YouTubeにて、ドキュメンタリー映画『ゆきゆきて、神軍』が無料公開されている。本作は、自らを「神軍平等兵」と称したアナーキスト・奥崎謙三氏を追った作品だ。
奥崎氏は、ニューギニア戦線で生き残った元兵士。終戦後23日が経ってから現地で2人の兵士が射殺された事件をめぐり、当時の上官たちを訪ねて真相を問いただしていく。
作中では、神戸市で妻とバッテリー商を営む奥崎氏が、「神軍」の旗を掲げた車で各地を訪れ、天皇の戦争責任を追及していく姿が映されている。さらに、元兵士たちへの聞き取りを通じて、終戦後に起きた事件の経緯や、戦場での出来事も明らかになっていく。
その過程では、奥崎氏が話し相手に暴力を振るう場面や、警察官を叱咤する場面も収められている。事件の追及と、奥崎氏自身の過激な行動があわせて映し出される。
本作は1987年に公開され、ベルリン国際映画祭にて「カリガリ映画賞」や「日本映画監督協会新人賞」などを受賞。キネマ旬報ベスト・テンでは1987年の日本映画第2位に選出されている。
監督の原一男氏は本作以降も、作家・井上光晴氏を追った『全身小説家』や、水俣病をめぐるドキュメンタリー『水俣曼荼羅』などを発表している。
『ゆきゆきて、神軍』はYouTubeにて無料公開中だ。