
SharePointサイトを削除したいのに、設定メニューのどこに削除ボタンがあるのか見つけられない。削除を実行すると、紐づいているTeamsのチャネルやファイルまで消えてしまうのではないか。こうした不安から、不要なサイトをそのまま放置してしまう担当者は少なくありません。
本記事では、SharePointサイトの削除手順を、チームサイトとコミュニケーションサイトの種類別に解説します。削除できない場合の原因と対処法、Microsoft Teamsと連携しているサイトを削除する際の影響範囲、誤って削除したサイトを復元する方法、さらに管理者向けのPowerShellを使った一括削除まで、実務で必要な知識を網羅しています。
削除前の準備として確認すべきポイントや、削除後のごみ箱の仕組みについても触れますので、安心して操作を進められるようになるでしょう。
SharePointサイトの削除手順

SharePointサイトを削除するには、サイトの種類に応じた基本操作を理解しておく必要があります。この章では、チームサイトとコミュニケーションサイトそれぞれの削除フローと、削除前に行うべき準備作業の順に見ていきます。
チームサイトを削除する具体的な手順
チームサイトは、Microsoft 365グループに接続された形で作成されるサイトです。削除を実行する際は、画面右上の設定アイコン(歯車マーク)をクリックし、「サイト情報」を選択します。表示されたパネルの下部に「サイトを削除」ボタンが表示されるので、これをクリックすることで削除フローに進みます。
チームサイトを削除すると、紐づくMicrosoft 365グループ全体が削除対象となる点に注意が必要です。グループに含まれるOutlookのメールボックスやPlannerのタスク、Teamsのチャネルなども連動して削除されます。削除を実行する前に、影響範囲を必ず確認してください。

コミュニケーションサイトを削除する手順
コミュニケーションサイトは、Microsoft 365グループに依存しない単体のサイトとして作成されます。削除の操作手順はチームサイトと同様で、設定アイコンから「サイト情報」へ進み、「サイトを削除」ボタンをクリックします。
コミュニケーションサイトはグループ管理ではないため、サイト単体での削除が比較的容易に行えます。他のアプリケーションへの連鎖的な影響が少ないことが特徴です。ただし、サイト内に保存されているドキュメントやリストは、削除とともにアクセス不能になるため、必要なデータは事前にバックアップを取っておきましょう。
削除前の準備:不要ファイルの整理とバックアップ
サイト削除後の情報紛失を防ぐため、削除前の準備作業は欠かせません。まず、サイト内のドキュメントライブラリを確認し、必要なファイルを他の場所へ移動します。OneDrive for BusinessやTeamsの別チャネル、あるいは他のSharePointサイトへコピーしておくことで、データの消失を防げます。
また、サイト内に蓄積された重要な知見やナレッジは、削除前に社内wikiなどの別のツールへ移行しておくことが推奨されます。検索可能な状態でストックすることで、組織全体の知識資産として活用し続けることができます。
特にマニュアルや業務ノウハウなどのストック情報は、ファイルサーバーやSharePointの奥深くに埋もれがちです。削除を機に、強力な検索機能を持つNotePMなどの社内wikiへ移行しておけば、削除後も資産としてスムーズに活用できます。
SharePointサイトが削除できない原因と対処法

削除オプションが表示されない、またはエラーで削除できない場合、主な原因として権限不足、保持ポリシーの適用、ルートサイトの制限などが考えられます。この章では、各ケースの診断方法と解決策を順に解説します。
削除に必要な権限と確認方法
SharePointサイトを削除するには、「サイト所有者」以上の権限が必要です。権限がない場合は、管理センターでの操作が必須となります。現在のユーザーが削除実行に必要な権限を持っているか確認するには、サイト設定の「サイトの権限」から、自身が所有者グループに含まれているかを確認してください。

所有者グループに含まれていない場合は、サイトの所有者またはMicrosoft 365の全体管理者に依頼して、権限を付与してもらう必要があります。組織によっては、セキュリティポリシーにより一般ユーザーにサイト削除権限を付与しない運用としている場合もあるため、社内のIT部門に確認してください。
保持ポリシーとルートサイトの制限
コンプライアンス設定による保持ポリシーが適用されている場合、サイトを削除できないことがあります。保持ポリシーが適用されている場合、まずMicrosoft Purviewコンプライアンスセンターでポリシーを解除する必要があります。解除には全体管理者またはコンプライアンス管理者の権限が必要です。
また、テナントのルートサイト(組織のSharePointドメイン直下のサイト)は、仕様上削除できません。ルートサイトは組織全体の基盤となるサイトであり、削除ではなく別のサイトへの置き換えのみが可能です。ルートサイトを変更したい場合は、SharePoint管理センターから「ルートサイトの置き換え」機能を使用してください。
よくあるエラーメッセージと解決策
削除時に頻出するエラーメッセージとして、「サイトがロックされています」「アクセスが拒否されました」「このサイトは削除できません」などがあります。以下の表に、代表的なエラーと対処法をまとめました。
| エラーメッセージ | 原因 | 対処法 |
| サイトがロックされています | 管理者がサイトロック状態を設定している | SharePoint管理センターでロック状態を解除 |
| アクセスが拒否されました | 削除に必要な権限がない | サイト所有者または管理者に権限付与を依頼 |
| このサイトは削除できません | 保持ポリシーが適用されている、またはルートサイト | コンプライアンスセンターでポリシー解除、またはルートサイトの置き換え |
エラーメッセージの内容を確認し、上記の対処法を試してください。それでも解決しない場合は、Microsoft 365の監査ログを確認して、誰がサイトに対してどのような操作を行ったかを追跡することも有効です。
Microsoft Teamsと連携しているサイトを削除する際の注意点

Teamsと連動しているサイトを削除した際の影響範囲を理解しておくことは、誤操作を防ぐために重要です。この章では、Microsoft 365グループの構造と削除時の連鎖的な影響、削除前に確認すべきチェックリストの順に見ていきます。
Microsoft 365グループ接続サイトの仕組み
Microsoft 365グループは、SharePoint、Teams、Outlook、Plannerなどの複数のアプリケーションを一つのグループとして統合する仕組みです。Teamsでチームを作成すると、自動的にSharePointサイトとOutlookのグループメールボックスが作成されます。これらは同一のグループIDで紐づいており、一つのグループが削除されると、SharePoint、Teams、Planner等の全データが連動して削除されます。
例えば、Teamsのチームを削除すると、そのチームに紐づくSharePointサイトも同時に削除されます。逆に、SharePointサイトを削除すると、対応するTeamsチームやOutlookグループも削除対象となります。この連動性を理解しておかないと、意図しないデータ消失が発生する可能性があります。
削除時の影響範囲と連鎖削除の詳細
Teams連携サイトを削除すると、対応するチームやチャネルのファイルもすべてアクセス不能になります。具体的な影響範囲を以下の表にまとめました。
| アプリケーション | 削除される内容 | 削除後の復元可否 |
| SharePoint | サイト全体、ドキュメントライブラリ、リスト | 93日間はごみ箱から復元可能 |
| Teams | チーム、チャネル、チャット履歴、ファイル | 93日間はごみ箱から復元可能 |
| Outlook | グループメールボックス、予定表 | 93日間はごみ箱から復元可能 |
| Planner | プラン、タスク | 93日間はごみ箱から復元可能 |
| OneNote | 共有ノートブック | 93日間はごみ箱から復元可能 |
このように、一つのサイトを削除するだけで、複数のアプリケーションに保存されたデータが一斉に削除されます。削除を実行する前に、チームメンバーへの周知と、必要なデータのバックアップを必ず行ってください。
こうした連鎖削除のリスクを避けるためには、日頃から情報の置き場所を整理しておくことが有効です。フロー情報はTeams、ストック情報はNotePMのようにツールを使い分けることで、依存関係をシンプルに保ち、サイト削除時の影響範囲を最小限に抑えることができます。
削除前の確認チェックリストと代替手段
削除を実行する前に、以下のチェックリストを確認してください。
- サイトがMicrosoft 365グループに接続されているか
- 紐づくTeamsチームが現在も使用されているか
- サイト内に重要なドキュメントやナレッジが保存されていないか
- 削除の影響を受けるメンバーへの周知が完了しているか
- 必要なデータのバックアップが完了しているか
削除の代わりに、「読み取り専用」への設定変更や、サイトのアーカイブ化を検討することも有効です。読み取り専用に設定すれば、データは保持したまま新規投稿を防止できます。
また、Teamsのアーカイブ機能を使えば、チームを非アクティブ化しつつデータを保持することが可能です。完全削除は最後の手段として、まずは代替手段を検討してください。
削除したSharePointサイトを復元する方法とごみ箱の仕組み

誤って削除したサイトやファイルを復元する手順を理解しておくことは、万が一の事態に備えるために重要です。この章では、SharePoint特有の2段階のごみ箱システムと保持期間、復元の具体的な手順、ストレージ容量への影響の順に見ていきます。
SharePointのごみ箱の仕組みと保持期間

SharePointには、第1段階と第2段階の2つのごみ箱が存在します。ユーザーがサイトやファイルを削除すると、まず第1段階のごみ箱(サイトのごみ箱)に移動します。ユーザーが第1段階のごみ箱を空にすると、アイテムは第2段階のごみ箱(サイトコレクションのごみ箱)に移り、管理者が管理することになります。
削除されたサイトは最大93日間ごみ箱に保持され、その期間内であれば管理者による復元が可能です。93日を経過すると、アイテムは完全に削除され、復元できなくなります。この保持期間は、組織のポリシーによって変更されている場合もあるため、管理者に確認してください。
ごみ箱内のアイテムは、ストレージ容量を消費します。削除したファイルやサイトは、ごみ箱に保持されている間も、組織のストレージクォータにカウントされます。そのため、ストレージ容量が逼迫している場合は、ごみ箱の完全削除を検討する必要があります。
削除したサイトを復元する具体的な手順

削除したサイトを復元するには、SharePoint管理センターを使用します。以下の手順で復元を実行してください。
- Microsoft 365管理センターにアクセスし、「すべてを表示」から「SharePoint」を選択
- SharePoint管理センターの左側メニューから「サイト」→「削除済みのサイト」を選択
- 復元したいサイトをリストから選択し、チェックボックスにチェックを入れる
- 上部のツールバーから「復元」をクリック
- 確認ダイアログが表示されるので、「復元」をクリックして実行
復元は即時に実行され、サイトは削除前の状態に戻ります。ただし、削除から93日を経過している場合は、リストに表示されず復元できません。定期的にごみ箱を確認し、必要なサイトは早めに復元してください。
ごみ箱からの完全削除とストレージ容量への影響
ストレージ容量が不足している場合、ごみ箱内のアイテムを完全削除することで容量を確保できます。完全削除を実行するには、SharePoint管理センターの「削除済みのサイト」から対象サイトを選択し、「完全に削除」をクリックします。
ストレージ不足時はごみ箱の完全削除が有効ですが、実行後は一切の復元ができなくなる点に留意してください。完全削除を実行する前に、本当に不要なサイトかどうかを慎重に確認し、必要に応じてバックアップを取得してください。
また、組織全体のストレージ容量を定期的に監視し、不要なサイトやファイルを計画的に削除していくことが、長期的なストレージ管理には重要です。定期的な棚卸しを実施し、使用されていないサイトを洗い出す運用を確立してください。
SharePointサイト削除の手順と注意点まとめ

本記事では、SharePointサイトの削除手順を、チームサイトとコミュニケーションサイトの種類別に解説しました。削除前には必ずMicrosoft 365グループとの連携状況を確認し、影響範囲を把握してください。必要なナレッジは別のツールへ退避させる習慣をつけることで、誤削除によるデータ消失を防ぐことができます。
削除できない場合の主な原因は、権限不足、保持ポリシーの適用、ルートサイトの制限です。エラーメッセージの内容を確認し、適切な対処法を実施してください。削除したサイトは93日間ごみ箱に保持されるため、誤削除に気づいた場合は速やかに復元操作を行いましょう。
管理者は、PowerShellを活用した一括削除や、ライフサイクル管理の自動化を検討してください。定期的な棚卸しと監査ログの確認により、組織全体のサイト管理を効率化できます。削除は最後の手段として、まずは読み取り専用設定やアーカイブ化などの代替手段を検討することをお勧めします。