを約350Nの荷重で押圧する状態でホルダに支持されている。
圧接機構177は、定着ベルト17dの内側において、定着ベルト17dを介して加熱ローラ17aに押圧される状態で配置されるものであり、これにより、加熱ローラ17aとの圧接部によりニップ部Nが形成されている。
この圧接機構177の入口すなわち圧接パッド177aの入口側(上流側)部分には、幅の広いニップ部を確保するためにプレニップ部材177bが配設されている。
圧接パッド177aおよびそのプレニップ部材177bとしては、シリコーンゴムやフッ素ゴムなどの弾性体や板バネなどを用いることができ、プレニップ部材177bにおける加熱ローラ17a側の面は、加熱ローラ17aの外周面に倣う凹状曲面によって形成されている。具体的には、プレニップ部材177bとしては、例えば幅10mm、厚さ5mm、長さ320mmのシリコーンゴムを用いることができる。このようにプレニップ部材177bを設けることにより、ニップ部Nを広いものとして構成することができるため、安定した定着性能を確保することができる。
さらに、このような圧接パッド177aの加熱ローラ17a側の表面上には、定着ベルト17dの内周面と当該圧接パッド177aとの摺動抵抗を小さくするために、低摩擦シートが設けられている。
圧接機構177を構成する端部圧接部材17d3は、加熱ローラ17a表面を局所的に押圧することによりトナー像の表面を平滑化して画像光沢を付与すると共に、加熱ローラ17a表面に歪み(凹み)を与えて記録材Pにダウンカールを形成するためのものであり、ニップ部Nの出口側に配置されている。
端部圧接部材17d3は、ポリフェニレンサルファイド(PPS),ポリイミド,ポリエステル,ポリアミドなどの耐熱性を有する樹脂、または鉄,アルミニウム,SUSなどの金属で形成されており、端部圧接部材17d3の形状としては、ニップ部Nにおける外面形状が一定の曲率半径を有する凸状曲面に形成されている。そして、この端部圧接部材17d3は、定着ベルト17dが圧接機構177により加熱ローラ17aに約40°の巻付き角度でラップされる位置に配置され、これにより、約10mm幅のニップ部Nが形成されている。
このような定着装置17においては、ニップ部Nの出口近傍に、端部圧接部材17d3によって加熱ローラ17aから剥離された記録材Pを完全に加熱ローラ17aから分離し、排紙路に誘導するための剥離補助部材(分離爪)が配設されている。剥離補助部材は、例えば、剥離バッフルが加熱ローラ17aの表面における移動方向と対向する向き(カウンター方向)となるよう、当該加熱ローラ17aと近接する状態においてバッフルホルダによって保持されて配設される。
また、このような定着装置17においては、当該定着装置17の長手方向にわたって、潤滑剤塗布部材が配設されている。具体的には、潤滑剤塗布部材は、定着ベルト17dの内周面に接触して配置され、潤滑剤を適量供給することにより、定着ベルト17dと低摩擦シートとの摺動部分に潤滑剤が供給され、低摩擦シートを介した定着ベルト17dと圧接機構177との摺動抵抗を低減し、定着ベルト17dの円滑な循環移動が図られる。また、定着ベルト17dの内周面や低摩擦シートの表面の摩耗が抑制される。
潤滑剤としては、定着温度環境下において長期使用に対する耐久性を有し、かつ、定着ベルト17dの内周面との濡れ性を適当な範囲に維持できるものが好適であり、例えば、シリコーンオイルやフッ素オイルなどの液体状のオイルや、固形物質と液体とを混合させたグリースなど、さらにはこれらを組み合わせたものなどを用いることができる。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、シラノール変性シリコーンオイル、スルホン酸変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
以上のような定着装置17においては、加熱ローラ17aが図示しない駆動モータに連結されて矢印C方向に回転されると、この回転に従動して定着ベルト17dが加熱ローラ17aとの接触部分であるニップ部Nにおいて同方向に移動し、トナー像が転写された記録材Pがニップ部Nに搬送されて当該ニップ部Nを通過する際に、記録材P上のトナー像がニップ部Nに作用される圧力と、加熱ローラ17aから供給される熱とによって定着される。
なお、本発明に係る画像形成装置は、加熱ロール方式の定着装置の代わりに誘導加熱方式の定着装置を使用することも可能である。
本発明に使用される転写材Pは、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、記録材或いは転写紙と通常よばれるものである。具体的には薄紙から厚紙までの普通紙や上質紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種転写材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
図5は、本発明に係るトナーが使用可能なカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系などが用いられる。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
以下に実施例により本発明を説明するが、無論本発明はこれらの態様に限定されるものではない。なお、以下の「部」とは「質量部」を表す。
<海樹脂粒子A1分散液の調製>
(1)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器において、スチレン105部、n−ブチルアクリレート59部、メタクリル酸12部、n−オクチルメルカプタン2.8部からなる単量体組成物に、離型剤としてパラフィンワックス「HNP−57」70部を添加し、80℃に加温して溶解させて単量体溶液〔1〕を調製した。
一方、アニオン系界面活性剤(ポリオキシ(2)ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム塩)1.5部をイオン交換水650部に溶解させた界面活性剤溶液を90℃に加温した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、前記単量体溶液〔1〕を3時間混合・分散させ、分散粒子径210nmの乳化粒子を含有する分散液を調製した。次いで、この分散液に90℃に加熱したイオン交換水700部を添加し、さらに、重合開始剤(KPS)3部をイオン交換水120部に溶解させた開始剤水溶液を添加し、この系を82℃とした後、3時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第1段重合)を行って樹脂微粒子〔a1〕の分散液(樹脂微粒子分散液〔a1〕)を調製した。
(2)第2段重合:外層の形成
上記の樹脂微粒子分散液〔a3〕に、重合開始剤(KPS)3部をイオン交換水120部に溶解させた開始剤水溶液を添加し、80℃の温度条件下において、
スチレン(St) 205.6部
n−ブチルアクリレート(n−BA) 92.4部
n−オクチルメルカプタン(NOM) 3.0部
からなる単量体溶液〔2〕を1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第2段重合)を行った後、28℃まで冷却し、多層構造を有する複合樹脂微粒子構造の海樹脂粒子A1分散液を得た。
この海樹脂粒子A1分散液を構成する海樹脂粒子A1のガラス転移点温度(TgA)は33.0℃であった。
<海樹脂粒子A2〜A4分散液の調製>
海樹脂粒子A1分散液の作製において、第1段重合時の単量体溶液と離型剤種とn−オクチルメルカプタン量、第2段重合時の単量体溶液とn−オクチルメルカプタン量を表1に記載の内容に変更するほかは同様にして、海樹脂粒子A2〜A4分散液を得た。
これら海樹脂粒子のガラス転移点(TgA)、分子量を表1に示す。
Figure 2008180938
<島樹脂粒子B1分散液の調製>
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた5Lの反応容器に下記で示されるアニオン系活性剤(構造式1)3.0部をイオン交換水2800部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
(構造式1) C1021(OCH2CH22SO3Na
一方、
メチルメタクリレート 390部
n−ブチルアクリレート 330部
イタコン酸 80部
n−オクチルメルカプタン 2部
を混合し、78℃に加温してイタコン酸を溶解させ、単量体溶液を作製した。
次いで、5Lの反応容器中に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10部をイオン交換水400部に溶解させた開始剤水溶液を添加し、上記単量体混合液を2時間かけて滴下し、この系を80℃にて2時間にわたり加熱、
攪拌することによって島樹脂粒子B1分散液を得た。
この島樹脂粒子B1分散液を構成する島樹脂粒子B1のガラス点移転点(TgB)は20℃、分子量は100,000であった。
<島樹脂粒子B2〜B6分散液の調製>
単量体溶液を構成する単量体800部の種類及び組成比と、n−オクチルメルカプタン量を表2に示すように変更したことのほかは島樹脂粒子B1分散液の調製と同様にして島樹脂粒子B2〜B6を分散液を得た。
これら島樹脂粒子のガラス転移点(TgB)、分子量を表2に示す。
Figure 2008180938
《シェル層用樹脂粒子》
<シェル用樹脂粒子C1分散液の調製>
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた5Lの反応容器にアニオン系活性剤(前記構造式1)2.0部をイオン交換水3000部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10部をイオン交換水200部に溶解させた開始剤溶液を添加し、スチレンを528部、n−ブチルアクリレートを176部、メタクリル酸を120部、n−オクチルメルカプタン(=NOM)を22部からなる単量体混合液を3時間かけて滴下し、この系を80℃にて1時間にわたり加熱、攪拌することによって重合を行い樹脂粒子を調製した。これを「シェル用樹脂粒子C1」とする。
<シェル用樹脂粒子C2分散液の調製>
「シェル用樹脂粒子C1」の調製において、スチレンを556部、n−ブチルアクリレートを148部、n−オクチルメルカプタンを14部に変更した単量体混合液を用いた以外は同様にして重合を行い樹脂粒子を調製した。これを「シェル用樹脂粒子C2」とする。
<シェル用樹脂粒子C3分散液の調製>
「シェル用樹脂粒子C1」の調製において、スチレンを516部、n−ブチルアクリレートを204部、メタアクリル酸を100部、n−オクチルメルカプタンを16部に変更した単量体混合液を用いた以外は同様にして重合を行い樹脂粒子を調製した。これを「シェル用樹脂粒子C3」とする。
<シェル用樹脂粒子C4分散液の調製>
「シェル用樹脂粒子C1」の調製において、スチレンを452部、n−ブチルアクリレートを236部、メタアクリル酸を140部、n−オクチルメルカプタンを22部に変更した単量体混合液を用いた以外は同様にして重合を行い樹脂粒子を調製した。これを「シェル用樹脂粒子C4」とする。
上記シェル用樹脂粒子C1〜C4のガラス転移点温度(TgC)及び分子量を表3に示す。
Figure 2008180938
《トナーの作製》
下記のようにして、トナー1〜13を作製した。
〈トナー1の作製〉
<着色剤分散液の調製例1>
ドデシル硫酸ナトリウム90部をイオン交換水1600部に撹拌溶解させた溶液に、撹拌下、C.I.ピグメントブルー15:3を420部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤分散液〔1〕を得た。この着色剤分散液〔1〕中の着色剤の粒径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定した結果、質量平均径で110nmであった。
(塩析/融着(会合・融着)工程)(コア部の形成)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、海樹脂粒子A1分散液を固形分換算で405部と、島樹脂粒子B1分散液を固形分換算で45部と、イオン交換水1100部と、着色剤分散液〔1〕100部を仕込み、液温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム60部をイオン交換水60部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。その後、3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。その状態で「コールターカウンターTA−II」(コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、粒子のメディアン系(D50)が5.5μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2部をイオン交換水1000部に溶解した水溶液を添加して粒径成長を停止させ、更に、熟成処理として液温度70℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより融着を継続させ、「コア部1」を形成した。
「コア部1」の円形度を「FPIA2000」(システックス社製)にて測定したところ0.912であった。
(シェル層の形成)(シェリング操作)
次いで、65℃において「シェル用樹脂粒子C1」を固形分換算で50部添加し、さらに塩化マグネシウム・6水和物2部をイオン交換水1000部に溶解した水溶液を、10分間かけて添加した後、70℃(シェル化温度)まで昇温し、1時間にわたり撹拌を継続し、「コア部1」の表面に、「シェル層用樹脂粒子1」の粒子を融着させた後、75℃で20分熟成処理を行い、シェル層を形成させた。
ここで、塩化ナトリウム40.2部を加え、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより、コア部表面にシェル層を有する「トナー1」を得た。
〈トナー2〜11の作製〉
「トナー1」の作製において用いた海樹脂粒子A1、島樹脂粒子B1及びシェル用樹脂粒子C1を、表4に記載の海樹脂粒子、島樹脂粒子、シェル用樹脂粒子の種と割合に変更した以外は、トナー1の作製と同様にして「トナー2〜11」を作製した。
Figure 2008180938
表4中の樹脂組成の内、質量%は各トナーとも、樹脂の組成の総量は500質量部とし、各樹脂の割合を質量%で変化させている。例えば、トナー2の海樹脂粒子A2は質量%では84%で、その量は500×0.84=420部を表す。
《外添処理工程》
上記で調製した「トナー1〜11」に疎水性シリカ(数平均一次粒径=12nm、疎水化度=68)を1質量%および疎水性酸化チタン(数平均一次粒径=20nm、疎水化度=63)を1.2質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して「トナー1〜11」を調製した。
《現像剤の調製》
次いで、上記調製した各トナーに対して、シリコン樹脂を被覆した体積平均粒径50μmのフェライトキャリアを混合し、それぞれトナー濃度が6%の「現像剤1〜11」を調製した。
評価
電子写真方式を採用した、基本的に図5の構成を有する市販のカラー複合機「bizhubPRO C500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製:中間転写体ベルトのタンデムカラー機:線速を300mm/sec)を評価機として用い、該評価機に前記現像剤1〜11を各々搭載し、シアントナー単色にて下記のような評価を行った。結果を表4に示す。
〈耐熱保管性〉
耐熱保管性は、上記で作製した各トナー100部を、55℃、90%RHの条件下に24時間放置した後、目開き45μmのフルイで篩い、フルイ上に残った凝集物の量(割合)で評価した。
評価基準
◎:フルイ上の量が、5質量%未満で凝集量が非常に少なく耐熱保管性優良(断熱梱包材が全くなしで夏場に輸送を行っても凝集物の発生なし)
○:フルイ上の量が、5〜30質量%で凝集量が少なく耐熱保管性良好(ダンボール梱包のみで夏場に輸送を行っても凝集物の発生なし)
×:フルイ上の量が、30質量%より多く、凝集量が多く実用上問題(保冷輸送を行う必要がある)。
(低温定着性)
定着装置の加熱ローラの表面温度が80℃〜150℃の範囲で10℃刻みで変化するよう変更し、各温度においてA4サイズのPODグロスコート紙(王子製紙社製)に対して搬送方向に対して垂直方向に5cm幅のベタシアン帯状画像(トナー付着量10〜11g/m2)を形成させたものを縦送りで搬送する実写テストを行い、コールドオフセットが生じなくなる(低温側でオフセットが生じない)定着温度(最低定着温度)により評価した。定着温度は加熱ローラの表面温度を温度センサーで測定した。
最低定着温度が130℃未満であれば合格とした。
(折り目定着性)
上記低温定着性評価において得られた最低定着温度より20℃高い定着温度で得られたベタシアン帯状画像(トナー付着量10〜11g/m2)を用いて、折り目定着性の評価を行なった。
折り曲げ機を用いて加重100gで定着画像に折り目を入れ、その後、折り目部分にエアーガンを吹きつけ剥離したトナー層を除去した後、目視にて折り目部分を観察する。
<評価基準>
◎:ひび割れもなく画像に欠陥が見られない(良好)。
○:トナー画像にひび割れが生じているが、トナー層の剥離が僅かであり性能上問題がないレベル(実用性可)。
△:トナー画像にひび割れが生じており、折り目部分に紙表面によるラインは観察されないが、トナー層の剥離が多く性能上に問題があるレベル(実用化には改良が必要)。
×:トナー層の剥離がひどく、折り目部分に紙表面による白色のラインが観察される(実用性全くなし)。
Figure 2008180938
上記表5より明らかな如く、本発明内のトナー1〜4、トナー6〜8は耐熱保管性、低温定着性及び折り目定着性のいずれも、よい特性を示しているが、本発明外のトナー5、9〜1は少なくとも何れかの特性に問題があることがわかる。
コアシェル構造を有するトナーの模式図である。 本発明に係るトナーが使用可能な画像形成装置の断面図である。 加熱ロール方式の定着装置の一例を示す断面図である。 ベルトと加熱ローラを用いたタイプの定着装置の一例を示す断面図である。 本発明に係るトナーが使用可能なカラー画像形成装置の断面構成図である。
符号の説明
10 感光体ドラム
11 スコロトロン帯電器
11A 帯電前露光手段
12 レーザ書込み装置
T トナー
A コアの海構造
B コアの島構造
C シェル構造
D 各直線がコア粒子表面と交わる点
E 各直線がシェル層表面と交わる点

Claims (4)

  1. 少なくとも樹脂と着色剤を含有するコアの表面にシェルを有するコアシェル構造を有する静電荷像現像用トナーにおいて、該コアはビニル系共重合体の海樹脂中に、多価カルボン酸を含むビニル系重合性単量体より形成されるビニル系重合体樹脂(=島樹脂)が分散する海島構造を有しており、海樹脂のガラス転移点をTgA、島樹脂のガラス転移点をTgB、シェル用樹脂のガラス転移点をTgCとすると、これらのガラス転移点が下記式の関係を有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    TgB<TgA<TgC
  2. 前記TgAが35℃±5℃、TgBが20℃±5℃、TgC−TgA≧10℃、であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 海樹脂粒子と島樹脂粒子及び着色剤粒子とを凝集させて、海島構造を有するコア粒子を作製する工程と、該コア粒子の表面にシェル用樹脂粒子を融着させる工程を経て、海島構造を有するコアシェル構造のトナーを製造することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 感光体上に形成された静電潜像を静電荷像現像用トナーを含有する現像剤により、顕像化したトナー像を記録材に転写し、定着装置において加熱定着する画像形成方法において、前記静電荷像現像用トナーが請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーであって、プリント速度が300mm/sec以上であることを特徴とする画像形成方法。
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