OpenAIの最高技術責任者が独立して会社を設立
暴露される社内恋愛、権力闘争、裏切り……。
OpenAIやアンソロピックに対抗するAIスタートアップの内輪揉めがシリコンバレーで格好のゴシップ・ネタとなっている。
言わばハイテク版ソープ・オペラ(愛憎劇)の舞台となったのは、2024年9月までOpenAIのCTO(最高技術責任者)を務めていたミラ・ムラティ氏らが同社を辞めて共同創業したThinking Machine Lab(TML)社だ。
同社は「人間が理解・制御し、正しく関係を結べる安全な汎用AI」の実現を目指して2025年2月に設立され、そのCEO(最高経営責任者)にはムラティ氏が就任した。
ムラティ氏はOpenAI在籍時から、我の強い技術者達をまとめあげる管理能力で定評があった。やがて2023年9月に起きたサム・アルトマンCEOの追放劇(社内クーデター)で暫定CEOに就任して、一躍世間にその名を知られることになった。
このように実力もネーム・バリューもある彼女が立ち上げた会社とあって、TMLは設立当初から投資家の間で多大な注目を集めた。昨年7月には大手VC(ベンチャー・キャピタル)のアンドリーセン・ホロウィッツ等から、総額20億ドル(3000億円以上)ものシード資金を調達した。
これによってTMLの時価総額(企業価値)はいきなり120億ドル(1兆8000億円以上)に達した。この時点で同社は創業から僅か5か月、しかも一つの製品も出していなかっただけに、昨今の生成AIブームに沸くシリコンバレーにあっても異例の出来事と見なされた。