子供の就職活動は、家族にとって大きなライフイベントです。近年の新卒採用において、就活生の親の存在と影響力は無視できないものとなっています。大学の入学式・卒業式、さらには子供の就職企業説明会に親が参加する。ひと昔前には考えられなかったこの現象に違和感を覚える方もいるかもしれません。
人手不足を背景に「売り手市場」が続く中、企業は内定辞退への対策を強化しています。採用選考が対面からオンラインへと大きくシフトしたことで、学生との接点が希薄化したコロナ禍を経て、内定前から学生への好意を醸成する取り組みも進み、保護者に対しても積極的にアプローチする企業が増えています。
子供にとって最も身近なロールモデルである保護者は、アドバイザーとしても就職活動に密接に関わっています。採用活動において、親の心を知ることは、学生の心を知ることに繋がると言えるでしょう。
企業、保護者の意見も意識
マイナビキャリアリサーチラボ 研究員
長谷川洋介氏
新卒採用領域の研究員として、就活生の保護者を対象にした意識調査や、大学生のライフスタイルや就職意識に関する調査、企業を対象にした新卒採用状況調査などを担当。
当社の「2023年度就職活動に対する保護者の意識調査 」によると、保護者が子供から就職活動について相談を受けた割合は例年7割前後とそれほど変わらずに推移している。一方で、今の学生の保護者は、自らの就職活動がバブル期、就職氷河期だった世代が混在しているのが特徴だ。
バブル期の世代は今が売り手市場だといっても自分の頃より大変なのではないかという印象があり、氷河期の世代は子供には自分のような大変な思いをせず、安定した企業に勤めてもらいたいという思いがある。就活に関する情報の収集元でも「子供から得る情報」の割合は新型コロナウイルス禍前の17年度の調査に比べ伸びている。
当社が行う「2024年卒大学生のライフスタイル調査 」によると、保護者に就活の相談をする学生は増える傾向にある。少子化もあり、以前に比べ親子が友達のような密な協力関係に変化するなかで、相談しやすい環境になっているのではないか。
企業側も学生の意思決定に保護者の影響が強く出ていると感じている。
企業側の採用活動について聞く「2025年卒企業新卒採用活動調査 」で就活生の保護者向けアプローチをした企業に理由を聞いた。最も多かったのが「内定辞退対策」、2番目が「保護者の意見を重視する学生が多いと感じるから」だった。具体的なエピソードを聞く質問では、いろいろな理由による保護者の反対で内定を断られたという話もあった。
売り手市場の中で、特にコロナ禍において、説明会や面接でオンラインが増え、しっかりとコミュニケーションがとれているのかという不安が企業側にあったと考えられる。 23年度の保護者向け調査では「保護者の皆様に以下のような連絡がきたことはありましたか」との質問で6つの選択肢から選んでもらい「内定確認の連絡」が52.4%と最も多かった。
質問の仕方が異なるが、コロナ禍前の18年度の調査では「保護者の皆様に対して内定確認の連絡がきたことはありましたか」という質問に「ある」と答えたのは17.7%だった。
企業側が学生だけでなく保護者にも気を配って関係性をより強固にしておきたいという姿勢があるのではないかと感じている。
学生は就職先として不安を感じることもあるかもしれない。働く環境など自社のことを知ってもらうコミュニケーションを、保護者と合わせて3方向で取ることで、不安を払拭し、就職のミスマッチを減らすことにもつながる。
日本経済新聞社が「子供の就職・離職に関する調査」を実施
日本経済新聞社では、9月に「子供の就職・離職に関する調査」を実施。15歳~29歳の子を持つ親40,080名のうち、7,219名(有効回答18.0%)に対して、インターネットで子供の就職活動に対する意識調査を実施しました。
意識調査では、子供の「就職活動への関心」「就職選びに期待すること」「就職する企業選定時にする行動」「就職先企業に期待すること」など、就職活動に関する設問に加えて、近年増加傾向にある早期離職者を意識した質問を実施。信頼できる広告掲載媒体についても聞きました。あわせて、株価指標「JPX日経インデックス400」の銘柄企業400社について、「ぜひ子供に就職してほしい」「就職してほしい」などの項目で、子供が就職する際の企業に対するイメージも回答してもらいました。(上位40位のランキングは日経BizGateに掲載)
本意識調査の詳細はホワイトペーパーにまとめましたので、以下のリンクよりダウンロードください(ダウンロードの際に個人情報を入力いただきます)。400社の企業に対するイメージについて知りたい当該企業のご担当者様には、弊社営業担当者より概要をご説明いたします。是非、お問い合わせください。