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JP2008038009A - 環状構造高分子及びそれを含む樹脂組成物 - Google Patents

環状構造高分子及びそれを含む樹脂組成物 Download PDF

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JP2008038009A JP2006213671A JP2006213671A JP2008038009A JP 2008038009 A JP2008038009 A JP 2008038009A JP 2006213671 A JP2006213671 A JP 2006213671A JP 2006213671 A JP2006213671 A JP 2006213671A JP 2008038009 A JP2008038009 A JP 2008038009A
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Yukihiko Yamashita
幸彦 山下
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】靭性を維持した上で、相反する特性、特に高耐熱性と低溶融粘度を両立する環状構造高分子組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】主鎖を構成する繰り返し単位中にアミド結合が2個以上からなるポリアミド系線状高分子の両末端又はその近傍同士を同一分子内において共有結合で結合させた環状構造を形成することにより種々の相反する特性を両立できる環状高分子に、線状シリコーン系化合物を添加した環状構造高分子組成物を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド系新規構造高分子組成物及びその製造方法に関する。
工業的に用いられている代表的高分子を挙げると、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミト゛樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース樹脂、及びこれらの誘導体等を挙げることができ、ゴム状の柔軟なものから高温でもガラス状態を維持する高耐熱樹脂、更には生体適合樹脂まで多種多様に存在する。また、実用上はこれらの特徴を両立する目的でこれらの樹脂を混合する複合化技術により更に適用範囲を広げることができる。例えば近年では鮭のDNAとコラーゲンとの複合化まで研究されており、きわめて広範囲の高分子材料が検討されて、複合化技術により著しい種類の高分子材料が研究されている。また、これらの高分子材料に化学結合性の官能基を導入することにより、三次元化させることも可能であり、この方法は一般に熱硬化性樹脂として特に高耐熱性を要求される分野へ使われている。
これらの代表的な高分子材料又は複合化高分子材料に共通する特徴のひとつとして、線状高分子であることが挙げられる。即ち、必ず分子の両末端が存在する。三次元架橋体は線状構造ではないが硬化前のプレポリマーが線状構造であることから、分子末端は存在する。しかしながら、一般に分子末端の存在は、諸々の特性低下を引き起こす原因の一つとなっており、分子末端が存在しない高分子材料の開発が模索されている(特開平11−80363号公報)。
例えば、靭性については、高分子の分子量が大きいほど靭性は向上するが、その理由の一つは、高分子量化によって単位体積あたりの分子末端の数を減少させることにより、分子末端近傍に集中する応力による破壊を抑制していることによる。ある種のポリプロピレンの高延伸繊維は、鉄を超える靭性を有しているが、これは高分子量化による単位体積当たりの分子末端の減少が強靭性を向上させた実例である。
また、ポリカーボネート樹脂の熱安定性については、加熱により分子末端から分解が始まることが知られており、分子末端を非活性することにより熱分解温度を上昇させ、熱安定性を向上させている。
一般に高分子材料における水分の透過性は、ガラス等の無機物質に比較すると非常に高い。これは自由体積が大きいために水分子の透過パスが大きくなるためである。特に分子末端近傍において自由体積は大きいと理論的に予測されている。透明の低透湿高分子材料は、高分子材料の特長である加工性の高さから期待されており、分子量を大きくすることにより水分の透過性を向上させる効果があることが確認されている。
ポリアミド樹脂又はポリイミド樹脂は、高耐熱樹脂として半導体関連材料に多く用いられているが、高耐熱性と低溶融粘度とを両立することができない。即ち、耐熱性を向上させるためには通常分子運動を抑制する単量体を用いるが、ガラス転移温度の上昇及び溶融粘度の増大が同時に起こり、この結果加工性を低下させてしまうという問題点がある。
本発明者は種々研究した結果、主鎖を構成する繰り返し単位中にアミド結合が2個以上からなるポリアミド系線状高分子の両末端又はその近傍同士を同一分子内において共有結合で結合させた環状構造を形成することにより、種々の相反する特性を両立できることを見出した。
特開平11−80363号公報
本発明は、線状高分子の両末端又は末端近傍を同一分子内で結合させることにより、靭性を維持した上で、相反する特性、特に高耐熱性と低溶融粘度を両立する環状構造高分子組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の環状構造高分子組成物の製造方法は、主鎖を構成する繰り返し単位中にアミド結合が2個以上からなるポリアミド系線状高分子の両末端又はその近傍同士を同一分子内において共有結合で結合させた環状構造を形成することにより種々の相反する特性を両立できる環状高分子に、線状シリコーン系化合物を添加することを特徴とする。
本発明の環状構造高分子組成物は、主鎖を構成する繰り返し単位中にアミド結合が2個以上からなるポリアミド系線状高分子の両末端又はその近傍同士を同一分子内において共有結合で結合させた環状構造である環状高分子に、線状シリコーン系化合物を添加して得られることを特徴とする。
本発明の環状構造高分子組成物およびその製造方法はまた、線状高分子が単量体をつなぐ結合がアミド結合のみからなるものであってもよい。
本発明の別の環状構造高分子組成物およびその製造方法は、線状高分子の主鎖を構成する繰り返し単位が芳香族分子と脂肪族分子とからなることを特徴とする。単量体がジアミン化合物、ジカボキシル化合物、ジイソシアネート化合物の組み合わせにおいて、一方が脂肪族化合物であり、一方が芳香族化合物であることを特徴とするものである。但し、ここに示した化合物は一例であり、これらに制限されるものではない。
本発明のさらに別の環状構造高分子組成物およびその製造方法は、線状高分子の主鎖を構成する繰り返し単位が脂肪族分子からなることを特徴とする。単量体がジアミン化合物、ジカボキシル化合物、ジイソシアネート化合物の組み合わせにおいて、すべてが脂肪族化合物であることを特徴とするものである。但し、ここに示した化合物は一例であり、これらに制限されるものではない。
本発明の別の環状構造高分子組成物およびその製造方法は、線状高分子の主鎖を構成する繰り返し単位の芳香族からなることを特徴とする。単量体がジアミン化合物、ジカボキシル化合物、ジイソシアネート化合物の組み合わせにおいて、すべてが芳香族化合物であることを特徴とするものである。但し、ここに示した化合物は一例であり、これらに制限されるものではない。
本発明の高分子混合物は、上述のいずれかの環状構造高分子組成物と線状高分子と、少なくとも1種の混合可能な他種高分子との混合物であることを特徴とする。単量体がジアミン化合物、ジカルボキル化合物、ジイソシアネート化合物の組み合わせからなる線状高分子と環状高分子の混合物であっても良い。線状高分子と環状高分子の混合比は、特に制限はないが、好ましくは線状高分子の割合が20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下、最も好ましくは線状高分子が5重量%以下である。
本発明の環状構造高分子組成物または高分子混合物は、上述のいずれかの環状構造高分子組成物又は高分子混合物に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含有してもよい。単量体からなる環状構造高分子組成物及び/または線状高分子との混合物に、酸化防止剤として、公知のフェノール系酸化防止剤、公知のりん系酸化防止剤、及びこれらの酸化防止剤混合物、更には公知の紫外線吸収剤、公知のシランカップリング剤等の添加剤を適宜添加することができる。
本発明の環状構造高分子組成物により、通常相反する特性である高耐熱性と低溶融粘度を両立することが可能となる。このことにより、種々の部材に用いる際に溶融粘度の低下により加工性が向上し生産性が向上するとともに、加工に必要となる設備投資を抑制することができる。
以下に本発明の主鎖を構成する結合が主としてアミド結合からなる環状構造高分子について具体例を挙げて説明する。
(1)線状高分子の合成
主鎖を構成する結合が主としてアミド結合からなる線状高分子の合成については、特に制限はなく、例えば、用いる単量体にジアミン化合物とジカルボキシル化合物を縮合させる、ジアミン化合物とジ酸クロライド化合物を縮合させる、ジカルボキシル化合物とイソシアネート化合物を縮合させる等の公知の方法を用いることができる。但し、ここに示した方法は一例でありこれらに制限されるものではない。
例えば、ジアミン化合物とジ酸クロライド化合物を縮合させる方法を用いる場合には、ジアミン化合物とジ酸クロライド化合物を非活性の溶媒中で反応させることにより合成することができる。
用いることができるジアミン化合物としては、ジアミノベンゼン、ジアミノナフタレン、ジアミノアントラセン、炭素数が1から15のアルキルジアミン化合物、ジアミノピリジン、ジアミノピペラジン、ジアミノピリミジン等のヘテロ環を有するジアミノ化合物、カルボキシル基を有する芳香族ジアミノ化合物、ビスアミノフェノキシフェニルプロパン、ビスアミノフェノキシビフェニル、ビスアミノフェニルスルホン等が挙げられる。但し、ここに示した化合物は一例であり、これらに制限されるものではない。
用いることができるジ酸クロライド化合物としては、フタル酸クロライド、イソフタル酸クロライド、テルフタル酸クロライド、ナフタレンジ酸クロライド、アントラセンジ酸クロライド、炭素数1から15のジ酸クロライド等が挙げられる。但し、ここに示した例は一例であり、これらに制限されるものではない。
重合方法は特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、非活性溶媒中で前記ジアミノ化合物と前記ジ酸クロライドを反応させることにより合成できる。用いることができる溶媒としては、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、γ―ブチロラクトン等が挙げられる。但し、ここに示した例は一例であり、これらに制限されるものではない。
また、公知の界面重縮合反応を用いることもできる。例えば、ジアミノ化合物を蒸留水中に溶解させ、ジ酸クロライド化合物を水と非相溶の溶媒である塩化メチレン、クロロホルム、トルエン、キシレン等に溶解させ界面にて重縮合させることにより合成することもできる。
溶液重合を行う際には、用いる溶媒に特に制限はなく、生成した高分子が溶解するものであればいかなるものも用いることができる。更に、生成した高分子の溶媒への溶解性が高いことが望ましい。生成した高分子が溶媒への溶解性が低いために溶媒から析出する場合には、高分子の分子量をそれ以上大きくすることができないからである。溶解性を挙げる方法として、塩化リチウム、塩化カルシウム、臭化リチウム、臭化カルシウム等の塩を添加することができる。ここに挙げた塩は一例であり、これらに制限されるものではない。
溶液重合を行う際の温度には、特に制限はなく、いかなる温度でも適宜選択するkとができる。重合温度が高すぎると水等との副反応が相対的に増加する可能性があり、重合温度が低すぎると反応性が低下するおそれがある。そのため、重合温度は0℃から100℃程度が好ましく、更に好ましくは10℃から60℃程度、最も好ましくは10℃から30℃程度である。未反応の単量体を低減する目的で、反応がほぼ終了した後に重合温度を100℃以上に上げることも可能である。
単量体の濃度には特に制限はなく、適宜選択することができる。濃度が低すぎると反応速度が低下し、高分子量体を得るための時間が著しく増加する。また濃度が高すぎると、重合反応の進行に伴って重合系の粘度が上昇し、取り扱いが困難となる。単量体の濃度は、5重量%から50重量%であることが好ましく、更に好ましくは10重量%から40重量%であり、最も好ましくは、15重量%から30重量%である。
本明細書において、線状高分子は、両末端に官能基が導入されていることが好ましい。両末端に導入する官能基の種類に特に制限はなく、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、イソシアネート基、フェノール性水酸基、グリシジル基、ハロゲン化アルキル基等を用いることができる。
末端に官能基を導入する方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、ジアミノ化合物とジ酸クロライド化合物を反応させてアミド系高分子を得る場合には、当モルのジアミノ化合物とジ酸クロライド化合物を配合し、所定の濃度、温度で反応させた後、用いたジアミノ化合物を更に添加し、末端に存在する可能性のある酸クロライド基をアミノ基と反応させることにより両末端にアミノ基を導入することができる。両末端に酸クロライド基を導入したい際には、反応後添加するジアミノ化合物の代わりに酸クロライド化合物を添加することにより実現することができる。但し、目的の高分子の純度を上げるためには、単離精製する必要がある。単離方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
アミノ基又は酸クロライド基以外の官能基を導入する場合にも、その方法に特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、一旦両末端にアミノ基又はカルボキシル基を導入した高分子に、更に所定の導入目的の官能基を同一分子中に複数有する化合物を大過剰に加えて反応させることにより導入することができる。目的の高分子の純度を上げるためには、単離精製する必要がある。単離方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
(2)環状高分子の合成
上述のようにして得られた線状高分子の両末端を同一分子内で共有結合により結合させることにより環状高分子を製造することができる。同一分子内で両末端を結合させる方法を以下に具体例を挙げて説明する。
線状高分子の両末端を同一分子内で反応させるためには、溶液中で行うことが好ましい。溶媒は線状高分子が溶解するものであれば特に制限はなく、公知の溶媒を用いることができる。例えば、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、γ―ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド等を用いることができるが、ここに示した溶媒は一例であり、これらに制限されるものではない。溶解性を向上させるために、塩化リチウム、塩化カルシウム、臭化リチウム、臭化カルシウム等を添加することができるが、ここに示した化合物は一例であり、これらに制限されるものではない。
線状高分子を溶媒に溶解させる条件に特に制限はない。例えば、加熱によって溶解速度を上げることにより溶解時間を短縮することができる。線状高分子の濃度は、線状高分子の孤立鎖が重なり合わない濃度であれば特に制限はない。0.1重量%から5重量%未満が好ましく、更に好ましくは0.2重量%から4重量%であり、最も好ましくは0.3重量%から3重量%である。線状高分子の濃度が0.1重量%未満であると、生産性が非常に悪化し、線状高分子の濃度が5重量%を超えると、同一分子内での両末端間反応に対して異なる分子間の末端間反応が優先的に生起するために、環状高分子が得られにくくなる。
同一分子内の両末端を結合させるためには、上述のように、線状高分子の両末端に官能基を有することが有効である。両末端の官能基は同一のものでもよく、異なるものでも良い。同一の官能基を有する場合には、その官能基と反応できる2官能性の化合物を用いる必要がある。両末端の官能基が異なる場合には、各々が反応し共有結合を形成できることが必要である。
線状高分子の両末端を同一分子内で結合させる際の反応温度には、分子末端間の距離が最も近づく温度を選定する必要がある以外は特に制限はない。例えば、反応温度は0℃から200℃が好ましく、更に好ましくは10℃から180℃、最も好ましくは20℃から150℃である。反応時間は、特に制限はないが、反応が完結するまで継続することが必要である。
同一の官能基を両末端に有する線状高分子の両末端を同一分子内で結合させる方法としては、当該官能基と反応性がある2官能以上の多官能化合物を用いて当該線状高分子の両末端をつなぐことにより達成する方法が挙げられる。線状高分子の両末端に有する同一の官能基としては、例えばアミノ基、酸クロライド基、水酸基、酸無水物基、イソシアネート基、グリシジル基、ハロゲン等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
例えば、線状高分子の両末端の官能基が共にアミノ基である場合には、2官能以上の酸クロライドを用いて当該線状高分子の両末端を共有結合でつなぐことにより達成することができる。用いることのできる酸クロライドとしては、炭素数2から15の脂肪族ジ酸クロライド、フタル酸クロライド、テレフタル酸クロライド、イソフタル酸クロライド等が挙げられるが、ここに示した例は一例であり、これらに制限されるものではない。また、2官能以上の酸クロライドの代わりに、酸無水物を用いることもできる。用いることのできる酸無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸等が挙げられるが、ここに示した例は一例であり、これらに制限されるものではない。さらに、同一分子内に酸無水物基と酸クロライド基を有する化合物を用いることもでき、例えば、無水トリメリット酸クロライド等を挙げることができるが、ここに示した例は一例であり、これらに制限されるものではない。また、前記した酸クロライド化合物の酸クロライド基をカルボキシル基に変えた化合物も用いることができる。
また、2官能性の化合物としては、同一分子内にハロゲン原子を2個以上有する脂肪族系化合物を用いることができる。例えば、炭素数2から15のジハロゲン化アルキルを挙げることができる。ハロゲンとしては、塩素原子、臭素原子が用いることができるが、臭素原子が最も好適である。
また、2つ以上のグリシジル基を有する化合物を用いることができる。例えばビスフェノールAのエピクロロヒドリン付加物等を挙げることができるが、ここに示した例は一例であり、これらに制限されるものではない。
また、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物を用いることができる。例えば、フェニルジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルプロパンジイソシアネート、イソシアネート基を2個以上有する炭素数2から15の脂肪族炭化水素化合物等を挙げることができるが、ここに示した例は一例であり、これらに制限されるものではない。
両末端に酸クロライド基を有する線状高分子の両末端を同一分子内で結合させる方法としては、2つ以上のアミノ基を有する化合物を用いて当該線状高分子の両末端を共有結合でつなぐことにより達成する方法が挙げられる。用いることのできるアミノ化合物としては、2つ以上のアミノ基を有する炭素数2から15の脂肪族炭化水素化合物を挙げることができる。また、2つ以上のアミノ基を有する化合物の代わりに、2つ以上の水酸基を有する化合物を用いることもできる。例えば、ハイドロキノン、レゾルシノール、2つ以上の水酸基を有する炭素数2から15の脂肪族系炭化水素化合物を挙げることができる。但し、ここに示した例は一例であり、これらに制限されるものではない。
両末端に水酸基を有する線状高分子の両末端を同一分子内で結合させる方法としては、2つ以上の酸クロライド基を有する化合物を用いて当該線状高分子の両末端を共有結合でつなぐことにより達成する方法が挙げられる。用いることのできる酸クロライドとしては、例えば、炭素数2から15の脂肪族ジ酸クロライド、フタル酸クロライド、テレフタル酸クロライド、イソフタル酸クロライド等が挙げられる。また、2つ以上の酸クロライド基を有する化合物の代わりに、酸無水物を用いることもでき、例えば、無水ピロメリット酸等を用いることができる。但し、ここに示した例は一例であり、これらに制限されるものではない。
また、同一分子内に酸無水物基と酸クロライド基を有する化合物を用いることもでき、例えば、無水トリメリット酸クロライド等が挙げられるが、ここに示した例は一例であり、これらに制限されるものではない。
両末端に酸無水物基を有する線状高分子の両末端を同一分子内で結合させる方法としては、2つ以上のアミノ基を有する化合物を用いて当該線状高分子の両末端を共有結合でつなぐことにより達成する方法が挙げられる。用いることのできるアミノ化合物としては、2つ以上のアミノ基を有する炭素数2から15の脂肪族炭化水素化合物を挙げることができる。また、2つ以上のアミノ基を有する化合物の代わりに、2つ以上の水酸基を有する化合物を用いることもできる。例えば、ハイドロキノン、レゾルシノール、2つ以上の水酸基を有する炭素数2から15の脂肪族系炭化水素化合物を挙げることができる。但し、ここに示した例は一例であり、これらに制限されるものではない。
両末端にイソシアネート基を有する線状高分子の両末端を同一分子内で結合させる方法としては、2つ以上のアミノ基を有する化合物を用いて当該線状高分子の両末端を共有結合でつなぐことにより達成する方法が挙げられる。用いることのできるアミノ化合物としては、2つ以上のアミノ基を有する炭素数2から15の脂肪族炭化水素化合物を挙げることができる。また、2つ以上のアミノ基を有する化合物の代わりに、2つ以上の水酸基を有する化合物を用いることもできる。例えば、ハイドロキノン、レゾルシノール、2つ以上の水酸基を有する炭素数2から15の脂肪族系炭化水素化合物を挙げることができる。また、前記した酸クロライド化合物の酸クロライド基をカルボキシル基に変えた化合物も用いることができる。但し、ここに示した例は一例であり、これらに制限されるものではない。
両末端にグリシジル基を有する線状高分子の両末端を同一分子内で結合させる方法としては、2つ以上のアミノ基を有する化合物を用いて当該線状高分子の両末端を共有結合でつなぐことにより達成する方法が挙げられる。用いることのできるアミノ化合物としては、2つ以上のアミノ基を有する炭素数2から15の脂肪族炭化水素化合物を挙げることができる。また、2つ以上のアミノ基を有する化合物の代わりに、2つ以上の水酸基を有する化合物を用いることもできる。例えば、ハイドロキノン、レゾルシノール、2つ以上の水酸基を有する炭素数2から15の脂肪族系炭化水素化合物を挙げることができる。また、前記した酸クロライド化合物の酸クロライド基をカルボキシル基に変えた化合物も用いることができる。但し、ここに示した例は一例であり、これらに制限されるものではない。
両末端に塩素原子または臭素原子等のハロゲンを有する線状高分子の両末端を同一分子内で結合させる方法としては、2つ以上のアミノ基を有する化合物を用いて当該線状高分子の両末端を共有結合でつなぐことにより達成する方法が挙げられる。用いることのできるアミノ化合物としては、2つ以上のアミノ基を有する炭素数2から15の脂肪族炭化水素化合物を挙げることができる。また、2つ以上のアミノ基を有する化合物の代わりに、前記した2つ以上の水酸基を有する化合物の金属アルコラートも用いることができる。用いることのできる金属としては、ナトリウム、カリウム等を挙げることができる。但し、ここに示した例は一例であり、これらに制限されるものではない。
添加する多官能化合物の量は、線状高分子の両末端の量に対して0.5倍モルから500倍モルが好ましい。更に好ましくは、0.5倍モルから400倍モルであり、最も好ましくは、0.5倍モルから300倍モルである。例えば、ジ酸クロライドの添加量が0.5倍モル未満のときは環状構造高分子の生成量が低下し、500倍モルを超えると分子間反応が相対的に多く起こり、環状構造高分子の生成量が低下する。
環状高分子が生成していることの特定は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により溶出時間を測定することによって確認することができる。GPCは、高分子の溶液中での流体力学的半径の大きさにより分子がカラム中を通過する時間が異なる性質を利用して分子量を測定するものである。即ち、分子量が大きいほど溶液中での半径が大きく、カラムを通過する時間は短くなる。線状高分子がその末端を結合することにより環状となった場合、溶液中での半径は小さくなるので、GPC測定により分子量を小さく見積もることになる。この特徴を利用して環状構造であることを確認することができる。
このような環状高分子には、分子間の絡み合いが低下するために靭性が低下するという問題点がある。この欠点を解決する手段として、シリコーン系化合物を添加することが有効である。用いることのできるシリコーン系化合物としては、例えば、ジメチルシリコーン、ジフェニルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等が挙げられる。これらの分子量には特に制限はないが、好ましくは1000以上で1000000以下のものが好適である。更に好ましくは、3000以上で700000以下、最も好ましくは5000以上で500000以下である。添加量は、環状高分子の重量に対して0.1重量%から20重量%が好ましい。更に好ましくは0.2重量%から10重量%、最も好ましくは0.5重量%から5重量%である。
次に、以下に示す実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例3において、ポリアミド系高分子の靭性、溶融粘度、ガラス転移温度、熱分解温度の評価を行った結果を示す。
[実施例1]
(線状高分子の合成)
冷却管を備えた3つ口フラスコに水素化カルシウムで脱水したジメチルアセトアミド150gを秤量し、そこにm−ジアミノベンゼン5.05gと無水塩化リチウム7.51gを加えた。乾燥アルゴン気流下で攪拌しながらm−ジアミノベンゼン及び塩化リチウムを溶解させた後、10℃以下に冷却しセバコイルクロライド10.95gを約5分かけて滴下した。発熱による温度上昇を抑えながら10℃以下を維持し、5時間放置した。その後、約25℃に保温しながら20時間攪拌した。その後、m−ジアミノベンゼン0.20gを添加し、60℃にて3時間攪拌しながら保温した。この時点を反応終点とした。
得られた反応混合物を蒸留水500g中に約1時間かけて滴下し、固形分を析出させた。析出した固形分をろ過により分離した後、蒸留水500gの中にこの固形分を分散させカッターミキサーにて粉砕した。これを濾別し蒸留水200g中に分散させ、攪拌しながら残存溶媒を水中に溶出させた。粉砕の後の蒸留水による洗浄を3回繰り返した後、濾別により固形分を分離した。この固形分をアセトン150gに中に分散させ、50℃にて1時間攪拌しながら未反応の単量体及び低分子量物を溶出させた後、濾別により固形分を分離した。アセトンによる洗浄を3回繰り返した。分離した固形分を減圧下、50℃にて約5時間乾燥させて、目的の線状高分子を得た。得られた線状高分子の数平均分子量は、約22500であった。
(環状高分子の合成)
冷却管を備えた3つ口フラスコに水素化カルシウムで脱水したジメチルアセトアミド380g秤量し、乾燥アルゴン気流下で線状高分子1.5gを添加し攪拌して溶解させた。反応系の温度を25℃±3℃に維持した。線状高分子が溶解した後、セバコイルクロライド0.0319gを添加した。その後、同温度を維持したまま約30時間攪拌した。この時点で反応の終点とした。
得られた反応混合物に4gの蒸留水を加え約30分攪拌した後、ナス型フラスコに移し90℃にてエバポレータを用いて溶媒約300gを留去した時点で溶媒の留去作業をとめた。その後、この濃縮した反応混合物を200gの蒸留水中に約1時間かけて滴下した。析出した固形分を濾別により分離した後、蒸留水150g中に分散させ1時間攪拌しながら残存溶媒を水中に溶出させた。その後濾別により固形分を分離した。この操作を3回繰り返した後、アセトン100g中に固形分を分散させ、50℃にて攪拌しながら保持し、未反応のセバシン酸をアセトン中に溶出させた。その後、濾別により固形分を分離した。この操作を3回繰り返した後、減圧下、50℃にて5時間乾燥させ、目的の環状高分子を得た。得られた環状高分子の数平均分子量は、約16800であった。
(環状構造高分子組成物の製造)
得られた環状高分子の5重量%のN-メチルピロリドン溶液を調整し、それに分子量5000のジメチルシリコーンを環状高分子の重量に対して1重量%添加した。その混合溶液をガラス上に溜延し、加熱下にN-メチルピロリドンを除去し、評価用サンプルを得た。
(分析)
[分子量測定]
環状高分子及び線状高分子の分子量の測定及び流体力学的半径の測定は、GPCにより、日立製作所製 L6000を用いて行った。なお、測定条件は、溶離液に臭化リチウムを溶解させたジメチルホルムアミド(臭化リチウム濃度=0.6重量%)を用い、1ml/minの流量で25℃であった。
その結果、実施例1において、線状高分子の重量平均分子量は約36800、数平均分子量は約22500、環状高分子の重量平均分子量は約27200、数平均分子量は16800であった。このことから環状高分子ができていることを確認した。
(特性評価)
得られた線状高分子と環状高分子の溶融粘度と耐熱性及び熱安定性を測定した。耐熱性はガラス転移温度と熱膨張率を指標とし、熱安定性は熱分解温度を指標とした。
[溶融粘度]
溶融粘度はResearch Equipment社製 PLATE VISCOMETERを用いて200℃にて測定した。
[ガラス転移温度]
環状高分子及び線状高分子のガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量測定)により、測定はPERKIN-ELMER社製、DSC7を用いて行った。窒素気流下にて昇温速度10℃/minの速度で、25℃より加熱を開始し、270℃まで昇温した後、10℃/minの冷却速度で25℃まで冷却し、その後、再度同様の操作を繰り返し、2回目の測定データからガラス転移温度を決定した。ガラス転移温度は、2回目の加熱時の吸熱ピークの開始点とした。
[熱膨張率]
環状高分子及び線状高分子の熱膨張率は、TMA(熱機械分析)により、測定はRIGAKU社製、TMA8140を用いて行った。窒素気流下に昇温速度10℃/minの速度で、25℃より加熱を開始し、200℃まで昇温した。30℃から110℃までの膨張率の平均値を熱膨張率とした。
[熱分解温度]
環状高分子及び線状高分子の熱分解温度は、TG/DTA(示差熱熱重量同時測定)により、測定はSEIKO INSTRUMENT社製、TG/DTA6300を用いて行った。空気気流下に昇温速度10℃/minの速度で、25℃より加熱を開始し、600℃まで昇温した。加熱に伴い重量減少が始まり5重量%重量が減少した温度を熱分解温度とした。
[実施例2]
(線状高分子の合成)
実施例1と全く同様に行った。得られた線状高分子の数平均分子量は約22500、重量平均分子量は約36800であった。
(環状高分子の合成)
添加するセバコイルクロライドの量を0.319gにした以外は、実施例1と全く同様に行った。得られた環状高分子の数平均分子量は約16700、重量平均分子量は約27100であった。
(環状高分子組成物の製造)
添加するジメチルシリコーンの分子量を10000に変えたこと以外は、実施例1と全く同様に行った。
(分析)
実施例1と全く同様に行った。
(特性評価)
実施例1と全く同様に行った。
[実施例3]
(線状高分子の合成)
実施例1と全く同様に行った。得られた線状高分子の数平均分子量は約22500、重量平均分子量は約36800であった。
(環状高分子の合成)
添加するセバコイルクロライドの量を1.5gにした以外は、実施例1と全く同様に行った。得られた環状高分子の数平均分子量は約16400、重量平均分子量は約26900であった。
(環状高分子組成物の製造)
実施例1と全く同様に行った。
(分析)
実施例1と全く同様に行った。
(特性評価)
実施例1と全く同様に行った。
[比較例1]
(線状高分子の合成)
実施例1と全く同様に行った。得られた線状高分子の数平均分子量は約22500、重量平均分子量は約36800であった。
(環状高分子の合成)
実施例1と全く同様に行った。得られた環状高分子の数平均分子量は約16800、重量平均分子量は約27200であった。
(環状高分子組成物の製造)
ジメチルシリコーンを添加しないこと以外は、実施例1と全く同様に行った。
(分析)
実施例1と全く同様に行った。
(特性評価)
実施例1と全く同様に行った。
[比較例2]
(線状高分子の合成)
実施例1と全く同様に行った。得られた線状高分子の数平均分子量は約22500、重量平均分子量は約36800であった。
(環状高分子の合成)
実施例1において、セバコイルクロライドを添加しないこと以外は同様の操作を行った。セバコイルクロライドが存在しないため、環状構造にはなりえないことを確認するための具体例である。得られた高分子の数平均分子量は約22500、重量平均分子量は約36800であった。
(分析)
実施例1と全く同様の方法で行った。
(特性評価)
実施例1全く同様の方法で行った。
[比較例3]
(線状高分子の合成)
実施例1と全く同様に行った。得られた線状高分子の数平均分子量は約22500、重量平均分子量は約36800であった。
(環状高分子の合成)
実施例1において、セバコイルクロライドを19.13g添加したこと以外は同様の操作を行った。得られた環状高分子の数平均分子量は約23100、重量平均分子量は約38900であった。
(分析)
実施例1と全く同様の方法で行った。
(特性評価)
実施例1全く同様の方法で行った。
上記実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例3により作製された環状高分子、線状高分子について得られた結果を表1に示す。
Figure 2008038009
以上のように、本発明の環状構造高分子組成物により、靱性を維持しつつ、Tgの向上、ならびに熱膨張率および溶融粘度の低減を達成することができた。

Claims (12)

  1. 主鎖を構成する繰り返し単位中にアミド結合が2個以上からなるポリアミド系線状高分子の両末端又はその近傍同士を同一分子内において共有結合で結合させた環状構造である環状高分子に、線状シリコーン系化合物を添加することを特徴とする環状構造高分子組成物の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法により得られる環状構造高分子組成物。
  3. 前記線状高分子が単量体をつなぐ結合がアミド結合のみからなることを特徴とする請求項1に記載の環状構造高分子組成物の製造方法。
  4. 請求項3に記載の製造方法により得られる環状構造高分子組成物。
  5. 前記線状高分子の主鎖を構成する繰り返し単位が芳香族分子と脂肪族分子とからなることを特徴とする請求項1または3に記載の環状構造高分子組成物の製造方法。
  6. 請求項5に記載の製造方法により得られる環状構造高分子組成物。
  7. 前記線状高分子の主鎖を構成する繰り返し単位が脂肪族分子からなることを特徴とする請求項1または3に記載の環状構造高分子組成物の製造方法。
  8. 請求項7に記載の製造方法により得られる環状構造高分子組成物。
  9. 前記線状高分子の主鎖を構成する繰り返し単位の芳香族からなることを特徴とする請求項1または3に記載の環状構造高分子組成物の製造方法。
  10. 請求項9に記載の製造方法により得られる環状構造高分子組成物。
  11. 請求項2、4、6、8および10のいずれか1項に記載の環状構造高分子組成物と前記線状高分子と、少なくとも1種の混合可能な他種高分子との混合物であることを特徴とする高分子混合物。
  12. 酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含有することを特徴とする、請求項2、4、6、8および10のいずれか1項に記載の環状構造高分子組成物または請求項11に記載の高分子混合物。
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