前編記事『軍幹部5人が次々に粛清され集権化は進み…ボロボロの経済を無視して「軍事優先」に走る習近平の狂気』で見てきたように、中国では1月24日に人民解放軍制服組のトップ張又侠・中央軍事委員会副主席が重大な規律・法律違反の疑いで調査されることが報じられた。
社会の底が抜ける
米クレアモント・マッケナ大学のミンシン・ペイ教授の主張によれば、同時期に始まった第15次5カ年計画、重点の一つが戦争動員能力の向上にある。
粛清により中国軍部の最高指導期間、中央軍事委員会のメンバーは7人からトップの習近平を入れ2人に減り、図らずも習近平への集権化が進んだ。すべてにおいて軍事を優先する「先軍政治」に突き進むように見える中国だが、それを支える足元の経済は揺らぎ始めている。
仏国際放送局RFIは1月21日、「中国の問題は、単なる格差の拡大だけではなく、経済のエンジンと国民生活が完全に逆方向に向かう『K字型』化にある」と報じた。RFIによれば、K字型の上昇ラインを描くのは活況を呈する生産現場と輸出産業である一方、下降ラインは状況が悪化し続ける内需と社会基盤だ。
デフレ化どころか、社会の底が抜けてしまう可能性も排除できなくなっているのだ。
この傾向が特に顕著なのが若年層だ。
中国政府が22日に発表した昨年12月の若年失業率(大学在学者を除く16~24歳)は16.5%と前月の16.9%から低下した。
だが、雇用統計は農民工(出稼ぎ労働者)を除外しているため、専門家は「実態はさらにひどい」と危機感を露わにしている。