NPO法人『福祉広場』代表の池添素さんは、不登校や発達障害の子どもと親にかかわり続けて40年、子どもの不登校に悩み苦しむ親たちを支えている。
その池添さんと出会った家族と池添さんに、ジャーナリストの島沢優子さんが取材する連載 「不登校と向き合うあなたへ~待つ時間は親子がわかり合う刻~」 第14回では、池添さんと出会い、その考え方に衝撃を受けたという小学校の校長・牧紀彦さんについてお伝えしている。
牧さんは、息子と行った福祉広場で池添さんの子どもや不登校児への考え方に触れたことを「カルチャーショックを受けた」と語る。さらに、息子の変化を目の当たりにし、驚く牧さん。前編 【「カルチャーショックを受けた」公立小の校長が「不登校児童のためのE組」をつくった理由】 では、「学校は今のやり方ではもう通用しないのでは」と考えるきっかけになった池添さんとの出会いについてお伝えした。
後編では、牧さんが子どもたちと向き合うなかで考え、実践した学校改革について。子どもたちとの具体的なエピソードとともにジャーナリストの島沢優子さんがレポートする。
目標は大人が決めるものではない
「子どもが力を蓄えるために、学校ができることは何だろう」
「何かスイッチを作りたい」
考え続けた牧さんの結論はこれだ。
「全員に当てはまるスイッチは絶対ないんや。可能な限りたくさんのスイッチを用意しよう」
池添さんにインスパイアされ、地域で豊かな人材との縁もあって不登校の子どもが通う教室「E組」をつくった。スタートから1年半。それまで学校に来られなかった不登校の子たちが、E組に来られるようになってきた。
「ここやったら行ってみようかな」
そんなことが言えるようになった。子どもたちは皆自信をつけつつある。校長の牧紀彦さんによると、当初はビクビクしながら学校に来ていた子どもたちが「僕ら、ここにいていいんや、といった感じで安心した表情を見せるようになった」という。E組ができたことで「学校に行ってみようかな」というスイッチが入ったのだ。
連載「不登校と向き合うあなたへ~待つ時間は親子がわかり合う刻~」に大幅な加筆修正を加えた書籍『不登校から人生を拓く――4000組の親子に寄り添った相談員・池添素の「信じ抜く力」』が9月4日に発売します。
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発達障害や不登校などに悩む親子と40年以上向き合い、4000組以上の親子に寄り添ってきた池添素さん。京都市職員として児童福祉センター療育課などで勤務した後、子ども支援の福祉施設を仲間ととともに立ち上げました。高い専門性に裏付けられた池添さんの実践と珠玉の言葉の数々を、約20年追ったジャーナリスト島沢優子さんによる渾身のルポルタージュ。不登校の親子だけでなく、子育てに迷うすべての人に贈る一冊です。
本記事は大幅に加筆修正のうえ『不登校から人生を拓く――4000組の親子に寄り添った相談員・池添素の「信じ抜く力」』に収録されています。