JP2008145384A - イオン交換樹脂の評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体や液晶製造用の洗浄水として使用される超純水を製造するに際し、シリコン物質表面のエッチング度合が低い超純水を製造するのに適したイオン交換樹脂を簡易かつ高感度に選定するための評価方法を提供する。
【解決の手段】イオン交換樹脂を充填したカラムに超純水を通水し、次いで超純水をシリコン物質と接触させた後、該超純水中に含有されるシリカ濃度と、前記イオン交換樹脂を充填したカラムに通水させることなく超純水をシリコン物質と接触させて得られる超純水中に含有されるシリカ濃度とを測定し、両者の濃度を比較することにより、シリコン物質を洗浄するための超純水の製造に適したイオン交換樹脂を選択する。
【選択図】 図1
【解決の手段】イオン交換樹脂を充填したカラムに超純水を通水し、次いで超純水をシリコン物質と接触させた後、該超純水中に含有されるシリカ濃度と、前記イオン交換樹脂を充填したカラムに通水させることなく超純水をシリコン物質と接触させて得られる超純水中に含有されるシリカ濃度とを測定し、両者の濃度を比較することにより、シリコン物質を洗浄するための超純水の製造に適したイオン交換樹脂を選択する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、イオン交換樹脂の評価方法に関し、さらに詳しくは、シリコンウエハのエッチングの原因となるアミン類の溶出性を評価する超純水製造用イオン交換樹脂の評価方法に関するものである。
IC、LSI等の半導体製造工程や、液晶製造工程、医薬品製造工程などにおいては、超純水が用いられている。このような分野で用いられている超純水は、通常、イオン交換樹脂を含む1次純水製造系で1次純水を製造し、得られる1次純水をイオン交換樹脂、紫外線酸化、逆浸透膜処理等を含む2次純水製造系で処理することにより、不純物をさらに除去して高純度にしたものである。
このような超純水において、特に半導体製造工程で洗浄用水として使用される超純水としては、半導体集積回路の集積度向上および微細化の進行に伴って、含まれる不純物を極めて低い濃度に維持することが求められてきた。このような超純水に含まれる不純物としては、微粒子、バクテリア、金属元素などとともに、有機物があることが知られている。このうち鉄や亜鉛などの金属元素に関しては、近年の超純水には1ng/L以下とすることが求められている。有機物は全有機炭素(TOC)として測定されるが、近年ではTOC濃度として1μg/L以下とすることが求められている。
国際半導体製造技術ロードマップ(ITRS:International Technology Roadmap for Semiconductor)にも示されているように、半導体製造工程においては、半導体デバイスの高精細化が進むにしたがい、シリコンウエハ表面の清浄度の維持、平坦度の維持が重要になってきている。
シリコンウエハの表面が、ある種のアミンの存在でエッチングされることは既に古くから知られており(例えば、R.M.Finne and D.L. Klein,A Water−Amine−Complexing Agent System for Etching Silicon,J.Electrochemical Soc.:SOLID STATE SCIENCE,p965,September 1967など)、さらにはアミンによるシリコンウエハ表面の荒れが半導体デバイスを製造する際に問題となることが知られている(特開2003−142447号公報)。したがって半導体製造工程においては、超純水による洗浄時にシリコンウエハ表面の荒れの少ない水を使用することが必要であり、使用する水の性質がシリコンウエハ表面をエッチングする水かエッチングしない水かを判断することが工業的には極めて重要である。そこで、超純水がシリコンウエハに与える影響度を利用した超純水の水質評価方法も提案されている(特開2006−29880号公報)。
一方、超純水の製造方法によっては、その製造工程中にイオン交換樹脂などから溶出したアミン類が混入することがある。このアミン類が混入した超純水を用いてシリコンウエハを洗浄すると、リンス工程では好ましくないエッチング作用を起こすことも知られている。そこで従来は、超純水を製造するのに適したイオン交換樹脂を選定するための評価方法として、イオン交換樹脂を充填したカラムに超純水を通水し、カラムから流出する処理水の抵抗率やTOC濃度、トリメチルアミンなどの低分子量のアミン濃度を測定して、それらの濃度が低いものの方が良好な品質のイオン交換樹脂であると判断していた。
特開2003−142447号公報
特開2006−29880号公報
イオン交換樹脂の評価のためにイオン交換樹脂から溶出するTOCやアミン類などの濃度を測定しても、これらの不純物濃度が高いときに、半導体製造においてどのような不具合が起こるのか不明であった。また、半導体製造工程で製品の性能低下などの問題が起こったとき、超純水中の不純物濃度を測定して原因を探すことを試みても不純物と性能低下との因果関係がわからず、原因を解明できないことが多かった。
本願発明は、このような事情のもとで、特に半導体や液晶製造用の洗浄水として使用される超純水を製造するために使用されるイオン交換樹脂について、シリコンウエハに対する影響度を指標として簡易かつ高感度に超純水製造に適するイオン交換樹脂を選定するための評価方法を提供することを目的としている。
そこで、発明者は、水中の極微量シリカの分析手法を活用して、シリコンのエッチング性と溶出したシリカ濃度の関係を鋭意検討した結果、シリコンをエッチングしやすい水にシリコンウエハを接触させた水の中のシリカ濃度は相対的に高く、エッチングが少ない水へのシリカ溶出は少ないという関係を見出し、この知見に基づいて本願発明を完成するに至った。
本願発明は、次のイオン交換樹脂の評価方法である。
(1) イオン交換樹脂を充填したカラムに超純水を通水し、次いで該超純水をシリコン物質と接触させた後、該超純水中に含有するシリカ濃度と、前記イオン交換樹脂を充填したカラムに通水することなく超純水をシリコン物質と接触させた後、該超純水中に含有するシリカ濃度とを求め、これらのシリカ濃度の差に基づいてイオン交換樹脂の品質を評価することを特徴とするイオン交換樹脂の評価方法。
(2) 超純水と接触させるシリコン物質が、シリコンウエハ、シリコンウエハの小片もしくは粉末、粒状シリコン、シリコン結晶の小片、またはこれらを複数組み合わせたものであることを特徴とする上記(1)に記載のイオン交換樹脂の評価方法。
すなわち、シリコンと接触した水の中にシリカが高い濃度で含まれていれば、その水はシリコン表面をエッチングして平坦なウエハ表面にダメージを与える可能性があるということを判定できる。
したがってイオン交換樹脂を充填したカラムに通水した超純水を、上記のようなシリコン物質と接触させ、このときの水中のシリカ濃度を測定し、その濃度と、イオン交換樹脂に通水する前の超純水を同様にシリコン物質と接触させて測定した水中のシリカ濃度とを比較し、それらの差が大きいときにはイオン交換樹脂からシリコンをエッチングする物質が多く溶出していると判定することができる。このようにして超純水をシリコン物質と接触させ、溶出したシリカ濃度を測定することによって、その超純水がシリコンをエッチングしやすいか否か、すなわち半導体製造上の問題を起こす物質がイオン交換樹脂から溶出して水中に含まれるか否かを判定する方法を提供することができる。
本願発明のイオン交換樹脂の評価方法によれば、超純水をイオン交換樹脂カラムに通水し、次いでシリコン物質と接触させて該超純水中のシリカ濃度を測定することによって、このイオン交換樹脂と接触した超純水がシリコンウエハ表面をエッチングする性質を有するか否かを容易に判定できるので、シリコンウエハ表面をエッチングする物質を溶出しにくい超純水製造用のイオン交換樹脂を選定することが可能となる。超純水製造に適したイオン交換樹脂を選定して使用することにより、半導体製造上の不具合の発生防止に極めて有効である。
シリコンはアルカリでエッチングされること、及び水中にアミンが存在するとアルカリ性を示すことから、アミンの存在によるシリコン表面のエッチングはアルカリによるエッチングと考えられる。アルカリによって溶解したシリコンはSi(OH)4の形で水中に溶出し、これが解離してイオン状のシリカとして存在する(通常、SiO2と表現される)。
水中のイオン状シリカSiO2はモリブデン酸イオンと反応してモリブデン酸錯体を形成し、これが440nm程度の波長の光を吸収すること、またはこの還元体が880nm程度の光を吸収することを利用してシリカ濃度の分析に用いられている。
したがって超純水をイオン交換樹脂カラムに通水後、シリコンウエハまたはシリコン結晶の破片等のシリコン物質と接触した超純水中のシリカ濃度を測定し、イオン交換樹脂カラムに通水しない場合のそれと比較することでイオン交換樹脂との接触によって増加したシリカ濃度を測定することができる。シリコン物質と接触する水の中のアミン濃度が増加すると、溶出するシリコンの量、つまり水中のシリカ濃度も増加することから、定期的あるいは連続的にシリカ濃度をモニタリングすることでシリコンに通水する水の水質変動をシリコンへのエッチング度合という形でモニタリングすることができる。また、シリコンへの接触条件を一定にすることによって、複数の水が有するシリコンへのエッチング度合を比較対比することができる。
検出するシリカ濃度は必ずしもSiO2の濃度である必要はなく、前述のシリカ濃度の変化が検知できる物理量(例えば光の吸収度(吸光度)など)であれば良く、他のイオン濃度等の条件が一定であれば、電気抵抗のような物性値でも良い。
本願発明のイオン交換樹脂の評価方法において、イオン交換樹脂に超純水を接触させる方法としては、超純水の入口と出口が設けられた任意の容器にイオン交換樹脂を充填し、超純水をイオン交換樹脂と接触させた後、容器から超純水を取り出すことができれば良く、各種容器を使用可能である。超純水とイオン交換樹脂との効率的な接触およびイオン交換樹脂から溶出する微量のアミン濃度を考慮すると、イオン交換樹脂を充填したカラムに超純水を通水する方法が望ましい。
イオン交換樹脂に通水する超純水としては、後段のシリコン物質から溶出するシリカ濃度が検出できる程度の低シリカ濃度の水であれば使用可能であるが、極めてシリカ濃度が低く、他の不純物をほとんど含まない超純水を使用することが望ましい。このような超純水としては比抵抗18メグオーム・センチメートル以上、シリカ濃度1μg/L以下であることが好ましい。
イオン交換樹脂カラムに通水した超純水を接触させるシリコン物質としては、この超純水がシリコンウエハをエッチングする性質のものであるか否かを判定することができれば良く、シリコンウエハ、シリコンウエハの小片、シリコンウエハの粉末、粒状シリコン、シリコン結晶の小片、またはこれらを複数組み合わせたものが好適に使用可能である。シリコンは高純度のシリコンを使用する方が好ましい。シリコン結晶は単結晶体以外に、シリコン多結晶体を用いることもできる。高純度のシリコン物質としては、シリコンウエハを用いるのが好ましい。また、本願発明のイオン交換樹脂の評価に用いるシリコン物質は、シリコン物質の表面に生成している自然酸化膜を除去して用いるのが望ましい。それには濃度0.1〜1.0重量%に調製した希フッ酸にシリコン物質を浸漬することにより表面に生成した自然酸化膜を除去することができる。
上記のようなシリコン物質に超純水を接触させる方法としては、シリコン物質を容器に入れてそこへ超純水を通水すれば良く、各種の方法が利用可能であるが、簡単かつ効率良く接触させるためには、シリコン物質を充填したカラムに超純水を通水する方法が好ましい。この場合、カラムに充填するシリコン物質の大きさに特に制限はないが、接触効率及び圧損を考慮すると通常0.1〜5mm、好ましくは0.3〜1mmの大きさのものを使用することができる。また、カラムの長さは通常20〜200mm、好ましくは50〜150mmのものを使用することができる。シリコン物質を充填したカラムへの超純水の通水速度は通常10〜200ml/分、好ましくは50〜150ml/分である。
シリコン物質と接触させた超純水中のシリカ濃度の検出方法としては、モリブデン酸錯体の吸光度によるシリカ濃度測定法以外に、イオンクロマトグラフによる濃縮分析法、誘導結合プラズマ−質量分析法(ICP−MS)、黒鉛炉原子吸光光度法(GF−AA)などの原子吸光光度法、その他水中のシリカ(シリコン酸化物)を検出できる方法が適用可能である。
上記のような本願発明を利用することにより、シリコンウエハ表面を平坦に保つことができる超純水を製造することができる。すなわち、シリコンウエハ表面をエッチングする物質を溶出しにくいイオン交換樹脂を比較検討することが可能となり、半導体や液晶製造時に問題を生じない超純水製造用のイオン交換樹脂を容易に選択することができるようになる。
以下に実施例を挙げて本願発明をさらに詳細に説明するが、本願発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に、本願発明のイオン交換樹脂の評価に用いたシリコン物質接触装置1の一実施例の態様を示す。内径8mm、長さ10cmの両端目皿つきのフッ素樹脂製カラム6に、直径約0.5mmのシリコン粒子7を約5ml充填し、フッ素樹脂製カラム6の両端にチューブ継ぎ手4、5を用いて外径6mmのフッ素樹脂製チューブ8、9を接続した。カラム6の入口および出口側にはコック2、3をつけて閉止可能とした。
図1に、本願発明のイオン交換樹脂の評価に用いたシリコン物質接触装置1の一実施例の態様を示す。内径8mm、長さ10cmの両端目皿つきのフッ素樹脂製カラム6に、直径約0.5mmのシリコン粒子7を約5ml充填し、フッ素樹脂製カラム6の両端にチューブ継ぎ手4、5を用いて外径6mmのフッ素樹脂製チューブ8、9を接続した。カラム6の入口および出口側にはコック2、3をつけて閉止可能とした。
このシリコン物質接触装置1に小流量ポンプ(図示せず)を用いて超純水を供給し、シリコン粒子7を充填したフッ素樹脂製カラム6の内部から空気を取り除いた後、プラスチック製注射器を用いて、濃度0.5重量%に調製した希フッ酸5mlを注入した。希フッ酸を注入後、2分間静置し、シリコン粒子表面の自然酸化膜を除去した。その後、超純水を15ml注入してカラム内部の希フッ酸を除去した。
小流量ポンプを用いて1分間に100mlの速度で超純水200mlをこのカラム6に供給し、カラムの出口側に設けたフッ素樹脂製チューブ9からの排出水を清浄な容器に受けた。この排出水はJIS K−0101工業用水試験方法に記載のモリブデン青によるシリカ分析法を用いてシリカ濃度を分析した結果、80μg/Lの濃度を示した。
一方、内径50mm、長さ1mのアクリル製カラムを2本用意し、この一方には銘柄Aの陰イオン交換樹脂1Lを充填し、他方のカラムには銘柄Bの陰イオン交換樹脂1Lを充填した。これらの樹脂を充填した2本のアクリルカラムに超純水をそれぞれ1L/分の流量で5時間通水し、5時間通水後のカラム出口水を採取した。
前記と同様にフッ素樹脂製カラムにシリコン粒子を充填し、希フッ酸でシリコン粒子表面の自然酸化膜の除去を行ったシリコン物質接触装置のカラムに、上記で採取した5時間通水後のカラム出口水を200ml通水した。シリコン粒子を充填したカラムから得られた排出水のシリカ濃度をJIS K−0101に記載のシリカ分析法によって分析した。その結果、銘柄Aの陰イオン交換樹脂の処理水をシリコン粒子充填カラムに通過させた方の排出水には140μg/L、銘柄Bの陰イオン交換樹脂の処理水をシリコン粒子充填カラムに通過させた方の排出水には95μg/Lのシリカがそれぞれ検出された。この結果を表1にまとめた。
1 シリコン物質接触装置
2 入口側コック
3 出口側コック
4、5 チューブ継ぎ手
6 フッ素樹脂製カラム
7 シリコン粒子
8、9 フッ素樹脂製チューブ
2 入口側コック
3 出口側コック
4、5 チューブ継ぎ手
6 フッ素樹脂製カラム
7 シリコン粒子
8、9 フッ素樹脂製チューブ
Claims (2)
- イオン交換樹脂を充填したカラムに超純水を通水し、次いで該超純水をシリコン物質と接触させた後、該超純水中に含有するシリカ濃度と、前記イオン交換樹脂を充填したカラムに通水することなく超純水をシリコン物質と接触させた後、該超純水中に含有するシリカ濃度とを求め、これらのシリカ濃度の差に基づいてイオン交換樹脂の品質を評価することを特徴とするイオン交換樹脂の評価方法。
- 超純水と接触させるシリコン物質が、シリコンウエハ、シリコンウエハの小片もしくは粉末、粒状シリコン、シリコン結晶の小片、またはこれらを複数組み合わせたものであることを特徴とする請求項1に記載のイオン交換樹脂の評価方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2006335773A JP2008145384A (ja) | 2006-12-13 | 2006-12-13 | イオン交換樹脂の評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2006335773A JP2008145384A (ja) | 2006-12-13 | 2006-12-13 | イオン交換樹脂の評価方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2008145384A true JP2008145384A (ja) | 2008-06-26 |
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ID=39605712
Family Applications (1)
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| JP2006335773A Pending JP2008145384A (ja) | 2006-12-13 | 2006-12-13 | イオン交換樹脂の評価方法 |
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2017067616A (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | 栗田工業株式会社 | 炭酸水のシリカ濃度の分析方法 |
| WO2022074817A1 (ja) * | 2020-10-09 | 2022-04-14 | 三菱重工業株式会社 | 分析システム及び管理システム、分析方法、並びに分析プログラム |
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2006
- 2006-12-13 JP JP2006335773A patent/JP2008145384A/ja active Pending
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